(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】マルチリンクを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0457 20230101AFI20240514BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240514BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20240514BHJP
【FI】
H04W72/0457 110
H04W84/12
H04W8/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572009
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 KR2022007143
(87)【国際公開番号】W WO2022245140
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0064178
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0081938
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516079109
【氏名又は名称】ウィルス インスティテュート オブ スタンダーズ アンド テクノロジー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サンヒュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ゴンジュン・コ
(72)【発明者】
【氏名】ジュヒョン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジンサム・カク
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067BB21
5K067EE02
5K067EE10
5K067FF02
(57)【要約】
本発明は、無線通信システムにおいて複数個のリンクでそれぞれ動作する複数個のステーションを含む第1マルチリンク装置(Multi-link Device:MLD)によって行われるフレームの送受信方法及び装置を開示する。具体的には、本発明に係る第1MLDは、前記第1マルチリンク装置に含まれた前記第1複数個のステーションのうち第1ステーションを介して、少なくとも一つのリンクでそれぞれ動作する第2MLDに含まれた第2複数個のステーションのうち第2ステーションに要請フレームを送信し、第1ステーションを介して、第2ステーションから前記要請フレームに対する応答として応答フレームを受信することができる。このとき、要請フレームは、第1MLDに含まれた他のステーションの情報を含んでよく、応答フレームは、第2MLDに含まれる他のステーションの情報を含んでよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のリンクでそれぞれ動作する第1複数個のステーションを含む第1マルチリンク装置(Multi-link Device:MLD)であって、
プロセッサは、
前記第1マルチリンク装置に含まれた前記第1複数個のステーションのうち第1ステーションを介して、少なくとも一つのリンクでそれぞれ動作する第2MLDに含まれた第2複数個のステーションのうち第2ステーションに要請フレームを送信し、
前記第1ステーション及び前記第2ステーションは特定帯域で動作し、
前記第1ステーションを介して、第2ステーションから前記要請フレームに対する応答として応答フレームを受信し、
前記第2ステーションは、他の帯域に対する特定レガシーフォーマットの前記第2ステーションの能力要素(capability element)及び/又は動作要素(operation element)を除く前記特定帯域に対する前記第2ステーションの能力要素及び動作要素を、前記応答フレームに含めて送信し、
前記応答フレームは、前記第1複数個のステーションのうち前記第1ステーションを除く第1少なくとも一つのステーションと、前記第2複数個のステーションのうち第2ステーションを除く第2少なくとも一つのステーションとの結合のためのマルチリンク情報を含む、MLD。
【請求項2】
前記マルチリンク情報は、前記他の帯域のそれぞれに対応するレガシーフォーマットの前記第2少なくとも一つのステーションのそれぞれの能力要素及び/又は動作要素を含む、請求項1に記載のMLD。
【請求項3】
前記第2少なくとも一つのステーションのそれぞれの能力要素及び/又は動作要素は、HT(High Throughput)能力要素、VHT(Very High Throughput)能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、又はVHT動作情報を含むHE(High Efficiency)動作要素のうち少なくとも一つである、請求項2に記載のMLD。
【請求項4】
前記特定帯域は、6GHzであり、
前記他の帯域は、2.4GHz及び/又は5GHzである、請求項1に記載のMLD。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記要請フレームは、前記第2少なくとも一つのステーションのそれぞれに対応するPer-STAプロファイルサブ要素(subelement)を含むマルチリンク要素(Multi-Link element)を含み、
前記Per-STAプロファイルサブ要素は、前記第2少なくとも一つのステーションのうち対応するステーションに対する全ての情報の要請であるか否かを示すコンプリートプロファイルサブフィールド(Complete Profile サブフィールド)を含む、請求項1に記載のMLD。
【請求項6】
前記コンプリートプロファイルサブフィールドが前記全ての情報の要請を示す場合に、前記応答フレームの前記マルチリンク情報は、前記第2少なくとも一つのステーションのうち、前記全ての情報の要請を示す前記コンプリートプロファイルサブフィールドに対応するステーションの能力要素及び/又は動作要素を含む、請求項5に記載のMLD。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記マルチリンク情報に基づいて、第2MLDと前記第1少なくとも一つのステーション及び前記第2少なくとも一つのステーションとの間のリンクを設定するためのマルチリンク設定手順を行う、請求項1に記載のMLD。
【請求項8】
前記要請フレームは、前記第1少なくとも一つのステーションのそれぞれに対応する少なくとも一つのPer-STAプロファイルサブ要素(subelement)を含むマルチリンク要素(Multi-Link element)を含み、
前記マルチリンク要素の前記少なくとも一つのPer-STAプロファイルサブ要素のそれぞれは、前記第1少なくとも一つのステーションのうち対応する特定ステーションに対するレガシーフォーマットの能力要素及び/又は動作要素を含む、請求項1に記載のMLD。
【請求項9】
前記特定ステーションは、前記他の帯域のうち少なくとも一つの帯域で動作するステーションであり、
前記第1ステーションは、前記他の帯域に対する特定レガシーフォーマットの前記第1ステーションの能力要素(capability element)及び/又は動作要素(operation element)を除く前記特定帯域に対する前記第1ステーションの能力要素及び動作要素を、前記要請フレームに含めて送信する、請求項8に記載のMLD。
【請求項10】
前記応答フレームは、結合要請フレーム(Association request frame)、結合応答フレーム(Association response frame)、マルチリンク(Multi-link:ML)プローブ応答フレーム(ML Probe Response frame)のうち一つである、請求項1に記載のMLD。
【請求項11】
無線通信システムにおいて第1複数個のリンクでそれぞれ動作する複数個のステーションを含む第1マルチリンク装置(Multi-link Device:MLD)によって行われる方法であって、
前記方法は、
前記第1マルチリンク装置に含まれた前記第1複数個のステーションのうち第1ステーションを介して、少なくとも一つのリンクでそれぞれ動作する第2MLDに含まれた第2複数個のステーションのうち第2ステーションに要請フレームを送信する段階であって、
前記第1ステーション及び前記第2ステーションは特定帯域で動作する、段階;及び
前記第1ステーションを介して、第2ステーションから前記要請フレームに対する応答として応答フレームを受信する段階であって、
前記第2ステーションは、他の帯域に対する前記第2ステーションの能力要素(capability element)及び/又は動作要素(operation element)を除く前記特定帯域に対する前記第2ステーションの能力要素及び動作要素を、無線フレームに含めて送信し、
前記無線フレームは、前記第1複数個のステーションのうち前記第1ステーションを除く第1少なくとも一つのステーションと、前記第2複数個のステーションのうち第2ステーションを除く第2少なくとも一つのステーションとの結合のためのマルチリンク情報を含む、段階;を含む方法。
【請求項12】
前記マルチリンク情報は、前記他の帯域のうち特定帯域に対する前記第2少なくとも一つのステーションのそれぞれの能力要素及び/又は動作要素を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2少なくとも一つのステーションのそれぞれの能力要素及び/又は動作要素は、HT(High Throughput)能力要素、VHT(Very High Throughput)能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、又はVHT動作情報を含むHE(High Efficiency)動作要素のうち少なくとも一つである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記特定帯域は、6GHzであり、
前記他の帯域は2.4GHz及び/又は5GHzである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記要請フレームは、前記第2少なくとも一つのステーションのそれぞれに対応するPer-STAプロファイルサブ要素(subelement)を含むマルチリンク要素(Multi-Link element)を含み、
前記Per-STAプロファイルサブ要素は、前記第2少なくとも一つのステーションのうち対応するステーションに対する全ての情報の要請であるか否かを示すコンプリートプロファイルサブフィールド(Complete Profile サブフィールド)を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記応答フレームの前記マルチリンク情報は、前記第2少なくとも一つのステーションのうち、前記全ての情報の要請を示す前記コンプリートプロファイルサブフィールドを含む前記Per-STAプロファイルサブ要素に対応するステーションの能力要素及び/又は動作要素を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記マルチリンク情報に基づいて、前記第1少なくとも一つのステーション及び前記第2少なくとも一つのステーションとの間のマルチリンク設定が行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記応答フレームは、結合要請フレーム(Association request frame)、結合応答フレーム(Association response frame)、マルチリンク(Multi-link:ML)プローブ応答フレーム(ML Probe Response frame)のうち一つである、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記要請フレームは、前記第1少なくとも一つのステーションのそれぞれに対応する少なくとも一つのPer-STAプロファイルサブ要素(subelement)を含むマルチリンク要素(Multi-Link element)を含み、
前記マルチリンク要素の前記少なくとも一つのPer-STAプロファイルサブ要素のそれぞれは、前記第1少なくとも一つのステーションのうち対応する特定ステーションに対するレガシーフォーマットの能力要素及び/又は動作要素を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記特定ステーションは、前記他の帯域のうち少なくとも一つの帯域で動作するステーションであり、
前記第1ステーションは、前記他の帯域に対する特定レガシーフォーマットの前記第1ステーションの能力要素(capability element)及び/又は動作要素(operation element)を除く前記特定帯域に対する前記第1ステーションの能力要素及び動作要素を、前記要請フレームに含めて送信する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチリンクを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の普及が拡大されるにつれ、それらに速い無線インターネットサービスを提供し得る無線LAN(Wireless LAN)技術が脚光を浴びている。無線LAN技術は、近距離で無線通信技術に基づいてスマートフォン、スマートパッド、ラップトップPC、携帯型マルチメディアプレーヤー、インベデッド機器などのようなモバイル機器を家庭や企業、または特定サービス提供地域において、無線でインターネットに接続し得るようにする技術である。
【0003】
IEEE(Istitute of Electronics Engineers) 802.11は、2.4GHのz周波数を利用した初期の無線LAN技術を支援した以来、多様な技術の標準を実用化または開発中である。まず、IEEE 802.11bは2.4GHzバンドの周波数を使用し、最高11Mbpsの通信速度を支援する。IEEE 802.11bの後に商用化されたIEEE 802.11aは2.4GHzバンドではなく5GHzバンドの周波数を使用することで、相当混雑した2.4GHzバンドの周波数に比べ干渉への影響を減らしており、OFDM技術を使用して通信速度を最大54Mbpsまで向上させている。しかし、IEEE 802.11aはIEEE 802.11bに比べ通信距離が短い短所がある。そして、IEEE 802.11gはIEEE 802.11bと同じく2.4GHzバンドの週は酢を使用して最大54Mpbsの通真相度を具現し、下位互換性(backward compatibility)を満足していて相当な注目を浴びたが、通信距離においてもIEEE 802.11aより優位にある。
【0004】
そして、無線LANで脆弱点として指摘されていた通信速度に関する限界を克服するために制定された技術規格として、IEEE 802.11nがある。IEEE 802.11nはネットワークの速度と信頼性を増加させ、無線ネットワークの運営距離を拡張することにその目的がある。詳しくは、IEEE 802.11nではデータ処理速度が最大540Mbps以上の高処理率(High Throughput、HT)を支援し、また、伝送エラーを最小化しデータの速度を最適化するために送信部と受信部の両端共に多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基盤している。また、この規格はデータの信頼性を上げるために重複する写本を複数個伝送するコーディング方式を使用している。
【0005】
無線LANの普及が活性化され、また、それを使用したアプリケーションが多様化するにつれ、IEEE 802.11nが支援するデータの処理速度より高い処理率(Very High Throughput、VHT)を支援するための新たな無線LANシステムに対する必要性が台頭している。そのうち、IEEE 802.11acは5GHz周波数で広い帯域幅(80MHz~160MHz)を支援する。IEEE 802.11ac標準は5GHz帯域でのみ定義されているが、従来の2.4GHz帯域の製品との下位互換性のために、初期11acチップセットは2.4GHz帯域での動作も支援すると考えられる。理論的に、この規格によると多重ステーションの無線LANの速度は最小1Gbps、最大単一リンク速度は最小500Mbpsまで可能になる。これはより広い無線周波数帯域幅(最大160MHz)、より多いMIMO空間的ストリーム(最大8個)、マルチユーザMIMO、そして、高い密度の変調(最大256QAM)など、802.11nで受け入れられた無線インタフェースの概念を拡張して行われる。また、従来の24GHz/5GHzに代わって60GHzバンドを利用してデータを伝送する方式として、IEEE 802.11adがある。IEEE 802.11adはビームフォーミング技術を利用して最大7Gbpsの速度を提供する伝送規格であって、大容量のデータや無圧縮HDビデオなど、高いビットレート動画のストリーミングに適合している。しかし、60GHz周波数バンドは障害物の通過が難しく、近距離空間でのデバイスの間でのみ利用可能な短所がある。
【0006】
一方、802.11ac及び802.11ad以後の無線LAN標準として、APと端末が密集した高密度環境における高効率及び高性能の無線LAN通信技術を提供するためのIEEE 802.11ax(High Efficiency WLAN,HEW)標準が開発され、完了段階にある。802.11axベース無線LAN環境では、高密度のステーションとAP(Access Point)の存在下に屋内/屋外で高い周波数効率の通信が提供される必要があり、これを具現するための様々な技術が開発されている。
【0007】
また、高画質ビデオ、実時間ゲームなどのような新しいマルチメディア応用を支援するために、最大送信速度を上げるための新しい無線LAN標準を開発し始めた。7世代無線LAN標準であるIEEE 802.11be(Extremely High Throughput,EHT)では、2.4/5/6GHzの帯域でより広い帯域幅と増加した空間ストリーム及び多重AP協調などによって最大で30Gbpsの送信率を支援することを目標に標準開発を進行している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例は、多重リンクを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末を提供することを目的とする。
【0009】
明細書で遂げようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に限定されず、言及していない別の技術的課題は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る複数個のリンクでそれぞれ動作する複数個のステーションを含む第1マルチリンク装置(Multi-link Device:MLD)はプロセッサを含み、前記プロセッサは、前記第1マルチリンク装置に含まれた前記第1複数個のステーションのうち第1ステーションを介して、少なくとも一つのリンクでそれぞれ動作する第2MLDに含まれた第2複数個のステーションのうち第2ステーションに要請フレームを送信するし、前記第1ステーション及び前記第2ステーションは、特定帯域で動作し、前記第1ステーションを介して、第2ステーションから前記要請フレームに対する応答として応答フレームを受信し、前記第2ステーションは、他の帯域に対する特定レガシーフォーマットの前記第2ステーションの能力要素(capability element)及び/又は動作要素(operation element)を除く前記特定帯域に対する前記第2ステーションの能力要素及び動作要素を、前記応答フレームに含めて送信し、前記応答フレームは、前記第1複数個のステーションのうち、前記第1ステーションを除く第1少なくとも一つのステーションと、前記第2複数個のステーションのうち、第2ステーションを除く第2少なくとも一つのステーションとの結合のためのマルチリンク情報を含む。
【0011】
また、本発明において、前記マルチリンク情報は、前記他の帯域のそれぞれに対応するレガシーフォーマットの前記第2少なくとも一つのステーションのそれぞれの能力要素及び/又は動作要素を含む。
【0012】
また、本発明において、前記第2少なくとも一つのステーションのそれぞれの能力要素及び/又は動作要素は、HT(High Throughput)能力要素、VHT(Very High Throughput)能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、又はVHT動作情報を含むHE(High Efficiency)動作要素のうち少なくとも一つである。
【0013】
また、本発明において、前記特定帯域は6GHzであり、前記他の帯域は2.4GHz及び/又は5GHzである。
【0014】
また、本発明において、前記プロセッサは、前記要請フレームは、前記第2少なくとも一つのステーションのそれぞれに対応するPer-STAプロファイルサブ要素(subelement)を含むマルチリンク要素(Multi-Link element)を含み、前記Per-STAプロファイルサブ要素は、前記第2少なくとも一つのステーションのうち対応するステーションに対する全ての情報の要請であるか否かを示すコンプリートプロファイルサブフィールド(Complete Profile subfield)を含む。
【0015】
また、本発明において、前記コンプリートプロファイルサブフィールドが前記全ての情報の要請を示す場合に、前記応答フレームの前記マルチリンク情報は、前記第2少なくとも一つのステーションのうち、前記全ての情報の要請を示す前記コンプリートプロファイルサブフィールドに対応するステーションの能力要素及び/又は動作要素を含む。
【0016】
また、本発明において、前記プロセッサは、前記マルチリンク情報に基づいて、第2MLDと前記第1少なくとも一つのステーション及び前記第2少なくとも一つのステーションとの間のリンクを設定するためのマルチリンク設定手順を行う。
【0017】
また、本発明において、前記要請フレームは、前記第1少なくとも一つのステーションのそれぞれに対応する少なくとも一つのPer-STAプロファイルサブ要素(subelement)を含むマルチリンク要素(Multi-Link element)を含み、前記マルチリンク要素の前記少なくとも一つのPer-STAプロファイルサブ要素のそれぞれは、前記第1少なくとも一つのステーションのうち対応する特定ステーションに対するレガシーフォーマットの能力要素及び/又は動作要素を含む。
【0018】
また、本発明において、前記特定ステーションは、前記他の帯域のうち少なくとも一つの帯域で動作するステーションであり、前記第1ステーションは、前記他の帯域に対する特定レガシーフォーマットの前記第1ステーションの能力要素(capability element)及び/又は動作要素(operation element)を除く前記特定帯域に対する前記第1ステーションの能力要素及び動作要素を、前記要請フレームに含めて送信する。
【0019】
また、本発明において、前記応答フレームは、結合要請フレーム(Association request frame)、結合応答フレーム(Association response frame)、マルチリンク(Multi-link:ML)プローブ応答フレーム(ML Probe Response frame)のうち一つである。
【0020】
また、本発明は、前記第1マルチリンク装置に含まれた前記第1複数個のステーションのうち第1ステーションを介して、少なくとも一つのリンクでそれぞれ動作する第2MLDに含まれた第2複数個のステーションのうち第2ステーションに要請フレームを送信する段階であって、前記第1ステーション及び前記第2ステーションは特定帯域で動作する、段階;及び、前記第1ステーションを介して、第2ステーションから前記要請フレームに対する応答として応答フレームを受信する段階であって、前記第2ステーションは、他の帯域に対する前記第2ステーションの能力要素(capability element)及び/又は動作要素(operation element)を除く前記特定帯域に対する前記第2ステーションの能力要素及び動作要素を、無線フレームに含めて送信し、前記無線フレームは、前記第1複数個のステーションのうち前記第1ステーションを除く第1少なくとも一つのステーションと、前記第2複数個のステーションのうち第2ステーションを除く第2少なくとも一つのステーションとの結合のためのマルチリンク情報を含む、段階を含む、方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施例は、効率的にマルチリンクを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末を提供する。
【0022】
本発明から得られる効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及していない別の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
【
図2】本発明の他の実施例による無線LANシステムを示す図である。
【
図3】本発明の一実施例によるステーションの構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例によるアクセスポイントの構成を示す図である。
【
図5】STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【
図6】無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance)方法を示す図である。
【
図7】様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す図である。
【
図9】本発明の実施例に係るマルチリンク装置(multi-link device)を示す図である。
【
図10】本発明の実施例によってマルチリンク動作において互いに異なるリンクの送信が同時に行われることを示す図である。
【
図11】本発明の一実施例によって、リンクが変更された場合に、マルチリンク装置の動作を示す図である。
【
図12】本発明の一実施例によって、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーション受信を行っている時に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションのチャネルアクセスが禁止されることを示す図である。
【
図13】本発明の実施例によって、non-STRマルチリンク装置のステーションが受信するPPDUの意図された受信者がステーションでないことを確認した場合に、チャネルアクセス禁止を解除する動作を示す図である。
【
図14】本発明の実施例に係る、ステーションがチャネルアクセス禁止が解除された後にチャネルアクセスを行うことを示す図である。
【
図15】本発明の一実施例に係る、ステーションがチャネルアクセス禁止が解除された後に送信を行う動作を示す図である。
【
図16】本発明の実施例によって、non-STRマルチリンク装置内のステーションの状態に基づいて行われる送信を示す図である。
【
図17】リンク間の干渉又は衝突が発生し得る状況を示す図である。
【
図18】本発明の一実施例によって、STRマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク装置に対する送信を中止する動作を示す図である。
【
図19】本発明の実施例によって、STRマルチリンク装置がリンク間の送信衝突を認知した場合に、CWの値を処理することを示す図である。
【
図20】本発明の実施例に係る、non-APマルチリンク装置の送信管理方法の一例を示す図である。
【
図21】本発明の一実施例に係る、AP MLDのAPが送信するビーコンフレーム(Beacon frame)のコンテンツ及びRNR(Reduced Neighbor Report)要素(element)に含まれたTBTT(target beacon transmission time)情報フィールドフォーマット(Information field format)の一例を示す図である。
【
図22】本発明の一実施例に係る、TBTT情報フィールドフォーマットのさらに他の例を示す図である。
【
図23】本発明の一実施例に係る、MLD AP TBTTオフセットサブフィールド(Offset subfield)が含まれたTBTT情報フィールドを指示するTBTT情報長さサブフィールド(Information Length subfield)の一例を示す図である。
【
図24】本発明の一実施例に係る、各STAのプロファイルサブ要素(Per-STA Profile subelement)フォーマットの一例を示す図である。
【
図25】本発明の一実施例に係る、NSTR(Non- Simultaneous Transmission and Reception) Soft AP MLDとセットアップ(Setup)したnon-AP MLDがノンプライマリーリンク(non-Primary Link)の情報をアップデートする過程の一例を示す図である。
【
図26】本発明の一実施例に係る、NSTR AP MLDと結合(Association)したnon-AP STA MLDがノンプライマリーリンクのパラメータをアップデートする手順の一例を示すフローチャートである。
【
図27】本発明の一実施例に係る要素のフォーマットの一例を示す図である。
【
図28】本発明の一実施例に係る、NSTR AP MLDがノンプライマリー(non-Primary)にQuiet間隔(interval)を設定(定義)する過程の一例を示す図である。
【
図29】本発明の一実施例に係る、NSTR AP MLDがノンプライマリーのチャネル変更(Channel Switch)を行う方法の一例を示す図である。
【
図30】特定帯域幅で動作するステーションが送信するプローブ要請フレーム(Probe Request frame)、結合要請フレーム(Association Request frame)及び結合応答フレーム(Association Response frame)の一例を示す図である。
【
図31】本発明の一実施例に係る、HT(High Throughput)/VHT(Very High Throughput)関連要素情報を、特定帯域幅でない他のリンクで交換して多重リンク設定を行う方法の一例を示す図である。
【
図32】本発明の一実施例に係る、コンプリートPer-STAプロファイル(complete Per-STA profile)の継承(inheritance)方法を説明するための管理フレーム(Management frame)の構成の一部を例示する図である。
【
図33】本発明の一実施例に係るnon-AP MLDの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書で使用される用語は、本発明での機能を考慮してできる限り現在広く使用されている一般的案用語を選択しているが、これは該当技術分野に携わる技術者の意図、慣例、または新たな技術の出現などによって異なり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、このような場合は該当する発明の説明部分でその意味を記載する。よって、本明細書で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する実質的な意味と本明細書全般にわたる内容に基づいて解釈すべきであることを明らかにする。
【0025】
明細書全体にわたって、ある構成が他の構成と「連結」されているとすると、これは「直接連結」されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を間に挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素が特定の構成要素を「含む」とすると、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素を更に含み得ることを意味する。加えて、特定臨界値を基準に「以上」または「以下」という限定事項は、実施例によってそれぞれ「超過」または「未満」に適切に代替され得る。
【0026】
以下、本発明において、フィールドとサブフィールドは同じ意味で使われてよい。
【0027】
図1は、本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
【0028】
無線LANシステムは、一つまたはそれ以上のベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)を含むが、BSSは同期化に成功し互いに通信し得る機器の集合を示す。一般に、BSSはインフラストラクチャBSS(infrastructure BSS)と独立BSS(Independent BSS、IBSS)に区分されるが、
図1はこのうちインフラストラクチャBSSを示している。
【0029】
図1に示すように、インフラストラクチャBSS BSS1,BSS2は、1つ又はそれ以上のステーションSTA1,STA2,STA3,STA4,STA5、分配サービス(Distribution Service)を提供するステーションであるアクセスポイントAP-1,AP-2、及び複数のアクセスポイントAP-1,AP-2を連結させる分配システム(Distribution System)DSを含む。
【0030】
ステーション(Station、STA)は、IEEE 802.11標準の規定に従う媒体接続制御(Medium Access Control、MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インタフェースを含む任意のデバイスであって、広い意味では非アクセスポイントnon-APステーションのみならずアクセスポイントAPを全て含む。また、本明細書において、「端末」とはnon-APまたはAPを指すか、両者を全て指す用語として使用される。無線通信のためのステーションはプロセッサと通信部を含み、実施例によってユーザインタフェース部とディスプレーユニットなどを更に含む。プロセッサは無線ネットワークを介して伝送するフレームを生成するか、または前記無線ネットワークを介して受信されたフレームを処理し、その他にステーションを制御するための多様な処理を行う。そして、通信部は前記プロセッサと機能的に連結されており、ステーションのために無線ネットワークを介してフレームを送受信する。本発明において、端末はユーザ端末機(user equipment、UE)を含む用語として使用される。
【0031】
アクセスポイント(Access Point、AP)は、自らに結合された(associated)ステーションのために無線媒体を経由して分配システムDSに対する接続を提供する個体である。インフラストラクチャBSSにおいて、非APステーション間の通信はAPを経由して行われることが原則であるが、ダイレクトリンクが設定されている場合は非APステーションの間でも直接通信が可能である。一方、本発明において、APはPCP(Personal BSS Coordination Point)を含む概念として使用されるが、広い意味では集中制御器、基地局(Base Station、BS)、ノードB、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などの概念を全て含む。本発明において、APはベース無線通信端末とも称されるが、ベース無線通信端末は、広い意味ではAP、ベースステーション(base station)、eNB(eNodeB)、及びトランスミッションポイントTPを全て含む用語として使用される。それだけでなく、ベース無線通信端末は複数の無線通信端末との通信で通信媒介体(medium)資源を割り当て、スケジューリング(scheduling)を行う多様な形態の無線通信端末を含む。
【0032】
複数のインフラストラクチャBSSは、分配システムDSを介して互いに連結される。この際、分配システムを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)という。
【0033】
図2は、本発明の他の実施例による無線LANシステムである独立BSSを示す図である。
図2の実施例において、
図1の実施例と同じであるか相応する部分は重複する説明を省略する。
【0034】
図2に示したBSS3は独立BSSであってAPを含まないため、全てのステーション(STA6、STA7)がAPと接続されていない状態である。独立BSSは分配システムへの接続が許容されず、自己完備的ネットワーク(self-contained network)をなす。独立BSSにおいて、それぞれのステーション(STA6、STA7)はダイレクトに互いに連結される。
【0035】
図3は、本発明の一実施例によるステーション100の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるステーション100は、プロセッサ110、通信部120、ユーザインタフェース部140、ディスプレーユニット150、及びメモリ160を含む。
【0036】
まず、通信部120は、無線LANパケットなどの無線信号を送受信し、ステーション100に組み込まれる又は外付けられて具備されてよい。実施例によれば、通信部120は、互いに異なる周波数バンドを用いる少なくとも1つの通信モジュールを含むことができる。例えば、前記通信部120は、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzなどの異なる周波数バンドの通信モジュールを含むことができる。一実施例によれば、ステーション100は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてAP又は外部ステーションと無線通信を行うことができる。通信部120は、ステーション100の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。ステーション100が複数の通信モジュールを含む場合に、各通信モジュールはそれぞれ独立した形態で備えられてもよく、複数のモジュールが1つのチップとして統合して備えられてもよい。本発明の実施例において、通信部120は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0037】
次に、ユーザインタフェース140は、ステーション100に備えられた多様な形態の入出力手段を含む。つまり、ユーザインタフェース部140は多様な入力手段を利用してユーザの入力を受信し、プロセッサ110は受信されたユーザ入力に基づいてステーション100を制御する。また、ユーザインタフェース部140は、多様な出力手段を利用してプロセッサ110の命令に基づいた出力を行う。
【0038】
次に、ディスプレーユニット150は、ディスプレー画面にイメージを出力する。前記ディスプレーユニット150は、プロセッサ110によって行われるコンテンツ、またはプロセッサン110の制御命令に基づいたユーザインタフェースなどの多様なディスプレーオブジェクトを出力する。また、メモリ160は、ステーション100で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーション100がAPまたは外部のステーションと接続を行うのに必要な接続プログラムが含まれる。
【0039】
本発明のプロセッサ110は多様な命令またはプログラムを行い、ステーション100内部のデータをプロセッシングする。また、前記プロセッサ110は上述したステーション100の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信を制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ110はメモリ160に貯蔵されたAPとの接続のためのプログラムを行い、APが伝送した通信設定メッセージを受信する。また、プロセッサ110は通信設定メッセージに含まれたステーション100の優先条件に関する情報を読み取り、ステーション100の優先条件に関する情報に基づいてAPに関する接続を要請する。本発明のプロセッサ110はステーション100のメインコントロールユニットを指してもよく、実施例によってステーション100の一部の構成、例えば、通信部120などを個別的に制御するためのコントロールユニットを指してもよい。つまり、プロセッサ110は通信部120から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部(modulator and/or demodulator)であってもよい。プロセッサ110は、本発明の実施例によるステーション100の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0040】
図3に示したステーション100は本発明の一実施例によるブロック図であって、分離して示したブロックはデバイスのエレメントを論理的に区別して示したものである。よって、上述したデバイスのエレメントは、デバイスの設計に応じて一つのチップまたは複数のチップに取り付けられる。例えば、前記プロセッサ110及び通信部120は一つのチップに統合されて具現されてもよく、別途のチップで具現されてもよい。また、本発明の実施例において、前記ステーション100の一部の構成、例えば、ユーザインタフェース部140及びディスプレーユニット150などはステーション100に選択的に備えられてもよい。
【0041】
図4は、本発明の一実施例によるAP200の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるAP200は、プロセッサ210、通信部220、及びメモリ260を含む。
図4において、AP200の構成のうち
図3のステーション100の構成と同じであるか相応する部分については重複する説明を省略する。
【0042】
図4を参照すると、本発明に係るAP 200は、少なくとも1つの周波数バンドにおいてBSSを運営するための通信部220を備える。
図3の実施例において前述したように、前記AP 200の通信部220も、互いに異なる周波数バンドを用いる複数の通信モジュールを含むことができる。すなわち、本発明の実施例に係るAP 200は、異なる周波数バンド、例えば、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzのいずれかを用いる2つ以上の通信モジュールを共に備えることができる。好ましくは、AP 200は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてステーションと無線通信を行うことができる。前記通信部220は、AP 200の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。本発明の実施例において、通信部220は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0043】
