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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】インプラントに連結されたセンサ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/02 20060101AFI20240514BHJP
   A61B 5/0215 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A61F2/02
A61B5/0215
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572002
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 US2022030200
(87)【国際公開番号】W WO2022246163
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/224,286
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/225,039
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/191,534
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/235,038
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/225,689
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジー・ヴァルデス
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー・アン・ハインツマン
(72)【発明者】
【氏名】ラニ・アブドゥッラー・マムーディ
(72)【発明者】
【氏名】アルヴィン・ティー・チャン
(72)【発明者】
【氏名】コクー・アナニ・アメフィア
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・マコーネル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ピエール・ミッシェル・ラバ
(72)【発明者】
【氏名】スコット・ルイス・プール
【テーマコード(参考)】
4C017
4C097
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA11
4C017AB04
4C017AC01
4C017EE01
4C017FF08
4C097AA14
4C097BB01
4C097BB04
4C097BB09
4C097BB10
4C097CC01
4C097CC05
4C097MM09
(57)【要約】
方法は、第一のインプラントを心腔のオリフィスへと送達するステップと、第一のインプラントをオリフィスに固定するステップと、センサ装置をオリフィスへと送達するステップと、センサ装置を第一のインプラントへと連結するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のインプラントを心腔のオリフィスに送達するステップと、
前記第一のインプラントを前記オリフィスに固定するステップと、
センサ装置を前記オリフィスへと送達するステップと、
前記センサ装置を前記第一のインプラントへと連結するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記心腔が、左心房であり、かつ前記オリフィスが、左心耳と関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記心腔が左心房であり、かつ前記オリフィスが前記左心房と冠静脈洞との間の組織壁の開口部である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オリフィスが、左心房と右心房との間の中隔内の開口部である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記センサ装置が、前記第一のインプラントを前記オリフィスへと送達する前に、前記第一のインプラントへと連結される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記センサ装置が、前記第一のインプラントを前記オリフィスへと送達した後に、前記第一のインプラントへと連結される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記センサ装置が、可撓性コードを介して前記第一のインプラントへと連結される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
拡張バルーンを前記オリフィスへと送達するステップと、
前記拡張バルーンを膨張させて、前記第一のインプラントを圧縮形態から拡張形態へと拡張するステップと、をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
第二のインプラントを前記オリフィスへと送達するステップであって、前記第二のインプラントが、前記第一のインプラントの内側管腔内に少なくとも部分的に適合するように構成され、組織壁と固定するために前記第一のインプラントの外側に少なくとも部分的に延在するように構成された1つ以上の固定アームを備える、送達するステップをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第二のインプラントを前記オリフィスへと送達するステップであって、前記第二のインプラントが、流体導管を形成するように構成されたバレル部分を有する、送達するステップと、
前記第一のインプラントを前記第二のインプラントに取り付けるステップと、をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第一のインプラントがC字形状であり、かつ第一の端部分及び第二の端部分を備え、前記第一の端部分及び前記第二の端部分の各々が前記第二のインプラントに取り付けられるように構成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第一のインプラントが、第一のインプラント部分及び第二のインプラント部分を備え、前記第一のインプラント部分及び前記第二のインプラント部分が、一緒に連結されるように構成され、かつ前記センサ装置が、前記第一のインプラント部分へと連結されるように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第一のインプラント部分が第一のバレル部分を備え、かつ前記第二のインプラント部分が第二のバレル部分を備え、かつ前記第一のインプラント部分が前記第二のインプラント部分に連結されたとき、前記第一のバレル部分及び前記第二のバレル部分が、前記オリフィス内に少なくとも部分的に適合するように構成された楕円形形状のバレルを一緒に形成する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
センサ埋め込み装置であって、
流体導管を形成するバレル部分を備える第一のシャント本体と、
前記第一のシャント本体へと連結するように構成されたセンサ装置と、を備える、センサ埋め込み装置。
【請求項15】
前記第一のシャント本体がバルーン拡張可能である、請求項14に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項16】
前記第一のシャント本体が、砂時計形状を有し、前記砂時計形状において、前記第一のシャント本体の端部分が前記第一のシャント本体の中間セクションより大きい直径を有し、かつ前記端部分が組織壁の上を把持する一方で、前記中間セクションが前記組織壁を通るオリフィス内に少なくとも部分的に位置するように構成される、請求項15に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項17】
前記第一のシャント本体が、ひし形形状のセルを形成するストラットのネットワークを備える、請求項16に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項18】
前記第一のシャント本体が、ひし形形状又はスペード形状のセルの積み重ねられた対を形成するストラットのネットワークを備える、請求項16又は請求項17に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項19】
前記第一のシャント本体が、一列になった一連のセルを形成するストラットのネットワークを備える、請求項16~18のいずれか一項に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項20】
前記第一のシャント本体が、織り合わされたコードのネットワークを備える、請求項16~19のいずれか一項に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項21】
前記端部分が、第一のリング及び第二のリングを備え、かつ織り合わされたコードの前記ネットワークが、前記第一のリングと前記第二のリングとの間で延在する、請求項20に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項22】
前記センサ装置が、可撓性のテザーを介して前記第一のシャント本体へとテザーされる、請求項16~21のいずれか一項に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項23】
前記第一のシャント本体が、円筒状のステント及び前記円筒状のステントの管腔を横切って延在するスカートを備え、かつ前記センサ装置が、前記スカートへと連結される、請求項14~22のいずれか一項に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項24】
前記センサ装置が、前記スカートの開口部を通して延在する、請求項23に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項25】
前記第一のシャント本体から分離され、かつ前記第一のシャント本体の前記バレル部分を通して少なくとも部分的に延在するように構成される第二のシャント本体をさらに備え、前記第二のシャント本体が、組織壁へと固定するように構成された1つ以上の固定アームを備える、請求項14に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項26】
前記第一のシャント本体が、第一のバレル部分及び第二のバレル部分を備え、前記第一のバレル部分が、前記第二のバレル部分へと取り外し可能に取り付けられるように構成され、かつ前記第一のバレル部分及び前記第二のバレル部分が、一緒に取り付けられたときに、楕円形形状のバレルを形成する、請求項14に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項27】
前記第一のバレル部分が半円形形状を有し、かつ前記第二のバレル部分が組織壁へと固定するように構成された1つ以上の固定アームを備える、請求項26に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項28】
前記第一のバレル部分が、前記第一のバレル部分の第一の端における第一の突出部と、前記第一のバレル部分の第二の端における第二の突出部と、を備え、かつ前記第一の突出部及び前記第二の突出部が、前記第二のバレル部分と嵌合するように構成される、請求項27に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項29】
前記センサ装置が、前記第一の端と前記第二の端との間の前記第一のバレル部分へと連結するように構成される、請求項28に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項30】
前記センサ装置に直接的に連結される第二のシャント本体をさらに備え、前記第二のシャント本体が、湾曲した形状と、前記第一のシャント本体へと連結するように構成された1つ以上の端部分と、を有する、請求項14に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項31】
前記第二のシャント本体の曲率が、前記第一のシャント本体の1つ以上の固定アームの曲率に近似する、請求項30に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項32】
前記第二のシャント本体の前記端部分が、内向きに湾曲する、請求項30又は請求項31に記載のセンサ埋め込み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年5月21日に出願された、IMPLANT-COUPLED SENSORSと題する米国仮特許出願第63/191,534号、2021年7月21日に出願された、IMPLANT-ADJACENT SENSOR ANCHORINGと題する米国仮特許出願第63/224,286号、2021年7月23日に出願された、SHUNT BARREL SENSOR IMPLANT ANCHORINGと題する米国仮特許出願第63/225,039号、2021年7月26日に出願された、EMBEDDED SENSOR IMPLANT DEVICESと題する米国仮特許出願第63/225,689号、及び2021年8月19日に出願された、SENSOR IMPLANT DEVICE ANCHORINGと題する米国仮特許出願第63/235,038号に基づく優先権を主張し、すべての完全な開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は概して、医療用埋め込み装置の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な医療処置は、心臓の解剖学的構造内の医療用埋め込み装置の埋め込みを伴う。流体圧力などのこうした解剖学的構造と関連付けられた特定の生理学的パラメータは、患者の健康の見通しに影響を与え得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9789294号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、1つ以上のセンサ埋め込み装置を使用して、左心房などの心臓の特定の心腔及び/又は血管と関連付けられた生理学的パラメータの監視を促進するための1つ以上の方法及び/又は装置を記載する。
【0006】
本開示を要約する目的で、特定の態様、利点、及び新規の特徴が記載される。全てのそのような利点は、必ずしも任意の特定の実施例に従って達成され得るわけではないことが理解されるべきである。したがって、開示された実施例は、本明細書に教示又は示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されるような1つの利点又は利点の一群を達成又は最適化する様式で実施され得る。
【0007】
様々な実施例が、例示目的で添付図面に示され、本発明の範囲を限定すると決して解釈されるべきではない。加えて、異なる開示された実施例の様々な特徴が、本開示の一部である、追加の実施例を形成するように組み合わせられ得る。図面全体を通して、参照番号は、参照要素間の対応を示すために再使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、ヒトの心臓の例示的な表現を示す。
図2図2は、心臓の様々な心腔及び血管と関連付けられた圧力波形の例を示す。
図3図3は、左心房圧範囲を示すグラフを図示する。
図4図4は、1つ以上の実施例による埋め込み装置を表すブロック図である。
図5図5は、1つ以上の実施例による、患者と関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータを監視するためのシステムを表すブロック図である。
図6図6は、1つ以上の実施例による、センサ埋め込み装置の構成要素であり得る、例示的なセンサアセンブリ/装置を示す。
図7図7は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置に取り付けるように構成されてもよい、例示のシャント/アンカー構造を図示する。
図8図8は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置に取り付けるように構成されてもよい、例示のシャント/アンカーインプラントを図示する。
図9図9は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置に取り付けるように構成されてもよい、別のアンカー/シャントインプラントを図示する。
