(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】サステナブルなブラ衣料及び改善されたバイオベースのパッド部分
(51)【国際特許分類】
A41C 3/00 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A41C3/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572700
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 US2021041461
(87)【国際公開番号】W WO2022250715
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523441980
【氏名又は名称】ジェルマート インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】バスタグ イヴ
(72)【発明者】
【氏名】ナサー ヨセフ
(72)【発明者】
【氏名】デレヴァティ ジャンカルロス
【テーマコード(参考)】
3B131
【Fターム(参考)】
3B131AA11
3B131AB03
3B131AB05
3B131AB07
3B131BA47
3B131BA50
3B131BB01
3B131BB11
3B131BB14
3B131BB32
3B131CA22
3B131CA50
(57)【要約】
1又は2以上の可撓性の再生材料で形成された第1及び第2のカップ部分と、それぞれ第1及び第2のカップ部分から延びる第1及び第2のサイドウイングパネルと、を有し、生分解可能及び/又は再生可能なバイオベースの発泡材料で形成された第1及び第2のクッション性サポートパッドを有する、サステナブルなブラ衣料。第1及び第2のクッション性サポートパッドは、第1及び第2のカップ部分にそれぞれ結合されるように構成される。各パッドの前面は略凸形状を有し、各パッドの後面は略凹形状を有する。パッドの各々は、サステナブルなブラ衣料の着用者の胸にクッション性及びサポート性の両方をもたらす硬度値及び密度値を有するサトウキビ系高分子発泡材料などの環境に配慮したサステナブル材料で形成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サステナブルなブラ衣料であって、
1又は2以上の可撓性の再生材料で形成された第1及び第2のカップ部分と、
前記第1及び第2のカップ部分からそれぞれ延びる、1又は2以上の可撓性の再生材料で形成された第1及び第2のサイドウイングパネルと、
前記第1及び第2のカップ部分にそれぞれ結合するように構成された第1及び第2のクッション性サポートパッドであって、前記パッドの各々は前面及び後面を有し、各パッドの前記前面は略凸形状を有し、各パッドの前記後面は略凹形状を有する、第1及び第2のクッション性サポートパッドと、を備え、
前記パッドの各々は、前記サステナブルなブラ衣料の着用者の胸にクッション性及びサポート性の両方をもたらす硬度値及び密度値を有するバイオベース高分子発泡材料で形成され、
前記バイオベース高分子発泡材料は、少なくとも約60~85%のサトウキビ系高分子を含み、
前記バイオベース高分子発泡材料は、約15~約25のアスカーC硬度値を有する、
ことを特徴とするサステナブルなブラ衣料。
【請求項2】
前記サステナブル材料は、前記着用者に有害でなく石油ベースの発泡材料を含まないバイオベース材料である、
請求項1に記載のサステナブルなブラ衣料。
【請求項3】
各パッドは、少なくとも前記パッドの前記後面にラミネーション層又は接着層を含まない、
請求項1に記載のサステナブルなブラ衣料。
【請求項4】
前記第1及び第2のカップ部分及び前記第1及び第2のサイドウイングパネルの前記1又は2以上の再生材料は、1又は2以上の再生ファブリックで形成される、
請求項1に記載のサステナブルなブラ衣料。
【請求項5】
前記第1及び第2のカップ部分及び前記第1及び第2のサイドウイングパネルは、同じ前記再生ファブリックで形成される、
請求項4に記載のサステナブルなブラ衣料。
【請求項6】
前記第1のカップ部分と前記第1のサイドウイングパネルとの間、及び前記第2のカップ部分と前記第2のサイドウイングパネルとの間に、それぞれ取り付けられた弾性ショルダーストラップをさらに備え、前記弾性ショルダーストラップは、再生材料で形成される、
請求項1に記載のサステナブルなブラ衣料。
【請求項7】
