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特表2024-519870径が変化する被覆管を有する核燃料棒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】径が変化する被覆管を有する核燃料棒
(51)【国際特許分類】
   G21C 3/28 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
G21C3/28 600
G21C3/28 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571630
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 US2022072364
(87)【国際公開番号】W WO2022246397
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】17/324,904
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521219442
【氏名又は名称】ウェスティングハウス エレクトリック カンパニー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】WESTINGHOUSE ELECTRIC COMPANY LLC
【住所又は居所原語表記】1000 Westinghouse Drive, Suite 141, Cranberry Township, Pennsylvania 16066 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェンク グーラー
(72)【発明者】
【氏名】イーシン サン
(57)【要約】
原子炉アセンブリの不定径燃料棒が開示される。原子炉アセンブリは、燃料スタック方向に配置された核分裂性物質を含む複数の燃料ペレットを収容するように構成された細長い被覆管を含む。細長い被覆管は、第1および第2の軸方向リフレクタ領域と、それらの間の中間軸方向領域と、d1として定義される中間軸方向領域の被覆管外径と、d2として定義される第1および第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方の被覆管外径と、中間軸方向領域の第2の径d1と軸方向リフレクタ領域の大径d2との間に位置する移行領域と、を含む。軸方向リフレクタ領域の径d2は、中間軸方向領域の径d1よりも大きい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉アセンブリの不定径燃料棒であって、
燃料スタック方向に配置された核分裂性物質を含む複数の燃料ペレットを収容するように構成された細長い被覆管であって、
第1および第2の軸方向リフレクタ領域と、
それらの間の中間軸方向領域と、
d1として定義される前記中間軸方向領域の被覆管外径と、
d2として定義される前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方の被覆管外径であって、前記軸方向リフレクタ領域の前記径d2は前記中間軸方向領域の前記径d1よりも大きい、前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方の被覆管外径と、
前記中間軸方向領域の前記第2の径d1と前記軸方向リフレクタ領域の前記大径d2との間に位置する移行領域と、を含む前記細長い被覆管
を備える、不定径燃料棒。
【請求項2】
前記細長い被覆管はジルコニウム合金を含む、請求項1に記載の不定径燃料棒。
【請求項3】
前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径をd2と定義し、前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径をd3と定義し、前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の前記径d2およびd3の各々は、前記中間軸方向領域の前記径d1よりも大きい、請求項1に記載の不定径燃料棒。
【請求項4】
前記中間軸方向領域の被覆管内径をdi1と定義し、
前記第1の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi2と定義し、
前記第2の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi3と定義し、di2またはdi3はdi1より大きく、d1-di1=d2-di2=d3-di3である、請求項3に記載の不定径燃料棒。
【請求項5】
前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径d2は、d3として定義される前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径と等しい、請求項3に記載の不定径燃料棒。
【請求項6】
前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径d2は、d3として定義される前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径よりも大きい、請求項3に記載の不定径燃料棒。
【請求項7】
前記中間リフレクタ領域と前記軸方向リフレクタ領域との間の前記移行領域が一次関数によって定義される、請求項1に記載の不定径燃料棒。
【請求項8】
前記中間リフレクタ領域と前記軸方向リフレクタ領域との間の前記移行領域が指数関数によって定義される、請求項1に記載の不定径燃料棒。
【請求項9】
第1の軸方向リフレクタ領域の前記外径d2および前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記外径d3は、前記中間軸方向領域の前記外径d1よりも大きい、請求項1記載の不定径燃料棒。
【請求項10】
複数の可燃性吸収材を含む複数の制御棒と、
複数の燃料ペレットを収容する細長い被覆管を含む複数の燃料棒であって、前記燃料ペレットは、核分裂性物質を含み、前記燃料ペレットは、燃料スタック方向に配置されており、前記複数の燃料棒は、1つまたは複数の一定径燃料棒と1つまたは複数の不定径燃料棒を含み、前記不定径燃料棒は、第1の軸方向リフレクタ領域と第2の軸方向リフレクタ領域との間に位置する中間軸方向領域を含み、
前記中間軸方向領域は、外径d1を有し、
前記第1の軸方向リフレクタ領域は、外径d2を有し、
前記第2の軸方向リフレクタ領域は、外径d3を有し、d2またはd3は、d1よりも大きい、前記複数の燃料棒と、を備えており、
前記中間軸方向リフレクタ領域と大径軸方向リフレクタ領域との間の移行領域は、関数によって定義される、燃料棒アセンブリ。
【請求項11】
前記中間軸方向領域の被覆管内径をdi1と定義し、
前記第1の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi2と定義し、
前記第2の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi3と定義し、di2またはdi3はdi1より大きく、d1-di1=d2-di2=d3-di3である、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の軸方向リフレクタ領域および前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記燃料ペレットは、環状の燃料ペレットを含む、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項13】
複数の前記燃料棒アセンブリは、加圧水型原子炉(PWR)の炉心を構成する、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項14】
前記中間軸方向領域の前記燃料ペレットは、外部の統合型燃料可燃性吸収材(IFBA)層で被覆されている、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項15】
