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特表2024-519919RAPID不整合に基づくメッセージ1CFO補償方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】RAPID不整合に基づくメッセージ1CFO補償方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/0833 20240101AFI20240514BHJP
【FI】
H04W74/0833
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571959
(86)(22)【出願日】2021-05-29
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 CN2021097028
(87)【国際公開番号】W WO2022251982
(87)【国際公開日】2022-12-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、イーイー
(72)【発明者】
【氏名】ホン、リャン
(72)【発明者】
【氏名】マオ、ジエ
(72)【発明者】
【氏名】アイディン、レベント
(72)【発明者】
【氏名】コーケン、エルマン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ヨンレ
(72)【発明者】
【氏名】ユエン、レベッカ・ウェン-リン
(72)【発明者】
【氏名】アーマド、ジアド
(72)【発明者】
【氏名】バニスター、ブライアン・クラーク
(72)【発明者】
【氏名】マントラバディ、アショク
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ナンルン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シン・イー
(72)【発明者】
【氏名】ジュー、ジエ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD24
5K067EE02
5K067HH22
(57)【要約】
HST展開におけるアップリンクドップラーシフトによって生じる不整合RAPIDを解決するために、UEがCFO補償を適用することを可能にする態様が提供される。UEは、各々がRAPIDを含む1つまたは複数のRARを取得し、ここにおいて、RARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する。UEは、しきい値数の1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARのRAPIDが対応するランダムアクセスメッセージのプリアンブルとは異なると決定する。UEは、次いで、決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットする。その結果、アップリンクドップラーシフトに起因する不整合RAPIDが回避されることがあり、それによってRACH成功率が改善され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)におけるワイヤレス通信の方法であって、
1つまたは複数のランダムアクセス応答(RAR)を取得することと、ここにおいて、前記1つまたは複数のRARの各々は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含み、前記1つまたは複数のRARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する、
しきい値数の前記1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARの前記RAPIDが対応するランダムアクセスメッセージの前記プリアンブルとは異なると決定することと、
前記決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットすることと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数のRARの数は、プリアンブル送信の最大回数に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記しきい値数の前記1つまたは複数のRARの各々は、基地局において受信された物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の周波数オフセットに基づく不整合RAPIDを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記周波数オフセットは、前記基地局において受信される予想されるRAPIDに基づいて決定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記周波数オフセットは、タイミングアドバンスに基づいてさらに決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記キャリア周波数の各々は、ランダムアクセスプリアンブルサブキャリア間隔に基づく範囲内の値だけオフセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記範囲は、基地局において受信される物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の周波数オフセットの関数である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記範囲は、高速列車(HST)展開における最大ドップラーシフトにさらに基づく、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリア周波数の各々は、サービングセルに関連付けられた基準信号受信電力(RSRP)がしきい値を超えることに応答してオフセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記キャリア周波数の各々は、異なる値だけオフセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記異なる値のうちの少なくとも1つは、前記1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの最大回数の関数である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記キャリア周波数のうちの1つまたは複数は、同じ値だけオフセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、
前記RAPIDと前記プリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量を識別することをさらに備え、
前記キャリア周波数は、前記識別に応答して正の値または負の値のうちの一方だけ各々オフセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、
追加のRARを取得することと、ここにおいて、前記追加のRARの各々は、追加のRAPIDを含み、後続のプリアンブルを含む前記後続のランダムアクセスメッセージのうちの1つに応答する、
前記追加のRAPIDと前記後続のプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量をさらに決定することと、
前記さらなる決定に応答して、1つまたは複数の追加のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数を正の値または負の値のうちの一方だけオフセットすることと、
をさらに備え、
前記1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージについての前記キャリア周波数は、前記正の値または前記負の値のうちの他方だけオフセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ワイヤレス通信のための装置であって、
プロセッサと、
プロセッサに結合されたメモリと、
前記メモリに記憶された命令と、
を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されたとき、前記装置に、
1つまたは複数のランダムアクセス応答(RAR)を取得することと、ここにおいて、前記1つまたは複数のRARの各々は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含み、前記1つまたは複数のRARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する、
しきい値数の前記1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARの前記RAPIDが対応するランダムアクセスメッセージの前記プリアンブルとは異なると決定することと、
前記決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットすることと、
を行わせるように動作可能である、装置。
【請求項16】
前記しきい値数の前記1つまたは複数のRARの各々は、基地局において受信された物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の周波数オフセットに基づく不整合RAPIDを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記周波数オフセットは、前記基地局において受信される予想されるRAPIDに基づいて決定される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記周波数オフセットは、タイミングアドバンスに基づいてさらに決定される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記キャリア周波数の各々は、ランダムアクセスプリアンブルサブキャリア間隔に基づく範囲内の値だけオフセットされる、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記範囲は、基地局において受信される物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の周波数オフセットの関数である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記範囲は、高速列車(HST)展開における最大ドップラーシフトにさらに基づく、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記キャリア周波数の各々は、サービングセルに関連付けられた基準信号受信電力(RSRP)がしきい値を超えることに応答してオフセットされる、請求項15に記載の装置。
【請求項23】
前記キャリア周波数の各々は、異なる値だけオフセットされ、前記異なる値のうちの少なくとも1つは、前記1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの最大回数の関数である、請求項15に記載の装置。
【請求項24】
前記キャリア周波数のうちの1つまたは複数は、同じ値だけオフセットされる、請求項15に記載の装置。
【請求項25】
前記命令は、前記プロセッサによって実行されたとき、前記装置に、
前記RAPIDと前記プリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量を識別することをさらに行わせ、
前記キャリア周波数は、前記識別に応答して正の値または負の値のうちの一方だけ各々オフセットされる、請求項15に記載の装置。
【請求項26】
前記命令は、前記プロセッサによって実行されたとき、前記装置に、
追加のRARを取得することと、ここにおいて、前記追加のRARの各々は、追加のRAPIDを含み、後続のプリアンブルを含む前記後続のランダムアクセスメッセージのうちの1つに応答する、
前記追加のRAPIDと前記後続のプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量をさらに決定することと、
前記さらなる決定に応答して、1つまたは複数の追加のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数を正の値または負の値のうちの一方だけオフセットすることと、
をさらに行わせ、
前記1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージについての前記キャリア周波数は、前記正の値または前記負の値のうちの他方だけオフセットされる、請求項15に記載の装置。
【請求項27】
ワイヤレス通信のための装置であって、
1つまたは複数のランダムアクセス応答(RAR)を取得するための手段と、ここにおいて、前記1つまたは複数のRARの各々は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含み、前記1つまたは複数のRARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する、
しきい値数の前記1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARの前記RAPIDが対応するランダムアクセスメッセージの前記プリアンブルとは異なると決定するための手段と、
前記決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットするための手段と、
を備える、装置。
【請求項28】
前記装置は、
前記RAPIDと前記プリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量を識別するための手段をさらに備え、
前記キャリア周波数は、前記識別に応答して正の値または負の値のうちの一方だけ各々オフセットされる、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記取得するための手段は、追加のRARを取得するようにさらに構成され、ここにおいて、前記追加のRARの各々は、追加のRAPIDを含み、後続のプリアンブルを含む前記後続のランダムアクセスメッセージのうちの1つに応答し、
前記決定するための手段は、前記追加のRAPIDと前記後続のプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量をさらに決定するように構成され、
前記オフセットするための手段は、前記さらなる決定に応答して、1つまたは複数の追加のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数を正の値または負の値のうちの一方だけオフセットするようにさらに構成され、
前記1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージについての前記キャリア周波数は、前記正の値または前記負の値のうちの他方だけオフセットされる、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
コンピュータ実行可能コードを記憶するコンピュータ可読媒体であって、前記コードは、プロセッサによって実行されたとき、前記プロセッサに、
1つまたは複数のランダムアクセス応答(RAR)を取得することと、ここにおいて、前記1つまたは複数のRARの各々は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含み、前記1つまたは複数のRARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する、
前記1つまたは複数のRARのしきい値数の各々において、対応するRARの前記RAPIDが対応するランダムアクセスメッセージの前記プリアンブルとは異なると決定することと、
前記決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットすることと、
を行わせる、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般に通信システムに関し、より詳細には、ユーザ機器(UE)と基地局との間のワイヤレス通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ワイヤレス通信システムは、電話、ビデオ、データ、メッセージング、および放送などの様々な電気通信サービスを提供するために広く展開されている。典型的なワイヤレス通信システムは、利用可能なシステムリソースを共有することによって複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な多元接続技術を採用し得る。そのような多元接続技術の例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)システム、および時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)システムを含む。
【0003】
[0003]これらの多元接続技術は、様々なワイヤレスデバイスが都市、国家、地域、さらには地球規模で通信することを可能にする共通プロトコルを提供するために、様々な電気通信規格において採用されている。例示的な電気通信規格は5G新無線(NR)である。5G NRは、待ち時間、信頼性、安全性、(たとえば、モノのインターネット(IoT)による)スケーラビリティ、および他の要件に関連する新しい要件を満たすように第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))によって公布された、連続的なモバイルブロードバンドの進化の一部である。5G NRは、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)と、マッシブマシンタイプ通信(mMTC)と、超高信頼低レイテンシ通信(URLLC)とに関連するサービスを含む。5G NRのいくつかの態様は、4Gロングタームエボリューション(LTE(登録商標)))規格に基づき得る。5G NR技術において、さらなる改善を行う必要がある。これらの改善はまた、他の多元接続技術、およびこれらの技術を採用する電気通信規格に適用可能であり得る。
【発明の概要】
【0004】
[0004]以下で、1つまたは複数の態様の基本的理解を与えるために、そのような態様の簡略化された概要を提示する。本概要は、すべての企図される態様の広範な概観ではなく、すべての態様の主要または重要な要素を識別するものでも、いずれかまたはすべての態様の範囲を定めるものでもない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の導入として、1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0005】
[0005]本開示の一態様では、方法、コンピュータ可読媒体、および装置が提供される。装置はUEであり得る。UEは、1つまたは複数のランダムアクセス応答(RAR)を取得する。1つまたは複数のRARの各々は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含み、1つまたは複数のRARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する。UEは、しきい値数の1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARのRAPIDが対応するランダムアクセスメッセージのプリアンブルとは異なると決定する。UEは、決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットする(offset、ずらす)。
【0006】
[0006]上記の目的および関係する目的を達成するために、1つまたは複数の態様は、以下で十分に説明され特に特許請求の範囲で指摘される特徴を備える。以下の説明および付属の図面は、1つまたは複数の態様のいくつかの例示的な特徴を詳細に記載する。ただし、これらの特徴は、様々な態様の原理が採用され得る様々な方法のほんのいくつかを示すものであり、この説明は、すべてのそのような態様およびそれらの均等物を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】[0007]ワイヤレス通信システムおよびアクセスネットワークの一例を示す図。
