(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 30/88 20060101AFI20240514BHJP
G01N 30/04 20060101ALI20240514BHJP
B01J 20/285 20060101ALI20240514BHJP
G01N 30/74 20060101ALI20240514BHJP
G01N 30/26 20060101ALI20240514BHJP
G01N 30/32 20060101ALI20240514BHJP
G01N 30/86 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G01N30/88 C
G01N30/04 C
B01J20/285 Z
G01N30/74 E
G01N30/26 M
G01N30/26 P
G01N30/32 F
G01N30/86 V
G01N30/04 P
G01N30/86 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571872
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2022093508
(87)【国際公開番号】W WO2022242669
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202110539372.1
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519316254
【氏名又は名称】中国石油天然气股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PetroChina Company Limited
【住所又は居所原語表記】9 Dongzhimen North Street,Dongcheng District,Beijing,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】シェン, リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シャオチン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ, リー
(72)【発明者】
【氏名】リー, シャオホン
(72)【発明者】
【氏名】ファン, リン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジョンファ
(57)【要約】
本発明は天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法及びシステムを提供する。該システムはサンプリング装置、減圧システム、クロマトグラフィーカラムシステム及び火炎光度検出器を含み、クロマトグラフィーカラムシステムにはキャリアガス入力管路が設けられ、且つその内部には沸点カラムと硫黄カラムを含むクロマトグラフィーカラムが設けられ、サンプリング装置の出力ポートは第1輸送管路を介して減圧システムの入力ポートに連通、減圧システムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して沸点カラムの入力ポートに連通、沸点カラムの入力ポート、硫黄カラムの入力ポートはそれぞれオンオフ制御可能な接続管路を介してキャリアガス入力管路に連通、沸点カラムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して硫黄カラムの入力ポートに連通、硫黄カラムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して沸点カラムの入力ポートに連通、沸点カラムの出力ポート、硫黄カラムの出力ポートはそれぞれオンオフ制御可能な接続管路を介して火炎光度検出器の入力ポートに連通される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムであって、
サンプリング装置、減圧システム、クロマトグラフィーカラムシステム及び火炎光度検出器を含み、
前記クロマトグラフィーカラムシステムにはキャリアガス入力管路が設けられ、且つ前記クロマトグラフィーカラムシステム内には沸点カラムと硫黄カラムを含むクロマトグラフィーカラムが設けられ、
前記サンプリング装置の出力ポートは第1輸送管路を介して前記減圧システムの入力ポートに連通、前記減圧システムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通、前記沸点カラムの入力ポート、前記硫黄カラムの入力ポートはそれぞれオンオフ制御可能な接続管路を介して前記キャリアガス入力管路に連通、前記沸点カラムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して前記硫黄カラムの入力ポートに連通、前記硫黄カラムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通、前記沸点カラムの出力ポート、前記硫黄カラムの出力ポートはそれぞれオンオフ制御可能な接続管路を介して火炎光度検出器の入力ポートに連通される、システム。
【請求項2】
前記サンプリング装置は、取付台と、前記取付台に固定接続されるサンプリングプローブとを含み、
前記サンプリングプローブは前記第1輸送管路に連通され、
前記取付台がサンプリング装置を天然ガス管路に固定させて、前記天然ガス管路内に配置されるサンプリングプローブにより天然ガス管路中の天然ガスをオンラインサンプリングできるように天然ガス管路に取付けられる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サンプリングプローブにはセルフトレース式減圧器が設けられている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1輸送管路には前記第1輸送管路を開閉する第1バルブが設けられる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1輸送管路内に濾過網が設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記減圧システムは、順次接続された1次減圧手段と2次減圧手段とを含み、
前記2次減圧手段の入力ポートは第2輸送管路を介して前記1次減圧手段の出力ポートに連通、前記1次減圧手段の入力ポートは前記減圧システムの入力ポートとして前記第1輸送管路を介して前記サンプリング装置の出力ポートに連通、前記2次減圧手段の出力ポートは前記減圧システムの出力ポートとしてオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1次減圧手段は、1次減圧タンク、第1加熱膜式減圧器、第2加熱膜式減圧器、第1圧力計及び第2圧力計を含み、
前記第1加熱膜式減圧器、前記第2加熱膜式減圧器、前記第1圧力計及び前記第2圧力計は、いずれも前記1次減圧タンク内に設けられ、
前記第1加熱膜式減圧器と前記第2加熱膜式減圧器との間には一端が前記第1加熱膜式減圧器の出力ポートに連通、他端が前記第2加熱膜式減圧器の入力ポートに連通される第1連通管が設けられ、
前記第1圧力計は前記第1連通管に連通されるように前記第1連通管に取り付けられ、
前記第1輸送管路は他端が前記1次減圧タンク内に挿入され、かつ前記第1加熱膜式減圧器の入力ポートに連通され、
前記第2輸送管路は一端が前記1次減圧タンク内に挿入され、かつ前記第2加熱膜式減圧器の出力ポートに連通され、
前記第2圧力計は前記第2輸送管路に連通されるように前記第2輸送管路に取り付けられる、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記1次減圧手段は、前記1次減圧タンクの内壁に敷設される1次保温層をさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記2次減圧手段は、2次減圧タンク、ノブ式減圧器、第2連通管、および第3圧力計を含み、前記ノブ式減圧器、前記第2連通管、および前記第3圧力計は、いずれも前記2次減圧タンク内に設けられ、
前記第2輸送管路は一端が前記2次減圧タンクに挿入され、かつ前記ノブ式減圧器の入力ポートに連通され、
前記第2連通管は一端が前記ノブ式減圧器の出力ポートに連通、他端が前記第3圧力計の一端に連通され、
前記第3圧力計は他端が前記2次減圧手段の出力ポートとしてオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通される、
請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記2次減圧手段は、前記2次減圧タンクの内壁に敷設される2次保温層をさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは循環トレース管をさらに含み、
前記減圧システムはトレースモジュールをさらに含み、
前記減圧システム中の分析対象である天然ガスを加熱するように、前記循環トレース管と前記トレースモジュールとが連通される、
請求項1、6~10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記クロマトグラフィーカラムシステム内には、クロマトグラフィーカラムシステムを用いて硫黄含有化合物の分離を行う分析対象である天然ガスの定量化を実現するように、クロマトグラフィーカラムシステムに入った分析対象である天然ガスを一旦保管するための定量管が設けられる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記クロマトグラフィーカラムシステム内にはクロマトグラフィーカラム中の各手段間の制御可能な連通関係のオンオフを制御する十方弁が設けられる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記十方弁には、第1バルブポート、第2バルブポート、第3バルブポート、第4バルブポート、第5バルブポート、第6バルブポート、第7バルブポート、第8バルブポート、第9バルブポート、第10バルブポートが時計回りに設けられ、
前記十方弁はシフト位置制御により、シフト位置のうちの1つでは第1バルブポートと第2バルブポートとが連通し、第3バルブポートと第4バルブポートとが連通し、第5バルブポートと第6バルブポートとが連通し、第7バルブポートと第8バルブポートとが連通し、第9バルブポートと第10バルブポートとが連通し、シフト位置のうちの他の1つでは第10バルブポートと第1バルブポートとが連通し、第2バルブポートと第3バルブポートとが連通し、第4バルブポートと第5バルブポートとが連通し、第6バルブポートと第7バルブポートとが連通し、第8バルブポートと第9バルブポートとが連通するように調節可能な弁であり、
前記十方弁の第10バルブポートと第9バルブポートとの一方は第3の輸送管路を介して減圧システムの出力ポートに連通され、前記十方弁の第10バルブポートと第9バルブポートとの他方は余分なガスを排出し、