前記燃料ペレットの前記IFBAコーティング層は、二ホウ化ジルコニウム(ZrB2)からなる外部材料を含む、請求項14に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項16】
前記中間リフレクタ領域と前記第1および第2のリフレクタ領域との間の前記移行領域を定義する前記関数は、線形関数である、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項17】
前記中間リフレクタ領域と前記第1および第2のリフレクタ領域との間の前記移行領域を定義する前記関数は、指数関数である、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2022年5月19日に出願された米国特許出願第17/324,904号(発明の名称「VARIABLE FUEL ROD DIAMETER」)の米国特許法第120条に基づく利益および優先権を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
加圧水型原子炉(PWR)では、炉心は多数の燃料アセンブリを備えており、各燃料アセンブリは複数の細長い燃料要素または燃料棒で構成されている。燃料棒はそれぞれ、二酸化ウラン(UO2)、二酸化プルトニウム(PuO2)、またはこれらの混合物等の核分裂性物質を含み、通常は核燃料ペレットのスタックの形をしているが、環状または粒子状の燃料も使用される。燃料棒は、高い核分裂率を維持するのに十分な中性子バンドルを炉心に供給し、大量のエネルギーを熱として放出するようにグループ化されたアレイにまとめられている。水などの冷却材は炉心内を圧送され、有用な仕事を生産するために炉心で発生した熱の一部を取り出す。燃料アセンブリは、炉心に求められるサイズや原子炉のサイズによってその大きさや設計が異なる。
【0003】
炉心の初期運転時に、核分裂性物質は核分裂反応のこの段階としては過剰な量の中性子を生成してしまうことがある。核分裂性物質の反応度は初期運転後に低下するが、原子炉の存続期間にわたって反応度が変動してしまう可能性がある。原子炉の存続期間を通じて反応度が一定であることがより望ましい。核分裂性物質の初期過剰反応度を打ち消す、あるいは緩和するために、様々な方法が使用され得る。典型的には、過剰な中性子を吸収するために制御棒が炉心に挿入される。さらに、反応度を一定に保つため、あるいは特定の燃焼度を達成するために燃料組成を調整することもある。制御棒および燃料組成物は、当該技術分野において「可燃性毒物」または「可燃性吸収剤」として知られている中性子吸収剤を使用し、ホウ素、ガドリニウム、カドミウム、サマリウム、エルビウム、およびユーロピウム化合物を含むことができる。
【0004】
可燃性毒物は、初期の過剰量の中性子を吸収する一方で、理想的には、中性子吸収の結果、新たな中性子または追加の中性子を生成しないか、または新たな中性子毒物に変化しない。このような燃料要素の運転初期には、過剰な中性子が可燃性毒物によって吸収され、この可燃性毒物は、好ましくは中性子数の少ない元素へと変化する。燃料ペレットは、二ホウ化ジルコニウム(ZrB2)、または同様の材料からなる薄い外部層で被覆され、統合型燃料可燃性吸収材(IFBA)を形成することができる。
【0005】
しかし、ZrB2IFBA被覆燃料ペレット中のホウ素は、核分裂性物質と反応してヘリウムガスを生成する可能性がある。燃料棒は密閉された筐体であるため、燃料棒内でのガス発生は問題となり得る。そのため、ガスが発生すると燃料棒の内圧が上昇する(RIPとして知られる)。核分裂反応自体が、燃料棒の内圧上昇に寄与するガスを発生させる。燃料棒の内圧は、燃料棒の構造的完全性を損ねてしまわないように、あるレベル以下に保たれなければならない。このため、燃料棒の内圧を安全に取り扱うことと、燃料組成を高燃焼度化することと、過剰な中性子を吸収するIFBA材料と、の間でトレードオフが生じる。従って、燃料棒の内圧は、燃料の燃焼度を上げたり、燃料の存続期間を延ばしたり、反応度を一定に保ったりすることに対する制限因子として機能する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
様々な態様において、本開示は、原子炉アセンブリの不定径燃料棒を提供する。不定径燃料棒は、燃料スタック方向に配置された核分裂性物質を含む複数の燃料ペレットを収容するように構成された細長い被覆管であって、第1および第2の軸方向リフレクタ領域と、それらの間の中間軸方向領域と、d1として定義される中間軸方向領域の被覆管外径と、d2として定義される第1および第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方の被覆管外径であって、軸方向リフレクタ領域の径d2は中間軸方向領域の径d1よりも大きい、第1および第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方の被覆管外径と、中間軸方向領域の第2の径d1と軸方向リフレクタ領域の大径d2との間に位置する移行領域と、を含む細長い被覆管を備える。
【0007】
様々な態様において、本開示は、燃料棒アセンブリを提供する。燃料棒アセンブリは、複数の可燃性吸収材を含む複数の制御棒と、複数の燃料ペレットを収容する細長い被覆管を含む複数の燃料棒であって、燃料ペレットは、核分裂性物質を含み、燃料ペレットは、燃料スタック方向に配置されており、複数の燃料棒は、1つまたは複数の一定径燃料棒と1つまたは複数の不定径燃料棒を含み、不定径燃料棒は、第1の軸方向リフレクタ領域と第2の軸方向リフレクタ領域との間に位置する中間軸方向領域を含み、中間軸方向領域は、外径d1を有し、第1の軸方向リフレクタ領域は、外径d2を有し、第2の軸方向リフレクタ領域は、外径d3を有し、d2またはd3は、d1よりも大きい、複数の燃料棒と、を備えており、中間軸方向リフレクタ領域と大径軸方向リフレクタ領域との間の移行領域は、関数によって定義される。
【0008】
本明細書に記載された態様の様々な特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。しかしながら、様々な態様は、構成および動作方法の両方に関して、その利点と共に、以下説明とこれに添付される図面に従って、以下のように理解される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】燃料棒の中間軸方向領域に燃料ペレットスタックを備える一定径燃料棒を示す図である。
図2】燃料棒の中間軸方向領域に固体燃料ペレットを付勢固定するとともに燃料棒の軸方向リフレクタ領域にブランケット燃料ペレットを付勢固定するバネを採用した一定径燃料棒を示す図である。
図3】本開示の少なくとも1つの態様による、第1の被覆管径を有する軸方向リフレクタ領域と、第2の被覆管径を有する中間軸方向領域と、を備える不定径燃料棒を示す図である。
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、一定径燃料棒と制御棒を備える燃料棒アセンブリを示す図である。
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、不定径燃料棒と制御棒との間の空間的関係、および隣接する燃料棒間のピッチを説明するための、一端が大径を有する2本の隣接する不定径燃料棒の代表的なバンドルの側面図である。
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、不定径燃料棒と制御棒との間の空間的関係、および隣接する燃料棒間のピッチを説明するための、両端が大径を有する2本の隣接する不定径燃料棒の代表的なバンドルの側面図である。
図7A】本開示の少なくとも1つの態様による、燃料棒被覆管および中間軸方向領域と軸方向リフレクタ領域との間の移行スロープの投影図である。
図7B】本開示の少なくとも1つの態様による、燃料棒被覆管および中間軸方向領域と軸方向リフレクタ領域との間の移行スロープの投影図である。
図7C】本開示の少なくとも1つの態様による、燃料棒被覆管および中間軸方向領域と軸方向リフレクタ領域との間の移行スロープの投影図である。