次に、メモリ260は、AP200で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーションの接続を管理する接続プログラムが含まれる。また、プロセッサ210はAP200の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信を制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ210はメモリ260に貯蔵されたステーションとの接続のためのプログラムを行い、1つ以上のステーションに対する通信設定メッセージを伝送する。この際、通信設定メッセージには各ステーションの接続優先条件に関する情報が含まれる。また、プロセッサ210はステーションの接続要請に応じて接続設定を行う。一実施例によると、プロセッサ210は通信部220から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部である。プロセッサ210は、本発明の実施例によるAP200の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0044】
図5は、STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【0045】
図5を参照すると、STA100とAP200間のリンクは大きくスキャニング(sanning)、認証(authentication)、及び結合(association)の3つのステップを介して設定される。まず、スキャニングステップは、AP200が運営するBSSの接続情報をSTA100が獲得するステップである。スキャニングを行うための方法としては、AP200が周期的に伝送するビーコン(beacon)メッセージS101のみを活用して情報を取得するパッシブスキャニング(passive sanning)方法と、STA100がAPにプローブ要請(probe request)を伝送しS103、APからプローブ応答(probe response)を受信してS105、接続情報を取得するアクティブスキャニング(active sanning)方法がある。
【0046】
スキャニングステップにおいて無線接続情報の受信に成功したSTA100は、認証要請(authentication request)を伝送しS107a、AP200から認証応答(authentication response)を受信してS107b、認証ステップを行う。認証ステップが行われた後、STA100は結合要請(association request)を伝送しS109a、AP200から結合応答(association response)を受信してS109b、結合ステップを行う。本明細書において、結合とは基本的に無線結合を意味するが、本発明はこれに限らず、広い意味での結合は無線結合及び有線結合を全て含む。
【0047】
一方、追加に802.1X基盤の認証ステップS111、及びDHCPを介したIPアドレス獲得ステップS113が行われる。
図5において、サーバ300はSTA100と802.1X基盤の認証を処理するサーバであって、AP200に物理的に結合されて存在するか、別途のサーバとして存在してもよい。
【0048】
図6は、無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance)方法を示す図である。
【0049】
無線LAN通信を行う端末は、データを送信する前にキャリアセンシング(Carrier Sensing)を行って、チャネルが占有状態(busy)であるか否かをチェックする。もし一定強度以上の無線信号が感知されると、当該チャネルが占有状態として判別され、前記端末は、当該チャネルに対するアクセスを遅延する。このような過程をクリアチャネル割り当て(Clear Channel Assessment、CCA)といい、該当信号の感知有無を決定するレベルをCCA閾値(CCA threshold)という。もし端末に受信されたCCA閾値以上の無線信号が当該端末を受信者とする場合に、端末は、受信した無線信号を処理する。一方、当該チャネルから無線信号が感知されないか、CCA閾値よりも小さい強度の無線信号が感知されると、前記チャネルは遊休状態(idle)として判別される。
【0050】
チャネルが遊休状態として判別されると、送信するデータがある各端末は、各端末の状況に応じたIFS(Inter Frame Space)、例えば、AIFS(Arbitration IFS)、PIFS(PCF IFS)などの時間の後にバックオフ手順を行う。実施例によって、前記AIFSは、従来のDIFS(DCF IFS)を代替する構成として用いられてよい。各端末は、当該端末に決定された乱数(random number)だけのスロットタイムを前記チャネルの遊休状態の間隔(interval)において減少させながら待機し、スロットタイムを全て消尽した端末が、当該チャネルに対するアクセスを試みる。このように、各端末がバックオフ手順を行う区間を競合ウィンドウ区間という。このとき、乱数をバックオフカウンターと呼ぶことができる。すなわち、端末の取得した乱数である整数によってバックオフカウンターの初期値が設定される。端末が、スロットタイムの間にチャネルが遊休であると感知した場合に、端末は、バックオフカウンターを1減少させることができる。また、バックオフカウンターが0に到達する場合に、端末は、当該チャネルでチャネルアクセスを行うことが許容されてよい。したがって、AIFS時間及びバックオフカウンターのスロット時間にチャネルが遊休である場合に端末の送信が許容されてよい。
【0051】
もし特定端末が前記チャネルのアクセスに成功すれば、該当端末は前記チャネルを介してデータを伝送する。しかし、アクセスを試みた端末が他の端末と衝突すれば、衝突した端末はそれぞれ新しい乱数を割り当てられて更にバックオフ手順を行う。一実施例によると、各端末に新しく割り当てられる乱数は、該当端末が以前割り当てられた乱数の範囲(競合ウィンドウ、CW)の2倍の範囲(2*CW)内で決定される。一方、各端末は、次の競合ウィンドウ区間で更にバックオフ手順を行ってアクセスを試みるが、この際、各端末は以前の競合ウィンドウ区間に残ったスロットタイムからバックオフ手順を行う。このような方法で無線LAN通信を行う各端末は、特定チャネルに対する互いの衝突を回避することができる。
【0052】
<様々なPPDUフォーマットの実施例>
【0053】
図7には、様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す。より具体的に、
図7(a)は、802.11a/gに基づくレガシーPPDUフォーマットの一実施例、
図7(b)は、802.11axに基づくHE PPDUフォーマットの一実施例を示し、
図7(c)は、802.11beに基づくノン-レガシーPPDU(すなわち、EHT PPDU)フォーマットの一実施例を示す。また、
図7(d)は、前記PPDUフォーマットで共通に用いられるL-SIG及びRL-SIGの細部フィールド構成を示す。
【0054】
図7(a)を参照すると、レガシーPPDUのプリアンブルは、L-STF(Legacy Short Training field)、L-LTF(Legacy Long Training field)及びL-SIG(Legacy Signal field)を含む。本発明の実施例において、前記L-STF、L-LTF及びL-SIGは、レガシープリアンブルと呼ぶことができる。
【0055】
図7(b)を参照すると、HE PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、HE-SIG-A(High Efficiency Signal A field)、HE-SIG-B(High Efficiency Signal B field)、HE-STF(High Efficiency Short Training field)、HE-LTF(High Efficiency Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、HE-SIG-A、HE-SIG-B、HE-STF及びHE-LTFは、HEプリアンブルと呼ぶことができる。HEプリアンブルの具体的な構成は、HE PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、HE-SIG-Bは、HE MU PPDUフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0056】
図7(c)を参照すると、EHT PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、U-SIG(Universal Signal field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal A field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal B field)、EHT-STF(Extremely High Throughput Short Training field)、EHT-LTF(Extremely High Throughput Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、EHT-SIG-A、EHT-SIG-B、EHT-STF及びEHT-LTFは、EHTプリアンブルと呼ぶことができる。ノン-レガシープリアンブルの具体的な構成は、EHT PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、EHT-SIG-AとEHT-SIG-Bは、EHT PPDUフォーマットのうち一部のフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0057】
PPDUのプリアンブルに含まれたL-SIGフィールドは、64 FFT OFDMが適用され、総64個のサブキャリアで構成される。このうち、ガードサブキャリア、DCサブキャリア及びパイロットサブキャリアを除く48個のサブキャリアが、L-SIGのデータ送信用に用いられる。L-SIGにはBPSK、Rate=1/2のMCS(Modulation and Coding Scheme)が適用されるので、総24ビットの情報を含むことができる。
図7(d)には、L-SIGの24ビット情報構成を示す。
【0058】
図7(d)を参照すると、L-SIG、は、L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドを含む。L_RATEフィールドは、4ビットで構成され、データ送信に用いられたMCSを示す。具体的に、L_RATEフィールドは、BPSK/QPSK/16-QAM/64-QAMなどの変調方式と1/2、2/3、3/4などの符号率を組み合わせた6/9/12/18/24/36/48/54Mbpsの送信速度のうち1つの値を示す。L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドの情報を組み合わせると当該PPDUの全長を示すことができる。ノン-レガシーPPDUフォーマットでは、L_RATEフィールドを最小速度である6Mbpsに設定する。
【0059】
L_LENGTHフィールドの単位はバイトであり、総12ビットが割り当てられて最大4095までシグナルでき、L_RATEフィールドとの組合せで該当PPDUの長さを示すことができる。このとき、レガシー端末とノンレガシー端末はL_LENGTHフィールドを別個の方法で解釈することができる。
【0060】
まず、レガシー端末又はノンレガシー端末がL_LENGTHフィールドを用いて該当PPDUの長さを解釈する方法は次の通りである。L_RATEフィールドの値が6Mbpsを指示するように設定された場合に、64FFTの1個のシンボルデュレーションである4usの間に3バイト(すなわち、24ビット)が送信されてよい。したがって、L_LENGTHフィールド値に、SVCフィールド及びTailフィールドに該当する3バイトを足し、これを1個のシンボルの送信量である3バイトで割ると、L-SIG以後の64FFT基準シンボル個数が取得される。取得されたシンボル個数に1個のシンボルデュレーションである4usをかけた後に、L-STF、L-LTF及びL-SIGの送信にかかる20usを足すと、該当PPDUの長さ、すなわち、受信時間(RXTIME)が得られる。これを数式で表現すれば、下記の式1の通りである。
【0061】
【0062】
このとき、
【数2】
は、xより大きい又は等しい最小の自然数を表す。L_LENGTHフィールドの最大値は4095であるので、PPDUの長さは、最大5.484msまでに設定されてよい。当該PPDUを送信するノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを下記の式2のように設定しなければならない。
【0063】
【0064】
ここで、TXTIMEは、当該PPDUを構成する全体送信時間であり、下記の式3の通りである。このとき、TXは、Xの送信時間を表す。
【0065】
【0066】
以上の式を参照すると、PPDUの長さは、L_LENGTH/3の切上げ値に基づいて計算される。したがって、任意のk値に対してL_LENGTH={3k+1,3k+2,3(k+1)}の3つの異なる値が、同一のPPDU長を指示する。
【0067】
図7(e)を参照すると、U-SIG(Universal SIG)フィールドは、EHT PPDU及び後続世代の無線LANのPPDUにおいて存続し、11beを含めてどの世代のPPDUであるかを区分する役割を担う。U-SIGは、64FFTベースのOFDMの2シンボルであり、総52ビットの情報を伝達することができる。このうち、CRC/テール9ビットを除く43ビットは、大きく、VI(Version Independent)フィールドとVD(Version Dependent)フィールドに区分される。
【0068】
VIビットは、現在のビット構成を後にも維持し続け、後続世代のPPDUが定義されても、現在の11be端末が、当該PPDUのVIフィールドから当該PPDUに関する情報を得ることができる。そのために、VIフィールドは、PHYバージョン、UL/DL、BSSカラー、TXOP、リザーブド(Reserved)フィールドで構成される。PHYバージョンフィールドは3ビットであり、11be及び後続世代の無線LAN標準を順次にバージョンで区分する役割を担う。11beは000bの値を有する。UL/DLフィールドは、当該PPDUが上りリンク/下りリンクPPDUのいずれであるかを区分する。BSSカラーは、11axで定義されたBSS別識別子を意味し、6ビット以上の値を有する。TXOPは、MACヘッダーで伝達されていた送信機会デュレーション(Transmit Opportunity Duration)を意味するが、PHYヘッダーに追加することにより、MPDUをデコードすることなく、当該PPDUが含まれたTXOPの長さを類推でき、7ビット以上の値を有する。
【0069】
VDフィールドは、11beバージョンのPPDUにのみ有用なシグナリング情報としてPPDUフォーマット、BWのように、如何なるPPDUフォーマットにも共通に用いられるフィールド、及びPPDUフォーマット別に異なるように定義されるフィールドで構成されてよい。PPDUフォーマットは、EHT SU(Single User)、EHT MU(Multiple User)、EHT TB(Trigger-based)、EHT ER(Extended Range)PPDUなどを区分する区分子である。BWフィールドは、大きく、20、40、80、160(80+80)、320(160+160)MHzの5個の基本PPDU BWオプション(20*2の冪乗の形態で表現可能なBWを基本BWと呼ぶことができる。)と、プリアンブルパンクチャリング(Preamble Puncturing)によって構成される様々な残りのPPDU BWをシグナルする。また、320MHzでシグナルされた後、一部の80MHzがパンクチャーされた形態でシグナルされてよい。また、パンクチャーされて変形されたチャネル形態は、BWフィールドで直接シグナルされてもよく、或いはBWフィールドとBWフィールド以後に現れるフィールド(例えば、EHT-SIGフィールド内のフィールド)を共に用いてシグナルされてもよい。仮に、BWフィールドを3ビットとする場合に、総8個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で3個をシグナルできる。仮にBWフィールドを4ビットとする場合に総16個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で11個をシグナルできる。
【0070】
BWフィールド以後に位置するフィールドは、PPDUの形態及びフォーマットによって異なり、MU PPDUとSU PPDUは同一のPPDUフォーマットでシグナルされてよく、EHT-SIGフィールドの前に、MU PPDUとSU PPDUを区別するためのフィールドが位置してよく、そのための追加のシグナリングが行われてよい。SU PPDUとMU PPDUは両方ともEHT-SIGフィールドを含んでいるが、SU PPDUで不要な一部のフィールドが圧縮(compression)されてよい。この時、圧縮が適用されたフィールドの情報は省略されるか、あるいはMU PPDUに含まれる本来フィールドのサイズよりも縮小したサイズを有してよい。例えば、SU PPDUの場合、EHT-SIGの共通フィールドが省略又は代替されるか、ユーザ特定フィールドが代替されるか、或いは1個に縮小するなど、異なる構成を有してよい。
【0071】
又は、SU PPDUは、圧縮されたか否かを示す圧縮フィールドをさらに含むことができ、圧縮フィールドの値によって一部のフィールド(例えば、RAフィールドなど)が省略されてよい。
【0072】
SU PPDUのEHT-SIGフィールドの一部が圧縮された場合に、圧縮されたフィールドに含まれる情報は、圧縮されていないフィールド(例えば、共通フィールドなど)で一緒にシグナルされてよい。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのPPDUフォーマットであるので、U-SIGフィールド以後にEHT-SIGフィールドが必須に送信される必要があり、シグナルされる情報の量が可変的であってよい。すなわち、複数個のMU PPDUが複数個のSTAに送信されるので、それぞれのSTAは、MU PPDUが送信されるRUの位置、それぞれのRUが割り当てられたSTA、及び送信されたMU PPDUが自分に送信されたか否かを認識しなければならない。したがって、APは、EHT-SIGフィールドに上のような情報を含めて送信しなければならない。そのために、U-SIGフィールドではEHT-SIGフィールドを効率的に送信するための情報をシグナルし、これは、EHT-SIGフィールドのシンボル数及び/又は変調方法であるMCSであってよい。EHT-SIGフィールドは、各ユーザに割り当てられたRUのサイズ及び位置情報を含むことができる。
【0073】
SU PPDUである場合に、STAに複数個のRUが割り当てられてよく、複数個のRUは連続又は不連続してよい。STAに割り当てられたRUが連続しない場合、STAは、中間にパンクチャーされたRUを認識してこそ、SU PPDUを効率的に受信することができる。したがって、APは、SU PPDUに、STAに割り当てられたRUのうちパンクチャーされたRUの情報(例えば、RUのパンクチャリングパターンなど)を含めて送信できる。すなわち、SU PPDUの場合、パンクチャリングモードが適用されたか否か及びパンクチャリングパターンをビットマップ形式などで示す情報を含むパンクチャリングモードフィールドがEHT-SIGフィールドに含まれてよく、パンクチャリングモードフィールドは、帯域幅内で現れる不連続するチャネルの形態をシグナルできる。
【0074】
シグナルされる不連続チャネルの形態は制限的であり、BWフィールドの値と組み合わせてSU PPDUのBW及び不連続チャネル情報を示す。例えば、SU PPDUの場合、単一端末にのみ送信されるPPDUであるので、STAは、PPDUに含まれたBWフィールドから、自分に割り当てられた帯域幅が認識でき、PPDUに含まれたU-SIGフィールド又はEHT-SIGフィールドのパンクチャリングモードフィールドから、割り当てられた帯域幅のうちパンクチャーされたリソースが認識できる。この場合、端末は、パンクチャーされたリソースユニットの特定チャネルを除く残りのリソースユニットでPPDUを受信できる。このとき、STAに割り当てられた複数個のRUは、互いに異なる周波数帯域又はトーンで構成されてよい。
【0075】
制限された形態の不連続チャネル形態のみがシグナルされる理由は、SU PPDUのシグナリングオーバーヘッドを減らすためである。パンクチャリングは、20MHzサブチャネル別に行われてよいので、80、160、320MHzのように20MHzサブチャネルを複数個有するBWに対してパンクチャリングを行うと、320MHzの場合、プライマリーチャネルを除く残りの20MHzサブチャネル15個の使用有無をそれぞれ表現して、不連続チャネル(端部20MHzのみがパンクチーされた形態も不連続と見なす場合)形態をシグナルしなければならない。このように単一ユーザ送信の不連続チャネル形態をシグナルするために15ビットを用いることは、シグナリング部分の低い送信速度を考慮したとき、過大なシグナリングオーバーヘッドとなり得る。
【0076】
本発明は、SU PPDUの不連続チャネル形態をシグナルする手法を提案し、提案した手法によって決定された不連続チャネル形態を示す。また、SU PPDUの320MHz BW構成において主(Primary)160MHzと副(Secondary)160MHzのパンクチャリング形態をそれぞれシグナルする手法を提案する。
【0077】
また、本発明の一実施例では、PPDUフォーマットフィールドにシグナルされたPPDUフォーマットにしたがって、プリアンブルパンクチャリングBW値が指示するPPDUの構成を異ならせる手法を提案する。BWフィールドの長さが4ビットである場合を仮定し、EHT SU PPDU又はTB PPDUである場合には、U-SIG以後に1シンボルのEHT-SIG-Aをさらにシグナルするか、EHT-SIG-Aを全くシグナルしなくてよいので、これを考慮してU-SIGのBWフィールドのみを用いて最大で11個のパンクチャリングモードを全てシグナルする必要がある。しかしながら、EHT MU PPDUの場合、U-SIG以後にEHT-SIG-Bをさらにシグナルするので、最大で11個のパンクチャリングモードをSU PPDUと異なる方法でシグナルしてよい。EHT ER PPDUの場合、BWフィールドを1ビットに設定し、20MHz又は10MHzの帯域を用いるPPDUであるかをシグナルすることができる。
【0078】
図7(f)には、U-SIGのPPDUフォーマットフィールドでEHT MU PPDUと指示された場合に、VDフィールドのフォーマット特異的(Format-specific)フィールドの構成を示す。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのシグナリングフィールドであるSIG-Bが必須であり、U-SIG後に別途のSIG-A無しでSIG-Bが送信されてよい。そのために、U-SIGではSIG-Bをデコードするための情報をシグナルしなければならない。このようなフィールドは、SIG-B MCS、SIG-B DCM、SIG-Bシンボルの数(Number of SIG-B Symbols)、SIG-B圧縮(SIG-B Compression)、EHT-LTFシンボルの数(Number of EHT-LTF Symbols)フィールドなどである。
【0079】
図8は、本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す。
【0080】
図8を参照すると、PPDUは、プリアンブルとデータ部分で構成されてよく、一つのタイプであるEHT PPDUのフォーマットは、プリアンブルに含まれているU-SIGフィールドによって区別されてよい。具体的に、U-SIGフィールドに含まれているPPDUフォーマットフィールドに基づき、PPDUのフォーマットがEHT PPDUであるか否かが指示されてよい。
【0081】
図8の(a)は、単一STAのためのEHT SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT SU PPDUは、APと単一STA間の単一ユーザ(Single User:SU)送信のために用いられるPPDUであり、U-SIGフィールド以後に追加のシグナリングのためのEHT-SIG-Aフィールドが位置してよい。
【0082】
図8の(b)は、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであるEHTトリガーベース(Trigger-based)PPDUフォーマットの一例を示す。EHTトリガーベースPPDUは、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであり、トリガーフレームに対する応答のために用いられる上りリンクPPDUである。EHT PPDUは、EHT SU PPDUとは違い、U-SIGフィールド以後にEHT-SIG-Aフィールドが位置しない。
【0083】
図8の(c)は、多重ユーザのためのEHT PPDUであるEHT MU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT MU PPDUは、1つ以上のSTAにPPDUを送信するために用いられるPPDUである。EHT MU PPDUフォーマットは、U-SIGフィールド以後にHE-SIG-Bフィールドが位置してよい。
【0084】
図8の(d)は、拡張された範囲にあるSTAとの単一ユーザ送信のために用いられるEHT ER SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT ER SU PPDUは、
図8の(a)で説明したEHT SU PPDUよりも広い範囲のSTAとの単一ユーザ送信のために用いられてよく、時間軸上でU-SIGフィールドが反復して位置してよい。
【0085】
図8の(c)で説明したEHT MU PPDUは、APが複数個のSTAに下りリンク送信のために用いることができる。このとき、EHT MU PPDUは、複数個のSTAがAPから送信されたPPDUを同時に受信できるようにスケジューリング情報を含むことができる。EHT MU PPDUは、EHT-SIG-Bのユーザ特定(user specific)フィールドを通じて送信されるPPDUの受信者及び/又は送信者のAID情報を、STAに伝達することができる。したがって、EHT MU PPDUを受信した複数個の端末は、受信したPPDUのプリアンブルに含まれたユーザ特定フィールドのAID情報に基づいて空間再使用(spatial reuse)動作を行うことができる。
【0086】
具体的に、HE MU PPDUに含まれたHE-SIG-Bフィールドのリソースユニット割り当て(resource unit allocation,RA)フィールドは、周波数軸の特定帯域幅(例えば、20MHzなど)におけるリソースユニットの構成(例えば、リソースユニットの分割形態)に関する情報を含むことができる。すなわち、RAフィールドは、STAがPPDUを受信するために、HE MU PPDUの送信のための帯域幅で分割されたリソースユニットの構成を指示できる。分割された各リソースユニットに割り当て(又は、指定)されたSTAの情報は、EHT-SIG-Bのユーザ特定フィールドに含まれてSTAに送信されてよい。すなわち、ユーザ特定フィールドは、分割された各リソースユニットに対応する1つ以上のユーザフィールドを含むことができる。
【0087】
例えば、分割された複数個のリソースユニットのうち、データ送信のために用いられる少なくとも1つのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、受信者又は送信者のAIDを含むことができ、データ送信に用いられない残りのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、既に設定されたヌル(Null)STA IDを含むことができる。
【0088】
説明の便宜のために、本明細書においてフレーム又はMACフレームは、MPDUと同じ意味で使われてよい。
【0089】
1つの無線通信装置が複数のリンクを用いて通信する場合に、無線通信装置の通信効率を高めることができる。このとき、リンクは物理的経路(path)であり、MSDU(MAC service data unit)を伝達するために使用可能な一つの無線媒介体として構成されてよい。例えば、いずれか一つのリンクの周波数帯域が他の無線通信装置によって使用中である場合に、無線通信装置は、他のリンクで継続して通信を行うことができる。このように、無線通信装置は、複数のチャネルを有用に使用することができる。また、無線通信装置が複数のリンクを用いて同時に通信を行う場合に、全体スループット(throughput)を高めることができる。ただし、既存無線LANは、1つの無線通信装置が1つのリンクを用いることを前提に規定されている。そのため、複数のリンクを用いるための無線LAN動作方法が必要である。
図9~
図26を参照して、複数のリンクを用いる無線通信装置の無線通信方法について説明する。まず、
図9を用いて、複数のリンクを用いる無線通信装置の具体的な形態について説明する。
【0090】
図9は、本発明の実施例に係るマルチリンク装置(multi-link device)を示す。
【0091】
前述した複数のリンクを用いる無線通信方法のためにマルチリンク装置(multi-link device,MLD)が定義されてよい。マルチリンク装置は、一つ以上の提携された(affiliated)ステーションを有する装置を表すことができる。具体的な実施例によって、マルチリンク装置は、2つ以上の提携されたステーションを有する装置を表すことができる。また、マルチリンク装置は、マルチリンクエレメントを交換することができる。マルチリンクエレメントは、一つ以上のステーション又は一つ以上のリンクに関する情報を含む。マルチリンクエレメントは、後述されるmulti-link setupエレメントを含んでよい。このとき、マルチリンク装置は論理的なエンティティ(entity)であってよい。具体的には、マルチリンク装置は複数の提携されたステーションを有してよい。マルチリンク装置は、MLLE(multi-link logical entity)又はMLE(multi-link entity)と呼ぶことができる。マルチリンク装置は、ロジカルリンク制御(logical link control,LLC)まで一つのMACサービスアクセスポイント(medium access control service access point,SAP)を有してよい。また、MLDは一つのMACデータサービス(MAC data service)を有してよい。
【0092】
マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、複数のリンクで動作できる。また、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、複数のチャネルで動作できる。具体的には、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、異なる複数のリンク又は異なる複数のチャネルで動作できる。例えば、マルチリンク装置に含まれた複数のステーションは、2.4GHz、5GHz、及び6GHzの異なる複数のチャネルで動作できる。
【0093】
マルチリンク装置の動作は、マルチリンクオペレーション、MLD動作、又はマルチ-バンド動作と呼ぶことができる。また、マルチリンク装置に提携されたステーションがAPである場合に、マルチリンク装置は、AP MLDと呼ぶことができる。また、マルチリンク装置に提携されたステーションがノン-APステーションである場合に、マルチリンク装置は、non-AP MLDと呼ぶことができる。
【0094】
図9は、non-AP MLDとAP-MLDとが通信する動作を示す。具体的には、non-AP MLDとAP-MLDはそれぞれ3個のリンクを用いて通信する。AP MLDは、第1AP(AP1)、第2AP(AP2)及び第3AP(AP3)を含む。non-AP MLDは、第1non-AP STA(non-AP STA1)、第2non-AP STA(non-AP STA2)及び第3non-AP STA(non-AP STA3)を含む。第1AP(AP1)と第1non-AP STA(non-AP STA1)は第1リンク(Link1)を通じて通信する。また、第2AP(AP2)と第2non-AP STA(non-AP STA2)は第2リンク(Link2)を通じて通信する。また、第3AP(AP3)と第3non-AP STA(non-AP STA3)は第3リンク(Link3)を通じて通信する。
【0095】
マルチリンク動作はマルチリンク設定(setup)動作を含んでよい。マルチリンク設定は、前述したシングルリンク動作の結合(association)動作に対応するものであり、マルチリンクでのフレーム交換のために先行される必要がある。マルチリンク装置は、マルチリンク設定のために必要な情報をmulti-link setupエレメントから取得することができる。具体的には、multi-link setupエレメントは、マルチリンクと関連した能力情報を含んでよい。このとき、能力情報は、マルチリンク装置に含まれた複数の装置のいずれか一つが送信を行い、同時に他の装置が受信を行うことができるかを示す情報を含んでよい。また、能力情報は、MLDに含まれた各ステーションが利用できるリンクに関する情報を含んでよい。また、能力情報は、MLDに含まれた各ステーションが利用できるチャネルに関する情報を含んでよい。
【0096】
マルチリンク設定は、ピアステーション間の交渉によって設定されてよい。具体的には、APとの通信無しでステーション間の通信によってマルチリンク設定が行われてよい。また、マルチリンク設定は、いずれか一つのリンクを通じて設定されてよい。例えば、マルチリンクを通じて第1リンク~第3リンクが設定される場合であっても、第1リンクを通じてマルチリンク設定が行われてよい。
【0097】
また、TID(traffic identifier)とリンクとのマッピングが設定されてよい。具体的には、特定値のTIDに該当するフレームは、あらかじめ指定されたリンクのみを通じて交換されてよい。TIDとリンクとのマッピングは、方向ベース(directional-based)で設定されてよい。例えば、第1マルチリンク装置と第2マルチリンク装置との間に複数のリンクが設定された場合に、第1マルチリンク装置は、複数の第1リンクに第1TIDのフレームを送信するように設定され、第2マルチリンク装置は、第1リンクに第2TIDのフレームを送信するように設定されてよい。また、TIDとリンクとのマッピングに基本設定が存在してよい。具体的には、マルチリンク設定において追加設定がない場合に、マルチリンク装置は、基本(default)設定にしたがって各リンクでTIDに該当するフレームを交換することができる。このとき、基本設定は、いずれか一つのリンクで全TIDが交換されるものであってよい。
【0098】
TIDについて具体的に説明する。TIDは、QoS(quality of service)を支援するためにトラフィック、データを分類するIDである。また、TIDは、MACレイヤよりも上位レイヤにおいて用いられたリ割り当てられてよい。また、TIDは、トラフィックカテゴリー(traffic category,TC)、トラフィックストリーム(traffic stream,TS)を示すことができる。また、TIDは16個に区別されてよい。例えば、TIDは、0から15のいずれか一つと指定されてよい。アクセス政策(access policy)、チャネルアクセス又は媒体(medium)アクセス方法によって、使用されるTID値が異なるように指定されてよい。例えば、EDCA(enhanced distributed channel access)又はHCAF(hybrid coordination function contention based channel access)が用いられる場合に、TIDの値は0から7の範囲で割り当てられてよい。EDCAが用いられる場合に、TIDは、ユーザ優先順位(user priority,UP)を示すことができる。このとき、UPは、TC又はTSによって指定されてよい。UPは、MACよりも上位レイヤで割り当てられてよい。また、HCCA(HCF controlled channel access)又はSPCAが用いられる場合に、TIDの値は8から15の範囲で割り当てられてよい。HCCA又はSPCAが用いられる場合に、TIDは、TSIDを示すことができる。また、HEMM又はSEMMが用いられる場合に、TIDの値は、8から15の範囲で割り当てられてよい。HEMM又はSEMMが用いられる場合に、TIDは、TSIDを示すことができる。
【0099】
UPとAC(access category)はマップされてよい。ACは、EDCAにおいてQoSを提供するためのラベルであってよい。ACは、EDCAパラメータセットを示すためのラベルであってよい。EDCAパラメータ又はEDCAパラメータセットは、EDCAのチャネル競合(contention)で用いられるパラメータである。QoSステーションはACを用いてQoSを保証することができる。また、ACは、AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOを含んでよい。AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOのそれぞれは、バックグラウンド(background)、ベストエフォート(best effort)、ビデオ(video)、ボイス(voice)を示すことができる。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI及びAC_VOは、下位ACに分類されてよい。例えば、AC_VIは、AC_VI primaryとAC_VI alternateとに細分化できる。また、AC_VOは、AC_VO primaryとAC_VO alternateとに細分化できる。また、UP又はTIDはACにマップされてよい。例えば、UP又はTIDにおける1、2、0、3、4、5、6、7のそれぞれは、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI、AC_VI、AC_VO、AC_VOのそれぞれにマップされてよい。また、UP又はTIDの1、2、0、3、4、5、6及び7のそれぞれは、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI alternate、AC_VI primary、AC_VO primary、AC_VO alternateのそれぞれにマップされてよい。また、UP又はTIDの1、2、0、3、4、5、6、及び7はその順に優先順位が高いものであってよい。すなわち、1の方が低い優先順であり、7の方が高い優先順位であってよい。したがって、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOの順に優先順位が高くなってよい。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOのそれぞれは、ACI(AC index)0、1、2、3のそれぞれに該当し得る。このようなTIDの特性上、TIDとリンクとのマッピングは、ACとリンクとのマッピングを表すことができる。また、リンクとACとのマッピングは、TIDとリンクとのマッピングを表すことができる。
【0100】
前述したように、複数のリンクのそれぞれにTIDがマップされてよい。マッピングは、特定TID又はACに該当するトラフィックが交換され得るリンクが指定されることであってよい。また、リンク内で送信方向別に送信され得るTID又はACが指定されてよい。前述したように、TIDとリンクとのマッピングに基本設定が存在してよい。具体的には、マルチリンク設定において追加設定がない場合に、マルチリンク装置は基本(default)設定にしたがって、各リンクでTIDに該当するフレームを交換することができる。このとき、基本設定は、いずれか一つのリンクで全てのTIDが交換されるものであってよい。常に、ある時点に、いかなるTID又はACも少なくともいずれか一つのリンクとマップされてよい。マネジメントフレームとコントロールフレームは全てのリンクで送信されてよい。
【0101】
リンクがTID又はACにマップされた場合に、当該リンクで当該リンクにマップされたTID又はACに該当するデータフレームのみが送信されてよい。したがって、リンクがTID又はACにマップされた場合に、当該リンクで当該リンクにマップされていないTID又はACに該当しないフレームは送信されなくてよい。リンクがTID又はACにマップされた場合に、ACKもTID又はACがマップされたリンクに基づいて送信されてよい。例えば、ブロックACK合意(agreement)が、TIDとリンクとのマッピングに基づいて決定されてよい。さらに他の具体的な実施例において、TIDとリンクとのマッピングがブロックACK合意に基づいて決定されてよい。具体的には、特定リンクにマップされたTIDに対してブロックACK合意が設定されてよい。
【0102】
前述したTIDとリンクとのマッピングにより、QoSが保証されてよい。具体的には、相対的に少ない数のステーションが動作するか、或いはチャネル状態の良いリンクに優先順位の高いAC又はTIDがマップされてよい。また、前述したTIDとリンクとのマッピングにより、ステーションがより長い時間に節電状態を保つようにすることができる。
【0103】
図10は、本発明の実施例によって、マルチリンク動作において互いに異なるリンクの送信が同時に行われることを示す。
【0104】
マルチリンク装置の具現によって、マルチリンクで同時動作が支援されないことがある。例えば、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に送信を行う、複数のリンクで同時に受信を行う、或いはいずれか一つのリンクで送信を行うと同時に他のリンクで受信を行う、ことが支援されることがある。いずれか一つのリンクで行われる受信又は送信が他のリンクで行われる受信又は送信に影響を及ぼすことがあるわけである。具体的には、一つのリンクでの送信が他のリンクの干渉として作用することがある。一つのマルチリンク装置の一つのリンクで他のリンクに作用する干渉を内部洩れ(internal leakage)と呼ぶことができる。リンク間の周波数間隔が小さいほど、内部洩れが大きくなることがある。内部洩れが大きすぎないと、いずれか一つのリンクで送信を行う時に他のリンクで送信が行うことができる。内部洩れが大きいと、いずれか一つのリンクで送信を行う時に他のリンクで送信を行うことができない。このように、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に動作を行うことをSTR(simultaneous transmit and receive,simultaneous transmission and reception)と呼ぶことができる。例えば、マルチリンク装置が複数のリンクで同時に送信する、いずれか一つのリンクで送信を行うと同時に他のリンクで受信を行う、或いは複数のリンクで同時に受信を行うことを、STRと呼ぶことができる。
【0105】
一方、MLDを構成する複数個のステーション相互間の干渉によってSTRが支援されない場合に、STAはnon-STR関係或いはNSTR関係(STRが支援されない関係)であると表現されてよい。
【0106】