前記ショルダーストラップの各々は、前記ショルダーストラップの長さを調整するための調整可能要素を有し、前記調整可能要素は、前記パッドの前記サステナブル材料の硬度値よりも高い硬度値を有するサステナブル材料で形成される、
請求項6に記載のサステナブルなブラ衣料。
【請求項8】
前記第1及び第2のカップ部分の各々は、アンダーワイヤチャネルを有する、
請求項1に記載のサステナブルなブラ衣料。
【請求項9】
前記第1及び第2のカップ部分を接合するブリッジパネルをさらに備え、前記ブリッジパネルは、再生材料で形成される、
請求項1に記載のサステナブルなブラ衣料。
【請求項10】
前記第1及び第2のサイドウイングパネルの自由端は、前記自由端を互いに留めるための対応する留め具要素を有する、
請求項1に記載のサステナブルなブラ衣料。
【請求項11】
ブラ衣料又はその他の衣料において使用されるサステナブルなクッション性サポートパッドであって、
少なくとも約60~85%のサトウキビ系高分子を含む1又は2以上のバイオベース高分子発泡材料で形成されたパッド部分を備え、
前記パッド部分は、前記モールド内で、実質的に凹形状の内面及び実質的に凸形状の外面を有する形状に形成され、
前記パッド部分は、約15~約25のアスカーC硬度値を有する、
ことを特徴とするサステナブルなクッション性サポートパッド。
【請求項12】
少なくとも約65~85%のサトウキビ系高分子を含む1又は2以上のバイオベース高分子発泡材料で形成されたパッド部分を備える、サステナブルなブラ衣料又はその他の衣料において使用されるクッション性サポートパッドの作成方法であって、
前記サトウキビ系高分子は、少なくとも、
過酸化物ベースの開始剤と、
発泡剤、と、が組み合わされ、
前記サトウキビ系高分子、過酸化物ベースの開始剤及び発泡剤混合物を、
約125℃に加熱して液体溶融混合物を形成する工程と、
前記液体溶融混合物をパススルー加圧ベルト内で圧縮して実質的に平らなシートを形成する工程と、
を含む方法によって前記実質的に平らなシートに形成し、
前記実質的に平らなシートの体積を、
前記実質的に平らなシートを約25分にわたって約130℃に加熱して、前記実質的に平らなシートの約90%の膨張を取得する工程と、
前記実質的に平らなシートを約45分にわたって約175℃に再加熱して、約200%の第2の膨張を達成する工程と、
を含む2段階加熱法によって膨張させ、
これにより、実質的に平らなバイオベース高分子発泡シートを形成し、
前記バイオベース高分子発泡シートをモールド内で約2分にわたって約160℃に加熱する工程と、
前記バイオベース高分子発泡シートを前記モールド内で約2分にわたって約10℃に冷却する工程と、
を含む成形法によって前記バイオベース高分子発泡シートをパッド部分に形成し、
各前記パッド部分は、前記モールド内で実質的に凹形状の内面及び実質的に凸形状の外面を有する形状に形成され、
各前記パッド部分は、約15~約25のアスカーC硬度値を有する、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年9月1日に出願された米国特許出願シリアル番号第17/009,133号の一部継続出願である。本開示は、一般にブラ衣料(bra garment)に関し、具体的には、石油ベースの発泡パッド材料とは対照的に再生可能、生分解可能及び/又は環境的にサステナブルなバイオベース高分子発泡材料(bio-based polymeric foam materials)で形成された改良ブラバッド部分を有する、サステナブル材料で形成されたブラ衣料に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラは、胸をサポートして形状及び外観を向上させるために女性によって一般的に着用される。他の衣料には、内蔵ブラを有して同じ機能を提供できるものもある。着用者に対する適切なサポートは、ブラにとって重要であり、従って特に所望の造型及びサポートのために使用されるブラのパッドに使用できる材料のタイプを規定し、典型的には、再生可能又は生分解可能でない石油ベースの高分子発泡体で形成される。従って通常、ブラには、接着剤を使用して発泡パッドが取り付けられている。しかしながら、発泡材料及び接着剤は、着用者に有害な場合もあり、再生可能ではなく、又は環境的に優しいものでもない。従って、環境に優しい改善されたブラ衣料、特にブラ製品を環境に優しくかつサステナブルなものにする再生可能かつ生分解可能な材料で形成された発泡パッド部分を有するブラ衣料が必要とされている。本発明の再生可能かつ生分解可能な改善されたサポートパッドは、ブラ衣料と共に、又はブラサポートバッドを組み込むことができる水着及びその他の衣服などの他の衣料と共に使用することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】インターネット<URL:https://www.forbes.com/sites/veenamccoole/2018/08/01/allbirds-launches-flip-flops-made-from-sustainable-sugarcane/?sh=55cd98913672>
