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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】血管インターベンション施術装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/08 20060101AFI20240514BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20240514BHJP
   A61M 25/09 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A61M25/08 500
A61M25/06 556
A61M25/09
A61M25/09 530
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572757
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 KR2022007137
(87)【国際公開番号】W WO2022250371
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0067774
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0022312
(32)【優先日】2022-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523442574
【氏名又は名称】ペラザインコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ジョンテ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA28
4C267AA32
4C267BB04
4C267BB40
4C267BB42
4C267BB53
4C267CC09
4C267CC25
4C267CC30
(57)【要約】
血管インターベンション施術装置が提供される。血管インターベンション施術装置は、プラットホームと、カテーテルを回転させるカテーテルモジュールと、ガイドワイヤを回転させるガイドワイヤモジュールとを含む。プラットホームは、ベースフレームと、ベースフレームに対して前後方向に移送される第1移送部と、第1移送部の後方でベースフレームに対して第1移送部とは独立的に前後方向に移送される第2移送部と、第2移送部の後方でベースフレームに対して第1及び第2移送部とは独立的に前後方向に移送される第3移送部とを含む。カテーテルモジュールは、第1移送部に分離可能に結合される。ガイドワイヤモジュールは、第2移送部または第3移送部に分離可能に結合される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延長するベースフレームと、前記ベースフレームに対して前記前後方向に移送されるように構成される第1移送部と、前記第1移送部の後方で前記ベースフレームに対して前記第1移送部とは独立的に前記前後方向に移送されるように構成される第2移送部と、前記第2移送部の後方で前記ベースフレームに対して前記第1移送部及び前記第2移送部とは独立的に前記前後方向に移送されるように構成される第3移送部とを含むプラットホームと、
前記第1移送部に分離可能に結合されて前記前後方向に移送され、カテーテルを前記前後方向の回転軸を中心に回転させるように構成されるカテーテルモジュールと、
前記第2移送部または前記第3移送部に分離可能に結合されて前記カテーテルモジュールとは独立的に前記前後方向に移送され、前記カテーテルに挿入されるガイドワイヤを前記回転軸を中心に回転させるように構成されるガイドワイヤモジュールと、を含む、
血管インターベンション施術装置。
【請求項2】
前記第2移送部に分離可能に結合されて前記カテーテルモジュールとは独立的に前記前後方向に移送され、前記カテーテルに挿入されるマイクロカテーテルを支持するように構成されるマイクロカテーテルモジュールをさらに含む、
請求項1に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項3】
前記第3移送部に分離可能に結合されて前記カテーテルモジュール及び前記マイクロカテーテルモジュールとは独立的に前記前後方向に移送され、前記マイクロカテーテルに挿入されるマイクロガイドワイヤを前記回転軸を中心に回転させるように構成されるマイクロガイドワイヤモジュールをさらに含む、
請求項2に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項4】
前記マイクロカテーテルモジュールは、前記ガイドワイヤモジュールと交替可能に前記第2移送部に結合されるように構成され、前記マイクロガイドワイヤモジュールは、前記ガイドワイヤモジュールと交替可能に前記第3移送部に結合されるように構成される、
請求項3に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項5】
前記カテーテルモジュールが前記第1移送部に結合され、前記ガイドワイヤモジュールが前記第2移送部または前記第3移送部に結合される第1作動モードと、前記カテーテルモジュールが前記第1移送部に結合され、前記マイクロカテーテルモジュールが前記第2移送部に結合され、前記マイクロガイドワイヤモジュールが前記第3移送部に結合される第2作動モードとを有するように構成される、
請求項3に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項6】
前記第1移送部は、前記カテーテルモジュールと結合された状態で前記カテーテルを回転させる回転力を前記カテーテルモジュールに伝達するように構成され、
前記第2移送部または前記第3移送部は、前記ガイドワイヤモジュールと結合された状態で前記ガイドワイヤを回転させる回転力を前記ガイドワイヤモジュールに伝達するように構成される、
請求項1に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項7】
前記第1移送部は、前記カテーテルモジュールと結合された状態で前記カテーテルを回転させる回転力を前記カテーテルモジュールに伝達するように構成され、
前記第3移送部は、前記マイクロガイドワイヤモジュールと結合された状態で前記マイクロガイドワイヤを回転させる回転力を前記マイクロガイドワイヤモジュールに伝達するように構成される、
請求項3に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項8】
前記第1移送部、前記第2移送部、及び前記第3移送部の少なくともいずれか1つは、
前記カテーテル及び前記ガイドワイヤのうち、対応するいずれか1つの施術道具を回転させる回転力を発生させる回転力発生部と、
前記回転力発生部に結合され、前記カテーテルモジュール及び前記ガイドワイヤモジュールのうち、対応するいずれか1つの施術道具モジュールに分離可能に結合されて前記回転力を伝達するように構成される伝動部とを含む、
請求項6に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項9】
前記伝動部は、前記回転軸を中心とする周方向に延長する、
請求項8に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項10】
前記伝動部は、前記回転力発生部に分離可能に結合されるように構成される、
請求項8に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項11】
前記プラットホームは、前記ベースフレームに沿って前記前後方向に移送されるように前記ベースフレームに結合される移送フレームをさらに含み、
前記伝動部は、前記回転力を受ける入力端部と、前記移送フレームの上方に位置して前記いずれか1つの施術道具モジュールに分離可能に結合されて前記回転力を出力する出力端部とを含む、
請求項8に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項12】
前記いずれか1つの施術道具モジュールが前記伝動部の前記出力端部に結合された状態で、前記いずれか1つの施術道具モジュールは、前記移送フレームと前記出力端部との間に配置される、
請求項11に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項13】
前記回転力発生部は、前記回転力を出力するように回転可能な第1回転体を含み、
前記伝動部は、前記第1回転体に相補的な形状を有して前記回転力を受けるように構成される第2回転体と、前記第2回転体を移動可能に維持する回転体ガイドと、前記第2回転体を前記第1回転体に向かって加圧するスプリングとを含み、
前記第1回転体と前記第2回転体は前記スプリングの加圧力下で互いに分離可能に結合される、
請求項10に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項14】
前記伝動部は、前記回転力を受ける入力端部と、前記いずれか1つの施術道具モジュールに分離可能に結合されて前記回転力を出力する出力端部と、前記出力端部に配置されて回転するように構成される駆動ギアとを含み、
前記いずれか1つの施術道具モジュールは、前記駆動ギアと噛み合う被動ギアを含み、前記被動ギアの回転によって前記いずれか1つの施術道具を回転させるように構成される、
請求項8に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項15】
前記伝動部及び前記回転力発生部のうちのいずれか1つは、弾性変形可能なロッキングラッチを含み、前記伝動部及び前記回転力発生部のうちのもう1つは、前記ロッキングラッチが分離可能に結合されるロッキング溝を含む、
請求項10に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項16】
前記ロッキングラッチを含む前記伝動部及び前記回転力発生部のうちの前記いずれか1つは、前記ロッキングラッチを弾性変形させて前記ロッキングラッチを前記ロッキング溝から分離させるように構成されるロッキング解除部を含む、
請求項15に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項17】
前記ロッキング解除部は、前記ロッキングラッチを前記ロッキング溝から離隔させる方向に押すロッキング解除フックを有し、前記ロッキング解除フックが前記ロッキングラッチと前記ロッキング溝との間に挿入されるようにスライド可能に構成されるロッキング解除スライダーを含む、
請求項16に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項18】
前記伝動部は、前記前後方向に直交する横方向に形成される嵌合溝を有し、
前記いずれか1つの施術道具モジュールは、前記嵌合溝に前記横方向に嵌合される嵌合突起を有する、
請求項8に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項19】
前記伝動部は、前記いずれか1つの施術道具モジュールの前記横方向での分離を防止するために、前記いずれか1つの施術道具モジュールを回転によってロックするように構成される回転ラッチを含む、
請求項18に記載の血管インターベンション施術装置。
【請求項20】
前記第1移送部、前記第2移送部、及び第3移送部の少なくともいずれか1つは、
前記カテーテル、前記ガイドワイヤ、前記マイクロカテーテル、及び前記マイクロガイドワイヤのうち、対応するいずれか1つの施術道具を回転させる回転力を発生させる回転力発生部と、
前記回転力発生部に分離可能に結合され、前記カテーテルモジュール、前記ガイドワイヤモジュール、前記マイクロカテーテルモジュール、及び前記マイクロガイドワイヤモジュールのうち、対応するいずれか1つの施術道具モジュールに前記回転力を伝達するように構成される伝動部とを含む、
請求項7に記載の血管インターベンション施術装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血管インターベンション施術のための施術道具を移送及び/または回転させる血管インターベンション施術装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターベンション施術(interventional procedure)は、多様な映像機器下でガイドワイヤ、カテーテル、バルーン、ステントのような多様な道具を用いて経皮的かつ最小侵襲的な操作を通じて特定の疾患を治療する治療法である。インターベンション施術は、大きな手術切開を必要としない。インターベンション施術は、最小皮膚切開による少ない出血量、患者の迅速な回復、局所麻酔による合併症の未発生などの長所を有する。インターベンション施術は、非血管施術と血管施術に分類される得る。
【0003】
血管インターベンション施術(vascular interventional procedure)は、血管疾患及び癌の治療のために用いられる。血管インターベンション施術は、超音波または蛍光透視の誘導下で、直径1~7mmのカテーテルを経皮的に挿入してターゲット器官に接近させることを含む。血管インターベンション施術は、肝腫瘍、動脈出血、血管の閉塞または狭窄、子宮筋腫塞栓術に適用され得、その適用範囲は、現在拡大している。
【0004】
一例として、血管インターベンション施術では、超音波誘導または動脈促進で血管が穿孔し、血管を外傷から保護するために案内シース(introducer sheath)が挿入及び固定される。その後、ガイドワイヤ及びカテーテルのような施術道具が案内シースを通じて血管内部に挿入され、ターゲット血管を選択するためにガイドワイヤ及びカテーテルが操作される。ガイドワイヤが挿入及び回転操作によってターゲット血管に到達する。その後、カテーテルがガイドワイヤに沿ってターゲット血管に挿入される。ターゲット血管にカテーテルを到達させるために、ガイドワイヤの挿入及び回転とカテーテルの挿入及び回転が繰り返されることができる。さらに小さな血管に接近するためには、カテーテルの直径より小さい直径を有するマイクロカテーテルとマイクロガイドワイヤが用いられ、マイクロカテーテルとマイクロガイドワイヤは、カテーテルに挿入される。マイクロガイドワイヤの挿入と回転によってターゲット血管への方向が決定され、その後、マイクロカテーテルがマイクロガイドワイヤに沿って挿入される。ガイドワイヤまたはマイクロガイドワイヤが除去された後、カテーテルまたはマイクロカテーテルを通じてターゲット血管に薬剤または治療剤が注入される。
【0005】
血管インターベンション施術は、一般に蛍光透視(X線放射線撮影)の案内下に行われるため、作業者は、X線照射に露出する。血管インターベンション施術ルーム内で作業者は、放射線照射を遮蔽するための重い衣服と装備を着用するため、多くの肉体的ストレスを受ける。通常の手術ルームと比べ、放射線露出のため、作業者は、頻繁に施術ルームを行き来するので、血管インターベンション施術ルームは、低い水準の消毒状態と清潔状態になるようになる。血管インターベンション施術におけるカテーテルとガイドワイヤの操作は、作業者の経験と技術に依存するので、正確かつ精密な操作が行われないこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の実施例は、前述した作業者の操作による血管インターベンション施術の問題点を解決する。本開示の実施例は、血管インターベンション施術に用いられる施術道具を挿入及び/又は回転させる血管インターベンション施術装置を提供する。本開示の実施例は、向上した作動性及び使用性を有する血管インターベンション施術装置を提供する。本開示の各実施例は、施術道具を支持して回転させる部品がプラットホームに脱着可能な血管インターベンション施術装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例における血管インターベンション施術装置は、プラットホームと、カテーテルモジュールと、ガイドワイヤモジュールとを含む。プラットホームは、前後方向に延長するベースフレームと、ベースフレームに対して前後方向に移送されるように構成される第1移送部と、第1移送部の後方でベースフレームに対して第1移送部とは独立的に前後方向に移送されるように構成される第2移送部と、第2移送部の後方でベースフレームに対して第1移送部及び第2移送部とは独立的に前後方向に移送されるように構成された第3移送部とを含む。カテーテルモジュールは、第1移送部に分離可能に結合されて前後方向に移送される。カテーテルモジュールは、カテーテルを前後方向の回転軸を中心に回転させるように構成される。ガイドワイヤモジュールは、第2移送部または第3移送部に分離可能に結合されてカテーテルモジュールとは独立的に前後方向に移送される。ガイドワイヤモジュールは、カテーテルに挿入されるガイドワイヤを、回転軸を中心に回転させるように構成される。
【0008】
一実施例において、血管インターベンション施術装置は、第2移送部に分離可能に結合されてカテーテルモジュールとは独立的に前後方向に移送されるマイクロカテーテルモジュールをさらに含み得、マイクロカテーテルモジュールは、カテーテルに挿入されるマイクロカテーテルを支持するように構成される。
【0009】
一実施例において、血管インターベンション施術装置は、第3移送部に分離可能に結合されてカテーテルモジュール及びマイクロカテーテルモジュールとは独立的に前後方向に移送されるマイクロガイドワイヤモジュールをさらに含み得、マイクロガイドワイヤモジュールは、マイクロカテーテルに挿入されるマイクロガイドワイヤを回転軸を中心に回転させるように構成される。