このとき、MLDの2つのSTA(STA1及びSTA2)がSTRを支援するか否かは、STAが運用されるリンク対(STA1が運用されるLink1及びSTA2が運用されるLink2)の離隔距離によって異なってよい。
【0107】
したがって、MLDが特定リンク対にそれぞれSTAを運用する場合に、前記特定リンク対で運用される両STA間にSTRが支援されると、前記特定リンク対は、MLDにとってSTRリンク対(pair)として考慮されてよい。一方、MLDが個別のリンク対にそれぞれSTAを運用する場合に、前記個別のリンク対で運用される両STA間にSTRが支援されないと、前記他のリンク対はMLDにとってNSTRリンク対として考慮されてよい。
【0108】
このように、MLDのSTA間にSTRが支援されるか否かは、これらのSTAが動作するリンク対がSTRリンク対(pair)であるか又はNSTRリンク対であるかによって決定される。ただし、上述したように、各MLDの特性(遮蔽性能など)が互いに異なり得るので、特定リンク対が、特定のMLDには、STRが支援されるリンク対として、他のMLDには、STRが支援されないNSTRリンク対として考慮されてよい。
【0109】
後述する本発明の一実施例では、説明の便宜のために、MLDのSTRリンク対で運用されるSTAをSTR MLDのSTAと命名(明示)し、MLDのNSTRリンク対で運用されるSTAをNSTR(及び、non-STR)MLDのSTAと命名(明示)するものとする。すなわち、以下に述べる実施例において「non-STR MLDのSTA」と言及する場合に、MLDのNSTRリンク対で運用される両STAのうち一つを指し、「STR MLDのSTA」と言及する場合に、MLDのSTRリンク対で運用される両STAのうち一つを指すと解析されてよい。
【0110】
また、NSTR MLDは、上述したSTR支援の有無と関連して、特定MLDのSTAが受信能力を喪失するMLDの他、MLDのハードウェア構成自体が同時送/受信を支援しないMLDも含むものを意味できる。
【0111】
言い換えると、MLD(Multi-link device)のハードウェア構成が、MLDの特定STAが送信或いは受信中である時に、前記MLDの他のSTAが活用できるハードウェアリソースが制限される構成を有することがある。例えば、特定MLDがただ1個のPPDUに対するプロセシングを支援するハードウェア構成を有していると、前記特定MLDの特定STAがRxを行っている時に、前記特定MLDは、MLD内の他のSTAに対するTx及びRxを支援できない。同様に、前記特定MLDの特定STAがTxを行っている時にも、前記特定MLDは、MLD内の他のSTAに対するTx及びRxを支援できない。
【0112】
このように、MLDであり、2個以上のリンクにSTAを運用できるが、特定時点に1個のSTAに対してのみ送/受信を支援できる装置を、多重リンク単一ラジオMLD(Multi-link Single Radio MLD,MLSR MLD)と呼ぶことができる。或いは、MLDが動作モードの一種として1個のSTAに対してのみ送/受信を支援する動作モードを、エンハンスド多重リンク単一ラジオ(Enhanced Multi-Link Single Radio,EMLSR)モードと呼ぶことができる。このとき、EMLSRモードで動作するMLDは、多重ラジオ(Multi-radio MLD)或いはエンハンスド単一ラジオ(Enhanced Single-radio)MLDであってよい。エンハンスド単一ラジオMLDは、1回に1個のリンクに対してのみデータ送/受信を支援するが、別途のハードウェア(低価のPHYフロントエンドなど)を含む構成を有することによって、2個以上のリンクに対するCCA及び低速データレート(例えば、6MHz或いは24MHz以下にエンコードされた)PPDU送/受信を支援するデバイスを意味できる。
【0113】
また、EMLSRモードの変形として、MLDが各STAに対する送/受信を支援するが、特定STAが使用するRFチェーンの一部を他のSTAの送/受信に活用するEMLMR(Enhance Multi-Link Multi-Radio)が定義されてよい。EMLMRは、前記特定STAが使用するRFチェーンを全て前記他のSTAの送/受信に活用する場合にEMLSRと同じ送/受信制限特性を有し得る。すなわち、EMLMRモードで動作するMLDは、リンクに対するSTR支援の有無に関係なく特定時点にただ1個のリンク(STA)に対する送/受信のみを支援する動作ができ、これは、前記EMLSRモードで動作するMLDと類似の動作として理解されてよい。
【0114】
すなわち、EMLSR/EMLMRモードで運用されるMLDのリンクはNSTRリンク対として考慮されてよい。
【0115】
このとき、上述した送/受信は、送信/送信、受信/受信を含む意味であり、すなわち両リンクのSTR/NSTR支援の有無とは関係がない。
【0116】
説明の便宜のために、以下、EMLSR/EMLMR MLDは、ハードウェアの制約によって特定時点に1個のSTAに対する送/受信のみを支援できるMLDと、2個以上のSTAに対する送/受信(STRと関係ないプロセシング能力(capability))を支援できるにもかかわらず、動作モードの一種として特定時点に1個のSTAに対する高速データフレーム送/受信のみを支援するMLDを含む意味で活用される。
【0117】
前述した本発明の一実施例によって提供された、NSTR MLDの性能制限を考慮したSTR MLDの動作は、MLSR MLDに対するSTR MLDの動作としてそのまま活用可能である。例えば、STR MLDのSTAは、多重リンク単一ラジオMLDのSTAに送信を行った後、前記行った送信が前記多重リンク単一ラジオMLD STAの制限された性能によって失敗したと判断するか、又は失敗すると予測される場合に、行っている或いは行おうとしている送信を取り消すことができる。このとき、前記送信が前記EMLSR/EMLMR MLDの制限された性能によって失敗したかを確認する手順は、NSTR MLDのSTAに行った送信が前記NSTR MLD STAの制限された性能によって失敗したかを確認することと類似し得る。
【0118】
先に言及したように、マルチリンク装置はSTRを支援することもでき、制限的に支援することもできる。具体的には、マルチリンク装置は特定条件下でのみSTRを支援することができる。例えば、マルチリンク装置が単一ラジオ(single radio)で動作する場合に、マルチリンク装置はSTRを行えないことがある。また、マルチリンク装置が単一アンテナで動作する場合に、マルチリンク装置がSTRを行えないことがある。また、内部洩れがあらかじめ指定された大きさ以上と感知される場合に、マルチリンク装置はSTRを行えないことがある。
【0119】
ステーションは、ステーションのSTR能力に関する情報を他のステーションと交換できる。具体的には、ステーションは、ステーションが複数のリンクで同時に送信を行うか又は複数のリンクで同時に受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報を、他のステーションと交換できる。具体的には、複数のリンクで送信又は受信を行う能力の制限の有無に関する情報は、複数のリンクで同時に送信するか、同時に受信するか、或いは送信と受信が同時に行われるかを示すことができる。また、複数のリンクで送信を行うか受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報は、段階別に指示される情報であってよい。具体的には、複数のリンクで送信を行うか受信を行うかの能力の制限の有無に関する情報は、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報であってよい。具体的な実施例において、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報は、内部洩れによって発生する干渉の大きさを示す段階を指示する情報であってよい。さらに他の具体的な実施例において、内部洩れに影響を及ぼし得るリンク間の周波数間隔を示す段階を指示する情報であってよい。また、内部洩れの大きさを示す段階を指示する情報は、リンク間の周波数間隔と内部洩れの大きさとの関係を段階別に指示する情報であってよい。
【0120】
図10で、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)は一つのnon-APマルチリンク装置に提携(affiliate)される。また、第1AP(AP1)と第2AP(AP2)は、一つのnon-APマルチリンク装置に提携されてよい。第1AP(AP1)と第1ステーション(STA1)との間には第1リンク(link1)が設定され、第2AP(AP2)と第2ステーション(STA2)との間には第2リンク(link2)が設定される。
図10で、non-APマルチリンク装置は制限的にSTRを行うことができる。第2ステーション(STA2)が第2リンク(Link2)で送信を行う場合に、第1リンク(Link1)で第1ステーション(STA1)の受信は、第2リンク(Link2)で行われる送信によって妨害されることがある。例えば、次のような場合、第1リンク(Link1)で第1ステーション(STA1)の受信は、第2リンク(Link2)で行われる送信によって妨害されることがある。第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)が第1データ(Data1)を送信し、第1AP(AP1)が第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)を第1ステーション(STA1)に送信する。第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)が第2データ(Data2)を送信する。この時、第2データ(Data2)の送信時期と第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)の送信時期とが重なることがある。この時、第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)への送信によって第1リンク(Link1)に干渉が発生し得る。このため、第1ステーション(STA1)が第1データ(Data1)に対する応答(Ack for Data1)を受信できないことがある。
【0121】
マルチリンク装置がチャネルアクセスを行う動作について説明する。具体的な説明がないマルチリンクの動作は、
図6で説明したチャネルアクセス手順に従うことができる。
【0122】
マルチリンク装置は、複数のリンクから独立にチャネルアクセスを行うことができる。このとき、チャネルアクセスはバックオフベースチャネルアクセスであってよい。マルチリンク装置が複数のリンクから独立にチャネルアクセスを行い、複数のリンクでバックオフカウンターが0に到達する場合に、マルチリンク装置は複数のリンクで同時に送信を始めることができる。具体的な実施例において、マルチリンクのリンクのバックオフカウンターのいずれか一つが0に到達し、あらかじめ指定された条件を満たす場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達したリンクの他に、バックオフカウンターが0に到達していない他のリンクでもチャネルアクセスを行うことができる。具体的には、マルチリンクのリンクのバックオフカウンターのいずれか一つが0に到達した場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達していない他のリンクでエネルギー感知を行うことができる。この時、あらかじめ指定された大きさ以上のエネルギーが感知されない場合に、マルチリンク装置は、バックオフカウンターが0に到達したリンクの他に、エネルギー感知を行ったリンクでもチャネルアクセスを行うことができる。これにより、マルチリンク装置は、複数のリンクで同時に送信を始めることができる。エネルギー感知に用いられる閾値の大きさは、バックオフカウンターを減少させるかを判断する時に用いられる閾値の大きさよりも小さくてよい。また、バックオフカウンターを減らすかを判断する時に、マルチリンク装置は、無線LAN信号だけでなく、いかなる形態の信号も感知できる。また、前述したエネルギー感知において、マルチリンク装置は、無線LAN信号だけでなく、いかなる形態の信号も感知できる。内部洩れは無線LAN信号として感知されないことがある。このような場合、マルチリンク装置は、内部洩れによって感知される信号をエネルギー感知によって感知することができる。また、前述したように、エネルギー感知に用いられる閾値の大きさが、バックオフカウンターを減らすか否かを判断する時に用いられる閾値の大きさよりも小さくてよい。したがって、いずれか一つのリンクで送信が行われている中であっても、マルチリンク装置は他のリンクでバックオフカウンターを減少させることができる。
【0123】
マルチリンク装置が用いるリンク間の干渉の程度によって、マルチリンク装置は、各リンクで動作するステーションが独立して動作できるかが決定されてよい。このとき、リンク間の干渉程度は、マルチリンク装置のいずれか一つのステーションがいずれか一つのリンクで送信を行う時にマルチリンク装置の他のステーションが感知する干渉の大きさであってよい。マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ以上の干渉を発生させる場合に、第2ステーションの動作が制限されてよい。具体的には、第2ステーションの受信又はチャネルアクセスが制限されてよい。干渉が発生する場合に、第2ステーションは干渉によって受信する信号のデコーディングに失敗することがあるわけである。また、干渉が発生する場合に、第2ステーションがバックオフを用いたチャネルアクセス時に、第2ステーションはチャネルが使用中であると判断することがあるわけである。
【0124】
また、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立して動作できる。具体的には、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立してチャネルアクセスを行うことができる。また、マルチリンク装置の第1ステーションの第1リンクでの送信が、第2リンクで動作するマルチリンク装置の第2ステーションにあらかじめ指定された大きさ未満の干渉を発生させる場合に、第1ステーションと第2ステーションは独立して送信又は受信を行うことができる。あらかじめ指定された大きさ未満の干渉が発生する場合に、第2ステーションは、干渉が存在する場合にも、受信する信号のデコーディングに成功できるわけである。また、あらかじめ指定された大きさ未満の干渉が発生する場合に、第2ステーションがバックオフを用いたチャネルアクセス時に、第2ステーションはチャネルが遊休であると判断できるわけである。
【0125】
マルチリンク装置のステーション間に発生する干渉程度は、ステーションが動作するリンクの周波数帯域間の間隔だけでなく、マルチリンク装置のハードウェア特性によって変わることがある。例えば、高RF(radio frequency)装置を含むマルチリンク装置で発生する内部干渉は、低RF装置を含むマルチリンク装置で発生する内部干渉もより小さくてよい。したがって、マルチリンク装置のステーション間に発生する干渉程度は、マルチリンク装置の特性に基づいて判断されてよい。
【0126】
図10には、リンクの周波数帯域間の間隔とマルチリンク装置の特性によって発生する干渉の大きさが変わることを示す。
図10の実施例において、第1マルチリンク装置(MLD#1)は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)-1と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA1)-2を含む。第2マルチリンク装置(MLD#2)は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA2)-1と、第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)-2を含む。第1マルチリンク装置(MLD#1)が動作する第1リンク(Link1)と第2リンク(Link2)間の周波数間隔と、第2マルチリンク装置(MLD#2)が動作する第1リンク(Link1)と第2リンク(Link2)間の周波数間隔は同一である。ただし、第1マルチリンク装置(MLD#1)の特性と第2マルチリンク装置(MLD#2)の特性との差によって発生する干渉の大きさが異なる。具体的には、第1マルチリンク装置(MLD#1)で発生する干渉の大きさよりも第2マルチリンク装置(MLD#2)で発生する干渉の大きさが大きくてよい。このように、マルチリンク装置の特性によって発生する干渉の大きさが異なることがあり、マルチリンク装置別にSTR支援の有無が異なることがあることを考慮するとき、STRが支援されるか否かに関する情報が交換される必要がある。
【0127】
マルチリンク装置は、マルチリンク装置が含むステーションのSTR支援の有無をシグナルすることができる。具体的には、APマルチリンク装置とnon-APマルチリンク装置は、APマルチリンク装置が含むAPのSTR支援の有無と、non-APマルチリンク装置が含むSTAのSTR支援の有無を交換することができる。このような実施例において、STR支援の有無を示すエレメントが用いられてよい。STR支援の有無を示すエレメントは、STR支援(support)エレメントと呼ぶことがてきる。STR支援エレメントは、1ビットにより、STR支援エレメントを送信したマルチリンク装置のステーションのSTR支援の有無を示すことができる。具体的には、STR支援エレメントは、STR支援エレメントを送信するマルチリンク装置が含むステーションのそれぞれのSTR支援の有無を1ビット別に示すことができる。このとき、ステーションがSTRを支援する場合に、ビットの値は1であり、ステーションがSTRを支援しない場合に、ビットの値は0であってよい。STR支援エレメントを送信したマルチリンク装置が第1ステーション(STA1)、第2ステーション(STA2)及び第3ステーション(STA3)を含み、第1ステーション(STA1)と第3ステーション(STA3)はSTRを支援し、第2ステーション(STA2)はSTRを支援しない場合に、STR支援エレメントは、1011bを有するフィールドを含んでよい。互いに異なる周波数帯域で動作するステーションはSTRを支援すると仮定され、STR支援エレメントは、互いに異なる周波数帯域で動作するステーション間のSTR支援の有無に対するシグナリングを省略してよい。例えば、第1ステーション(STA1)が2.4GHzの第1リンクで動作し、第2ステーション(STA2)と第3ステーション(STA3)のそれぞれが5GHzの第2リンクと第3リンクで動作する。この時、STR支援エレメントは、第2ステーション(STA2)と第3ステーション(STA3)間にSTRが支援されることを1ビットで示すことができる。また、STR支援エレメントは、STR支援エレメントがシグナルするステーションが2個である場合に1ビットのみを含んでよい。
【0128】
具体的な実施例において、マルチリンク装置のリンクのうち2.4GHzに位置しているリンクと、5GHz又は6GHzに位置しているリンクとの関係は、常にSTRと判断されてよい。したがって、2.4GHzに位置しているリンクと5GHz又は6GHzに位置しているリンクとのSTRの有無についてはシグナリングが省略されてよい。
【0129】
前述した実施例において、マルチリンク装置のステーションの動作として説明したものは、マルチリンク装置の動作に置換されてよい。また、前述した実施例において、APの動作はnon-APステーションの動作に置換され、non-APステーションの動作はAPの動作に置換されてよい。したがって、non-STRマルチリンク装置のAPの動作は、non-STRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作に置換され、STRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作は、STRマルチリンク装置のAPの動作に置換されてよい。また、non-STRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作は、non-STRマルチリンク装置のAPの動作に置換され、STRマルチリンク装置のAPの動作は、STRマルチリンク装置のnon-APステーションの動作に置換されてよい。
【0130】
図11は、本発明の一実施例によって、リンクが変更された場合にマルチリンク装置の動作を示す。
【0131】
リンクの周波数帯域が変更される場合に、STR支援(support)エレメントが交換されてよい。前述したように、ステーションのSTR支援の可否は、リンクの周波数帯域間の距離によって異なってよく、リンクの周波数帯域が変更される場合に、ステーションのSTR支援の可否が変更され得るためである。リンクの周波数帯域が変更される場合は、リンクの中心周波数変更、周波数帯域の帯域幅変更、及び20MHz主チャネル変更のうち少なくともいずれか一つを含んでよい。APとステーションは、要請と応答によってSTR支援エレメントを交換できる。さらに他の具体的な実施例において、リンクの周波数帯域が変更される場合に、STR支援エレメントが別途の要請なしにも交換されてよい。また、前述した実施例において、リンクの周波数帯域が変更される場合は、ステーションの動作チャネル(operating channel)が変更されることを含んでよい。
【0132】
non-APマルチリンク装置のステーションがSTRを行うことができない場合に、non-APマルチリンク装置のステーションはAPにリンクの変更を要請することができる。具体的には、non-APマルチリンク装置のステーションは、中心周波数変更、周波数帯域の帯域幅変更、及び20MHz主チャネル変更のうち少なくともいずれか一つを要請できる。リンク変更要請は、変更を要請するリンクでAPに送信されてよい。さらに他の具体的な実施例において、リンク変更要請は、変更を要請しないリンクでAPに送信されてよい。このとき、リンク変更要請は、変更を要請するリンクを指示する情報を含んでよい。リンクを指示する情報は、リンクを識別する番号であってよい。このような実施例において、リンクの変更は、一つの周波数帯域内で動作(operating)チャネルが変更されることであってよい。また、リンクの変更は、リンクを変更する方法に関する情報を含んでよい。具体的には、リンク変更要請は、リンクの中心周波数を現在中心周波数よりも高い周波数に移動させるのか、リンクの中心周波数を現在中心周波数よりも低い周波数に移動させるのかを示すことができる。さらに他の具体的な実施例において、リンク変更要請は、隣接したリンクと遠ざかる周波数帯域への変更を暗示的に示すことができる。また、リンク変更要請は、リンクの帯域幅を減らすことを示すことができる。また、リンク変更要請は、主チャネルの位置の変更を要請できる。具体的には、リンク変更要請は、主チャネルの位置を現在の主チャネルの位置よりも低い周波数帯域のチャネル又は高い周波数帯域のチャネルに変更することを示すことができる。リンク変更要請を受信したAPは、リンク変更要請に応じてリンクを変更することができる。また、具体的な実施例において、リンク変更要請を受信したAPは、リンク変更要請を無視できる。
【0133】
図11の実施例において、non-APマルチリンク装置の第2ステーション(STA2)と第3ステーション(STA3)はSTRを支援できない状態である。Non-APマルチリンク装置はAPマルチリンク装置に、第3リンク(Link3)の変更を要請する。リンク変更要請を受信したAPマルチリンク装置は、第3AP(AP3)の動作リンクを変更する。この時、変更する第3リンク(link3)で動作する第3ステーション(STA3)が第3AP(AP3)に変更要請を送信することができる。さらに他の具体的な実施例において、第3リンク(link3)で動作しないステーションが、第3リンク(link3)で動作しないAPに、変更要請を送信することができる。
【0134】
APがリンクを変更する場合に、APは、ビーコンフレームを用いてリンク変更に関する情報をブロードキャストすることができる。このとき、リンク変更に関する情報は、リンクの周波数に関する情報を含んでよい。リンクの周波数に関する情報は、リンクの中心周波数、動作帯域幅及び主チャネルの変更のうち少なくともいずれか一つを含んでよい。また、リンク変更に関する情報は、リンク変更時点に関する情報を含んでよい。また、リンク変更は、リンク変更に関する情報を含むビーコン送信時に完了してよい。
【0135】
図11で、第3ステーション(STA3)が動作するリンクが変更され、第3ステーション(STA3)と第2ステーション(STA2)はSTRを支援可能になっている。前述したように、non-APマルチリンク装置は、APマルチリンク装置にSTR支援エレメントを送信し、変更されたSTR支援の可否をシグナルすることができる。
【0136】
前述したリンク変更が許容されないか、又は変更によってもSTRが支援されないことがある。また、
図11の実施例のように、APマルチリンク装置はSTRを支援するが、non-APマルチリンク装置がSTRを支援しないことがある。これは、APマルチリンク装置に相対的に高価の装置が使用され、non-APマルチリンク装置に相対的に低価の装置が使用されるのが一般的であるためである。したがって、マルチリンク装置間の通信時に、いずれか一つのマルチリンク装置がSTRを支援しない時にも効率的な通信を行うことができる方法が必要である。このとき、STRは、送信と受信が同時に行われることを表すことができる。これについて
図12を用いて説明する。
【0137】
図12は、本発明の一実施例によって、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが受信を行っている時に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションのチャネルアクセスが禁止されることを示す。
【0138】
non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで送信が行われ、non-STRマルチリンク装置の他のリンクで受信が行われる場合に、non-STRマルチリンク装置の受信と送信に失敗することがある。これを解決するために、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が行われている時に、non-STRマルチリンク装置の他のリンクではチャネルアクセスが禁止されてよい。具体的には、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が行われている時に、non-STRマルチリンク装置の他のリンクでチャネルアクセスのバックオフが禁止されてよい。これにより、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が行われている時に、non-STRマルチリンク装置の他のリンクで送信が始まることを防止できる。具体的な実施例において、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのリンクで受信が始まる時に、non-STRマルチリンク装置の他のリンクでチャネルアクセスのバックオフが禁止されてよい。これは、チャネル接近禁止フラグのようなメモリの特定ビットを用いて設定されてよい。すなわち、マルチリンク装置内部のメモリによって、チャネルアクセスが禁止されるか否かが共有されてよい。このような実施例により、別途のフレーム交換無しでチャネルアクセス禁止が具現され得る。説明の便宜のために、本明細書で使われる「チャネルアクセス禁止」は、特に説明しない限り、non-STRマルチリンク装置の送信又は受信を保護するためにチャネルアクセス又は送信を禁止することを表す。
【0139】
チャネルアクセスが禁止される場合に、チャネルアクセスが禁止されるリンクで動作するステーションは、NAV及びCCA結果に関係なくバックオフ手順を行うことができない。また、チャネルアクセスが禁止される場合に、チャネルアクセスが禁止されるリンクで動作するステーションは、NAV及びCCA結果に関係なく送信を行うことができない。ただし、チャネルアクセスが禁止されても、チャネルアクセスが禁止されるリンクで動作するステーションは受信を行うことができる。また、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクでの受信が完了した時を基にして解除されてよい。具体的には、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクでの受信が完了した時に解除されてよい。さらに他の具体的な実施例において、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクで受信が完了した後にACKが送信される時点を基にして解除されてよい。具体的には、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクで受信が完了した後にACKが送信される時点に解除されてよい。さらに他の具体的な実施例において、第1リンクで行われる受信による第2リンクでのチャネルアクセス禁止は、第1リンクで受信が完了した後にACKが送信が完了した時点に解除されてよい。また、チャネルアクセス禁止が解除された直後に、ステーションは追加のセンシングなしでバックオフカウンターを直ちに減少させることができる。この時、追加のセンシングは、DIFS(DCF Interframe Space)で行われるセンシングを示すことができる。さらに他の具体的な実施例において、チャネルアクセス禁止が解除される直前のあらかじめ指定された時間でチャネルが遊休である場合に、ステーションは、追加のセンシングなしでバックオフカウンターを直ちに減少させることができる。このとき、あらかじめ指定された時間は、PIFS(PCF Interframe Sapce)、DIFS、SIFS(Short Interframe Sapce)、及びAIFS(Arbitration Interframe Space)のうちいずれか一つであってよい。
【0140】
図12の実施例において、non-STRマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第1ステーション(STA1)が受信を行う間に第2リンク(Link2)で第2ステーション(STA2)が送信を行う場合に、装置内干渉が発生する。前述したように、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)が受信を行う間に、第2リンク(Link2)で行われる第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される。第1リンク(Link1)での第1ステーション(STA1)の受信が完了した後、チャネルアクセス禁止が解除される。チャネルアクセス禁止が解除された直後に、第2ステーション(STA2)は追加のセンシングなしで以前バックオフカウンター値を3から2へと1減少させることができる。
【0141】
表現上の便宜のために、
図12では、Rx及びTxを表現する時に単一ブロック(Tx実線、Rx点線)を用いたし、前記単一ブロックは、別途のAckブロックを図示しなくても、Tx/Ack受信、Rx/Ack送信が含まれた動作を表現するものと理解されてよい。これは、以下に説明する図面にも同一に適用されてよい。
【0142】
ステーションが、受信するPPDUでステーションが意図された受信者でないことを確認した場合に、ステーションは、PPDUの受信を中断できる。この場合、マルチリンク装置でのチャネルアクセス禁止解除動作が問題になる。本明細書において、意図された受信者は目的ステーションと同じ意味で使われる。
【0143】
図13は、本発明の実施例によって、non-STRマルチリンク装置のステーションが受信するPPDUの意図された受信者がステーションでないことを確認した場合に、チャネルアクセス禁止を解除する動作を示す。
【0144】
ステーションが、受信するPPDUでステーションが意図された受信者でないことを確認した場合に、ステーションは、チャネルアクセス禁止を解除してよい。ステーションは、PPDUのシグナリングフィールドの受信者アドレスを指示する情報に基づいて、ステーションがPPDUの意図された受信者であるか否かを判断できる。このとき、PPDUのシグナリングフィールドの受信者アドレスを指示する情報は、前述したEHT-SIGフィールドのSTA-IDフィールドの値であってよい。具体的には、ステーションは、EHT-SIGフィールドのSTA-IDフィールドがステーションを指示するか否かを判断できる。また、ステーションは、PPDUが含むMACフレームのRAフィールドの値に基づいて、ステーションがPPDUの意図された受信者であるか否かを判断できる。具体的には、ステーションは、PPDUが含むMACフレームのRAフィールドがステーションを指示するか否かを判断できる。
図13で、non-STRマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と、第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第1ステーション(STA1)がPPDUを受信する。第1ステーション(STA1)は、受信されるPPDUの意図された受信者が第1ステーション(STA1)でないと判断し、PPDUの受信を中断する。この時、第1ステーション(STA1)は第2ステーション(STA2)のチャネルアクセス禁止を解除できる。第2ステーション(STA2)のチャネルアクセス禁止が解除されても、第2ステーション(STA2)に設定されたNAVによって第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが遅延されることがある。
【0145】
図13に示すように、チャネルアクセス禁止が解除されても、マルチリンク装置に含まれていないステーション又はSTRマルチリンク装置に含まれているステーションに比べて、non-STRマルチリンク装置に含まれているステーションはチャネルアクセス機会を持たない場合が多い。したがって、他のステーションとの公正な競合のために、non-STRマルチリンク装置に含まれたステーションのチャネルアクセス機会を補償するための方法が必要であり得る。例えば、チャネルアクセス禁止解除の直後に、チャネルアクセス禁止が解除されたステーションがバックオフカウンターを減少させる時に2以上減少させることが許容されてよい。これについて
図14を用いて説明する。
【0146】
図14は、本発明の実施例に係る、ステーションが、チャネルアクセス禁止が解除された後にチャネルアクセスを行うことを示す。
【0147】
チャネルアクセス禁止が解除されたステーションは、チャネルアクセス禁止解除の直後にバックオフカウンターを2以上減少させることができる。ステーションのチャネルアクセスが禁止される間に他のステーションはバックオフ手順を行ったので、他のステーションとのチャネルアクセス機会の公平性を取るためである。
【0148】
さらに他の具体的な実施例において、チャネルアクセスが禁止されたステーションは、チャネルアクセスが禁止される間に、CCA(CSMA)及びバックオフカウンターを減少させるチャネルアクセス手順を行うことができる。
図14で、non-STRマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。
図14で、第1ステーション(STA1)が受信を行う間に、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される。
図14(a)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2ステーション(STA2)は、CCA(CSMA)及びバックオフカウンターを減少させるチャネルアクセス手順を行うことができる。
図14(a)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2リンク(Link2)のチャネルが遊休であるので、第2ステーション(STA2)はバックオフカウンターを減少させる。
【0149】
また、チャネルアクセスが禁止されたステーションは、チャネルアクセスが禁止されている間にバックオフカウンターが0に到達しても送信を開始せずに送信を遅延させることができる。この時、ステーションはバックオフカウンターの値を0に維持できる。また、ステーションが送信を遅延させてもステーションはCWの値をそのまま維持できる。したがって、ステーションがアクセスするチャネルが使用中(busy)であるため、ステーションがCWの値をダブリング(doubling)することとは差別化される。これは、送信が遅延された理由が、チャネルが使用中であると判断された場合でないためである。
図14(b)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止される間に、第2ステーション(STA2)は、CCA(CSMA)及びバックオフカウンターを減少させるチャネルアクセス手順を行うことができる。
図14(b)で、第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止されている間に、第2リンク(Link2)のチャネルが遊休であるので、第2ステーション(STA2)はバックオフカウンターを減少させる。第2ステーション(STA2)のチャネルアクセスが禁止されている間に、第2ステーション(STA2)のバックオフカウンターが0に到達する。第2ステーション(STA2)は送信を遅延させ、チャネルアクセス禁止が解除された後に送信を始める。
【0150】
前述したように、チャネルアクセス禁止は、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが送信を行う時に、第2ステーションに対する送信が禁止されることを含んでよい。また、チャネルアクセス禁止は、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが受信を行う時に、第2ステーションの送信が禁止されることを含んでよい。
【0151】
図14(b)では、実施例においてチャネルアクセスが禁止されたステーションが複数である場合に、複数のステーションのチャネルアクセス禁止が同時に解除され、複数のステーションが同時に送信を試みる可能性が高い。したがって、送信衝突確率を下げ得る方法が必要である。これについて
図15を用いて説明する。
【0152】
図15は、本発明の一実施例に係るステーションがチャネルアクセス禁止解除以後に送信を行う動作を示す。
【0153】
前述したように、non-STRマルチリンク装置が動作する複数のリンクのうち第1リンクで送信が行われ、第2リンクで送信が禁止されることがある。第1リンクで当該送信が完了した場合に、第2リンクでの送信はRTS/CTSフレーム交換によって始まってよい。したがって、non-STRマルチリンク装置が動作する複数のリンクのうち第1リンクで送信が行われる場合に、non-STRマルチリンク装置は第2リンクでRTS/CTSフレーム交換を始めることができる。チャネルアクセス禁止によって送信が遅延されたステーションのチャネルアクセス禁止が解除された後、ステーションは、遅延された送信を始める前にRTS/CTS(request to send/clear to send)フレームの交換を始めることができる。この時、ステーションがCTSフレームを受信できなかった場合には遅延された送信を開始できないことがある。
図15(a)の実施例において、チャネルアクセス禁止によって送信が遅延されたステーションは、遅延された送信を始める前にRTSフレームを送信する。ステーションは、RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを受信した後、遅延された送信を始める。
【0154】
さらに他の具体的な実施例において、チャネルアクセス禁止によって送信が遅延されたステーションのチャネルアクセス禁止が解除された後、ステーションは、遅延された送信の一部のみを含むフレームを送信できる。この時、ステーションが遅延された送信の一部のみを含むフレームに対する応答、例えばACKを受信した後に、ステーションは、遅延された送信のうち、送信されていない部分の送信を行うことができる。ステーションが遅延された送信の一部のみを含むフレームに対する応答を受信できなかった場合に、ステーションは、遅延された送信のうち、送信されていない部分の送信を行わなくてよい。このように、ステーションがチャネルアクセス禁止解除以後にRTS/CTS交換を始めたり又は遅延された送信の一部のみを送信することは、一般的な送信に比べてチャネルアクセス禁止以後における送信の衝突確率が高いためである。したがって、前述した実施例が、チャネルアクセス禁止解除以後に行われた送信に義務的に適用されてよい。既存の無線LAN動作においてRTS/CTSフレームは隠れノード(hidden node)問題を解決するために用いられるもので、送信データのサイズに基づいて用いることができた。前述した実施例において、RTS/CTSフレームは、non-STRマルチリンク装置の送信又は受信を保護するために、遅延された送信を行おうとするステーションとの送信衝突を防止するためのものである。
【0155】
前述したように、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが受信を行う時に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションの送信が制限されることがある。また、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが送信を行う時に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションが、ステーションが動作するリンクのチャネル状態を正確にセンシングできないことがある。具体的には、non-STRマルチリンク装置の第1ステーションが送信を行う時に、non-STRマルチリンク装置の第2ステーションは、第2ステーションが動作するリンクのチャネル状態を常に使用中(busy)として判断することがある。このため、第2ステーションは、第2ステーションが動作するリンクのチャネルが遊休である場合にも、装置内干渉によってチャネルが使用中であると判断することがある。このように装置内干渉によってチャネル状態が判断できないステーション又はnon-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションの送信が継続中である場合に、non-STRマルチリンク装置の他のステーションはブラインド(blind)状態であるとする。前述した状況によってブラインド状態であるステーションは、バックオフ手順を行って送信を試ることが困難であり得る。また、前述した状況によってブラインド状態であるステーションは、PPDUの受信を開始する又はデコーディングに成功することが困難であり得る。したがって、ブラインド状態であるステーションを考慮した送信方法が必要である。これについて
図16を用いて説明する。
【0156】
一方、EMLSR/EMLMR MLDのSTAは、他のリンクのSTAを介してPPDUが送/受信されている場合に、自分にPPDUが送信されても、当該自分に送信されたPPDUの存在有無が確認又は受信できない。したがって、EMLSR/EMLSRモードで動作するMLDのSTAは、MLD内の他のSTAがデータフレームの送/受信を行う間に、NSTR MLDのSTAがブランインドされたのと同じ性能制約を有するこがある。したがって、後述する実施例において、ブラインドされたSTAの状態を考慮した動作は、EMLSR/EMLMRモードで動作するMLDのSTAがMLD内の他のSTA動作(送/受信)によって制約を有する状態であるかを考慮するのと同一に理解されてよい。