【非特許文献2】インターネット<URL:https://materialdistrict.com/article/flip-flops-sugarcane-foam/>
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、1又は2以上のバイオベース高分子発泡材料で形成されたブラパッド部分を有する第1及び第2のカップ部分と、可撓性の再生材料で形成された、第1及び第2のカップ部分からそれぞれ延びる第1及び第2のサイドウイングパネルと、を備えるサステナブルなブラ衣料を提供することができる。第1及び第2のカップ部分は、第1及び第2のクッション性サポートパッドがそれぞれ結合されるように構成される。各ブラパッド部分は、前面及び後面を有し、各パッドの前面は、略凸形状を有し、各パッドの後面は、略凹形状を有する。各パッドは、サステナブルなブラ衣料の着用者の胸にクッション性及びサポート性の両方をもたらす硬度値及び密度値を有するサステナブル材料で形成される。サステナブル材料で形成されたパッドは、ブラサポートパッドを組み込むことができるスポーツブラ、水着、キャミソール、ビスチェ及びその他の衣服などの他のタイプの衣料及び衣服内で使用することもできる。
【0005】
ある実施形態では、サステナブル材料が、着用者に有害でない(当技術分野では「グリーンEVA(green-EVA)」材料として知られている)サトウキビ系高分子発泡材料(sugar cane-based polymeric foam material)などのバイオベース材料である。サステナブル材料は、生分解性材料を使用して環境に優しいプロセスで形成され、各パッドは、その少なくとも後面にラミネーション層又は接着層を含まないこともでき、第1及び第2のカップ部分並びに第1及び第2のサイドウイングパネルの1又は2以上の再生材料は、1又は2以上の再生ファブリックであり、及び/又は第1及び第2のカップ部分並びに第1及び第2のサイドウイングパネルは、同じ再生ファブリックで形成される。
【0006】
他の実施形態では、ブラ衣料は、第1のカップ部分と第1のサイドウイングパネルとの間、及び第2のカップ部分と第2のサイドウイングパネルとの間にそれぞれ取り付けられた弾性ショルダーストラップをさらに備え、弾性ショルダーストラップは、再生材料で形成され、ショルダーストラップの各々は、ショルダーストラップの長さを調整するための調整可能要素を有し、調整可能要素は、パッドのサステナブル材料の硬度値よりも高い硬度値を有するサステナブル材料で形成され、第1及び第2のカップ部分の各々は、アンダーワイヤチャネルを有し、請求項1のブラ衣料は、第1及び第2のカップ部分を接続するブリッジパネルをさらに備え、ブリッジパネルは、再生材料で形成され、及び/又は第1及び第2のサイドウイングパネルの自由端は、自由端を互いに留めるための対応する留め具要素を有する。
【0007】
本開示は、1又は2以上の再生ファブリックで形成された第1及び第2のカップ部分を備えるサステナブルなブラ衣料を提供することもできる。第1及び第2のカップ部分の各々は、外側要素及び内側要素を有する。内側及び外側要素は、それぞれの周縁部において互いに取り付けられて、これらの間にパッド収容エリアを形成する。第1及び第2のカップ部分からは、第1及び第2のサイドウイングパネルがそれぞれ延びる。第1及び第2のサイドウイングパネルは、1又は2以上の再生ファブリックで形成される。第1及び第2のカップ部分の収容エリアには、第1及び第2のクッション性サポートパッド(cushioning support pads)がそれぞれ保持される。パッドの各々は、第1及び第2のカップ部分の外側及び内側要素にそれぞれ対応する前面及び後面を有する。各パッドの前面は略凸形状を有し、各パッドの後面は略凹形状を有する。パッドの各々は、サステナブルなブラ衣料の着用者の胸にクッション性及びサポート性の両方をもたらす硬度値及び密度値を有するサステナブル材料のみで形成される。サステナブル材料は、着用者に有害でないバイオベース材料である。