【0010】
一実施例において、マイクロカテーテルモジュールは、ガイドワイヤモジュールと交替可能に第2移送部に結合されるように構成され、マイクロガイドワイヤモジュールは、ガイドワイヤモジュールと交替可能に第3移送部に結合されるように構成される。
【0011】
一実施例において、血管インターベンション施術装置は、カテーテルモジュールが第1移送部に結合され、ガイドワイヤモジュールが第2移送部または第3移送部に結合される第1作動モードと、カテーテルモジュールが第1移送部に結合され、マイクロカテーテルモジュールが第2移送部に結合され、マイクロガイドワイヤモジュールが第3移送部に結合される第2作動モードとを有するように構成され得る。
【0012】
一実施例において、第1移送部は、カテーテルモジュールと結合された状態でカテーテルを回転させる回転力をカテーテルモジュールに伝達するように構成され、第2移送部または第3移送部は、ガイドワイヤモジュールと結合された状態でガイドワイヤを回転させる回転力をガイドワイヤモジュールに伝達するように構成される。
【0013】
一実施例において、第1移送部は、カテーテルモジュールと結合された状態でカテーテルを回転させる回転力をカテーテルモジュールに伝達するように構成され、第3移送部は、マイクロガイドワイヤモジュールと結合された状態でマイクロガイドワイヤを回転させる回転力をマイクロガイドワイヤモジュールに伝達するように構成される。
【0014】
一実施例において、第1移送部、第2移送部、及び第3移送部の少なくともいずれか1つは、回転力発生部と伝動部を含む。回転力発生部は、カテーテル及びガイドワイヤのうち、対応するいずれか1つの施術道具を回転させる回転力を発生させる。伝動部は、回転力発生部に結合され、カテーテルモジュール及びガイドワイヤモジュールのうち、対応するいずれか1つの施術道具モジュールに分離可能に結合されて回転力を伝達するように構成される。
【0015】
一実施例において、伝動部は、回転軸を中心とする周方向に延長し得る。
【0016】
一実施例において、伝動部は、回転力発生部に分離可能に結合されるように構成され得る。
【0017】
一実施例において、プラットホームは、ベースフレームに沿って前後方向に移送されるようにベースフレームに結合される移送フレームを含み得る。伝動部は、回転力を受ける入力端部と、移送フレームの上方に位置していずれか1つの施術道具モジュールに分離可能に結合されて回転力を出力する出力端部を含む。
【0018】
一実施例において、いずれか1つの施術道具モジュールが伝動部の出力端部に結合された状態で、いずれか1つの施術道具モジュールは、移送フレームと出力端部との間に配置される。
【0019】
一実施例において、回転力発生部は、回転力を出力するように回転可能な第1回転体を含む。伝動部は、第1回転体に相補的な形状を有して回転力を受けるように構成される第2回転体と、第2回転体を移動可能に維持する回転体ガイドと、第2回転体を第1回転体に向かって加圧するスプリングとを含む。第1回転体と第2回転体は、スプリングの加圧力下で互いに分離可能に結合される。
【0020】
一実施例において、伝動部は、回転力を受ける入力端部と、いずれか1つの施術道具モジュールに分離可能に結合されて回転力を出力する出力端部と、出力端部に配置されて回転するように構成される駆動ギアとを含む。いずれか1つの施術道具モジュールは、駆動ギアと噛み合う被動ギアを含み、被動ギアの回転によって、いずれか1つの施術道具を回転させるように構成される。
【0021】
一実施例において、伝動部及び回転力発生部のうちのいずれか1つは、弾性変形可能なロッキングラッチを含み、伝動部及び回転力発生部のうちのもう1つは、ロッキングラッチが分離可能に結合されるロッキング溝を含む。
【0022】
一実施例において、ロッキングラッチを含む伝動部及び回転力発生部のうちのいずれか1つは、ロッキングラッチを弾性変形させてロッキングラッチをロッキング溝から分離させるように構成されるロッキング解除部を含む。
【0023】
一実施例において、ロッキング解除部は、ロッキングラッチをロッキング溝から離隔させる方向に押すロッキング解除フックを有し、ロッキング解除フックがロッキングラッチとロッキング溝との間に挿入されるようにスライド可能に構成されるロッキング解除スライダーを含み得る。
【0024】
一実施例において、伝動部は、前後方向に直交する横方向に形成される嵌合溝を有し、いずれか1つの施術道具モジュールは、嵌合溝に横方向に嵌合される嵌合突起を有する。
【0025】
一実施例において、伝動部は、いずれか1つの施術道具モジュールの横方向での分離を防止するために、いずれか1つの施術道具モジュールを回転によってロックするように構成される回転ラッチを含み得る。
【0026】
一実施例において、第1移送部、第2移送部、及び第3移送部の少なくともいずれか1つは、回転力発生部と伝動部を含む。回転力発生部は、カテーテル、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル、及びマイクロガイドワイヤのうち、対応するいずれか1つの施術道具を回転させる回転力を発生させる。伝動部は、回転力発生部に分離可能に結合される。伝動部は、カテーテルモジュール、ガイドワイヤモジュール、マイクロカテーテルモジュール、及びマイクロガイドワイヤモジュールのうち、対応するいずれか1つの施術道具モジュールに回転力を伝達するように構成される。
【発明の効果】
【0027】
本開示の一実施例によると、複数の施術道具の多自由度の作動が実現されて、血管インターベンション施術装置の作動性及び使用性が向上する。
【0028】
本開示の一実施例によると、モジュール化された構成要素が容易に組立及び分解されるので、モジュール化された構成要素を便利に交替または消毒することができる。
【0029】
本開示の一実施例によると、施術道具を支持するモジュールがプラットホームに分離可能に結合されて、プラットホームの構造が簡素化され得、施術道具を支持するモジュールが選択的にプラットホームの移送部に結合されて血管インターベンション施術に用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一実施例による血管インターベンション施術装置によってカテーテルとガイドワイヤを用いて行われる血管インターベンション施術の一例を概略的に示す。
図2】一実施例による血管インターベンション施術装置によってカテーテル、マイクロカテーテル及びマイクロガイドワイヤを用いて行われる血管インターベンション施術のもう1つの例を概略的に示す。
図3】一実施例による血管インターベンション施術装置が血管インターベンション施術に用いられる状態の例を概略的に示す。
図4】一実施例による血管インターベンション施術装置をいずれか1つの作動モードで示す斜視図である。
図5】一実施例による血管インターベンション施術装置をもう1つの作動モードで示す斜視図である。
図6】一実施例による血管インターベンション施術装置のプラットホームを示す斜視図である。
図7図6に示すプラットホームのベースフレームを示す分解斜視図である。
図8図6に示すプラットホームのベースフレームを示す平面図である。
図9図8のIX‐IX線に沿って取った断面図である。
図10図6に示すプラットホームの移送フレームを示す分解斜視図である。
図11図10のXI‐XI線に沿って取った断面図である。
図12図10のXII‐XII線に沿って取った断面斜視図である。
図13図10に示す移送部の一例を示す斜視図である。
図14図13に示す移送部の伝動部を示す下方斜視図である。
図15図14のXV‐XV線に沿って取った断面図である。
図16図13に示す移送部の回転力発生部と伝動部が互いに結合される前の状態を示す断面図である。
図17図13に示す移送部の回転力発生部と伝動部が互いに結合されている状態を示す断面図である。
図18】移送部の伝動部と施術道具モジュールが結合されている状態を示す斜視図である。
図19】一実施例による血管インターベンション施術装置のカテーテルモジュールを示す斜視図である。
図20図19のXX‐XX線に沿って取った断面図である。
図21図19に示すカテーテルモジュールの下方分解斜視図である。
図22】一実施例による血管インターベンション施術装置のガイドワイヤモジュールを示す斜視図である。
図23図22に示すガイドワイヤモジュールの下方分解斜視図である。
図24図22のXXIV‐XXIV線に沿って取った断面図である。
図25図24に示すガイドワイヤクランプを示す分解斜視図である。
図26】一実施例による血管インターベンション施術装置のマイクロカテーテルモジュールを示す斜視図である。
図27図26のXXVII‐XXVII線に沿って取った断面図である。
図28】一実施例による血管インターベンション施術装置のマイクロガイドワイヤモジュールを示す斜視図である。
図29図28のXXIX‐XXIX線に沿って取った断面図である。
図30】一実施例による血管インターベンション施術装置の第1ガイドモジュールを示す斜視図である。
図31図30に示す第1ガイドモジュールの分解斜視図である。
図32図30に示す第1ガイドモジュールの第1ガイドハウジングを示す下方分解斜視図である。
図33図30に示す第1ガイドモジュールがベースフレームの前端に結合される例を示す斜視図である。
図34】一実施例による血管インターベンション施術装置の第2ガイドモジュールを示す斜視図である。
図35図34に示す第2ガイドモジュールの分解斜視図である。
図36図34に示す第2ガイドモジュールの下方分解斜視図である。
図37図34のXXXVII‐XXXVII線に沿って取った断面図である。
図38】一実施例による血管インターベンション施術装置のカテーテルモジュール及び第2ガイドモジュールを示す斜視図である。
図39】一実施例による血管インターベンション施術装置の第1作動モードで作動する前の準備状態を示す斜視図である。
図40】一実施例による血管インターベンション施術装置の第1作動モードのために施術道具モジュールが移送部に嵌合されている状態を示す斜視図である。
図41】一実施例による血管インターベンション施術装置の第1作動モードのために第1ガイドモジュールがプラットホームの前端に結合されている状態を示す斜視図である。
図42図41に示す状態からの作動を示す斜視図である。
図43図42に示す状態からの作動を示す斜視図である。
図44図43に示す状態からの作動を示す斜視図である。
図45図44に示す状態からの作動を示す斜視図である。
図46】一実施例による血管インターベンション施術装置の第1作動モードでガイドワイヤモジュールを除去する例を示す斜視図である。
図47】一実施例による血管インターベンション施術装置の第2作動モードにおける最初の状態を示す斜視図である。
図48】一実施例による血管インターベンション施術装置の第2作動モードのために、マイクロカテーテルモジュールとマイクロガイドワイヤモジュールがプラットホームの移送フレームに結合される状態を示す斜視図である。
図49】一実施例による血管インターベンション施術装置の第2作動モードのために第2ガイドモジュールがマイクロカテーテルモジュールに結合される状態を示す斜視図である。
図50図49に示す状態からの作動を示す斜視図である。
図51図50に示す状態からの作動を示す斜視図である。
図52図51に示す状態からの作動を示す斜視図である。
図53】もう1つの実施例による血管インターベンション施術装置の構成を概略的に示す。
図54図53に示す血管インターベンション施術装置のマイクロカテーテルモジュールを示す断面図である。
図55図53に示す血管インターベンション施術装置のガイドワイヤモジュールを示す断面図である。
図56図53に示す血管インターベンション施術装置の第1ガイドモジュールを示す平面図である。
図57】もう1つの実施例による血管インターベンション施術装置の第1ガイドモジュール及び第2ガイドモジュールを示す斜視図である。
図58図57に示す第2ガイドモジュールの断面形状を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が、以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的説明で限定されるものではない。
【0032】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであり、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0033】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」等のような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open-ended terms)として理解されるべきである。
【0034】
本開示で記述された単数型の表現は、特に言及しない限り、複数型の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数型の表現にも同様に適用される。
【0035】
本開示で用いられる「第1」、「第2」等の表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
【0036】
本開示において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「結合されて」いると言及される場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得たり、結合され得るものとして、または新たな他の構成要素を介して連結され得たり、結合され得るものとして理解されるべきである。
【0037】
本開示における前方方向は、血管インターベンション施術装置のプラットホームの長い側が患者を向く方向(図4の符号FDと示された方向)を意味し、後方方向は、前方方向の反対方向を意味し、前後方向は、前記前方方向と前記後方方向を含む。本開示における横方向は、前記前後方向に直交する方向、即ち、前記プラットホームの短い側が位置する方向を意味し、左側方向と右側方向を含む。本開示における垂直方向は、前記前後方向及び前記横方向に垂直な方向を意味する。
【0038】
以下、添付の図面を参照し、実施例を説明する。添付の図面において、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものとして意図されはしない。
【0039】
以下に開示する実施例及び添付した図面に示す実施例は、血管インターベンション施術に用いられる施術道具を移送して回転させながら、ターゲット血管に施術道具を進入させるために用いられる血管インターベンション施術装置に関連する。実施例による血管インターベンション施術装置は、カテーテル、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル及びマイクロガイドワイヤを用いる血管インターベンション施術に用いられる。本開示において、カテーテル、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル及びマイクロガイドワイヤは、施術道具として参照される。
【0040】
カテーテルは、可撓性のチューブであり、ターゲット血管内に進入する。ガイドワイヤは、ターゲット血管へカテーテルを案内するために、カテーテルに挿入される。マイクロカテーテルは、前記カテーテルに挿入されることができ、可撓性のチューブである。マイクロカテーテルは、前記カテーテルが進入できないより一層狭いターゲット血管に進入し、前記より一層狭いターゲット血管に薬物を注入したり、血栓を吸引するために用いられる。マイクロガイドワイヤは、ガイドワイヤより小さい厚さを有し、前記より一層狭いターゲット血管にマイクロカテーテルを案内するために用いられる。マイクロガイドワイヤは、マイクロカテーテルに挿入される。図1図2は、血管インターベンション施術における施術道具の挿入及び回転の例を概略的に示す。
【0041】
図1を参照して、一実施例の血管インターベンション施術装置によって、カテーテルとガイドワイヤを用いてカテーテルをターゲット血管に到達させる一例を説明する。血管インターベンション施術装置は、カテーテル20とガイドワイヤ30を第1ターゲット血管T1の付近に進入させるために、カテーテル20とガイドワイヤ30を移送させることができる。血管インターベンション施術装置は、ガイドワイヤ30を第1ターゲット血管T1に進入させるために、ガイドワイヤ30を移送及び回転させることができる。また、血管インターベンション施術装置は、ガイドワイヤ30の移送及び回転と共に、カテーテル20を回転させることができる。ガイドワイヤ30が第1ターゲット血管T1に進入すると、血管インターベンション施術装置はカテーテル20を、ガイドワイヤ30に沿って第1ターゲット血管T1内に進入させることができる。カテーテル20が第1ターゲット血管T1に到達すると、ガイドワイヤ30がカテーテル20から除去される。カテーテル20は、第1ターゲット血管T1に薬物を注入するために、または第1ターゲット血管T1内の血栓を吸引するために用いられ得る。
【0042】
