(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】脈管キャスティング及びその応用
(51)【国際特許分類】
B29C 67/02 20170101AFI20240514BHJP
【FI】
B29C67/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572886
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 IB2022054815
(87)【国際公開番号】W WO2022249038
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597013711
【氏名又は名称】スリーディー システムズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】グリゴリアン,バグラット
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ジョーダン
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AA19
4F213AA21
4F213AG08
4F213AR06
4F213AR12
4F213AR19
4F213WA02
4F213WA43
4F213WA67
4F213WA73
4F213WA87
4F213WA92
4F213WA97
4F213WB01
(57)【要約】
構造体を作成する方法が提供される。当該方法は、初期構造を用意し、該初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングし、第1の材料から初期構造を除去し、第1の材料を有する鋳造構造を取得し、該鋳造構造上に第2の材料をコーティングし、コーティングされた鋳造構造を用いて第3の材料をキャスティングし、第1の材料を除去し、最終構造を取得することを含む。様々な実施形態において、初期構造は、第1の初期構造及び第2の初期構造を含み、第1の初期構造の1つ以上の第1の空所ボリューム内及び第2の初期構造の1つ以上の第2の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングすることができる。様々な実施形態において、当該方法は、第1の鋳造構造と第2の鋳造構造とを組み立てて、第1の鋳造構造と第2の鋳造構造とを有する組み立て構造を得ることを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体を作成する方法であって、
初期構造を用意し、
前記初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングし、
前記第1の材料から前記初期構造を除去し、
前記第1の材料を有する鋳造構造を取得し、
前記鋳造構造を用いて第2の材料をキャスティングし、
前記第2の材料から前記鋳造構造を除去し、
前記第2の材料を有する最終構造を取得する、
ことを有する方法。
【請求項2】
前記初期構造は、加法製造又は減法製造によって生成されたヒドロゲル母型構造である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記初期構造は、ワックス、プラスチック、又はポリビニルアルコール、250-35000Daを持つポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、PEG-ノルボルネン、MMP感受性PEG(PEG-MMP)、ゼラチンメタクリレート、又はこれらの任意の組み合わせを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の空所ボリュームは脈管トポロジを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記初期構造は、溶媒中での洗浄若しくは平衡化を介して、又はライトボックス中での架橋によって後処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の材料は、熱可逆性材料、ガリウムを含む金属若しくは液体金属、フィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、炭水化物ガラス、プルロニック、低分子量PEG、PCL、ゼラチン、ワックス、又はこれらの任意の組み合わせを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料をキャスティングすることは、
前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料を第1の温度で充填し、
前記第1の材料を第2の温度で固化させ、前記第1の温度での前記第1の材料と前記第2の温度での前記第1の材料とは異なる物理的状態を持つ、
ことを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料をキャスティングすることは、
前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料を第1の温度で注入し、
前記第1の材料を過冷却し、
前記第1の材料を第2の温度で結晶化させる、