前記十方弁の第1バルブポートと前記十方弁の第8バルブポートとの間には、分析対象である天然ガスを一旦保管して分析対象である天然ガスの定量化を実現するための定量管が設けられ、前記十方弁の第1バルブポートは定量管を介して前記十方弁の第8バルブポートと連通され、
キャリアガス入力管路は前記十方弁の第2バルブポートに連通され、
沸点カラムは、前記十方弁の第4バルブポートを前記十方弁の第7バルブポートと連通させるように前記十方弁の第4バルブポートと前記十方弁の第7バルブポートとの間に設けられ、
硫黄カラムは前記十方弁の第3バルブポートを十方弁の第6バルブポートと連通させるように前記十方弁の第3バルブポートと前記十方弁の第6バルブポートとの間に設けられ、
前記十方弁の第5バルブポートは火炎光度検出器と連通される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記沸点カラムはスクワランカラムを使用する、請求項1、12~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記沸点カラムの長さは0.8m以上である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記硫黄カラムはオキシジプロピオニトリルカラムを用いる、請求項1、12~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記硫黄カラムの長さは1.7m以上である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは、前記火炎光度検出器に固定接続されたディスプレイをさらに含み、
前記ディスプレイは前記火炎光度検出器に電気的に接続され、前記火炎光度検出器の検出結果を表示する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは、火炎光度検出器に電気的に接続された、警報連動装置と火炎光度検出器の近傍で可燃性ガス漏れが発生しているかどうかを検出するための可燃性ガス検出警報器とをさらに備え、
警報連動装置は可燃性ガス検出警報器が可燃性ガス漏れを検出した場合、第1輸送管路を直ちに閉じて、検出対象であるガスの輸送・検出を停止させるコントローラである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは、標準ガス物質貯蔵瓶をさらに含み、
前記標準ガス物質貯蔵瓶と前記クロマトグラフィーカラムシステムとの間に一端が前記クロマトグラフィーカラムシステムの入力ポートに連通され、他端が前記標準ガス物質貯蔵瓶の出力ポートに連通される標準ガス物質輸送管路が設けられ、前記標準ガス物質輸送管路には前記標準ガス物質輸送管路を開閉する第2バルブが設けられる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1項に記載の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度をオンライン検出するシステムを用いて、天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度をオンライン検出する方法であって、
硫黄含有化合物標準ガス物質を採取し、硫黄含有化合物標準ガス物質中の硫黄含有化合物含有量を検出して、硫黄含有化合物含有量標準曲線を得るステップS1と、
サンプリング装置を用いて天然ガス管路中で輸送される天然ガスを取得し、減圧システムに送り減圧して減圧天然ガスを得るステップS2と、
ステップS2で得られた減圧天然ガスをクロマトグラフィーカラムシステムに送り、キャリアガスの駆動下で沸点カラムと硫黄カラムを順次使用して減圧天然ガスを分離し、分離された成分を火炎光度検出器に送り、火炎光度検出器によって燃焼・検出され、検出スペクトルを得るステップS3と、
ステップS2で天然ガス中のカルボニル硫黄成分が硫黄カラムから分離された後、キャリアガスは硫黄カラムの入力ポートに転送され、硫黄カラムの出力ポートは沸点カラムの入力ポートに連通され、沸点カラムの出力ポートは火炎光度検出器の入力ポートに連通され、キャリアガスの駆動下で残りの成分は引き続きクロマトグラフィーカラムシステムにより分離され、沸点カラムの出力ポートから分離された成分を火炎光度検出器に送り、火炎光度検出器によって燃焼・検出され、検出スペクトルを得るステップS4と、
ステップS3、S4で得られた検出スペクトルに基づいてレスポンスピーク面積値データを得、ステップS1で得られた硫黄含有化合物含有量標準曲線により、天然ガス中の硫黄含有化合物含有量を得るステップS5と、
を含む、方法。
【請求項23】
硫黄カラムを用いて分離する場合、硫黄カラムの動作温度は55~65℃である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
硫黄カラムを用いて分離する場合、硫黄カラムの動作温度は62℃である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
沸点カラムを用いて分離する場合、沸点カラムの動作温度は65~75℃である、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
沸点カラムを用いて分離する場合、沸点カラムの動作温度は70℃である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記の「硫黄含有化合物標準ガス物質を採取し、硫黄含有化合物標準ガス物質中の硫黄含有化合物含有量を検出して、硫黄含有化合物含有量標準曲線を得る」ことは、
メタンとともに硫化水素、カルボニル硫黄、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、エチルチオエーテル、n-ブチルメルカプタンを用いて硫黄含有化合物の濃度が異なる少なくとも4組の標準ガス物質を調製するステップS11と、
ステップS11で得られた各標準ガス物質に対して検出を行い、対応するレスポンスピーク面積値データを得て、各硫黄含有化合物の濃度を縦軸とし、各硫黄含有化合物の対応するレスポンスピーク面積値を横軸として、各硫黄含有化合物の含有量標準曲線をプロットして得るステップS12と、
を含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天然ガス検出技術分野に属し、具体的には天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギーへの需要が増加しつつあることに伴い、エネルギー構成における天然ガスの比重を高めることはエネルギー構成を最適化し、エネルギー供給の安全と生態環境保護を効果的に解決し、経済と社会の持続可能な発展を実現するために重要な役割を果たす。天然ガス製品の品質を高めるために、天然ガス工業の核心基準であるGB 17820-2018「天然ガス」基準においては、肝心な技術指標はさらに向上し、より詳細かつ厳格に要求され、特に天然ガス中の総硫黄含有量の技術指標は200mg/m3から20mg/m3にグレードアップし、瞬時値の要求も提出されている。
【0003】
現在、各浄化工場の浄化ガスの総硫黄含有量は概ね10mg/m3から100mg/m3まで様々であり、ほとんどはH2S含有量が6mg/m3未満であり、硫黄含有量の低下の鍵は浄化ガス中の硫化カルボニル、チオールなどの含有量を低下させることである。そのため、天然ガス浄化工程に対してまた新しい要求を出すとともに、それに対応して迅速で正確な検出手段を必要とする。
【0004】
現在、浄化ガスとパイプラインで輸送されてきた天然ガスにおける、総硫黄の一般的な検出方法は依然として現場でサンプリングして、実験室で微量電量滴定式酸化法(oxidization microcoulometry)と紫外蛍光法を用いて検出する方法であるが、この方法は現在の新しい生産過程制御の需要を満たすことができず、天然ガス総硫黄オンライン検出技術の徐々な応用に伴い、紫外吸収スペクトル法と水素分解-速度計比色法は天然ガス総硫黄のオンライン検出分野に応用されるが、機器の配置、技術パラメータと応用原理の特殊性によって、オンライン応用にはまだ多くの問題が存在し、天然ガス中の総硫黄と硫黄含有化合物のオンライン検出に全面的に応用することは容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムを提供することを目的とする。このシステムは、天然ガス中の少なくとも6種の硫黄含有化合物の含有量のオンライン分析・測定を迅速かつ効果的に実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記目的を達成するために、天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムを提供する。かかるシステムは、サンプリング装置、減圧システム、クロマトグラフィーカラムシステム及び火炎光度検出器を含み、
前記サンプリング装置は、天然ガス管路中の分析対象である天然ガスをオンラインで取得するためのものであり、
前記火炎光度検出器は、火炎光度検出器に送られた各成分を燃焼させ、光透過率を検出し、電気信号に変換して分析対象である天然ガス中の硫黄含有化合物の含有量を検出するために用いられ、
前記クロマトグラフィーカラムシステムにはキャリアガス入力管路が設けられ、且つ前記クロマトグラフィーカラムシステム内には沸点カラムと硫黄カラムとを含む(例えば沸点カラムと硫黄カラムからなる)クロマトグラフィーカラムが設けられ、
前記サンプリング装置の出力ポートは第1輸送管路を介して前記減圧システムの入力ポートに連通、前記減圧システムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通、前記沸点カラムの入力ポート、前記硫黄カラムの入力ポートはそれぞれオンオフ制御可能な接続管路を介して前記キャリアガス入力管路に連通、前記沸点カラムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して前記硫黄カラムの入力ポートに連通、前記硫黄カラムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通、前記沸点カラムの出力ポート、前記硫黄カラムの出力ポートはそれぞれオンオフ制御可能な接続管路を介して火炎光度検出器の入力ポートに連通される。
【0007】
本発明が提供する前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出のシステムは、天然ガス管路内の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量のオンライン分析に好適に適用でき、少なくとも6種の硫黄含有化合物の含有量測定を実現することができる。本発明が提供する前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは以下の有益な効果を有する。
【0008】