図2を参照して、血管インターベンション施術装置によってカテーテル、マイクロカテーテル及びマイクロガイドワイヤを用いてマイクロカテーテルをターゲット血管に到達させる例を説明する。カテーテル20が第1ターゲット血管T1に到達した状態で、第1ターゲット血管T1より狭い第2ターゲット血管T2に対する薬物の注入や血栓の吸入が必要な場合もある。カテーテル20内にマイクロカテーテル40が挿入され、マイクロカテーテル40内にマイクロガイドワイヤ50が挿入される。血管インターベンション施術装置は、マイクロガイドワイヤ50を移送及び回転させて、マイクロガイドワイヤ50を第2ターゲット血管T2に進入させる。その後、血管インターベンション施術装置は、マイクロカテーテル40をマイクロガイドワイヤ50に沿って第2ターゲット血管T2に進入させるために、マイクロカテーテル40を移送させる。マイクロカテーテル40が第2ターゲット血管T2に到達すると、マイクロガイドワイヤ50がマイクロカテーテル40から除去される。マイクロカテーテル40は、第2ターゲット血管T2に薬物を注入するために、または血栓を吸引するために用いられ得る。または、追加の施術のために様々な装置がマイクロカテーテル40を介して第2ターゲット血管T2に進入し得る。
【0043】
図3は、一実施例による血管インターベンション施術装置が血管インターベンション施術に用いられる状態の例を概略的に示す。血管インターベンション施術装置10は、前述した施術道具を移送して回転させるためのプラットホーム100を含む。血管インターベンション施術装置10のプラットホーム100は、多自由度据置装置60のアームに除去可能に装着され得る。これにより、施術者は、血管インターベンション施術装置10を所望の位置に容易に移動させ、プラットホーム100の前端が患者の施術部位を向くように位置させることができる。多自由度据置装置60は、患者が横たわる手術台付近に位置してもよい。他の例として、血管インターベンション施術装置10を支持し、回転させ、移動させることができるメカニズムが、前記手術台に提供されてもよく、血管インターベンション施術装置10は、このようなメカニズムに除去可能に装着されてもよい。
【0044】
以下、図4図38を参照して、血管インターベンション施術装置の実施例を説明する。
【0045】
図4は、一実施例による血管インターベンション施術装置をいずれか1つの作動モードで示す斜視図であり、図5は、一実施例による血管インターベンション施術装置をもう1つの作動モードで示す斜視図である。
【0046】
図4に示す血管インターベンション施術装置10は、カテーテル20とガイドワイヤ30を用いる血管インターベンション施術(例えば、図1に例示する血管インターベンション施術)のために作動可能であり、図4に示す作動モードは、第1作動モードとして参照される。図5に示す血管インターベンション施術装置10は、カテーテル20がターゲット血管に到達した状態でマイクロカテーテル40とマイクロガイドワイヤ50を用いる血管インターベンション施術(例えば、図2に例示する血管インターベンション施術)のために作動可能であり、図5に示す作動モードは、第2作動モードとして参照される。一実施例の血管インターベンション施術装置10は、カテーテル20とガイドワイヤ30を独立的に移送または回転させる第1作動モードと、カテーテル20、マイクロカテーテル40及びマイクロガイドワイヤ50を独立的に移送または回転させる第2作動モードを有するように構成され得る。
【0047】
図4に示す第1作動モードでは、カテーテル20を支持するカテーテルモジュール200と、ガイドワイヤ30を支持するガイドワイヤモジュール300が血管インターベンション施術装置10のプラットホーム100に結合される。図5に示す第2作動モードでは、カテーテル20を支持するカテーテルモジュール200と、マイクロカテーテル40を支持するマイクロカテーテルモジュール400と、マイクロガイドワイヤ50を支持するマイクロガイドワイヤモジュール500が血管インターベンション施術装置10のプラットホーム100に結合される。
【0048】
本開示において、プラットホーム100の前端から後端に向かう方向に初めて配置される施術道具は、第1施術道具として参照され、第1施術道具の後方で第1施術道具に挿入される施術道具は、第2施術道具として参照される。第2施術道具の後方で第2施術道具に挿入される施術道具は、第3施術道具として参照される。図4において、第1施術道具は、カテーテル20であり、第2施術道具は、ガイドワイヤ30である。図5において、第1施術道具は、カテーテル20であり、第2施術道具は、マイクロカテーテル40、第3施術道具は、マイクロガイドワイヤ50である。
【0049】
また、本開示において、前述した施術道具をそれぞれ支持し、プラットホーム100に結合されるモジュールは、施術道具モジュールとして参照される。プラットホーム100の前端から後端に向かう方向に初めて配置される施術道具モジュールは、第1施術道具モジュールとして参照され、第1施術道具モジュールの後方に配置される施術道具モジュールは、第2施術道具モジュールとして参照される。第2施術道具モジュールの後方に配置される施術道具モジュールは、第3施術道具モジュールとして参照される。図4において、第1施術道具モジュールは、カテーテルモジュール200であり、第2施術道具モジュールはガイドワイヤモジュール300である。図5で、第1施術道具モジュールは、カテーテルモジュール200であり、第2施術道具モジュールは、マイクロカテーテルモジュール400、第3施術道具モジュールは、マイクロガイドワイヤモジュール500である。
【0050】
図4を参照すると、一実施例による血管インターベンション施術装置10は、プラットホーム100と、カテーテルモジュール200と、ガイドワイヤモジュール300を含む。プラットホーム100は、血管インターベンション施術装置10の基礎であり、施術道具を移送させて回転させる動力を発生させる。カテーテルモジュール200(第1施術道具モジュール)とガイドワイヤモジュール300(第2施術道具モジュール)がプラットホーム100上に配置される。カテーテルモジュール200は、カテーテル20(第1施術道具)を支持して回転させるように構成される。ガイドワイヤモジュール300は、ガイドワイヤ30(第2施術道具)を支持して回転させるように構成される。
【0051】
図5を参照すると、一実施例による血管インターベンション施術装置10は、プラットホーム100と、カテーテルモジュール200と、マイクロカテーテルモジュール400と、マイクロガイドワイヤモジュール500を含む。カテーテルモジュール200(第1施術道具モジュール)とマイクロカテーテルモジュール400(第2施術道具モジュール)とマイクロガイドワイヤモジュール500(第3施術道具モジュール)がプラットホーム100上に配置される。マイクロカテーテルモジュール400は、マイクロカテーテル40(第2施術道具)を支持するように構成される。マイクロガイドワイヤモジュール500は、マイクロガイドワイヤ50(第3施術道具)を支持して回転させるように構成される。
【0052】
図5に示す血管インターベンション施術装置10では、第2施術道具モジュールとして図4に示す、ガイドワイヤモジュールの代わりにマイクロカテーテルモジュール400が採用されている。第2施術道具モジュールであるマイクロカテーテルモジュール400は、ガイドワイヤモジュールと共に用いられず、ガイドワイヤモジュールの代わりに血管インターベンション施術装置10に採用され得る。
【0053】
図4及び図5を参照すると、プラットホーム100は、前後方向FRに位置する。プラットホーム100は、図3に示す多自由度据置装置によって支持され、前後方向FRに位置し得る。
【0054】
プラットホーム100は、前述した施術道具の少なくとも1つを前後方向に移送させ、前後方向の回転軸を中心に回転させるための回転力を発生させるように構成され得る。プラットホーム100は、1つのモジュールとして構成されてもよく、相対的に移動可能に互いに結合される2つのモジュールとして構成されてもよい。プラットホーム100は、前述した施術道具の少なくとも1つを移送させて回転させるための、少なくとも1つの移送部を含み得る。このような移送部は、前記1つのモジュール内に配置されてもよく、前記2つのモジュールのうち移動可能なモジュール内に配置されてもよい。
【0055】
一実施例のプラットホーム100は、固定されたベースモジュール101と、移動可能な移送モジュール102から構成され得る。ベースモジュール101が下側に位置し、移送モジュール102がベースフレーム110の上側に位置する。ベースモジュール101は、前後方向FRに延長するベースフレーム110を含む。ベースフレーム110は、前記多自由度据置装置に分離可能に固定され得る。移送モジュール102は、ベースフレーム110に対して前後方向FRに移動され得る。移送モジュール102は、ベースフレーム110に沿って前後方向FRに移送されるようにベースフレーム110に結合される移送フレーム120を含む。
【0056】
図4に示すカテーテルモジュール200及びガイドワイヤモジュール300は、移送モジュール102上に配置される。図5に示すカテーテルモジュール200、マイクロカテーテルモジュール400、及びマイクロガイドワイヤモジュール500は、移送モジュール102上に配置される。移送モジュール102は、前記施術道具モジュールを前後方向FRに移送するように構成される。前記施術道具モジュールは、移送モジュール102に結合され、移送モジュール102によって前後方向FRに独立的に、または同時に移送され得る。
【0057】
図4を参照すると、カテーテル20(第1施術道具)を支持するカテーテルモジュール200は、移送モジュール102に結合される。カテーテルモジュール200は、ベースフレーム110に対して前後方向FRに移送される。移送モジュール102がベースフレーム110に沿って前方方向FDに移送され、カテーテルモジュール200のカテーテル20(第1施術道具)が前方に移送されることができる。これにより、カテーテル20がガイドワイヤ30に沿ってターゲット血管に進入することができる。ガイドワイヤ30(第2施術道具)を支持するガイドワイヤモジュール300(第2施術道具モジュール)が、カテーテルモジュール200の後方で移送モジュール102に結合される。また、移送モジュール102は、ガイドワイヤモジュール300をカテーテルモジュール200とは独立的に、前後方向FRに移送するように構成される。ガイドワイヤモジュール300は、ベースフレーム110に対して前後方向FRに移送される。移送モジュール102がベースフレーム110に沿って前方方向FDに移送され、ガイドワイヤ30が前方に移送されることができる。また、移送モジュール102の移送部140によって、ガイドワイヤモジュール300のガイドワイヤ30が前方に移送されることができる。これにより、カテーテル20(第1施術道具)に挿入されたガイドワイヤ30(第2施術道具)がターゲット血管に進入することができる。図4は、ガイドワイヤモジュール300が移送部140に結合されることを示すが、他の実施例においては、ガイドワイヤモジュール300が移送部150に結合されることもある。
【0058】
図5を参照すると、カテーテル20(第1施術道具)を支持するカテーテルモジュール200は、移送モジュール102に結合され、カテーテルモジュール200は、ベースフレーム110に対して前後方向FRに移送される。マイクロカテーテル40(第2施術道具)を支持するマイクロカテーテルモジュール400(第2施術道具モジュール)が、カテーテルモジュール200の後方で移送モジュール102に結合される。移送モジュール102は、マイクロカテーテルモジュール400をカテーテルモジュール200とは独立的に、前後方向FRに移送するように構成される。マイクロカテーテルモジュール400は、ベースフレーム110に対して前後方向FRに移送される。移送モジュール102がベースフレーム110に沿って前方方向FDに移送され、マイクロカテーテル40が前方に移送されることができる。また、移送モジュール102の移送部140によって、マイクロカテーテルモジュール400のマイクロカテーテル40が前方に移送されることができる。これにより、カテーテル20(第1施術道具)に挿入されたマイクロカテーテル40(第2施術道具)がターゲット血管に進入することができる。
【0059】
マイクロガイドワイヤ50(第3施術道具)を支持するマイクロガイドワイヤモジュール500が、マイクロカテーテルモジュール400の後方で移送モジュール102に結合される。移送モジュール102は、マイクロガイドワイヤモジュール500をカテーテルモジュール200及びマイクロカテーテルモジュール400とは独立的に前後方向FRに移送するように構成される。マイクロガイドワイヤモジュール500は、移送モジュール102によってベースフレーム110に対して前後方向FRに移送される。移送モジュール102がベースフレーム110に沿って前方方向FDに移送される。また、カテーテルモジュール200のカテーテル(第1施術道具)またはマイクロカテーテルモジュール400のマイクロカテーテル(第2施術道具)とは独立的に、移送モジュール102によってマイクロガイドワイヤモジュール500のマイクロガイドワイヤ(第3施術道具)が前方に移送される。これにより、マイクロカテーテル40に挿入されたマイクロガイドワイヤがターゲット血管に進入することができる。
【0060】
図6は、一実施例の血管インターベンション施術装置のプラットホームを示す斜視図である。図7は、図6に示すプラットホームのベースフレームを示す斜視図である。図8図6に示すプラットホームのベースフレームを示す平面図である。図9は、図8のIX‐IX線に沿って取った断面図である。以下、図6図9を参照する。
【0061】
ベースフレーム110は、内部に駆動要素を備えるハウジングから形成され得る。移送モジュール102の移送フレーム120は、ベースフレーム110に前後方向FRにスライド可能に結合される。
【0062】
血管インターベンション施術装置は、移送モジュール102をベースフレーム110に対して移送させる移送モジュール駆動部を含む。移送モジュール駆動部は、ベースフレーム110に、または、移送フレーム120に配置され得る。一実施例によると、ベースフレーム110の内部に移送モジュール駆動部が配置される。移送フレーム120は、前記移送モジュール駆動部によってベースフレーム110にスライド可能に結合され得る。
【0063】
前記移送モジュール駆動部は、フレーム移送リードスクリュ111と、フレーム移送リードスクリュ111を回転させるためのフレーム移送モータ112と、フレーム移送リードスクリュ111、及び、移送フレーム120に結合され、ネジ運動によってフレーム移送リードスクリュ111に沿って移送されるフレームスライダー113を含む。フレーム移送リードスクリュ111は、ベースフレーム110の底部上に前後方向FRに沿って配置され、回転可能に支持される。フレーム移送モータ112は、フレーム移送リードスクリュ111にカップリング1121を介して連結される。フレーム移送モータ112は、フレーム移送リードスクリュ111を時計回り方向または反時計回り方向に回転させる。これにより、フレームスライダー113に結合される移送モジュール102が、前方方向FDまたは後方方向RDに移送される。
【0064】
フレームスライダー113は、ベースフレーム110に対して移送フレーム120を支持するように構成され、フレーム移送リードスクリュの回転によって移送フレーム120を前後方向FRに移送させる。フレームスライダー113は、フレーム移送リードスクリュ111にネジ運動によって移送されるように結合される移送ナット1132を有するスライド部1131と、スライド部1131からそれぞれ横方向LRに延長し、移送フレーム120の底部に結合される一対の支持部1133を含む。ベースフレーム110の底部の上面には一対のリニアレール1134が前後方向FRに配置されており、ベースフレーム110の底部を貫通して各リニアレール1134に沿ってスリット1135が形成されている。スライド部1131は、リニアレール1134にスライド可能に結合されている。各支持部1133は、スリット1135を通過して上方に延長する。各支持部1133は、ベースフレーム110の上面と移送フレーム120の下面を垂直方向で離隔させるように形成されている。フレームスライダー113に結合される移送フレーム120は、ベースフレーム110に垂直方向で間隔を置いて連結される。移送フレーム120がフレームスライダー113によって支持されて移送されるので、移送フレーム120は、ベースフレーム110との摩擦なしでベースフレーム110に結合され得る。
【0065】
また、ベースフレーム110は、その前端(プラットホームの前端)にガイドモジュールホルダー114を含む。ガイドモジュールホルダー114は、後述する第1ガイドモジュールのガイドハウジングと分離可能に結合され得る。ガイドモジュールホルダー114は、ベースフレーム110の前端で横方向に突出するスタンド1141と、スタンド1141に垂直方向で分離可能に結合されるハウジングホルダー1142を含む。ハウジングホルダー1142には、嵌合溝1143が前後方向に形成され得る。
【0066】
図10は、図6に示すプラットホームの移送フレームを示す分解斜視図である。図11は、図10のXI‐XI線に沿って取った断面図である。図12は、図10のXII‐XII線に沿って取った断面図である。図13は、図10に示す移送部の一例を示す斜視図である。以下、図4図6及び図10図13を参照する。
【0067】
一実施例の移送モジュール102は、施術道具モジュールを移送させる移送部130、140、150を含む。カテーテルモジュール200が移送部130(プラットホームの第1移送部)に結合される。ガイドワイヤモジュール300が移送部140(プラットホームの第2移送部)または移送部150(プラットホームの第3移送部)に結合される。マイクロカテーテルモジュール400が移送部140(プラットホームの第2移送部)に結合される。マイクロガイドワイヤモジュール500が移送部150(プラットホームの第3移送部)に結合される。移送モジュール102は、移送部130、移送部140及び移送部150を同時に前後方向に移送させるように構成され得る。移送モジュール102は、移送部140が移送部130とは独立的に移送されるように構成され得る。移送モジュール102は、移送部150が移送部130及び移送部140とは独立的に移送されるように構成され得る。
