(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】透析のための吸着剤再生カートリッジ
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A61M1/16 190
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572570
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 US2022031128
(87)【国際公開番号】W WO2022251494
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522176942
【氏名又は名称】ダイアリティ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ボリロ, ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ズー トゥン
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077BB03
4C077EE03
4C077EE04
4C077GG14
4C077MM07
4C077PP17
4C077PP24
4C077PP27
4C077PP28
(57)【要約】
透析機械で使用するための吸着剤再生システムが記載されている。吸着剤再生カートリッジは、ウレアーゼの層、酸性リン酸ジルコニウムの層、およびリン酸ジルコニウムナトリウムの層を含んでもよい。透析を実施するための装置は、吸着剤カートリッジ、および吸着剤カートリッジと流体連通している透析器を含んでもよく、ここで、使用済み透析液は、透析器から吸着剤カートリッジに移動して通過し、ここで、吸着剤カートリッジは、ウレアーゼの層、酸性リン酸ジルコニウムの層、およびリン酸ジルコニウムナトリウムの層を含む。ウレアーゼは、担体に固定化または結合されていてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレアーゼの層、酸性リン酸ジルコニウムの層、およびリン酸ジルコニウムの層を含む吸着剤カートリッジ。
【請求項2】
使用済み透析液が前記酸性リン酸ジルコニウムの層または前記リン酸ジルコニウムの層のいずれかと接触する前に、前記使用済み透析液が前記ウレアーゼの層と接触するように構成されている、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
使用済み透析液が前記リン酸ジルコニウムの層より前に前記酸性リン酸ジルコニウムの層と接触するように構成されている、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
活性炭の層をさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
活性炭の層が最終層として構成されている、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
使用済み透析液が前記ウレアーゼの層と接触した後で、前記使用済み透析液が前記活性炭の層と接触するように構成されている、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項7】
酸化ジルコニウムの層をさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記酸化ジルコニウムの層の酸化ジルコニウムが、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム水酸化物、ジルコニウム含水酸化物、含水酸化ジルコニウム、水和した酸化ジルコニウム、水和していない酸化ジルコニウム、またはその組合せを含む、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
使用済み透析液が前記酸性リン酸ジルコニウムの層と接触した後で、前記使用済み透析液が前記酸化ジルコニウムの層と接触するように構成されている、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項10】
使用済み透析液が前記リン酸ジルコニウムの層と接触した後で、前記使用済み透析液が前記酸化ジルコニウムの層と接触するように構成されている、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記リン酸ジルコニウムの層がリン酸ジルコニウムナトリウムを含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記ウレアーゼの層のウレアーゼが固定化されている、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記固定化されたウレアーゼの層において、ウレアーゼがシリカと共有結合している、請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記ウレアーゼの層が、ウレアーゼと金属酸化物の混合物を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記金属酸化物が酸化鉄である、請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記金属酸化物が、酸化鉄、水酸化鉄、酸化鉄水酸化物、鉄含水酸化物、および含水酸化鉄からなる群から選択される、請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記ウレアーゼの層が、ウレアーゼと少なくとも1種のリン酸ジルコニウムとの混合物を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記ウレアーゼの層が、ウレアーゼと少なくとも2形態のリン酸ジルコニウムとの混合物を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記少なくとも2形態のリン酸ジルコニウムが、リン酸ジルコニウムナトリウムおよび酸性リン酸ジルコニウムを含む、請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