図10図10は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置に取り付けるように構成されてもよい、別のアンカー/シャントインプラントを図示する。
図11図11は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置に取り付けるように構成されてもよい、別のアンカー/ステントインプラントを図示する。
図12図12は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置に取り付けるように構成されてもよい、別のシャント/アンカーインプラントを図示する。
図13図13は、1つ以上の実施例による、心房中隔内に移植されたシャントインプラント/アンカー装置/構造を示す。
図14図14は、冠静脈洞と左心房との間の組織壁内に移植されたシャント装置/構造を示す。
図15図15は、1つ以上の実施例による、センサ装置1560に連結された例示のアンカー/シャントインプラントを図示する。
図16図16は、1つ以上の実施例による、センサ装置1660に連結された別のアンカー/シャントインプラントを図示する。
図17-1】図17-1は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサに連結された1つ以上のインプラントを送達するための1つ以上の工程を含むプロセスを図示するフローチャートを提供する。
図17-2】図17-2は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサに連結された1つ以上のインプラントを送達するための1つ以上の工程を含むプロセスを図示するフローチャートを提供する。
図17-3】図17-3は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサに連結された1つ以上のインプラントを送達するための1つ以上の工程を含むプロセスを図示するフローチャートを提供する。
図18-1】図18-1は、図17のプロセスの工程に対応する画像を提供する。
図18-2】図18-2は、図17のプロセスの工程に対応する画像を提供する。
図18-3】図18-3は、図17のプロセスの工程に対応する画像を提供する。
図19図19は、センサ装置1960を、1つ以上の実施例による本明細書に記述される様々なシャント装置及び/又はその他のインプラントを含むことができる1つ以上のインプラントへと固定するように構成された、センサ取り付け装置を図示する。
図20図20は、1つ以上の実施例による、組織壁に固定されてもよい、シャントインプラント2003に取り付けられたセンサ取り付け装置を図示する。
図21A図21Aは、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置及び/又はセンサ取り付け装置に取り付けるように構成されたインプラントの少なくとも一部分を図示する。
図21B図21Bは、インプラントへと固定する、かつ/又はインプラントとの取り付けの形態で固定するように構成されたセンサ装置及び/又はセンサ取り付け装置を図示する。
図21C図21Cは、1つ以上の実施例による、センサ取り付け装置に取り付けられたインプラントの上面図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に提供される見出しは、単に便宜上のものであり、請求された発明の範囲又は意味に必ずしも影響するものではない。
【0010】
以下に特定の好ましい実施例及び実施例を開示しているが、発明の主題は、具体的に開示された実施例を超えて、他の代替的な実施例及び/又は用途、並びにその修正例及び均等物に及ぶ。それ故に、本明細書から発生する場合がある特許請求の範囲の範囲は、以下に記述される特定の実施例のうちのいずれによっても限定されない。例えば、本明細書に開示される任意の方法又はプロセスでは、方法又はプロセスの作用又は動作は、任意の好適な順序で実施され得、必ずしも任意の特定の開示される順序に限定されない。様々な動作が、ある特定の実施例を理解するうえで役立つ場合がある様態で、複数の個別の動作として順次記述される場合があるが、記述の順序は、これらの動作が順序依存性であることを暗示するものとして解釈されるべきではない。加えて、本明細書に記載される構造、システム、及び/又は装置は、一体化された構成要素として、又は別個の構成要素として具現化されてもよい。様々な実施例を比較する目的で、これらの実施例の特定の態様及び利点が記載される。このような全ての態様又は利点は、任意の特定の実施例によって必ずしも達成されるとは限らない。したがって、例えば、様々な実施例は、本明細書に同様に教示又は示唆され得る他の態様又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されるような1つの利点又は利点の一群を達成又は最適化する様式で実施されてもよい。
【0011】
特定の参照番号は、1つ以上の点において類似し得る特徴を有する装置、構成要素、システム、特徴、及び/又はモジュールの利便性の問題として、本開示の図セットの異なる図に渡り再使用される。しかしながら、本明細書に開示される実施例のいずれかに関して、図面中の共通の参照番号の再利用は、こうした特徴、装置、構成要素、又はモジュールが同一であるか、又は類似していることを必ずしも示さない。むしろ、当業者は、共通の参照番号の使用が、参照される主題間の類似性を暗示し得る程度に関して、文脈によって知らされ得る。特定の図の説明の文脈における特定の参照番号の使用は、その特定の図における識別された装置、構成要素、態様、特徴、モジュール、又はシステムに関連し、必ずしも別の図において同じ参照番号によって識別された任意の装置、構成要素、態様、特徴、モジュール、又はシステムに関連するものではないと理解することができる。さらに、共通の参照番号で識別された別個の図の態様は、特性を共有するか、又は互いに完全に独立していると解釈されることができる。
【0012】
位置の特定の標準的な解剖学的用語は、本明細書では、好ましい実施例に関して、動物、すなわちヒトの解剖学的構造を指すために使用される。「外側」、「内側」、「上部」、「下部」、「下」、「上」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」などの特定の空間的に相対的な用語及び同様の用語が、1つの装置/要素又は解剖学的構造の、別の装置/要素又は解剖学的構造に対する空間的な関係を説明するために本明細書で使用されるが、これらの用語は、図面に例示される要素/構造間の位置関係を説明するために説明の容易さのために本明細書で使用されることが理解される。空間的に相対的な用語は、図面に示される配向に加えて、使用又は動作中の要素/構造の異なる配向を包含することを意図していることを理解されたい。例えば、別の要素/構造の「上」として説明された要素/構造は、対象の患者又は要素/構造の代替的な配向に関して、そのような他の要素/構造の下又は横にある位置を表す場合があり、その逆も同様である。
【0013】
本開示は、センサと一体化された心臓シャント及び/又はその他の医療用埋め込み装置を使用して、患者の1つ以上の生理学的パラメータ(例えば、血圧)の監視のためのシステム、装置、及び方法に関する。いくつかの実装では、本開示は、圧力センサ又は他のセンサ装置を組み込む、又はそれらと関連付けられる心臓シャント及び/又は他の心臓埋め込み装置に関する。「と関連付けられた」という用語は、その広範かつ通常の意味に従って本明細書で使用される。例えば、第一の特徴、要素、構成要素、装置、又は部材が、第二の特徴、要素、構成要素、装置、又は部材「と関連付けられた」と記載される場合、そのような記載は、第一の特徴、要素、構成要素、装置、又は部材が、第二の特徴、要素、構成要素、装置、又は部材に、直接的か又は間接的かにかかわらず、物理的に結合、取り付け、若しくは接続されるか、統合されるか、少なくとも部分的に内部に埋め込まれるか、又は別様に物理的に関連していることを示すように理解されるべきである。特定の実施例は、心臓埋め込み装置に関連して、本明細書に開示される。しかしながら、本明細書に開示される特定の原理が、心臓の解剖学的構造に特に適用可能であるが、本開示に係るセンサ埋め込み装置は、任意の好適な若しくは望ましい解剖学的構造に埋め込まれ得る、又は埋め込みのために構成され得ることが、理解されるべきである。
【0014】
本明細書に記述される様々なセンサ装置は、本明細書に記述される様々な医療用埋め込み装置と統合されてもよいが、センサ装置は、医療用埋め込み装置とは別個の装置であってもよい。例えば、センサ装置は、医療用埋め込み装置との壊れやすいかつ/又は解放可能な接続を形成してもよい。さらに、本明細書に記述されるセンサ装置は、患者の心臓内に医療用埋め込み装置を別個に(例えば、前及び/又は後に)送達されるように構成されてもよい。例えば、センサ装置は、センサ装置及び/又は医療用埋め込み装置の送達プロセス中(例えば、カテーテルを通した送達中)に医療用埋め込み装置に取り付けられていなくてもよいが、心臓内の所望の場所への送達後(例えば、カテーテルからの除去後)に医療用埋め込み装置に取り付けられ/連結されてもよい。例示の送達場所としては、左心房、左心耳、肺静脈、冠静脈洞、及び/又はこれらの場所と関連付けられた様々な組織壁を挙げることができる。
【0015】
いくつかの実施例では、センサ装置を送達するために使用されるカテーテル及び/又はガイドワイヤはまた、医療用埋め込み装置を送達するためにも使用されてもよい。例えば、カテーテル及び/又はガイドワイヤは、残りの装置の送達のために、センサ装置及び/又は医療用埋め込み装置の送達後に身体内に留まってもよい。
【0016】
本明細書に記述される一部のセンサ装置は、本明細書に記述される医療用埋め込み装置の送達前に送達されるように構成されてもよい。これは、有利には、センサ装置及び/若しくは医療用埋め込み装置の送達を単純化し得、かつ/又はセンサ装置及び/若しくは医療用埋め込み装置のシンプルな撮像を提供し得る。センサ装置は、医療用埋め込み装置の送達前にセンサ装置の測定値を最大化するために、必要に応じて調整されてもよい。さらに、医療用埋め込み装置の送達は、センサ装置の送達後に必要に応じて遅延及び/又は中止されてもよい。
【0017】
本明細書に記述される一部のセンサ装置は、本明細書に記述される医療用埋め込み装置の送達後に送達されるように構成されてもよい。これは、有利には、センサ装置及び/若しくは医療用埋め込み装置の送達を単純化し得、かつ/又はセンサ装置及び/若しくは医療用埋め込み装置のシンプルな撮像を提供し得る。センサ装置は、センサ装置の測定値を最大化するために、必要に応じて調整されてもよい。さらに、センサ装置は、センサ装置の外れのリスクを最小限しか有しないで、医療用埋め込み装置に効果的に固定されてもよい。
【0018】
心臓生理学
心臓の解剖学的構造は、本明細書に開示される特定の発明の概念の理解を支援するために以下に記載される。ヒト及び他の脊椎動物では、心臓は、概して、四つのポンプ室を有する筋肉性の器官を備え、その流れは、様々な心臓弁、すなわち、大動脈弁、僧帽弁(又は二尖弁)、三尖弁、及び肺動脈弁によって少なくとも部分的に制御される。弁は、心周期の様々な段階(例えば、弛緩及び収縮)の間に存在する圧力勾配に応答して、心臓のそれぞれの領域及び/又は血管(例えば、肺動脈、大動脈など)への血液の流れを少なくとも部分的に制御するように構成されてもよい。
【0019】
図1は、本発明の開示の特定の実施例に関連する様々な特徴を有する心臓1の例示的な表現を示す。心臓1は、四つの心腔、すなわち、左心房2、左心室3、右心室4、及び右心房5を含む。血流に関しては、概して、血液は、右心室4から肺動脈弁9を介して肺動脈11に流れ、これは、右心室4を肺動脈11から分離し、血液が肺に向かってポンピングされ得るように収縮期中に開き、拡張期中に閉じて、肺動脈11から心臓に血液が逆流するのを防ぐように構成されている。肺動脈11は、脱酸素化された血液を心臓の右側から肺に運ぶ。示されるように、肺動脈11は、肺動脈幹、及び肺動脈幹から分岐する左15及び右13の肺動脈を含む。肺静脈23は、肺から左心房2へと血液を運ぶ。
【0020】
肺動脈弁9に加えて、心臓1は、三尖弁8、大動脈弁7、及び僧帽弁6を含む、その中の血液の循環を支援するための三つの追加の弁を含む。三尖弁8は、右心房5を右心室4から分離する。三尖弁8は、概して、三つの尖点又は弁尖を有し、概して、心室収縮中(すなわち、収縮期)に閉じ、心室拡張中(すなわち、拡張期)に開き得る。僧帽弁6は、概して、二つの尖点/弁尖を有し、左心房2を左心室3から分離する。僧帽弁6は、左心房2内の血液が左心室3に流入し得るように拡張期中に開き、適切に機能する場合、血液の左心房2への逆流を防ぐために、収縮期中に閉じるように構成される。大動脈弁7は、左心室3を大動脈12から分離する。大動脈弁7は、左心室3を出る血液が大動脈12に入ることを可能にするように収縮期中に開き、血液の左心室3への逆流を防ぐために、拡張期中に閉じるように構成される。
【0021】
心臓弁は、概して、本明細書では弁輪と称される比較的密度の高い線維輪、及び弁輪に取り付けられた複数の弁尖又は尖点を含み得る。概して、弁尖又は尖点のサイズは、心臓が収縮したときに対応する心腔内で結果として高まった血圧が、弁尖を少なくとも部分的に開き、心腔からの流れを可能にするようなものであってもよい。心腔内の圧力が低下すると、後続の心腔又は血管内の圧力が優勢になり、弁尖に向かって押し戻されてもよい。結果として、弁尖/尖点は互いに並置し、それによって、流路が閉じられる。心臓弁及び/又は関連する弁尖の機能障害(例えば、肺動脈弁機能障害)は、弁漏れ及び/又は他の健康上の合併症をもたらし得る。
【0022】
房室(すなわち、僧帽及び三尖)心臓弁は、弁尖の適切な癒合を促進及び/又は容易にし、その脱出を防止するために、それぞれの弁の弁尖を固設する腱索及び乳頭筋(図示せず)の集合をさらに含む。乳頭筋は、概して、例えば、心室壁からの指様突出部を含み得る。弁の弁尖は、腱索によって乳頭筋に接続される。隔壁と呼ばれる筋肉の壁は、左側の心腔を右側の心腔から分離する。特に、心房中隔壁部分18(本明細書では、「心房中隔(atrial septum)」、「心房中隔(interatrial septum)」、又は「中隔」と称される)は、左心房2を右心房5から分離するのに対し、心室中隔壁部分17(本明細書では、「心室中隔(ventricular septum)」、「心室中隔(interventricular septum)」、又は「中隔」と称される)は、左心室3を右心室4から分離する。心臓1の下方先端26は、心尖と呼ばれ、また一般的に、鎖骨中線上又はその近く、第5肋間腔に位置する。
【0023】
冠静脈洞16は、結合されて心臓筋(心筋)から血液を収集する比較的大きな血管を形成する静脈の集合を含む。冠静脈洞の小孔は、一部の患者においてはテベシウス弁によって少なくとも部分的に保護され得るが、示されるように、右心房5に開放されている。冠静脈洞は、左心房2の後面に沿って通過し、酸素化されていない血液を右心房5に送達する。冠静脈洞は、概して、心臓の後ろ側にある左房室溝を横断的に延びる。
【0024】
心臓1内のいくつかのアクセス経路のいずれかが、本出願のインプラント及び/又は装置を展開するために、心臓1内及びその周りでガイドワイヤ及びカテーテルを操作するために利用され得る。例えば、鎖骨下静脈又は頸静脈のいずれかを介して上大静脈(SVC)19、右心房5の中に上から、かつそこから冠静脈洞16の中にアクセスすることができる。代替的に、アクセス経路は、大腿静脈で始まり、下大静脈(IVC)14を通って、心臓1の中に入ってもよい。他のアクセス経路もまた使用されてもよく、各々は、通常は封止されたイントロデューサを通して、ガイドワイヤ及びカテーテルが血管系に挿入される経皮的切開を利用することができ、そこから、医師が装置の遠位端を身体外から制御することができる。
【0025】
心臓圧及び他のパラメータと関連付けられた健康状態
上記に参照されるように、心臓解剖学的構造と関連付けられた特定の生理学的状態又はパラメータは、患者の健康に影響し得る。例えば、鬱血性心不全は、心臓及び/又は身体を通る血液の比較的遅い移動と関連付けられた状態であり、これは、1つ以上の心腔における流体圧力の増加を引き起こす。結果として、心臓は、身体の必要性を満たすのに十分な酸素を圧送しない。心臓の様々な心腔は、より多くの血液を保持して身体を通してポンピングするように伸びることによって、又は比較的硬くなるかつ/若しくは厚くなることによって、圧力増加に応答し得る。心臓の壁は、最終的に弱くなり、効率的に圧送することができなくなり得る。いくつかの事例では、腎臓は身体に流体を保持させることによって、心臓の非効率性に応答する場合がある。腕、脚、足首、足、肺、及び/又は他の器官における流体の蓄積は、身体を鬱血状態にし、これは、鬱血性心不全と称される。急性非代償性鬱血性心不全は、罹患及び死亡の主要原因であり、したがって、鬱血性心不全の治療及び/又は予防は、医療において重大な関心事である。
【0026】