【0068】
移送部130及び移送部140は、移送フレーム120に前後方向FRに移送可能に配置され得る。移送部140は、移送部130の後方で移送フレーム120に配置される。移送部150は、移送フレーム120に前後方向FRに移送可能に配置され得る。移送部150は、移送部130の後方で移送フレーム120に配置される。または、移送部150は、移送部140の後方で移送フレーム120に配置される。
【0069】
移送フレーム120は、内部に駆動要素を備えるハウジングで形成され得る。移送フレーム120の下面にベースフレームのフレームスライダー113(図6参照)が分離可能に結合され得る。図10は、移送フレーム120の上部を除去することによって見える移送フレーム120内部の駆動要素を示す。
【0070】
移送フレーム120の底部の上面には、前後方向FRに延長する一対のリニアレール121が配置されており、移送フレーム120の一側壁部には、前後方向FRにスリット122が形成されている。複数の移送部130、140、150は、互いに同一の構成を有し得る。各移送部130、140、150は、リニアレール121にスライド可能に結合されるモジュールスライダー131、141、151を有し得る。各移送部130、140、150は、リニアレール121に沿って前後方向FRにスライド可能に移送され得る。各モジュールスライダー131、141、151は、前後方向FRに直交する横方向LRに延長し、その端部はスリット122を通過して移送フレーム120の外部に突出し得る。
【0071】
移送モジュール102は、複数の移送部130、140、150を同時に前後方向に移送させることができる。移送モジュール102は、移送フレーム120の底部上に回転可能に支持され、前後方向FRに沿って配置されるモジュール移送リードスクリュ123を含み得る。移送モジュール102は、モジュール移送リードスクリュ123を回転させるためのモジュール移送モータ124を含み得る。モジュール移送モータ124は、モジュール移送リードスクリュ123にカップリング1241を介して連結される。モジュール移送モータ124は、モジュール移送リードスクリュ123を時計回り方向または反時計回り方向に回転させる。
【0072】
モジュール移送リードスクリュ123は、各移送部130、140、150をネジ運動によって移送させるように、各移送部130、140、150に結合される。モジュール移送リードスクリュ123は、各移送部のモジュールスライダー131、141、151に結合され得る。
【0073】
移送部130は、モジュール移送リードスクリュ123にネジ運動によって移送されるように結合される移送ナット132(第1移送ナット)を含む。移送ナット132は、モジュールスライダー131に配置される。移送部130は、モジュール移送リードスクリュ123の、回転によって前後方向FRに移送される。
【0074】
移送部140は、移送部130とは独立的に前後方向FRに移送されるように配置される。移送部140は、モジュール移送リードスクリュ123にネジ運動によって移送されるように結合される移送ナット142(第2移送ナット)を含む。移送ナット142は、モジュールスライダー141に配置される。移送部140は、モジュール移送リードスクリュ123の回転によって前後方向FRに移送される。
【0075】
また、移送部140は、移送ナット142を回転させるように構成される移送モータ143(第2移送モータ)を含み得る(図10及び図12参照)。移送モータ143は、モジュールスライダー141に配置され得る。移送モータ143の回転軸と移送ナット142は、ギア伝動によって連結され得る。一例として、スパーギア1431が移送モータ143の回転軸に結合され、スパーギア1431と噛み合うスパーギア1421が移送ナット142と一体に結合され得るが、ベベルギアなど他の構造によって移送モータ143の回転軸と移送ナット142が連結されることもある。移送ナット142が回転るとすると、移送部140は、モジュール移送リードスクリュ123に沿って前後方向FRに移送される。移送モータ143によって、移送ナット142はモジュール移送リードスクリュ123の回転とは独立的に回転し得るので、移送部140は移送部130とは独立的に前後方向に移送されることができる。
【0076】
移送部150は、移送部130及び移送部140とは独立的に前後方向FRに移送されるように配置される。移送部150は、モジュール移送リードスクリュ123にネジ運動によって移送されるように結合される移送ナット152(第3移送ナット)を含む。移送ナット152は、モジュールスライダー151に配置される。移送部150は、モジュール移送リードスクリュ123の、回転によって前後方向FRに移送される。
【0077】
また、移送部150は、移送ナット152を回転させるように構成される移送モータ153(第3移送モータ)を含み得る(図10及び図12参照)。移送モータ153は、モジュールスライダー151に配置され得る。移送モータ153の回転軸と移送ナット152は、ギア伝動によって連結され得る。一例として、スパーギア1531が移送モータ153の回転軸に結合され、スパーギア1531と噛み合うスパーギア1521が、移送ナット152と一体に結合され得るが、ベベルギアなどの他の構造によって移送モータ153の回転軸と移送ナット152が連結されてもよい。移送ナット152が回転すると、移送部150は、モジュール移送リードスクリュ123に沿って前後方向FRに移送される。移送モータ153によって移送ナット152がモジュール移送リードスクリュ123の回転とは独立的に回転し得るので、移送部150は移送部130及び移送部140とは独立的に前後方向に移送されることができる。
【0078】
図示されていない他の実施例の血管インターベンション施術装置では、移送部130は移送モジュール102に固定されるように構成され得る。このような例では、移送フレーム120がベースフレーム110に沿って前後方向FRに移送されるに伴い、移送部130が前後方向FRに移送され得る。また、このような例では、モジュール移送リードスクリュ123は、移送部140、150がネジ運動によって移動するように移送フレーム120に配置されてもよく、移送部140は移送モータ143なしで構成されてもよい。
【0079】
図示されていない他の実施例の血管インターベンション施術装置においては、移送モジュール102は移送部130と移送部140のみを含むこともある。このような例においては、カテーテルモジュール200とガイドワイヤモジュール300のみがそれぞれ移送部130と移送部140に結合され得、血管インターベンション施術装置は、図1に例示する血管インターベンション施術のために用いられ得る。
【0080】
他の実施例として、プラットホーム100は、モジュール化された1つのフレーム(例えば、ベースフレーム)のみを含むこともある。このような例では、前記移送部は、前記1つのフレームに配置され得る。
【0081】
図4及び図5を参照すると、移送フレーム120の移送によって、または移送部130の移送によって、カテーテルモジュール200のカテーテル20が前後方向FRに移送され得る。カテーテルモジュール200は、カテーテル20を前後方向FRの回転軸RAを中心に回転させるように構成される。
【0082】
移送フレーム120の移送によって、または、移送部140または移送部150の移送によって、ガイドワイヤモジュール300のガイドワイヤ30が前後方向FRに移送され得る。ガイドワイヤモジュール300は、ガイドワイヤ30を回転軸RAを中心に回転させるように構成される。
【0083】
移送フレーム120の移送によって、または、移送部140の移送によって、マイクロカテーテルモジュール400のマイクロカテーテル40が前後方向FRに移送され得る。マイクロカテーテルモジュール400は、マイクロカテーテル40を支持するように構成される。マイクロカテーテルモジュール400は、マイクロカテーテル40を回転不可能に固定するように構成されてもよく、マイクロカテーテル40を回転可能に支持するように構成されてもよい(後述する図54による実施例参照)。
【0084】
移送フレーム120の移送によって、または移送部150の移送によって、マイクロガイドワイヤモジュール500のマイクロガイドワイヤ50が前後方向FRに移送され得る。マイクロガイドワイヤモジュール500は、マイクロガイドワイヤ50を回転軸RAを中心に回転させるように構成される。
【0085】
移送モジュール102は、前記各施術道具モジュールにおける施術道具を回転させるための回転力を発生させ、この回転力を各モジュールに伝達するように構成され得る。移送フレーム120の各移送部が前記回転力を発生させて伝達するように構成され得る。移送部130は、カテーテルモジュール200と結合された状態で、カテーテル20を回転させる回転力を発生させ、この回転力をカテーテルモジュール200に伝達するように構成される。移送部140は、第2施術道具(ガイドワイヤまたはマイクロカテーテル)を回転させる回転力を発生させ、この回転力を第2施術道具モジュールに伝達するように構成される。第2施術道具モジュールがガイドワイヤモジュール300の場合、移送部140は、ガイドワイヤモジュール300に結合された状態で、ガイドワイヤ30を回転させるための回転力を発生させ、この回転力をガイドワイヤモジュール300に伝達するように構成される。第2施術道具モジュールがマイクロカテーテルモジュール400の場合、移送部140が回転力を発生させて伝達するように構成され得るが、マイクロカテーテルモジュール400は、マイクロカテーテルを回転させないように作動され得る。移送部150は、マイクロガイドワイヤモジュール500に結合された状態で、マイクロガイドワイヤ50を回転させる回転力を発生させ、この回転力をマイクロガイドワイヤモジュール500に伝達するように構成される。
【0086】
他の実施例として、前記各移送部は、回転力のみを伝達するように構成され得、各移送部が伝達する回転力を発生させるための回転力発生部が移送フレームに配置され得る。
【0087】
血管インターベンション施術装置の実施例において、プラットホームの前記移送部の少なくともいずれか1つは、回転力を発生させる回転力発生部と、回転力をいずれか1つの施術道具モジュールに伝達するように構成される伝動部を含む。前記伝動部は、前記回転力発生部に分離可能に結合されるように構成される。また、前記伝動部はいずれか1つの施術道具モジュールに分離可能に結合されるように構成される。従って、施術道具を支持して回転させる施術道具モジュールとプラットホームの移送部が前記伝動部を通じて連結されるので、各施術道具モジュールとプラットホームは簡素化された構造を有することができる。
【0088】
前記回転力発生部は、カテーテル、ガイドワイヤ及びマイクロガイドワイヤのうち、対応するいずれか1つの施術道具を回転させる回転力を発生させることができる。また、前記伝動部は、カテーテルモジュール、ガイドワイヤモジュール及びマイクロガイドワイヤモジュールのうち、対応するいずれか1つの施術道具モジュールに回転力を伝達することができる。血管インターベンション施術装置の一実施例において、各移送部が前記回転力発生部と前記伝動部を含み得る。
【0089】
図14図17は、図13に示す移送部の構成要素を示す。以下、一実施例における移送部に関し、図4図5図10図11、及び図13図17を参照する。
【0090】
各移送部130、140、150は、回転力を発生させる回転力発生部160を含み得る。各移送部130、140、150は、回転力を伝達する伝動部170を含み得る。
【0091】
移送部130の回転力発生部160は、スリット122を通過し、移送フレーム120の側方に突出するモジュールスライダー131の部分に連結され得る。回転力発生部160は、モジュールスライダー131に結合されるモータハウジング161と、モータハウジング161内に配置される回転モータ162と、回転モータ162の回転軸に結合されて回転モータ162の回転力を出力するように回転可能な第1回転体1621を含む。移送部140、150の回転力発生部160は、移送部130の回転力発生部160の構造と同一の構造を有し得る。移送部140、150の回転力発生部160は、スリット122を通じて突出したモジュールスライダー141、151の部分にそれぞれ連結され得る。図示されていない他の例として、前記回転力発生部は、移送フレーム120内部に配置されてもよい。
【0092】
伝動部170は、移送フレーム120の外部に配置され得る。移送部140の伝動部170は、回転力発生部160に垂直方向VDから分離可能に結合され得る。移送部140の伝動部170は、カテーテルモジュール200に結合される。移送部140の伝動部170は、回転力発生部160からの回転力を受け、これをカテーテルモジュール200に伝達するように構成される。
【0093】
回転力発生部160と伝動部170が移送フレーム120の外部に(例えば、移送フレーム120の側方に)配置されるので、移送部130は、回転力をカテーテルモジュール200に横方向LRに伝達するように構成される。
【0094】
伝動部170は、移送フレーム120(またはプラットホーム100)の外面形状に対応するように曲がった形状を有し得る。図4に示すように、移送モジュール102(プラットホーム100)を前後方向FRから見たとき、伝動部170は、回転軸RAを中心とする周方向CDに延長するように形成され得る。例えば、伝動部170は、移送フレームの側壁部と上部の外面形状に対応するように、逆転したL字形状を有し得る。
【0095】
移送部140、150の伝動部170は、移送部130の伝動部170の構造と同一の構造を有し得る。移送部140の伝動部170は、回転力発生部160の回転力を第2施術道具モジュール(ガイドワイヤモジュール300またはマイクロカテーテルモジュール400)に伝達することができる。移送部150の伝動部170は移送部150の回転力発生部160の回転力をマイクロガイドワイヤモジュール500に伝達することができる。
【0096】
各実施例によると、各移送部の前記回転力発生部と前記伝動部は互いに嵌合によって分離可能に結合され得る。また、施術道具を支持して回転させる施術道具モジュールが移送部の伝動部に分離可能に結合される。各移送部の伝動部と、各移送部に対応する施術道具モジュールは、嵌合によって分離可能に結合され得る。これにより、実施例の血管インターベンション施術装置では、それぞれの機能部品がモジュール化され得、それぞれの機能部品が必要に応じて選択的にプラットホームに採用され得、使用性と利便性が向上し得る。
【0097】
実施例によると、各伝動部はこれに対応する施術道具モジュールに、前後方向に直交する横方向に、嵌合によって結合されるように構成され得る。他の例として、各伝動部とこれに対応する施術道具モジュールは、前後方向で、または、前後方向と横方向との間の斜めの方向で嵌合によって結合されるように構成され得る。
【0098】
以下、図13図17を参照して回転力発生部と伝動部についてさらに具体的に説明する。
【0099】
伝動部170は、回転力発生部から回転力を受ける入力端部171と、対応する施術道具モジュールに回転力を出力する出力端部172とを含む。伝動部170は、入力端部171と出力端部172を連結するブリッジ部173を含む。入力端部171は、回転力発生部160の出力端部が垂直方向で嵌合されるように形成され得る。入力端部171は移送フレームの側方に位置し得る。出力端部172は対応する施術道具モジュールに分離可能に結合され得る。出力端部172は移送フレームの上方に(プラットホームの上方に)位置し得る。施術道具モジュールは、伝動部の出力端部に結合された状態で、移送フレームと出力端部172との間に配置され得る。
【0100】
回転力発生部160は、その上端部に、回転力を出力する第1回転体1621を含む。伝動部170は、入力端部171に、第1回転体1621に対応する第2回転体1711を含む。第2回転体1711は、第1回転体1621に相補的な形状を有するように構成される。第1回転体1621と第2回転体1711のうちの1つは、突出部を有し得、第1回転体1621と第2回転体1711のうちのもう1つは、前記突出部が嵌合される凹部を有し得る。一例として、図13に示すように、第1回転体1621は上方に突出した突出部1622を有し、図14に示すように、第2回転体1711は、突出部1622が嵌合され得る凹部1712を有する。
【0101】
回転力発生部160と伝動部170が分離可能に結合されるとともに、伝動部170が回転力を受けられるよう、伝動部170は入力端部171に第2回転体1711を垂直方向に移動可能に維持する回転体ガイド1713を含み得る。伝動部170は、第2回転体1711を第1回転体1621に向かって加圧するスプリング1714を含み得る。第1回転体1621と第2回転体1711は、スプリング1714の加圧力下で分離可能に結合され得る。回転力発生部160の上端部に伝動部170の入力端部171を結合する際、第1回転体1621と第2回転体1711の形状により、第1回転体1621と第2回転体1711は、互いに結合されなくてもよい。第1回転体1621が回転するに伴って、第1回転体1621と第2回転体1711が互いに噛み合うように整合されるとると、スプリング1714の加圧力によって第2回転体1711が回転体ガイド1713に沿って第1回転体1621に向かう方向に移動し、第1回転体1621に噛み合うことができる。
【0102】
伝動部170は、第2回転体1711に挿入される連結軸1715と連結軸1715に結合される入力タイミングプーリ1716を含む。スプリング1714は、連結軸1715と第2回転体1711との間に配置され、連結軸1715は、第2回転体1711に部分的に挿入され得る。第2回転体1711と連結軸1715は、凸部と凹部を用いて連結され得る。伝動部170は、回転力を出力する駆動ギア1721を含む。駆動ギア1721は、出力端部172に回転可能に配置される出力タイミングプーリ1722に結合されている。入力タイミングプーリ1716と出力タイミングプーリ1722は、ブリッジ部173内部に配置されるタイミングベルト1731によって連結される。駆動ギア1721は、第1回転体1621の回転力によってベルト伝動を通じて回転し得る。
