(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】レールシステムの第1の領域と第2の領域とを接続するための伸縮継手
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240514BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572576
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2022063580
(87)【国際公開番号】W WO2022248333
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム, トロンド
(72)【発明者】
【氏名】ベッケン, べリエ
(72)【発明者】
【氏名】フィチェ, マルティン
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022FF01
3F022JJ02
3F022JJ08
3F022JJ11
(57)【要約】
本発明は、レールシステムの第1の領域および第2の領域を備えている貯蔵システムを提供し、第1の領域および第2の領域の各々は、コンテナ取り扱い車両を支持するための1つ以上の軌道を画定する輪郭形成された上面を有するレールを有し、第1の領域の少なくとも一対の平行なレールの各レールは、伸縮継手を介して第2の領域の一対のレールの対応するレールに接続され、伸縮継手は、第1のレール要素および第2のレール要素であって、レール要素は、細長く、第1のレール要素および第2のレール要素の第1の端部は、それらが重なる接合領域において長手方向に互いに対して移動することを可能にするように第1の端部において構成されている、第1のレール要素および第2のレール要素と、1つ以上の軌道を画定する輪郭形成された上面とを備え、軌道は、第1のレール要素から接合領域を通って第2のレール要素まで延びている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールシステム(108)の第1の領域(50)および第2の領域(50’)を備えている貯蔵システムであって、前記第1の領域および前記第2の領域の各々は、コンテナ取り扱い車両(201、301、401)を支持するための1つ以上の軌道(27’、27’’)を画定する輪郭形成された上面を有するレール(110、111)を有し、前記第1の領域(50)の少なくとも一対の平行なレール(110)の各レールは、伸縮継手(10、10’)を介して前記第2の領域(50’)の一対のレール(110’)の対応するレールに接続され、
前記伸縮継手は、
-第1のレール要素(12)および第2のレール要素(11)であって、前記レール要素(12、11)は、細長く、前記第1のレール要素および前記第2のレール要素の第1の端部(22、23)は、それらが重なる接合領域(14)において長手方向に互いに対して移動することを可能にするように前記第1の端部において構成されている、第1のレール要素および第2のレール要素と、
-1つ以上の軌道(27’、27’’)を画定する輪郭形成された上面と
を備え、
前記軌道(27’、27’’)は、前記第1のレール要素(12)から前記接合領域(14)を通って前記第2のレール要素(11)まで延びており、
前記第1のレール要素(12)の第2の端部(24)は、前記レールシステム(108)の前記第1の領域(50)に第1の垂直軸(V1)の周りに旋回可能に接続され、
前記第2のレール要素(11)の第2の端部(25)は、前記レールシステム(108)の前記第2の領域(50’)に第2の垂直軸(V2)の周りに旋回可能に接続されている、貯蔵システム。
【請求項2】
前記第2のレール要素(11)に対する前記長手方向における前記第1のレール要素(12)の移動は、支持プロファイル(15)によってガイドされる、請求項1に記載の貯蔵システム。
【請求項3】
前記支持プロファイル(15)は、前記第1の垂直軸の周りに旋回可能に構成された第1の端部(16’)と、前記第2の垂直軸の周りに旋回可能に構成された第2の端部(16’’)とを備えている、請求項2に記載の貯蔵システム。
【請求項4】
前記支持プロファイル(15)の前記第1の端部(16’)および前記第2の端部(16’’)のうちの少なくとも1つは、それぞれ、前記第1の領域(50)または前記第2の領域(50’)にスライド可能に接続されている、請求項3に記載の貯蔵システム。
【請求項5】
前記支持プロファイルは、前記長手方向に延びている垂直面(17)を備え、前記垂直面は、前記第2のレール要素(11)に対する前記第1のレール要素(12)の横方向移動を防止するために配置されている、請求項2から4のいずれかに記載の貯蔵システム。
【請求項6】
前記支持プロファイル(15)は、前記第1のレール要素(12)および前記第2のレール要素(11)を下方から支持するために配置された上部水平面(21)を備えている、請求項2から5のいずれかに記載の貯蔵システム。
【請求項7】
前記支持プロファイルは、U字形の断面を有する、請求項2から6のいずれかに記載の貯蔵システム。
【請求項8】
前記第1のレール要素および前記第2のレール要素の各々は、ブラケット(20)によって、それぞれ、前記第1の領域および前記第2の領域に旋回可能に接続されている、請求項1-7のいずれかに記載の貯蔵システム。
【請求項9】
前記第1のレール要素(12)および前記第2のレール要素(11)は、留め具(18、19)によって前記対応するブラケット(20)に旋回可能に接続されている、請求項8に記載の貯蔵システム。
【請求項10】
前記支持プロファイル(15)の前記第1の端部(16’)および前記第2の端部(16’’)のうちの少なくとも1つは、前記ブラケット(20)のうちの1つにスライド可能に接続されている、請求項3および8に記載の貯蔵システム。
【請求項11】
前記支持プロファイル(15)は、前記ブラケット(20)のうちの少なくとも1つによって支持されている、請求項2に従属する場合の請求項8から10に記載の貯蔵システム。
【請求項12】
前記第1の領域(50)および前記第2の領域(50’)の各々は、前記コンテナ取り扱い車両(201、301、401)が直角をなす2つの方向に移動可能なレールグリッドを形成している2つの直角をなす方向に延びているレール(110、111)を有する、請求項1-11のいずれかに記載の貯蔵システム。
【請求項13】
