(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】骨固定デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/72 20060101AFI20240514BHJP
A61B 17/80 20060101ALI20240514BHJP
A61B 17/92 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A61B17/72
A61B17/80
A61B17/92
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571873
(86)(22)【出願日】2022-05-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 US2022029333
(87)【国際公開番号】W WO2022245676
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513256479
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ ユタ リサーチ ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】University of Utah Research Foundation
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ハラー
(72)【発明者】
【氏名】ティー.ウェイド フォーリン
(72)【発明者】
【氏名】コリン エス.グレガーセン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL08
4C160LL29
4C160LL44
(57)【要約】
骨固定アセンブリは、雌型部材と取り外し可能に結合可能な雄型部材を含み得る。雄型部材は、少なくとも1つの雄型荷重分散面を有する雄型荷重分散特徴部を含み得る。雌型部材は、少なくとも1つの雌型荷重分散面を有する雌型荷重分散特徴部を含み得る。雌型荷重分散特徴部は、その中に、雄型荷重分散特徴部を受容するように位置決めされ、形作られ得る。骨固定アセンブリに作用する曲げ荷重に応じて、雄型部材と雌型部材の少なくとも1つは、少なくとも1つの雄型荷重分散面の少なくとも一部分が、少なくとも1つの雌型荷重分散面の少なくとも一部分と係合して、雄型部材と雌型部材との間で曲げ荷重を分散させるように、曲がり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨固定アセンブリであって、
雄型部材であって、前記雄型部材は、
雄型部材シャフトであって、
近位端と、
遠位端と、
第1の長手方向軸と、を備える、雄型部材シャフトと、
前記雄型部材シャフトの前記近位端にある第1の骨係合特徴部と、
前記雄型部材シャフトの前記遠位端にある雄ねじ部分であって、第1の長さおよび第1の外径を有する雄ねじ部分と、
前記第1の骨係合特徴部と前記雄ねじ部分との間にある雄型荷重分散特徴部であって、少なくとも1つの雄型荷重分散面を画定する第2の長さおよび外径を有する雄型荷重分散特徴部と、を備える雄型部材と、
雌型部材であって、前記雌型部材は、
雌型部材シャフトであって、
近位端と、
遠位端と、
第2の長手方向軸と、を備える、雌型部材シャフトと、
前記雌型部材シャフトの前記近位端にある第2の骨係合特徴部と、
第3の長さおよび第2の外径を有する雌ねじ部分であって、前記雄型部材の前記雄ねじ部分を受容して、前記雄型部材を前記雌型部材に取り外し可能に結合するように構成された雌ねじ部分と、
前記雌ねじ部分の遠位に位置し、前記雌ねじ部分と前記雌型部材シャフトの前記遠位端との間に延在する雌型荷重分散特徴部であって、少なくとも1つの雌型荷重分散面を画定する第4の長さおよび内径を有する雌型荷重分散特徴部であって、前記雌型荷重分散特徴部の中に前記雄型荷重分散特徴部を受容するように位置決めおよび成形される、前記雌型荷重分散特徴部と、を備える雌型部材と、
を備え、
前記骨固定アセンブリが骨にインプラントされるとき、少なくとも1つの前記雄型荷重分散面の少なくとも一部分は、前記少なくとも1つの雌型荷重分散面の少なくとも一部分に隣接して配置される、骨固定アセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの雄型荷重分散面および前記少なくとも1つの雌型荷重分散面のうちの少なくとも1つは、円筒面を含む、請求項1に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項3】
前記雄型部材を前記雌型部材に組み付ける間に、前記雄型荷重分散特徴部が、前記雌型荷重分散特徴部内で摺動および回転するように構成されている、請求項1に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項4】
前記雄型部材および前記雌型部材のうちの少なくとも1つが、前記骨に圧縮力を与えるように構成された低引張弾性率材料を備える、請求項1に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項5】
前記雄型部材が、
雄型部材ブラインド穴、
雄型部材貫通孔、
自己調心先端部、のいずれか1つを備える、請求項1に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項6】
前記雄型部材および前記雌型部材のうちの少なくとも1つが、骨保持特徴部を備える、請求項1に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項7】
前記雄型部材は、第1のトルク接続インターフェースを有する雄型部材ヘッド部を備え、
前記雌型部材は、第2のトルク接続インターフェースを有する雌型部材ヘッド部を備える、請求項1に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項8】
骨固定アセンブリであって、
雄型部材であって、前記雄型部材は、
雄型部材シャフトであって、
近位端と、
遠位端と、
第1の長手方向軸と、を備える、雄型部材シャフトと、
前記雄型部材シャフトの前記近位端にある第1の骨係合特徴部と、
前記雄型部材シャフトの前記遠位端にある雄ねじ部分であって、第1の長さおよび第1の外径を有する雄ねじ部分と、
前記第1の骨係合特徴部と前記雄ねじ部分との間にある雄型荷重分散特徴部であって、少なくとも1つの雄型荷重分散面を画定する第2の長さおよび外径を有する雄型荷重分散特徴部と、を備える雄型部材と、
雌型部材であって、前記雌型部材は、
雌型部材シャフトであって、
近位端と、
遠位端と、
第2の長手方向軸と、を備える、雌型部材シャフトと、
前記雌型部材シャフトの前記近位端にある第2の骨係合特徴部と、
第3の長さおよび第2の外径を有する雌ねじ部分であって、前記骨固定アセンブリが骨に埋め込まれるときに、前記雄型部材の前記雄ねじ部分を受容して、前記雄型部材を前記雌型部材に取り外し可能に結合するように構成された雌ねじ部分と、
前記雌ねじ部分の遠位に位置する雌型荷重分散特徴部であって、少なくとも1つの雌型荷重分散面を画定する第4の長さおよび内径を有する雌型荷重分散特徴部であって、前記雌型荷重分散特徴部の中に前記雄型荷重分散特徴部を受容するように位置決めおよび成形される、雌型荷重分散特徴部と、を備える雌型部材と、
を備え、
前記雄型荷重分散特徴部の前記外径は、前記雄ねじ部分の前記第1の外径以上である、骨固定アセンブリ。
【請求項9】
前記雄型部材は、第1のトルク接続インターフェースを有する雄型部材ヘッド部を備え、
前記雌型部材は、第2のトルク接続インターフェースを有する雌型部材ヘッド部を備える、請求項8に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項10】
前記雄型部材ヘッド部および前記雌型部材ヘッド部は、第1の部分的な球面を備え、
前記第1の骨係合特徴部および前記第2の骨係合特徴部は、第2の部分的な球面が、前記第1の部分的な球面と嵌合し、前記雄型部材ヘッド部および前記雌型部材ヘッド部に対する前記第1の骨係合特徴部および前記第2の骨係合特徴部の多軸関節運動を可能にするように構成されている、請求項9に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項11】
前記第1の骨係合特徴部および前記第2の骨係合特徴部のうちの少なくとも1つが、ワッシャを備える、請求項10に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の骨係合特徴部および前記第2の骨係合特徴部のうちの少なくとも1つは、骨プレートを備え、
前記骨固定アセンブリは、前記骨プレートと結合するように構成された保持キャップをさらに備え、
前記保持キャップの1つ以上の保持面は、前記雄型部材ヘッド部および前記雌型部材ヘッド部のうちの少なくとも1つと係合して、前記第1の骨係合特徴部と前記第2の骨係合特徴部との間の空間を調整するように構成される、請求項10に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項13】
前記雌型荷重分散特徴部の前記内径が、前記雌ねじ部分の前記第2の外径以上である、請求項8に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの雄型荷重分散面および前記少なくとも1つの雌型荷重分散面のうちの少なくとも1つは、円筒面を含む、請求項8に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項15】
骨固定アセンブリであって、
雄型部材であって、前記雄型部材は、
雄型部材シャフトであって、
近位端と、
遠位端と、
第1の長手方向軸と、を備える、雄型部材シャフトと、
前記雄型部材シャフトの前記近位端にある第1の骨係合特徴部と、
前記雄型部材シャフトの前記遠位端にある雄ねじ部分であって、第1の長さおよび第1の外径を有する雄ねじ部分と、
前記第1の骨係合特徴部と前記雄ねじ部分との間にある雄型荷重分散特徴部であって、少なくとも1つの雄型荷重分散面を画定する第2の長さおよび外径を有する雄型荷重分散特徴部とを備える雄型部材と、
雌型部材であって、前記雌型部材は、
雌型部材シャフトであって、
近位端と、
遠位端と、
第2の長手方向軸と、を備える、雌型部材シャフトと、
前記雌型部材シャフトの前記近位端にある第2の骨係合特徴部と、
第3の長さと第2の外径を有する雌ねじ部分であって、前記雄型部材の前記雄ねじ部分を受容して、前記雄型部材を前記雌型部材に取り外し可能に結合するように構成された雌ねじ部分と、
前記雌ねじ部分の遠位に位置する雌型荷重分散特徴部であって、少なくとも1つの雌型負荷分散面を画定する第4の長さおよび内径を有する雌型荷重分散特徴部であって、前記雌型荷重分散特徴部の中に前記雄型荷重分散特徴部を受容するように位置決めおよび成形される雌型荷重分散特徴部を備える雌型部材と、
を備え、
