(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】半導体構造及びその製造方法、並びにメモリ
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20240514BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H10B12/00 681A
H10B12/00 671Z
H01L29/50 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571633
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 CN2022086612
(87)【国際公開番号】W WO2023178751
(87)【国際公開日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】202210289743.X
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【氏名又は名称】三宅 章子
(72)【発明者】
【氏名】蘇 星松
(72)【発明者】
【氏名】白 衛平
(72)【発明者】
【氏名】肖 徳元
【テーマコード(参考)】
4M104
5F083
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104AA02
4M104AA03
4M104AA09
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5F083AD01
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5F083PR03
5F083PR21
5F083PR25
(57)【要約】
本開示は、半導体構造及びその製造方法、並びにメモリを提供し、半導体技術分野に関し、半導体構造の製造が困難であるという技術的課題を解決する。当該半導体構造は、基板と、基板の上方に位置する導電構造とを含み、導電構造は、間隔をおいて設けられた第1方向に沿って延在する複数の第1導電構造及び第2導電構造を含み、複数の第1導電構造の長さ及び複数の第2導電構造の長さは、いずれも階段状に変化する。複数の第1導電構造の長さ及び複数の第2導電構造の長さは、いずれも階段状に変化し、第1導電構造と第2導電構造がワード線を形成し、ワード線の製造及び引き出しが容易であるため、ワード線上に他の構造を容易に形成することができ、ワード線と周辺回路との電気的な接続を実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
基板と、前記基板の上方に位置する導電構造とを含み、
前記導電構造は、間隔をおいて設けられた、第1方向に沿って延在する複数の第1導電構造及び第2導電構造を含み、複数の前記第1導電構造の長さ及び複数の前記第2導電構造の長さは、いずれも階段状に変化する、半導体構造。
【請求項2】
前記基板は、デバイス領域と、前記デバイス領域の両側にそれぞれ設けられた第1接続領域及び第2接続領域と、を含み、
前記第1導電構造は、前記デバイス領域の上方に位置し且つ前記第1接続領域まで延在し、前記第2導電構造は、前記デバイス領域の上方に位置し且つ前記第2接続領域まで延在し、前記第1接続領域の上方に位置する前記第1導電構造の長さは階段状に変化し、前記第2接続領域の上方に位置する前記第2導電構造の長さは階段状に変化する、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
複数の前記第1導電構造の長さが階段状に変化するように、前記基板に近い前記第1導電構造の長さは、前記基板から遠い前記第1導電構造の長さより大きく、
複数の前記第2導電構造の長さが階段状に変化するように、前記基板に近い前記第2導電構造の長さは、前記基板から遠い前記第2導電構造の長さより大きい、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項4】
複数の前記第1導電構造及び複数の前記第2導電構造は、第2方向に沿って順に交互に間隔をおいて設けられる、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記半導体構造はさらに、間隔をおいて設けられた複数のコンタクトプラグを含み、前記コンタクトプラグは、第1コンタクトプラグ及び第2コンタクトプラグを含み、
複数の前記第1コンタクトプラグは、複数の前記第1導電構造と一対一に対応して電気的に接続され、複数の前記第2コンタクトプラグは、複数の前記第2導電構造と一対一に対応して電気的に接続される、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項6】
複数の前記第1コンタクトプラグ及び複数の前記第2コンタクトプラグは、いずれも第2方向に沿って延在し、且つ、複数の前記第1コンタクトプラグの長さ及び複数の前記第2コンタクトプラグの長さは、いずれも階段状に変化する、
請求項5に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記第1コンタクトプラグ及び前記第2コンタクトプラグは、いずれも第1導電部分及び前記第1導電部分上に設けられた第2導電部分を含み、前記第1導電部分のサイズは、前記第2導電部分のサイズより小さい、
請求項5に記載の半導体構造。
【請求項8】
前記デバイス領域の上方に位置する各前記第1導電構造及び各前記第2導電構造は、いずれも間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造を取り囲み、前記第1導電構造と前記チャネル構造との間、及び前記第2導電構造と前記チャネル構造との間に誘電体層が設けられる、
請求項2に記載の半導体構造。
【請求項9】
前記第1接続領域の上方に位置する各前記第1導電構造は、第1アクティブ層を取り囲み、前記第1導電構造と前記第1アクティブ層との間には、第1絶縁層が設けられ、
前記第2接続領域の上方に位置する各前記第2導電構造は、第2アクティブ層を取り囲み、前記第2導電構造と前記第2アクティブ層との間には、第2絶縁層が設けられる、
請求項8に記載の半導体構造。
【請求項10】
同一の前記第1導電構造に対応する前記第1アクティブ層と複数の前記チャネル構造とは、同一層に設けられ、同一の前記第2導電構造に対応する前記第2アクティブ層と複数の前記チャネル構造とは、同一層に設けられる、
請求項9に記載の半導体構造。
【請求項11】
メモリであって、
デバイス領域を含む基板と、
前記デバイス領域の上方に位置するデバイス層であって、前記デバイス層は、間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造を含む、デバイス層と、
間隔をおいて設けられ且つ第1方向に沿って延在する複数のワード線を含むワード線構造であって、複数の前記ワード線の長さは階段状に変化する、ワード線構造と、
間隔をおいて設けられ且つ第2方向に沿って延在する複数のビット線を含む、ビット線構造と、を含み、
前記ワード線は前記デバイス層を貫通し、前記チャネル構造を取り囲み、前記ビット線は前記デバイス層を貫通し、前記チャネル構造に電気的に接続され、前記チャネル構造は記憶ノードにも電気的に接続される、メモリ。
【請求項12】
前記基板はさらに、第1接続領域及び第2接続領域を含み、前記デバイス領域は前記第1接続領域と前記第2接続領域との間に位置し、前記第1接続領域の上方に位置する複数の前記ワード線の長さは階段状に変化し、前記第2接続領域の上方に位置する複数の前記ワード線の長さは階段状に変化する、
請求項11に記載のメモリ。
【請求項13】
各前記ワード線は、前記第1方向に間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造を取り囲み、各前記ビット線は、前記第2方向に間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造の一端に接続され、前記チャネル構造の他端は前記記憶ノードに接続される、
請求項11に記載のメモリ。
【請求項14】
前記デバイス領域に位置する前記基板と、前記第1接続領域及び前記第2接続領域に位置する前記基板との間は、いずれも間隔をおいて設けられる、
請求項12に記載のメモリ。
【請求項15】
半導体構造の製造方法であって、
基板を提供することと、
前記基板の上方に導電構造を形成することであって、前記導電構造は、間隔をおいて設けられた第1方向に沿って延在する複数の第1導電構造及び第2導電構造を含み、複数の前記第1導電構造の長さ及び複数の前記第2導電構造の長さは、いずれも階段状に変化する、こととを含む、半導体構造の製造方法。
【請求項16】
前記基板は、デバイス領域と、前記デバイス領域の両側にそれぞれ設けられた第1接続領域及び第2接続領域と、を含み、
前記第1導電構造は、前記デバイス領域の上方に位置し且つ前記第1接続領域まで延在し、前記第2導電構造は、前記デバイス領域の上方に位置し且つ前記第2接続領域まで延在し、前記第1接続領域の上方に位置する前記第1導電構造の長さは階段状に変化し、前記第2接続領域の上方に位置する前記第2導電構造の長さは階段状に変化する、
