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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】改良された冷却装置
(51)【国際特許分類】
   C21C 5/28 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
C21C5/28 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571787
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 IB2022054562
(87)【国際公開番号】W WO2022243856
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】102021000012812
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522499232
【氏名又は名称】トルヨインズ エス.アール.エル.
(71)【出願人】
【識別番号】523435691
【氏名又は名称】マテリアル ハンドリング テクノロジー エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルレッソ,フランコ
(72)【発明者】
【氏名】ピッツァート,エドアルド
【テーマコード(参考)】
4K070
【Fターム(参考)】
4K070AB11
4K070BC15
(57)【要約】
材料(M)を冷却するための、特に白色スラグまたは黒色スラグを冷却するための装置(1)であって、回転し、冷却されるべき材料を受け入れて通過させるためのチャンバ(4)を内部に画定する回転管状構造体(3)を備える略管状の少なくとも1つの反応器(2)と、冷却流体によってチャンバ(4)を通過する材料を間接的に冷却するための手段(6)であって、間接的に冷却するための手段(6)が、冷却流体についての少なくとも1つの分配デバイス(60)を備える、手段と、を備え、少なくとも1つの分配デバイス(60)が、冷媒流体を逃がすために略長手方向に展開する、それぞれのスロット(63)によって画定された少なくとも2つの分配口(62)を備え、デバイスが、2つのスリットから出る流れが、管状構造体(3)の外面の互いに異なる2つのそれぞれの領域に影響を及ぼしてこれを覆うように、管状構造体(3)に対して配置されていることを特徴とする、装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料(M)を冷却するための、特に白色スラグまたは黒色スラグを冷却するための装置(1)であって、
-回転し、冷却されるべき前記材料を受け入れて通過させるためのチャンバ(4)を内部に画定する回転管状構造体(3)を備える略管状の少なくとも1つの反応器(2)と、
-冷却流体によって前記チャンバ(4)を通過する前記材料を間接的に冷却するための手段(6)であって、間接的に冷却するための前記手段(6)が、前記冷却流体についての少なくとも1つの分配デバイス(60)を備える、手段と、を備え、
前記少なくとも1つの分配デバイス(60)が、冷媒流体を逃がすために略長手方向に展開する、それぞれのスロット(63)によって画定された少なくとも2つの分配口(62)を備え、前記デバイスが、2つのスリットから出る流れが、前記管状構造体(3)の外面の互いに異なる2つのそれぞれの領域に影響を及ぼしてこれを覆うように、前記管状構造体(3)に対して配置されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの分配デバイス(60)が前記管状構造体(3)の前記外面の前記領域上にブレード形状の冷媒流体の流れをカスケードするように、前記管状構造体(3)に対して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの分配デバイス(60)が、固定され、回転している前記管状構造体(3)の上方に位置決めされていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの分配デバイス(60)から出てくる前記冷媒流体が、冷却されるべき前記材料が前記管状構造体(3)の内側に画定された前記チャンバ(4)を通過/前進する方向とは反対の方向にかかる前記管状構造体(3)の長手方向の展開に沿って前記管状構造体(3)の前記外面に作用するように構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの分配デバイス(60)の下方に位置決めされ、したがって、前記少なくとも1つの分配デバイスから流出し、前記管状構造体(3)と接触した前記冷媒流体を収集する少なくとも1つの収集タンク(66)を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記管状構造体(3)が、互いに連続して接続された少なくとも2つの管状モジュール(30’、30”)を備え、各モジュール(30’、30”)についての分配デバイス(60)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記反応器(2)の前記回転管状構造体(3)を少なくとも部分的に外側から包む、固定された保護ケーシング(69)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの分配デバイス(60)が、前記ケーシング(69)が前記少なくとも1つの分配デバイス(60)の支持体としても作用するように、前記ケーシング(69)に取り付けられることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記分配デバイス(60)が、フラットジェット、フルコーン、または中空コーンの冷媒流体を噴霧するように構成されたノズルを備えていないことを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
