(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】エアロゾル供給装置及びエアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20240514BHJP
【FI】
A24F40/465
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572143
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2022064125
(87)【国際公開番号】W WO2022248511
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】タバーン, シド
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC22
4B162AC34
(57)【要約】
エアロゾル供給装置が記載されている。装置は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する。装置は、ハウジングと、エアロゾル生成材料が受け入れられるハウジング内のレセプタクルと、を有する。誘導加熱システムは、エアロゾル生成材料がレセプタクル内に受け入れられたときにエアロゾル生成材料を加熱する。誘導加熱システムはまた、螺旋状誘導コイルを有する。レセプタクルは、螺旋状誘導コイルを貫通して延在し、螺旋状誘導コイルは、レセプタクルに対してハウジング内で移動可能である、
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給装置であって、
ハウジングと、
エアロゾル生成材料を受け入れるように構成された前記ハウジング内のレセプタクルと、
エアロゾル生成材料が前記レセプタクル内に受け入れられたときにエアロゾル生成材料を加熱するための、螺旋状誘導コイルを備える、誘導加熱システムと、
を備え、
前記レセプタクルが前記螺旋状誘導コイルを貫通して延在し、
前記螺旋状誘導コイルが前記レセプタクルに対して前記ハウジング内で移動可能である、エアロゾル供給装置。
【請求項2】
前記螺旋状誘導コイルが平坦な螺旋状コイルである、請求項1に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項3】
前記螺旋状誘導コイルを支持するように配置された可動キャリアを備える、請求項1または2に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項4】
前記可動キャリアがプレートを備え、前記平坦な螺旋状コイルが前記プレートの第1の側にある、請求項3に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項5】
前記可動キャリアがプリント回路基板の基板を備える、請求項3または4に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項6】
前記可動キャリアを前記レセプタクルに沿って移動させるように構成されたコイル調整機構を備える、請求項3~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項7】
前記レセプタクルが細長いものであり、前記螺旋状誘導コイルが前記レセプタクルに沿って長手方向に移動可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項8】
前記螺旋状誘導コイルが所定の位置の間で移動可能である、請求項7に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項9】
別個の前記所定の位置が前記レセプタクルに沿って長手方向に互いに対して離間している、請求項8に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項10】
前記エアロゾル供給装置が、前記コイルが前記レセプタクルに対して静止しているときに前記コイルを動作させるように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項11】
前記誘導加熱システムが、前記変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含む加熱素子を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項12】
前記加熱素子が細長いものであり、前記加熱素子が前記螺旋状誘導コイルを貫通して延在する、請求項11に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項13】
前記加熱素子が前記レセプタクル内に突出する、請求項11または12に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項14】
前記レセプタクルが前記加熱素子を備える、請求項11または12に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項15】
前記加熱素子が前記レセプタクルの周囲壁を画定する、請求項14に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項16】
前記加熱素子が管状である、請求項11~15のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項17】
前記加熱素子が複数の加熱材料部分を備える、請求項11~16のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項18】
前記加熱材料部分が前記レセプタクルに沿って長手方向に互いに離間している、請求項17に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項19】
前記レセプタクルが、変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含まない、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項20】
エアロゾル生成材料を含む物品と、
エアロゾル供給装置であって、
エアロゾル生成材料を受け入れるように構成されたレセプタクルと、
平面誘導コイルを備え、変化する磁場を誘導するように動作可能な誘導加熱システムと、を備え、
前記レセプタクルが前記螺旋状誘導コイルを貫通して延在し、
前記平面誘導コイルが前記レセプタクルに対して移動可能である、
エアロゾル供給装置と、
前記変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含む加熱素子と、
を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項21】
前記物品が前記加熱素子を備える、請求項20に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項22】
前記エアロゾル供給装置が前記加熱素子を備える、請求項20に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項23】
前記加熱素子が前記レセプタクルの少なくとも一部を形成する、請求項22に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項24】
前記加熱素子が前記レセプタクルを画定する、請求項23に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項25】
前記加熱素子が前記レセプタクル内に突出する、請求項22に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項26】
前記加熱素子が複数の加熱材料部分を備える、請求項20~25のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項27】
前記加熱材料部分が長手方向に互いに離間している、請求項26に記載のエアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給装置に関する。本発明はまた、エアロゾル供給装置と、エアロゾル生成材料を含む物品と、を備えるエアロゾル供給システムに関する。
【背景】
【0002】