ことを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記初期構造は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、加熱を介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の材料は、絹を含む生体材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、合成ペプチド、ヒアルロン酸、アルギン酸塩を含むポリマー、ポリウレタン、ポリカプロラクトン(PCL)、エラストマー、コラーゲンメタクリレート、コラーゲンメタクリルアミド、ゼラチンメタクリレート、ゼラチンメタクリルアミド、絹メタクリレート、絹メタクリルアミド、ヒアルロン酸メタクリレート、ヒアルロン酸メタクリルアミド、プルロニックジアクリレート、プルロニックメタクリルアミド、コンドロイチン硫酸メタクリレート、コンドロイチン硫酸メタクリルアミド、エラスチンメタクリレート、エラスチンメタクリルアミド、セルロースアクリレート、セルロースメタクリルアミド、デキストランメタクリレート、デキストランメタクリルアミド、ヘパリンメタクリレート、ヘパリンメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、キトサンメタクリレート、キトサンメタクリルアミド、ポリエチレングリコールノルボルネン、ポリエチレングリコールジチオール、チオール化ゼラチン、チオール化キトサン、チオール化ヒアルロン酸、チオール化絹、PEGベースのペプチド複合体、任意の組織/器官の脱細胞化ECM、プラスチック、ガリウム若しくはインジウムを含む金属、又はフィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、又はこれらの任意の組み合わせを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記鋳造構造は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、前記鋳造構造を加熱して前記第1の材料を液化すること、若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記初期構造は、組織又は器官内の脈管トポロジを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記最終構造は人工組織又は人工器官である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の材料をキャスティングすることに先立って前記鋳造構造の表面を改質する、
ことを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記鋳造構造の前記表面を改質することは更に、前記表面を粗面化又は平滑化すること、コラーゲンの層でコーティングすること、前記表面の一部をコラーゲンでコーティングすること、電気めっきすること、電解を実行すること、磁場中で強磁性流体を用いて前記表面の表面処理を実行すること、又はこれらの任意の組み合わせを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の材料をキャスティングすることに先立って前記鋳造構造上に1つ以上のコーティングを形成する、
ことを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上のコーティングは、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上のコーティングは、10nmと1000μmとの間の厚さを持つ、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上のコーティングは多層コーティングを有し、該多層コーティングは、少なくとも2回コーティングを形成することによって得られる、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記鋳造構造上の前記多層コーティングは、少なくとも2つの異なるコーティング材料を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1乃至20のいずれかに記載の方法に従って製造された構造体。
【請求項22】
請求項1乃至20のいずれかに記載の構造体を製造するためのシステムであって、当該システムは、ヒドロゲルを有する初期構造、前記ヒドロゲルを収容するチャンバ、ヒドロゲル容器の入口及び出口に接続するマニホールド、該マニホールドに接続された1つ以上のチューブ、1つ以上のポンプ、1つ以上の流体貯留部、及び/又は1つ以上の廃棄物コンテナを有する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年5月25日に出願された米国仮特許出願第63/192932号の利益を主張するものであり、その内容を、あたかも完全に記載されているかのように、ここに援用する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ又はナノスケールの微細な造形(フィーチャ)を製造することは難題である。現在利用可能なプロセス及び技術は、少なくとも1つの点で、そのような小さいフィーチャを製造するためのそれらのシリアルアプローチによって制限されており、それは大量生産に適さないものである。マイクロ又はナノスケールのフィーチャを製造するためにリソグラフィを用いることができるが、それらは二次元フィーチャに限られることが多く、二次元フィーチャを後処理することで三次元フィーチャを形成することができる。より更なる難題は、生物学的な又は生体適合性の用途のためのそのような小さいフィーチャの製造である。従って、3次元マイクロ又はナノスケールフィーチャを更に発展させることができる、大量生産で使用可能な、生物学的又は生体適合用途に適した新しい新規なアプローチに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0003】
様々な実施形態によれば、構造体を作成する方法が提供される。当該方法は、1つ以上のフィーチャを持つ初期構造を用意し、前記初期構造の後処理を実行し、前記後処理された初期構造を用いて材料をキャスティングし、前記キャスティングされた材料から前記初期構造を除去し、前記キャスティングされた材料を有する最終構造を取得する、ことを含む。
【0004】
様々な実施形態によれば、構造体を作成する方法が提供される。当該方法は、初期構造を用意し、前記初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングし、前記第1の材料から前記初期構造を除去し、前記第1の材料を有する鋳造構造を取得し、前記鋳造構造を用いて第2の材料をキャスティングし、前記第2の材料から前記鋳造構造を除去し、前記第2の材料を有する最終構造を取得する、ことを含む。
【0005】