各分配デバイス(60)が、互いに対向し、かつ互いに離間された2つの層状要素(64’、64”)を備え、前記層状要素の間に前記冷媒流体のための通路チャンバを画定することを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記2つの層状要素(64’、64”)が、好ましくはそれらのそれぞれの縁部(67’、67”)の間に、それぞれのブレード形状の冷媒流体の流れがそこから出る少なくとも2つの前記スロット(63)を画定するように構成されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記分配デバイス(60)の2つの前記スロット(63)が、前記管状構造体(3)の長手方向の展開の軸(X)を通る垂直面に対して、側部に、好ましくは対称的に配置されることを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記管状構造体(3)が、連続して接続された少なくとも2つの管状モジュール(30)から構成され、各分配デバイス(60)が、少なくとも1つの管状モジュール(30)と動作可能に関連付けられていることを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
各管状モジュール(30’、30”)には、各モジュールの前記スロット(63)から出てくる前記流体のブレードが、各モジュール(30’、30”)の長さの展開に略対応する長さの展開を有するように構成されたそれ自体の分配デバイス(60)が設けられ、したがって、その長手方向の展開全体に沿って各モジュールの管状壁に影響を及ぼすことを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの分配デバイス(60)から出てくる前記冷媒流体の流れが当たるように、前記管状構造体(3)の少なくとも1つのゾーンの外面に取り付けられた複数のペルチェセル(99)を備え、前記ペルチェセル(99)が、したがって、前記冷媒流体と、冷却されるべき前記材料と内部で接触している前記管状構造体(30)の前記外面との間の温度差を利用することによって電気エネルギーを生成することを特徴とする、請求項1~14のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に白色スラグまたは黒色スラグを冷却するための改良された冷却装置に関する。特に、冷却装置は、回転する管状/円筒状の反応器タイプからなり、好ましくは、鋼製造および精錬段階において生成される白色スラグまたは黒色スラグの回収のためのプラントおよび/または方法において使用される。
【背景技術】
【0002】
鋼の製造/精錬において生成される主な廃棄物は、一般に、煙低減粉末、排出された耐火物およびスラグを実質的に含むことが知られている。鋼の精錬プロセス中に、精錬プロセスの終わりに部分的に回収/処分されることができる組成物(石灰に富む)を添加することが知られている(「白色スラグ」として知られる)。
【0003】
今日まで、鋼精錬プロセスから生じる白色スラグの回収および/または処分に関する主な問題が残っている。
【0004】
白色スラグは、石灰に非常に富み、その回収に役立つが、水和および枯れプロセスの傾向により非常に不安定な材料となる。
【0005】
これは、材料の屋外貯蔵の管理および環境へのその分散の防止においてかなりの問題を伴う。
【0006】
白色スラグの回収は、以下の2つの重要な利点を達成することを可能にする。
-塩基性スラグ剤などの原料、ならびにケイ酸塩、アルミン酸塩およびマグネシウム系などの任意の他の元素の使用を削減する、
-生態学的/環境的態様の利益のために、埋め立て処分を削減する。
【0007】
これは、白色スラグが、鋼鉄プラントにおいて潜在的に回収可能な廃棄物副生成物を構成すると考えると、基本的に重要である。
【0008】
白色スラグの回収は、一般に、スラグが液体形態である溶鋼の温度(約1500℃)に近い温度から、粉末/破片の形態でのその回収に適した温度でスラグを冷却することによって行われる。特に、白色スラグの冷却プロセス中に、ケイ酸二カルシウムは約675℃未満の温度で相転移を受け、これは体積の増加をもたらし、これは異なる結晶構造および密度のため、マトリックスの断片化、いわゆる「枯れ」を引き起こす。
【0009】
したがって、「保護」環境における白色スラグの温度の「制御される」低下は、その回収を可能にし、炉または他の異なる用途での新たな使用を見出すことができる石灰に富む生成物を生成する。
【0010】
水との直接接触による白色スラグの冷却は、酸化カルシウム(石灰の主な含有量である)が水酸化物を形成し、したがって酸化石灰の本来の有効性を阻害し、したがってその再使用を防止する傾向があるため、非常に望ましくないことが知られている。
【0011】
第1の方法は、前述の枯れプロセスに基づく白色スラグの回収のために知られており、材料の「静的」タイプの冷却を適用する。
【0012】
白色スラグは、粉砕されるまで、適切なチャンバ内のグリッド上に置かれて冷却される。
【0013】
グリッドは、下方にあるホッパにおいて得られた粉末の通過を可能にし、そこで材料の冷却を促進する空気流が当たる。
【0014】
この方法は、熱交換効率が悪く、その結果、材料の粉砕を達成する時間が長くなり、絶縁層として作用する材料の上部へのダストの蓄積による変態速度のさらなる減速などの一連の問題および欠点を呈する。
【0015】
特許第5213493号公報および特許第5217388号公報は、白色スラグが挿入される開放管状反応器が存在する、枯れプロセスにも基づく白色スラグの回収のための第2の方法を記載している。この場合、白色スラグの冷却は、反応器自体の上部に噴霧され、次いで反応器の下方に位置する適切なタンクに収集される水によって反応器の外面を冷却することによって間接的に得られる。
【0016】