請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記基板の上方に導電構造を形成することは、
前記基板の前記デバイス領域、前記第1接続領域及び前記第2接続領域に、それぞれ、第1積層構造、第2積層構造及び第3積層構造を形成することであって、前記第1積層構造は、交互に積み重ねられる第1犠牲層及びデバイス層を含み、前記第2積層構造は、交互に積み重ねられる第2犠牲層及び第1アクティブ層を含み、前記第3積層構造は、交互に積み重ねられる第3犠牲層及び第2アクティブ層を含み、複数の前記第1アクティブ層は、第1部分の前記デバイス層と一対一に対応し、複数の前記第2アクティブ層は、第2部分の前記デバイス層と一対一に対応する、ことと、
各前記デバイス層に間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造を形成するように、前記第1犠牲層と、前記デバイス層の一部とを除去することと、
残余の前記第1アクティブ層及び前記第2アクティブ層の長さがいずれも階段状に変化するように、前記チャネル構造から離れた前記第1アクティブ層の一部及び前記第2アクティブ層の一部を除去することと、
前記第1アクティブ層及び前記第1アクティブ層に対応する前記チャネル構造上に第1導電構造を形成し、前記第2アクティブ層及び前記第2アクティブ層に対応する前記チャネル構造上に第2導電構造を形成することと、を含む、
請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
複数の前記第1アクティブ層は、それぞれ、奇数層の前記デバイス層に対応し且つ同一層に設けられ、複数の前記第2アクティブ層は、それぞれ、偶数層の前記デバイス層に対応し且つ同一層に設けられる、
請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
前記第1アクティブ層及び前記第1アクティブ層に対応する前記チャネル構造上に第1導電構造を形成し、前記第2アクティブ層及び前記第2アクティブ層に対応する前記チャネル構造に第2導電構造を形成する前に、前記製造方法は、
前記第1アクティブ層、前記第2アクティブ層及び前記チャネル構造上に絶縁材料を堆積し、前記第1アクティブ層上に位置する前記絶縁材料が第1絶縁層を形成し、前記チャネル構造上に位置する前記絶縁材料が誘電体層を形成し、前記第2アクティブ層上に位置する前記絶縁材料が第2絶縁層を形成することであって、前記第1絶縁層、前記誘電体層及び前記第2絶縁層は、いずれも間隔をおいて設けられる、ことをさらに含む、
請求項17に記載の製造方法。
【請求項20】
前記基板の上方に導電構造を形成した後、前記製造方法は、
間隔をおいて設けられた複数のコンタクトプラグを形成することであって、前記コンタクトプラグは、第1コンタクトプラグ及び第2コンタクトプラグを含み、複数の前記第1コンタクトプラグは、複数の前記第1導電構造と一対一に対応して電気的に接続され、複数の前記第2コンタクトプラグは、複数の前記第2導電構造と一対一に対応して電気的に接続され、且つ、複数の前記第1コンタクトプラグ及び複数の前記第2コンタクトプラグの長さは、いずれも階段状に変化する、ことをさらに含む、
請求項15に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本開示は、2022年03月23日に提出された、出願番号が202210289743.Xであり、発明の名称が「半導体構造及びその製造方法、並びにメモリ」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、半導体技術分野に関し、特に、半導体構造及びその製造方法、並びにメモリに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体技術の発展に伴い、メモリ、特にダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)は、その高い記憶密度及び速い読み書き速度のため、様々な電子機器に広く適用されている。
【0004】
DRAMは、通常、複数の記憶ユニットを含み、各記憶ユニットは、トランジスタ及びコンデンサを含む。トランジスタのゲートはDRAMのワード線(WL:Word Line)に電気的に接続され、ワード線上の電圧でトランジスタのオン/オフを制御する。トランジスタのソース/ドレインはビット線(BL:Bit Line)に電気的に接続され、ドレイン/ソースがコンデンサに電気的に接続され、ビット線を介してデータ情報を出力する。
【0005】
メモリのサイズをさらに小さくし、メモリの記憶密度を高めるために、コンデンサは水平に配置し、細長比を大きくすることが一般である。しかし、上記のメモリの製造難易度は比較的高い。
【発明の概要】
【0006】
上記の問題に鑑みて、本開示の実施例は、半導体構造の製造難易度を低下させるための半導体構造及びその製造方法、並びにメモリを提供する。
【0007】
いくつかの実施例によれば、本開示の第1態様は、半導体構造を提供し、当該半導体構造は、基板と、前記基板の上方に位置する導電構造とを含む、前記導電構造は、間隔をおいて設けられた第1方向に沿って延在する複数の第1導電構造及び第2導電構造を含み、複数の前記第1導電構造の長さ及び複数の前記第2導電構造の長さは、いずれも階段状に変化する。
【0008】
本開示の実施例により提供される半導体構造は、少なくとも次のような利点を有する。
【0009】
本開示の実施例により提供される半導体構造において、基板の上方に複数の第1導電構造及び複数の第2導電構造を設け、複数の第1導電構造及び複数の第2導電構造は、いずれも第1方向に沿って延在し、且つ、複数の第1導電構造の間、複数の第2導電構造の間、及び第1導電構造と第2導電構造の間は、絶縁分離を実現するように、いずれも間隔をおいて設けられる。複数の第1導電構造の長さ及び複数の第2導電構造の長さは、いずれも階段状に変化し、第1導電構造と第2導電構造がワード線を形成し、ワード線の製造及び引き出しが容易であるため、ワード線上に他の構造を容易に形成することができ、ワード線と周辺回路との電気的な接続を実現することができる。
【0010】
いくつかの実施例によれば、本開示の第2態様は、メモリを提供し、当該メモリは、デバイス領域を含む基板と、前記デバイス領域の上方に位置するデバイス層であって、前記デバイス層は、間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造を含む、デバイス層と、間隔をおいて設けられ且つ第1方向に沿って延在する複数のワード線を含むワード線構造であって、複数の前記ワード線の長さは階段状に変化する、ワード線構造と、間隔をおいて設けられ且つ第2方向に沿って延在する複数のビット線を含む、ビット線構造と、を含み、前記ワード線は前記デバイス層を貫通し、前記チャネル構造を取り囲み、前記ビット線は前記デバイス層を貫通し、前記チャネル構造に電気的に接続され、前記チャネル構造は記憶ノードにも電気的に接続される。
【0011】
本開示の実施例により提供されるメモリは、少なくとも次のような利点を有する。
【0012】
本開示の実施例により提供されるメモリにおいて、基板のデバイス領域の上方に間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造を含むデバイス層が設けられ、複数のビット線が間隔をおいて設けられ且つ第2方向に沿って延在し、ビット線はデバイス層を貫通し、且つチャネル構造に電気的に接続され、チャネル構造は記憶ノードにも電気的に接続され、複数のワード線は、間隔をおいて設けられ且つ第1方向に沿って延在し、その長さは階段状に変化し、ワード線はデバイス層を貫通し、チャネル構造に電気的に接続される。階段状に変化するワード線を形成することにより、ワード線が引き出されるため、ワード線の製造が容易になり、さらに、ワード線上に他の構造も容易に形成することができ、ワード線と周辺回路との電気的な接続を実現することができる。
【0013】
いくつかの実施例によれば、本開示の第3態様は、
基板を提供することと、
前記基板の上方に導電構造を形成することであって、前記導電構造は、間隔をおいて設けられた第1方向に沿って延在する複数の第1導電構造及び第2導電構造を含み、複数の前記第1導電構造の長さ及び複数の前記第2導電構造の長さは、いずれも階段状に変化する、こととを含む、半導体構造の製造方法を提供する。
【0014】
本開示の実施例により提供される半導体構造の製造方法は、少なくとも次のような利点を有する。
【0015】
本開示の実施例により提供される半導体構造の製造方法において、間隔をおいて設けられた、第1方向に沿って延在する複数の第1導電構造及び第2導電構造を含む導電構造を基板の上方に形成することにより、複数の第1導電構造の長さ及び複数の第2導電構造の長さは、いずれも階段状に変化し、第1導電構造と第2導電構造がワード線を形成し、ワード線の製造及び引き出しが容易であるため、ワード線上に他の構造を容易に形成することができ、ワード線と周辺回路との電気的な接続を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一実施例における半導体構造の構成を例示的に示す図である。