紙巻きタバコ、葉巻などの喫煙品は、使用中にタバコを燃焼させてタバコの煙を発生させる。燃焼することなく化合物を放出する製品を作製することによって、タバコを燃焼させるこれらの物品の代替物を供給するための試みがなされてきた。そのような製品の例は、材料を加熱するが燃焼させないことによって化合物を放出する加熱装置である。材料は、エアロゾル生成材料であってもよい。
【概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給装置が提供され、装置は、ハウジングと、エアロゾル生成材料を受け入れるように構成されたハウジング内のレセプタクルと、エアロゾル生成材料がレセプタクル内に受け入れられたときにエアロゾル生成材料を加熱するための、螺旋状誘導コイルを備える、誘導加熱システムと、を備え、レセプタクルが螺旋状誘導コイルを貫通して延在し、螺旋状誘導コイルがハウジング内でレセプタクルに対して移動可能である。
【0004】
螺旋状誘導コイルは、平坦な螺旋状コイルであってもよい。
【0005】
装置は、螺旋状誘導コイルを支持するように構成された可動キャリアを備えてもよい。
【0006】
可動キャリアは、プレートを備えてもよく、平坦な螺旋状コイルは、プレートの第1の側にあってもよい。
【0007】
可動キャリアは、プリント回路基板の基板を備えてもよい。
【0008】
装置は、可動キャリアをレセプタクルに沿って移動させるように構成されたコイル調整機構を備えてもよい。
【0009】
レセプタクルは細長いものであってもよく、螺旋状誘導コイルはレセプタクルに沿って長手方向に移動可能であってもよい。
【0010】
螺旋状誘導コイルは、所定の位置の間で移動可能であってもよい。
【0011】
所定の位置は、互いに対してレセプタクルに沿って長手方向に、および/または長手方向軸線に垂直なそれぞれの平面内に離間されてもよい。
【0012】
装置は、螺旋状誘導コイルを定位置に解放可能に固定するように構成されたロック機構を備えてもよい。
【0013】
ロック機構は、所定の位置のうちの1つに配置されたときにコイルを解放可能に固定するように、および/またはコイルが移動可能な位置の範囲内のレセプタクルの長さに沿った任意の位置に解放可能に固定するように構成されてもよい。
【0014】
装置は、コイルがロック機構によって解放可能に固定されているときにのみコイルを使用して誘導加熱を生成するように構成されてもよい。
【0015】
装置は、コイルがレセプタクルに対して静止しているときにのみコイルを動作させるように構成されてもよい。
【0016】
誘導加熱システムは、変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含む加熱素子を備えてもよい。
【0017】
加熱素子は細長いものであってもよく、加熱素子は螺旋状誘導コイルを貫通して延在してもよい。
【0018】
加熱素子はレセプタクル内に突出してもよい。
【0019】
加熱素子は、レセプタクルの遠位端からレセプタクルの近位端に向かって長手方向に突出してもよい。
【0020】
加熱素子は、細長い、レセプタクル内に突出する第1の加熱素子部分と、第2の加熱素子部分と、を備えてもよい。第2の加熱素子部分は、円盤状であってもよく、第1の加熱素子部分から横方向に延在する。
【0021】
レセプタクルは加熱素子を備えてもよい。
【0022】
加熱素子は、レセプタクルの周囲壁を画定してもよい。
【0023】
加熱素子は、レセプタクルの内面および/またはレセプタクルの外面を画定してもよい。
【0024】
加熱素子は管状であってもよい。
【0025】
加熱素子は、複数の加熱材料部分を備えてもよい。
【0026】
加熱材料部分は、レセプタクルに沿って長手方向に互いに離間していてもよい。
【0027】
加熱素子は、レセプタクルの長手方向軸線に沿って延在してもよい。
【0028】
レセプタクルは、変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含まなくてもよい。
【0029】
ハウジングは、レセプタクルを画定する本体を備えてもよい。
【0030】
本体は、変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含まなくてもよい。
【0031】
螺旋状誘導コイルは、ユーザにより手動で移動可能に構成されてもよい。
【0032】
螺旋状誘導コイルは、所定のプログラムに従って移動可能に構成されてもよい。
【0033】
装置はヘリカルコイルをさらに備えてもよい。螺旋コイルは、レセプタクルおよび/またはハウジングに対して移動しないように構成されてもよい。
【0034】
本開示の第2の態様によれば、システムが提供され、システムは、エアロゾル生成材料を含む物品と、エアロゾル供給装置であって、エアロゾル生成材料を受け入れるように構成されたレセプタクルと、平面誘導コイルを備え、変化する磁場を誘導するように動作可能な誘導加熱システムと、を備える、エアロゾル供給装置と、変化する磁場による貫通によって螺旋状誘導コイルにより加熱可能な加熱材料を含む加熱素子と、を備える。
【0035】
物品は加熱素子を備えてもよい。
【0036】
装置は加熱素子を備えてもよい。
【0037】
加熱素子は、レセプタクルの少なくとも一部を形成してもよい。
【0038】
加熱素子は、レセプタクルの内面および/またはレセプタクルの外面を画定してもよい。
【0039】
加熱素子はレセプタクルを画定してもよい。
【0040】
加熱素子は、レセプタクル内に突出してもよい。
【0041】
加熱素子は、レセプタクルの遠位端からレセプタクルの近位端に向かって長手方向に突出してもよい。
【0042】
加熱素子は、複数の加熱材料部分を備えてもよい。
【0043】
加熱材料部分は、長手方向に互いに離間していてもよい。
第2の態様のエアロゾル供給装置は、第1の態様のエアロゾル供給装置の特徴のいずれかおよび/またはすべてを有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】
図1は、エアロゾル供給装置および装置内に受け入れられた物品を有するエアロゾル供給システムを示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すシステムのインダクタコイルを示す図である。
【
図4A】
図4Aは、一動作条件のインダクタコイルを有する、
図2に示す装置の一部の概略断面図である。
【
図4B】
図4Bは、別の動作条件のインダクタコイルを有する、
図2に示す装置の一部の概略断面図である。
【
図4C】
図4Cは、さらに別の動作条件のインダクタコイルを有する、
図2に示す装置の一部の概略断面図である。
【詳細な説明】
【0045】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル生成材料」という用語は、典型的にはエアロゾルの形態で、加熱時に揮発成分を供給する材料を含む。エアロゾル生成材料は、任意のタバコ含有材料を含み、例えば、タバコ、タバコ誘導体、膨張タバコ、再構成タバコまたはタバコ代替物の1つまたは複数を含んでもよい。エアロゾル生成材料はまた、他の非タバコ製品を含んでもよく、製品に応じて、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、ゲル、ワックスなどの形態であってもよい。エアロゾル生成材料は、例えば、材料の組み合わせまたはブレンドであってもよい。エアロゾル生成材料はまた、「喫煙可能材料」としても知られている。
【0046】
エアロゾル生成材料を加熱して、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、典型的には、エアロゾル生成材料を燃焼または燃焼させることなく、吸入することができるエアロゾルを形成する装置が知られている。そのような装置は、「エアロゾル発生装置」、「エアロゾル供給装置」、「非燃焼加熱装置」、「タバコ加熱製品装置」または「タバコ加熱装置」などとして説明されることがある。同様に、ニコチンを含んでも含まなくてもよい液体の形態のエアロゾル生成材料を通常気化させる、いわゆる電子タバコ装置もある。エアロゾル生成材料は、装置に挿入することができるロッド、カートリッジまたはカセットなどの形態であってもよく、またはその一部として提供されてもよい。
【0047】