回転ドラム(反応器)の外面に水を噴霧することによる間接冷却において遭遇する主な問題は、分散および高い水消費によって表され、不十分な熱交換は、反応器の上部にのみ集中し、その結果、反応器の寸法が大きくなり、材料が濡れてその品質が低下する可能性がある。
【0017】
欧州特許第2261383号明細書は、白色スラグがその枯れのために挿入される、開放管状ドラム(または反応器)が使用される白色スラグの回収のための第3の方法を記載している。この解決策では、白色スラグ冷却システムは、主に、回転シリンダの内部領域に影響を及ぼし、直接熱交換によってその中に含まれる白色スラグを冷却する空気の流れを提供する。冷却空気流中に存在する湿度のために、白色スラグ中に存在する遊離石灰および任意の遊離マグネシアは水和し、その後のオーブン内での解離に必要なエネルギーがより大きいため、枯れプロセスを減速させ、質的に悪い生成物を生成する。白色スラグの直接冷却のための大量の空気の使用は、プラント工学および経済的負担を伴う大きな下流濾過システムの使用を必然的に含まなければならない。さらにまた、欧州特許第2261383号明細書の解決策では、冷却システムは、回転ドラムの内部領域に影響を及ぼす空気の流れに加えて、同じドラムの一部の外面に水を噴霧することができる回転ドラムの下方に位置決めされた一連のノズル、および噴霧された水を収集するためのタンクも含むことができる。
【0018】
さらにまた、欧州特許第2261383号明細書に記載および図示されていない実施形態によれば、冷却システムはまた、回転ドラムの一体部分とすることができ、回転ドラムの内側に固定された一連の冷却プレートから構成されることができる。特に、プレートの内側には、冷媒流体を循環させるためのダクトがあり、その後、このダクトは、熱交換された熱を放散させるために交換器に送られることができる。回転ドラムの内部に固定された冷凍プレートの実現および冷媒流体の循環のためのダクトの複雑なシステムの実現は、交換面の低減に加えて、明らかなプラント工学および経済的負担を伴い、これは、回転ドラムの内部領域に影響を及ぼす空気流のプラント工学に追加される。
【0019】
欧州特許第2261383号明細書のプロセスは、管状反応器に白色スラグが周期的に装填され、その回転中に反応器を損傷する可能性がある残留金属クラストから周期的に排出される「バッチ」タイプのものである。その結果、装填段階中に、管状反応器は、高すぎる温度における白色スラグと、反応器およびその構造を損傷する可能性がある大きな寸法のブロックの両方を受ける可能性がある。同様に、枯れプロセスにおいて粉砕されなかった金属クラストは、回転ドラム内で永久回転したままであり、所定のサイクル数の最後にのみ手動で除去される。これは、ダストの圧縮(したがって回収されない)およびその結果としての材料の生成「クラスト」を引き起こし、変換および回収率を著しく制限する。
【0020】
国際公開第2016/116884号パンフレットは、回転ドラムが、ドラムのシェル内に形成されたキャビティ内を循環する冷却流体のおかげで白色スラグを間接的に冷却することを目的とする、白色スラグのための間接冷却回収システムを記載している。不都合なことに、上述した回転ドラムシステムでは、ドラムの内壁は、冷却段階において白色スラグによる応力および摩耗を継続的に受け、ドラムを交換する必要がある場合に性能低下または長期の停止時間を被る可能性がある。
【0021】
韓国特許第101412106号明細書は、回転ドラムと、回転ドラムの周りに配置され、冷却流体と交差するキャビティとの使用を提供する鉄スクラップ回収システムを記載しており、したがって、回転ドラムがドラムの外面の周りに画定されたチャンバ内を循環する冷却流体によって白色スラグを間接的に冷却することを意図している白色スラグのための間接冷却回収システムを記載している欧州特許第2228458号明細書の回転ドラムの内側に導入された材料の間接冷却を引き起こす。
【0022】
欧州特許第2889569号明細書は、冷却流体が、ドラムを中心に横切るダクトと、外部で回転するドラムを包む空洞との両方に浸透する冷却回路が回転ドラムに設けられている、ロータリーキルンから排出される材料のための間接冷却システムを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特許第5213493号公報
【特許文献2】特許第5217388号公報
【特許文献3】欧州特許第2261383号明細書
【特許文献4】国際公開第2016/116884号パンフレット
【特許文献5】韓国特許第101412106号明細書
【特許文献6】欧州特許第2228458号明細書
【特許文献7】欧州特許第2889569号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の目的は、特にバルク材料、好ましくは白色スラグまたは黒色スラグを冷却するための冷却装置であって、従来の解決策に存在する前述の欠点を少なくとも部分的に克服する冷却装置を提案することである。
【0025】
本発明の別の目的は、高いエネルギー効率を得ることを可能にし、同時に、得られる材料の高い品質基準、ならびにオペレータおよび機器の安全性を維持する装置を提案することである。
【0026】
本発明の別の目的は、白色スラグまたは黒色スラグの高い冷却効率を得ることを可能にする装置を提案することである。
【0027】
本発明の別の目的は、電気および熱エネルギーを節約し、使用される水または冷媒流体の量を削減することを可能にする冷却装置を提案することである。
【0028】
本発明の別の目的は、高いエネルギー効率を得ることを可能にする改良された冷却装置を提案することである。
【0029】
本発明の別の目的は、建設的に完全に信頼できる冷却装置を提案することである。
【0030】
本発明の別の目的は、耐性があり堅牢である改良された冷却装置を提案することである。
【0031】
本発明の別の目的は、白色スラグまたは黒色スラグを最適な方法で冷却することを可能にする、または白色スラグまたは黒色スラグの最適な冷却を得ると同時に上記の高いエネルギー効率を得る冷却装置を提案することである。