【
図2】本開示の一実施例におけるメモリのアーキテクチャである。
【
図3】本開示の一実施例における半導体構造の製造方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の一実施例における第1積層構造、第2積層構造及び第3積層構造の形成後の構成を例示的に示す図である。
【
図5】本開示の一実施例における第1トレンチの形成後の構成を例示的に示す図である。
【
図6】本開示の一実施例におけるチャネル構造の形成後の構成を例示的に示す図である。
【
図7】本開示の一実施例における第1アクティブ層の一部及び第2アクティブ層の一部の除去後の構成を例示的に示す図である。
【
図8】本開示の一実施例における第1導電構造及び第2導電構造の形成後の構成を例示的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
関連技術において、メモリの記憶容量をさらに増やすために、通常、コンデンサを水平に配置すること、即ち、コンデンサの延在方向を基板と平行にして、コンデンサを製造する。コンデンサを水平に配置する場合、コンデンサに適合するビット線構造及びワード線構造の両方を再配置する必要があり、メモリの製造難易度が比較的大きい。
【0018】
これに鑑みて、本開示は、半導体構造及びその製造方法、並びにメモリを提供し、基板の上方に複数の第1導電構造及び複数の第2導電構造を設け、且つ複数の第1導電構造の長さ及び複数の第2導電構造の長さがいずれも階段状に変化し、第1導電構造及び第2導電構造がワード線を形成し、ワード線の製造及び引き出しが容易であるため、ワード線上に他の構造を容易に形成することができ、ワード線と周辺回路との電気的な接続を実現することができる。
【0019】
本開示の実施例の上記の目的、特徴及び利点をより明確に理解しやすくするために、以下、本開示の実施例における技術的解決策を本開示の実施例の図面を参照して、明確且つ完全に説明する。明らかに、記載された実施例は本開示の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を傾いたことなく得られたすべてのその他の実施例は、本開示の保護範囲に属するべきである。
【0020】
図1を参照すると、本開示の実施例の第1態様は、半導体構造を提供し、当該半導体構造は、基板10と、基板10の上方に位置する導電構造とを含む。ここで、基板10の材質は、半導体であってもよく、例えば、基板10の材質は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、炭化ケイ素、ゲルマニウム化ケイ素、絶縁体上ゲルマニウム(GOI:Germanium on Insulator)又は絶縁体上シリコン(SOI:Silicon on Insulator)等であってもよく、又は当業者に周知の他の材料であってもよい。
【0021】
引き続き
図1を参照すると、導電構造は、間隔をおいて設けられた複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60を含み、複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60は、いずれも第1方向に沿って延在し、且つ、複数の第1導電構造50の長さ及び複数の第2導電構造60の長さは、いずれも階段状に変化する。
【0022】
上記の「間隔をおいて設けられた複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60」とは、複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60が第2方向に沿って積層配置され、且つ、複数の第1導電構造50が互いに間隔を隔てて配置され、複数の第2導電が互いに間隔を隔てて配置され、第1導電構造50と第2導電構造60との間が間隔を隔てて配置されることを意味し、これにより、各第1導電構造50及び各第2導電構造60の絶縁分離を確保する。第2方向は、第1方向と交差することができ、好ましくは、複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60の配置をよりコンパクトにするように、第2方向が第1方向に対して垂直である。例示的に、第1方向は、基板10に対して平行な方向(
図1のX方向)であり、第2方向は、基板10に対して垂直な方向(
図1のY方向)である。
【0023】
このように設けることにより、複数の第1導電構造50の長さ及び複数の第2導電構造60の長さは、いずれも階段状に変化し、第1導電構造50及び第2導電構造60は、各ワード線が引き出し端を有するように、ワード線を形成する。ワード線の製造及び引き出しが容易であるため、ワード線上に他の構造を容易に形成することができ、ワード線と周辺回路との電気的な接続を実現することができる。
【0024】
具体的に、複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60は、基板10での正投影は、部分的に重なり合う領域を有する。複数の第1導電構造50と複数の第2導電構造60との積み重ねを実現するために、少なくとも1つの第1導電構造50が複数の第2導電構造60の間に位置し、又は少なくとも1つの第2導電構造60が複数の第1導電構造50の間に位置している。このように配置することにより、基板10の上方のスペースを十分に活用することができ、第1導電構造50及び第2導電構造60の引き出し端の分布が均一になる。
【0025】
好ましくは、複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60が第2方向に沿って順に交互に間隔をおいて設けられる。即ち、隣接する各2つの第1導電構造50の間に1つの第2導電構造60が設けられ、又は、隣接する各2つの第2導電構造60の間に1つの第1導電構造50が設けられる。このように設けることにより、第2方向において、隣接する2つの第1導電構造50の間の距離と、隣接する2つの第2導電構造60の間の距離とが略等しく、第1導電構造50の引き出し端と第2導電構造60の引き出し端の分布がより均一になる。このようにして、第1導電構造50と第2導電構造60とがほぼ対称となり、基板10の上方のスペースを十分に活用することができる。
【0026】
引き続き
図1を参照すると、複数の第1導電構造50が第1方向に沿って延在し、且つ、複数の第1導電構造50の長さは階段状に変化し、複数の第2導電構造60が第1方向に沿って延在し、且つ、複数の第2導電構造60の長さは階段状に変化する。このように設けることにより、各第1導電構造50と各第2導電構造60がいずれも部分的な露出があり、当該部分は、第1導電構造50と各第2導電構造60の引き出し端に使用されることができ、それにより、各第1導電構造50と各第2導電構造60の引き出しが容易となり、周辺回路に接続される。
【0027】
1つの可能な実現形態において、複数の第1導電構造50の長さが階段状に変化するように、基板10に近い第1導電構造50の長さは、基板10から遠い第1導電構造50の長さより大きく、複数の第2導電構造60の長さが階段状に変化するように、基板10に近い第2導電構造60の長さが基板10から遠い第2導電構造60の長さより大きい。
【0028】
具体的に、基板10から離れる方向に沿って、複数の第1導電構造50における第2導電構造60から離れる部分が階段状に変化するように、複数の第1導電構造50の第1方向に沿う長さが順に短くなり、
図1に示すように、複数の第1導電構造50の左端に段差を形成する。複数の第2導電構造60における第1導電構造50から離れる部分が階段状に変化するように、複数の第2導電構造60の第1方向に沿う長さが順に短くなり、
図1に示すように、複数の第2導電構造60の右端に段差を形成する。各第1導電構造50と各第2導電構造60における互いに離間する端部は、いずれも部分的に露出され、当該端部は、いずれも基板10の中央部のチャネル構造23から離れるため、製造スペースが大きく且つチャネル構造23への干渉が少ない。
【0029】
いくつかの可能な実施例において、基板10は、デバイス領域と、デバイス領域の両側にそれぞれ設けられた第1接続領域及び第2接続領域とを含み、デバイス領域上には、トランジスタなどの半導体デバイスが設けられ、第1接続領域及び第2接続領域は、半導体デバイスと周辺回路とが電気的に接続されるように、いずれもデバイス領域内の半導体デバイスを引き出すために使用される。
【0030】
第1接続領域及び第2接続領域は、デバイス領域に対向する両側に設けられ、例示的に、第1接続領域、デバイス領域及び第2接続領域が第1方向に沿って順に配置される。
図1に示すように、第1方向は水平方向(X方向)であり、第1接続領域は、
図1のA、デバイス領域は、
図1内のB、第2接続領域は、
図1のCに示す領域であり、第1接続領域は、デバイス領域の左側、第2接続領域は、デバイス領域の右側に位置する。
【0031】