【0157】
このとき、マルチリンク装置が特定時間区間で単一リンクの単一ラジオを用いるモードを、EMLSRモードと呼ぶことができる。EMLSRモードが適用される複数のリンクであるEMLSRリンクの第1リンクでマルチリンク装置がフレーム交換を行う間に、マルチリンク装置は、EMLSRリンクの第2リンクで送信及び受信を行わない。また、特定モードの特定時間区間でマルチリンク装置の特定ステーションが使用するRFチェーンの一部を用いてマルチリンク装置の他のステーションが送信又は受信を行う場合に、特定モードをEMLMR(enhanced multi-link multi-radio)モードと呼ぶことができる。具体的には、EMLMRモードでマルチリンク装置のいずれか一つのステーションがマルチリンク装置の他のステーションのRFチェーンを全て用いて送信又は受信を行う場合に、マルチリンク装置の動作は、EMLSRモードでのマルチリンクの動作と同一であってよい。また、マルチリンク装置がEMLSRモードで動作しても、マルチリンク装置が動作する複数のリンクのうち一部リンクはEMLSRモードによる制限無しで動作できる。マルチリンク装置がEMLSRモードで動作する時に、EMLSRモードが適用されるリンクは、マルチリンク装置が動作するリンクのうち一部であってよい。例えば、マルチリンク装置が第1リンク~第3リンクで動作する時に、第1リンク及び第2リンクにのみEMLSRモード又はEMLMRモードが適用されてよい。したがって、EMSLRモードの特定時間区間でマルチリンク装置が第1リンクで送信又は受信を行う時に、マルチリンク装置は、第2リンクで送信又は受信を行うことができない。この時、マルチリンク装置は、第3リンクでEMLSRモードによる制限無しで送信又は受信を行うことができる。説明の便宜のために、第1リンクと第2リンクのようにEMLSRモードの適用が可能なリンクをEMLSRリンクと称し、EMLMRモードの適用が可能なリンクをEMLMRリンクと称する。EMLSRモードとEMLMRモードで特定ステーションのRFチェーンを用いて送信又は受信を行うことは、特定ステーションが動作するリンクでの送信、受信又はモニタリング能力の転換をもたらす。したがって、以下の説明においてEMLSRモードと関連して適用される本発明の実施例は、特記しなくてもEMLMRモードと関連して同一に適用されてよい。
【0158】
図16は、本発明の実施例によってnon-STRマルチリンク装置内のステーションの状態に基づいて行われる送信を示す。
【0159】
non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態であるか否かによって送信を行うか否かを決定できる。このとき、non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、STRマルチリンク装置に含まれたステーションであってよい。また、non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、APマルチリンク装置に含まれたAPであり、non-STRマルチリンク装置は、non-APマルチリンク装置であってよい。non-STRマルチリンク装置のステーションに送信を行おうとするステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態であるか否かを次のように判断できる。送信を行おうとするステーションは、ステーションが含まれたマルチリンク装置の他のステーションが当該non-STRマルチリンク装置に送信を行っているか否かが判断できる。ステーションが含まれたマルチリンク装置の他のステーションが当該non-STRマルチリンク装置から受信を行っている場合に、ステーションは、ステーションの送信を受信するnon-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態であると判断できる。
図16の実施例において、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第2ステーション(STA2)が第2AP(AP2)に送信中である。したがって、第2AP(AP2)は、第2ステーション(STA2)から受信中であることを、第1AP(AP1)に知らせることができる。具体的には、第2AP(AP2)は、第2AP(AP2)に対する送信の主体が第2ステーション(STA2)であることを、第1AP(AP1)に知らせることができる。さらに他の具体的な実施例において、第2AP(AP2)は、第2ステーション(STA2)が現在送信中であることを、第1AP(AP1)に知らせることができる。これに基づいて、第1AP(AP1)は、第1ステーション(STA1)がブラインド状態であると判断できる。
【0160】
マルチリンク装置内のステーションは、共通(common)MACによって運営されてよい。したがって、前述した第1AP(AP1)と第2AP(AP2)の情報交換は明示的に行われなくてよい。
【0161】
ステーションは、ブラインド状態であるステーションに送信を行わなくてよい。これはブラインド状態であるステーションに送信を行っても、ブラインド状態であるステーションが受信を開始できないか、ブラインド状態であるステーションがPPDUをデコードできない可能性が高いためである。このとき、ステーションは、ブラインド状態であるステーションに対する送信を取り消し、他のステーションに対する送信を行うことができる。
【0162】
STRマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク装置に送信を行う時に、STRマルチリンク装置は複数のリンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信を行うことができる。具体的には、STRマルチリンク装置が第1リンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信を行う時に、STRマルチリンク装置は第2リンクでnon-STRマルチリンク装置に対する送信を始めることができる。この時、STRマルチリンク装置はnon-STRマルチリンク装置に対する送信であることに基づいて、第2リンクで行われる送信の長さを決定することができる。具体的には、STRマルチリンク装置は、第1リンクでのnon-STRマルチリンク装置に対する送信の長さに基づいて、第2リンクでのnon-STRマルチリンク装置に対する送信の長さを決定することができる。具体的な実施例において、STRマルチリンク装置は、第1リンクでの送信と第2リンクでの送信を同時に終了してよい。これは、non-STRマルチリンク装置のステーションのいずれか一つに対する送信がまず終了し、non-STRマルチリンク装置のステーションのいずれか一つが送信に対する応答、例えばACKを送信するまでに、non-STRマルチリンク装置の他のステーションに対する送信が行われることを防止するためである。前述した実施例により、non-STRマルチリンク装置の複数のステーションが複数のステーションに対する送信に対する応答を同時に送信することができる。
【0163】
STRマルチリンク装置は、non-STRマルチリンク装置に含まれたステーションの状態をリアルタイムで判断することができない。したがって、STRマルチリンク装置が
図16で説明した実施例によって動作しても、non-STRマルチリンク装置の動作するリンク間で干渉又は送信衝突が発生し得る。例えば、
図16の実施例において、第2ステーション(STA2)が第2AP(AP2)に対して送信中であることを認識する前に、第1AP(AP1)が第1ステーション(STA1)に対する送信を始めることがある。このように、リンク間の干渉又は衝突がリンク内の干渉又は送信衝突よりも大きい確率で発生し得る。これについて
図17を用いてより具体的に説明する。
【0164】
図17は、リンク間の干渉又は衝突が発生し得る状況を示す。
【0165】
non-STRステーションマルチリンク装置の第2ステーションのSTR APマルチリンク装置の第2APに対する送信が、STR APマルチリンク装置の第1APのnon-STRステーションマルチリンク装置の第1ステーションに対する送信と同時に始まる場合に、リンク間で送信衝突が発生し得る。これは
図17(a)に示されている。これは、前述したように、STRマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク装置に含まれたステーションの状態をリアルタイムで判断できないため発生し得る。
【0166】
また、non-STRステーションマルチリンク装置の第2ステーションのSTR APマルチリンク装置の第2APに対する送信が、STR APマルチリンク装置の第1APのnon-STRステーションマルチリンク装置の第1ステーションに対する送信よりも早く始まった場合にもリンク間で送信衝突が発生し得る。これは
図17(b)に示されている。第2AP(AP2)が第1AP(AP1)に、第2ステーション(STA2)が送信中であることを知らせるまでには時間がかかり得るためである。このように、互いに異なる時点に送信を始めたステーション間でも送信衝突が発生するため、リンク間の干渉又は送信衝突がリンク内の干渉又は衝突よりも大きい確率で発生し得る。また、STRマルチリンク装置のAPが受信するPPDUの送信者を識別する時間が遅延されるほど、リンク間の干渉又は送信衝突の発生確率が大きくなり得る。したがって、これを解決するための方法が必要である。STRマルチリンク装置のステーションのうち一つが受信中である場合に、STRマルチリンク装置の他のステーションのチャネルアクセスを行わなくてよい。ただし、このようにチャネルアクセスが禁止される場合に、STR機能具現の意味を失うことがある。したがって、STRマルチリンク装置のチャネルアクセス禁止でない動作方法が必要である。これについて
図18を用いて説明する。
【0167】
前述したように、マルチリンク装置が、マルチリンク装置に送信を行うステーションを速く判断することが重要であり得る。EHT UL PPDUのEHT-SIGのUserフィールドは、EHT UL PPDUを送信するステーションの識別子(STA-ID)を示すことができる。具体的には、EHT PPDUのシグナリングフィールドのDL/ULフィールドが、EHT PPDUがUL PPDUであることを示す場合に、EHT PPDUのEHT-SIGのUserフィールドは、EHT UL PPDUを送信するステーションの識別子を示すことができる。EHT PPDUを受信するマルチリンク装置は、EHT UL PPDUのEHT-SIGのUserフィールドに基づいてEHT PPDUを送信するステーションを識別できる。これにより、APマルチリンク装置は、EHT UL PPDUを送信するステーションを判断し、送信の目的装置を決定することができる。具体的には、APマルチリンク装置は、リンク間衝突によって行おうとした送信に失敗する可能性が高いか否か判断できる。また、APマルチリンク装置が行おうとした送信に失敗する可能性が高い場合に、APマルチリンク装置は、行おうとした送信を遅延させ、他の送信を行うことができる。
【0168】
図18は、本発明の一実施例によって、STRマルチリンク装置がnon-STRマルチリンク装置に対する送信を中止する動作を示す。
【0169】
STRマルチリンク装置のステーションが、non-STRマルチリンク装置のステーションへの送信中に、non-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態として判断された場合に、STRマルチリンク装置は、ブラインド状態であるnon-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を中断できる。具体的には、STRマルチリンク装置は、受信するPPDUのシグナリングフィールドがSTA(AID)-IDで指示する値又は受信するPPDUが含むMACフレームのTA(transmitting address)フィールドに基づいて、non-STRマルチリンク装置のステーションがブラインド状態であるか否かを判断できる。このとき、STA-IDは、UL PPDUにおいてUL PPDUを送信するステーションを指示する値であってよい。具体的な実施例において、STRマルチリンク装置は、受信するPPDUのシグナリングフィールドがSTA(AID)-IDで指示する値が、non-STRマルチリンク装置に含まれた第1ステーションを指示する場合に、non-STRマルチリンク装置に含まれた第2ステーションがブラインド状態であると判断できる。また、STRマルチリンク装置は、受信するPPDUが含むMACフレームのTAフィールドが、non-STRマルチリンク装置に含まれた第1ステーションを指示する場合に、non-STRマルチリンク装置に含まれた第2ステーションがブラインド状態であると判断できる。具体的には、PPDUのシグナリングフィールドが示すPPDUを送信したステーションが第1ステーションであるか、PPDUが含むMACフレームのTAフィールドが第1ステーションである場合に、STRマルチリンク装置は、non-STRマルチリンク装置に含まれた第2ステーションがブラインド状態であると判断できる。このように、STRマルチリンク装置は、non-STRマルチリンク装置のいずれか一つのステーションが送信を行うことを確認し、non-STRマルチリンク装置の他のステーションがブラインド状態であると判断できる。送信取消後のステーションの動作についてまず説明する。
【0170】
non-STRマルチリンク装置のステーションに設定されたTXOPが残っている場合に、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取り消したステーションは、当該non-STRマルチリンク装置のステーションと異なるステーションに対する送信を試みることができる。この時、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取り消したステーションは、別途のバックオフ手順無しでnon-STRマルチリンク装置のステーションと異なるステーションに対する送信を行うことができる。具体的な実施例において、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取り消した以後に、別途のバックオフ手順無しであらかじめ指定された時間区間でチャネルが遊休であると感知される場合に、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取り消したステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーションと異なるステーションに対する送信を行うことができる。このとき、あらかじめ指定された時間区間は、SIFS、PDIF及びDIFSのいずれか一つであってよい。
【0171】
non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取り消したステーションは、non-STRマルチリンク装置のステーションと異なるステーションに対する送信を行う時に、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取り消したステーションは、取り消した送信のトラフィックと同じ優先順位(priority)を有するトラフィック又はより高い優先順位を有するトラフィックを送信できる。これは、取り消した送信のためのチャネルアクセス時に使用したトラフィックの優先順位よりも低い優先順位に該当するトラフィックを送信する場合に、公平でないためである。前述した実施例において、STRマルチリンク装置のステーションは、APであってよい。
【0172】
non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取り消したステーションは、設定したTXOPを初期化できる。具体的には、non-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を取り消したステーションは、送信取消後にCF-Endフレームを送信できる。これにより、送信が予定されているリンクで動作する他のステーションがリンクを使用できるようにしてよい。
【0173】
図18で、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第2ステーション(STA2)が第2AP(AP2)に送信中である。第1AP(AP1)は、第1ステーション(STA1)に対する送信中に、第1ステーション(STA1)がブラインド状態であると判断する。したがって、第1AP(AP1)は第1ステーション(STA1)に対する送信を中断する。
図18(a)で、第1ステーション(STA1)に対する送信を中断した後、第1AP(AP1)は、まず説明した実施例のように、第1ステーション(STA1)と異なるステーションに対する送信を行う。
図18(b)で、第1ステーション(STA1)に対する送信を中断した後、第1AP(AP1)は、後で説明した実施例のようにCF-ENDフレームを送信する。
【0174】
ステーションが送信を中断するとき、送信中だったフラグメントを送信した後、次のフラグメントを送信しなくてよい。さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、送信中だったパケットの送信を直ちに中止できる。
【0175】
また、EMLSR或いはEMLMRモードで動作するMLDのSTAに送信を行ったSTR MLDのSTAも、前述したBLIND状態のSTAに送信を行ったSTR MLDと同一に行っていた或いは行おうとしていた送信を取り消すことができる。これは、EMLSR/EMLMRモードで動作するMLDのSTAが、前述したようにBLIND状態と類似の性能制約を有し得るためである。
【0176】
すなわち、STR MLDのSTAは、自分がEMLSR/EMLMRモードであるMLDのSTA(例えば、EMLSR STA1)に送信を行う間に、他のリンクで運用されるSTAを介して前記EMLSR/EMLMR MLDの他のSTA(例えば、EMLSR STA2)からPPDUが受信される場合に、行っている送信を中止できる。また、まだ送信を開始していない場合には、前記EMLSR/EMLMR MLDのSTA(例えば、EMLSR STA1)に行おうとした送信を行わずに、同一AC(Access Category)の他のトラフィックを送信できる。
【0177】
このように、EMLSR/EMLMRモードMLDのSTAに対する送信管理方法は、NSTR MLDのSTAに対する送信管理方法と類似/同一の方法で管理されてよい。したがって、EMLSR/EMLMRモードMLDに関する説明が本発明において別途に提供されなくても、NSTR MLDの特定STAがBLIND状態であるか否かに基づいて行われる動作が、EMLSR/EMLMRモードMLDの特定STA性能が他のSTAの送/受信によって制限された状態であるか否かに基づいて同一/類似に行われてよい。
【0178】
前述した実施例において、STRマルチリンク装置がブラインド状態であるnon-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信を中断し、ブラインド状態であるnon-STRマルチリンク装置のステーションと異なるステーションに対する送信を行う時に、安定した受信のために、他のステーションに、他のステーションに対する送信が行われ得ることを知らせる必要がある。そのための方法について説明する。説明の便宜のために、ブラインド状態であるnon-STRマルチリンク装置のステーションと異なるステーションを、他のステーションと称する。
【0179】
STRマルチリンク装置のステーションは、MACフレームに他のステーションのアドレスを挿入することができる。具体的には、STRマルチリンク装置のステーションは、MACフレームのRA(receiving address)にMACフレームの意図された受信者のアドレスを挿入し、別途のフィールドに他のステーションのアドレスを挿入することができる。さらに他の具体的な実施例において、STRマルチリンク装置のステーションは、EHT-SIGに、他のステーションのアドレスを挿入できる。具体的には、STRマルチリンク装置のステーションは、PPDUのシグナリングフィールドのUserフィールドに、PPDUの意図された受信者のアドレスと他のステーションのアドレスを挿入できる。このとき、他のステーションのアドレスは、PPDUのシグナリングフィールドのUserフィールドにおいてPPDUの意図された受信者のアドレス後に挿入されてよい。
【0180】
さらに他の具体的な実施例において、ステーションは、受信するPPDUの意図された受信者がステーションでないことを認識した後にも、あらかじめ指定された時間でPPDUの受信をモニターすることができる。具体的には、ステーションは、受信するPPDUの意図された受信者がステーションでないことを認識した後にも、あらかじめ指定された時間においてPPDUの受信が続くかをモニターできる。これにより、ステーションは、PPDUの送信が中断され、ステーションに対する送信を初めてよいかを判断できる。このような実施例において、あらかじめ指定された時間においてPPDUの送信が続くと判断された場合に、ステーションは節電状態(doze state)に進入できる。あらかじめ指定された時間においてPPDUの送信が続かないと判断された場合に、ステーションは、ウェイク-アップ状態を維持できる。この時、ステーションに新しいPPDUが受信される場合に、ステーションはPPDUをデコードすることができる。
【0181】
さらに他の具体的な実施例において、PPDUを送信するステーションが、PPDUの送信が中断され得ることをシグナルする情報をPPDUに挿入することができる。PPDUの送信が中断され得ることをシグナルする情報は、1ビットのサブフィールドであってよい。例えば、PPDUの送信が中断され得ることをシグナルするサブフィールドの値が1である場合に、PPDUを受信するステーションは、PPDUの送信が、PPDUのシグナリングフィールドのLengthフィールド及びMACフレームのDurationフィールドが指示する時点よりも前に中断され得ると判断できる。ステーションが、PPDUの送信が、PPDUのシグナリングフィールドのLengthフィールド及びMACフレームのDurationフィールドが指示する時点よりも前に中断され得ると判断した場合に、ステーションは、節電状態への進入を猶予できる。また、PPDUを送信するステーションが、PPDUのリザーブドフィールドに、送信が中断され得ることをシグナルする情報をPPDUに挿入できる。
【0182】
このように、送信取消又は送信中断を用いて不要にチャネルを占有することを防止することができる。
【0183】
リンク間の送信衝突によって送信が中断又は延期された場合に、一般的な送信失敗のようにチャネルアクセスに用いられるCWの値がダブリングされることがある。リンク間の送信衝突によって送信が中断又は延期された場合に、一般的なチャネルアクセス失敗や送信失敗とは違い、チャネルアクセスに用いられるCWの値がダブリング(doubling)されずに済むことがある。すなわち、ステーションは、チャネルアクセスに用いられるCWの値をそのまま維持できる。CWの値をダブリングすることは、バックオフカウンターの値になり得る数の範囲を増やすことで送信衝突の確率を減らすためである。ステーションがリンク間の送信衝突であることを明確に認識できる場合には、このような必要は少なくて済む。また、リンク間の送信衝突によって送信が中断又は延期された場合に、ステーションがCWの値をダブリングすることが送信の遅延につながり得る。ただし、リンク間の送信衝突の他にリンク内の衝突も同時に発生する場合に、ステーションはCWの値をダブリングする必要がある。これについて
図19を用いて説明する。
【0184】
図19は、本発明の実施例によって、STRマルチリンク装置がリンク間の送信衝突を認知した場合に、CWの値を処理することを示す。
【0185】
ステーションが、前述した実施例におけるように、non-STRマルチリンク装置から行われる送信によって送信を取り消した場合に、ステーションは、送信を取り消した後にチャネル状態をセンシングできる。チャネルが遊休でないとセンシングされた場合に、ステーションはCWの値をダブリングできる。この時、ダブリングは、
図6で説明した実施例を従うことができる。また、チャネルが遊休であるとセンシングされた場合に、ステーションはCWの値を維持できる。このような実施例は、チャネルが遊休であるとセンシングされても、リンク内の送信衝突が発生する可能性が低いので、送信成時とは異なるように扱うためである。具体的には、APマルチリンク装置のAPがnon-STRマルチリンク装置のステーションに対する送信に失敗した場合に、APマルチリンク装置のAPはCWを増加させずにCW内でバックオフカウンターを獲得できる。この時、APマルチリンク装置のnon-STRマルチリンク装置が第1ステーション対する送信に失敗し、non-STRマルチリンク装置の第2ステーションが送信を行う場合に、APマルチリンク装置のAPはCWを増加させずにCW内でバックオフカウンターを獲得できる。前述したように、APマルチリンク装置は、PPDUのシグナリングフィールドが示すPPDUの送信ステーション又はPPDUが含むMACフレームのTAフィールドが指示するステーションに基づいて、non-STRマルチリンク装置の第2ステーションが送信を行うかを判断できる。前述した実施例において、EDCAが適用される場合に、CW調整及びバックオフカウンター生成に関する手順はAC別に行われてよい。
【0186】
さらに他の具体的な実施例において、STRマルチリンク装置は、PPDUに対する応答を受信したかに基づいて、PPDUの送信に失敗した否かを判断できる。この時、STRマルチリンク装置は、PPDUを受信するステーションがnon-STRマルチリンク装置に含まれるか否かを考慮しなくてよい。例えば、PPDUを受信する第1ステーションがnon-STRマルチリンク装置に含まれ、当該non-STRマルチリンク装置の第2ステーションが送信を行っているため、第1ステーションがPPDUに対する応答を送信できない場合であっても、STRマルチリンク装置は、PPDUの送信に失敗したと判断できる。また、STRマルチリンク装置のPPDUの送信に失敗した場合に、STRマルチリンク装置は、CWの値を、CW値が有し得る値のうち次に大きい値に増加させることができる。このとき、CWの値が最大値である場合に、STRマルチリンク装置はCWの値を同じ値に維持できる。
【0187】
さらに他の具体的な実施例において、チャネルが遊休であるとセンシングされた場合に、ステーションは、CWの値を、トラフィックのCWの最小値(CW_min)に設定できる。このような実施例は、チャネルが遊休であるとセンシングされた場合に、リンク内の送信衝突が発生する可能性が低いので、送信成功時と同一に扱うためである。ステーションは、前述した実施例を、取り消した送信に含まれたトラフィックのACのCWに適用できる。
【0188】
また、ステーションは、前述した実施例によって送信を取り消した場合に、再試行カウンター(Retry Counter)を増加させなくてよい。このとき、再試行カウンターは、 長い再試行カウンター(long retry counter)及び短い再試行カウンター(short try counter)のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0189】
先の実施例で送信を取り消すことは、送信を中断したこと、又は送信を開始する前に送信を遅延したことのうち少なくともいずれか一つを含んでよい。
【0190】
ステーションが送信を試みる前にCTS-to-Selfフレームを送信した後、送信を取り消した場合に、ステーションは、送信取消後に送信を試みる前にRTS/CTSフレーム交換を開始しなくてよい。既にCTS-to-SelfフレームによってNAVが設定されたためである。また、ステーションが送信を取り消した後、再び送信を試みる時にTXOPが残ってい場合、ステーションはバックオフ手順無しで送信を試みることができる。
【0191】
図19で、STR APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1AP(AP1)と第2リンク(Link2)で動作する第2AP(AP2)を含む。non-STR non-APマルチリンク装置は、第1リンク(Link1)で動作する第1ステーション(STA1)と第2リンク(Link2)で動作する第2ステーション(STA2)を含む。第2ステーション(STA2)が第2AP(AP2)に送信中である。第1AP(AP1)は、第1ステーション(STA1)に対する送信中に、第1ステーション(STA1)がブラインド状態であると判断する。したがって、第1AP(AP1)は、第1ステーション(STA1)に対する送信を中断する。
図19(a)で、第1AP(AP1)は、第1リンク(Link1)のチャネルが遊休であると判断する。この時、TXOPが残っていないので、第1AP(AP1)はバックオフ手順によってチャネルにアクセスする。
図19(b)で、第1AP(AP1)は、第1リンク(Link1)のチャネルが遊休でないと判断する。この時、TXOPが残っているので、第1AP(AP1)はバックオフ手順無しで送信を試みる。
【0192】
<NSTRリンク対を考慮したMLDの送信方法>
【0193】
前述した実施例は、NSTRを支援するMLDを構成するSTAが送受信を行う場合に、同一MLDの他のSTAのPPDU送受信及び/又はチャネル接続に影響(例えば、干渉)が及ぶことを考慮したMLDの動作制限方法を説明した。以下、後述する本発明の実施例は、このようなNSTRを支援するMLDの動作制限方法が適用される場合にMLDの各STAのチャネル接続管理方法について述べる。
【0194】
<APの送信管理方法>
【0195】
AP MLDを構成する少なくとも一つのAPのうち特定APが特定ACに対してチャネルアクセスを完了し、特定ACに対するトラフィックの送信を開始できる権限を獲得した場合に、特定APは、特定ACに対する送信キュー(transmission queue)に保存されているフレームを送信しなくてよい。
【0196】
この場合、特定APは、特定ACに対する送信開始権限を獲得したにもかかわらず、前記特定ACの送信キューにあるフレームがBLIND状態であるSTAに送信されなければならないことを認知し、送信を始めないように決定してよい。このとき、前記特定APは、前記特定ACの送信キューにあるフレームがBLINDと類似の性能制約を有するEMLSR/EMLMRモードMLDのSTAに送信されなければならないことを認知し、送信を始めないように決定してもよい(以下、EMLSR/EMLMRモードMLDに関する説明は省略)。
【0197】
さらにいうと、送信開始権限が獲得されたACの送信キューにあるフレームが、BLIND状態であるNSTR MLDのSTAに送信されなければならないフレームである場合(すなわち、前記NSTR MLDのNSTRリンク対で運用される他のSTAが送信中である場合)に、前記フレームを送信してもNSTR MLDのSTAが受信できない状況であるため、APは前記フレームの送信を行わないように決定できる。仮に、送信開始権限が獲得されたACの送信キューに、BLIND状態でない他のSTAに送信するフレームが存在する場合に、前記APは前記他のSTAに前記ACの送信キューにあるフレームを送信できる。
【0198】
仮にAPが、前記送信開始権限が獲得されたACに対して送信を開始しないように決定した場合に、APは前記ACに対して新しいバックオフ(backoff)手順を行う/呼び出すことができる。このとき、APは前記ACに対して新しいバックオフ手順を行う際に、CW(contention window)を維持したまま新しいバックオフカウンターを生成できる。すなわち、CW[AC]及びQSRC[AC](QoS STA 短い再試行カウンター)は変更されずにバックオフカウンターのみが再び生成され、前記送信開始権限が獲得されたACに対する新しいバックオフ手順が行われてよい。
【0199】
一方、APは、送信開始権限が獲得されたACの送信キューに、BLIND状態であるSTAに送信すべきフレームが存在する場合に、送信キューに前記フレームが存在しないかのように考慮することができる。例えば、送信キューに、BLIND状態であるSTAに送信すべきフレームのみが存在する場合に、APは、送信キューに何らのフレームも存在しないかのように考慮し、送信開始権限が獲得されたACのBO(バックオフカウンター)を0に維持し、送信を始めない決定(動作)をしてよい。この場合、APは、前記STAのBLIND状態が解除される時に、送信キューに、前記STAに送信すべきフレームが生成されたかのように考慮して直ちに送信を始めることができる。このとき、前記「直ちに」は、EDCA規則に従って別途のバックオフ手順無しで行われる送信を意味できる。すなわち、前記STAのBLIND状態が解除される時に、前記BLIND状態の解除前に既に設定された時間(例えば、DIFS、SIFS、PIFS、AIFSN[AC]など)で媒体がIDLEであったと判断(考慮)されると、APは、次のスロット境界(slot boundary)に前記STAに送信を開始できる。
【0200】
また、MLDのAPは、自分が送信したトリガーフレーム(例えば、TB PPDU或いはCTSを応答させるフレームなど)に対する応答が受信されていない場合に、すなわち、送信したトリガーフレームの送信に失敗した場合にも、送信したトリガーフレームを再送信しなくてよい。また、Ack(Ackフレーム及びBlock Ackフレーム)応答を要請するフレームを送信した後にAckが応答されなかった場合にも、前記フレームを再送信しなくてよい。
【0201】
一般に、AP MLDのAPをはじめとするSTA(AP STA、non-AP STA)は、自分が送信したフレームの送信が失敗したと考慮されるとき、失敗したフレームを再送信しなければならない。しかし、AP MLDのAPは、自分がMLDのSTAに送信したフレームが失敗した理由が、前記STAとNSTR関係である他のSTAの動作に起因したと判断される場合に、前記失敗したフレームを再送信しなくてよい。これは、APが失敗したフレームを再送信しても、受信STA(目的装置、意図された受信装置(intended recipient))とNSTR関係である他のSTAの動作が変更されない限り、再送信したフレームに対する応答が前記受信STAから行われないと考えられるためである。
【0202】
APは、受信STAとNSTR関係である他のSTAの動作によって送信が失敗したと判断された場合に、前記失敗したフレームと同じAC(Access category)の他のフレームを送信するためにバックオフ手順を行う時に、CW[AC]を維持したまま新しいバックオフカウンターを生成できる。言い換えると、受信STAとNSTR関係である他のSTAの動作によって失敗した送信を行ったSTA(AP及びnon-AP STA)は、次のバックオフ手順を行う時に、前記失敗した送信によってCW[AC]を増加させずに新しいバックオフカウンターを生成できる。このとき、前記失敗した送信を行ったSTAは、CW[AC]の他にQSRC[AC]も変更しなくてよい。
【0203】
仮に、MLDのSTA(AP STA及びnon-AP STA)が特定リンクで受信STAにフレームを送信した後、前記特定リンクでAck応答が受信されず、他のリンクのSTA(前記受信STAと同じMLDの)を介して前記フレームに対するAckが受信(応答)されると、前記MLDのSTAは、CW[AC]及びQSRC[AC]をそれぞれCW_min、0に設定できる。すなわち、MLDのSTAは、受信STAにフレームを送信した後、前記受信STAからAck応答を直接受けなかった場合にも、前記受信STAと同じMLDの他のSTAからAck応答が実施(受信)されると、前記フレームの送信に成功したと考慮(判断)できる。この時、前記MLDのSTAは、受信STAと同じMLDの他のSTAからAckが応答されても、CW[AC]及びQSRC[AC]を変更せずにそのまま維持してもよい。すなわち、少なくとも前記MLDのSTAは、自分の送信したフレームに対するAckが受信STAから応答されない場合にも、前記受信STAと同じMLDの他のSTAから前記フレームに対する応答が受信されると、前記フレームの送信に失敗していないと考慮できる。
【0204】
すなわち、AP MLDのAPは、自分が送信したフレームが失敗しても、目的装置がMLDのSTAであり、前記STAがNSTRリンク対で運用される他のSTAの動作状態によって応答しなかったと判断されるとき、前記STAに対する再送信を行わなくてよい。この時、前記AP MLDのAPは、前記STAのNSTRリンク対で運用される他のSTAの動作状態が変更されたことが認知されると、失敗したフレームの再送信を行うことができる。このとき、前記STAが他のSTAの動作状態によって応答しなかった理由は、他のSTAの送信動作によってBLINDとなって応答しなかった/できなかったこと、又は他のSTAの受信動作を保護するために応答しかなったことであり得る。
【0205】
<STAの送信管理方法>
【0206】
Non-AP MLDの特定STAが特定ACに対してチャネルアクセス手順を完了したとき、すなわち、前記特定ACのトラフィックを送信開始できる送信権限を獲得したとき、前記特定STAは、前記特定ACに対する送信キューにあるフレームを送信しなくてよい。
【0207】
このとき、前記特定STAは、前記特定ACに対する送信開始権限を獲得したにもかかわらず、自分が運用されるリンクとNSTR関係である他のリンク(すなわち、NSTRリンク対)で運用されるSTAの動作を考慮して送信を始めないように決定してよい。
【0208】
さらにいうと、前記特定STAは、前記特定ACに対する送信開始権限を獲得したにもかかわらず、前記他のSTAがPPDU受信動作を行ういることを考慮して、前記特定ACの送信キューにあるフレームを送信しないように決定してよい。すなわち、non-AP MLDがNSTR MLDである場合に、NSTRリンク対で運用されるSTAは、NSTRリンク対の他のSTAの動作状態を考慮して、獲得された送信開始権限をあきらめることができる。このとき、「獲得された送信開始権限をあきらめる」とは、送信を試みないでバックオフ手順を再び行う(呼び出す)か、バックオフカウンターを0に維持したまま送信を猶予(遅延)することを意味できる。
【0209】
仮にSTAが、前記送信開始権限が獲得されたACに対して送信を開始しないように決定した場合に、STAは、前記ACに対して新しいバックオフ(backoff)手順を行う/呼び出すことができる。このとき、STAは、前記ACに対して新しいバックオフ手順を行う際に、CW(contention window)を維持したまま新しいバックオフカウンターを生成できる。すなわち、CW[AC]及びQSRC[AC](QoS STA短い再試行カウンター)は変更されずにバックオフカウンターのみが再び生成され、前記送信開始権限が獲得されたACに対する新しいバックオフ手順が行われてよい。
【0210】
一方、STAは、新しいバックオフ手順を行わずにBOを0に維持でき、そのためにNSTRリンク対の他のSTAが受信を行っている場合に、自分の送信キューにフレームが存在しないかのように考慮できる。一例として、NSTRリンク対で運用されるSTAは、NSTRリンク対で運用される他のSTAがPPDUを受信中である場合に、自分の送信キューに何らのフレームも存在しないかのように考慮することで、送信開始権限が獲得されたACのBO(バックオフカウンター)を0に維持し、送信を始めない決定(動作)をしてよい。
【0211】
この場合、STAは、前記他のSTAのPPDU受信が完了する時に、送信キューに再びフレームが生成されたかのように考慮して直ちに送信を始めることができる。このとき、前記「直ちに」とは、EDCA規則に従って別途のバックオフ手順無しで行われる送信を意味できる。すなわち、前記他のSTAのPPDU受信が完了する時に、前記PPDU受信完了前に既に設定された時間(例えば、DIFS、SIFS、PIFS、AIFSN[AC]など)で媒体がIDLEだったと判断(考慮)されると、STAは次のスロット境界に送信を開始できる。
【0212】
このとき、前記他のSTAがPPDU受信を完了した時点は、前記他のSTAを目的装置とするMPDUを含むPPDUと関連したPHY-RXEND.indication primitiveが発生した時点であってよい。或いは、前記他のSTAがPPDU受信を完了した時点は、前記他のSTAを目的装置とするMPDUを含むPPDUに対して応答されるAckフレーム(Ackフレームを含むPPDUと)と関連したPHY-TXSTART.request primitiveが発生した時点であってよい。或いは、前記他のSTAがPPDU受信を完了した時点は、前記他のSTAを目的装置とするMPDUを含むPPDUに対して応答されるAckフレーム(Ackフレームを含むPPDU)と関連したPHY-TXEND.confirm primitiveが発生した時点であってよい。或いは、前記他のSTAがPPDU受信を完了した時点は、前記他のSTAを目的装置とするMPDUを含むPPDUに対して対応するTXOPが終了する時点であってよい。このとき、前記TXOPの終了時点は、前記TXOPに対応するNAVが解除される時点を意味できる。
【0213】
<STAの送信管理制限>
【0214】
上述した本発明の一実施例によれば、non-AP MLDのSTAは、NSTRリンク対の他のSTAがPPDUを受信中であるとき、送信キューにフレームがないかのように考慮することでバックオフカウンター(BO)を0に維持するが、前記他のSTAのPPDU受信が完了すると、新しいバックオフ手順無しで直ちに送信を始めることができる。
【0215】
このように、non-AP MLDのSTAが他のSTAの動作状態を考慮した送信管理を行うようにした理由は、NSTRリンク対という制約によって発生し得る否定的効果(干渉及びチャネルアクセス遅延など)を最小化し、各STAのチャネル接近能力を極力保証するためと理解されてよい。
【0216】
しかしながら、non-AP MLDの各STAに対するチャネル接近能力を極力保証する過程で、互いに異なるnon-AP MLDのSTA間に送信衝突(Collision)確率が高まることがある。例えば、本発明の一実施例で考慮したように、特定non-AP MLDの特定STAがバックオフカウンターを0に維持する途中に送信を開始する場合に、バックオフカウンターを0に維持している他のnon-AP MLDの他のSTAと送信衝突が発生し得る。
【0217】
これは、前記特定STAと他のSTAが同一PPDUに対する受信動作によってバックオフカウンターを0に維持している場合に発生する問題であり得る。さらにいうと、APが特定リンクでMU PPDUを送信した場合に、前記MU PPDUを受信する複数のnon-AP MLDが、前記特定リンクとNSTRリンク対である他のリンクで運用するSTAのバックオフカウンターを0に維持でき、前記MU PPDUの受信を完了した複数のnon-AP MLDが前記他のリンクのSTAを介して送信を開始できる。
【0218】