図2A】[0008]本開示の様々な態様による、第1のフレームの一例を示す図。
図2B】[0009]本開示の様々な態様による、サブフレーム内のDLチャネルの一例を示す図。
図2C】[0010]本開示の様々な態様による、第2のフレームの一例を示す図。
図2D】[0011]本開示の様々な態様による、サブフレーム内のULチャネルの一例を示す図。
図3】[0012]アクセスネットワークにおける基地局およびユーザ機器(UE)の一例を示す図。
図4】[0013]高速列車配備の一例を示す図。
図5】[0014]基地局とともにランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャを実行するときにアップリンクドップラーシフトを補償するUEの一例を示す図。
図6】[0015]正または負のいずれかの周波数方向のアップリンクドップラーシフトを条件としてRACHプリアンブルを送信するUEの一例を示す図。
図7】[0016]アップリンクドップラーシフトを補償するために、異なるRACHプリアンブルについてのキャリア周波数をオフセットするUEの一例を示す図。
図8】[0017]UEと基地局との間の呼フローを示す図。
図9】[0018]ワイヤレス通信の方法のフローチャート。
図10】[0019]例示的な装置のためのハードウェア実装形態の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0020]添付の図面に関して以下に記載される発明を実施するための形態は、様々な構成を説明するものであり、本明細書で説明される概念が実施され得る構成のみを表すものではない。発明を実施するための形態は、様々な概念の完全な理解を与えるための具体的な詳細を含む。ただし、これらの概念はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、そのような概念を不明瞭にすることを回避するために、よく知られている構造および構成要素がブロック図の形態で示されている。
【0009】
[0021]4ステップ競合ベースRACHプロシージャでは、UEと基地局との間に4つのメッセージが与えられ得る。たとえば、初期アタッチプロシージャ中に、UEは、基地局にプリアンブルを送り(たとえば、メッセージ1)、基地局からランダムアクセス応答(RAR)を受信し(たとえば、メッセージ2)、基地局にRRC接続要求メッセージまたは他のペイロードを送り(たとえば、メッセージ3)、基地局から競合解決に依存する(subject to)RRC接続セットアップメッセージまたは他の送信を受信し得る(たとえば、メッセージ4)。この4ステップRACHプロシージャは、UEが第1のメッセージ中でプリアンブルとペイロードとを送る2ステップRACHプロシージャに簡略化され得る。たとえば、2ステップRACHプロシージャのメッセージA(「msgA」)は、4ステップRACHプロシージャのメッセージ1および3に対応し得、メッセージB(「msgB」)は、4ステップRACHプロシージャのメッセージ2および4に対応し得る。したがって、2ステップRACHプロシージャでは、UEは、msgA送信中でプリアンブルとそれに続くペイロードとを基地局に送り得、基地局は、msgB送信中でRARとRRC応答メッセージとをUEに送り得る。
【0010】
[0022]UEは、UEによって生成されたランダムアクセスプリアンブルのセットからメッセージ1またはmsgAのためのプリアンブルを選択し得る。ランダムアクセスプリアンブルのセットは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブルフォーマットを含む、様々な構成されたRACHパラメータの関数であり得る。プリアンブルフォーマットは、次いで、PRACHプリアンブルサブキャリア間隔に関連付けられ得る。UEが、生成されたプリアンブルのセットからプリアンブルを選択した後、UEは、構成された時間および周波数リソース中で基地局にプリアンブルを送信し得る。時間および周波数リソースは、様々な構成されたRACHパラメータの関数であり得る。たとえば、プリアンブルが送信されるスロットまたはシンボルは、PRACH構成インデックスに依存し得、プリアンブルが送信されるサブキャリアは、PRACHプリアンブルサブキャリア間隔に依存し得る。
【0011】
[0023]UEが(メッセージ1またはmsgA中の)PRACHサブキャリア中で選択されたプリアンブルを基地局に送信した後、基地局は、メッセージを復号し、UEによって送信されたプリアンブルを識別し得る。たとえば、基地局は、PRACHサブキャリア中のデータを受信および復調し、PRACHデータが受信されたサブキャリアに基づいてUEの選択されたプリアンブルシーケンスを決定し得る。プリアンブルを識別したことに応答して、基地局は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含むRARを構成し得る。基地局は、復号されたプリアンブルシーケンス(たとえば、UEによって送信されたと決定されたプリアンブルシーケンス)に関連する識別子を用いてRAPIDを構成し得る。次いで、基地局は、メッセージ2またはmsgB中でRARをUEに送信し得る。
【0012】
[0024]UEがRARを受信および復号すると、UEは、RAR中のRAPIDがUEの選択されたプリアンブルシーケンスに関連付けられた識別子と同じであるかどうかを決定し得る。RAPIDがプリアンブルと一致する場合、UEは、プリアンブルが正常に受信されたか、またはRACHプロシージャが正常に実行されたと決定し得、UEは、それに応じて基地局と通信し得る。そうではなく、RAPIDがプリアンブルに一致しない(たとえば、RAPIDが不一致RAPIDである)場合、UEは、RACHプロシージャが失敗したと決定し得、UEは、メッセージ1またはmsgAからRACHプロシージャを再開し得る。
【0013】
[0025]不整合のRAPIDが観測され得る1つのシナリオは、高速列車(HST)展開(deployments)におけるものである。HSTは、迅速で、便利で、環境に優しく、柔軟な輸送手段として最近開発された。UEを携行するますます多くの乗客がHST上を移動する傾向にあるので、増大する通信需要に適応するために信頼できる通信サービスを提供する際に新しい課題が生じている。たとえば、典型的なHSTは、時速200キロメートル(km/h)を上回る速度で、または時速350kmをも上回る速度で移動することがあり、その結果、頻繁かつ高速なハンドオーバ、大きなドップラー拡散、および他の影響が生じる。これらの課題を克服しようとして、ミリメートル波(mmW)および大規模多入力多出力(MIMO)技術、ならびに多地点協調(CoMP)およびモバイル中継局アーキテクチャが、HST展開のために検討されてきた。
【0014】
[0026]しかしながら、そのような技術にもかかわらず、従来のHST展開は、上述の不整合のRAPIDを含む、HSTにおいて生じ得るすべての可能なシナリオをカバーするには依然として不十分であり得る。たとえば、HST内またはHST上に位置するUE(本明細書では、HST UEと呼ばれる)は、しばしば、非HSTセル(たとえば、HSTの外側またはそこから離れて位置する基地局によってサービス提供されるセル)にキャンプオンされる。これらの非HSTセルは、元は、HSTの外側に、またはHSTから離れて位置するUE(本明細書では、非HST UEと呼ばれる)をサポートするように設計されているため、これらの非HSTセルにサービスを提供する基地局は、類似のRACH構成を用いて、HST UEおよび非HST UEを同様に構成し得る。たとえば、非HSTセル内の基地局は、HST UEおよび非HST UEの両方に、PRACHプリアンブルフォーマット0を示し、プリアンブルシーケンスの無制限のセットを採用する、RACH構成を提供し得る。その結果、非HSTセルにキャンプオンされたHST UEは、RAR内のRAPIDとUEの選択されたプリアンブルとの間の不整合に起因して、頻繁なRACH失敗を経験する傾向がある。これらのRAPID不整合は、典型的には、そのようなプリアンブルフォーマットに関連する比較的小さいPRACHプリアンブルサブキャリア間隔(たとえば、ΔfRA=1.25kHz)と、メッセージ1またはmsgAを送信するときにHST UEが経験し得る比較的大きいアップリンクドップラーシフトとによるものである。したがって、HST UEのRACH成功率を改善するために、このアップリンクドップラーシフトを補償することが有用である。
【0015】
[0027]本開示の態様は、(たとえば、HSTにおいて)RACHプリアンブルを送信するとき、UEがアップリンクドップラーシフトを補償することを可能にする。一例では、UEは、不整合のRAPIDについて、連続するRACH試行の数N(たとえば、1番目からN番目までのRACH試行)を監視することがある。たとえば、UEは、N個の連続するRARを取得し得、ここで、各RARは、送信されたプリアンブルに応答し、UEは、RARのうちのいずれかが、UEによって送信された対応するプリアンブルシーケンスの識別子に一致しないRAPIDを含むかどうかを決定し得る。UEが、前述のドップラーシフト効果に応答して、しきい値数K回のこれらのRACH試行が不整合のRAPIDに起因して失敗したと決定した場合、UEは、後続のRACH試行においてこのオフセットを補償することがある。たとえば、UEが、N個の連続するRARのうちのK個が、正または負のドップラーシフトにより、対応するプリアンブルシーケンスの識別子に一致しないRAPIDを含むと決定した場合、UEは、このドップラーシフトを補償するために、(たとえば、RACH試行N+1以降において)後続のメッセージ1またはmsgAのキャリア周波数を正または負にオフセットし得る。たとえば、UEが、3.8GHzのキャリア周波数上でRACH試行1~Nにおいてプリアンブルを送信した場合、UEは、600Hz(3.8000006GHz)または-600Hz(3.7999994GHz)のキャリア周波数オフセットをして後続のRACH試行N+1においてプリアンブルを送信し得る。UEは、基地局が送信されたプリアンブルを正常に復号し、UEが送信されたプリアンブルに一致するRAPIDを有するRARを受信するまで、(正または負に)キャリア周波数をオフセットして(ずらして)後続のRACHプリアンブルを同様に送信し得る。その結果、RACH成功率は、HST UEに対して増加され得る。
【0016】
[0028]ここで、種々の装置および方法を参照しながら、電気通信システムのいくつかの態様が提示される。これらの装置および方法は、以下の発明を実施するための形態において説明され、(「要素」と総称される)様々なブロック、構成要素、回路、プロセス、アルゴリズムなどによって添付の図面に示される。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの任意の組合せを使用して実装され得る。そのような要素がハードウェアとして実装されるのかソフトウェアとして実装されるのかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。
【0017】
[0029]例として、要素、または要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1つまたは複数のプロセッサを含む「処理システム」として実装されてよい。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィックス処理装置(GPU)、中央処理装置(CPU)、アプリケーションプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、縮小命令セットコンピューティング(RISC)プロセッサ、システムオンチップ(SoC)、ベースバンドプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、状態機械、ゲート論理、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって記載される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。処理システム中の1つまたは複数のプロセッサはソフトウェアを実行し得る。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などの名称にかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェア構成要素、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味すると広く解釈されたい。
【0018】
[0030]したがって、1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして符号化され得る。コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM(登録商標))、光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、他の磁気ストレージデバイス、上述のタイプのコンピュータ可読媒体の組合せ、あるいはコンピュータによってアクセスされ得る、命令またはデータ構造の形態のコンピュータ実行可能コードを記憶するために使用され得る任意の他の媒体を備えることができる。
【0019】
[0031]図1は、ワイヤレス通信システムおよびアクセスネットワーク100の一例を示す図である。ワイヤレス通信システム(ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)とも呼ばれる)は、基地局102と、ユーザ機器(UE)104と、発展型パケットコア(EPC)160と、別のコアネットワーク190(たとえば、5Gコア(5GC))とを含む。基地局102は、マクロセル(高電力セルラー基地局)および/またはスモールセル(低電力セルラー基地局)を含み得る。マクロセルは基地局を含む。スモールセルは、フェムトセルと、ピコセルと、マイクロセルとを含む。
【0020】
[0032](発展型ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)地上波無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)と総称される)4Gロングタームエボリューション(LTE)のために構成された基地局102は、第1のバックホールリンク132(たとえば、S1インターフェース)を介してEPC160とインターフェースし得る。(次世代RAN(NG-RAN)と総称される)5G新無線(NR)のために構成された基地局102は、第2のバックホールリンク184を介してコアネットワーク190とインターフェースし得る。他の機能に加えて、基地局102は、以下の機能、すなわち、ユーザデータの転送と、無線チャネル暗号化および解読と、完全性保護と、ヘッダ圧縮と、モビリティ制御機能(たとえば、ハンドオーバ、デュアル接続性)と、セル間干渉協調と、接続セットアップおよび解放と、負荷分散と、非アクセス層(NAS)メッセージのための配信と、NASノード選択と、同期と、無線アクセスネットワーク(RAN)共有と、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)と、加入者および機器トレースと、RAN情報管理(RIM)と、ページングと、測位と、警告メッセージの配信とのうちの1つまたは複数を実施し得る。基地局102は、第3のバックホールリンク134(たとえば、X2インターフェース)上で互いと直接的または間接的に(たとえば、EPC160もしくはコアネットワーク190を介して)通信することがある。第1のバックホールリンク132、第2のバックホールリンク184、および第3のバックホールリンク134は、ワイヤードまたはワイヤレスであり得る。
【0021】
[0033]基地局102は、UE104とワイヤレス通信し得る。基地局102の各々は、それぞれの地理的カバレージエリア110に通信カバレージを提供し得る。重複する地理的カバレージエリア110があり得る。たとえば、スモールセル102’は、1つまたは複数のマクロ基地局102のカバレージエリア110と重複するカバレージエリア110’を有し得る。スモールセルとマクロセルの両方を含むネットワークが、異種ネットワークとして知られ得る。異種ネットワークはまた、限定加入者グループ(CSG)として知られる限定グループにサービスを提供し得るホーム発展型ノードB(eNB)(HeNB)を含み得る。基地局102とUE104との間の通信リンク120は、UE104から基地局102への(逆方向リンクとも呼ばれる)アップリンク(UL)送信、および/または基地局102からUE104への(順方向リンクとも呼ばれる)ダウンリンク(DL)送信を含み得る。通信リンク120は、空間多重化、ビームフォーミング、および/または送信ダイバーシティを含む、多入力多出力(MIMO)アンテナ技術を使用し得る。通信リンクは、1つまたは複数のキャリアを通したものであり得る。基地局102/UE104は、各方向の送信に使用される合計YxMHz(x個のコンポーネントキャリア)までのキャリアアグリゲーションにおいて割り振られた、キャリアごとにYメガヘルツ(MHz)(たとえば、5、10、15、20、100、400MHzなど)までの帯域幅のスペクトルを使用することがある。キャリアは、互いに隣接することも、隣接しないこともある。キャリアの割振りは、DLおよびULに対して非対称であってもよい(たとえば、ULよりも多いかまたは少ないキャリアがDLに割り振られてもよい)。コンポーネントキャリアは、1次コンポーネントキャリアと、1つまたは複数の2次コンポーネントキャリアとを含んでもよい。1次コンポーネントキャリアは1次セル(PCell)と呼ばれる場合があり、2次コンポーネントキャリアは2次セル(SCell)と呼ばれることがある。
【0022】
[0034]いくつかのUE104は、デバイス間(D2D)通信リンク158を使用して互いに通信することがある。D2D通信リンク158は、DL/UL WWANスペクトルを使用することがある。D2D通信リンク158は、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)、物理サイドリンク発見チャネル(PSDCH)、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)、および物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)などの1つまたは複数のサイドリンクチャネルを使用し得る。D2D通信は、たとえば、WiMedia、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11規格に基づくWi-Fi(登録商標)、LTE、またはNRなど、様々なワイヤレスD2D通信システムを通したものであり得る。
【0023】
[0035]ワイヤレス通信システムは、たとえば、5ギガヘルツ(GHz)無認可周波数スペクトルなどにおいて、通信リンク154を介してWi-Fi局(STA)152と通信しているWi-Fiアクセスポイント(AP)150をさらに含み得る。無認可周波数スペクトル中で通信するとき、STA152/AP150は、チャネルが利用可能であるかどうかを決定するために、通信するより前にクリアチャネルアセスメント(CCA)を実施し得る。
【0024】
[0036]スモールセル102’は、認可および/または無認可の周波数スペクトル内で動作することができる。無認可周波数スペクトル中で動作するとき、スモールセル102’は、NRを採用し、Wi-Fi AP150によって使用されるのと同じ無認可周波数スペクトル(たとえば、5GHzなど)を使用し得る。無認可周波数スペクトル中でNRを採用するスモールセル102’は、アクセスネットワークへのカバレージを強化し、および/またはアクセスネットワークの容量を増大させ得る。
【0025】
[0037]電磁スペクトルは、しばしば、周波数/波長に基づいて、様々なクラス、帯域、チャネルなどに再分割される。5G NRでは、2つの初期動作帯域が、周波数範囲指定FR1(410MHz~7.125GHz)およびFR2(24.25GHz~52.6GHz)として識別されてきた。FR1とFR2との間の周波数は、しばしば、ミッドバンド周波数と呼ばれる。FR1の一部分は6GHzよりも大きいが、FR1は、様々なドキュメントと論文とではしばしば「サブ6GHz」帯域と(互換的に)呼ばれる。同様の名称問題が、FR2に関して時々起こり、FR2は、国際電気通信連合(ITU)によって「ミリメートル波」帯域と識別される極高周波(EHF)帯域(30GHz~300GHz)とは異なるにもかかわらず、しばしば、ドキュメントおよび論文において「ミリメートル波」帯域と(互換的に)呼ばれる。
【0026】
