(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】セラミック可変静翼ブッシング
(51)【国際特許分類】
F16C 33/24 20060101AFI20240514BHJP
F16C 17/02 20060101ALI20240514BHJP
F16C 17/04 20060101ALI20240514BHJP
F16C 35/07 20060101ALI20240514BHJP
F16C 35/063 20060101ALI20240514BHJP
F01D 9/04 20060101ALI20240514BHJP
C04B 35/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
F16C33/24 A
F16C17/02 Z
F16C17/04 Z
F16C35/07
F16C35/063
F01D9/04
C04B35/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572505
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 US2022073300
(87)【国際公開番号】W WO2023279054
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Saint-Gobain Performance Plastics, Corporation
【住所又は居所原語表記】31500 Solon Road Solon, 44139 OH USA
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レブラン,ジーン-マリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァージェル,アルノー
(72)【発明者】
【氏名】ニングレ-コイリエール,マルゴー
(72)【発明者】
【氏名】メキレフ,ナフィー
(72)【発明者】
【氏名】ダニーシュー,ユースタシュー
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,クリスチャン
【テーマコード(参考)】
3G202
3J011
3J117
【Fターム(参考)】
3G202GA13
3J011AA08
3J011BA06
3J011DA01
3J011KA02
3J011KA03
3J011MA02
3J011SB03
3J011SB04
3J011SB12
3J011SB13
3J011SB14
3J011SD01
3J117AA01
3J117AA03
3J117CA04
3J117DA01
3J117DA02
3J117DB10
(57)【要約】
【解決手段】
システム及び方法が、可動静翼と、可動静翼の周りに環状に配置された静翼ハウジングとを有する可変静翼組立体用の静翼ブッシングを提供することを含む。ブッシングは、フランジと、フランジから延在するバレルと、フランジ及びバレルを貫通して延在する中央開口部とを含み、ハウジング内に、かつ静翼の周りに環状に配置される。ブッシングは、可変静翼組立体の静翼及びハウジングのうちの1つ以上の熱膨張係数(CTE)以下のCTEを有するセラミック材料から形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変静翼ブッシングであって、
フランジと、前記フランジから延在するバレルと、前記フランジ及び前記バレルを貫通して延在する中央開口部とを備え、前記ブッシングは、少なくとも0.5E
-6/Kの熱膨張係数(CTE)を有するセラミック材料から形成される、
可変静翼ブッシング。
【請求項2】
前記ブッシングは、可動又は回転可能な静翼と、前記可動静翼の周りに環状に配置された静翼ハウジングとを備える可変静翼組立体での使用に適しており、前記ブッシングは、前記ハウジング内に少なくとも部分的に、かつ前記静翼の周りに環状に配置されている、請求項1に記載のブッシング。
【請求項3】
可変静翼組立体であって、
可動又は回転可能な静翼と、
前記静翼の周りに環状に配置された静翼ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に、かつ前記静翼の周りに環状に配置されたブッシングであって、前記ブッシングは、フランジと、前記フランジから延在するバレルと、前記フランジ及び前記バレルを貫通して延在する中央開口部とを含み、前記ブッシングは、少なくとも0.5E
-6/Kの熱膨張係数(CTE)を有するセラミック材料から形成される、ブッシングと、
を備える、可変静翼組立体。
【請求項4】
前記ハウジングは、ステンレス鋼、チタン、又はそれらの合金から形成される、請求項3に記載の組立体。
【請求項5】
前記ブッシングは、前記静翼、前記ハウジング、又はそれらの組み合わせのCTE以下のCTEを有するセラミック材料から形成される、請求項2に記載のブッシング。
【請求項6】
前記ブッシングは、アルミニウム、ホウ素、銅、ジルコン、クロム、ケイ素、チタン、ハフニウム、タングステン、タンタル、イットリウム、又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの金属元素を、炭素、酸素、若しくは窒素、又はそれらの組み合わせと組み合わせて含むセラミック材料から形成される、請求項1に記載のブッシング。
【請求項7】
長手方向に測定された前記ブッシングの前記セラミック材料の前記CTEと比較して、半径方向に測定された前記ブッシングの前記セラミック材料の前記CTEは、前記静翼、前記ハウジング、又はそれらの組み合わせの前記CTEにより近い、請求項6に記載のブッシング。
【請求項8】
前記ブッシングは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化銅、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、又はそれらの組み合わせを含むセラミック材料から形成される、請求項7に記載のブッシング。
【請求項9】
可変静翼ブッシングを形成する方法であって、
セラミック材料を含むバルク材料を提供することと、
前記バルク材料を配向させることと、
前記バルク材料を機械加工して、フランジと、前記フランジから延在するバレルと、前記フランジ及び前記バレルを貫通して延在する中央開口部とを備えるブッシングを形成することであって、前記ブッシングは、少なくとも0.5E
-6/Kの熱膨張係数(CTE)を有する、ことと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記ブッシングは、少なくとも5mm/sの線速度で静翼ハウジング内で回転及び振動する、請求項3に記載の組立体。
【請求項11】
振動周波数が0.5Hz~500Hzである、請求項10に記載の組立体。
【請求項12】
前記線速度は、前記振動周波数と移動距離との積であり、前記移動距離は0.1mm~5mmである、請求項10に記載の組立体。