(1)設置されたサンプリング装置により、リアルタイムで天然ガス管路中の天然ガスを採取でき、減圧システムに送って減圧システムを経て天然ガスの圧力を低下させることで、天然ガスの流速を調整し、天然ガスがクロマトグラフィーカラムシステムに入る流速が適切なものにし、キャリアガスを利用して駆動することによってクロマトグラフィーカラム中で分離する。設置された硫黄カラムと沸点カラムによって天然ガス中の硫黄含有化合物の分離をより有効的に行うことができる。さらに火炎光度検出器を用いて各成分を燃焼させ、光透過率を検出し、電気信号に変換して、それによって天然ガス中の硫黄含有化合物の含有量を容易に検出することができる。
【0009】
(2)本発明のクロマトグラフィーカラムシステムにおける各構成要素の独特の接続方式により、天然ガス中の少なくとも6種の異なる硫黄含有化合物の分離をより迅速かつ正確に実現することができ、それにより天然ガス中の硫黄含有化合物の検出の効率と精度を向上させることができる。具体的には、本発明のクロマトグラフィーカラムシステムにおける各構成要素の独特の接続方式により、天然ガス中の異なる成分のクロマトグラフィー分離特徴に基づいて、沸点カラム1回と硫黄カラム1回を順次使用して天然ガス中の一部の成分を分離し、沸点カラム2回と硫黄カラム1回、具体的には沸点カラム、硫黄カラムと沸点カラムを順次使用して一部の成分を分離し、沸点カラムを1回のみ使用して一部の成分を分離することを実現できる。
【0010】
(3)本システムによれば、従来の、天然ガスを取得してから実験室で検出する煩雑な工程を省略し、天然ガス中の硫黄含有化合物の検出をより効率的にし、現在の天然ガス採掘に対する高い要求にも適用できる。
【0011】
(4)本システムによれば、企業の検出コストを低減でき、企業が天然ガス中の硫黄含有化合物を自主的に検出することができ、検出は非常に便利で効率的である。
【0012】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、前記サンプリング装置は、取付台と、前記取付台に固定接続されるサンプリングプローブとを含み、前記サンプリングプローブは前記第1輸送管路に連通され、前記取付台を天然ガス管路に取付けることによってサンプリング装置を天然ガス管路に固定させ、前記天然ガス管路内に配置されるサンプリングプローブにより天然ガス管路中の天然ガスのオンラインサンプリングを可能にする。より好ましくは、サンプリングプローブにはセルフトレース式減圧器が設けられている。この好ましい態様は天然ガス管路内の天然ガスのサンプリングを行うのに更に役立ち、サンプリング効果が良い。
【0013】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、前記第1輸送管路には第1バルブが設けられ、前記第1バルブによって前記第1輸送管路を開閉する。
【0014】
前記天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、前記第1輸送管路内に濾過網が設けられる。
【0015】
前記天然ガス中の硫黄含有化合物の含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、前記減圧システムは、順次接続された1次減圧手段と2次減圧手段とを含み、前記2次減圧手段の入力ポートは第2輸送管路を介して前記1次減圧手段の出力ポートに連通、前記1次減圧手段の入力ポートは前記減圧システムの入力ポートとして前記第1輸送管路を介して前記サンプリング装置の出力ポートに連通、前記2次減圧手段の出力ポートは前記減圧システムの出力ポートとしてオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通される。
【0016】
前記の好ましい態様は、1次減圧手段と2次減圧手段を設けて分析対象である天然ガスに対して減圧を行うことにより、天然ガス管路内の天然ガス中の硫黄含有化合物のオンライン分析により良く適用でき、天然ガス管路から取得した天然ガスの圧力低下を精確に制御し、天然ガス流速の調整をより良く実現することができる。
【0017】
より好ましくは、前記1次減圧手段は、1次減圧タンク、第1加熱膜式減圧器、第2加熱膜式減圧器、第1圧力計及び第2圧力計を含み、前記第1加熱膜式減圧器、前記第2加熱膜式減圧器、前記第1圧力計及び前記第2圧力計は、いずれも前記1次減圧タンク内に設けられ、前記第1加熱膜式減圧器と前記第2加熱膜式減圧器との間には第1連通管が設けられ、前記第1連通管の一端は前記第1加熱膜式減圧器の出力ポートに連通、他端は前記第2加熱膜式減圧器の入力ポートに連通され、前記第1圧力計は前記第1連通管に取り付けられ、かつ前記第1連通管に連通され、前記第1輸送管路の他端は前記1次減圧タンク内に挿入され、かつ前記第1加熱膜式減圧器の入力ポートに連通され、前記第2輸送管路の一端は前記1次減圧タンク内に挿入され、かつ前記第2加熱膜式減圧器の出力ポートに連通され、前記第2圧力計は前記第2輸送管路に取り付けられ、かつ前記第2輸送管路に連通される。さらに好ましくは、前記1次減圧手段は、前記1次減圧タンクの内壁に敷設される1次保温層をさらに含む。
【0018】
前記の好ましい態様は、第1加熱膜式減圧器と第2加熱膜式減圧器を設けることにより、二重機能を果たし、減圧効果を著しく効率的にし、天然ガス管路内の天然ガス中の硫黄含有化合物のオンライン分析を行う過程で天然ガスを減圧するという操作にはより有利である。
【0019】
より好ましくは、前記2次減圧手段は、2次減圧タンク、ノブ式減圧器、第2連通管、および第3圧力計を含み、前記ノブ式減圧器、前記第2連通管、および前記第3圧力計は、いずれも前記2次減圧タンク内に設けられ、前記第2輸送管路の一端は前記2次減圧タンクに挿入され、かつ前記ノブ式減圧器の入力ポートに連通され、前記第2連通管の一端は前記ノブ式減圧器の出力ポートに連通、他端は前記第3圧力計の一端に連通され、前記第3圧力計の他端は前記2次減圧手段の出力ポートとしてオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通される。さらに好ましくは、前記2次減圧手段は、前記2次減圧タンクの内壁に敷設される2次保温層をさらに含む。
【0020】
前記の好ましい態様は、ノブ式減圧器によって二次減圧を行い、分析対象である天然ガスの圧力をさらに減少させ、天然ガス管路内の天然ガス中の硫黄含有化合物のオンライン分析を行う過程で天然ガスの流速を制御するにはより有利である。
【0021】
前記天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、当該天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは循環トレース管をさらに含み、前記減圧システムはトレースモジュールをさらに含み、前記減圧システム中の分析対象である天然ガスを加熱するように、前記循環トレース管と前記トレースモジュールとが連通される。この好ましい態様は、天然ガス管路内の天然ガス中の硫黄含有化合物のオンライン分析を行う過程で天然ガスの減圧時に凝縮することを防止できる。
【0022】
より好ましくは、前記循環トレース管と前記1次減圧手段との間には1次加熱管と1次排出管が設けられ、前記1次加熱管の一端は前記循環トレース管に連通、他端は前記1次減圧手段の一端に連通され、前記1次排出管の一端は前記1次減圧手段の他端に連通、前記1次排出管の他端は前記循環トレース管に連通され、前記循環トレース管と前記2次減圧手段との間には2次加熱管と2次排出管が設けられ、前記2次加熱管の一端は前記循環トレース管に連通、他端は前記2次減圧手段の一端に連通され、前記2次排出管の一端は前記2次減圧手段の他端に連通、前記2次排出管の他端は前記循環トレース管に連通される。
【0023】
一実施形態では、1次加熱管の一端は循環トレース管に連通され、1次加熱管の他端は第1加熱膜式減圧器のトレース部入口と、第2加熱膜式減圧器のトレース部入口にそれぞれ連通されることによって、第1加熱膜式減圧器と第2加熱膜式減圧器を加熱し、それによって分析対象である天然ガスの減圧中の凝縮を防止する。1次排出管の一端は循環トレース管に連通、1次排出管の他端は第1加熱膜式減圧器のトレース部出口、第2加熱膜式減圧器のトレース部出口にそれぞれ連通される。
【0024】
一実施形態では、2次加熱管の一端は循環トレース管に連通され、2次加熱管の他端はノブ式減圧器のトレース部入口に連通されることによって、ノブ式減圧器を加熱し、それによって分析対象である天然ガスの減圧中の凝縮を防止する。2次排出管の一端は循環トレース管に連通、2次排出管の他端はノブ式減圧器のトレース部出口に連通される。
【0025】
前記天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、前記クロマトグラフィーカラムシステム内には、クロマトグラフィーカラムシステムに入った分析対象である天然ガスを一旦保管するための定量管が設けられ、クロマトグラフィーカラムシステムを用いて硫黄含有化合物の分離を行う分析対象である天然ガスガスの定量化を実現する。
【0026】
前記天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、前記クロマトグラフィーカラムシステム内には十方弁が設けられ、十方弁によりクロマトグラフィーカラム中の各手段間の制御可能な連通関係のオンオフを制御する。
【0027】
より好ましくは、十方弁には、第1バルブポート、第2バルブポート、第3バルブポート、第4バルブポート、第5バルブポート、第6バルブポート、第7バルブポート、第8バルブポート、第9バルブポート、第10バルブポートが時計回りに設けられ、十方弁は調節可能な弁であり、十方弁のシフト位置制御により、一方のギアでは第1バルブポートと第2バルブポートとの連通、第3バルブポートと第4バルブポートとの連通、第5バルブポートと第6バルブポートとの連通、第7バルブポートと第8バルブポートとの連通、第9バルブポートと第10バルブポートとの連通を実現することができ、そのうちの他方のギアでは、第10バルブポートは第1バルブポートに連通、第2バルブポートは第3バルブポートに連通、第4バルブポートは第5バルブポートに連通、第6バルブポートは第7バルブポートに連通、第8バルブポートは第9バルブポートに連通される。十方弁の第10バルブポートと第9バルブポートのうちの一方は第3の輸送管路を介して減圧システムの出力ポートに連通され、分析対象である天然ガスは十方弁の第10または第9バルブポートを介して入り、十方弁の第10バルブポートと第9バルブポートのうちの他方は余分なガスを排出する。十方弁の第1バルブポートと十方弁の第8バルブポートとの間には、分析対象である天然ガスを一旦保管して分析対象である天然ガスの定量化を実現するための定量管が設けられ、十方弁の第1バルブポートは定量管を介して十方弁の第8バルブポートと連通され、キャリアガス入力管路は十方弁の第2バルブポートに連通される。沸点カラムは、十方弁の第4バルブポートと十方弁の第7バルブポートとの間に設けられ、十方弁の第4バルブポートが沸点カラムを介して十方弁の第7バルブポートと連通されるようにし、硫黄カラムは十方弁の第3バルブポートと十方弁の第6バルブポートとの間に設けられ、十方弁の第3バルブポートが硫黄カラムを介して十方弁の第6バルブポートと連通されるようにする。十方弁の第5バルブポートは火炎光度検出器と連通される。
【0028】