【0008】
いくつかの好ましい実施形態では、当技術分野ではグリーン又はバイオベースEVA材料として周知のサトウキビ系高分子発泡材料を使用するサステナブルで環境に優しいプロセスによって環境に優しいパッド部分を製造することができる。バイオベースEVA材料は当技術分野で周知であり、既にいくつかの専門フットウェア製品のソールの生産のために開発され使用されている(https://www.forbes.com/sites/veenamccoole/2018/08/01/allbirds-launches-flip-flops-made-from-sustainable-sugarcane/?sh=55cd98913672及びhttps://materialdistrict.com/article/flip-flops-sugarcane-foam/参照)。しかしながら、本発明では、環境に配慮したブラパッドとしての使用に適した柔軟かつ構造的に安定した発泡高分子材料を生産するために、バイオベースEVA材料をより特異的に配合して加工できることを発見した。本発明では、石油ベースEVAの柔軟性及び構造品質を有しながら典型的なブラパッド製品のパッドの有用寿命に達した後に生分解可能及び/又は再生可能な成形ブラパッド製品を、バイオベースEVAから形成する上で使用される好ましい重合法及び発泡法を開示する。また、各カップ部分の外側要素は、再生ナイロンで形成することができ、各カップ部分の内側要素は、再生ポリエステルで形成され、ブラ衣料は、第1のカップ部分と第1のサイドウイングパネルとの間、及び第2のカップ部分と第2のサイドウイングパネルとの間にそれぞれ取り付けられた弾性ショルダーストラップを備え、弾性ショルダーストラップは、再生ファブリックで形成され、及び/又は第1及び第2のカップ部分の各々はアンダーワイヤチャネルを有し、ブリッジパネルは第1及び第2のカップ部分を接合し、アンダーワイヤチャネル及びブリッジパネルはいずれも再生材料で形成される。
【0009】
本開示は、第1及び第2のカップ部分を備えるサステナブルなブラ衣料をさらに提供することができる。第1及び第2のカップ部分の各々は、外側要素及び内側要素を有する。内側及び外側要素は、それぞれの周縁部において互いに取り付けられて、これらの間にパッド収容エリアを形成する。内側及び外側要素は、1又は2以上の再生ファブリックで形成される。第1及び第2のカップ部分からは、第1及び第2のサイドウイングパネルがそれぞれ延びる。第1及び第2のサイドウイングパネルは、1又は2以上の再生ファブリックで形成される。第1及び第2のカップ部分収容エリアには、第1及び第2のクッション性サポートパッドがそれぞれ保持される。パッドの各々は、第1及び第2のカップ部分の外側及び内側要素にそれぞれ対応する前面及び後面を有する。各パッドの前面は略凸形状を有し、各パッドの後面は略凹形状を有する。本明細書で開示するように、各パッドは、サステナブルなブラ衣料の着用者の胸にクッション性及びサポート性の両方をもたらす硬度値及び密度値を有するバイオベースの発泡高分子であって着用者に有害でないサステナブル材料で形成される。実質的に、サステナブルなブラ衣料の各部分は、再生材料又はサステナブル材料のいずれかで形成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、サステナブル材料をサステナブルで環境に優しいプロセスによって製造することができ、ブラ衣料は、第1のカップ部分と第1のサイドウイングパネルとの間、及び第2のカップ部分と第2のサイドウイングパネルとの間にそれぞれ取り付けられた弾性ショルダーストラップをさらに備え、弾性ショルダーストラップは再生ファブリックで形成され、ショルダーストラップの各々は、ショルダーストラップの長さを調整するための調整可能要素を有し、調整可能要素は、パッドのサステナブル材料の硬度値よりも高い硬度値を有するサステナブル材料で形成され、及び/又は第1及び第2のカップ部分の各々はアンダーワイヤチャネルを有し、ブリッジパネルは第1及び第2のカップ部分を接続し、第1及び第2のサイドウイングパネルの自由端は、自由端を互いに留めるための対応する留め具要素を有し、アンダーワイヤチャネル、ブリッジパネル及び留め具要素は再生材料で形成される。
【0011】
この概要は、特許請求する主題の本質的特徴を識別するように意図するものでも、特許請求する主題の範囲を規定する上で使用されるように意図するものでもない。上記の概要及び以下の詳細な説明はいずれも例示的なものであり、本開示の本質及び特性を理解するための概観又は枠組みを示すためのものであると理解されたい。