【請求項13】
前記セラミック材料は10μm未満の粒径を有する、請求項1に記載のブッシング。
【請求項14】
前記セラミック材料は、少なくとも2W/mKの熱伝導率を有する、請求項1に記載のブッシング。
【請求項15】
前記ブッシングは、0.4μm以下のRa表面粗さ値を有する表面を有するセラミック材料から形成される、請求項1に記載のブッシング。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
ブッシングが、多くの産業用途で組立体の構成要素間に使用されている。ブッシングは、動作中に構成要素間の位置合わせを維持し、かつ/又は構成要素間の相対運動を制御するために利用される。いくつかの用途では、ジェットエンジン圧縮機又はガスタービンエンジンの可変静翼組立体に利用されるブッシングなどのブッシングは、極端な力、圧力、及び/又は温度などの極端な動作条件にさらされることが多い。これらの極端な動作条件に耐えるために、これらのブッシングは、通常、グラファイト又は他の高性能ポリマー材料から形成される。しかしながら、これらの材料は依然としてかなりの温度制限を示す。更に、これらの材料の酸化は、構成要素間の摩擦係数に影響を及ぼし、性能及び信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、産業界は、そのような用途のためのブッシング技術における改善を要求し続けている。
【図面の簡単な説明】
【0002】
実施形態の特徴及び利点が達成され、より詳細に理解され得るように、添付の図面に例解されるその実施形態を参照することによって、より具体的な説明が行われ得る。しかしながら、図面は、いくつかの実施形態のみを例解し、したがって、他の等しく有効な実施形態が存在し得るため、範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【0003】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による、組立体の部分断面図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態によるブッシングを形成する方法のフローチャートである。
【
図3】
図3は、組立体内に本開示の実施形態によるブッシングを形成するために使用される異なる材料の線速度対摩耗痕幅のグラフである。
【
図4】
図4は、組立体内に本開示の実施形態によるブッシングを形成するために使用される異なる材料の線速度対摩擦係数のグラフである。
【
図5】
図5は、組立体内に本開示の実施形態によるブッシングを形成するために使用される異なる材料の摩耗痕幅対摩擦係数のグラフである。
【0004】
異なる図面における同じ参照符号の使用は、同様の又は同一の部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、本開示の一実施形態による、組立体100の部分断面図を示す。いくつかの実施形態では、組立体100は、ジェットエンジン圧縮機又はガスタービンエンジンであってもよい。より具体的には、いくつかの実施形態では、組立体は、ジェットエンジン圧縮機又はガスタービンエンジンの可変静翼組立体であってもよい。組立体100は、一般に、静翼ハウジング102などの外側構成要素と、可動又は回転可能な静翼104などの内側構成要素とを備えることができる。ハウジング102は、一般に、静翼104の周りに環状に配置されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ハウジング102及び/又は静翼104は、金属材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、金属材料は、鋼、ステンレス鋼、チタン、又はそれらの合金を含んでもよい。
【0006】
環状のブッシング150が、一般に、ハウジング102内に少なくとも部分的に、かつ静翼104の周りに環状に配置されてもよい。ブッシング150は、フランジ152と、フランジ152から延在するバレル154と、フランジ152及びバレル154を貫通して延在する中央開口部156とを備え得る。より具体的には、ブッシング150は、バレル154がハウジング102内に配置され、ハウジング102と静翼104との間に半径方向に配置され、フランジ152がハウジング102の外面106に隣接して配置されるように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、フランジ152は、ハウジング102の外面106に実質的に当接してもよい。いくつかの実施形態では、ワッシャ108が、フランジ152とハウジング102の外面106との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、バレル154は、ハウジング102と接触してもよい。いくつかの実施形態では、スリーブ110が、バレル154の周りに、ハウジング102と接触して配置され得る。いくつかの実施形態では、スリーブ110は、金属材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、スリーブ110の金属材料は、ハウジング102の金属材料と実質的に一致してもよく、鋼、ステンレス鋼、チタン、又はそれらの合金を含んでもよい。
【0007】
ブッシング150は、一般に、静翼104とブッシング150との間、ハウジング102とブッシング150との間、静翼104とハウジング102との間、又はそれらの組み合わせの間の位置合わせを維持するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ブッシング150は、ハウジング102内の軸方向の位置合わせを維持し、かつ/又は静翼104をハウジング102内の中心に置くように構成することができる。動作時の温度制限を防止するために、ブッシング150は、一般に、空気漏れの制御又は防止、摩擦の最小化、及び高温摩擦負荷下でのブッシング150の劣化の最小化などの用途要件を犠牲にすることなく、ブッシング150がより高い温度に達することを可能にする、セラミック材料などの高温耐性材料から形成することができる。
【0008】