一実施形態では、十方弁には、第1バルブポート、第2バルブポート、第3バルブポート、第4バルブポート、第5バルブポート、第6バルブポート、第7バルブポート、第8バルブポート、第9バルブポート、第10バルブポートが時計回りに設けられ、十方弁は調節可能な弁であり、十方弁のシフト位置制御により、一方のギアでは第1バルブポートと第2バルブポートとの連通、第3バルブポートと第4バルブポートとの連通、第5バルブポートと第6バルブポートとの連通、第7バルブポートと第8バルブポートとの連通、第9バルブポートと第10バルブポートとの連通を実現することができ、そのうち他方のギアでは第10バルブポートは第1バルブポートに連通、第2バルブポートは第3バルブポートに連通、第4バルブポートは第5バルブポートに連通、第6バルブポートは第7バルブポートに連通、第8バルブポートは第9バルブポートに連通される。減圧システムの出力ポートは第3の輸送管路を介して十方弁の第10バルブポートに連通され、分析対象である天然ガスは十方弁の第10バルブポートを介して入り、十方弁の第9バルブポートは余分なガスを排出する。十方弁の第1バルブポートと十方弁の第8バルブポートとの間には、分析対象である天然ガスを一旦保管して分析対象である天然ガスの定量化を実現するための定量管が設けられ、十方弁の第1バルブポートは定量管を介して十方弁の第8バルブポートと連通され、キャリアガス入力管路は十方弁の第2バルブポートに連通される。沸点カラムは、十方弁の第4バルブポートと十方弁の第7バルブポートとの間に設けられ、十方弁の第4バルブポートが沸点カラムを介して十方弁の第7バルブポートと連通されるようにし、硫黄カラムは十方弁の第3バルブポートと十方弁の第6バルブポートとの間に設けられ、十方弁の第3バルブポートが硫黄カラムを介して十方弁の第6バルブポートと連通されるようにする。十方弁の第5バルブポートは火炎光度検出器と連通される。
【0029】
一実施形態では、十方弁には、第1バルブポート、第2バルブポート、第3バルブポート、第4バルブポート、第5バルブポート、第6バルブポート、第7バルブポート、第8バルブポート、第9バルブポート、第10バルブポートが時計回りに設けられ、十方弁は調節可能な弁であり、十方弁のシフト位置制御により、一方のギアでは第1バルブポートと第2バルブポートとの連通、第3バルブポートと第4バルブポートとの連通、第5バルブポートと第6バルブポートとの連通、第7バルブポートと第8バルブポートとの連通、第9バルブポートと第10バルブポートとの連通を実現することができ、そのうち他方のギアでは第10バルブポートは第1バルブポートに連通、第2バルブポートは第3バルブポートに連通、第4バルブポートは第5バルブポートに連通、第6バルブポートは第7バルブポートに連通、第8バルブポートは第9バルブポートに連通される。減圧システムの出力ポートは第3輸送管路を介して十方弁の第9バルブポートに連通され、分析対象である天然ガスは十方弁の第9バルブポートを介して入り、十方弁の第10バルブポートは余分なガスを排出する。十方弁の第1バルブポートと十方弁の第8バルブポートとの間には、分析対象である天然ガスを一旦保管して分析対象である天然ガスの定量化を実現するための定量管が設けられ、十方弁の第1バルブポートは定量管を介して十方弁の第8バルブポートと連通され、キャリアガス入力管路は十方弁の第2バルブポートに連通される。沸点カラムは、十方弁の第4バルブポートと十方弁の第7バルブポートとの間に設けられ、十方弁の第4バルブポートが沸点カラムを介して十方弁の第7バルブポートと連通されるようにし、硫黄カラムは十方弁の第3バルブポートと十方弁の第6バルブポートとの間に設けられ、十方弁の第3バルブポートが硫黄カラムを介して十方弁の第6バルブポートと連通されるようにする。十方弁の第5バルブポートは火炎光度検出器と連通される。
【0030】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、前記沸点カラムはスクワランカラムを使用する。より好ましくは、前記沸点カラムの長さは0.8m以上であり、さらに好ましくは0.6mである。この好ましい態様は、天然ガス中の硫黄含有化合物の分離に有利である。
【0031】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、前記硫黄カラムはオキシジプロピオニトリルカラムを用いる。より好ましくは、前記硫黄カラムの長さは1.7m以上である。この好ましい態様は、天然ガス中の硫黄含有化合物の分離に有利である。
【0032】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、該天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは、前記火炎光度検出器に固定接続されたディスプレイをさらに含み、前記ディスプレイは前記火炎光度検出器に電気的に接続され、前記ディスプレイは前記火炎光度検出器の検出結果を表示する。
【0033】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、当該天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは、警報連動装置と可燃性ガス検出警報器とをさらに備え、前記警報連動装置と前記可燃性ガス検出警報器はいずれも前記火炎光度検出器に電気的に接続され、可燃性ガス検出警報器は火炎光度検出器の近傍で可燃性ガス漏れが発生しているかどうかを検出するために用いられ、安全上の危険性を回避する。警報連動装置はコントローラであり、可燃性ガス検出警報器が可燃性ガスの漏れを検出した場合、タイムリーに第1輸送管路を閉じて、検出対象のガスの輸送・検出を停止させ、さらなる安全事故を回避する。
【0034】
前記の好ましい態様を採用することで、可燃性ガスの漏れを回避し、安全事故を回避する、との有益な効果がある。
【0035】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムにおいて、好ましくは、該天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは、標準ガス物質貯蔵瓶をさらに含み、前記標準ガス物質貯蔵瓶と前記クロマトグラフィーカラムシステムとの間に標準ガス物質輸送管路が設けられ、前記標準ガス物質輸送管路の一端は前記クロマトグラフィーカラムシステムの入力ポートに連通され、他端は前記標準ガス物質貯蔵瓶の出力ポートに連通され、前記標準ガス物質輸送管路には第2バルブが設けられ、前記第2バルブにより前記標準ガス物質輸送管路を開閉する。
【0036】
この好ましい態様は、バッチごとにまたは毎日に標準ガス物質を用いた校正を容易にし、分析対象である天然ガスの硫黄含有化合物に対する検出精度をさらに向上させることができる。
【0037】
本発明は、天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法を提供する。その中で、この方法は以下を含む。
【0038】
S1:硫黄含有化合物標準ガス物質を採取し、硫黄含有化合物標準ガス物質中の硫黄含有化合物含有量を検出して、硫黄含有化合物含有量標準曲線を得る
S2:サンプリング装置を用いて天然ガス管路中で輸送される天然ガスを取得し、減圧システムに送り減圧して減圧天然ガスを得る
S3:ステップS2で得られた減圧天然ガスをクロマトグラフィーカラムシステムに送り、キャリアガスの駆動下で沸点カラムと硫黄カラムを順次使用して減圧天然ガスを分離し、分離された成分を火炎光度検出器に送り、火炎光度検出器によって燃焼・検出され、検出スペクトルを得る
S4:ステップS2で天然ガス中のカルボニル硫黄(すなわち、硫化カルボニル)成分が硫黄カラムから分離されるまで、キャリアガスは硫黄カラムの入力ポートに転送され、硫黄カラムの出力ポートは沸点カラムの入力ポートに連通され、沸点カラムの出力ポートは火炎光度検出器の入力ポートに連通され、キャリアガスの駆動下で残りの成分は引き続きクロマトグラフィーカラムシステムにより分離され、沸点カラムの出力ポートから分離された成分を火炎光度検出器に送り、火炎光度検出器によって燃焼・検出され、検出スペクトルを得る
S5:ステップS3、S4で得られた検出スペクトルに基づいてレスポンスピーク面積値データを得、ステップS1で得られた硫黄含有化合物含有量標準曲線により、天然ガス中の硫黄含有化合物含有量を得る
【0039】
本発明が提供する天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法は、天然ガスに対して硫黄含有化合物のオンライン検出を行うことができ、検出操作が簡単で、簡単な計算だけで天然ガス中の硫黄含有化合物の含有量を得ることができ、企業が自ら操作することができ、専門的な実験室で検出する必要がなく、企業の生産コストを軽減するとともに、天然ガス中の硫黄含有化合物の検出効率を速め、天然ガス中の硫黄含有化合物の検出精度を向上させる。
【0040】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法では、ステップS3では、キャリアガスの駆動下で沸点カラムと硫黄カラムを順次用いて減圧天然ガスの分離を行って、硫黄含有化合物中の硫化水素、カルボニル硫黄、メチルメルカプタン、エチルメルカプタンは沸点カラムから順に排出され(硫化水素とカルボニル硫黄成分の間に時間差が極めて小さい)、硫黄カラムに入って分離を行い、さらに各成分間の分離時間差を大きくし、硫化水素、カルボニル硫黄は順に硫黄カラムから排出された後、火炎光度検出器に入って火炎光度検出器によって燃焼・検出される。ステップS4では、天然ガス中のカルボニル硫黄成分が硫黄カラムから排出されるまで(この際、エチルチオエーテル成分はまもなく沸点カラムから排出され)、キャリアガスは硫黄カラムの入力ポートに転送され、硫黄カラムの出力ポートは沸点カラムの入力ポートに連通され、沸点カラムの出力ポートは火炎光度検出器の入力ポートに連通され、キャリアガスの駆動下で残りの成分はクロマトグラフィーカラムシステムを用いて引き続き分離され、エチルチオエーテル、n-ブチルメルカプタン、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン成分は沸点カラムから順次排出された後、火炎光度検出器に入り、火炎光度検出器によって燃焼・検出される。分離の全過程において、天然ガス中の一部の成分、例えば硫化水素、カルボニル硫黄成分は順に沸点カラム1回と硫黄カラム1回を用いて分離され、天然ガス中の一部の成分、例えばメチルメルカプタン、エチルメルカプタン成分は沸点カラム2回と硫黄カラム1回を用いて分離され、具体的には沸点カラム、硫黄カラムと沸点カラムを順に用いて分離され、天然ガス中の一部の成分、例えばエチルチオエーテル、n-ブチルメルカプタン成分は、沸点カラムを1回のみ用いて分離される。
【0041】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法において、ステップS2で得られた減圧天然ガスの圧力は0.18~0.25MPa(例えば0.2MPa)であることが好ましい。一実施形態では、取得された天然ガス管路内に輸送される天然ガスは、前記第1輸送管路を介して1次減圧手段に輸送され、前記1次減圧手段を介して天然ガスの圧力を1.8~2.5MPa(例えば2MPa)に下げ、さらに前記第2輸送管路を介して2次減圧手段に輸送され、前記2次減圧手段を介して天然ガスの圧力を0.18~0.25MPa(例えば0.2MPa)に下げ、減圧天然ガスを得る。
