(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】成形装置
(51)【国際特許分類】
B28B 13/02 20060101AFI20240514BHJP
B28B 7/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B28B13/02
B28B7/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571614
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 GB2022051229
(87)【国際公開番号】W WO2022243663
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521100807
【氏名又は名称】ジェムテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】スタッキー マーク
(72)【発明者】
【氏名】ウェブスター クリストファー
【テーマコード(参考)】
4G053
4G055
【Fターム(参考)】
4G053AA01
4G053DA02
4G055AA08
4G055CA21
(57)【要約】
第一及び第二の部品を含む金型をドージング部分に送達する装置。この装置は、対向する第一及び第二のリテーナ部材(106a、106b)を含む方向転換コンベヤ部分(102)を含む。第一及び第二のリテーナ部材(106a、106b)の少なくとも一方はコンベヤを含む。第一及び第二のリテーナ部材(106a、106b)は、両者間に間隔を形成すように動作可能であり、方向転換コンベヤ部分(102)は、第一及び第二のリテーナ部材(106a、106b)が第一の向きにあるときに金型(20)を第一及び第二のリテーナ部材(106a、106b)間の間隔の中に受け、その後、金型(20)の第一の部品(400)を金型の第二の部品(500)に関して同じ位置に実質的に保持しながら、第一及び第二のリテーナ部材(106a、106b)を第二の向きに移動させるように動作可能である。装置は、金型分離部分をさらに含む。方向転換コンベヤ部分は、第一及び第二のリテーナ部材が第二の向きにあるときに、金型を金型分離部分へと少なくとも部分的に排出するように動作可能である。金型分離部分は、金型の第一及び第二の部品の少なくとも部分的分離を作動させるように動作可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一及び第二の部品を含む金型をドージング位置に送達する装置であって、前記装置は、
対向する第一及び第二のリテーナ部材を含む方向転換コンベヤ部分を含み、前記第一及び第二のリテーナ部材の少なくとも一方はコンベヤを含み、前記第一及び第二のリテーナ部材は、両者間に間隔を形成するように動作可能であり、前記方向転換コンベヤ部分は、前記第一及び第二のリテーナ部材が第一の向きにあるときに前記第一及び第二のリテーナ部材間の前記間隔内に前記金型を受け、その後、前記金型の前記第一の部品を前記金型の前記第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持しながら、前記第一及び第二のリテーナ部材を第二の向きに移動させるように動作可能であり、前記装置は、
金型分離部分をさらに含み、前記方向転換コンベヤ部分は、前記第一及び第二のリテーナ部材が前記第二の向きにあるときに前記金型を前記金型分離部分へと少なくとも部分的に排出するように動作可能であり、前記金型分離部分は、前記金型の前記第一及び第二の部品の少なくとも部分的な分離を作動させるように動作可能である装置。
【請求項2】
前記対向する第一及び第二のリテーナ部材間の前記間隔を第一の距離まで付勢するように動作可能な付勢部材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記付勢部材は、前記対向する第一及び第二のリテーナ部材が前記第一の向きから前記第二の向きに移動する間に、前記金型の前記第一の部品を前記金型の前記第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持するのに十分な力を加えるように動作可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記付勢部材はばね式である、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
成形組成物を前記金型内に分注するように動作可能なドージング部材をさらに含む、請求項1~4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記ドージング部材は、液体セラミック組成物、例えばゲルキャスト組成物を分注するように動作可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ドージング部材は、前記金型上方で横方向に移動するように動作可能である、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記金型を前記方向転換コンベヤ部分へと送給するように動作可能なインフィードコンベヤ部分をさらに含む、請求項1~7の何れか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記方向転換コンベヤ部分から排出された金型を受け、移動させるように動作可能なアウトフィードコンベヤ部分をさらに含む、請求項1~8の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記方向転換コンベヤ部分の前記第一及び第二のリテーナ部材はコンベヤを含む、請求項1~9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記コンベヤはベルトコンベヤを含む、請求項1~10の何れか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記第一及び第二のリテーナ部材の前記コンベヤは、同じ速度で移動するように動作可能である、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記方向転換部分、インフィードコンベヤ、及び/又はアウトフィードコンベヤの前記コンベヤは、少なくとも0.1Nm、例えば少なくとも0.15Nmのトルクを提供するように動作可能である、請求項1~12の何れか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記方向転換コンベヤ部分の前記第一及び第二の向き間の角度は30~90°、例えば50~90°、又は70~90°、例えば実質的に90°である、請求項1~13の何れか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記方向転換コンベヤ部分は、その周囲で前記方向転換コンベヤ部分が回転するように動作可能なピボット点を含む、請求項1~14の何れか1項に記載の装置。
【請求項16】
ピボット点は、前記方向転換コンベヤ部分の横方向の中心線の付近の、ただしそこからオフセットされた、前記方向転換コンベヤ部分の一方の端から遠い、横方向に延びるピボット点である、請求項16に記載の装置。
【請求項17】
前記方向転換コンベヤ部分は、前記第一及び第二のリテーナ部材が前記第二の向きにあるとき、前記第一及び第二の金型の部品の必要な相対的アラインメントを保持しながら、前記金型を前記金型分離部分へと、少なくとも500mm/分の速度、例えば少なくとも750mm/分、例えば少なくとも1000mm/分の速度で少なくとも部分的に排出するように動作可能である、請求項1~16の何れか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記方向転換コンベヤ部分は、前記部分的に排出された金型の前記方向転換コンベヤ部分への少なくとも部分的再把持を駆動し、前記金型の前記第一及び第二の部品が少なくとも部分的に再閉鎖するように動作可能である、請求項1~17の何れか1項に記載の装置。
【請求項19】
第一及び第二の部品を含む金型をさらに含む、請求項1~18の何れか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記金型はリザーバ形成部材を含み、前記金型は、前記第一及び第二の部品が少なくとも部分的に離間されて、前記リザーバ部材がリザーバキャビティを形成し、前記金型キャビティが開放する開位置から、前記リザーバキャビティの位置が前記金型キャビティに関して移動し、及び/又は前記リザーバキャビティの容積が減少する部分的閉位置へ、その後、前記第一及び第二の部品が係合して、前記金型キャビティが閉じる閉位置へと移動するように動作可能である、請求項1~19の何れか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記第一及び/又は第二の金型部品は弾性変形可能である、請求項1~20の何れか1項に記載の装置。
【請求項22】
請求項1~21の何れか1項に記載の装置を使用した、第一及び第二の部品を含む金型へのドージング方法であって、
(a)前記第一及び第二のリテーナ部材が第一の向きにあるとき、前記金型を前記第一及び第二のリテーナ部材間の前記間隔の中に配置するステップと、
(b)前記金型の前記第一の部品を前記金型の前記第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持しながら、前記第一及び第二のリテーナ部材を第二の向きに移動させるステップと、
(c)前記金型を金型分離部分へと少なくとも部分的に排出して、前記金型の前記第一及び第二の部品の少なくとも部分的分離が起こるようにするステップと、
(d)前記金型に成形組成物をドージングするステップと、
を含む方法。
【請求項23】
(e)前記第一及び第二のリテーナ部材は前記金型を再把持して、前記金型の前記第一及び第二の部品が少なくとも部分的に再閉鎖するようにするステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
(f)前記金型の前記第一の部品を前記金型の前記第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持しながら、前記第一及び第二のリテーナ部材を再び前記第一の向きに、又は第三の向きに移動させるステップをさらに含む、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
(g)前記金型内の前記成形組成物を硬化させて、例えば成形体を形成するステップをさらに含む、請求項22~24の何れか1項に記載の方法。
【請求項26】
液体セラミック組成物から充填部材を製造するためのものである、請求項1~25の何れか1項に記載の装置又は方法。
【請求項27】
セラミック材料を含み、前記充填部材の外面上に表面構造をさらに含む充填部材を製造するためのものである、請求項26に記載の装置又は方法。
【請求項28】
ゲルキャスティングにより充填部材を製造するためのものである、請求項1~27の何れか1項に記載の装置又は方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填層のための充填部材の製造において使用される、金型をドージング位置に送達するための成形装置に関する。より具体的には、本発明は、水蒸気改質及び直接還元鉄の生産等のプロセスで使用されるセラミック触媒担体及び担持触媒の製造において使用される、多部式金型をドージング位置に送達する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水蒸気改質及び直接還元鉄の生産等の工業プロセスにおいて使用される金属触媒は、小さい粒子に細かく分割して金属の表面積を大きくすれば、より高活性となる。大きい金属表面積は、このような反応中、金属粒子を耐火性の担体に拡げることによって保持できる。こうしたプロセスで触媒担体を使用することの他の利点は、大量の豊富で安価な担体材料に分散させる、より高価な触媒金属が少量で済み、それによって商業規模で必要な触媒材料のコストが大幅に削減されることである。
【0003】
このような工業プロセスでの触媒用担体は典型的に、セラミック粉末の押出、ペレット化、又は造粒と、それに続く成形体の仮焼によって製作される。
【0004】
しかしながら、このような方法は限定的な担体形状及び物理的特性しか提供できない。例えば、このような担体は高い強度を実現するものの、それと引き換えに幾何学的表面が小さく、気孔率が低くなる。触媒用担体の形成プロセスはまた、時間がかかり、コスト高である可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、経済的に生産でき、所望の特性のよりよい組合せを有する改良された触媒用担体が求められている。