エアロゾル供給装置は、加熱用のエアロゾル生成材料を含む物品を受け入れることができる。この文脈における「物品」は、使用中にエアロゾル生成材料を含むかまたは含有する構成要素であり、エアロゾル生成材料を揮発させるために加熱され、任意選択的に使用中の他の構成要素である。ユーザは、加熱されてエアロゾルを生成する前に物品をエアロゾル供給装置に挿入してもよく、その後に、ユーザはエアロゾルを吸入する。物品は、例えば、物品を受け入れるようなサイズの装置の加熱チャンバ内に配置されるように構成された所定のまたは特定のサイズのものであってもよい。
【0048】
特定の実施形態では、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の複数の部分として提供されてもよい。換言すれば、物品は、エアロゾル生成材料の複数の部分を備えてもよい。特定の実施形態では、エアロゾル生成材料の複数の部分は、単一または単一の本体として提供されてもよく、換言すれば、エアロゾル生成材料の複数の部分の各部分は、エアロゾル生成材料の全体体内のエアロゾル生成材料の領域またはゾーンとして説明することもできる。特定の実施形態では、エアロゾル生成材料の複数の部分は、エアロゾル生成材料の一連の個別のまたは別個の本体として提供されてもよく、換言すれば、エアロゾル生成材料の複数の部分の各部分は、エアロゾル生成材料の複数の部分の残りの部分とは別個であるか、離れていると説明することもできる。物品にエアロゾル生成材料の複数の部分を提供することにより、本明細書に記載のエアロゾル供給システムのいずれかが、制御された方法で物品からエアロゾルを生成することが可能になる。例えば、吸入用のエアロゾルの特定の香味または強度を放出のために選択することができる。さらに、物品上に提供されるエアロゾル生成材料の特定の部分は、異なる組成のエアロゾルが所定の順序またはパターンで放出され得るように、所定の順序または加熱パターンで加熱されてもよい。
【0049】
誘導加熱システムは、一般に、電磁石と、電磁石に交流電流などの変化する電流を流すための装置と、を備える。電磁石内の変化する電流は、変化する磁場を生成する。変化する磁場は、電磁石に対して適切に配置された導電性物体を貫通し、物体の内部に渦電流を発生させる。物体は、渦電流に対する電気抵抗を有し、したがって、この抵抗に対する渦電流の流れは、オーム加熱または抵抗加熱としても知られ得るジュール加熱によって物体を加熱させる。導電性物体が閉じた電気回路の形態である場合、使用中の物体と電磁石との間の磁気結合が強化され、それによりジュール加熱がより大きくまたは改善されることが分かった。
【0050】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料で作られた物体を変化する磁場で貫通させて加熱するプロセスである。磁性材料は、多くの原子スケール磁石または磁気双極子を含むと考えることができる。磁場がこのような材料を貫通すると、磁気双極子は磁場と整列する。したがって、例えば電磁石によって生成されるような交流磁場などの変化する磁場が磁性材料を貫通するとき、磁気双極子の向きは変化する印加磁場と共に変化する。このような磁気双極子再配向は、磁性材料に熱を発生させる。
【0051】
物体が導電性と磁性の両方である場合、変化する磁場で物体を貫通すると、物体内でジュール加熱と磁気ヒステリシス加熱の両方を引き起こす可能性がある。さらに、磁性材料の使用は磁場を強化することができ、それはジュールおよび磁気ヒステリシス加熱を強化することができる。ヒータが鉄、ニッケルまたはコバルトなどの強磁性材料を含む場合、ヒータにおける磁気ヒステリシス損失によって、すなわち、変化する磁場とのそれらの整列の結果としての磁性材料における磁気双極子の変化する向きによっても熱が生成され得る。
【0052】
図1は、エアロゾル供給システム10を示す。システム10は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給装置100と、エアロゾル生成材料を含む交換可能な物品200と、を含む。装置100は、エアロゾル生成材料を含む交換可能な物品200を加熱して、装置100のユーザが吸入することができるエアロゾルまたは他の吸入可能な媒体を生成するために使用することができる。
【0053】
図1に示すエアロゾル供給装置100は、装置100の様々な構成要素を取り囲んで収容するハウジング110を備える。ハウジング110は細長い。装置100は、装置100による加熱のために物品200を挿入することができる開口部104を一端に有する。物品200は、装置100による加熱のために装置100内に完全にまたは部分的に挿入されてもよい。
【0054】
装置100は、操作されたとき、例えば押されたときに装置100を操作するボタンまたはスイッチなどのユーザ操作可能な制御要素106を備えてもよい。例えば、ユーザは、スイッチ106を押すことによって装置100を起動することができる。
【0055】
装置100は、物品200が装置100に挿入されたときにそれに沿って延在することができる長手方向軸線102を画定する。開口部104は、長手方向軸線102上に位置合わせされる。
【0056】
図2は、装置100の様々な構成要素を示す、
図1のエアロゾル生成システム10の概略図である。装置100は、
図2に示されていない他の構成要素を含んでもよいことが理解されよう。
【0057】
図2に示すように、装置100は、エアロゾル生成材料を加熱するための装置120を含む。装置120は、エアロゾル発生器121と、コントローラ(制御回路)122と、電源123と、を含む。装置100は、本体アセンブリ124を備える。本体アセンブリ124は、装置の一部を形成するシャーシおよび他の構成要素を含むことができる。エアロゾル発生器121は、誘導加熱システムとして機能する。
【0058】
エアロゾル発生器121は、エアロゾル生成媒体からエアロゾルが生成されるように、装置100に挿入された物品200のエアロゾル生成材料を加熱するように構成される。電源123は、エアロゾル発生器121に電力を供給し、エアロゾル発生器121は、供給された電気エネルギーをエアロゾル発生材料を加熱するための熱エネルギーに変換する。
【0059】
実施形態では、コントローラ122は、部分的または全体的に電子的であり、および/または部分的または全体的にソフトウェアおよび/またはファームウェアで実装される。実施形態では、制御機構122は、プロセッサを備えるか、またはプロセッサ内に部分的もしくは全体的に含まれる。
【0060】
電源123は、例えば、充電式バッテリまたは非充電式バッテリなどのバッテリであってもよい。適切な電池の例には、例えば、リチウム電池(リチウムイオン電池など)、ニッケル電池(ニッケル-カドミウム電池など)、およびアルカリ電池が含まれる。
【0061】
電源123は、エアロゾル発生材料を加熱するために、必要に応じてコントローラ122の制御下で電力を供給するためにエアロゾル発生器121に電気的に結合されてもよい。制御回路122は、ユーザが制御要素106を操作することに基づいてエアロゾル発生器121を作動および停止させるように構成されてもよい。例えば、コントローラ122は、ユーザがスイッチ106を操作することに応答してエアロゾル発生器121を作動させることができる。
【0062】
開口部104に最も近い装置100の端部は、使用時にユーザの口に最も近いため、装置100の近位端(または口端)107として知られてもよい。使用中、ユーザは、開口部104に物品200を挿入し、ユーザ制御部106を操作してエアロゾル生成材料の加熱を開始し、装置内で生成されたエアロゾルを吸引する。これにより、エアロゾルは、装置100の近位端に向かって流路に沿って物品200を通って流れる。
【0063】
開口部104から最も遠い装置の他端は、使用時に、ユーザの口から最も遠い端部であるため、装置100の遠位端108として知られてもよい。ユーザが装置内で生成されたエアロゾルを吸引すると、エアロゾルは装置100の近位端に向かう方向に流れる。装置100の特徴に適用される近位および遠位という用語は、軸線102に沿った近位-遠位方向におけるそのような特徴の互いに対する相対的な位置決めを参照することによって説明される。
【0064】