リン酸ジルコニウムの追加層をさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記リン酸ジルコニウムの追加層が、部分酸性リン酸ジルコニウムとリン酸ジルコニウムナトリウムの層を形成するために酸性リン酸ジルコニウムをさらに含む、請求項20に記載のカートリッジ。
【請求項22】
前記部分酸性リン酸ジルコニウムとリン酸ジルコニウムナトリウムの層が、前記酸性リン酸ジルコニウムの層と前記リン酸ジルコニウムの層の間に配置されている、請求項21に記載のカートリッジ。
【請求項23】
使用済み透析液が活性炭の層と接触した後で、前記使用済み透析液が前記酸性リン酸ジルコニウムの層と接触する前に、前記使用済み透析液が前記リン酸ジルコニウムの追加層と接触するように構成されている、請求項20に記載のカートリッジ。
【請求項24】
前記酸性リン酸ジルコニウムの層が、リン酸ジルコニウムの混合層を形成するためにリン酸ジルコニウムをさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項25】
前記リン酸ジルコニウムの混合層が、酸性リン酸ジルコニウム:リン酸ジルコニウムナトリウムの比が約0.25:2.0である、請求項24に記載のカートリッジ。
【請求項26】
透析を実施するための装置であって、吸着剤カートリッジ、および前記吸着剤カートリッジと流体連通している透析器を含み、使用済み透析液は、前記透析器から前記吸着剤カートリッジに移動して通過し、前記吸着剤カートリッジは、ウレアーゼの層、酸性リン酸ジルコニウムの層、およびリン酸ジルコニウムの層を含む、装置。
【請求項27】
前記吸着剤カートリッジが、前記使用済み透析液が前記酸性リン酸ジルコニウムの層または前記リン酸ジルコニウムの層のいずれかと接触する前に、前記使用済み透析液が前記ウレアーゼの層と接触するように構成されている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記吸着剤カートリッジが、前記使用済み透析液が前記リン酸ジルコニウムの層の前に前記酸性リン酸ジルコニウムの層と接触するように構成されている、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記吸着剤カートリッジが活性炭の層をさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
活性炭の層は、前記活性炭の層が最終層として構成されている、請求項26に記載の装置。
【請求項31】
前記吸着剤カートリッジが、前記使用済み透析液が前記ウレアーゼの層と接触した後で、前記使用済み透析液が前記活性炭の層と接触するように構成されている、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記吸着剤カートリッジが酸化ジルコニウムの層をさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項33】
前記酸化ジルコニウムの層の酸化ジルコニウムが、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム水酸化物、ジルコニウム含水酸化物、含水酸化ジルコニウム、水和した酸化ジルコニウム、水和していない酸化ジルコニウム、またはその組合せを含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記吸着剤カートリッジが、使用済み透析液が前記酸性リン酸ジルコニウムの層と接触した後で、前記使用済み透析液が前記酸化ジルコニウムの層と接触するように構成されている、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記吸着剤カートリッジが、使用済み透析液が前記リン酸ジルコニウムの層と接触した後で、前記使用済み透析液が前記酸化ジルコニウムの層と接触するように構成されている、請求項32に記載の装置。
【請求項36】
前記リン酸ジルコニウムの層がリン酸ジルコニウムナトリウムを含む、請求項26に記載の装置。
【請求項37】
前記ウレアーゼの層のウレアーゼが固定化されている、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記固定化されたウレアーゼの層において、ウレアーゼがシリカと共有結合している、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記ウレアーゼの層が、ウレアーゼと金属酸化物の混合物を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項40】
前記金属酸化物が酸化鉄である、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記金属酸化物が、酸化鉄、水酸化鉄、酸化鉄水酸化物、鉄含水酸化物、および含水酸化鉄からなる群から選択される、請求項39に記載の装置。
【請求項42】
前記ウレアーゼの層が、ウレアーゼと少なくとも1種のリン酸ジルコニウムとの混合物を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項43】