【0103】
伝動部170は、出力端部172に対応する施術道具モジュールとの結合のための、一対の嵌合溝1723を有する。駆動ギア1721は、嵌合溝1723の間に露出している。一対の嵌合溝1723は、横方向LRに形成されている。各施術道具モジュールは、その上端に、嵌合溝1723に横方向LRに嵌合される一対の嵌合突起2111、3111、4111、5111(図19図22図26及び図28参照)を有する。各施術道具モジュールは、対応する移送部の伝動部に、横方向LRの嵌合によって分離可能に結合され得る。他の例として、嵌合溝1723と嵌合突起2111、3111、4111、5111の配向は、前後方向または前後方向と横方向の間の斜め方向になることもある。また他の例として、伝動部170が前記嵌合突起を有してもよく、各施術道具モジュールが前記嵌合溝を有してもよい。
【0104】
各施術道具モジュールは、前記一対の嵌合突起の間で露出しており、伝動部の駆動ギア1721と噛み合う被動ギア220、320、420、520(図19図22図26及び図28参照)を含む。各施術道具モジュールは、前記被動ギアの回転によって施術道具を回転させるように構成される。駆動ギア1721は垂直方向の回転軸を中心に回転するベベルギアであってもよく、前記被動ギアは前後方向の回転軸RAを中心に回転するベベルギアであってもよい。他の例として、前記駆動ギアと前記被動ギアとして、スパーギアが用いられることもある。
【0105】
回転力発生部160の上端部が伝動部170の入力端部171に嵌合され、分離可能に結合され得る。伝動部170と回転力発生部160にロッキング部が提供され得る。前記ロッキング部は、弾性変形可能なロッキングラッチとこのようなロッキングラッチが分離可能に結合されるロッキング溝で構成され得る。ロッキングラッチとロッキング溝の中の1つは伝動部170に提供され得て、ロッキングラッチとロッキング溝のうちのもう1つは回転力発生部160に提供され得る。
【0106】
図16及び図17を参照すると、伝動部170は、一対の弾性変形可能なロッキングラッチ1717を含み得る。回転力発生部160は、その上端部に、ロッキングラッチ1717が分離可能に結合されるロッキング溝163を含む。ロッキングラッチ1717は、フックの形状を有し得る。伝動部170が回転力発生部160に結合されると、ロッキングラッチ1717がロッキング溝163に分離可能に噛み合い、伝動部170を回転力発生部160に固定させる。
【0107】
また、前記ロッキングラッチが提供される伝動部及び回転力発生部のうちの1つには、ロッキングラッチを解除させるロッキング解除部が提供され得る。このようなロッキング解除部は、ロッキングラッチを弾性変形させてロッキングラッチをロッキング溝から分離させるように構成され得、垂直方向にスライドするように構成されて使用の利便性を向上させることができる。
【0108】
図16及び図17を参照すると、ロッキングラッチ1717を含む伝動部170は、ロッキングラッチ1717を弾性変形させてロッキングラッチ1717をロッキング溝163から伝動部の外側に分離させるように構成されるロッキング解除部174を含む。伝動部170を回転力発生部160から分離させる際、ロッキング解除部174によって伝動部170と回転力発生部160間のロッキングが解除され得る。ロッキング解除部174は、ロッキング解除フック1742を有するロッキング解除スライダー1741を含む。ロッキング解除スライダー1741は入力端部171の外周面を取り囲むように形成され得る。ロッキング解除スライダー1741は入力端部171に垂直方向にスライド可能に結合され得る。ストッパー1743がロッキング解除スライダー1741の下で入力端部171に固定され得る。ストッパー1743は入力端部171に嵌合される形状を有し得、ロッキング解除スライダー1741が入力端部171から下方に分離されることを防止する。図17に示すように、伝動部170と回転力発生部160が結合されているとき、ロッキング解除スライダー1741のロッキング解除フック1742は、ロッキングラッチ1717とロッキング溝163との間に位置する。ロッキング解除スライダー1741を上方にスライドさせるにつれ、ロッキング解除フック1742がロッキングラッチ1717とロッキング溝163の間に挿入されるとともにロッキングラッチ1717を入力端部171の外側に(例えば、ロッキング溝163から離隔させる方向に)押してロッキングラッチ1717を弾性変形させる。これにより、ロッキングラッチ1717がロッキング溝163から除去され、伝動部170は回転力発生部160から分離され得る。これにより、伝動部170と回転力発生部160間のロッキングが解除され得る。
【0109】
伝動部170に各施術道具モジュールが分離可能に結合されているとき、施術道具モジュールの横方向LRでの分離を防止するためのラッチ部が伝動部170に提供され得る。図18を参照すると、伝動部170は、出力端部172の外面に回転可能に配置され、回転によって施術道具モジュールをロックするように構成される回転ラッチ175を含む。回転ラッチ175のラッチ部1751は、回転ラッチ175の回転によって上方に向かうように、または、下方に向かうように位置し得る。伝動部170と各施術道具モジュールが結合されているとき、ラッチ部1751が、施術道具モジュールを伝動部170にロックするように、回転ラッチ175が回転され得る。
【0110】
一実施例による血管インターベンション施術装置は、前記プラットホームに結合される施術道具モジュールを含む。前述した通り、前記プラットホームは、血管インターベンション施術に用いられるカテーテル、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル、およびマイクロガイドワイヤを選択的に前後方向に移送させ、また、前後方向の回転軸を中心に回転させるための回転力を発生させる。施術道具モジュールは、カテーテル、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル、およびマイクロガイドワイヤのうちのいずれか1つである施術道具を支持し、前記プラットホームに分離可能に結合され得る。また、施術道具モジュールは、前記プラットホームからの回転力を受けて施術道具を回転させることができる。
【0111】
本開示の一実施例において、施術道具モジュールは、プラットホームに分離可能に結合されるように構成されるモジュールハウジングを含む。施術道具モジュールは、モジュールハウジングに回転軸を中心に回転可能に配置され、施術道具を回転させるための被動ギアを含み得る。前記被動ギアは各施術道具モジュールの施術道具に結合される。前記被動ギアは、前記モジュールハウジングが前記プラットホームに結合された状態で前記プラットホームからの回転力によって被動され、施術道具を前記回転軸を中心に回転させる。
【0112】
カテーテルモジュールは、移送モジュールの移送部130に結合されて前後方向に移送され、第1施術道具(カテーテル)を回転させることができる。図19は、一実施例による血管インターベンション施術装置のカテーテルモジュールを示す斜視図である。図20は、図19のXX‐XX線に沿って取った断面図である。図21は、図19に示すカテーテルモジュールの下方分解斜視図である。以下、図4図5及び図19図21を参照する。
【0113】
カテーテルモジュール200は、カテーテル20を固定して回転させるための部品を収容するとともに、プラットホーム100(プラットホームの移送部130)に個別的に脱着され得る。カテーテルモジュール200は、第1モジュールハウジング210と、第1モジュールハウジング210内に回転可能に配置され、第1施術道具に結合される第1被動ギア220を含む。
【0114】
第1モジュールハウジング210は、移送部130に(詳しくは、移送部130の伝動部に)分離可能に結合されるように構成される。第1モジュールハウジング210は、プラットホームの移送部130に結合される結合部211を含む。第1モジュールハウジング210は、第1被動ギア220及びカテーテル20の一部を収容するように構成される収容部212を含む。
【0115】
結合部211は、横方向LRに形成され、プラットホームの移送部130に横方向LRに嵌合されるように構成され得る。結合部211は、横方向LRに形成され、移送部130の嵌合溝に嵌合される嵌合突起2111を含み得る。第1モジュールハウジング210は、結合部211内に第1被動ギア220の一部が位置して露出するように構成され得る。
【0116】
収容部212は、第1モジュールハウジング210の内部空間を形成することができる。収容部212は、回転軸RAの外側半径方向ROに形成された開口部2121を有する。前記外側半径方向は下方であることもあるが、本開示はこれに限定されない。また、収容部212は、開口部2121に連通し、第1モジュールハウジング210の前端まで延長するように形成された前方スリット2122を有する。第1被動ギア220とカテーテル20は、開口部2121と前方スリット2122を通じて収容部212に収容されるように構成される。また、第1被動ギア220とカテーテル20は、開口部2121と前方スリット2122を通じて外側半径方向ROに分離可能に構成される。
【0117】
また、第1モジュールハウジング210は、収容部の開口部2121を開閉するように収容部212に分離可能に結合されるように構成されたハウジングカバー213を含む。例えば、ハウジングカバー213は、前記外側半径方向の反対となる内側半径方向に収容部212に嵌合されるように構成され得る。ハウジングカバー213は、開口部2121によって開放された収容部212の下端を開閉することができる。ハウジングカバー213が収容部212から除去された状態で、第1被動ギア220及びカテーテル20が収容部212から外側半径方向ROに分離され得る。ハウジングカバー213が収容部212から除去可能なので、血管インターベンション施術中、血管インターベンション施術装置の作動が不能になる緊急状況が発生したとき、複数の施術道具が患者のターゲット血管に挿入された状態を維持した状態でも、第1被動ギア220及びカテーテル20が第1モジュールハウジング210から分離され、複数の施術道具が手動で操作されることができる。
【0118】
第1被動ギア220は、1つのベベルギアから構成され得る。第1被動ギア220は、移送部130の駆動ギア1721(図14参照)と噛み合うように第1モジュールハウジング210に配置され得る。第1被動ギア220は、回転軸RAを中心に回転可能に第1モジュールハウジングに結合される。第1被動ギア220の中央部は、円形の貫通孔221を有するように形成される。ブッシュ222が貫通孔221に嵌合されている。カテーテル20(第1施術道具)の連結端部21がブッシュ222の内周面に嵌合される。第1被動ギア220は、その中央部でブッシュ222を通じてカテーテルの連結端部21に結合される。第1被動ギア220の回転によって、カテーテル20が回転し得る。カテーテル20の一部は、第1被動ギア220の中央部から前方に延長するように第1モジュールハウジング210に配置される。
【0119】
カテーテルモジュール200は、カテーテル20の連結端部21に連結される連結チューブ230を含む。連結チューブ230は、ハウジングカバー213に固定され得る。連結チューブ230の前端部は、カテーテルの連結端部21に挿入される。ブッシュ222は、連結チューブに回転可能に結合される。ブッシュ222は、連結チューブ230の前記前端部の後方部に結合される。第1被動ギア220に結合されたブッシュ222とカテーテル20が一体に回転するとき、連結チューブ230は回転しない。連結チューブ230は、ガイド部231とガイド部231との中間にガイド部231から外側半径方向に分岐した枝部232を有する。連結チューブ230のガイド部231を介してガイドワイヤまたはマイクロカテーテル(第2施術道具)がカテーテル20に挿入される。連結チューブ230の枝部232は、カテーテル20の先端部がターゲット血管に到達した状態で、ターゲット血管に流体状の薬剤を注入するために、またはターゲット血管内の血栓を吸引するために用いられ得る。
【0120】
ガイドワイヤモジュール300(第2施術道具モジュール)は、移送モジュールの移送部140または移送部150に結合され、前後方向に移送される。また、ガイドワイヤモジュール300は、第2施術道具(ガイドワイヤ)を回転させることができる。図22は、一実施例による血管インターベンション施術装置のガイドワイヤモジュールを示す斜視図である。図23は、図22に示すガイドワイヤモジュールの下方分解斜視図である。図24は、図22のXXIV‐XXIV線に沿って取った断面形状を示し、図25は、ガイドワイヤモジュールの一部を示す。以下、図4及び図22図25を参照する。
【0121】
ガイドワイヤモジュール300は、ガイドワイヤ30(第2施術道具)を固定して回転させるための部品を収容するとともに、プラットホーム100(プラットホームの移送部140)に個別的に脱着され得る。ガイドワイヤモジュール300は、第2モジュールハウジング310と、第2モジュールハウジング310内に回転可能に配置されてガイドワイヤ30に結合される第2被動ギア320を含む。
【0122】
第2モジュールハウジング310は、移送部140または移送部150に分離可能に結合されるように構成される。第2モジュールハウジング310は、プラットホームの移送部140または移送部150に結合される結合部311を含む。第2モジュールハウジング310は、第2被動ギア320及びガイドワイヤ30の一部を収容するように構成される収容部312を含む。
【0123】
結合部311は、横方向LRに形成され、プラットホームの移送部140に横方向LRに嵌合されるように構成され得る。結合部311は、横方向LRに形成されて移送部140の嵌合溝または移送部150の嵌合溝に嵌合される嵌合突起3111を含み得る。第2モジュールハウジング310は、結合部311内に第2被動ギア320の一部が位置して露出するように構成され得る。
【0124】
収容部312は、第2モジュールハウジング310の内部空間を形成することができる。収容部312は、回転軸RAの外側半径方向ROに形成された開口部3121を有する。前記外側半径方向は、下方であることもあるが、本開示はこれに限定されない。第2被動ギア320は、開口部2121を通じて収容部312に収容されるように構成される。ガイドワイヤ30は、第2被動ギア320を貫通する。
【0125】
また、第2モジュールハウジング310は、収容部の開口部3121を開閉するように収容部312に分離可能に結合されるように構成されたハウジングカバー313を含む。例えば、ハウジングカバー313は、前記外側半径方向の反対となる内側半径方向に収容部312に嵌合され、開口部2121によって開放された収容部212の下端を開閉することができる。ハウジングカバー313が収容部312から除去された状態で、第2被動ギア320が収容部312から外側半径方向ROに分離され得る。例えば、上述した緊急状況が発生したとき、複数の施術道具が患者の血管に挿入されて互いに結合された状態を維持した状態でも、第2被動ギア320が第2モジュールハウジング310から分離され、複数の施術道具が手動で操作されることができる。
【0126】
第2被動ギア320は、1つのベベルギアから構成され得る。第2被動ギア320は、移送部140または移送部150の駆動ギア1721(図14参照)と噛み合うように第2モジュールハウジング310に配置され得る。第2被動ギア320は、回転軸RAを中心に回転可能に第2モジュールハウジングに結合される。第2被動ギア320の中央部は、円形の貫通孔321を有するように形成され、ガイドワイヤ30に結合される。第2被動ギア320の回転によって、ガイドワイヤ30が回転し得る。ガイドワイヤ30の一部は、第2被動ギア320の中央部から前方も延長するように第2モジュールハウジング310に配置される。
【0127】
第2被動ギア320の貫通孔321にガイドパイプ322が結合される。ガイドパイプ322は、ガイドワイヤ30がガイドパイプ322を通過するように形成される。ガイドパイプ322は、収容部312の内部空間に配置されて第2被動ギア320と共に回転する。
【0128】
一実施例のガイドワイヤモジュール300は、第2被動ギア320に結合されてガイドワイヤ30を固定するように構成されるガイドワイヤホルダ330を含む。ガイドワイヤホルダ330は、第2被動ギア320の中央部に形成された貫通孔221に第2被動ギア320の回転軸RAと同軸に結合される。ガイドワイヤホルダ330は、ガイドワイヤ30を解除可能に固定するように構成される。
【0129】
ガイドワイヤホルダ330は、クランプホルダー331と、ワイヤクランプ332を含む。クランプホルダー331は、ガイドパイプ322の後方で第2被動ギア320の貫通孔321に結合される。ガイドパイプ322とクランプホルダー331は、一体に形成され得る。ワイヤクランプ332は、ガイドワイヤ30を解除可能に固定するように構成され、クランプホルダー331に前後方向FRに移動可能に結合される。ワイヤクランプ332は、クランプホルダー331に移動してガイドワイヤ30を固定してクランプホルダー331から移動してガイドワイヤ30を解除するように構成される。
【0130】