【0012】
添付図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面には本開示のいくつかの例しか示しておらず、具体的に図示していない他の実施例又は様々な実施例の組み合わせも本開示の範囲内に含まれると理解されたい。以下、図面を使用して実施例をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示による、例示的なサステナブルなブラ衣料の正面立面図又は外側立面図である。
【
図2】
図1に示すサステナブルなブラ衣料の背面立面図又は内側立面図である。
【
図3】本開示による、別の例示的サステナブルなブラ衣料の正面立面図又は外側立面図である。
【
図4】
図3に示すサステナブルなブラ衣料の背面立面図又は内側立面図である。
【
図5】本開示によるサステナブルなブラ衣料のカップの拡大した部分的断面図である。
【
図6】本開示に従って形成される1又は2以上のパッドを形成するために使用されるバイオベースEVA発泡シートの正面斜視図である。
【
図7】本開示に従って形成される、
図6に示すバイオベースEVA発泡シートから部分的に形成されるパッド部分の正面斜視図である。
【
図8】本開示に従って形成される完成したパッドを示す正面図又は立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図を参照すると、本開示は、一般に健康及びウェルネスを増進させるように環境に優しく着用者に有害でないサステナブルな再生材料で形成された、低コストで製造できるブラ衣料100に関する。ブラ衣料100は、例えばブラ、スポーツブラ、マタニティブラ、ブラジャー、ビキニトップ、キャミソール、その他のランジェリートップ又は胸をカバーする水着などのその他の衣料であることができる。
【0015】
ブラ衣料100は、一般にカップ部分102a、102bと、それぞれのカップ部分102a、102bから延びるサイドウイングパネル104a、104bと、カップ部分102a、102bのためのパッド108と、を備えることができる。カップ部分102aとサイドウイングパネル104aとの間を接続し、カップ部分102bとサイドウイングパネル104bとの間を接続するようにショルダーストラップ106a、106bを設けることもできる。パッド108は、着用者の胸にクッション性及びサポート性の両方をもたらすサステナブル材料で形成される。ブラ衣料100の残り部分は、再生材料及び/又はサステナブル材料で形成することができる。従って、ブラ衣料100の全体又は実質的に全体をサステナブル材料及び再生材料のみで形成することができる。
【0016】
本開示によるサステナブル材料は、着用者に有害でないバイオベース材料であり、化石燃料ベースの発泡材料などを含まないこともできる。パッド108を形成するために使用されるサステナブル材料は、例えば着用者にクッション性及びサポート性の両方をもたらすのに十分な硬度値及び密度値を有することができる。また、ブラ衣料100のサステナブル材料は、サステナブルでありかつ環境に優しいプロセスによって製造することができる。
【0017】
本開示によるサステナブル材料は、エコであり、使い易く、気候適応性が高く、無公害であり、環境に配慮し、環境に優しく、燃料効率が良く、エネルギー効率が良く、無公害であり、有機的であり、省エネルギーな材料である。サステナブル材料は、存続能力があり、連続的であり、継続的であり、実現可能であり、絶え間なく、共生可能であり、支援可能であり、不滅であり、限りがなく、再生可能であり、環境に優しいものであることができる材料である。サステナブル材料は、現在のニーズを満たすと同時に次世代にとって十分なリソースが利用可能であることを保証する利用可能なリソースに基づいて生産される。一例では、サステナブル材料は、サトウキビ又はトウモロコシ系高分子であることができる。また、サトウキビ又はトウモロコシ系高分子に生分解性添加物を添加することもできる。
【0018】
カップ部分102a及び102b並びにサイドウイングパネル104a及び104bは、再生ファブリックなどの再生材料で形成することができる。本開示による再生材料は、使用可能な材料に廃棄物変換された材料である。再生ファブリックは、ポリエステル及びナイロンのような合成繊維などの再生ファブリックを再び形成するように仕分けし、等級分けして再使用できる廃棄物又はファブリック及び布地である。
【0019】