前記ウレアーゼの層が、ウレアーゼと少なくとも2形態のリン酸ジルコニウムとの混合物を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項44】
前記少なくとも2形態のリン酸ジルコニウムが、リン酸ジルコニウムナトリウムおよび酸性リン酸ジルコニウムを含む、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
リン酸ジルコニウムの追加層をさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項46】
前記リン酸ジルコニウムの追加層が、部分酸性リン酸ジルコニウムとリン酸ジルコニウムナトリウムの層を形成するために酸性リン酸ジルコニウムをさらに含む、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記部分酸性リン酸ジルコニウムとリン酸ジルコニウムナトリウムの層が、前記酸性リン酸ジルコニウムの層と前記リン酸ジルコニウムの層の間に配置されている、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記カートリッジが、使用済み透析液が活性炭の層と接触した後で、前記使用済み透析が前記酸性リン酸ジルコニウムの層と接触する前に、前記使用済み透析液が前記リン酸ジルコニウムの追加層と接触するように構成されている、請求項45に記載の装置。
【請求項49】
前記酸性リン酸ジルコニウムの層が、リン酸ジルコニウムの混合層を形成するためにリン酸ジルコニウムをさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項50】
前記リン酸ジルコニウムの混合層が、酸性リン酸ジルコニウム:リン酸ジルコニウムナトリウムの比が約0.25:2.0である、請求項49に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全ての目的のためにその全体が参照により明示的に本明細書に組み込まれている、2021年5月28日に出願された米国仮出願第63/194,843号に基づく優先権およびその利益を主張する。
【0002】
発明の背景
本発明は、透析に有用なカートリッジに関する。特に、本発明は一般に、使用後の透析液の再生または精製に関する。本発明はさらに、特定のカートリッジを使用する透析を実施する方法、またカートリッジを作製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
米国では成人の7人に2人以上(米国の成人の約15人)が慢性腎臓(または腎)疾患に罹っていると推定される。慢性腎臓疾患に苦しんでいる人々において、彼らの腎臓は、もはや健康な腎臓ほど彼らの血液を清浄化しない。したがって、毒性廃棄物および余分な液体は、体内に蓄積する。透析は、腎不全の結果として血液中に蓄積する老廃物および余剰液体を除去する処置である。慢性腎不全は、腎機能が正常時の約25%まで劣化した場合である。この劣化量は、血液化学に著しい変化を引き起こし、人々が体調不良を感じて医療を求める頃である。その時に内科的処置を求めた場合、進行を遅らせることができる。後期慢性腎不全は、腎臓機能が15%まで低下した場合である。末期腎不全は、腎臓機能が正常時の5%である場合である。この時点で処置しなければ死亡する確率が最も高くなる。
【0004】
現在腎疾患の治癒法はないが、いくつかの形式の処置がある。1つの処置は移植であり、その場合、ヒトの腎臓が手術によって体内に配置され、膀胱に接続される。移植後、移植された腎臓が体に拒絶されないようにするために毎日の投薬が必要である。別の処置は、腹膜透析(PD)である。この処置によって、透析液と呼ばれるデキストロースおよび電解質を含有する薄い塩水溶液が腹膜腔に入れられる。この腹腔へ濃い血液が供給されるので、血液および液体からの尿素および他の毒素は、透析液に移動し、それによって血液が清浄化される。次に、透析液は、腹膜から排出される。その後、「新鮮な」透析液が再度腹膜内に入れられる。
【0005】
別の形式の処置は血液透析である。これは血液精製の方法であり、血液を連続的に体から取り出し、透析器(人工腎臓)に通して、そこで代謝廃棄物および余剰の水が除去され、pHおよび酸/塩基平衡が正常化される。同時に、血液は体に戻される。透析器は、半透膜からなる小さな使い捨てのデバイスである。膜は、廃棄物、電解質、および水を通過させるが、大きな分子量のタンパク質および血液細胞の通過を制限する。血液は、膜の片側からポンプで送られ、同様に透析液は、膜の反対側から反対方向にポンプで送られる。透析液は、塩および電解質が添加された高度精製水である。機械は、血液および透析液をポンプで送り出し、その圧力、温度、および電解質濃度を制御するように作用する制御ユニットである。1回の血液透析処置の平均長さは約3.5時間である。
【0006】
シングルパスシステムおよび吸着剤システムを含めて、血液透析にはいくつかのタイプがある。シングルパス血液透析は、腎疾患の最も一般的な処置である。これらの手段は、透析液(清浄液)が、透析器内の血液を1回通過し、その後廃棄されるので、シングルパスと呼ばれる。シングルパス透析機械は一般に:(1)少なくとも1000~1500ml/分(逆浸透(R.O.)システムによる50%除去率を仮定して)で送達可能な水供給源;(2)連続流量500~800ml/分の精製水を供給するのに十分な水精製システム、(3)500~800mlの水/分をポンプで送り、治療するための少なくとも15アンペアの電気回路、および(4)少なくとも500mlの使用後の透析液/分を収容できる床排水口または任意の他の容器ならびにR.O.システムから除去される水を必要とする。
【0007】