骨へのインプラント後に前記骨固定アセンブリに作用する曲げ荷重に応じて、前記雄型部材および前記雌型部材のうちの少なくとも1つが曲がり、前記少なくとも1つの雄型荷重分散面の少なくとも一部分は、前記雄型部材と前記雌型部材との間で曲げ荷重を分散させるために、前記少なくとも1つの雌型荷重分散面の少なくとも一部分と係合する、骨固定アセンブリ。
【請求項16】
前記雄型部材および前記雌型部材のうちの少なくとも1つが骨保持特徴部を備える、請求項15に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項17】
前記骨保持特徴部が1つ以上のバーブ部を含む、請求項16に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項18】
前記骨保持特徴部がねじ部を含む、請求項16に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項19】
前記ねじ部が、右ねじおよび左ねじのうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項20】
前記雌型荷重分散特徴部の内径が、前記雌ねじ部分の前記第2の外径以上である、請求項18に記載の骨固定アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、骨固定デバイス、システム、および方法に関する。より具体的には、本開示は、骨の1つ以上の部分を安定化するための骨固定デバイス、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨ねじおよび留め具を使用した骨部分の固定を含む外科手術は、治癒プロセス中に骨ねじに加わる可能性のある曲げ荷重、多軸力、および/または軸外荷重シナリオにより、時間の経過とともに破損したり、損失したりする可能性がある。既存の骨ねじおよび締結具は、これらの曲げ荷重、多軸力、および/または軸外荷重シナリオを克服するのに十分な固定および強度を提供できない可能性がある。
【0003】
したがって、改善された固定、強度、および荷重分散特性を備えた骨固定デバイス、システム、および方法が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Stoesz, MJ, et al., Surgeon perception of cancellous screw fixation, Journal of Orthopaedic Trauma, 2014
【非特許文献2】Kim JW, et al., The incidence of and factors affecting iliosacral screw loosening in pelvic ring injury, Archive of Orthopaedic and Trauma Surgery, 2016
【非特許文献3】Chapman, JR, et al., Factors Affecting the Pullout Strength of Cancellous Bone Screws, Journal of Biomechanical Engineering, 1996.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の様々な骨固定デバイス、システム、および方法は、現在の技術水準に応じて、特に、現在利用可能な骨固定デバイス、システム、および方法ではまだ完全に解決されていない当技術分野の問題およびニーズに応じて、開発された。いくつかの実施形態では、本開示の骨固定デバイス、システム、および方法は、2つ以上の骨部分の間の改善された骨固定および安定化を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態では、骨固定アセンブリは、雄型部材および雌型部材を含み得る。雄型部材は、近位端、遠位端、および第1の長手方向軸を有する雄型部材シャフトを含み得る。雄型部材は、また、雄型部材シャフトの近位端に第1の骨係合特徴部と、雄型部材シャフトの遠位端にある雄ねじ部分であって、第1の長さと第1の外径を有する雄ねじ部分と、第1の骨係合特徴部と雄ねじ部分との間にある雄型荷重分散特徴部と、を含み得る。雄型荷重分散特徴部は、少なくとも1つの雄型荷重分散面を画定する第2の長さおよび外径を有し得る。雌型部材は、近位端、遠位端、および第2の長手方向軸を有する雌型部材シャフトを含み得る。雌型部材は、また、雌型部材シャフトの近位端にある第2の骨係合特徴部と、第3の長さと第2の外径を有する雌ねじ部分であって、雄型部材の雄ねじ部分を受け入れて、雄型部材を雌型部材に取り外し可能に結合するように構成された雌ねじ部分と、雌ねじ部分の遠位に位置し、雌ねじ部分と雌型部材シャフトの遠位端との間に延在する雌型荷重分散特徴部であって、少なくとも1つの雌型荷重分散面を画定する第4の長さおよび内径を有する雌型荷重分散特徴部と、その中に雄型荷重分散特徴部を受け入れるように位置決めされ、形作られている雌型荷重分散特徴部と、を含み得る。さらに、骨固定アセンブリが骨にインプラントされるとき、少なくとも1つの雄型荷重分散面の少なくとも一部分は、少なくとも1つの雌型荷重分散面の少なくとも一部分に隣接して配置され得る。
【0007】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの雄型荷重分散面および少なくとも1つの雌型荷重分散面のうちの少なくとも1つは、円筒面を備え得る。
【0008】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、雄型荷重分散特徴部は、雄型部材を雌型部材に組み付ける際に、雌型荷重分散特徴部内で摺動し、回転するように構成され得る。
【0009】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、雄型部材および雌型部材のうちの少なくとも1つは、骨に圧縮力を与えるように構成された低引張弾性率材料を備え得る。
【0010】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、雄型部材は、雄型部材ブラインド穴、雄型部材貫通孔、および自動調心先端のうちの1つを備え得る。
【0011】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、雄型部材および雌型部材のうちの少なくとも1つは、骨保持特徴部を含み得る。
【0012】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、雄型部材は、第1のトルク接続インターフェースを有する雄型部材ヘッド部を備え得、雌型部材は、第2のトルク接続インターフェースを有する雌型部材ヘッド部を備え得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、骨固定アセンブリは、雄型部材および雌型部材を含み得る。雄型部材は、近位端、遠位端、および第1の長手方向軸を有する雄型部材シャフトを含み得る。雄型部材は、また、雄型部材シャフトの近位端にある第1の骨係合特徴部と、雄型部材シャフトの遠位端の雄ねじ部分であって、第1の長さと第1の外径を有する雄ねじ部分と、第1の骨係合特徴部と雄ねじ部分との間にある雄型荷重分散特徴部と、を含み得る。雄型荷重分散特徴部は、少なくとも1つの雄型荷重分散面を画定する第2の長さおよび外径を有し得る。雌型部材は、近位端、遠位端、および第2の長手方向軸を有する雌型部材シャフトを含み得る。雌型部材は、また、雌型部材シャフトの近位端にある第2の骨係合特徴部と、第3の長さと第2の外径を有する雌ねじ部分であって、骨固定アセンブリが骨にインプラントされるときに、雄型部材の雄ねじ部分を受け入れて、雄型部材を雌型部材に取り外し可能に結合するように構成された雌ねじ部分と、雌ねじ部分の遠位に位置し、雌ねじ部分と雌型部材シャフトの遠位端との間に延在する雌型荷重分散特徴部であって、少なくとも1つの雌型荷重分散面を画定する第4の長さおよび内径とを有する雌型荷重分散特徴部であって、その中に雄型荷重分散特徴部を受け入れるように位置決めされ、成形されている雌型荷重分散特徴部と、を含み得る。さらに、雄型荷重分散特徴部の外径は、雄ねじ部分の第1の外径以上であり得る。
【0014】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、雄型部材は、第1のトルク接続インターフェースを有する雄型部材ヘッド部を備え得、雌型部材は、第2のトルク接続インターフェースを有する雌型部材ヘッド部を備え得る。
【0015】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、第1の骨係合特徴部および第2の骨係合特徴部の少なくとも1つは、それぞれ、雄型部材ヘッド部および/または雌型部材ヘッド部と一体的に形成され得る部分的な球面を備え得る。
【0016】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、雄型部材ヘッド部および雌型部材ヘッド部は、第1の部分的な球面を備え得、第1の骨係合特徴部および第2の骨係合特徴部は、雄型部材ヘッド部および雌型部材ヘッド部に対する第1の骨係合特徴部および第2の骨係合特徴部の多軸関節動作を可能にするために、第1の部分的な球面と嵌合するように構成され得る第2の部分的な球面を備え得る。
【0017】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、第1の骨係合特徴部および第2の骨係合特徴部のうちの少なくとも1つは、ワッシャを備え得る。
【0018】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、第1の骨係合特徴部および第2の骨係合特徴部のうちの少なくとも1つは、骨プレートを備え得、骨固定アセンブリは、骨プレートと結合するように構成された保持キャップも含み得る。保持キャップの1つ以上の保持面は、雄型部材ヘッド部および雌型部材ヘッド部のうちの少なくとも1つと係合して、第1の骨係合特徴部と第2の骨係合特徴部との間の空間を調整するように構成され得る。
【0019】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、雌型荷重分散特徴部の内径は、雌ねじ部分の第2の外径以上であり得る。
【0020】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの雄型荷重分散面および少なくとも1つの雌型荷重分散面のうちの少なくとも1つは、円筒面を備え得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、骨固定アセンブリは、雄型部材および雌型部材を含み得る。雄型部材は、近位端、遠位端、および第1の長手方向軸を有する雄型部材シャフトを含み得る。雄型部材は、また、雄型部材シャフトの近位端にある第1の骨係合特徴部と、雄型部材シャフトの遠位端にある雄ねじ部分であって、第1の長さと第1の外径とを有する雄ねじ部分と、第1の骨係合特徴部と雄ねじ部分との間にある雄型荷重分散特徴部と、を含み得る。雄型荷重分散特徴部は、少なくとも1つの雄型荷重分散面を画定する第2の長さおよび外径を有し得る。雌型部材は、近位端、遠位端、および第2の長手方向軸を有する雌型部材シャフトを含み得る。雌型部材は、また、雌型部材シャフトの近位端にある第2の骨係合特徴部と、第3の長さと第2の外径を有する雌ねじ部分であって、雄型部材の雄ねじ部分を受け入れて、雄型部材を雌型部材に取り外し可能に結合するように構成された雌ねじ部分と、雌ねじ部分の遠位に位置し、雌ねじ部分と雌型部材シャフトの遠位端との間に延在する雌型荷重分散特徴部であって、少なくとも1つの雌型荷重分散面を画定する第4の長さおよび内径を有し、その中に雄型荷重分散特徴部を受容するように位置決めおよび成形される雌型荷重分散特徴部と、を含み得る。さらに、骨へのインプラント後に、骨固定アセンブリに作用する曲げ荷重に応じて、雄型部材と雌型部材の少なくとも1つは、少なくとも1つの雄型荷重分散面の少なくとも一部分が少なくとも1つの雌型荷重分散面の少なくとも一部分と係合して、雄型部材と雌型部材との間で曲げ荷重を分散させるように曲がる。