レールシステム(108)の第1の領域(50)と第2の領域(50’)とを接続するための伸縮継手であって、前記伸縮継手(10)は、第1のレール要素(12)と、第2のレール要素(11)と、2つのブラケット(20)とを備え、
前記第1のレール要素および前記第2のレール要素の各々は、細長く、第1の端部(22、23)と、第2の端部(24、25)と、1つ以上の軌道(27’、27’’)を画定する輪郭形成された上面の一部とを備え、
前記第1のレール要素および前記第2のレール要素の第1の端部(22、23)は、それらが重なる接合領域(14)において長手方向に互いに対して移動するように構成され、
輪郭形成された上面の前記部分は、前記第1のレール要素(12)から前記接合領域(14)を通って前記第2のレール要素(11)まで延びており、
前記第1のレール要素(12)の前記第2の端部(24)は、前記ブラケット(20)の一方に第1の垂直軸(V1)の周りに旋回可能に接続され、前記第2のレール要素(11)の前記第2の端部(25)は、他方のブラケット(20)に第2の垂直軸(V2)の周りに旋回可能に接続され、各ブラケット(20)は、前記第1の領域(50)または前記第2の領域(50’)に接続可能である、伸縮継手。
【請求項14】
前記第1の垂直軸の周りに旋回可能に構成された第1の端部(16’)と、前記第2の垂直軸の周りに旋回可能に構成された第2の端部(16’’)とを有する支持プロファイル(15)を備え、前記第1の端部(16’)および前記第2の端部(16’’)のうちの少なくとも1つは、前記ブラケット(20)のうちの1つにスライド可能に接続されている、請求項13に記載の伸縮継手。
【請求項15】
レールシステム(108)の第1の領域(50)と第2の領域(50’)との間のレール膨張/収縮を可能にする方法であって、前記第1の領域および前記第2の領域の各々は、コンテナ取り扱い車両(201、301、401)を支持するための1つ以上の軌道(27’、27’’)を画定する輪郭形成された上面を有するレール(110、111)を有し、
前記方法は、
-伸縮継手(10、10’)を介して前記第1の領域(50)の少なくとも一対の平行なレール(110)の各レールを前記第2の領域(50’)の一対のレール(110’)の対応するレールに接続するステップを含み、
前記伸縮継手は、
第1のレール要素(12)および第2のレール要素(11)であって、前記レール要素(12、11)は、細長く、前記第1のレール要素および前記第2のレール要素の第1の端部(22、23)は、それらが重なる接合領域(14)において長手方向に互いに対して移動することを可能にするように前記第1の端部(22、23)において構成されている、第1のレール要素および第2のレール要素と、
1つ以上の軌道(27’、27’’)を画定する輪郭形成された上面と
を備え、
前記軌道(27’、27’’)は、前記第1のレール要素(12)から前記接合領域(14)を通って前記第2のレール要素(11)まで延びており、
前記第1のレール要素(12)の第2の端部(24)は、前記レールシステム(108)の前記第1の領域(50)に第1の垂直軸(V1)の周りに旋回可能に接続され、
前記第2のレール要素(11)の第2の端部(25)は、前記レールシステム(108)の前記第2の領域(50’)に第2の垂直軸(V2)の周りに旋回可能に接続されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動貯蔵システム内のレールなどの第1の組のレールと第2の組のレールとを接続するための伸縮継手に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、骨組み構造100を有する従来技術の自動貯蔵回収システム1を開示しており、
図2、
図3および
図4は、そのようなシステム1上で動作するため適した3つの異なる従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301、401を開示している。
【0003】
骨組み構造100は、直立部材102と、直立部材102間に並んで配置された貯蔵カラム105を備えている貯蔵容積とを備えている。これらの貯蔵カラム105では、ビンとしても知られている貯蔵コンテナ106が互いに積み重ねられてスタック107を形成する。部材102は、典型的に、金属、例えば押し出しアルミニウムプロファイルから作製され得る。
【0004】
自動貯蔵回収システム1の骨組み構造100は、骨組み構造100の上部にわたって配置されたレールシステム108(すなわち、レールグリッド)を備え、そのレールシステム108上で複数のコンテナ取り扱い車両201、301、401は、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105から上昇させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラムの中に下降させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105の上方で輸送するように動作させられ得る。レールシステム108は、フレーム構造100の上部を横切る第1の方向Xへのコンテナ取り扱い車両201、301、401の移動をガイドするように配置された第1の組の平行レール110と、第1の方向Xと直角をなす第2の方向Yへのコンテナ取り扱い車両201、301、401の移動をガイドするために第1の組のレール110と直角に配置された第2の組の平行レール111とを備えている。カラム105に貯蔵されたコンテナ106は、レールシステム108のアクセス開口部112を介してコンテナ取り扱い車両201、301、401によってアクセスされる。コンテナ取り扱い車両201、301、401は、貯蔵カラム105の上方で、すなわち水平X-Y平面に平行な平面内で横方向に移動することができる。
【0005】
骨組み構造100の直立部材102は、カラム105から外へのコンテナの上昇およびカラムの中へのコンテナの下降中、貯蔵コンテナをガイドするために使用され得る。コンテナ106のスタック107は、典型的に、自立型である。
【0006】
各従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301、401は、車体201a、301a、401aと、第1および第2の組の車輪201b、201c、301b、301c、401b、401cとを備え、第1および第2の組の車輪は、それぞれ、X方向およびY方向へのコンテナ取り扱い車両201、301、401の横方向移動を可能にする。
図2、
図3および