図7D】本開示の少なくとも1つの態様による、燃料棒被覆管および中間軸方向領域と軸方向リフレクタ領域との間の移行スロープの投影図である。
図8A】本開示の少なくとも1つの態様による、不定径燃料棒の中間軸方向領域の断面図である。
図8B】本開示の少なくとも1つの態様による、不定径燃料棒の軸方向リフレクタ領域の断面図である。
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、第1の軸方向リフレクタ領域において第1の被覆管径を有し、中間軸方向領域において第2の被覆管径を有し、第2の軸方向リフレクタ領域において第3の被覆管径を有する不定径燃料棒を示す図である。
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、第1の軸方向リフレクタ領域および中間軸方向領域において第1の被覆管径を有し、第2の軸方向リフレクタ領域において第2の被覆管径を有する不定径燃料棒を示す図である。
【0010】
対応する参照文字は、複数の図を通して対応する部分を示す。本明細書に記載された実施例は、一態様において、特許請求される主題の様々な態様を例示するものであり、かかる実施例は、いかなる態様においても、特許請求される主題の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(詳細な説明)
不定径な燃料棒を備える原子炉の様々な態様を説明する前に、例示的実施例は、添付の図面および説明に図示された部品の構造および配置の詳細に適用または使用に限定されないことに留意されたい。例示的実施例は、他の態様、変形例、および修正例において実施または組み込まれてもよく、様々な方法で実施または実行されてもよい。さらに、別段の記載がない限り、本明細書で採用される用語および表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されたものであり、その限定を目的とするものではない。また、以下に説明する態様、態様の表現、および/または実施例のうちの1つまたは複数を、以下に説明する他の態様、態様の表現、および/または実施例のうちの任意の1つまたは複数と、限定することなく組み合わせることができる旨が理解される。
【0012】
燃料棒の内部圧力に関連する制限は、燃料棒の内部ボイド容積を増加させることによって解消され得る。特定の態様において、このことは、燃料棒の内部圧力の低下をもたらすか、または燃料棒のエネルギー出力を最適化し得る。燃料棒の内部ボイド容積を増加させることにより、燃料の存続期間が長く、燃料組成が高燃焼度であり、または燃料の存続期間にわたって燃料反応度が一定であるような炉心を設計するための自由度が向上する。これらの利点は、過剰なガスを発生させ、燃料棒の内圧を危険なレベルにまで上げてしまう危険性があったために一般的には避けられてきた様々な燃料組成を使用することで実現できる可能性がある。
【0013】
様々な態様において、燃料棒の全体的な内部ボイド容積は、軸方向リフレクタ領域の一方または両方において燃料棒被覆管の径を増加させることにより、増加させることができる。燃料棒の中間軸方向領域の径は変更せず、燃料棒の軸方向リフレクタ領域の一方または両方をフレア形状とすることができる。フレア形状は、軸方向リフレクタ領域の低燃焼度および中性子リフレクタとしての特性を利用するために採用することができる。さらに、不定径燃料棒は、他の不定径燃料棒または従来の一定径燃料棒とともに燃料棒アセンブリに採用することができる。別の態様では、一定径燃料棒を備える燃料棒アセンブリを、本開示による不定径燃料棒を用いて改造することができる。
【0014】
図1および図2は、それぞれ中間軸方向領域106,206に燃料ペレットスタックを備える一定径燃料棒102,202である。図1に示すように、一定径燃料棒102は、3つの軸方向領域、すなわち第1の軸方向リフレクタ領域104と、中間軸方向領域106と、第2の軸方向リフレクタ領域105と、を備える。様々な態様において、中間軸方向領域106および206は、高燃焼度燃料源として機能する濃縮核分裂性物質を含む固体燃料ペレット110および210を備えている。さらに、燃料棒102,202は、典型的にはジルコニウム合金からなる被覆管108,208を備えている。図1に示すように、第1および第2の軸方向リフレクタ領域104,105は、環状の燃料ペレット112を備えていてもよい。図2を参照して後述するように、中間軸方向領域106からの中性子漏洩を防止するために、軸方向リフレクタ領域104,105,205に異なる種類の燃料ペレットを採用してもよい。
【0015】
図2は、燃料棒202の中間軸方向領域206に固体燃料ペレットスタック210を付勢固定するとともに軸方向リフレクタ領域205にブランケット燃料ペレット214を付勢固定するためにバネ216を採用した一定径燃料棒202である。図2に示すように、一定径燃料棒202もまた、3つの軸方向領域、すなわち第1の軸方向リフレクタ領域204と、中間軸方向領域206と、第2の軸方向領域205と、を備える。第1の軸方向リフレクタ領域204は、中間および第2の領域206,205に燃料ペレットスタックを付勢固定するためのバネ216を備える。図1に示す環状燃料ペレット112とは対照的に、図2に示す一定径燃料棒202は、固体ブランケット燃料ペレット214を備える。この態様では、バネの周りの占有されていない空間は、総容積ボイド計算に含まれることになる。バネ216は任意の構成要素であり、より単純化された製造工程を含む別の態様においては存在しない。バネ機能の欠如を補うために、より多くの燃料ペレットが被覆管内に含まれる。より多くの燃料ペレットを追加することでより大きな空間を占有し、内部部品の移動量を最小限に抑え、内部損傷を防ぐことができる。しかしながら、内部部品を密に配置することで、内部ボイド容積も減少する。
【0016】
図2も、一定径燃料棒202の軸方向リフレクタ領域205における固体ブランケットペレット214の使用を示している。固体ブランケットペレット214は、環状ペレット112よりも大きな内部容積を占め、内部ボイド容積を減少させる。固体ブランケットペレット214は中性子反射体として使用することができるが、中性子を反射し、内部ボイド容積を増加させるために濃縮燃料を使用するには、環状ペレット112が好ましい場合がある。
【0017】
図3は、本開示の少なくとも1つの態様による、第1の径を有する軸方向リフレクタ領域305と、第2の径を有する中間軸方向領域306と、を備える不定径燃料棒302である。図3に示すように、不定径燃料棒302は、軸方向リフレクタ領域305において大径の燃料棒被覆管を備えている。大径の被覆管308は、図1および図2に示される一定の径の燃料棒102,202と比較して、不定径燃料棒302の軸方向リフレクタ領域305の非占有空間318内の内部ボイド容積を増加させる。
【0018】
燃料棒内の総内部ボイド容積は、密閉された燃料棒内のすべての非占有空間の合計を取ることによって計算される。燃料棒内の非占有空間には、燃料ペレットの両端にある「皿型」ディンプルと、燃料ペレットの面取り縁と、燃料ペレットと被覆管壁の間の空間と、環状燃料ペレットの内部体積316と、軸方向リフレクタ領域304の非占有空間318と、が含まれる。態様によっては、不定径燃料棒は、軸方向リフレクタ領域の一方または両方に大径の被覆管を有してもよい。
【0019】
次に、図4に示すように、複数の一定径燃料棒452と、1つまたは複数の不定径燃料棒402と、が不定径燃料棒バンドル420としてグループ化される場合がある。不定径燃料棒402は、被覆管408と複数の燃料ペレット410を備えている。不定径燃料棒402は、燃料棒グリッド424のような既存の構成要素と共に燃料棒アセンブリ400に実装されてもよく、あるいは寸法変化を補償するために軽微な変更を要してもよい。好ましい態様では、不定径燃料棒バンドル420は、隣接する燃料棒のピッチ、燃料棒被覆管の径、制御棒の位置、および不定燃料棒バンドル内で冷却材が流れるために必要とされる空間を考慮して、不定径燃料棒402を支持するように改造されてもよい。
【0020】