図5に示すように、ブラ衣料100のカップ部分102a、102bの各々は、それぞれの縁部において互いに縫製などによって取り付けられて、それぞれのパッド108が含まれるパッド収容エリア124を間に形成できる外側要素120及び内側要素122を有する。外側要素120は、複数の利用可能な胸カップサイズから選択される略凸形状を有することができる。内側要素は、複数の利用可能なカップサイズから選択される略凹形状を有することができる。外側及び内側要素120及び122は、1又は2以上の可撓性の材料で形成される。一例では、外側要素をナイロン又は再生ナイロンで形成することができ、内側要素をポリエステル又は再生ポリエステルで形成することができる。ポリエステルは、着用者の皮膚に対する柔軟性が増すように起毛させることができる。
【0020】
パッド108の各々は、カップ部分102a、102bの外側要素120及び内側要素122それぞれに対応する前面110及び後面112を有する。
図5で最も良く分かるように、各パッド108の前面110は略凸形状を有し、各パッド108の後面112は略凹形状を有する。パッド108のサイズはいずれかの胸カップサイズであることができ、カップ部分102a、102bの外側要素120及び内側要素122のサイズに概して対応する。
【0021】
パッド108の各々は、サステナブルなブラ衣料の着用者の胸にクッション性及びサポート性の両方をもたらす硬度値及び密度値を有するバイオベース又はグリーンEVA高分子材料であって、着用者に有害でないサステナブル材料で形成される。例えば、パッド108のサステナブル材料は、約60%~85%のサトウキビ高分子で構成することができる。このサステナブル材料の比率は、パッド108に所望の可撓性を与えるとともに、着用者に快適性及びクッション性及び十分なサポート性をもたらす。
【0022】
好ましい実施形態の例では、パッド108が、60%~85%のバイオベースEVA(例えば、サトウキビ系高分子)を使用して重合化されたサステナブル材料のみで形成される。バイオベースEVAは、この(サトウキビエタノールの形態の)サステナブル物質と、過酸化水素(又はビス水素)などの開始剤及びアゾジカーボンアミドなどの発泡剤(blowing(or foaming)agent)、並びにその他の化学物質、及び着色顔料として使用できる二酸化チタンなどの当技術分野で周知の添加剤とを組み合わせることによって重合化される。本発明の方法は、バイオベースEVA混合物を室温から約摂氏125度(約260°F)に加熱して、パン生地の稠度に似た溶融混合物を生成する工程を含む。このようなバイオベースEVA材料は、次いで、パススルー加圧ベルト(pass-through pressing belt)を使用して圧縮され、実質的に平らなシートが形成される。次いで、実質的に平らなバイオベースEVAシートの体積形状を、1)このシートを約25分にわたって約摂氏130度(約265°F)に加熱して約90%の体積膨張を取得する工程と、2)このシートを約45分にわたって約摂氏175度(約360°F)に加熱して約200%の第2の体積膨張を取得してバイオベースEVA発泡シートを形成工程と、を含む2段階加熱プロセスを通じて、膨張させる。結果として得られる、1又は2以上のパッド108を形成する材料として使用できるバイオベースEVA発泡シート115の例を、
図6に示す。
【0023】
バイオベースEVA発泡シート115は、次いで、1)モールド内の前記バイオベース高分子発泡シートの一部を約2分にわたって約160℃(320°F)に加熱する工程と、2)前記モールド内の前記バイオベース高分子発泡シートを約2分にわたって約10℃(50°F)に冷却する工程と、を含む成形法によって、部分的パッド部分115a及び115bに形成され、各前記部分的パッド部分(115a及び115b)は、前記モールド内で実質的に凹形状の内面と実質的に凸形状の外面とを有する形状に形成され、その結果、パッド部分は、アスカーCスケール(Asker C scale)に基づく約15~約25の好ましいアスカー硬度値を有する。上記の好ましい成形法を使用してパッドカップ部分を形成した後の部分的に形成されたパッド部分115a及び115bの例を、
図7のプロセスに示す。
【0024】
上記処理法に従って形成された完成したパッド部分108の例を、