【0022】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、雄型部材および雌型部材のうちの少なくとも1つは、骨保持特徴部を備え得る。
【0023】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、骨保持特徴部は、1つ以上のバーブ(barb)部を備え得る。
【0024】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、骨保持特徴部は、ねじ部を備え得る。
【0025】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、ねじ部は、右ねじおよび左ねじのうちの少なくとも1つを備え得る。
【0026】
骨固定アセンブリのいくつかの実施形態では、雌型荷重分散特徴部の内径は、雌ねじ部分の第2の外径以上であり得る。
【0027】
本開示のこれら、および他の特徴、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、または以下に説明するデバイス、システム、および方法の実践によって知られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面と併せて以下の説明を読むことにより、より完全に明らかになるであろう。これらの図面は、例示的な実施形態のみを示しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではないことを理解して、本開示の例示的な実施形態を、添付の図面を使用して、さらに具体的かつ詳細に説明する。
【0029】
【
図1】本開示の一実施形態による骨固定アセンブリの分解斜視図を示す。
【
図2A】
図1に示される骨固定アセンブリの雄型部材の側面図を示す。
【
図2B】
図2Aの線A-Aに沿った、ブラインド穴を備える
図2Aの雄型部材の側断面図を示す。
【
図2C】
図2Aの線A-Aに沿った、雄型部材貫通孔を備える
図2Aの雄型部材の側断面図を示す。
【
図3A】
図1に示される骨固定アセンブリの雌型部材の側面図を示す。
【
図4A】組み立てられた形態の
図1の骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図4B】
図4Aの線C-Cに沿って切り取った、雄型部材ブラインド穴を備える
図4Aの骨固定アセンブリの側断面図を示す。
【
図4C】
図4Aの線C-Cに沿った、雄型部材貫通孔を備える
図4Aの骨固定アセンブリの側断面図を示す。
【
図4D】骨にインプラントされた
図4Aの骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図5A】本開示の別の実施形態による雌型部材の側面図を示す。
【
図5B】骨にインプラントされた
図5Aの雌型部材を備える骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図6A】本開示の別の実施形態による雄型部材の側面図を示す。
【
図6B】骨にインプラントされた
図6Aの雄型部材を備える骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図7A】本開示の別の実施形態による雌型部材を備える骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図7B】骨にインプラントされた
図7Aの骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図8A】本開示の別の実施形態による雄型部材を備える骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図8B】骨に埋め込まれた
図8Aの骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図9A】本開示の別の実施形態による、雄型部材および雌型部材を備える骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図9B】骨にインプラントされた
図9Aの骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図10A】骨の2つの部分に挿入されたKワイヤの側面図を示す。
【
図10C】
図10Aの骨の2つの部分に挿入されたカニューレ状ドリルビットの側面図を示す。
【
図10G】
図10Aの骨の2つの部分にインプラントされた
図5Bの骨固定アセンブリを形成するために一緒に組み立てられた
図10Fの雄型部材および雌型部材の側面図を示す。
【
図11A】本開示の別の実施形態による骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図11B】本開示の別の実施形態による骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図12A】本開示の一実施形態による骨プレートの上面斜視図を示す。
【
図13A】本開示の一実施形態による保持キャップの上面斜視図を示す。
【
図14A】本開示の別の実施形態による、骨にインプラントされた骨固定アセンブリの斜視図を示す。
【
図15】
図4Aの骨固定アセンブリが脛骨近位骨折を安定化させた脛骨の前面図を示す。
【
図16】髄内釘を安定化する
図4Aの骨固定アセンブリを備えた脛骨の前面図を示す。
【
図17A】本開示の別の実施形態による、骨にインプラントされ、第1の配置に配置された骨固定アセンブリの側面図を示す。
【
図18】3点曲げ実験における相対的な強度および剛性の結果を示すグラフである。
【
図19】4点曲げ実験における相対的な強度および剛性の結果を示すグラフである。
【
図20】引抜き力実験における相対的な引抜き力の結果を示すグラフである。
【
図21】本開示の骨固定アセンブリとともに利用され得るいくつかの非限定的な例示的な寸法を示す表である。
【0030】
図面は、本開示の概念を説明することを目的としており、一定の縮尺で描かれていない場合があることを理解されたい。さらに、図面は、例示的な実施形態を示すものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の例示的な実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解されるであろう。図面全体を通じて、同様の部分は、同様の番号で示されている。一般的に説明され、図面に示される本開示の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置および設計できることが容易に理解されるであろう。したがって、図面に表されるインプラント、システム、および方法の実施形態に関する以下のより詳細な説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の例示的な実施形態を単に代表するものである。
【0032】
「例示的な」という言葉は、本明細書では「例、実例、または実例として機能する」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」として説明される任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態より好ましい、または有利であると解釈されるべきではない。実施形態の様々な態様が図面に示されているが、特に指示がない限り、図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0033】
以下の実施例は、本開示の主題の代表的な実施形態を実施するための当業者への指針を提供するために含まれている。本開示および当業者の一般的なレベルを考慮すると、当業者であれば、以下の実施例は、例示のみを目的としており、本明細書で開示する主題の範囲から逸脱することなく多くの変更、修正、および改変を採用可能であることが理解できよう。
【0034】
骨ねじによる骨部分の固定は、外傷固定、関節固定術、骨切り術などを含むが、これらに限定されない様々な外科手術で利用し得る。たとえば、外傷固定処置では、高エネルギーの出来事によって骨が折れたり、断片化したりする可能性がある。骨ねじは、骨が治癒する間に、骨片を正しい解剖学的位置に固定するために利用され得る。関節固定術では、劣化した関節軟骨を骨関節から除去し、骨ねじで骨関節を圧縮状態に保持しながら、関節全体で骨が融合することで、痛みや関節機能の喪失を引き起こす可能性のある変性骨関節を治療が可能である。骨切り術では、最初に骨を切断し、骨が治癒するまでの間、骨ねじを使用して切断された骨部分を新しい望ましい位置に保持することで、骨をより好ましい位置に再調整することが可能である。
【0035】
骨ねじを利用した外科手術技術の3つの例としては、次のものが挙げられる。(1)ラグスクリュー技術、(2)位置決めねじ技術、(3)圧縮スクリュー技術。ラグスクリュー技術で利用される骨ねじは、骨ねじのヘッド部と遠位ねじ部との間に延在する滑らかなシャンクを有する骨ねじの遠位端にねじ部を含み得る(例えば、部分的にねじが切られた骨ねじ)。位置決めねじ技術で利用される骨ねじは、骨ねじのヘッド部から骨ねじの遠位端まで延在するねじ部を含み得る(例えば、完全にねじが切られた骨ねじ)。圧縮ねじ技術で利用される骨ねじは、骨ねじの遠位端に位置する第1のねじ部ピッチを有する第1のねじ部と、骨ねじの近位端に位置する第2のねじ部ピッチを有する第2のねじ部とを含み得る。圧縮を達成するために、第1のねじ部ピッチは、第2のねじ部ピッチよりも大きくし得る。部分的にねじが切られた骨ねじ、全ねじが切られた骨ねじ、および圧縮骨ねじは、中実バージョンとカニューレ状バージョンで利用可能であり得る。カニューレ状バージョンでは、Kワイヤ、またはピン上に骨ねじをガイド付きで挿入可能にし得る。
【0036】
ラグスクリュー技術では、骨ねじのヘッド部は、第1の骨部分の近位面に接触し、骨ねじのシャンクは、第1の骨部分を通って延在し、骨ねじの遠位ねじ部は、第2の骨部分に係合する。骨ねじのヘッド部が第1の骨部分の近位面に接触するとき(本明細書では、「完全に固定された」とも呼ぶ)、その長手方向軸の周りでの骨ねじの連続した回転が、第1の骨部分および第2の骨部分を互いに引き寄せ、それにより、2つの骨部分が互いに向かって「ラギング(lagging)」することになる。