【0042】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法において、硫黄カラムを用いて分離する場合、硫黄カラムの動作温度は55~65℃(例えば62℃)であることが好ましい。
【0043】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法において、沸点カラムを用いて分離する場合、沸点カラムの動作温度は65~75℃(例えば70℃)であることが好ましい。
【0044】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法において、キャリアガスは窒素ガスを用いることが好ましい。
【0045】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法において、キャリアガスの流速は22ml/minであることが好ましい。
【0046】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法において、分離して得られた成分を火炎光度検出器に輸送して火炎光度検出器による燃焼・検出を以下のように実現することが好ましい。
【0047】
分離された成分を火炎光度検出器に輸送して、圧力0.24MPa、流速40ml/minの水素及び圧力0.24MPa、流速80ml/minの空気を入れ、150℃で火炎光度検出器を用いて燃焼・検出をする。
【0048】
前記の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法において、前記「硫黄含有化合物標準ガス物質を採取し、硫黄含有化合物標準ガス物質中の硫黄含有化合物含有量を検出して、硫黄含有化合物含有量標準曲線を得る」ことは、
メタンとともに硫化水素、カルボニル硫黄、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、エチルチオエーテル、n-ブチルメルカプタンを用いて標準ガス物質を調製し、硫黄含有化合物の濃度が異なる標準ガス物質を少なくとも4組採取するステップS11と、
ステップS11で得られた各標準ガス物質に対して検出を行い、対応するレスポンスピーク面積値データを得て、各硫黄含有化合物の濃度を縦軸とし、各硫黄含有化合物の対応するレスポンスピーク面積値を横軸として、各硫黄含有化合物の含有量標準曲線をプロットして得るステップS12と、を含む。
【0049】
ここで、標準ガス物質中で用いられる硫黄含有化合物は、検出対象である天然ガス中の硫黄含有化合物の種類に基づいて決定すればよい。
【0050】
標準ガス物質は、一般的にベースガスとして1つの成分が多く含まれ、天然ガス中の硫黄含有化合物標準ガス物質は調製時に天然ガス中の実際の成分をレファレンスとしている。天然ガスに多く含まれる成分はメタンであるため、硫黄含有化合物標準ガス物質を調製する際に、メタンをベースガスまたは補充ガスとして特定の含有量の硫黄含有化合物標準ガス物質を得る。
【0051】
この好ましい態様を採用することにより、天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の算出にはより有利である。
【0052】
本発明の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下では、実施例の説明に必要な図面について簡単に説明する。以下の説明において図面は本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労力を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本発明の一実施例によって提供される天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムの構成概略図である。
【
図2】本発明の一実施例における1次減圧手段の構成概略図である。
【
図3】本発明の一実施例における2次減圧手段の構成概略図である。
【
図4A】本発明の一実施例における十方弁の接続構成の概略図である。
【
図4B】本発明の一実施例における十方弁の接続構成の概略図である。
【
図4C】本発明の一実施例における十方弁の接続構成の概略図である。
【
図4D】本発明の一実施例における十方弁の接続構成の概略図である。
【
図5A】本発明の一実施例における天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムのワークフローの概略図である。
【
図5B】本発明の一実施例における天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムのワークフローの概略図である。
【
図5C】本発明の一実施例における天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムのワークフローの概略図である。
【
図5D】本発明の一実施例における天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムのワークフローの概略図である。
【
図5E】本発明の一実施例における天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムのワークフローの概略図である。
【
図5F】本発明の一実施例における天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムのワークフローの概略図である。
【
図5G】本発明の一実施例における天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムのワークフローの概略図である。
【
図5H】本発明の一実施例における天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムのワークフローの概略図である。
【
図5I】本発明の一実施例における天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムのワークフローの概略図である。
【
図5J】本発明の一実施例における天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムのワークフローの概略図である。
【
図6A】本発明の一実施例における硫化水素の標準曲線図である。
【
図6B】本発明の一実施例における硫化カルボニルの標準曲線図である。
【
図6C】本発明の一実施例におけるメチルメルカプタンの標準曲線図である。
【
図6D】本発明の一実施例におけるエチルメルカプタンの標準曲線図である。
【
図6E】本発明の一実施例におけるエチルチオエーテルの標準曲線図である。
【
図6F】本発明の一実施例におけるn-ブチルメルカプタンの標準曲線図である。
【符号の説明】
【0054】
1 天然ガス管路、2 検出ポート、3 取付台、4 サンプリングプローブ、5 第1輸送管路、6 第1バルブ、7 循環トレース管、8 1次減圧手段、9 第2輸送管路、10 2次減圧手段、11 1次加熱管、12 2次加熱管、13 第3輸送管路、14 火炎光度検出器、15 標準ガス物質貯蔵瓶、16 標準気体物質輸送管、17 排気管、18 可燃性ガス検出警報器、19 警報連動装置、20 電力供給ボックス、21 1次減圧タンク、22 1次保温層、23 第1加熱膜式減圧器、24 第1熱風管、25 第2熱風管、26 第1圧力計、27 第1連通管、28 第2加熱膜式減圧器、29 第2圧力計、30 2次減圧タンク、31 2次保温層、32 第3熱風管、33 警報器、34 ノブ式減圧器、35 第2連通管、36 第3圧力計、38 クロマトグラフィーカラムシステム、39 ディスプレイ、40 沸点カラム、41 硫黄カラム、42 第1バルブポート、43 第2バルブポート、44 第3バルブポート、45 第4バルブポート、46 第5バルブポート、47 第6バルブポート、48 第7バルブポート、49 第8バルブポート、50 第9バルブポート、51 第10バルブポート、52 1次排出管、53 2次排出管、54 定量管
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に、本発明の実施例の図面を用いながら本発明の実施例の技術案を明確・完全に説明する。当然ながら、説明される実施形態は本発明の一部の実施形態であり、すべての実施形態ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を払わずに得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に属する。
【0056】
以下、本発明のいくつかの代表的な実施形態を参照して、本発明の原理と思想を詳細に述べる。
【0057】
実施例
図1~
図4Dに示すように、本実施例は、サンプリング装置、減圧システム、クロマトグラフィーカラムシステム38及び火炎光度検出器(FPD)14を含む天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムを提供する。そのうち、クロマトグラフィーカラムシステム38にはキャリアガス入力管路が設けられ、クロマトグラフィーカラムシステム38内には沸点カラム40と硫黄カラム41を含むクロマトグラフィーカラム(例えば、クロマトグラフィーカラムは沸点カラム40と硫黄カラム41からなる)が設けられている。
【0058】
サンプリング装置のサンプリング端は天然ガス管路1内に配置され、天然ガス管路1内で輸送される天然ガスをオンラインで取得し、天然ガス管路1内の天然ガスは天然ガス輸送動力部分とともにサンプリング装置内に入る。
【0059】
サンプリング装置と減圧システムとの間には、一端がサンプリング装置の出力ポートに固定接続されて連通され、他端が減圧システムの入力ポートに固定接続されて連通される第1輸送管路5が設けられている。これによって、サンプリング装置が採取した天然ガスは第1輸送管路5を介して減圧システムに入って減圧処理される。
【0060】
クロマトグラフィーカラムシステム38と減圧システムとの間には、一端が減圧システムの出力ポートに固定接続されて連通され、他端がクロマトグラフィーカラムシステム38の入力ポートに固定接続されて連通される第3輸送管路13が設けられ、クロマトグラフィーカラムシステム38の入力ポートと沸点カラム40の入力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して連通、沸点カラム40の入力ポート、硫黄カラム41の入力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介してそれぞれキャリアガス入力管路に連通、沸点カラム40の出力ポートと硫黄カラム41の入力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して連通、硫黄カラム41の出力ポートと沸点カラム40の入力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して連通、沸点カラム40の出力ポート、硫黄カラム41の出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介してそれぞれ火炎光度検出器14の入力ポートに連通される。減圧処理された天然ガスはクロマトグラフィーカラムシステム38に入り、クロマトグラフィーカラムシステム38ではキャリアガスの作用下で分離される。