様々な実施形態によれば、構造体を作成する方法が提供される。当該方法は、初期構造を用意し、前記初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングし、前記第1の材料から前記初期構造を除去し、前記第1の材料を有する鋳造構造を取得し、前記鋳造構造上に第2の材料をコーティングし、前記コーティングされた第2の材料から前記第1の材料を除去し、前記コーティングされた第2の材料を有する最終構造を取得する、ことを含む。
【0006】
様々な実施形態によれば、構造体を作成する方法が提供される。当該方法は、初期構造を用意し、前記初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングし、前記第1の材料から前記初期構造を除去し、前記第1の材料を有する鋳造構造を取得し、前記鋳造構造上に第2の材料をコーティングし、前記コーティングされた鋳造構造を用いて第3の材料をキャスティングし、前記第1の材料を除去し、最終構造を取得する、ことを含む。
【0007】
様々な実施形態によれば、構造体を作成する方法が提供される。当該方法は、第1の初期構造及び第2の初期構造を用意し、前記第1の初期構造の1つ以上の第1の空所ボリューム内及び前記第2の初期構造の1つ以上の第2の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングし、前記第1の初期構造及び前記第2の初期構造を除去し、各々が前記第1の材料を有する第1の鋳造構造及び第2の鋳造構造を取得し、前記第1の鋳造構造と前記第2の鋳造構造とを組み立て、前記第1の鋳造構造と前記第2の鋳造構造とを有する組み立て構造を取得し、前記組み立て構造を用いて第3の材料をキャスティングし、前記第1の材料を除去し、最終構造を取得する、ことを含む。
【0008】
様々な実施形態によれば、前述の方法のうちのいずれかに従って製造された構造体が提供される。
【0009】
様々な実施形態によれば、前述の方法のうちのいずれかに従って構造体を製造するためのシステムが提供される。当該システムは、ヒドロゲルを有する初期構造、前記ヒドロゲルを収容するチャンバ、ヒドロゲル容器の入口及び出口に接続するマニホールド、該マニホールドに接続された1つ以上のチューブ、1つ以上のポンプ、1つ以上の流体貯留部、及び/又は1つ以上の廃棄物コンテナを含む。
【0010】
これらの及び他の態様及び実装を以下にて詳細に説明する。上述の情報及び以下の詳細な説明は、様々な態様及び実装の例示的な例を含み、特許請求される態様及び実装の性質及び特徴を理解するための概説又は枠組みを提供する。図面は、様々な態様及び実装の例示及び更なる理解を提供し、この明細書に組み込まれて、この明細書の一部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面は、縮尺通りに描かれることを意図していない。様々な図における似通った参照符号及び名称は同様の要素を示す。明瞭さの目的で、全てのコンポーネントが全ての図においてラベル付けられているわけではない。図面は以下を含む。
【
図1】様々な実施形態に従った、構造体を作成するための一方法例のフローチャートである。
【
図2】様々な実施形態に従った、構造体を作成するための一方法例のフローチャートである。
【
図3】様々な実施形態に従った、構造体を作成するための一方法例のフローチャートである。
【
図4】様々な実施形態に従った、構造体を作成するための一方法例のフローチャートである。
【
図5】様々な実施形態に従った、構造体を作成するための一方法例のフローチャートである。
【
図6】様々な実施形態に従った、初期構造を最終構造に変換するプロセスを示すブロック図である。
【
図8A】
図8A及び
図8Bは、様々な実施形態に従った、内側に空の脈管網を含んだポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA、黄色)から成る3Dプリントされたヒドロゲルを示している。
【
図8B】
図8A及び
図8Bは、様々な実施形態に従った、内側に空の脈管網を含んだポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA、黄色)から成る3Dプリントされたヒドロゲルを示している。
【
図9A】
図9A及び
図9Bは、様々な実施形態に従った、異なる染料が注入された3DプリントされたPEGヒドロゲルを有する構造例を示している。
【
図9B】
図9A及び
図9Bは、様々な実施形態に従った、異なる染料が注入された3DプリントされたPEGヒドロゲルを有する構造例を示している。
【
図12A】
図12A及び
図12Bは、それぞれ、様々な実施形態に従った、プリントされたヒドロゲル構造及び鋳造構造を示している。
【
図12B】
図12A及び
図12Bは、それぞれ、様々な実施形態に従った、プリントされたヒドロゲル構造及び鋳造構造を示している。
【0012】
理解されることには、これらの図は必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないし、図中の物体は互いとの関係で必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。これらの図は、ここに開示される装置、システム、及び方法の様々な実施形態に対して明瞭さ及び理解をもたらすことを意図して描かれたものである。可能な限り、図面全体を通して同じ参照符号を用いて同じ又は同様の部分を指す。また、理解されるべきことには、図面は、本教示の範囲を如何様にも限定することを意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解されることには、以下の開示は、本開示の複数の異なる特徴を実装するための数多くの異なる実施形態又は例を提供するものである。本開示を単純にするために、コンポーネント及び構成の特定の実施形態又は例が以下に記載される。これらは、当然ながら、単なる例であり、限定することを意図していない。例えば、要素の寸法は、開示される範囲又は値に限定されず、プロセス条件及び/又はデバイスの所望の特性に依存し得る。また、以下に続く説明における、第1フィーチャの、第2フィーチャ上又はその上での形成は、第1フィーチャと第2フィーチャとが直接接触して形成される実施形態を含み得るとともに、第1フィーチャと第2の特徴とが直接接触し得ないように、第1フィーチャと第2フィーチャとの間に介在して追加のフィーチャが形成され得る実施形態も含み得る。単純さ及び明瞭さのために、様々なフィーチャが恣意的に異なる縮尺で描かれることがある。ここで使用される用語の一部は、このセクションで記載されるように定義される。他の用語は、本開示の他の箇所で定義又は例示される。別段に定義されない限り、ここで使用される技術用語及び科学用語は、この発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を持つ。