図4は、原子炉運転の様々な段階で燃料棒バンドルに定期的に挿入される制御棒422を含む燃料棒アセンブリ400を示す。燃料棒バンドル420内の燃料棒402は、制御棒を燃料棒バンドルに挿入するための隙間を確保した所定の構成で配置されなければならない。燃料棒グリッド424は、ピッチとして知られる燃料棒間の特定の間隔および距離に従って、燃料棒バンドル420内に燃料棒402を配置する。図5は、本開示の少なくとも1つの態様による、不定径燃料棒502,504と制御棒506との間の空間的関係、および隣接する燃料棒502,504間のピッチを説明するために、一端530に大径を有する2本の不定径燃料棒502,504の代表的なバンドル500の側面図である。図5に示すように、2本の隣接する燃料棒502,504間のピッチ512は、特定の燃料棒502と隣接する燃料棒504との間の中心間距離として定義される。一態様では、ピッチ512は、燃料棒502の半径508と、隣接する燃料棒504の半径510と、各燃料棒502,504の半径の外面間に定義される隙間514の合計として定義され得る。一般に、隙間514は、燃料棒502,504が接触せず、燃料棒502,504と制御棒506との間に規定された空間516において冷却材が燃料棒バンドル500内を流れるための空間が提供されるように、ゼロより大きい値をとる。燃料棒間のピッチは、隣接する燃料棒の最大径に直接関係する。
【0021】
さらに図5を参照すると、本開示の一態様では、燃料棒502,504の第2の軸方向リフレクタ領域518,520のそれぞれの被覆管外径d3は、燃料棒502,504の中間軸方向リフレクタ領域522,524の被覆管外径d2および第1の軸方向リフレクタ領域526、528の被覆管外径d1よりも大きい。この態様において、第1の軸方向リフレクタ領域526、528の被覆管外径d1は、制御棒506の被覆管外径d4の空間的制約または制御棒506の位置によって制限される場合がある。制御棒506は典型的には燃料アセンブリの頂部でのみ使用され、第2の軸方向リフレクタ領域518,520がわずかに大きな径の被覆管を支持することを許容する場合がある。この態様では、第2の軸方向リフレクタ領域518,520が最大の被覆管外径を有してもよく、d3>d2≧d1となってもよい。図5に示すように、中間軸方向領域522,524の径d2は、それぞれ移行領域532,534で大径d3に移行する。
【0022】
図6は、本開示の少なくとも1つの態様による、不定径燃料棒602,604と制御棒606との間の空間的関係、および隣接する燃料棒間のピッチを説明するための、両端部630,632に大径を有する2本の隣接する不定径燃料棒602,604の代表的なバンドル600の側面図である。図6は、第1の軸方向リフレクタ領域626,628および第2の軸方向リフレクタ領域618,620の両方について、大径の被覆管を支持するために、隣接する燃料棒602,604の間に十分なピッチ距離612が存在する態様を示す。さらに、冷却材が燃料棒バンドル600を通って流れるのに十分な空間が隙間616に存在する。この態様では、第1の軸方向リフレクタ領域626,628および第2の軸方向リフレクタ領域618,620の両方が、中間軸方向領域よりも実質的に大きな被覆管径を有し得る。燃料棒602,604の第1の軸方向リフレクタ領域626,628の被覆管外径d4は、それぞれ、中間軸方向リフレクタ領域622,624の被覆管外径d5よりも大きい。さらに、燃料棒602,604の第2の軸方向リフレクタ領域618,620の被覆管外径d6は、それぞれ、中間軸方向リフレクタ領域622,624の被覆管外径d5よりも大きく、d4>d5かつd6>d5となっている。
【0023】
図6にさらに示すように、中間軸方向領域622,624の径d5は、それぞれ、移行領域642,644において、第1の軸方向リフレクタ領域626,628の大径d4に移行する。さらに、中間軸方向領域622,624の径d5は、それぞれ、移行領域632,634において、第2の軸方向リフレクタ領域618,620の大径d6に移行する。
【0024】
不定径燃料棒502は、燃料棒602よりもコスト削減の利点がある。1つの軸方向リフレクタ領域のみにおいて被覆管径を増加させることにより、改変を要する関連部品の数を最小化することができる。不定径燃料棒602は燃料棒502よりも大きな内部ボイド容積を有するが、その実施は多くの設計要因に基づき得る。
【0025】
移行領域の形状は、多くの要因によって決定され得る。異なる2つの径部分間の移行スロープの形状は、製造コスト、製造プロセスに関連する構造的完全性、ならびに冷却材および制御棒を収容するための十分な空間に応じて決定され得る。図7A図7Dは、燃料棒被覆管の側面図を示しており、大径軸方向リフレクタ領域間の移行スロープを強調している。図7Aおよび図7Cは、線形関数によって定義される移行スロープを図示しており、その一方で、図7Bおよび図7Dの移行スロープは、指数関数によって定義される。特定のスロープは、ボイド容積の最大化に基づいて決定されてもよい。
【0026】
図8Aは、不定径燃料棒の中間軸方向領域702の断面図を示す。燃料ペレット706と燃料棒被覆管708との間の非占有空間710は、半径710と半径712との間の差によって決定される。図8Bは、不定径燃料棒の軸方向リフレクタ領域704の断面図を示す。燃料ペレット706と燃料棒被覆管708との間の非占有空間716は、半径710と半径712との間の差によって決定される。非占有空間510と512の差は、燃料棒の空隙体積の増加を表す。好ましい態様では、中間軸方向領域702における燃料棒被覆管の幅は、軸方向リフレクタ領域704における幅と同じである。
【0027】
図9および図10は、内部ボイド容積を最大化するための態様を示す。図9は、第1の軸方向リフレクタ領域804において第1の被覆管径を有し、中間軸方向領域806において第2の被覆管径を有し、第2の軸方向リフレクタ領域805において第3の被覆管径を有する不定径燃料棒802である。図9は、軸方向リフレクタ領域804,805に環状燃料ペレット812を採用し、第1および第2の軸方向リフレクタ領域804,805の両方で大径の被覆管を採用し、その結果、ボイド容積818,820が増大した態様を示す。
【0028】
図10は、第1の軸方向リフレクタ領域904および中間軸方向領域905において第1の被覆管径を有し、第2の軸方向リフレクタ領域905において第2の被覆管径を有する不定径燃料棒である。図8も軸方向リフレクタ領域904,905に環状の燃料ペレット912を採用しているが、第2の軸方向リフレクタ領域905のみが大径の被覆管を備えている。従って、この被覆管径の増大は、第2の軸方向リフレクタ領域におけるボイド容積918を増大させるだけである。
【0029】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた例に示される:
【0030】
例1:原子炉アセンブリの不定径燃料棒であって、燃料スタック方向に配置された核分裂性物質を含む複数の燃料ペレットを収容するように構成された細長い被覆管であって、第1および第2の軸方向リフレクタ領域と、それらの間の中間軸方向領域と、d1として定義される前記中間軸方向領域の被覆管外径と、d2として定義される前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方の被覆管外径であって、前記軸方向リフレクタ領域の前記径d2は前記中間軸方向領域の前記径d1よりも大きい、前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方の被覆管外径と、前記中間軸方向領域の前記第2の径d1と前記軸方向リフレクタ領域の前記大径d2との間に位置する移行領域と、を含む前記細長い被覆管を備える、不定径燃料棒。
【0031】
例2:前記細長い被覆管はジルコニウム合金を含む、例1に記載の不定径燃料棒。
【0032】
例3:前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径をd2と定義し、前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径をd3と定義し、前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の前記径d2およびd3の各々は、前記中間軸方向領域の前記径d1よりも大きい、例1または2に記載の不定径燃料棒。
【0033】