【0032】
本発明の別の目的は、必要性および要件に応じて、例えば固体、半固体ペースト状または液体状態で発生する可能性がある様々な可能な物理的条件で白色スラグを処理することができる装置を提案することである。
【0033】
本発明の別の目的は、迅速かつ維持が容易であり、同時に、得られる材料の高品質基準を維持しながら、白色スラグまたは黒色スラグの回収におけるエネルギー効率を向上させることを可能にする装置を提案することである。
【0034】
本発明の別の目的は、得られる材料の高品質基準ならびにオペレータおよび機器の安全性を同時に維持しながら、生産時間およびコストを削減することができる、鋼生産段階において生成される白色スラグまたは黒色スラグを冷却するための装置を提案することによって既知の技術の問題を回避することである。
【0035】
本発明の別の目的は、白色スラグまたは黒色スラグの冷却相中の熱交換を最大化し、同じ装置の寸法の縮小を可能にし、スラグの変態収率および回収収率を最適化することができる装置を提案することである。
【0036】
本発明の別の目的は、必要な冷却流体の量を制限および最適化し、その分散、したがって白色スラグまたは黒色スラグの汚染を回避することができる装置を提案することである。
【0037】
本発明の別の目的は、迅速かつ維持が容易であり、同時にスラグの回収効率を向上させ、回収サイクル時間を短縮し、同時に得られる材料の高品質基準を維持することを可能にする装置を提案することである。
【0038】
本発明の別の目的は、従来の解決策に対する改良および/または代替手段である装置を提案することである。
【0039】
本発明の別の目的は、設置および/または保守が簡単で便利で迅速な装置を提案することである。
【0040】
本発明の別の目的は、従来の解決策に対して、構成的および機能的な両方の観点で、代替的な特性を有する装置を提案することである。
【0041】
本発明の別の目的は、簡単、迅速かつ低コストで製造されることができる装置を提案することである。
【0042】
本発明の別の目的は、デバイスが設置されるシステム内の嵩が特に削減されたデバイスを提案することである。
【0043】
本発明の別の目的は、その構造、設置および保守が特に簡単、迅速かつ経済的である装置およびプラントを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0044】
個々におよびそれらの任意の組み合わせの両方で考慮されるこれらの目的は全て、本発明によれば、特に白色スラグまたは黒色スラグを冷却するための冷却装置を用いて、請求項1に示す特性によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に純粋に例としておよび非限定的な例として示されている、本発明にかかる装置のいくつかの好ましいが排他的ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。
図1】本発明にかかる冷却装置の斜視図を示している。
図2】管状反応器の固定ベースフレームおよびケーシングなしの斜視図を示している。
図3】その垂直断面の斜視図を示している。
図4】管状反応器のケーシングなしの、異なる視点からの図3の断面図を示している。
図5】冷却手段の詳細の斜視図を示している。
図6図5の詳細を異なる斜視図で示している。
図7】分配デバイスの斜視図を示している。
図8】冷媒流体を有する図7のデバイスを示している。
図9】本発明にかかる装置の管状反応器に適用された図7のデバイスを示している。
図10】遮蔽セグメントを有する本発明にかかる冷却装置を示している。
図11】ケーシングがなく、冷却流体の経路が概略的に示されている、図10の装置を示している。
図12】ケーシングのパネルが管状反応器のモジュールから取り外されている、本発明にかかる冷却装置の変形実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は、材料を冷却するための、特に白色スラグまたは黒色スラグを冷却するための改良された冷却装置1に関する。
【0047】
以下、「白色スラグ」という用語は、鋼自体の製造チェーン中に、鋼精錬プロセスから生じる廃棄物を指す。特に、白色スラグは、石灰に非常に富む廃棄物であり、したがって有利に回収可能である。本明細書における「黒色スラグ」という用語は、スクラップおよびスクラップから出発して鋼を製造するために電気炉のチャージに挿入された添加剤によって生成された化合物の酸化の結果として、鋼溶融浴の上方に形成されるスラグを意味する。特に、黒色スラグは、様々な成分を含み、特に石灰(CaO)または石灰系化合物を含む廃棄物である。好都合には、黒色スラグは、約70~95%、好ましくは約80~90%であり、以下の成分、CaO(石灰)、SiO2およびAl2O3ならびにMgOによって形成される。好適には、個々の成分の量は、黒色スラグの組成に応じて変化する。
【0048】
有利には、本発明にかかる装置1は、鋼製造プラントおよび/またはその派生物または変形物と動作可能に関連付けられることができる。
【0049】
装置1は、特に鋼スラグの処理を参照して以下に説明されるが、対応する方法で、他の金属合金または金属(例えば、銅およびアルミニウム)から誘導される材料、廃棄物またはさらには非廃棄物であることが理解される。
【0050】
好ましくは、冷却装置1は、鋼生産および精錬段階において生成される白色スラグの回収のためにプラントにおける使用に適しており、および/または鋼製造段階中に電気炉内で生成される黒色スラグの回収のためにプラントにおける使用に適している。
【0051】
有利には、装置1は、鋼または他の金属合金の製造段階において生成される材料、好ましくはレードル炉の底部に形成/発見され、石灰または石灰系化合物を含むいわゆる「白色スラグ」を含む材料を処理するのに適している。好ましくは、レードル炉の底部に見られる材料は、白色スラグと、溶融または半溶融/粘性(すなわち液体または流体)金属合金とを含む。特に、金属合金は、好ましくは鋼とすることができるが、他の金属合金、例えばアルミニウムまたは銅であってもよい。