【0006】
したがって、触媒用担体を経済的に形成できる、時間とお金を節約し、自動化が可能なプロセスに対するニーズがある。そこで、本発明の態様の目的は、上記の、又はその他の問題の1つ又は複数に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様によれば、第一及び第二の部品を含む金型をドージング位置に送達する装置が提供され、この装置は、対向する第一及び第二のリテーナ部材を含む方向転換コンベヤ部分を含み、第一及び第二のリテーナ部材の少なくとも一方はコンベヤを含み、第一及び第二のリテーナ部材は、両者間に間隔を形成するように動作可能であり、方向転換コンベヤ部分は、第一及び第二のリテーナ部材が第一の向きにあるときに第一及び第二のリテーナ部材間の間隔内に金型を受け、その後、金型の第一の部品を金型の第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持しながら、第一及び第二のリテーナ部材を第二の向きに移動させるように動作可能であり、装置はさらに、金型分離部分をさらに含み、方向転換コンベヤ部分は、第一及び第二のリテーナ部材が第二の向きにあるときに金型を金型分離部分へと少なくとも部分的に排出するように動作可能であり、金型分離部分は、金型の第一及び第二の部品の少なくとも部分的な分離を作動させるように動作可能である。
【0008】
本発明の第二の態様によれば、第一及び第二の部品を含む金型を、第一の態様による装置を使ってドージングする方法が提供され、これは、
(a)第一及び第二のリテーナ間部材が第一の向きにあるときに、金型を第一及び第二のリテーナ部材間の間隔の中に配置するステップと、
(b)金型の第一の部品を金型の第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持しながら、第一及び第二のリテーナ部材を第二の向きに移動するステップと、
(c)金型を少なくとも部分的に金型分離部分の中に排出し、金型の第一の部品及び第二の部品の少なくとも部分的な分離が行われるようにするステップと、
(d)金型に成形組成物をドージングするステップと、
を含む。
【0009】
方法は、(e)第一及び備第二のリテーナ部材が金型を再把持して、金型の第一及び第二の部品の少なくとも部分的な再閉鎖が行われるようにするステップをさらに含み得る。
【0010】
方法は、(f)金型の第一の部品を金型の第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持しながら、第一及び第二のリテーナ部材を再び第一の向きに、又は第三の向きに移動させるステップをさらに含み得る。
【0011】
方法は、(g)金型内の成形組成物を硬化させて、成形体を形成するステップをさらに含み得る。
【0012】
本明細書における「ドージング位置」の使用は、金型が少なくとも部分的に開いた位置にあることを指し、そこでは第一及び第二の金型部品の一部が離間され、この開位置で、金型は、ドージング部材、例えば金型の上方に配置されたドージング部材からの成形組成物の一部を受けるように動作可能である。ドージング位置は、実質的に縦方向のドージング位置であり得る。ドージング位置では、第一及び第二の金型部品の少なくとも一部は当接していてよい。
【0013】
装置は、対向する第一及び第二のリテーナ部材間の間隔を第一の距離まで付勢するように動作可能な付勢部材をさらに含み得る。対向する第一及び第二のリテーナ部材間の間隔は、分離力の付与によって第一の距離より大きい第二の距離まで移動させられるように動作可能であり得る。第一の距離は、金型の厚さより小さくてよい。したがって、より厚い金型は分離力を提供し得て、それによって付勢部材は保持力を金型に加えることができ、分離距離は第一の距離に戻ろうとする。
【0014】
付勢部材は、対向する第一及び第二のリテーナ部材を第一の向きから第二の向きに移動させている間に、金型の第一の部品を金型の第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持するのに十分な力を加えるように動作可能であり得る。
【0015】
付勢部材はばね式であり得る。付勢部材は、例えば少なくとも3又は少なくとも4等、少なくとも2つのばね式支持バーを含み得る。付勢部材は、第一のリテーナ部材が第二のリテーナ部材の上方に配置されて、第二のリテーナ部材が第一のリテーナ部材から吊り下げられている場合、第二のリテーナ部材を第一のリテーナ部材から第一の距離に支持するように構成可能であり得る。
【0016】
装置は、ドージング部材をさらに含み得る。ドージング部材は、金型の中に成形組成物、適当なものとしては液体セラミック組成物を吐出するように動作可能であり得る。ドージング部材は、金型の上方で横方向に移動するように動作可能であり得る。有利な点として、これによって金型へのより均一な充填が可能となり得る。ドージング部材は、往復運動式供給ノズルを含み得る。ドージング部材は、ベルト駆動型であり得る。
【0017】
装置は、インフィードコンベヤ部分をさらに含み得る。インフィードコンベヤ部分は、金型を方向転換コンベヤ部分に送給するように動作可能であり得る。インフィードコンベヤ部分は、コンベヤベルトを含み得る。インフィードコンベヤ部分は、コンベヤの片側又は両側に沿ったランナ部材をさらに含み得て、それによって金型の横方向の移動が制限される。インフィードコンベヤ部分は担体上に配置され得て、インフィードコンベヤ部分の排出部分は方向転換コンベヤ部分と整列し、それによって金型は第一及び第二のリテーナ部材間の間隔の中に投入される。
【0018】
インフィードコンベヤ部分と方向転換コンベヤ部分は、金型をインフィードコンベヤ部分から第一及び第二のリテーナ部材間の間隔の中に、少なくとも約3500mm/分、典型的に少なくとも約4000mm/分、より典型的には少なくとも約4500mm/分の速度で投入するように動作可能であり得る。インフィードコンベヤ部分及び方向転換コンベヤ部分は、金型をインフィードコンベヤ部分から第一及び第二のリテーナ部材間の間隔に、6500mm/分未満、典型的には約6000mm/分未満、より典型的には約5500mm/分未満の速度で投入するように動作可能であり得る。インフィードコンベヤ部分及び方向転換コンベヤ部分は、金型をインフィードコンベヤ部分から第一及び第二のリテーナ部材間の間隔に、約3500~6500mm/分、典型的には約4000~6000mm/分、より典型的には約4500~5500mm/分の速度で投入するように動作可能であり得る。
【0019】
装置は、方向転換コンベヤ部分から排出される金型を受け入れるように動作可能なアウトフィードコンベヤ部分とさらに含み得る。アウトフィードコンベヤ部分は対向する第一及び第二のリテーナ部分を含み得て、対向するリテーナ部分は両者間に間隔を形成するように動作可能である。対向するリテーナ部分は、第一のリテーナ部分が第二のリテーナ部分の上方に位置付けられるように配置され得る。例えば圧縮ローラを含む第一のリテーナ部分は、金型がアウトフィードコンベヤ部分に沿って移動する間に、金型の第一の部品を金型の第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持するように動作可能であり得る。第二のリテーナ部分は、コンベヤベルトを含み得る。コンベヤベルトは、ハイグリップベルトを含み得る。ハイグリップベルトは溝を含み得る。
【0020】
方向転換コンベヤ部分及びアウトフィードコンベヤ部分は、金型を方向転換コンベヤ部分からアウトフィードコンベヤ部分に、少なくとも3000mm/分、典型的には少なくとも3500mm/分、より典型的には少なくとも4000mm分の速度で投入するように動作可能であり得る。方向転換コンベヤ部分及びアウトフィードコンベヤ部分は、金型を方向転換コンベヤ部分からアウトフィードコンベヤ部分に、6000mm/分未満、典型的に5500mm/分未満、より典型的には5000mm/分未満の速度で投入するように動作可能であり得る。方向転換コンベヤ部分及びアウトフィードコンベヤ部分は、金型を方向転換コンベヤ部分からアウトフィードコンベヤ部分に、約3000~6000mm/分の速度、典型的に約3500~5500mm/分の速度、より典型的には約4000~5000mm/分の速度で投入するように動作可能であり得る。
【0021】
方向転換コンベヤ部分、第一のリテーナ部材、第二のリテーナ部材、インフィードコンベヤ部分及び/又はアウトフィードコンベヤ部分のコンベヤは、従動コンベヤを含み得る。第一及び第二のリテーナ部材の何れもコンベヤを含み、どちらのコンベヤも従動コンベヤであり得る。
【0022】
方向転換コンベヤ部分、第一のリテーナ部材、第二のリテーナ部材、インフィードコンベヤ部分及び/又はアウトフィードコンベヤ部分のコンベヤは、モータ及びギアヘッドを使って駆動され得る。モータは、80~4000r/分の速度制御範囲を含み得る。モータは、±0.2%の速度調整率を含み得る。モータ速度は、約2000~4000r/分、典型的には約2500~約3500r/分、より典型的には約2800~約3200r/分であり得る。
【0023】
モータ及びギアヘッドは、速度範囲を通じて必要なトルクレベルを実質的に保持するように個動作可能であり得る。有利な点として、これによって金型を装置内で容易に移動させることができ、それによって必要な速度を実現できる。定格トルクは、約0.16~約0.22ニュートン/メートル(Nm)、典型的には約0.17~約0.21Nm、より典型的には約0.18~0.20Nmであり得る。
【0024】
有利な点として、付勢部材により生成される圧縮力と上述のトルクとの組合せによって、方向転換及び金型のドージング中に金型をよりよく制御し得る。
【0025】
方向転換コンベヤ部分は、第一の向きで金型を受け、第二の向きに移動して金型を金型分離部分の中に部分的に排出するように動作可能であり得る。第一及び第二の向きにおける方向転換コンベヤ部分の主軸、例えば方向転換コンベヤ部分の金型搬送方向に沿った軸、典型的には方向転換コンベヤ部分の長さ方向軸間の角度は30~90°、例えば50~90°、又は70~90°、例えば実質的に90°であり得る。方向転換コンベヤ部分の移動は、実質的に水平な向き(第一の向き)から実質的に垂直な向き(第二の向き)であり得る。方向転換コンベヤ部分は、金型を第一の向きに戻すよう動作可能であり得る。
【0026】
方向転換コンベヤ部分は、実質的に水平な向きから少なくとも80度、例えば実質的に水平な向きから少なくとも85°回転させられるように動作可能であり得る。典型的に、方向転換コンベヤ部分は、実質的に水平な向きから120°未満だけ回転させられるように動作可能であり得る。
【0027】
方向転換コンベヤ部分は、その横方向軸の周囲で回転するように動作可能であり得る。方向転換コンベヤ部分はピボット点を含み得て、方向転換コンベヤ部分はその周囲で回転するように動作可能である。ピボット点はオフセットされていてよい。ピボット点はオフセットされていてよく、それによってピボット点は方向転換コンベヤ部分に沿ってその端から離間されて配置される。方向転換コンベヤ部分はピボット点においてピボットシャフトを含み得て、及び/又は作動部材に連結されるように動作可能な部材であり得るピボットシャフトを受けるように動作可能であり得る。方向転換コンベヤ部分は、方向転換コンベヤ部分の両側に配置された、ピボットシャフトを受けるように動作可能な第一及び第二のピボット取り付け部材を含み得る。
【0028】
装置は、方向転換コンベヤ部分を回転させるように動作可能な作動部材をさらに含み得る。作動部材は、第一及び第二のリテーナ部材を横方向軸の周囲で回転させるように動作可能であり得る。作動部材は、並進運動、例えば直線運動を生じさせるように動作可能であり得、作動部材は方向転換コンベヤ部分に連結されて、アクチュエータの並進運動によって方向転換コンベヤ部分の回転運動が生じる。
【0029】
方向転換コンベヤ部分は、第一及び第二のリテーナ部材が第二の向きにあるとき、金型を金型分離部分に、少なくとも500mm/分の速度、典型的には少なくとも750mm/分の速度、より典型的には少なくとも1000mm/分の速度で少なくとも部分的に排出するように動作可能であり得る。方向転換コンベヤ部分は、第一及び第二のリテーナ部材が第二の向きにあるとき、金型を金型分離部分に、10000mm/分未満の速度、典型的には5000mm/分未満の速度、より典型的には2000mm/分未満の速度で少なくとも部分的に排出するように動作可能であり得る。方向転換コンベヤ部分は、第一及び第二のリテーナ部材が第二の向きにあるとき、金型を金型分離部分に、約500~10000mm/分の速度、典型的には約750~5000mm/分の速度、より典型的には約1000~2000mm/分の速度で少なくとも部分的に排出するように動作可能であり得る。
【0030】
装置は、支持部材をさらに含み得る。支持部材は、金型の横方向への移動を制限して、金型をドージングのために整列された状態に保持するように動作可能であり得る。支持部材は、リテーナ部材の両側に取り付けられ得る。支持部材は、金型の横方向移動を制限するように動作可能なランナを含み得る。支持部材は、作動部材を取り付けるように動作可能なピボット取り付け部材を含み得る。