いくつかの可能な例において、デバイス領域に位置する基板10、第1接続領域に位置する基板10、及び第2接続領域に位置する基板10は一体型であり、即ち、デバイス領域に位置する基板10、第1接続領域に位置する基板10、及び第2接続領域に位置する基板10が互いに接続される。いくつかの別の可能な例において、第1接続領域に位置する基板10及び/又は第2接続領域に位置する基板10と、デバイス領域に位置する基板10との間は間隔をおいて設けられ、即ち、第1接続領域に位置する基板10及び第2接続領域に位置する基板10のうちの少なくとも1つと、デバイス領域に位置する基板10との間に隙間を有する。好ましくは、第1接続領域に位置する基板10と、第2接続領域に位置する基板10と、デバイス領域に位置する基板10との間は、いずれも間隔をおいて設けられて、基板10を提供し、後続に基板10上に所望の構造をそれぞれ形成する。
【0032】
上記の実施例に基づいて、即ち、基板10が、デバイス領域と、デバイス領域の両側にそれぞれ設けられた第1接続領域及び第2接続領域とを含むことに基づき、いくつかの可能な実現形態において、第1導電構造50は、デバイス領域の上方に位置し且つ第1接続領域まで延在し、第2導電構造60は、デバイス領域の上方に位置し且つ第2接続領域まで延在し、第1接続領域の上方に位置する第1導電構造50の長さは、階段状に変化し、第2接続領域の上方に位置する第2導電構造60の長さは、階段状に変化する。
【0033】
図1に示すように、第1導電構造50は、デバイス領域の上方及び第1接続領域の上方に設けられ、第2導電構造60は、デバイス領域の上方及び第2接続領域の上方に設けられる。第1接続領域の上方に位置する第1導電構造50の長さが階段状に変化することにより、第1接続領域の上方に位置する第1導電構造50が第1段差を形成して第1導電構造50が第1段差の段差面を介して引き出される。第2接続領域の上方に位置する第2導電構造60の長さが階段状に変化することにより、第2接続領域の上方に位置する第2導電構造60が第2段差を形成して第2導電構造60が第2段差の段差面を介して引き出される。
【0034】
いくつかの可能な実施例において、デバイス領域には間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造23が設けられ、デバイス領域の上方に位置する各第1導電構造50及び各第2導電構造60は、いずれも間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造23を取り囲み、第1導電構造50とチャネル構造23との間、及び第2導電構造60とチャネル構造23との間には、誘電体層が設けられる。
【0035】
図1に示すように、チャネル構造23は複数備えてもよく、複数のチャネル構造23はアレイ状に配置されることができる。複数のチャネル構造23は、第1方向だけでなく、第2方向にも沿っても間隔をおいて配置され、各チャネル構造23は、第3方向に沿って延在する。第1方向と第2方向は互いに交差し、且つ、いずれも第3方向に対して垂直である。本開示の実施例において、第1方向と第2方向は互いに垂直である。このような配置方式により、チャネル構造23の配置をよりコンパクトにし、配置方式をより好適にし、チャネル構造23の配置数を最大限に増やし、半導体構造の記憶密度を向上させることができる。もちろん、本開示の実施例は、第1方向と第2方向との間の角度を限定するものではなく、ユーザは実際の状況に応じて選択することができる。
【0036】
具体的に、チャネル構造23の両端にソースとドレインがそれぞれ設けられ、ソース、チャネル構造23及びドレインがソースピラーを形成し、ソース、チャネル構造23及びドレインが第3方向に沿って順に積み重ねられる。即ち、アクティブピラーの延在方向は第3方向であり、後続に形成されるトランジスタは、第3方向に沿って配置され、第3方向は、基板10に対して平行である。アクティブピラーの形状は、円柱、角柱、直方体又は他の形状であってもよく、本開示の実施例は、アクティブピラーの形状を限定するものではなく、ユーザは実際の状況に応じて選択することができる。
【0037】
デバイス領域の上方に位置する各第1導電構造50は、間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造23を取り囲み、デバイス領域の上方に位置する各第2導電構造60は、間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造23を取り囲む。デバイス領域の上方に位置する第1導電構造50及び第2導電構造60は、いずれもゲートを形成し、第1導電構造50とチャネル構造23との間には誘電体層(図示せず)が設けられ、第2導電構造60とチャネル構造23との間には誘電体層が設けられる。ゲート、誘電体層及びアクティブピラーは、ゲートオールアラウンドトランジスタ(GAA:Gate All Around)を形成し、平面トランジスタに対して、ゲートオールアラウンドトランジスタの特徴サイズがより小さく、同じ基板10面積を占有する場合、半導体構造の集積度を効果的に高め、記憶容量を増やすことができる。
【0038】
引き続き
図1を参照すると、第1接続領域の上方に位置する各第1導電構造50は、第1アクティブ層31を取り囲み、第1導電構造50と第1アクティブ層31との間には第1絶縁層(図示せず)が設けられ、第2接続領域の上方に位置する各第2導電構造60は、第2アクティブ層41を取り囲み、第2導電構造60と第2アクティブ層41との間には、第2絶縁層(図示せず)が設けられる。
【0039】
ここで、第1接続領域の上方に位置する各第1導電構造50は、デバイス領域の上方におけるそれに対応するゲートを引き出すために使用され、第2接続領域の上方に位置する各第2導電構造60は、デバイス領域におけるそれに対応するゲートを引き出すために使用される。即ち、デバイス領域の上方のトランジスタのゲートは、第1接続領域の第1導電構造50及び第2接続領域の第2導電構造60によってそれぞれ引き出されて、周辺回路に接続される。
【0040】
具体的に、第1接続領域の上方に位置する各第1導電構造50は、第1アクティブ層31を取り囲み、第1アクティブ層31は、その上の第1導電構造50の形成のために、第1導電構造50の支持層として使用されることができる。第1導電構造50と第1アクティブ層31との間には、第1絶縁層が設けられ、第1絶縁層の材質は、第1絶縁層と誘電体層が同時に形成されるように、誘電体層の材質と同一にすることができ、それにより、第1接続領域の上方の第1導電構造50と、デバイス領域の上方の第1導電構造50とが同時に形成されて、半導体構造の製造プロセスを簡素化させることができる。
【0041】
第2接続領域の上方に位置する各第2導電構造60は、第2アクティブ層41を取り囲み、第2アクティブ層41は、その上の第2導電構造60の形成のために、第2導電構造60の支持層として使用されることができる。第2導電構造60と第2アクティブ層41との間には、第2絶縁層が設けられ、第2絶縁層の材質は、第2絶縁層と誘電体層とが同時に形成されるように、誘電体層の材質と同一にすることができ、それにより、第2接続領域の上方の第2導電構造60と、デバイス領域の上方の第2導電構造60とが同時に形成されて、半導体構造の製造プロセスを簡素化させることができる。
【0042】
さらに一歩進んで、第1絶縁層、第2絶縁層及び誘電体層の材質を同一にすることにより、各第1導電構造50及び各第2導電構造60を同時に形成することができ、半導体構造の製造プロセスをさらに簡素化させることができる。第1絶縁層、第2絶縁層及び誘電体層の材質は、酸化ケイ素、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム等の酸化物であってもよい。
【0043】
いくつかの可能な実施例において、同一の第1導電構造50に対応する第1アクティブ層31と複数のチャネル構造23とが同一層に設けられ、同一の第2導電構造60に対応する第2アクティブ層41と複数のチャネル構造23とが同一層に設けられる。
【0044】
図1に示すように、デバイス領域の上方に位置する各第1導電構造50は、間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造23を取り囲み、第1接続領域の上方に位置する各第1導電構造50は、第1アクティブ層31を取り囲む。ここで、同一の第1導電構造50に対応する第1アクティブ層31と複数のチャネル構造23とが同一層に設けられることにより、第1導電構造50の配置がより最適化され、占有スペースがより小さくなり、第1導電構造50の厚さがより均一になり、平坦性がより良好となる。
【0045】
同様に、デバイス領域の上方に位置する各第2導電構造60は、間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造23を取り囲み、第2接続領域の上方に位置する各第2導電構造60は、第2アクティブ層41を取り囲む。ここで、同一の第2導電構造60に対応する第2アクティブ層41と複数のチャネル構造23とが同一層に設けられることにより、第2導電構造60の配置がより最適化され、占有スペースより小さくなり、第2導電構造60の厚さがより均一になり、平坦性がより良好となる。