【0037】
位置決めねじ技術では、完全にねじが切られた骨ねじが、2つの骨部分内に配置され得る。骨ねじが完全に固定された後、その長手方向軸の周りの骨ねじの連続した回転は、各骨部分間の相対運動を誘発しないため、各骨部分の互いの相対位置を維持する。
【0038】
圧縮ねじ技術では、圧縮骨ねじの遠位ねじ部を、第1の骨部分を通って第2の骨部分内に進め得る。次に、圧縮骨ねじの近位ねじ部が最初の骨部分の表面に入り込むと、その長手方向軸の周りの骨ねじの連続した回転は、近位ねじ部と遠位ねじ部のピッチの差により、2つの骨部分を互いに向かって移動させるであろう。近位ねじ部が骨に完全に固定されると、近位ねじ部の長さ、ならびに近位ねじ部および遠位ねじ部のピッチの差に基づいて、2つの骨部分間の所定量の変位が達成される。
【0039】
前述の骨ねじ外科技術には、多くの臨床上の課題と欠点がある。たとえば、ある研究では、海綿骨の機械的類似体における骨ねじ部崩れの発生率を調査した(上記の非特許文献1)。この参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この研究の機械的アナログモデルは、骨減少症や骨粗鬆症の患者の場合のように、質の悪い骨への骨ネジの挿入状態をシミュレートした。この設定では、外科医は、ねじ部を崩すことなく、所望のレベルの圧縮とねじ部の引っ掛かり(purchase)を達成するために、触覚フィードバックに依存する必要がある。この研究では、外科医が45%の確率でねじ部の崩れを引き起こし、ねじ部が崩れたとき、90%の確率で外科医は、ねじ部が崩れたことに気付いていなかったことが分かった。したがって、骨内にねじ部の引っ掛かりを得るための、より強力で信頼性の高い手段が必要である。
【0040】
前述の骨ねじ外科技術の別の欠点は、骨が治癒する術後の期間中に、骨ねじが緩み、骨部分の固定が失われる危険性があることである。例示的な骨ねじ外科手術において、ある研究では、仙骨骨折と仙腸関節脱臼を安定させるために部分的にねじが切られたカニューレ状の骨ネジが利用された110人の患者における骨ねじの緩みと骨固定不全の発生率について報告されている(上記の非特許文献2)。この参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この研究では、19人の患者(17.3%)で骨ねじの緩みが示され、そのうち、13人の患者(11.8%)は、骨の固定に失敗し、再手術が必要であった。したがって、骨ねじの緩みとその後の骨固定の損失の発生率を低減するために、より多くの骨を購入した、より強力な骨固定構造が望ましいであろう。
【0041】
以下の開示は、インプラント可能なデバイス(例えば、整形外科用インプラント、脊椎インプラント、スポーツ医学インプラント、外傷インプラント、再建インプラント、四肢インプラント、獣医用インプラントなど)のように、骨および他の組織内で利用するための様々な骨固定デバイス、システム、および方法を提示する。
【0042】
本明細書に記載、または企図される固定デバイスのいずれかを、本明細書に記載の任意の構成および任意の特徴を備えて利用できる応用例/手順の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。外傷処置(例:骨折の固定など)、外傷後の再建(骨盤、または関節固定)、脊椎処置(例えば、SI固定術、椎間板固定術など)、関節再建術(人工股関節全置換術、人工膝関節全置換術)、スポーツ関連処置、四肢処置、頭蓋顎顔面処置、肋骨プレーティング処置、獣医処置、骨プレーティング処置(例えば、大腿骨プレート、上腕骨プレート、脛骨プレートなど)、髄内釘固定処置、切断者接続処置、肉腫処置、肩/関節窩の固定、小骨の固定、矯正、または固定(足/足首、手/手首など)、関節固定術、骨切り術、骨粗鬆症、または損傷した骨を伴う処置など。
【0043】
本明細書に記載、または企図される任意の骨固定アセンブリの任意の特徴は、本開示の精神、または範囲から逸脱することなく、本明細書に記載、または企図される任意の他の骨固定アセンブリと組み合わせることができることが理解されるであろう。
【0044】
図1~
図4Dは、本開示の一実施形態による、骨固定アセンブリ100およびその構成要素の様々な図を示している。具体的には、
図1は、骨固定アセンブリ100の分解斜視図である。
図2Aは、骨固定アセンブリ100の雄型部材10の側面図である。
図2Bは、
図2Aの線A-Aに沿った雄型部材10(ブラインド穴23を含む)の側断面図である。
図2Cは、
図2Aの線A-Aに沿った雄型部材10(雄型部材貫通孔24を含む)の側断面図である。
図2Dは、雄型部材10の近位端図である。
図2Eは、雄型部材10の遠位端図である。
図3Aは、骨固定アセンブリ100の雌型部材30の側面図である。
図3Bは、
図3AのB-B線に沿った雌型部材30の側断面図である。
図3Cは、雌型部材30の近位端図である。
図3Dは、雌型部材30の遠位端図である。
図4Aは、組み立てられた形態の骨固定アセンブリ100の側面図である。
図4Bは、
図4Aの線C-Cに沿った骨固定アセンブリ100(ブラインド穴23を有する)の側断面図である。
図4Cは、
図4Aの線C-Cに沿った骨固定アセンブリ100(孔24を通る雄型部材を有する)の側断面図である。
図4Dは、骨にインプラントされた骨固定アセンブリ100の側面図である。
【0045】
図1~4Dに示されるように、骨固定アセンブリ100は、一般に、雄型部材10、雌型部材30、第1の骨係合特徴部51、および第2の骨係合特徴部52を備え得る。
【0046】
本明細書で使用される場合、「骨係合特徴部」という語句は、骨に係合するように構成された表面を備える任意の構造を含み得る。
【0047】
したがって、いくつかの実施形態では、雄型部材10および/または雌型部材30は、第1の骨係合特徴部および/または第2の骨係合特徴部52を備え得る。例えば、いくつかの実施形態では、雄型部材10に結合された雄型部材ヘッド部19は、第1の骨係合特徴部として機能し得る1つ以上の表面を備え得、雌型部材30に結合された雌型部材ヘッド部39は、第2の骨係合特徴部として機能し得る1つ以上の表面を備え得る。いくつかの実施形態では、第1の骨係合特徴部および第2の骨係合特徴部のうちの少なくとも1つは、
図1に示されるように、雄型部材ヘッド部および/または雌型部材ヘッド部と一体的に形成され得る部分的な球面を備え得る。しかし、雄型部材ヘッド部19および/または雌型部材ヘッド部39は、以下でさらに詳細に説明しようとしているように、骨に直接的に、または他の構成要素を介して間接的に係合するのに適した任意の形状、サイズ、または構成の少なくとも1つの表面を備え得ることも理解されよう。
【0048】
図1~4Dに示される実施形態では、第1の骨係合特徴部51および/または第2の骨係合特徴部52のそれぞれは、ワッシャを備え得る。いくつかの実施形態では、ワッシャは、雄型部材10および/または雌型部材30を受容するように構成された中央開口部を有する略円形の形状を備え得る。しかしながら、
図11A~14Bに関して、以下にさらに詳細に説明しようとしているように、任意の形状、サイズ、および構成の骨プレートを含む、任意の形状、サイズ、および構成のワッシャを利用し得ることも理解されたい。さらに、いくつかの実施形態では、第1の骨係合特徴部51および/または第2の骨係合特徴部52は、これらに限定されないが、テーパー付き雄ねじ(以下で詳しく説明するであろう)、トグルバー、拡張マンドレルなどを含む、骨に係合するために利用できる当技術分野で知られている他の構造を備え得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、雄型部材ヘッド部19および/または雌型部材ヘッド部39は、第1の部分的な球面53を含み得、ワッシャは、雄型部材ヘッド部19および/または雌型部材ヘッド部39に対するワッシャの多軸関節運動を可能にするために、第1の部分的な球面53と嵌合するように構成された第2の部分的な球面54を含み得る。
【0050】
図1~2Eに示されるように、雄型部材10は、一般に、雄型部材シャフト15、雄ねじ部分20、雄型荷重分散特徴部25、および雄型部材ヘッド部19を備え得る。
【0051】
雄型部材シャフト15は、雄型部材シャフト15の近位端16と遠位端17との間で第1の長手方向軸18に沿って延在し得る。雄型部材ヘッド部19は、雄型部材シャフト15の近位端16に配置され得え、雄ねじ部分20は、雄型部材シャフト15の遠位端17に配置され得、雄型荷重分散特徴部25は、雄型部材ヘッド部19と雄ねじ部分20との間に配置され得る。
【0052】
前述したように、雄型部材ヘッド部19は、骨に直接係合するのに適した、または本明細書に記載、または検討された任意の骨係合特徴部と結合するのに適した任意の形状、サイズ、または構成を備え得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、
図2B~2Dに示すように、雄型部材ヘッド部19は、雄型部材ヘッド部19内、または雄型部材ヘッド部19上に形成された第1のトルク接続インターフェース13を含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1のトルク接続インターフェース13は、
図2Dに示すように、ヘクサロビュラ形状を備え得る。しかし、第1のトルク接続インターフェース13は、これらに限定されないが、六角形、正方形、スロット、十字形スロットなどを含む、相補的な形状を有する適切な駆動工具(例えば、
図10Gのドライバー工具98を参照)からトルク力を受け取るのに適した任意の形状、サイズ、または構成を備え得ることが理解されるであろう。
【0055】
図2Bに示されるように、雄ねじ部分20は、第1の長さ11および第1の外径21を有し得る。第1の外径21は、雄ねじ部分20の周囲に形成されるねじ部の外径に対応し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、雄ねじ部分20は、雄ねじ部分20内に形成されたブラインド穴23を含み得る。いくつかの実施形態では、ブラインド穴23は、雄ねじ部分20の第1の長さ11の少なくとも一部分に沿って延在し得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、雄ねじ部分20は、雄ねじ部分20から遠位方向に突出する自己調心先端部(図示せず)を含み得る。この自己調心先端部は、以下にさらに詳細に説明するように、雄型部材10を骨トンネル内に挿入するためにブラインド穴23およびガイドワイヤ90の代わりに利用し得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、
図2Cに示すように、雄ねじ部分20は、雄ねじ部分20および/または雄型荷重分散特徴部25を貫通して形成される貫通孔を含み得る。
【0059】
引き続き