【0031】
方向転換コンベヤ部分は、金型分離部分の中に少なくとも部分的に排出されていた金型を少なくとも部分的に再把持するように動作可能であり得、それによって金型の第一及び第二の部品が少なくとも部分的に再び閉じる。方向転換コンベヤ部分のコンベヤは、前後方向に移動するように動作可能である。方向転換コンベヤ部分が金型を再び把持することにより、金型の第一及び第二の部品を再び閉鎖させ得る。金型の再把持は、金型がドージング部材によってドージングされている間に行われ得る。方向転換コンベヤ部分は、金型の第一の部品を金型の第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持しながら、第一の向きに戻るように動作可能であり得る。
【0032】
方向転換コンベヤ部分は、第一の向きから第三の向きに移動するように動作可能であり得る。第三の向きは、第一及び第二の向きとは異なり得る。好ましくは、方向転換コンベヤ部分は第一の向きに戻るように動作可能である、それによって充填された金型を方向転換コンベヤ部分の一方の端からアウトフィードコンベヤ部分の中へ排出することができ、方向転換コンベヤ部分は他の端でからの金型を受け得る。
【0033】
方向転換コンベヤ部分のコンベヤは、ベルコトンベヤを含み得る。好ましくは、方向転換コンベヤ部分の第一及び第二のリテーナ部材はどちらもコンベヤ、典型的にベルトコンベヤを含む。方向転換コンベヤ部分の第一及び第二のリテーナ部材の両方がコンベヤを含む場合、コンベヤは同じ速度で移動するように動作可能であり得、例えばコンベヤの運動間の同期が保持される。ベルトコンベヤは、ハイグリップベルトを含み得る。ハイグリップベルトは溝を含み得る。
【0034】
有利な点として、ハイグリップコンベヤベルトと付勢部材により生成される圧縮力との組合せにより、金型の方向転換及びドージング中に金型をさらによりよく制御し得る。
【0035】
本明細書における「コンベヤ」の使用は、金型と接触しながら金型をある位置から別の位置に移動させるように動作可能な機器、例えばベルトコンベヤ、チェーンコンベヤ、又はローラコンベヤを指すことが意図されている。
【0036】
本明細書における「長さ方向」及び「横方向」の使用は、方向転換コンベヤ部分に関して使用される場合、長さ方向が、方向転換コンベヤ部分の端を通って実質的にコンベヤの移動方向に延びる軸(
図1において軸Xとして示される)を指し、「横方向」が、長さ方向軸に実質的に垂直に延びる軸(
図1において軸Yとして示される)を指す、というものである。
【0037】
金型分離部分は、案内部材を含み得る。金型分離部分の案内部材は、溝を含み得る。案内部材は、金型をドージング部分の中に配置するように動作可能であり得る。案内部材は、金型を少なくとも部分的に開いた位置に配置するように動作可能であり得、そこでは金型部品の一部は当接し、金型部品の一部は離間され、好ましくは、この開位置では、金型は金型の上方に配置されたドージング部材から成形組成物の一部を受けるように動作可能である。第一及び第二のリテーナ部材は、金型を案内部材に沿って移動させるように動作可能であり得る。
【0038】
方向転換コンベヤ部分は、金型分離部分の下方に、方向転換コンベヤ部分のピボット点が金型分離部分の垂直軸に近く、方向転換コンベヤ部分の一方の端から遠くに位置付けられるように配置され得るか、配置されるように動作可能であり得る。
【0039】
金型は、液体セラミック組成物から充填部材を製造するためのものであり得る。金型は、第一の部品と第二の部品を含み得る。第一の部品及び/又は第二の部品は、開放金型キャビティを含み得て、第一及び第二の部品は係合して閉鎖金型キャビティを形成するように動作可能であり得る。金型は、リザーバ形成部材をさらに含み得て、金型は、第一及び第二の部品が少なくとも部分的に離間されて、リザーバ部材がリザーバキャビティを形成する開位置から、リザーバキャビティの位置が金型キャビティに関して移動して、リザーバキャビティの体積が小さくなる部分的閉位置へ、その後、第一及び第二の部品が係合して金型キャビティが閉じる閉位置へと移動するように動作可能であり得る。
【0040】
第一及び第二の部品は各々、開放金型キャビティを含み得る。適当な態様として、第一及び第二の部品の金型キャビティは開放部分金型キャビティであり得、金型の第一及び第二の部品は、係合して、第一の部品の部分的金型キャビティが第二の部品の部分的金型キャビティと整合して閉鎖拡大金型キャビティを形成するように動作可能である。
【0041】
「開放」金型キャビティは、本明細書で使用される場合、充填部材若しくは成形体又はその一部が、液体セラミック組成物が金型キャビティの中に導入されるものと同じ開口を介して金型キャビティから取り外されるように動作可能であることを意味し得る。「閉鎖」金型キャビティは、本明細書で使用される場合、液体セラミック組成物が金型キャビティ内に保持され、それが金型キャビティから出られないことを意味し得る。
【0042】
第一及び/又は第二の部品は、複数の開放金型キャビティを含み得る。適当な態様として、第一及び/又は第二の部品の各々は、複数の開放部分金型キャビティを含み得る。
【0043】
金型キャビティは、充填部材に表面構造を製作するように動作可能なテクスチャリングを含み得る。適当な態様として、金型キャビティの、成形中に液体セラミック組成物と接触するように動作可能な面はテクスチャリングを含み得る。
【0044】
金型キャビティは、充填部材に穴、例えば充填部材を通って延びる穴を形成するように動作可能なピンを含み得る。適当な態様として、金型キャビティは、例えば少なくとも3つ又は少なくとも4つのピン等、少なくとも2つのピンを含み得る。ピンは、金型キャビティの底面に配置されて、金型キャビティの開口に向かって上方に延び得る。ピンは、金型キャビティの底面上の実質的に中央に配置され得る。ピンは円筒形であり得る。
【0045】
リザーバ部材は、液体セラミック組成物を受けて保持できるリザーバキャビティを形成するように動作可能であり得る。リザーバキャビティは成形キャビティでなくてよく、それによって、閉位置で、リザーバキャビティは実質的に、組成物の一部を保持するか成形品を形成するように動作できない。
【0046】
リザーバ部材は、第一の金型部品の上に配置された第一のリザーバ部材と第二の金型部品の上に配置された第二のリザーバ部材を含み得て、第一及び第二のリザーバ部材は、協働して係合し、リザーバキャビティを形成するように動作可能である。適当な態様として、第一及び第二のリザーバ部材は雄及び雌リサーバ部材であり得、雄リザーバ部材は雌リザーバ部材の中に受けられて、リザーバキャビティを形成するように動作可能である。雄リザーバ部材はタングの形態であり得、雌リザーバ部材は溝の形態であり得る。雄及び雌リザーバ部材は、係合した時に締まり嵌めを形成するように動作可能であり得る。本明細書における「締まり嵌め」とは、液体セラミック組成物が係合したリザーバ部材を通過するのを防止するように動作可能である。
【0047】
第一及び/又は第二の金型部品は、リザーバ部材、適当な態様としては金型部品の金型キャビティの両側に沿って延びるタング又は溝、適当な態様としては長さ方向に延びるリザーバ部材を含み得る。適当な態様として、第一及び第二の金型部品は各々、金型キャビティを含み得て、第一のリザーバ部材は金型部品の金型キャビティの両側に沿って延びるタングを含み、第二のリザーバ部材は金型部品の金型キャビティの両側に沿って延びる溝を含む。金型部品のリザーバ部材は、側面リザーバ部材間に延びる基底リザーバ部材をさらに含み得る。基底リザーバ部材は、金型部品に沿って横方向に延び得る。基底部材は、金型部品の金型キャビティの下方に配置され得る。適当な態様として、第一のリザーバ部材は、タングの両側間に延びる基底タングを含み得て、及び/又は第二のリザーバ部材は両側の溝間に延びる基底溝を含む。このようなリザーバ部材の構成は、U字型の形態であり得、側面リザーバ部材は金型部品に沿って長さ方向に延び、基底リザーバ部材は側面リザーバ部材間で金型部品に沿って横方向に延びる。基底リザーバ部材は、使用中にリザーバキャビティの底部内面、すなわち基底部を提供し得る。側面リザーバ部材は、使用中にリザーバキャビティの側面を提供し得る。金型部品の、側面リザーバ部材間に延びる、金型キャビティも含み得る表面は、リザーバキャビティの前及び後面を提供し得る。典型的に、リザーバキャビティは口部を含む。口部は、側面リザーバ部材の、基底リザーバ部材に接続されていない端間に延び得る。適当な態様として、リザーバキャビティの口部は、金型部品を横方向に横切って、典型的に基底リザーバ部材と実質的に平行に延び得る。
【0048】
第一及び/又は第二の金型部品は、複数の金型キャビティを集合パターン内に含み得る。側面リザーバ部材は、集合パターンの両側に沿って延びるように配置され得る。基底部材は、集合パターンの下方に延びるように配置され得る。
【0049】
金型部品のリザーバ部材は、金型キャビティと同じ面に配置され得る。金型部品のリザーバ部材は、リザーバ部材の係合が、金型部品上の部分的な金型キャビティを整合させて閉位置の拡大金型キャビティを形成するように動作可能である。
【0050】
そのため、金型が開位置にあるとき、リザーバ部材は係合してリザーバキャビティを形成するように動作可能であり得、これはリザーバキャビティの口部を通って液体セラミック組成物を受け、その後、液体セラミック組成物をリザーバキャビティ内に保持するように動作可能である。金型キャビティは、金型が開位置にあるときに、初期リザーバキャビティ内に配置され得る。リザーバキャビティはまた、金型が開位置にあるとき、初期リザーバキャビティの外側にも配置され得る。金型が開位置から、例えば方向転換コンベヤ部分によって再把持されることによって部分的閉位置に、その後、閉位置に移動すると、金型部品のリザーバ部材はさらに係合し、リザーバキャビティが金型キャビティの集合パターンに沿って移動して初期リザーバキャビティ内に充填済みとなった金型キャビティを閉じ、残りの組成物を移動したリザーバキャビティの中及び新しい金型キャビティの中に移すように動作可能であり得る。移動は、リザーバ部材が完全に係合して、適当な態様としては金型キャビティ上方の金型部品間の係合によって、金型キャビティが閉じられるまで継続し得る。典型的に、リザーバキャビティの体積は、金型の金型キャビティの合計の体積より小さい。
【0051】
第一及び/又は第二の金型部品は、弾性変形可能であり得る。金型は、金型部品を変形させることによって第一及び第二の部品が部分的に離間する開位置から、金型部品の変形が小さくなることによって部分的閉位置へ、及び金型部品の変形がさらに小さくなることによって閉位置へと移動させられるように動作可能であり得る。
【0052】
金型は第一の部品と第二の部品を含み得て、第一及び/又は第二の金型部品は弾性変形可能であり、第一の部品及び/又は第二の部品は複数の開放金型キャビティを含み、第一及び第二の部品は係合して閉鎖金型キャビティを形成するように動作可能であり、金型は、金型部品の変形によって第一及び第二の部品が部分的に離間し、金型キャビティが開く開位置から、金型部品の変形を小さくすることによって、金型キャビティの幾つかが閉じる部分的閉位置へ、その後、金型部品の変形をさらに小さくすることによって、第一及び第二の部品が係合して金型キャビティが閉じる閉位置へと移動させられるように動作可能であり得る。
【0053】
第一及び/又は第二の金型は、シリコーン等のポリマ材料で形成され得る。シリコーンは、シリコーン樹脂と硬化剤又は触媒を含む2成分型シリコーン組成物から形成され得る。
【0054】
第一及び/又は第二の金型部品を形成する材料のショア硬さは、少なくとも5、例えば少なくとも10、又は少なくとも15、例えば少なくとも20であり得る。第一及び/又は第二の金型部品を形成する材料のショア硬さは、最高40、例えば最高35、又は最高32、例えば最高30であり得る。第一及び/又は第二の金型部品を形成する材料のショア硬さは、5~40、例えば10~35、又は15~32、例えば20~30であり得る。有利な点として、上述の範囲内の硬さを有する材料は、本発明による有効な金型を実現できる柔軟性を有し、それと同時に十分な形状及び剛性を有する金型を提供する。本明細書の記載においては、ショア硬さはASTM D2240タイプAを用いて測定された。
【0055】
第一及び/又は第二の金型部品を形成する材料の収縮率は最高1%、例えば最高0.5%、又は最高0.4%、例えば最高0.3%であり得る。有利な点として、上述の範囲内の収縮率を有する材料は、金型部品間のアラインメントが改良された金型を提供することがわかった。本明細書中の記載において、収縮率とは、適当な態様としては1週間の期間、例えば1カ月の期間又は3カ月の期間にわたる寸法変化の量を指し得る。
【0056】