吸着剤透析システムは、少量の透析液を連続的に再生し、機械内に水処理システムを組み込んでいるので、連続水供給源、別の水精製機、または床排水口を必要としない。したがって、吸着剤システムは携帯可能である。吸着剤システムは、5~7リットルの滅菌水、標準生理食塩水、半濃度の生理食塩水、または処置全体で透析液が作製もしくは再生される透析液を使用することができる。吸着剤システムは、吸着剤カートリッジを使用し、これは、塩の大部分を除去せずに尿毒症毒素を除去し、使用後の透析液を新鮮な透析液に効率的に再生することを可能にする。注入剤システムは、再生した透析液の電解質組成の平衡を適切に保つために吸着剤システムと作用する。
【0008】
いくつかのタイプの多層吸着剤カートリッジは、患者の血液から尿毒症毒素を除去し、再循環によって透析液溶液を再利用する透析機械で使用されている。しかしながら、これらの以前の吸着剤透析システムは、ナトリウム、pH制御、処置再現性、総尿素容量(total urea capacity)、および吸着剤カートリッジサイズの大きなトレードオフなしに尿毒症毒素を効率的に除去しなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、透析の分野では、カートリッジ内で尿毒症毒素およびナトリウムを除去する容量がより高い吸着剤カートリッジシステムを作成するのは有益であろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】
図1A~1Eは、種々の実施形態に基づく吸着剤カートリッジの模式図である。
【
図1B】
図1A~1Eは、種々の実施形態に基づく吸着剤カートリッジの模式図である。
【
図1C】
図1A~1Eは、種々の実施形態に基づく吸着剤カートリッジの模式図である。
【
図1D】
図1A~1Eは、種々の実施形態に基づく吸着剤カートリッジの模式図である。
【
図1E】
図1A~1Eは、種々の実施形態に基づく吸着剤カートリッジの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
要旨
透析システムで使用される透析液を再生するのに使用できる吸着剤カートリッジについて説明している。
【0012】
多くの実施形態では、吸着剤カートリッジは、ウレアーゼの層、酸性リン酸ジルコニウムの層、およびリン酸ジルコニウムの層を含む。いくつかの実施形態では、ウレアーゼの層において、ウレアーゼは、担体に固定化または結合されていてもよい。いくつかの実施形態では、ウレアーゼは、担体、例えばシリカ、珪藻類(例えば、珪藻土)、アルミナ、活性炭、金属水酸化物(鉄、チタン、ジルコニウムに基づく)、金属リン酸塩(鉄、チタン、ジルコニウム、またはセリウムを主成分とする)、高表面積金属酸化物(鉄、チタン、ジルコニウム、およびセリウムを主成分とする)、陰イオンもしくは陽イオン交換ポリマー、または高表面積ポリマー系吸着剤とコンジュゲートされていてもよい。
【0013】
多くの実施形態では、透析を実施するための装置は、吸着剤カートリッジ、および吸着剤カートリッジと流体連通している透析器を含み、ここで、使用済み透析液は、透析器から吸着剤カートリッジに移動して通過し、ここで、吸着剤カートリッジは、固定化されたウレアーゼの層、酸性リン酸ジルコニウムの層、およびナトリウム形態のリン酸ジルコニウムの層を含む。
【0014】
詳細な説明
透析処置において、健康な腎臓を持たない患者がそれらのタスクを行うために、透析機械は、人工腎臓として機能して、尿毒症毒素を除去し、イオン性分子の平衡を保ち、pHを平衡化する。大量の水を多層カートリッジに置き換えると、カートリッジは、尿毒症毒素を除去するだけでなく、イオン性塩およびpHの平衡を保つことにも関与する。
【0015】
透析液発生器を組み込む血液透析システムは、あらゆる目的のためにその全体が参照により明示的に本明細書に組み込まれる、US2021/0128807に記載されている。本明細書に記載された、吸着剤カートリッジを含む、吸着剤再生システムの種々の実施形態は、透析液発生器の代わりに、US2021/0128807に記載されているシステムに組み込まれてもよい。
【0016】
図1Aに見られるように、カートリッジ200は、透析液を清浄化するために多層の構成要素を含んでもよい。カートリッジ200は、ウレアーゼ204、活性炭206、酸性リン酸ジルコニウム208、リン酸ジルコニウムナトリウム210、および水酸化ジルコニウム212の層、またはその組合せを含んでもよい。各層は、フィルター、例えば、ろ紙によって分離されていてもよい。再生型透析の間、使用後の透析液は、カートリッジ200の層を通って上に移動する。ウレアーゼ204は、尿素を炭酸アンモニウムに変換する。活性炭206は、患者の有機代謝物、例えばクレアチン、尿酸、および窒素代謝廃棄物ならびに水からの塩素およびクロラミンを吸収する。次に、アンモニアおよびアンモニウムイオンは、水素(酸性)リン酸ジルコニウム208およびリン酸ジルコニウムナトリウム210の層によって、H
+およびNa
+イオンと交換に除去される。次いで、尿素加水分解により重炭酸塩(HCO
3
-)および二酸化炭素(CO
2)が形成される。HZOは、HCO
3
-、PO
4
-および他の陰イオンを吸着し、水酸化物を放出する。CO
2気泡は、カートリッジから排気される。
【0017】
カートリッジの層が
図1A~1Eに例示的な順序で説明されているが、任意の他の可能な順序または配列で配置してもよいことを理解されたい。例えば、カートリッジは、活性炭層206がリン酸ジルコニウムの層207、208、209、210のいずれかまたは両方の後で使用済み透析液と接触するように構成されていてもよい。活性炭層206は、酸化ジルコニウム212層の後でもよい。活性炭層206はまた、ウレアーゼ層204の前であってもよい。
【0018】