クランプホルダー331は、後方方向に直径が増加する円錘形の加圧部3311と、加圧部3311に隣するネジ部3312とを含む。ワイヤクランプ332は、クランプホルダーのネジ部3312にネジ結合されるネジ部3321と、ネジ部3321の前端に形成されてガイドワイヤ30を解除可能に固定する複数のフィンガー3322を含む。ネジ部3321は、クランプホルダーのネジ部3312にネジ運動によって移動可能に結合される。ワイヤクランプ332を一方向に回転させるに伴い、ワイヤクランプ332がクランプホルダー331に前方に挿入され、ワイヤクランプ332を他方向に回転させるに伴い、ワイヤクランプ332がクランプホルダー331から後方に移動する。複数のフィンガー3322は、回転軸RAに対する周方向CDに互いに分離されている。また、複数のフィンガー3322は、回転軸RAに対する外側半径方向及び内側半径方向に弾性変形可能である。複数のフィンガー3322は、クランプホルダーの円錘形加圧部3311に接触し得る。
【0131】
ワイヤクランプ332が前方に移動するに伴い、複数のフィンガー3322が円錘形の加圧部3311に接触し、内側半径方向に弾性変形されるとともにガイドワイヤ30を固定する。ワイヤクランプ332が後方に移動するに伴い、複数のフィンガー3322は、外側半径方向に弾性変形されるとともに、ガイドワイヤ30を解除する。ワイヤクランプ332を一方向に回転させるに伴い、ガイドワイヤ30を第2被動ギア320に固定でき、ワイヤクランプ332を他方向に回転させるに伴い、ガイドワイヤ30と第2被動ギア320間の固定を解除することができる。
【0132】
マイクロカテーテルモジュール400(第2施術道具モジュール)は、移送モジュールの移送部140によって前後方向に移送される。マイクロカテーテルモジュール400は、ガイドワイヤモジュール300と交替可能に移送モジュールの移送部140に結合されるように構成される。必要な場合、マイクロカテーテルモジュール400は、マイクロカテーテル(第2施術道具)を回転させることもできる。図26は、一実施例による血管インターベンション施術装置のマイクロカテーテルモジュールを示す斜視図である。図27は、図26のXXVII‐XXVII線に沿って取った断面図である。以下、図5図26及び図27を参照する。
【0133】
マイクロカテーテルモジュール400は、マイクロカテーテル40(第2施術道具)を支持するための部品を収容するとともにプラットホーム(プラットホームの移送部140)に個別的に脱着され得る。一実施例において、マイクロカテーテルモジュール400は、カテーテルモジュール200の構造と同一の構造を有し得る。カテーテルモジュール200と同一に構成されるもう1つのモジュールがマイクロカテーテルを支持して固定するように構成され、マイクロカテーテルモジュール400として血管インターベンション施術装置に採用され得る。
【0134】
マイクロカテーテルモジュール400は、第3モジュールハウジング410と、第3モジュールハウジング410内に回転可能に配置されてマイクロカテーテル40に結合される第3被動ギア420を含む。第3モジュールハウジング410は、移送部140(伝動部170の嵌合溝)に嵌合される結合部411と、第3被動ギア420及びマイクロカテーテル40の一部を収容するように構成される収容部412を含む。第3モジュールハウジング410と第3被動ギア420は、カテーテルモジュール200の第1モジュールハウジング及び第1被動ギアとそれぞれ同一に構成され得る。第3モジュールハウジング410の開口部4121、前方スリット4122及びハウジングカバー413は、第1モジュールハウジング210の開口部2121、前方スリット2122及びハウジングカバー213とそれぞれ同一に構成され得る。
【0135】
図28は、一実施例による血管インターベンション施術装置のマイクロガイドワイヤモジュールを示す斜視図である。図29は、図28のXXIX‐XXIX線に沿って取った断面図である。以下、図5図28及び図29を参照する。
【0136】
マイクロガイドワイヤモジュール500は、ガイドワイヤモジュール300と交替可能に移送部150に結合されるように構成され得る。また、マイクロガイドワイヤモジュール500は、移送部150からの回転力によってマイクロガイドワイヤ(第3施術道具)を回転させることができる。
【0137】
マイクロガイドワイヤモジュール500は、マイクロガイドワイヤ50を固定して回転させるための部品を収容するとともにプラットホーム100(プラットホームの移送部150)に個別的に脱着され得る。一実施例において、マイクロガイドワイヤモジュール500は、ガイドワイヤモジュール300の構造と同一の構造を有することができる。ガイドワイヤモジュール300と同一に構成されるもう1つのモジュールがマイクロガイドワイヤ50を支持して回転させるように構成されるモジュールとして血管インターベンション施術装置に採用され得る。
【0138】
マイクロガイドワイヤモジュール500は、第4モジュールハウジング510と、第4モジュールハウジング510内に回転可能に配置されてマイクロガイドワイヤ50に結合される第4被動ギア520を含む。第4モジュールハウジング510は、移送部150(伝動部170の嵌合溝)に結合される結合部511と、第4被動ギア520及びマイクロガイドワイヤ50の一部を収容するように構成される収容部512を含む。第4モジュールハウジング510と第4被動ギア520は、ガイドワイヤモジュール300の第2モジュールハウジング及び第2被動ギアとそれぞれ同一に構成され得る。第4モジュールハウジング510の開口部5121及びハウジングカバー513は、第2モジュールハウジング310の開口部及びハウジングカバーとそれぞれ同一に構成され得る。また、マイクロガイドワイヤモジュール500は、第4被動ギア520に結合されてマイクロガイドワイヤ50を固定するように構成されるマイクロガイドワイヤホルダ530を含む。マイクロガイドワイヤホルダ530は、ガイドワイヤモジュール300のガイドワイヤホルダと同一に構成され得る。
【0139】
前記各モジュールの前述した被動ギアは、ベベルギアを含み得る。一実施例において、前記各モジュールのモジュールハウジングは、被動ギアの一部を露出させるように構成されており、被動ギアは、その露出した部分で移送部の駆動ギアと噛み合う。他の実施例において、各モジュールのモジュールハウジングは、被動ギアに連結されるようにモジュールハウジングに回転可能に配置される回転力伝達部をさらに含み得る。回転力伝達部は、各モジュールハウジングがプラットホーム(プラットホームの各移送部)に結合された状態でプラットホームで発生した回転力を受けるように構成され、被動ギアに連結されるように構成され得る。例えば、このような回転力伝達部は、被動ギアと直角に噛み合う回転力伝達ギアを有し得る。
【0140】
一実施例による血管インターベンション施術装置は、移送される施術道具をガイドして支持するためのガイドモジュールを含み得る。ガイドモジュールは、ガイド区間に配置されて施術道具の前後方向への移送をガイドして支持するように構成される。カテーテル、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル及びマイクロガイドワイヤのような施術道具は、可撓性を有するので、移送部の移送力によって移送される途中、撓みや曲がりが生じることがある。施術道具の移送中、施術道具のガイド区間において前記ガイドモジュールは、施術道具に撓みや曲がりが発生しないように施術道具をガイドして支持し、施術道具の信頼性の高い移送を実現することができる。
【0141】
図4には、ベースフレーム110の前端とカテーテルモジュール200との間の第1ガイド区間GS1と、カテーテルモジュール200とガイドワイヤモジュール300(第2施術道具モジュール)との間の第2ガイド区間GS2が示される。血管インターベンション施術装置10は、第1ガイド区間GS1に配置されてカテーテル20(第1施術道具)の前後方向への移送をガイドして支持するように構成される第1ガイドモジュール600と、第2ガイド区間GS2に配置されてガイドワイヤ30(第2施術道具)の前後方向への移送をガイドして支持するように構成される第2ガイドモジュール700を含み得る。
【0142】
図5には、ベースフレーム110の前端とカテーテルモジュール200との間の第1ガイド区間GS1と、カテーテルモジュール200とマイクロカテーテルモジュール400(第2施術道具モジュール)との間の第2ガイド区間GS2と、マイクロカテーテルモジュール400とマイクロガイドワイヤモジュール500との間の第3ガイド区間GS3が示される。血管インターベンション施術装置10は、第1ガイド区間GS1に配置されてカテーテル20(第1施術道具)の前後方向への移送をガイドして支持するように構成される第1ガイドモジュール600と、第2ガイド区間GS2に配置されてマイクロカテーテル40(第2施術道具)の前後方向への移送をガイドして支持するように構成される第2ガイドモジュール700と、第3ガイド区間GS3に配置されてマイクロガイドワイヤ50(第3施術道具)の前後方向への移送をガイドして支持する第3ガイドモジュール800を含み得る。
【0143】
前述したガイドモジュール600、700、800は、プラットホームまたは施術道具モジュールに個別的に脱着され得る。
【0144】
一実施例によると、各ガイドモジュール600、700、800は、該当するガイド区間の前端または後端に配置されるガイドハウジングと、ガイドハウジングに引込及び引出されるように構成され、互いに噛み合って施術道具を横方向に挟持するように構成される一対の支持部材を含み得る。血管インターベンション施術装置10の作動時に、ガイド区間GS1、GS2、GS3の前後方向での長さが変更される。前記一対の支持部材は、ガイド区間の長さの変更に応じ、ガイド区間内で前後方向FRでの可変長さを有するように構成される。各ガイド区間の長さが前後方向FRで減少するに伴い、前記一対の支持部材は、前記ガイドハウジングに引き込まれ得る。各ガイド区間の長さが前後方向FRに増加するに伴い、前記一対の支持部材は、前記ガイドハウジングから引き出され得る。
【0145】
各ガイドモジュールは、前記一対の支持部材の引き出される方向の端部にコネクタを有することができる。各ガイドモジュールのコネクタは、ガイド区間で、前記ガイドハウジングに対して前後方向に対向して位置し得る。前記ガイドハウジングが各ガイド区間の前端に配置され、前記コネクタは、各ガイド区間の後端に配置され得る。前記コネクタが各ガイド区間の前端に配置され、前記ガイドハウジングは、各ガイド区間の後端に配置され得る。
【0146】
図30は、一実施例による血管インターベンション施術装置の第1ガイドモジュールを示す斜視図である。図31は、図30に示す第1ガイドモジュールの分解斜視図である。図32は、図30に示す第1ガイドモジュールの第1ガイドハウジングを示す下方分解斜視図である。図33は、図30に示す第1ガイドモジュールがベースフレームの前端に結合される例を示す斜視図である。以下、図4及び図30図33を参照する。
【0147】
血管インターベンション施術装置10は、前記ガイドモジュールの1つとして、第1ガイド区間GS1に配置される第1ガイドモジュール600を含む。第1ガイドモジュール600は、ベースフレーム110の前端(第1ガイド区間の前端)に配置されてベースフレーム110に分離可能に装着される第1ガイドハウジング610と、第1ガイドハウジング610に引込及び引出されるように構成される一対の第1支持部材620を含む。また、第1ガイドモジュール600は、一対の第1支持部材620の引き出される方向での端部を固定し、カテーテルモジュール200に分離可能に結合される第1コネクタ630を含む。
【0148】
第1ガイドハウジング610は、一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジングに引込及び引出されるように、一対の第1支持部材620を収容する。一実施例によると、一対の第1支持部材620は、横方向LRに互いに噛み合うように構成される第1チェーン組立体621、及び、第2チェーン組立体622を含む。第1チェーン組立体621と第2チェーン組立体622が横方向LRに互いに噛み合うと、第1及び第2チェーン組立体622の間の内部空間に施術道具(例えば、カテーテル)が位置する状態で第1及び第2チェーン組立体621、622が施術道具を挟持する。
【0149】
第1チェーン組立体621は、ピン6211によって隣するリンク6212が連結されるように構成されている。第1チェーン組立体621は、交互に配置される噛合歯6213と噛合溝6214を有する。噛合歯6213は、各リンク6212に形成され得、噛合溝6214は、隣するリンク6213の間に形成され得る。第2チェーン組立体622は、ピン6221によって隣するリンク6222が連結されるように構成されている。第2チェーン組立体622は、第1チェーン組立体の噛合歯6213に対応する噛合溝6223と、第1チェーン組立体の噛合溝6214に対応する噛合歯6224を有し、噛合溝6223と噛合歯6224は、交互に配置される。第1及び第2チェーン組立体621、622のピン6211、6221は、垂直方向に位置する。各チェーン組立体の隣するリンクは、ピン6211、6221の軸を中心として相対的に横方向LRに回転し得る。
【0150】
第1ガイドモジュール600は、第1ガイドハウジング610に配置され、一対の第1支持部材が互いに噛み合うように構成される第1噛合部640を含む。第1噛合部640は、第1ガイド区間GS1の可変長さが増加するとともに一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジング610から引き出されるとき、一対の第1支持部材620にそれぞれ接触し、一対の第1支持部材620を、横方向LRに互いに噛み合うように構成される。また、第1噛合部640は一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジング610に引き込まれるとき、一対の第1支持部材620を横方向LRに互いに分離させることもできる。
【0151】
第1噛合部640は、一対の第1支持部材620にそれぞれ接触して回転する一対の第1噛合ホイール641を含む。一対の第1噛合ホイール641は、その間に一対の第1支持部材620が互いに結合されるのを許容する距離に離隔されている。一対の第1噛合ホイール641は、第1及び第2チェーン組立体のピン6211、6221にそれぞれ噛み合う溝を有するスプロケットホイールである。一対の第1噛合ホイール641は、一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジング610に引き込まれるとき、また、第1ガイドハウジング610から引き出されるとき、一対の第1支持部材620によって回転する。
【0152】
施術道具モジュールの前後方向の移送に伴うガイド区間の前後方向の長さ変更に応じ、一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジング610に引込及び引出され得る。一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジング610から引き出されるとともに、一対の第1噛合ホイール641によって一対の第1支持部材620が互いに噛み合うことができる。一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジング610に引き込まれるとともに、一対の第1噛合ホイール641を通過する一対の第1支持部材620は、互いに分離される。
【0153】
第1噛合部640は、一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジング610に引き込まれる方向に一対の第1噛合ホイール641をそれぞれ加圧するスプリング642を含む。スプリング642は、ゼンマイばねであってもよい。スプリング642の内端は、スプリング軸643に垂直方向に形成されたスリット6431に結合される。スプリング642の外端は、第1噛合ホイール641の内周面に結合される。スプリング642は、一対の第1支持部材62を引き込まれる方向に予め巻かれた状態で第1噛合ホイール641とスプリング軸643との間に配置される。第1噛合ホイール641は、一対の第1支持部材620を引き込まれる方向に加圧され得る。第1噛合ホイール641が加圧されるので、第1ガイドモジュール600の自由状態で、一対の第1支持部材620は、第1ガイドハウジング610から最小の突出長さを有することができる。また、一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジング610に引き込まれるとき、スプリング642の加圧力が一対の第1支持部材620の引込作動をサポートすることができる。
【0154】
第1ガイドハウジング610内の一対のスプリング642の復元力は、調整され得る。一対のスプリング642にそれぞれ結合されたスプリング軸643がスプリング642の復元力を調整するように構成され得る。スプリング軸643は、垂直方向に長く形成されたスリット6431を有し得る。スプリング軸643は、スプリング642の一端を収容した状態で下方に分離され得る。スプリング軸643は、下端に一対の突出片6432を有する。また、第1ガイドハウジング610の底部の下面には、一対の突出片6432がそれぞれ挿入される半円形の一対の突出部612が下方に突出している。スプリング軸643の回転によって一対の突出片6432が一対の突出部612の間に位置すると、スプリング軸643は、第1ガイドハウジング610から下方に取り出され得る。スプリング軸643が第1ガイドハウジング610から取り出された状態で、スプリング軸643の回転によってスプリング642の復元力が調整され得、これによりスプリング642の加圧力が調整され得る。スプリング642の復元力を所望の水準に調整した後、スプリング軸643を第1ガイドハウジング610に挿入し、一対の突出片6432は、一対の突出部612にそれぞれ嵌合される。スプリング642は、調整された復元力を有する状態で第1ガイドハウジング610内に配置され得る。