心不全(例えば、鬱血性心不全)の治療及び/又は予防は、有利なことに、心臓又は他の解剖学的構造の1つ以上の腔又は領域における圧力のモニタリングを伴い得る。上記に説明されるように、1つ以上の心腔又は心臓の領域における圧力蓄積は、鬱血性心不全と関連付けられ得る。心臓圧の直接的又は間接的なモニタリングなしで、鬱血性心不全の存在又は発生を推定、決定、又は予測することは困難であり得る。例えば、直接的又は間接的な圧力モニタリングを伴わない治療又はアプローチは、体重、胸部インピーダンス、右心カテーテル挿入などを評価することなどの、患者の他の現在の生理学的状態を評価するか又は観察することを伴い得る。いくつかの解決策では、肺毛細血管楔入圧が、左心房圧の代替として測定され得る。例えば、圧力センサは、肺動脈内に配置又は埋め込むことができ、それと関連付けられた読み取り値が、左心房圧の代替として使用され得る。しかしながら、肺動脈又は特定の他の心腔又は心臓の領域におけるカテーテルベースの圧力測定に関して、そのような圧力センサを維持するために侵襲的カテーテルの使用が必要とされ得、これは、不便であるか、又は実装が困難であり得る。さらに、特定の肺関連状態は、肺動脈内の圧力読み取り値に影響し得、その結果、肺動脈圧と左心房圧との間の相関が望ましくないほど減弱され得る。肺動脈圧測定の代替として、右心室流出路における圧力測定は、左心房圧にも同様に関連する場合がある。しかしながら、そのような圧力読み取り値と左心房圧との間の相関は、鬱血性心不全の診断、予防、及び/又は治療に利用されるほど十分に強くない場合がある。
【0027】
左心房圧を導き出すか又は推定するために、追加の解決策が実装されてもよい。例えば、拡張初期における重力からのピーク速度血流(E波)の心房収縮によって引き起こされる拡張期後期のピーク速度血流(A波)に対する比を表す、心臓の左心室の機能のマーカーであるE/A比が、左心房圧を測定するための代替として使用され得る。E/A比は、心エコー又は他の画像技術を使用して決定され得、概して、E/A比の異常は、左心室が収縮の間の期間に適切に血液を充填することができないことを示唆し得、これは、上記で記載されたように、心不全の症状につながり得る。しかしながら、E/A比の決定は、一般的に、絶対圧力の測定値を提供しない。
【0028】
鬱血性心不全を特定及び/又は治療するための様々な方法は、鬱血性心不全の症状の悪化及び/又は体重の変化の観察を伴う。しかしながら、そのような徴候は、比較的遅発的である、かつ/又は比較的信頼できないように思われ得る。例えば、毎日の体重測定値は、顕著に変化し得(例えば、最大9%以上)、心臓関連合併症の兆候としては信頼できない場合がある。さらに、徴候、症状、体重、及び/又は他のバイオマーカをモニタリングすることによって誘導される治療は、臨床転帰を実質的に改善することが示されているわけではない。加えて、退院した患者については、こうした治療は、遠隔医療システムを必要とする場合がある。
【0029】
本開示は、例えば鬱血性心不全の患者について、再入院、罹患を低減するために、かつ/又は患者の健康の見通しを改善するために、左心房、又はその圧力測定値が左心房圧及び/若しくは1つ以上の他の血管/腔の圧力レベルを示す、他の腔又は血管において、圧力を直接モニタリングすることによって、少なくとも部分的に鬱血性心不全の治療に関連する薬剤の投与を誘導するためのシステム、装置、及び方法を提供する。
【0030】
心臓圧モニタリング
本開示の実施形態による心臓圧モニタリングは、鬱血性心不全及び/若しくは他の生理学的状態を予防又は治療するための積極的な介入機構を提供し得る。概して、拡張期及び/又は収縮期心不全と関連付けられた心室充満圧の増加は、入院につながる症状の発生前に起こり得る。例えば、心臓圧の指標は、一部の患者に関しては、入院の数週間前に現れる場合がある。したがって、本開示の実施例による圧力モニタリングシステムは、有利なことに、心不全の発症前に、薬物治療の適切な又は所望の滴定及び/又は投与を誘導することによって、入院の発生を低減するために実装されてもよい。
【0031】
呼吸困難は、息切れ、又は十分に呼吸することができないという感覚によって特徴付けられる心臓圧指標を表す。呼吸困難は、上昇した心房圧からもたらされる場合があり、これは、圧力の上昇によって肺における流体の蓄積を引き起こす場合がある。病態性呼吸困難は、鬱血性心不全に起因し得る。しかしながら、最初の圧力上昇と呼吸困難の発症との間には顕著な時間が経過し得、したがって、呼吸困難の症状は、心房圧上昇の十分な初期兆候を提供しない場合がある。本開示の実施例に従って圧力を直接モニタリングすることによって、正常な心室充満圧が有利に維持され、それによって、呼吸困難などの心不全の影響を防止又は低減することができる。
【0032】
上記で参照したように、心臓圧に関して、左心房の圧力上昇は、心不全と特に相関する場合がある。図2は、1つ以上の実施例による、様々な心臓の腔及び血管と関連付けられた圧力波形の例を示す。図2に図示される様々な波形は、1つ以上の圧力センサを、それぞれ図示されかつかつラベル付けされた心腔又は心臓血管に前進させるために右心カテーテル挿入を使用して得られた波形を表す場合がある。図2に示されるように、左心房圧を表す波形25は、鬱血性心不全の早期検出のための最良のフィードバックを提供するように考慮される場合がある。さらに、一般的に、増加と左心房圧と肺鬱血との間に比較的強い相関が存在する場合がある。
【0033】
左心房圧は、一般的に、左心室拡張末期圧と良好に相関する場合がある。しかしながら、左心房圧及び拡張末期の肺動脈圧が顕著な相関を有し得るが、そのような相関は、肺血管抵抗が上昇するときに弱まる場合がある。すなわち、肺動脈圧は、一般に、鬱血性心不全の特定の患者を含む場合がある様々な急性状態の存在下では、左心室拡張末期圧と適切に相関しない。例えば、心不全患者の約25%~83%に影響する肺高血圧症は、左側充満圧を推定するための肺動脈圧測定の信頼性に影響し得る。したがって、波形24によって表されるように、肺動脈圧測定単独では、特に、肺疾患及び/又は血栓塞栓症などの併存疾患を有する患者にとって、左心室拡張末期圧の不十分又は不正確な指標となる場合がある。左心房圧は、僧帽弁閉鎖不全の存在及び/又は程度と少なくとも部分的にさらに相関する場合がある。
【0034】
左心房圧の読み取り値は、図2に示される他の圧力波形と比較して、呼吸状態などの他の状態によって歪むか、又は影響する可能性が比較的低い場合がある。概して、左心房圧は、心不全の発現の最大二週間前などに、心不全を有意に予測する場合がある。例えば、左心房圧の増加、並びに拡張期及び収縮期心不全の両方が、入院の数週間前に起こり得、したがって、そのような増加の知識が、鬱血性心不全、例えば、鬱血性心不全の急性衰弱症状の発症を予測するために使用される場合がある。
【0035】
左心房圧モニタリングなどの心臓圧モニタリングは、鬱血性心不全を治療及び/又は予防するための薬剤の投与を導く機構を提供し得る。こうした治療は、有利なことに、再入院及び罹患率を低減するだけでなく、他の恩恵も提供する場合がある。本開示の実施例による移植される圧力センサは、心不全の症状又はマーカー(例えば、呼吸困難)の発現の二週間以上前に、心不全を予測するために使用されてもよい。心不全予測因子が本開示による心臓圧センサの実施例を使用して認識されるとき、心臓機能不全の影響を予防又は低減するのに役立ち得る、患者の薬剤レジメンへの修正などの薬剤介入を含む、特定の予防的措置が実装されてもよい。左心房における直接的な圧力測定は、有利なことに、心不全又は他の合併症につながる場合のある圧力蓄積の正確な指標を提供し得る。例えば、心房圧上昇のトレンドは、心臓機能不全の発症を判定又は予測するために分析又は使用される場合があり、薬物又は他の療法が増強されて、圧力の低減を引き起こし、またさらなる合併症を予防若しくは低減する場合がある。
【0036】
図3は、概して、術後の心房細動、急性腎損傷、心筋損傷、心不全、及び/又は他の健康状態の実質的なリスクと関連しない、左心房圧の正常範囲301を含む左心房圧範囲を示すグラフ300を示す。本開示の実施例は、特定のセンサ埋め込み装置を使用して、患者の左心房圧が、正常範囲301内にある、正常範囲303を上回る、又は正常範囲302を下回るかどうかを判定するためのシステム、装置、及び方法を提供する。心不全の増加したリスクと相関し得る正常範囲を上回って検出された左心房圧に関して、以下に詳細に記載される本開示の実施例は、左心房圧をそれが正常範囲301内になるまで低減するための努力を報告し得る。さらに、急性腎損傷、心筋損傷、及び/又は他の健康上の合併症の増加したリスクと相関し得る、正常範囲301を下回って検出された左心房圧に関して、以下に詳細に記載される本開示の実施例は、圧力レベルを正常範囲301内にするために、左心房圧を増加させる労力を容易にするように機能し得る。
【0037】
統合されたセンサを有する埋め込み装置
いくつかの実装では、本開示は、心臓シャント又は他の埋め込み装置と関連付けられる又はそれらと一体化されるセンサに関する。そのような統合された装置は、心不全及び/又は心臓機能に関連する他の健康上の合併症を治療及び予防するための制御されたかつ/又はより効果的な療法を提供するために使用されてもよい。図4は、シャント(又は他のタイプのインプラント)構造39を備える埋め込み装置30を図示するブロック図である。いくつかの実施例では、シャント構造39は、センサ装置37と物理的に統合される、かつ/又はそれに接続される。センサ装置37は、例えば、圧力センサ、又は他のタイプのセンサであり得る。いくつかの実施例では、センサ37は、圧力変換器などの変換器32だけでなく、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)で具現化されてもよい、ある特定の制御回路34も備える。
【0038】
制御回路34は、変換器32から受信した信号を処理するように、かつ/又はアンテナ38を使用して、変換器に関連付けられた信号を、生物学的組織を通して無線で通信するように構成されてもよい。「制御回路」という用語は、その広範かつ通常の意味に従って本明細書で使用され、プロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、来る又はより多くの能動的及び/若しくは受動的デバイス並びに/又は接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラム可能な論理デバイス、状態機械(例えば、ハードウェア状態機械)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/又は回路及び/若しくは動作命令のハードコーディングに基づいてシグナル(アナログ及び/若しくはデジタル)を操作する任意のデバイスの任意の集団を指し得る。本明細書で参照される制御回路は、単一のメモリ装置、複数のメモリ装置、及び/又は装置の埋め込まれた回路内で具現化されてもよい、1つ以上の記憶装置をさらに備えてもよい。こうしたデータストレージとしては、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、静的メモリ、動的メモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意の装置を備えてもよい。注目すべきは、制御回路が、ハードウェア及び/又はソフトウェア状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む実施例では、任意の関連付けられた動作命令を記憶するデータ記憶装置/レジスタは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む回路内に、又はその外部に埋め込まれてもよい。変換器32及び/又はアンテナ38は、制御回路34の一部と考えることができる。
【0039】
アンテナ38は、銅線又はこれに類するものなどの、導電性材料の1つ以上のコイル又はループを含んでもよい。いくつかの実施例では、変換器32、制御回路34、及び/又はアンテナ38の少なくとも一部分は、センサハウジング36内に少なくとも部分的に配設又は含有され、任意の種類の材料を備えてもよく、有利なことに、少なくとも部分的に密封される場合がある。例えば、ハウジング36は、いくつかの実施例では、ガラス又は他の硬質材料を含んでもよく、これはその中に収容される構成要素に対して機械的安定性及び/又は保護を提供する場合がある。いくつかの実施例では、ハウジング36は、少なくとも部分的に可撓性である。例えば、ハウジングは、ポリマー又は他の可撓性の構造/材料を含んでもよく、これは有利なことに、カテーテル又は他の導入手段を通した輸送を可能にするように、センサ37の折り曲げ、曲げ、又は折り畳みを可能にする場合がある。
【0040】
変換器32は、任意のタイプのセンサ手段又は機構を備えてもよい。例えば、変換器32は、フォースコレクタタイプの圧力センサであってもよい。いくつかの実施例では、変換器32は、ダイアフラム、ピストン、ブルドン管、ベローズ、又はその面積/表面にわたって加えられた歪み若しくは撓みを測定するための他の歪み若しくは撓み測定構成要素を備える。変換器32は、その少なくとも一部分がハウジング36内に収容される又はハウジング36に取り付けられるように、ハウジング36と関連付けられてもよい。ステント又は他のインプラント構造「と関連付けられた」センサ装置/構成要素に関して、こうした用語は、インプラント構造と物理的に連結、取り付け、若しくは接続される、又はそれと統合されるセンサ装置又は構成要素を指してもよい。
【0041】
いくつかの実施例では、変換器32は、加えられた圧力に起因する歪みを検出するために、接合又は形成された歪みゲージを使用するように構成されていてもよい、ピエゾ抵抗歪みゲージを備える、又はピエゾ抵抗歪みゲージの構成要素であり、抵抗は、圧力が構成要素/材料を変形するにつれて、増加する。変換器32は、ケイ素(例えば、単結晶)、ポリシリコン薄膜、接合金属箔、厚膜、シリコンオンサファイア、スパッタ薄膜、及び/又はこれに類するものが挙げられるがこれらに限定されない任意のタイプの材料を組み込んでもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、変換器32は、ダイアフラムへと加えられた圧力に起因する歪みを検出するために可変コンデンサを形成するように構成されたダイアフラム及び圧力空洞を含む静電容量圧力センサを備える、又は静電容量圧力センサの構成要素である。静電容量圧力センサの静電容量は、一般的に、圧力がダイアフラムを変形させるにつれて減少する場合がある。ダイアフラムは、金属、セラミック、ケイ素、及びこれに類するものが挙げられるがこれらに限定されない任意の材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、変換器32は、電磁圧力センサを備える、又は電磁圧力センサの構成要素であり、これは、インダクタンスの変化、線形可変変位変換器(LVDT)の機能、ホール効果、又は渦電流感知によってダイアフラムの変位を測定するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、変換器32は、圧電歪みセンサを備えるか、又は圧電歪みセンサの構成要素である。例えば、そのようなセンサは、水晶などの特定の材料における圧電効果に基づいて、感知機構に対する歪み(例えば、圧力)を決定してもよい。
【0043】
いくつかの実施例では、変換器32は、歪みゲージを備えるか、又は歪みゲージの構成要素である。例えば、歪みゲージの実施例は、変換器32の露出面上の感圧要素、又はそれと関連付けられた感圧要素を備えてもよい。いくつかの実施例では、金属歪みゲージは、スパッタリング又は他の技法によって、センサの表面に接着されてもよく、又は薄膜ゲージがセンサ上に貼り付けられてもよい。測定要素又は測定機構は、ダイアフラム又は金属箔を含んでもよい。変換器32は、光学、電位差測定、共鳴、熱、イオン化、又はその他のタイプの歪み若しくは圧力センサなどの、任意のタイプのセンサ又は圧力センサを備えてもよい。
【0044】
図5は、1つ以上の実施例による、患者44における1つ以上の生理学的パラメータ(例えば、左心房圧及び/又は体積)をモニタリングするためのシステム40を示す。患者44は、例えば、患者44の心臓(図示せず)又は関連する生理機能に移植された医療用埋め込み装置30を有することができる。例えば、埋め込み装置30は、患者の心臓の左心房及び/又は冠静脈洞内に少なくとも部分的に移植され得る。埋め込み装置30は、1つ以上の微小電気機械システム(MEMS)装置(例えば、MEMS圧力センサ、又は他の種類のセンサ変換器)などの1つ以上のセンサ変換器32を含み得る。
【0045】
ある特定の実施例では、モニタリングシステム40は、センサ変換器32だけでなく、1つ以上のマイクロコントローラ、個別電子部品、及び1つ以上の電力及び/又はデータ送信器38(例えば、アンテナコイル)を備える制御回路34も含む移植可能な内部サブシステム又は装置30を含む、少なくとも2つのサブシステムを備えることができる。モニタリングシステム40は、特定の制御回路41に電気的及び/又は通信可能に結合している無線トランシーバを含んでもよい、外部リーダ42(例えば、コイル)を含む外部(例えば、非埋め込み型)サブシステムをさらに含むことができる。ある特定の実施例では、内部30サブシステム及び外部42サブシステムの両方は、それらの間に配置された患者組織を通した無線通信及び/又は電力送達のための対応するコイルアンテナを含む。センサ埋め込み装置30は、任意のタイプの埋め込み装置とすることができる。例えば、いくつかの実施例では、埋め込み装置30は、人工シャント又はステント装置/構造などの別の機能的インプラント構造39と統合された圧力センサを備える。