金型部品は、第一及び第二の金型部品の相対的アラインメントを保持するのを補助するように動作可能な保持部材を含み得る。金型部品は、金型への液体セラミック組成物のドージング中に、金型部品のアラインメントを保持するのを補助するように動作可能な保持部材を含み得る。ドージング保持部材は、リザーバキャビティの外側に、例えばリザーバキャビティの内面を提供しないように配置され得る。典型的に、ドージング保持部材は、リザーバ部材に直接取り付けられない。ドージング保持部材は、第一及び第二の金型部品上に配置された協働部材を含み得る。協働ドージング保持部材は、雄と雌であり得、雄保持部材は雌保持部材の中に受けられて、金型部材のアラインメントを保持することができる。雄保持部材はタングであり得、雌アラインメント部材は溝であり得る。金型部品の保持部材は、リザーバキャビティの基底の下方に配置され得る。保持部材は、金型部品に沿って横方向に、リザーバキャビティの基底又はリザーバ部材の基底に実質的に平行に延び得る。有利な点として、ドージング保持部材の使用によって、より大きな初期リザーバキャビティを形成でき、それと同時に金型部品の良好なアラインメントを保持できる。
【0057】
金型部品は、液体セラミック組成物のドージングの後に金型キャビティのアラインメントの保持を補助するように個動作可能なドージング後保持部材を含み得る。ドージング後保持部材は、リザーバキャビティの外側に、例えばリザーバキャビティの内面を提供しないように配置され得る。ドージング後保持部材は、第一及び第二の金型部品上に配置された協働部材を含み得る。適当な態様として、協働ドージング後保持部材は雄と雌であり得、雄保持部材は雌保持部材の中に受けられて、金型部品のアラインメントの保持を補助することができる。雄保持部材はタングであり得、雌アラインメント部材は溝であり得る。ドージング後保持部材は、金型キャビティ又は金型キャビティの集合パターンに隣接して横方向に配置され得る。保持部材は、金型部品に沿って横方向に延び得る。ドージング後保持部材は、金型キャビティ又は金型キャビティ集合パターンの各々の側に、適当な態様としては金型キャビティ又は金型キャビティ集合パターンに隣接して横方向に配置された複数の保持部材の群を含み得る。保持部材群は各々、例えば少なくとも3つの保持部材等、金型部品に沿って長さ方向に離間された少なくとも2つの保持部材を含み得る。有利な点として、ドージング後保持部材の使用によって、組成物のドージング後の金型部品間のアラインメントをよりよく保持できる。
【0058】
金型部品は、金型キャビティの上方に、適当な態様としてはリザーバキャビティの開口の上方に配置される凹部を含み得る。典型的に、凹部は長く、リザーバキャビティの基底又は基底リザーバ部材と実質的に平行に延び得る。凹部は、金型部品が閉位置に到達した時にリザーバキャビティ内にある余剰の組成物を受けるように動作可能であり得る。
【0059】
金型部品は、案内部材を含み得る。案内部材は、金型部品から外側に、例えば金型部品の外側に横方向に延び得る。金型部品は、金型部品の対向する2つの面の各々に、適当な態様としては金型部品の対向する2つの側面に配置された案内部材を含み得る。金型部品は、少なくとも4、少なくとも5、又は少なくとも6つの案内部材等、金型部品の対向する2つの面の各々に少なくとも3つの案内部材を含み得る。金型部品の面は、面の両端に向かって配置された案内部材と、端の案内部材間に配置された中間案内部材を含み得る。
【0060】
金型部品は補強部材を含み得て、適当な態様としては、補強部材は金型部品の本体より硬質であり得る。補強部材は、少なくとも部分的に金型部品本体の中に配置され得る。補強部材は、金型部品本体の一方の端から他の端に、例えば反対の端に実質的に延びる。補強部材は、金型部品から突出して、案内部材を提供し得る。適当な態様として、補強部材は金型部材の両側で突出して、金型部品の両側に案内部材を提供し得る。そのため、案内部材は突出する補強部材によって提供され得る。
【0061】
充填部材は、注型成形組成物又はスリップ、例えばクレイ又はノンクレイキャスタブル組成物、液体セメント又はゲルキャスト組成物であり得る。そのため、液体セラミック組成物はゲルキャスト組成物であり得、適当な態様としては、組成物はセラミック材、有機バインダ成分、及び任意選択により造孔成分を含み得る。
【0062】
有機バインダ成分は、充填部材の成形後に充填部材から、好ましくは、熱処理によって除去されるように、より好ましくは、充填部材の仮焼中に除去されるように動作可能であり得る。
【0063】
有機バインダ成分は重合性成分を含み得て、有利な態様として、重合性成分は重合可能モノマ及び架橋モノマを含み得て、バインダ成分は重合して(コ)ポリマを形成するように動作可能である。
【0064】
重合性モノマは、1つ又は複数の種類のエチレン性不飽和モノマ、例えばアクリルモノマ又はその誘導体、例えばアクリルアミドモノマ、及び/又はビニルモノマ、例えばメタクリルアミド(MAM)、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(hMAM)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(hEAM)、及び/又はN-ビニル-2-ピロリジノン(NVP)のうちの1つ又は複数から選択されるモノマ等を含み得る。好ましくは、ポリマ性モノマは、1つ又は複数のアクリルアミドモノマ、より好ましくは、メタクリルアミド(MAM)、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(hMAM)、及びヒドロキシエチルアクリルアミド(hEAM)、のうちの1つ又は複数から選択されるモノマを含む。最も好ましくは、ポリマ性モノマはMAMを含む。
【0065】
架橋部材は、ジエチレン性不飽和モノマ、例えばジアクリルモノマ又はその誘導体、例えばジアクリルアミドモノマ、アクリル酸塩、及び/又はポリエチレングリコール置換アクリルモノマ等のうちの1つ又は複数から選択され得る。架橋部材は、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(PEGDMA)、N,N’-メチレンビス(アクリルアミド)(BIS)、アンモニウムアクリレート、及びPEGメチルエチルメタクリレート(PEGMEM)のうちの1つ又は複数、好ましくは、ポリ(エチレングリコール)ジメチルアクリレート(PEGDMA)、及びN,N’-メチレンビス(アクリルアミド)(BIS)のうちの1つ又は複数から選択され得る。
【0066】
有機バインダ成分は、重合性モノマ40~95wt%と架橋部材60~5wt%、例えば重合性モノマ50~90wt%と架橋部材50~10wt%、又は重合性モノマ55~85wt%と架橋部材45~15wt%、又は重合性モノマ60~80wt%と架橋部材40~20wt%、例えば重合性モノマ65~75wt%と架橋部材35~25wt%から形成され得る。
【0067】
組成物は、バインダ成分の重合を加速させるように動作可能な重合促進剤をさらに含み得る。重合促進剤は、何れの適当な促進剤でもよい。例えば、促進剤は、テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)であり得る。
【0068】
組成物は、バインダ成分の重合を開始させるように動作可能な開始剤をさらに含み得る。開始剤は、何れの適当な開始剤であってもよい。開始剤は、フリーラジカル開始剤であり得る。例えば、開始剤は過硫酸アンモニウム/過硫酸カリウムであり得る。
【0069】
造孔材は、充填部材の成形後、好ましくは、熱処理により、より好ましくは、充填部材の仮焼中に充填部材から除去されるように動作可能であり得る。造孔材は、マイクロビーズ、でんぷん、シード、及び/又はセルロースのうちの1つ又は複数から選択され得る。
【0070】
造孔材はある粒形分布を有し得て、D10は5~100μm、好ましくは、10~75μm、より好ましくは、15~50μm、最も好ましくは、20~40μmである。造孔材のD50は、50~200μm、好ましくは、75~175μm、より好ましくは、90~160μm、最も好ましくは、100~150μmであり得る。造孔材のD90は、120~300μm、好ましくは、150~270μm、より好ましくは、170~250μm、最も好ましくは、185~235μmであり得る。
【0071】
セラミック材料は、耐火性セラミック材料であり得る。セラミック材料は、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウム、ジルコニア、シリカ、チタン、カーボン、及び/又は酸化マグネシウムを含み得る。
【0072】
セラミック材料はある粒形分布を有し得て、D10は0.1~20μm、好ましくは、0.5~10μm、より好ましくは、1~5μm、最も好ましくは、1.5~3μmである。造孔材のD50は、0.5~30μm、好ましくは、1~25μm、より好ましくは、1.5~20μm、最も好ましくは、2~15μmであり得る。造孔材のD90は、10~100μm、好ましくは、15~80μm、より好ましくは、20~70μm、最も好ましくは、25~60μmであり得る。
【0073】
セラミック材料はセラミック粉体であり得る。セラミック粉体は、ボール粉砕又はスプレイドライされ得る。有利な点として、ボール粉砕又はスプレイ乾燥されたセラミック粉体は、より容易な鋳込み成形挙動を提供することが分かった。
【0074】
組成物又は充填部材は、主反応の反応性を増進させ、及び/又は望ましくない副反応を低減させるように動作可能な増進剤を含み得る。増進剤は、ランタン、銅、マグネシウム、マンガン、カリウム、カルシウム、ジルコニウム、バリウム、セリウム、ナトリウム、リチウム、モリブデン、イットリウム、コバルト、及びクロムの酸化物のうちの1つ又は複数から選択され得る。
【0075】
組成物は、キャリア、例えば水性キャリアをさらに含み得る。適当な組成物は、水性セラミックスラリであり得る。
【0076】
組成物は添加剤をさらに含み得る。例えば、組成物は、分散剤、例えばポリマ塩、例えばポリアクリル酸塩、好ましくは、ポリアクリル酸のアンモニウム塩を含み得る。適当な分散剤は、Ecodis P90、Narlex LD42、及びDispex A40のうちの1つ又は複数から選択され得る。
【0077】
組成物は、重合性モノマを組成物の乾燥重量で0.1~10%、好ましくは、0.5~8wt%、より好ましくは、1~6wt%、例えば1.5~5wt%、最も好ましくは、2~4wt%含み得る。
【0078】
組成物は、架橋部材を組成物の乾燥重量で0.1~10%、好ましくは、0.5~8wt%、より好ましくは、0.75~6wt%、例えば1~5wt%、最も好ましくは、1~4wt%含み得る。
【0079】
組成物は、セラミック材料を組成物の乾燥重量で50~95%、好ましくは、50~90wt%、より好ましくは、55~85wt%、最も好ましくは、60~80wt%含み得る。充填部材は、セラミック材料を組成物の乾燥重量で少なくとも75%、好ましくは、少なくとも85wt%、より好ましくは、少なくとも90wt%、例えば少なくとも95wt%、最も好ましくは、少なくとも97wt%のセラミック材料を含み得る。
【0080】
組成物は、造孔材を組成物の乾燥重量で>0~40%、好ましくは、0.5~30wt%、より好ましくは、2~25wt%、例えば3~20wt%、最も好ましくは、4~15wt%含み得る。
【0081】
組成物は、開始剤を組成物の乾燥重量で0.1~5%、好ましくは、0.5~4wt%、より好ましくは、0.75~3.5wt%、最も好ましくは、1~3wt%含み得る。
【0082】
組成物は、促進剤を組成物の乾燥重量で最高5%、好ましくは、最高3wt%、より好ましくは、最高2wt%、最も好ましくは、最高1.5wt%含み得る。
【0083】
組成物は、分散剤を組成物の乾燥重量で0.1~10%、好ましくは、0.5~8wt%、より好ましくは、0.75~6wt%、最も好ましくは、1~5wt%含み得る。
【0084】
組成物の固形分は、組成物総重量の45~99%、例えば50~95wt%、好ましくは、約55~90wt%、最も好ましくは、60~85wt%であり得る。
【0085】
組成物は、プリフォーム水性バインダ成分とセラミック組成物を組み合わせることによって形成され得る。適当な態様として、水性バインダ成分は、重合性モノマ、架橋部材、及び水を含み得る。
【0086】
液体セラミック組成物を金型に接触させる前に、組成物は開始剤及び、任意選択による重合性促進剤と接触させられ得る。
【0087】
充填部材は、不活性充填部材であり得る。そのため、不活性充填部材は、実質的に触媒材料を持たなくてよい。有利な点として、本発明による不活性充填部材を触媒床内に使用することによって、熱伝達とガス流擾乱が改善され、このことは反応媒質が反応器に沿って所望の反応に適した温度になるのを助ける。
【0088】
充填部材、すなわち担体は、触媒材料を含めた担持触媒であり得る。触媒材料は、担持触媒が適用される所望のプロセスにおいて触媒活動を提供するように動作可能であり得る。
【0089】