図8に示す。上記の好ましい処理法では、パッド部分は、様々なカップサイズを有することができる。複数のこのようなパッド部分サンプルをSATRA試験法に掛けて、パッド材料の硬度特性の好ましい範囲を評価した。これらのサンプルを、アスカーCスケールを有するデュロメータを用いたSATRA TM205:2016試験法に掛けて材料硬度を測定することにより、32A~40DDのカップサイズ範囲の各サンプルの材料硬度を、様々な表面地点において判定した。このような硬度試験後に、約17~約22のアスカーC硬度値の範囲が、このようなパッド108が組み込まれたサステナブルなブラ衣料又はその他の衣類の着用者の胸に適切なクッション性及び十分なサポート性の両方をもたらす好ましい材料硬度値を提供することが判明した。
【0025】
各パッド108の前面110は、カップ部分102a、102bの外側要素120の適用を支援するようにラミネートすることもできる。各パッド108の後面112は、ラミネーションを有さないことができる。それに代えて、各パッド108は完全に、すなわち前面110又は後面112のどちらにもラミネーションを有さないことができる。
【0026】
それぞれのカップ部分102a、102bの外縁には、サイドウイングパネル104a、104bがそれぞれ接続される。サイドウイングパネル104a、104bは、ナイロン及び再生ナイロンなどの1又は2以上のファブリックで形成することができる。サイドウイングパネル104a、104bは、カップ部分102a、102bのものと同じ又は異なる再生ファブリックで形成することができる。また、サイドウイングパネル104a、104bの周縁部109などのブラ衣料100のいずれかの部分又はパネルの周縁部を縫製するために再生糸を使用することもできる。サイドウイングパネル104a、104bの自由端は、従来の方法で自由端を互いに留めるホック留め要素(hook and eye elements)などの対応する留め具要素130及び132をそれぞれ有する。留め具要素130及び132は、ホックのための再生金属及び穴のためのファブリック又は糸などの再生材料で形成することができる。
【0027】
ショルダーストラップ106a、106bは、着用者に可撓性及び快適性をもたらすように、再生糸などの再生弾性材料などの再生材料で形成することができる。各ショルダーストラップ106a及び106bは、当技術分野で周知のように機能する対応するリング・フック部材134及び136などの調整可能要素を使用して調整することができる。リング・フック部材134及び136は、サトウキビ高分子などのサステナブル材料で形成することができる。リング・フック部材134及び136のサトウキビ高分子は、パッド108を形成するサトウキビ高分子よりも堅固かつ硬質である。すなわち、リング・フック部材134及び136のサトウキビ高分子は、ショルダーストラップ106a及び106bに結合してその調整を可能にするのに十分な硬度値及び剛性を有する。
【0028】
ブラ衣料100は、
図1及び
図2に示すようにアンダーワイヤを有することができ、或いはブラ衣料100’は、
図3及び
図4に示すようにアンダーワイヤを有さないことができる。ブラ衣料100は、支持体102a、102bの底部にそれぞれアンダーワイヤチャネル140a、140bを有する。アンダーワイヤチャネル140a、140bは、再生糸などの再生ファブリックで形成することができ、従来のアンダーワイヤを受け取るようにサイズ設定される。アンダーワイヤチャネル140a、140b間には、ブリッジパネル138が延びてカップ部分102a、102bを接続する。ブリッジパネル138は、再生ナイロンなどの再生材料で形成することができる。
【0029】
図3及び
図4に示すようなブラ衣料100’は、アンダーワイヤ又はアンダーワイヤチャネルを有していないことを除き、
図1及び
図2のブラ衣料100と実質的に同じものである。ブラ衣料100’のカップ部分102a’、102b’は、
図4で最も良く分かるようにカップ部分102a、102b’が中心線150及び底部線152において再生糸を使用して縫い合わされていることを除き、カップ部分102a、102bと同じものである。カップ部分102a’、120b’の上部には、任意のレース飾り154を設けることができる。レース飾り154は、再生糸などの再生材料で形成することができる。
【0030】
上記の説明及び関連する図面に示す教示から恩恵を受ける当業者には、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく修正、組み合わせ、部分的組み合わせ及び変形を行えることが明らかであろう。同様に、説明した様々な例は単独で又は他の例と組み合わせて使用することができる。当業者であれば、本明細書で具体的に説明又は図示していないにもかかわらず本開示の範囲に含まれる実施例の様々な組み合わせを理解するであろう。この点、本開示は、説明した具体例に限定されるものではなく、本開示の実施例は限定ではなく例示を意図するものであると理解されたい。