例4:前記中間軸方向領域の被覆管内径をdi1と定義し、前記第1の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi2と定義し、前記第2の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi3と定義し、di2またはdi3はdi1より大きく、d1-di1=d2-di2=d3-di3である、例1から3の何れか一つに記載の不定径燃料棒。
【0034】
例5:前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径d2は、d3として定義される前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径と等しい、例1から4の何れか一つに記載の不定径燃料棒。
【0035】
例6:前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径d2は、d3として定義される前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径よりも大きい、例1から5の何れか一つに記載の不定径燃料棒。
【0036】
例7:前記中間リフレクタ領域と前記軸方向リフレクタ領域との間の前記移行領域が一次関数によって定義される、例1から6の何れか一つに記載の不定径燃料棒。
【0037】
例8:前記中間リフレクタ領域と前記軸方向リフレクタ領域との間の前記移行領域が指数関数によって定義される、例1から6の何れか一つに記載の不定径燃料棒。
【0038】
例9:第1の軸方向リフレクタ領域の前記外径d2および前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記外径d3は、前記中間軸方向領域の前記外径d1よりも大きい、例1から8の何れか一つに記載の不定径燃料棒。
【0039】
例10:複数の可燃性吸収材を含む複数の制御棒と、複数の燃料ペレットを収容する細長い被覆管を含む複数の燃料棒であって、前記燃料ペレットは、核分裂性物質を含み、前記燃料ペレットは、燃料スタック方向に配置されており、前記複数の燃料棒は、1つまたは複数の一定径燃料棒と1つまたは複数の不定径燃料棒を含み、前記不定径燃料棒は、第1の軸方向リフレクタ領域と第2の軸方向リフレクタ領域との間に位置する中間軸方向領域を含み、前記中間軸方向領域は、外径d1を有し、前記第1の軸方向リフレクタ領域は、外径d2を有し、前記第2の軸方向リフレクタ領域は、外径d3を有し、d2またはd3は、d1よりも大きい、前記複数の燃料棒と、を備えており、前記中間軸方向リフレクタ領域と大径軸方向リフレクタ領域との間の移行領域は、関数によって定義される、燃料棒アセンブリ。
【0040】
例11:前記中間軸方向領域の被覆管内径をdi1と定義し、前記第1の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi2と定義し、前記第2の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi3と定義し、di2またはdi3はdi1より大きく、d1-di1=d2-di2=d3-di3である、例10に記載の燃料棒アセンブリ。
【0041】
例12:前記第1の軸方向リフレクタ領域および前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記燃料ペレットは、環状の燃料ペレットを含む、例10または11に記載の燃料棒アセンブリ。
【0042】
例13:複数の前記燃料棒アセンブリは、加圧水型原子炉(PWR)の炉心を構成する、例10から12の何れか一つに記載の不定径燃料棒。
【0043】
例14:前記中間軸方向領域の前記燃料ペレットは、外部の統合型燃料可燃性吸収材(IFBA)層で被覆されている、例10から13の何れか一つに記載の不定径燃料棒。
【0044】
例15:前記燃料ペレットの前記IFBAコーティング層は、二ホウ化ジルコニウム(ZrB2)からなる外部材料を含む、例14に記載の燃料棒アセンブリ。
【0045】
例16:前記中間リフレクタ領域と前記第1および第2のリフレクタ領域との間の前記移行領域を定義する前記関数は、線形関数である、例10から15の何れか一つに記載の不定径燃料棒。
【0046】
例17:前記中間リフレクタ領域と前記第1および第2のリフレクタ領域との間の前記移行領域を定義する前記関数は、指数関数である、例10から16の何れか一つに記載の不定径燃料棒。
【0047】
本開示に記載され、添付の図面に図示されるような態様の全体的な構造、機能、製造、および使用の徹底的な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。周知の動作、構成要素、および要素は、本開示に記載される態様を不明瞭にしないように、詳細には記載されていない。読者には、本明細書に記載され、図示された態様は、非限定的な例であり、したがって、本明細書に開示された特定の構造的および機能的詳細は、代表的および例示的であり得ることが理解され得る。特許請求の範囲から逸脱することなく、変形および変更を行うことができる。さらに、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「上方」、「下方」などの用語は、便宜上の言葉であり、限定的な用語として解釈されるものではないことを理解されたい。
【0048】
本開示において、同様の参照文字は、図面のいくつかの図を通して、同様のまたは対応する部分を示す。
【0049】
本明細書で言及されるすべての特許、特許出願、刊行物、またはその他の開示資料は、個々の参照資料がそれぞれ明示的に参照により組み込まれたかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により本明細書に組み込まれるとされるすべての参考文献、およびその資料、またはその一部は、組み込まれる資料が、本開示に記載される既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾しない範囲においてのみ、本明細書に組み込まれる。そのため、必要な範囲において、本明細書に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれる矛盾する資料に優先し、本出願に明示的に記載される開示が支配する。
【0050】
本開示は、様々な実施例および例示的態様を参照して説明されてきた。本明細書に記載された態様は、開示された本発明の様々な態様の様々な詳細の例示的な特徴を提供するものと理解される。したがって、特に指定されない限り、可能な範囲で、開示された態様の1つ以上の特徴、要素、構成要素、成分、構造、モジュール、および/または態様は、開示された本発明の範囲から逸脱することなく、開示された態様の1つ以上の他の特徴、要素、構成要素、成分、構造、モジュール、および/または態様と組み合わされ、分離され、交換され、および/または再配置され得ることが理解される。従って、本発明の範囲から逸脱することなく、例示された局面のいずれかの様々な置換、変更または組み合わせがなされ得ることが、当業者には認識される。加えて、当業者であれば、本開示を検討する際に、本明細書に記載された本発明の様々な態様に対する多くの等価物を認識するか、または日常的な実験以上のことを行わずに確認することができる。したがって、本開示は、様々な態様の記載によって限定されるものではなく、特許請求の範囲によって限定される。
【0051】