ウレアーゼと担体の層204は、尿素をアンモニウムに変換する目的に役立ち(例えば、尿素1分子に対してアンモニウム2分子)、アンモニウムはカートリッジの他の層に吸着される。層204は、固定化されたウレアーゼまたは吸着剤担体に結合した遊離ウレアーゼを含有する。ウレアーゼが共有結合している場合、ウレアーゼがアルミナと非共有結合している層と比較して、より長い期間ウレアーゼを活性および安定に維持する。さらに、アルミナは、透析システムにアルミニウムを浸出し、容認できないほど高いレベルのアルミニウムをもたらすことが判明した。ウレアーゼは、第一級アミンでコーティングされたシリカまたは珪藻類にグルタルアルデヒドで共有結合し、それによって吸着剤カートリッジにアルミナが包含されないようにし得る。第一級アミンコーティングは、APTES((3-アミノプロピル)トリエトキシシラン)またはAPTMS(3-アミノプロピルトリメトキシシラン)または(3-アミノプロピル)シラントリオールによるシリカまたは珪藻類の処理から生じ得る。あるいは、ウレアーゼは、チタン、セリウム、鉄、またはジルコニウム酸化物、水酸化物、またはリン酸塩などの毒性金属の浸出のリスクがより低い材料と吸着結合することができる。ウレアーゼ層204は、約100g~約400g、あるいは約100g~約300g、あるいは約150g~約250gのウレアーゼを、例えば、シリカとコンジュゲートしたウレアーゼの形態で含有していてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼ層204は、シリカ、珪藻類、酸化チタン、酸化鉄、リン酸鉄、リン酸チタン、または酸化セリウムのミックスを含んでもよい。このミックスは、種々の水素対ナトリウムの割合のリン酸ジルコニウムと混合してもしなくてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼ層204は、1種または複数の他の構成要素と併せてウレアーゼを含有していてもよい。
図1Dのカートリッジ250で見られるように、ウレアーゼ層204は、ウレアーゼと酸化鉄を含んでもよい。
図1Eのカートリッジ260で見られるように、ウレアーゼ層204は、ウレアーゼ、およびリン酸ジルコニウムナトリウムと水素(酸性)リン酸ジルコニウムのミックスを含んでもよい。
【0021】
活性炭層206は、ウレアーゼの後または下流に配置してもよく、特定の尿毒症毒素、例えば中分子、尿酸、酸化剤およびクレアチニン、ならびに水/透析液からの任意の毒素、例えば重金属および有機分子を除去する。いくつかの実施形態では、活性炭は、カートリッジ内の最終層であってもよい(例えば、
図1Dおよび1E参照)。活性炭層206はまた、層204から浸出した不要な酵素およびタンパク質を捕捉し得る。活性炭はまた、重金属、酸化剤、およびクロラミンを結合するためのろ過材として使用することもできる。活性炭層206は、約100g~約400g、あるいは約100g~約300g、あるいは約150g~約250gの活性炭を含有していてもよい。活性炭の粒径は、約50μm~約600μm、あるいは約75μm~約550μm、あるいは約80μm~約550μm、あるいは約75μm~約550μm、あるいは約90μm~約550μm、あるいは約90μm~約500μm、あるいは約100μm~約500μmであってもよい。活性炭層206は、リン酸ジルコニウム層208、210または含水酸化ジルコニウム層212のいずれかの前または後に配置してもよい。
【0022】
水素酸性リン酸ジルコニウム208およびリン酸ジルコニウムナトリウム210の層のどちらも活性炭層206の後、あるいは活性炭層206および酸化ジルコニウム層の前に配置してもよい。ナトリウムまたは水素形態のリン酸ジルコニウムは、陽イオン交換体として機能し、アンモニウム(NH4
+)、カルシウム(Ca+2)、カリウム(K+)、およびマグネシウム(Mg+2)などの陽イオンを吸収し得る。これらの陽イオンを吸収する代わりに、リン酸ジルコニウムは、他の2つの陽イオン、ナトリウム(Na+)および水素(H+)を放出する。含水酸化ジルコニウムは、アニオン交換体として作用する。したがって、含水酸化ジルコニウムは、代わりにリン酸塩(PO4
-)およびフッ化物(F-)および水酸化物などの陰イオンと結合することができる。
【0023】
水素(酸性)リン酸ジルコニウム層208は、約200g~約1200g、あるいは約200g~約800g、あるいは約200g~約750g、あるいは約300g~約700g、あるいは約300g~約650gの水素酸性リン酸ジルコニウムを含有していてもよい。層208の水素(酸性)リン酸ジルコニウムのpHは、約1~約4、あるいは約1~約3、あるいは約1~約2、あるいは約1.2~約1.8、あるいは約1.5~約1.8、あるいは約1.0、あるいは約1.1、あるいは約1.2、あるいは約1.3、あるいは約1.4、あるいは約1.5、あるいは約1.6、あるいは約1.7、あるいは約1.8、あるいは約1.9、あるいは約2.0であってもよい。リン酸ジルコニウムは、所望のpHを達成するために、水素によって特定のpHで平衡化してもよい。水素(酸性)リン酸ジルコニウムの粒径は、約20μm~約150μm、あるいは約20μm~約130μm、あるいは約30μm~約120μm、あるいは約30μm~約110μm、あるいは約40μm~約110μm、あるいは約30μm~約100μm、あるいは約40μm~約100μmであってもよい。
【0024】
リン酸ジルコニウムナトリウム層210は、約200g~約1200g、あるいは約200g~約800g、あるいは約200g~約750g、あるいは約300g~約700g、あるいは約300g~約650g、あるいは約400g~約650g、あるいは約450g~約650gのリン酸ジルコニウムナトリウムを含有していてもよい。層210のリン酸ジルコニウムナトリウムのpHは、約2~約7、あるいは約3~約6.5、あるいは約3~約6.0、あるいは約3.5~約5.5、あるいは約4.5~約6.5、あるいは約4.0、あるいは約4.3、あるいは約4.5、あるいは約4.7、あるいは約5.0、あるいは約5.3、あるいは約5.5、あるいは約5.7、あるいは約6.0、あるいは約6.3、あるいは約6.5、あるいは約6.7であってもよい。リン酸ジルコニウムナトリウムの粒径は、約20μm~約150μm、あるいは約20μm~約130μm、あるいは約30μm~約120μm、あるいは約30μm~約110μm、あるいは約40μm~約110μm、あるいは約30μm~約100μm、あるいは約40μm~約100μmであってもよい。