【0046】
埋め込み装置30のある特定の詳細は、示されている拡大されたブロック30内に図示される。埋め込み装置30は、本明細書に記述されるようなインプラント/アンカー構造39を備えることができる。例えば、インプラント/アンカー構造39は、本開示全体を通して詳細に記述されるように、2つの心腔及び/又は心臓血管の間に流路を提供するために、組織壁へ及び/又は組織壁の中に固定されるように構成された、経皮的に送達可能なシャント装置を含むことができる。ある特定の構成要素が、埋め込み装置30の一部として図5に図示されるが、当然のことながらセンサ埋め込み装置30は、図示された構成要素/モジュールのサブセットのみを備えてもよく、また図示されていない追加的な構成要素/モジュールを備えることができる。埋め込み装置は、図4に示される埋め込み装置の実施例を表す場合があり、逆も可である。埋め込み装置30は、有利なことに1つ以上のセンサ変換器32を含むことができ、これは、心房圧などの患者44の1つ以上の生理学的パラメータを示す応答を提供するように構成することができる。圧力変換器が記述されているが、センサ変換器32は、埋め込み装置30及び/又は患者44と関連付けられた生理学的パラメータ又は状態に関連する信号を提供するための任意の好適な又は望ましいタイプのセンサ変換器を備えることができる。
【0047】
センサ変換器32は、患者の健康に関連する1つ以上のパラメータを感知するために患者44内に位置付けることができる1つ以上のMEMSセンサ、光学センサ、圧電センサ、電磁センサ、歪みセンサ/ゲージ、加速度計、ジャイロスコープ、ダイアフラムベースのセンサ及び/又は他のタイプのセンサを備えることができる。変換器32は、フォースコレクタタイプの圧力センサであってもよい。いくつかの実施例では、変換器32は、ダイアフラム、ピストン、ブルドン管、ベローズ、又はその面積/表面にわたって加えられた歪み若しくは撓みを測定するための他の歪み若しくは撓み測定構成要素を備える。変換器32は、センサハウジング36と関連付けられてもよく、これによりその少なくとも一部分はそのハウジング36内に収容される、又はハウジング36に取り付けられる。
【0048】
いくつかの実施例では、変換器32は、加えられた圧力に起因する歪みを検出するために、接合又は形成された歪みゲージを使用するように構成されていてもよい、歪みゲージを備える、又は歪みゲージの構成要素である。例えば、変換器32は、ピエゾ抵抗歪みゲージを備えてもよく、又はピエゾ抵抗歪みゲージの構成要素であってもよく、抵抗は、圧力が歪みゲージの構成要素/材料を変形するにつれて増加する。変換器32は、シリコーン、ポリマー、ケイ素(例えば、単結晶)、ポリシリコン薄膜、接合金属箔、厚膜、シリコンオンサファイア、スパッタ薄膜、及び/又はこれに類するものが挙げられるがこれらに限定されない任意のタイプの材料を組み込んでもよい。いくつかの実施例では、金属歪みゲージは、スパッタリング又は他の技法によって、センサ表面に接着されてもよく、又は薄膜ゲージがセンサ上に貼り付けられてもよい。測定要素又は測定機構は、ダイアフラム又は金属箔を含んでもよい。変換器32は、光学、電位差測定、共鳴、熱、イオン化、又はその他のタイプの歪み若しくは圧力センサなどの、任意のタイプのセンサ又は圧力センサを備えてもよい。
【0049】
いくつかの実施例では、変換器32は、ダイアフラムへと加えられた圧力に起因する歪みを検出するために可変コンデンサを形成するように構成されたダイアフラム及び圧力空洞を含む静電容量圧力センサを備える、又は静電容量圧力センサの構成要素である。静電容量圧力センサの静電容量は、一般的に、圧力がダイアフラムを変形させるにつれて減少する場合がある。ダイアフラムは、金属、セラミック、シリコーン、ケイ素又はその他の半導体、及びこれに類するものが挙げられるがこれらに限定されない任意の材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、変換器32は、電磁圧力センサを備える、又は電磁圧力センサの構成要素であり、これは、インダクタンスの変化、線形可変変位変換器(LVDT)の機能、ホール効果、又は渦電流感知によってダイアフラムの変位を測定するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、変換器32は、圧電歪みセンサを備えるか、又は圧電歪みセンサの構成要素である。例えば、そのようなセンサは、水晶などの特定の材料における圧電効果に基づいて、感知機構に対する歪み(例えば、圧力)を決定することができる。
【0050】
いくつかの実施例では、変換器32は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)マイクロコントローラ又はチップを備えてもよい制御回路34に電気的に及び/又は通信可能に連結される。制御回路34は、同調コンデンサ、抵抗器、ダイオード、インダクタ、又はこれに類するものなどの1つ以上の個別電子部品をさらに含むことができる。
【0051】
ある特定の実施例では、センサ変換器32は、図示されるローカル外部モニタシステム42など、患者の身体の外側の装置へとワイヤレスで送信することができる電気信号を生成するように構成することができる。こうした無線データ伝送を実施するために、埋め込み装置30は、信号処理回路及びアンテナ38などの無線周波数(RF)(又は他の周波数帯域)伝送回路を含むことができる。アンテナ38は、患者内に移植されたアンテナコイルを含むことができる。制御回路34は、電磁信号を伝送するように構成された任意のタイプのトランシーバ回路を備えてもよく、信号は、アンテナ38によって放射することができ、アンテナ38は、1つ以上の導電性ワイヤ、コイル、プレート、又はこれに類するものを含んでもよい。埋め込み装置30の制御回路34は、例えば、装置30を使用して、生成及び/又は伝送される信号に対してある程度の量の処理を実施するように構成された1つ以上のチップ又はダイを備えることができる。しかしながら、サイズ、コスト、及び/又はその他の制約に起因して、埋め込み装置30は、いくつかの実施例では、独立した処理能力を含まない場合がある。
【0052】
埋め込み装置30によって生成された無線信号は、ローカル外部モニタ装置又はサブシステム42によって受信することができ、これは、埋め込み装置30から無線信号伝送を受信するように構成されたリーダ/アンテナインターフェース回路モジュール43を含むことができ、このモジュールは、少なくとも部分的に患者44内に配置される。例えば、モジュール43は、トランシーバ装置/回路を含んでもよい。
【0053】
外部ローカルモニタ42は、無線信号伝送を埋め込み装置30から受信する、かつ/又はワンド装置などの外部アンテナ48を使用して、無線電力を埋め込み装置30に提供し得る。リーダ/アンテナインターフェース回路43は、埋め込み装置30からの信号を受信及び増幅するように構成された無線周波数(RF)(又は他の周波数帯域)のフロントエンド回路を含むことができ、こうした回路は、1つ以上のフィルタ(例えば、バンドパスフィルタ)、増幅器(例えば、低ノイズ増幅器)、アナログ・デジタル変換器(ADC)及び/又はデジタル制御インターフェース回路、位相ロックループ(PLL)回路、信号ミキサーなどを含むことができる。リーダ/アンテナインターフェース回路43は、ネットワーク49上で遠隔モニタサブシステム又は装置46へと信号を送信するようにさらに構成することができる。リーダ/アンテナインターフェース回路43のRF回路は、送信された信号をネットワーク49上で取り扱う/処理するため、かつ/又は信号を埋め込み装置30から受信するための、デジタル・アナログ変換器(DAC)回路、電力増幅器、ローパスフィルタ、アンテナスイッチモジュール、アンテナ、又はこれに類するもののうちの1つ以上をさらに含むことができる。ある特定の実施例では、ローカルモニタ42は、埋め込み装置30から受信した信号の処理を実施するための制御回路41を含む。ローカルモニタ42は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)又はこれに類するものの既知のネットワークプロトコルに従ってネットワーク49と通信するように構成することができる。ある特定の実施例では、ローカルモニタ42は、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、若しくは他のモバイルコンピューティングデバイス、又は任意の他のタイプのコンピューティングデバイスを備える。
【0054】
ある特定の実施例では、埋め込み装置30は、いくらかの量の揮発性及び/又は不揮発性データストレージを含む。例えば、こうしたデータストレージは、フローティングゲートトランジスタのアレイなどを利用するソリッドステートメモリを備えることができる。制御回路34は、ある期間にわたって収集された感知されたデータを記憶するためにデータストレージを利用してもよく、記憶されたデータは、定期的にローカルモニタ42又は別の外部サブシステムに送信することができる。ある特定の実施例では、埋め込み装置30は、いかなるデータストレージも含まない。制御回路34は、センサ変換器32によって生成されたデータ又はそれらと関連付けられた他のデータの無線伝送を容易にするように構成されてもよい。制御回路34は、例えば、ネットワーク49を介して、ローカルモニタ42から又は遠隔モニタ46からなど、1つ以上の外部サブシステムから入力を受信するようにさらに構成されてもよい。例えば、埋め込み装置30は、1つ以上の構成要素又はセンサをアクティブ化/非アクティブ化することによって、又は別の方法で埋め込み装置30の動作若しくは性能に影響を与えることによってなど、埋め込み装置30の動作を少なくとも部分的に制御する信号を受信するように構成されてもよい。
【0055】
埋め込み装置30の1つ以上の構成要素は、1つ以上の電源35によって給電することができる。サイズ、コスト、及び/又は電気的な複雑さの懸念に起因して、電源35については、本質的に比較的最小限主義的であることが望ましい場合がある。例えば、埋め込み装置30内の高電力駆動電圧及び/又は電流は、埋め込み装置と関連付けられた心臓又は他の身体部分の動作に悪影響を及ぼす、又はそれに干渉する場合がある。ある特定の実施例では、電源35は、本質的に少なくとも部分的に受動的であり、これにより、電力を、短距離又は近接場無線電力伝達、又は他の電磁結合機構の使用を通してなど、埋め込み装置30の受動回路によって外部電源から無線で受信することができる。例えば、ローカルモニタ42は、電力を埋め込み装置30に提供することができるRF場を能動的に生成するイニシエータとして機能してもよく、それによって、埋め込み装置の電力回路は、比較的単純な形態因子を取ることが可能になる。ある特定の実施例では、電源35は、流体流、動き、又はこれに類するものなどの環境源からエネルギーを得るように構成することができる。追加的に又は代替的に、電源35は、電池を備えることができ、これは有利なことに、モニタリング期間(例えば、3日、5日、10日、20日、30日、40日、若しくは90日、又はその他の期間)にわたって必要に応じて十分な電力を提供するように構成することができる。
【0056】
いくつかの実施例では、ローカルモニタ装置42は、埋め込み装置30と遠隔モニタ46との間の中間通信装置として機能することができる。ローカルモニタ装置42は、埋め込み装置30と通信するように設計された専用の外部ユニットとすることができる。例えば、ローカルモニタ装置42は、ウェアラブル通信装置、又は患者44及び埋め込み装置30に近接して容易に配置することができるその他の装置とすることができる。ローカルモニタ装置42は、センサベースの情報をそこから抽出又は要求するために、埋め込み装置30に連続的、周期的、又は散発的に問い合わせるように構成することができる。ある特定の実施例では、ローカルモニタ42は、ユーザーインターフェースを備え、ユーザーは、インターフェースを利用して、センサデータを閲覧、センサデータを要求、又は別の方法でローカルモニタシステム42及び/又は埋め込み装置30と相互作用することができる。
【0057】
システム40は、例えば、モニタされる心臓圧データを閲覧する、かつ/若しくはそれと相互作用するためのモニタリングステーション又はインターフェースを提供するように構成されたデスクトップコンピュータ又は他のコンピューティングデバイスとすることができる二次ローカルモニタ47を含むことができる。一実施例では、ローカルモニタ42は、患者及び/又は埋め込み装置30に物理的に近接して配置されるように構成されたウェアラブル装置又は他の装置若しくはシステムとすることができ、ローカルモニタ42は、主に、信号を、埋め込み装置30に及び/又はそれから受信/送信し、その信号を、閲覧、処理、及び/又は操作するために二次ローカルモニタ47に提供するように設計される。外部ローカルモニタシステム42は、埋め込み装置30からのデータ結合を介しても提供され得る、装置ID又はこれに類するものなどの埋め込み装置30からの、又はそれと関連付けられたある特定のメタデータを受信及び/又は処理するように構成することができる。
【0058】
遠隔モニタサブシステム46は、ローカルモニタ装置42、二次ローカルモニタ47、及び/又は埋め込み装置30からネットワーク49を介して受信したモニタデータを受信、処理、及び/又は提示するように構成された、任意のタイプのコンピューティングデバイス又はコンピューティングデバイスの集合とすることができる。例えば、遠隔モニタサブシステム46は、有利なことに、病院、医師、又は患者44と関連付けられた他のケア事業体などの医療事業体によって操作及び/又は制御することができる。本明細書に開示されるある特定の実施例は、埋め込み装置からローカルモニタ装置42を間接的に通して遠隔モニタサブシステム46と通信することを記述するが、ある特定の実施例では、埋め込み装置30は、ローカルモニタ装置42を通して情報を中継する必要なく、遠隔モニタサブシステム46とネットワーク49を介して通信する能力を有する送信器を備えることができる。
【0059】
いくつかの実施例では、変換器32、制御回路34、電源35、及び/又はアンテナ38のうちの少なくとも一部分は、任意のタイプの材料を含んでもよいセンサハウジング36内に少なくとも部分的に配置又は収容され、また有利なことに、少なくとも部分的に気密密封されてもよい。例えば、ハウジング36は、いくつかの実施例では、ガラス又は他の硬質材料を含んでもよく、これはその中に収容される構成要素に対して機械的安定性及び/又は保護を提供する場合がある。いくつかの実施例では、ハウジング36は、少なくとも部分的に可撓性である。例えば、ハウジングは、ポリマー又は他の可撓性の構造/材料を含んでもよく、これは有利なことに、カテーテル又は他の経皮的導入手段を通した輸送を可能にするように、センサ30の折り曲げ、曲げ、又は折り畳みを可能にする場合がある。
【0060】
上記で参照したように、シャント及びその他の埋め込み装置/構造は、圧力及び/又は他の生理学的パラメータのインビボモニタリングを容易にするために、センサ、アンテナ/トランシーバ、及び/又は他の構成要素と統合されてもよい。本開示の実施例によるセンサ装置は、任意の好適な又は望ましい取り付け若しくは統合機構又は構成を使用して、心臓シャント構造/装置又は他の埋め込み装置と統合されてもよい。図6は、センサ埋め込み装置の構成要素であり得る、例示的なセンサアセンブリ/装置60を示す。センサ装置60は、標的移植部位に関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータに関連するセンサ読み取り値を提供するように構成されてもよい。
【0061】
センサ装置60は、埋め込み装置に取り付けるように構成されてもよい。例えば、流体導管/バレル部分及び軸端フランジを形成する、1つ以上のコイル巻線に成形された1つ以上のワイヤ又は他の材料又は構造を含むコイル形態を使用して、センサ装置60を1つ以上のインプラントに取り付けてもよい。シャント構造は、本明細書に開示されるある特定の実施例による圧力センサ機能と統合されてもよい。シャント構造は、センサ装置60を保持するように構成されてもよい。
【0062】
センサ装置60は、有利なことに、そのセンサ変換器の構成要素65が、シャント構造のチャネルエリア内に配置される構成で配置され、位置付けられ、固定され、配向され、かつ/又は別の方法で設置されてもよい。「チャネルエリア」という用語は、その広範で通常の意味に従って本明細書で使用され、流体導管の半径方向の境界によって画定され、流体導管から軸方向に延在する三次元空間を指し得る。
【0063】
いくつかの実施例では、センサアセンブリ61は、センサ構成要素65及びアンテナ構成要素69を含む。センサ構成要素65は、上記で詳細に記述されるような任意のタイプのセンサ装置を備えてもよい。いくつかの実施例では、センサ65は、シャント構造のアーム部材に取り付けられてもよく、又はアーム部材と統合されてもよい。