当業者であれば、一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)において使用される用語は、一般に「オープン」な用語として意図されることを認識するであろう(例えば、「含む」という用語は、「含むが、限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「含むが、限定されない」などと解釈されるべきである)。当業者にはさらに、導入された請求項の特定の数の記載が意図される場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが理解され得る。例えば、理解の一助として、以下の添付の特許請求の範囲には、特許請求の範囲の記載を導入するために「少なくとも1つ」および「1つ以上」という導入句が使用されている場合がある。しかしながら、このようなフレーズの使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の繰り返しの導入が、そのような導入された請求項の繰り返しを含む特定の請求項を、同じ請求項が導入フレーズ「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、そのような導入された請求項の繰り返しを1つのみ含む請求項に限定することを意味すると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、通常、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。特許請求の範囲の記載を導入するために定冠詞が使用される場合も同様である。
【0052】
さらに、導入された請求項に特定の数が明示的に記載されている場合であっても、当業者であれば、そのような記載は、通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識できる(例えば、他の修飾語を伴わない「2つの記載(two recitations)」というだけの記載は、通常、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ等」に類似する慣例が使用される場合、一般的に、このような構成は、当業者が慣例を理解する意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびBの組、AおよびCの組、BおよびCの組、および/またはA、B、およびCの組等を有するシステムを含むが、これらに限定されない)。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ等」に類似する慣例が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者が慣例を理解する意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびBの組、AおよびCの組、BおよびCの組、および/またはA、B、およびCの組等を有するシステムを含むが、これらに限定されない)。当業者にはさらに理解される点として、説明、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、典型的には、2つ以上の代替的な用語を提示する分離的な単語および/または語句は、文脈から別段の指示がない限り、用語の一方、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図するものである点がある。例えば、「AまたはB」という表現は、通常、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むものと理解される。
【0053】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者であれば、そこに記載された動作は、一般に、どのような順序で実行されてもよいことを理解するであろう。また、特許請求の範囲の記載は順序で示されているが、様々な動作は、記載されている順序以外の順序で実行されてもよく、または同時に実行されてもよいことが理解されるべきである。そのような代替順序の例としては、文脈から別段の指示がない限り、重複順序、インターリーブ順序、中断順序、再順序、増分順序、準備順序、補足順序、同時順序、逆順序、または他の変形順序が挙げられる。さらに、「~に反応する」、「~に関連する」などの過去形の形容詞のような用語は、文脈から別段の指示がない限り、一般に、このような変形を除外することを意図していない。
【0054】
「1つの態様」、「ある態様」、「例示的態様」、「1つの例示的態様」等への言及は、その態様に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの態様に含まれることを意味することに留意されたい。したがって、本開示全体を通して様々な場所で「1つの態様において」、「ある態様において」、「例示において」、および「1つの例示において」という表現が現れるが、必ずしもすべてが同じ態様を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つまたは複数の局面において任意の適切な方法で組み合わされ得る。
【0055】
本明細書で使用される「a」、「an」、「the」の単数形は、文脈上そうでないことが明らかな場合を除き、複数形も含む。
【0056】
本明細書で使用される方向語句、例えば、限定するものではないが、頂、底、左、右、下、上、前、後、およびそれらの変形は、添付図面に示される要素の方向に関するものであり、別途明示的に記載されない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0057】
本開示において使用される「約」または「略」という用語は、特に指定がない限り、当業者によって決定される特定の値に対する許容可能な誤差を意味し、これは、値がどのように測定または決定されるかに部分的に依存する。特定の態様において、「約」または「略」という用語は、1,2,3,または4標準偏差以内を意味する。特定の態様において、「約」または「略」という用語は、所与の値または範囲の50%、200%、105%、100%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.05%以内を意味する。
【0058】
本開示では、特に断りのない限り、すべての数値パラメータは、すべての場合において、「約」という用語によって前置きされ、修正されるものと理解され、この場合、数値パラメータは、パラメータの数値を決定するために使用される基礎的な測定技術に特徴的な固有の変動性を有する。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みではないが、本明細書に記載された各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の桁数を考慮し、通常の丸め技術を適用して解釈されるべきである。
【0059】
本明細書で言及される数値範囲には、言及される範囲に包含されるすべての下位範囲が含まれる。例えば、「1~100」の範囲は、明示の最小値である1と明示の最大値である100との間(およびそれを含む)、すなわち、1以上の最小値と100以下の最大値とを有するすべての部分範囲を含む。また、本明細書で言及されるすべての範囲は、言及される範囲の端点を含む。例えば、「1~100」の範囲は、端点1および100を含む。本開示において援用される任意の最大数値限定は、そこに包含されるすべてのより低い数値限定を含むことを意図し、本開示において援用される任意の最小数値限定は、そこに包含されるすべてのより高い数値限定を含むことを意図する。したがって、出願人は、特許請求の範囲を含む本開示を修正して、明示的に記載された範囲内に包含される任意の下位範囲を明示的に記載する権利を留保する。そのような範囲はすべて、本開示に本質的に記載されている。
【0060】
本開示において言及されている、および/または出願データシートに記載されている特許出願、特許、非特許文献、またはその他の開示資料は、組み込まれた資料が本明細書と矛盾しない限り、参照により本明細書に組み込まれる。そのため、必要な範囲において、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれる矛盾する資料に優先する。参照により本明細書に組み込まれるとされる資料またはその一部であっても、本明細書に記載された既存の定義、記述、またはその他の開示資料と矛盾するものは、その組み込まれた資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。
【0061】