すなわち、本発明の一実施例で考慮したように、バックオフカウンターを0に維持する途中に送信を開始するnon-AP MLDのSTAは、他のnon-AP MLDのSTAが同時に送信を開始する可能性があるということを考慮してチャネルアクセス手順を始めなければならないことがある。そのために、non-AP MLDのSTAは、NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUが、複数のSTAが受信するべきPPDUであるか否かを確認してチャネルアクセス手順を管理できる。より詳細には、non-AP MLDのSTAは、NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUが、前記他のSTAのみを目的装置(intended recipient)とするPPDUである場合に限ってバックオフカウンターを0に維持するように決定できる。すなわち、non-AP MLDのSTAは、NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUが、前記他のSTAのみを目的装置とするPPDUである場合に限って自分の送信キュー(特定ACの)にフレームがないかのように考慮することができる。言い換えると、non-AP MLDのSTAは、NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUが、複数のSTAを目的装置とするPPDUである場合には、自分の送信キューにフレームがないかのように考慮できず、バックオフカウンターが0になった時に新しいバックオフ手順を行わなければならない。
【0219】
このとき、前記non-AP MLDのSTAが、NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUが前記他のSTAのみを目的装置とするPPDUであることを確認する方法は、次の方法のうち少なくとも一つであってよい。
【0220】
1.受信中のPPDUがEHT MU PPDUであり、1個のUserフィールドのみを含み、前記UserフィールドのSTA-IDが前記他のSTAを指示する値に設定された場合
【0221】
2.受信中のPPDUのRAが個別アドレス(individual address)(ダイレクトアドレス(direct address)、ユニキャストアドレス(unicast address)と同じ意味)であり、前記個別アドレスが前記他のSTAに割り当てられた個別(MAC)アドレス(individual(MAC)address)である場合。このとき、前記個別アドレスはMACアドレスのうちグループビット(group bit)が0であることを意味できる。
【0222】
3.受信中のPPDUに含まれたMACフレームのAddress 1フィールドが、前記他のSTAに割り当てられた個別アドレスに設定された場合
【0223】
4.受信中のPPDUに含まれたMACフレームが、前記他のSTAに個別にアドレスされたフレームである場合
【0224】
5.受信中のPPDUに含まれたMSDUのDA(destination address)が前記他のSTAのMACアドレスである場合
【0225】
6.受信中のPPDUに含まれたMPDUのAddress 1フィールドが前記他のSTAのMACアドレスである場合
【0226】
すなわち、non-AP MLDのSTAは、NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUが、前記他のSTAに個別的に送信されるPPDUである場合に限って、バックオフカウンターを0に維持する動作を行うことができる。このとき、前記non-AP MLDのSTAは、送信キューにフレームがあることにもかかわらず、送信キューが空の(empty)状態であると考慮してバックオフカウンターを0に維持してよい。
【0227】
ただし、前記non-AP MLDのSTAは、前記他のSTAがAPから暗示的又は明示的に指示を受けた場合に、バックオフカウンターを0に維持できる。
【0228】
一例として、前記他のSTAが受信中であるPPDUがEHT MU PPDUであり、前記EHT MU PPDUに含まれたUserフィールドのうち一番目のUserフィールドで前記他のSTAが指示(前記他のSTAのSTA-IDと関連した情報が指示)された場合に、前記他のSTAがAPから暗示的な指示を受けたと解析されてよい。この場合、前記他のSTAがEHT MU PPDUを受信中であっても、前記non-AP MLDのSTAはバックオフカウンターを0に維持する動作を行うことができる。この時、HE MU PPDUに含まれたUserフィールドのうち一番目のUserフィールドで前記他のSTAが指示されると、上述したのと同じ暗示的指示が行われたと解析されてよい。
【0229】
他の例として、前記他のSTAのSTA-IDと関連した情報を指示するUserフィールドで特定サブフィールドの値が1に指示される場合に、前記他のSTAがAPから明示的に指示されたと解析できる。この場合、前記他のSTAがEHT MU PPDUを受信中であっても、前記non-AP MLDのSTAは、バックオフカウンターを0に維持する動作を行うことができる。
【0230】
一方、non-AP MLDのSTAは、NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUが、前記他のSTAを目的装置とするPPDUでないか、或いは前記他のSTAを含む複数のSTAを目的装置とするPPDUである場合に、バックオフカウンターが0になった時に、CW[AC]及びQSRC[AC]を維持したまま新しいバックオフ手順を実行(呼び出し)する必要があり得る。すなわち、この場合、non-AP MLDのSTAはバックオフカウンターを0に維持できない。
【0231】
すなわち、前記non-AP MLDのSTAが、NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUが前記他のSTAのみを目的装置とするPPDUでない場合、又は前記受信中であるPPDUが前記他のSTAを目的装置とするPPDUでない場合、又は前記受信中であるPPDUのフォーマット及び/又は目的装置が確認されない場合には、バックオフカウンターが0に到達すると新しいバックオフカウンターを生成する必要があり得る。すなわち、次の場合のうち少なくとも一つに該当する状況では、前記non-AP MLDのSTAはバックオフカウンターを0に維持する動作を行うことができず、新しいバックオフカウンターを生成しなければならない。
【0232】
1.NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUが、2個以上のUserフィールドを含むEHT MU PPDUである場合
【0233】
2.NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUが、HE MU PPDUである場合
【0234】
3.NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUのRAがグループアドレス(group address)である場合。すなわち、受信中のPPPDUに含まれたMACフレームのRAフィールドに指示されたMACアドレスにおいてグループビット(group bit)が1である場合
【0235】
4.NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUに含まれたMACフレームのAddress 1フィールドが、前記他のSTAに個別にアドレスされたフレームでない場合
【0236】
5.NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUに含まれたMSDUのDA(destination address)が、前記他のSTAのMACアドレスでない場合
【0237】
6.NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUに含まれたMPDUのAddress 1フィールドが、前記他のSTAのMACアドレスでない場合
【0238】
7.NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUのフォーマットが確認されない場合
【0239】
8.NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUの目的装置が確認されない場合
【0240】
他の方法として、non-AP MLDのSTAは、NSTRリンク対の他のSTAが受信中であるPPDUの種類に関係なく、バックオフカウンターを0に維持する動作を行うことができる。ただし、non-AP MLDのSTAがバックオフカウンターを0に維持するが、NSTRリンク対の他のSTAがPPDU受信を完了した時(或いは、完了した時点からあらかじめ設定(約束)された時間が過ぎた後)に送信を開始する場合に、前記non-AP MLDのSTAはRTSフレームを一番目のフレームで送信しなければならない。このとき、前記RTSフレームを一番目のフレームで送信しなければならないという制限は、前記他のSTAが受信中であるPPDUが前記他のSTAのみを目的装置とするPPDUでない場合に限って適用されるものであってよい。すなわち、前記他のSTAが受信中であるPPDUが前記他のSTAのみを目的装置とするPPDUである場合に、前記non-AP MLDのSTAは、RTSフレームを一番目のフレームで送信しなければならない義務がなくてよい。
【0241】
言い換えると、NSTRリンク対で運用される他のSTA動作(例えば、PPDU受信)を考慮してバックオフカウンターを0に維持していたSTAは、TXOPを得るために行う一番目の送信を必ずRTSフレームで開始しなければならないことがある。これは、バックオフカウンターを0に維持していたnon-AP MLDのSTAが多数であり得ることを考慮して、バックオフカウンターが0に維持される途中に試みるTXOP獲得がRTS/CTSフレーム交換によって開始(試行)されるように考慮されたシーケンス(sequence)であってよい。
【0242】
又は、non-AP MLDのSTAは、NSTRリンク対の他のSTAがPPDUを受信中である場合に、バックオフカウンターを減少させなくてよい。これは、前記他のSTAがPPDUを受信中であるとき、前記non-AP MLDのSTAが媒体(medium)状態をbusy(virtual busy)として考慮して行われる動作であってよい。すなわち、non-AP MLDのSTAは、NSTRリンク対の他のSTAがPPDUを受信中である場合に、媒体(medium)状態をbusyとして考慮しなければならないことがある。このとき、前記medium busy状態は、前記PPDUと関連したRXEND.indicationが発生した時に解除されてよい。
【0243】
図20は、本発明の実施例に係る、non-APマルチリンク装置の送信管理方法の一例を示す。
【0244】
図20(a)を参照すると、non-AP MLDがSTA1を介してLink1でSU(Single User)PPDU(EHT PPDUである場合に、EHT MU PPDUであると共に1個のUserフィールドのみを含むPPDU)を受信する途中に、non-AP MLDがLink2で運用するSTA2のバックオフカウンターが0に到達したし、前記Link1とLink2はNSTRリンク対であってよい。
【0245】
この場合、non-AP MLDのSTA2は、STA1を介して受信されるPPDUがSTA1のみを目的装置とするPPDUであるという情報に基づいて、前記PPDUを受信するためにバックオフカウンターを0に維持したまま送信を猶予する他のnon-AP MLDのSTAが存在しないことを認知できる。したがって、STA2は、
図20の(a)のようにバックオフカウンターが0に到達したにもかかわらずに送信を始めず、バックオフカウンターを0に維持したまま送信を猶予する選択を行うことができる。
【0246】
このように、STA2がバックオフカウンターを0に維持している間にSTA1の(SU)PPDU受信手順が完了すれば、STA2は別途のバックオフ手順を行わずに送信を開始できる。このとき、STA2は内部的に、STA1のPPDU受信手順が完了する時点に合わせて、バックオフ手順が完了した(バックオフカウンターが0に維持された)AC(Access category)の送信キューに送信するフレームが生成されたかのように動作できる。すなわち、STA2は、特定ACに対するバックオフ手順が完了したにもかかわらず、STA1のPPDU受信手順が進行中の時には前記特定ACの送信キューに送信するフレームがないと考慮するが、前記STA1のPPDU受信手順が完了する時点に、前記特定ACの送信キューに送信するフレームが生成されたかのように考慮してLink2でPPDU送信を開始できる。ただし、STA2は、PPDU送信を開始する時点に、媒体(medium)が一定時間以上(
図20(a)ではSIFSと考慮)idle状態を維持した場合に限ってPPDU送信を始めることができる。
【0247】
また、バックオフカウンターを0に維持する途中に別途のバックオフ手順無しで送信を行う時には、前記バックオフカウンターを0に維持している中に媒体(medium)状態(Link2のCCA結果)がbusyに変更されたことがないとの制限が適用されてよい。言い換えると、STA1がPPDUを受信している中にバックオフカウンターを0に維持していたSTA2は、媒体(medium)がbusyに変更されたことが確認された場合に、媒体(medium)が再びidleに変更された後に新しいバックオフ手順を実行(呼び出し)しなければならない。
【0248】
また、STA2は、バックオフカウンターを0に維持する代わりに、新しいバックオフ手順を実行(呼び出し)する選択をしてもよい。この場合、STA2が新しいバックオフ手順を呼び出す時には、CW[AC]及びQSRC[AC]を変更しないで新しいバックオフ手順を呼び出す。
【0249】
図20(b)を参照すると、non-AP MLDがSTA1を介してLink1でMU(Multi user)PPDUを受信する途中に、non-AP MLDがLink2で運用するSTA2のバックオフカウンターが0に到達したし、前記Link1とLink2はNSTRリンク対であってよい。
【0250】
この場合、non-AP MLDのSTA2は、STA1が受信中であるPPDUがSTA1だけでなく他のSTAも目的装置とするMU PPDU(或いは、group(non-individual)addressフレーム)であるという情報に基づいて、前記PPDUを受信するために他のnon-AP MLDも送信を猶予し得ることを認知できる。したがって、STA2は、
図20の(b)のようにバックオフカウンターが0に到達したとき、バックオフカウンターを0に維持したり又は送信を開始せずに、バックオフ手順を再び実行(呼び出し)する決定を行うことができる。このとき、STA2が新しいバックオフ手順を呼び出す時には、CW[AC]及びQSRC[AC]を変更しないで新しいバックオフ手順を呼び出す。
【0251】
図20(b)に示すように、STA2の(特定ACの)バックオフカウンターは、STA1がPPDUを受信する途中に2回0に到達したし、STA2は、2回新しいバックオフ手順を呼び出した。このとき、STA2がCW[AC]を維持して新しいバックオフ手順を呼び出した時に、一番目のバックオフカウンター(
図20(b)のNew counter#1)として5が生成され、バックオフカウンターが0に到達した後に再び呼び出したバックオフ手順では二番目のバックオフカウンター(
図20(b)のNew counter#2)として7が生成された。STA2は、二番目のバックオフカウンターが0に到達した後、STA1がそれ以上PPDUを受信中でないので、PPDU送信を開始する。
【0252】
図21は、本発明の一実施例に係るAP MLDのAPが送信するビーコンフレーム(Beacon frame)のコンテンツ及びRNR(Reduced Neighbor Report)要素(element)に含まれたTBTT(target beacon transmission time)情報フィールドフォーマット(Information field format)の一例を示す。
【0253】
図21の(a)を参照すると、ビーコンフレームは、従来Wi-Fiの802.11axに開示されたビーコンフレームに含まれたのと同じパラメータ及び要素を、レガシー(Legacy)IEsに含んでよい。例えば、ビーコンフレームのレガシーIEsは、タイムスタンプフィールド(Timestamp field)、ビーコンが送信される間隔を示すビーコンインターバルフィールド(Beacon Interval field)、TIM、DSSSパラメータセット(parameter set)、IBSSパラメータセット、カントリー(Country)、チャネルスイッチアナウンスメント(channel switch announcement)、拡張されたチャネルスイッチアナウンスメント、広帯域(Wide Bandwidth)チャネルスイッチ、送信電力エンベロープ(transmit power envelop)、支援される動作クラス(supported operating classes)、IBSS DFS、ERP情報、HTキャパビリティー(HT capabilities)、HT動作、VHTキャパビリティー、VHT動作、S1Gビーコンコンパチビリティー(compatibility)、短いビーコンインターバル、S1Gキャパビリティー、S1G動作、HEキャパビリティー、HE6GHzバンドキャパビリティー、HE動作、BSSカラーチェンジアナウンスメント(BSS color change announcement)、及び空間再使用パラメータセット(spatial reuse parameter set)のような要素が含まれてよい。
【0254】
このとき、レガシーIEsフィールドに含まれたフィールド及び要素の設定方法及び意味は、従来Wi-Fiの802.11axまでにおいて開示れたビーコンフレームに含まれた同一名称のフィールド及び要素の設定及び意味と同一である。
【0255】
また、ビーコンフレームは、隣(neighbor)APの情報を指示するためのRNR(Reduced Neighbor Report)要素を含んでよい。RNR要素は、隣APの情報をステーションに知らせるために用いられてよく、ステーションはビーコンフレームを受信し、ビーコンフレームに含まれたRNR要素によって隣APを認識することができる。
【0256】
具体的には、RNR要素は、要素IDフィールド、長さフィールド、及び隣AP情報フィールドを含んでよい。隣AP情報フィールドのそれぞれは、TBTT情報ヘッダー(2オクテット(octet))、動作クラス(1オクテット)、チャネルナンバー(1オクテット)、TBTT情報セット(可変長)フィールドを含んでよい。このとき、AP MLDに含まれたAPが送信するRNR要素は、同一MLDに含まれた他のAPに対する基本情報(Basic Information)を指示するために、
図21の(b)に示すように、TBTT情報フィールドフォーマットを含んでよい。従来Wi-Fiの802.11axにおいてAPが送信するRNR要素のTBTT情報フィールドとは違い、EHT AP MLDに含まれたAPが送信するRNR要素は、MLDパラメータフィールドを含んでよい。
【0257】
MLDパラメータフィールドは、
図21の(c)に示すように、MLD ID、リンクID、及び変更シーケンスサブフィールド(Change Sequence subfield)を含んでよい。このとき、AP MLDがRNR要素の特定隣AP情報フィールドによって同一MLDの他のAP情報を指示する時には、特定隣AP情報フィールドに含まれたMLD IDサブフィールドを0に設定できる。すなわち、APは、隣AP情報フィールドが同一AP MLDに含まれたAPであることをステーションに知らせるために、MLD IDサブフィールドを特定値に設定でき、隣AP情報フィールドを受信したステーションは、MLD IDサブフィールドの値から、隣AP情報フィールドに対応するAPが隣AP情報フィールドを送信したAPと同じMLDに含まれるということが認識できる。
【0258】
リンクIDサブフィールドは、隣AP情報を用いて指示しようとする他のAPが運用されるリンクを指示するためにAP MLDが決定したインデックスが指示されるサブフィールドであってよい。変更シーケンスサブフィールドは、他のAPのリンクと関連したアップデート(例えば、Critical Update)に関連した情報を指示するために用いられるサブフィールドであってよい。例えば、変更シーケンスサブフィールドの値が変更される場合に、これを受信したステーションは、該当APのBSS(又は、リンク)に関連したパラメータがアップデートされたということが認識でき、該当パラメータをアップデートするために、アップデートされたパラメータをAPに要請できる。このとき、仮にAP MLDが同時送受信を支援しないMLDであるNSTR AP MLDである場合(例えば、AP MLDがNSTR mobile AP MLD又はNSTR soft AP MLDである場合、すなわち、モバイル端末などがテザリング(tethering)などのためにsoft AP MLDとして動作する場合など)に、STA MLDに含まれたSTAはプライマリーリンク(primary link)でのみ、パラメータをアップデートするための手順を行うことができる。すなわち、AP MLDのプライマリーリンクではなく他の隣APに対する他のリンク(例えば、ノンプライマリーリンク(non-Primary Link))のパラメータをアップデートするためには、パラメータアップデートのためのフレームをプライマリーリンクでのみ送受信できる。
【0259】
以下、本発明において、NSTR AP MLDは、NSTR soft AP MLD又はNSTR mobile AP MLDと呼ぶことができる。
【0260】
また、APが同時送受信を支援しないNSTR AP MLDである場合(例えば、NSTR mobile AP MLD又はNSTR soft AP MLDである場合、すなわち、モバイル端末などがテザリング(tethering)などのためにsoft AP MLDとして動作する場合など)に、NSTR AP MLDは、ビーコンフレームに、自分がNSTR AP MLDであることを指示する情報を含めて送信できる。例えば、NSTR AP MLDは、ビーコンフレームに含まれた特定サブフィールドの値を特定値(例えば、「0」又は「1」)に設定でき、ビーコンフレームを受信したnon-AP STA MLDは、ビーコンフレームを送信したAP MLDがNSTR AP MLDであることが認識できる。したがって、NSTR AP MLDであることを指示するための特定サブフィールドは、NSTR AP MLDを指示しない場合(例えば、STR AP MLD又は他のAP MLDなど)には、特定値とは異なる値(例えば、「1」又は「0」)に設定されてよい。
【0261】
NSTR AP MLDであることを指示するための特定サブフィールドは、ビーコンフレームのキャパビリティー(Capability)関連サブフィールド(例えば、MLD level capability)と共に指示されるか、NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクのAPと関連した隣AP情報フィールドに含まれて送信されてよい。例えば、NSTR AP MLDであることを指示するための特定サブフィールドは、キャパビリティー関連サブフィールドであるSTA/AP MLDタイプに対する周波数分類タイプ指示子(Frequency Separation For STR/AP MLD Type Indication)に共にエンコードされて指示されてよい。すなわち、特定サブフィールドは、STRを支援するための距離を示すSTA/AP MLDタイプに対する周波数分類タイプ指示子と共にエンコードされ、ビーコンフレームで指示されてよい。この場合、該当指示子がAP MLDのタイプを指示する場合に、設定された値によって、ビーコンフレームを送信したAP MLDがNSTR AP MLDであるか又はNSTR AP MLDでないかを指示することができる(例えば、「0」に設定されるとNSTR AP MLDでないことを、「1」に設定されるとNSTR AP MLDであることを指示できる)。
【0262】
このようにNSTR AP MLDであるか否かを示すサブフィールドが活用される方法は、AP MLDがNSTR AP MLDであるか否かを明示的に指示する方法であってよい。
【0263】
他の例として、NSTR AP MLDは、特定サブフィールドによって、自分がNSTR AP MLDであることを直接指示せず、暗示的な方法によって自分がNSTR AP MLDであることを指示することができる。具体的には、NSTR AP MLDは、自分の支援可能なリンクが2個であることを指示すると同時に、自分がNSTRリンク対を有していることを指示することによって、自分がNSTR AP MLDであることを暗示的に指示することができる。このとき、NSTR AP MLDは、自分の支援可能なリンクが2個であることを指示するために、ビーコンフレームに含まれたMaximum Number Of Simultaneous Linksサブフィールドを1(或いは、2個を意味する予め約束された値)に設定できる。この場合、NSTR AP MLDは、自分がNSTRリンク対を有していることを指示するために、ビーコンフレームに含まれたNSTR Link Pair Presentサブフィールドを1或いは0に設定できる。
【0264】
AP MLDは、上述した方法によってビーコンフレームを送信することにより、明示的な方法又は暗示的を方法によってNon-AP STA MLDに自分がNSTR AP MLDであることを知らせることができる。Non-AP STA MLDは、受信したビーコンフレームから、ビーコンフレームを送信したAP MLDがNSTR AP MLDであるか否かを暗示的又は明示的に認識できる。仮に、ビーコンフレームを送信したAP MLDがNSTR AP MLDである場合(すなわち、明示的又は暗示的方法によってAP MLDがNSTR AP MLDであることがビーコンフレームで指示された場合)に、Non-AP STA MLDは、NSTR AP MLDとの結合(Association)又は設定(Setup)のための手順を、ビーコンフレームが受信されたリンクでのみ行うことができる。すなわち、non-AP STA MLDは、NSTR AP MLDとの結合又は設定のためのフレームの送受信を、ビーコンフレームが受信されたリンク(例えば、プライマリーリンク(Priamry link))で行うことができる。例えば、NSTR AP MLDに含まれたプライマリーリンクではなく他のリンクで連結されたAPとの結合又は設定のためのフレームの送受信は、プライマリーリンクでのみ行われてよい。この場合、Non-AP STA MLDが送信する(ML)(再)結合要請フレーム(association request frame)は、プライマリーリンクではなく他のリンク(ノンプライマリーリンク)でも送信されてよい。
【0265】
このとき、NSTR AP MLDは、non-AP STA MLDがノンプライマリーリンクでセットアップ(Setup)手順を試みることを防ぐために、ビーコンフレーム(Primary Linkで送信される)のRNR要素において、ノンプライマリーリンクのAPに関する情報を指示しなくてよい。すなわち、NSTR AP MLDのAPが送信するビーコンフレームは、他のリンクのAP(同一MLDの)に対する隣AP情報フィールドが包含/指示されなくてよい。この場合、non-AP STA MLDは、ビーコンフレームを受信した後、ノンプライマリーリンクのAPに関する情報が確認できないため、ノンプライマリーリンクでNSTR AP MLDに対するセットアップを試みなくてよい。このとき、NSTR AP MLDからノンプライマリーリンクのAPに対する隣AP情報フィールドが含まれていないビーコンフレームを受信したnon-AP STA MLDは、上述したように、ビーコンフレームを送信したAPの同時支援リンクの個数が2個であり、同一MLDの他のAPに関する情報が指示されていないことに基づいて、相手APがNSTR AP MLDであることを暗示的に認知できる。
【0266】
一方、一般的なAP MLDは、STA(MLD)から(ML)(再)結合要請フレーム(Association Request frame)を受信した場合に、(ML)結合要請フレームが受信されたリンクで(ML)結合応答フレーム(Association Response frame)を送信しなければならない。しかし、NSTR AP MLDには、ノンプライマリーリンクで受信した(ML)結合要請フレームに対する応答をプライマリーリンクで行うことができるように(すなわち、プライマリーリンクで(ML)結合応答フレームを応答できるように)許容されてよい。
【0267】
これは、上述したように、NSTR AP MLDがノンプライマリーリンクで送信を行う動作が一般的なAPに比べて多少制限されている点から許容される動作であり得る。さらにいうと、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクで(ML)結合応答フレームに対する応答が送信される場合に、プライマリーリンクで共に送信を始めなければならないという動作制限を有している。これは、本発明の他の実施例で考慮したのと同様に、プライマリーリンクのAPがBLIND状態になることを防ぐために考慮された動作制限であり得る。
【0268】
したがって、NSTR AP MLDはノンプライマリーリンクで(ML)(再)結合要請フレームを受信した場合に、プライマリーリンクで(ML)(再)結合応答フレームを応答したり、或いはプライマリーリンクとノンプライマリーリンクで同時に(ML)(再)結合応答フレームを応答できる。すなわち、NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクで(ML)(再)結合要請フレームを送信したSTA MLDは、自分が送信した要請フレームに対する応答がプライマリーリンクで応答されることを認知し、プライマリーリンクで(ML)(再)結合応答フレームの受信を待つことができる。
【0269】
APがビーコンフレームで送信したRNR要素は、MLD Parametersフィールドを含む特定TBTT情報フィールドを含んでよい。この場合、MLD ParametersフィールドのMLD IDが「0」に設定されると、STA MLDは、当該MLD Parametersフィールドを含む隣AP情報フィールドに対応するAPが、ビーコンフレームを送信したAPが含まれたAP MLDに含まれるということが認識できる。すなわち、当該隣AP情報フィールドが、ビーコンフレームを送信したAPと同じAP MLDに含まれた他のAPに関する情報を指示するということが、STA MLDにとって認知できる。この場合、STA MLDがこれを解析/取得する方法は、従来STAがRNR要素を受信した後に行う動作と同一/類似であってよい。
【0270】
ただし、NSTR Soft APは、ノンプライマリーリンクでビーコンフレームを送信しないため、RNR要素によって他のAP(ノンプライマリーリンクのAP)のビーコンフレームに関連した情報を指示することが不可能であり得る。さらにいうと、NSTR Soft AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPを介してビーコンフレームを送信しないため、RNR要素でノンプライマリーリンクのAP基本情報を指示する時に、ビーコンフレームに関する情報を支持することができない。例えば、ビーコンフレームを送信しないノンプライマリーリンクは、RNR要素で指示されるべきTBTT情報カウント(Information Count)、TBTT情報長さ(Information Length)、隣AP TBTTオフセットサブフィールドに対応する情報がない。したがって、NSTR Soft AP MLDは、プライマリーリンクのAPを介してRNR要素を送信する時に、ノンプライマリーリンクのAPに対応する隣AP情報フィールドのTBTT関連フィールドを予め設定された値に設定(Set)する必要があり得る。
【0271】
TBTT情報フィールド(
図21の(b)参照)の隣AP TBTTオフセットサブフィールドは、指示しようとする他のAPの次のTBTTに関連した情報を指示するサブフィールドである。すなわち、隣AP情報フィールドに含まれた隣AP TBTTオフセットサブフィールドは、隣AP情報フィールドに対応するAPの次のTBTTに関する情報を含んでよい。一例として、ビーコンフレームを送信するAP1がRNR要素を用いてAP2に関する情報を指示する場合(隣AP情報フィールドによって)に、AP2に対応する隣AP TBTTオフセットサブフィールドは、AP2の次のTBTTがAP1の直前TBTTと比較して何TU(Time Unit,1024us)の差を有するかを指示する。このとき、隣AP TBTTオフセットサブフィールドで指示される値は、TBTTオフセットを隣接した整数に切り捨て(round down)した値である。すなわち、APが他のAPの隣AP TBTTオフセットサブフィールドで10という値を指示する場合に、前記他のAPの次のTBTTは、前記APの以前TBTTを基準にして10TU以上~11TU未満の時間間隔を有するものであってよい。
【0272】
ただし、NSTR Soft AP MLDのプライマリーリンクのAPがノンプライマリーリンクのAPに対応する隣AP TBTTオフセットサブフィールド(1-Octet)を設定する時には、予め設定された値(例えば、254又は255)に設定する必要があり得る。これは、NSTR Soft APの場合、ノンプライマリーリンクにビーコンフレームを送信せず、次のビーコンフレームを送信する予定時刻であるTBTT(Target Beacon Transmission Time)を決定できないためであり得る。すなわち、NSTR Soft AP MLDがプライマリーリンクで送信するビーコンフレームは、RNR要素を用いてノンプライマリーリンクのAPに対応する隣AP TBTTオフセット( Neighbor AP TBTT Offset)サブフィールドを254及び/又は255に設定する必要があり得る。このとき、前記ノンプライマリーリンクに対応する隣AP TBTTオフセットサブフィールドは、MLD IDサブフィールドが0に設定されたMLD Parametersフィールドが含まれたTBTT情報フィールドに存在するものであってよい。
【0273】
したがって、non-AP STA MLDは、NSTR Soft AP MLDのビーコンフレームを受信した後、ビーコンフレームに含まれたRNR要素の特定隣AP情報フィールドにおいてMLD IDサブフィールドが0であり、TBTTオフセットサブフィールドが254及び/又は255と指示されたTBTT情報フィールドを確認した場合に、前記特定隣AP情報フィールドがNSTR Soft AP MLDのノンプライマリーリンクで運用されるAP(NSTR Soft AP MLDの)に関する情報であることが認知できる。このように、NSTR Soft AP MLDのビーコンフレームを受信したnon-AP STA MLDは、当該NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクで運用されるAP MLDに関する情報を確認した場合に、ノンプライマリーリンクで前記NSTR Soft AP MLDにプローブ要請フレーム及びMLプローブ要請フレームを送信してはならない。
【0274】
また、non-AP STA MLDは、受信したビーコンフレームがMLDの送信したビーコンフレームであることを認知したし、ビーコンフレームを送信したAP(Reporting AP)と同じMLDの他のAPに対応する隣AP TBTTオフセット(Neighbor AP TBTT Offset)サブフィールドが254及び/又は255と指示された場合に、non-AP STA MLDは他のAPにプローブ要請フレーム及びMLプローブ要請フレームを送信してはならない。
【0275】
また、non-AP STA MLDは、受信したビーコンフレームがMLDの送信したビーコンフレームであることを認知したし、ビーコンフレームを送信したAP(Reporting AP)と同じMLDの他のAPに対応する隣AP TBTTオフセットサブフィールドが254及び/又は255と指示された場合に、non-AP STA MLDは他のAPにプローブ要請フレーム及びMLプローブ要請フレームを送信してはならない。
【0276】
<MLD AP TBTTオフセット指示>
【0277】
前述した本発明の一実施例においてNSTR Soft AP MLDが送信するビーコンフレームが、ノンプライマリーリンクのAPに対応する隣AP TBTTオフセットサブフィールドを予め設定された値(254及び/或いは255)と指示できることを言及した。しかし、隣AP TBTTオフセットサブフィールドは、NSTR Soft AP MLDのノンプライマリーリンクのAPに対応する場合でなくとも、254或いは255と指示されてよい。一例として、ビーコンフレームを送信するAPが把握した他のAPのTBTTオフセットが254TU以上(254TU或いは254TU超過)である場合に、前記APはビーコンフレームで前記他のAPに対応する隣AP TBTTオフセットサブフィールドを254と指示できる。また、ビーコンフレームを送信するAPが他のAPのTBTTオフセットを正確に把握できない場合に、前記APは、前記他のAPに対応する隣AP TBTTオフセットサブフィールドを255と指示できる。
【0278】
ただし、MLDのAPは、MLD内の他のAPのTBTTオフセットを常に認知できるため、RNR要素を用いて他のAP(同じMLDの)に対応する隣AP TBTTオフセットサブフィールドを指示(設定)する時に255と指示(設定)してはならない。
【0279】
具体的には、ビーコンフレームのRNR要素に含まれた隣AP情報フィールドは、ビーコンフレームが送信される時間同士間のオフセットを指示する隣AP TBTTオフセットサブフィールドを含んでよい。このとき、隣AP TBTTオフセットサブフィールドは、ビーコンフレームが送信された時点とAP MLD(NSTR又はSTR AP MLD)に含まれた複数個のAPのうち隣AP TBTTオフセットサブフィールドに対応するAPによる次のビーコンフレームが送信される時点とのオフセット値を示す。この場合、隣AP TBTTオフセットサブフィールドの場合、特定条件によって特定値に設定することができない。
【0280】
例えば、ビーコンフレームを送信したAPと同じAP MLDに含まれる場合に、隣AP TBTTオフセットサブフィールドは特定値(例えば、「255」)に設定されることがない。このとき、隣AP TBTTオフセットサブフィールドのサイズは8ビットであってよく、この場合、隣AP TBTTオフセットサブフィールドは隣AP TBTTオフセットサブフィールドによって指示可能な最大の値に設定されることがない(8ビットである場合に、0から255までの値にそれぞれ対応するため、8ビットで指示可能なオフセットの最大値は255であり得る)。しかし、ビーコンフレームを送信したAPと同じAP MLDに含まれない場合(例えば、APがレガシーAPである場合など)に、隣AP TBTTオフセットサブフィールドは特定値(例えば、「255」)に設定されてよい。
【0281】
これと類似の実施例として、隣AP TBTTオフセットサブフィールドは、特定条件によって設定された値が異なるように解析されてよい。
【0282】
例えば、隣AP TBTTオフセットサブフィールドが特定値(例えば、「254」)に設定される場合に、特定条件によって設定された値が「254」又は「254」以上と、異なるように解析されてよい。
【0283】
具体的には、隣AP TBTTオフセットサブフィールドが含まれた隣AP情報フィールドに対応するAPが、ビーコンフレームを送信したAPと同じAP MLD又は他のMLDに含まれ、隣AP TBTTオフセットサブフィールドは特定値(例えば、「254」)に設定される場合に、ステーションは、隣AP TBTTオフセットサブフィールドによって指示された値を254TUと解析できる。しかし、ビーコンフレームを送信したAPと同じAP MLD又は他のMLDに含まれず(例えば、APがレガシーAPであるか、MLDに含まれないAPである場合など)、隣AP TBTTオフセットサブフィールドは、特定値(例えば、「254」)に設定される場合に、ステーションは、隣AP TBTTオフセットサブフィールドによって指示された値を254TU又はそれ以上のTUと解析できる
【0284】
一般に、従来APがビーコンフレームを用いて隣APに対する基本的な情報と共にTBTTオフセット情報を含めて送信する理由は、ビーコンフレームを受信したSTAが他のAPの基本的な情報を迅速に取得し、確認されたTBTTオフセット情報を用いてより効率的に他のAPのビーコンフレームを受信するように助けるためであり得る。
【0285】
ただし、従来のビーコンフレームに含まれた隣AP TBTTオフセットサブフィールドは1オクテットで構成され、最大で254TUに該当するTBTTオフセットのみを指示可能な形態で設計された。これは、他のAPが有し得る最大TBTTオフセット(設定可能なビーコンインターバルを考慮したときに(2^16)或いは(2^16)-1TU)を考慮したとき、254TU以上のTBTTオフセットを有する場合に関する情報支援を排除することによって、ビーコンフレームのオーバーヘッドと指示可能な情報を妥協した形態の隣AP TBTTオフセットサブフィールド設計であってよい。
【0286】
しかし、AP MLDがビーコンフレームを用いてMLD内の他のAPに関する情報を指示する時には、前記他のAPのTBTTオフセットをより正確に知らせるために追加のMLD AP TBTTオフセットサブフィールドを含めて送信できる。MLD AP TBTTオフセットサブフィールドは、AP MLDがビーコンフレームを送信する時に、同一MLDに存在する他のAPに対応するTBTT情報フィールドに含まれてよい。このとき、特定TBTT情報フィールドで隣AP TBTTオフセットサブフィールドとMLD AP TBTTオフセットサブフィールドが共に指示される場合に、隣AP TBTTオフセットサブフィールドは、予め設定された値(254或いは255であり得る。)と指示されてよい。MLD AP TBTTオフセットサブフィールドは、2オクテットサイズのサブフィールドであり、ビーコンフレームを送信したAP(Reporting AP)と同じMLDの他のAP(Reported AP)とのTBTTオフセットが254TUを超えるとき、TBTTオフセット値を指示するために活用されてよい。さらにいうと、MLD AP TBTTオフセットサブフィールドは、AP MLDがビーコンフレームを送信する時に、同一MLD内の他のAPのTBTTオフセットが254TUを超えて既存隣AP TBTTオフセットサブフィールドで正確なTBTTオフセットを指示できない時に限ってTBTT情報フィールドに含まれてよい。
【0287】
STA MLDは、特定APから受信したビーコンフレームに含まれたRNR要素においてMLD AP TBTTオフセットサブフィールドが含まれたTBTT情報フィールドを確認した場合に、当該TBTT情報フィールドに対応するAPのTBTTオフセットを、MLD AP TBTTオフセットサブフィールドで指示された値に基づいて確認することができる。このとき、ビーコンフレームに含まれたTBTT情報フィールドがMLD AP TBTTオフセットサブフィールドを含むか否かを把握するために、STAは、各TBTT情報フィールドに対応するTBTT情報長さサブフィールド(各隣AP情報フィールドのTBTT Information Header(サブ)フィールドにある)の値に基づいて確認されるものであってよい。すなわち、STAは、TBTT Information Lengthサブフィールドの値に基づいて、TBTT情報フィールドにMLD AP TBTTオフセットサブフィールドが含まれることを認知した場合に、当該TBTT情報フィールドに対応するAPのTBTTオフセットを、MLD AP TBTTオフセットサブフィールドに指示された値に基づいて確認することができる。このとき、STA MLDは、特定TBTT情報フィールドのMLD AP TBTTオフセットサブフィールドによって0或いは予め設定された値(或いは、254以下の値)が指示された場合に、隣AP TBTTオフセットサブフィールドの値に基づいて、前記特定TBTT情報フィールドに対応するAPのTBTTオフセットを確認することができる。