図4では、各組の2つの車輪が完全に見える。第1の組の車輪201b、301b、401bは、レールの第1の組110の隣り合う2つのレールと係合するように配置され、第2の組の車輪201c、301c、401cは、レールの第2の組111の隣り合う2つのレールと係合するように配置される。車輪201b、201c、301b、301c、401b、401cの組のうちの少なくとも1つが昇降されることができ、その結果、第1の組の車輪201b、301b、401bおよび/または第2の組の車輪201c、301c、401cは、任意の時点でそれぞれの組のレール110、111と係合されることができる。
【0007】
各従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301、401はまた、貯蔵コンテナ106の垂直方向輸送のために、例えば貯蔵コンテナ106を貯蔵カラムから上昇させ、貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105の中に下降させるためのリフトデバイスを備えている。リフトデバイスは、貯蔵コンテナ106と係合するように適合された1つ以上の把持/係合デバイスを備え、把持/係合デバイスは、車両201、301、401に対する把持/係合デバイスの位置が第1の方向Xおよび第2の方向Yと直交する第3の方向Zに調整されることができるように、車両201、301、401から下降されることができる。コンテナ取り扱い車両301、401の把持デバイスの一部が、参照符号304、404によって示される
図3および
図4に示されている。コンテナ取り扱いデバイス201の把持デバイスは、
図2の車体201a内に位置している。
【0008】
慣習的に、また本出願の目的のために、Z=1は、レールシステム108の下方の貯蔵コンテナを貯蔵するための最上層、すなわちレールシステム108の直下の層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別する。
図1に開示される例示的な従来技術では、Z=8は、貯蔵コンテナの最下層を識別する。同様に、X=1・・・nおよびY=1・・・nは、水平面内における各貯蔵カラム105の位置を識別する。したがって、例として、
図1に示す直交座標系X、Y、Zを使用すると、
図1において106’として識別される貯蔵コンテナは、貯蔵位置X=17、Y=1、Z=6を占有していると言うことができる。コンテナ取り扱い車両201、301、401は、層Z=0において移動していると言うことができ、各貯蔵カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。したがって、レールシステム108の上方に延びている
図1に示される貯蔵コンテナも、層Z=0に配置されると言われる。
【0009】
骨組み構造100の貯蔵容積は、グリッド104と呼ばれることが多く、このグリッド内の可能な貯蔵位置は、貯蔵セルと呼ばれる。各貯蔵カラムは、X方向およびY方向の位置によって識別され得、各貯蔵セルは、X方向、Y方向およびZ方向のコンテナ番号によって識別され得る。
【0010】
各従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301、401は、レールシステム108を横切って貯蔵コンテナ106を輸送するときに貯蔵コンテナ106を受け取り、それを収容するための貯蔵区画または空間を備えている。貯蔵空間は、
図2および
図4に示され、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/193278号(特許文献1)および国際公開第2019/206487号に記載されているように、車体201a内の内部に配置された空洞を備え得る。
【0011】
図3は、片持ち構造を有するコンテナ取り扱い車両301の代替的な構成を示している。そのような車両は、例えばノルウェー国特許第317366号に詳細に記載されており、その内容も参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
図2に示す空洞コンテナ取り扱い車両201は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/193278号に記載されているように、貯蔵カラム105の横方向範囲にほぼ等しいXおよびY方向の寸法を有する領域を覆うフットプリントを有し得る。本明細書で使用される「横方向」という用語は、「水平」を意味し得る。
【0013】
あるいは、空洞コンテナ取り扱い車両401は、例えば国際公開第2014/090684号(特許文献2)または国際公開第2019/206487号に開示されているように、
図1および
図4に示されるような貯蔵カラム105によって画定される横方向領域より大きいフットプリントを有し得る。
【0014】
レールシステム108は、典型的に、車両の車輪が走行する溝を有するレールを備えている。あるいは、レールは、上方に突出する要素を備え得、車両の車輪は、脱線を防止するためのフランジを備えている。これらの溝および上方に突出する要素は、まとめて軌道として知られている。各レールは、1つの軌道を備え得るか、または、各レールは、2つの平行な軌道を備え得る。
【0015】
その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018/146304号(特許文献3)は、レールグリッドを形成するX方向およびY方向の両方におけるレールと平行な軌道とを備えているレールシステム108の典型的な構成を示している。
【0016】
骨組み構造100において、ほとんどのカラム105は、貯蔵カラム105、すなわち貯蔵コンテナ106がスタック107に貯蔵されるカラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。