[0038]上記の態様を念頭に置いて、別段に明記されていない限り、「サブ6GHz」などの用語は、本明細書で使用される場合、6GHz未満であり得るか、FR1内であり得るか、またはミッドバンド周波数を含み得る周波数を広く表し得ることを理解されたい。さらに、別段に明記されていない限り、「ミリメートル波」などの用語は、本明細書で使用される場合、ミッドバンド周波数を含み得るか、FR2内にあり得るか、またはEHF帯域内にあり得る周波数を広く表し得ることを理解されたい。
【0027】
[0039]基地局102は、スモールセル102’なのかラージセル(たとえば、マクロ基地局)なのかにかかわらず、eNB、gノードB(gNB)、または別のタイプの基地局を含み、および/あるいはそのように呼ばれることがある。gNB180などのいくつかの基地局は、UE104との通信において、従来のサブ6GHzスペクトル中で、ミリメートル波周波数中で、および/または近ミリメートル波周波数で動作し得る。gNB180がミリメートル波または近ミリメートル波周波数で動作するとき、gNB180は、ミリメートル波基地局と呼ばれることがある。ミリメートル波基地局180は、経路損失と短い範囲とを補償するために、UE104とのビームフォーミング182を利用し得る。基地局180およびUE104は、各々、ビームフォーミングを可能にするために、アンテナ要素、アンテナパネル、および/またはアンテナアレイなど、複数のアンテナを含み得る。
【0028】
[0040]基地局180は、1つまたは複数の送信方向182’でUE104にビームフォーミングされた信号を送信し得る。UE104は、1つまたは複数の受信方向182’’で基地局180からビームフォーミングされた信号を受信し得る。UE104はまた、1つまたは複数の送信方向の基地局180にビームフォーミングされた信号を送信することができる。基地局180は、1つまたは複数の受信方向のUE104からビームフォーミングされた信号を受信することができる。基地局180/UE104は、基地局180/UE104の各々のために最良の受信方向と送信方向とを決定するためにビームトレーニングを実行することができる。基地局180のための送信方向および受信方向は、同じであることも同じでないこともある。UE104のための送信および受信方向は、同じであることも同じでないこともある。
【0029】
[0041]EPC160は、モビリティ管理エンティティ(MME)162と、他のMME164と、サービングゲートウェイ166と、MBMSゲートウェイ168と、ブロードキャストマルチキャストサービスセンタ(BM-SC)170と、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ172とを含み得る。MME162は、ホーム加入者サーバ(HSS)174と通信していることがある。MME162は、UE104とEPC160との間のシグナリングを処理する制御ノードである。概して、MME162は、ベアラおよび接続管理を与える。すべてのユーザインターネットプロトコル(IP)パケットは、サービングゲートウェイ166を通して転送され、サービングゲートウェイ166自体は、PDNゲートウェイ172に接続される。PDNゲートウェイ172は、UEのIPアドレス割振りならびに他の機能を提供する。PDNゲートウェイ172とBM-SC170とは、IPサービス176に接続される。IPサービス176は、インターネット、イントラネット、IPマルチメディアサブシステム(IMS)、PSストリーミングサービス、および/または他のIPサービスを含み得る。BM-SC170は、MBMSユーザサービスプロビジョニングおよび配信のための機能を提供し得る。BM-SC170は、コンテンツプロバイダMBMS送信のためのエントリポイントとして働き得、パブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)内のMBMSベアラサービスを許可し、開始するために使用され得、MBMS送信をスケジュールするために使用され得る。MBMSゲートウェイ168は、特定のサービスをブロードキャストするマルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)エリアに属する基地局102にMBMSトラフィックを配信するために使用され得、セッション管理(開始/停止)と、eMBMS関係の課金情報を収集することとを担当し得る。
【0030】
[0042]コアネットワーク190は、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)192と、他のAMF193と、セッション管理機能(SMF)194と、ユーザプレーン機能(UPF)195とを含み得る。AMF192は、統合データ管理(UDM)196と通信していることがある。AMF192は、UE104とコアネットワーク190との間のシグナリングを処理する制御ノードである。概して、AMF192は、サービス品質(QoS)フローとセッション管理とを提供する。すべてのユーザIPパケットは、UPF195を介して転送される。UPF195は、UE IPアドレス割振りならびに他の機能を与える。UPF195はIPサービス197に接続される。IPサービス197は、インターネット、イントラネット、IMS、パケットスイッチ(PS)ストリーミングサービス、および/または他のIPサービスを含み得る。
【0031】
[0043]基地局は、gNB、ノードB、eNB、アクセスポイント、基地トランシーバ局、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、送信受信ポイント(TRP)、または何らかの他の好適な用語を含み、および/あるいはそのように呼ばれることがある。基地局102は、UE104にEPC160またはコアネットワーク190へのアクセスポイントを提供する。UE104の例には、携帯電話、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、衛星無線、全地球測位システム、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲーム機、タブレット、スマートデバイス、ウェアラブルデバイス、車両、電気メータ、ガスポンプ、大もしくは小の台所器具、ヘルスケアデバイス、インプラント、センサ/アクチュエータ、ディスプレイ、または任意の他の同様の機能デバイスが含まれる。UE104のうちのいくつかは、IoTデバイス(たとえば、パーキングメーター、ガスポンプ、トースター、車両、心臓モニタなど)と呼ばれることがある。UE104は、局、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることもある。
【0032】
[0044]本開示は5G NRに焦点を当て得るが、本明細書で説明される概念および様々な態様は、LTE、LTEアドバンスト(LTE-A)、符号分割多元接続(CDMA)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、または他のワイヤレス/無線アクセス技術などの、他の同様の分野に適用され得る。
【0033】
[0045]再び図1を参照すると、いくつかの態様では、UE104は、1つまたは複数のRARを取得するように構成されるキャリア周波数オフセット(CFO)補償構成要素198を含み得、ここで、1つまたは複数のRARの各々はRAPIDを含み、1つまたは複数のRARの各々はプリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する。CFO補償構成要素198はまた、しきい値数の1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARのRAPIDが、対応するランダムアクセスメッセージのプリアンブルとは異なると決定するように構成される。CFO補償構成要素198は、決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットする(ずらす)ようにさらに構成される。
【0034】
[0046]図2Aは、5G NRフレーム構造内の第1のサブフレームの一例を示す図200である。図2Bは、5G NRサブフレーム内のDLチャネルの一例を示す図230である。図2Cは、5G NRフレーム構造内の第2のサブフレームの一例を示す図250である。図2Dは、5G NRサブフレーム内のULチャネルの一例を示す図280である。5G NRフレーム構造は、サブキャリアの特定のセット(キャリアシステム帯域幅)についてサブキャリアのセット内のサブフレームがDLまたはULのいずれかに専用である周波数分割複信(FDD)であり得るか、あるいは、サブキャリアの特定のセット(キャリアシステム帯域幅)についてサブキャリアのセット内のサブフレームがDLとULの両方に専用である時分割複信(TDD)であり得る。図2Aおよび図2Cによって与えられた例では、5G NRフレーム構造は、TDDであると仮定され、サブフレーム4は、スロットフォーマット28で(大部分はDLで)構成され、ここで、DはDLであり、UはULであり、Fは、DL/ULとの間での使用のためにフレキシブルであり、サブフレーム3は、スロットフォーマット34で(大部分はULで)構成される。サブフレーム3、4が、それぞれ、スロットフォーマット34、28とともに示されているが、任意の特定のサブフレームが、様々な利用可能なスロットフォーマット0~61のいずれかで構成され得る。スロットフォーマット0、1は、それぞれ、すべてDL、ULである。他のスロットフォーマット2~61は、DL、UL、およびフレキシブルなシンボルの混合を含む。UEは、受信されたスロットフォーマットインジケータ(SFI)を通して(DL制御情報(DCI)を通して動的に、または無線リソース制御(RRC)シグナリングを通して半静的に/静的に)スロットフォーマットで構成される。以下の説明が、TDDである5G NRフレーム構造にも適用されることに留意されたい。
【0035】
[0047]他のワイヤレス通信技術は、異なるフレーム構造および/または異なるチャネルを有し得る。たとえば、10ミリ秒(ms)のフレームは、10個の等しいサイズのサブフレーム(1ms)に分割され得る。各サブフレームは、1つまたは複数のタイムスロットを含み得る。サブフレームはまた、ミニスロットを含んでもよく、ミニスロットは、7つ、4つ、または2つのシンボルを含んでもよい。各スロットは、スロット構成に応じて7個または14個のシンボルを含んでもよい。スロット構成0の場合、各スロットは14個のシンボルを含んでもよく、スロット構成1の場合、各スロットは7個のシンボルを含んでもよい。DL上のシンボルは、サイクリックプレフィックス(CP)直交周波数-分割多重(OFDM)(CP-OFDM)シンボルであり得る。UL上のシンボルは、(高スループットシナリオの場合)CP-OFDMシンボル、または(電力制限シナリオの場合、単一のストリーム送信に限定される)(シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)シンボルとも呼ばれる)離散フーリエ変換(DFT)拡散OFDM(DFT-s-OFDM)シンボルであり得る。サブフレーム内のスロットの数は、スロット構成とヌメロロジーとに基づく。スロット構成0の場合、異なるヌメロロジーμ0~4が、サブフレームごとに、それぞれ、1つ、2つ、4つ、8つ、および16個のスロットを可能にする。スロット構成1の場合、異なるヌメロロジー0~2が、サブフレームごとに、それぞれ、2つ、4つ、および8つのスロットを可能にする。したがって、スロット構成0およびヌメロロジーμの場合、14個のシンボル/スロットと2μ個のスロット/サブフレームとがある。サブキャリア間隔とシンボル長/持続時間とは、ヌメロロジーの関数である。サブキャリア間隔は2μ*15キロヘルツ(kHz)に等しくなり得、ここで、μはヌメロロジー0~4である。したがって、ヌメロロジーμ=0は15kHzのサブキャリア間隔を有し、ヌメロロジーμ=4は240kHzのサブキャリア間隔を有する。シンボル長/持続時間は、サブキャリア間隔と逆関係にある。図2A図2Dは、スロットごとに14個のシンボルをもつスロット構成0およびサブフレームごとに4つのスロットをもつヌメロロジーμ=2の一例を提供する。スロット持続時間は0.25msであり、サブキャリア間隔は60kHzであり、シンボル持続時間は約16.67μsである。フレームのセット内に、周波数分割多重化された1つまたは複数の異なる帯域幅部分(BWP)(図2B参照)があり得る。各BWPは、特定のヌメロロジーを有し得る。
【0036】
[0048]フレーム構造を表すためにリソースグリッドが使用され得る。各タイムスロットは、12個の連続するサブキャリアを延在する(物理RB(PRB)とも呼ばれる)リソースブロック(RB)を含む。リソースグリッドは複数のリソース要素(RE)に分割される。各REによって搬送されるビットの数は変調方式に依存する。
【0037】
[0049]図2Aに示されているように、REのうちのいくつかは、UEのための基準(パイロット)信号(RS)を搬送する。RSは、(1つの特定の構成のためにRxとして示される)復調RS(DM-RS)(ここで、100xは、ポート番号であるが、他のDM-RS構成は可能である)とUEにおけるチャネル推定のためのチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)とを含み得る。RSはまた、ビーム測定RS(BRS)と、ビーム改良RS(BRRS)と、位相トラッキングRS(PT-RS)とを含み得る。
【0038】
[0050]図2Bは、フレームのサブフレーム内の様々なDLチャネルの一例を示す。物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、1つまたは複数の制御チャネル要素(CCE)内でDCIを搬送し、各CCEは9つのREグループ(REG)を含み、各REGは、OFDMシンボル中に4つの連続するREを含む。1つのBWP内のPDCCHは、制御リソースセット(CORESET)と呼ばれることがある。追加のBWPが、チャネル帯域幅にわたって、より大きいおよび/またはより低い周波数に位置し得る。1次同期信号(PSS)は、フレームの特定のサブフレームのシンボル2内にあり得る。PSSは、サブフレーム/シンボルタイミングと物理レイヤ識別情報とを決定するためにUE104によって使用される。2次同期信号(SSS)は、フレームの特定のサブフレームのシンボル4内にあり得る。SSSは、物理レイヤセル識別情報グループ番号と無線フレームタイミングとを決定するためにUEによって使用される。物理レイヤ識別情報および物理レイヤセル識別情報グループ番号に基づいて、UEは物理セル識別子(PCI)を決定することができる。PCIに基づいて、UEは前述のDM-RSの位置を決定することができる。マスタ情報ブロック(MIB)を搬送する物理ブロードキャストチャネル(PBCH)は、(SSブロック(SSB)とも呼ばれる)同期信号(SS)/PBCHブロックを形成するためにPSSおよびSSSを用いて論理的にグループ化され得る。MIBは、システム帯域幅中のRBの数と、システムフレーム番号(SFN)とを提供する。物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)は、ユーザデータと、システム情報ブロック(SIB)などのPBCHを通して送信されないブロードキャストシステム情報と、ページングメッセージとを搬送する。
【0039】
[0051]図2Cに示されているように、REのうちのいくつかは、基地局におけるチャネル推定のために(1つの特定の構成についてRとして示されるが、他のDM-RS構成が可能である)DM-RSを搬送する。UEは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)のためのDM-RSと物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)のためのDM-RSとを送信し得る。PUSCH DM-RSは、PUSCHの最初の1つまたは2つのシンボル中で送信され得る。PUCCH DM-RSは、短いPUCCHが送信されるのか長いPUCCHが送信されるのかに応じて、および使用される特定のPUCCHフォーマットに応じて、異なる構成で送信され得る。UEは、サウンディング基準信号(SRS)を送信し得る。SRSは、サブフレームの最後のシンボル中で送信され得る。SRSはコム構造を有し得、UEは、コムのうちの1つの上でSRSを送信し得る。SRSは、基地局によって、UL上での周波数依存スケジューリングを可能にするために、チャネル品質推定のために使用され得る。
【0040】
[0052]図2Dは、フレームのサブフレーム内の様々なULチャネルの一例を示す。PUCCHは、一構成では図示のように位置し得る。PUCCHは、スケジューリング要求、チャネル品質インジケータ(CQI)、プリコーディング行列インジケータ(PMI)、ランクインジケータ(RI)、およびハイブリッド自動再送要求(HARQ)確認応答(ACK)/否定確認応答(NACK)フィードバックなど、アップリンク制御情報(UCI)を搬送する。PUSCHはデータを搬送し、バッファステータス報告(BSR)、電力ヘッドルーム報告(PHR)、および/またはUCIを搬送するためにさらに使用されてよい。
【0041】
[0053]図3は、アクセスネットワーク内でUE350と通信している基地局310のブロック図である。DLでは、EPC160からのIPパケットは、コントローラ/プロセッサ375に提供され得る。コントローラ/プロセッサ375はレイヤ3およびレイヤ2の機能を実装する。レイヤ3は無線リソース制御(RRC)レイヤを含み、レイヤ2は、サービスデータ適応プロトコル(SDAP)レイヤと、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)レイヤと、無線リンク制御(RLC)レイヤと、媒体アクセス制御(MAC)レイヤとを含む。コントローラ/プロセッサ375は、システム情報(たとえば、MIB、SIB)のブロードキャスティングと、RRC接続制御(たとえば、RRC接続ページング、RRC接続確立、RRC接続変更、およびRRC接続解放)と、無線アクセス技術(RAT)間モビリティと、UE測定報告のための測定構成とに関連するRRCレイヤ機能、ならびにヘッダ圧縮/解凍と、セキュリティ(暗号化、解読、完全性保護、完全性検証)と、ハンドオーバサポート機能とに関連するPDCPレイヤ機能、ならびに上位レイヤパケットデータユニット(PDU)の転送と、ARQを介した誤り訂正と、RLCサービスデータユニット(SDU)の連結、セグメンテーション、およびリアセンブリと、RLCデータPDUの再セグメンテーションと、RLCデータPDUの並べ替えとに関連するRLCレイヤ機能、ならびに論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピングと、トランスポートブロック(TB)上へのMAC SDUの多重化と、TBからのMAC SDUの逆多重化と、スケジューリング情報報告と、HARQを介した誤り訂正と、優先度ハンドリングと、論理チャネル優先度付けとに関連するMACレイヤ機能を提供する。
【0042】
[0054]送信(TX)プロセッサ316および受信(RX)プロセッサ370は、様々な信号処理機能に関連付けられたレイヤ1機能を実装する。物理(PHY)レイヤを含むレイヤ1は、トランスポートチャネル上の誤り検出と、トランスポートチャネルの前方誤り訂正(FEC)コーディング/復号と、インターリービングと、レートマッチングと、物理チャネル上へのマッピングと、物理チャネルの変調/復調と、MIMOアンテナ処理とを含んでもよい。TXプロセッサ316は、様々な変調方式(たとえば、2位相シフトキーイング(BPSK)、4位相シフトキーイング(QPSK)、M位相シフトキーイング(M-PSK)、多値直交振幅変調(M-QAM))に基づく信号コンスタレーションへのマッピングを扱う。コーディングされ、変調されたシンボルは、次いで、並列ストリームにスプリットされ得る。各ストリームは、次いで、時間領域OFDMシンボルストリームを搬送する物理チャネルを生成するために、OFDMサブキャリアにマッピングされ、時間領域および/または周波数領域中で基準信号(たとえば、パイロット)と多重化され、次いで逆高速フーリエ変換(IFFT)を使用して互いに合成され得る。OFDMストリームは、複数の空間ストリームを生成するために空間的にプリコーディングされる。チャネル推定器374からのチャネル推定値は、コーディングおよび変調方式を決定するために、ならびに空間処理のために使用されてよい。チャネル推定値は、UE350によって送信された基準信号および/またはチャネル状態フィードバックから導出され得る。各空間ストリームは、次いで、別々の送信機318TXを介して異なるアンテナ320に供給されてもよい。各送信機318TXは、送信用にそれぞれの空間ストリームを有するRFキャリアを変調することができる。