【0288】
図22には、本発明の一実施例に係るTBTT情報フィールドフォーマットのさらに他の例を示す。
【0289】
図22を参照すると、TBTT情報フィールドは、MLD AP TBTTオフセットサブフィールドを含む構成を有してよい。MLD AP TBTTオフセットサブフィールドは、AP MLDのAPが送信するビーコンフレームにのみ含まれるものであってよい。また、MLD AP TBTTオフセットサブフィールドは、ビーコンフレームを送信するAPと同じMLDの他のAPに対応するTBTT情報フィールドにのみ含まれてよい。
【0290】
一例として、AP MLDの特定APが送信するビーコンフレームにおいて、同一MLDの他のAPのTBTTオフセットが300TUであることを指示するために、前記他のAPに対応するTBTT情報フィールドを、MLD AP TBTTオフセットサブフィールドを含むフォーマットとして活用することができる。このとき、前記他のAPに対応するTBTT情報フィールドの隣AP TBTTオフセットサブフィールドは254或いは255と指示され、MLD AP TBTTオフセットサブフィールドは、300TUに対応する値(例えば、300或いは299、或いは(300-254))と指示されてよい。このとき、上述したMLD AP TBTTオフセットサブフィールドは例示のためのサブフィールド名であり、同じ用途のサブフィールドが別の名称と定義されてよい。
【0291】
図23には、本発明の一実施例に係る、MLD AP TBTTオフセットサブフィールド(Offset subfield)が含まれたTBTT情報フィールドを指示するTBTT情報長さサブフィールド(Information Length subfield)の一例を示す。
【0292】
図23を参照すると、TBTT情報長さサブフィールドによって、TBTT情報フィールドに含まれたコンテンツの種類が指示されてよい。TBTT情報長さサブフィールドは、RNR要素に含まれた隣AP情報フィールドに存在するTBTT情報ヘッダーフィールドに含まれたサブフィールドであってよい。すなわち、ビーコンフレームで送信するRNR要素には複数の隣AP情報フィールドが含まれてよく、各隣AP情報フィールドに含まれたTBTT情報フィールドは、互いに異なる量及び種類のコンテンツを含む構造であってよい。このとき、各隣AP情報フィールドに含まれたTBTT情報フィールドが互いに異なる量及び種類のコンテンツを含んでよいので、各TBTT情報フィールドによって指示されるコンテンツ(及び、フォーマット)に関する情報がTBTT情報ヘッダーフィールドによって指示される。
【0293】
すなわち、STAは、APを介して受信したビーコンフレームのRNR要素において各隣AP情報フィールドを、TBTT情報ヘッダーで指示された情報に基づいてパース(parse)することができる。このとき、パースされた各隣AP情報フィールドは、隣AP或いは同一MLDの他のAPに関する情報を指示するものであってよい。このとき、TBTT情報ヘッダーフィールドに含まれたTBTT情報長さサブフィールドの値が、
図23に示すように、MLD AP TBTTオフセットサブフィールドを含むコンテンツ構成を意味すると、STAは、当該TBTT情報フィールドに対応するAPのTBTTオフセットを、MLD AP TBTTオフセットサブフィールドで指示された値に基づいて確認することができる。
【0294】
<ノンプライマリーリンクのセットアップ及び管理>
【0295】
前述したように、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクでビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、ML(Multi-link)プローブ応答フレームを送信することができない。したがって、NSTR AP MLDと連結されようとするSTA MLDは、NSTR AP MLDがビーコンフレームを送信したリンクでのみ(ML)プローブ要請フレームを送信しなければならない。
【0296】
EHT non-AP STA MLDのSTAが送信するMLプローブ要請フレームは、従来HE STAが送信するプローブ要請フレームに含まれた情報の他にも、EHT Capability情報及びMulti-Link要素を含む構成を有し得る。このとき、MLプローブ要請フレームに含まれたMulti-Link要素は、MLプローブ要請フレームを送信するMLDが、AP MLDに他のリンクのAPに対する追加情報を要請する役割を担うことができる。
【0297】
一例として、non-AP STA MLDは、MLプローブ要請フレームを送信する時に、MLプローブ要請フレームのMulti-Link要素を用いて、他のリンクのAPに対する完全情報(Complete information)或いは部分情報(Partial information)をさらに応答するようにAP MLDに要請することができる。すなわち、MLプローブ要請フレームを受信するAPに、同一AP MLDに含まれた他のAPのリンクに関連したパラメータの全部又は一部を送信するようにAP MLDに要請できる。
【0298】
例えば、ノンプライマリーリンクで連結されたAPに関連したパラメータの全部又は一部がアップデートされた場合に、non-AP STA MLDに含まれたステーションは、プライマリーリンクで連結されたAPに、ノンプライマリーリンクの他のAPと関連してアップデートされたパラメータの全部又は一部の送信を要請できる。
【0299】
このとき、前記完全情報が要請/応答されるということは、前記他のリンクのAP(Reported AP)に対して、MLプローブ応答フレームを応答するAP(Reporting AP)と同じレベルの情報が要請/応答されることを意味する。このとき、前記部分情報が要請/応答されるということは、前記他のリンクのAPに関する情報が、STAによって要請された情報に対してのみ応答されることを意味する。
【0300】
ビーコンフレームを送信したAP MLDは、特定リンクで受信したMLプローブ要請フレームにおいて、他のリンクのAPに対する追加情報が要請された場合に、MLプローブ応答フレームを用いて、前記特定リンクのAPに関する情報の他、前記要請された他のリンクのAPに対する追加情報も応答できる。
【0301】
このとき、STA MLDが特定リンクでMLプローブ要請フレームを送信しながら他のリンクのAPに対する完全情報を要請した場合に、AP MLDは、前記特定リンクで応答するMLプローブ応答フレームを用いて、前記他のリンクのAPに関する情報を、前記特定リンクのAPに関する情報と同じレベルで提供しなければならない。言い換えると、特定リンクで他のリンクのAPに対する完全情報の応答を受けたSTA MLDは、前記他のリンクのAPに対して、前記他のリンクのAPからMLプローブ応答(ML Probe Response)を直接受信した時と同じレベルの情報を取得できる。
【0302】
このとき、STA MLDが特定リンクでMLプローブ要請フレームを送信しながら他のリンクのAPに対する部分情報を要請した場合に、AP MLDは、前記特定リンクで応答するMLプローブ応答フレームを用いて、前記他のリンクのAPに関する情報のうち、要請された情報(要請された要素の情報)のみを提供できる。言い換えると、特定リンクで他のリンクのAPに対する部分情報の応答を受けたSTA MLDは、前記他のリンクのAPに対して自分が要請した情報のみをさらに取得できる。このとき、他のリンクのAPに対する部分情報を要請するSTA MLDは、前記他のリンクに該当するリンクIDと共に、さらに取得しようとする情報を指示する情報(Requested element IDsフィールドによって指示されてよい。)を含めてMLプローブ要請フレームを送信することができる。したがって、AP MLDは、特定リンクで受信したMLプローブ要請フレームが他のリンクに関する情報をを指示する情報(Request element IDsフィールド)を含む場合に、前記他のリンクに対して指示された情報をMLプローブ応答フレームでさらに指示できる。
【0303】
このとき、STA MLDは、特定リンクでMLプローブ要請フレームを送信する時に、他のリンクに対する完全情報を要請するのか部分情報を要請するのかを示すために、前記他のリンクと対応するComplete Profileサブフィールド(Multi-Link要素に含まれたPer-STA Controlフィールドの)を0或いは1に設定できる。
【0304】
このとき、前記他のAPに対する追加情報(Complete及びPartial)は、MLプローブ応答フレームのMulti-link要素に含まれたPer-STAプロファイルによって送信されてよい。Per-STAプロファイルは、Multi-link要素に0個或いは0個を超えて含まれたフィールドであり、Multi-Link要素を含むフレームを送信するSTA(AP及びnon-AP STA)と同じMLDに存在する他のSTA(AP及びnon-AP STA)の情報を含んでよい。このとき、Per-STAプロファイルは、Complete Profileサブフィールドを含む構成を有し、Complete Profileサブフィールドが1と指示されたPer-STAプロファイルに対応(該当)する他のSTA(AP及びnon-AP STA)の完全情報(Multi-Link要素が含まれたフレームを送信するSTA(AP及びnon-AP)と同じレベルの情報)は、当該Per-STAプロファイルから取得できる。ただし、当該Per-STAプロファイルを送信したSTA(AP及びnon-AP)と同じ情報を意味するパラメータ/要素は、継承(inheritance)規則によって省略されてよい。継承規則は、同じパラメータ及び要素の反復的な指示を防ぐために、当該パラメータ及び要素が指示されないと、既に指示された同じパラメータ及び要素(他のSTA(AP及びnon-AP)に対して指示された)の値を継承して活用することを意味できる。すなわち、STA1に対してparameter1の値が指示され、STA2に対しparameter1の値が指示されないと、継承(inheritance)規則によって、STA2に対するparameter1の値は、STA1のparameter1の値と同じものが指示されたと解析されてよい。
【0305】
このとき、NSTR AP MLDが送信したMulti-link要素に含まれるPer-STAプロファイルサブ要素(Profile subelement)は、ビーコンが送信されるインターバルを指示するためのビーコンインターバル(Beacon Interval)サブフィールドを含まない構成を有してよい。すなわち、NSTR AP MLDは、Multi-link要素でノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルサブ要素を指示するとき、ビーコンインターバルプレゼント(Beacon Interval Present)サブフィールドを0に設定しなければならない。これは、NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクで運用されるAPがビーコンフレームを送信しないことからビーコンフレームの周期が別に存在しないためであり得る。すなわち、NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルサブ要素(プローブ応答及び結合応答フレームの)は、Complete Profileサブフィールド(Per-STA Controlフィールドの)が1に指示されても、ビーコンインターバルプレゼントサブフィールドが0と指示されてよい。すなわち、ノンプライマリーリンクのAPに対するビーコンインターバル情報は、完全情報が指示される時にも存在しない。
【0306】
同様に、ノンプライマリーリンクのAPに対するDTIM情報(DTIM Count及びDTIM Period情報)は、完全情報が指示される時にも存在しなくてよい。すなわち、NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルは、Complete Profileサブフィールド(Per-STA Controlフィールドの)が1と指示されても、DTIM情報プレゼント(DTIM Info Present)サブフィールドが0と指示されてよい。
【0307】
すなわち、ノンプライマリーリンクでビーコンが送信されないため、non-AP STA MLDがAP MLDのプライマリーリンクのAPを介してノンプライマリーリンクの他のAPに対する全ての情報(又は、全てのアップデートされた情報)を要請した場合(すなわち、完全情報を「1」に設定した場合)にも、MLプローブ応答フレームにノンプライマリーリンクのAPに対するビーコンインターバル及びDTIM情報が存在しなくてよい。すなわち、MLプローブ応答フレームに含まれたノンプライマリーリンクのAPに対するPer-STAプロファイルサブエレメントにビーコンインターバル及びDTIM情報が含まれなくてよい。
【0308】
この場合、たとえノンプライマリーリンクの他のAPに対する全ての情報(又は、全てのアップデートされた情報)が要請されたが、AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPに対するビーコンインターバル及びDTIM情報をMLプローブ応答フレームに含めなくてよい。したがって、この場合、AP MLDは、ビーコンインターバルプレゼントサブフィールド及びDTIM情報プレゼントサブフィールドを、それぞれのフィールドが含まれないということを示す値(例えば、「0」)に設定して送信できる。
【0309】
NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクにビーコンフレームを送信しないため、ノンプライマリーリンクのAPに関する情報を指示する時に、DTIM情報及びビーコンインターバル情報を指示しなくてよい。すなわち、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイル(より正確には、STA Controlフィールド)のDTIM情報プレゼントサブフィールドを常に0と指示する必要があり得る。すなわち、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルでビーコンインターバルプレゼント(Beacon Interval Present)サブフィールドを常に0と指示する必要があり得る。したがって、NSTR AP MLDがnon-AP STA MLDから、完全情報を要請するMLプローブ要請フレームを受信するか、(ML)(再)結合要請フレームを受信した場合にも、前記NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルのBeacon Interval Presentサブフィールド及びDTIM情報プレゼントサブフィールドを常に0と指示する必要があり得る。
【0310】
或いは、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクにビーコンフレームが送信されないため、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルで、Beacon Interval、DTIM Count、DTIM Intervalのサブフィールドを、予め約束された値に設定する必要があり得る。これは、NSTR AP MLDがノンプライマリーリンクのAPに対する完全情報を送信(応答)する時に、一般的なAP MLD(例えば、STR AP MLD)と同じPer-STAプロファイル構成を維持するために考慮される動作であり得る。すなわち、STA MLDはAP MLDに、MLプローブ要請フレームなどを用いて特定リンクに対する完全情報を要請した後、応答される応答フレーム(Response frame)に前記特定リンクのAPに対する完全情報が応答されることが期待できる。このとき、NSTR AP MLDが応答した完全情報が、STR AP MLDが応答する完全情報と異なるPer-STAプロファイル構成を有すると、STA MLDがPer-STAプロファイルによって情報を取得する過程の具現複雑度が増加することがある。そのため、NSTR AP MLDは、たとえノンプライマリーリンクのAPがビーコンフレームを送信しなくても、ノンプライマリーリンクの完全情報を応答する時に、一般的なAP MLDが完全情報を応答する時に用いるPer-STAプロファイルと同じ構成のPer-STAプロファイルを用いることができる。このとき、NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルは、Beacon Intervalサブフィールド、DTIM Countサブフィールド、及びDTIM Intervalサブフィールドが予め設定された値にそれぞれ設定されてよい。一例として、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPに対する完全情報を送信する時に、ノンプライマリーリンクのBeacon Intervalサブフィールドの各ビットを全て0或いは全て1或いは予め約束された方式で設定できる。一例として、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPに対する完全情報を送信する時に、ノンプライマリーリンクのDTIM Countサブフィールドの各ビットを全て0或いは全て1或いは予め約束された方式で設定できる。一例として、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPに対する完全情報を送信する時に、ノンプライマリーリンクのDTIM Intervalサブフィールドの各ビットを全て0或いは全て1或いは予め約束された方式で設定できる。
【0311】
或いは、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクにビーコンフレームが送信されないため、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルにおいて、Beacon Interval、DTIM Count、DTIM Intervalのサブフィールドを、プライマリーリンクのビーコンフレームと関連した値に設定できる。これは、上述したように、同じPer-STAプロファイル構成を維持するために考慮される動作であり得る。このとき、NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルは、Beacon Intervalサブフィールド、DTIM Countサブフィールド、及びDTIM Intervalサブフィールドがプライマリーリンクで送信されるビーコンフレームと関連した値にそれぞれ設定されてよい。一例として、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPに対する完全情報を送信する時に、ノンプライマリーリンクのBeacon Intervalサブフィールドをプライマリーリンクのビーコンインターバルを指示(意味)する値に設定できる。一例として、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPに対する完全情報を送信する時に、ノンプライマリーリンクのDTIM CountサブフィールドをプライマリーリンクのDTIM Count値に設定できる。一例として、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPに対する完全情報を送信する時に、ノンプライマリーリンクのDTIM IntervalサブフィールドをプライマリーリンクのDTIMインターバルを指示(意味)する値に設定できる。
【0312】
或いは、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクにビーコンフレームが送信されないため、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルのBeacon Interval、DTIM Count、DTIM Intervalのサブフィールドを、特定の目的を有する値に設定できる。さらにいうと、ノンプライマリーリンクのBeacon Intervalサブフィールドは、AP MLDによって特定の目的を有する値(仮想のビーコンインターバル)、例えば計算のための値に設定されてよい。従来、Wi-Fiのビーコンインターバルは、言葉通りにビーコンフレームが送信される時間間隔(interval)に関連した値を意味する一方、様々なBSSの動作に対する時間単位(time units)として活用される。一例として、JointFailureTimeout、QueryFailureTimeoutプリミティブなどの単位(unit)がビーコンインターバルと定義され、Listen intervalフィールド、PRAW Startオフセットサブフィールド、AID Request Intervalフィールド、AID Switch Countフィールド、AID Response Intervalフィールド、Minimum Transmission Intervalサブフィールド、Channel Quality Measurement Duration、Color Switch Countdown(BSS Color Change Announcement要素の)サブフィールドなどが、ビーコンインターバル(或いは、TBTT)を基本単位として活用してinterval/Durationを指示する。このように、ビーコンインターバルは、実際にビーコンフレームが送信されるインターバルに関連した値の意味を有する一方、様々なプリミティブ(primitive)及びフィールドに単位(unit)として活用される値であるので、ノンプライマリーリンクに実際にビーコンフレームが送信されなくとも、上述したプリミティブ/サブフィールドの単位として活用されるための用途として、ノンプライマリーリンクに対するビーコンインターバルが定義(指示、設定)される必要があり得る。
【0313】
すなわち、NSTR AP MLDは、たとえノンプライマリーリンクにビーコンフレームが送信されなくとも、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルのBeacon Intervalサブフィールドを、ノンプライマリーリンクの時間単位として活用するためのビーコンインターバル値と指示できる。この場合、non-AP MLDは、前記ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルのBeacon intervalサブフィールドで指示された値に基づいて、上述したプリミティブ及びフィールド(ビーコンインターバル単位として活用する)のduration及びintervalを認知(確認、計算)できる。このとき、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルのDTIM Intervalサブフィールド及びDTIM Countサブフィールドも、AP MLDのBSS運用目的によって設定されてよく、ノンプライマリーリンクでSTAを運用するnon-AP MLDはノンプライマリーリンクのSTAを運用する時に、前記設定された値に基づいて動作する必要があり得る。
【0314】
一方、上述したNSTR AP MLDのノンプライマリーリンクのビーコンに関連したサブフィールド(Beacon Interval、DTIM Count、DTIM Intervalなど)の設定方法は、プライマリーリンクで送信するPer-STAプロファイルの他、ノンプライマリーリンクのビーコンに関連した情報を含む他のフレーム及びサブフィールドにも(プライマリーリンク或いはノンプライマリーリンクで送信される)にも同一に適用されてよい。
【0315】
また、NSTR AP MLDと結合(Association)しようとするnon-AP STA MLDは、プライマリーリンクとノンプライマリーリンクに対してセットアップ(Setup)を要請しながら送信するListen intervalフィールドの単位としてNSTR AP MLDのプライマリーリンクのビーコンインターバルを活用する必要があり得る。すなわち、NSTR AP MLDにListen intervalフィールドを送信するnon-AP STA MLDは、Listen intervalフィールドの単位を、NSTR AP MLDのプライマリーリンクで動作するAPのビーコンインターバルと計算して設定しなければならない。このとき、前記Listen intervalフィールドは、 多重リンク(再)結合(Multi-Link (Re)Association)を行うnon-AP STA MLDがビーコンフレームを受信するために少なくとも1個のSTAがウェイク(wake)状態に転換する周期(時間)に関連した情報を指示するフィールドであってよい。このとき、前記Listen intervalフィールドは、MLMEプリミティブでListenIntervalパラメータが指示される時に派生した値を指示するものであってよい。
【0316】
このとき、non-AP STA MLDは、NSTR AP MLDでない他のAP MLD(例えば、STR AP MLD)にListen intervalフィールドを送信する時に、Listen intervalフィールドの単位(unit)を、自分がセットアップを行おうとするリンク(のAP)のビーコンインターバルのうち最大値に設定する必要があり得る。一例として、non-AP STA MLDがAP MLDとリンク1又はリンク2と多重リンクセットアップ(Multi-Link Setup)を行おうとする場合に、non-AP STA MLDは、ML結合要請フレームに含まれているListen intervalフィールドの単位を、リンク1(のAP)のビーコンインターバルとリンク2のビーコンインターバルのうち大きい値にすることができる。すなわち、リンク1のビーコンインターバルが100msで、リンク2のビーコンインターバルが50msであれば、non-AP STA MLDが送信したListen intervalサブフィールド単位は100ms単位であってよい。
【0317】
一般に、APとSTAがセットアップを完了した場合に、STAは、APが送信するビーコンフレームを受信しながらAPの動作パラメータ及び要素変更事項を把握し追跡(update)することができる。また、ビーコンフレームは、Timestampフィールドを含め、BSS内のSTAが時間同期(Time Sync)を取るための情報を提供する役割も担う。
【0318】
しかし、NSTR AP MLDは、前述したようにノンプライマリーリンクでビーコンフレームを送信しないため、NSTR AP MLDとセットアップを行ったSTA MLDは、ノンプライマリーリンクに対するParameter/要素追跡(アップデート)及び時間同期維持のために別の動作を行う必要があり得る。
【0319】
本発明の一実施例によれば、NSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、プライマリーリンクでビーコンフレームを受信した後に、ノンプライマリーリンクのChange Sequence(RNR要素のMLD parameterフィールドにある)を確認し、ML Probe Requestを送信できる。このとき、non-AP STA MLDが送信したMLプローブ要請フレームは、ノンプライマリーリンクの変更されたパラメータ及び要素情報を要請するための目的で送信されたものであってよい。このとき、MLプローブ要請フレームは、ノンプライマリーリンク(及び、ノンプライマリーリンクのAP)に対応するPer-STAプロファイルのコンプリートプロファイルを1に設定して送信することによって、ノンプライマリーリンクの完全情報を要請するものであってよい。或いは、STA MLDがノンプライマリーリンクのparameter/要素をアップデートする目的で送信するMLプローブ要請フレームは、ノンプライマリーリンクに対するComplete/部分情報でないUpdated Informationを要請することができる。
【0320】
言い換えると、non-AP STA MLDとAP MLD間に複数個のリンクが形成された場合にも、結合、再結合、及び/又はパラメータのアップデート手順を行うためのフレームはプライマリーリンクでのみ行われてよい。例えば、ビーコンフレームに含まれた隣AP情報に含まれた他のAPのリンクに対するパラメータのアップデートであるか否かを示す特定フィールド(例えば、変更シーケンス又はBSSパラメータ変更カウントサブフィールド(BSS Parameter Change Countサブフィールドなど)から、STAが、ノンプライマリーリンクのAPに対するパラメータがアップデートされたということを認識した場合に、non-AP STA MLDは、他のAPのノンプライマリーリンクでないプライマリーリンクで、アップデートされたパラメータの送信を要請できる。すなわち、non-AP MLDは、ノンプライマリーリンクでは、アップデートされたパラメータを要請するためのフレーム(例えば、プローブ要請フレームなど)を送信することができない。
【0321】
一例として、NSTR AP MLDとセットアップを行った後、ノンプライマリーリンクのParameter/要素をアップデートするための情報を要請するnon-AP STA MLDは、プライマリーリンクで送信するMLプローブ要請フレームにおいて、ノンプライマリーリンクに対応するPer-STAプロファイルのUpdated Profileサブフィールドを1に設定することによって、ノンプライマリーリンクのAPに対して変更されたparameter/要素を要請することができる。NSTR AP MLDは、受信したMLプローブ要請フレームのPer-STAプロファイル(ノンプライマリーリンクに対応する)でUpdated Profileサブフィールドが1と指示された場合に、変更されたノンプライマリーリンクの情報(パラメータ及び要素)を含むMLプローブ応答フレームを応答することができる。
【0322】
このとき、non-AP STA MLDが送信したMLプローブ要請フレームのPer-STAプロファイルフィールドは、Updated ProfileサブフィールドとRecorded Change Sequenceサブフィールドを含む構成を有してよい。Recorded Change Sequenceサブフィールドは、non-AP STA MLDがノンプライマリーリンクに対して維持している最新Change Sequence値を指示し、AP MLDは、Recorded Change Sequenceサブフィールドによって指示された値に基づいてUpdated Informationの種類を確認/決定できる。
【0323】
一例として、NSTR AP MLDがノンプライマリーリンクのChange Sequence numberを100から101に増加しながらParameter1を変更したし、さらにChange Sequence numberを101から102に増加しながらParameter2を変更していてよい。このとき、STA MLDがMLプローブ要請フレームを送信しながらノンプライマリーリンクのUpdated informationを要請できる。この場合、NSTR AP MLDは、non-AP STA MLDがRecorded Change Sequenceサブフィールドを100と指示すると、Parameter1とParameter2を全て含んでいるMLプローブ応答フレームを応答し、non-AP STA MLDがRecorded Change Sequenceサブフィールドを101と指示すると、Parameter2のみを含んでいるMLプローブ応答フレームを応答できる。
【0324】
このとき、Non-AP STA MLDは、Updated Profileを要請するために別のUpdated Profileサブフィールドを活用せずに、Complete Profileサブフィールドを0と指示できる。すなわち、Non-AP STA MLDがUpdated Profileを要請する方法は、Complete Profileサブフィールドを0に設定することであってよく、この場合、別のUpdated ProfileサブフィールドがPer-STAプロファイルに含まれなくてよい。
【0325】
図24は、本発明の一実施例に係る各STAのプロファイルサブ要素(Per-STA Profile subelement)フォーマットの一例を示す。
【0326】
図24(a)を参照すると、Per-STAプロファイルサブ要素は、STA Controlフィールドを含む構成を有してよい。STA Controlフィールド(
図24(b)参照)は、当該Per-STAプロファイルサブ要素のSTAプロファイル(
図24(a)参照)に含まれたフィールドの種類を指示するための情報を示す。このとき、NSTR AP MLDでない他のAP MLDが送信する特定Per-STAプロファイルサブ要素において、STA ControlフィールドのComplete Profileサブフィールドが1と指示される場合に、MAC Address Presentサブフィールド、Beacon Interval Presentサブフィールド、DTIM情報プレゼントサブフィールドがいずれも1と指示される必要があり得る。しかし、上述したように、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクにビーコンフレームを送信しないため、ノンプライマリーリンクと対応するPer-STAプロファイルサブ要素にノンプライマリーリンクのビーコンフレームに関連した情報が指示されなくてよい。すなわち、NSTR AP MLDが送信する特定Per-STAプロファイルサブ要素(ノンプライマリーリンクのAPに対応する)は、Complete Profileサブフィールドが1と指示されても、Beacon Interval Presentサブフィールド及びDTIM情報プレゼントサブフィールドが0と指示されてよい。
【0327】
また、上述した一実施例で説明したように、NSTR AP MLDにMLプローブ要請フレームを送信するnon-AP STA MLDは、STA Controlフィールド(ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルサブ要素に含まれた)のUpdated Profileサブフィールドを1と指示することによって、ノンプライマリーリンクのAPの変更された情報(updated information)をプライマリーリンクのAPに要請できる。このとき、non-AP STA MLDは、自分がノンプライマリーリンクのAPの情報をアップデートした時点と関連した情報であるRecorded Change Sequence値を、Recorded Change Sequenceサブフィールド(
図24(c)参照)を用いて指示できる。このとき、前記Recorded Change Sequenceサブフィールドは、STAプロファイルに含まれたサブフィールドであってよい。NSTR AP MLDは、プライマリーリンクで受信したnon-AP STA MLDのMLプローブ要請フレームを受信した後、MLプローブ要請フレームに含まれたRecorded Change Sequenceサブフィールドの値と、現在ノンプライマリーリンクのAPのChange Sequence値とを比較することにより、non-AP STA MLDに応答するノンプライマリーリンクのAPの情報を決定することができる。
【0328】
図25には、本発明の一実施例に係る、NSTR(Non- Simultaneous Transmission and Reception)Soft AP MLDとセットアップ(Setup)したnon-AP MLDが、ノンプライマリーリンクの情報をアップデートする過程の一例を示す。
【0329】
図25を参照すると、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクであるリンク2で運用するAP2のパラメータを変更した後、プライマリーリンクであるリンク1で運用するAP1が送信するビーコンフレームを用いて、AP2のパラメータが変更されたことを指示できる。このとき、前記AP2のパラメータが変更されたという情報は、AP1が送信するビーコンフレームに含まれたRNR要素において、AP2に対応するChange Sequenceサブフィールド値が直前のビーコンフレームで指示された値より1増加して指示されるものであってよい。
【0330】
Non-AP STA MLDは、AP1が送信したビーコンフレームをSTA1を介して受信した後、AP2のパラメータがアップデートされたという事実を認知できる。Non-AP STA MLDは、AP2の変更されたパラメータ情報を取得するために、STA1を介してMLプローブ要請フレームを送信することができる。
【0331】
Non-AP STA MLDがSTA1を介して送信したMLプローブ要請フレームは、AP2に対応するPer-STAプロファイルサブ要素をML要素に含んでいる構成を有してよく、前記Per-STAプロファイルサブ要素には、コンプリートプロファイル(Complete Profile)を要請するか或いはアップデートされたプロファイル(Updated Profile)を要請するかを示す指示子が含まれてよい。
【0332】
NSTR AP MLDは、プライマリーリンクでSTA1からMLプローブ要請フレームを受信した後、要請されたAP2の情報(コンプリート又はアップデートされた情報)をMLプローブ応答フレームに含めてSTA1に応答することができる。
【0333】
NSTR AP MLDから、自分の要請したAP2の情報をMLプローブ応答フレームで応答されたnon-AP STA MLDは、AP2に対するパラメータをアップデートすることにより、ビーコンフレームが送信されないノンプライマリーリンクに対するパラメータアップデートを完了することができる。
【0334】
<ブロードキャストMLプローブ応答(Broadcast ML Probe Response)>
【0335】
本発明の一実施例によれば、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクで運用されるAPに関連した情報が変更された場合に、プライマリーリンクでブロードキャストMLプローブ応答フレームを送信できる。Non-AP STA MLDは、プライマリーリンクでNSTR AP MLDが送信したブロードキャストMLプローブ応答フレームを受信した場合に、ノンプライマリーリンク(のAP)に関する情報をアップデートする必要があり得る。このとき、前記ブロードキャストMLプローブ応答フレームは、特定STAの送信したMLプローブ要請フレームに対する応答として送信されるものでなく、NSTR AP MLDによって別の要請無しで送信されるMLプローブ要請フレームであってよい。
【0336】
ブロードキャストMLプローブ応答フレームは、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルサブ要素を含み、non-AP STA MLDがノンプライマリーリンクの変更されたパラメータ及び要素をアップデートするように助ける役割を担う。このとき、各non-AP STAが維持しているノンプライマリーリンクの(Recorded)Change Sequenceが互いに異なることがあるため、ブロードキャストMLプローブ応答フレームは、ノンプライマリーリンクのAPに対する完全情報を含んでよい。このとき、前記ブロードキャストMLプローブ応答フレームは、DTIMビーコンフレームと共に送信されるものであってよい。
【0337】
したがって、non-AP STA MLDは、ビーコンフレームを用いて、ノンプライマリーリンクのAPに対応するChange Sequence Numberが、自分が維持している(Recorded)Change Sequenceと異なる場合に、次のDTIMフレームを受信しながらブロードキャストMLプローブ応答フレームを受信する必要があり得る。
【0338】
このとき、上述したブロードキャストMLプローブ応答フレームを用いたノンプライマリーリンクのパラメータアップデート手順は、ブロードキャストML結合応答フレームを用いて行われてもよい。このとき、ブロードキャストML結合応答フレームのPer-STAプロファイルサブ要素構成方法及び受信STA MLDのアップデート手順は、上述したブロードキャストMLプローブ応答フレームの一実施例と同一であり、その詳細な説明を省略する。
【0339】
図26は、本発明の一実施例に係る、NSTR AP MLDと結合(Association)したnon-AP STA MLDが、ノンプライマリーリンクのパラメータをアップデートする手順の一例を示すフローチャートである。
【0340】
Non-AP STA MLDは、プライマリーリンクでビーコンフレームを受信した後、ノンプライマリーリンクのChange Sequence(RNR要素のMLD Parameterフィールドにある)を確認する。仮に、確認したノンプライマリーリンクのChange Sequence値が、自分が維持している(Recorded)Change Sequence値と異なる場合に、non-AP STA MLDは、プライマリーリンクでMLプローブ要請フレームを送信できる。このとき、前記MLプローブ要請フレームは、ノンプライマリーリンクのAPに対する完全情報を要請するか或いはアップデートされた情報(Updated information)を要請するかを示すサブフィールドを含んでよい。また、アップデートされた情報を要請するMLプローブ要請フレームは、自分が維持している(Recorded)Change Sequence値を指示するサブフィールドを共に含む構成を有してよい。その後、AP MLDからMLプローブ応答フレームが応答されたnon-AP STA MLDは、応答されたMLプローブ応答フレームに含まれたノンプライマリーリンクのAPの情報に基づいてパラメータアップデートを行う。
【0341】
<ノンプライマリーリンクの時間同期(Time Sync)管理>
【0342】
前述したように、APの送信するビーコンフレームは、各種パラメータ及び要素情報の伝達と共に、BSS内のSTAが時間同期(Time Sync)を取るように助ける役割を担う。ビーコンフレームに含まれたTimeStampフィールドは、TimeStampフィールドの最初のビットが含まれたデータシンボル(data symbol)が送信アンテナコネクター(transmit antenna connector)に現れる時点のTSF(timing synchronization function)タイマー値を指示し、TimeStampフィールドを受信したSTAは、受信したTimeStampフィールド値に基づいて自身のTSFタイマーをAPと同期化できる。
【0343】
このように、APとSTAは、ビーコンフレームに含まれたTimeStamp値に基づいて時間同期を維持したまま動作し、タイミングベース動作を行うことができる。しかし、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクでビーコンフレームを送信することができず、よって、Non-AP STA MLDのSTAのうち、NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクAPと結合(Association)したSTAは、APと時間同期を維持するために、ビーコンフレームではなく他の方法を用いなければならない。