図1では、カラム119および120は、貯蔵コンテナ106が骨組み構造100の外部からアクセスされることができ、または骨組み構造100の外部または内部に移送されることができるアクセスステーション(図示せず)に輸送されることができるように、貯蔵コンテナ106をドロップオフおよび/またはピックアップするためにコンテナ取り扱い車両201、301、401によって使用されるそのような専用のカラムである。当該技術分野では、そのような位置は、通常「ポート」と呼ばれ、ポートが位置するカラムは、「ポートカラム」119、120と呼ばれることがある。アクセスステーションへの輸送は、任意の方向、すなわち水平、傾斜および/または垂直であり得る。例えば、貯蔵コンテナ106は、骨組み構造100内のランダムまたは専用のカラム105に配置され、その後、任意のコンテナ取り扱い車両によってピックアップされ、アクセスステーションへのさらなる輸送のためにポートカラム119、120に輸送され得る。「傾斜」という用語は、水平と垂直との間のどこかに一般的な輸送方向を有する貯蔵コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0017】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ取り扱い車両201、301、401が移送ステーションにアクセスまたは輸送される貯蔵コンテナ106をドロップオフすることができる専用のドロップオフポートカラムであり得、第2のポートカラム120は、コンテナ取り扱い車両201、301、401が移送ステーションからアクセスまたは輸送された貯蔵コンテナ106をピックアップすることができる専用のピックアップポートカラムであり得る。
【0018】
アクセスステーションは、典型的に、製品が貯蔵コンテナ106から取り出されるかまたはその中に配置されるピッキングまたはストックステーションであり得る。ピッキングまたはストックステーションでは、貯蔵コンテナ106は、通常、自動貯蔵回収システム1から取り出されず、アクセスされると再び骨組み構造100に戻される。ポートはまた、貯蔵コンテナを別の貯蔵施設に(例えば、別の骨組み構造に、または別の自動貯蔵回収システムに)、輸送車両(例えば、列車またはトラック)、または生産施設に移送するために使用されることもできる。
【0019】
コンベヤを備えているコンベヤシステムは、通常、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で貯蔵コンテナを輸送するために使用される。
【0020】
ポートカラム119、120とアクセスステーションとが異なるレベルに配置されている場合、コンベヤシステムは、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で貯蔵コンテナ106を垂直に輸送するための垂直構成要素を有するリフトデバイスを備え得る。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2014/075937号に記載されているように、異なる骨組み構造間で貯蔵コンテナ106を移送するように配置され得る。
【0022】
図1に開示されているカラム105のうちの1つに貯蔵されている貯蔵コンテナ106がアクセスされるべきであるとき、コンテナ取り扱い車両201、301、401のうちの1つは、標的貯蔵コンテナ106をその位置から回収し、それをドロップオフポートカラム119に輸送するように指示される。この動作は、標的貯蔵コンテナ106が配置されている貯蔵カラム105の上方の位置にコンテナ取り扱い車両201、301、401を移動させ、コンテナ取り扱い車両201、301、401のリフトデバイス(図示せず)を使用して貯蔵カラム105から貯蔵コンテナ106を回収し、貯蔵コンテナ106をドロップオフポートカラム119に輸送することを含む。標的貯蔵コンテナ106がスタック107内の奥深くに配置されている場合、すなわち、標的貯蔵コンテナ106の上方に1つ以上の他の貯蔵コンテナ106が配置されている場合、動作は、標的貯蔵コンテナ106を貯蔵カラム105から持ち上げる前、上方に配置された貯蔵コンテナを一時的に移動させることも含む。当該技術分野では「採掘」と呼ばれることもあるこのステップは、標的貯蔵コンテナをドロップオフポートカラム119に輸送するためにその後に使用されるのと同じコンテナ取り扱い車両、または1つまたは複数の他の協働するコンテナ取り扱い車両によって実行され得る。代替的に、または追加的に、自動貯蔵回収システム1は、貯蔵カラム105から貯蔵コンテナ106を一時的に取り出すタスク専用のコンテナ取り扱い車両201、301、401を有し得る。標的貯蔵コンテナ106が貯蔵カラム105から取り出されると、一時的に取り出された貯蔵コンテナ106は、元の貯蔵カラム105に再び位置付けられることができる。しかしながら、取り出された貯蔵コンテナ106は、代替的に他の貯蔵カラム105に移転され得る。
【0023】
貯蔵コンテナ106がカラム105のうちの1つに貯蔵されるべき場合、コンテナ取り扱い車両201、301、401のうちの1つは、貯蔵コンテナ106をピックアップポートカラム120からピックアップし、貯蔵コンテナが貯蔵されるべき貯蔵カラム105の上方の位置に輸送するように指示される。スタック107内の標的位置またはその上方に配置された任意の貯蔵コンテナ106が取り出された後、コンテナ取り扱い車両201、301、401は、貯蔵コンテナ106を所望の位置に配置する。次いで、取り出された貯蔵コンテナ106は、貯蔵カラム105内に戻され得るか、または、他の貯蔵カラム105に移転され得る。
【0024】
自動貯蔵回収システム1を監視および制御するために、例えば、コンテナ取り扱い車両201、301、401が互いに衝突することなく所望の貯蔵コンテナ106が所望の時間に所望の位置に送達されることができるように、骨組み構造100内のそれぞれの貯蔵コンテナ106の位置、各貯蔵コンテナ106の内容物、およびコンテナ取り扱い車両201、301、401の移動を監視および制御するために、自動貯蔵回収システム1は、典型的に、コンピュータ化され、典型的に、貯蔵コンテナ106を追跡するためのデータベースを備えている制御システム500を備えている。
【0025】
2つのレールシステム108が後の接続のために同時に接続または構築されるべき状況では、レールシステム間の位置ずれに関する最小公差のみが許容される。著しい位置ずれは、脱線する車両をもたらす可能性がある。
【0026】
レールシステムが配置されている建物またはエリア内の周囲温度または温度差も、自動貯蔵回収システムに関して問題をもたらす可能性がある。レールは、大幅に膨張および収縮し得、その結果、レールにおける座屈または過度の張力をもたらし、潜在的にレールに動きを生じさせ、最終的に、コンテナ取り扱い車両が脱線する危険性がある。膨張および収縮の問題は、レールの長さに部分的に依存する。したがって、X方向および/またはY方向のいずれかのかなりの長さのレールシステムに関して、レールシステムにおける移動の増大したリスクが存在し、その座屈および/または過度の張力を伴う。そのような座屈および/または過剰な張力を最小限に抑えるために適したレール継手は、国際公開第2020/074257号に記載されている。
【0027】