【0064】
センサ65は、圧力センサ変換器などのセンサ要素67を含む。本明細書に記述されるように、センサアセンブリ61は、無線データ伝送及び/又は電力伝送を実装するように構成されてもよい。センサアセンブリ61は、こうした目的のためにアンテナ構成要素69を含んでもよい。アンテナ69は、アンテナハウジング79内に少なくとも部分的に収容されてもよく、アンテナハウジング79は、その中に無線データ及び/又は電力通信機能を容易にするように構成されたある特定の制御回路をさらに配置していてもよい。いくつかの実施例では、アンテナ構成要素69は、誘導給電及び/又はデータ送信を容易にし得る、1つ以上の導電性コイル62を含む。導電性コイルを備える実施例では、こうしたコイルは、少なくとも部分的に磁心(例えば、フェライト、鉄)63の周りに巻かれ/配置されてもよい。
【0065】
アンテナ構成要素69は、シャント構造のアーム/アンカー特徴に取り付けられてもよく、それと統合されてもよく、又は別の方法でそれと関連付けられてもよい。
【0066】
センサアセンブリ61は、有利なことに生体適合性であってもよい。例えば、センサ65及びアンテナ69は、ガラス又はその他の生体適合性材料を含むハウジングなどの、生体適合性ハウジングを備えてもよい。しかしながら、ダイアフラム又はその他の構成要素などの、センサ要素67の少なくとも一部分は、圧力の読み取り又は他のパラメータの感知を実施することを可能にするために、いくつかの実施例では、外部環境に露出されてもよい。アンテナハウジング79に関して、ハウジング79は、ガラス円筒形状などの、少なくとも部分的に剛直な円筒状又は管状の形態を含んでもよい。いくつかの実施例では、センサ65/67構成要素は、直径がおよそ3mm以下である。アンテナ69は、長さがおよそ20mm以下であってもよい。
【0067】
センサアセンブリ61は、患者の身体の心臓内又はその他のエリア内に移植されたとき、外部システムと通信するように構成されてもよい。例えば、アンテナ69は、外部システムから無線で電力を受信してもよく、かつ/又は感知されたデータ若しくは波形を外部システムへと、及び/若しくは外部システムから通信してもよい。センサアセンブリ61は、任意の好適な又は望ましいやり方で、シャント構造90に取り付けられてもよく、又はそれと統合されてもよい。例えば、一部の実装では、センサ65及び/又はアンテナ69は、機械的取り付け手段を使用して、シャント構造に取り付けられてもよく、又はそれと統合されてもよい。いくつかの実施例では、センサ65及び/又はアンテナ69は、シャント構造に取り付けられるパウチ又は他のレセプタクル内に収容されてもよい。
【0068】
センサ要素67は、圧力変換器を備えてもよい。例えば、圧力変換器は、半導体ダイアフラム構成要素を含む微小電気機械システム(MEMS)変換器であってもよい。いくつかの実施例では、変換器は、シリコーン又はその他の可撓性材料から作製されてもよい、少なくとも部分的に可撓性又は圧縮可能なダイアフラム構成要素を含んでもよい。ダイアフラム構成要素は、環境圧力の変化に応答して屈曲又は圧縮されるように構成されてもよい。
【0069】
心臓インプラント
図7は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置に取り付けるように構成されてもよい、例示のシャント/アンカー構造150を図示する。シャント構造150は、本明細書に開示されるある特定の実施例による圧力センサ機能と統合されてもよい心臓インプラント(例えば、図4又は図5と関連付けられたアンカー及び/又は心臓インプラント構造)の実施例を表す場合がある。シャント構造150は、拡張可能なシャントであってもよい。拡張されたとき、シャント150の中央流れチャネル166は、概して円形の開口部又は楕円形形状の開口部を画定する場合があり、また/又は組織壁のオリフィス内に位置付けられたとき、流体導管を形成してもよい。チャネル166は、組織壁内に穿刺開口部及び/又はその他のオリフィスの側面を保持して、組織壁によって分離される心腔又は心臓の血管の間に血流経路を形成するように構成されてもよい。例えば、シャント150は、冠静脈洞と左心房とを分離する壁内に移植されて、冠静脈洞と左心房との間に流体導管を形成するように構成されてもよい。中央流れチャネル166は、平行四辺形形状のセル又は開口部180のアレイを形成する細いストラット179の概して平行な配設によって画定される一対の側壁170a、170bによって部分的に形成されてもよい。いくつかの実施例では、実質的に完全シャント150は、圧縮され、かつカテーテル(図示せず)に収まり、そしてその後、拡張され、図7に示されるような弛緩した形状に戻るように構成される超弾性ストラットによって形成される。
【0070】
それらの間にセルを形成する複数の相互接続されたストラットを使用したシャント150の形成は、シャントの可撓性を少なくとも部分的に増加させ、それによって、その圧縮及び埋め込み部位における拡張を可能にするように機能する場合がある。中央流れチャネル166の周囲の相互接続されたストラットは、有利なことに、穿刺における組織を開位置で保持するのに十分な剛性及び構造を有するケージを提供する。中央流れチャネル166の端壁172a、172bは、側壁170a、170bを接続し、かつ遠位フランジ及び近位フランジ、又は各側のアーム152、154の間に延在するように機能することができる。側壁170a、170b及び端壁172a、172bは、示すように、一緒に管状格子を画定してもよい。端壁172a、172bは、シャント150の中央流れ軸からわずかな角度で延在する細いストラット179を備えることができる。シャント150は、アーム152、154の端壁172a、172bに接続された端より互いに近くすることができる、アーム152、154の末端(160a、164a、160b、164b)をさらに備えることができる。
【0071】
図示されたシャント150は、中央流れチャネル166を形成するオープンセルの管状又は円形の格子を画定するストラットを備えるが、いくつかの実施例では、チャネルを作り出す構造は、チャネル166の少なくとも一部分を通る実質的に連続的な壁表面を形成する。図示された実施例では、シャント構造150の傾斜は、送達カテーテル(図示せず)の中へのシャントの折り畳みだけでなく、標的組織壁の両側におけるフランジ/アーム152、154の拡張も容易にする場合がある。シャント150は、第一の左アーム152a、第二の左アーム154a、第一の右アーム152b、及び/又は第二の右アーム154bを備えてもよい。中央流れチャネル166は、シャント150の折り畳まれた状態と拡張した状態との間で本質的に変化しないままであってもよいが、一方でフランジ/アーム152、154は、角度を有する流れチャネルと整列している状態と整列していない状態とで移行してもよい。
【0072】
本明細書に開示されるシャントのある特定の実施例は、実質的に円形の断面を有する流れチャネル及び/又は流体導管を含むが、いくつかの実施例では、本開示によるシャント構造は、長円形状、長方形、ひし形形状、又は楕円形の流れチャネル構成を有する。例えば、図5の図示された構成と比較して比較的細長い側壁は、長方形又は長円形状の流れチャネルを生成する場合がある。こうした形状のシャント流れチャネルは、より大きい穿刺については望ましい場合があるが、一方で比較的小さい送達プロファイルへと折り畳まれるように依然として構成される。
【0073】
いくつかの実施例では、遠位及び近位のフランジ/アーム152、154の各々は、端壁172a、172bから外向きにカールし、そして拡張された構成で中央流れチャネル166からほぼ半径方向で離れた方を指すように設定される。拡張されたフランジ/アームは、シャント150を標的組織壁に固定するように機能してもよい。本開示の実施例のセンサ装置/機能と統合されてもよいシャント、インプラント、及び/又はアンカー構造の追加的な態様及び特徴は、「Expandable Cardiac Shunt」と題された2017年10月17日に交付済みの特許文献1に開示され、その開示は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。ある特定の実施例は、図5に示され、かつ上記に記述されるものと同様のシャント構造の文脈で本明細書に開示されるが、当然のことながら、本開示の実施例による、圧力センサ機能と統合されたシャント構造又はその他の埋め込み装置は、シャンティング又は他の目的若しくは機能にかかわらず、任意のタイプ、形態、構造、構成を有してもよく、かつ/又は任意の目的のために使用されてもよい、若しくは使用されるように構成されてもよい。
【0074】
図8は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置に取り付けるように構成されてもよい、例示のシャント/アンカーインプラント800(例えば、シャント本体)を図示する。インプラント800は、シャントとして、ステントとして、アンカーとして、及び/又は任意の他の目的のために使用するように構成されてもよい。インプラント800は、概して拡張可能かつ/又は非弾性の形態を有してもよい。いくつかの実施例では、インプラント800は、バルーン拡張器及び/又は類似の装置の使用を通して拡張されるように構成されてもよい。例えば、インプラント800は、組織壁における開口部及び/又はオリフィスにおける送達のために構成されてもよい。開口部及び/又はオリフィスを拡張するかつ/又は広げるように構成されたバルーン拡張器は、開口部及び/又はオリフィスにおいてインプラント800を同時に拡張してもよく、かつ/又は広げてもよい。
【0075】
インプラント800は、1つ以上のセル803を形成するストラット802のネットワークを備えることができる。ストラット802は、ニチノール並びに/又は類似の合金及び/若しくは材料を挙げることができる、概して可撓性の材料から少なくとも部分的に構成されてもよい。治療場所への送達中に、ストラット802は、セル803が圧縮されてもよく、かつ/又は1つ以上のストラット802が互いに比較的密接に押し付けられてもよい、概して圧縮された形態を有してもよい。例えば、バルーン拡張器からの拡張力に応答して、1つ以上のストラット802は、1つ以上のセル803を拡大するように、かつ/又はインプラント800の直径、幅、及び/若しくは長さを増加させるように伸びる、かつ/又は分離するように構成されてもよい。
【0076】
図8は、インプラント800の側面図を提供する。いくつかの実施例では、インプラント800は、概して円筒状及び/又は管状形態を有してもよく、ここでストラット802のネットワークは、インプラント800を通して内側管腔を包囲する。内側管腔は、インプラント800が組織壁のオリフィス/開口部内に位置付けられたときに、インプラント800の少なくとも一部分を通して流体導管を形成するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、インプラント800は、送達シース及び/又はカテーテル上に捲縮されるように構成されてもよい。
【0077】
いくつかの実施例では、インプラント800は、開口部/オリフィス及び/又は組織壁に独立して固定するように構成されてもよい。例えば、インプラント800は、組織壁を通る開口部内での定置のために構成されてもよく、かつ/又は組織壁に固定され、かつ/又はしっかりと取り付けられるように構成されてもよい。いくつかの実施例では、インプラント800は、「砂時計」及び/又は類似の形状を形成する、概して湾曲した/非直線的な側方部分805を有してもよい。例えば、インプラント800の直径は、インプラント800の中央/側方部分805(例えば、中間セクション)より、インプラント800の上部分807及び/又は下部分809において大きくてもよい。このようにして、上部分807及び/又は下部分809は、組織壁を通して開口部の外へ延在し、かつ/又は組織壁の上に少なくとも部分的に延在して、インプラント800が組織壁の開口部から外れるのを防止するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、構造の中間セクション805は、組織壁の開口部内に少なくとも部分的に位置するように構成されてもよい。インプラント800の中間セクション805におけるインプラント800の直径は、組織壁を通る開口部の直径とほぼ等しい、かつ/又は直径未満であってもよく、一方で、上部分807及び/又は下部分809におけるインプラント800の直径は、組織壁の開口部の直径より大きくてもよい。
【0078】
いくつかの実施例では、インプラント800は、1つ以上のセンサ装置への取り付けのために構成されてもよい。センサ装置は、構造の様々な部分に取り付けられてもよい。例えば、1つ以上のセンサ装置は、1つ以上の取り付け装置の使用を通して、又は別の方法でインプラント800の上部分807及び/又は下部分809において、又はその近くでストラット802に取り付けられるように構成されてもよい。いくつかの実施例では、センサ装置は、センサ装置におけるセンサの読み取り値を最大化するために、インプラント800の異なる部分に定置されるように構成されてもよい。さらに、インプラント800は、センサ装置の位置を医師によって調整して、センサ装置における読み取り値を最大化することを可能にするように、組織壁の開口部において、及び/若しくは開口部内で捻られる、かつ/又は別の方法で調整されるように構成されてもよい。
【0079】
インプラント800は、他のインプラントと組み合わせて実装されるように構成されてもよい。例えば、インプラント800は、図7で記述されるシャント150とともに使用するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、インプラント800は、シャント構造の送達の前の送達のために構成されてもよい。別の方法として、シャント150は、インプラント800の前の送達のために構成されてもよい。しかしながら、インプラント800は、別の方法として、他のインプラントとは独立して使用するように構成されてもよい。
【0080】
インプラント800は、追加的なインプラントとは独立した使用のために構成されてもよく、かつ/又は追加的な及び/若しくは別個のインプラントと組み合わせた使用のために構成されてもよい。例えば、センサ埋め込み装置は、インプラント800のバレル部分(すなわち、シャント本体)を少なくとも部分的に通って延在するように構成されたシャント装置/本体(例えば、図7のシャント150を参照のこと)を備えてもよい。シャント装置は、1つ以上の組織壁へと固定するように構成された1つ以上の固定アームを備えてもよい。
【0081】
図9は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置への取り付けのために構成されてもよい別のアンカー/シャントインプラント900(例えば、シャント本体)の平坦なパターン図を提供する。インプラント900は、インプラント900のバレル部分に沿って1つ以上のセル903を形成するストラット902のネットワークを備えてもよい。インプラント900は、インプラント900のバレル部分を通る流体導管を形成してもよい。図9は、インプラント900の平坦なパターン図を提供する。しかしながら、インプラント900は、概して円形/管状/円筒形状を形成するように構成されてもよく、これは、組織壁の概して円形/円筒状の開口部及び/若しくはオリフィス内に適合し、かつ/又は開口部及び/又はオリフィスを通して流体導管を形成するように構成されてもよい。例えば、図9に示すインプラント900の左側は、インプラント900の右側に連結するように構成されてもよい。
【0082】
インプラント900は、隣接するセル903と両側で相互接続されてもよい、一連のひし形及び/又はスペード形状のセル903(例えば、一列になった一連の)を備えてもよい。例えば、各セル903は、可変幅を有してもよく、かつ/又は図9に示すように、最大幅の点の上方において最大幅の点の下方より長く延在してもよい。
【0083】
インプラント900は、追加的なインプラントとは独立した使用のために構成されてもよく、かつ/又は追加的な及び/若しくは別個のインプラントと組み合わせた使用のために構成されてもよい。例えば、センサ埋め込み装置は、インプラント900のバレル部分(すなわち、シャント本体)を少なくとも部分的に通って延在するように構成されたシャント装置/本体(例えば、図7のシャント150を参照のこと)を備えてもよい。シャント装置は、1つ以上の組織壁へと固定するように構成された1つ以上の固定アームを備えてもよい。
【0084】
図10は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置に取り付けるように構成されてもよい、別のアンカー/シャントインプラント1000(例えば、シャント本体)を図示する。インプラント1000は、インプラント1000のバレル部分に沿って1つ以上のセル1003を形成するストラット1002のネットワークを備えてもよい。バレル部分は、インプラント1000の内側管腔を通る流体導管を形成してもよい。図10は、インプラント1000の平坦なパターン図を提供する。しかしながら、インプラント1000は、概して円形/管状/円筒形状を形成するように構成されてもよく、これは、組織壁の概して円形/円筒状の開口部及び/若しくはオリフィス内に適合するように構成されてもよい。例えば、図10に示すインプラント1000の左側は、インプラント1000の右側に連結するように構成されてもよい。