【0344】
NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクのAPと時間同期を維持するために、結合した(Associated)non-AP STAは、APの送信したTIMフレームのTimeStampを用いる必要があり得る。TIMフレームは、ビーコンフレームと同じ機能を有するTimeStampフィールドを含む構成を有するので、NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクのAPからTIMフレームを受信したSTAは、TIMフレームに含まれたTimeStampフィールドを用いてTFSタイマーを管理する必要があり得る。ただし、NSTR AP MLDは、プライマリーリンクを占有しないままノンプライマリーリンクで送信を開始することが制限されることがあるので、プライマリーリンクでビーコンフレームを送信する時に、同時にTIMフレームをノンプライマリーリンクで送信する必要があり得る。すなわち、NSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、プライマリーリンクのTBTTに合わせてノンプライマリーリンクでTIMフレームを受信する準備をする必要があり得る。
【0345】
本発明のさらに他の実施例として、AP MLDが同時送受信を支援しないNSTR AP MLDである場合に、NSTR AP MLDに含まれた複数個のAPに対するそれぞれのリンクでは同一のTSFタイマーが用いられてよく、この時に用いられるTSFタイマーは、プライマリーリンクのTSFタイマーであってよい。すなわち、AP MLDがNSTR AP MLDである場合に、NSTR AP MLDとアフィリエートされた(affiliated)APに対するリンク(ノンプライマリーリンク)は、プライマリーリンクのTSFタイマーを用いることができる。
【0346】
すなわち、NSTR Soft AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、プライマリーリンクのTSFタイマーをノンプライマリーリンクに共用に使用する必要があり得る。言い換えると、NSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、ノンプライマリー(NSTR Soft AP MLD基準)リンクのTSFタイマーを別に有しなく、プライマリーリンクを用いて管理するTSFタイマーを共に用いることができる。すなわち、本発明の一側面において、NSTR AP MLD及びNSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、MLDレベル(MLD単位、MLD共通)タイマーを用いることができる。このとき、NSTR AP MLD及びNSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDの安定した動作のために、NSTR AP MLDの各AP同士間及び/或いはNSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDの各STA同士間の時間同期(Time Synchronization)が予め約束された値以下の誤差を有するように維持するように要求されてよい。一例として、NSTR AP MLDは、プライマリーリンクのAPとノンプライマリーリンクのAPとの間に維持しているTimeStamp差(又は、タイマー間の差)が予め約束/設定された値以下に維持されるように要求されてよい。一例として、NSTR Soft AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、プライマリーリンクのSTAとノンプライマリーリンクのSTAとの間に維持しているTimeStamp差が予め約束/設定された値以下に維持されるように要求されてよい。
【0347】
言い換えると、NSTR AP MLDに含まれたり又はアフィリエートされたAPの全てに対するリンクでプライマリーリンクのTSFタイマーが同一に維持(又は、適用、使用)されてよい。また、NSTR AP MLDに含まれたり又はアフィリエートされたAPのうち、ある2個のAPのtimestamp間又はTSFタイマー間の差は、特定値(例えば、30us)以内に制限されてよい。
【0348】
すなわち、NSTR AP MLDに含まれたり又はアフィリエートされた全てのAPのTSFタイマーは同一であってよく、AP MLD又はNSTR AP MLDに含まれたり又はアフィリエートされたある2つのAP(例えば、プライマリーリンクのAPとノンプライマリーリンクのAP)間のtimestamp間又はTSFタイマー間の差又はクロックドリフト(clock drift)は、特定値(例えば、±30us)以内に制限されてよく、この場合、AP MLD又はNSTR AP MLDは、TSFタイマーの差又はクロックドリフトが特定値以内になるようにtimestamp又はTSFタイマーを修正できる。
【0349】
また、NSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、ノンプライマリーリンクでTIMフレームを受信したとき、プライマリーリンクで送信される次のビーコンフレームを受信する必要があり得る。より具体的には、non-AP STA MLDがノンプライマリーリンクのSTAを介してTIMフレームを受信したし、TIMフレームアクションフィールドにあるCheck Beaconフィールドで指示された値が、自分が維持しているCheck Beacon値と異なる場合に、プライマリーリンクで送信される次のビーコンフレームを受信する必要があり得る。このとき、前記次のビーコンフレームは、ノンプライマリーリンクでTIMフレームを受信した時点以後に存在するプライマリーリンクのTBTTに対応して送信されるビーコンフレームを意味できる。このとき、前記次のビーコンフレームを受信するという意味は、ビーコンフレームに含まれたPer-STAプロファイル(ノンプライマリーリンクのAPに対応する)を用いてノンプライマリーリンクのパラメータをアップデートすることを伴う(含む)動作であってよい。このとき、アップデート対象となるパラメータは、重大なアップデート(critical update)と関連したパラメータに制限されてよい。
【0350】
<ノンプライマリーリンクのチャネル変更(Channel Switching)、チャネルクワイエッティング(Channel Quieting)手順>
【0351】
上述したように、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクでビーコンフレームを送信しなく、そのため、ビーコンフレームの送信タイミングに基づいて行われるBSSの動作が一般のAP MLDのBSS動作と異なる方式で行われてよい。
【0352】
従来のWi-Fiは、BSSの動作チャネル周波数(動作周波数帯域)を、APとSTA間に予め約束された手順によって変更することができる。このとき、従来のECS(Extended channel switching)動作が活用されてよく、11beにおいて新しく定義されたチャネル変更メカニズムが活用されてよい。APは、BSSの動作チャネルを変更することを決定したとき、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、Extended Channel Switch Announcementフレームなどを送信し、 結合した(Associated)STAが結合を維持したまま新しいチャネル、operating classに転換し得るように知らせることができる。この時、APはビーコンフレームでExtended Channel Switch Announce要素を送信し、当該要素のChannel Switch Countフィールドには、後で何回のビーコンフレームが送信された後にチャネルスイッチ(動作チャネル変更)が行われるかに関する情報が指示される。仮にAPがMAX Channel Switch Time要素をExtended Channel Switch Announcement要素と共にビーコンフレームに含める場合に、APは、新しいチャネルでSwitch Timeフィールド(Max Channel Switch Time要素の)以内に最初のビーコンフレームを送信しなければならない。すなわち、新しいチャネルで送信されるビーコンフレームは、現在チャネルで送信される最後の)ビーコンフレームとSwitch Timeフィールドで指示された時間間隔よりも小さい時間間隔で送信される必要がある。
【0353】
上述した従来Wi-Fi BSSのチャネル変更動作を参照すると、BSSのAPは、現在チャネルで送信するビーコンフレームを用いて、新しいチャネルに関する情報、チャネル変更が行われる時間に関する情報、及び新しいチャネルで最初に送信されるビーコンフレームの時点と関連した情報を、STAに指示できる。BSSのSTAは、APの送信したビーコンフレームに含まれたチャネル変更関連情報に基づいて決められた時間区間(APによって指示された時間区間)に新しいチャネルに)移動することによって、APと結合を維持したままチャネル変更を完了することができる。このように、従来Wi-Fi BSSのチャネル変更手順は、APの送信するビーコンフレームによって、チャネル変更に必要な情報(Channel Switch mode、new operating class、new channel number、channel switch countなど)が提供される方式で行われ、したがって、ビーコンフレームが送信されないNSTR AP MLDのノンプライマリーリンクのBSSの場合、従来チャネル変更手順を用いてチャネル変更を行うことができない。
【0354】
また、従来Wi-Fiがクワイエットインターバル(Quiet interval)を設定する時にも、BSSのAPが送信するビーコンフレームに含まれた要素(Quiet要素、Quiet Channel要素)によって、クワイエットインターバルが適用される時間区間に関する情報が指示され、チャネル変更手順と類似に、ビーコンフレームが送信されないNSTR AP MLDのノンプライマリーリンクは、クワイエットインターバルを設定するための従来のクワイエッティング(Quieting)手順を用いることができない。
【0355】
本発明の一実施例によれば、NSTR AP MLDはノンプライマリーリンクの動作チャネルを変更(Channel switching)するために必要な情報及び/又はクワイエットインターバルを設定するために必要な情報を、プライマリーリンクで送信するビーコンフレームによって指示できる。すなわち、NSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、ノンプライマリーリンクのチャネル変更を行うために、プライマリーリンクのビーコンフレームによって取得した情報に基づいて動作できる。すなわち、NSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、ノンプライマリーリンクのクワイエットインターバルに関連した情報を、プライマリーリンクのビーコンフレームを用いて取得できる。
【0356】
より具体的には、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのチャネル変更を行ったり或いはクワイエットインターバルを設定する時に、プライマリーリンクのビーコンフレーム(及び(ML)プローブ応答フレーム)にノンプライマリーリンクのAPに対するPer-STAプロファイルを含める必要があり得る。
【0357】
図27は、本発明の一実施例に係る要素のフォーマットの一例を示す。
図17は、上に述べた各要素のフォーマットの一例を示す。
【0358】
図27を参照すると、ノンプライマリーリンクのAPに対する(対応する)Per-STAプロファイルは、Channel Switch Announcement要素、Extended Channel Switch Announcement要素、Max Channel Switch Time要素、Quiet要素、Quiet Channel要素のうち少なくとも1つを含む構成を有してよい。
【0359】
前記要素のタイミングフィールドは、プライマリーリンクのTBTT(Target Beacon Transmission Time)及びビーコンインターバルを基準にして設定される必要があり得る。
【0360】
NSTR AP MLDのプライマリーリンクのAPは、ノンプライマリーリンクのAPに対するPer-STAプロファイル(ビーコンフレーム及び(ML)プローブ応答フレームに含まれた)に含まれたChannel Switch Announcement要素、Extended Channel Switch Announcement要素、Max Channel Switch Time要素、Quiet要素、Quiet Channel要素のタイミングフィールドを、自分のビーコンインターバルとTBTTを基準にして設定する必要があり得る。このとき、前記タイミングフィールドは、duration関連フィールド(Switch Time、Quiet Durationフィールドなど)と、時点関連フィールド(Channel Switch Count、Quiet Countフィールドなど)を含む時間関連フィールドを総称する意味で使われている。
【0361】
したがって、NSTR AP MLDと結合したnon-AP MLDは、プライマリーリンクで運用されるNSTR AP MLDのAPからビーコンフレームを受信した後、ビーコンフレームに含まれたPer-STAプロファイルでノンプライマリーリンクのチャネル変更及び/又はクワイエットインターバルに関連した情報を取得した後、プライマリーリンクのTBTT及びBI(Beacon interval)を基準にしてノンプライマリーリンクのチャネル変更に関連した情報及び/又はクワイエットインターバルに関連した情報を解析する必要があり得る。このとき、前記Per-STAプロファイルは、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルを意味する。
【0362】
一方、NSTR AP MLDは、プライマリーリンクのビーコンフレームを用いてノンプライマリーリンクのチャネル変更を完了した後(公表(announce)及びチャネル変更完了後)に、Switch Timeフィールド(Max Channel Switch Time要素の)で指示した時間以内に、新しいチャネルで(ノンプライマリーリンクの)TIMフレームを送信する必要があり得る。すなわち、NSTR AP MLDのノンプライマリーリンクのAPは、チャネル変更を行った後に、新しいチャネルでTIMフレームを送信する必要があり得る。この時、前記ノンプライマリーリンクのAPは、Channel Switch Countサブフィールドを1(或いは、0)と指示したビーコンフレームがプライマリーリンクで送信された後、Switch Timeフィールドで指示した時間以内に新しいチャネルでTIMフレームを送信する必要があり得る。このとき、前記Channel Switch Countフィールド及びSwitch Timeフィールドは、プライマリーリンクで送信されたビーコンフレームに含まれたPer-STAプロファイル(ノンプライマリーAPに対応する)に含まれたものであってよい。このとき、前記TIMフレームは、プライマリーリンク或いはノンプライマリーリンクの新しいチャネルで送信される他のフレームに代替されてよい。一例として、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのチャネル変更を完了した後に、プライマリーリンクでチャネル変更完了に関連した情報を指示するビーコンフレームを送信できる。このとき、前記ビーコンフレームは、TBTTに関係なく送信される追加ビーコンフレームであってよい。このとき、前記ビーコンフレームは、ノンプライマリーリンクに対する完全情報を含む構成を有するビーコンフレームであってよい。例えば、前記ノンプライマリーリンクに対する完全情報を含む構成を有するビーコンフレームは、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイルの完全情報サブフィールドが1に設定されたビーコンフレームであってよい。このとき、ノンプライマリーリンクのチャネル変更が終了した後に送信される前記プライマリーリンクのビーコンフレームは、チャネル変更が始まる前に送信されたビーコンフレームと予め約束された時間以内に送信される必要があり得る。このとき、前記予め約束された時間は、Switch Timeフィールド(Max Channel Switch Time要素の)で指示された時間であってよい。或いは、前記ビーコンフレームは、ノンプライマリーリンクのチャネル変更と関連した指示(indication)を含むビーコンフレームであってよい。一例として、ノンプライマリーリンクでチャネル変更が完了した後に送信されるプライマリーリンクのビーコンフレームは、Channel Switch Completeサブフィールドを含む構成を有してよい。このとき、前記Channel Switch Completeサブフィールドは、ML要素に含まれたサブフィールドであってよい。特定Switch Completeサブフィールドは、前記特定サブフィールドが含まれたPer-STAプロファイルに対応するAPのチャネル変更が完了した時に1と指示されるサブフィールドであってよい。すなわち、APは、ノンプライマリーリンクでチャネル変更を完了した後、ノンプライマリーリンクのAPに対応するPer-STAプロファイル(ビーコンフレームの)のChannel Switch Completeサブフィールドを1に設定する必要があり得る。このとき、前記チャネル変更と関連したビーコンフレームは、AP MLDがNSTR AP MLDでない場合にも、すなわち一般のAP MLDによっても、同じ目的で送信(活用)されてよい。
【0363】
NSTR AP MLDと結合したnon-AP MLDは、プライマリーリンクでノンプライマリーリンクのチャネル変更を行った後、AP MLDから、約束されたフレーム(前記ノンプライマリーリンクのTIMフレーム或いは他のフレーム及び/又はプライマリーリンクのチャネル変更完了に関連した情報を指示するビーコンフレーム)を受信した場合に限って、ノンプライマリーリンクのチャネル変更が完了したと考慮した動作を行うことができる。仮に、チャネル変更が完了していないと考慮される場合に、non-AP STA MLDは、ノンプライマリーリンクのチャネル変更が取り消されたと考慮し、以前チャネル(チャネル変更が行われる前の)で動作(以前チャネルに復帰)する必要があり得る。
【0364】
或いは、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクでクワイエットインターバルを設定できないように制限されてよい。このとき、ノンプライマリーリンクのクワイエットインターバルは、プライマリーリンクに定義(設定)されたクワイエットインターバルがある場合に、前記プライマリーリンクのクワイエットインターバルと同じ時間区間と定義(設定)されてよい。すなわち、NSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、プライマリーリンクのクワイエットインターバルを認知した場合に、ノンプライマリーリンクにも同一の時間区間に対してクワイエットインターバルが設定されたと考慮できる。
【0365】
また、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのチャネル変更を行うことができない。ただし、NSTR AP MLDがノンプライマリーリンクのチャネル変更を行おうとする場合には、既存チャネルで運用されるノンプライマリーリンクのAPを解除し、新しいチャネルで新しいノンプライマリーリンクのAPが追加されたのと同じ動作を行うことができる。
【0366】
プライマリーリンクのビーコンフレームで送信されるノンプライマリーリンクに対するQuiet要素は、NSTR AP MLDによって下記のように設定(指示)されてよい。
【0367】
1.Quiet Countフィールドは、ノンプライマリーリンクで次のクワイエットインターバルが始まるまでに残っているプライマリーリンクのTBTT個数に設定されてよい。
【0368】
2.Quiet Periodフィールドは、当該Quiet要素によって定義されるノンプライマリーリンクの正規的(定期的)クワイエットインターバルが何個のプライマリーリンクビーコンインターバルごとに開始されるかに関連した値(プライマリーリンクのビーコンインターバル単位)に設定されてよい。(正規的クワイエットインターバルでないと、0に設定)
【0369】
3.Quietオフセットフィールドは、Quiet Countサブフィールドによって特定されるプライマリーリンクのTBTTから、ノンプライマリーリンクのクワイエットインターバルがどれくらいのオフセットを持って始まるかに関連した時間値(TU単位)に設定されてよい。
【0370】
プライマリーリンクのビーコンフレームで送信されるノンプライマリーリンクに対する(Extended)チャネル Switch Announcement要素とMax Channel Switch Time要素は、NSTR AP MLDによって下記のように設定(指示)されてよい。
【0371】
1.(Channel Switch Announcement要素の)Channel Switch Countフィールドは、ノンプライマリーリンクのチャネル変更が始まるまでプライマリーリンクのTBTTが何回残っているかに関連した情報に設定されてよい。仮に、プライマリーリンクの次のTBTTにノンプライマリーリンクのAPのチャネル変更が始まると、今回のTBTTに送信されたビーコンフレームはChannel Switch Countフィールド(ノンプライマリーリンクのAPと関連した)が1或いは0に設定されてよい。
【0372】
2.(Max Channel Switch Time要素の)Switch Timeフィールドは、ノンプライマリーリンクのチャネル変更が始まったTBTT直前のTBTTで送信されたプライマリービーコンフレーム(上記の1.においてChannel Switch Countフィールドが1或いは0に設定されたビーコンフレーム)と、ノンプライマリーリンクのチャネル変更が完了した後にノンプライマリーリンクの新しいチャネルで送信されるTIMフレームの最大時間差に対する値に設定されてよい。一例として、プライマリーリンクのビーコンインターバルが100msのとき、Switch Timeフィールド(ノンプライマリーリンクAPに対する)が200msに設定されると、ノンプライマリーリンクのAPは、自分がチャネル変更を始めたプライマリーリンクのビーコンフレーム送信時点から200ms内に新しいチャネルでTIMフレームを送信しなければならない。
【0373】
したがって、NSTR AP MLDと結合したnon-AP MLDは、プライマリーリンクでビーコンフレームを受信した後、ビーコンフレームに含まれたノンプライマリーAPのPer-STAプロファイルで指示された情報、プライマリーリンクのTBTT及びビーコンインターバル情報に基づいて、ノンプライマリーリンクのクワイエットインターバル及びチャネル変更時点と区間に関する情報を取得できる。この時、Non-AP MLDは、ノンプライマリーリンクのクワイエットインターバルの開始時点をプライマリーリンクのTBTTに基づいて設定(認知、解析)できる。このとき、Non-AP MLDは、ノンプライマリーリンクのチャネル変更時点を、プライマリーリンクで受信したビーコンフレームの受信時間に基づいて認知/解析できる。
【0374】
従来Wi-Fi non-AP STAは、APがチャネル変更を行う時にAPと結合を維持するためにチャネル変更を共に行うか否かを選択できる。しかし、NSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、NSTR AP MLDがノンプライマリーリンクでチャネル変更を行う場合に、必ずノンプライマリーリンクのチャネル変更を行う必要があり得る。
【0375】
仮に、NSTR AP MLDとMLセットアップ(すなわちプライマリー及びノンプライマリーリンクを用いてMLセットアップ)を行ったnon-AP STA MLDが、ノンプライマリーリンクのチャネル変更を行わないように決定した場合に、前記non-AP STA MLDは、NSTR AP MLDとのMLセットアップを終了(解除或いは変更)し、プライマリーリンクでのみ、セットアップされた状態に変更(解除後にセットアップ或いは再セットアップ(resetup)によって)する必要があり得る。
【0376】
図28は、本発明の一実施例に係る、NSTR Soft AP MLDがノンプライマリーにクワイエットインターバルを設定(定義)する過程の一例を示す。
【0377】
図28を参照すると、NSTR AP MLDは、プライマリーリンクとノンプライマリーリンクにそれぞれAP1とAP2を運用し、Non-AP STA MLDのSTA1、STA2とそれぞれ結合している。
【0378】
NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクにクワイエットインターバル(
図18のQuiet interval#1)を設定(定義)するために、プライマリーリンクのAP1を介して送信するビーコンフレームにAP2に対応するPer-STAプロファイルを含めて送信できる。前記AP2に対応するPer-STAプロファイルは、Quiet要素を含み、クワイエットインターバル(
図18のQuiet interval#1)が始まる時点と関連した情報をQuiet Count及びQuietオフセットフィールドで指示する。前記Quiet要素は、
図18に示すプライマリーリンクの一番目のビーコンフレーム(
図28のBeacon#1)に含まれたとき、Quiet Countフィールドが2、Quietオフセットフィールドが「x」TU(Time Unit,1024us)を指示する値に設定され、二番目のビーコンフレーム(
図18のBeacon#2)では、Quiet Countフィールドが1に設定される。
【0379】
プライマリーリンクで一番目及び/又は二番目のビーコンフレームを受信したnon-AP STA MLDは、ビーコンフレームのPer-STAプロファイル(AP2に対応する)に含まれたQuiet要素を確認することによって、ノンプライマリーリンクにクワイエットインターバルが設定(AP MLDから公表)され、三番目のビーコンフレームに対応するTBTTから「x」TUが経過した時点から前記クワイエットインターバル(
図28のQuiet interval#1)が始まることが認知できる。
【0380】
図28に示すように、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクに次のクワイエットインターバル(
図28のQuiet interval#2)をさらに設定(定義)するために、プライマリーリンクのAP1を介して送信するビーコンフレームに、再びAP2に対応するPer-STAプロファイルを含めて送信できる。
図28に示すプライマリーリンクの六番目のビーコンフレーム(
図28のBeacon#6)は、Quiet Countフィールドが2、Quietオフセットフィールドが0TU(Time Unit,1024us)を指示する値に設定され、七番目のビーコンフレーム(
図28のBeacon#7)では、Quiet Countフィールドが1に設定される。
【0381】
プライマリーリンクでし六番目及び/又は七番目のビーコンフレームを受信したnon-AP STA MLDは、ビーコンフレームのPer-STAプロファイル(AP2に対応する)に含まれたQuiet要素を確認することによって、ノンプライマリーリンクにクワイエットインターバル(Quiet interval#2)が設定(AP MLDから公表)され、八番目のビーコンフレームに対応するTBTTから前記クワイエットインターバル(Quiet interval#2)が始まることが認知できる。
【0382】
このとき、クワイエットインターバルの長さに関する情報は、Quiet要素で共に指示されたQuiet Durationフィールドで指示される。
【0383】
図29は、本発明の一実施例に係る、NSTR Soft AP MLDがノンプライマリーのチャネル変更(Channel Switch)を行う方法の一例を示す。
【0384】
図29を参照すると、NSTR AP MLDは、プライマリーリンクとノンプライマリーリンクにそれぞれAP1とAP2を運用し、Non-AP STA MLDのSTA1、STA2とそれぞれ結合している。
【0385】
NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクを新しいチャネルに変更するために、プライマリーリンクのAP1を介して送信するビーコンフレームに、AP2(ノンプライマリーリンク)に対応するPer-STAプロファイルを含めて送信できる。前記AP2に対応するPer-STAプロファイルは、(Extended)Channel Switch Announcement要素とMax Channel Switch Time要素を含み、チャネル変更が始まる時点及びチャネル変更以後の新しいチャネルでTIMフレームが送信される時間区間に関連した情報を指示する。前記(Extended)Channel Switch Announcement要素は、
図19に示すプライマリーリンクの一番目のビーコンフレーム(
図19のBeacon#1)に含まれたとき、Channel Switch Countフィールドが2に設定され、二番目のビーコンフレーム(
図19のBeacon#2)では1に設定される。
【0386】
プライマリーリンクで一番目及び/又は二番目のビーコンフレームを受信したnon-AP STA MLDは、ビーコンフレームのPer-STAプロファイル(AP2に対応する)に含まれた(Extended)Channel Switch Announcement要素を確認することによって、ノンプライマリーリンクのチャネル変更(新しいチャネルへの)が二番目のビーコンフレームを受信した後に始まり、新しいチャネルでAP2のTIMフレームが前記二番目のビーコンフレームが受信された時点から「x」TU以内に受信されることが認知できる。このとき、前記新しいチャネルは、(Extended)Channel Switch Announcement要素に含まれたNew Channel Numberフィールドで指示された値に対応するチャネルであってよい。このとき、前記「x」TUは、前記Per-STAプロファイル(AP2に対応する)に含まれたMax Channel Switch Time要素に含まれたSwitch Timeフィールドで指示された時間値であってよい。
【0387】
<NSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDの動作制限>
【0388】
NSTR AP MLDは、プライマリーリンクとノンプライマリーリンクがNSTRリンク対であるAP MLDである。したがって、プライマリーリンクのAPを介してPPDU送信を行う途中にはノンプライマリーリンクのAPがBLIND状態になってよく、逆に、ノンプライマリーリンクのAPが送信を行うと、プライマリーリンクのAPがBLIND状態になってよい。この場合、BLIND状態を経たNSTR AP MLDのAPは、MediumSyncDelayを予め設定された値に設定する必要があり得る。
【0389】
MediumSyncDelayは、STAのEDCAF(EDCA Function)に共通に適用される単一(single)タイマーであり、MediumSyncDelayが0でない時には、当該STAがTXOPを取得する上で追加の制約が適用されてよい。このとき、前記追加の制約は、(1)TXOPを得るために試みる最初の送信がRTSフレームでなければならなく、(2)MediumSyncDelayが適用される間に(0に減少するまで)予め設定された回数以下のTXOP取得を試みることのみが許容され、(3)MediumSyncDelayが0である時よりも厳格な(より低い:例えば、-72dBm~-62dBm)CCA ED(energy detection)閾値を活用すること、であってよい。すなわち、MediumSyncDelayが0でない値であるSTAは、MediumSyncDelayが0であるSTAに比べてTXOP取得において多くの制約が適用される。
【0390】
したがって、NSTR AP MLDの場合にも、APがBLIND状態を経たとき、MediumSyncDelayを適用しなければならず、APのチャネルアクセスが制限された状況ではBSSのSTAに正常のサービスを提供し難いことがあり得る。NSTR AP MLDは、自分がAPを運用するNSTRリンク対のリンクのうち一つをプライマリーリンクと決定することにより、プライマリーリンクがBLIND状態にならない方式でノンプライマリーリンク(プライマリーリンクでない他のリンク)で行う送信を管理することができる。一例として、NSTR AP MLDは、プライマリーリンクで送信を行う途中である時にのみノンプライマリーリンクで送信を行うことにより、プライマリーリンクがBLIND状態にならないように管理できる。このような目的で、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPを介して応答(Response)フレームを要請するフレームを受信しても、要請された応答(Response)フレームを応答しなくてよい。すなわち、NSTR AP MLDは、ノンプライマリーリンクのAPを介して応答フレームを要請するフレームを受信した場合にも、応答フレームを応答しない動作を行うことができる。このとき、NSTR AP MLDがノンプライマリーリンクのAPを介して応答フレームを応答しない理由は、プライマリーリンクのAPがBLIND状態にならないようにするためであり得る。
【0391】
上述したように、NSTR AP MLDは、プライマリーリンクを設定し、プライマリーリンクのAPがBLIND状態にならないようにするために、プライマリーリンク及び/又はノンプライマリーリンクで動作するAPの動作(送信)を管理できる。同様に、NSTR AP MLDと結合したnon-AP STA MLDは、NSTR AP MLDのプライマリーリンク管理方法を理解して動作する必要があり得る。一例として、non-AP STA MLDが、NSTR AP MLDからノンプライマリーリンクで応答フレームが応答されないことを認知する場合に、ノンプライマリーリンクで応答フレームの応答を要請するフレームを送信しなくてよい。また、non-AP STA MLDは、自分がノンプライマリーリンクで応答フレームの応答を要請するフレームを送信した後、NSTR AP MLDから応答フレームの応答を受信できなかった場合に、前記応答フレームの応答を要請するフレームを再送信しなくてよい。一例として、non-AP STA MLDは、ノンプライマリーリンクでNSTR AP MLDにRTSフレームを送信し、CTSフレーム応答を受信できなかった場合に、RTSフレームを再送信しなくてよい。このとき、Non-AP MLDは、ノンプライマリーリンクでトリガー(Trigger)フレームを受信するまで、NSTR AP MLDにノンプライマリーリンクで送信を試みなくてよい。
【0392】
また、non-AP MLDは、UL送信を行うためにノンプライマリーリンクのチャネルアクセス手順を完了しても、プライマリーリンクでチャネルアクセス手順を完了するまで、ノンプライマリーリンクで行う送信を猶予することができる。このとき、non-AP MLDがノンプライマリーリンクで行う送信を猶予する方法は、ノンプライマリーリンクのSTA(より正確には、STAのEDCAF)が行うバックオフ手順を、プライマリーリンクのSTAが行うバックオフ手順が完了するまで中止することであってよい。このとき、non-AP MLDがノンプライマリーリンクのSTAが行うバックオフ手順を中止する方法は、バックオフカウンター(Backoff counter)が0である状態に維持することであってよい。
【0393】
上述したような方法により、プライマリーリンクとノンプライマリーリンクの両方でチャネルアクセス手順を完了したnon-AP STA MLDは、プライマリーリンクとノンプライマリーリンクで同時送信(同時UL PPDU送信)を行うことができる。このとき、前記「同時送信」とは、各送信が始まった時刻が、予め設定された時間間隔以内であることを意味する。ただし、プライマリーリンクのチャネルアクセス手順のみが完了し、ノンプライマリーリンクのチャネルアクセス手順がまだ完了していない場合には、non-AP MLDがプライマリーリンクでのみPPDU送信を始めたり、或いはノンプライマリーリンクのチャネルアクセス手順が完了した時に同時送信を始めることができる。すなわち、non-AP MLDは、NSTR AP MLDに送信を行うとき、プライマリーリンクのみを用いた送信を行ったり、或いはプライマリーリンクとノンプライマリーリンクを用いた同時送信を行うことができる。ただし、non-AP MLDがノンプライマリーリンクのみを用いてNSTR AP MLDにPPDU送信を行うことは許容されなくてよい。
【0394】
また、non-AP MLDは、NSTR AP MLDに、プライマリーリンクとノンプライマリーリンクを共に用いてUL送信を行う時に、両リンクで行う送信の終了時点を一致させる必要があり得る。このとき、送信の終了時点を一致させるということは、両リンクで行った送信が予め設定された時間間隔内に共に終了することを意味できる。
【0395】
また、non-AP MLDは、NSTR AP MLDにプライマリーリンクとノンプライマリーリンクを共に用いてUL送信を行う時に、両リンクで送信したPPDUが応答フレームを要請するか否かを同一に設定する必要があり得る。さらにいうと、non-AP MLDがプライマリーリンクとノンプライマリーリンクで同時に送信した2つのUL PPDUは、両方とも応答フレームの応答を要請したり、或いは両方とも応答フレームの応答を要請しなくてはならいない必要があり得る。これは、non-AP MLDがプライマリーリンクとノンプライマリーリンクを共に用いて行ったUL送信の結果として特定リンクでのみ応答フレームが応答される場合に、NSTR AP MLDの他のリンクで動作するAPがBLIND状態になり得ることから適用される制限であり得る。ただし、NSTR AP MLDは、同時に受信が完了した2つのPPDU(それぞれ、プライマリーリンクとノンプライマリーリンクで受信された)のうち一つのみが、応答フレーム応答を要請するPPDUである場合に、2つのPPDUの全てに対する応答フレーム応答を行わなくてよい。
【0396】
また、non-AP MLDは、NSTR AP MLDに、プライマリーリンクとノンプライマリーリンクを共に用いて送信を行う時に、ノンプライマリーリンクのTXOPがプライマリーリンクのTXOPと同一に終了したり、或いはより早く終了するように設定する必要があり得る。言い換えると、non-AP MLDは、ノンプライマリーリンクのTXOPがプライマリーリンクのTXOPと同時に終了したり、或いはより早く終了するように設定する必要があり得る。ただし、non-AP STA MLDのノンプライマリーリンクTXOPは、プライマリーリンクのTXOPよりも、予め設定された時間間隔以内の時点だけより遅く終了するように許容されてよい。
【0397】
また、non-AP STA MLDは、NSTR AP MLDが特定リンクのAPにBLIND状態を経験したことを認知し、APの動作を助ける(Assist)ことができる。さらにいうと、non-AP STA MLDは、NSTR AP MLDがプライマリーリンクとノンプライマリーリンクのうち一つのリンクでのみ送信を行ったことを認知したとき、送信を行わなかった他のリンクのAPがBLIND状態を経験したはずであることが分かる。この場合、non-AP STA MLDは、前記BLIND状態を経験したAPが0でないMediumSyncDelayによってチャネルアクセスに制限を受けることを考慮して、前記APがMediumSyncDelayを解除(0にreset)できるように助ける動作を行うことができる。このとき、non-AP STA MLDが行う動作は、MediumSyncDelayが、NAV設定が可能なPPDU(有効なMPDUを含む)が受信した時に解除され得るとの特性を用いた動作であってよい。
【0398】
一例として、non-AP STA MLDは、BLIND状態を経た後、0でないMediumSyncDelayを有するはずであると判断されるNSTR AP MLDのAPに、NAV設定が可能なAssistフレーム(一種のPPDU)を送信できる。このとき、前記Assistフレームは、フレームフォーマットに関係なく、NAV設定が可能な有効なMPDUに含まれるフレームを意味するものであってよい。このとき、non-AP STA MLDが特定リンクでNSTR AP MLDにAssistフレームを送信する条件は、non-AP STA MLDが確認した前記特定リンクの状態がIDLE状態である時へと制限されることであってよい。このとき、non-AP STA MLDがNSTR AP MLDにAssistフレームを送信する他の条件は、前記non-AP STA MLDがNSTR AP MLDから、Assistフレームを送信することを明示的或いは暗示的に要請(指示)されたnon-AP STA MLDである場合に制限されることであってよい。
【0399】
<6GHz帯域と関連したML発見(Discovery)(MLO(Multi-Link Operation) Discovery)及びMLセットアップ(Association)手順>
【0400】
6世帯Wi-Fi以前のWi-Fiは、2.4GHzと5GHzでの動作を支援したし、最近にISM帯域に組み入れられた6GHz帯域は、HE端末(AP STA、non-AP STA)が最初に使用するようになったWi-Fi周波数帯域(非免許帯域)である。HE端末に対する標準化を進行したIEEE 802.11ax TG(Task Group)は、6GHz帯域で運用される従来Wi-Fi端末(6世代Wi-Fi以前の端末)がないということを考慮して、6GHz帯域で運用されるHE STA(AP STA、non-AP STA)が以前世代Wi-Fi端末に対する下位互換動作を行わないように規定した。より具体的には、6GHzで動作するHE STAがHT能力要素(Capabilities element)、VHT能力要素、HT動作要素(Operation element)、VHT動作要素、及び/又はVHT動作情報フィールドを含むHE動作要素を送信しないように制限することによって、6世帯Wi-Fi以前の端末に対する支援を排除し、ビーコンフレーム(Beacon frame)などに含まれた情報を減らしてオーバーヘッドを低減するように規定した。
【0401】
すなわち、特定帯域(例えば、6GHz帯域)で動作するAP及び/又はnon-AP STAは、レガシーフォーマットの能力要素及び/又は動作要素(例えば、HT能力要素、VHT能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、及び/又はVHT動作情報フィールドを含むHE動作要素など)を送信することができない。
【0402】