更に、ブッシング150は、ブッシング150のバレル154と、ハウジング102、静翼104、又はそれらの組み合わせとの間に有益な公差を有するように設計することができる。いくつかの実施形態では、ブッシング150のバレル154は、ブッシング150がハウジング102に圧入取り付けされるように、ハウジング102との公差が実質的にゼロであってもよい。いくつかの実施形態では、ブッシング150のバレル154は、ハウジング102内でのブッシング150の移動が最小限となるように、ハウジング102との公差が最小限であってもよい。いくつかの実施形態では、ブッシング150のバレル154とハウジング100との間の公差は、ブッシング150のバレル154の直径の少なくとも0.005%、少なくとも0.01%、少なくとも0.02%、少なくとも0.03%、少なくとも0.04%、少なくとも0.05%、少なくとも0.10%、又は少なくとも0.15%であってもよい。いくつかの実施形態では、ブッシング150のバレル154とハウジング100との間の公差は、ブッシング150のバレル154の直径の5%以下、4%以下、3%以下、2.5%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、0.75%以下、0.50%以下、0.25%以下、0.20%以下、0.15%以下、0.10%以下、又は0.05%以下であってもよい。更に、ブッシング150のバレル154とハウジング100との間の公差は、少なくとも0.005%~5%以下、又は更には少なくとも0.10%~0.20%以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間であってもよいことが理解されよう。
【0009】
いくつかの実施形態では、ブッシング150とハウジング102との間の最小限の公差及び/又はブッシング150とハウジング102との間の低い摩擦係数(coefficient of friction、COF)は、ブッシング150内の静翼104の移動によって引き起こされる、静翼104によってブッシング150に加えられる局所的な力を低減又は最小化することができる。この力の低減又は最小化は、ガスタービンエンジンの動作によって引き起こされる半径方向力及び/又は軸方向の力から生じる、ブッシング150に印加される曲げモーメントを防止又は実質的に低減することができる。したがって、ブッシング150は、従来のグラファイトブッシング又はポリマーブッシングよりも長い寿命を有することができ、一方で、ブッシング150が従来のグラファイトブッシング又はポリマーブッシングよりもはるかに高い温度で動作することも可能にする。
【0010】
ブッシング150は、一般に、セラミック材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、ブッシング150は、ハウジング102、静翼104、又はそれらの組み合わせのCTE以下のCTEを有するセラミック材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、ブッシング150は、ハウジング102、静翼104、又はそれらの組み合わせのCTEよりも0%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、又は少なくとも15%低いCTEを有するセラミック材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ブッシング150は、ハウジング102、静翼104、又はそれらの組み合わせのCTEよりも30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下低いCTEを有するセラミック材料から形成されてもよい。更に、ブッシング150は、ハウジング102、静翼104、又はそれらの組み合わせのCTEよりも0%~30%以下、0%~20%以下、又は更には少なくとも0%~10%以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間のCTEを有するセラミック材料から形成されてもよいことが理解されよう。
【0011】
いくつかの実施形態では、ブッシング150は、少なくとも0.5E-6/K、少なくとも1.0E-6/K、少なくとも1.5E-6/K、少なくとも2E-6/K、少なくとも3E-6/K、少なくとも4E-6/K、少なくとも5E-6/K、少なくとも6E-6/K、少なくとも7E-6/K、少なくとも8E-6/K、少なくとも9E-6/K、少なくとも10E-6/K、少なくとも11E-6/K、少なくとも12E-6/K、又は少なくとも13E-6/KのCTEを有するセラミック材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ブッシング150は、14E-6/K以下、13E-6/K以下、12E-6/K以下、11E-6/K以下、又は10E-6/K以下のCTEを有するセラミック材料から形成され得る。更に、ブッシング150は、少なくとも0.5E-6/K~10E-6/K以下、少なくとも1.5E-6/K~10E-6/K以下、又は更には少なくとも3E-6/K~12E-6/K以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間のCTEを有するセラミック材料から形成され得ることが理解されよう。
【0012】
いくつかの実施形態では、ブッシング150は、少なくとも25MPa、少なくとも50MPa、少なくとも75MPa、少なくとも100MPa、少なくとも200MPa、少なくとも300MPa、少なくとも400MPa、少なくとも500MPa、少なくとも750MPa、又は少なくとも1000MPaの曲げ強度を有するセラミック材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ブッシング150は、1500MPa以下、1250MPa以下、1000MPa以下、750MPa以下、500MPa以下、400MPa以下、300MPa以下、200MPa以下、又は100MPa以下の曲げ強度を有するセラミック材料から形成されてもよい。更に、ブッシング150は、少なくとも25MPa~1500MPa以下、少なくとも25MPa~500MPa以下、又は更には少なくとも25MPa~100MPa以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間の曲げ強度を有するセラミック材料から形成され得ることが理解されるであろう。
【0013】
いくつかの実施形態では、ブッシング150は、少なくとも2W/mKの熱伝導率を有してもよい。ブッシング150は、30W/mK以下の熱伝導率を有してもよい。更に、ブッシング150は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間の熱伝導率を有し得ることが理解されるであろう。
【0014】
いくつかの実施形態では、ブッシング150は、0.4μm以下、0.3μm以下、0.2μm以下、0.1μm以下、0.01μm以下、又は0.005μm以下のRa表面粗さ値を有する表面を有するセラミック材料から形成されてもよい。更に、ブッシング150は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間の表面粗さを有し得ることが理解されるであろう。
【0015】