【0043】
[0055]UE350において、各受信機354RXは、受信機のそれぞれのアンテナ352を介して信号を受信する。各受信機354RXは、RFキャリア上に変調された情報を復元し、その情報を受信(RX)プロセッサ356に供給する。TXプロセッサ368およびRXプロセッサ356は、様々な信号処理機能に関連するレイヤ1機能を実装する。RXプロセッサ356は、UE350に宛てられた空間ストリームを復元するために、情報に対して空間処理を実施し得る。複数の空間ストリームがUE350に宛てられた場合、それらは、RXプロセッサ356によって単一のOFDMシンボルストリームに合成され得る。RXプロセッサ356は、次いで、高速フーリエ変換(FFT)を使用して、OFDMシンボルストリームを時間領域から周波数領域に変換する。周波数領域信号は、OFDM信号の各サブキャリアについて別個のOFDMシンボルストリームを備える。各サブキャリア上のシンボルと、基準信号とは、基地局310によって送信される、可能性が最も高い信号コンスタレーションポイントを決定することによって復元され、復調される。これらの軟判定は、チャネル推定器358によって算出されたチャネル推定値に基づいてもよい。軟判定は、次いで、物理チャネル上で基地局310によって最初に送信されたデータと制御信号とを復元するために復号およびデインターリーブされる。データおよび制御信号は、次いで、レイヤ3およびレイヤ2機能を実装するコントローラ/プロセッサ359に与えられる。
【0044】
[0056]コントローラ/プロセッサ359は、プログラムコードとデータとを記憶するメモリ360と関連付けることができる。メモリ360は、コンピュータ可読媒体と呼ばれることがある。ULでは、コントローラ/プロセッサ359は、EPC160からのIPパケットを復元するために、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の逆多重化と、パケットリアセンブリと、解読と、ヘッダ解凍と、制御信号処理とを与える。コントローラ/プロセッサ359はまた、HARQ動作をサポートするために、ACKおよび/またはNACKプロトコルを使用する誤り検出を担当する。
【0045】
[0057]基地局310によるDL送信に関して記載された機能と同様に、コントローラ/プロセッサ359は、システム情報(たとえば、MIB、SIB)収集、RRC接続、および測定報告に関連付けられたRRCレイヤ機能と、ヘッダ圧縮/解凍およびセキュリティ(暗号化、解読、完全性保護、完全性検証)に関連付けられたPDCPレイヤ機能と、上位レイヤPDUの転送、ARQを介した誤り訂正、RLC SDUの連結、セグメンテーション、およびリアセンブリ、RLCデータPDUの再セグメンテーション、ならびにRLCデータPDUの並べ替えに関連付けられたRLCレイヤ機能と、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピング、TB上へのMAC SDUの多重化、TBからのMAC SDUの逆多重化、スケジューリング情報報告、HARQを介した誤り訂正、優先度ハンドリング、および論理チャネル優先度付けに関連付けられたMACレイヤ機能とを実現する。
【0046】
[0058]基地局310によって送信された基準信号またはフィードバックからチャネル推定器358によって導出されたチャネル推定値は、適切なコーディングおよび変調方式を選択し、空間処理を容易にするために、TXプロセッサ368によって使用されてよい。TXプロセッサ368によって生成された空間ストリームは、別々の送信機354TXを介して異なるアンテナ352に供給されてもよい。各送信機354TXは、送信のためにそれぞれの空間ストリームでRFキャリアを変調することができる。
【0047】
[0059]UL送信は、UE350における受信機機能に関して記載された方式と同様の方式で、基地局310において処理される。各受信機318RXは、受信機のそれぞれのアンテナ320を介して信号を受信する。各受信機318RXは、RFキャリア上に変調された情報を復元し、その情報をRXプロセッサ370に与える。
【0048】
[0060]コントローラ/プロセッサ375は、プログラムコードとデータとを記憶するメモリ376に関連し得る。メモリ376は、コンピュータ可読媒体と呼ばれることがある。ULでは、コントローラ/プロセッサ375は、UE350からのIPパケットを復元するために、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の逆多重化と、パケットリアセンブリと、解読と、ヘッダ解凍と、制御信号処理とを与える。コントローラ/プロセッサ375からのIPパケットは、EPC160に提供され得る。コントローラ/プロセッサ375はまた、HARQ動作をサポートするために、ACKおよび/またはNACKプロトコルを使用する誤り検出を担当する。
【0049】
[0061]TXプロセッサ368、RXプロセッサ356、およびコントローラ/プロセッサ359のうちの少なくとも1つは、図1のCFO補償構成要素198に関連する態様を実行するように構成され得る。
【0050】
[0062]4ステップ競合ベースRACHプロシージャでは、UEと基地局との間に4つのメッセージが与えられ得る。たとえば、初期アタッチプロシージャ中に、UEは、基地局にプリアンブルを送り(たとえば、メッセージ1)、基地局からRARを受信し(たとえば、メッセージ2)、基地局にRRC接続要求メッセージまたは他のペイロードを送り(たとえば、メッセージ3)、基地局から競合解決されるRRC接続セットアップメッセージまたは他の送信を受信し得る(たとえば、メッセージ4)。この4ステップRACHプロシージャは、UEが第1のメッセージ中でプリアンブルとペイロードとを送る2ステップRACHプロシージャに簡略化され得る。たとえば、2ステップRACHプロシージャのメッセージA(「msgA」)は、4ステップRACHプロシージャのメッセージ1および3に対応し得、メッセージB(「msgB」)は、4ステップRACHプロシージャのメッセージ2および4に対応し得る。したがって、2ステップRACHプロシージャでは、UEは、msgA送信中でプリアンブルとそれに続くペイロードとを基地局に送り得、基地局は、msgB送信中でRARとRRC応答メッセージとをUEに送り得る。
【0051】
[0063]UEは、UEによって生成されたランダムアクセスプリアンブルのセット(xu,v(n))からメッセージ1またはmsgAのためのプリアンブルを選択し得る。ランダムアクセスプリアンブルのセットは、様々な構成されたRACHパラメータの関数であり得る。たとえば、ランダムアクセスプリアンブルは、少なくとも、論理ルートシーケンスインデックスから取得されたプリアンブルシーケンス番号(u)と、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブルフォーマットに関連する長さ(LRA)と、論理ルートシーケンスのサイクリックシフト(Cv)とに依存し得る。プリアンブルフォーマットは、次に、以下の表1の例に示される、PRACHプリアンブルサブキャリア間隔(ΔfRA)、プリアンブル長(Nu)、プリアンブルサイクリックプレフィックス長
【0052】
【数1】
【0053】
、およびプリアンブルシーケンスの制限されたセットのサポートに関連付けられ得る。さらに、プリアンブルシーケンスの制限されていないセットの場合、サイクリックシフト(Cv)はサイクリックシフトパラメータ(NCS)の関数であり得、プリアンブルシーケンスの制限されたセットの場合、サイクリックシフトはNCSとドップラーシフトパラメータ(du)との関数であり得る。
【0054】
【表1】
【0055】
[0064]UEが、生成されたプリアンブルのセットからプリアンブルを選択した後、UEは、構成された時間および周波数リソース中で基地局にプリアンブルを送信し得る。時間および周波数リソースは、様々な構成されたRACHパラメータの関数であり得る。たとえば、プリアンブルが送信されるスロットまたはシンボルは、PRACH構成インデックスに依存し得、プリアンブルが送信されるサブキャリアは、長さ(LRA)およびPRACHプリアンブルサブキャリア間隔(ΔfRA)に依存し得る。サブキャリアは、生成されたプリアンブルシーケンスのセットの周波数領域表現(yu,v(n))に従って周波数領域にわたって拡散され得、周波数領域表現は、サイクリックシフト(Cv)の関数である。したがって、セット中の各プリアンブルシーケンスは、それぞれのサイクリックシフトに基づいてPRACHサブキャリアの異なる組合せにわたって周波数領域中で構成され得るが、ここで、各PRACHサブキャリアは、PRACHプリアンブルサブキャリア間隔に従って周波数において互いに離間する。その結果、(ΔfRAだけ分離した)隣接するPRACHサブキャリアが、異なるプリアンブルシーケンスのために構成され得、UEは、そのプリアンブルシーケンスの対応するPRACHサブキャリア中で選択されたプリアンブルを送信し得る。
【0056】
[0065]UEが(メッセージ1またはmsgA中の)PRACHサブキャリア中で選択されたプリアンブルを基地局に送信した後、基地局は、メッセージを復号し、UEによって送信されたプリアンブルを識別し得る。たとえば、基地局は、PRACHサブキャリア中のデータを受信および復調し、PRACHデータが受信されたサブキャリアに基づいてUEの選択されたプリアンブルシーケンスを決定し得る。プリアンブルを識別したことに応答して、基地局は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含むRARを構成し得る。基地局は、復号されたプリアンブルシーケンス(たとえば、UEによって送信されたと決定されたプリアンブルシーケンス)に関連する識別子を用いてRAPIDを構成し得る。次いで、基地局は、メッセージ2またはmsgB中でRARをUEに送信し得る。
【0057】
[0066]UEがRARを受信および復号すると、UEは、RAR中のRAPIDがUEの選択されたプリアンブルシーケンスに関連付けられた識別子と同じであるかどうかを決定し得る。RAPIDがプリアンブルと一致する場合、UEは、プリアンブルが正常に受信されたか、またはRACHプロシージャが正常に実行されたと決定し得、UEは、それに応じて基地局と通信し得る。そうではなく、RAPIDがプリアンブルに一致しない(たとえば、RAPIDが不一致RAPIDである)場合、UEは、RACHプロシージャが失敗したと決定し得、UEは、メッセージ1またはmsgAからRACHプロシージャを再開し得る。
【0058】
[0067]不整合のRAPIDが観測され得る1つのシナリオは、HST展開におけるものである。HSTは、迅速で、便利で、環境に優しく、柔軟な輸送手段として最近開発された。UEを携行するますます多くの乗客がHST上を移動する傾向にあるので、増大する通信需要に適応するために信頼できる通信サービスを提供する際に新しい課題が生じている。たとえば、典型的なHSTは、時速200キロメートル(km/h)を上回る速度で、または時速350kmをも上回る速度で移動することがあり、その結果、頻繁かつ高速なハンドオーバ、大きなドップラー拡散、および他の影響が生じる。これらの課題を克服しようとして、mmWおよび大規模MIMO技術、ならびにCoMPおよびモバイル中継局アーキテクチャが、HST展開のために検討されてきた。
【0059】
[0068]しかしながら、そのような技術にもかかわらず、従来のHST展開は、上述の不整合のRAPIDを含む、HSTにおいて生じ得るすべての可能なシナリオをカバーするには依然として不十分であり得る。たとえば、HST内またはHST上に位置するUE(本明細書では、HST UEと呼ばれる)は、しばしば、非HSTセル(たとえば、HSTの外側またはそこから離れて位置する基地局によってサービス提供されるセル)にキャンプオンされる。これらの非HSTセルは、元は、HSTの外側に、またはHSTから離れて位置するUE(本明細書では、非HST UEと呼ばれる)をサポートするように設計されているため、これらの非HSTセルにサービスを提供する基地局は、類似のRACH構成を用いて、HST UEおよび非HST UEを同様に構成し得る。たとえば、非HSTセル内の基地局は、HST UEと非HST UEの両方に、PRACHプリアンブルフォーマット0(上記の表1参照)を示し、プリアンブルシーケンスの無制限のセットを採用する、RACH構成を提供し得る。その結果、非HSTセルにキャンプオンされたHST UEは、RAR内のRAPIDとUEの選択されたプリアンブルとの間の不整合に起因して、頻繁なRACH失敗を経験する傾向がある。これらのRAPID不整合は、典型的には、そのようなプリアンブルフォーマットに関連する比較的小さいPRACHプリアンブルサブキャリア間隔(たとえば、ΔfRA=1.25kHz)と、メッセージ1またはmsgAを送信するときにHST UEが経験し得る比較的大きいアップリンクドップラーシフトとによるものである。
【0060】
[0069]ここで、アップリンクドップラーシフトは、送信側UEの動きに対する、基地局により受信される無線信号の周波数シフトを指す。たとえば、固定基地局が、200km/hで移動するHST内のHST UEから3.5GHzのキャリア周波数を介してRACHメッセージを受信する場合、RACHメッセージは、±600Hzの間で変化するドップラーシフトまたは周波数オフセットを受け得る。さらに、固定基地局が、350km/hで移動しているHST内のHST UEから3.8GHzの搬送周波を介してRACHメッセージを受信する場合、RACHメッセージは、±1230Hzの間で変化するドップラーシフトまたは周波数オフセットを受け得る。そのようなドップラーシフトは、HST UEおよび非HST UEのための共通プリアンブルフォーマットと典型的には関連付けられる、小さいプリアンブルサブキャリア間隔と比較して、比較的大きいことがある。たとえば、ΔfRA=1.25kHzである場合、基地局は、350km/hのHST上を移動しているHST UEからメッセージ1またはmsgAを、ほぼ1つのPRACHサブキャリアの周波数オフセットで受信し得る。いくつかの場合には、周波数オフセットは、さらにより大きく、典型的には、最大2つのPRACHサブキャリアまでであり得る。受信信号に適用されるこの周波数オフセットの結果として、基地局は、送信されたプリアンブルを異なるプリアンブルとして誤って識別することがあり、その結果、基地局は異なるRAPIDを識別し、最終的なRACH失敗につながる。この誤識別は、正のドップラーシフト(たとえば、プリアンブルが、それが送信されるよりも高い周波数で受信される場合)または負のドップラーシフト(たとえば、プリアンブルが、それが送信されるよりも低い周波数で受信される場合)のいずれかから生じ得る。したがって、HST UEのRACH成功率を改善するために、これらのキャリア周波数オフセットを補償することが有用である。
【0061】
[0070]たとえば、図4は、HST上のUE(HST UE402)が非HSTセル内の基地局404と通信し得るHST展開の例400を示す。基地局404はまた、HSTの外部のUE(非HST UE406)と通信し得る。RACHプロシージャの間、HST UE402は、所与の周波数Aでプリアンブルを含むRACHメッセージ408(たとえば、メッセージ1またはmsgA)を基地局404に送信し得る。しかしながら、基地局に対するHST UEの高速のために、ドップラーシフト410または周波数オフセットが適用されてもよく、その結果、RACHメッセージは、異なる周波数Bで基地局によって受信される。この周波数オフセットの結果として、基地局404は、不正確なプリアンブルを識別し、それに応じて不正確なRAPIDを含むRAR412(たとえば、メッセージ2またはmsgB)をHST UEに送信し得る。RACHメッセージ408のプリアンブルとRAR412のRAPIDとの間の不整合の結果として、RACHプロシージャは失敗し得、プロセスは、後続のRACH試行のために非効率的に繰り返し得る。
【0062】
[0071]この問題を解決するために、本開示の態様は、(たとえば、HSTにおいて)RACHプリアンブルを送信するとき、UEがアップリンクドップラーシフトを補償することを可能にする。一例では、UEは、不整合のRAPIDについて、連続するRACH試行の数N(たとえば、1番目からN番目までのRACH試行)を監視することがある。たとえば、UEは、N個の連続するRARを取得し得、ここで、各RARは、送信されたプリアンブルに応答し、UEは、RARのうちのいずれかが、UEによって送信された対応するプリアンブルシーケンスの識別子に一致しないRAPIDを含むかどうかを決定し得る。UEが、前述のドップラーシフト効果に応答して、しきい値数K回のこれらのRACH試行が不整合のRAPIDに起因して失敗したと決定した場合、UEは、後続のRACH試行においてこの周波数オフセットを補償し得る。たとえば、UEが、N個の連続するRARのうちのK個が、正または負のドップラーシフトにより、対応するプリアンブルシーケンスの識別子に一致しないRAPIDを含むと決定した場合、UEは、このドップラーシフトを補償するために、(たとえば、RACH試行N+1以降において)後続のメッセージ1またはmsgAのキャリア周波数を正または負にオフセットし得る。たとえば、UEが、3.8GHzのキャリア周波数上でRACH試行1~Nにおいてプリアンブルを送信した場合、UEは、600Hz(3.8000006GHz)または-600Hz(3.7999994GHz)のキャリア周波数オフセットをして後続のRACH試行N+1においてプリアンブルを送信し得る。UEは、基地局が送信されたプリアンブルを正常に復号し、UEが送信されたプリアンブルに一致するRAPIDを有するRARを受信するまで、(正または負の)様々なキャリア周波数オフセットをして後続のRACHプリアンブルを同様に送信し得る。その結果、RACH成功率は、HST UEに対して増加され得る。
【0063】
[0072]図5は、基地局504とともにRACHプロシージャを実行するときにアップリンクドップラーシフトを補償するUE502の一例500を示す。UE502は、図4のHST UE402に対応し得、基地局504は、図4の基地局404に対応し得る。最初に、UE502は、最高N回の連続するRACH試行を監視し得、各RACH試行506において、UEは、基地局504にRACHメッセージ508(たとえば、メッセージ1またはmsgA)を送信し、基地局からRAR510(たとえば、メッセージ2またはmsgB)を受信する。各RACHメッセージ508は、UE502によって選択されたプリアンブルを含み得、各RAR510は、基地局504によって構成されたRAPIDを含み得る。回数Nは、UEのために構成されたプリアンブル送信の最大回数の関数である構成可能な値であり得る。プリアンブル送信の最大回数は、基地局がRRCメッセージ中でUEにシグナリングし得るパラメータpreambleTransMaxを介して構成され得る。たとえば、基地局は、N=minimum(preambleTransMax,10)と構成し得る。
【0064】
[0073]UE502がRAR510中でRAPIDを受信する各RACH試行506について、UEは、RAPIDが対応するRACHメッセージ508中のプリアンブルに一致するかどうかを検査する。UE502が、しきい値数512のRACH試行506(たとえば、N回の連続するRACH試行内のK回のRACH試行)が不整合RAPIDにより失敗した(たとえば、RAPIDがK回の試行の各々においてプリアンブルに一致しない)と決定した場合、UEは、これらの失敗した試行の各々が各RACHメッセージ508についてのキャリア周波数514におけるアップリンクドップラーシフトまたはオフセットによるものであるかどうかを決定し得る。しきい値数Kは、N回の連続するRACH試行内の連続するまたは不連続のRACH試行の任意の組合せを含み得る。たとえば、N=10およびK=5の場合、RACH試行のしきい値数は、5つの異なるRACH試行1~5回目、RACH試行3~7回目、RACH試行6~10回目、RACH試行1、3、5、7、9回目、RACH試行2、4、6、8、10回目、RACH試行3、4、7、9、10回目、またはN回の連続するRACH試行内のK回の異なるRACH試行の任意の他の組合せを含み得る。
【0065】