【0014】
様々な実施形態に従って、構造体を作成するための様々な方法及びプロセスがここに記載される。様々な実施形態によれば、開示される方法、プロセス、及び実装は、生物学的な又は生体適合性の用途のための構造体を作成するための大量生産可能な製造技術を提供する。例えば、開示される方法、プロセス、又は実装によって生成される構造体は、薬物候補を精製するための細胞培養プロセスに使用されることができる。様々な実施形態によれば、(作成される)構造体は、ヒトの解剖学的構造及び生理機能を模倣するフィーチャを含むことができ、創薬又は治療用途のための生体模倣ヒト組織モデルとして使用されることができる。様々な実施形態によれば、作成される構造体は、細胞接着性及び細胞分解性の材料を有することができる。様々な実施形態によれば、作成される構造体は、細胞接着性及び細胞分解性材料を含むことができ、作成される構造体の母型上に細胞が接着し、成長し、移動することができる。
【0015】
様々な実施形態によれば、当該構造体は1つ以上のフィーチャを含むことができる。様々な実施形態によれば、当該構造体は、1つ以上のポジ型又はネガ型のフィーチャを含むことができる。様々な実施形態によれば、1つ以上のポジ型フィーチャは、当該構造体を構成する材料によって占有される空間を指す。様々な実施形態によれば、1つ以上のネガ型フィーチャは、当該構造体を構成する材料が存在しない空間、例えば、当該構造体内の空き空間又は空所ボリュームを指す。様々な実施形態によれば、1つ以上のネガ型フィーチャは、当該構造体の1つ以上の空所ボリュームを指す。
【0016】
様々な実施形態によれば、初期構造又は最終構造のいずれか又は両方の構造体は、細胞が灌流条件下にあることを可能にする脈管コンポーネント(ここでは脈管トポロジ、1つ以上のフィーチャ、又は1つ以上の空所ボリュームとしても参照される)を含むことができる。様々な実施形態によれば、2つ以上の脈管コンポーネント(例えば、
図1-
図5に関して説明されるような、1つ以上の第1フィーチャ及び1つ以上の第2フィーチャ、又は1つ以上の最終的な第1フィーチャ及び1つ以上の最終的な第2フィーチャ)又は2つ以上の脈管トポロジを同一構造に組み込むことができる。様々な実施形態によれば、例えば、胆汁、尿、空気、又は血液などの媒体などの、気体及び液体を含む流体を、脈管コンポーネント又は脈管トポロジに導入することができる。様々な実施形態によれば、脈管コンポーネントはまた、液体及び気体を含む流体の流れに適した、境界付けられた空所ボリュームトポロジとしても定義され得る。様々な実施形態によれば、脈管トポロジは、脈管又は脈管の1つ以上のネットワークに関連する又はそれを含む3Dフィーチャを含み、これは、以下に限られないが、例えば血液、胆汁、尿、又は空気などの媒体を支援又は輸送するように構成されることができる。
【0017】
構造体を作成するための技術、プロセス、及び方法の様々な構成、実施形態、及び実装を、
図1-
図6に関して更に詳細に説明する。様々な実施形態によれば、構造体を作成するためのここに開示される技術、プロセス、及び方法の様々な構成、実施形態、及び実装は、以下の
図1-
図6に関して説明及び提示される実施形態例及び構成のうちのいずれかに適用可能であり得る。
【0018】
次に図を参照するに、
図1は、様々な実施形態に従った、構造体を作成するための方法S100のフローチャートである。様々な実施形態によれば、方法S100は、ステップS102にて、1つ以上のフィーチャを持つ初期構造を用意することを含む。様々な実施形態において、1つ以上のフィーチャは、ポジ型又はネガ型のフィーチャであることができる。様々な実施形態によれば、ポジ型フィーチャは、構造体を構成する材料によって占有される空間を指す。様々な実施形態によれば、ネガ型フィーチャは、構造体を構成する材料が存在しない空間、例えば、構造体内の空き空間又は空所ボリュームを指す。様々な実施形態によれば、1つ以上のネガ型フィーチャは、構造体の1つ以上の空所ボリュームを指す。
【0019】
様々な実施形態において、初期構造は、ヒドロゲル母型から成る3Dヒドロゲル構造である。様々な実施形態において、初期構造は、ワックス、プラスチック、又はポリビニルアルコール、250-35000Daを持つポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、PEG-ノルボルネン、MMP感受性PEG(PEG-MMP)、ゼラチンメタクリレート、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0020】
様々な実施形態において、初期構造は、多様なクラスの有機化合物からのワックスを含むことができる。一部の実施形態において、ワックスは、周囲温度付近で親油性及び/又は展性の固体であることができる。様々な実施形態において、ワックスは、約40℃(104°F)を超える融点を有し、融解して低粘度の液体を与える、高級アルカン及び脂質を含むことができる。様々な実施形態において、ワックスは、水に不溶性であるが、有機非極性溶媒に可溶性であることができる。
【0021】
様々な実施形態において、ワックスはアルカン炭化水素とすることができ、アルカン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH3、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルカン炭化水素は、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、テトラコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、ヘキサトリアコンタン、テトラコンタン、テトラテトラコンタン、又はペンタコンタンとし得る。様々な実施形態において、ワックスはアルケン炭化水素とすることができ、アルケン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH=CH2、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルケン炭化水素は1-オクタデセンとし得る。