【0155】
また、第1ガイドハウジング610は、第1ガイドハウジング610から後方に延長する一対のチューブ613を含む。第1噛合ホイール641を過ぎるとともに互いに分離される一対の第1支持部材620の各部分が、一対のチューブ613にそれぞれ挿入され得る。
【0156】
第1ガイドモジュール600は、一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジング610に引き込まれるとき、一対の第1支持部材620を互いに分割させるように構成される分割部650をさらに含み得る。分割部650は、第1ガイドハウジング610内において、一対の第1支持部材620の間に配置され得る。分割部650は、カテーテル20を前後方向FRに通過させるように構成され得る。
【0157】
第1ガイドモジュール600の第1コネクタ630は、カテーテルモジュール200の第1モジュールハウジング210に分離可能に結合され得る。図31を参照すると、第1コネクタ630は、雌部品として形成される。第1コネクタ630は、横方向LRに一対の第1支持部材620の端部を挟持することができる2つの半部から構成され得る。第1コネクタ630は、周方向CDに形成された一対の嵌合スリット631を有する。第1コネクタ630は、第1モジュールハウジング210の前端に形成された連結部214に分離可能に結合される。連結部214は、雄部品である。連結部214に第1モジュールハウジングの前方スリット2122(図21参照)が形成されている。連結部214は、嵌合スリット631に嵌合される嵌合ピン2141を有し、第1コネクタ630に嵌合される。嵌合スリット631と嵌合ピン2141によって、第1コネクタ630及び一対の第1支持部材620がカテーテルモジュール200に対して定位置に位置することができ、容易にカテーテルモジュール200に結合されることができる。
【0158】
第1ガイドハウジング610は、ベースフレーム110の前端に分離可能に結合される。図33を参照すると、ベースフレーム110のハウジングホルダー1142は、前後方向FRに形成された嵌合溝1143と、嵌合溝1143の後端に形成されて弾性変形可能なフック1144を有する。第1ガイドハウジング610は上部に、ハウジングホルダー1142は後方に嵌合され、U字状を有するホルダー結合部611を有する。ホルダー結合部611の一対の突起6111が嵌合溝1143に嵌合される。フック1144は、一対の突起6111の間のホルダー結合部611の噛合部6112に噛み合い、第1ガイドハウジング610をハウジングホルダー1142にロッキングする。第1ガイドハウジング610をハウジングホルダー1142から除去するとき、フック1144が上方に押され、フック1144は、噛合部6112から分離され得る。
【0159】
図34は、一実施例による血管インターベンション施術装置の第2ガイドモジュールを示す斜視図である。図35は、図34に示す第2ガイドモジュールの分解斜視図である。図36は、図34に示す第2ガイドモジュールの下方分解斜視図である。図37は、図34のXXXVII‐XXXVII線に沿って取った断面図である。以下、図4図5及び図34図37を参照する。
【0160】
血管インターベンション施術装置10は、前記ガイドモジュールの1つとして、第2ガイド区間GS2に配置される第2ガイドモジュール700を含む。第2ガイドモジュール700は、第2ガイド区間GS2の前端に配置されてカテーテルモジュール200に分離可能に装着される第2ガイドハウジング710と、第2ガイドハウジング710に引込及び引出されるように構成される一対の第2支持部材720を含む。また、第2ガイドモジュール700は、一対の第2支持部材720の引き出される方向における端部を固定し、ガイドワイヤモジュール300またはマイクロカテーテルモジュール400に分離可能に結合される第2コネクタ730を含む。
【0161】
第2ガイドハウジング710は、一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジングに引込及び引出されるよう、一対の第2支持部材720を収容する。一実施例によると、一対の第2支持部材720は、横方向LRに互いに噛み合うように構成される第1バンド721及び第2バンド722を含む。第1バンド721と第2バンド722が横方向LRに互いに噛み合うと、第1及び第2バンド721、722の間の内部空間に施術道具(例えば、ガイドワイヤまたはマイクロカテーテル)が位置する状態で、第1及び第2バンド721、722が施術道具を挟持する。
【0162】
第1バンド721は、第2バンド722に向かう表面に、前後方向FRに形成される噛合突起7211を有する。噛合突起7211は、前後方向FRに連続するように延長し得る。または、噛合突起7211は、断続的に配置される複数の噛合突起として形成されることもある。第2バンド722は、第1バンド721に向かう表面に、噛合突起7211が嵌合される噛合溝7221を有する。第1バンド721は、噛合突起7211と噛合溝7212を共に有し得、第2バンド722は、第1バンドの噛合突起7211に対応する噛合溝7221と、第1バンドの噛合溝7212に対応する噛合突起7222を有し得る。第1及び第2バンド721、722は、その幅方向が垂直方向VDになるように配置される。
【0163】
第2ガイドハウジング710は、カテーテルモジュール200に分離可能に結合される。第2ガイドハウジング710は、カテーテルモジュール200の第1モジュールハウジング210に分離可能に結合される。第2ガイドハウジング710は、下側に前後方向FRに形成された後方スリット711を有する。後方スリット711は、第1モジュールハウジングの開口部2121(図21参照)に連通して開口部2121から後端まで延長するように形成されている。他の例として、カテーテルモジュールの第1モジュールハウジング210が前記後方スリット711を有するように構成され得る。または、カテーテルモジュールの第1モジュールハウジング210と第2ガイドモジュールの第2ガイドハウジング710が一体に結合された状態で、第1モジュールハウジング210が前記後方スリット711を有するように構成され得る。
【0164】
第2ガイドハウジング710は、後方スリット711を通じて第2ガイドハウジング710にスライド可能に嵌合されるカバーラッチ712を含む。第2ガイドハウジング710が第1モジュールハウジング210に結合された状態で、カバーラッチ712がハウジングカバー213(図21参照)を支持し、ハウジングカバー213を収容部212に固定することができる。カバーラッチ712は、第2ガイドハウジング710から分離され得、これにより、ハウジングカバー313が収容部312から分離され得る。
【0165】
第2ガイドモジュール700は、第2ガイドハウジング710に配置されて一対の第2支持部材が互いに噛み合うように構成される第2噛合部740を含む。第2噛合部740は、第2ガイド区間GS2の可変長さが増加するとともに、一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジング710から引き出されるとき、一対の第2支持部材720にそれぞれ接触し、一対の第2支持部材720が横方向LRに互いに噛み合うように構成される。また、第2噛合部740は、一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジング710に引き込まれるとき、一対の第2支持部材720を横方向LRに互いに分離させることもできる。
【0166】
第2噛合部740は、一対の第2支持部材720にそれぞれ接触して回転する一対の第2噛合ホイール741を含む。一対の第2噛合ホイール741は、第1及び第2バンド721、722にそれぞれ接触して回転し得るローラーである。一対の第2噛合ホイール741は、一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジング710に引き込まれるとき、また、第2ガイドハウジング710から引き出されるとき、一対の第2支持部材720によって回転する。また、第2噛合部740は、第2噛合ホイール741を通過する各第2支持部材が巻かれてほどかれる一対のリール742を含む。一対のリール742は、それぞれ第2噛合ホイール741の外側に配置される。
【0167】
施術道具モジュールの前後方向の移送に伴うガイド区間の前後方向の長さ変更に応じ、一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジング710に引込及び引出され得る。一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジング710から引き出されるとともに、一対の第2噛合ホイール741によって一対の第2支持部材720が互いに噛み合うことができる。一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジング710に引き込まれるとともに、一対の第2噛合ホイール741を通過する一対の第2支持部材720は互いに分離される。
【0168】
第2噛合部740は、一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジング710に引き込まれる方向に一対の第2噛合ホイール741をそれぞれ加圧するスプリング743を含む。スプリング743は、ゼンマイばねであってもよい。スプリング743の内端は、スプリング軸744に垂直方向に形成されたスリット7441に結合される。スプリング743の外端は、リール742の内周面に結合される。一対のスプリング743が一対の第2支持部材720を引き込まれる方向に予め巻かれた状態で、各リール742と各スプリング軸744の間に配置され、一対のリール742は、第1及び第2バンド721、722を通じて第2噛合ホイール741にそれぞれ連結される。第2噛合ホイール741は、一対の第2支持部材720を引き込まれる方向にスプリング743によって加圧され得る。第2噛合ホイール741が加圧されるので、第2ガイドモジュール700の自由状態で、一対の第2支持部材720は、第2ガイドハウジング710から最小の突出長さを有することができる。また、一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジング710に引き込まれるとき、スプリング743の加圧力が一対の第2支持部材720の引込作動をサポートすることができる。
【0169】
第2ガイドハウジング710内の一対のスプリング743の復元力は、調整され得る。一対のスプリング743にそれぞれ結合されたスプリング軸744がスプリング743の復元力を調整するように構成され得る。スプリング743の復元力を所望の水準に調整した後、スプリング軸744を第2ガイドハウジング710に挿入し、一対の突出片7442は、一対の突出部713にそれぞれ嵌合されることができる。スプリング軸744によるスプリング743の復元力の調整方式は、第1ガイドモジュールにおけるスプリング軸643による復元力調整の方式と同一であってもよい。
【0170】
第2ガイドモジュール700の第2コネクタ730は、ガイドワイヤモジュール300の第2モジュールハウジング、またはマイクロカテーテルモジュールの第3モジュールハウジングに分離可能に結合され得る。図34を参照すると、第2コネクタ730は、雌部品として形成される。第2コネクタ730は、横方向LRに一対の第2支持部材720の端部を挟持することができる2つの半部から構成され得る。第2コネクタ730は、周方向CDに形成された一対の嵌合スリット731を有する。第2コネクタ730は、第2モジュールハウジングの前端に形成された連結部314(図22参照)または、第3モジュールハウジングの前端に形成された連結部414(図26参照)に分離可能に結合される。連結部314、414は、雄部品である。連結部414に第3モジュールハウジングの前方スリット4122が形成されている。第2及び第3モジュールハウジングの連結部は、嵌合スリット731に嵌合される嵌合ピン3141、4141を有し、第2コネクタ730に嵌合される。嵌合スリット731と嵌合ピン3141、4141によって、第2コネクタ730及び一対の第2支持部材720がガイドワイヤモジュールまたはマイクロカテーテルモジュールに対して定位置で位置することができ、容易にガイドワイヤモジュールまたはマイクロカテーテルモジュールに結合することができる。
【0171】
図38を参照すると、第1モジュールハウジング210の連結部214に第1モジュールハウジング210の開口部3121に連通する前方スリット2122が形成されている。前方スリット2122は、連結部214の下側に形成され、連結部214内に位置するカテーテル20の一部の通過を許容するように形成されている。第2ガイドハウジング710の前記カバーラッチが除去された状態で、第1モジュールハウジング210のハウジングカバー213が除去され得、第2ガイドハウジング710の後方スリット711が露出し得る。また、第2コネクタ730が一対の第2支持部材720から分離され得る。第2ガイドハウジング710内の前記リールが一対の第2支持部材720の引込方向に加圧される。第2コネクタ730が一対の第2支持部材720の端部から分離されると、一対の第2支持部材720は、前記リールに完全に巻かれ得、ガイドワイヤが露出し得る。ハウジングカバー213は、第1モジュールハウジング210から分離可能に構成され得、第2コネクタ730は、一対の第2支持部材720から分離可能に構成され得る。カテーテル20及び第1被動ギア220は、前方スリット2122と開口部2121を通じて収容部212から外側半径方向ROに分離され得、カテーテル20に挿入されているガイドワイヤが収容部212から第2ガイドハウジング710の後方スリット711を通じて外側半径方向ROに分離され得る。
【0172】
図5及び図30図37を参照すると、血管インターベンション施術装置10は、第1、第2及び第3ガイド区間GS1、GS2、GS3にそれぞれ配置される第1、第2及び第3ガイドモジュール600、700、800を含み得る。血管インターベンション施術装置10の第2作動モードで、第1、第2及び第3ガイドモジュール600、700、800が採用され得る。図5に示す血管インターベンション施術装置10の第2作動モードでは、第2ガイドモジュール700は、マイクロカテーテルモジュール400のマイクロカテーテル40の移送をガイドして支持する。第3ガイドモジュール800は、マイクロガイドワイヤモジュール500のマイクロガイドワイヤ50の移送をガイドして支持する。
【0173】
図4に示す第1作動モードでの第2ガイドモジュール700は、図5に示す第2作動モードでの第2ガイドモジュールとして用いられる。第2ガイドモジュール700の第2ガイドハウジング710は、第2ガイド区間GS2の前端に配置され、カテーテルモジュール200に分離可能に結合される。第2ガイドモジュール700の第2コネクタ730は、第2ガイド区間GS2の後端に配置され、マイクロカテーテルモジュール400に分離可能に結合される。第2ガイドモジュール700によって、第2ガイド区間GS2でのマイクロカテーテルの移送がガイドされて支持される。
【0174】
第3ガイドモジュール800は、第2ガイドモジュール700の構成と同一の構成を有する。即ち、第3ガイドモジュール800の第3ガイドハウジング810、一対の第3支持部材820及び第3コネクタ830は、第2ガイドモジュール700の第2ガイドハウジング710、一対の第2支持部材720及び第2コネクタ730とそれぞれ同一の構成を有し得る。また、第3ガイドモジュール800の第3噛合部の構成は、第2ガイドモジュール700の第2噛合部740の構成と同一の構成を有する。前述した第1及び第2バンドで構成される一対の第3支持部材820が、第3ガイド区間GS3で施術道具(例えば、マイクロガイドワイヤ)の移送をガイドして支持する。
【0175】
図39図52を参照して、一実施例による血管インターベンション施術装置の作動例を説明する。図39図46は、一実施例の血管インターベンション施術装置の第1作動モードでの作動例を示す。図47図52は、一実施例の血管インターベンション施術装置の第2作動モードでの作動例を示す。
【0176】
図39を参照すると、プラットホーム100は、作動前の準備状態にあり、カテーテルモジュール200(第1作動状態での第1施術道具モジュール)と、ガイドワイヤモジュール300(第1作動状態での第2施術道具モジュール)が準備される。第1ガイドモジュール600の第1コネクタ630は、カテーテルモジュール200に結合されており、第1ガイドモジュール600の前記一対の第1支持部材は、第1ガイドモジュール600の第1ガイドハウジングに引き込まれ得る。第2ガイドモジュール700の第2ガイドハウジング710がカテーテルモジュール200に結合されている。第2ガイドモジュール700の第2コネクタ730がガイドワイヤモジュール300の第2モジュールハウジング310に結合されており、ガイドワイヤモジュール300は、第2ガイドモジュール700を通じてカテーテルモジュール200に連結されている。また、各伝動部170が対応する回転力発生部160に嵌合される。
【0177】
図40を参照すると、カテーテルモジュール200が横方向LRに移送部130の伝動部170に嵌合され、ガイドワイヤモジュール300が横方向LRに移送部140の伝動部170に嵌合される。ガイドワイヤモジュール300が移送部150の伝動部170に嵌合されてもよく、この場合には、移送部140には施術道具モジュールが結合されない。
【0178】