しかしながら、従来技術のレール継手は、2つのレールシステム、特に2つの直角をなす水平方向のレールを特徴とするレールシステムを接続するときに生じ得る全ての潜在的な問題を軽減するわけではない。レールの膨張および/または収縮は、2つのレールシステムの互いに対する横方向移動も引き起こし得る。横方向移動は、レール継手が座屈および/または過度の張力を受けることを引き起こし得る。レールシステムの横方向移動によって引き起こされるレール継手の座屈および/または過度の張力は、2つのレールシステム間を移動するコンテナ取り扱い車両の脱線のみならず、レール継手の過度の摩耗を引き起こし得る。
【0028】
本発明の目的は、従来技術の問題を軽減または最小化する2つのレールシステムを接続するための改良されたレール継手を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】国際公開第2015/193278号
【特許文献2】国際公開第2014/090684号
【特許文献3】国際公開第2018/146304号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明は、添付の特許請求の範囲および以下によって定義される:
【0031】
第1の側面では、本発明は、レールシステムの第1の領域および第2の領域を備えている貯蔵システムであって、第1の領域および第2の領域の各々は、コンテナ取り扱い車両を支持するための1つ以上の軌道を画定する輪郭形成された上面を有するレールを有し、第1の領域の少なくとも一対の平行なレールの各レールが、伸縮継手を介して第2の領域の一対のレールの対応するレールに接続され、伸縮継手は、
-第1のレール要素および第2のレール要素であって、レール要素は、細長く、第1のレール要素および第2のレール要素の第1の端部が、それらの第1の端部が重なる接合領域において長手方向に互いに対して移動することを可能にするように第1の端部に構成されている、第1のレール要素および第2のレール要素と、
-1つ以上の軌道を画定する輪郭形成された上面であって、軌道が、第1のレール要素から接合領域を通って第2のレール要素まで延びている、輪郭形成された上面と
を備え、
第1のレール要素の第2の端部が、レールシステムの第1の領域に第1の垂直軸の周りに旋回可能に接続され、第2のレール要素の第2の端部が、レールシステムの第2の領域に第2の垂直軸の周りに旋回可能に接続されている、貯蔵システムを提供する。
【0032】
レール要素の第2の端部は、第1および第2の領域が横方向に互いに対して移動し得るように、すなわち伸縮継手を歪ませるかまたはねじることなく横方向に互いに対して移動し得るように、旋回可能に接続される。
【0033】
第1のレール要素は、第1のレール要素が第1の領域に対して長手方向に移動しないこともあるように、第1の領域に旋回可能に接続される。
【0034】
第2のレール要素は、第2のレール要素が第2の領域に対して長手方向に移動しないこともあるように、第2の領域に旋回可能に接続される。
【0035】
第1のレール要素および第2のレール要素は、第1のレール要素および第2のレール要素が長手方向に対して横方向に旋回し得るように、第1の領域および第2の領域に旋回可能に接続される。
【0036】
第1のレール要素および第2のレール要素が互いに対して移動し得る長手方向は、伸縮継手によって接続されたレールの長手方向と同じである。
【0037】
少なくとも一対の平行なレールの各レールは、それが接続されている対応するレールと同じ方向に延びている。
【0038】
レールによって支持され得るコンテナ取り扱い車両は、軌道によってガイドされる少なくとも1つの組の車輪を備え得る。伸縮継手の軌道は、コンテナ取り扱い車両を第1の領域から第2の領域にガイドするために十分な距離にわたって延びている。
【0039】
貯蔵システムの実施形態において、レールシステムは、レールグリッドを形成する2つの直角をなす方向に延びているレールを備え得、レールシステムは、貯蔵コンテナが互いに積み重ねられ得る複数の貯蔵カラムを画定する垂直カラムプロファイル上に支持され得、貯蔵カラムの各々は、垂直カラムプロファイルのうちの4つによって画定される。レールシステムは、各貯蔵カラムの上方にアクセス開口部を画定し得る。
【0040】
貯蔵システムの実施形態において、伸縮継手は、アクセス開口部または貯蔵コンテナの長さまたは幅に実質的に等しい長さを有する。
【0041】
貯蔵システムの実施形態において、第1のレール要素の第1の端部は、雄部を備え、第2のレール要素の第1の端部は、協働する雌部を備え、雄部と雌部とは、接合領域内で相互係合するように構成される。
【0042】
貯蔵システムの実施形態において、第2のレール要素に対する第1のレール要素の長手方向の移動は、支持プロファイルによってガイドされる。
【0043】
支持プロファイルは、長手方向支持プロファイルであり得る。支持プロファイルは、第1および第2のレール要素が伸縮継手の横方向移動中にそれぞれの第1および第2の垂直軸の周りに同じ方向に旋回するように、第1および第2のレール要素間の横方向移動を防止するために配置され得る。支持プロファイルは、レール要素の第1の端部が支持プロファイル内でスライドすることを可能にするように構成され得る。
【0044】
貯蔵システムの実施形態において、支持プロファイルは、第1の垂直軸の周りに旋回可能に構成された第1の端部と、第2の垂直軸の周りに旋回可能に構成された第2の端部とを備え得る。
【0045】
貯蔵システムの実施形態において、支持プロファイルの第1の端部および第2の端部のうちの少なくとも1つは、第1の領域および第2の領域のうちの少なくとも1つが支持プロファイルに対して長手方向に移動し得るように、第1の領域または第2の領域にそれぞれスライド可能に接続され得る。
【0046】
貯蔵システムの実施形態において、支持プロファイルは、長手方向に延びている垂直面を備え、垂直面は、第2のレール要素に対する第1のレール要素の横方向移動を防止するために配置される。支持プロファイルは、好ましくは垂直面によって、第1の領域と第2の領域との間の横方向移動中、第1のレール要素および第2のレール要素がそれぞれの第1の垂直軸および第2の垂直軸の周りに同じ方向に旋回することを確実にし得る。
【0047】
貯蔵システムの実施形態において、支持プロファイルは、第1のレール要素および第2のレール要素を下方から支持するために配置された上部水平面を備え得る。
【0048】
貯蔵システムの実施形態において、支持プロファイルは、U字形の断面を有し得る。
【0049】