【0022】
様々な実施形態において、ワックスは不飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができ、飽和炭化水素は、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、ミリシルアルコール、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0023】
様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂肪酸は、式CH3(CH2)nCOOH、ただし、n=4~30を持つ。様々な実施形態において、脂質は、ヘキサン酸、ノナン酸、オクタン酸、デカン酸、ノナデカン酸メチル、ラウリン酸、アラキジン酸メチル、ミリスチン酸、トリコサン酸メチル、ベヘン酸メチル、ヘプタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、若しくはメリシン酸、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0024】
様々な実施形態において、ワックスは、不飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂質は、アラキドン酸、リノレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、又はこれらの任意の組み合わせである。様々な実施形態において、ワックスは、複数の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとし得る。
【0025】
様々な実施形態において、ワックスは、植物由来、動物由来、石油由来、若しくは合成、又はこれらの任意の組み合わせである。
【0026】
様々な実施形態において、ワックスは、パラフィン、大豆ワックス、蜜ろう(主成分はパルミチン酸ミリシルである)、ガルフワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ポリエチレンワックス、微結晶ワックス、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0027】
様々な実施形態において、ワックスは、機械的特性を向上させるために、例えば、以下に限られないが、ステアリン酸、トリステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸ソルビタン、蜜ろう、レシチンなどの添加剤、又は、例えば、以下に限られないが、ダンマルガム、マスティックガム、コーパルガム、セラックなどの樹脂を含有することができる。
【0028】
様々な実施形態において、ワックスは、ピーナッツ油、ヒマワリ油、大豆油、キャノーラ油、オリーブ油、若しくは米ぬか油、又はこれらの任意の組み合わせの中で希釈され得る。
【0029】
様々な実施形態において、ワックスは、それを容器に移し、それらを加熱し、次いでそれらを使用することによって調製されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、オーブン中で高温での射出プロセスにおいて使用するために、より高い温度で溶融され得る。一部の実施形態において、ワックスは室温で処理されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、所望の物理的、機械的、及び/又は化学的特性を得るために別のワックスと組み合わされることができる。一部の例において、2つ以上のワックスが組み合わされ、それらを混合する前に温めるか、又は液化する。
【0030】
様々な実施形態において、1つ以上のフィーチャは脈管トポロジを有する。様々な実施形態において、1つ以上のフィーチャは、加法(アディティブ)製造又は減法(サブトラクティブ)製造によって生成される。様々な実施形態において、初期構造は、3Dプリンタを介してプリントされることができる。
【0031】
様々な実施形態において、初期構造は、組織内又は器官内の脈管トポロジを含むことができる。
【0032】
様々な実施形態によれば、方法S100は、ステップS104にて、初期構造の後処理を実行することを含む。様々な実施形態において、後処理は、とりわけ、初期構造を溶媒中で洗浄すること、初期構造を溶媒中で平衡化すること、初期構造をライトボックス中で架橋すること、媒体中で洗浄して水を除去すること、初期構造を窒素ボックス中でインキュベートして酸素を除去すること、又はキャスティングされる材料の充填を助ける材料で空き空間若しくは空所ボリュームをコーティングすること、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0033】
様々な実施形態によれば、方法S100は、ステップS106にて、後処理された初期構造を用いて材料をキャスティングすることを含む。様々な実施形態において、材料をキャスティングすることは、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に材料をキャスティングすることを含む。