図41を参照すると、第1ガイドモジュール600の第1ガイドハウジング610がベースフレーム110の前端に配置されたハウジングホルダー1142に結合される。第1ガイドハウジング610がカテーテルモジュール200から前方に引っ張られる。また、一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジング610から引き出され、第1ガイド区間GS1で互いに噛み合った状態でカテーテル20を挟持する。第2ガイドモジュール700が第2ガイド区間GS2に配置され、ガイドワイヤ30を挟持する。
【0179】
図42を参照すると、移送部130、140が移送され、カテーテルモジュール200とガイドワイヤモジュール300が前方に同時に移送される。これにより、カテーテル20とガイドワイヤ30が前方に移送され得る。図43を参照すると、移送モジュールの移送フレーム120が前方に移送される。これにより、カテーテル20とガイドワイヤ30が前方に移送され得る。図44を参照すると、移送部140が前方にさらに移送され、ガイドワイヤ30がさらに前方に移送され得る。図45を参照すると、移送フレーム120がさらに前方に移送されて、移送部140は後方に移送され、カテーテル20をガイドワイヤ30に沿ってターゲット血管に進入させることができる。図42図45に示す例において、カテーテルモジュール200は、移送部130からの回転力によってカテーテル20を回転させることができ、ガイドワイヤモジュール300は、移送部140からの回転力によってガイドワイヤ30を回転させることができる。図46を参照すると、カテーテル20がターゲット血管に到達した状態で、ガイドワイヤ30がカテーテル20から除去される。ガイドワイヤモジュール300の第2モジュールハウジング310を移送部140から分離させ、ガイドワイヤモジュール300を後方に移動させる。これにより、ガイドワイヤ30がカテーテル20から除去される。
【0180】
図47は、一実施例の血管インターベンション施術装置の第2作動モードでの最初の状態を示す。カテーテル20は、ターゲット血管に到達しており、カテーテルモジュール200(第2作動状態での第1施術道具モジュール)と移送フレーム120は、停止している。移送部140にマイクロカテーテルモジュール400を結合させるために、移送部140が後方に移送される。マイクロカテーテルモジュール400(第2作動状態での第2施術道具モジュール)とマイクロガイドワイヤモジュール500(第2作動状態での第3施術道具モジュール)が準備される。マイクロカテーテルモジュール400からマイクロカテーテル40が前方に延長している。マイクロカテーテルモジュール400の第3モジュールハウジング410に、第3ガイドモジュール800の第3ガイドハウジング810が結合されている。第3ガイドモジュール800の第3コネクタ830がマイクロガイドワイヤモジュール500の第4モジュールハウジング510に結合されており、マイクロガイドワイヤモジュール500は、第3ガイドモジュール800を通じてマイクロカテーテルモジュール400に連結されている。マイクロガイドワイヤ50は、一対の第3支持部材820によって支持された状態で、マイクロカテーテルモジュール400を通過してマイクロカテーテル40に挿入されている。
【0181】
図48を参照すると、マイクロカテーテルモジュール400が横方向LRに移送部140の伝動部170に嵌合され、マイクロガイドワイヤモジュール500が横方向LRに移送部150の伝動部170に嵌合される。第2ガイドモジュール700の一対の第2支持部材は、第2ガイドハウジング710内に引き込まれている。マイクロカテーテル40及びマイクロガイドワイヤ50は、第2ガイドモジュール700の第2コネクタ730を通じて第2ガイドモジュール700の一対の第2支持部材内に挿入され、続いて、カテーテル20内に挿入される。図49を参照すると、第2ガイドモジュール700の一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジング710から後方に引き出され、第2ガイドモジュール700の第2コネクタ730が、マイクロカテーテルモジュール400の第3モジュールハウジング410の前端に形成された連結部414に結合される。
【0182】
図50を参照すると、移送部150が前方に移送され、マイクロガイドワイヤ50がマイクロカテーテル40に挿入された状態で前方に移送される。図51を参照すると、移送部140、150が同時に前方へ移送され、マイクロカテーテル及びマイクロガイドワイヤ50が同時に前方へ移送される。図50図51に示す例において、マイクロガイドワイヤモジュール500は、移送部150からの回転力によってマイクロガイドワイヤ50を回転させることができる。また、必要な場合、マイクロカテーテルモジュール400は、移送部140からの回転力によってマイクロカテーテルを回転させることもできる。図52を参照すると、マイクロガイドワイヤ50がターゲット血管に到達した状態で、移送部140が前方にさらに移送される。これにより、マイクロカテーテルがマイクロガイドワイヤ50に沿ってターゲット血管に進入することができる。マイクロカテーテルがターゲット血管に進入すると、マイクロガイドワイヤモジュール500の第4モジュールハウジング510を移送部150から分離させ、マイクロガイドワイヤモジュール500を後方に移動させる。これにより、マイクロガイドワイヤ50がマイクロカテーテルから除去される。
【0183】
図42図52に示すように、一実施例による血管インターベンション施術装置10は、少なくとも5つの自由度の作動を実行する。前記5つの自由度は、施術道具の挿入移動に関連する3つの自由度と、施術道具の回転に関連する2つの自由度を含む。前記3つの自由度は、移送フレーム120の前後方向の移送、移送部140の前後方向の移送及び移送部150の前後方向の移送で実現され得る。前記2つの自由度は、カテーテルの回転軸を中心とする回転と、ガイドワイヤの回転軸を中心とした回転で実現され得る。また、移送部130が移送フレーム120に対して前後方向に移送され得るので、一実施例による血管インターベンション施術装置10は、施術道具の挿入移動に関連する追加の1つの自由度を有し得る。また、移送部140に結合されるマイクロカテーテルモジュール400によってマイクロカテーテルが回転することもできるので、一実施例による血管インターベンション施術装置10は、施術道具の回転に関連する追加の1つの自由度を有し得る。
【0184】
図53図59を参照して、血管インターベンション施術装置のもう1つの実施例を説明する。図53は、もう1つの実施例による血管インターベンション施術装置の構成を概略的に示す。図54図55及び図56は、もう1つの実施例による血管インターベンション施術装置のマイクロカテーテルモジュール、ガイドワイヤモジュール及び第1ガイドモジュールをそれぞれ示す。図57は、もう1つの実施例による血管インターベンション施術装置の第1ガイドモジュール及び第2ガイドモジュールを示して、図58は、図57に示す第2ガイドモジュールの断面形状を示す。
【0185】
図53を参照すると、もう1つの実施例による血管インターベンション施術装置10において、プラットホーム100のベースフレーム110に対して、移送モジュール102の移送フレーム120が前後方向FRに移送される。フレームスライダー113がフレーム移送リードスクリュ111にネジ運動によって移送されるように結合されており、移送フレーム120は、フレームスライダー113に結合されている。
【0186】
カテーテルモジュール200は、カテーテル20を回転させるように構成され、移送フレーム120の移送部130に分離可能に結合される。移送部130は、移送フレーム120の前端に配置される。移送部130は、移送フレーム120に固定されており、移送フレーム120の前後方向FRにおける移送によって前後方向に移送される。移送部130は、回転力発生部160を有し、伝動部170によってカテーテルモジュール200にカテーテルを回転させる回転力を伝達する。伝動部170は、回転力発生部160に分離可能に結合される。カテーテルモジュール200は、第1モジュールハウジング210内にカテーテル20に結合される第1被動ギア220を含む。カテーテルモジュール200は、回転力伝達部240を含み、回転力伝達部240は、第1被動ギア220に回転力を伝達する回転力伝達ギア241を含む。回転力伝達ギア241は、移送部130の伝動部170から回転力を受ける。
【0187】
移送部140がモジュール移送リードスクリュ123にネジ運動によって移送されるように結合される。移送部140は、移送部130とは独立的に移送される。移送部140は、移送部140の後端付近に回転力発生部160と、回転力発生部160に分離可能に結合されて回転力を伝達する伝動部170を含む。ガイドワイヤモジュール300は、カテーテル20に挿入されるガイドワイヤ30またはマイクロカテーテル40に挿入されるマイクロガイドワイヤ50を回転させるように構成される。ガイドワイヤモジュール300は、第2モジュールハウジング310内にガイドワイヤを回転させるための第2被動ギア320を含む。ガイドワイヤモジュール300は、回転力伝達部340を含み、回転力伝達部340は、第2被動ギア320に回転力を伝達する回転力伝達ギア341を含む。回転力伝達ギア341は、移送部140の伝動部170から回転力を受ける。
【0188】
また、マイクロカテーテルモジュール400が移送部140の前端に分離可能に結合される。マイクロカテーテルモジュール400は、移送部130及びカテーテルモジュール200とは独立的に前後方向に移送され得る。マイクロカテーテルモジュール400は、移送部140から延長するホルダー装置に分離可能に結合され得る。図53図54を参照すると、マイクロカテーテルモジュール400は、第3モジュールハウジング410と、第3モジュールハウジング410に回転軸RAと同軸に嵌合されるガイドパイプ430を含む。ガイドパイプ430は、その後端でマイクロカテーテル40を固定するように構成され得る。
【0189】
移送部150は、移送部140に提供され得る。移送部140は、回転するように駆動されて前後方向FRに配置されるリードスクリュ144を含み、移送部150は、リードスクリュ144にネジ運動によって移送されるように結合され得る。移送部150は、移送部130及び移送部140とは独立的に移送されることができる。
【0190】
ガイドワイヤモジュール300のワイヤ移送モジュール900が移送部150に分離可能に結合される。ワイヤ移送モジュール900は、移送部150から延長するホルダー装置に分離可能に結合され得る。ワイヤ移送モジュール900は、ガイドワイヤまたはマイクロガイドワイヤを支持するように構成される。図55を参照すると、ワイヤ移送モジュール900は、第5モジュールハウジング910と、第5モジュールハウジング910に回転軸RAと同軸に嵌合されるガイドパイプ940を含む。ガイドパイプ940は、その後端でガイドワイヤまたはマイクロガイドワイヤを固定するように構成され得る。
【0191】
本実施例の血管インターベンション施術装置においては、ガイドワイヤモジュール300によってガイドワイヤ30及びマイクロガイドワイヤ50が回転することがある。図55を参照すると、第2被動ギア320の中央部は、貫通孔321として形成されており、回転板350が第2被動ギアに同軸に結合される。回転板350には、第2被動ギアの貫通孔に対応する貫通孔351が形成されている。ワイヤ移送モジュール900のガイドパイプ940が貫通孔321及び貫通孔351を通過する。ガイドワイヤモジュール300は、ガイドパイプ940と回転板350に両端がそれぞれ結合される可撓性のガイドチューブ360を含む。ガイドチューブ360の一端は、ガイドパイプ940に結合されており、ガイドチューブ360の他端は、回転板350に回転軸RAから偏心して結合されている。
【0192】
ガイドワイヤ30またはマイクロガイドワイヤ50は、ガイドチューブ360とガイドパイプ940を通過する。ガイドワイヤ30またはマイクロガイドワイヤ50は、ガイドパイプ940内で回転軸RAと同軸に配置され得る。ガイドワイヤ30の一端は、回転板350に結合されて、ガイドワイヤは、カテーテルに挿入される。マイクロガイドワイヤ50の一端は、回転板350に結合され、マイクロガイドワイヤは、マイクロカテーテル40に挿入される。第2被動ギア320が移送部140からの回転力によって回転するに伴い、回転板350が第2被動ギア320と共に回転する。ガイドチューブ360の一端が回転軸RAから離隔されているので、回転板350の回転によって、ガイドワイヤ30またはマイクロガイドワイヤ50が回転することができる。
【0193】
図53に示すように、血管インターベンション施術装置10は、プラットホーム100の前端(ベースフレームの前端)とカテーテルモジュール200との間のガイド区間でカテーテル(またはカテーテル内に挿入されるマイクロカテーテル)の移送をガイドして支持する第1ガイドモジュール600を含み得る。
【0194】
図56を参照すると、第1ガイドモジュール600の第1ガイドハウジング610は、カテーテルモジュール200に結合される。一対の第1支持部材620は、前述した第1及び第2チェーン組立体621、622から構成され得る。一対の第1支持部材620は、第1ガイドハウジング610に引込及び引出される。一対の第1支持部材620が互いに噛み合うように構成された第1噛合部640が第1ガイドハウジング610に配置され、第1噛合部640は、一対の第1噛合ホイール641を含む。一対の第1支持部材620の引き出される方向での端部に、第1コネクタ630が固定される。第1コネクタ630は、プラットホームの前端(ベースフレームの前端)に分離可能に結合され得る。
【0195】
第1ガイドモジュール600は、一対の第1支持部材620が第1ガイドハウジング610に引き込まれるとき、一対の第1支持部材620を互いに分割させるように構成される分割部650を含み得る。分割部650は、第1ガイドハウジング610内において、一対の第1支持部材620の間に配置され、カテーテル20を前後方向FRに通過させるように構成され得る。図56に示すように、分割部650は、楔形状の部材として形成され得る。
【0196】
図53に示すように、血管インターベンション施術装置10は、カテーテルモジュール200とマイクロカテーテルモジュール400との間のガイド区間でマイクロカテーテル(またはマイクロカテーテル内に挿入されるマイクロガイドワイヤ)の移送をガイドして支持する第2ガイドモジュール700を含み得る。第2ガイドモジュール700は、カテーテルモジュール200とマイクロカテーテルモジュール400の間に配置され、マイクロカテーテルモジュール400のガイドパイプ430内に挿入され得るガイドパイプで構成されることもある。
【0197】
血管インターベンション施術装置10は、前述した実施例での第1及び第2バンドと類似の方式で、第1ガイドモジュールと第2ガイドモジュールを構成してもよい。これと関連し、以下で図57図58を参照する。
【0198】
第1ガイドモジュール600と第2ガイドモジュール700は、施術道具の移送をガイドして支持するとともに、ガイド区間の長さ変更に応じてガイドハウジングに引込及び引出される一対の支持部材を含む。第1ガイドモジュール600の一対の第1支持部材620と第2ガイドモジュール700の一対の第2支持部材720は、前述した第1及び第2バンドと同様に構成され得る。例えば、一対の第1支持部材620は、横方向LRに互いに噛み合うように構成される第1バンド661及び第2バンド662を含む。この実施例における第1及び第2バンド661、662は、半円形の断面形状を有し得る。第1バンド661は、第2バンド662に向かう表面に、前後方向FRに形成される噛合突起6611と噛合溝6612を有する。第2バンド662は、第1バンド661に向かう表面に、第1バンドの噛合突起6611に対応する噛合溝と、第1バンドの噛合溝6612に対応する噛合突起を有する。
【0199】
第2ガイドモジュールの第2ガイドハウジング710は、ガイドワイヤモジュールの第2モジュールハウジング310に結合され、第2噛合部740と分割部750を含む。第2噛合部740と分割部750は、一体に形成され得る。第2噛合部740は、一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジング710から引き出されるに伴い、一対の第2支持部材720に接触して一対の第2支持部材720が互いに噛み合うようにする。第2噛合部740の後端は、前端より広く形成され、分割部750が第2噛合部740の後端内に位置する。分割部750は、楔形状を有し得る。一対の第2支持部材720が第2ガイドハウジング710に引き込まれるとき、一対の第2支持部材720を互いに分割させ得る。第2ガイドモジュールは、一対の第2支持部材720の引出方向における端部を固定する第2コネクタ730を含む。第2コネクタ730は、前述した第2コネクタと同様に構成され得、カテーテルモジュール200の第1モジュールハウジングの後端に形成された連結部214に分離可能に結合され得る。第1ガイドモジュール600は、第2ガイドモジュール700の構成と同一の構成を有し得る。第1ガイドモジュール600において、一対の第1支持部材620の引出方向の端部を固定する第1コネクタは、プラットホームの前端(ベースフレームの前端)に分離可能に固定され得る。
【0200】
以上、一部実施例と添付の図面に示す例によって本開示の技術的思想が説明されたものの、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を知っているべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。
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【国際調査報告】