【0085】
インプラント1000は、概してひし形形状のセル1003のネットワークを備えてもよい。例えば、インプラント1000は、積み重ねられたひし形形状のセル1003の対を備えてもよい。積み重ねられたひし形形状のセル1003の対の間の空間は、同様に、概してひし形形状とすることができる。いくつかの実施例では、2つのセル1003の積み重ねの下方セル1003は、2つのセル1003の積み重ねの上方セル1003より短くてもよい。例えば、図10に示すように、下方セル1003は、概してスペード形状であってもよい。
【0086】
インプラント1000は、追加的なインプラントとは独立した使用のために構成されてもよく、かつ/又は追加的な及び/若しくは別個のインプラントと組み合わせた使用のために構成されてもよい。例えば、センサ埋め込み装置は、インプラント1000のバレル部分(すなわち、シャント本体)を少なくとも部分的に通って延在するように構成されたシャント装置/本体(例えば、図7のシャント150を参照のこと)を備えてもよい。シャント装置は、1つ以上の組織壁へと固定するように構成された1つ以上の固定アームを備えてもよい。
【0087】
図11は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置に取り付けるように構成されてもよい、別のアンカー/ステントインプラント1100(例えば、シャント本体)を図示する。インプラント1100は、インプラント1100を通る流体導管を構成するように構成されたバレル部分1102を備えてもよい。いくつかの実施例では、バレル部分1102は、組織壁の開口部及び/又はオリフィス内に少なくとも部分的に適合するように構成されてもよい。バレル部分1102は、圧縮された形態から拡張形態へと拡張可能であってもよい、織り合わされたパターン及び/又はメッシュパターンを形成するストラット及び/又はワイヤのネットワークから構成することができる。追加的に又は代替的に、バレル部分1102は、1つ以上の材料シートを含むことができる。例えば、バレル部分1102は、独立して実装されてもよい、かつ/又はバレル部分1102を形成するワイヤ構造を覆うように構成されてもよい、1つ以上の織物シートを備えることができる。いくつかの実施例では、インプラント1100は、概して湾曲した/非直線的な側方部分1105(例えば、「砂時計」形状を形成する)を有してもよい。
【0088】
いくつかの実施例では、インプラント1100は、1つ以上のリング1107を備えてもよい。例えば、インプラント1100は、インプラント1100の上部分(すなわち、第一の端部分)に第一のリング1107aを、かつ/又はインプラント1100の下部分(すなわち、第二の端部分)に第二のリング1107bを備えてもよい。いくつかの実施例では、1つ以上のリング1107は、ニチノール及び/又はその他の形状記憶合金を含むことができる、概して可撓性及び/又は非弾性材料から少なくとも部分的に構成されてもよい。第一のリング1107aは、第一の端部分を備えてもよく、かつ/又は第二のリング1107bは、第二の端部分を備えてもよく、これらは、組織壁の少なくとも一部分の上を把持するように、かつ/又は別の方法で、組織壁の少なくとも一部分への確実な取り付けを形成するように構成されてもよく、一方で、インプラント1100の少なくとも一部分(例えば、バレル部分1102)は、組織壁を通るかつ/又は組織壁内の、開口部及び/若しくはオリフィス内に少なくとも部分的に位置する。いくつかの実施例では、インプラント1100は、第一のリング1107a及び/若しくは第二のリング1107bにおいて可変直径及び/若しくはインプラント1100の直径を有してもよく、かつ/又は第二のリング1107bは、バレル部分1102の少なくとも一部分においてインプラント1100の直径より大きくてもよい。例えば、第一のリング1107a及び/又は第二のリング1107bは、第一の直径を有してもよく、かつ/又はバレル部分1102は、第一のリング1107aと第二のリング1107bとの間に延在してもよく、かつ/又はバレル部分1102がバレル部分1102の長さに沿って直径を徐々に減少及び/又は増加させる場合がある砂時計形態を有してもよい。
【0089】
インプラント1100は、追加的なインプラントとは独立した使用のために構成されてもよく、かつ/又は追加的な及び/若しくは別個のインプラントと組み合わせた使用のために構成されてもよい。例えば、センサ埋め込み装置は、インプラント1100のバレル部分1102(すなわち、シャント本体)を少なくとも部分的に通って延在するように構成されたシャント装置/本体(例えば、図7のシャント150を参照のこと)を備えてもよい。シャント装置は、1つ以上の組織壁へと固定するように構成された1つ以上の固定アームを備えてもよい。
【0090】
図12は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置に取り付けるように構成されてもよい、別のシャント/アンカーインプラント1200を図示する。いくつかの実施例では、インプラント1200は、ヒトの心臓内の左心耳及び/又はその他のオリフィス及び/又はエリアに固定するように構成されてもよい。左心耳内に構造を固定することは、有利なことに、インプラント1200及び/又は関連するセンサ装置による血液特性(例えば、流れ、圧力など)に対する効果を最小化する場合がある。いくつかの実施例では、インプラント1200は、インプラント1200の拡張を可能にするように、1つ以上のセルを形成するストラット及び/又はワイヤのネットワークから構成されてもよいバレル部分1202を備えてもよい。インプラント1200は、外側スカート1208をさらに備えてもよい。いくつかの実施例では、外側スカート1208は、少なくとも部分的に布及び/又は概して可撓性の材料から構成されてもよい。バレル部分1202は、バレル部分1202の上方部分及び/又は下方部分に開口部を有する概して円筒状の形態を有してもよい。外側スカート1208は、バレル1202の上方部分及び/又は下方部分の開口部を少なくとも部分的に覆うように構成されてもよい。いくつかの実施例では、インプラント1200は、閉塞装置として使用するために構成されてもよい。
【0091】
インプラント1200は、拡張された形態で図12に示される。しかしながら、インプラント1200は、1つ以上のカテーテルを介した送達のために、より小さいプロファイルへと圧縮するように構成されてもよい。
【0092】
図13は、1つ以上の実施例による、心房中隔18内に移植されたシャントインプラント/アンカー装置/構造73を示す。シャントインプラントは図13に描かれているが、インプラント73は、本明細書に記述される様々なインプラントのうちのいずれかであってもよい。心房中隔壁18内の特定の位置は、シャント構造73に対して比較的確実なアンカー場所を提供するように選択又は決定されてもよい。その上、シャント装置/構造73は、将来の介入のために中隔の壁18の将来の再交差を考慮して望ましい位置に移植されてもよい。心房中隔壁18におけるシャント装置/構造73の移植は、有利なことに、左心房2と右心房5との間の流体連通を可能にする場合がある。
【0093】
シャント装置/構造73を使用する心房間シャンティングは、心房圧上昇に比較的感受性が高い患者に良好に適合する場合がある。例えば、心室及び/又は心房で圧力が上昇し、また心筋細胞に対して圧力が加えられると、心臓の筋肉は一般的に収縮する傾向があり過剰な血液を処理するのが比較的難しくなる場合がある。したがって、心室の収縮性が損なわれている患者については、心室が拡がる又は伸びるにつれて、心臓がそれに対して適切に応答又は反応することができない場合があるため、こうした患者は心室及び/又は心房内のより高い圧力に対してより敏感になる場合がある。その上、左心房圧の上昇は呼吸困難をもたらす可能性があり、したがって、心房間シャンティングを通して、左心房圧を低下させて呼吸困難を低減し、かつ/又は再入院の発生率を低減することが望ましい場合がある。例えば、心室が流体圧が高まるのに適応できないような機能障害を経験する場合、こうした流体は、心房内に滞留し、それによって心房圧を増大させる場合がある。心不全に関しては、左心室拡張末期圧の最小化が最重要となる場合がある。左心室拡張末期圧は左心房圧に関連する可能性があるため、心房内の流体の滞留は、肺内の流体の滞留を引き起こし、それによって、肺内の望ましくないかつ/又は危険な流体の蓄積を引き起こす可能性がある。本開示の実施例によるシャント装置を使用することなど、心房間のシャンティングは、左心房内の余分な流体を右心房に迂回させる場合があり、これは、右心房内の比較的高い順応性に起因して、追加的な流体を収容することができる場合がある。
【0094】
一部の実装では、本開示の実施例によるシャント装置/構造は、左心房から冠静脈洞を分離する壁内に移植されてもよく、これにより、心房間シャンティングは冠静脈洞を通して達成される場合がある。図14は、冠静脈洞16と左心房2との間の組織壁21内に移植されたシャント装置/構造83を示す。シャントインプラントは図14に描かれているが、インプラント83は、本明細書に記述される様々なインプラントのうちのいずれかであってもよい。図14だけでなく、いくつかの以下の図は、後面が紙面の上部の向きにされた上からの視点で、上から下に見た心臓の断面を示す。
【0095】
一部の事例では、左心房2と冠静脈洞16との間の壁21におけるシャント装置83の移植を通る左から右へのシャンティングは、心房中隔を通るシャンティングより好ましい可能性がある。例えば、冠静脈洞16を通るシャンティングは、血栓及び塞栓のリスクの低減を提供することができる。冠静脈洞は、いくつかの理由から血栓/塞栓の存在を有する可能性が低い。第一に、冠血管系から右心房5への血液の排出は、毛細血管を通過したばかりであり、そのため本質的に濾過された血液である。第二に、右心房における冠静脈洞の小孔14は、多くの場合、テベシウス弁と呼ばれる偽弁(図示せず)によって部分的に被覆される。テベシウス弁は、常に存在するわけではないが、一部の研究は、ほとんどの心臓に存在し、また右心房圧におけるスパイクの場合に血栓又は他の塞栓が入るのを遮断することができることを示す。第三に、冠静脈洞とそれが排出される右心房との間の圧力勾配は、一般に、比較的低く、これにより、右心房の血栓又は他の塞栓は、そこに留まる可能性が高い。第四に、血栓/塞栓が冠静脈洞に入る場合には、右心房と左心房との間よりも、右心房と冠血管系との間にはるかに大きい勾配が存在することになる。血栓/塞栓は、右心房圧が正常に戻り、次いで、塞栓が右心房に直接戻るまで、冠血管系をさらに下降して移動することになる可能性が最も高い。
【0096】
左心房と冠静脈洞との間にシャント構造83を位置特定するいくつかの追加的な利点は、この解剖学的構造が、一般に、心房中隔組織よりも安定していることである。左心房血液を冠静脈洞へと迂回することによって、洞圧が少しだけ増加する場合がある。これは、冠血管系の血液を、心臓を通ってよりゆっくりと移動させ、灌流及び酸素伝達を増加させることになり、これは、より効率的である可能性があり、また瀕死の心筋が回復するのを助けることができる。加えて、シャント装置/構造83を冠静脈洞の壁内に移植することによって、心房中隔18への損傷が予防される場合がある。したがって、心房中隔18は、代替的な療法のための後での経中隔アクセスのために保存されてもよい。経中隔アクセスの保存は、様々な理由で有利である場合がある。例えば、心不全患者は、しばしば、心房細動及び/又は僧帽弁逆流などの、いくつかの他の併存疾患を有し、これらの病態を治療するためのある特定の療法は、経中隔アクセスを必要とする。
【0097】
注目すべきは、冠静脈洞16と左心房2との間にインプラント/構造83を定置する様々な利点に加えて、ある特定の欠点が考慮される場合があることである。例えば、左心房2から冠静脈洞16へと血液をシャンティングすることによって、左心房2からの酸素化した血液は、右心房5へと通されてもよく、かつ/又は右心房5からの酸素化していない血液は、左心房2へと通されてもよく、それらの両方は、心臓の適正な機能に関して、望ましくない場合がある。
【0098】
センサが連結された埋め込み装置
図15は、1つ以上の実施例による、センサ装置1560に連結された例示のアンカー/シャントインプラント1501を図示する。センサ装置1560は、インプラント1501の外側スカート1508に取り付けられ、かつ/又はそこから延在するように構成されてもよい。外側スカート1508は、インプラント1501を通る開口部を少なくとも部分的に覆うように構成されてもよい。センサ装置1560は、インプラント1501及び/又はスカート1508の任意の部分における取り付けのために構成されてもよい。図15に示すように、センサ装置1560は、スカート1508の中央部分における取り付けのために構成されてもよい。例えば、センサ装置1560は、インプラント1501の中央管腔を横切って位置付けられてもよい。
【0099】
インプラント1501は、左心耳29及び/又は心臓解剖学的構造の他の部分における定置及び/又は固定のために構成されてもよい。センサ装置1560は、少なくとも部分的に左心耳29を越えて、かつ/又は左心房の中へと延在するように構成されてもよく、これによりセンサ装置1560は、左心房2の圧力及び/又はその他の特徴を測定するように構成されてもよい。例えば、インプラント1501は、スカート1508が以前の左心耳の開口部に位置付けられるように、左心房の中へと、左心耳に位置付けられてもよい。センサ装置1560は、センサ装置1560が左心耳29の開口部を越えて延在するように、スカート1508から延在するように構成されてもよい。左心耳29内に構造を固定することは、有利なことに、インプラント1501及び/又はセンサ装置1560による左心房2内の血液特性(例えば、流れ、圧力等)に対する効果を最小化する場合があり、一方で、有利なことにセンサ装置1560が左心房に関連付けられた正確な測定値を得ることを可能にする場合がある。さらに、インプラント1501を左心耳29に固定することは、有利なことに、左心耳29への血流を密封することを可能にする場合があり、それによって、脳卒中及び/又は様々な心臓病態につながる可能性がある血栓形成のリスクを低減する場合がある。
【0100】
インプラント1501及び/又はセンサ装置1560の送達は、経中隔手技を含む可能性がある任意の好適な手段で実施されてもよい。いくつかの実施例では、インプラント1501は、センサ装置1560とは別個に送達されるように構成されてもよい。例えば、インプラント1501は、第一の手技中に送達されてもよく、またセンサ装置1560は、後で別個の手技中に送達され、そしてインプラント1501に取り付けられてもよい。
【0101】
いくつかの実施例では、インプラント1501及び/又はセンサ装置1560は、冠静脈洞と左心房2との間の組織壁に作成された医原性穿刺を介して送達することができる。冠静脈洞を介して送達することによって、心房中隔及び/又は組織の他のエリアへの損傷が予防される場合があり、かつ/又はこうした組織のエリアは、経中隔アクセスを必要とする場合がある後の代替療法のために保存されてもよい。経中隔アクセスの保存は、様々な理由で有利である場合がある。例えば、心不全患者は、しばしば、心房細動及び/又は僧帽弁逆流を挙げることができる、いくつかの他の併存症を有し、これらの病態を治療するためのある特定の療法は、経中隔アクセスを必要とする可能性がある。
【0102】
血流特性(例えば、圧力)は、左心耳29内では、左心房2の他の部分とは異なる可能性がある。その結果、センサ装置1560は、左心耳29の外へ少なくとも部分的に延在するように構成される場合があり、一方でインプラント1501は、左心耳29内に少なくとも部分的に位置する場合があり、これは左心房2の血流特性に対するインプラント1501の影響を最小化する場合がある。
【0103】
いくつかの実施例では、センサ装置1560は、インプラント1501への調整可能な取り付けを形成するように構成されてもよい。例えば、調整可能なラッチを使用して、センサ装置1560をインプラント1501に連結してもよい。調整可能なラッチは、インプラント1501に対するセンサ装置1560の角度に対する調整を可能にするように構成される一方で、センサ装置1560は、インプラント1501に連結されたままでよい。さらに、センサ装置1560は、インプラント1501の任意の部分に取り付けるように構成されてもよい。例えば、センサ装置1560は、インプラント1501のスカート部分に取り付けられて示されるが、センサ装置1560は、代替的に、インプラント1501のストラット部分に連結されてもよい。センサ装置1560は、固定及び/又は角度調整を通して、左心房2及び/又は心臓の他の部分の測定値を最大化することができる位置へと調整されてもよい。
【0104】