触媒材料は、遷移金属、適当な態様としては遷移金属酸化物、及び/又は貴金属、適当な態様としてはその合金のうちの1つ又は複数から選択される金属を含み得る。触媒材料は、鉄、ニッケル、銀、金、プラチナ、ルテニウム、バナジウム、モリブデン、及びコバルトのうちの1つ又は複数から選択される金属を含み得る。
【0090】
組成物は、金型内に配置される前に、適当な態様としては開始剤及び任意選択的な促進剤を添加する前に撹拌して、均質なスラリを形成し得る。組成物は、開始剤及び任意選択的な促進剤を添加した後に撹拌して、均質なスラリを形成し得る。
【0091】
金型は好ましくは、鋳込み金型である。金型は、成形体の表面構造を形成するように動作可能であり得る。
【0092】
充填部材は、充填部材を触媒材料の溶液中に浸漬することによって触媒材料が含浸させられ得る。浸漬された充填部材は、浸漬後に乾燥させられ得る。
【0093】
有利な点として、本発明により、成形担体又は担持触媒体を、それが依然として比較的弾性のある形態である間に金型から除去することが可能となり、それによってより取り扱いやすくなる。その結果、その他の種類の鋳込み成形よりスクラップ率が低下する。
【0094】
本発明の装置の金型分離部分は、金型を開放状態に、適当な態様としては金型分離部分の案内部材が金型の案内部材を受けることによって案内するように動作可能であり得る。適当な態様として、案内部材は、金型を閉位置、又は少なくとも部分的閉位置に配置するように動作可能な部分と、金型を、金型部品が開位置において少なくとも部分的に離間される位置に配置するように動作可能な部分を含み得る。金型は、案内部材を案内部材の閉鎖部分から案内部材の離間部分へと移動させるように動作可能であり得る。典型的に、案内部材は、金型を、金型部品の一部が当接し、金型部品の一部が離間する開位置、適当な態様としては、ドージング保持部材が、金型キャビティが開いている間に係合して、リザーバキャビティが形成される位置に配置するように動作可能である。案内部材は、金型を、金型キャビティが開いている間にドージング保持部材が係合し、及び/又は金型部品の一部が当接して、リザーバキャビティが形成される位置に配置するように動作可能であり得、開いた金型キャビティ及び/又はリザーバキャビティは、金型部品の係合したドージング保持部材及び/又は当接部分の上方に配置される。
【0095】
ドージング部材は、液体セラミック組成物を金型の中に分注するように動作可能であり得る。適当な態様として、ドージング部材は金型分離部分の上方に配置され得る。
【0096】
充填部材は、セラミック材料を含み得て、充填部材の外面上に表面構造をさらに含み得る。充填部材は、充填部材の中を充填部材の第一の面の第一の開口から充填部材の実質的に反対の第二の面の第二の開口まで延びる流体連通粒子内チャネルを含まなくてよい。
【0097】
充填部材が、充填部材の中を充填部材の第一の面の第一の開口から充填部材の実質的に反対の第二の面の第二の開口までの流体連通粒子内チャネルを含まない場合、流体は、使用中の充填部材の中を充填部材の第一の面から充填部材の実質的に反対の第二の面へと流れることが実質的にできないこともある。したがって、充填部材を通過するために、流体は充填部材の外面の周囲に強制的に流され得る。そのため、これに関して、「充填部材の中を充填部材の第一の面の第一の開口から充填部材の実質的に反対の第二の面の第二の開口まで延びる流体連通粒子内チャネルを含まない」という語句は、使用中の充填部材の本体の中を充填部材の第一の面から充填部材の実質的に反対の第二の面まで、流体の流れは実質的に実現されないことを意味すると解釈され得る。このような「流体連通粒子内チャネル」は、これに関して、充填部材の材料中に存在し得る顕微鏡レベルの気孔率は含まないと理解されたい。
【0098】
充填部材は、第一の開口から第二の開口まで延びる充填部材の中に流体連通粒子内チャネルを含み得ない。
【0099】
充填部材は、実質的にマルチローブ、例えばトリローブ、クアドラローブ、又はペンタローブ、球体、楕円体、正六面体、立方体、円筒、又はコグの形態のマクロ構造を有し得る。充填部材は、実質的に球体又は楕円体のマクロ構造を有していなくてもよい。
【0100】
充填部材は、触媒担体、適当な態様としてはセラミック触媒担体であり得る。充填部材は担持触媒であり得る。
【0101】
担体は、実質的に球体又は楕円体のマクロ構造を有し、表面構造を含み得る。担体の気孔率は≧0.35cm3/g、好ましくは、≧0.40cm3/g、より好ましくは、≧0.45cm3/g、最も好ましくは、≧0.50cm3/gであり得る。
【0102】
担体は、アルキレンオキシドの生産のための充填層反応器において使用するための触媒用であり得る。担体は更に、触媒材料をさらに含めることにより、担持触媒の形態であり得る。担体はまた、インサート充填部材の形態でもあり得、適当な形態として、担体は実質的に触媒材料を持たない。
【0103】
担持触媒は、アルキレンオキシドの生産のための充填層反応器において使用するためのものであり得、担持触媒はセラミック材料を含む。担持触媒は、実質的に球体又は楕円体のマクロ構造を有し得て、表面構造を含み得る。
【0104】
担体/担持触媒は、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、1,9-デカジエンオキシド、1,3-ブタジエンオキシド、2-ブテンオキシド、イソブチレンオキシド、1-ブテンオキシド、及び/又はプロピレンオキシドの生産のための、適当な態様としてはエチレンオキシドのための充填層反応器において使用するためのものであり得る。
【0105】
充填部材は、鋳込み充填部材、例えばゲルキャスト充填部材であり得る。充填部材は、≧0.7cm2/cm3の単位体積当たり幾何表面積(GSA)及び≧250kgfのサイドクラッシュ強度、例えば≧1cm2/cm3のGSA、好ましくは、≧1.2cm2/cm3のGSA、より好ましくは、≧1.3cm2/cm3のGSA、最も好ましくは、≧1.4cm2/cm3のGSAを有し得る。充填部材のサイドクラッシュ強度は≧275kgf、好ましくは、≧300kgf、より好ましくは、≧325kgf、最も好ましくは、≧350kgfであり得る。
【0106】
充填材料は、≧1.5cm2/cm3のGSA及び≧150kgfのサイドクラッシュ強度、例えば≧1.7cm2/cm3のGSA、好ましくは、≧1.9cm2/cm3のGSA、より好ましくは、≧2.1cm2/cm3のGSA、最も好ましくは、≧2.3cm2/cm3のGSAを有し得る。充填部材のサイドクラッシュ強度は≧170kgf、好ましくは、≧185kgf、より好ましくは、≧200kgf、最も好ましくは、≧215kgfであり得る。
【0107】
充填材料は、≧3cm2/cm3のGSA及び≧60kgfのサイドクラッシュ強度、例えば≧3.3cm2/cm3のGSA、好ましくは、≧3.6cm2/cm3のGSA、より好ましくは、≧3.9cm2/cm3のGSA、最も好ましくは、≧4.2cm2/cm3のGSAを有し得る。充填部材のサイドクラッシュ強度は≧70kgf、好ましくは、≧80kgf、より好ましくは、≧90kgf、最も好ましくは、≧100kgfであり得る。
【0108】
本明細書のGSAは、マクロ構造及び表面構造機構の全てを含む充填部材の外寸を測定し、表面積を計算することによって計算されている。計算された表面積は充填部材の計算された体積で割られる。適当な3Dモデルソフトウェアを使って、これらの計算を素早く正確に提供できる。
【0109】
本明細書におけるサイドクラッシュ強度は、単位kgfの値で表される。これは、最小径80mmの2つの平行で平坦な硬化スチール板間で圧迫され、破砕されたときのサンプルの破損点において記録される最大負荷である。一方の板はロードセル及び記録装置に固定され、もう一方は、5mm/分の制御された速度で移動するラムに取り付けられる。初期トライアル試験を行って、充填部材が最も弱い次元が特定される。サイドクラッシュ試験は、この最も弱い方向に行われる。
【0110】
充填部材の気孔率は≧6%、好ましくは、≧15%、より好ましくは、≧20%、最も好ましくは、≧25%であり得る。充填部材の気孔率は6~50%、好ましくは、15~40%、より好ましくは、20~35%、最も好ましくは、25~30%であり得る。適当な態様として、担体の気孔率は≧15%、より好ましくは、≧20%、最も好ましくは、≧25%であり得る。担体の気孔率は15~50%、より好ましくは、20~40%、最も好ましくは、25~35%であり得る。
【0111】
本明細書の気孔率は、水銀圧入ポロシメトリにより、ASTM D4284-12(2017)他の水銀圧入法による触媒及び触媒担体の細孔容積分布測定の標準試験法を用いて測定される。
【0112】
充填部材は、マクロ構造及びマクロ構造の外面上の表面構造を有し得る。典型的に、充填部材の表面構造は、充填部材の成形ステップ、すなわち充填部材の成形体が、適当な態様としては金型キャビティを適切にテクスチャリングすることによって形成されるステップ中に形成される。そのため、好ましくは、表面構造は充填部材の成形体の成形後に後付け製造されない。
【0113】
マクロ構造はマルチローブの形態、例えばトリローブ、クアドラローブ、又はペンタローブ、リング、球体、正六面体、立方体、円筒、又はコグの形態であり得る。
【0114】
コグのマクロ構造は、半径方向に外側に延びる複数のキャステレーションを含む。コグのマクロ構造は、キャステレーションを除く場合、実質的に円形、三角形、正方形、又は長方形等を含む横方向断面を有し得る。キャステレーションの少なくとも幾つか、好ましくは、全部は、キャステレーションの奥行き及び/又は幅に沿ってテーパが付けられていてよく、好ましくは、各キャステレーションはコグの他のキャステレーションと同じ方向にテーパが付けられ、適当な態様としては、キャステレーションの最も幅が広く、最も奥行きの深い地点はキャステレーションの同じ端に向かい得る。
【0115】
マクロ構造は、くぼんだ上及び/又は下面を有し得て、適当な態様としては、上及び/又は下面の少なくとも30%、例えば少なくとも40%又は少なくとも50%がくぼんでいる。マクロ構造を通って延びる穴は、本発明による上及び/又は下面のくぼみではないと理解されたい。
【0116】
有利な点として、テーパの付いたキャステレーション及びくぼんだ上又は下面を有するマクロ構造は、充填密度を改善するとともに、インタロッキングを減少させることがわかった。
【0117】
球形マクロ構造は、マクロ構造の外面上に少なくとも1つの直線状のトラフを含み得て、これは例えば少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの直線状のトラフである。好ましくは、球形のマクロ構造は少なくとも2つ、例えば少なくとも3つ又は少なくとも4つの直線状の平行なトラフを含む。好ましくは、トラフは横方向の断面において実質的に半球形である。
【0118】
マクロ構造は、モノリスであるか、マクロ構造を通って延びる1つ又は複数の穴を含み得る。好ましくは、充填部材はマクロ構造を通って延びる少なくとも1つの穴を含み、より好ましくは、マクロ構造は少なくとも3つの穴を含む。マクロ構造は、ハニカム構造であり得る。マクロ構造の穴は縦切り又は面取りされ得る。
【0119】
充填部材は、複数の表面構造、適当な態様としては複数の繰り返しの表面構造を含み得る。好ましくは、充填部材は少なくとも5つ、より好ましくは、少なくとも10、例えば少なとも15、又は少なくとも20、最も好ましくは、少なくとも25の表面構造、好ましくは、繰り返しの表面構造部分を含む。
【0120】
表面構造とは、充填部材のマクロ構造の幅/直径より有意に小さい高さを有する、担体上の隆起及び/又は陥凹部分を意味する。このような表面構造は、充填部材のマクロ構造上の表面テクスチャリングと考えられ得る。表面構造は、顕微鏡レベルの表面粗さを含まないと考えられ得る。例えば、充填部材は幅32mm、長さ50mmの立方体マイクロ構造であり得る。この充填部材の外面は、繰り返しの同じ離散的な丘部の形態の複数の表面構造を含み得て、各丘部の高さは2mmである。コグの複数のキャステレーション又はマルチローブのローブ等のマクロ構造の通常の機構は、本発明による表面構造とは考えられないと理解されたい。
【0121】
表面構造は、畝部及び/又は丘部の形態であり得る。
【0122】
畝部は、環状畝部の形態であり得、前記環状畝部は円の形状に限定されない。環状畝部は、実質的に円形、又は規則的な凸状ポリゲン、例えば三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、又は十角形の形態であり得る。好ましくは、環状畝部は規則的な凸状ポリゲン、より好ましくは、五角形、六角形、又は七角形、最も好ましくは、六角形の形態である。表面構造の、環状畝部間に延びる部分は、平坦である、傾斜している、及び/又は湾曲していてよい。例えば、表面構造の、環状畝部間に延びる部分は、逆ピラミッドの形態であり得る。表面構造は、取り付けられた複数の環状畝症構造、適当な態様としては、少なくとも第一の環状表面構造の畝部が第二の環状表面構造の一部を形成するように相互接続された環状畝部を含み得る。