エアロゾル発生器121は、誘導加熱プロセスを介して物品200のエアロゾル発生材料を加熱するための様々な構成要素を備えてもよい。誘導加熱は、電磁誘導によって導電性加熱素子を加熱する工程である。誘導エアロゾル発生器は、誘導素子、例えば1つまたは複数のインダクタコイルと、交流電流などの変化する電流を誘導素子に流すための装置と、を備えてもよい。誘導素子内の変化する電流は、変化する磁場を生成する。変化する磁場は、誘導素子に対して適切に配置されたサセプタとして機能する加熱素子を貫通し、サセプタの内部に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対する電気抵抗を有し、したがって、この抵抗に対する渦電流の流れは、サセプタをジュール加熱によって加熱させる。サセプタが鉄、ニッケルまたはコバルトなどの強磁性材料を含む場合、サセプタ内の磁気ヒステリシス損失によって、すなわち、変化する磁場とのそれらの整列の結果としての磁性材料内の磁気双極子の変化する配向によっても熱が生成され得る。誘導加熱では、例えば伝導による加熱と比較して、サセプタの内部で熱が発生し、急速な加熱が可能になる。さらに、誘導素子とサセプタとの間にいかなる物理的接触も必要とせず、構築および用途の自由度を高めることが可能になる。
【0065】
装置120は、加熱されるべき物品200を受け入れるように構成され寸法決めされた加熱チャンバ111を含む。加熱チャンバ111は、加熱ゾーン115を画定する。本例では、物品200は略円筒形であり、加熱チャンバ111は対応して略円筒形の形状である。しかしながら、他の形状も可能である。加熱チャンバ111は、レセプタクル112によって形成されている。レセプタクル112は、端壁113および周囲壁114を含む。端壁113は、レセプタクル112の基部として機能する。端壁は、加熱チャンバ111の遠位端を閉じる。
【0066】
加熱チャンバ111は、レセプタクル112の内面によって画定される。レセプタクル112は、略管状の部材を備える。レセプタクル112は、装置100の長手方向軸線102に沿って、その周りで、それと実質的に同軸に延在する。しかしながら、他の形状も可能である。レセプタクル112(したがって、加熱ゾーン115)は、レセプタクル112の近位端で開いており、それにより、装置100の開口部104に挿入された物品200を加熱チャンバ111によって受け入れることができる。レセプタクル112は、レセプタクル112の遠位端が端壁113によって閉じられている。レセプタクル112は、空気経路の一部を形成する1つまたは複数の導管を備えてもよい。使用時に、物品200の遠位端は、加熱チャンバ111の端部に近接または係合するように配置されてもよい。空気は、空気経路の一部を形成する1つまたは複数の導管を通過して加熱チャンバ111内に入り、装置100の近位端に向かって物品200を通って流れることができる。
【0067】
レセプタクル112は、図示の実施形態では、略細長い物品200を収容する長手方向軸線を有する略細長いキャビティである。レセプタクル112は、使用中に物品200を受け入れるように構成される。レセプタクル112は、物品200をレセプタクル112に挿入できるように、レセプタクル112の近位端で開いている。レセプタクル112は、レセプタクル112の遠位端が端壁113によって閉じられている。レセプタクル112は、
図2に示すように物品200の一部または一部を受け入れるように構成される。実施形態では、レセプタクル112は、物品200の本体全体を受け入れる。他の実施形態では、レセプタクル112は、物品200の他の形状を受け入れるように成形され配置される。レセプタクルの長手方向軸線は、装置100の長手方向軸線102と同軸であってもなくてもよい。
【0068】
レセプタクル112は、本体によって画定される。本体は、変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含まない。実施形態では、本体は絶縁材料から形成される。例えば、本体は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのプラスチックから形成されてもよい。他の適切な材料も可能である。レセプタクル112は、エアロゾル発生器121が動作するときにアセンブリが剛性/固体のままであることを確実にするために、そのような材料から形成されてもよい。レセプタクル112に非金属材料を使用することは、装置100の他の構成要素の加熱を制限するのを助けることができる。レセプタクル112を剛性材料から形成することは、他の構成要素の支持を助けることができる。レセプタクル112の他の構成も可能である。例えば、一実施形態では、端壁113は、エアロゾル発生器121の一部によって画定される。実施形態では、レセプタクル112は、以下に説明するように、変化する磁場による貫通によって加熱可能な材料を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、本体はハウジング110内に固定され、および/またはハウジング110と一体であるが、他の実施形態では、本体はハウジング110から取り外し可能である(例えば洗浄のために)。実施形態では、本体は、図示するように略管状であるが、例えば代替的な実施形態では1つまたは複数の突出部、窪み、またはフランジを有する任意の他の適切な形状であってもよい。
【0070】
図2に示すように、エアロゾル発生器121は加熱素子130を備える。加熱素子130は、加熱ゾーン115を加熱するように構成される。実施形態では、加熱ゾーン115は、レセプタクル112の一部またはレセプタクル112の範囲によって画定される。
【0071】
加熱素子130は、加熱ゾーン115を加熱するように加熱可能である。加熱素子130は、誘導加熱素子である。すなわち、加熱素子130は、変化する磁場による貫通によって加熱可能なサセプタを備える。サセプタは、電磁誘導による加熱に適した導電性材料を含む。例えば、サセプタは、炭素鋼から形成されてもよい。他の適切な材料、例えば鉄、ニッケルまたはコバルトなどの強磁性材料を使用してもよいことが理解されよう。
【0072】
エアロゾル発生器121は、磁場発生器を備える。磁場発生器は、サセプタ内で加熱を引き起こすようにサセプタを貫通する1つまたは複数の変化する磁場を発生させるように構成される。磁場発生器は、インダクタコイル構成117を含む。インダクタコイル構成117は、インダクタ素子として機能するインダクタコイル118を備える。
【0073】
インダクタコイル118を
図3に示す。インダクタコイル118は、プリント回路基板(PCB)119の表面上の2次元螺旋状である。PCB119は、基板として機能し、略平面である。基板は、コイル118を支持する。インダクタコイル118は、フィルムによって画定されている。この実施形態では、基板119は非導電性支持体である。すなわち、基板は電気絶縁体である。いくつかの実施形態において、プレートは、難燃剤であるエポキシ樹脂バインダーを含むガラス繊維織布から構成される複合材料であるFR-4から作製される。他の適切な材料を使用してもよい。他の実施形態では、支持基板は省略されてもよい。インダクタコイル118は、他の構成を採用してもよい。実施形態では、インダクタコイル構成117は、2つ以上のインダクタコイルを備える。実施形態における2つ以上のインダクタコイルは、互いに隣接して配置され、基板119の対向する主面上に同軸に整列されてもよい。
【0074】
インダクタコイル118は、変化する電流を伝導するように構成された導電性コイルである。コイル118は、例えば、堆積、印刷、エッチング、化学的または機械的結合によって形成することができる。一実施形態では、コイル118は、PCBの製造中に基板の側面上に導電性材料を印刷し、次いで、コイル118の形態の導電性材料のパターンが基板上に残るように導電性材料の選択部分を(エッチングなどによって)除去することによって形成される。一実施形態では、コイル118は、予め形成され、次いでプレートに取り付けられるなど、任意の他の適切な方法で基板上に設けられる。
【0075】
いくつかの実施形態では、基板119はPCBではない。例えば、乾燥、硬化、または固化した樹脂または接着剤などの材料の層またはシートであってもよい。
【0076】
インダクタコイル118は、略円形状のコイルである。他の実施形態では、インダクタコイル118は、略正方形、長方形、または楕円形などの異なる形状を有してもよい。いくつかのそのような実施形態では、インダクタコイル118は、3次元印刷などの積層造形技術を使用して製造することができる。この実施形態では、インダクタコイル118の隣接する離間部分は規則的に離間している。他の実施形態では、インダクタコイル118のそのような部分は、規則的に離間していなくてもよい。
【0077】