貯蔵システムの実施形態において、第1のレール要素および第2のレール要素の各々は、ブラケットによって、それぞれ、第1の領域および第2の領域に旋回可能に接続される。ブラケットは、ボルトなどの留め具によって第1または第2の領域に剛接続するための垂直に延びている接続要素と、第1または第2のレール要素の第2の端部に旋回可能に接続するための水平に延びている接続要素とを備え得る。
【0050】
貯蔵システムの実施形態において、第1のレール要素および第2のレール要素は、留め具によって対応するブラケットに旋回可能に接続され得る。留め具は、レール要素の第2の端部をそれぞれのブラケットに固定し、第1および第2の領域に対するレール要素の旋回運動を可能にするように構成される。留め具は、例えば、第1の垂直軸または第2の垂直軸と同一線上にある中心線を有するボルトまたはピンであり得る。
【0051】
貯蔵システムの実施形態において、支持プロファイルの第1の端部および第2の端部のうちの少なくとも1つは、対応するブラケットにスライド可能に接続される。
【0052】
貯蔵システムの実施形態において、支持プロファイルは、ブラケットの少なくとも1つによって支持される。
【0053】
貯蔵システムの実施形態において、第1の領域および第2の領域の各々は、コンテナ取り扱い車両が2つの直角をなす方向に移動し得るレールグリッドを形成する2つの直角をなす方向に延び得るレールを有する。
【0054】
貯蔵システムの実施形態において、レール要素の第1の端部の各々は、間隙が第1の端部と接続されている向かい合うレールの端部との間に形成されるように、接続されているレールからある距離を置いて配置され得る。間隙は、接続されているレールに対するレール要素の旋回運動を可能にする。
【0055】
貯蔵システムの実施形態において、ブラケットは、ブラケットが接続される第1のレール要素または第2のレール要素の1つ以上の軌道の延長部を形成する1つ以上の軌道を画定する輪郭形成された上面を備え得る。
【0056】
貯蔵システムの実施形態において、レール要素の第1の端部の各々は、凸状の周辺を有し得、ブラケットは、凹状の周辺に隣接する対応する凹状の周辺を備え得、第1のレール要素および第2のレール要素のいずれも、それぞれのレール要素とブラケットとの間に間隙を形成することなく、それぞれのブラケットに対して旋回し得る。
【0057】
貯蔵システムの実施形態において、第1のレール要素および第2のレール要素の各々は、第1のレール要素から第2のレール要素まで伸縮継手に沿って延びている接合領域に、軌道または各軌道のための移行部が存在するように、輪郭形成された上面の軌道または各軌道の一部を提供する。
【0058】
第2の側面では、本発明は、レールシステムの第1の領域と第2の領域とを接続するための伸縮継手を提供す、伸縮継手は、第1のレール要素と、第2のレール要素と、2つのブラケットとを備え、
第1のレール要素および第2のレール要素の各々は、細長く、第1の端部と、第2の端部と、1つ以上の軌道を画定する輪郭形成された上面の一部とを備え、
第1のレール要素および第2のレール要素の第1の端部は、それらが重なる接合領域において長手方向に互いに対して移動するように構成され、
輪郭形成された上面の部分は、第1のレール要素から接合領域を通って第2のレール要素まで延びており、
第1のレール要素の第2の端部は、ブラケットの一方に第1の垂直軸の周りに旋回可能に接続され、第2のレール要素の第2の端部が、他方のブラケットに第2の垂直軸の周りに旋回可能に接続され、各ブラケットは、第1の領域または第2の領域に接続可能である。
【0059】
実施形態において、伸縮継手は、第1の垂直軸の周りに旋回可能に構成された第1の端部と、第2の垂直軸の周りに旋回可能に構成された第2の端部とを有する支持プロファイルを備え得、第1の端部および第2の端部のうちの少なくとも1つは、ブラケットのうちの1つにスライド可能に接続される。
【0060】
さらなる実施形態において、第2の側面による伸縮継手は、第1の側面による貯蔵システムにおいて使用される伸縮継手に関して開示された特徴のいずれかを備え得る。
【0061】
第3の側面では、本発明は、レールシステムの第1の領域と第2の領域との間のレール膨張/収縮を可能にする方法を提供し、第1の領域および第2の領域の各々は、コンテナ取り扱い車両を支持するための1つ以上の軌道を画定する輪郭形成された上面を有するレールを有し、方法は、
-伸縮継手を介して第1の領域の少なくとも一対の平行なレールの各レールを第2の領域の一対のレールの対応するレールに接続するステップを含み、
伸縮継手は、第1のレール要素および第2のレール要素であって、レール要素は、細長く、第1のレール要素および第2のレール要素の第1の端部は、それらが重なる接合領域において長手方向に互いに対して移動することを可能にするように第1の端部に構成されている、第1のレール要素および第2のレール要素と、
1つ以上の軌道を画定する輪郭形成された上面であって、軌道が、第1のレール要素から接合領域を通って第2のレール要素まで延びている、輪郭形成された上面と
を備え、
第1のレール要素の第2の端部が、レールシステムの第1の領域に第1の垂直軸の周りに旋回可能に接続され、第2のレール要素の第2の端部が、レールシステムの第2の領域に第2の垂直軸の周りに旋回可能に接続されている。
【0062】
さらなる実施形態において、第3の側面による方法は、第1の側面による貯蔵システムにおいて使用される伸縮継手に関して開示された特徴のいずれかを備え得る。
【0063】
あるいは、方法は、レールシステムの第1の領域と第2の領域との間の横方向および長手方向移動を可能にする方法と呼ばれ得る。
【図面の簡単な説明】
【0064】
以下の図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0065】
【
図1】
図1は、従来技術の自動貯蔵回収システムの骨組み構造の斜視図である。
【0066】
【
図2】
図2は、貯蔵コンテナを内部に運ぶための中央に配置された空洞を有する従来技術のコンテナ取り扱い車両の斜視図である。
【0067】
【
図3】
図3は、貯蔵コンテナを下方に運ぶための片持ち梁セクションを有する従来技術のコンテナ取り扱い車両の斜視図である。
【0068】
【
図4】
図4は、従来技術のコンテナ取り扱い車両の下方からの斜視図であり、リフトデバイスが示されている。
【0069】
【
図5】
図5は、本発明による第1の例示的な貯蔵システムの上面斜視図である。
【0070】
【
図6】
図6は、本発明による第2の例示的な貯蔵システムの上面斜視図である。
【0071】