【0052】
本発明にかかる冷却装置1は、略管状の展開部(好ましくは円筒形)を有する少なくとも1つの回転反応器(またはドラム)2を備える。
【0053】
回転反応器2は、冷却されるべき材料を受け入れて通過させるためのチャンバ4を内部に画定する壁を有する少なくとも1つの管状構造体3を備える。管状構造体3は、冷却される材料用の入口開口部5’と冷却された材料用の出口開口部5”との間に延在する。
【0054】
好ましくは、管状構造体3は、円形断面を有するが、多角形であってもよい。
【0055】
好都合には、材料を最適なやり方で冷却するために、反応器2は、支持フレーム15上に回転可能に取り付けられ、電動手段16によって主軸Xの周りに回転して動作されることができる。好都合には、主軸Xは、反応器2の展開の長手方向軸に対応する。
【0056】
有利には、支持フレーム15は、地面に配置されるように意図され、少なくとも下部支持ベース18(図1を参照)を備え、好ましくは金属材料から作製された固定構造体17に対して可動であり、特に回動する。固定構造体17の下部支持ベース18は、好ましくは、装置1の全体が載置される支持面と平行に配置される。有利には、以下により詳細に説明するように、固定支持構造体17の下部支持ベース18上には、冷媒流体を収集するための少なくとも1つのタンク66が取り付けられなければならない。
【0057】
好ましくは、反応器2を有する支持フレーム15は、反応器の主軸Xが略水平である状態と、軸Xが水平に対して部分的に傾斜している少なくとも1つの状態との間で、特に入口開口部5’に対応してより高い高さだけ、出口開口部5”に対応してより低いレベルまで移動されることができる。好都合には、水平に対する反応器2を有する支持フレーム15の傾斜を変化させるために、電動手段92(例えば、油圧または電気機械式ジャッキ)が設けられることができる。
【0058】
好都合には、処理される材料を反応器の内部に送るために、反応器2の入口開口部5’にコンベヤ80が設けられることができる。有利には、このようにしてコンベヤ自体の入口を選択的に開閉するために、コンベヤ80の入口に可動蓋71が設けられることができる。
【0059】
好都合には、図10図12に示すように、装置1は、材料を冷却するのに適した冷却セグメント81と、冷却セグメントにカスケード状に配置された遮蔽セグメント82とを備えることができる。遮蔽セグメント82では、所定のサイズよりも小さいサイズを有する材料、特に白色スラグまたは黒色スラグの断片および粉末の選択および分離が行われる。好都合には、遮蔽セグメント82は、好ましくは管状反応器2とともに回転するスクリーンを備えることができる。好都合には、スクリーンは、イタリア特許出願第102020000028850号および/または第102020000028844号に記載されているタイプのものとすることができる。
【0060】
好都合には、装置1は、内部にチャンバ4を画定する管状構造体3の-全体として番号6によって示される-冷却手段を備える。装置1の冷却手段6は、冷却流体によって、チャンバ4を通過する材料を間接的に冷却する、すなわち、冷媒流体と冷却されるべき材料との間の直接的な接触なしに冷却する。
【0061】
好都合には、前記チャンバ4を通過する材料を間接的に冷却するための手段6は、ブレード65(図8を参照)の形状である冷却流体-好ましくは水-の流れを前記管状構造体3の少なくとも1つの領域の外面上に送るように構成された少なくとも1つの分配デバイス60を備える。
【0062】
「ブレード」形状の流れとは、流れが略層状の立体配座を有すること、すなわち、2つの寸法(長さおよび幅)が他の寸法(厚さ)よりもはるかに大きいことを意味する。
【0063】
好都合には、各分配デバイス60は、回転管状構造体3に対して固定される。
【0064】
好ましくは、各分配デバイス60は、管状構造体3の外面の領域上のブレード形状の冷媒流体の流れをカスケードするように、管状構造体3に対して配置される。好都合には、この目的のために、各分配デバイス60は、管状構造体3の上端ゾーンの上方に外側から取り付けられる。好ましくは、分配デバイス60は、各デバイス60から出る冷却流体のブレードが主に重力によって管状反応器2の管状構造体3上に落下し、次いで重力によって降下し-したがって構造体自体の下部側方ゾーンと重なる-ように、管状反応器2よりも高い高さまたは測地線レベルに配置される。好都合には、図示されていない実施形態では、分配デバイス60は、デバイスから出てくるブレード水流が管状構造体3の側方領域を占めるように、側方に配置されることができる。
【0065】
有利には、本発明にかかる装置1はまた、少なくとも1つの冷却流体(好ましくは水)を分配デバイス60に供給するための手段10を備える。
【0066】
好都合には、供給手段10は、分配デバイス60への入口において流体的に接続され、したがって分配デバイス60に冷媒流体を供給する。
【0067】
好ましくは、供給手段10は、反応器2の周囲に少なくとも部分的に配置され、出口では分配デバイス60に接続されている、前記装置に設けられた外部供給源または少なくとも1つの収集タンク66から冷却流体(好ましくは水道水)を受け取るように構成された冷却流体の少なくとも1つの分配回路61を備えることができる。好都合には、分配回路61は、分配デバイス60ごとに1つずつ、複数の管を備える。
【0068】
有利には、供給手段10の少なくとも一部は、鋼製造プラントなどに供給するのと同じ水道網から冷媒流体を受け取ることができる。
【0069】
冷却流体は、有利には水を含み、特に鋼製造プラントにおいて既に使用されているかまたは使用可能である。
【0070】
好ましくは、各分配デバイス60は、略長手方向の展開部を有するスロット63によって画定される少なくとも1つの分配口62を備える。好都合には、スロット63は、直線状またはさらには非直線状の長手方向輪郭、湾曲した部分または角度が付けられた部分を有することができる。好ましくは、分配口62は、略細長ノズルを画定する。