アパーチャ140は、インダクタコイル118によって画定される。本構成では、アパーチャ140は、インダクタコイル118の軸中心に画定される。アパーチャ140は、レセプタクル112を受け入れるように構成される。アパーチャ140は、インダクタコイル118の近位範囲から延在する。アパーチャ140は、インダクタコイル118の最も内側によって画定される。アパーチャは、インダクタコイル140の形状に対応する。アパーチャ140は、軸線102と同軸である。レセプタクル112が軸線からオフセットされている実施形態では、アパーチャはオフセットされている。
【0078】
基板119には、開口部141が形成されている。開口部141は、アパーチャ140と位置合わせされる。開口部141は、その中にレセプタクル112を受け入れるように構成される。レセプタクル112は、インダクタコイル118を貫通し、開口部141を貫通している。
【0079】
実施形態では、磁場発生器は、さらなるインダクタコイル構成を含む。これらは、第1のインダクタコイル構成117と同一であっても異なっていてもよい。複数のコイルを設けることにより、使用中の物品200の長さに沿ってより複雑な温度プロファイルを可能にすることができる。
【0080】
加熱素子130がインダクタコイル118を通って延在する場合、加熱素子130は、インダクタコイル118の近位側と遠位側の両方で変化する磁束の影響を受けやすい。したがって、加熱素子130は、インダクタコイル118の両側で磁束が変化しやすい可能性がある。
【0081】
加熱素子130は、加熱ゾーン115内に延在する。突出要素として機能する加熱素子130は、加熱ゾーン115内に突出する。加熱素子130は、レセプタクル112の基部から起立している。加熱素子130は、レセプタクル112の周囲壁114から離間している。加熱アセンブリ121は、物品200が加熱チャンバ111によって受け入れられると、加熱素子130が物品200の遠位端内に延在するように構成される。加熱素子130は、使用中に物品200内に配置される。加熱素子130は、物品200のエアロゾル生成材料を内部から加熱するように構成され、このため、内側加熱素子と呼ばれる。
【0082】
加熱素子130は、加熱チャンバ111の遠位端から装置の長手方向軸線102に沿って(軸線方向に)加熱チャンバ111内に延在する。実施形態では、加熱素子130は、軸線102から離間して加熱チャンバ111内に延在する。加熱素子130は、軸線から外れていてもよく、または軸線102に対して非平行であってもよい。単一の加熱素子130が示されているが、実施形態では、エアロゾル発生器121は複数の加熱素子を備えることが理解されよう。実施形態におけるそのような加熱素子は、互いに離間しているが、互いに平行である。
【0083】
実施形態では、加熱素子130は、第1のサセプタ部分および第2のサセプタ部分を備える。個々のサセプタ部分は、長手方向軸線102の方向に互いに離間していてもよい。
【0084】
実施形態では、加熱素子130は、均一または実質的に均一な材料を含む。実施形態では、加熱素子130は、導電性材料、磁性材料、および磁性導電性材料からなる群から選択される1つまたは複数の材料を含む。実施形態では、加熱素子130は、金属または金属合金を含む。実施形態では、加熱素子130は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、平炭素鋼、ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、鋼、モリブデン、炭化ケイ素、銅、および青銅からなる群から選択される1つまたは複数の材料を含む。
【0085】
インダクタコイル118は、レセプタクル112の外部に配置されている。インダクタコイル118は、加熱ゾーン115を取り囲む。インダクタコイル118は、加熱素子130の少なくとも一部の周りに延在し、サセプタとして機能する。インダクタコイル118は、加熱素子130を貫通する変化する磁場を生成するように構成される。インダクタコイル118は、加熱チャンバ111および長手方向軸線102と同軸に配置される。いくつかの例では、使用時に、コイル118は、加熱素子130を約200℃~約350℃、例えば約240℃~約300℃、または約250℃~約280℃の温度に加熱するように構成される。
【0086】
エアロゾル発生器121は、コイル調整機構アセンブリ160を備える。コイル調整機構アセンブリ160は、ハウジング内でコイルを移動させるように構成される。コイル調整機構アセンブリ160は、コイルキャリア161を備える。コイル調整機構アセンブリ160は、インダクタコイル118をレセプタクルに対して平行移動させる。
【0087】
PCB119は、コイルキャリア161の一部を形成する。コイルキャリア161は、コイルキャリア161を支持し、長手方向軸線102を横切る方向にレセプタクル112に対するコイル構成117の位置を維持するように構成された細長いレール162上のキャリア部材163を備える。
【0088】
実施形態では、コイルキャリアは、複数のインダクタコイル構成を備える。実施形態では、それぞれのインダクタコイル構成117を有する複数のコイルキャリア161が設けられる。
【0089】
レール162は、軸線102に平行である。レール162は、コイル構成117をレセプタクル112の遠位に位置決めするようにコイルキャリアをレール162に沿って移動させることができるように、装置内でレセプタクル112よりも遠位に延在する。加えて、レール162の近位端と装置100の近位端との間の間隙は、コイル構成117と装置の近位端との間の最小距離を維持する。レールは、1つまたは複数のねじ山または歯を備えてもよい。レールはスプライン状であってもよい。インダクタコイル118を直線運動で並進させるために様々な構成を使用することができることが理解されるので、詳細な説明は省略する。
【0090】
図2には1つのレール162のみが示されているが、実施形態では、レセプタクル112の対向する両側の2つのレールおよび/または軸線102と共有面内にある2つのレールなど、複数のレールが設けられる。2つ以上のレール162を有する実施形態では、レールは、軸線102(および/またはレセプタクル112)から互いに等しい距離、または異なる距離だけ離間されてもよい。3つ以上のレールを有する実施形態では、それらは軸線102および/またはレセプタクル112を取り囲むように配置されてもよい。複数のキャリアを有する実施形態では、各キャリアは、1つまたは複数のレールのそれぞれのセットに取り付けられてもよく、またはキャリアはレールを共有してもよい。
【0091】
実施形態では、レール162は、レセプタクル112の長さのみ、または長さの一部のみに沿って遠位に延在し、したがって、コイル構成117は、レセプタクル112の長さのみ、または長さの一部内でのみ軸線に沿って移動するように制限される。実施形態では、レール162は軸線102に平行ではない。
【0092】
コイル調整機構アセンブリ160は、キャリア161を駆動し、それによってコイル構成117を駆動して軸線102に沿って移動させるように構成されたアクチュエータ165を備える。適切なアクチュエータの例には、これらに限らないが、ねじ機構、ラックアンドピニオン装置、伸縮リニアアクチュエータ、磁気駆動装置、およびプッシュプルアクチュエータが含まれる。アクチュエータは、例えばラックアンドピニオン配置のラックとしてレールを備えてもよい。アクチュエータは、1つまたは複数の電気モータを備えてもよい。
【0093】
コントローラ122は、矢印120aおよび120bによって示されるように、コイルキャリア161を長手方向軸線102に沿って近位および遠位に移動させるようにアクチュエータを動作させるように構成される。したがって、物品200がレセプタクル112内に受け入れられると、コントローラは、物品200の長さの少なくとも一部に沿ってコイル118を移動させるように構成される。
【0094】
実施形態では、コントローラ122は、コイル構成117の位置の直接制御をユーザに提供する。そのような実施形態のいくつかでは、装置100は、ユーザがコイル構成117の長手方向の位置および/または移動を直接制御できるようにするために、1つまたは複数のユーザが操作可能な位置制御要素(例えば、1つまたは複数のタッチスクリーン、キーパッド、スイッチ、スライダ、スクロールホイールなどを含むユーザインターフェース)を備える。一実施形態では、ユーザが操作可能な位置制御要素は、制御要素の操作がコイルキャリア161の動きを駆動するように構成されることによって、アクチュエータ165の代替アクチュエータとして機能することができる。例えば、実施形態では、装置は、ユーザがスライダを操作するとコイルも移動するように、コイルキャリア121に直接的または間接的に機械的に連結されたスライダ(図示せず)を備える。