【0025】
水素(酸性)リン酸ジルコニウム層208は、その水素イオンを交換することによってナトリウムイオンを相殺しながら、尿素分子から変換されたアンモニウム分子と結合してもよい。水素(酸性)リン酸ジルコニウムの層だけで、リン酸ジルコニウムナトリウムよりも速くアンモニウム容量が使用されるが、酸性層208は、処置の過程で余剰の10~35ミリモル/Lのナトリウムを透析液から除去する。リン酸ジルコニウムナトリウム層210は、水素リン酸ジルコニウムよりも大きな容量でアンモニウム分子と結合することができる。層208、210は、大量のナトリウムイオンを吸着し、時間の経過に伴ってより多くのナトリウムが除去されるので、アンモニウムの放出が減少することになる。この計画は、リン酸ジルコニウムによるアンモニウムの除去を最大化するが、ナトリウムの除去量が最大になる。除去した余剰のナトリウムは、過剰なナトリウムが患者に再入するのを防ぎ、透析液溶液の中性pHの再平衡を可能にする。
【0026】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、3層以上のリン酸ジルコニウムを含有してもよい。
図1Bに見られるように、カートリッジ220は、水素(酸性)リン酸ジルコニウム208、部分酸性/リン酸ジルコニウムナトリウム209、およびリン酸ジルコニウムナトリウム210の層を含有していてもよい。部分酸性/リン酸ジルコニウムナトリウム209は、ナトリウムおよび酸性形態のリン酸ジルコニウムの混合物であってもよい。部分酸性/リン酸ジルコニウムナトリウム209は、リン酸ジルコニウムの塩/酸性溶液を幾らかの結合したH
+またはNa
+で平衡化することによって調製することができるので、層209の特性が均一ミックス層207の特性と類似し得る。例えば、酸性リン酸ジルコニウムは、脱イオン(DI)水に混合した場合に、pHが約1.5であり、リン酸ジルコニウムナトリウムは、DI水に混合した場合に、pHが約6~7であるが、様々な量のH
+/NA
+を交換して、DI水中でpHが約5であるリン酸ジルコニウムを得ることができる。
【0027】
他の実施形態では、
図1Cに見られるように、カートリッジ240は、一緒に混合されたリン酸ジルコニウムナトリウムおよび水素(酸性)リン酸ジルコニウム207の層、例えば、均一な混合物、ならびにリン酸ジルコニウムナトリウムの層210を含有していてもよい。混合層207における水素(酸性)リン酸ジルコニウム:リン酸ジルコニウムナトリウムの相対比は、約1:10~約3:1、あるいは約0.2:3.0、あるいは約0.2:2.5、あるいは約0.2:2.0、あるいは約0.25:2.0、あるいは約0.3:2.0、あるいは約0.4:2.0、あるいは約0.5:2.0であってもよい。
【0028】
酸性リン酸ジルコニウム208および部分水素(酸性)/リン酸ジルコニウムナトリウム209(
図1B参照)の多層またはリン酸ジルコニウムナトリウムおよび水素(酸性)リン酸ジルコニウムの混合層207、続いてリン酸ジルコニウムナトリウム210(
図1C参照)は、約20~30%のより高いアンモニウム容量をもたらしながら、ナトリウムイオンを相殺し、透析液のpHを再調整する。追加および/または連続層は、システムのpHの平衡を保つために、それらのカートリッジ内に酸性リン酸ジルコニウムおよびリン酸ジルコニウムナトリウムのみが混合して含まれる他の吸着剤カートリッジと比較して、アンモニウムを結合する容量がより高い可能性がある。
【0029】
カートリッジ内の過剰なリン酸ジルコニウムナトリウムは、透析液中に余分なナトリウムイオンを浸出でき、ナトリウムイオンを酸性リン酸ジルコニウム中の水素と交換し、それによりカートリッジの容量が減少し、ナトリウム濃度が正常範囲を超えて増大する。ナトリウムイオンの平衡を保つために、リン酸ジルコニウムの比率は、50%またはそれよりも高い酸性リン酸ジルコニウムに注目することができる。最適なカートリッジ構成を維持しながらナトリウム濃度の低下を相殺するために、炭酸ナトリウム注入剤は、修正されたプログラムを通じて種々の割合で制御することができる。
【0030】
カートリッジはまた、患者の体およびカートリッジの以前の層からリン酸塩イオンならびに活性炭層を通過した可能性のある任意の微量の重金属を排除するために、酸化ジルコニウムまたはジルコニウム含水酸化物または含水酸化ジルコニウムまたは水酸化ジルコニウムの層212を含有していてもよい。層212は、カートリッジの最後の層であってもよく、あるいは、流体流路の前側に配置されていてもよい。
【0031】
酸化ジルコニウム層212は、約100g~約600g、あるいは約100g~約500g、あるいは約200g~約500g、あるいは約200g~約450g、あるいは約200g~約400gの酸化ジルコニウムまたは他の遷移金属酸化物を含有していてもよい。いくつかの実施形態では、酸化ジルコニウムの代わりに、層212は、酸化チタン、酸化鉄、または他の何らかの遷移金属酸化物を含有していてもよい。他の実施形態はまた、含水形態の遷移金属酸化物であってもよい。遷移金属酸化物は、溶液中で適切なpHに平衡化され得る。遷移金属酸化物、例えば、層212の酸化ジルコニウムのpHは、約2.0~約7.0、あるいは約3~約7.0、あるいは約3.5~約7.0、あるいは約5.0~約8.0、あるいは約4.0~約7.0、あるいは約4.5~約7.0、あるいは約4.5~約6.5、あるいは約5.5~約6.5、あるいは約6.0~約7.0、あるいは約4.5、あるいは約5.0、あるいは約5.5、あるいは約6.0、あるいは約6.5、あるいは約7.0、あるいは約7.5、あるいは約8.0、あるいは約8.5であってもよい。遷移金属酸化物の粒径は、約10μm~約150μm、あるいは約10μm~約130μm、あるいは約10μm~約120μm、あるいは約20μm~約110μm、あるいは約20μm~約105μm、あるいは約20μm~約100μm、あるいは約25μm~約100μmであってもよい。