図2Bを参照すると、雄型荷重分散特徴部25は、第2の長さ12および外径22を有し得る。外径22は、雄型荷重分散特徴部25の少なくとも1つの雄型荷重分散面26の少なくとも一部分を画定するか、またはこれに対応し得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの雄型荷重分散面26は、ほぼ滑らかな円筒面を含み得る。しかし、少なくとも1つの雄型荷重分散面26は、任意の形状、サイズ、または構成を備え得ることも理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、雄型荷重分散特徴部25および/または少なくとも1つの雄型荷重分散面26は、本開示の精神、または範囲から逸脱することなく、これらに限定されないが、1つ以上のリブ、スプライン、突起、凹部などを含む、任意の形状、または機構を備え得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、雄型荷重分散特徴部25の外径22は、雄ねじ部分20の第1の外径21以上であり得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの雄型荷重分散面26の少なくとも一部分に対応する直径は、雄ねじ部分20の第1の外径21以上であり得る。
【0063】
図1および
図3A~
図3Dを参照すると、雌型部材30は、一般に、雌型部材シャフト35、雌ねじ部分40、雌型荷重分散特徴部45、および雌型部材ヘッド部39を備え得る。
【0064】
雌型部材シャフト35は、雌型部材シャフト35の近位端31と遠位端37との間で第2の長手方向軸38に沿って延在し得る。雌型部材ヘッド部39は、雌型部材シャフト35の近位端31に配置され得、雌ねじ部分40は、雌型部材ヘッド部39の近くに位置し得、雌型荷重分散特徴部45は、雌ねじ部分40の遠位側に位置し、雌ねじ部分40と雌型部材シャフト35の遠位端37との間に延在し得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、雌ねじ部分40は、雌型部材ヘッド部39、第2の骨係合特徴部、および/または第2の骨保持特徴部の遠位に配置され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、雌ねじ部分40の少なくとも一部分は、雌型部材ヘッド部39、第2の骨係合特徴部、および/または第2の骨保持特徴部の遠位に配置され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、雌ねじ部分40の少なくとも一部分は、雌型部材ヘッド部39、第2の骨係合特徴部、および/または第2の骨保持特徴部内に位置し、および/または少なくとも部分的にこれらを通過し得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、雌型部材シャフト35の遠位端37は、雌型部材30の骨への挿入を容易にするのに役立つ面取り面41、または半径縁を備え得る。
【0069】
前述したように、雌型部材ヘッド部39は、骨に直接係合するのに適した、または本明細書に記載、または検討された任意の骨係合特徴部と結合するのに適した任意の形状、サイズ、または構成を備え得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、
図3Bおよび3Cに示すように、雌型部材ヘッド部39は、雌型部材ヘッド部39内、または雌型部材ヘッド部39上に形成された第2のトルク接続インターフェース32を含み得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、第2のトルク接続インターフェース32は、
図3Cに示すように、ヘクサロビュラ形状を備え得る。しかし、第2のトルク接続インターフェース32は、これらに限定されないが、六角形、正方形、スロット、十字形スロットなどを含む、相補的な形状を有する駆動工具からトルク力を受け取るのに適した任意の形状、サイズ、または構成を備え得ることも理解されよう。
【0072】
図3Bに示されるように、雌ねじ部分40は、第3の長さ33および第2の外径43を有し得る。第2の外径43は、雌ねじ部分40内に形成されるねじの外径に対応し得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、雌ねじ部分40は、雄型部材10を雌型部材30に取り外し可能に結合するために、雄型部材10の雄ねじ部分20を受容するように構成され得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、雌ねじ部分40の第2の外径43は、雄ねじ部分20のねじ部を雌ねじ部分40の相補的な形状のねじ部内に受容するために、雄ねじ部分20の第1の外径21と等しいか、それよりわずかに大きくし得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、雄ねじ部分20のねじ部および/または雌ねじ部分40のねじ部は、右ねじであり得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、雄ねじ部分20のねじ部および/または雌ねじ部分40のねじ部は、左ねじであり得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、
図3Bに示すように、雌ねじ部分40は、雌ねじ部分40を貫通して形成された雌型部材貫通孔46および/または雌型荷重分散特徴部45を含み得る。
【0078】
引き続き
図3Bを参照すると、雌型荷重分散特徴部45は、第4の長さ34および内径44を有し得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、骨固定アセンブリ100が完全に組み立てられたときに、雌型荷重分散特徴部45の第4の長さ34は、雌型部材30の遠位端37に雄型部材のヘッド部19を係合させ得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、骨固定アセンブリ100が完全に組み立てられたときに、雌型荷重分散特徴部45の第4の長さ34は、雌型部材30の遠位端37に雄型部材のヘッド部19を隣接して配置させ得る(ただし、雄型部材のヘッド部19とは係合しない)。
【0081】
いくつかの実施形態では、雄ねじ部分20と雌ねじ部分40との間の係合により、骨固定アセンブリ100の全長に対する連続的な範囲の無限の調整が可能になり得る。例えば、雄ねじ部分20と雌ねじ部分40との間の係合は、ある範囲(例えば、+/-3mm、+/-5mm、+/-10mm、+/-15mmなど)を許容し得る。特定の骨のサイズ、または用途に適合するように骨固定アセンブリ100の全長を微調整するために、骨固定アセンブリ100の全長は、連続的/無限に調整され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、内径44は、雌型荷重分散特徴部45内の孔46を通る雌型部材の表面を少なくとも部分的に画定し得る。換言すれば、内径44は、雌型荷重分散特徴部45内の少なくとも1つの雌型荷重分散面36の少なくとも一部分を画定し得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの雌型荷重分散面36は、略滑らかな円筒面を備え得る。しかしながら、少なくとも1つの雌型荷重分散面36は、任意の形状、サイズ、または構成を備え得ることも理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、雌型荷重分散特徴部45および/または少なくとも1つの雌型荷重分散面36は、本開示の精神、または範囲から逸脱することなく、これらに限定されないが、1つ以上のリブ、スプライン、突起、凹部などが含まれる、任意の形状、または特徴部を備え得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、雌型荷重分散特徴部45の内径44は、雌ねじ部分40の第2の外径43以上であり得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、雌型荷重分散特徴部45の内径44は、雄ねじ部分20の第1の外径21以上であり得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、雌型荷重分散特徴部45の内径44は、雄型荷重分散特徴部25の外径22以上であり得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、雌型荷重分散特徴部45の内径44は、組立中に雌型荷重分散特徴部45と雄型荷重分散特徴部25との間に非常に緊密な滑り嵌合するために、および/または回転嵌合を形成するために、雄型荷重分散特徴部25の外径22よりわずかに大きくし得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、雌型荷重分散特徴部45は、
図4Bおよび
図4Cに示すように、少なくとも1つの雄型荷重分散面26の少なくとも一部分が、少なくとも1つの雌型荷重分散面36の少なくとも一部分に隣接して配置されるように、その中に雄型荷重分散特徴部25を受容するように配置および形状化され得る。
【0089】
図4Dは、各骨部分を互いに対して安定させるために、および/または破面もしくは癒合部3に圧縮を加えるために、第1の骨部分1および第2の骨部分2内にインプラントされた骨固定アセンブリ100の側面図を示している。
【0090】
いくつかの実施形態では、第1の骨部分1および第2の骨部分2は、それぞれ、海綿骨領域4および皮質骨領域5を含み得る。皮質骨領域5は、また、皮質骨の外表面、または皮質を含み得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、第1の骨部分1および第2の骨部分2は、第1の骨部分1と第2の骨部分2との間の少なくとも1つの骨折、骨折線、切断骨表面、破面、または不癒合3によって分離され得る。しかしながら、本明細書に記載、または企図される骨固定アセンブリのいずれも、本開示の精神、または範囲から逸脱することなく、単一の骨、または単一の組織内、ならびに複数の骨/骨部分、または複数の組織/組織部分など内にインプラントされ得ることも理解されるであろう。
【0092】
いくつかの実施形態では、第1の骨部分1、第2の骨部分2、および/または骨固定アセンブリ100に作用する曲げ荷重6(例えば、
図4Dを参照)に応答して、雄型部材10と雌型部材30の少なくとも1つは、少なくとも1つの雄型荷重分散面26の少なくとも一部分が、少なくとも1つの雌型荷重分散面36の少なくとも一部分と係合して、雄型部材10と雌型部材30との間で曲げ荷重6を分散させ得るように曲がり得る。このようにして、骨固定アセンブリ100の相対的な強度および剛性は、
図18および
図19に関して、以下でより詳細に説明されるように、従来の骨ねじ/締結具と比較して増加し得る。
【0093】
図5A~9Bは、本開示の実施形態による、1つ以上の骨保持特徴部を含む様々な骨固定アセンブリおよび構成要素を示している。具体的には、
図5Aは、第2の骨保持特徴部47を含む雌型部材30の側面図である。
図5Bは、骨にインプラントされた
図5Aの雌型部材30を備える骨固定アセンブリ200の側面図である。
図6Aは、第1の骨保持特徴部27を含む雄型部材10の側面図である。
図6Bは、骨にインプラントされた
図6Aの雄型部材10を備える骨固定アセンブリ300の側面図である。