本発明のさらに他の実施例において、AP及び/又はnon-AP STAが特定帯域で動作することで、自分の2.4GHz/5GHzに対する能力要素及び動作要素であるHT能力要素、VHT能力要素、HT動作要素及び/又はVHT動作要素を送信しない場合に、AP及び/又はnon-AP STAは、自分に関する情報の他、同一MLDに含まれる他のAP及び/又はnon-AP STAに関する情報も共に送信できる。この時、他のAP及び/又はnon-AP STAに関する情報は、特定帯域以外の他の帯域(例えば、2.4GHz/5GHz)に対する能力要素及び動作要素を含んでよい。すなわち、AP及び/又はnon-AP STAは、複数個のSTAのそれぞれが動作する帯域に対する能力要素及び/又は動作情報を送信でき、複数個のSTAのそれぞれが動作しない帯域に対する能力要素及び/又は動作情報は送信できない。
【0403】
すなわち、6GHzで運用されるHE APが送信するビーコンフレーム及び6GHzでセットアップ(Setup)を行うnon-AP STAが送信した結合要請フレームなどには、HT及びVHT STA(AP及びnon-AP STA)として動作する時の能力及び動作情報が含まれることがない。6GHzで動作するHE STAは、6GHz帯域で動作する他のHT/VHT STAが存在しないため、HT/VHT STAとして動作する必要がなく、したがって、上述したHT/VHT STA動作の能力及び動作情報は不要な情報であり得る。このような理由から、11ax標準では、6GHzで運用されるHE STA(AP STA及びnon-AP STA)がHT能力要素、VHT能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、VHT動作情報フィールドを含むHE動作要素を送信しないように制限したし、HE STAの動作を継承するEHT STA(MLD)にも同じ制限が適用されてよい。
【0404】
言い換えると、6GHz帯域で動作するSTAは、HT能力要素、VHT能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、又はVHT動作情報フィールドを含むHE動作要素は送信できない。すなわち、6GHz帯域で動作するSTAは、自分の能力及び動作に対するパラメータを提供するために特定レガシーフォーマットの能力/動作要素を送信しなくてよい。
【0405】
ただし、この場合、6GHzで動作するSTAは、他のSTAの情報を含む基本多重リンク要素(Basic Multi-Link element)を送信できる。このとき、基本多重リンク要素は、6GHzで動作するSTAによって報告される他のSTAsに対する能力要素及び/又は動作要素を含むSTA Profileフィールドを含んでよい。6GHzで動作するSTAによって報告されるSTAは、2.4GHz又は5GHz帯域で動作でき、STA Profileフィールドは、報告されるSTAに対応するPer-STAプロファイルサブ要素(subelement)に含まれてよい。
【0406】
しかし、前述した本発明の実施例で考慮しているように、MLDであるEHT STAは、自分に関する情報だけでなく、同一MLD内の他のSTA(他のリンクで運用される)に関する情報を、ビーコンフレーム及び(ML)プローブ応答フレーム、結合要請フレーム及び/又は結合応答フレームに含めて送信することによってMLセットアップを行わなければならない。言い換えると、AP MLDのAPのうち、6GHzで運用されるAPは、2.4GHz及び5GHzで運用される他のAPに関する情報を提供するために、(ML)プローブ応答フレーム、結合応答フレームで2.4GHz及び5GHz APのHT/VHT能力/動作要素を指示しなければならず、したがって、11axにおいて6GHz STA(AP STA、non-AP STA)がHT/VHT関連要素(element)を指示できないと規定した制限が修正される必要がある。このとき、(ML)プローブ応答フレームは、MLプローブ要請フレームに対する応答として送信される応答フレームを意味できる。
【0407】
後述する本発明の説明では、2.4GHz/5GHz/6GHzで運用されるAPをそれぞれ、2.4GHz AP、5GHz AP、6GHz APと記述し、2.4GHz/5GHz/6GHzでMLセットアップを行う(試みる)STAをそれぞれ、2.4GHz STA、5GHz STA、6GHz STA(non-AP STA)と記述しするものとする。
【0408】
本発明の一実施例によれば、EHT MLDの6GHz AP/STA(reporting STA)は、同一MLDの2.4GHz及び5GHz STA(報告される(reported)STA)に対するHT能力要素、VHT能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、VHT動作情報フィールドを含むHE動作要素を送信できる。このとき、6GHz AP/STAが2.4GHz及び5GHz STA(reported STAであるAP STA、non-AP STA)に対するHT/VHT関連情報を含み得るフレームは、管理フレームであってよい。このとき、6GHz AP/STAは、管理フレームにおいて2.4GHz及び5GHz AP/STAに対するHT/VHT関連情報をML IE(Multi-Link情報要素)に含めてよい。このとき、6GHz AP/STAは、管理フレームにおいて2.4GHz及び5GHz AP/STAに対するHT/VHT関連情報を、各STAに対応するPer-STAプロファイルサブ要素に含めてよい。
【0409】
或いは、6GHz AP/STAは、管理フレームのML IEで指示される共通(common)情報として、2.4GHz及び5GHz STA(reported STA)に対するHT/VHT能力/動作要素を含めることができる。
【0410】
より具体的には、EHT AP MLDの6GHz APが2.4GHz及び/又は5GHz APを含むMLセットアップを実行(承諾、accept)するために送信する(再)結合応答フレームは、HT/VHT能力/動作要素を含んでよい。
【0411】
同様に、EHT non-AP MLDの6GHz STAが2.4GHz及び/又は5GHz STAを含むMLセットアップを実行(要請、要請)するために送信する(再)結合要請フレームは、HT/VHT能力/動作要素を含んでよい。
【0412】
すなわち、6GHz STA(MLDの)は、同一MLDの2.4GHz及び/又は5GHz STAを含むMLセットアップを試みる場合に限って、(再)結合要請フレームにHT/VHT能力/動作要素を含めて送信できる。
【0413】
言い換えると、6GHz AP(MLDの)は、同一MLDの2.4GHz及び/又は5GHz APを含むMLセットアップを行う場合に限って、再)結合応答フレームにHT/VHT能力/動作要素を含めて送信できる。
【0414】
例えば、MLDを構成するAP又はnon-AP STAはそれぞれ、様々な帯域(6GHz、2.4GHz、又は5GHz)で動作できる。このとき、non-AP STAを含むMLD(第1MLD)は、APを含むMLD(第2MLD)と多重リンク設定のためにフレームを送受信できる。この時、第1MLDに含まれた6GHzで動作するSTA(第1STA)は、多重リンク設定のために結合要請フレーム(又は、再結合要請フレーム)を送信でき、第2MLDに含まれた6GHzで動作するAP(第1AP)は、結合要請フレーム(又は、再結合要請フレーム)に対する応答として結合応答フレーム(又は、再結合応答フレーム)を送信できる。
【0415】
第1STAは、結合要請メッセージに、自分に関する情報及び同一MLDに含まれた他のSTAに関する情報(例えば、マルチリンク情報(又は、要素)など)を含めて送信できる。
【0416】
結合要請メッセージに含まれる第1STAに関する情報は、6GHzに関する情報(例えば、HE能力情報、HE動作情報、EHT能力情報、及び/又はEHT動作情報)であってよい。しかし、結合要請メッセージは、6GHz帯域でない他の帯域(例えば、2.4GHz又は5GHz)に対する第1STAの情報(例えば、HT能力要素、VHT能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、又はVHT動作情報フィールドを含むHE動作要素など)は含まない。すなわち、第1STAは、自分が動作する帯域以外の帯域に関する情報は送信できない。
【0417】
結合要請メッセージに含まれる他のSTAに関する情報(例えば、マルチリンク情報(又は、要素)など)は、他のSTAのそれぞれが動作する帯域(例えば、2.4GHz又は5GHz)に関する情報(例えば、HT能力要素、VHT能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、又はVHT動作情報フィールドを含むHE動作要素など)を含んでよい。
【0418】
このとき、他のSTAに関する情報は、各STAに対応するPer-STAプロファイルサブ要素に含まれてよい。
【0419】
また、結合要請メッセージのマルチリンク情報(又は、マルチリンク要素)は、報告されるSTAのそれぞれに対応するPer-STAプロファイルサブ要素(subelement)を含むマルチリンク要素(Multi-Link element)を含んでよく、Per-STAプロファイルサブ要素は、報告される少なくとも一つのステーションのうち対応するステーションに対する全ての情報の要請であるか否かを示すコンプリートプロファイルサブフィールド(Complete Profile subfield)を含んでよい。
【0420】
このとき、コンプリートプロファイルサブフィールドが全ての情報の要請を示す値又は特定値(例えば、「1」)に設定される場合に、コンプリートプロファイルサブフィールドに対応するSTAの全ての情報がマルチリンク要素に含まれてよい。又は、コンプリートプロファイルは、対応するPer-STAプロファイルが当該STAの完全な情報(complete information)を含んでいるか否かを指示できる。
【0421】
第1APは、結合応答メッセージに自分に関する情報及び同一MLDに含まれた他のAPに関する情報(例えば、マルチリンク情報(又は、要素)など)を含めて送信できる。
【0422】
結合応答メッセージに含まれる第1APに関する情報は、6GHzに関する情報(例えば、HE能力情報、HE動作情報、EHT能力情報、及び/又はEHT動作情報)であってよい。しかし、結合応答メッセージは、6GHz帯域でない他の帯域(例えば、2.4GHz又は5GHz)に関する第1APの情報(例えば、HT能力要素、VHT能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、又はVHT動作情報フィールドを含むHE動作要素など)は含まない。すなわち、第1APは、自分が動作する帯域以外の帯域に関する情報は送信できない。
【0423】
結合要請メッセージに含まれる他のAPに関する情報(例えば、マルチリンク情報(又は、要素)など)は、他のSTAのそれぞれが動作する帯域(例えば、2.4GHz又は5GHz)に関する情報(例えば、HT能力要素、VHT能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、又はVHT動作情報フィールドを含むHE動作要素など)を含んでよい。
【0424】
さらに、6GHz AP(MLDの)は、MLプローブ応答フレームに、上述の結合要請フレーム又は結合応答フレームと同一にHT/VHT能力/動作要素を含めて送信することが可能である。このとき、6GHz APがMLプローブ応答フレームにHT/VHT関連情報を含めて送信(応答)する条件は、受信したプローブ要請フレームが、マルチリンク要素(プローブ要請バリアントな(variant))を含むことであってよい。このとき、マルチリンク要素を含むプローブ要請フレームはMLプローブ要請(フレーム)であると考慮されてよい。
【0425】
6GHz APがHT/VHT能力要素及び/又はHT/VHT動作要素を含むMLプローブ応答フレームを送信(応答)するさらに具体的な条件は、受信したMLプローブ要請フレームがマルチリンク要素を含み、2.4GHz及び/又は5GHz APに対する完全な(complete)情報或いはHE/VHT能力/動作要素情報を要請することであってよい。
【0426】
図30は、特定帯域幅で動作するステーションが送信するプローブ要請フレーム(Probe Request frame)、結合要請フレーム(Association Request frame)及び結合応答フレーム(Association Response frame)の一例を示す。
【0427】
図30を参照すると、6GHz APは、(ML)プローブ応答フレームのML IEにおいてHT/VHT能力要素とHT/VHT動作要素を送信できる。このとき、前記HT/VHT能力/動作要素は、6GHz APの所属したMLDが運用する2.4GHz及び5GHz APに対する要素であってよい。
【0428】
すなわち、6GHz帯域運営規定によって、6GHz APがHT/VHT関連要素を送信することが制限されているが、AP MLDのSTAである6GHz APは、2.4GHz APと5GHz APに対する完全な情報を指示するための目的で6GHz帯域でHT/VHT関連要素を含む(ML)プローブ応答フレームを送信できる。
【0429】
また、6GHz帯域で(再)結合要請/応答フレームを送信するnon-AP MLDのSTA及びAP MLDのAPも、目的によって6GHz帯域でHT/VHT関連要素を含む(再)結合Req/Respフレームを送信できる。
【0430】
6GHz STAが(再)結合要請フレームにHT/VHT関連要素を含めて送信することは、6GHzで送信する(再)結合要請フレームを用いて6GHz及び2.4/5GHzで同時にMLセットアップを行う意図を有する場合に行われてよい。
【0431】
6GHz APが(再)結合応答フレームにHT/VHT関連要素を含めて送信することは、non-AP STAが6GHz帯域で(再)結合要請フレームを送信したし、前記non-AP STAのMLセットアップ要請を受諾して、2.4GHz及び/又は5GHzにもセットアップを行う意図を有する場合に限って行われてよい。
【0432】
他の方法として、6GHz STA(AP STA、non-AP STA)が6GHz帯域で送信するフレームにHT/VHT能力/動作要素を含めることができないように制限する方法があり得る。
【0433】
この場合、6GHz APは、2.4GHz及び/又は5GHz APの情報(Per-STA Profile)を含むMLプローブ応答フレーム及び2.4GHz及び/又は5GHz APのセットアップを承諾するML結合応答フレームを送信する時にもHT/VHT能力/動作要素を含めないことが可能である。したがって、6GHz APを介して2.4GHz及び5GHzを含むMLセットアップを行おうとするnon-AP MLDは、2.4GHz及び/又は5GHz APに対する追加情報(HT/VHT関連要素に含まれた)を取得するために、2.4GHz AP或いは5GHz APにMLプローブ要請フレームを送信する必要があり得る。
【0434】
6GHzではHT/VHT関連要素を送信/取得できないという制限を考慮して、6GHz APにML結合要請フレームを送信しようとするnon-AP EHT MLDは、事前に2.4GHz或いは5GHzでセットアップしようとするAPの完全な(或いは、HT/VHT関連要素)情報を含むMLプローブ応答フレームを受信する必要があり得る。すなわち、6GHz APにML結合要請フレームを送信して2.4GHz及び/又は5GHz APと同時にMLセットアップを行おうとするnon-AP EHT MLDは、2.4GHz又は5GHzでMLプローブ要請フレームを送信し、2.4GHz及び/又は5GHz APに対する完全な情報(或いは、HT/VHT関連要素)を、セットアップを行う前或いはセットアップを完了した後に取得する必要があり得る。
【0435】
また、non-AP MLDは、6GHzでMLセットアップを完了した後、セットアップの行われた2.4GHzリンク及び5GHzリンクで運用するSTA(2.4GHz STA及び5GHz STA)の完全な情報(或いは、HT/VHT関連要素)をAP MLDに送信する必要があり得る。このとき、non-AP MLDは、セットアップの行われた2.4/5GHz STAの要素を送信するために、結合後に初めて送信するPPDUで2.4/5GHz STAのHT/VHT能力/動作要素を送信できる。
【0436】
図31は、本発明の一実施例に係る、HT(High Throughput)/VHT(Very High Throughput)関連要素情報を、特定帯域幅でない他のリンクで交換して多重リンク設定を行う方法の一例を示す。
【0437】
図31を参照すると、AP MLDは、2.4GHz/5GHz/6GHzにそれぞれAP1~AP3を運用できる。6GHz APであるAP3のビーコンフレームを受信したnon-AP MLDは、AP MLDと6GHz帯域を用いて(再)結合Req/Resフレームを交換することによってMLセットアップを行おうとすることがある。
【0438】
この場合、Non-AP MLDは、2.4GHz AP及び5GHz APを含むMLセットアップを試みようと意図することができ、そのために、6GHzで結合要請フレームを送信する前に5GHzでMLプローブ要請フレームを5GHz APに送信することができる。このとき、non-AP MLDが5GHz帯域で送信するMLプローブ要請フレームは、MLセットアップを行おうとするAPのうち2.4GHz AP及び5GHz APに対する完全な情報(或いは、HT/VHT関連要素)を要請するMLプローブ要請フレームであってよい。
【0439】
5GHz APからMLプローブ応答フレームを受信したnon-AP MLDは、6GHz STAを介して、6GHz APに2.4GHz/5GHzを含むMLセットアップを要請する結合要請フレームを送信できる。一般的にMLセットアップを要請するリンクのSTAに対する完全な情報が結合要請フレームに含まれるべきであるが、6GHz STAが送信する結合要請フレームは、2.4GHz及び5GHz STAに対するHT/VHT能力/動作要素が含まれないことがある。同様に、一般的に2.4GHz及び/又は5GHzに対するセットアップを受諾するために送信(応答)される結合応答フレームは、MLセットアップを受諾するリンクのAPに対する完全な情報が含まれるべきであるが、6GHz APが送信する結合応答フレームは、2.4GHz及び5GHz APに対するHT/VHT能力/動作要素が含まれないことがある。
【0440】
このように、2.4/5GHzに対するHT/VHT要素を含まない結合要請/応答フレームを用いて2.4GHz及び/又は5GHzでAP MLDとのセットアップを行ったnon-AP MLDは、結合応答フレームを受信した後に送信する最初のPPDUを用いて、セットアップが行われた2.4/5GHz STAに対するHT/VHT能力/動作要素をAP MLDに送信することができる。
【0441】
<管理フレームの構成及び継承(inheritance)規則>
【0442】
同一MLDに含まれたEHT STA(AP STA、non-AP STA)は、たとえ異なるリンクで運用されても、類似の能力及び動作パラメータを含む可能性が大きい。したがって、管理フレーム(ビーコン、(ML)プローブReq/Resp、(ML)結合Req/Respフレームなど)を送信するSTA(reporting STA)の一部の要素は、MLD内の他のSTA(reported STA)の一部の要素と同じ情報を含み得る。
【0443】
前述した本発明の実施例で考慮したように、EHT STA(reporting STA)は、同一MLD内の他のSTA(reported STA)の完全な情報を管理フレームに含めて送信でき、MLDが複数のSTAを運用できるということを考慮すれば、各STAの完全な情報が全て含まれた管理フレームは多くのオーバーヘッドを誘発する可能性がある。
【0444】
したがって、MLD内の他のSTAに対する完全な情報をPer-STAプロファイルサブ要素に含む管理フレームは、reporting STAの要素と同じ情報を含むreporting STAの要素が省略されてよい。すなわち、特定STA(reported STA)に対する完全な情報を含む管理フレームにおいて、前記特定STAと対応するPer-STAプロファイルサブ要素に一部の要素が指示されていない場合に、前記指示されない一部の要素は、管理フレームを送信したSTA(reporting AP)に対応する同じ要素(前記一部の要素と同じ要素)の情報がそのまま継承(inheritance)されたものと解析されてよい。このとき、「前記特定STA(reported STA)に対する完全な情報を含む管理フレーム」とは、管理フレームを送信したSTA(reporting STA)と同じレベル(同じ量)の情報が含まれた管理フレームを意味できる。この時、継承規則を用いてPer-STAプロファイルサブ要素を解析することは、当該Per-STAプロファイルが完全なプロファイル(complete profile)である場合に限って行われてよい。このとき、「Per-STAプロファイルが完全なプロファイル(complete profile)である」とは、Per-STAプロファイルサブ要素のComplete Profileサブフィールドが1として指示されたことを意味できる。
【0445】
このように、MLDのSTAは、MLD内の他のSTAに対する完全な情報を管理フレームに含みながらも、管理フレームのサイズを減らすための目的で継承規則を用いて管理フレームを構成することができる。また、MLDのSTAから管理フレームを受信したMLDは、継承規則を用いて、省略されたreported STAの情報を取得(解析、認知)することが可能である。
【0446】
このとき、管理フレームに各reported STAの完全な(Complete)情報が含まれたか否かは、各reported STAに対応するPer-STAプロファイルサブ要素において、Complete Profileサブフィールド(STA Controlフィールドの)が1と示されているか否かで指示されてよい。すなわち、Complete Profileサブフィールドが1と指示されたPer-STAプロファイルに対応するreported STAは、当該管理フレームで完全な(Complete)情報が指示されるSTAであってよい。
【0447】
<管理フレームにおいてreporting STAの要素として指示されていない要素に適用される継承規則>
【0448】
管理フレームを送信するreporting STAが特定要素情報を有しない場合があり得る。例えば、reporting STAが6GHz STA(AP STA、non-AP STA)である場合に、reporting STAである6GHz STAはHT/VHT関連要素を有しなくてもよい。この場合、2.4GHz及び5GHz STAに対する完全な(Complete)情報が当該管理フレームに含まれるべき場合に、2.4GHz及び5GHz STAに対して指示されるべきHT/VHT関連情報(HT/VHT能力/動作要素)を継承規則を用いて指示/解析できない。これは、reporting STAである6GHz STAがHT/VHT関連情報を有しないためであり、したがって、6GHz STAがreporting STAである管理フレームは、reported STAのみに対して指示される要素に対して継承規則を適用できない。すなわち、6GHz STAが送信する管理フレームに、複数の2.4GHz及び5GHz STAの完全な情報が指示されるべき場合に、前記複数のreported STA(2.4/5GHz STA)がいずれも同一のHT/VHT能力/動作要素値を有しても、各要素は各reported STAに対応するPer-STAプロファイルで反復して指示される必要があり得る。これは、管理フレームを送信するreporting STAが特定要素に関する情報を含まない場合に管理フレームでの継承規則活用が制限され得ることを意味し、結果的に管理フレームのサイズが増加することににつながり得る。
【0449】
したがって、reporting STAに対して指示されていない要素は継承規則が適用不可であるとの限界によって、管理フレームのサイズが大きくなることを防止するための新しい継承規則が必要であり得る。
【0450】
本発明の一実施例によれば、管理フレーム(例えば、ビーコン、(ML)プローブ応答、(ML)結合要請、(ML)結合応答フレームなど)によって指示されるreported STAの情報(要素など)は、reporting STAに関する情報でない他の情報を継承することが可能である。
【0451】
さらにいうと、管理フレームが特定reported STAに対する完全な情報を含むものとして指示されたが、前記特定reported STAに対応する特定要素が指示されなかった場合には、前記特定要素はreporting STAの要素ではんく他の要素を継承したものと考慮されてよい。このとき、前記特定要素がreporting STAの要素ではなく他の要素を継承したものと考慮される条件は、前記特定要素がreporting STAに対して(当該管理フレームに)指示されていない(含まれていない)ことであってよい。このとき、reported STAの情報が、reporting STAの要素ではなく他の要素を継承するものと指示/解析する方法は、reporting STAが6GHz STAである場合に限って適用されてよい。
【0452】
本発明の一実施例によれば、完全な(complete)情報(profile)が指示されるreported STAの特定要素が管理フレームで指示されていない場合に、前記管理フレームで指示された前記特定要素と同一の要素(要素IDとExtended要素IDとが同じ)の値がreported STAの特定要素に同一に適用(指示)されたと考慮されてよい。このとき、reported STAの特定要素として継承される前記同一の要素は、reporting STAに対する要素でなくてもよい。
【0453】
すなわち、reported STAに対する特定要素として継承される同一の要素(前記特定要素と同じ要素ID及びExtended要素IDを有する)は、reporting STAに対する要素でなくてよい。
【0454】
すなわち、reported STAに対する特定要素として継承される同一の要素(前記特定要素と同じ要素ID及びExtended要素IDを有する)は、他のreported STAに対する要素であってよい。このような方法により、6GHz STAがreporting STAである管理フレームにおいて、6GHz STAに対するHT/VHT能力/動作要素が指示されなくとも、reported STAのPer-STAサブ要素で指示されたHT/VHT要素が他のreported STAに継承されてよい。
【0455】
又は、reported STAに対する特定要素として継承される同一の要素(前記特定要素と同じ要素ID及びExtended要素IDを有する)は、継承用として指示された追加要素であってよい。このとき、前記継承用に指示された追加要素は、reporting STA或いはreporting STAに直接対応しない要素を意味できる。
【0456】
ただし、reported STAに対応するPer-STAプロファイルサブ要素のNon-Inheritance要素によって前記特定要素(管理フレームに含まれていない)が指示された場合に、reported STAに対する前記特定要素はいかなる値も継承しないし、管理フレームで指示されていないと考慮されてよい。
【0457】
一例として、管理フレームによって完全な情報が指示されるSTA1に対する特定要素が指示されていない場合に、STA2に対して指示された同一の要素が存在すれば、前記同一の要素で指示された値が、STA1の特定要素で指示されたものと同一に考慮(すなわち、継承)されてよい。このとき、前記STA2はreporting STAでなくてもよい。
【0458】
また、STA1の特定要素として継承される同一の要素(前記特定要素と同じ要素ID及びExtended要素IDを有する)は、reporting STA及びreported STAに対する要素でない、継承用に指示された追加要素であってよい。
【0459】
本発明の一実施例によれば、完全な情報(profile)が指示されるreported STAの特定要素が管理フレームで指示されていない場合に、前記管理フレームで指示された前記特定要素と同一の要素(要素IDとExtended要素IDが同じ)の値が、reported STAの特定要素に同一に適用(指示)されたと考慮されてよい。このとき、reported STAの特定要素として継承される要素は、継承規則によって決定されるものであってよい。
【0460】
継承される要素を選択する規則の一例として、reported STAに対する特定要素として継承される他の要素(前記特定要素と同じ要素ID及びExtended要素IDを有する)は、管理フレームにおいて一番早く指示された同一の要素として決定されてよい。
【0461】
さらにいうと、reported STAに対する完全な情報(profile)が含まれるべき管理フレームにおいて、前記reported STAに対する特定要素が指示されていない場合に、前記特定要素と同じ要素ID及びExtended要素IDを有する他の要素のうち、一番早く(要素順序において)指示された要素の値が、前記特定要素に継承されたものと考慮されてよい。すなわち、前記特定要素と同じ要素がreporting STAに対して指示された場合に(同じ要素のうち、一番早い順序で指示される。)、前記特定要素はreporting STAの同一の要素値を継承するものと考慮されてよい。
【0462】
継承される要素を選択する規則の他の例として、reported STAに対する特定要素として継承される他の要素(前記特定要素と同じ要素ID及びExtended要素IDを有する)は、管理フレームにおいて最後に指示された(要素の順序において)同一の要素と決定されてよい。
【0463】
さらにいうと、reported STAに対する完全な情報(profile)が含まれるべき管理フレームにおいて、前記reported STAに対する特定要素が指示されていない場合に、前記特定要素と同じ要素ID及びExtended要素IDを有する他の要素のうち、最後に(要素順序において)指示された要素の値が前記特定要素に継承されたと考慮されてよい。すなわち、前記特定要素と同じ要素が先に3個のSTAに対して指示されたとすれば、前記特定要素は、3番目に指示された同一要素値を継承すると考慮されてよい。
【0464】
図32は、本発明の一実施例に係る、complete Per-STA profileの継承方法を説明するための管理フレーム(Management frame)の構成の一部を例示する。
【0465】
図32を参照すると、管理フレームにはreporting APに対する要素が4個(
図22においてそれぞれ要素IDA~Dである要素)が含まれており、reporting STAの完全な情報を指示するためのML IEが含まれている。
【0466】
ML IE(Multi-link要素)は、要素IDサブフィールド、Lengthサブフィールド、要素ID Extensionサブフィールド及び2個のPer-STAプロファイルサブ要素で構成されている。このとき、順序上、先に指示されるPer-STAプロファイルは、reported STA1に対する完全な情報(profile)を指示するために含まれたPer-STAプロファイルであり、順序上、後に指示されるPer-STAプロファイルは、reported STA2に対する完全な情報(profile)を指示するために含まれたPer-STAプロファイルである。すなわち、順序上、先に指示されるPer-STAプロファイルは、reported STA1に対するPer-STAプロファイルであり、後で指示されるPer-STAプロファイルは、reported STA2に対するPer-STAプロファイルである。
【0467】
reported STA1に対応するPer-STAプロファイルは、reporting STAに対する要素で指示されていない2個の要素(要素IDがそれぞれEとFである)を含んでいる。このとき、前記reported STA1に対応するPer-STAプロファイルがComplete profileサブフィールドが1と指示されたcomplete Per-STA profileであるので、reporting STAに対する要素(要素IDがA~Dである。)のうち、Non-Inheritance要素で指示された要素(要素IDがCである)を除く残り3個の要素(要素IDがそれぞれA、B、Dである。)がreported STA1に対して同一に指示されたものと考慮されてよい。この時、reporting STAと同一に指示されたものと考慮される前記3個の要素は、各要素が指示する値(value)もreporting STAに対する要素とそれぞれ同一であると考慮される。
【0468】
結果的に、reporting STA1に対するPer-STAプロファイルが2個の要素(要素ID E、F)のみを含む構成を有するが、reporting STAの要素を3個(要素ID A、B、D)継承したと考慮して、5個の要素がreported STA1に対する完全なプロファイル(complete profile)として指示されたと解析されてよい。
【0469】
reported STA2に対応するPer-STAプロファイルは、reporting STAに対する要素として指示されたことがある要素ID Bの要素を含む。これは、reported STA2に対して指示される要素の値(要素IDがBである要素の)がreporting STAに対して指示された要素の値(要素ID B)と異なるため、reporting STAの要素が継承されず、reported STA2に対する新しい要素値が指示されたことであってよい。
【0470】
reported STA2に対応するPer-STAプロファイルが、Complete profileサブフィールドが1と指示されたcomplete Per-STA profileであるので、reporting STAに対する残りの要素(要素ID Bを除くA、C、D)は、reported STA2に対して同一に指示されたものと考慮される。このとき、reporting STAと同一に指示されたものと考慮される前記3個の要素は、各要素が指示する値も、reporting STAに対する要素とそれぞれ同一であると考慮される。
【0471】
また、reported STA2に対応するPer-STAプロファイルは、reporting STAに対して指示された要素だけでなく、順序上、先に指示されたreported STA1の要素までも継承できる。すなわち、reported STA1のPer-STAプロファイルで指示された2個の要素(要素IDがE、Fである。)も、reported STA2の要素に対して継承されてよい。言い換えると、reported STA1に対する要素もreported STA2の要素として継承されてよい。すなわち、reported STA1のPer-STA profileで指示された2個の要素(要素IDがE、Fである。)がreported STA2に対して同一に指示されたと考慮されてよい。
【0472】
<暗示的non-Inheritance規則>
【0473】
前述したように、reported STAに対する完全な情報(profile)は、reporting STAが送信する管理フレームで指示されてよく、管理フレーム内で同じ値を有する同一要素が反復して指示されることを防止するために継承規則が適用されてよい。
【0474】
Reported STAのPer-STAプロファイルサブ要素に含まれたNon-Inheritance要素は、Reported STAに対して指示されない要素のち、継承(inheritance)を適用しない要素を明示的に指示する機能を有する。言い換えると、特定STAのPer-STAプロファイルサブ要素に含まれたNon-Inheritance要素で特定要素が指示された場合に、前記特定STAに対して指示されていない特定要素は、他の要素の値を継承しない旨が明示的に指示されてよい。この場合、管理フレームを受信したMLDは、前記特定STAに対する前記特定要素が存在しないと考慮(解析)できる。
【0475】
すなわち、Non-Inheritance要素は、管理フレームで指示されていないreported STAの特定要素が、継承規則によって省略されたものか或いはそもそも存在していないものかに対する曖昧さを解決するための目的で用いられるものであってよい。
【0476】
ただし、特定の場合に限っては、管理フレームを受信したMLDが、reported STAに対して指示されていない一部の要素が、そもそも前記reported STAに対し存在しない要素であるということが認知である場合がある。
【0477】
例えば、6GHz APがreported STAとして含まれた(再)結合応答フレームを受信したnon-AP STA MLDは、(再)結合応答フレームで6GHz APに対するHT/VHT能力/動作要素が指示不可であることをあらかじめ認知していることがある。この場合、(再)結合応答フレームを送信するAP MLDが、6GHz APに対応するNon-Inheritance要素(Per-STAプロファイルサブ要素の)によってHT/VHT関連要素が継承されない事実を別に指示しなくても、STA MLDは、6GHz APに対するHT/VHT関連要素を継承規則によって解析しなくてよい。
【0478】
本発明の一実施例によれば、reported STAである6GHz APに対応するNon-Inheritance要素でHT/VHT能力/動作要素が指示(listed)されなくても、前記要素は6GHz APに対して継承されなくてよい。このとき、前記Non-Inheritance要素で指示されないということは、Per-STAプロファイルサブ要素にNon-Inheritance要素が示されない(含まれない)か、或いはNon-Inheritance要素によって指示されないことのいずれを意味してもよい。
【0479】
例えば、2.4GHz APが送信した管理フレーム(例えば(再)結合応答フレーム)によって6GHz APに対する完全な(Complete)情報(profile)が指示される場合に、たとえ6GHz APに対するHT能力要素が指示されていなく、またNon-Inheritance要素がPer-STAプロファイルに含まれていない場合にも、2.4GHz APに対するHT能力要素が6GHz APに対するHT能力要素として継承されない。
【0480】
図33は、本発明の一実施例に係るnon-AP MLDの動作の一例を示すフローチャートである。
【0481】
図33を参照すると、複数個のSTAで構成されたMLDは、特定帯域で動作するSTAを介して、他の帯域で動作するSTAに関する情報を送信できる。
【0482】
具体的には、複数個のリンクでそれぞれ動作する第1複数個のステーションを含む第1マルチリンク装置(Multi-link Device:MLD)は、前記第1マルチリンク装置に含まれた前記第1複数個のステーションのうち第1ステーションを介して、少なくとも一つのリンクでそれぞれ動作する第2MLDに含まれた第2複数個のステーションのうち第2ステーションに要請フレームを送信する(S3310)。
【0483】
この時、第1ステーション及び第2ステーションは特定帯域(例えば、6GHzなど)で動作できる。
【0484】
その後、第1ステーションは、第2ステーションから前記要請フレームに対する応答として応答フレームを受信することができる(S3320)。
【0485】
この時、第2ステーションは、他の帯域に対する特定レガシーフォーマットの前記第2ステーションの能力要素(capability element)及び/又は動作要素(operation element)を除く前記特定帯域に対する前記第2ステーションの能力要素及び動作要素を、前記応答フレームに含めて送信できる。
【0486】
応答フレームは、前記第1複数個のステーションのうち前記第1ステーションを除く第1少なくとも一つのステーションと前記第2複数個のステーションのうち前記第2ステーションを除く第2少なくとも一つのステーションとの結合のためのマルチリンク情報を含んでよい。
【0487】
マルチリンク情報は、前記他の帯域のそれぞれに対応するレガシーフォーマットの前記第2少なくとも一つのステーションのそれぞれの能力要素及び/又は動作要素を含んでよい。
【0488】
第2少なくとも一つのステーションのそれぞれの能力要素及び/又は動作要素は、HT(High Throughput)能力要素、VHT(Very High Throughput)能力要素、HT動作要素、VHT動作要素、又はVHT動作情報を含むHE(High Efficiency)動作要素のうち少なくとも一つである。
【0489】
このとき、特定帯域は6GHzであり、前記他の帯域は2.4GHz及び/又は5GHzであってよい。
【0490】
前記要請フレーム(例えば、MLプローブ要請フレーム)は、前記第2少なくとも一つのステーションのそれぞれに対応するPer-STAプロファイルサブ要素(subelement)を含むマルチリンク要素(Multi-Link element)を含み、前記Per-STAプロファイルサブ要素は、前記第2少なくとも一つのステーションのうち対応するステーションに対する全ての情報の要請であるか否かを示すコンプリートプロファイルサブフィールド(Complete Profile subfield)を含んでよい。
【0491】
コンプリートプロファイルサブフィールドが前記全ての情報の要請を示す場合に、前記応答フレームの前記マルチリンク情報は、前記第2少なくとも一つのステーションのうち、前記全ての情報の要請を示す前記コンプリートプロファイルサブフィールドに対応するステーションの能力要素及び/又は動作要素を含んでよい。
【0492】
前記マルチリンク情報に基づいて、第2MLDと前記第1少なくとも一つのステーション及び前記第2少なくとも一つのステーションとの間のリンクを設定するためのマルチリンク設定手順を行うことができる。
【0493】
要請フレーム(例えば、結合要請フレーム)は、前記第1少なくとも一つのステーションのそれぞれに対応する少なくとも一つのPer-STAプロファイルサブ要素(subelement)を含むマルチリンク要素(Multi-Link element)を含み、マルチリンク要素の前記少なくとも一つのPer-STAプロファイルサブ要素のそれぞれは、前記第1少なくとも一つのステーションのうち対応する特定ステーションに対するレガシーフォーマットの能力要素及び/又は動作要素を含んでよい。
【0494】
特定ステーションは、前記他の帯域のうち少なくとも一つの帯域で動作するステーションであり、前記第1ステーションは、前記他の帯域に対する特定レガシーフォーマットの前記第1ステーションの能力要素(capability element)及び/又は動作要素(operation element)を除く前記特定帯域に対する前記第1ステーションの能力要素及び動作要素を、前記要請フレームに含めて送信できる。
【0495】
応答フレームは、結合応答フレーム(Association response frame)、及びマルチリンク(Multi-link:ML)プローブ応答フレーム(ML Probe Response frame)のうち一つである。
【0496】
前述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形可能であるということが理解できよう。したがって、以上に述べた実施例は如何なる面においても例示的なもので、限定的でないものと理解すべきである。例えば、単一型として説明されている各構成要素は分散して実施されてよく、同様に、分散していると説明されている構成要素も結合した形態で実施されてよい。
【0497】
本発明の範囲は、以上の詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態は本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】