[0074]UEはまた、これらのK回のRACH試行のうちの(もしあれば)いくつが(数K1によって表される)正方向のドップラーシフトを含むかと、これらのK回のRACH試行のうちの(もしあれば)いくつが(数K2によって表される)負方向のドップラーシフトを含むかとを決定し得るが、ここで、K=K1+K2である。たとえば、図6は、RACHプリアンブルを基地局604へ送信するUE602の一例600を示し、ここで、PRACH606において搬送されるRACHプリアンブルは、各々、正(K1)方向または負(K2)方向のアップリンクドップラーシフトを受ける。UE602は、図4および図5のHST UE402およびUE502に対応し得、基地局604は、図4および図5の基地局404、504に対応し得る。この例では、UE602がPRACH1中でRACH試行1についてのRACHプリアンブルを送信するとき、PRACH1は、基地局604が送信されるよりも高い周波数でPRACH1を受信するように、正のドップラーシフトを受け得る。その結果、基地局は、異なるプリアンブルを含むものとしてPRACH1を誤認し、それに応じて不正確なRAPIDを構成し得る。したがって、PRACH1は、K1の合計に含まれ得る。同様に、UE602がPRACH試行2についてのRACHプリアンブルをPRACH2中で送信するとき、PRACH2は、基地局604が送信されるよりも低い周波数でPRACH2を受信するように、負のドップラーシフトを受け得る。その結果、基地局は、同様に、異なるプリアンブルを含むものとしてPRACH2を誤認し、それに応じて不正確なRAPIDを構成し得る。したがって、PRACH2は、K2の合計に含まれ得る。UEは、他のRACH試行についてPRACH中でRACHプリアンブルを送信し続け得るが、ここで、各PRACHは、正または負のドップラーシフトのいずれかを受け得る。
【0066】
[0075]一例では、UEは、基地局において予想されるRAPIDに基づいて、RAPID不整合がアップリンクドップラーシフト効果により生じるかどうかと、ドップラーシフトの方向(正または負)とを決定する。たとえば、UEは、ドップラーシフトまたはキャリア周波数オフセット(CFO)の存在および方向を決定するために、以下の式を適用し得る。
【0067】
[0076]
【0068】
【数2】
【0069】
[0077]ここで、RAPID0は、サイクリックシフトCv=0をもつルートuのRAPIDを表す。
【0070】
[0078]
【0071】
【数3】
【0072】
[0079]ここで、vUEは、RAPIDUEのサイクリックシフトインデックスを表す。
【0073】
[0080]
【0074】
【数4】
【0075】
[0081]ここで、
【0076】
【数5】
【0077】
は、CFO>0(正のドップラーシフト)の場合のRAPID0に対するシフトを表す。
【0078】
[0082]
【0079】
【数6】
【0080】
[0083]ここで、
【0081】
【数7】
【0082】
は、CFO<0(負のドップラーシフト)の場合のRAPID0に対するシフトを表す。
【0083】
[0084]
【0084】
【数8】
【0085】
[0085]
[0086]ここで、gは、RAPIDへのマッピングを表す。
【0086】
[0087]遅延dDの場合、受信機において予想されるRAPIDは、
[0088]
【0087】
【数9】
【0088】
[0089]
[0090]であり、ここで、
【0089】
【数10】
【0090】
または
【0091】
【数11】
【0092】
は、RAPID0に対する総シフトを表す。さらに、
[0091]
【0093】
【数12】
【0094】
[0092]
[0093]ここで、RAPIDposおよびRAPIDnegは、それぞれ、0≦dD≦NCS-1の場合に、正および負の周波数オフセットに対して可能な受信RAPIDを表す。
【0095】
[0094]予想されるRAPID(RAPIDposおよびRAPIDneg)と、基地局(RAPIDgNB)からRARにおいて受信された実際のRAPIDとを決定すると、UEは、RAPID不整合がCFOに起因するかどうかを決定し、そうであれば、CFOの方向を決定するために、次の決定ルールを適用し得る。
【0096】
[0095]
【0097】
【数13】
【0098】
[0096]式8において、「Not Doppler」は、不整合RAPIDがドップラー効果に起因しなかった(周波数オフセットなし)という決定を表し、「Positive Doppler」は、不整合RAPIDが正の周波数オフセット(たとえば、図6のPRACH1)に起因したという決定を表し、「Negative Doppler」は、不整合RAPIDが負の周波数オフセット(たとえば、図6のPRACH2)に起因したという決定を表し、「Ambiguity」は、不整合RAPIDが正または負の周波数オフセットのいずれかに起因し得るという決定を表す。
【0099】
[0097]別の例では、UEは、基地局において予想されるRAPIDと、基地局からRARにおいて受信されたタイミングアドバンスとに基づいて、RAPID不整合がアップリンクドップラーシフト効果により生じたかどうかと、ドップラーシフトの方向(正または負)とを決定し得る。たとえば、UEは、ドップラーシフトまたはCFOの存在および方向を決定するために、以下の式を適用し得る。
【0100】
[0098]
【0101】
【数14】
【0102】
[0099]ここで、RAPID0は、サイクリックシフトCv=0をもつルートuのRAPIDを表す。
【0103】
[00100]
【0104】
【数15】
【0105】
[00101]ここで、vUEは、RAPIDUEのサイクリックシフトインデックスを表す。
【0106】
[00102]
【0107】
【数16】
【0108】
[00103]ここで、
【0109】
【数17】
【0110】
は、CFO>0(正のドップラーシフト)の場合のRAPID0に対するシフトを表す。
【0111】
[00104]
【0112】
【数18】
【0113】
[00105]であり、ここで、
【0114】
【数19】
【0115】
は、CFO<0(負のドップラーシフト)の場合のRAPID0に対するシフトを表す。
【0116】
[00106]
【0117】
【数20】
【0118】
[00107]ここで、vgNBは、RAPIDgNBのサイクリックシフトインデックスを表す。
【0119】
[00108]
【0120】
【数21】
【0121】
[00109]ここで、TNWは、ネットワークによって報告されるタイミングアドバンスを秒で表し、TRAは、RACHサンプリング期間を表す。
【0122】
[00110]
【0123】
【数22】
【0124】
[00111]
[00112]ここで、式15は、予想されるRAPIDについてのサイクリックシフトに関連する下限LBおよび上限UBを定義し、εは、TNWにおける誤差をカバーするための誤差マージンを表す。
【0125】
[00113]
【0126】
【数23】
【0127】
[00114]ここで、IDは、予想されるRAPIDに対する可能な受信サイクリックシフトを表す。
【0128】
[00115]予想されるRAPID(ID)についてのサイクリックシフトを決定すると、UEは、RAPID不整合がCFOによるものであるかどうかと、そうである場合、CFOの方向とを決定するために、以下の決定ルールを適用し得る。
【0129】
[00116]
【0130】
【数24】
【0131】
[00117]式17において、「Not Doppler」は、不整合RAPIDがドップラー効果に起因しなかった(周波数オフセットなし)という決定を表し、「Positive Doppler」は、不整合RAPIDが正の周波数オフセット(たとえば、図6のPRACH1)に起因したという決定を表し、「Negative Doppler」は、不整合RAPIDが負の周波数オフセット(たとえば、図6のPRACH2)に起因したという決定を表し、「Ambiguity」は、不整合RAPIDが正または負の周波数オフセットのいずれかに起因し得るという決定を表す。
【0132】
[00118]上記の2つの例は、CFOおよび方向を決定するためにUEが適用し得る特定のパラメータおよび式を示しているが、UEは、その決定を行うために他のパラメータまたは式を適用し得る。したがって、上記の例は、本質的に例示的であることのみが意図され、CFOおよび方向の決定は、これらの例に示されるパラメータおよび式に限定されない。
【0133】
[00119]たとえば、上記の例で説明されたように、UEは、ドップラーシフトパラメータduに基づいてドップラーシフトの存在および方向を決定し得る(たとえば、式3、式4、式11、および式12参照)。通常、HSTにおいて観測される最大アップリンクCFOは、最大ドップラーシフトの2倍(たとえば、350km/hのHSTの場合、2×1230Hz=2460Hz、またはΔfRA=1.25kHzと仮定すると、ほぼ2つのPRACHサブキャリア)であり得る。したがって、duは、d(1) uまたはd(2) uのいずれかとして表され得、それぞれ、1つまたは2つのPRACHサブキャリアと同程度の大きさの周波数オフセットによる誤警報ピークのサイクリックシフト位置を表し得る。たとえば、シーケンスu上のサイクリックシフトd(1) uは、1つのPRACHサブキャリアと同程度の大きさの周波数オフセットから生じ得、シーケンスu上のサイクリックシフトd(2) uは、2つのPRACHサブキャリアと同程度の大きさの周波数オフセットから生じ得る。したがって、上記の式3、4、11、および12において、duは、(せいぜい1つのPRACHサブキャリアオフセットについて)d(1) uまたは(せいぜい2つのPRACHサブキャリアオフセットについて)d(2) uのいずれかと置き換えられ得、ここで、d(1) uは、u*d(1) umod LRA=+/-1を満たす最小の正の整数または最大の負の整数であり、ここで、d(2) uは、u*d(2) umod LRA=+/-2を満たす最小の正の整数または最大の負の整数である。
【0134】
[00120]再び図5を参照すると、UE502が、たとえば、上記の式8または式17における正のドップラー、負のドップラー、または曖昧さを決定したことに応答して、しきい値数512(N回のうちのK回)のRACH試行が、各々アップリンクドップラーシフトにより失敗したと決定した場合、UEは、(RACH試行N+1回目から始まる)各後続のRACHメッセージ518についてのキャリア周波数514をオフセットすることによって、後続のRACH試行516におけるドップラーシフトを補償し得る。たとえば、UEは、オフセットされたキャリア周波数において後続のRACHメッセージ中でプリアンブルを送信することによって、RACH試行N+1中の後続のRACHメッセージ518についてのキャリア周波数514にオフセット520を適用し得る。たとえば、UEが3.8GHzの周波数においてRACH試行1~Nを送信した場合、UEは、オフセットされたキャリア周波数(たとえば、それぞれ3.8000006GHzまたは3.7999994GHz)においてそのRACH試行中にプリアンブルを送信することによって、600Hzまたは-600HzのオフセットをRACH試行N+1に適用し得る。UEは、各後続のRACH試行(たとえば、N+2など)において異なるオフセット(または同じオフセット)を適用し得、UEは、送信されたプリアンブルに一致する後続のRAPID522をUEが受信するまで、それに応じて後続のRACHメッセージにオフセットを適用し続け得る。
【0135】
[00121]たとえば、図7は、N回の初期RACH試行中のK回の不整合RAPIDの決定に続いて、異なるRACHプリアンブルについてのキャリア周波数をオフセットするUE702の例700を示す。UE702は、図4図6のHST UE402およびUE502、602に対応し得る。UEは、たとえば、ドップラーシフト効果を補償するために、異なる(正または負の)周波数オフセットでPRACH704中の各プリアンブルを送信することによって、各RACHプリアンブルについてのキャリア周波数をオフセットし得る。たとえば、UE702は、正の方向または負の方向のいずれかにおける第1のキャリア周波数オフセットに従って、PRACH N+1中のRACH試行N+1についてのRACHプリアンブルを送信し得る。たとえば、(RACH試行Nまたは以前の試行における)以前のPRACHが正のドップラーシフトを受けた場合、UEは、正のドップラーシフトを補償しようとして、より低い周波数(負の周波数オフセット)でPRACH N+1を送信することがあるが、以前のPRACHが負のドップラーシフトを受けた場合、UEは、負のドップラーシフトを補償しようとして、より高い周波数(正の周波数オフセット)でPRACH N+1を送信することがある。第1のキャリア周波数オフセットの値がドップラーシフトを補償するのに不十分である場合、基地局は、依然として、PRACH N+1を異なるプリアンブルを含むものとして誤って識別し、それに応じて不正確なRAPIDを構成し得る。したがって、UEは、次のRACH試行においてより多くの補償(異なるオフセット)を適用することを試み得る。たとえば、UE702は、正の方向または負の方向のいずれかにおける第2のキャリア周波数オフセットに従って、RACH試行N+2についてのRACHプリアンブルを送信し得るが、ここで、第2のキャリア周波数オフセットは第1のキャリア周波数オフセットとは異なる。たとえば、UEは、正のドップラーシフトについての補償を増加させるためにPRACH N+1よりも低い周波数で、または負のドップラーシフトについての補償を増加させるためにPRACH N+1よりも高い周波数でPRACH N+2を送信し得る。代替的に、第2のキャリア周波数オフセットは、第1のキャリア周波数オフセットと同じであり得る。UEは、ドップラーシフトが十分に補償され、基地局704がPRACHにおけるプリアンブルを正しく識別するまで、その後のRACH試行に対してPRACHをオフセットし続け得る。その結果、基地局は、正しいRAPIDを構成することができ、それによって、RACH成功の可能性を高めることがある。
【0136】
[00122]再び図5を参照すると、一例では、各オフセット520の値は、基地局がプリアンブルサブキャリア間隔ΔfRAに基づいて構成し得る範囲内に制限され得る。たとえば、基地局は、CFO補償のために以下の範囲を構成することがある。
【0137】
[00123]
【0138】
【数25】
【0139】
[00124]または、
[00125]
【0140】
【数26】
【0141】
[00126]ここで、第1の範囲(18)は、式8または17において負の(または曖昧な)周波数オフセットを決定したことに応答してUEが適用し得る負の範囲の一例を表し、第2の範囲(19)は、式8または17において正の(または曖昧な)周波数オフセットを決定したことに応答してUEが適用し得る正の範囲の一例を表し、RA_SCSはプリアンブルサブキャリア間隔ΔfRAを指す。さらに、Lの値は、RAPID不整合を引き起こす周波数オフセットが1つのPRACHサブキャリアと同じくらい大きいか(この場合、UEは、上記の式3、4、11、または12においてd(1) uを適用し得る)、あるいは2つのPRACHサブキャリアと同じくらい大きいか(この場合、UEは、上記の式3、4、11、または12においてd(2) uを適用し得る)に依存し得る。たとえば、周波数オフセットが1つのPRACHサブキャリアである場合、L=0であり、周波数オフセットが2つのPRACHサブキャリアである場合、L=1である。
【0142】
[00127]加えて、別の例では、前述の範囲(たとえば、負の範囲(18)または正の範囲(19))は、最大アップリンクキャリア周波数オフセットによってさらに最適化され得る。上記の例示的な範囲(18)および(19)では、下限および上限は、L=1の場合、それぞれ、-2.5*RA_SCSおよび2.5RA_SCS(すなわち、-(1.5+[L=1])*RA_SCSおよび(1.5+[L=1])*RA_SCS)であり得る。しかしながら、これらの範囲は、HST展開において観測可能な最大アップリンクCFOを考慮するために最適化され(狭められ)得る。たとえば、上記で説明されたように、HSTにおいて観測される最大アップリンクCFOは、最大ドップラーシフトの2倍(たとえば、350km/hのHSTの場合、2×1230Hz=2460Hz、またはΔfRA=1.25kHzと仮定すると、ほぼ2つのPRACHサブキャリア)であり得る。2460Hz<2.5kHz=2*(ΔfRA=1.25kHz)であるので、UEは、前の例示的な範囲(19)の場合のように2.5*RA_SCSではなく、L=1(2つのPRACHサブキャリア)に対して最大2*RA_SCSの正のCFO補償を適用し得る。同様に、UEは、前の例示的な範囲(18)の場合のように-2.5*RA_SCSではなく、L=1に対して-2*RA_SCSまで負のCFO補償を適用し得る。したがって、前述の範囲(18)および(19)は、(1.5+L)*RA_SCSを2*RA_SCSと置き換えるように修正され得、範囲を狭め、より最適なオフセット決定を可能にする。
【0143】
[00128]UEは、1つまたは複数の構成されたまたは事前構成された表または他のデータ構造に基づいて、(上述の範囲の境界内の)各後続のRACH試行516のために適用されるべき各オフセット520の値を決定し得る。たとえば、基地局は、正の周波数オフセットに対して以下の表2において、または負の周波数オフセットに対して以下の表3において識別されるオフセットを適用するようにUEを構成し得る。
【0144】
【表2】
【0145】
【表3】
【0146】
[00129]ここで、Mは、RACH試行ごとの構成可能なCFO補償ステップを表し(たとえば、M=200Hzまたは何らかの他の構成されたもしくは事前構成された値)、Oは、CFO補償のための構成可能な開始周波数(たとえば、
【0147】
【数27】
【0148】
または、いくつかの他の関数)を表し、Xは、CFO補償が適用され得るRACH試行の最大回数を表す。Xの値は、OおよびMの値に依存し得る。たとえば、Xは、
【0149】
【数28】
【0150】
または、何らかの他の値に等しいことがある。
【0151】
[00130]上記の表2および表3はそれぞれ、UEが後続のRACH試行ごとに異なる正のオフセットを適用するか、または後続のRACH試行ごとに異なる負のオフセットを適用する例示的な構成を指すが、構成はそのように限定されない。たとえば、M、O、およびXのための異なる値もしくは関数、または、M、O、もしくはXとは異なるパラメータが、いずれかの表中のRACH試行に適用され得る。別の例では、表2および表3は、RACH試行全体にわたる交互の正および負のオフセット(または正および負のオフセットの何らかの他の組合せ)を示す単一の表に組み合わせられ得、UEは、それに応じて、後続のRACH試行のうちの異なる試行のために正または負のオフセットを適用し得る。さらなる例では、複数のRACH試行は、表2および表3の場合のように異なるオフセットではなく、同じオフセットに関連付けられ得る。たとえば、RACH試行N+1およびN+2は両方とも、それぞれオフセットO*Mおよび(O+1)*Mではなく、オフセットO*Mに関連付けられ得る。UEは、たとえば、Mが大きい値(たとえば、M=600Hz)であるとき、複数のRACH試行に同じオフセットを適用し得る。
【0152】
[00131]さらに図5を参照すると、別の例では、RAPID不整合の連続番号(Y)が同じ方向の周波数オフセット(たとえば、すべての正のドップラーシフトまたはすべての負のドップラーシフト)に起因する場合、UEはCFO補償を適用し得る。RAPID不整合の連続番号Yがすべて正のCFOによるものであるとUEが決定した場合、UEは、上記の表2に示されたように、各後続のRACH試行516に負の周波数オフセットを適用し得る。代替的に、RAPID不整合の連続番号Yがすべて負のCFOによるものであるとUEが決定した場合、UEは、上記の表3に示されたように、各後続のRACH試行516に正の周波数オフセットを適用し得る。Yの値は、基地局によって構成可能であるか、またはUEのために事前構成され得る(たとえば、Y=3または何らかの他の値)。連続するRAPID不整合は、UEがRAPID試行1~N回において識別する最後の(K番目の)RAPID不整合を含み得る。
【0153】
[00132]たとえば、K=5およびY=3と仮定すると、UEは、以下の方向、すなわち、RACH試行1および2回目の負(K2=2)、ならびにRACH試行3、4、および5回目の正(K1=3)をもつRACH試行1~5回におけるCFOによるRAPID不整合を決定する。そのような場合、(最後またはK番目のRACH試行を含む)3つの連続するRACH試行が正のドップラーシフト方向に関連付けられ、したがって、UEは、後続のRACH試行516も同じドップラーシフト方向(正)を含むことになる可能性が高いと決定し得る。その結果、UEは、上記の表2に従って、後続のRACH試行516に負の周波数オフセットを適用し得る。
【0154】
[00133]他方では、同じ方向の周波数オフセットに起因するRAPID不整合の連続番号Yが決定され得ない場合、UEは、どちらの周波数オフセット方向が、より多くのRAPID不整合に関連付けられるか(たとえば、K1>K2であるか、またはK2>K1であるか)を決定し得る。この決定に続いて、UEは、この方向を補償するために、それに応じて後続のRACH試行516にオフセットを適用し得る。たとえば、K1>K2である場合、UEは、上記の表2に示されたように各後続のRACH試行516に負の周波数オフセットを適用し得、K2>K1である場合、UEは、上記の表3に示されたような各後続のRACH試行516に正の周波数オフセットを適用し得る。