【0072】
【
図8】
図8~
図13は、本発明による第1の例示的な伸縮継手の図である。
【
図9】
図8~
図13は、本発明による第1の例示的な伸縮継手の図である。
【0073】
【0074】
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。図面は、本発明を図示の主題に限定することを意図するものではない。
【0076】
2つの直角をなす水平方向におけるレールを特徴とするレールシステムの別々の領域を相互接続する場合、例えば温度差によるレールの膨張および/または収縮は、領域の互いに対する横方向および長手方向移動を引き起こし得る。これらの移動は、座屈、過度の張力および/またはねじれを受ける領域を相互接続するレール継手をもたらし得る。
【0077】
本発明による貯蔵システムのための骨組み構造100’の例示的な実施形態を
図5および
図6に示す。
【0078】
図5の骨組み構造100’は、レール継手アセンブリ10によって相互接続された3つの領域50、50’、50’’を特徴とするレールシステム108、108’、108’’を備えている。領域は、コンテナ取り扱い車両201、301、401がその上で動作し得るレールグリッドを形成している2つの直角をなす方向に配置されたレール110、111を備えている。レール継手アセンブリ10は、レール継手アセンブリ10の座屈、ねじれ、および歪みが回避され得るように、2つの接続領域50、50’、50’’間の長手方向および横方向移動に対応することができる。
【0079】
レール継手アセンブリ10は、以下では伸縮継手10と呼ばれる。
【0080】
図6の骨組み構造100’は、伸縮継手10によって相互接続された2つの領域50、50’、すなわち第1の領域50および第2の領域50’を備えている。第1の領域および第2の領域の各々は、コンテナ取り扱い車両201、301、401を支持するための1つ以上の軌道27’、27’’を画定する輪郭形成された上面を有するレール110、111を備えている。第1の領域50の少なくとも一対の平行なレールの各レール110は、伸縮継手10を介して第2の領域(50’)の一対のレールの対応するレール110’に接続されている。
【0081】
図7~
図13を参照すると、伸縮継手は、第1のレール要素12および第2のレール要素11を備えている。レール要素12、11は細長く、第1の端部22、23において、第1のレール要素および第2のレール要素の第1の端部22、23が、それらが重なる接合領域14において長手方向に互いに対して移動することを可能にするように構成されている。長手方向は、伸縮継手によって相互接続されたレール110が延びている方向である。接合領域14は、第1のレール要素12の第1の端部22に配置された雄部26と、第2のレール要素11の第1の端部23に配置された協働する雌部28とによって画定される。
【0082】
伸縮継手は、
図11を参照すると、第1のレール要素12から接合領域14を通って第2のレール要素11まで延びている1つ以上の軌道27’、27’’を画定する輪郭形成された上面を特徴とする。伸縮継手の軌道は、レール110、111の軌道と同様である。
【0083】
接合領域14内の第1のレール要素12と第2のレール要素11との間の相対移動の可能性は、例えば、レール110の収縮/膨張を引き起こす温度差に起因して、第1の領域50と第2の領域50’との間の距離が変化しても、伸縮継手10が2つの領域間に連続軌道27、27’を提供することを確実にする。
【0084】
第1の領域50と第2の領域50’との間の距離に差をもたらすことに加えて、温度差も、2つの領域間の横方向変位を引き起こし得る。このような横方向変位は、2つの領域を相互接続する継手の座屈/ねじれを引き起こし得る。
【0085】
相互接続された2つの領域間の横方向移動によって引き起こされる伸縮継手の座屈/ねじれを回避するために、第1のレール要素12は、第1の領域50に第1の垂直軸V1の周りに旋回可能に接続された第2の端部24を有し、第2のレール要素は、第2の領域50’に第2の垂直軸V2の周りに旋回可能に接続された第2の端部25を有する(
図10を参照)。
【0086】
第1のレール要素12および第2のレール要素11の各々は、ボルト18を用いてブラケット20を介して第1の領域50および第2の領域50’にそれぞれ旋回可能に接続されている。ブラケット20は、留め具29(例えば、ブラケットを第1または第2の領域の凹部34に接続するためのボルト)によって第1または第2の領域への剛接続のための垂直に延びている接続要素30と、第1または第2のレール要素に旋回可能に接続するための水平に延びている接続要素31とを特徴とする。ブラケット20は、それが接続されている領域50、50’のレールシステム108、108’の周辺に配置され、第1の垂直軸V1および第2の垂直軸V2は、周辺の外側の垂直面内にある。各ブラケット20は、レールシステム108、108’の周辺に配置されたレール111の側壁の凹部34を介してそれぞれの領域50、50’に接続され得る。
【0087】
図7~
図13の例示的な伸縮継手では、レール要素の第2の端部24、25の各々は、凸状周辺部を有し、ブラケット20は、前記凹状周辺部に隣接する対応する凹状周辺部を備えている。この構成は、第1のレール要素12および第2のレール要素11のいずれも、それぞれのレール要素12、11とブラケット20との間に間隙を形成することなく、それぞれのブラケット20に対して旋回することを可能にする。この特定の実施形態において、レール要素12、11とブラケット20との間の旋回接続は、垂直軸V1、V2まわりの広範な旋回運動を可能にする。
【0088】
レール要素12、11の領域50、50’への旋回接続が、2つの相互接続された領域50、50’間の横方向移動によって引き起こされる伸縮継手の座屈/ねじれを回避する必要な効果を提供するために、例えば0.5度から3.0度の範囲の小さな旋回移動より大きなものを可能にする必要はないことに留意されたい。
【0089】
図7~
図13のブラケット20は、輪郭形成された上面32を備え、輪郭形成された上面32は、ブラケット20が接続されている第1のレール要素12または第2の要素11の1つ以上の軌道27’、27’’の延長部を形成する1つ以上の軌道27’、27’’を画定する。輪郭形成された上面は、第1または第2の領域の周辺における使用されない軌道27’’’をブロックする。輪郭形成された上面は、伸縮継手を越えて渡るコンテナ取り扱い車両の改善されたガイドを提供し得るが、それは、必要ではない。
【0090】