いくつかの実施形態では、ブッシング150は、少なくとも1キログラム毎平方ミリメートル(kg/mm2)、少なくとも2kg/mm2、少なくとも3kg/mm2、少なくとも4kg/mm2、少なくとも5kg/mm2、少なくとも10kg/mm2、少なくとも15kg/mm2、少なくとも20kg/mm2、少なくとも25kg/mm2、少なくとも50kg/mm2、少なくとも100kg/mm2、少なくとも200kg/mm2、少なくとも300kg/mm2、少なくとも400kg/mm2、少なくとも500kg/mm2又は少なくとも1000kg/mm2の硬度を有するセラミック材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ブッシング150は、2000kg/mm2以下、1750kg/mm2以下、1500kg/mm2以下、1250kg/mm2以下、1000kg/mm2以下、750kg/mm2以下、500kg/mm2以下、400kg/mm2以下、300kg/mm2以下、200kg/mm2以下、100kg/mm2以下、50kg/mm2以下、又は25kg/mm2以下の硬度を有するセラミック材料から形成されてもよい。更に、ブッシング150は、少なくとも1kg/mm2~2000kg/mm2以下、少なくとも2kg/mm2~1000kg/mm2以下、又は更には少なくとも3kg/mm2~15kg/mm2以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間の硬度を有するセラミック材料から形成され得ることが理解されよう。
【0016】
いくつかの実施形態では、ブッシング150は、少なくとも0.5μm、少なくとも1μm、少なくとも10μm、又は更には少なくとも25μmのセラミック材料粒子の粒径を有することができる。ブッシング150は、10μm以下、5μm以下、1μm以下、又は更には0.5μm以下のセラミック材料粒子の粒径を有し得る。更に、ブッシング150は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間のセラミック材料粒子の粒径を有し得ることが理解されるであろう。
【0017】
いくつかの実施形態では、ブッシング150は、少なくとも0.5μm、少なくとも1μm、少なくとも10μm、又は更には少なくとも25μmのセラミック材料粒子の粒径を有することができる。ブッシング150は、10μm以下、5μm以下、1μm以下、又は更には0.5μm以下のセラミック材料粒子の粒径を有し得る。更に、ブッシング150は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間のセラミック材料粒子の粒径を有し得ることが理解されるであろう。
【0018】
いくつかの実施形態では、ブッシング150は、アルミニウム、ホウ素、銅、ジルコン、クロム、ケイ素、チタン、ハフニウム、タングステン、タンタル、イットリウム、又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの金属元素を含むセラミック材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、ブッシング150は、アルミニウム、ホウ素、銅、ジルコン、クロム、ケイ素、チタン、ハフニウム、タングステン、タンタル、イットリウム、又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの金属元素を、炭素、酸素、若しくは窒素、又はそれらの組み合わせと組み合わせて含むセラミック材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ブッシング150は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化銅、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、又はそれらの組み合わせを含むセラミック材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、ブッシング150は、窒化ホウ素複合材料(hBN)を含むセラミック材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ブッシング150は、窒化ホウ素複合材料(hBN)から本質的になるセラミック材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、窒化ホウ素複合材料(hBN)は、グレードZSBN窒化ホウ素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、窒化ホウ素複合材料(hBN)は、窒化ホウ素(BN)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、及びホウケイ酸ガラス(BOD)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、窒化ホウ素複合材料(hBN)は、約45重量%の窒化ホウ素(BN)、約45%の二酸化ジルコニウム(ZrO2)、及び約10重量%のホウケイ酸ガラスを結晶相として含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、ブッシング150は、1つ以上の異方性熱機械特性を有するセラミック材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の異方性熱機械特性は、ブッシングのセラミック材料のCTEを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の方向に沿って摂氏0度~摂氏500度の第1の温度で測定されたブッシング150のセラミック材料のCTEは、第1の方向に直交する第2の方向に同じ温度で測定されたブッシング150のセラミック材料のCTEよりも少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低いか又は高い。いくつかの実施形態では、長手方向に測定されたブッシング150のセラミック材料のCTEと比較して、半径方向に測定されたブッシング150のセラミック材料のCTEは、静翼104、ハウジング102、又はそれらの組み合わせのCTEにより近い。いくつかの実施形態では、半径方向に測定されたブッシングのセラミック材料のCTEは、異方性であってもよい。いくつかの実施形態では、半径方向に測定されたブッシングのセラミック材料のCTEは、等方性であってもよい。
【0020】
ブッシング150とハウジング102との間の最小限の公差及び/又はブッシング150とハウジング102との間の低い摩擦係数(COF)は、ブッシング150内の静翼104の移動によって引き起こされる、静翼104によってブッシング150に加えられる局所的な力を低減又は最小化することができる。この力の低減又は最小化は、ガスタービンエンジンの動作によって引き起こされる半径方向力及び/又は軸方向の力から生じる、ブッシング150に印加される曲げモーメントを防止又は実質的に低減することができる。したがって、いくつかの実施形態では、ブッシング150は、1.0以下、0.9以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、0.6以下、0.5以下、0.4以下、0.3以下、又は0.2以下のハウジング102との摩擦係数(COF)を有するセラミック材料から形成され得る。