【0046】
引き続き
図1を参照すると、半導体構造はさらに、間隔をおいて設けられた複数のコンタクトプラグを含み、コンタクトプラグは、第1コンタクトプラグ70及び第2コンタクトプラグ80を含み、複数の第1コンタクトプラグ70は、複数の第1導電構造50と一対一に対応して電気的に接続され、複数の第2コンタクトプラグ80は、複数の第2導電構造60と一対一に対応して電気的に接続される。複数のコンタクトプラグは、第1導電構造50と第2導電構造60とを周辺回路に電気的に接続するために使用され、複数のコンタクトプラグの間の絶縁分離を確保するために、複数のコンタクトプラグを間隔をおいて設けることにより、第1導電構造50の間又は第2導電構造60の間の相互干渉を回避する。
【0047】
具体的に、コンタクトプラグは、第1コンタクトプラグ70及び第2コンタクトプラグ80を含み、第1コンタクトプラグ70の数を第1導電構造50の数に合わせることにより、複数の第1コンタクトプラグ70が複数の第1導電構造50と一対一に対応して電気的に接続されるようにし、それにより、各第1導電構造50をすべて周辺回路に電気的に接続し、周辺回路を介して、第1導電構造50に対応するトランジスタを制御する。第2コンタクトプラグ80の数を第2導電構造60の数に合わせて、複数の第2コンタクトプラグ80が複数の第2導電構造60と一対一に対応して電気的に接続されるようにし、それにより、各第2導電構造60をすべて周辺回路に電気的に接続し、周辺回路を介して第2導電構造60に対応するトランジスタを制御する。
【0048】
例示的に、各第1導電構造50及び各第2導電構造60は、対向して設けられた第1表面及び第2表面を備え、ここで、第1表面は、基板10から離れる一側であり、第2表面は、基板10に近い一側である。第1コンタクトプラグ70は、第1導電構造50の第1表面に接し、第2コンタクトプラグ80は、第2導電構造60の第1表面に接する。
【0049】
図1に示すように、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80は、いずれも第2方向に沿って延在し、且つ、複数の第1コンタクトプラグ70の長さと複数の第2コンタクトプラグ80の長さは、いずれも階段状に変化する。複数の第1コンタクトプラグ70は、第1方向に沿って配置されることができ、複数の第2コンタクトプラグ80は、第1方向に沿って配置されることができる。このように設けることにより、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80の占有スペースがより小さくなり、トランジスタの数の増加に有利であり、それにより、半導体構造の記憶密度を高める。好ましくは、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80が占有するスペースをさらに減らすために、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80が第1方向に沿って同一行に位置する。
【0050】
複数の第1コンタクトプラグ70の長さは階段状に変化し、複数の第2コンタクトプラグ80の長さは階段状に変化し、ここで、長さ方向は第2方向である。このように設けることにより、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80の長さが略等しく、周辺回路と第1導電構造50、及び周辺回路と第2導電構造60との間の経路が略等しく、それにより、デバイス領域における各トランジスタの動作状態の差が小さくなる。
【0051】
引き続き
図1を参照すると、第1コンタクトプラグ70及び第2コンタクトプラグ80は、いずれも、第1導電部分と、第1導電部分上に設けられた第2導電部分とを含み、第1導電部分のサイズは、第2導電部分のサイズより小さい。ここで、第1導電部分は、基板10に近い部分であり、第2導電部分は、基板10から遠い部分であり、即ち、第2導電部分は、第1導電部分における基板10から遠い一側に位置する。第1コンタクトプラグ70の第1導電部分は、第1導電構造50に接し、第2コンタクトプラグ80の第1導電部分は、第2導電構造60に接する。第1導電部分のサイズは、第1導電部分の直径又は断面積を指し、第2導電部分のサイズは、第2導電部分の直径又は断面積を指すことができる。
図1に示すように、基板10上への第2導電部分の正投影は、基板10上への第1導電部分の正投影を覆う。
【0052】
第1導電部分及び第2導電部分は、いずれも、コア層と、コア層の側面及び底面を覆う外側層とを含むことができる。ここで、コア層は、絶縁層であり得、その材質は、窒化ケイ素又は酸化ケイ素であってもよい。外側層は、金属層であり得、その材質は、タングステン又は窒化チタンであってもよい。このように設けることにより、第1導電部分及び第2導電部分の電気的特性を確保する上で、金属層の厚さを薄くして、コストを削減する。
【0053】
以上のように、本開示の実施例による半導体構造において、基板10の上方に複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60を設け、複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60は、いずれも第1方向に沿って延在し、且つ、複数の第1導電構造50の間、複数の第2導電構造60の間、及び第1導電構造50と第2導電構造60との間は、いずれも間隔をおいて設けられて、絶縁分離される。複数の第1導電構造50の長さ及び複数の第2導電構造60の長さは、いずれも階段状に変化し、第1導電構造50と第2導電構造60はワード線を形成する。ワード線の製造及び引き出しが容易であるため、ワード線上に他の構造を容易に形成することができ、ワード線と周辺回路との電気的な接続を実現することができる。
【0054】
図1及び
図2を参照すると、本開示の実施例はさらに、メモリを提供し、メモリは、例えばダイナミックランダムアクセスメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROME:ectrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM:Phase Change Random Access Memory)又は磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magneto-resistive Random Access Memory)等を含み得る。本開示の実施例は、ダイナミックランダムアクセスメモリを例に挙げて説明する。
【0055】
図1及び
図2に示すように、当該メモリは、基板10と、デバイス層と、ワード線構造2と、ビット線構造1とを備える。ここで、基板10の材質は、半導体基板であり得、例えば、基板10の材質は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、炭化ケイ素、ゲルマニウム化ケイ素、絶縁体上ゲルマニウム又は絶縁体上シリコン等であり得る。
【0056】
基板10は、デバイス領域を含み、デバイス領域の上方にはデバイス層が設けられ、デバイス層は、間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造23を含む。いくつかの可能な実施例において、基板10はさらに、第1接続領域及び第2接続領域を含み、デバイス領域は、第1接続領域と第2接続領域との間に位置し、第1接続領域及び第2接続領域は、ワード線構造2を引き出すために使用される。例示的に、第1接続領域、デバイス領域及び第2接続領域は、第1方向に沿って順に配置される。デバイス領域に位置する基板10と、第1接続領域及び第2接続領域に位置する基板10との間はいずれも間隔をおいて設けられることにより、基板10を提供し、基板10に必要な構造をそれぞれ形成する。
【0057】
複数のチャネル構造23は、アレイ状に配置されることができ、複数のチャネル構造23は、第1方向だけでなく、第2方向にも沿って間隔をおいて配置され、且つ、第3方向に沿って延在し、第1方向(
図1のX方向)と第2方向(
図1のY方向)は互いに交差し、且つ、いずれも第3方向(
図2のZ方向)に対して垂直である。このような配置方式は、チャネル構造23の配置をよりコンパクトにし、配置方式がより好適であり、チャネル構造23の配置数を最大限に向上させ、半導体構造の記憶密度を高める。
【0058】
チャネル構造23の両端にはソース及びドレインをそれぞれ設け、ソース、チャネル構造23及びドレインは、アクティブピラーを形成し、ソース、チャネル構造23及びドレインは、第3方向に沿って順に積み重ねられ、即ち、アクティブピラーの延在方向が第3方向である。アクティブピラーの形状は、円柱、角柱、直方体又は他の形状であり得る。第3方向は、基板10に対して平行な方向、即ち、アクティブピラーの延在方向が基板10に対して平行である。
【0059】