【0155】
[00134]たとえば、K=5およびY=3と仮定すると、UEは、以下の方向、すなわち、RACH試行1、2、および5回目の正(K1=3)、ならびにRACH試行3および4回目の負(K2=2)をもつRACH試行1~5回におけるCFOによるRAPID不整合を決定する。そのような場合、UEは、(この例では、同じ方向における2つの連続するRACH試行のみが存在するので)同じドップラーシフト方向に関連するRAPID不整合の連続番号Yが存在しないと決定し得る。したがって、UEは、K1>K2である(より多くの正のドップラーシフトがある)ので、後続のRACH試行516も正のドップラーシフト方向を含むことになる可能性が高いと決定し得る。その結果、UEは、上記の表2に従って、後続のRACH試行516に負の周波数オフセットを適用し得る。
【0156】
[00135]その結果、UEが、同じ方向の周波数オフセットに起因するRAPID不整合の連続番号Yを決定することができない場合、UEは、どちらの周波数オフセット方向がより多くのRAPID不整合に関連付けられるか(すなわち、多数方向)と、どちらの周波数オフセット方向がより少ないRAPID不整合に関連付けられるか(すなわち、少数方向)とを決定し得、その後、UEは、それに応じてCFO補償を適用し得る。たとえば、K1>K2である場合、UEは、多数方向が正であり、少数方向が負であると決定し得、K2>K1である場合、UEは、多数方向が負であり、少数方向が正であると決定し得る。しかしながら、いくつかの場合には、UEはまた、多数方向が最後のRAPID不整合(たとえば、K番目のRACH試行)に適用されないと決定し得る。たとえば、K1>K2である場合、UEは、場合によっては、K1が最後のRAPID不整合を含まないと決定し得、またはK2>K1である場合、UEは、場合によっては、K2が最後のRAPID不整合を含まないと決定し得る。その結果、UEは、後続のRACH試行516も多数決方向に関連付けられるかどうか(K1であるかK2であるか)を高い尤度で決定することができないことがある。
【0157】
[00136]たとえば、N=10およびK=5と仮定すると、RACH試行2および5回目は正(K1=2)であり、RACH試行1、3、および4回目は負(K2=3)である。ここで、K2>K1であるので、UEは、最初に、上記の表3に従って、後続のRACH試行516に正の周波数オフセットを適用する。しかしながら、この例では、多数方向は負(K2>K1)であるが、RACH試行5回における最後のK番目のRAPID不整合は少数方向(正またはK1)である。したがって、UEは、後続のRACH試行516が負の方向も含む(たとえば、それらが代わりに正であり得る)ことを高い尤度で決定することが可能でないことがある。
【0158】
[00137]したがって、UEが多数方向において後続のRACH試行516にCFO補償を適用している間、UEはまた、オフセット方向が(たとえば、表2中のオフセットから表3に、またはその逆に)切り替わるべきかどうかを決定するために、これらの後続のRACH試行を監視し得る。たとえば、UEは、最後に監視された後続のRACH試行に関連するRAPID不整合を含む、少数方向におけるCFOによりRAPID不整合の連続番号Yが発生したかどうか(K1>K2の場合はK2、またはK2>K1の場合はK1)を決定し得る。UEが、少数方向におけるRAPID不整合の連続番号Yが後続のRACH試行において存在すると決定した場合、UEは、多数方向におけるオフセットを適用することが不正確であったと決定し得、したがって、UEは、それに応じて少数方向におけるオフセットに切り替え得る。たとえば、K1>K2である場合、UEは、表2のオフセットを表3のオフセットに適用することから切り替えることがあり、K2>K1である場合、UEは、表3のオフセットを表2のオフセットに適用することから切り替えることがある。UEはまた、この時点で後続のRACH試行を監視することを停止し得る。
【0159】
[00138]たとえば、UEが、後続のRACH試行6回目から開始して、表3に従ってCFO補償を適用し始めると仮定する。さらに、Y=3と仮定すると、上記の例においてRACH試行1~5回目を実行した後、UEは、後続のRACH試行6~10回目におけるCFO補償にもかかわらず、以下の方向、すなわち、後続のRACH試行6および7回目の負、ならびに後続のRACH試行8~10回目の正を用いてRAPID不整合を決定する。そのような場合、(最後の後続のRACH試行10回目を含む)3つの連続するRACH試行が正のドップラーシフト方向に関連付けられ、したがって、UEは、追加のRACH試行(たとえば、RACH試行11回目以降)も同じドップラーシフト方向(正)を含むことになる高い可能性があると決定し得る。その結果、追加のRACH試行(たとえば、11回目以降)中に、UEは、表3に従って正の周波数オフセットを適用することから、代わりに表2に従って負の周波数オフセットを適用することに切り替え得る。
【0160】
[00139]したがって、前述の例のいずれにおいても、UEは、メッセージ1またはmsgAに対するアップリンクドップラーシフト効果を補償しようとして、適用されたキャリア周波数オフセットを用いて複数の後続のRACH試行を実行し得る。しかしながら、UEのワイヤレス状態が不十分ないくつかの場合には、UEは、後続のRACH試行を実行することが可能でないことがある。たとえば、HST UEにサービスする非HSTセルの基準信号受信電力(RSRP)が、構成されたRSRPしきい値(たとえば、デフォルトで-120dbM、または何らかの他の値)を下回る場合、UEは、N回を超えるRACH試行を実行しないことがある。したがって、一例では、UEは、サービングセルのRSRPがRSRPしきい値よりも大きいかまたはそれに等しいと決定したことに応答して、上記の例のいずれかにおいて説明されたCFO補償/オフセット、計算または決定を実行し得る。
【0161】
[00140]図8は、UE802と基地局804との間の呼フローの一例800を示す。UE802は、図4図7のHST UE402またはUE502、602、702に対応し得、基地局804は、図4図6の基地局404、504、604に対応し得る。最初に、UEは、基地局からRACH構成806を受信し得る。RACH構成は、プリアンブル送信807の最大回数(たとえば、パラメータmaxPreambleTransまたは別の名前)を含み得る。RACH構成を受信した後、UEは、1つまたは複数のランダムアクセスメッセージ808を送信し得る。ランダムアクセスメッセージ808は、(たとえば、RACH試行1~N回目における)図4および図5のRACHメッセージ408、508に対応し得、各々、UEによって選択されたプリアンブル809を含み得る。ランダムアクセスメッセージ808を送信したことに応答して、UEは、基地局から1つまたは複数のRAR810を受信し得るが、ここで、各RARは、ランダムアクセスメッセージに応答する。RAR810は、(たとえば、RACH試行1~N回目における)RAR412、510に対応し得、各々、基地局によって構成されたRAPID811を含み得る。RARの数(たとえば、回数N)は、プリアンブル送信807の最大回数の関数であり得る。
【0162】
[00141]812において、UE802は、しきい値数813のRAR810が不整合RAPIDを含むかどうかを決定し得る。たとえば、UEは、N個のRARのうちのK個が、対応するプリアンブルとは異なるRAPIDを含むかどうかを決定し得る。さらに、UEは、K個のRAR中の各不整合RAPIDがアップリンクドップラーシフト効果によるものであるかどうかを決定し得る。たとえば、814において、UEは、周波数オフセット816(またはドップラーシフト)がRARの各々に影響を及ぼしたかどうかを決定し、同時に周波数オフセットの方向を決定し得る。一例では、UEは、式1~8に関して上記で説明されたように、予想されるRAPID818に基づいて814において決定を実行し得る。別の例では、UEは、式9~式17に関して上記で説明されたように、予想RAPID818とタイミングアドバンス820とに基づいて814において決定を実行し得る。
【0163】
[00142]UE802が、812において、周波数オフセット816に基づいてしきい値数のRAR810が不整合RAPIDを含むと決定した場合、822において、UEは、(たとえば、RACH試行N+1回およびそれ以降における)後続のランダムアクセスメッセージ824のためにキャリア周波数をオフセットし得る。UEは、たとえば、ランダムアクセスメッセージ808についてのキャリア周波数に対してオフセットされた周波数において、各後続のランダムアクセスメッセージ824中でプリアンブル825を送信することによって、キャリア周波数をオフセットし得る。UEは、826において、UEにサービスする基地局804のサービングセルのRSRPがRSRPしきい値以上であると決定したことに応答して、822においてキャリア周波数オフセットを適用し得る。
【0164】
[00143]UEが後続のランダムアクセスメッセージに適用し得るキャリア周波数オフセットは、構成された正または負のオフセットの範囲828内にあり得る。たとえば、UE802は、表3において上記で説明された正の値によって、または表2において上記で示された負の値によって、各後続のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数をオフセットし得る。一例では、範囲828は、ランダムアクセスプリアンブルサブキャリア間隔830の関数であり得る。別の例では、範囲828は、814において決定された周波数オフセット816の関数であり得る。さらなる例では、範囲828は、HSTにおける最大ドップラーシフト832の関数であり得る。
【0165】
[00144]UE802は、834において、しきい値数のRAR810中のRAPID不整合の連続番号を識別したことに応答して、822において周波数オフセットを適用すべき方向(たとえば、正または負)を決定し得る。たとえば、UEは、Y個の連続するRARがCFOによるRAPID不整合を含むかどうかを識別し得る。Y個の連続する不整合が識別された場合、UEは、各連続する不整合に関連する周波数オフセットの方向に基づいて、各後続のランダムアクセスメッセージ824のキャリア周波数をオフセットし得る。たとえば、不整合が正のCFOに基づく場合、UEは、822において負の周波数オフセットを適用し得、不整合が負のCFOに基づく場合、UEは、822において正の周波数オフセットを適用し得る。
【0166】
[00145]そうではなく、UE802が後続のランダムアクセスメッセージ824に応答して追加のRAR836を受信し、各追加のRARが(たとえば、822において適用された不正確な周波数オフセット方向により)後続のプリアンブル825のうちの対応する1つと不整合であるRAPID837を含む場合、UEは、838において、Y個の連続する不整合がこれらの追加のRAR836のRAPIDにおいて識別されるかどうかを決定し得る。UEが、Y個の連続する不整合がこれらの追加の不整合RAPIDsにおいて識別されると決定した場合、840において、UEは、UEが822において適用された方向とは反対の方向に基地局に送信する追加のランダムアクセスメッセージ842についてのキャリア周波数をオフセットし得る。たとえば、UEが822において(たとえば、表3に従って)後続のランダムアクセスメッセージ824に正の周波数オフセットを適用した場合、840において、UEは、(たとえば、表2に従って)追加のランダムアクセスメッセージ842に負の周波数オフセットを適用し得る。同様に、UEが、822において(たとえば、表2に従って)後続のランダムアクセスメッセージ824に負の周波数オフセットを適用した場合、840において、UEは、(たとえば、表3に従って)追加のランダムアクセスメッセージ842に正の周波数オフセットを適用し得る。このようにして、RACH試行の成功の可能性がさらに増加され得る。
【0167】
[00146]図9は、ワイヤレス通信の方法のフローチャート900である。本方法は、UE(たとえば、UE104、350、402、502、602、702、802、装置1002)によって実行され得る。随意の態様は、破線で示されている。本方法は、(たとえば、HSTにおける)アップリンクドップラーシフト効果によって生じる前のRACH試行における不整合RAPIDを決定することに応答して、UEがRACH成功率を改善するためにCFO補償を適用することを可能にする。
【0168】
[00147]902において、UEは、1つまたは複数のRARを取得し、ここで、1つまたは複数のRARの各々は、RAPIDを含み、1つまたは複数のRARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する。たとえば、図8を参照すると、UE802は、各々がRAPID811を含むRAR810を取得し得る。RARは、プリアンブル809を含む、UEが基地局804に送信するランダムアクセスメッセージ808に応答して取得され得る。UE(またはUEの構成要素)は、たとえば、基地局310、404、504、604、804からRARを受信し、受信されたRARのデータを復調することによって、RARを取得し得る。たとえば、UE350のRXプロセッサ356は、1つまたは複数のアンテナ352を通して基地局からRARを受信し得、UE350のコントローラ/プロセッサ359は、受信されたRARのデータを復調し、RAPIDを識別し得る。
【0169】
[00148]一例では、1つまたは複数のRARの数は、プリアンブル送信の最大回数に基づき得る。たとえば、図8を参照すると、UE802は、N個の数のRAR810を取得し得、ここで、数Nは、UEのために構成されたプリアンブル送信807の最大回数の関数である。たとえば、Nは、式N=minimum(preambleTransMax,10)によって表される、プリアンブル送信807の最大回数と、事前構成または構成された値(たとえば、10)との間の最小値であり得る。
【0170】
[00149]904において、UEは、しきい値数の1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARのRAPIDが対応するランダムアクセスメッセージのプリアンブルとは異なると決定する。たとえば、図8を参照すると、UE802は、812において、しきい値数813のRAR810の各RAR810が、ランダムアクセスメッセージ808のうちの対応する1つのプリアンブルとは異なるRAPIDを含むと決定し得る。たとえば、図5を参照すると、UE502は、N回の連続するRACH試行内のK回のRACH試行が各々、不整合RAPIDを含むと決定し得る。UE(またはUEの構成要素)は、たとえば、N個のRARのうちの1つ(たとえば、メッセージ2またはmsgB)中のRAPIDを識別することと、RAPIDをN個のランダムアクセスメッセージのうちの1つ(たとえば、メッセージ1またはmsgA)中の対応するプリアンブルと比較することと、RAPIDとプリアンブルとの間の不整合を識別することと、K個の不整合が識別されるまで異なるRAPIDについて識別および比較を繰り返すこととによって、この決定を実行し得る。たとえば、RXプロセッサ356からのRACH試行1回目のRAR510の受信に続いて、UE350のコントローラ/プロセッサ359は、そのRAR中でRAPIDを識別し、そのRAPIDを、RACH試行1回目の間に以前に送信されたRACHメッセージ508中のプリアンブルと比較し、RAPIDとプリアンブルとが異なることを識別し得る(たとえば、RACHメッセージ508中に含まれる選択されたプリアンブルが実際にはプリアンブル9または何らかの他の異なる値であったが、RAR510中で構成されたRAPIDはプリアンブル21または何らかの他の値を示し得る)。コントローラ/プロセッサ359は、K個のRAPID不整合が識別されるまで、RACH試行2回目、3回目などでRAPID不整合を識別する上記のプロセスを同様に繰り返し得る。
【0171】
[00150]一例では、しきい値数の1つまたは複数のRARの各々は、基地局において受信されたPRACHの周波数オフセットに基づく不整合RAPIDを含み得る。たとえば、図8を参照すると、814において、UE802は、周波数オフセット816(たとえば、正または負のドップラーシフト)がRAR810の各々に影響を及ぼしたと決定し得、ここにおいて、UEは、812において不整合したRAPIDを決定した。たとえば、図6を参照すると、UE602は、(たとえば、図8のランダムアクセスメッセージ808中の)各RACHプリアンブルを搬送するPRACH606が、(図6中のPRACH1など、送信される周波数よりも高い周波数での)正方向または(図6中のPRACH2など、送信される周波数よりも低い周波数での)負方向のいずれかにおけるアップリンクドップラーシフトに続いて基地局604によって受信されたと決定し得る。PRACH606におけるこの周波数オフセットまたはアップリンクドップラーシフトの結果として、UEは、UEによって実際に送信されたものとは異なるプリアンブルを含むものとして、基地局は各PRACHを誤って識別したと決定し得る。
【0172】
[00151]一例では、周波数オフセットは、基地局において受信される予想されるRAPIDに基づいて決定され得る。たとえば、図8を参照すると、814において、UE802は、アップリンクドップラーシフトの結果として、UEが基地局804が受信したと予想した予想RAPID818に基づいて、不整合RAPIDを生じた周波数オフセット816の存在を決定するとともに、周波数オフセット816の方向(正または負)を決定し得る。たとえば、UEは、予想されるRAPID(たとえば、一例ではRAPIDposまたはRAPIDneg)を識別するために上述の式1~式7を適用し、この予想RAPIDに応答して、オフセット816の存在および方向を決定するために上述の式8を適用し得る。
【0173】
[00152]一例では、周波数オフセットは、タイミングアドバンスに基づいてさらに決定され得る。たとえば、図8を参照すると、814において、UE802は、基地局804によって報告されたタイミングアドバンス820と、予想RAPID818とに基づいて、不整合RAPIDを生じた周波数オフセット816の存在を決定し、同時に周波数オフセット816の方向を決定し得る。たとえば、UEは、タイミングアドバンス(たとえば、一例ではTNW)、予想RAPID(たとえば、一例では、
【0174】
【数29】
【0175】
または
【0176】
【数30】
【0177】
)、および予想RAPIDのサイクリックシフト(たとえば、一例ではID)を識別するために、上述の式9~式16を適用し、これらのパラメータに応答して、周波数オフセット816の存在および方向を決定するために、上述の式17を適用し得る。
【0178】
[00153]906において、UEは、決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットする。たとえば、図8を参照すると、812において、周波数オフセット816による不整合RAPIDのしきい値数813を決定したことに応答して、822において、UEは、周波数オフセット816を補償するために、後続のランダムアクセスメッセージ824についてのキャリア周波数をオフセットし得る。たとえば、図7を参照すると、UE702は、たとえば、ドップラーシフト効果を補償するために、異なる(正または負の)周波数オフセットでPRACH704中の各プリアンブルを送信することによって、各RACHプリアンブルについてのキャリア周波をオフセットし得る。図5を参照すると、UE502は、各後続のRACHメッセージ518についてのキャリア周波数514にオフセット520を適用し得る。一例として、UEが3.8GHzのキャリア周波数においてランダムアクセスメッセージ808を送信した場合、UEは、(たとえば、一例では、メッセージがそれぞれ3.8000006GHzまたは3.7999994GHzのオフセットキャリア周波数において送信されるように)後続のランダムアクセスメッセージ824を送信するとき、3.8GHz周波数に600Hzまたは-600Hz(または何らかの他の正もしくは負の値)のオフセットを適用し得る。オフセットは、たとえば、上記の表2または表3において識別されるCFO補償値のうちの1つであり得る。UE(またはUEの構成要素)は、たとえば、各後続のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数に適用されるべきオフセットを識別し、オフセットされたキャリア周波数において各後続のランダムアクセスメッセージを送信することによって、オフセットすることを実行し得る。たとえば、周波数オフセットによる不整合RAPIDのしきい値数を決定したことに応答して、UE350のコントローラ/プロセッサ359は、(たとえば、周波数オフセットの方向に応じて)表2または表3のいずれかから各後続のランダムアクセスメッセージについてのオフセットを識別し得、TXプロセッサ368は、各後続のランダムアクセスメッセージについてコントローラ/プロセッサ359によって識別されたオフセットキャリア周波数において後続のランダムアクセスメッセージを1つまたは複数のアンテナ352を介して基地局310に送信し得る。