【0032】
酸化ジルコニウムは、それだけには限らないが、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム水酸化物、ジルコニウム含水酸化物、含水酸化ジルコニウム、水和したもしくは水和していない酸化ジルコニウム、またはその組合せを含めて、多くの異なる形態を含んでもよい。
【0033】
酸化ジルコニウム層212は、他の金属酸化物、例えば酸化鉄、酸化チタン、または酸化セリウムと互換性があってもよい。酸化鉄は、それだけには限らないが、酸化鉄、水酸化鉄、酸化鉄水酸化物、鉄含水酸化物、および含水酸化鉄を含めて、多くの異なる形態を含んでもよい。酸化チタンは、それだけには限らないが、酸化チタン、水酸化チタン、酸化チタン水酸化物、チタン含水酸化物、および含水酸化チタンを含めて、多くの異なる形態を含んでもよい。酸化セリウムは、それだけには限らないが、酸化セリウム、水酸化セリウム、酸化セリウム水酸化物、セリウム含水酸化物、および含水酸化セリウムを含めて、多くの異なる形態を含んでもよい。
【0034】
カートリッジ内に浸出し得る可能な化学物質は、タンパク質および酵素を含む不要な中分子、ならびにリン酸ジルコニウム吸着剤層からのリン酸塩を含んでもよい。カートリッジの活性炭層206は、透析液中の不要な中間体を結合することを表す。カートリッジの終わりの酸化ジルコニウム層は、層がアンモニウムのための容量を失うにつれて、リン酸ジルコニウムから浸出し得るリン酸塩分子を結合するように機能し得る。
【0035】
これまで説明した実施形態の検討および/または補足として、以下の実施形態の相互関係および互換性に重点を置いて、本主題の種々の態様を以下に説明する。言い換えれば、明記されない限りまたは論理的に信じ難い場合を除き、実施形態の各特徴を他のあらゆる特徴と組み合わせることができるという事実に重点が置かれる。本明細書に記載された実施形態は、図面を明示的に参照することなく以下の段落で再説明および拡張される。
【0036】
多くの実施形態では、吸着剤カートリッジには、ウレアーゼの層、酸性リン酸ジルコニウムの層、およびリン酸ジルコニウムの層が含まれ、ここでウレアーゼは共有結合により固定化され、あるいは遊離ウレアーゼは、吸着剤担体に結合または吸着されている。
【0037】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、使用済み透析液が酸性リン酸ジルコニウムの層またはリン酸ジルコニウムの層のいずれかと接触する前に、使用済み透析液がウレアーゼの層と接触するように構成されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、使用済み透析液がリン酸ジルコニウムの層より前に酸性リン酸ジルコニウムの層と接触するように構成されている。
【0039】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、活性炭の層をさらに含む。いくつかの実施形態では、カートリッジは、使用済み透析液がウレアーゼの層と接触した後で、使用済み透析液が活性炭の層と接触するように構成されている。
【0040】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、活性炭を最後の層として含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、活性炭の層が最終層として構成されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、酸化ジルコニウムの層をさらに含む。いくつかの実施形態では、酸化ジルコニウムの層の酸化ジルコニウムは、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム水酸化物、ジルコニウム含水酸化物、含水酸化ジルコニウム、水和した酸化ジルコニウム、水和していない酸化ジルコニウム、またはその組合せである。いくつかの実施形態では、カートリッジは、使用済み透析液が酸性リン酸ジルコニウムの層と接触した後で、使用済み透析液が酸化ジルコニウムの層と接触するように構成されている。いくつかの実施形態では、カートリッジは、使用済み透析液がリン酸ジルコニウムの層と接触した後で、使用済み透析液が酸化ジルコニウムの層と接触するように構成されている。
【0043】
いくつかの実施形態では、リン酸ジルコニウムの層はリン酸ジルコニウムナトリウムを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼの層のウレアーゼは固定化されている。
【0045】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼの層において、ウレアーゼはシリカと共有結合している。
【0046】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼの層は、ウレアーゼと金属酸化物の混合物を含む。いくつかの実施形態では、金属酸化物は酸化鉄である。いくつかの実施形態では、金属酸化物は、酸化鉄、水酸化鉄、酸化鉄水酸化物、鉄含水酸化物、および含水酸化鉄からなる群から選択される。