ワード線構造2は、間隔をおいて設けられ且つ第1方向に沿って延在する複数のワード線を含み、複数のワード線の長さは階段状に変化し、ワード線は、デバイス層を貫通し、且つ、チャネル構造23を取り囲む。ワード線は、ソースとドレインとの間が導通されているか否かを制御するために使用される。ビット線構造1は、間隔をおいて設けられ且つ第2方向に沿って延在する複数のビット線を含み、ビット線は、デバイス層を貫通し、且つ、チャネル構造23に電気的に接続され、チャネル構造23は、記憶ノードにも電気的に接続される。ビット線は、記憶ノードのデータ情報を読み取るために使用される。
【0060】
具体的に、各ワード線は、第1方向に間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造23を取り囲み、各ビット線は、第2方向に間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造23の一端に接続され、チャネル構造23の他端は、記憶ノードに接続される。例示的に、チャネル構造23の一端は、ドレインであり、ドレインは、ビット線に接し、チャネル構造23の他端はソースであり、ソースは、記憶ノードに接し、記憶ノーは、コンデンサ4であり得る。
【0061】
基板10がさらに第1接続領域及び第2接続領域を含む実施例において、第1接続領域の上方に位置する複数のワード線の長さは階段状に変化し、且つ、第2接続領域の上方に位置する複数のワード線の長さは階段状に変化する。
【0062】
ワード線の一部は、デバイス領域に位置し且つ第1接続領域まで延在し、残余のワード線の一部は、デバイス領域に位置し且つ第2接続領域まで延在する。デバイス領域に位置するワード線は、ゲートとして使用され、ワード線とチャネル構造23との間に誘電体層が設けられ、ゲート、ソース、ドレイン、チャネル構造23及び誘電体層がトランジスタ3を形成し、当該トランジスタ3は、ゲートオールアラウンドトランジスタであり、平面トランジスタに対して、ゲートオールアラウンドトランジスタの特徴サイズがより小さく、同じ基板10面積を占有する場合、半導体構造の集積度を効果的に高め、記憶容量を増やすことができる。
【0063】
第1接続領域の上方に位置する複数のワード線の長さは、当該ワード線の一部が第2方向に沿って段差を形成するように、階段状に変化する。第2接続領域の上方に位置する複数のワード線は、当該部分が第2方向に沿って段差を形成するように、構造的に変化される。周辺回路への接続を容易にするために、ワード線は、第1接続領域及び第2接続領域の上方に位置する部分をゲート引き出し端とする。
【0064】
いくつかの可能な例において、第1接続領域の上方に位置する各ワード線は、第1アクティブ層31を取り囲み、第1アクティブ層31は、当該ワード線の形成のために、当該ワード線の支持層として使用されることができる。第1接続領域上に位置するワード線と、第1アクティブ層31との間に第1絶縁層が設けられる。第2接続領域の上方に位置する各ワード線は、第2アクティブ層41を取り囲み、第2アクティブ層41は、当該ワード線の形成のために、当該ワード線の支持層として使用されることができる。第2接続領域上に位置するワード線と、第2アクティブ層41との間に第2絶縁層が設けられる。
【0065】
なお、メモリはさらに、複数の支持層及び隔離層を含み、複数の支持層は、第2方向に沿って、隣接するトランジスタ3の間に設けられ、隔離層は、ワード線の間に充填される。支持層を設けることは、一方で、第2方向でのトランジスタ3の積み重ねを容易にし、もう一方で、隣接するトランジスタ3の間を電気的に隔離させることができる。隔離層を設けることは、隣接するトランジスタ3の間を電気的に隔離させて、トランジスタ3の相互干渉を回避することができる。
【0066】
いくつかの可能な実施例において、メモリはさらに、間隔をおいて設けられた複数のコンタクトプラグを含み、コンタクトプラグは、ワード線と一対一に対応して電気的に接続されて、ワード線を周辺回路に接続させる。コンタクトプラグは、第1接続領域に位置する複数の第1コンタクトプラグ70及び第2接続領域に位置する複数の第2コンタクトプラグ80を含み、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80は、いずれも第2方向に沿って延在し、且つ、複数の第1コンタクトプラグ70の長さ及び複数の第2コンタクトプラグ80の長さは、いずれも階段状に変化する。このように設けることにより、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80の長さが略等しく、周辺回路と各ワード線の経路が略等しく、それにより、デバイス領域内の各トランジスタの動作状態の差が小さくなる。
【0067】
以上のように、本開示の実施例によるメモリにおいて、基板10のデバイス領域の上方にデバイス層が設けられ、デバイス層は、間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造23を含み、複数のビット線は、間隔をおいて設けられ且つ第2方向に沿って延在し、ビット線は、デバイス層を貫通し、且つ、チャネル構造23に電気的に接続され、チャネル構造23はさらに、記憶ノードに電気的に接続され、複数のワード線は、間隔をおいて設けられ且つ第1方向に沿って延在し、その長さは階段状に変化し、ワード線は、デバイス層を貫通し、チャネル構造23に電気的に接続される。階段状に変化するワード線を形成することにより、ワード線を引き出して、ワード線の製造が容易となり、さらに、ワード線に他の構造を形成することが容易となり、ワード線と周辺回路との電気的な接続を実現する。
【0068】
図3を参照すると、本開示の実施例はさらに、半導体構造の製造方法を提供し、当該製造方法は、ステップS10~S20を含む。
【0069】
ステップS10において、基板を提供する。
【0070】
図4を参照すると、基板10の材質は、半導体基板であり得、例えば、基板10の材質が、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、炭化ケイ素、ゲルマニウム化ケイ素、絶縁体上ゲルマニウム又は絶縁体上シリコンであってもよい。いくつかの可能な実施例において、基板10は、デバイス領域と、デバイス領域の両側にそれぞれ設けられた第1接続領域及び第2接続領域とを含む。ここで、デバイス領域にトランジスタ等の半導体デバイスが設けられ、第1接続領域及び第2接続領域は、半導体デバイスと周辺回路とを電気的に接続させるために、いずれもデバイス領域内の半導体デバイスを引き出すために使用される。
【0071】
例示的に、第1接続領域(
図4のAに示すように)、デバイス領域(
図4のBに示すように)及び第2接続領域(
図4のCに示すように)が第1方向に沿って順に配置される。第1方向は、
図1に示す水平方向(X方向)であり、第1接続領域は、デバイス領域の左側に位置し、第2接続領域は、デバイス領域の右側に位置する。デバイス領域に位置する基板10、第1接続領域に位置する基板10、及び第2接続領域に位置する基板10は一体型であってもよいし、間隔をおいて設けられてもよい。例えば、第1接続領域に位置する基板10と第2接続領域に位置する基板10のうちの少なくとも1つと、デバイス領域に位置する基板10との間に隙間がある。好ましくは、第1接続領域に位置する基板10と、第2接続領域に位置する基板10と、デバイス領域に位置する基板10との間は、すべて間隔をおいて設けられて、基板10を提供し、基板10上に必要な構造をそれぞれ形成する。
【0072】
ステップS20において、基板の上方に導電構造を形成し、導電構造は、間隔をおいて設けられた第1方向に沿って延在する複数の第1導電構造及び第2導電構造を含み、複数の第1導電構造の長さ及び複数の第2導電構造の長さは、いずれも階段状に変化する。
図5~
図8を参照すると、複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60は、第2方向に沿って積み重ねられ、且つ、複数の第1導電構造50は間隔をおいて設けられ、複数の第2導電構造60は間隔をおいて設けられ、第1導電構造50と第2導電構造60との間は間隔をおいて設けられて、各第1導電構造50と各第2導電構造60との絶縁分離を確保する。第2方向は、第1方向と交差することができ、好ましくは、複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60の配置をよりコンパクトにするように、第2方向は、第1方向に対して垂直である。例示的に、第1方向は、基板10に対して平行な方向(
図8のX方向)であり、第2方向は、基板10に対して垂直な方向(
図8のY方向)である。
【0073】
複数の第1導電構造50及び複数の第2導電構造60は、第2方向に沿って順に交互に間隔をおいて設けられる。即ち、隣接する各2つの第1導電構造50の間に1つの第2導電構造60が設けられ、又は、隣接する各2つの第2導電構造60の間に1つの第1導電構造50が設けられる。このように設けることにより、第2方向に沿って、隣接する2つの第1導電構造50の間の距離と、隣接する2つの第2導電構造60の間の距離とが略等しく、第1導電構造50の引き出し端と第2導電構造60の引き出し端の分布がより均一になって、第1導電構造50と第2導電構造60とがほぼ対称となり、基板10の上方のスペースを十分に活用することができる。