【0123】
丘部の形態の表面構造は、マクロ構造の中にくぼむか、又はマクロ構造から外側に突出し得る。丘部は、湾曲、ピラミッド状、及び/又は階段状の丘部であり得る。階段状の丘部は、2~10段、例えば3~8段を含み得る。丘部は相互接続されて、隣接する丘部が当接するか、融合し得る。
【0124】
充填部材の表面構造の平均高さは、最高10mm、好ましくは、最高7mm、より好ましくは、最高6mm、最も好ましくは、最高5mmであり得る。
【0125】
充填部材の表面構造の平均高さは、少なくとも0.1mm、例えば少なくとも0.3mm、好ましくは、少なくとも0.5mm、より好ましくは、少なくとも0.7mm、最も好ましくは、少なくとも0.8mmであり得る。本明細書における表面構造の高さは、奥行き測定機能を有するカリパスを使って測定される。
【0126】
充填部材の最大寸法は最高1000mm、例えば最高750mm、又は最高500mm、好ましくは、最高400mmであり得る。充填部材の幅/直径は最高500mm、例えば最高300mm、又は最高200mm、好ましくは、最高150mm、より好ましくは、最高100m、最も好ましくは、最高50mmであり得る。
【0127】
充填部材の表面構造の平均高さは、充填部材の幅/直径の最高40%、例えば最高30%、好ましくは、最高25%、より好ましくは、最高20%、最も好ましくは、最高15%であり得る。
【0128】
表面構造は、充填部材の少なくとも2つの面、例えば少なくとも1つの側面及び上面及び/又は底面にわたって延び得る。
【0129】
表面構造は、充填部材の側面の少なくとも50%、例えば少なくとも60%、好ましくは、少なくとも70%、より好ましくは、少なくとも80%、最も好ましくは、少なくとも85%にわたって延び得る。表面構造は、充填部材の外面の少なくとも50%、例えば少なくとも60%、好ましくは、少なくとも70%、より好ましくは、少なくとも80%、最も好ましくは、少なくとも85%にわたって延び得る。表面構造が繰り返しの一連の畝部、例えば環状畝部を含む場合、畝部間に延びる表面は、その表面が実質的に平坦であり、又は畝部が相互接続されていなくても、この計算のための表面構造の一部に含められる。
【0130】
本発明の第二の態様の方法は、充填層で使用される充填部材を生産するためであり得る。このような方法では、ステップ(c)によって第一及び第二の金型部品が少なくとも不文的に分離し得て、それによって第一の部品及び/又は第二の部品は開放金型キャビティを含み、金型は、リザーバ形成部材をさらに含み、金型は、リザーバ部材がリザーバキャビティを形成するように開位置に配置される。このような方法では、ステップ(d)は、金型のリザーバキャビティに液体セラミッ組成物を少なくとも部分的に充填することと、金型を部分的閉位置に移動させて、リザーバキャビティの位置が金型キャビティに関して移動し、及び/又はリザーバキャビティの容積が小さくなり、液体セラミック組成物の一部をリザーバキャビティから開放金型キャビティに移送するようにすることと、金型を閉位置に移動させ、第一及び第二の部品が係合して金型キャビティを閉じ、液体セラミック組成物の一部が閉鎖金型キャビティの中に保持され、成形体を形成するように動作可能であるようにすることを含み得る。このような方法は、成形体を加熱すること、成形体を離型させること、及び/又は成形体を仮焼きして充填部材を生成することをさらに含み得る。
【0131】
本発明の第三の態様によれば、液体セラミック組成物からの充填部材の生産における本発明の第一の態様による装置の使用が提供される。
【0132】
本発明の第四の態様によれば、充填層において使用するための、好ましくは、充填層反応器で触媒担体として使用するための、本発明の第一の態様による装置を使って、及び/又は本発明の第二の態様によるプロセスによって金型内で液体セラミック組成物を成形することにより取得できる充填部材が提供される。
【0133】
本明細書における「金型」の使用は、固形形態を硬化させたときに液体組成物に賦形するために使用される中空部分を有する容器を指すものとする。金型は、例えばキャスト、ダイ、又は型であり得る。
【0134】
本明細書における「長さ方向」及び「横方向」の使用は、リザーバキャビティについて使用された場合、長さ方向はキャビティの開口と基底を実質的に通って延びる軸を指し、「横方向」は長さ方向軸に実質的に垂直に延びる軸を指す、というものである。
【0135】
本明細書で使用されるかぎり、特に別段の明記がないかぎり、数値、範囲、量、パーセンテージを表すような全ての数字は、「約」という単語が、その単語が明示的に表示されていなくても、先行するものとして読まれ得る。また、端点による数値範囲の引用は、その範囲内の全ての整数及び、適切であればそこに含まれる小数を含む(例えば、1~5は、例えば要素の数を指す場合は1、2、3、4を含むことかでき、例えば測定値を指す場合は1.5、2、2.75、及び3.80も含むことができる)。端点の引用はまた、端点自体も含む(例えば、1.0~5.0は1.0及び5.0の両方を含む)。
【0136】
本明細書で引用される数値範囲は何れも、その中に含まれる全ての小範囲を含むものとする。範囲が示されている場合、これらの範囲の端点及び/又はこれらの範囲内の数は、本発明の範囲内で組み合わせることができる。単数形は複数形を含み、その逆でもある。例えば、本明細書において「1つの」第一の部品及び「1つの」第二の部品、「1つの」開放金型キャビティ、「1つの」リザーバ形成部材等に言及されているが、これらの、及びその他の何れのあらゆるコンボーネントの各々の1つ又は複数も使用できる。本明細書で使用されるかぎり、「ポリマ」という単語はオリゴマ及びホモポリマとコポリマの両方を指し、接頭語「ポリ」は2つ以上を指す。
【0137】
「~を含む(comprising,comprises,comprised of)」という用語は、本明細書で使用されるかぎる、「~を含む(including,includes,containing,contains)」と同義語であり、包含的又はオープンエンドであり、追加的な明示されていない部材、要素、又は方法ステップを排除しない。さらに、本発明は「~を含む(comprising)」という用語で説明されているが、本明細書において詳細に記載されているコーティング組成物は、「基本的に~からなる(consisting essentially of)」、又は「~からなる(consisting of)」としても説明され得る。
【0138】
本明細書で使用されるかぎり、「及び/又は」という用語は、2つ以上の項目リストで使用される場合、そのリストの項目の何れの1つもそれだけで使用でき、又はそのリストの項目のうちの2つ以上の何れの組合せでも利用できることを意味する。例えば、リストがグループA、B、及び/又はCを含むと記載されている場合、このリストはAのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの組合せ、AとCの組合せ、BとCの組合せ、又はA、B、Cの組合せを含むことができる。
【0139】
範囲が属に関して提供されている場合、各範囲はまた、その属の列挙された種のうちの何れの1つ又は複数にも追加的に独立して適用され得る。
【0140】
本明細書に含まれる特徴は全て、上述の態様の何れとも、あらゆる組合せで組み合わせられ得る。
【0141】
本発明をよりよく介するために、また、その実施形態がどのように実行され得るかを示すために、ここで、例として以下の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【
図1】本発明による装置の方向転換コンベヤ部分の斜視図を示す。
【
図2】
図1の方向転換コンベヤ部分の側面図を示す。
【
図4】本発明による装置の金型分離部分の、2部品金型が部分的開位置にあるときの上面斜視図を示す。
【
図5】本発明の装置を用いて製作される充填部材の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0143】
ここで、本発明を、あくまでも例として、下記のような添付の図面に関して説明する。
【0144】
図1及び2は、本発明の第一の実施形態による装置の一部を示す。装置は、方向転換コンベヤ部分102、金型分離部分300、アクチュエータ(図示せず)、及びドージング部材(図示せず)を含む。方向転換コンベヤ部分102は、第一及び第二のリテーナ部材106a及び106bで形成される。第一及び第二のリテーナ部材106a、106bは長方形の長さ650mmのコンベヤベルトであり、第一のリテーナ部材106aが第二のリテーナ部材106bの直上に配置され、第二のリテーナ部材106bが第一のリテーナ部材106から吊り下げられるように配置される。第一及び第二のリテーナ部材106a、106bは相互に上下に、平行に配置され、それによって第一及び第二のリテーナ部材106a、106b間に間隔108ができる。間隔108は、金型が第一及び第二のリテーナ部材106a、106b間を通過でき、それと同時に、金型を付勢部材110を通じて保持するのに十分な力を保持できる広さである。方向転換コンベヤ部分102は、
図1において軸Xとして表される長さ方向軸と軸Yで表される横方向軸を有する。第一及び第二のリテーナ部材106a、106bのコンベヤベルトは、X軸に沿って両方向に移動できる。コンベヤベルトは、目に見える溝を有するハイグリップベルトで形成される。
【0145】
第一及び第二のリテーナ部材106a、106bは、付勢部材110によって相互に取り付けられる。付勢部材110はばね式部材である。付勢部材110は、方向転換コンベヤ部分102のそれぞれの側に2つずつの4つのばね式バー112で形成され、これらは第一及び第二のリテーナ部材106a、106bにねじ取り付け部材114を通じて取り付けられる。ばね式バー112は円筒形のバーであり、これらは第一及び第二のリテーナ部材106a、106bにその端に向かって縦に取り付けられる。バー112は、第二のリテーナ部材106bを第一のリテーナ部材106aに向かって付勢して、分離距離Zに支持する。ばね(図示せず)は、第一及び第二のリテーナ部材106a、106b間の距離を、分離距離Zから、分離距離を方向Zに向かって付勢しながら大きい間隔へと変化させることができる。
【0146】
方向転換コンベヤ部分102は、支持部材116も含む。支持部材116は、第一のリテーナ部材106aの(軸Y上の)両側に固定して取り付けられた2つの上側平坦プレート116aと、第二のリテーナ部材106bの両側に沿って固定して取り付けられた2つの下側平坦プレート116bを含む。上側及び下側プレート116a、116bは、第一及び第二のリテーナ部材106a、106bの側面に沿って延びる長さ方向軸Xに平行に配置される。上側プレート116aは、第一のリテーナ部材106aの上下に延び、それによってこれは第一及び第二のリテーナ部材106a、106b間の間隔108の側面を少なくとも部分的に覆っている。
【0147】
上側プレート116aは各々、内面にランナ(図示せず)を含み、これはX軸に沿って延び、上側プレート116aの、第一のリテーナ部材106aの下方に延びる部分に配置される。そのため、ランナは上側プレート116aの、第一及び第二のリテーナ部材106a、106b間の間隔108にあり、X軸に沿って延びる部分に配置される。ランナは、金型の案内部材(図示せず)と協働して、金型を整列した状態に保持することができる。
【0148】
上側プレート116aは各々、方向転換コンベヤ部分102のためのピボット点を形成するように動作可能なピボット取り付け部材122をさらに含む。ピボット取り付け部材122は、方向転換コンベヤ部分102に関してオフセットされており、それによってこれらは方向転換コンベヤ部分102の横方向の(Y軸に沿った)中心線の近くに、ただしオフセットされて配置され、同時に方向転換コンベヤ部分10の端から遠い。ピボット取り付け部材122は各々、方向転換コンベヤ部材102の各々の側の対向する上側プレート116aの上の角から上方に延びる。ピボット取り付け部材122は立方体の形状を含み、これは立方体から上方に延びる2つの平行で平坦な正方形の突出部124を有する。突出部124はX軸に平行で、各々、開口を含む。ピボット取り付け部材122は、ピボット取り付け部材122間にY軸に沿って延びるピボットシャフト(図示せず)を受けるように動作可能であり、このピボットシャフトは、今度はアクチュエータ(図示せず)に連結されるように動作可能である。ピボットシャフトはアクチュエータに連結され、それによって、アクチュエータの直線移動により、方向転換コンベヤ部分102はピボットシャフトの周囲で回転する。
【0149】
方向転換コンベヤ部分1の他の実施形態(図示せず)では、第一のリテーナ部材は固定された不動部分(図示せず)を含み、第二のコンベヤ部材はベルトコンベヤである。第一のリテーナ部材は、方向転換中に金型に圧力をかけて金型の第一及び第二の部品を一緒に保持し、他方で、金型を移動させるように動作可能であるのは第二のリテーナ部材である。