【0061】
火炎光度検出器14は、各成分を燃焼させ、光透過率を検出して電気信号に変換し、分析対象である天然ガス中の硫黄含有化合物の含有量を検出するために用いられる。天然ガスから分離された化合物は、火炎光度検出器14で燃焼・検出される。火炎光度検出器14は既知の機器であり、硫黄やリン含有有機物にのみ検出信号を発生する高感度高選択性検出器である。その硫黄検出の原理は、水素リッチ炎の中で、硫黄含有有機物が燃焼した後に、波長が350nm~430nm、最大強度が394nmである特徴的な青紫色光を発し、フィルターを通して、さらに特徴光の強度変化を光電子増倍管で検出し、電気信号に変換すれば、硫黄の含有量を検出することができる。
【0062】
好ましくは、本実施例では、サンプリング装置は、取付台3と、取付台3に固定接続されるサンプリングプローブ4とを備え、サンプリングプローブ4にはセルフトレース式減圧器が設けられ、サンプリングプローブ4は第1輸送管路5に連通され、取付台3は天然ガス管路1に取り付けられる。ここで、天然ガス管路1には検出口2が設けられ、取付台3と検出口2には接続フランジが設けられ、接続フランジを介して容易に接続できる。サンプリングプローブ4は天然ガス管路1内に配置され、サンプリングプローブ4は第1輸送管路5に連通され、天然ガス管路1中の天然ガスは自らサンプリングプローブ4中に入り、さらに第1輸送管路5中に入る。
【0063】
好ましくは、本実施例では、第1輸送管路5には、第1バルブ6と濾過網とが内蔵されている。第1バルブ6は第1輸送管路5に取り付けられ、第1バルブ6を介して第1輸送管路5を開閉する。ここで、第1バルブ6は電気信号によって制御可能な電磁弁であり、それによって操作がより便利である、濾過網は120目~160目のものであり、天然ガス中に含まれる粒子不純物をふるい落すことができる。
【0064】
好ましくは、本実施例では、減圧システムは、1次減圧手段8と2次減圧手段10を含む。1次減圧手段8とサンプリング装置との間には、一端がサンプリング装置の出力ポートに固定接続されて連通、他端が減圧システムの入力ポートである1次減圧手段8の入力ポートに固定接続されて連通される第1輸送管路5が設けられ、サンプリング装置が取得した天然ガスが第1輸送管路5を介して1次減圧手段8に入って減圧処理される。2次減圧手段10と1次減圧手段8との間には、一端が1次減圧手段8の出力ポートに固定接続されて連通、他端が2次減圧手段10の入力ポートに固定接続されて連通される第2輸送管路9が設けられ、天然ガスは1次減圧手段8を介して減圧されてから2次減圧手段10に入って2回目減圧される。
【0065】
好ましくは、本実施例では、
図2に示すように、1次減圧手段8は、1次減圧タンク21、1次保温層22、第1加熱膜式減圧器23、第2加熱膜式減圧器28、第1圧力計26及び第2圧力計29を含む。1次減圧タンク21の内壁に1次保温層22が敷設される。第1加熱膜式減圧器23、第2加熱膜式減圧器28、第1圧力計26及び第2圧力計29はいずれも1次減圧タンク21内に設けられる。第1加熱膜式減圧器23と第2加熱膜式減圧器28との間には第1連通管27が設けられる。第1連通管27の一端は第1加熱膜式減圧器23の出力ポートに連通され、他端は第2加熱膜式減圧器28の入力ポートに連通される。第1圧力計26は第1連通管27に取り付けられ、かつ第1連通管27に連通される。第1輸送管路5の他端は1次減圧タンク21内に挿入して、第1加熱膜式減圧器23の入力ポートと連通される。第2輸送管路9の一端は1次減圧タンク21内に挿入して、第2加熱膜式減圧器28の出力ポートに連通される。第2圧力計29は第2輸送管路9に取り付けられ、第2輸送管路9に連通される。第1加熱膜式減圧器23による天然ガスの減圧効果を第1圧力計26により観察し、リアルタイムで天然ガスの圧力を得る。第2加熱膜式減圧器28による天然ガスの減圧効果を第2圧力計29により観察し、リアルタイムで天然ガスの圧力を得て、減圧効果を調節し、それによって天然ガスの検出精度を高める。ここで、第1加熱膜式減圧器23、第2加熱膜式減圧器28、第1圧力計26及び第2圧力計29はいずれも既存の設備である。1次保温層22は高分子保温材で作られている。
【0066】
好ましくは、本実施例では、
図3に示すように、2次減圧手段10は、2次減圧タンク30、2次保温層31、ノブ式減圧器34、第2連通管35及び第3圧力計36を含む。2次減圧タンク30の内壁に2次保温層31が敷設され、ノブ式減圧器34、第2連通管35及び第3圧力計36はいずれも2次減圧タンク30内に設けられる。第2輸送管路9の他端は2次減圧タンク30に挿入して、ノブ式減圧器34の入力ポートに連通される。第2連通管35の一端はノブ式減圧器34の出力ポートに連通、他端は第3圧力計36の一端に連通される。第3輸送管路13の一端は第3圧力計36の他端に連通される。ここで、ノブ式減圧器34によって減圧された天然ガスの圧力を第3圧力計36により検出して、天然ガスの流速を制御することで、天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の検出がより精確になる。ここで、2次保温層31は高分子材料で作られ、第3圧力計36とノブ式減圧器34は従来技術である。
【0067】
好ましくは、本実施例では、2次減圧タンク30内にさらに警報器33が設けられる。警報器33により天然ガス漏れの発生の有無を検出でき、タイムリーに警報を発することができる。
【0068】
好ましくは、本実施例では、高温ガスを供給するための循環トレース管7をさらに含み、循環トレース管7と1次減圧手段8との間に1次加熱管11と1次排出管52とが設けられている。1次加熱管11の一端は循環トレース管7に連通、他端は1次減圧手段8のトレースモジュールの入口に連通される。1次排出管52の一端は1次減圧手段8のトレースモジュールの出口に連通、1次排出管52の他端は循環トレース管7に連通される。ここで、1次加熱管11の一端にはそれぞれ第1熱風管24と第2熱風管25が接続され、第1熱風管24は第1加熱膜式減圧器23のトレース部の入口に連通、第2熱風管25は第2加熱膜式減圧器28のトレース部の入口に連通されることによって、第1加熱膜式減圧器23と第2加熱膜式減圧器28を加熱して、天然ガス減圧過程における凝縮の発生を防止する。1次排出管52は、第1加熱膜式減圧器23のトレース部の出口と第2加熱膜式減圧器28のトレース部の出口とにそれぞれ連通される。循環トレース管7と2次減圧手段10との間には、2次加熱管12と2次排出管53とが設けられる。2次加熱管12の一端は循環トレース管7に連通、他端は2次減圧手段10のトレースモジュールの入口に連通される。2次排出管53の一端は2次減圧手段10のトレースモジュールの出口に連通、2次排出管53の他端は循環トレース管7に連通される。ここで、2次減圧タンク30内には、一端が2次加熱管12に接続されて連通、他端がノブ式減圧器34のトレース部の入口に連通される第3熱風管32が設けられることで、天然ガス減圧過程における凝縮の発生を防止する。2次排出管53はノブ式減圧器34のトレース部の出口に連通される。
【0069】
硫黄含有化合物は各種材質に極めて吸着しやすい、またはそれと化学反応を起こすため、サンプリングプローブ、取付台3、第1バルブ6、第1輸送管路5、第2輸送管路9、第3輸送管路13など、すべては適切な硫黄不活性または不動態化材料で作られ、選択される材料は気体とサンプリング方法に適応する必要があり、サンプリング装置の内部及び外部条件は、サンプリングされるガスの組成が分解されないこと及びガスの組成が変化しないように確保しなければならない。ここで、サンプリングプローブの天然ガス管路1における位置は、ではなく、水平に設置された天然ガス管路1における角や中間部の以外の1箇所である。このように、天然ガスの硫黄含有化合物含有量の検出精度を高めることができる。
【0070】
好ましくは、本実施例では、沸点カラム40は長さ0.8mのスクワランカラム、硫黄カラム41は長さ1.7mのオキシジプロピオニトリルカラムを用いる。一実施形態において、クロマトグラフィーカラムシステム38の基本パラメータは次の表1の通りである。
【0071】
【0072】
クロマトグラフィーカラムシステム内には十方弁と定量管54が設けられ、十方弁によってクロマトグラフィーカラム中の各連通手段間のオンオフを制御する。
【0073】
図4A、
図4B、
図4C、
図4Dに示すように、十方弁には、第1バルブポート42、第2バルブポート43、第3バルブポート44、第4バルブポート45、第5バルブポート46、第6バルブポート47、第7バルブポート48、第8バルブポート49、第9バルブポート50、第10バルブポート51が時計回りに設けられている。十方弁は調節可能な弁であり、十方弁のシフト位置制御により、A段(
図4A、
図4Cに示すように)では第1バルブポート42と第2バルブポート43との連通、第3バルブポート44と第4バルブポート45との連通、第5バルブポート46と第6バルブポート47との連通、第7バルブポート48と第8バルブポート49との連通、第9バルブポート50と第10バルブポート51との連通、B速段(
図4B、
図4Dに示すように)では第10バルブポート51と第1バルブポート42との連通、第2バルブポート43と第3バルブポート44との連通、第4バルブポート45と第5バルブポート46との連通、第6バルブポート47と第7バルブポート48との連通、第8バルブポート48は第9バルブポート49との連通を実現できる。
【0074】
十方弁の第10バルブポート51と第9バルブポート50のうちの一方は第3輸送管路13に連通され、分析対象である天然ガスは十方弁の第10バルブポート51または第9バルブポート50を介して入り、十方弁の第10バルブポート51と第9バルブポート50ののうちの他方は余分なガスを排出するために使用される。ここで、
図4A、
図4Bに示すように、十方弁の第10バルブポート51は第3輸送管路13に連通され、分析対象である天然ガスは十方弁の第10バルブポート51を介して入り、十方弁の第9バルブポート50は余分なガスを排出するために用いられる。ここで、
図4C、
図4Dに示すように、十方弁の第9バルブポート50は第3輸送管路13に連通され、分析対象である天然ガスは十方弁の第9バルブポート50を介して入り、十方弁の第10バルブポート51は余分なガスを排出するために用いられる。
【0075】
十方弁の第1バルブポート42と十方弁の第8バルブポート49との間には、分析対象の天然ガスを一旦貯蔵して分析対象の天然ガスの定量化を図るための定量管54が設けられる。十方弁の第1バルブポート42は定量管54を介して十方弁の第8バルブポート49に連通される。キャリアガス入力管路は十方弁の第2バルブポート43に連通される。沸点カラム40は、十方弁の第4バルブポート45が沸点カラム40を介して第7バルブポート48と連通されるように、十方弁の第4バルブポート45と十方弁の第7バルブポート48との間に設けられる。硫黄カラムは、十方弁の第3バルブポート44が硫黄カラムを介して十方弁の第6バルブポート47と連通されるように、十方弁の第3バルブポート44と十方弁の第6バルブポート47との間に設けられる。十方弁の第5バルブポート46は火炎光度検出器14と連通される。