図7Aは、第2の骨保持特徴部47を含む雌型部材30を備える骨固定アセンブリ400の側面図である。
図7Bは、骨にインプラントされた骨固定アセンブリ400の側面図である。
図8Aは、第1の骨保持特徴部27を含む雄型部材10を備える骨固定アセンブリ500の側面図である。
図8Bは、骨にインプラントされた骨固定アセンブリ500の側面図を示している。
図9Aは、それぞれ、第1の骨保持特徴部27および第2の骨保持特徴部47を含む雄型部材10および雌型部材30を備える骨固定アセンブリ600の側面図である。
図9Bは、骨に埋め込まれた
図9Aの骨固定アセンブリ600の側面図である。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持特徴部27および第2の骨保持特徴部47は、それぞれ、骨内で雄型部材10および雌型部材30に追加の固定を提供するように構成され得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、雄型部材10は、雄型部材ヘッド部19および第1の骨係合特徴部51を省略し得、および/または雌型部材30は、雌型部材ヘッド部39および第2の骨係合特徴部52を省略し得る。これらの実施形態では、第1の骨保持特徴部27および/または第2の骨保持特徴部47だけで、骨内で雄型部材10および/または雌型部材30に十分な固定を提供し得る(例えば、ヘッド部なしねじ設計と同様)。
【0096】
いくつかの実施形態では、雄型部材ヘッド部19は、第1の骨保持特徴部27を備え得、および/または雌型部材ヘッド部39は、第2の骨保持特徴部47を備え得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持特徴部27は、
図8Aおよび8Bに示すように、雄型部材ヘッド部19に隣接して位置する1つ以上の第1の骨保持バーブ部29を含み得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、第2の骨保持特徴部47は、
図7Aおよび7Bに示すように、雌型部材ヘッド部39に隣接して位置する1つ以上の第2の骨保持バーブ部49を含み得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、骨固定アセンブリ(図示せず)は、雄型部材10上に形成される、または雄型部材10に結合される1つ以上の第1の骨保持バーブ部29を含み得、同様に、雌型部材30上に形成される、または雌型部材30に結合される1つ以上の第2の骨保持バーブ部49を含み得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の骨保持バーブ部29および/または1つ以上の第2の骨保持バーブ部49は、雄型部材10および/または雌型部材30が骨に挿入されると、近位方向への軸方向の移動に抵抗するように配向され得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持特徴部27は、第1のピッチを有する第1の骨保持ねじ部28を含み得る。第1の骨保持ねじ部28は、
図6A、6B、9A、および9Bに示すように、雄型部材ヘッド部19に隣接して配置され得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、第2の骨保持特徴部47は、第2のピッチを有する第2の骨保持ねじ部48を含み得る。第2の骨保持ねじ部48は、
図5A、5B、9A、および9Bに示すように、雌型部材ヘッド部39に隣接して配置され得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持ねじ部28および/または第2の骨保持ねじ部48は、第1の骨保持ねじ部28および/または第2の骨保持ねじ部48が骨に挿入されると、近位方向および遠位方向の両方における軸方向の移動に抵抗し得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持ねじ部28の第1のピッチは、第2の骨保持特徴部47の第2のピッチと等しくし得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持ねじ部28の第1のピッチは、第2の骨保持特徴部47の第2のピッチより小さくし得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持ねじ部28の第1のピッチは、第2の骨保持特徴部47の第2のピッチより大きくし得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持ねじ部28の第1のピッチ、および/または第2の骨保持特徴部47の第2のピッチは、雄ねじ部分20の第3のピッチと等しく、および/または雌ねじ部分40の第4のピッチと等しくし得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持ねじ部28の第1のピッチ、および/または第2の骨保持特徴部47の第2のピッチは、雄ねじ部分20の第3のピッチより小さく、および/または雌ねじ部分40の第4のピッチより小さくし得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持ねじ部28の第1のピッチ、および/または第2の骨保持特徴部47の第2のピッチは、雄ねじ部分20の第3のピッチよりも大きく、および/または雌ねじ部分40の第4のピッチよりも大きくし得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持ねじ部28、第2の骨保持ねじ部48、雄ねじ部分20の周囲のねじ部、および/または雌ねじ部分40内のねじ部の一部分、または全ては、右ねじであり得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、第1の骨保持ねじ部28、第2の骨保持ねじ部48、雄ねじ部分20の周囲のねじ部、および/または雌ねじ部分40内のねじ部の一部分、または全ては、左ねじであり得る。
【0112】
ここで、
図10A~
図10Gを参照すると、本開示の骨固定アセンブリを1つ以上の骨部分にインプラントするための例示的なプロセス、および方法が示されている。
【0113】
図10Aは、第1の骨部分1および第2の骨部分2を通るガイドワイヤ90(例えば、Kワイヤ、シュタインマンピンなど)の挿入を示している。ガイドワイヤ90を利用して、雄型部材10および/または雌型部材30の骨部分への挿入を案内することにより、開腹外科手術の代わりに、経皮外科手術が可能になり得る。
【0114】
ガイドワイヤ90が、第1の骨部分1および第2の骨部分2に挿入されると、深さゲージ92は、骨部分内にインプラントされ得る適切な骨固定アセンブリの所望の長さを決定するために、骨部分を横切る長さを測定するために利用され得る(例えば、
図10Bを参照)。
【0115】
骨部分を横切る長さが測定されると、
図10Cに示すように、骨部分を通る骨トンネルを形成するために、カニューレ状ドリルビット94がガイドワイヤ90上に挿入され得る。いくつかの実施形態では、骨トンネルの直径は、雌型部材30の外径以上であり得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、骨トンネルが形成されると、閉塞具96が雌型部材30の遠位端37に取り付けられ得、組み立てられた閉塞具96および雌型部材30は、ガイドワイヤ90上で骨トンネル内に進められ得る。いくつかの実施形態では、閉塞具96は、雌型部材30を骨トンネル内で中心に位置させるのに役立ち、その後の外科プロセスにおいて、雌型部材30が、雄型部材10をより容易に受容することが可能である。第2の骨保持特徴部47を備える雌型部材30の実施形態の場合、次に、
図10Eに示すように、ドライバー工具98(例えば、
図10Gを参照)が、第2の骨保持特徴部47を骨内に動かすために利用され得る。いくつかの実施形態では、第2の骨保持特徴部47は、本明細書で前述したように、左ねじまたは右ねじを備え得る。次に、前述したように、雄型部材10が反対方向から骨トンネル内に挿入され、雌型部材30と結合され得る。例えば、
図10Gは、骨トンネル内、雌型部材30内に挿入された雄型部材10を示し、雄ねじ部分20の右ねじを回転させ、雌ねじ部分40のねじ部と螺合させるために、ドライバー工具98を前進させ、雄型部材10と雌型部材30とを連結する。雄型部材10の連続した右回転は、第1の骨係合特徴部51が皮質骨領域5の表面に着座して、癒合部3を圧縮し、骨折を整復させるであろう。さらに、いくつかの実施形態では、雌型部材30の第2の骨保持特徴部47は、左ねじである第2の骨保持ねじ部48を備え得る。したがって、雄型部材10の連続した右回りの回転は、左回りである雌型部材30の第2の骨保持ねじ部48にも、骨内に追加の引っ掛かり/固定を提供することになり、雄型部材10の雌型部材30内への前進は、雌型部材30を不用意に骨から押し出したり、回転したりすることがなくなるであろう。
【0117】
代替的に、またはそれに加えて、雄型部材10は、ガイドワイヤ90の先端を雄型部材10のブラインド穴23内に配置することによって(例えば、雌型部材30が骨トンネル内に挿入される前に)、最初に(すなわち、雌型部材30が骨トンネル内に挿入される前に)、骨トンネル内に挿入され得る(例えば、
図10Fを参照)。次に、雄型部材10でガイドワイヤ90を押すことによって、雄型部材10およびガイドワイヤ90を骨トンネル内に前進させる。他の実施形態では、ガイドワイヤ90は、孔24を通して、または穴を通して雄型部材に挿入され得、次に、雄型部材10は、ガイドワイヤ90の上で骨トンネル内に前進され得る。同様に、第1の骨保持特徴部27を備える雄型部材10の実施形態では、次に、ドライバー工具98が、第1の骨保持特徴部27を骨内に動かすために利用され得る。いくつかの実施形態では、第1の骨保持特徴部27は、前述したように、左ねじを備え得る。これらの実施形態では、次に、雌型部材30が反対方向から骨トンネル内に挿入され、右回転によって雄型部材10と結合され得る。雌型部材30の連続した右回転は、第2の骨係合特徴部52が皮質骨領域5の表面に着座して、癒合部3を圧縮し、骨折を整復させるであろう。これらの実施形態では、雌型部材30の連続的な右回転は、左回りである雄型部材10の第1の骨保持ねじ部28にも、骨内に追加の引っ掛かり/固定を提供することになり、雌型部材30の雄型部材10を超える前進は、雄型部材10が不用意に骨から押し出されたり、回転したりすることがなくなるであろう。
【0118】
前述したように、
図9Aおよび9Bは、雄型部材10および雌型部材30の両方に骨保持特徴部を含む骨固定アセンブリ600を示している。この実施形態では、雄型部材10の第1の骨保持特徴部27は、左ねじであり、雌型部材30の第2の骨保持特徴部47は、右ねじであり、両方とも第1のピッチを有する。雄ねじ部分20および雌ねじ部分40のねじ部は、右ねじであってもよく、第2のピッチを有してもよい。しかしながら、他の実施形態では、雄型部材10の第1の骨保持特徴部27は、右ねじであってもよく、雌型部材30の第2の骨保持特徴部47は、左ねじであってもよく、雄ねじ部分20および雌ねじ部分40のねじ部は、左ねじであってもよいことも理解されよう。