【0074】
複数の第1導電構造50は、第1方向に沿って延在し、且つ、複数の第1導電構造50の長さが階段状に変化し、複数の第2導電構造60は、第1方向に沿って延在し、且つ、複数の第2導電構造60の長さが階段状に変化する。このように設けることにより、各第1導電構造50と各第2導電構造60は、いずれも部分的に露出され、それにより、各第1導電構造50及び各第2導電構造60を引き出して、周辺回路に接続するのが容易となる。
【0075】
具体的に、第1導電構造50は、デバイス領域の上方に位置し且つ第1接続領域まで延在し、第2導電構造60は、デバイス領域の上方に位置し且つ第2接続領域まで延在し、第1接続領域の上方に位置する第1導電構造50の長さは階段状に変化し、第2接続領域の上方に位置する第2導電構造60の長さは階段状に変化する。即ち、第1導電構造50がデバイス領域の上方及び第1接続領域の上方に設けられ、第2導電構造60がデバイス領域の上方及び第2接続領域の上方に設けられる。第1接続領域の上方に位置する第1導電構造50の長さは階段状に変化することにより、第1接続領域の上方に位置する第1導電構造50が第1段差を形成するようにし、第1導電構造50が第1段差の段差面を介して引き出される。第2接続領域の上方に位置する第2導電構造60の長さは階段状に変化することにより、第2接続領域の上方に位置する第2導電構造60が第2段差を形成するようにし、第2導電構造60が第2段差の段差面を介して引き出される。
【0076】
具体的な一実現形態において、基板10の上方に導電構造を形成すること(ステップS20)は、ステップS21を含む。
ステップS21において、基板のデバイス領域、第1接続領域及び第2接続領域に第1積層構造、第2積層構造及び第3積層構造をそれぞれ形成し、第1積層構造は、交互に積み重ねられる第1犠牲層及びデバイス層を含み、第2積層構造は、交互に積み重ねられる第2犠牲層及び第1アクティブ層を含み、第3積層構造は、交互に積み重ねられる第3犠牲層及び第2アクティブ層を含み、複数の第1アクティブ層は、第1部分のデバイス層と一対一に対応し、複数の第2アクティブ層は、第2部分のデバイス層と一対一に対応する。
【0077】
図4に示すように、基板10のデバイス領域に第1積層構造20を形成し、基板10の第1接続領域に第2積層構造30を形成し、基板10の第2接続領域に第3積層構造40を形成する。第1積層構造20は、複数の第1犠牲層22及び複数のデバイス層21を含み、第1犠牲層22及びデバイス層21が第2方向に沿って順に重ね合わされて設けられる。第2積層構造30は、複数の第2犠牲層32及び複数の第1アクティブ層31を含み、第2犠牲層32及び第1アクティブ層31は、第2方向に沿って順に重ね合わされて設けられる。第3積層構造40は、複数の第3犠牲層42及び複数の第2アクティブ層41を含み、第3犠牲層42及び第2アクティブ層41は、第2方向に沿って順に重ね合わされて設けられる。
【0078】
ここで、複数の第1アクティブ層31は、第1部分のデバイス層21と一対一に対応し、複数の第2アクティブ層41は、第2部分のデバイス層21と一対一に対応する。好ましくは、複数の第1アクティブ層31は、それぞれ、奇数層のデバイス層21に対応し且つ同一層に設けられ、複数の第2アクティブ層41は、それぞれ、偶数層のデバイス層21に対応し且つ同一層に設けられる。このように設けることにより、隣接する第1アクティブ層31は、第2方向に沿う距離が、隣接する第2アクティブ層41の第2方向に沿う距離と略等しく、それにより、第1接続領域の上方の構造と第2接続領域の上方の構造の分布がより均一になり、対称に接近し、スペースの十分に活用することができる。
【0079】
いくつかの可能な例において、第1犠牲層22は、第1積層構造20における基板10に近い最外側に位置し、即ち、第1犠牲層22が基板10上に位置する。このように設けることにより、各層のデバイス層21が後続にすべてトランジスタ3を形成することができ、トランジスタ3の数を増やし、それにより、半導体構造の記憶密度を高める。それに対応して、第2犠牲層32と第3犠牲層42も基板10上に位置する。
【0080】
第1アクティブ層31の材質は、Nドーピングシリコンを含み、第1犠牲層22の材質は、ゲルマニウム化ケイ素を含み、第1アクティブ層31、第2アクティブ層41及び第3アクティブ層の材質が同一であり、第1犠牲層22、第2犠牲層32及び第3犠牲層42の材質が同一である。第1アクティブ層31、第2アクティブ層41、第3アクティブ層、第1犠牲層22、第2犠牲層32及び第3犠牲層42は、いずれも堆積プロセスによって形成されることができる。
【0081】
ステップS22において、各デバイス層が間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造を形成するように、第1犠牲層と、デバイス層の一部とを除去する。
【0082】
図4及び
図5を参照すると、複数のチャネル構造23は、アレイ状に配置されることができ、複数のチャネル構造23は、第1方向だけでなく、第2方向にも沿って間隔をおいて配置され、且つ、第3方向に沿って延在し、第1方向は、第2方向と互いに交差し、且つ、いずれも第3方向に対して垂直である。このような配置方式は、チャネル構造23の配置をよりコンパクトにし、配置方式がより好適であり、チャネル構造23の配置数を最大限に向上させ、半導体構造の記憶密度を高めることができる。
【0083】
デバイス層21はさらに、チャネル構造23の両端にそれぞれ位置するソース及びドレインを形成し、ソース、チャネル構造23及びドレインは、アクティブピラーを形成し、ソース、チャネル構造23及びドレインは、第3方向に沿って順に積み重ねられ、即ち、アクティブピラーの延在方向が第3方向である。アクティブピラーの形状は、円柱、角柱、直方体又は他の形状であり得る。第3方向は、基板10に対して平行な方向、即ち、アクティブピラーの延在方向が基板10に対して平行である。
【0084】
いくつかの可能な実現形態において、
図5及び
図6を参照すると、各デバイス層21が間隔をおいて設けられた複数のチャネル構造23を形成するように、第1犠牲層22と、デバイス層21の一部とを除去することは、次のことを含む。
第1積層構造20に間隔をおいて設けられた、且つ、第3方向に沿って延在する複数の第1トレンチ24を形成し、第1トレンチ24は、基板10を露出し、且つ、各デバイス層21を間隔をおいて設けられた複数のアクティブピラーに分離され、アクティブピラーは、チャネル構造23を含む。具体的に、
図5に示すように、まず、第1積層構造20、第2積層構造30及び第3積層構造40上にマスク層90を形成し、第1積層構造20上のマスク層90は、第1パターンを有し、第1パターンは、第1積層構造20の表面の一部を露出し、ここで、マスク層90は、フォトレジストであり得、次に、マスク層90をマスクとして、第1積層構造20をエッチングすることにより、第1トレンチ24を形成し、第1トレンチ24を形成した後、第1積層構造20上のマスク層90を除去する。
【0085】
第1トレンチ24を形成した後、異なる層に設けられた各アクティブピラーの間に間隔が存在するように、第1トレンチ24を利用して第1犠牲層22を除去する。具体的に、
図6に示すように、選択的な湿式エッチングプロセスにより、第1トレンチ24内に露出された第1犠牲層22をエッチングして、第1犠牲層22をすべて除去し、第2犠牲層32及び第3犠牲層42を除去しないか、少々除去するようにする。第1犠牲層22を除去した後、第2積層構造30及び第3積層構造40上のマスク層90を除去する。
【0086】
ステップS23において、チャネル構造から離れる第1アクティブ層の一部及び第2アクティブ層の一部を除去することにより、残余の第1アクティブ層及び第2アクティブ層の長さがいずれも階段状に変化するようにする。
【0087】
図6及び
図7を参照すると、第2犠牲層32と、チャネル構造23から離れる第1アクティブ層31の一部とを除去し、残余の第1アクティブ層31の長さは階段状に変化して、段差を形成することにより、各層の第1アクティブ層31の表面が一部露出することを確保し、その上に他の構造を容易に形成する。第3犠牲層42と、チャネル構造23から離れる第2アクティブ層41の一部とを除去し、残余の第2アクティブ層41の長さは階段状に変化して、段差を形成することにより、各層の第2アクティブ層41の表面が一部露出することを確保し、その上に他の構造を容易に形成する。
【0088】
ステップS24において、第1アクティブ層及びそれに対応するチャネル構造に第1導電構造を形成し、第2アクティブ層及びそれに対応するチャネル構造に第2導電構造を形成する。
【0089】
図7及び
図8を参照すると、第1導電層及び第2導電層を形成した後、複数の第1導電構造50の長さ及び複数の第2導電構造60の長さは、いずれも階段状に変化する。具体的に、基板10に近い第1導電構造50の長さは、基板10から遠い第1導電構造50の長さより長くて、複数の第1導電構造50の長さが階段状に変化し、基板10に近い第2導電構造60の長さは、基板10から遠い第2導電構造60の長さより長くて、複数の第2導電構造60の長さが階段状に変化する。
【0090】