【0076】
好ましくは、本実施例では、標準ガス物質貯蔵瓶15をさらに含む。標準ガス物質貯蔵瓶15とクロマトグラフィーカラムシステム38との間に、一端がクロマトグラフィーカラムシステム38の入力ポートに連通、他端が標準ガス物質貯蔵瓶15の出力ポートに連通される標準ガス物質輸送管路16が設けられる。標準ガス物質輸送管路16には第2バルブが設けられ、第2バルブによって標準ガス物質輸送管路16を開放または閉鎖し、標準ガス物質貯蔵瓶15によって標準ガス物質を輸送することができることにより、バッチごとにまたは毎日の標準ガス物質を用いた校正を容易にし、天然ガスの硫黄含有化合物の検出精度をさらに高めることができる。ここで、標準ガス物質貯蔵瓶15は硫黄不活性内部コーティングを有する容器であってもよい。
【0077】
好ましくは、本実施例では、火炎光度検出器14に固定接続されたディスプレイ39をさらに含む。ディスプレイ39は火炎光度検出器14に電気的に接続され、ディスプレイ39は火炎光度検出器14の検出結果を表示する。
【0078】
好ましくは、本実施例では、警報連動装置19と可燃性ガス検出警報器18をさらに含む。警報連動装置19と可燃性ガス検出警報器18はいずれも火炎光度検出器14に電気的に接続され、警報連動装置19は第1バルブ6に電気的に接続される。ここで、可燃性ガス検出警報器18は火炎光度検出器14の近傍で可燃性ガス漏れが発生しているかどうかを検出し、安全上の危険性を回避するために使用される。警報連動装置19はコントローラである。可燃性ガス漏れが発生したことは可燃性ガス検出警報器18で検出された場合、タイムリーに第1バルブ6を閉じて天然ガスの輸送・検出を停止させ、さらなる安全事故を回避する。
【0079】
好ましくは、本実施例では、火炎光度検出器14の側壁にはさらに排気管17が設けられており、燃焼後の煙を排気管17を介して遠距離に排出し、安全上の危険性を回避する。
【0080】
好ましくは、本実施例では、第1バルブ6、火炎光度検出器14、クロマトグラフィーカラムシステム38及びディスプレイ39に電気的に接続され、電力を供給するための電力供給ボックス20をさらに含む。
【0081】
また、本実施例は天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出方法を提供する。かかる方法は以下を含む。
【0082】
ステップS1:検量線スペクトルを得る。
【0083】
ステップS101:標準ガス物質貯蔵瓶に貯蔵された既知の6種類の硫黄含有化合物、具体的には硫化水素、カルボニル硫黄、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、エチルチオエーテル及びn-ブチルメルカプタンをメタンとともに標準ガス物質を調製し、1#、2#、3#、4#、5#という合計5組の硫黄含有化合物の濃度が異なる標準ガス物質を調製し、各組の標準ガス物質中の硫黄含有化合物の濃度は表2~表7を参照する。
【0084】
ステップS102:クロマトグラフィーカラムシステム38と火炎光度検出器14に導入し、ステップS101で得られた標準ガス物質に対して検出を行い、標準ガス物質(すなわち、天然ガス標準サンプル)中の硫黄含有化合物含有量を検出して、天然ガス標準サンプルのスペクトルを得る(以下のステップ3と同じ方法で行えばよい)。
【0085】
ステップS103:ディスプレイ39によって天然ガス標準サンプルのスペクトルを得て、スペクトルに基づいてFPDの応答値を得て、対応するレスポンスピーク面積値データを得て、各標準物の濃度を縦軸として、各標準物の対応するレスポンスピーク面積値を横軸として、各硫黄含有化合物含有量の標準曲線をプロットして得る。結果は
図6A~
図6Fを参照する。
【0086】
各標準物質の濃度および対応するレスポンスピーク面積値データを具体的に下表2~表7に示す。
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
ステップS2:サンプリングプローブを用いて天然ガス管路1中で輸送される天然ガスを採取し、濾過網を介して粒子不純物をふるい落とした後、第1輸送管路5を介して1次減圧手段8に送り、1次減圧手段8中の第1加熱膜式減圧器23と第2加熱膜式減圧器28の二重減圧作用下で、天然ガスの圧力を2MPaに下げ、さらに第2輸送管路9を介して2次減圧手段10に送り、2次減圧手段10中のノブ式減圧器34を介して天然ガスの圧力を0.2MPaに下げ、減圧天然ガスを得る。
【0094】
ステップS3:ステップS2で得られた減圧天然ガスを第3輸送管路13を介してクロマトグラフィーカラムシステム38に送り(減圧天然ガスがクロマトグラフィーカラムシステム38に入る時の温度は45℃に制御)、減圧天然ガスは圧力0.24Mpa、流速22ml/minの窒素の駆動下でクロマトグラフィーカラムシステム38中で分離され、分離物を火炎光度検出器14に送って燃焼・検出を行い、検出スペクトルを得る(フローは
図5A~
図5Jを参照)。
【0095】
ステップS301:ステップS2で得られた減圧天然ガスを第3輸送管路13を介してクロマトグラフィーカラムシステム38に送り、この時の十方弁はB段(
図4B、
図4Dに示す)にあり、この時、第10バルブポート51は第1バルブポート42に連通、第2バルブポート43は第3バルブポート44に連通、第4バルブポート45は第5バルブポート46に連通、第6バルブポート47は第7バルブポート48に連通、第8バルブポート48は第9バルブポート49に連通される。
【0096】
図4Bに示すように、減圧天然ガスは第10バルブポート51から入り、その後第1バルブポート42に流れていき、さらに定量管に入り一旦保管され、余分な減圧天然ガスは第9バルブポート50から排出される。または、
図4Dに示すように、減圧天然ガスは第9バルブポート50から入り、その後第8バルブポート48に流れていき、さらに定量管に入り一時保管され、余分な減圧天然ガスは第10バルブポート51から排出される。
【0097】
ステップS302:A段(
図4A、
図4Cに示すように)になるように十方弁を調整し、この時、第1バルブポート42は第2バルブポート43に連通、第3バルブポート44は第4バルブポート45に連通、第5バルブポート46は第6バルブポート47に連通、第7バルブポート48は第8バルブポート49に連通、第9バルブポート50は第10バルブポート51に連通される。
【0098】
圧力0.24MPa、流速22ml/minの窒素ガスを用いて第2バルブポート3に注入し、第1バルブポート42を介して定量管に入り、定量管に一旦貯蔵された減圧天然ガスを駆動し、第8バルブポート49と第7バルブポート48を順次通過した後、沸点カラム40に入り、温度70℃の沸点カラム40中で分離される。各硫黄含有化合物の沸点が異なるため、流速に違いが持たされ、異なる硫黄含有化合物は前後してキャリアガスである窒素ガスの作用下で第4バルブポート45に入り、第3バルブポート44を介して硫黄カラム41に入り、温度68℃の硫黄カラム41中でもう一度分離され、硫黄含有化合物中の硫化水素、カルボニル硫黄成分は順次硫黄カラムから離れ、第6バルブポート47、第5バルブポート46を順次通過して火炎光度検出器14中に入り、燃焼・検出を行うことでスペクトルを得る。ここで、天然ガスがクロマトグラフィーカラムシステム38に入ったときの温度は45℃に制御される。
【0099】
ステップS303:天然ガス中のカルボニル硫黄成分が硫黄カラムから離れた後、十方弁がB段(
図4B、
図4Dに示すように)になるように十方弁を調整し、この時、第10バルブポート51は第1バルブポート42に連通、第2バルブポート43は第3バルブポート44に連通、第4バルブポート45は第5バルブポート46に連通、第6バルブポート47は第7バルブポート48に連通、第8バルブポート48は第9バルブポート49に連通される。
【0100】
圧力0.24MPa、流速22ml/minの窒素ガスを用いて第2バルブポート3に注入し、第3バルブポート43を介して硫黄カラム41に入り、硫黄カラム41中の天然ガスの残留成分を駆動して引き続き分離を行うとともに、沸点カラム40中の残留成分エチルチオエーテル、n-ブチルメルカプタンは引き続き分離されて、順次沸点カラム40から離れる。硫黄含有化合物中のメチルメルカプタン、エチルメルカプタン成分は順次硫黄カラム41を離れて再び沸点カラム40に入り分離を行い、最終的にはエチルチオエーテル、n-ブチルメルカプタン、メチルメルカプタン、エチルメルカプタンの順に沸点カラム40から離れる。沸点カラム40から離れた成分は順に、第4バルブポート45、第5バルブポート46を通過して火炎光度検出器14に入り、燃焼・検出を行うことでスペクトルを得る。
【0101】
ここで、火炎光度検出器14を用いた燃焼・検出は以下の方法によって実現される。火炎光度検出器14に圧力0.24MPa、流速40ml/minの水素ガスと圧力0.24MPa、流速80ml/minの空気を送り、150℃で火炎光度検出器14によって燃焼・検出を行い、検出スペクトルを得る。ここで、水素ガスは燃焼ガスであり、空気は助燃ガスである。
【0102】
ステップS4:ステップS3で得られた検出スペクトルに基づいてレスポンスピークデータを得て、ステップS1で得られた各硫黄含有化合物含有量の標準曲線にレスポンスピークデータを取り込み、天然ガス中の硫黄含有化合物の含有量を図から読み出す。
【0103】
これにより、天然ガス中の硫黄含有化合物の含有量が得られる。ここで、天然ガス中の総硫黄含有量はそれぞれ異なる硫黄含有化合物の含有量濃度の加算である。
【0104】
本オンライン検出方法の誤差値は≦5%であり、誤差範囲内に符合するので、本天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムが効果的に天然ガス中の硫黄含有化合物含有量をオンライン検出でき、しかも検出精度が高いことを示している。
【0105】
本発明において、具体的な実施例を用いて本発明の原理及び実施形態について述べたが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想への理解を助けるためのものにすぎず、同時に、当業者にとって、本発明の思想に基づいて具体的な実施形態及び応用範囲において変更点があってもよく、以上のように、本明細書の内容は本発明を限定すると解釈すべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムであって、
サンプリング装置、減圧システム、クロマトグラフィーカラムシステム及び火炎光度検出器を含み、
前記クロマトグラフィーカラムシステムにはキャリアガス入力管路が設けられ、且つ前記クロマトグラフィーカラムシステム内には沸点カラムと硫黄カラムを含むクロマトグラフィーカラムが設けられ、