【0021】
更に、この力の低減又は最小化は、ガスタービンエンジンの動作によって引き起こされる半径方向力及び/又は軸方向の力から生じる、ブッシング150に印加される曲げモーメントを防止又は実質的に低減することができる。したがって、ブッシング150は、従来のグラファイトブッシング又はポリマーブッシングよりも長い寿命を有することができ、一方で、ブッシング150が従来のグラファイトブッシング又はポリマーブッシングよりもはるかに高い温度で動作することも可能にする。したがって、いくつかの実施形態では、ブッシング150は、空気(例えば、空気流)下で、少なくとも摂氏500度、少なくとも摂氏600度、少なくとも摂氏700度、少なくとも摂氏800度、少なくとも摂氏850度、少なくとも摂氏900度、少なくとも摂氏950度、少なくとも摂氏1000度、又は更に高い動作温度に耐えるように構成され得る。これらの温度での動作は、少なくとも10バール、少なくとも20バール、少なくとも30バール、少なくとも40バール、少なくとも50バール、又は更には少なくとも60バールの圧力までの標準大気圧で行われてもよい。
図2は、本開示の一実施形態による可変静翼ブッシング150を形成する方法200のフローチャートを示す。方法200は、ブロック202において、セラミック材料を含むバルク材料を提供することによって開始することができる。いくつかの実施形態では、バルク材料は、異方性セラミック材料を含んでもよい。方法200は、ブロック204において、バルク材料を配向させることによって継続することができる。いくつかの実施形態では、バルク材料を配向することにより、ブッシング150が、軸方向及び半径方向のうちの少なくとも一方で測定した場合に、少なくとも0.5E
-6/KのCTEを有することが可能となる。方法200は、ブロック206において、バルク材料を機械加工して、フランジ152と、フランジ152から延在するバレル154と、フランジ152及びバレル154を貫通して延在する中央開口部156とを含むブッシング150を形成することによって継続することができ、ブッシング150は、軸方向及び半径方向のうちの少なくとも一方において少なくとも0.5E
-6/Kの熱膨張係数(coefficient of thermal expansion、CTE)を有する。
【0022】
図3は、組立体内に本開示の実施形態によるブッシングを形成するために使用される異なる材料の線速度対摩耗痕幅のグラフを示す。Aとラベル付けされた点は、ジルコニア系セラミック材料を示す。Bとラベル付けされた点は、ケイ酸ジルコニウム系セラミック材料を示す。Cとラベル付けされた点は、黒鉛系セラミック材料を示す。Dとラベル付けされた点は、研磨された表面を有するジルコニア系セラミック材料を示す。本明細書の実施形態によるブッシングは、指定されたセラミック材料を含み、5.5mm/s及び300mm/sの線速度で組立体内で回転された。線速度は、振動周波数と移動距離との積である。振動周波数は、0.5Hz~500Hzであってもよい。移動距離は、0.1mm~5mmであってもよい。図示のように、ブッシングにセラミック材料を選択することで、既存のブッシングと比較して改善された摩耗性能が示される。
【0023】
図4は、組立体内に本開示の実施形態によるブッシングを形成するために使用される異なる材料の線速度対摩擦係数のグラフを示す。Aとラベル付けされた点は、ジルコニア系セラミック材料を示す。Bとラベル付けされた点は、ケイ酸ジルコニウム系セラミック材料を示す。Cとラベル付けされた点は、黒鉛系セラミック材料を示す。本明細書の実施形態によるブッシングは、指定されたセラミック材料を含み、5.5mm/s及び300mm/sの線速度で組立体内で回転された。線速度は、振動周波数と移動距離との積である。振動周波数は、0.5Hz~500Hzであってもよい。移動距離は、0.1mm~5mmであってもよい。図示のように、ブッシングにセラミック材料を選択することで、既存のブッシングと比較して改善された摩擦係数が示される。
【0024】
図5は、組立体内に本開示の実施形態によるブッシングを形成するために使用される異なる材料の摩耗痕幅対摩擦係数のグラフを示す。Aとラベル付けされた点は、ジルコニア系セラミック材料を示す。Bとラベル付けされた点は、ケイ酸ジルコニウム系セラミック材料を示す。Cとラベル付けされた点は、黒鉛系セラミック材料を示す。本明細書の実施形態によるブッシングは、指定されたセラミック材料を含み、5.5mm/s及び300mm/sの線速度で組立体内で回転された。線速度は、振動周波数と移動距離との積である。振動周波数は、0.5Hz~500Hzであってもよい。移動距離は、0.1mm~5mmであってもよい。図示のように、ブッシングにセラミック材料を選択することで、既存のブッシングと比較して改善された摩耗性能及び摩擦係数が示される。
【0025】
組立体100、ブッシング150、及び/又は可変ステータブッシング150を形成する方法200の実施形態は、以下のうちの1つ以上を含むことができる。
実施形態1.フランジと、フランジから延在するバレルと、フランジ及びバレルを貫通して延在する中央開口部と、を備える可変静翼ブッシングであって、ブッシングは、少なくとも0.5E-6/Kの熱膨張係数(CTE)を有するセラミック材料から形成される、可変静翼ブッシング。
【0026】
実施形態2.ブッシングは、可動又は回転可能な静翼と、可動静翼の周りに環状に配置された静翼ハウジングとを備える可変静翼組立体での使用に適しており、ブッシングは、ハウジング内に少なくとも部分的に、かつ静翼の周りに環状に配置されている、実施形態1に記載のブッシング。
【0027】
実施形態3.可変静翼組立体であって、可動又は回転可能な静翼と、静翼の周りに環状に配置された静翼ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に、かつ静翼の周りに環状に配置されたブッシングであって、ブッシングは、フランジと、フランジから延在するバレルと、フランジ及びバレルを貫通して延在する中央開口部とを含み、ブッシングは、少なくとも0.5E-6/Kの熱膨張係数(CTE)を有するセラミック材料から形成される、ブッシングと、を備える、可変静翼組立体。
【0028】
実施形態4.ハウジングは、ステンレス鋼、チタン、又はそれらの合金から形成される、実施形態2又は3に記載のブッシング又は組立体。
【0029】
実施形態5.ブッシングは、静翼、ハウジング、又はそれらの組み合わせのCTE以下のCTEを有するセラミック材料から形成される、実施形態2~4のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0030】
実施形態6.ブッシングは、静翼、ハウジング、又はそれらの組み合わせのCTEよりも0%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、又は少なくとも15%低いCTEを有するセラミック材料から形成される、実施形態2~5のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0031】