【0095】
複数のキャリアが設けられる実施形態では、コントローラ122は、各キャリアを長手方向軸線に沿って近位および遠位に移動させるようにアクチュエータを動作させるように構成される。実施形態では、レセプタクル112の異なるサブセクションは、そのサブセクション内でのみ移動するように構成された異なるキャリアに関連付けられる。いくつかの実施形態では、複数のキャリアは、互いに独立して移動可能であるように、および/または協調して移動可能であるように構成される。
【0096】
実施形態では、コントローラ122は、1つまたは複数の所定のプログラムに従って、コイル118をレセプタクル112の長さに沿って移動させるように構成される。例えば、一実施形態では、制御機構122は、コイル118をレセプタクル112の遠位端からレセプタクル112の近位端に向かって、またはその逆に移動させるように構成および/またはプログラムされる。別の例として、所定のプログラムは、制御機構122に、2点間で振動し、より広い領域にわたって「より滑らかな」温度上昇を生成するように、2点間でコイルを連続的に移動させるように指示する。
【0097】
実施形態では、ユーザが操作可能な位置制御要素は、ユーザが所定のプログラムのうちのプログラムを選択することを可能にするように構成される。実施形態では、ユーザが操作可能な位置制御要素は、ユーザがそのような所定のプログラムを修正し、および/またはカスタマイズされたプログラムを実装することを可能にするように構成される。
【0098】
実施形態では、コントローラ122は、物品200がレセプタクル112に受け入れられたときに加熱システム121による加熱のために、エアロゾル生成材料の複数の部分から物品200のエアロゾル生成材料の1つまたは複数の部分の選択を可能にするように動作可能なセレクタとして挙動するか、またはセレクタを備える。
【0099】
特定の実施形態では、セレクタは、レセプタクル112の複数の部分のうちの1つまたは複数の部分の選択を可能にするように動作可能であり、レセプタクル112の1つまたは複数の部分は、物品200がレセプタクル112に受け入れられたときに物品200のエアロゾル生成材料の1つまたは複数の部分に対応する。このようにして、物品200がレセプタクル112に受け入れられたときに加熱システム121によって加熱するために選択された物品200のエアロゾル生成材料の所望の1つまたは複数の部分は、物品200がレセプタクル112に受け入れられたときにエアロゾル生成材料の1つまたは複数の部分に幾何学的に対応するレセプタクル112の1つまたは複数の部分を選択することによって間接的に選択することができる。したがって、特定の実施形態では、選択は、物品200と装置100のレセプタクル112との間の既知の幾何学的関係に基づくことができる。
【0100】
他の例では、セレクタは、物品200がレセプタクル112に受け入れられると、任意選択的に、ユーザの主導によって所定の方法で動作する。例えば、物品200がレセプタクル112に受け入れられると、セレクタを作動させて、特定の順序で加熱するためのエアロゾル生成材料の特定の部分を選択することができる。いくつかの実施形態では、物品200は識別子を含み、識別子は、物品200がレセプタクル112に受け入れられたときに、物品200のタイプまたはモデルを装置100に通信するように動作可能である。識別子は、物品200のエアロゾル生成材料の特定の部分がどのように、またはどのような順序で加熱されるべきかを示す情報を装置100に通信することができる。他の実施形態では、ユーザは、例えばユーザが操作可能な要素を介して、物品200のエアロゾル生成材料の特定の部分がどのように、またはどのような順序で加熱されるべきかを示す情報を不燃性エアロゾル供給装置200に通信することができる。さらに他の実施形態では、装置100には、物品200のエアロゾル生成材料の特定の部分がどのように、またはどのような順序で加熱されるべきかを示す情報が予め装填される。例えば、情報は、製造されたとき、または製品供給者によって注文が行われたときに装置100に帰属され得る。
【0101】
実施形態では、コントローラ122は、セレクタによって行われた選択に基づいて、および/またはそれに応じて、コイルの移動を制御および/または引き起こすように構成される。
【0102】
図4Aは、
図2に示す装置100のレセプタクル領域を示す。
図4Aにおいて、キャリア161は、コイル構成117がレセプタクル112を取り囲むように位置Aに配置されている。
【0103】
図4Bは、
図4Aと同じ装置100のレセプタクル領域を示しており、位置Aと同様に、コイル構成117もレセプタクル112を取り囲むように、キャリア161が第2の位置Bに移動されている。
【0104】
図4Cは、
図4A~
図4Bと同じ装置100のレセプタクル領域を示し、コイル構成117がレセプタクル112を取り囲まないようにキャリア161が位置Cに移動されている。
【0105】
図4A~
図4Cを参照する実施形態では、複数の予め設定された加熱位置(AおよびB)がレセプタクル112の長さに沿って設けられ、さらなる予め設定された非アクティブ位置(C)がレセプタクルから離れて配置される。代替的な実施形態では、すべての位置が作動位置であり、コイル118は、レセプタクル112に沿ってのみ移動し、近位端も遠位端も通過しない。
【0106】
実施形態では、コイル118を定位置に保持するために、コイル118がこれらの予め設定された位置のいずれかに移動されたときに係合するロック機構が設けられる。いくつかの実施形態では、予め設定された位置で係合するように設けられたもの以外のロック機構はない。実施形態では、装置100は、コイル118が予め設定された位置に配置されている場合にのみ誘導加熱システムの動作を可能にするように構成された制御回路を含む。実施形態では、装置100は、コイル118が予め設定された非アクティブ位置(118E)にあるときに誘導加熱システムの動作を防止するように構成される。
【0107】
コイル118が(予め設定された加熱位置によって画定されるように)正しく配置されたときにのみ誘導加熱システムの動作を可能にすることによって、装置100は、使用セッションで動作温度まで加熱されるエアロゾル生成材料のゾーンが互いに重ならないこと、またはそれらが許容範囲内でのみ重なり合うことを確実にすることができる。したがって、「新しい」位置への切り替えは、「より新鮮な」エアロゾルがユーザに提供されることをもたらし得る。
【0108】
さらに、コイル118を操作することができない位置を設けることによって、装置100は、例えばポケット、リュックサック、またはハンドバッグに入れられたときに偶発的に作動することを確実に防止することができる。
【0109】
上述の実施形態では、加熱素子130は内側サセプタである。すなわち、加熱素子は、加熱チャンバ内に突出し、物品によって受け入れられるように配置される。
【0110】
別の実施形態では、加熱素子は外側サセプタである。そのような構成では、加熱素子は、長手方向軸線102に沿って実質的に同軸に延在する略管状の部材であってもよい。加熱素子は、加熱チャンバの軸方向部分の周りに少なくとも部分的に延在してもよい。加熱素子は、レセプタクル112の一部を形成する。加熱素子は、加熱チャンバ111の全周にわたって連続的に延在するか、またはチャンバの周りに部分的にのみ延在する。例えば、1つまたは複数の不連続部、例えば穴、隙間またはスロットが加熱素子に設けられてもよい。加熱素子は、加熱チャンバによって受け入れられた物品の周りに延在するように構成され寸法決めされてもよい。したがって、加熱素子は、使用中に物品の周りに配置されてもよい。したがって、加熱素子は、物品200のエアロゾル生成材料を外側から加熱するように構成されてもよく、このため、外側加熱素子と呼ばれる。
【0111】
加熱素子は、円形断面、例えば物品110の円形断面に対応する円形断面を有することができる。他の断面形状も可能である。実施形態では、加熱素子はコイル構成117と同軸であり、代替的な実施形態では、加熱素子130はコイル構成117と同軸ではなく、さらなる実施形態では、加熱素子130は、コイル構成117の長手方向軸線に平行であるがオフセットされた長手方向軸線を有する。
【0112】
ベース壁は、筒状部材の端部に配置される。外側加熱素子は、一端で管状部材を形成することができる。そのような実施形態におけるベース壁は、加熱ゾーン115の端部を画定する。
【0113】
加熱素子は、レセプタクル112の内面を形成する。
【0114】