【0071】
好都合には、さらに、分配デバイス60は、冷却流体を噴霧ではなく雨によって流出させるタイプのものである。適切には、分配デバイス60から出る冷媒流体は、管状構造体30の外面と重なる。
【0072】
より詳細には、既知の解決策とは異なり、管状構造体の壁の外面に均一な厚さの層を均一に噴霧することができず、ノズルの目詰まりのリスクもあり、その結果、冷却の問題が生じる、フラットジェット、フルコーンまたは中空コーンによって水または冷媒流体を噴霧するノズルは設けられていない。
【0073】
有利には、冷却手段6は、分配デバイス60から最良のエネルギー効率で出てくるように構成され、水ブレード分配スパウトは、他のタイプのノズルよりも低い運動負荷を必要とするため、一定の厚さおよび長さのブレードによって構成された冷媒流体の流れは、経時的に常に一定であり、これは、好ましくは、水または冷媒流体の圧力および流量の変動が制限された関数としても構成され、したがって、前記デバイスの分配出口の目詰まりのリスクも排除する。
【0074】
好都合には、各分配デバイス60は、冷却流体のための通路チャンバを画定するように互いに対向し(好ましくは重なり合い)かつ離間している、それぞれ2つの層状要素64’および64”、好ましくは2つの金属薄板片を備える。さらにまた、2つの層状要素64’および64”は、好ましくはそれらのそれぞれの縁部67’および67”の間に、そこから冷媒流体のブレード形状の流れが出現する前記少なくとも1つのスロット63を画定するように構成される。
【0075】
好都合には、第1の層状要素(最も外側または上側のもの)64’には、冷媒流体の分配回路61のパイプと流体接続するための接続部分72が設けられる。好都合には、前記第1の層状要素(最も外側または上側のもの)64’は、互いに反対方向に下方に傾斜または湾曲した2つの平面を含む。
【0076】
好ましくは、他方の層状要素(最も内側または下側のもの)64”は、2つの対応するスロット63を画定することができるように、反対方向に下向きの2つの傾斜面または湾曲面を含む。基本的に、他方の層状要素(最も内側または下側のもの)64”は、略傾斜した立体配座を有する。
【0077】
好都合には、層状要素64’および64”の側縁部は、それらの間に様々な幅のスロット63を画定するように略下方に折り畳まれることができ、そこから対応する厚さの冷媒流体のブレードが出て、したがって同じフローヘッドによって材料の冷却を損なう乱流運動を生成することなく前記流体の流れを調整する。
【0078】
有利には、各分配デバイス60は、冷媒流体のブレード形状の流れの流出のための少なくとも2つのスロット63を備え、適切には、前記デバイスは、前記少なくとも2つのスリットから出る流れが管状構造体3の外面の互いに異なる2つのそれぞれの領域に影響を及ぼすように管状構造体3に対して配置される。特に、この目的のために、分配デバイス60の2つのスロット63は、管状構造体3の軸Xを通る垂直面に対して外側および横方向に、好ましくは対称的に配置される。好ましくは、分配デバイス60は、互いに平行なその2つのスロット63がまた、管状構造体3の長手方向の展開および回転軸Xに対して平行になるように配置されることができる。
【0079】
動作的には、前述のように、冷却デバイス60から出てくる冷媒流体は、チャンバ4の管状構造体3に作用して、前記構造体の壁を外部から冷却し、その結果、前記チャンバ4に収容された冷却されるべき材料も間接的に冷却する。
【0080】
特に、分配デバイス60から出てくるブレード形状の冷媒流体の各流れは、管状構造体3の第1の領域に衝突/落下して、管状構造の重力および/または回転の影響により、摺動し/流れ、したがって、第1の管状構造体に隣接する前記管状構造体の第2の領域に衝突する/それと重なる。
【0081】
有利には、前記少なくとも1つの分配デバイス60は、各デバイスから流出するブレード形状の冷却剤の流れが上方から前記反応器の管状構造体3の領域、好ましくは前記構造体の上部領域に落下するように管状反応器2に取り付けられる。
【0082】
好都合には、反応器2の管状構造体3の下部ゾーンに対応して、前記少なくとも1つの分配デバイス60から流出した後に管状構造体30と接触した冷却流体を収集するための少なくとも1つのタンク66が設けられる。好都合には、反応器2の管状構造体30が回転している間、前記少なくとも1つの収集タンク66は固定され、特に、固定構造体17の下部支持ベース18に取り付けられる。
【0083】
より詳細には、水道管から来るか、または別の収集タンクからポンプによって再起動された温度T1の冷却流体は、好ましくは管状構造体を画定する壁の外面の両側をなめて、ブレードのように管状構造体30の外面上に上方から出て、下向きの重力によって下降し、そこで管状構造体3から分離し、T1よりも大きい温度T2において対応する収集タンク66内に落下する。
【0084】
有利には、反応器2のチャンバ4は、冷却されるべき材料(すなわち、白色スラグまたは黒色スラグ)を第1の移動方向に前進させるように構成される。好都合には、冷却手段6は、冷媒流体を第1のセクション7から第2のセクション8へ、前記第1の方向に対して少なくとも部分的に反対の第2の方向に移動させるように構成される。特に、冷媒流体は、冷却されるべき材料が前記チャンバ4の内部を横切る/進む方向とは反対の方向にその長手方向の展開に沿ってそれを横切るチャンバ4に外部から作用する。実質的に、適切には、装置1は、チャンバ4内の冷却されるべき材料と冷却流体との間の熱交換が向流で発生する、すなわち反応器2の長手方向の展開に沿って反対方向に発生するように構成される。
【0085】
添付の図面に示される形状の好ましい実施形態によれば、反応器2は、好ましくは略円筒形状を有し、入口開口部5’が形成された第1の端部と出口開口部5”が形成された第2の端部との間で主軸Xに沿って延在する。