【0119】
いくつかの実施形態では、骨固定アセンブリ600の設置技術は、骨に形成された骨トンネル内への雄型部材10の挿入から開始し得る。次に、雄型部材10の左回転を利用して、第1の骨係合特徴部51(または、雄型部材ヘッド部19)を皮質に対して着座させ得る。次に、雌型部材30が反対方向から骨トンネル内に導入され、雌型部材30の右回転を介して雄型部材10と係合させられ得る。雄型部材10に対する雌型部材30のさらなる右回転は、第2の骨保持特徴部47を骨にねじ込ませる。第1のピッチと第2のピッチが同じであれば、組み立てプロセス中に2つの骨部分間の相対位置に変化はなく、したがって、位置決めねじ技術が有効であることが理解されるであろう。しかしながら、第1のピッチが第2のピッチよりも小さい場合、組み立てプロセス中に2つの骨部分が一緒に引き寄せられ、圧縮ねじ技術が生じることになる。
【0120】
本明細書に開示される任意のプロセス、手順、または方法は、記載されたプロセス、手順、または方法を実行するための1つ以上のステップ、またはアクションを含み得る。プロセス、手順、または方法のステップ、および/またはアクションのそれぞれは、相互に置き換え得る。換言すれば、記載された実施形態の適切な動作のために、ステップ、またはアクションの特定の順序が必要でない限り、特定のステップ、および/またはアクションの包含/使用、ならびにそれらの順序は、任意の方法で変更し得る。
【0121】
図11A~12Bは、本開示のいくつかの実施形態による、第1の骨プレート61および/または第2の骨プレート62を含む骨固定アセンブリ700とその構成要素の図を示している。
図11Aは、ワッシャを備える第1の骨係合特徴部51と、第2の骨プレート62を備える第2の骨係合特徴部とを含む、骨固定アセンブリ700の側面図である。
図11Bは、第1の骨プレート61および第2の骨プレート62を含む骨固定アセンブリ700の側面図を示している。これらの実施形態では、雄型部材10および雌型部材30は、第1の骨プレート61および/または第2の骨プレート62を通って形成され得る1つ以上の骨プレート開口部63を通して挿入され得る。雄型部材10の雄型部材ヘッド部19、および/または雌型部材30の雌型部材ヘッド部39は、第1の骨プレート61および/または第2の骨プレート62の表面と係合して、第1の骨プレート61および第2の骨プレート62を骨部分に対して保持、および/または圧縮し得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、第1の骨プレート61および第2の骨プレート62を骨部分に対して保持、および/または圧縮するためであり、同様に、雄型部材ヘッド部19および雌型部材ヘッド部39に対する骨プレートの多軸固定を可能にするために、雄型部材ヘッド部19および雌型部材ヘッド部39の第1の部分的な球面53は、1つ以上の骨プレート開口部63を取り囲む第2の部分的な球面54とそれぞれ係合し得る(例えば、
図12Aおよび12Bを参照)。
【0123】
図12A~14Bは、本開示の別の実施形態による、その構成要素に第1の骨プレート61、第2の骨プレート62、第1の骨ねじ81、第2の骨ねじ82、および1つ以上の保持キャップ70を備える、骨固定アセンブリ800の様々な図を示している。
図14Aは、骨にインプラントされた骨固定アセンブリ800の斜視図であり、
図14Bは、
図14Aの線D-Dに沿った骨固定アセンブリ800の側断面図である。
【0124】
いくつかの実施形態では、第1の骨ねじ81および/または第2の骨ねじ82は、第1の骨プレート61および/または第2の骨プレート62を骨部分に結合し得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、
図13Aおよび13Bに示される1つ以上の保持キャップ70は、保持キャップ開口部73、保持キャップねじ部74、1つ以上の保持キャップ駆動特徴部75、および1つ以上の保持表面76を含み得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、骨固定アセンブリおよび骨プレートが所望の位置に調整される前に、1つ以上の保持キャップ70が、第1の骨プレート61および/または第2の骨プレート62に結合され得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、1つ以上の保持キャップ70は、骨固定アセンブリ、および骨プレートが骨に固定された後に、および/または所望の位置に調整された後に、第1の骨プレート61および/または第2の骨プレート62と結合され得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、保持キャップねじ74は、1つ以上の骨プレート開口部63を取り囲む骨プレートねじ64と取り外し可能に結合するように構成され得る。保持キャップ70の1つ以上の表面76は、骨固定アセンブリ800の全長を増加させるために、雄型部材10および/または雌型部材30が互いに対して回転する際に、雄型部材ヘッド部19および/または雌型部材ヘッド部39のうちの少なくとも1つと係合するように構成され得る。同様に、骨プレートの第2の部分的な球面54は、骨固定アセンブリ800の全長を減少させるために、雄型部材10および/または雌型部材30が互いに対して回転する際に、雄型部材ヘッド部19および/または雌型部材ヘッド部39の少なくとも1つと係合するように構成され得る。このようにして、外科医は、雌型部材30に対する雄型部材10のいずれかの方向への相対回転を介して、骨プレート間の間隔を正確に制御し得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、1つ以上の保持キャップ70は、保持キャップ70の1つ以上の表面76と骨プレートの第2の部分的な球面54との間に雄型部材ヘッド部19および/または雌型部材ヘッド部39を強制的に捕捉するために、1つ以上の保持キャップ70を十分に締め付けることによって、骨プレートに対する雄型部材ヘッド部19および/または雌型部材ヘッド部39の移動を防止するように構成され得る。このようにして、雄型部材ヘッド部19および/または雌型部材ヘッド部39は、骨プレート間の望ましい間隔を維持し、および/または部材ヘッド部19および/または雌型部材ヘッド部39の後退防止特徴部のように、骨プレートに対する雄型部材10および/または雌型部材30のさらなる移動を防止するために、1つ以上の保持キャップ70を用いて第1の骨プレート61、および/または第2の骨プレート62に選択的に保持され得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、ドライバー工具(図示せず)は、1つ以上の保持キャップ70を第1の骨プレート61および第2の骨プレート62に取り外し可能に結合、および結合解除するために、1つ以上の保持キャップ駆動特徴部75と係合するように構成された1つ以上のドライバー特徴部を含み得る。
【0131】
しかしながら、1つ以上の保持キャップ70を骨プレートに結合するために、これらに限定されないが、(ねじの代わりに)スナップリング、保持リング、圧入等を含む他の接続手段を利用し得ることも理解されよう。
【0132】
いくつかの実施形態では、雄型部材10と雌型部材30との間の右側への相対回転は、骨プレートを引き寄せ得、雄型部材10と雌型部材30との間の左側への相対回転は、骨プレートを押し離し得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、雄型部材10と雌型部材30との間の左側への相対回転は、骨プレートを互いに引き寄せ得、雄型部材10と雌型部材30との間の右側への相対回転は、骨プレートを押し離し得る。
【0134】
このように、外科医は、第1の骨ねじ81および第2の骨ねじ82を介して、骨部分に結合された第1の骨プレート61と第2の骨プレート62との間の間隔/位置を正確に制御する能力を有する。第1の骨プレート61と第2の骨プレート62との間の所望の間隔/位置が達成されると、骨プレートの間の選択された間隔/位置は、治癒プロセス中に維持され得る(または、所望に応じてさらに調整され得る)。したがって、骨固定アセンブリ800は、多くの骨片を伴うより複雑な骨折(例えば、粉砕骨折)に利用し得、そこで、骨プレートの間隔を正確に制御することにより、骨固定アセンブリ800が粉砕ゾーン内での潜在的な崩壊に抵抗しながら、治癒プロセス中に骨の外包が解剖学的に正しい位置に保持されることを保証することが可能である。
【0135】
図15および16は、本開示の骨固定アセンブリを利用する2つの例示的な外科手術手順を示している。しかし、本開示の骨固定アセンブリは、本明細書に記載または企図されるか、またはされない、任意の数の異なる外科手術に利用できることも理解されよう。
図15は、脛骨プレート930と、脛骨近位骨折920を安定させるために、脛骨910の近位端にインプラントされた骨固定アセンブリ100と、を備えた脛骨910の前面図を示している。
図16は、脛骨の骨幹部中間骨折1030を安定させるために、脛骨1010の髄内管内に髄内釘1020がインプラントされた脛骨1010の前面図を示している。骨固定アセンブリ100はまた、髄内釘1020を貫通して形成された開口を通して挿入され、髄内釘1020の交差固定を提供し、治癒過程中に髄内釘1020を髄内管内で安定化/保持する。
【0136】
図17A~17Cは、本開示の別の実施形態による、低引張弾性率材料を含む骨にインプラントされた骨固定アセンブリ1100の様々な断面図を示している。具体的には、
図17Aは、第1の配置に配置された骨固定アセンブリ1100の側断面図である。
図17Bは、第2の配置に配置された骨固定アセンブリ1100の側断面図を示している。
図17Cは、第3の配置に配置された骨固定アセンブリ1100の側断面図を示している。
【0137】
本明細書で使用する場合、「低引張弾性率材料」という語句には、材料の引張降伏点未満で材料に加えられる荷重/ひずみの下で、外科的に適切な量まで伸び得る任意の材料が含まれる。
【0138】
いくつかの実施形態では、第1の配置は、低引張弾性率材料の非伸び状態を含み、第2の配置は、低引張弾性率材料の完全に伸びた状態を含み、第3の配置は、低引張弾性率材料の部分的に伸びた状態を含み得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、雄型部材10の少なくとも一部分、および/または雌型部材30の少なくとも一部分は、1つ以上の低引張弾性率材料を含み得る。
【0140】
伸びの一般的な測定値は、パーセントで表し得るひずみである。ひずみは、伸びた状態の材料の全長の増加を、伸びていない状態の材料の全長で割った比として定義され得る。
【0141】
材料の引張降伏応力下で、今応力を受け得る、一般的に使用されるインプラント材料のひずみ値の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。ステンレス鋼合金-0.3~0.7%、α-βチタン合金-0.8%~1.0%、βチタン合金1.0%~1.2%、30%炭素繊維充填ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)-1.9%~2.0%、天然PEEK-2.7%~2.9%、超弾性ニッケルチタン合金(ニチノール)-8%~12%。