上述の実施形態では、加熱素子130は、ハウジングに対して固定された位置で加熱ゾーン内および/または加熱ゾーンの周りに延在するように、装置100に固定的に接続される。これらの実施形態では、物品200が加熱ゾーン115によって受け入れられると、加熱素子130は物品200の中または周囲に延在する。
【0115】
他の実施形態では、加熱材料は、装置100に挿入される物品200内に供給される。実施形態では、加熱素子130は、エアロゾル生成材料が支持される基板内に含まれる。実施形態では、そのような基板は、基板上に配置されたエアロゾル生成材料の1つまたは複数の個別の部分にそれぞれ関連付けられた複数のサセプタ要素または部分を備える。実施形態では、加熱素子は、細長いロッド、略平面のシート、ブレード、または任意の他の適切な形状の形態をとる。実施形態では、加熱素子130は、使用中に、レセプタクル112に対して固定されるか、または固定される。実施形態では、加熱素子130はエアロゾル生成材料内に埋め込まれる。実施形態では、加熱素子130は、物品の外面および/またはエアロゾル生成材料の一部の最外縁に配置される。
【0116】
これらの実施形態では、加熱素子は、レセプタクルに対して移動可能であってもよい。これらの実施形態では、加熱素子は、物品110が加熱ゾーンによって受け入れられるときに加熱ゾーン内に延在してもよい。
【0117】
上述の可動コイルに加えて、装置100は、実施形態では、ハウジング110および/またはレセプタクル112に対して移動するように構成されていない1つまたは複数のコイル(すなわち、静的コイル)をさらに含むことができる。実施形態では、静的コイルは、レセプタクルの一部を取り囲む螺旋コイルの形態をとる。
【0118】
可動コイルに加えて、レセプタクル112の一部の上に配置された静的コイルを提供することによって、装置は、例えばレセプタクルの大部分に沿って加熱を提供することを可能にすることができ、したがって、様々な種類の物品/エアロゾル生成材料と共に装置を使用する際の柔軟性を提供する。
【0119】
実施形態では、コイル調整機構アセンブリ160は、キャリア161を定位置に保持するように構成されたロック機構164を備える。いくつかの実施形態では、ロック機構164は、ユーザが操作可能な位置制御要素が操作されていないときに自動的に係合するように構成される。追加または代替的な実施形態では、ロック機構164を係合および/または係合解除するために、ユーザが操作可能な要素を設けることができる。このユーザ操作可能要素は、実施形態では、ユーザによってコイル118の位置の直接制御を提供するために使用されるユーザ操作可能位置制御要素のうちの1つであるが、他の実施形態では、このユーザ操作可能要素はさらなる追加要素である。実施形態では、装置100は、ロック機構164が係合しているかどうかに関する表示をユーザに提供する。さらに、実施形態では、装置100は、ロック機構164が係合および/または係合解除すると、ユーザにフィードバック(例えば、音声、視覚、触覚)を提供する。
【0120】
実施形態では、装置100は、コイル118の位置をユーザに示すための1つまたは複数のインジケータを備える。実施形態では、インジケータは、コイル118の長手方向位置にほぼ対応するように、ハウジング110の外側に配置される。実施形態では、インジケータは、LEDライトなどの複数の個別のインジケータ、またはコイル118と共に長手方向に移動するように構成された単一のインジケータを備える。実施形態では、コイル118の位置は、ディスプレイを介してユーザに示す。実施形態では、コイル118の位置は、物品に対してユーザに示す。
【0121】
コイル118の位置をユーザに示すことにより、ユーザは、例えば、コイル118が所定のプログラムに従ってレセプタクル112に沿って着実に移動している場合に、使用セッションのおおよその残り時間を決定することができる。ユーザはまた、エアロゾルの変化が差し迫っているかどうか/いつ、例えば、コイル118がすぐにエアロゾル生成材料の異なる組成物を加熱し始めるかを決定することができる。
【0122】
本明細書に記載の様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解および教示を支援するためにのみ提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的および/または排他的ではない。本明細書に記載された利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲に対する制限または特許請求の範囲に対する均等物に対する制限と見なされるべきではなく、特許請求された発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができ、修正を行うことができることを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部品、手段などの適切な組み合わせを適切に含むか、それから成るか、または本質的にそれから成ることができる。さらに、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求され得る他の発明を含み得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給装置であって、
ハウジングと、
エアロゾル生成材料を受け入れるように構成された前記ハウジング内のレセプタクルと、
エアロゾル生成材料が前記レセプタクル内に受け入れられたときにエアロゾル生成材料を加熱するための、螺旋状誘導コイルを備える、誘導加熱システムと、
を備え、
前記レセプタクルが前記螺旋状誘導コイルを貫通して延在し、
前記螺旋状誘導コイルが前記レセプタクルに対して前記ハウジング内で移動可能である、エアロゾル供給装置。
【請求項2】
前記螺旋状誘導コイルが平坦な螺旋状コイルである、請求項1に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項3】
前記螺旋状誘導コイルを支持するように配置された可動キャリアを備える、請求項
1に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項4】
前記可動キャリアがプレートを備え、前記平坦な螺旋状コイルが前記プレートの第1の側にあ
り、且つ/又は
前記可動キャリアがプリント回路基板の基板を備える、請求項3に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項5】
前記可動キャリアを前記レセプタクルに沿って移動させるように構成されたコイル調整機構を備える、請求項
3に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項6】
前記レセプタクルが細長いものであり、前記螺旋状誘導コイルが前記レセプタクルに沿って長手方向に移動可能である、請求項
1に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項7】
前記螺旋状誘導コイルが所定の位置の間で移動可能である、請求項
6に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項8】
前記エアロゾル供給装置が、前記コイルが前記レセプタクルに対して静止しているときに前記コイルを動作させるように構成される、請求項
1に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項9】
前記誘導加熱システムが、前記変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含む加熱素子を備える、請求項
1に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項10】
前記加熱素子が前記レセプタクル内に突出する、請求項
9に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項11】
前記レセプタクルが前記加熱素子を備える、請求項
9に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項12】
前記加熱素子が管状である、請求項
9に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項13】
前記加熱素子が複数の加熱材料部分を備える、請求項