【0179】
[00154]一例では、キャリア周波数の各々は、ランダムアクセスプリアンブルサブキャリア間隔に基づく範囲内の値だけオフセットされ得る。たとえば、図8を参照すると、オフセットは、構成された正または負の値の範囲828内にあり得る。範囲828は、ランダムアクセスプリアンブルサブキャリア間隔830の関数であり得る。たとえば、図5を参照すると、(たとえば、上記の表2または表3の値のうちの1つに対応する)各オフセット520は、プリアンブルサブキャリア間隔ΔfRAに基づく構成された範囲内に制限され得る。たとえば、範囲は、RA_SCS(ΔfRA)の関数である上述の範囲(18)または(19)のうちの1つであり得る。
【0180】
[00155]一例では、範囲は、基地局において受信されるPRACHの周波数オフセットの関数であり得る。たとえば、図6および図8を参照すると、範囲828は、基地局604、804によって受信されたRACHプリアンブルを搬送するPRACH606に影響を及ぼした周波数オフセット816と、UE802が814においてどの周波数オフセットを決定したかとに基づき得る。たとえば、図5を参照すると、上述の範囲(18)または(19)のいずれかはLの関数であり得、その値は、周波数オフセット816が1つのPRACHサブキャリアと同じくらい大きいか(たとえば、L=0)、または2つのPRACHサブキャリアと同じくらい大きいか(たとえば、L=1)に依存し得る。
【0181】
[00156]一例では、範囲は、HST展開における最大ドップラーシフトにさらに基づくことがある。たとえば、図8を参照すると、範囲828は、HSTにおける最大ドップラーシフト832に基づき得る(たとえば、範囲828は、図8の周波数オフセット816の最大値の関数であり得る)。たとえば、図5を参照すると、上述の範囲(18)または(19)のいずれかは、LまたはRA_SCSの関数であり得、その値のいずれかは、HSTにおいて観測される最大アップリンクドップラーシフトに依存するようにさらに最適化され得る。たとえば、最大アップリンクドップラーシフトは、HSTにおいて通常観測される最大ドップラーシフトの2倍(たとえば、350km/hのHSTでは、2×1230Hz=2460Hz、すなわちΔfRA=1.25kHzと仮定すると、おおよそ2つのPRACHサブキャリア)であり得る。HST展開の例が、図4に示される。
【0182】
[00157]一例では、キャリア周波数の各々は、サービングセルに関連するRSRPがしきい値を超えることに応答してオフセットされ得る。たとえば、図8を参照すると、UE802は、826において、UEをサービスする基地局804のサービングセルのRSRPがRSRPしきい値以上であると決定したことに応答して、822においてキャリア周波数をオフセットし得る。たとえば、図4および図5を参照すると、UE402、502は、HST UEにサービスする非HSTセル(たとえば、基地局404がHST UE402にサービスするセル)のRSRPが構成されたRSRPしきい値(たとえば、-120dbMまたは何らかの他の値)よりも大きいかまたはそれに等しい場合、各後続のRACHメッセージ518についてキャリア周波数514にオフセット520を適用し得る。
【0183】
[00158]一例では、キャリア周波数の各々は、異なる値だけオフセットされ得る。たとえば、図5図7および図8を参照すると、UE502、702、802は、上述の表2または表3の構成のいずれか(または両方)に従って、(たとえば、822において)後続のRACHメッセージ518についてのキャリア周波数514にオフセット520を適用し得、ここで、各オフセットは、図7に示されているような各後続のRACHメッセージについて異なる。たとえば、RACH試行N+1回目における後続のRACHメッセージは、1つの値-O*M(または他の表中のその正のバージョン)だけオフセットされ得、RACH試行N+2回目における次の後続のRACHメッセージは、異なる値-(O+1)*M(またはその正のバージョン)だけオフセットされ得、以下同様であり、ここで、Mは、M=200Hzまたは何らかの他の値などの、RACH試行ごとの構成可能なオフセットを表し、Oは、
【0184】
【数31】
【0185】
または何らかの他の関数などの、オフセットのための構成可能な開始周波数を表す。さらに、異なる値のうちの少なくとも1つは、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの最大回数(X)の関数であり得る。たとえば、RACH試行N+X-2回目における後続のRACHメッセージは、別の異なる値-(O+X-3)*M(またはその正のバージョン)だけオフセットされ得、RACH試行N+X-1回目における次の後続のRACHメッセージは、さらに異なる値-(O+X-2)*M(またはその正のバージョン)だけオフセットされ得、以下同様であり、ここで、Xは、CFO補償が適用され得るRACH試行の最大回数を表す。Xの値は、OおよびMの値に依存し得る。たとえば、Xは、
【0186】
【数32】
【0187】
または、何らかの他の値に等しいことがある。
【0188】
[00159]一例では、キャリア周波数のうちの1つまたは複数は、同じ値だけオフセットされ得る。たとえば、図5および図8を参照すると、UE502、802は、上述の表2または表3の構成のいずれか(または両方)に従って、(たとえば、822において)後続のRACHメッセージ518についてのキャリア周波数514にオフセット520を適用し得、ここで、オフセットのうちの1つまたは複数は、後続のRACHメッセージについて同じである。たとえば、RACH試行N+1回目およびN+2回目は両方とも、それぞれ異なるオフセットO*Mおよび(O+1)*M(または他の表中のそれらの負バージョン)ではなく、同じオフセットO*M(または他の表中のその負バージョン)に関連付けられ得る。UEは、たとえば、Mが大きい値(たとえば、M=600Hz)であるとき、複数のRACH試行に同じオフセットを適用し得る。同様に、同じ値は、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの最大回数(X)の関数であり得る。たとえば、RACH試行N+X-2回目およびN+X-1回目は両方とも、それぞれ異なるオフセット-(O+X-3)*Mおよび-(O+X-2)*Mではなく、同じオフセット-(O+X-3)*Mに関連付けられ得る。
【0189】
[00160]908において、UEは、RAPIDとプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量を識別し得、ここで、キャリア周波数は、識別に応答して正の値または負の値のうちの一方だけ各々オフセットされる。たとえば、図8を参照すると、834において、UEは、RAPID811とプリアンブル809との間の連続するRAPID不整合のしきい値量Yを識別し得る。834においてY個の連続する不整合が識別される場合、822において、UEは、814において決定された周波数オフセット816に応じて、各後続のランダムアクセスメッセージ824のキャリア周波数を正または負の値だけオフセットし得る。たとえば、図5を参照すると、UE502が、RACH試行1~K回内のY個の連続するRAPID不整合がすべて正の周波数オフセットによるものである(たとえば、図6のPRACH1などに関して、図8の周波数オフセット816が正である)と決定した場合、UEは、表2の負の周波数オフセットを各後続のRACH試行516に適用し得る。代替的に、UEが、RACH試行1~K回内のY個の連続するRAPID不整合がすべて負の周波数オフセットに起因する(たとえば、図8の周波数オフセット816が、図6のPRACH2などに関して負である)と決定した場合、UEは、表3の正の周波数オフセットを各後続のRACH試行516に適用し得る。Yの値は、基地局によって構成可能であるか、またはUEのために事前構成され得る(たとえば、Y=3または何らかの他の値)。UE(またはUEの構成要素)は、たとえば、RACH試行1~K回内でRAPID811がプリアンブル809とは異なる各インスタンスをカウントすることと、カウントすることが連続するRACH試行において少なくともしきい値量(Y)を合計すると決定することと、カウントされたインスタンスのしきい値量がすべて同じ方向周波数オフセットを受けると決定することとによって、RAPIDとプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量の識別を実行し得る。たとえば、UE350のコントローラ/プロセッサ359は、(K=5およびY=3と仮定して)3つの連続するRACH試行3、4、および5回目が、正の周波数オフセットにより不整合RAPIDを含むことを識別することがある。
【0190】
[00161]910において、UEは追加のRARを取得し得、ここで、追加のRARの各々は、追加のRAPIDを含み、後続のプリアンブルを含む後続のランダムアクセスメッセージのうちの1つに応答する。たとえば、図8を参照すると、UE802は、UEが後続のプリアンブル825とともに送信した後続のランダムアクセスメッセージ824に応答して、基地局804から追加のRAR836を取得し得る。追加のRARの各々は、基地局によって構成された追加のRAPID837を含み得る。UE(またはUEの構成要素)は、たとえば、追加のRARを受信し、追加のRAR中のデータを復調することによって、追加のRARを取得し得る。たとえば、RXプロセッサ356は、1つまたは複数のアンテナ352を介して追加のRARを受信し得、コントローラ/プロセッサ359は、RXプロセッサ356から受信されたデータを復調し得る。
【0191】
[00162]912において、UEは、追加のRAPIDと後続のプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量をさらに決定し得る。たとえば、図8を参照すると、838において、UEは、追加のRAPID837と後続のプリアンブル825との間の連続するRAPID不整合のしきい値量Yを決定し得る。しきい値量Yは、908(および図8の834)において上記で参照したしきい値量Yと同じであっても、異なっていてもよい。UE(またはUEの構成要素)は、たとえば、以下のプロセスに従って、さらなる決定を実行し得る。最初に、UE350のコントローラ/プロセッサ359が、834において、Y個の連続するRAPID不整合がすべて同じ方向の周波数オフセットによるものであると決定することができない場合、コントローラ/プロセッサ359は、周波数オフセットの多数方向と周波数オフセットの少数方向とを決定し得る。次に、コントローラ/プロセッサ359は、追加のRAPID837を含む追加のRAR836を受信することがあり、コントローラ/プロセッサ359は、Y個の連続する追加のRAPIDを、対応する後続のランダムアクセスメッセージ824の後続のプリアンブル825と比較することがある。コントローラ/プロセッサ359は、次いで、これらの追加のRAPID不整合が少数方向における周波数オフセットによるものであるかどうかを決定し得る。
【0192】
[00163]最後に、914において、UEは、さらなる決定に応答して、正の値または負の値のうちの一方だけ、1つまたは複数の追加のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットし得、ここで、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数は、正の値または負の値のうちの他方だけ、オフセットされる。たとえば、図8を参照すると、UEが、838において、Y個の連続する不整合が追加のRAR836の追加のRAPID837中で識別されると決定した場合、840において、UEは、UEが基地局804に送信し得る追加のランダムアクセスメッセージ842についてのキャリア周波数をオフセットし得る。UEは、これらのキャリア周波数を、822において適用された方向とは反対の方向にオフセットし得る。たとえば、UEが822において(たとえば、表3に従って)後続のランダムアクセスメッセージ824に正の周波数オフセットを適用した場合、840において、UEは、(たとえば、表2に従って)追加のランダムアクセスメッセージ842に負の周波数オフセットを適用し得る。同様に、UEが、822において(たとえば、表2に従って)後続のランダムアクセスメッセージ824に負の周波数オフセットを適用した場合、840において、UEは、(たとえば、表3に従って)追加のランダムアクセスメッセージ842に正の周波数オフセットを適用し得る。UE(またはUEの構成要素)は、たとえば、各追加のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数に適用されるべきオフセットを識別し、オフセットされたキャリア周波数において各追加のランダムアクセスメッセージを送信することによって、各追加のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数のオフセットを実行し得る。たとえば、少数方向周波数オフセットによる不整合の追加のRAPIDのしきい値数をさらに決定したことに応答して、UE350のコントローラ/プロセッサ359は、(たとえば、後続のランダムアクセスメッセージに適用される反対方向において)表2または表3のいずれかからの追加のランダムアクセスメッセージごとにオフセットを識別し得、TXプロセッサ368は、追加のランダムアクセスメッセージごとにコントローラ/プロセッサ359によって識別されたオフセットキャリア周波数において追加のランダムアクセスメッセージを1つまたは複数のアンテナ352を介して基地局310に送信し得る。
【0193】
[00164]図10は、装置1002のためのハードウェア実装形態の一例を示す図1000である。装置1002は、UEであり、セルラーRFトランシーバ1022および1つまたは複数の加入者識別モジュール(SIM)カード1020に結合された(モデムとも呼ばれる)セルラーベースバンドプロセッサ1004と、セキュアデジタル(SD)カード1008およびスクリーン1010に結合されたアプリケーションプロセッサ1006と、Bluetoothモジュール1012と、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)モジュール1014と、全地球測位システム(GPS)モジュール1016と、電源1018とを含む。セルラーベースバンドプロセッサ1004は、セルラーRFトランシーバ1022を通して、UE104および/またはBS102/180と通信する。セルラーベースバンドプロセッサ1004は、コンピュータ可読媒体/メモリを含み得る。コンピュータ可読媒体/メモリは非一時的であり得る。セルラーベースバンドプロセッサ1004は、コンピュータ可読媒体/メモリに記憶されたソフトウェアの実行を含む一般的な処理を担当する。ソフトウェアは、セルラーベースバンドプロセッサ1004によって実行されたとき、セルラーベースバンドプロセッサ1004に、上記で説明された様々な機能を実施させる。コンピュータ可読媒体/メモリはまた、ソフトウェアを実行するときにセルラーベースバンドプロセッサ1004によって操作されるデータを記憶するために使用され得る。セルラーベースバンドプロセッサ1004は、受信構成要素1030と、通信マネージャ1032と、送信構成要素1034とをさらに含む。通信マネージャ1032は、1つまたは複数の図示された構成要素を含む。通信マネージャ1032内の構成要素は、コンピュータ可読媒体/メモリに記憶され、および/またはセルラーベースバンドプロセッサ1004内のハードウェアとして構成され得る。セルラーベースバンドプロセッサ1004は、UE350の構成要素であり得、メモリ360、および/またはTXプロセッサ368と、RXプロセッサ356と、コントローラ/プロセッサ359とのうちの少なくとも1つを含み得る。一構成では、装置1002は、モデムチップであり、ただベースバンドプロセッサ1004を含み得、別の構成では、装置1002は、UE全体(たとえば、図3の350参照)であり、装置1002の前に説明された追加のモジュールを含み得る。
【0194】
[00165]通信マネージャ1032は、たとえば、902に関して説明されたように、1つまたは複数のRARを取得するように構成されるRAR構成要素1040を含むが、1つまたは複数のRARの各々は、RAPIDを含み、1つまたは複数のRARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する。通信マネージャ1032は、たとえば、904に関して説明されたように、RAR構成要素1040から1つまたは複数のRARの形態で入力を受信し、しきい値数の1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARのRAPIDが対応するランダムアクセスメッセージのプリアンブルとは異なると決定するように構成される決定構成要素1042をさらに含む。通信マネージャ1032は、たとえば、906に関して説明されたように、決定構成要素1042から決定の形態で入力を受信し、決定に応答して1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットするように構成されるオフセット構成要素1044をさらに含む。
【0195】
[00166]通信マネージャ1032は、たとえば、908に関して説明されたように、RAR構成要素1040からRAPIDおよびプリアンブルの形態で入力を受信し、RAPIDとプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量を識別するように構成される識別構成要素1046をさらに含み得る。キャリア周波数は各々、識別構成要素1046による識別に応答して、正の値または負の値のうちの一方だけ(オフセット構成要素1044によって)オフセットされ得る。
【0196】
[00167]RAR構成要素1040は、たとえば、910に関して説明されたように、追加のRARを取得するようにさらに構成され得、ここで、追加のRARの各々は、追加のRAPIDを含み、後続のプリアンブルを含む後続のランダムアクセスメッセージのうちの1つに応答する。決定構成要素1042は、たとえば、912に関して説明されたように、RAR構成要素1040から追加のRARの形態で入力を受信し得、追加のRAPIDと後続のプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量をさらに決定するようにさらに構成され得る。オフセット構成要素1044は、決定構成要素1042からさらなる決定の形態で入力を受信し得、さらなる決定に応答して、1つまたは複数の追加のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数を正の値または負の値のうちの一方だけ、オフセットするようにさらに構成され得、ここで、たとえば、914に関して説明されたように、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数は、正の値または負の値のうちの他方だけ、オフセットされる。
【0197】
[00168]装置は、図8および図9の上述されたフローチャート内のアルゴリズムのブロックの各々を実施する追加の構成要素を含む場合がある。したがって、図8および図9の上述されたフローチャート内の各ブロックは、1つの構成要素によって実施される場合があり、装置は、それらの構成要素のうちの1つまたは複数を含む場合がある。構成要素は、述べられたプロセス/アルゴリズムを遂行するように具体的に構成された1つもしくは複数のハードウェア構成要素であるか、述べられたプロセス/アルゴリズムを実施するように構成されたプロセッサによって実装されるか、プロセッサによる実装のためにコンピュータ可読媒体内に記憶されるか、またはそれらの何らかの組合せであり得る。
【0198】
[00169]一構成では、装置1002、特にセルラーベースバンドプロセッサ1004は、1つまたは複数のRARを取得するための手段を含み、ここで、1つまたは複数のRARの各々は、RAPIDを含み、1つまたは複数のRARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する。装置1002、特にセルラーベースバンドプロセッサ1004はまた、1つまたは複数のRARのしきい値数の各々において、対応するRARのRAPIDが対応するランダムアクセスメッセージのプリアンブルとは異なると決定するための手段を含む。装置1002、特にセルラーベースバンドプロセッサ1004は、決定に応答して1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットするための手段をさらに含む。