【0047】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼの層は、ウレアーゼと少なくとも1種のリン酸ジルコニウムとの混合物を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼの層は、ウレアーゼと少なくとも2形態のリン酸ジルコニウムとの混合物を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2形態のリン酸ジルコニウムは、リン酸ジルコニウムナトリウムおよび酸性リン酸ジルコニウムを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、リン酸ジルコニウムの追加層をさらに含む。いくつかの実施形態では、カートリッジは、使用済み透析液が活性炭の層と接触した後で、使用済み透析液が酸性リン酸ジルコニウムの層と接触する前に、使用済み透析液がリン酸ジルコニウムの追加層と接触するように構成されている。
【0050】
いくつかの実施形態では、酸性リン酸ジルコニウムの層は、リン酸ジルコニウムの混合層を形成するためにリン酸ジルコニウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、リン酸ジルコニウムの混合層は、酸性リン酸ジルコニウム:リン酸ジルコニウムナトリウムの比が約0.25:2.0である。
【0051】
多くの実施形態では、透析を実施するための装置は、吸着剤カートリッジ、および吸着剤カートリッジと流体連通している透析器を含み、ここで、使用済み透析液は、透析器から吸着剤カートリッジに移動して通過し、ここで、吸着剤カートリッジは、ウレアーゼと担体の層、酸性リン酸ジルコニウムの層、およびリン酸ジルコニウムの層を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、吸着剤カートリッジは、使用済み透析液が酸性リン酸ジルコニウムの層またはリン酸ジルコニウムの層のいずれかと接触する前に、使用済み透析液がウレアーゼの層と接触するように構成されている。
【0053】
いくつかの実施形態では、吸着剤カートリッジは、使用済み透析液がリン酸ジルコニウムの層の前に酸性リン酸ジルコニウムの層と接触するように構成されている。
【0054】
いくつかの実施形態では、吸着剤カートリッジは活性炭の層をさらに含む。いくつかの実施形態では、活性炭の層は、活性炭の層が最終層として構成されている。いくつかの実施形態では、吸着剤カートリッジは、使用済み透析液がウレアーゼの層と接触した後で、使用済み透析液が活性炭の層と接触するように構成されている。
【0055】
いくつかの実施形態では、吸着剤カートリッジは、酸化ジルコニウムの層をさらに含む。いくつかの実施形態では、酸化ジルコニウムの層の酸化ジルコニウムは、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム水酸化物、ジルコニウム含水酸化物、含水酸化ジルコニウム、水和した酸化ジルコニウム、水和していない酸化ジルコニウム、またはその組合せである。いくつかの実施形態では、吸着剤カートリッジは、使用済み透析液が酸性リン酸ジルコニウムの層と接触した後で、使用済み透析液が酸化ジルコニウムの層と接触するように構成されている。いくつかの実施形態では、吸着剤カートリッジは、使用済み透析液がリン酸ジルコニウムの層と接触した後で、使用済み透析液が酸化ジルコニウムの層と接触するように構成されている。
【0056】
いくつかの実施形態では、リン酸ジルコニウムの層は、リン酸ジルコニウムナトリウムを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼの層のウレアーゼは固定化されている。
【0058】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼの層において、ウレアーゼはシリカと共有結合している。
【0059】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼの層は、ウレアーゼと金属酸化物の混合物を含む。いくつかの実施形態では、金属酸化物は酸化鉄である。いくつかの実施形態では、金属酸化物は、酸化鉄、水酸化鉄、酸化鉄水酸化物、鉄含水酸化物、および含水酸化鉄からなる群から選択される。
【0060】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼの層は、ウレアーゼと少なくとも1種のリン酸ジルコニウムとの混合物を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、ウレアーゼの層は、ウレアーゼと少なくとも2形態のリン酸ジルコニウムとの混合物を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、少なくとも2形態のリン酸ジルコニウムは、リン酸ジルコニウムナトリウムおよび酸性リン酸ジルコニウムを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、リン酸ジルコニウムの追加層をさらに含む。いくつかの実施形態では、カートリッジは、使用済み透析液が活性炭の層と接触した後で、使用済み透析液が酸性リン酸ジルコニウムの層と接触する前に、使用済み透析液がリン酸ジルコニウムの追加層と接触するように構成されている。
【0064】
いくつかの実施形態では、酸性リン酸ジルコニウムの層は、リン酸ジルコニウムの混合層を形成するためにリン酸ジルコニウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、リン酸ジルコニウムの混合層は、酸性リン酸ジルコニウム:リン酸ジルコニウムナトリウムの比が約0.25:2.0である。
【国際調査報告】