図16は、1つ以上の実施例による、センサ装置1660に連結された別のアンカー/シャントインプラント1601を図示する。インプラント1601は、1つ以上のセル1603を形成するストラット1602のネットワークで構成されたバレル部分を備えてもよい。いくつかの実施例では、インプラント1601は、概して湾曲した/非直線的な側方部分1605を有してもよい。
【0105】
センサ装置1660は、インプラント1601の任意の部分に取り付けるように構成されてもよい。さらに、センサ装置1660は、インプラント1601に任意の好適な様態で取り付けるように構成されてもよい。例えば、コード、ワイヤ、縫合糸、及び/又は類似の装置を含むことができるテザー1611は、インプラント1601とセンサ装置1660との間に延在するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、テザー1611は、インプラント1601の上部分及び/若しくは下部分から延在し、かつ/又はそれらに取り付けられるように構成されてもよい。インプラント1601は、所望によりセンサ装置1660の位置を調整するように捻られ、かつ/又は別の方法で調整されるように構成されてもよい。いくつかの実施例では、テザー1611は、概して可撓性の構造を有してもよく、かつ/又は概して可撓性の材料から少なくとも部分的に構成されてもよい。テザー1611及び/又はセンサ装置1660は、同様に、本明細書に記述される任意の埋め込み装置に連結するように構成されてもよい。
【0106】
図17図17-1、図17-2、及び図17-2)は、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサに連結された1つ以上のインプラントを送達するための1つ以上の工程を含むプロセス1700を図示するフローチャートを提供する。図18図18-1、図18-2、及び図18-3)は、図17のプロセス1700の工程に対応する画像を提供する。
【0107】
工程1702において、プロセス1700は、図18の画像1802で図示するように、1つ以上のセンサ1860に連結された第一のインプラント1801を、組織壁1809を通して開口部1818へと送達することを伴う。いくつかの実施例では、第一のインプラント1801及び/又はセンサ1860は、カテーテル1807を介した送達のために構成されてもよい。心臓を通る1つ以上の経路を介して送達するために、拡張器1848及び/又は非外傷性先端が、カテーテル1807と組み合わせて利用されてもよい。組織壁1809としては、心臓内の心房中隔、冠静脈洞壁、及び/又は他の組織壁を挙げることができる。開口部1818は、プロセス1700の一部として形成されてもよく、かつ/又は前のプロセス中に形成されてもよい。いくつかの実施例では、拡張器1848及び/又はカテーテル1807を開口部1818に誘導するために、ガイドワイヤ1815及び/又は類似の装置が、開口部1818を通して導入されてもよい。
【0108】
いくつかの実施例では、第一のインプラント1801及び/又はセンサ装置1860は、第一のインプラント1801及び/又はセンサ装置1860と共に、カテーテル1807の内側内側管腔を通って、かつ/又はカテーテル1807の開口部を越えて延在するように構成されてもよい、内側シース1824に沿って送達するように構成されてもよい。内側シース1824は、第一のインプラント1801及び/又は開口部1818の拡張を引き起こすように構成されたバルーン拡張器及び/又は類似の装置を運ぶように構成されてもよい。
【0109】
工程1704において、プロセス1700は、図18の画像1804に図示するように、組織壁1809の開口部1818内に第一のインプラント1801を定置することを伴う。第一のインプラント1801及び/又はセンサ装置1860は、内側シース1824に沿ってかつ/又はカテーテル1807を越えて延在して、第一のインプラント1801を少なくとも部分的に開口部1818内に位置付けるように構成されてもよい。センサ装置1860は、組織壁1809の遠位側において、第一のインプラント1801から、かつ/又は遠位心腔、例えば、左心房2まで延在するように構成されてもよい。第一のインプラント1801は、送達中及び/又は組織壁1809の開口部1818における定置時に、概して圧縮された形態であってもよい。その結果、開口部1818での送達における第一のインプラント1801の直径は、第一のインプラント1801が開口部1818内で捻られかつ又は別の方法で調整されることを可能にするように、開口部1818の直径より小さくてもよい。このようにして、センサ装置1860の定置は、第一のインプラント1801の調整に応答して同様に調整されてもよい。第一のインプラント1801は、内側シース1824を中心として捻られるように構成されてもよい。
【0110】
工程1706において、プロセス1700は、図18の画像1806に示すように、拡張バルーン1805を膨張させること、及び/又は別の方法で拡張バルーン1805及び/又は類似の装置を係合することによって、第一のインプラント1801及び/又は開口部1818を拡張することを伴う。拡張バルーン1805は、内側シース1824から延在するように構成されてもよく、かつ/又は第一のインプラント1801を複数の方向及び/又はすべての方向に拡張するように膨張するかつ/又は膨張されるように構成されてもよい。拡張バルーン1805は、開口部1818の直径を増加させ、かつ/又は同時に第一のインプラント1801の内側部分に押す力を加えて、開口部1818の組織部分に対して第一のインプラント1801を押し付けるように構成されてもよい。
【0111】
工程1708において、プロセス1700は、図18の画像1808に示すように、拡張可能なバルーン1805を圧縮すること、及び/又は別の方法で拡張可能なバルーン1805及び/又は類似の装置を係合解除して、第一のインプラント1801から拡張圧力を除去することを伴う。第一のインプラント1801は、概して非弾性の形態を有してもよく、これにより第一のインプラント1801は、拡張バルーン1805の圧縮後及び/又は第一のインプラント1801における拡張力の除去後に、その拡張された形態を維持するように構成されてもよい。第一のインプラント1801は、概して円筒状形態を有してもよく、かつ/又は概して湾曲した及び/又は非直線的な側方部分を有して、第一のインプラント1801が組織壁1809の開口部1818から外れることを予防してもよい。言い換えれば、第一のインプラント1801の側方部分は、組織壁1809の開口部1818の上へと把持するように構成されてもよい。
【0112】
工程1710において、プロセス1700は、図18の画像1810に示すように、カテーテル1807を延在すること、及び/又は別の方法で組織壁1809の開口部1818において第二のインプラント1803の少なくとも1つ以上の遠位アームを送達することを伴う。第二のインプラント1803はシャントインプラントとして示されているが、他のタイプのインプラントが使用されてもよい。いくつかの実施例では、内側カテーテル1813は、第二のインプラント1803の送達で使用されてもよい。例えば、シャント装置が、内側カテーテル1813の外側表面の上へと捲縮される一方で、第二のインプラント1803は、カテーテル1807を通して延在してもよい。第二のインプラント1803は、第一のインプラント1801の定置の後に送達されることが示されているが、第二のインプラント1803及び第一のインプラント1801は、同時に送達されてもよく、かつ/又は第二のインプラント1803は、第一のインプラント1801の送達の前に送達されてもよい。
【0113】
いくつかの実施例では、第二のインプラント1803は、第一のインプラント1801の内側管腔を少なくとも部分的に通るように構成されてもよく、かつ/又は構造の少なくとも一部分にわたって延在して組織壁1809に固定する、かつ若しくは別の方法で組織壁1809への取り付けを形成するように構成された1つ以上の固定アームを備えてもよい。例えば、第二のインプラント1803の1つ以上のアーム部分は、第一のインプラント1801の部分を越えて延在し、かつ組織壁1809の上へと把持するように構成されてもよい。第二のインプラント1803は、組織壁1809において開口部/オリフィス1818内に適合しかつ/又は維持するように構成されたバレル部分を備えてもよい。バレル部分は、第一のインプラント1801の内側管腔内に少なくとも部分的に適合するように構成されてもよい。別の方法として、第一のインプラント1801は、第二のインプラント1803の内側管腔及び/又はバレル部分を少なくとも部分的に通して延在するように構成されてもよい。
【0114】
ガイドワイヤ1815は、有利なことに、第一のインプラント1801及び/又は第二のインプラント1803の送達を誘導するように構成されてもよい。例えば、第一のインプラント1801の送達後、ガイドワイヤ1815は、本体内に留まり、そして/又は組織壁1809の開口部1818を通して延在してもよい。第二のインプラント1803及び/又は内側カテーテル1813は、ガイドワイヤ1815に沿って延在するように構成されてもよい。
【0115】
工程1712において、プロセス1700は、図18の画像1812に示すように、組織壁1809に第二のインプラント1803を固定することを伴う。第二のインプラント1803を固定することは、カテーテル1807の外へかつ/又は組織壁1809と接触するように、第二のインプラント1803の近位アームを延在させることを伴ってもよい。第二のインプラント1803の送達後に、カテーテル1807は身体から取り外されてもよく、一方で第二のインプラント1803及び/又は第一のインプラント1801は組織壁1809に固定されたままである。
【0116】
図19は、センサ装置へと連結され、かつ/又はセンサ装置1960を、1つ以上の実施例による本明細書に記述される様々なシャント装置及び/又はその他のインプラントを含むことができる1つ以上の追加的なインプラントへと固定するように構成された、センサ取り付け装置/インプラント1911を図示する。いくつかの実施例では、センサ取り付け装置1911は、第一の端部分1912及び/又は第二の端部分1913を含む、概して湾曲した(例えば、C字形状)構造を有してもよい。第一の端部分1912及び/又は第二の端部分1913は、センサ取り付け装置1911が1つ以上のインプラントの上へとフック留めされるかつ又は別の方法で1つ以上のインプラントとの取り付けを形成することを可能にするようにフックとして動作するように構成されてもよい。例えば、第一の端部分1912及び/又は第二の端部分1913は、インプラントにおいて、対応する取り付け特徴、例えば、レセプタと嵌合するように構成されてもよい。
【0117】
センサ装置1960は、センサ取り付け装置1911から延在するように、かつ/又はセンサ取り付け装置1911に取り付けられるように構成されてもよい。いくつかの実施例では、センサ装置1960は、センサ取り付け装置1911から延在するコイル1961のネットワークを介して、そのセンサ取り付け装置1911に取り付けるように構成されてもよい。コイル1961は、センサ装置1960の少なくとも一部分の周りに少なくとも部分的に巻かれて、センサ装置1960をセンサ取り付け装置1911に対して適所に保持するように構成されてもよい。センサ装置1960は、示すように、センサ取り付け装置1911の第一の端部分1912において又はその近くに取り付けられるが、センサ装置1960は、センサ取り付け装置1911の任意の部分に直接的に連結されてもよく、かつ/又はそこから延在してもよい。
【0118】
いくつかの実施例では、センサ装置1960は、センサ取り付け装置1911への調整可能な取り付けを形成するように構成されてもよい。例えば、センサ装置1960は、ヒンジ及び/又は曲げることができる取り付けを介してセンサ取り付け装置1911に取り付けられるように構成されてもよい。いくつかの実施例では、コイル1961は、少なくとも部分的に可撓性であってもよく、かつ/又はセンサ1960をセンサ取り付け装置1911に対して調整する一方で、センサ装置1960とセンサ取り付け装置1911との間の接続を維持することを可能にするように構成されてもよい。このようにして、センサ装置1960の位置は、患者の体内の様々な測定値を得るための最適な位置を確立するように調整可能であってもよい。
【0119】
いくつかの実施例では、センサ取り付け装置1911は、他の埋め込み装置とは独立して、組織壁へと、かつ/又は組織壁を通してオリフィスへと固定するように構成されてもよい。例えば、第一の端部分1912及び/又は第二の端部分1913は、組織壁の対向する側面の上へとクリップ留めかつ/又は別の方法で固定するように構成されてもよく、センサ取り付け装置1911の少なくとも一部分は、組織壁を通るオリフィスを通して延在する。センサ1960は、センサ取り付け装置1911が組織壁のオリフィスへと送達された後に、センサ取り付け装置1911に取り付け/連結されるように構成されてもよく、かつ/又はセンサ取り付け装置1911がオリフィスへとかつ/又は本体の中へと送達される前に、センサ取り付け装置1911に取り付けられるように構成されてもよい。
【0120】
図20は、1つ以上の実施例による、組織壁2009へと固定されてもよい、シャントインプラント2003に取り付けられたセンサ取り付け装置2011を図示する。図20に示すように、センサ取り付け装置2011は、シャントインプラント2003の1つ以上のアーム部分2005の上へと固定及び/又はクリップ留めするように構成されてもよい。いくつかの実施例では、センサ取り付け装置2011の曲率は、シャントインプラント2003の少なくとも一部分の湾曲に近似及び/又は一致するように構成されてもよい。このようにして、センサ取り付け装置2011は、シャントインプラント2003のプロファイルを著しく増加及び/又はプロファイルに追加することなく、シャントインプラント2003の少なくとも一部分に沿って延在して、シャントインプラント2003を通る流路の最小限の遮断を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、センサ取り付け装置2011は、第一の端部分2012及び/又は第二の端部分2013を備える概して湾曲した構造を有してもよい。
【0121】
1つ以上のセンサ装置2060は、センサ取り付け装置2011に取り付けられるように、かつ/又はセンサ取り付け装置2011から延在するように構成されてもよい。センサ取り付け装置2011は、センサ装置2060が、シャントインプラント2003を通る流路上に少なくとも部分的に延在してもよいような様態で、シャントインプラント2003に取り付けられるように構成されてもよい。例えば、シャントインプラント2003は、開口部2018及び組織壁2009を通る血流経路を維持するように構成されたバレル部分を備えてもよい。センサ装置2060は、センサ装置2060が少なくとも部分的に開口部2018の上を延在して、センサ装置2060が開口部2018を通るかつ/又はその近くの血流に関連する測定値を得ることを可能にする様態で、センサ取り付け装置2011からかつ/又はシャントインプラント2003から延在するように構成されてもよい。開口部2018、センサ取り付け装置2011、及び/又はシャントインプラント2003に対するセンサ装置2060の位置は、センサ装置2060とセンサ取り付け装置2011との間の調整可能な取り付けに少なくとも部分的に起因して調整可能であってもよい。
【0122】
図21Aは、1つ以上の実施例による、1つ以上のセンサ装置2160及び/又はセンサ取り付け装置/インプラント2130(例えば、第二のインプラント部分)への取り付けのために構成されたインプラント2103の少なくとも一部分(例えば、第一のインプラント及び/又はインプラントバレル部分)を図示する。いくつかの実施例では、インプラント2103は、本明細書に記述されるシャントインプラント及び/又は他のインプラントの少なくとも一部分を備えてもよい。インプラント2103は、組織壁のいずれかの側との取り付けを形成するように構成された1つ以上のアンカーアーム部分2105を含んでもよい。インプラント2103は、半円形形状を有し、かつ/又は組織壁内の開口部を通る血流経路及び/又は流体導管を維持及び/又は画定するように構成された、少なくとも部分的なバレル2107(例えば、第一のバレル部分)をさらに備えてもよい。インプラント2003は、センサ装置及び/又はセンサ取り付け装置2130の対応する取り付け特徴と嵌合するように構成された1つ以上の取り付け特徴2120備えてもよい。
【0123】
いくつかの実施例では、インプラント2103は、図7で記述されるシャントインプラント150のおよそ半分を備えてもよい。例えば、インプラント2103は、本明細書に記述される様々なシャントインプラントの2組の固定アームとは対照的に、組織壁との取り付けを形成するように構成されたアームの第一の組2105のみを備えてもよい。いくつかの実施例では、バレル部分は、組織壁の開口部内に定置のために構成された部分的及び/又は半円筒状の形態を形成するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、1つ以上の取り付け特徴2120は、バレル部分2107からバレル部分2107によって作成された管腔の中へと延在するように構成されてもよい。しかしながら、取り付け特徴2120は、インプラント2103の任意の好適な部分から延在するように構成されてもよい。