9に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項14】
前記レセプタクルが、変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含まない、請求項
1に記載のエアロゾル供給装置。
【請求項15】
エアロゾル生成材料を含む物品と、
エアロゾル供給装置であって、
エアロゾル生成材料を受け入れるように構成されたレセプタクルと、
平面誘導コイルを備え、変化する磁場を誘導するように動作可能な誘導加熱システムと、を備え、
前記レセプタクルが前記
平面誘導コイルを貫通して延在し、
前記平面誘導コイルが前記レセプタクルに対して移動可能である、
エアロゾル供給装置と、
前記変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含む加熱素子と、
を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項16】
前記物品が前記加熱素子を備える、請求項
15に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項17】
前記エアロゾル供給装置が前記加熱素子を備える、請求項
15に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項18】
前記加熱素子が前記レセプタクルの少なくとも一部を形成する、請求項
17に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項19】
前記加熱素子が前記レセプタクル内に突出する、請求項
17に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項20】
前記加熱素子が複数の加熱材料部分を備える、請求項
15に記載のエアロゾル供給システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0122】
本明細書に記載の様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解および教示を支援するためにのみ提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的および/または排他的ではない。本明細書に記載された利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲に対する制限または特許請求の範囲に対する均等物に対する制限と見なされるべきではなく、特許請求された発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができ、修正を行うことができることを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部品、手段などの適切な組み合わせを適切に含むか、それから成るか、または本質的にそれから成ることができる。さらに、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求され得る他の発明を含み得る。
[発明の項目]
[項目1]
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給装置であって、
ハウジングと、
エアロゾル生成材料を受け入れるように構成された前記ハウジング内のレセプタクルと、
エアロゾル生成材料が前記レセプタクル内に受け入れられたときにエアロゾル生成材料を加熱するための、螺旋状誘導コイルを備える、誘導加熱システムと、
を備え、
前記レセプタクルが前記螺旋状誘導コイルを貫通して延在し、
前記螺旋状誘導コイルが前記レセプタクルに対して前記ハウジング内で移動可能である、エアロゾル供給装置。
[項目2]
前記螺旋状誘導コイルが平坦な螺旋状コイルである、項目1に記載のエアロゾル供給装置。
[項目3]
前記螺旋状誘導コイルを支持するように配置された可動キャリアを備える、項目1または2に記載のエアロゾル供給装置。
[項目4]
前記可動キャリアがプレートを備え、前記平坦な螺旋状コイルが前記プレートの第1の側にある、項目3に記載のエアロゾル供給装置。
[項目5]
前記可動キャリアがプリント回路基板の基板を備える、項目3または4に記載のエアロゾル供給装置。
[項目6]
前記可動キャリアを前記レセプタクルに沿って移動させるように構成されたコイル調整機構を備える、項目3~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
[項目7]
前記レセプタクルが細長いものであり、前記螺旋状誘導コイルが前記レセプタクルに沿って長手方向に移動可能である、項目1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
[項目8]
前記螺旋状誘導コイルが所定の位置の間で移動可能である、項目7に記載のエアロゾル供給装置。
[項目9]
別個の前記所定の位置が前記レセプタクルに沿って長手方向に互いに対して離間している、項目8に記載のエアロゾル供給装置。
[項目10]
前記エアロゾル供給装置が、前記コイルが前記レセプタクルに対して静止しているときに前記コイルを動作させるように構成される、項目1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
[項目11]
前記誘導加熱システムが、前記変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含む加熱素子を備える、項目1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
[項目12]
前記加熱素子が細長いものであり、前記加熱素子が前記螺旋状誘導コイルを貫通して延在する、項目11に記載のエアロゾル供給装置。
[項目13]
前記加熱素子が前記レセプタクル内に突出する、項目11または12に記載のエアロゾル供給装置。
[項目14]
前記レセプタクルが前記加熱素子を備える、項目11または12に記載のエアロゾル供給装置。
[項目15]
前記加熱素子が前記レセプタクルの周囲壁を画定する、項目14に記載のエアロゾル供給装置。
[項目16]
前記加熱素子が管状である、項目11~15のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
[項目17]
前記加熱素子が複数の加熱材料部分を備える、項目11~16のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
[項目18]
前記加熱材料部分が前記レセプタクルに沿って長手方向に互いに離間している、項目17に記載のエアロゾル供給装置。
[項目19]
前記レセプタクルが、変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含まない、項目1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給装置。
[項目20]
エアロゾル生成材料を含む物品と、
エアロゾル供給装置であって、
エアロゾル生成材料を受け入れるように構成されたレセプタクルと、
平面誘導コイルを備え、変化する磁場を誘導するように動作可能な誘導加熱システムと、を備え、
前記レセプタクルが前記螺旋状誘導コイルを貫通して延在し、
前記平面誘導コイルが前記レセプタクルに対して移動可能である、
エアロゾル供給装置と、
前記変化する磁場による貫通によって加熱可能な加熱材料を含む加熱素子と、
を備える、エアロゾル供給システム。
[項目21]
前記物品が前記加熱素子を備える、項目20に記載のエアロゾル供給システム。
[項目22]
前記エアロゾル供給装置が前記加熱素子を備える、項目20に記載のエアロゾル供給システム。
[項目23]
前記加熱素子が前記レセプタクルの少なくとも一部を形成する、項目22に記載のエアロゾル供給システム。
[項目24]
前記加熱素子が前記レセプタクルを画定する、項目23に記載のエアロゾル供給システム。
[項目25]
前記加熱素子が前記レセプタクル内に突出する、項目22に記載のエアロゾル供給システム。
[項目26]
前記加熱素子が複数の加熱材料部分を備える、項目20~25のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
[項目27]
前記加熱材料部分が長手方向に互いに離間している、項目26に記載のエアロゾル供給システム。
【国際調査報告】