前記サンプリング装置の出力ポートは第1輸送管路を介して前記減圧システムの入力ポートに連通、前記減圧システムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通、前記沸点カラムの入力ポート、前記硫黄カラムの入力ポートはそれぞれオンオフ制御可能な接続管路を介して前記キャリアガス入力管路に連通、前記沸点カラムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して前記硫黄カラムの入力ポートに連通、前記硫黄カラムの出力ポートはオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通、前記沸点カラムの出力ポート、前記硫黄カラムの出力ポートはそれぞれオンオフ制御可能な接続管路を介して火炎光度検出器の入力ポートに連通される、システム。
【請求項2】
前記サンプリング装置は、取付台と、前記取付台に固定接続されるサンプリングプローブとを含み、
前記サンプリングプローブは前記第1輸送管路に連通され、
前記取付台がサンプリング装置を天然ガス管路に固定させて、前記天然ガス管路内に配置されるサンプリングプローブにより天然ガス管路中の天然ガスをオンラインサンプリングできるように天然ガス管路に取付けられる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1輸送管路には前記第1輸送管路を開閉する第1バルブが設けられる、
請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記減圧システムは、順次接続された1次減圧手段と2次減圧手段とを含み、
前記2次減圧手段の入力ポートは第2輸送管路を介して前記1次減圧手段の出力ポートに連通、前記1次減圧手段の入力ポートは前記減圧システムの入力ポートとして前記第1輸送管路を介して前記サンプリング装置の出力ポートに連通、前記2次減圧手段の出力ポートは前記減圧システムの出力ポートとしてオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1次減圧手段は、1次減圧タンク、第1加熱膜式減圧器、第2加熱膜式減圧器、第1圧力計及び第2圧力計を含み、
前記第1加熱膜式減圧器、前記第2加熱膜式減圧器、前記第1圧力計及び前記第2圧力計は、いずれも前記1次減圧タンク内に設けられ、
前記第1加熱膜式減圧器と前記第2加熱膜式減圧器との間には一端が前記第1加熱膜式減圧器の出力ポートに連通、他端が前記第2加熱膜式減圧器の入力ポートに連通される第1連通管が設けられ、
前記第1圧力計は前記第1連通管に連通されるように前記第1連通管に取り付けられ、
前記第1輸送管路は他端が前記1次減圧タンク内に挿入され、かつ前記第1加熱膜式減圧器の入力ポートに連通され、
前記第2輸送管路は一端が前記1次減圧タンク内に挿入され、かつ前記第2加熱膜式減圧器の出力ポートに連通され、
前記第2圧力計は前記第2輸送管路に連通されるように前記第2輸送管路に取り付けられる、
請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
前記2次減圧手段は、2次減圧タンク、ノブ式減圧器、第2連通管、および第3圧力計を含み、前記ノブ式減圧器、前記第2連通管、および前記第3圧力計は、いずれも前記2次減圧タンク内に設けられ、
前記第2輸送管路は一端が前記2次減圧タンクに挿入され、かつ前記ノブ式減圧器の入力ポートに連通され、
前記第2連通管は一端が前記ノブ式減圧器の出力ポートに連通、他端が前記第3圧力計の一端に連通され、
前記第3圧力計は他端が前記2次減圧手段の出力ポートとしてオンオフ制御可能な接続管路を介して前記沸点カラムの入力ポートに連通される、
請求項
4に記載のシステム。
【請求項7】
前記天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは循環トレース管をさらに含み、
前記減圧システムはトレースモジュールをさらに含み、
前記減圧システム中の分析対象である天然ガスを加熱するように、前記循環トレース管と前記トレースモジュールとが連通される、
請求項
1に記載のシステム。
【請求項8】
前記クロマトグラフィーカラムシステム内には、クロマトグラフィーカラムシステムを用いて硫黄含有化合物の分離を行う分析対象である天然ガスの定量化を実現するように、クロマトグラフィーカラムシステムに入った分析対象である天然ガスを一旦保管するための定量管が設けられる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記クロマトグラフィーカラムシステム内にはクロマトグラフィーカラム中の各手段間の制御可能な連通関係のオンオフを制御する十方弁が設けられる、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記十方弁には、第1バルブポート、第2バルブポート、第3バルブポート、第4バルブポート、第5バルブポート、第6バルブポート、第7バルブポート、第8バルブポート、第9バルブポート、第10バルブポートが時計回りに設けられ、
前記十方弁はシフト位置制御により、シフト位置のうちの1つでは第1バルブポートと第2バルブポートとが連通し、第3バルブポートと第4バルブポートとが連通し、第5バルブポートと第6バルブポートとが連通し、第7バルブポートと第8バルブポートとが連通し、第9バルブポートと第10バルブポートとが連通し、シフト位置のうちの他の1つでは第10バルブポートと第1バルブポートとが連通し、第2バルブポートと第3バルブポートとが連通し、第4バルブポートと第5バルブポートとが連通し、第6バルブポートと第7バルブポートとが連通し、第8バルブポートと第9バルブポートとが連通するように調節可能な弁であり、
前記十方弁の第10バルブポートと第9バルブポートとの一方は第3の輸送管路を介して減圧システムの出力ポートに連通され、前記十方弁の第10バルブポートと第9バルブポートとの他方は余分なガスを排出し、
前記十方弁の第1バルブポートと前記十方弁の第8バルブポートとの間には、分析対象である天然ガスを一旦保管して分析対象である天然ガスの定量化を実現するための定量管が設けられ、前記十方弁の第1バルブポートは定量管を介して前記十方弁の第8バルブポートと連通され、
キャリアガス入力管路は前記十方弁の第2バルブポートに連通され、
沸点カラムは、前記十方弁の第4バルブポートを前記十方弁の第7バルブポートと連通させるように前記十方弁の第4バルブポートと前記十方弁の第7バルブポートとの間に設けられ、
硫黄カラムは前記十方弁の第3バルブポートを十方弁の第6バルブポートと連通させるように前記十方弁の第3バルブポートと前記十方弁の第6バルブポートとの間に設けられ、
前記十方弁の第5バルブポートは火炎光度検出器と連通される、
請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記沸点カラムはスクワランカラムを使用する、請求項
9に記載のシステム。
【請求項12】
前記沸点カラムの長さは0.8m以上である、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
前記硫黄カラムはオキシジプロピオニトリルカラムを用いる、請求項
9に記載のシステム。
【請求項14】
前記硫黄カラムの長さは1.7m以上である、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは、火炎光度検出器に電気的に接続された、警報連動装置と火炎光度検出器の近傍で可燃性ガス漏れが発生しているかどうかを検出するための可燃性ガス検出警報器とをさらに備え、
警報連動装置は可燃性ガス検出警報器が可燃性ガス漏れを検出した場合、第1輸送管路を直ちに閉じて、検出対象であるガスの輸送・検出を停止させるコントローラである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度オンライン検出システムは、標準ガス物質貯蔵瓶をさらに含み、
前記標準ガス物質貯蔵瓶と前記クロマトグラフィーカラムシステムとの間に一端が前記クロマトグラフィーカラムシステムの入力ポートに連通され、他端が前記標準ガス物質貯蔵瓶の出力ポートに連通される標準ガス物質輸送管路が設けられ、前記標準ガス物質輸送管路には前記標準ガス物質輸送管路を開閉する第2バルブが設けられる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
請求項1~
16のいずれか1項に記載の天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度をオンライン検出するシステムを用いて、天然ガス中の硫黄含有化合物含有量の火炎光度をオンライン検出する方法であって、
硫黄含有化合物標準ガス物質を採取し、硫黄含有化合物標準ガス物質中の硫黄含有化合物含有量を検出して、硫黄含有化合物含有量標準曲線を得るステップS1と、
サンプリング装置を用いて天然ガス管路中で輸送される天然ガスを取得し、減圧システムに送り減圧して減圧天然ガスを得るステップS2と、
ステップS2で得られた減圧天然ガスをクロマトグラフィーカラムシステムに送り、キャリアガスの駆動下で沸点カラムと硫黄カラムを順次使用して減圧天然ガスを分離し、分離された成分を火炎光度検出器に送り、火炎光度検出器によって燃焼・検出され、検出スペクトルを得るステップS3と、
ステップS2で天然ガス中のカルボニル硫黄成分が硫黄カラムから分離された後、キャリアガスは硫黄カラムの入力ポートに転送され、硫黄カラムの出力ポートは沸点カラムの入力ポートに連通され、沸点カラムの出力ポートは火炎光度検出器の入力ポートに連通され、キャリアガスの駆動下で残りの成分は引き続きクロマトグラフィーカラムシステムにより分離され、沸点カラムの出力ポートから分離された成分を火炎光度検出器に送り、火炎光度検出器によって燃焼・検出され、検出スペクトルを得るステップS4と、
ステップS3、S4で得られた検出スペクトルに基づいてレスポンスピーク面積値データを得、ステップS1で得られた硫黄含有化合物含有量標準曲線により、天然ガス中の硫黄含有化合物含有量を得るステップS5と、
を含む、方法。
【請求項18】
硫黄カラムを用いて分離する場合、硫黄カラムの動作温度は55~65℃である、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
沸点カラムを用いて分離する場合、沸点カラムの動作温度は65~75℃である、請求項
17に記載の方法。
【請求項20】
前記の「硫黄含有化合物標準ガス物質を採取し、硫黄含有化合物標準ガス物質中の硫黄含有化合物含有量を検出して、硫黄含有化合物含有量標準曲線を得る」ことは、
メタンとともに硫化水素、カルボニル硫黄、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、エチルチオエーテル、n-ブチルメルカプタンを用いて硫黄含有化合物の濃度が異なる少なくとも4組の標準ガス物質を調製するステップS11と、
ステップS11で得られた各標準ガス物質に対して検出を行い、対応するレスポンスピーク面積値データを得て、各硫黄含有化合物の濃度を縦軸とし、各硫黄含有化合物の対応するレスポンスピーク面積値を横軸として、各硫黄含有化合物の含有量標準曲線をプロットして得るステップS12と、
を含む、請求項
17に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0092】
【国際調査報告】