【0142】
いくつかの実施形態では、1%の伸び/ひずみは、25mmおよび100mmの伸びが可能な長さの骨固定アセンブリに対して、それぞれ、0.25mm~1.0mmの弾性回復を引き起こし得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、2%~3%の伸び/ひずみは、25mmおよび100mmの伸びが可能な長さの骨固定アセンブリに対して、それぞれ、0.50mm~0.75mm、および2.0mm~3.0mmの弾性回復を引き起こし得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、8%~12%の伸び/ひずみは、25mmおよび100mmの伸びが可能な長さの骨固定アセンブリに対して、それぞれ、2.0mm~3.0mm、および8.0mm~12.0mmの弾性回復を引き起こし得る。
【0145】
このように、弾性回復長を含む骨固定アセンブリは、骨がその粘弾性特性により荷重を受けて収縮する際に、または治癒期間中に骨が再構築または移動する際に、2つ以上の骨部分の破面、または癒合部3を横切る圧縮を維持し得る。2つの骨部分の破面または癒合部3の圧縮が維持されない場合、隙間は、破面または癒合部3で発達し得、破面または癒合部3を横切る架橋骨の発達が妨げられ得、その結果、2つ以上の骨部分の癒合不全または変形癒合が生じ得る、
【0146】
図17Aは、2つの骨部分を直接並置して固定する、完全に着座位置にある骨固定アセンブリ1100を示している。
【0147】
図17Bは、雌型部材30に対する雄型部材10の相対右回転を継続した後の
図17Aの骨固定アセンブリ1100を示している。これは、破面または癒合部3における圧縮力が増大し、低引張弾性率材料を含む雄型部材10および/または雌型部材30の引張応力が増大し得る。これらの増加する引張応力は、骨固定アセンブリ1100を、
図17Aに示される骨固定アセンブリ1100の全長よりも長い全長まで弾性的に伸びさせ得る。いくつかの実施形態では、トルク測定機構(図示せず)を備えるドライバー工具が、骨固定アセンブリ1100によって骨部分に加えられる圧縮力を選択および/または調整するために利用され得る。さらに、使い捨ての離脱式トルクレンチまたはドライバー工具(図示せず)は、本明細書に記載の骨固定アセンブリ、または骨固定アセンブリの任意の構成要素のいずれかを備えたキットで提供され得る。
【0148】
図17Cは、骨がその粘弾性特性により(または、移動、骨再構築等により)収縮し、2つの骨部分の対向する皮質が互いに近づくように移動した後の、
図17Bの骨固定アセンブリ1100を示している。骨固定アセンブリ1100は、また、その弾性伸びが部分的に回復することにより短くなり、それによって、破面または癒合部3を横切る圧縮を維持し得る。
【0149】
さらに、いくつかの実施形態では、治癒プロセス中に追加の骨圧縮を達成するために、本明細書に記載の骨固定アセンブリに追加の弾性構造が追加されてもよく、これには、圧縮ワッシャ、バネ、弾性部材などが含まれるが、これらに限定されない。
【0150】
実験1:3点曲げ荷重試験
この実験では、以下のように有限要素モデルが作成された。
(1)外ねじ直径7.0mm、全長160mmを有する部分ねじ付きの従来技術のカニューレ状ねじ(図示せず)。
(2)外径7.0mm、全長160mmの本開示による骨固定アセンブリ。
各モデルに3点曲げ荷重条件を作成するために、各モデルの端がサポートされた状態で両方の有限要素モデルの中点に同じ大きさの曲げ荷重が適用された。次に、有限要素解析を実行して、各モデルの最大フォンミーゼス応力と最大変位を決定した。これらのデータから、各モデルの相対強度と相対剛性比を計算した。カニューレ状ねじモデルの強度と剛性が比率の分母として使用された。したがって、カニューレ状ねじの相対強度と相対剛性は、1.0である。
【0151】
図18は、3点曲げ試験の有限要素解析に基づいた、骨固定アセンブリモデル対カニューレ状ねじモデルの相対強度および相対剛性を示すグラフである。したがって、
図18は、骨固定アセンブリモデルが、3点曲げ荷重条件下でカニューレ状ねじの2倍の強度と3倍を超える剛性を有することを実証している。したがって、本開示の骨固定アセンブリは、カニューレ状骨ねじなどの従来技術のデバイスよりもはるかに強く、より硬く、より安定した骨修復構造を提供し、それにより、インプラントの緩み、インプラントの破損および/または破面、または癒合部3における圧縮の損失のリスクが軽減される。
【0152】
実験2:4点曲げ荷重試験
この実験では、実験1で説明したのと同じ有限要素モデルを利用した。各モデルに4点曲げ荷重条件を作成するために、モデルの端を支持して、モデルの全長の3分の1と3分の2の位置に同じ大きさの曲げ荷重を適用した。次に、有限要素解析を実行して、各モデルの最大フォンミーゼス応力と最大変位を決定した。これらのデータから、各モデルの相対強度と相対剛性比を計算した。カニューレ状ねじモデルの強度と剛性が比率の分母として使用された。したがって、カニューレ状ねじの相対強度と相対剛性は、1.0である。
【0153】
図19は、4点曲げ試験の有限要素解析に基づいた、骨固定アセンブリモデル対カニューレ状ねじモデルの相対強度および相対剛性を示すグラフである。したがって、
図19は、骨固定アセンブリモデルが、4点曲げ荷重条件下でカニューレ状ねじの1.5倍を超える強度と3倍を超える剛性を有することを実証している。したがって、本開示の骨固定アセンブリは、カニューレ状骨ねじなどの従来技術のデバイスよりもはるかに強く、より硬く、より安定した骨修復構造を提供し、それにより、インプラントの緩み、インプラントの破損および/または破面、または癒合部3における圧縮の損失のリスクが軽減される。
【0154】
実験3:引抜き強度試験
この実験では、デバイスが固定されている骨からデバイスの一端を引き出すのに必要な力を決定するために計算が行われた。引抜き力は、2つのデバイスについて計算されました。
(1)外ねじ直径7.0mm、内ねじ直径5.2mm、ピッチ2.0mmの部分ねじ付きカニューレ状ねじ。
(2)外径7.0mm、ヘッド径8.5mm、外径12.7mmのワッシャを有する本開示による骨固定アセンブリ。
これらのデバイスの両方について、各デバイスは、50メガパスカル(MPa)のせん断強度を有する3mmの皮質骨に固定されていると想定された。カニューレ状ねじの引抜き力は、骨からのねじの引抜き力を決定するために開発された経験式を使用して計算された(上記の非特許文献3)。この参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。次いで、骨固定アセンブリの引抜き力が、せん断応力の構成方程式を使用して計算された。これらの計算結果から、相対的な引抜き強度が計算され、カニューレ状ねじの強度が比率の分母として使用されました。したがって、カニューレ状ねじの相対強度は、1.0である。
【0155】
図20は、構成式および経験式の計算に基づいた、骨固定アセンブリ対カニューレ状ねじの相対的な引抜き力を示すグラフである。したがって、
図20は、骨固定アセンブリがカニューレ状ねじの2倍を超える引抜き強度を有することを実証している。引抜き強度は、骨修復外科手術後の術後治癒期間におけるインプラントの緩みに直接関係するため、本開示の骨固定アセンブリは、骨盤輪損傷の外科的治療を受ける患者の再手術率を、11.8%に導く可能性があるインプラントの緩みのリスクを低減であろう。
【0156】
図21は、本開示の骨固定アセンブリとともに利用され得るいくつかの例示的な寸法を含む表を示している。この表のタイトルは、「表1:骨固定アセンブリの寸法例」である。
図21の表1には、同等のサイズの骨ねじのいくつかの寸法例もリストされている。しかしながら、表1に列挙された寸法例は、非限定的な例にすぎず、本開示の骨固定アセンブリでは、任意の寸法を利用できることが理解されるであろう。
【0157】
本明細書全体を通じて「一実施形態」または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体で引用される引用句またはその変形は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。
【0158】
同様に、実施形態の上記の説明では、本開示を合理化する目的で、様々な特徴が単一の実施形態、図、またはその説明にまとめられる場合があることを理解されたい。しかしながら、この開示方法は、いずれかの実施形態が、その実施形態で明示的に列挙されている特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、発明の態様は、前述の開示された任意の単一の実施形態の全てよりも少ない特徴の組み合わせにある。
【0159】
本明細書で使用する場合、「近位」という用語は、ユーザーが部品を取り付けるときにユーザーに面する部品の端部の位置を意味する。「遠位」という用語は、近位端の反対側の端の位置を意味する。例えば、ユーザーがドライバーを使って骨ねじを材料に取り付ける場合、ドライバーと係合する骨ねじの端が近位端であり、最初に材料に係合する骨ねじの先端が遠位端となる。「カニューレ状」という用語は、部品の近位端と遠位端との間で部品の長手方向軸に沿って延在する中心穴を有することを意味する。
【0160】
特徴、または要素に関する「第1の」という用語の言及は、必ずしも第2、または追加のそのような特徴、または要素の存在を意味するものではない。ミーンズ・プラス・ファンクション形式で列挙された要素は、35U.S.C.§112(f)に従って解釈されることを意図している。当業者には、本明細書に記載の基礎となる原理から逸脱することなく、上述の実施形態の詳細に変更を加えることができることが明らかであろう。
【0161】
「接続される」、「結合される」、および「連通する」という語句は、機械的、電気的、磁気的、電磁気的、流体的、および熱的相互作用を含む、2つ以上の実体間のあらゆる形式の相互作用を指す。2つのコンポーネントは、互いに直接接触していなくても、機能的に互いに結合する場合がある。「結合された」という用語には、一体形成を介して互いに結合された構成要素、ならびに相互に取り外し可能、および/または取り外し不可能に結合された構成要素が含まれ得る。「隣接する」という用語は、アイテムが互いに直接物理的に接触している可能性があることを指すが、アイテムは、必ずしも一緒に取り付けられているわけではない。「流体連通」という語句は、1つの機構内の流体が別の機構に移動できるように接続された2つ以上の機構を指す。本明細書で定義される「実質的に」という用語は、目標値、測定値、または所望の特性の±20%以内を意味する。
【0162】
本開示の特定の実施形態および応用例を図示し説明してきたが、本開示の範囲は、本明細書に開示した正確な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。当業者には明らかな様々な修正、変更、および変形が、本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法の配置、動作、および詳細において行われ得る。
【国際調査報告】