【0124】
センサ取り付け装置2130は、「馬蹄形」、半円形、及び/又は「C字形状」の形態を有してもよく、かつ/又は第二の部分的なバレル部分を備えてもよい。センサ取り付け装置2130がインプラント2103に連結されると、センサ取り付け装置2130及びインプラント2103のバレル部分2107は、概して楕円形形状(例えば、円形)のバレル部分を形成するように構成されてもよい。
【0125】
図21Bは、半円形形状を有する、かつ/又はインプラント2103に取り外し可能に固定される、かつ/若しくはインプラント2103と取り外し可能な取り付けを形成するように構成された、センサ取り付け装置2130(例えば、第二のバレル部分)に直接的に連結されたセンサ装置2160を備える、センサ埋め込み装置の少なくとも一部分を図示する。いくつかの実施例では、センサ取り付け装置2130は、インプラント2103のバレル部分2107の延長を形成するために、概して湾曲した形態を有してもよい。例えば、センサ取り付け装置2130及びバレル部分2107は、一緒に取り付けられると、組織壁を通る開口部の形態に近似するように構成された概して完全な楕円形の(例えば、円形の)形状のバレルを形成する場合がある。
【0126】
センサ取り付け装置2130は、インプラント2103の対応する取り付け特徴(例えば、ノッチ、空洞、開口部、及び/又は類似の機構)と取り外し可能に嵌合するように構成された1つ以上の取り付け特徴2121(例えば、アーム、プロング、突出部、ノッチ、留め金、クリップ、及び/又は類似の機構)を備えてもよい。いくつかの実施例では、センサ取り付け装置の1つ以上の取り付け特徴2121は、センサ装置2160の下向き方向に延在する、かつ/又は概して反対方向に延在するように構成されてもよい。センサ装置2160は、上向き方向に延在するように構成されてもよい。例えば、センサ取り付け装置2130がインプラント2103に取り付けられ、かつ組織壁の開口部内に位置付けられるとき、センサ装置2160は、取り付け装置2130から第一の解剖学的チャンバ(例えば、左心房)に向かって延在するように構成されてもよく、一方で、センサ取り付け装置2130のうちの1つの1つ以上の取り付け特徴2120は、第二の解剖学的チャンバ(例えば、冠静脈洞)に向かって延在するように構成されてもよい。
【0127】
センサ装置2160は、任意の好適な様態でセンサ取り付け装置2130に取り付けられるように構成されてもよい。例えば、1つ以上のコイル2161及び/又は類似の特徴は、センサ取り付け装置2130及び/又はセンサ装置2160から延在して、センサ装置2160とセンサ取り付け装置2130との間に取り付けを形成するように構成されてもよい。例えば、センサ取り付け装置2130から延在する1つ以上のコイル2161は、センサ装置2160の少なくとも一部分の周りに少なくとも部分的に巻かれるように構成されてもよい。いくつかの実施例では、センサ装置2160は、センサ取り付け装置2130への調整可能な取り付けを形成するように構成されてもよく、これによりセンサ取り付け装置2130及び/又はインプラント2103に対するセンサ装置2160の位置は、センサ装置の本体内の定置の間に、及び/又は定置の後に調整可能であってもよい。
【0128】
図21Cは、1つ以上の実施例による、センサ取り付け装置2130に取り付けられたインプラント2103の上面図を提供する。センサ取り付け装置2130は、シャントインプラント3又はその近くにおける血流に関する様々な測定値を得るように構成されたセンサ装置2160に取り付けられ、かつ又はその中へと延在するように構成されてもよい。インプラント2103から延在する1つ以上の取り付け特徴2120は、取り付け装置2130の対応する取り付け特徴2121と嵌合するように構成されてもよい。センサ取り付け装置2130は、インプラント2103のバレル部分2107の延長を形成するように構成されてもよい。さらに、センサ装置2160は、バレル部分2107及びセンサ取り付け装置2130によって形成される内側管腔を横切って、インプラント2103の1つ以上の固定アーム2105と概して反対向きに位置するように構成されてもよい。
【0129】
本開示の一部の実装は、第一のインプラントを心腔のオリフィスへと送達するステップと、第一のインプラントをオリフィスに固定するステップと、センサ装置をオリフィスへと送達するステップと、センサ装置を第一のインプラントへと連結するステップと、を含む方法に関する。
【0130】
心腔は、左心房であってもよく、またオリフィスは、左心耳と関連付けられる。いくつかの実施例では、心腔は左心房であり、またオリフィスは左心房と冠静脈洞との間の組織壁の開口部である。オリフィスは、左心房と右心房との間の中隔の開口部であってもよい。
【0131】
いくつかの実施例では、センサ装置は、第一のインプラントをオリフィスへと送達する前に、第一のインプラントへと連結される。センサ装置は、第一のインプラントをオリフィスへと送達した後に、第一のインプラントに連結されてもよい。
【0132】
センサ装置は、可撓性コードを介して第一のインプラントに連結されてもよい。いくつかの実施例では、方法は、拡張バルーンをオリフィスへと送達するステップと、拡張バルーンを膨張させて、第一のインプラントを圧縮形態から拡張形態へと拡張するステップと、をさらに含む。
【0133】
いくつかの実施例では、方法は、第二のインプラントをオリフィスへと送達するステップをさらに含む。第二のインプラントは、第一のインプラントの内側管腔内に少なくとも部分的に適合するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、第二のインプラントは、第一のインプラントの上に少なくとも部分的に延在して組織壁と固定するように構成された1つ以上の固定アームを含む。
【0134】
方法は、第二のインプラントをオリフィスへと送達するステップと、第一のインプラントを第二のインプラントに取り付けるステップと、をさらに含んでもよい。第二のインプラントは、流体導管を形成するように構成されたバレル部分を有することができる。
【0135】
いくつかの実施例では、第一のインプラントはC字形状であり、また第一の端部分及び第二の端部分を含む。第一の端部分及び第二の端部分の各々は、第二のインプラントに取り付けるように構成されてもよい。
【0136】
第一のインプラントは、第一のインプラント部分及び第二のインプラント部分を備えてもよい。第一のインプラント部分及び第二のインプラント部分は、一緒に連結されるように構成されてもよい。いくつかの実施例では、センサ装置は、第一のインプラント部分へと連結されるように構成される。
【0137】
いくつかの実施例では、第一のインプラント部分は第一のバレル部分を備え、また第二のインプラント部分は第二のバレル部分を備える。第一のバレル部分及び第二のバレル部分は、第一のインプラント部分が第二のインプラント部分へと連結されたときに、オリフィス内に少なくとも部分的に適合するように構成された楕円形形状のバレルを一緒に形成する場合がある。
【0138】
本開示の一部の実装は、流体導管を形成するバレル部分を備える第一のシャント本体と、第一のシャント本体へと連結するように構成されたセンサ装置と、を備えるセンサ埋め込み装置に関する。
【0139】
第一のシャント本体は、バルーン拡張可能であってもよい。いくつかの実施例では、第一のシャント本体は、第一のシャント本体の端部分が第一のシャント本体の中間セクションより大きい直径を有し、かつ端部分が組織壁の上を把持する一方で、中間セクションが組織壁を通るオリフィス内に少なくとも部分的に位置するように構成される、砂時計形状を有する。
【0140】
いくつかの実施例では、第一のシャント本体は、ひし形形状のセルを形成するストラットのネットワークを備える。第一のシャント本体は、ひし形形状又はスペード形状のセルの積み重ねられた対を形成するストラットのネットワークを備えてもよい。
【0141】
第一のシャント本体は、一列になった一連のセルを形成するストラットのネットワークを備えてもよい。いくつかの実施例では、第一のシャント本体は、織り合わされたコードのネットワークを備える。
【0142】
いくつかの実施例では、端部分は、第一のリング及び第二のリングを備え、また織り合わされたコードのネットワークは、第一のリングと第二のリングとの間に延在する。センサ装置は、可撓性のテザーを介して第一のシャント本体へとつながれてもよい。
【0143】
第一のシャント本体は、円筒状のステント及び円筒状のステントの管腔を横切って延在するスカートを備えてもよく、センサ装置は、スカートへと連結される。いくつかの実施例では、センサ装置は、スカートの開口部を通して延在する。
【0144】
いくつかの実施例では、センサ埋め込み装置は、第一のシャント本体から分離され、かつ第一のシャント本体のバレル部分を少なくとも部分的に通して延在するように構成された第二のシャント本体をさらに備える。第二のシャント本体は、組織壁へと固定するように構成された1つ以上の固定アームを備えてもよい。
【0145】
第一のシャント本体は、第一のバレル部分及び第二のバレル部分を備えてもよく、第一のバレル部分は、第二のバレル部分へと取り外し可能に取り付けられるように構成される。いくつかの実施例では、第一のバレル部分及び第二のバレル部分は、一緒に取り付けられると、楕円形形状のバレルを形成する。
【0146】
いくつかの実施例では、第一のバレル部分は半円形形状を有する。第二のバレル部分は、組織壁へと固定するように構成された1つ以上の固定アームを備えてもよい。
【0147】
第一のバレル部分は、第一のバレル部分の第一の端における第一の突出部と、第一のバレル部分の第二の端における第二の突出部と、を備えてもよい。第一の突出部及び第二の突出部は、第二のバレル部分と嵌合するように構成されてもよい。
【0148】
いくつかの実施例では、センサ装置は、第一の端と第二の端との間の第一のバレル部分へと連結するように構成される。センサ埋め込み装置は、センサ装置へと直接的に連結される第二のシャント本体をさらに備えてもよい。第二のシャント本体は、湾曲した形状と、第一のシャント本体へと連結するように構成された1つ以上の端部分と、を有してもよい。
【0149】
第二のシャント本体の曲率は、第一のシャント本体の1つ以上の固定アームの曲率に近似してもよい。いくつかの実施例では、第二のシャント本体の端部分は、内向きに湾曲する。
【0150】
追加的な実施例
実施例に応じて、本明細書に記述されるプロセス又はアルゴリズムのうちのいずれかのある特定の作用、事象、又は機能は、異なる順序で実施することができ、追加されてもよく、合体されてもよく、又は完全に除外されてもよい。それ故に、ある特定の実施例では、すべての記述された作用又は事象が、プロセスの実践に必要なわけではない。
【0151】
とりわけ、「することができる(can)」、「可能である(could)」、「してもよい(might)」、「する場合がある(may)」、「例えば(e.g.,)」、及びこれに類するものなどの本明細書で使用する条件付きの文言は、特に別段の記載がない限り、又は使用する文脈内で別様に理解されない限り、その通常の意味であることが意図され、かつある特定の特徴、要素、及び/又は工程を、ある特定の実施例は含むが、他の実施例は含まないことを伝えることが一般的に意図される。それ故に、こうした条件付きの文言は、特徴、要素、及び/又は工程が、1つ以上の実施例に対していずれにしても必要とされる、あるいは1つ以上の実施例が、これらの特徴、要素、及び/又は工程が含まれるか、若しくは任意の特定の実施例で実施されるかを判断するための論理を、著者の入力又は促しの有無にかかわらず、必然的に含むことを暗示することを、一般的に意図しない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及びこれに類するものなどの用語は、同じ意味であり、それらの通常の意味で使用され、また包括的に、制約のない様式で使用され、かつ追加の要素、特徴、作用、動作などを除外しない。また、「又は(or)」という用語は、その包括的な意味(かつその排他的な意味ではなく)でも使用され、そのため、例えば、要素のリストを接続するように使用される場合、「又は(or)」という用語は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、又はすべてを意味する。「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」などの接続的な文言は、特に別段の記載がない限り、項目、用語、要素等が、X、Y、又はZのいずれかであってもよいことを一般に伝えるために使用されるような文脈で用いて理解される。それ故に、こうした接続的な文言は、ある特定の実施例が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つが各々存在することを必要とすることを暗示することを、一般的に意図されない。
【0152】
当然のことながら、実施例の上記の記述では、本開示を合理化し、かつ様々な発明の態様のうちの1つ以上の理解を補助する目的で、様々な特徴は、時に、単一の実施例、図、又はその記述において、一緒にグループ化される。しかしながら、開示のこの方法は、いずれかの請求項が、その請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。さらに、本明細書の特定の実施例に例示及び/又は記述される任意の構成要素、特徴、又は工程は、任意の他の実施例に適用することができる、又はそれらとともに使用することができる。さらに、各実施例に対して、いかなる構成要素、特徴、工程、又は構成要素、特徴、又は工程の群も必要又は不可欠ではない。それ故に、以下に開示及び特許請求される本明細書の発明の範囲は、上述の特定の実施例によって限定されるべきではないが、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきであることが意図される。
【0153】
当然のことながら、ある特定の順序的な用語(例えば、「第一の」又は「第二の」)は、参照の簡単のために提供されてもよく、また必ずしも物理的特徴又は順序を暗示するものではない。したがって、本明細書で使用される場合、構造、構成要素、動作等の要素を修飾するために使用される順序的な用語(例えば、「第一の」、「第二の」、「第三の」等)は、任意の他の要素に関する要素の優先順位又は順序を必ずしも示すものではなく、むしろ、要素を、同様又は同一の名称(順序的な用語の使用以外)を有する別の要素から一般的に区別する場合がある。加えて、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「1つの」ではなく「1つ以上の」を示す場合がある。さらに、ある条件又は事象に「基づいて」実施される動作はまた、明示的に列挙されていない1つ以上の他の条件又は事象に基づいて実施されてもよい。
【0154】
別段の定義のない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、例示の実施例が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書に定義される用語などの用語は、関連技術の文脈においてその意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、また本明細書にそのように明示的に定義されない限り、理想化又は過度に形式的な意味で解釈されないことが理解される。
【0155】
空間的関係用語「外側」、「内側」、「上方」、「下方」、「下」、「上」、「垂直」、「水平」、及び類似の用語は、図面に図示するように、1つの要素又は構成要素と別の要素又は構成要素との間の関係を記述するために、記述の簡単のために本明細書で使用されてもよい。空間的関係用語は、図面に描かされる向きに加えて、使用時又は動作時の装置の異なる向きを包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図面に示される装置が反転される場合、別の装置の「下」又は「下方」に位置付けられる装置は、別の装置の「上方」に定置される場合がある。その結果、「下方」という例示的な用語は、下の位置及び上の位置の両方を含む場合がある。装置はまた、その他の方向における向きにされてもよく、それ故に、空間的関係用語は、向きに応じて異なるように解釈されてもよい。
【0156】
別段の明示的な記載がない限り、「より少ない」、「より多い」、「より大きい」及びこれに類するものなどの比較及び/又は定量的用語は、均等の概念を包含することを意図している。例えば、「より少ない」は、厳密な数学的な意味での「より少ない」だけでなく、「以下」も意味することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17-1】
図17-2】
図17-3】
図18-1】
図18-2】
図18-3】
図19
図20
図21A
図21B
図21C
【国際調査報告】