いくつかの可能な実施例において、第1アクティブ層31及びそれに対応するチャネル構造23に第1導電構造50を形成し、第2アクティブ層41及びそれに対応するチャネル構造23に第2導電構造60を形成する(ステップS24)前に、第1アクティブ層31、第2アクティブ層41及びチャネル構造23に絶縁材料を堆積し、第1アクティブ層31上に位置する絶縁材料は、第1絶縁層を形成し、チャネル構造23上に位置する絶縁層材料は、誘電体層を形成し、第2アクティブ層41上に位置する絶縁材料は、第2絶縁層を形成し、第1絶縁層、誘電体層及び第2絶縁層は、いずれも間隔をおいて設けられる。
【0091】
即ち、第1導電構造50及び第2導電構造60を形成する前に、チャネル構造23と第1導電構造50及び第2導電構造60との絶縁を確保するために、まず、チャネル構造23の表面に誘電体層を形成する。同時に、第1アクティブ層31の表面に第1絶縁層を形成し、第2アクティブ層41の表面に第2絶縁層を形成し、第1導電構造50及び第2導電構造60のそれぞれの平坦性を確保するために、誘電体層、第1絶縁層及び第2絶縁層を共に形成する。
【0092】
ここで、チャネル構造23の表面とは、チャネル構造23の外周面を指し、誘電体層はチャネル構造23を一周取り囲む。第1アクティブ層31の表面は、第1アクティブ層31の外周面を指してもよく、第1アクティブ層31における第2方向に沿って対向する2つの表面と、チャネル構造23に向かう表面を指してもよく、即ち、第1絶縁層は、少なくとも第1アクティブ層31における第2方向に沿って対向する2つの表面と、チャネル構造23に向かう表面とを覆う。第2アクティブ層41の表面は、第2アクティブ層41の外周面を指してもよく、第2アクティブ層41における第2方向に沿って対向する2つの表面と、チャネル構造23に向かう表面とを指してもよく、即ち、第2絶縁層は、少なくとも第2アクティブ層41における第2方向に沿って対向する2つの表面と、チャネル構造23に向かう表面とを覆う。
【0093】
第1絶縁層、誘電体層及び第2絶縁層を形成した後、第1絶縁層、誘電体層及び第2絶縁層上に導電材料を堆積し、第1絶縁層及び部分的な誘電体層上に位置する導電材料は、第1導電構造50を形成し、第2絶縁層及び他の部分的な誘電体層上に位置する導電材料は、第2導電構造60を形成する。
【0094】
具体的に、第1導電構造50及び第2導電構造60は、ワード線として使用され、各第1導電構造50は、対応する第1絶縁層と、当該第1絶縁層と同一層に設けられた誘電体層とを覆い、且つ、各誘電体層の間と誘電体層と第1絶縁層との間に充填される。各第2導電構造60は、対応する第2絶縁層と、当該第2絶縁層と同一層に設けられた誘電体層とを覆い、且つ、各誘電体層の間と誘電体層と第2絶縁層との間に充填される。誘電体層を覆う第1導電構造50及び第2導電構造60は、ゲートを形成し、ゲートは、ワード線の一部であり、第1絶縁層を覆う第1導電構造50と、第2絶縁層を覆う第2導電構造60とは、いずれもゲートの引き出し端として使用されて、周辺回路に接続される。
【0095】
いくつかの可能な実施例において、基板10の上方に導電構造を形成した後、間隔をおいて設けられた複数のコンタクトプラグをさらに含み、コンタクトプラグは、第1コンタクトプラグ70及び第2コンタクトプラグ80を含み、複数の第1コンタクトプラグ70は、複数の第1導電構造50と一対一に対応して電気的に接続され、複数の第2コンタクトプラグ80は、複数の第2導電構造60と一対一に対応して電気的に接続され、且つ、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80の長さは、いずれも階段状に変化する。
【0096】
複数のコンタクトプラグは、第1導電構造50と第2導電構造60とを周辺回路に電気的に接続するために使用され、複数のコンタクトプラグの間の絶縁分離を確保するために、複数のコンタクトプラグは間隔をおいて設けられ、それにより、第1導電構造50の間又は第2導電構造60の間の相互干渉を回避する。
【0097】
第1コンタクトプラグ70の数を第1導電構造50の数に合わせて、複数の第1コンタクトプラグ70が複数の第1導電構造50と一対一に対応して電気的に接続され、それにより、各第1導電構造50をすべて周辺回路に電気的に接続して、周辺回路により第1導電構造50に対応するトランジスタを制御することができる。第2コンタクトプラグ80の数を第2導電構造60の数に合わせて、複数の第2コンタクトプラグ80が複数の第2導電構造60と一対一に対応して電気的に接続され、それにより、各第2導電構造60をすべて周辺回路に電気的に接続して、周辺回路により、第2導電構造60に対応するトランジスタを制御することができる。
【0098】
複数の第1コンタクトプラグ70は、第1方向に沿って配置されることができ、複数の第2コンタクトプラグ80は、第1方向に沿って配置されることができる。このように設けることにより、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80の占有スペースがより小さく、トランジスタの数の増加に有利であり、それにより、半導体構造の記憶密度を高める。好ましくは、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80は、第1方向に沿って同一行に位置し、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80が占有するスペースをさらに減らす。
【0099】
複数の第1コンタクトプラグ70の長さは階段状に変化し、複数の第2コンタクトプラグ80の長さは階段状に変化し、ここで、長さ方向は第2方向である。このように設けることにより、複数の第1コンタクトプラグ70及び複数の第2コンタクトプラグ80の長さが略等しく、周辺回路と第1導電構造50との間、及び周辺回路と第2導電構造60との間の経路が略等しく、それにより、デバイス領域における各トランジスタの動作状態の差が小さくなる。
【0100】
第1コンタクトプラグ70及び第2コンタクトプラグ80は、いずれも第1導電部分と、第1導電部分上に設けられた第2導電部分とを含み、第1導電部分のサイズは、第2導電部分のサイズより小さい。ここで、第1導電部分は、基板10に近い部分であり、第2導電部分は、基板10から遠い部分であり、即ち、第2導電部分が第1導電部分における基板10から遠い一側に位置する。第1導電部分のサイズは、第1導電部分の直径又は断面積を指してもよく、第2導電部分のサイズは、第2導電部分の直径又は断面積を指してもよい。
図1に示すように、基板10上への第2導電部分の正投影は、基板10上への第1導電部分の正投影を覆う。
【0101】
第1導電部分及び第2導電部分は、いずれもコア層と、コア層の側面及び底面を覆う外側層とを含み得る。ここで、コア層は、絶縁層であり得、その材質は、窒化ケイ素又は酸化ケイ素であり得る。外側層は、金属層であり得、その材質は、タングステン又は窒化チタンであり得る。このように設けることにより、第1導電部分及び第2導電部分の電気的特性を確保することを前提に、金属層の厚さを薄くし、コストを削減することができる。
【0102】
以上のように、本開示の実施例による半導体構造の製造方法において、間隔をおいて設けられた第1方向に沿って延在する複数の第1導電構造50及び第2導電構造60を含む導電構造を基板10の上方に形成することにより、複数の第1導電構造50の長さ及び複数の第2導電構造60の長さは、いずれも階段状に変化し、第1導電構造50及び第2導電構造60はワード線を形成する。ワード線の製造及び引き出しが容易であるため、ワード線上に他の構造を容易に形成することができ、ワード線と周辺回路との電気的な接続を実現することができる。
【0103】
本明細書の各実施例又は実施形態を漸進的に説明し、各実施例は、他の実施例との相違点を重点的に説明し、各実施例の間の同一で類似な部分は、相互に参照すればよい。「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「一例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」等の用語の説明は、実施形態又は例に組み合わせて説明された特定の特徴、構造、材料又は特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を意味するものではない。さらに、記述された特定の特徴、構造、材料又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適切な方法で組み合わせることができる。
【0104】
最後に、上述した各実施例は、本開示の技術的解決策を説明するためのものであり、それらを限定するためのものではなく、上述した各実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者は、上述した各実施例に記載された技術的解決策を変更するか、又はその中の技術的特徴の一部または全部を同等に置換することができるが、これらの変更又は置換は、対応する技術的解決策の本質を本開示の各実施例の技術的解決策から逸脱させるものではないことを理解されたい。
【国際調査報告】