【0150】
図3は、実質的に立方体で、第一の金型部品400と第二の金型部品500から形成される2部品金型20の第一の部品を示す。第一の部品400と第二の部品500は各々、金型の質量の約半分を含み、各々、弾性変形可能な2成分シリコーンベースゴムで形成される。
【0151】
第一の金型部品400は、実質的に立方体の本体402から形成される。本体402は、長方形の内面と長方形の外面を有する。金型部品が係合したとき、内面は金型の内面を形成し、反対面は金型の外面を形成する。本体402はまた、長方形の前面後面、及び2つの側面も有する。
【0152】
本体402の内面は、12の個別の、概して半球形の部分金型キャビティ405の集合パターンを有し、これはキャビティの金型表面上の表面テクスチャリングを含む。金型キャビティは、各行15のキャビティ405の11行の集合パターンに配置される。部分キャビティ405は、隣接する金型キャビティから等間隔で離間され、内面の中央に横方向に配置されるグリッド状の集合パターン配列を形成する。第一の行は、内面の、本体405の前面に隣接する縁辺の付近に、それと平行に、ただしそこから離して配置され、最後の(11番目の)行は、内面の、後面に隣接する縁辺の付近に、それと平行に、ただしそこから離して配置される。第一の行は上述の縁辺に、最後の行がその上述の縁辺に対するより近くにある。部分キャビティ405のグリッド状集合パターンのそれぞれの側に沿って、側方リザーバ部材キャビティ406a及び406bがある。側方リサーバ部材キャビティ406a、406bは概して立方体の形状であり、前面に隣接する縁辺から内面に沿って長さ方向に、部分キャビティ405の最後の行の直後まで延びる。側方リザーバ部材406a、406bは、下端(すなわち、本体402の後面に近い端)において基底リザーバ部材タング406cを介して接続される。基底リザーバ部材406cは、側方リザーバ部材406a及び406bと同じ深さであり、内面を横方向に延びて、リザーバ部材406a及び406bを接続する。リザーバ部材406a、406bは基底リザーバ部材406cにおいて一体に接続され、概してU字型のキャビティを形成し、両側面と底部(すなわち、本体402の後面に近い端)において部分キャビティのグリッド状集合パターンを取り囲む。この囲いはリザーバキャビティ408の一部を形成し、そこに部分キャビティ405が配置される。リザーバキャビティは、開放端の形態の横方向に延びる開口を有し、これは基底リザーバ部材に接続されていない側方リザーバ部材の端間に延びる。そのため、開口は部分キャビティの第一の行と、内面の、本体402の前面に隣接する縁辺との間に配置される。
【0153】
金型部品400はさらに、3つのドージング後キューブ型保持部材の2つの群410a、bを有し、これは両側において、内面及び側方リザーバ部材と一体に形成される。ドージング後保持部材の各々は内面及び側方リザーバ部材から外側に延びる。保持部材の第一の群410aは、(リザーバキャビティに関して)側方リザーバ部材406aの外側側面に沿って配置され、保持部材の第二の群410bは、側方リザーバ部材406bの第一の群の反対の外側側面に配置される。各群410a及びbの3つの保持部材は、内面を長さ方向に下方にその群の隣接する保持部材から等間隔で離され、各保持部材は反対の側方リザーバ部材上の対応する保持部材の正反対にある。
【0154】
本体402の内面はドージング保持タング部材412から形成され、これは、基底リザーバ部材406cから離間され、その下方に配置され、それと平行に延び、内面の、後面に隣接する縁辺の付近に、それと平行に延び、ただしそこから離間される。ドージング保持部材412は、概して立方体の突起であり、本体402を横方向に延び、側方縁辺から離間される。
【0155】
長い凹部414は、リザーバキャビティ108の開口と、内面の、本体402の前面に隣接する縁辺との間に、その付近に、ただしそこから離して配置される。凹部414は、内面の中央に、本体402の両側縁辺の間に、そこから離して相対的に横方向に位置付けられる。凹部414は概して楕円形である。凹部114は一般に、リザーバキャビティの開口の幅と等しい範囲にある。
【0156】
第一の金型部品400は、本体402の中央実体を通って、本体402に沿った3つの異なる点において一方の側面から他方の側面へと横方向に延びる。ロッド416は両側の側面から突出し、第一の金型部品400のそれぞれの側に3つの突出部があり、案内部材として機能する。ロッド416は本体402の長さ方向の長さに沿って等間隔に配置される。
【0157】
第二の金型部品500は第一の金型部品400と同じであるが、外側に延びる、雄の形態のリザーバ部材及び保持部材を有する。そのため、第二の金型部品500は、対応する雄リザーバ部材506a、bを有し、これらは第一の金型部品400のリザーバ部材を受けるのに適した、本体の立方体の溝であり、また、雌保持部材406によって雄の保持部材506a、bがその中にフィットし、それによってこれらが係合して、第一及び第二の金型部品400、500を整合した状態に保持する。第一の金型キャビティ400と第二の金型キャビティ500が係合して一体になると、部分キャビティ405は閉じた、拡張した、概して球形の金型キャビティ(図示せず)を形成する。金型部品500において、側方リザーバ部材406a、406bと係合するために、部分キャビティ504のグリッド状の集合パターンのそれぞれの側に沿って延びる側方リザーバ部材であるタング506a及び506bが突出する。側方リザーバ部材タング506a、506bは概して立方体の形状であり、凹状の上面を有し、それが内面に沿って前面に隣接する縁辺から部分キャビティ504の最後の行を過ぎたところまで長さ方向に延びる。側方リザーバ部材506a、506bは下端(すなわち、本体502の後面に近い端)で基底リザーバ部材であるタング506cによって接続される。基底リザーバ部材506cは、側方リザーバ部材506a及び506bと同じ高さであり、内面にわたり横方向に延びて、リザーバ部材506a及び506bとつながる。リザーバ部材506a、506bは、基底リザーバ部材506cの各端に一体に接続されて、概してU字型キャビティを形成し、それが両側及び底部(すなわち、本体502の後面に近い端)部分キャビティ504のグリッド状集合パターンを取り囲む。この囲いは、リザーバキャビティ508の一部を形成し、そこで部分キャビティ404が位置付けられる。補強ロッド416が金型部品のリザーバ側の溝304に嵌り、それによって金型20は溝304に沿って移動し、縦方向に保持され、金型部品400及び500の前面は上向きとなり、後面は下向きとなる。
【0158】
図4は、金型分離部分300を示し、これは2つの案内部材302を含む。案内部材302は縦向きである。各案内部材302は、2つの立方体形状の溝304を有し、これは案内部材302にわたってわずかに斜めに長さ方向に延びて、2つの溝304間の距離は案内部材302の底部において案内部材302の上部より小さくなる。各案内部材302の溝304は、他方の案内部材302の対応する溝に面し、それと直接対向するように配置される。
【0159】
使用中、方向転換コンベヤ部分102は、金型分離部分300の下方に配置され、その際、横方向のY軸は金型分離部分300の横方向軸と平行であり、方向転換コンベヤ部分102のピボットシャフトは金型分離部分300の縦軸付近に、そこからわずかにオフセットされて配置され、方向転換コンベヤ部分102が水平の第一の向きから垂直第二の向きに回転すると、第一及び第二のリテーナ部材106a、106b間の間隔は金型分離部分300の下端と整列して、金型20は方向転換コンベヤ部分102から金型分離部分300へと通過し、金型部品400及び500のロッド416は案内部材302のそれぞれの溝304と係合する。
【0160】
装置は、インフィードコンベヤ部分(図示せず)をさらに含み得る。インフィードコンベヤ部分は長さ650mmの長方形のベルトコンベヤであり、支持レッグ上で方向転換コンベヤ部分102と整合するために正しい高さに支持される。インフィードコンベヤは、金型を横方向に整列した状態に保持するためにプラスチックのサイドランナをさらに含む。
【0161】
装置は、アウトフィードコンベヤ(図示せず)をさらに含み得る。アウトフィードコンベヤ部分は長さ2500mmのコンベヤベルトを含み、ハイグリップベルトとオーバヘッド圧縮ローラで形成される。コンベヤとローラは、ローラがベルトコンベヤの上方に配置されて、それらの間に間隔ができるように配置される。間隔は、金型が2つのコンベヤ間を通過でき、ローラが、コンベヤに沿った実質的に水平の移動中に金型の第一及び第二の部品を一体に保持するための圧力を金型に加えることのできる広さである。
【0162】
使用中、金型20はインフィードコンベヤ部分の上に載せられた。インフィードコンベヤ部分上のプラスチックサイドランナは、金型の横方向の動きを制限し、それをまっすぐに保持して、方向転換コンベヤ部分102へと送給した。方向転換コンベヤ部分102が金型を受けられる状態になると、金型は方向転換コンベヤ部分102の間隔の中に第一の実質的に水平の方向で駆動された。モータ(図示せず)がコンベヤの駆動力として使用された。
【0163】
金型20はそれによって第一及び第二のリテーナ部材間に挿入され、付勢部材110により、第一及び第二のリテーナ部材は金型10への力を保持することができた。方向転換コンベヤ部分102上のランナは、金型が方向転換コンベヤ部分102内に整合した状態に保持されるのを支援した。金型が方向転換コンベヤ部分102内に入ると、金型の動きが止まり、方向転換コンベヤ部分102はアクチュエータによって90度回転させられて、実質的に垂直の向きとなり、そこで方向転換コンベヤ部分102は金型分離部分300の真下に位置した。金型20はすると、第一及び第二のリテーナ部材106のコンベヤか同期して駆動することにより、縦方向に上方に駆動されて、金型分離部分の中に入った。コンベヤにはモータ(図示せず)によって動力供給された。付勢部材により加えられた力によって、第一及び第二の金型部品の相対位置が保持された。
【0164】
金型が方向転換コンベヤ部分のベルトコンベヤの上から出始めると、金型ロット゛416が2つの案内部材302の底部の溝304に入った。金型は、方向転換コンベヤ部分のベルトコンベヤによって加えられた力により金型分離部分300へと駆動され、最終的に上端で金型部品が分離して、開位置をとり、そこで金型部品間の空間内にリザーバキャビティが形成された。この位置で、ドージング保持部材412は金型の下端で協働して係合し、第一及び第二の金型部品400、500を整合状態に保持し、大きいリザーバキャビティを形成でき、そこで基底リザーバ部材はキャビティの基底を形成し、金型キャビティの全てが開いた。
【0165】
金型がこの位置にある状態で、成形組成物を金型の上方から金型の選択部分の中に滴下させた。成形組成物を次のように形成した。下記の量のアルミナ粉体、造孔材、及び分散剤を混合して、粉末混合物を形成した。下記の量の重合性モノマ、架橋モノマ、及び水を含む水性モノマ溶液を粉末混合物に添加して、水性スラリを形成した。その後、下記の量の触媒と開始剤を水性スラリに添加した。得られたスラリの各成分の量は以下のとおり:
量
アルミナ粉体 475
造孔材 60g
分散剤 12.25g
重合性モノマ 16.3g
架橋部材 8.2
触媒 3ml
開始剤 8ml
水 135g
【0166】
得られた水性スラリをその後、金型20が部分的開位置にある間に、金型20の上方に配置された往復運動する供給ノズルから金型20のリザーバキャビティの中に注入した。初期リザーバキャビティ408は、液体組成物を金型部品の離間された前面の上方からリザーバキャビティ408の開口454の中に滴下させることによって、成形組成物を受けた。受けられた組成物はキャビティ408内に保持され、初期リザーバキャビティ内にあった金型キャビティ405に充填された。金型は短時間(約2秒)保持されて、金型の2つの部品の中に組成物の小さい空間ができるようにした。金型はその後、ドージング部材が依然として金型にドージングしている間に、第一及び第二のリテーナ部材106のコンベヤベルトが長さ方向X軸に沿って反対方向に移動することによって、ゆっくりと下がって方向転換コンベヤ部分102に戻った。金型20へのドージング中、ドージング部材は金型20の上方で横方向に移動した。金型20は、ドージングが継続する間に開位置からより閉じた位置へと徐々に移動された。すると、ドージングが止まり、金型が閉じ、さらに再び方向転換コンベヤ部分に向かって移動した。
【0167】
第一及び第二のリテーナ部材106のコンベヤベルトが長さ方向X軸に沿って反対方向に移動することによる力によって、金型20は