実施形態7.ブッシングは、静翼、ハウジング、又はそれらの組み合わせのCTEよりも30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下低いCTEを有するセラミック材料から形成される、実施形態2~6のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0032】
実施形態8.ブッシングは、少なくとも0.5E-6/K、少なくとも1.0E-6/K、少なくとも1.5E-6/K、少なくとも2E-6/K、少なくとも3E-6/K、少なくとも4E-6/K、少なくとも5E-6/K、少なくとも6E-6/K、少なくとも7E-6/K、少なくとも8E-6/K、少なくとも9E-6/K、少なくとも10E-6/K、少なくとも11E-6/K、少なくとも12E-6/K、又は少なくとも13E-6/KのCTEを有するセラミック材料から形成される、実施形態1~7のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0033】
実施形態9.ブッシングは、14E-6/K以下、13E-6/K以下、12E-6/K以下、11E-6/K以下、又は10E-6/K以下のCTEを有するセラミック材料から形成される、実施形態1~8のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0034】
実施形態10.ブッシングは、少なくとも25MPa、少なくとも50MPa、少なくとも75MPa、少なくとも100MPa、少なくとも200MPa、少なくとも300MPa、少なくとも400MPa、少なくとも500MPa、少なくとも750MPa、又は少なくとも1000MPaの曲げ強度を有するセラミック材料から形成される、実施形態1~9のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0035】
実施形態11.ブッシングは、1500MPa以下、1250MPa以下、1000MPa以下、750MPa以下、500MPa以下、400MPa以下、300MPa以下、200MPa以下、又は100MPa以下の曲げ強度を有するセラミック材料から形成される、実施形態1~10のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0036】
実施形態12.ブッシングは、少なくとも1キログラム毎平方ミリメートル(kg/mm2)、少なくとも2kg/mm2、少なくとも3kg/mm2、少なくとも4kg/mm2、少なくとも5kg/mm2、少なくとも10kg/mm2、少なくとも15kg/mm2、少なくとも20kg/mm2、少なくとも25kg/mm2、少なくとも50kg/mm2、少なくとも100kg/mm2、少なくとも200kg/mm2、少なくとも300kg/mm2、少なくとも400kg/mm2、少なくとも500kg/mm2又は少なくとも1000kg/mm2の硬度を有するセラミック材料から形成される、実施形態1~11のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0037】
実施形態13.ブッシングは、2000kg/mm2以下、1750kg/mm2以下、1500kg/mm2以下、1250kg/mm2以下、1000kg/mm2以下、750kg/mm2以下、500kg/mm2以下、400kg/mm2以下、300kg/mm2以下、200kg/mm2以下、100kg/mm2以下、50kg/mm2以下、又は25kg/mm2以下の硬度を有するセラミック材料から形成される、実施形態1~12のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0038】
実施形態14.ブッシングは、1.0以下、0.9以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、0.6以下、0.5以下、0.4以下、0.3以下、又は0.2以下のハウジングとの摩擦係数(COF)を有するセラミック材料から形成される、実施形態1~13のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0039】
実施形態15.ブッシングは、アルミニウム、ホウ素、銅、ジルコン、クロム、ケイ素、チタン、ハフニウム、タングステン、タンタル、イットリウム、又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの金属元素を、炭素、酸素、若しくは窒素、又はそれらの組み合わせと組み合わせて含むセラミック材料から形成される、実施形態1~14のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0040】
実施形態16.ブッシングは、1つ以上の異方性熱機械特性を有するセラミック材料から形成される、実施形態15に記載のブッシング又は組立体。
【0041】
実施形態17.1つ以上の異方性熱機械特性は、ブッシングのセラミック材料のCTEを含み、第1の方向に沿って摂氏0度~摂氏500度の第1の温度で測定されたブッシングのセラミック材料のCTEは、第1の方向に直交する第2の方向に同じ温度で測定されたブッシングのセラミック材料のCTEよりも少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低い又は高い、実施形態15又は16に記載のブッシング又は組立体。
【0042】
実施形態18.長手方向に測定されたブッシングのセラミック材料のCTEと比較して、半径方向に測定されたブッシングのセラミック材料のCTEは、静翼、ハウジング、又はそれらの組み合わせのCTEにより近い、実施形態15~17のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0043】
実施形態19.半径方向に測定されたブッシングのセラミック材料のCTEは異方性である、実施形態18に記載のブッシング又は組立体。
【0044】
実施形態20.半径方向に測定されたブッシングのセラミック材料のCTEは等方性である、実施形態18に記載のブッシング又は組立体。
【0045】
実施形態21.ブッシングは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化銅、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、又はそれらの組み合わせを含むセラミック材料から形成される、実施形態15~20のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0046】