【0086】
好ましくは、冷却されるべき材料の第1の移動方向は、主軸Xに略平行であり、入口開口部5’から出口開口部5”に向かって回転する。
【0087】
管状構造体3は、単一の管状体で、または図に示すように、互いに順番に接続された2つ以上の管状モジュール30によって作製されることができる。特に、後者の場合、管状モジュール30には、相互締結のための外側フランジ31が設けられる。好ましくは、各分配デバイス60は、少なくとも1つの管状モジュール30と動作可能に関連付けられる。
【0088】
好ましくは、2つの隣接する管状モジュール30の2つのフランジ31の結合はまた、反応器2の管状構造体30の回転運動を引き起こすように構成された電動手段16の支持車輪および車輪を作用させる接触/摺動ベースを画定する。
【0089】
好都合には、いくつかの収集タンク66’および66”が設けられることができ、そのそれぞれは、少なくとも1つの対応するモジュール30’および30”の下方に位置決めされ、対応するモジュールの管状構造体の壁をなめた冷媒流体を収集するように意図される。好都合には、収集タンク66’および66”は、流体的に分離されることができ、または互いに流体連通することができる。
【0090】
好都合には、少なくとも第1のモジュール30’に対する第1の下方にある収集タンク66’は、前記タンク66’に収集された冷媒流体を、前記第1のモジュール30’に対して隣接する(しかしながら、いずれの場合も異なる)少なくとも第2のモジュール30”の分配デバイス60に向かって再発射するように構成されたポンプ90に流体接続されている。
【0091】
好都合には、少なくとも第2のモジュール30”の下方にある第2の収集タンク66”は、装置内で使用される冷媒流体を水道網または冷却槽に戻すために、さらなるポンプ91に流体接続されることができる。
【0092】
図11に示すように、高温(Tin)における冷却されるべき材料Mは、入口開口部5’においてチャンバ4に入り、出口開口部5”においてより低い温度Tout(<Tin)においてチャンバを出て、次いで遮蔽セグメント82の内側を通過する。供給手段10から、特に水道管から到来する冷媒流体は、チャンバ4からの材料の出口5”に最も近い(1つ、2つ、またはそれ以上の第1のモジュール30’を備えることができる)第1のセクション7に入る。したがって、第1のセクション7の分配デバイス60から出てくる冷媒流体は、第1のモジュール30’の壁と外部的に接触し、第1のモジュールの壁は、チャンバ4内に存在する材料と内部で接触し、したがって、チャンバ4の冷却および冷媒流体の加熱を引き起こす。次いで、第1のモジュール30’の外部で加熱する冷却流体は、第1の収集タンク66’内に落下し、そこから、入口開口部に最も近い第2のセクション8の第2のモジュール30”の分配デバイス60に向かってポンプ90によって再発射される。したがって、第2のセクション8の分配デバイス60から出た冷媒流体は、このセクションのモジュール30”の管状構造体3と外部で接触し、次にチャンバ4内に存在する材料と内部で接触し、それによってチャンバ4の冷却および冷媒流体の加熱を引き起こす。次いで、第2のセクション8の第2のモジュール30”の管状構造体3を外部で加熱する冷媒流体は、第2の収集タンク66”内に落下し、ここからさらなるポンプ91によって再発射されて、水道水供給源または冷却槽に戻る。
【0093】
好都合には、装置1は、3つ以上のセクション7および8(したがって、3つ以上の収集タンク66’および66”)を備えることができ、および/または各セクション7および8はまた、単一のモジュールまたは2つ以上のモジュール30’および30”を含むことができることが理解される。
【0094】
有利には、各モジュール30’または30”には、それ自体の分配デバイス60が設けられている。好ましくは、前記分配デバイス60は、前記分配デバイスから出現する冷媒流体の前記少なくとも1つのブレードが、各モジュール30’または30”の長さの展開に略対応する長さの展開を有するように構成され、したがって、その長手方向の展開全体に沿って各モジュールの管状壁に影響を及ぼす。
【0095】
有利には、装置1はまた、保護として作用し、反応器2の管状構造体3を少なくとも部分的に外側から包むケーシング69を備える。好都合には、保護ケーシング69は固定されており、すなわち回転しておらず、好ましくは支持フレーム15に取り付けられている。好都合には、ケーシング69は、反応器2の管状構造体3の側方領域の周りで各分配デバイス60から展開するいくつかの部品から作製されることができる。
【0096】
特に、ケーシング69は、管状構造体30の外面から離間している。好都合には、ケーシング69は、管状構造体3と接触する冷媒流体が装置1を取り囲む外部環境に飛散または漏出するのを防止するための保護として作用する。
【0097】
有利には、ケーシング69は、重力によって下方にあるタンクに向かって落下する冷却流体を管状構造体3に向かって導くように構成されることができる。
【0098】
好都合には、固定された(すなわち、管状構造体30とともに回転しない)分配デバイス60は、ケーシング69に取り付けられ、好ましくは、ケーシング69によって支持される。好都合には、固定されている(すなわち、管状構造体30とともに回転しない)分配デバイス60は、装置1の支持構造体の別の要素によって取り付けられて支持されることができる。
【0099】
有利には、反応器2は、熱伝導性材料から作製され、特に、例えば鋼などの金属材料から作製される。
【0100】
好都合には、装置1は、装置自体の制御および管理のための少なくとも1つの電子制御ユニット(図示せず)を備える。有利には、電子制御ユニットは、例えばPLC(プログラマブルロジックコントローラ)などの少なくとも1つのマイクロコントローラを備える。
【0101】
好都合には、装置1は、反応器2に動作可能に関連付けられ、電子制御ユニットに電子的に接続され、反応器2および/または冷却されるべき材料の少なくとも1つの温度測定値を検出するように構成された少なくとも第1の温度センサを備える。