「comprise」(および「comprises」や「comprising」などのcompriseの任意の形)、「have」(および「has」や「having」などのhaveの任意の形)、「include」(および「includes」や「including」などのincludeの任意の形)、「contain」(および「contains」や「containing」などのcontainの任意の形)は、オープンエンドの連結動詞である。その結果、1つまたは複数の要素を「備えている」、「有している」、「含んでいる」、または「包含している」システムは、それらの1つまたは複数の要素を有するものであるが、それらの1つまたは複数の要素のみを有している態様に限定されない。同様に、1つまたは複数の特徴を「comprises」、「has」、「includes」、または「contains」するシステム、デバイス、または装置の要素は、それらの1つまたは複数の要素を有するものであるが、それらの1つまたは複数の要素のみを有している態様に限定されない。
【0062】
まとめとして、本明細書に記載された概念を採用することによって生じる多数の利点が記載されてきた。1つまたは複数の形態に関する前述の説明は、例示および説明の目的で提示されたものである。開示された形態に完全一致するように網羅的または限定的に構成することは意図されていない。上記の教示に照らして、修正または変形が可能である。1つまたは複数の形態は、原理および実際の適用を説明するために選択され、それによって当業者が、企図される特定の用途に適するように、様々な形態を、様々な変更を伴って利用することができるように説明された。本記載とともに提出された特許請求の範囲は、全体的な範囲を規定することを意図している。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉アセンブリの不定径燃料棒であって、
燃料スタック方向に配置された核分裂性物質を含む複数の燃料ペレットを収容するように構成された細長い被覆管であって、
第1および第2の軸方向リフレクタ領域と、
それらの間の中間軸方向領域と、
d1として定義される前記中間軸方向領域の被覆管外径と、
d2として定義される前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方の被覆管外径であって、前記径d2は前記中間軸方向領域の前記径d1よりも大きい、前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方の被覆管外径と、
前記中間軸方向領域の前記径d1と前記軸方向リフレクタ領域の前記径d2との間に位置する移行領域と、を含む前記細長い被覆管
を備える、不定径燃料棒。
【請求項2】
前記細長い被覆管はジルコニウム合金を含む、請求項1に記載の不定径燃料棒。
【請求項3】
前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径をd2と定義し、前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径をd3と定義し、前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の前記径d2およびd3の各々は、前記中間軸方向領域の前記径d1よりも大きい、請求項1に記載の不定径燃料棒。
【請求項4】
前記中間軸方向領域の被覆管内径をdi1と定義し、
前記第1の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi2と定義し、
前記第2の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi3と定義し、di2またはdi3はdi1より大きく、d1-di1=d2-di2=d3-di3である、請求項3に記載の不定径燃料棒。
【請求項5】
前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径d2は、d3として定義される前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径と等しい、請求項3に記載の不定径燃料棒。
【請求項6】
前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径d2は、d3として定義される前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径よりも大きい、請求項3に記載の不定径燃料棒。
【請求項7】
前記中間軸方向領域と前記軸方向リフレクタ領域との間の前記移行領域が一次関数によって定義される、請求項1に記載の不定径燃料棒。
【請求項8】
前記中間軸方向領域と前記軸方向リフレクタ領域との間の前記移行領域が指数関数によって定義される、請求項1に記載の不定径燃料棒。
【請求項9】
第1の軸方向リフレクタ領域の前記外径d2および前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記外径d3は、前記中間軸方向領域の前記外径d1よりも大きい、請求項1記載の不定径燃料棒。
【請求項10】
複数の可燃性吸収材を含む複数の制御棒と、
複数の燃料ペレットを収容する細長い被覆管を含む複数の燃料棒であって、前記燃料ペレットは、核分裂性物質を含み、前記燃料ペレットは、燃料スタック方向に配置されており、前記複数の燃料棒は、1つまたは複数の一定径燃料棒と1つまたは複数の不定径燃料棒を含み、前記不定径燃料棒は、第1の軸方向リフレクタ領域と第2の軸方向リフレクタ領域との間に位置する中間軸方向領域を含み、
前記中間軸方向領域は、外径d1を有し、
前記第1の軸方向リフレクタ領域は、外径d2を有し、
前記第2の軸方向リフレクタ領域は、外径d3を有し、d2またはd3は、d1よりも大きい、前記複数の燃料棒と、を備えており、
前記中間軸方向領域と、前記第1の軸方向リフレクタ領域および前記第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方と、の間の移行領域は、関数によって定義される、燃料棒アセンブリ。
【請求項11】
前記中間軸方向領域の被覆管内径をdi1と定義し、
前記第1の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi2と定義し、
前記第2の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi3と定義し、di2またはdi3はdi1より大きく、d1-di1=d2-di2=d3-di3である、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の軸方向リフレクタ領域および前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記燃料ペレットは、環状の燃料ペレットを含む、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項13】
複数の前記燃料棒アセンブリは、加圧水型原子炉(PWR)の炉心を構成する、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項14】
前記中間軸方向領域の前記燃料ペレットは、外部の統合型燃料可燃性吸収材(IFBA)層で被覆されている、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項15】
前記燃料ペレットの前記IFBAコーティング層は、二ホウ化ジルコニウム(ZrB2)からなる外部材料を含む、請求項14に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項16】
前記中間軸方向領域と前記第1および第2のリフレクタ領域との間の前記移行領域を定義する前記関数は、線形関数である、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項17】
前記中間軸方向領域と前記第1および第2のリフレクタ領域との間の前記移行領域を定義する前記関数は、指数関数である、請求項10に記載の燃料棒アセンブリ。
【請求項18】
原子炉アセンブリの不定径燃料棒であって、