実施形態22.ブッシングは、窒化ホウ素複合材料(hBN)を含むセラミック材料から形成される、実施形態15~20のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0047】
実施形態23.ブッシングのフランジは、ハウジングに実質的に当接する、実施形態2~22のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0048】
実施形態24.ブッシングのフランジとハウジングとの間に配置されたワッシャを更に備える、実施形態2~22のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0049】
実施形態25.ブッシングのバレルの周りに配置されたスリーブを更に備える、実施形態1~24のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0050】
実施形態26.スリーブは、鋼、ステンレス鋼、チタン、又はそれらの合金を含む、実施形態25に記載のブッシング又は組立体。
【0051】
実施形態27.ブッシングのバレルとハウジングとの間の公差は、ブッシングのバレルの直径の0%、少なくとも0.005%、少なくとも0.01%、少なくとも0.02%、少なくとも0.03%、少なくとも0.04%、少なくとも0.05%、少なくとも0.10%、又は少なくとも0.15%である、実施形態2~26のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0052】
実施形態28.ブッシングのバレルとハウジングとの間の公差は、ブッシングのバレルの直径の5%以下、4%以下、3%以下、2.5%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、0.75%以下、0.50%以下、0.25%以下、0.20%以下、0.15%以下、0.10%以下、又は0.05%以下である、実施形態2~27のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0053】
実施形態29.ブッシングは、空気下で、少なくとも摂氏500度、少なくとも摂氏600度、少なくとも摂氏700度、少なくとも摂氏800度、少なくとも摂氏850度、少なくとも摂氏900度、少なくとも摂氏950度、少なくとも摂氏1000度の動作温度に耐えるように構成される、実施形態1~28のいずれか1つに記載のブッシング又は組立体。
【0054】
実施形態30.可変静翼ブッシングを形成する方法であって、セラミック材料を含むバルク材料を提供することと、バルク材料を配向させることと、バルク材料を機械加工して、フランジと、フランジから延在するバレルと、フランジ及びバレルを貫通して延在する中央開口部とを備えるブッシングを形成することであって、ブッシングは、少なくとも0.5E-6/Kの熱膨張係数(CTE)を有する、ことと、を含む方法。
【0055】
実施形態31.ブッシングは、少なくとも0.5E-6/K、少なくとも1.0E-6/K、少なくとも1.5E-6/K、少なくとも2E-6/K、少なくとも3E-6/K、少なくとも4E-6/K、少なくとも5E-6/K、少なくとも6E-6/K、少なくとも7E-6/K、少なくとも8E-6/K、少なくとも9E-6/K、少なくとも10E-6/K、少なくとも11E-6/K、少なくとも12E-6/K、又は少なくとも13E-6/KのCTEを有するセラミック材料から形成される、実施形態30に記載の方法。
【0056】
実施形態32.ブッシングは、14E-6/K以下、13E-6/K以下、12E-6/K以下、11E-6/K以下、又は10E-6/K以下のCTEを有するセラミック材料から形成される、実施形態30又は31に記載の方法。
【0057】
実施形態33.ブッシングは、少なくとも25MPa、少なくとも50MPa、少なくとも75MPa、少なくとも100MPa、少なくとも200MPa、少なくとも300MPa、少なくとも400MPa、少なくとも500MPa、少なくとも750MPa、又は少なくとも1000MPaの曲げ強度を有するセラミック材料から形成される、実施形態30~32のいずれか1つに記載の方法。
【0058】
実施形態34.ブッシングは、1500MPa以下、1250MPa以下、1000MPa以下、750MPa以下、500MPa以下、400MPa以下、300MPa以下、200MPa以下、又は100MPa以下の曲げ強度を有するセラミック材料から形成される、実施形態30~33のいずれか1つに記載の方法。
【0059】
実施形態35.ブッシングは、少なくとも1キログラム毎平方ミリメートル(kg/mm2)、少なくとも2kg/mm2、少なくとも3kg/mm2、少なくとも4kg/mm2、少なくとも5kg/mm2、少なくとも10kg/mm2、少なくとも15kg/mm2、少なくとも20kg/mm2、少なくとも25kg/mm2、少なくとも50kg/mm2、少なくとも100kg/mm2、少なくとも200kg/mm2、少なくとも300kg/mm2、少なくとも400kg/mm2、少なくとも500kg/mm2又は少なくとも1000kg/mm2の硬度を有するセラミック材料から形成される、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
【0060】
実施形態36.ブッシングは、2000kg/mm2以下、1750kg/mm2以下、1500kg/mm2以下、1250kg/mm2以下、1000kg/mm2以下、750kg/mm2以下、500kg/mm2以下、400kg/mm2以下、300kg/mm2以下、200kg/mm2以下、100kg/mm2以下、50kg/mm2以下、又は25kg/mm2以下の硬度を有するセラミック材料から形成される、実施形態30~35のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
実施形態37.ブッシングは、アルミニウム、ホウ素、銅、ジルコン、クロム、ケイ素、チタン、ハフニウム、タングステン、タンタル、イットリウム、又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの金属元素を、炭素、酸素、若しくは窒素、又はそれらの組み合わせと組み合わせて含むセラミック材料から形成される、実施形態30~36のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
実施形態38.ブッシングは、異方性熱機械特性を有するセラミック材料から形成される、実施形態37に記載の方法。
【0063】
実施形態39.第1の方向に沿って摂氏0度~摂氏500度の第1の温度で測定されたセラミック材料のCTEは、第1の方向に直交する第2の方向に同じ温度で測定されたCTEよりも、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低いか又は高い、実施形態37~38のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