図4に示されるように閉位置に移動し、これは、金型を溝304に沿って案内部材302の下方に移動させて、側方リザーバ部材406、506と金型部品の内面を、基底リザーバ部材からリザーバキャビティの開口に向かって上方へと徐々に係合させることによる。部分的閉位置で、側方リサーバ部材と金型内面はさらに係合して、リザーバキャビティが金型20を金型部品の内面に向かってさらに移動させる。この動作により、初期リザーバキャビティも閉じ、それによって初期リザーバキャビティ内に配置された充填済みの金型キャビティも閉じる。移動したリザーバキャビティには、当初充填された金型キャビティに受けられなかった残りの組成物が入っている。これには、液体セラミック組成物の一部をキャビティ部材の集合パターンの上方へと移送して、組成物が移動したリザーバキャビティ408から、移動したリザーバキャビティ408に入った、それまでは空であった開放金型キャビティの中に移動できるという効果がある。移動したリザーバキャビティはまた、ドージング部材からの追加の組成物を受けることもできた。部分的閉位置では、金型部品の内面の当接によって、最終的にリザーバキャビティの基底が形成された。
【0168】
その後、金型部品400、500は、第一及び第二のリテーナ部材106が長さ方向X軸に沿ってさらに反対(後退)方向に移動することによって閉位置に移動し、それによってリザーバ部材406及びドージング後保持部材510が完全に係合し、リザーバキャビティ408が閉じ、リザーバキャビティの全ても閉じて、液体セラミック組成物が閉じた金型キャビティ内に保持された。余剰の組成物は全て凹部414内に捕捉された。
【0169】
金型が第一及び第二のリテーナ部材106の2つのベルトコンベヤ間で一番下に戻ると、金型は停止し、方向転換コンベヤ部分102は90度回転して、再びもともとの実質的に水平な位置に戻る。
【0170】
金型はすると、方向転換コンベヤ部分102から出て、アウトフィードコンベヤ部分へと駆動された。このコンベヤは金型を方向転換コンベヤ部分102の外に移動させ、他の金型が所定の位置に来るようにした。
【0171】
成形組成物が閉じた拡張金型キャビティ内でゲル化して複数の固体成形体になったところで、成形体を離型させる。この時点で、成形体は弾性があり、ゼリー状の粘度を有する。その後、成形体を室温で24時間放置して、乾燥させた。乾燥した成形体を1450℃まで焼成し、その時点でバインダと造孔材が燃え尽きて、複数の中実の多孔質充填部材が残った。
【0172】
すると、充填部材を、触媒材料Ni(NO3)2を含む水溶液に浸漬してから、500℃で乾燥させた。この触媒材料含浸ステップは、2回以上繰り返して、担持触媒を製作した。
【0173】
製作された担持触媒は、
図5の担持触媒600に示されるようなマクロ構造と表面構造を有していた。担持触媒600は、複数の穴(全部で5)が担体の長さ方向の長さにわたって延び、複数の長さ方向に向くキャステレーション(全部で10)が担体から半径方向に外側に突出する円筒形のコグの形状のマクロ構造を有していた。担持触媒600のマクロ構造はさらに、担体600の上面内に凹部602を有する。コグのキャステレーションの各々は、深さにおいてテーパが付けられ担持触媒600は基底部で最大の幅外寸F(38.0mm)から担持触媒600の上面で最小幅外寸E(35.1mm)を有する。各キャステレーションにはさらに、幅において、担持触媒600の基底部の最も広い地点から担持触媒600の上面における最も狭い幅へとテーパが付けられた。
【0174】
担持触媒600は、担持触媒600の実質的に外面全体にわたって延びる表面構造を有していた。表面構造は概して、相互接続された六角形の畝部604の形態であった。
【0175】
このようにして、改善された特性を有する充填部材及び担持触媒が、開放垂直充填法を使って、商業的に実行可能な製造を実現するために必要なタイムスパンで、必要な高い品質で製造され得る。
【0176】
本願に関連して本明細書と同時に、又はそれ以前に出願され、公開されている全ての論文と文献に注目されたく、かかる論文及び文献全ての内容を参照によって本願に援用する。
【0177】
本明細書(付属の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)で開示されている特徴の全て及び/又は、そのように開示されている何れの方法若しくはプロセスのステップの全ても、これらの特徴及び/又はステップの少なくとも幾つかが相互に排他的である組合せを除き、何れの組合せでも組み合わせられ得る。
【0178】
本明細書(付属の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)で開示されている各特徴は、明確に別段のことわりがないかぎり、同じ、同等、又は同様の目的に資する代替的な特徴と置き換えられ得る。それゆえ、明確に別段のことわりがないかぎり、開示されている各特徴は同等又は同様の特徴の包括的集合の中の一例にすぎない。
【0179】
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(付属の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)において開示されている特徴の何れの新規なひとつ、若しくは何れの新規な組合せにも、又はそのように開示された何れの方法若しくはプロセスのステップの何れの新規な一つ、又は何れの新規な組合せにも及ぶ。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一及び第二の部品を含む金型をドージング位置に送達する装置であって、前記装置は、
対向する第一及び第二のリテーナ部材を含む方向転換コンベヤ部分を含み、前記第一及び第二のリテーナ部材の少なくとも一方はコンベヤを含み、前記第一及び第二のリテーナ部材は、両者間に間隔を形成するように動作可能であり、前記方向転換コンベヤ部分は、前記第一及び第二のリテーナ部材が第一の向きにあるときに前記第一及び第二のリテーナ部材間の前記間隔内に前記金型を受け、その後、前記金型の前記第一の部品を前記金型の前記第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持しながら、前記第一及び第二のリテーナ部材を第二の向きに移動させるように動作可能であり、前記装置は、
金型分離部分をさらに含み、前記方向転換コンベヤ部分は、前記第一及び第二のリテーナ部材が前記第二の向きにあるときに前記金型を前記金型分離部分へと少なくとも部分的に排出するように動作可能であり、前記金型分離部分は、前記金型の前記第一及び第二の部品の少なくとも部分的な分離を作動させるように動作可能である装置。
【請求項2】
前記対向する第一及び第二のリテーナ部材間の前記間隔を第一の距離まで付勢するように動作可能な付勢部材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記付勢部材は、前記対向する第一及び第二のリテーナ部材が前記第一の向きから前記第二の向きに移動する間に、前記金型の前記第一の部品を前記金型の前記第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持するのに十分な力を加えるように動作可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記付勢部材はばね式である、請求項
2に記載の装置。
【請求項5】
成形組成物を前記金型内に分注するように動作可能なドージング部材をさらに含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
前記ドージング部材は、液体セラミック組成物、例えばゲルキャスト組成物を分注するように動作可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ドージング部材は、前記金型上方で横方向に移動するように動作可能である、請求項
5に記載の装置。
【請求項8】
前記金型を前記方向転換コンベヤ部分へと送給するように動作可能なインフィードコンベヤ部分をさらに含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項9】
前記方向転換コンベヤ部分から排出された金型を受け、移動させるように動作可能なアウトフィードコンベヤ部分をさらに含む、請求
1に記載の装置。
【請求項10】
前記方向転換コンベヤ部分の前記第一及び第二のリテーナ部材はコンベヤを含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項11】
前記コンベヤはベルトコンベヤを含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項12】
前記第一及び第二のリテーナ部材の前記コンベヤは、同じ速度で移動するように動作可能である、請求項
10に記載の装置。
【請求項13】
前記方向転換部分、インフィードコンベヤ、及び/又はアウトフィードコンベヤの前記コンベヤは、少なくとも0.1Nm、例えば少なくとも0.15Nmのトルクを提供するように動作可能である、請求項
1に記載の装置。
【請求項14】
前記方向転換コンベヤ部分の前記第一及び第二の向き間の角度は30~90°、例えば50~90°、又は70~90°、例えば実質的に90°である、請求項
1に記載の装置。
【請求項15】
前記方向転換コンベヤ部分は、その周囲で前記方向転換コンベヤ部分が回転するように動作可能なピボット点を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項16】
ピボット点は、前記方向転換コンベヤ部分の横方向の中心線の付近の、ただしそこからオフセットされた、前記方向転換コンベヤ部分の一方の端から遠い、横方向に延びるピボット点である、請求項
15に記載の装置。
【請求項17】
前記方向転換コンベヤ部分は、前記第一及び第二のリテーナ部材が前記第二の向きにあるとき、前記第一及び第二の金型の部品の必要な相対的アラインメントを保持しながら、前記金型を前記金型分離部分へと、少なくとも500mm/分の速度、例えば少なくとも750mm/分、例えば少なくとも1000mm/分の速度で少なくとも部分的に排出するように動作可能である、請求項
1に記載の装置。
【請求項18】
前記方向転換コンベヤ部分は、前記部分的に排出された金型の前記方向転換コンベヤ部分への少なくとも部分的再把持を駆動し、前記金型の前記第一及び第二の部品が少なくとも部分的に再閉鎖するように動作可能である、請求項
1に記載の装置。
【請求項19】
第一及び第二の部品を含む金型をさらに含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項20】
前記金型はリザーバ形成部材を含み、前記金型は、前記第一及び第二の部品が少なくとも部分的に離間されて、前記リザーバ部材がリザーバキャビティを形成し
、金型キャビティが開放する開位置から、前記リザーバキャビティの位置が前記金型キャビティに関して移動し、及び/又は前記リザーバキャビティの容積が減少する部分的閉位置へ、その後、前記第一及び第二の部品が係合して、前記金型キャビティが閉じる閉位置へと移動するように動作可能である、請求項
1に記載の装置。
【請求項21】
前記第一及び/又は第二の金型部品は弾性変形可能である、請求項
1に記載の装置。
【請求項22】
請求項
1に記載の装置を使用した、第一及び第二の部品を含む金型へのドージング方法であって、
(a)前記第一及び第二のリテーナ部材が第一の向きにあるとき、前記金型を前記第一及び第二のリテーナ部材間の前記間隔の中に配置するステップと、
(b)前記金型の前記第一の部品を前記金型の前記第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持しながら、前記第一及び第二のリテーナ部材を第二の向きに移動させるステップと、
(c)前記金型を金型分離部分へと少なくとも部分的に排出して、前記金型の前記第一及び第二の部品の少なくとも部分的分離が起こるようにするステップと、
(d)前記金型に成形組成物をドージングするステップと、
を含む方法。
【請求項23】
(e)前記第一及び第二のリテーナ部材は前記金型を再把持して、前記金型の前記第一及び第二の部品が少なくとも部分的に再閉鎖するようにするステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
(f)前記金型の前記第一の部品を前記金型の前記第二の部品に関して同じ位置に実質的に保持しながら、前記第一及び第二のリテーナ部材を再び前記第一の向きに、又は第三の向きに移動させるステップをさらに含む、請求項
22に記載の方法。
【請求項25】
(g)前記金型内の前記成形組成物を硬化させて、例えば成形体を形成するステップをさらに含む、請求項
22に記載の方法。
【請求項26】
液体セラミック組成物から充填部材を製造するためのものである、請求項1~25の何れか1項に記載の装置又は方法。
【請求項27】
セラミック材料を含み、前記充填部材の外面上に表面構造をさらに含む充填部材を製造するためのものである、請求項26に記載の装置又は方法。
【請求項28】
ゲルキャスティングにより充填部材を製造するためのものである、請求項
26に記載の装置又は方法。
【国際調査報告】