第2のレール要素11に対する長手方向への第1のレール要素12の移動は、支持プロファイル15によってガイドされる。支持プロファイル15は、ブラケット20によって支持され、第1のレール要素12および第2のレール要素11が支持プロファイル15内で互いに対してスライドし得るように構成され得る。
【0091】
支持プロファイル15は、第1の垂直軸V1の周りに旋回可能に構成された第1の端部16’と、第2の垂直軸V2まわり旋回可能に構成された第2の端部16’’とを有する。図示の実施形態において、支持プロファイル15の第1の端部16’は、ブラケット20を介して第2の領域50’にスライド可能に接続される。他の例示的な実施形態において、支持プロファイル15の両端部16’、16’’は、それぞれの領域にスライド可能に接続され得る(例えば、
図15~
図17を参照)。伸縮継手によって接続された領域50、50’のうちの少なくとも1つへの支持プロファイル15のスライド可能な接続は、2つの領域50、50’間の距離の変化を可能にするために必要である。
【0092】
支持プロファイルは、実質的にU字形の断面を有し、第1および第2のレール要素の長手方向に延びている垂直面17と、上部水平面21とを特徴とする。垂直面17は、第2のレール要素11に対する第1のレール要素12の横方向移動を防止するために配置される。上部水平面21は、第1のレール要素11および第2のレール要素12を下方から支持するために配置される。支持プロファイル15は、第1および第2のレール要素12、11が、2つの領域50、50’間の横方向移動中、それぞれの第1および第2の垂直軸の周りに同じ方向に旋回することを確実にする。
【0093】
伸縮継手10’の第2の例示的な実施形態を特徴とする貯蔵システムの部分が
図14に示されており、伸縮継手10’の詳細が
図15~
図21に示されている。
【0094】
伸縮継手10’の機能および効果は、
図7~
図13の伸縮継手と同様である。
【0095】
第1の例示的な伸縮継手10を考慮すると、第2の例示的な伸縮継手10’の主な差別化特徴は、第1のレール要素12および第2のレール要素11がレールシステム108、108’の2つの領域50、50’に旋回可能に接続される方法である。さらに、ブラケット20’は、レール要素12、11と、伸縮継手10’によって相互接続されるレール110、110’との間に延長部を形成する上部輪郭形成面を提供しない。代わりに、レール要素12、11自体が、必要な上面を提供するように延長される。
【0096】
第1および第2のレール要素12、11は、第2の端部24、25において、ブラケット20’に配置されたピン19を介してそれぞれの領域50、50’に旋回可能に接続される(
図15を参照)。
【0097】
支持プロファイル15’の第1の端部16’および第2の端部16’’は、細長い貫通孔28を備え、ボルト26aおよびスリーブ26bを介してブラケット20’にスライド可能に接続される。さらに、ボルト26aは、貫通孔27を介してレール要素12、11をブラケット20’に留める。
【0098】
ブラケット20’または接続領域50、50’に対するレール要素12、11の必要な旋回運動を可能にするために、レール要素12、11の貫通孔27の直径および支持プロファイル15’の細長い貫通孔28の幅は、スリーブ26bの直径より大きい。この特定の実施形態において、貫通孔27、28の直径および幅は、11mmであり、スリーブの直径は、9.5mmであり、第1および第2の垂直軸V1、V2の周りに約2度の旋回運動を可能にする。
【0099】
さらに、レール要素12、11の第2の端部24、25の直線状または平坦な縁部に起因して、旋回運動は、レール要素の第2の端部24、25が、接続されているレール110、110’に対して僅かな距離を隔てて配置され、間隙33を形成することを必要とする。この特定の実施形態において、第2の端部24、25と対応するレール110、110’との間の間隙33は、約5mmである。
【0100】
第3の例示的な伸縮継手10’’が
図22および
図23に示されている。伸縮継手10’’は、
図15~
図21の伸縮継手と共通するほとんどの特徴を有し、それが僅かに異なるレールシステム構成に適しているという点でのみ異なる。第3の例示的な伸縮継手10’’では、レール要素12、11の第2の端部24、25は、伸縮継手10’’が接続されているレールシステム108、108’の周辺と交差しない。
【符号の説明】
【0101】
参照番号のリスト
1 従来技術の自動貯蔵回収システム
10,10’,10’’ 伸縮継手
11 第2のレール要素
12 こぶしレール要素
14 接合領域
15 支持プロファイル
16’ (支持プロファイルの)第1の端部
16’’ (支持プロファイルの)第2の端部
17 (支持プロファイルの)垂直面
18 留め具、ボルト
19 留め具、ピン
20 ブラケット
21 (支持プロファイルの)上部水平面
22 (第1のレール要素の)第1の端部
23 (第2のレール要素の)第1の端部
24 (第1のレール要素の)第2の端部
25 (第2のレール要素の)第2の端部
26 雄部
27’,27’’ 軌道
28 雌部
29 (レールシステムの領域にブラケットを接続するための)留め具
30 (ブラケットの)垂直に延びている接続要素
31 (ブラケットの)水平に延びている接続要素
32 (ブラケットの)輪郭形成された上面
33 間隙
34 凹部
100 骨組み構造
102 骨組み構造の直立部材
104 貯蔵グリッド
105 貯蔵カラム
106 貯蔵コンテナ
106’ 貯蔵コンテナの特定位置
107 スタック
108 レールシステム
110 第1の方向(X)の平行レール
110a 第1の方向(X)の第1のレール
110b 第1の方向(X)の第2のレール
111 第2の方向(Y)の平行レール
111a 第2の方向(Y)の第1のレール
111b 第2の方向(Y)の第2のレール
112 アクセス開口部
119 第1のポートカラム
120 第2のポートカラム
201 従来技術のコンテナ取り扱い車両
201a コンテナ取り扱い車両201の車体
201b 駆動手段/車輪構成、第1の方向(X)
201c 駆動手段/車輪構成、第2の方向(Y)
301 従来技術の片持ち梁コンテナ取り扱い車両
301a コンテナ取り扱い車両301の車体
301b 第1の方向(X)の駆動手段
301c 第2の方向(Y)の駆動手段
401 従来技術のコンテナ取り扱い車両
401a コンテナ取り扱い車両401の車体
401b 第1の方向(X)の駆動手段
401c 第2の方向(Y)の駆動手段
Y 第2の方向
Z 第3の方向
【国際調査報告】