実施形態40.長手方向におけるブッシングのCTEと比較して、半径方向におけるブッシングのCTEは、静翼、ハウジング、又はそれらの組み合わせのCTEにより近い、実施形態37~39のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
実施形態41.ブッシングの半径方向のCTEは異方性である、実施形態40に記載の方法。
【0066】
実施形態42.ブッシングの半径方向のCTEは等方性である、実施形態40に記載の方法。
【0067】
実施形態43.ブッシングは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化銅、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、又はそれらの組み合わせを含むセラミック材料から形成される、実施形態37~42のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
実施形態44.ブッシングは、窒化ホウ素複合材料(hBN)を含むセラミック材料から形成される、実施形態37~42のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
実施形態45.バルク材料を配向することにより、ブッシングが、半径方向及び長手方向のうちの少なくとも一方で測定した場合に、少なくとも0.5E-6/KのCTEを有することが可能となる、実施形態30~44のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
実施形態46.ブッシングは、空気下で、少なくとも摂氏500度、少なくとも摂氏600度、少なくとも摂氏700度、少なくとも摂氏800度、少なくとも摂氏850度、少なくとも摂氏900度、少なくとも摂氏950度、又は少なくとも摂氏1000度の動作温度に耐えるように構成される、実施形態30~45のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
実施形態47.ブッシングは、少なくとも5mm/sの線速度で静翼ハウジング内で回転及び振動する、実施形態3に記載の組立体。
【0072】
実施形態48.線速度は、振動周波数と移動距離との積である、実施形態47に記載の組立体。
【0073】
実施形態49.振動周波数は0.5Hz~500Hzである、実施形態48に記載の組立体。
【0074】
実施形態50.移動距離は0.1mm~5mmである、実施形態48に記載の組立体。
【0075】
実施形態51.セラミック材料は10μm未満の粒径を有する、実施形態1~50のいずれか1つに記載のブッシング、組立体、又は方法。
【0076】
実施形態52.セラミック材料は5μm未満の粒径を有する、実施形態1~50のいずれか1つに記載のブッシング、組立体、又は方法。
【0077】
実施形態53.セラミック材料は1μm未満の粒径を有する、実施形態1~50のいずれか1つに記載のブッシング、組立体、又は方法。
【0078】
実施形態54.セラミック材料は0.5μm未満の粒径を有する、実施形態1~50のいずれか1つに記載のブッシング、組立体、又は方法。
【0079】
実施形態55.セラミック材料は、少なくとも2W/mK、少なくとも5W/mK、少なくとも10W/mK、少なくとも20W/mKの熱伝導率を有する、実施形態1~54のいずれか1つに記載のブッシング、組立体、又は方法。
【0080】
実施形態56.ブッシングは、0.4μm以下、0.3μm以下、0.2μm以下、0.1μm以下、0.01μm以下、又は0.005μm以下のRa表面粗さ値を有する表面を有するセラミック材料から形成される、実施形態1~55のいずれか1つに記載のブッシング、組立体、又は方法。
【0081】
一般的な説明又は実施例において、上で説明される活動の全てが必要とされるわけではなく、特定の活動の一部が必要とされない場合があり、説明される活動に加えて1つ以上の更なる活動が行われ得ることに留意されたい。更に、活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0082】
前述の明細書では、特定の実施形態を参照して概念を記載してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に掲げる本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解する。そのため、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきであり、全てのこのような修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0083】
本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することが意図される。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の特徴を含み得る。更に、矛盾する記載がない限り、「又は/若しくは(or)」は、包含的な「又は/若しくは(or)」を指し、排他的な「又は/若しくは(or)」を指すものではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)、Bが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)、Bが真である(又は存在する)、及び、AとBとの両方が真である(又は存在する)。
【0084】
また、「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素及び構成成分を説明するために用いられる。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数はまた、そうでないことを意味することが明らかでない限り、複数も含む。
【0085】
利益、他の利点、及び問題の解決策は、特定の実施形態に関して上で説明されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策をもたらすかより顕著にする可能性がある任意の特徴は、請求項のいずれか又は全ての重要な、必要な、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0086】
本明細書を読んだ後、当業者には、特定の特徴が、明確にするために、別個の実施形態の文脈において本明細書に記載されており、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが理解されよう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別個に又は任意の部分的な組み合わせで提供され得る。更に、範囲で述べられた値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。
【国際調査報告】