【0199】
[00170]一構成では、装置1002、特にセルラーベースバンドプロセッサ1004は、RAPIDとプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量を識別するための手段を含み得、ここで、キャリア周波数は、識別に応答して正の値または負の値のうちの一方だけ各々オフセットされる。
【0200】
[00171]一構成では、取得するための手段は、追加のRARを取得するようにさらに構成され得、ここで、追加のRARの各々は、追加のRAPIDを含み、後続のプリアンブルを含む後続のランダムアクセスメッセージのうちの1つに応答する。決定するための手段は、追加のRAPIDと後続のプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量をさらに決定するようにさらに構成され得る。オフセットするための手段は、さらなる決定に応答して、1つまたは複数の追加のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数を正の値または負の値のうちの一方だけオフセットするようにさらに構成され得、ここで、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数は、正の値または負の値のうちの他方だけオフセットされる。
【0201】
[00172]上述の手段は、上述の手段によって具陳された機能を実施するように構成された装置1002の上述の構成要素のうちの1つまたは複数であり得る。上記で説明されたように、装置1002は、TXプロセッサ368と、RXプロセッサ356と、コントローラ/プロセッサ359とを含み得る。したがって、一構成では、上述の手段は、上述の手段によって具陳された機能を実施するように構成された、TXプロセッサ368、RXプロセッサ356、およびコントローラ/プロセッサ359であり得る。
【0202】
[00173]したがって、本開示の態様は、典型的にはHSTにおけるアップリンクドップラーシフト効果によって生じる前のRACH試行における不整合のRAPIDを決定することに応答して、RACH成功レートを改善するために、UEがCFO補償を適用することを可能にする。基地局とのRACHを実行しようと試みるとき、UEは、各々がプリアンブルを含むランダムアクセスメッセージを送信したことに応答して、各々がRAPIDを含む1つまたは複数のRARを取得し得る。UEが、これらのRARのしきい値数の各々においてRAPID不整合を決定した場合、そのような不整合は、基地局に受信されたPRACHの周波数オフセット(アップリンクドップラーシフト)によって引き起こされ、UEは、UEが送信する各後続のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数をオフセットし得る。不整合RAPIDがそのようなアップリンクドップラーシフトによって生じるとき、キャリア周波数をオフセットすることは、RAPID不整合を解決し、それによって、RACH成功率が改善されることを可能にし得る。さらに、RAPID不整合を解決するためにオフセットにおいて適用されるべき周波数方向を決定するために、UEは、RAPIDとプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量が存在するかどうかを識別し得、UEは、識別に応答して、後続のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数を正の値または負の値のいずれかだけ、オフセットし得る。このしきい値量の連続するRAPID不整合が存在しない場合、後続のランダムアクセスメッセージが、反対方向の周波数オフセットによって生じるしきい値量の連続する追加のRAPID不整合を含む場合、UEは、追加のランダムアクセスメッセージ中のオフセットの方向を(たとえば、正から負に、またはその逆に)変更することを決定し得る。その結果、RACH成功率が、さらに改善され得る。
【0203】
[00174]開示されたプロセス/フローチャート内のブロックの特定の順序または階層は、例示的な手法の説明であることを理解されたい。設計選好に基づいて、プロセス/フローチャート内のブロックの特定の順序または階層は再構成される場合があることを理解されたい。さらに、いくつかのブロックは組み合わされるかまたは省略される場合がある。添付の方法クレームは、様々なブロックの要素を例示的な順序で提示したものであり、提示された特定の順序または階層に限定されるものではない。
【0204】
[00175]以上の説明は、当業者が本明細書に記載された様々な態様を実践することを可能にするために提供される。これらの態様への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般原理は他の態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示された態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲の言い回しに矛盾しない最大の範囲を与えられるべきであり、単数形の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一無二の」を意味するものではなく、「1つまたは複数の」を意味するものである。「場合(if)」、「とき(when)」、および「間(while)」などの用語は、即時の時間関係または反応を暗示するのではなく、「という条件の下で」を意味すると解釈されるべきである。すなわち、これらの句、たとえば、「とき」は、アクションの発生に応答する、またはアクションの発生中の、即時のアクションを暗示せず、単に、条件が満たされた場合、アクションが発生するが、アクションが発生すべき特定のまたは即時の時間制約を必要としないことを暗示する。「例示的」という単語は、「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために本明細書で使用される。「例示的」として本明細書で説明される任意の態様は、必ずしも他の態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきでない。別段に明記されていない限り、「いくつか」という用語は1つまたは複数を指す。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの1つまたは複数」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つまたは複数」、および「A、B、C、またはそれらの任意の組合せ」などの組合せは、A、B、および/またはCの任意の組合せを含み、複数のA、複数のB、または複数のCを含み得る。具体的には、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの1つまたは複数」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つまたは複数」、および「A、B、C、またはそれらの任意の組合せ」などの組合せは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびCとなり得、ここで、任意のそのような組合せは、A、B、またはCのうちの1つまたは複数のメンバを含み得る。本開示全体にわたって説明する種々の態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、当業者には知られているか、または後に知られるようになり、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されることを意図する。さらに、本明細書で開示されたものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることは意図されていない。「モジュール」、「機構」、「要素」、「デバイス」などという単語は、「手段」という単語の代用ではない場合がある。そのため、いかなるクレーム要素も、その要素が「のための手段」という語句を使用して明確に列挙されていない限り、ミーンズプラスファンクションとして解釈されるべきではない。
【0205】
[00176]以下の例は、例示的なものにすぎず、限定はしないが、本明細書で説明される他の実施形態または教示の態様と組み合わせられ得る。
【0206】
[00177]例1は、ユーザ機器(UE)におけるワイヤレス通信の方法であって、本方法は、1つまたは複数のランダムアクセス応答(RAR)を取得することと、ここにおいて、1つまたは複数のRARの各々は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含み、1つまたは複数のRARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する、しきい値の1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARのRAPIDが、対応するランダムアクセスメッセージのプリアンブルとは異なると決定することと、決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットすることとを備える。
【0207】
[00178]例2は、1つまたは複数のRARの数が、プリアンブル送信の最大回数に基づく、例1に記載の方法である。
【0208】
[00179]例3は、しきい値数の1つまたは複数のRARの各々が、基地局において受信される物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の周波数オフセットに基づく不整合のRAPIDを含む、例1または2に記載の方法である。
【0209】
[00180]例4は、周波数オフセットが、基地局において受信される予想RAPIDに基づいて決定される、例3に記載の方法である。
【0210】
[00181]例5は、周波数オフセットが、タイミングアドバンスに基づいてさらに決定される、例4に記載の方法である。
【0211】
[00182]例6は、キャリア周波数の各々が、ランダムアクセスプリアンブルサブキャリア間隔に基づく範囲内の値だけオフセットされる、例1から5のいずれかに記載の方法である。
【0212】
[00183]例7は、範囲が、基地局で受信された物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の周波数オフセットの関数である、例6に記載の方法である。
【0213】
[00184]例8は、範囲が、高速列車(HST)配備における最大ドップラーシフトにさらに基づく、例6または7に記載の方法である。
【0214】
[00185]例9は、キャリア周波数の各々が、サービングセルに関連付けられた基準信号受信電力(RSRP)がしきい値を超えることに応答してオフセットされる、例1から8のいずれかに記載の方法である。
【0215】
[00186]例10は、キャリア周波数の各々が、異なる値だけオフセットされる、例1から9のいずれかに記載の方法である。
【0216】
[00187]例11は、異なる値のうちの少なくとも1つが、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの最大回数の関数である、例10に記載の方法である。
【0217】
[00188]例12は、キャリア周波数のうちの1つまたは複数が、同じ値だけオフセットされる、例1から9のいずれかに記載の方法である。
【0218】
[00189]例13は、RAPIDとプリアンブルとの間の連続した不整合のしきい値量を識別することをさらに含み、ここにおいて、キャリア周波数は、識別に応答して正の値または負の値のうちの1つだけ、各々オフセットされる、例1から例12のいずれかに記載の方法である。
【0219】
[00190]例14は、追加のRARを取得することと、ここにおいて、追加のRARの各々は、追加のRAPIDを含み、後続のプリアンブルを含む後続のランダムアクセスメッセージのうちの1つに応答する、追加のRAPIDと後続のプリアンブルとの間の連続した不整合のしきい値量をさらに決定することと、さらなる決定に応答して、正の値または負の値のうちの一方だけ、1つまたは複数の追加のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットすることと、ここにおいて、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数は、正の値または負の値のうちの他方だけオフセットされる、をさらに備える、例1から12のいずれかに記載の方法である。
【0220】
[00191]例15は、ワイヤレス通信のための装置であって、本装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを備え、この命令は、プロセッサによって実行されたとき、装置に、1つまたは複数のランダムアクセス応答(RAR)を取得することと、ここにおいて、前記1つまたは複数のRARの各々がランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含み、ここにおいて、前記1つまたは複数のRARの各々がプリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する、しきい値数の1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARのRAPIDが対応するランダムアクセスメッセージの前記プリアンブルとは異なると決定することと、決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットすることとを行わせるように動作可能である。
【0221】
[00192]例16は、しきい値数の1つまたは複数のRARの各々が、基地局において受信された物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の周波数オフセットに基づく不整合のRAPIDを含む、例15に記載の装置である。
【0222】
[00193]例17は、周波数オフセットが、基地局において受信される予想RAPIDに基づいて決定される、例16に記載の装置である。
【0223】
[00194]例18は、周波数オフセットが、タイミングアドバンスに基づいてさらに決定される、例17に記載の装置である。
【0224】
[00195]例19は、キャリア周波数の各々が、ランダムアクセスプリアンブルサブキャリア間隔に基づく範囲内の値だけオフセットされる、例15から18のいずれかに記載の装置である。
【0225】
[00196]例20は、範囲が、基地局で受信された物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の周波数オフセットの関数である、例19に記載の装置である。
【0226】
[00197]例21は、範囲が、高速列車(HST)配備における最大ドップラーシフトにさらに基づく、例19または20に記載の装置である。
【0227】
[00198]例22は、キャリア周波数の各々が、サービングセルに関連付けられた基準信号受信電力(RSRP)がしきい値を超えることに応答してオフセットされる、例15から21のいずれかに記載の装置である。
【0228】
[00199]例23は、キャリア周波数の各々が、異なる値だけオフセットされ、ここにおいて、異なる値のうちの少なくとも1つは、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの最大回数の関数である、例15から例22のいずれかに記載の装置である。
【0229】
[00200]例24は、キャリア周波数のうちの1つまたは複数が、同じ値だけオフセットされる、例15から22のいずれかに記載の装置である。
【0230】
[00201]例25は、命令が、プロセッサによって実行されたとき、装置に、RAPIDとプリアンブルとの間の連続的な不整合のしきい値量を識別することをさらに行わせ、ここにおいて、キャリア周波数は、識別に応答して正の値または負の値のうちの一方だけ各々オフセットされる、例15から例24のいずれかの装置である。
【0231】
[00202]例26は、命令は、プロセッサによって実行されると、装置に、追加のRARを取得することと、ここにおいて、追加のRARの各々は、追加のRAPIDを含み、後続のプリアンブルを含む後続のランダムアクセスメッセージのうちの1つに応答する、追加のRAPIDと後続のプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量をさらに決定することと、さらなる決定に応答して、1つまたは複数の追加のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数を正の値または負の値のうちの一方だけオフセットすることと、ここにおいて、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数は、正の値または負の値のうちの他方だけオフセットされる、をさらに行わせる、例15から24のいずれかに記載の装置である。
【0232】
[00203]例27は、1つまたは複数のランダムアクセス応答(RAR)を取得するための手段と、ここにおいて、1つまたは複数のRARの各々は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含み、1つまたは複数のRARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する、しきい値数の1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARのRAPIDが対応するランダムアクセスメッセージのプリアンブルとは異なることを決定するための手段と、決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットするための手段とを備える、ワイヤレス通信のための装置である。
【0233】
[00204]例28は、RAPIDとプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量を識別するための手段をさらに備え、ここにおいて、キャリア周波数は、識別に応答して正の値または負の値のうちの一方だけ各々オフセットされる、例27に記載の装置である。
【0234】
[00205]例29は、取得するための手段は、追加のRARを取得するようにさらに構成され、ここにおいて、追加のRARの各々は、追加のRAPIDを含み、後続のプリアンブルを含む後続のランダムアクセスメッセージのうちの1つに応答し、決定するための手段は、追加のRAPIDと後続のプリアンブルとの間の連続する不整合のしきい値量をさらに決定するように構成され、オフセットするための手段は、さらなる決定に応答して、1つまたは複数の追加のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数を正の値または負の値のうちの一方だけオフセットするようにさらに構成され、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージについてのキャリア周波数は、正の値または負の値のうちの他方だけオフセットされる、例27に記載の装置である。
【0235】
[00206]例30は、コンピュータ実行可能コードを記憶するコンピュータ可読媒体であり、上記コードは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、1つまたは複数のランダムアクセス応答(RAR)を取得することと、ここにおいて、1つまたは複数のRARの各々は、ランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含み、1つまたは複数のRARの各々は、プリアンブルを含むランダムアクセスメッセージに応答する、しきい値数の1つまたは複数のRARの各々において、対応するRARのRAPIDが対応するランダムアクセスメッセージのプリアンブルと異なると決定することと、決定に応答して、1つまたは複数の後続のランダムアクセスメッセージの各々についてのキャリア周波数をオフセットすることとを行わせる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】