【0031】
本開示では、以下の定義及び用語を使用している。
EVA:本開示において使用する「EVA」は、ゴム状の柔らかさ及び可撓性を有する材料及び製品を生産するために使用できる弾性的な石油ベースの高分子である「エチレン酢酸ビニール」を参照するものとして当技術分野で知られており使用される頭文字である。
グリーン又はバイオベースEVA:本開示において使用する「グリーンEVA」又は「バイオベースEVA」は、実質的にサトウキビ(サトウキビエタノール)から形成されるカーボンネガティブな材料を表すために使用されるとともに、石油ベース高分子の代替物及び/又は代用物として使用される。既存のバイオベースEVA材料は、Braskem社によってEVA樹脂として市販され供給されている。好ましい樹脂は、典型的にはフットウェア製品のソール、又はおもちゃ及び家具において使用される発泡シートの形態のEVA Evance SVT2145及びSVT2180として認定されている。
過酸化水素又はビス(トリフルオロメチル)過酸化物:本開示で使用する「過酸化水素」又は「ビス過酸化物」は、バイオベースEVA材料のための開始剤を含む、安定した高分子材料を生成するための不飽和エチレン状分子の重合のための開始剤(又は触媒)として使用される化学物質を表すために使用される。
発泡剤(Blowing Agent又はFoaming Agent):本開示で使用する「発泡剤(Blowing Agent又はFoaming Agent)」は、典型的には基本高分子の密度を低下させて剛比を高める発泡プロセスを通じて細胞構造を生成できるアゾジカルボンアミドである、最先端の重合プロセスにおいて使用される化学成分を表すために使用される。
二酸化チタン又は酸化チタンIV(TiO2):本開示で使用する「二酸化チタン」又は「酸化チタンIV」は、典型的には塗料のための(「チタンホワイト」としても知られている)顔料及び高分子として使用される物質を表すために使用される。
アスカー硬度:本開示で使用する「アスカー硬度」は、指定された力によって材料上に形成される圧入の深さによって測定される所与の材料の硬度尺度(又は恒久的圧入に対してどれほど抵抗するか)を表すために使用される。典型的に使用される測定器具はデュロメータとして知られており、当技術分野では硬度を測定するための(アスカー、ショア、ロックウェル硬度スケールなどの)異なるそれぞれの基準が知られている。従って、ゴム製品、高分子及びエラストマーなどの様々な特性を有する異なる材料の堅牢性の測定には異なる硬度基準が使用される。ゴム材料の硬度を測定するために最も一般的に使用される基準は、アスカーC及びショア00、或いは柔軟材料のためのAスケール、及び硬質材料用のためのショアDスケールである。一般に、アスカーCスケールは、可撓性の高い発泡材料又はゴム材料の硬度を測定するために使用される。
【0032】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する単数形の「1つの(英文不定冠詞)」及び「その(英文定冠詞)」は、その文脈で別途明確に示していない限り複数形の照応を含む。同様に、ある要素を紹介するために使用する際の「別の(another)」という形容詞は、1又は2以上の要素を意味するように意図される。「備える、含む、有する(comprising、including、having)」という用語及び同様の用語は、列挙する要素以外のさらなる要素が存在できるような包括的なものであるように意図される。
【0033】
また、上述した方法が、そのステップに従う順序を明確に必要としていない場合、或いは明細書又は特許請求の範囲の表現に基づいて順序が必要でない場合、特定の順序を推測することは意図されていない。同様に、上記の説明で言及したステップが以下の方法の請求項に明確に記載されていない場合、そのステップがその請求項に必要であるとみなすべきではない。
【0034】
なお、明細書及び特許請求の範囲では、幾何学用語又は関係語を使用することができる。これらの用語は、本開示を限定するためのものではなく、一般に図に示す例に基づいて説明を容易にする便宜的なものとして使用される。また、幾何学用語又は関係語は正確でなくてもよい。例えば、壁は、表面粗度、製造中などに許容される公差などに起因して互いに正確に垂直又は平行ではない場合があるにもかかわらず、垂直又は平行とみなすことができる。
【国際調査報告】