複数の燃料ペレットを収容するための密閉された細長い被覆管であって、前記複数の燃料ペレットは燃料スタック方向に配置されており、前記複数の燃料ペレットは、複数の第1の燃料ペレットと複数の第2の燃料ペレットを含んでおり、前記複数の第1の燃料ペレットの各々が第1の外径を規定しており、前記複数の第2の燃料ペレットの各々が前記第1の外径と同じ第2の外径を規定している、前記密閉された細長い被覆管を備えており、
前記密閉された細長い被覆管は、
前記複数の燃料ペレットのうちの前記複数の第1の燃料ペレットを収容する軸方向領域と、
前記軸方向領域に隣接する軸方向リフレクタ領域であって、前記軸方向リフレクタ領域は前記複数の燃料ペレットのうちの前記複数の第2の燃料ペレットを収容し、前記複数の第2の燃料ペレットによって中性子が前記軸方向領域に反射される、前記軸方向リフレクタ領域と、を含んでおり、
前記密閉された細長い被覆管は、前記軸方向リフレクタ領域において前記密閉された細長い被覆管の端部に向けたフレア形状を有しており、前記密閉された細長い被覆管は、前記軸方向領域の全体に沿って第1の被覆管内径di1を規定するとともに前記軸方向リフレクタ領域の端部において第2の被覆管内径di2を規定しており、前記第2の被覆管内径di2は、前記第1の被覆管内径di1よりも大きく、前記密閉された細長い被覆管は、前記第1の被覆管内径di1と前記第2の被覆管内径di2の間でスロープ移行領域を規定している、不定径燃料棒。
【請求項19】
前記複数の第1の燃料ペレットは、複数の固体燃料ペレットを含んでおり、
前記複数の第2の燃料ペレットは、複数の環状燃料ペレットを含む、請求項18に記載の不定径燃料棒。
【請求項20】
前記複数の第1の燃料ペレットは、前記軸方向領域の軸方向における全長に沿って延びている、請求項18に記載の不定径燃料棒。
【請求項21】
前記複数の第2の燃料ペレットは、前記軸方向リフレクタ領域の軸方向における全長に沿って延びている、請求項20に記載の不定径燃料棒。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
まとめとして、本明細書に記載された概念を採用することによって生じる多数の利点が記載されてきた。1つまたは複数の形態に関する前述の説明は、例示および説明の目的で提示されたものである。開示された形態に完全一致するように網羅的または限定的に構成することは意図されていない。上記の教示に照らして、修正または変形が可能である。1つまたは複数の形態は、原理および実際の適用を説明するために選択され、それによって当業者が、企図される特定の用途に適するように、様々な形態を、様々な変更を伴って利用することができるように説明された。本記載とともに提出された特許請求の範囲は、全体的な範囲を規定することを意図している。
下記する項目は、出願当初の特許請求の範囲に記載されていた項目である。
(項目1)
原子炉アセンブリの不定径燃料棒であって、
燃料スタック方向に配置された核分裂性物質を含む複数の燃料ペレットを収容するように構成された細長い被覆管であって、
第1および第2の軸方向リフレクタ領域と、
それらの間の中間軸方向領域と、
d1として定義される前記中間軸方向領域の被覆管外径と、
d2として定義される前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方の被覆管外径であって、前記軸方向リフレクタ領域の前記径d2は前記中間軸方向領域の前記径d1よりも大きい、前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の少なくとも一方の被覆管外径と、
前記中間軸方向領域の前記第2の径d1と前記軸方向リフレクタ領域の前記大径d2との間に位置する移行領域と、を含む前記細長い被覆管
を備える、不定径燃料棒。
(項目2)
前記細長い被覆管はジルコニウム合金を含む、項目1に記載の不定径燃料棒。
(項目3)
前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径をd2と定義し、前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径をd3と定義し、前記第1および第2の軸方向リフレクタ領域の前記径d2およびd3の各々は、前記中間軸方向領域の前記径d1よりも大きい、項目1に記載の不定径燃料棒。
(項目4)
前記中間軸方向領域の被覆管内径をdi1と定義し、
前記第1の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi2と定義し、
前記第2の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi3と定義し、di2またはdi3はdi1より大きく、d1-di1=d2-di2=d3-di3である、項目3に記載の不定径燃料棒。
(項目5)
前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径d2は、d3として定義される前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径と等しい、項目3に記載の不定径燃料棒。
(項目6)
前記第1の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径d2は、d3として定義される前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記被覆管外径よりも大きい、項目3に記載の不定径燃料棒。
(項目7)
前記中間リフレクタ領域と前記軸方向リフレクタ領域との間の前記移行領域が一次関数によって定義される、項目1に記載の不定径燃料棒。
(項目8)
前記中間リフレクタ領域と前記軸方向リフレクタ領域との間の前記移行領域が指数関数によって定義される、項目1に記載の不定径燃料棒。
(項目9)
第1の軸方向リフレクタ領域の前記外径d2および前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記外径d3は、前記中間軸方向領域の前記外径d1よりも大きい、項目1記載の不定径燃料棒。
(項目10)
複数の可燃性吸収材を含む複数の制御棒と、
複数の燃料ペレットを収容する細長い被覆管を含む複数の燃料棒であって、前記燃料ペレットは、核分裂性物質を含み、前記燃料ペレットは、燃料スタック方向に配置されており、前記複数の燃料棒は、1つまたは複数の一定径燃料棒と1つまたは複数の不定径燃料棒を含み、前記不定径燃料棒は、第1の軸方向リフレクタ領域と第2の軸方向リフレクタ領域との間に位置する中間軸方向領域を含み、
前記中間軸方向領域は、外径d1を有し、
前記第1の軸方向リフレクタ領域は、外径d2を有し、
前記第2の軸方向リフレクタ領域は、外径d3を有し、d2またはd3は、d1よりも大きい、前記複数の燃料棒と、を備えており、
前記中間軸方向リフレクタ領域と大径軸方向リフレクタ領域との間の移行領域は、関数によって定義される、燃料棒アセンブリ。
(項目11)
前記中間軸方向領域の被覆管内径をdi1と定義し、
前記第1の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi2と定義し、
前記第2の軸方向リフレクタ領域の被覆管内径をdi3と定義し、di2またはdi3はdi1より大きく、d1-di1=d2-di2=d3-di3である、項目10に記載の燃料棒アセンブリ。
(項目12)
前記第1の軸方向リフレクタ領域および前記第2の軸方向リフレクタ領域の前記燃料ペレットは、環状の燃料ペレットを含む、項目10に記載の燃料棒アセンブリ。
(項目13)
複数の前記燃料棒アセンブリは、加圧水型原子炉(PWR)の炉心を構成する、項目10に記載の燃料棒アセンブリ。
(項目14)
前記中間軸方向領域の前記燃料ペレットは、外部の統合型燃料可燃性吸収材(IFBA)層で被覆されている、項目10に記載の燃料棒アセンブリ。
(項目15)
前記燃料ペレットの前記IFBAコーティング層は、二ホウ化ジルコニウム(ZrB2)からなる外部材料を含む、項目14に記載の燃料棒アセンブリ。
(項目16)
前記中間リフレクタ領域と前記第1および第2のリフレクタ領域との間の前記移行領域を定義する前記関数は、線形関数である、項目10に記載の燃料棒アセンブリ。
(項目17)
前記中間リフレクタ領域と前記第1および第2のリフレクタ領域との間の前記移行領域を定義する前記関数は、指数関数である、項目10に記載の燃料棒アセンブリ。
【国際調査報告】