【0102】
好都合には、装置1は、電子制御ユニットに電子的に接続され、少なくとも1つの分配デバイス60および/または収集タンク66に対応して入る冷媒流体の少なくとも1つの温度測定値を検出するように構成された少なくとも第2の温度センサを備える。
【0103】
好都合には、各分配デバイス60内またはその内部の冷媒流体の存在を検出するための少なくとも1つのセンサが設けられることができる。このセンサは、電子制御ユニットに電子的に接続されることができ、対応する検出を電子制御ユニットに送信するように構成される。
【0104】
好都合には、分配デバイス60に入る冷媒流体の流量/流量および/または圧力を測定するためのセンサが設けられることができる。このセンサは、電子制御ユニットに電子的に接続されることができ、流量/流れの測定値を電子制御ユニットに送信するように構成される。
【0105】
有利には、弁が入口に、および/または電子制御ユニットに電子的に接続された各分配デバイス60に対応して設けられて、その開閉を指令し、したがって対応するデバイスから流出する冷媒流体の流量/流れおよび圧力を調整することができる。
【0106】
好ましくは、電子制御ユニットは、前記第1および/または第2の温度センサおよび/または前記流量/流れおよび/または圧力センサおよび/または冷媒流体の前記存在検出センサの温度測定値を受信するように構成され、適切には、受信した測定値および読み取り値を処理し、したがって、冷媒流体の厚さが各分配デバイス60から流出し、それがデバイス自体の分配口62のスロット63の全長に沿って略一定であるように、前記弁のための対応するコマンド信号を生成するようにプログラムされた少なくとも1つの処理モジュールも備える。
【0107】
電子制御ユニットは、有利には、冷却流体の存在を検出し、それに対応して前記弁、反応器2の回転速度および/または反応器の傾斜を変化させるための電動手段16を制御するために、前記第1および/または第2の温度センサおよび/または前記流量/流れおよび/または圧力センサおよび/または前記センサの温度測定値を受信するように構成される。
【0108】
好都合には、前記少なくとも1つの電子ユニットは、電動手段16に電子的に接続され、それらを制御して反応器2の回転速度および/または水平に対する反応器の傾斜を変化させるようにプログラムされる。
【0109】
電子制御ユニットは、第1の回転方向、例えば時計回りまたは反時計回りにしたがって反応器2の回転を制御するようにプログラムされる。
【0110】
あるいは、電子制御ユニットは、チャンバ4内の材料を混合し、本発明にかかる装置1の冷却効率を高めるために、反応器2を2つ以上の回転方向に交互に回転させるようにプログラムされることができる。
【0111】
明らかに、電子制御ユニットは、それ自体当業者に知られている任意の方法でセンサおよび電動手段に接続されることができ、したがって以下では詳細に説明しない。例えば、電子制御ユニットは、本特許の保護範囲から逸脱することなく、有線接続または無線接続(無線)を提供し得る。
【0112】
有利には、可能な実施形態(図12を参照)では、装置1は、好ましくはチャンバ4内の冷却されるべき材料の入口開口部5’またはその近くに配置されたセクションおよび/またはモジュールに対応して、管状構造体3の少なくとも1つのゾーンの外面に取り付けられた複数のペルチェセル99を備える。したがって、好都合には、ペルチェセル99は、分配デバイス60を出る冷媒流体の流れに衝突する。したがって、適切には、ペルチェセル99は、冷却流体と、冷却されるべき材料と内部で接触している管状構造体30の外面との間の温度差を利用することによって電気エネルギーを生成する。基本的に、これは、材料の冷却によって生成された熱エネルギーから電気を発生させることを可能にする。
【0113】
有利には、このようにしてペルチェセル99によって生成された電気エネルギーは、好ましくは、例えば装置自体が設けられているセンサに電力を供給するために、装置1の内部で再使用されることができる。
【0114】
好都合には、ペルチェセル99は、管状構造体3の少なくとも1つのセクションの外面上に、さらには構造体自体の管状延長部全体に沿って、均一かつ整然とした方法で分配される。
【0115】
これから明らかなように、本発明にかかる冷却装置は、以下の点で特に有利である。
-既知の解決策の欠点を克服することを可能にする、
-得られた材料の高品質基準およびオペレータおよび機器の安全性を維持しながら、エネルギー効率を向上させることができる、
-高いエネルギー効率を得ることを可能にする、
-建設的に完全に信頼できる、
-白色スラグまたは黒色スラグを最適な方法で冷却することを可能にし、すなわち、上記の高いエネルギー効率を得ながら、白色スラグまたは黒色スラグの最適な冷却を得る、
-実装が容易で低コストである、
-要件および必要性に応じて、例えば固体、半固体ペースト状または液体状態で発生する可能性がある様々な可能な物理的条件で白色スラグまたは黒色スラグを処理することができる、
-得られる材料の高品質基準を維持しながら、維持が迅速かつ容易であり、同時に、白色スラグまたは黒色スラグの回収におけるエネルギー効率を向上させることを可能にする、
-既知の解決策に対する代替および改良である。
【0116】
本発明は、その好ましい実施形態のいくつかにおいて例示および説明されてきたが、産業発明に対する本特許の保護の範囲から逸脱することなく、実行上の変形が実際にそれらに適用され得ることが理解される。
【0117】
このようにして考案された本発明は、多数の変更および変形が可能であり、それらの全てが本発明の概念の範囲内にある。さらに、全ての詳細は、他の技術的に均等な要素によって置き換えられることができる。
【0118】
実際には、使用される材料および寸法は、要件および最新技術に応じて任意であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】