様々な実施形態において、キャスティングされる材料は、以下に限られないが、絹を含む生体材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、合成ペプチド、ヒアルロン酸、アルギン酸塩を含むポリマー、ポリウレタン、ポリカプロラクトン(PCL)、エラストマー、コラーゲンメタクリレート、コラーゲンメタクリルアミド、ゼラチンメタクリレート、ゼラチンメタクリルアミド、絹メタクリレート、絹メタクリルアミド、ヒアルロン酸メタクリレート、ヒアルロン酸メタクリルアミド、プルロニック(登録商標)ジアクリレート、プルロニックメタクリルアミド、コンドロイチン硫酸メタクリレート、コンドロイチン硫酸メタクリルアミド、エラスチンメタクリレート、エラスチンメタクリルアミド、セルロースアクリレート、セルロースメタクリルアミド、デキストランメタクリレート、デキストランメタクリルアミド、ヘパリンメタクリレート、ヘパリンメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、キトサンメタクリレート、キトサンメタクリルアミド、ポリエチレングリコールノルボルネン、ポリエチレングリコールジチオール、チオール化ゼラチン、チオール化キトサン、チオール化ヒアルロン酸、チオール化絹、PEGベースのペプチド複合体、任意の組織/器官の脱細胞化ECM、ワックス、プラスチック、ガリウム若しくはインジウムを含む金属、又はフィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0034】
様々な実施形態において、キャスティングされる材料のためのワックスは、多様なクラスの有機化合物からのワックスとすることができる。一部の実施形態において、ワックスは、周囲温度付近で親油性及び/又は展性の固体であり得る。様々な実施形態において、ワックスは、約40℃(104°F)を超える融点を有し、融解して低粘度の液体を与える、高級アルカン及び脂質を含むことができる。様々な実施形態において、ワックスは、水に不溶性であるが、有機非極性溶媒に可溶性であることができる。
【0035】
様々な実施形態において、ワックスはアルカン炭化水素とすることができ、アルカン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH3、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルカン炭化水素は、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、テトラコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、ヘキサトリアコンタン、テトラコンタン、テトラテトラコンタン、又はペンタコンタンとし得る。様々な実施形態において、ワックスはアルケン炭化水素とすることができ、アルケン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH=CH2、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルケン炭化水素は1-オクタデセンとし得る。
【0036】
様々な実施形態において、ワックスは不飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができ、飽和炭化水素は、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、ミリシルアルコール、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0037】
様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂肪酸は、式CH3(CH2)nCOOH、ただし、n=4~30を持つ。様々な実施形態において、脂質は、ヘキサン酸、ノナン酸、オクタン酸、デカン酸、ノナデカン酸メチル、ラウリン酸、アラキジン酸メチル、ミリスチン酸、トリコサン酸メチル、ベヘン酸メチル、ヘプタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、若しくはメリシン酸、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0038】
様々な実施形態において、ワックスは、不飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂質は、アラキドン酸、リノレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、又はこれらの任意の組み合わせである。様々な実施形態において、ワックスは、複数の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとし得る。
【0039】
様々な実施形態において、ワックスは、植物由来、動物由来、石油由来、若しくは合成、又はこれらの任意の組み合わせである。
【0040】
様々な実施形態において、ワックスは、パラフィン、大豆ワックス、蜜ろう(主成分はパルミチン酸ミリシルである)、ガルフワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ポリエチレンワックス、微結晶ワックス、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0041】
様々な実施形態において、ワックスは、機械的特性を向上させるために、例えば、以下に限られないが、ステアリン酸、トリステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸ソルビタン、蜜ろう、レシチンなどの添加剤、又は、例えば、以下に限られないが、ダンマルガム、マスティックガム、コーパルガム、セラックなどの樹脂を含有することができる。
【0042】
様々な実施形態において、ワックスは、ピーナッツ油、ヒマワリ油、大豆油、キャノーラ油、オリーブ油、若しくは米ぬか油、又はこれらの任意の組み合わせの中で希釈され得る。
【0043】
様々な実施形態において、ワックスは、それを容器に移し、それらを加熱し、次いでそれらを使用することによって調製されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、オーブン中で高温での射出プロセスにおいて使用するために、より高い温度で溶融され得る。一部の実施形態において、ワックスは室温で処理されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、所望の物理的、機械的、及び/又は化学的特性を得るために別のワックスと組み合わされることができる。一部の例において、2つ以上のワックスが組み合わされ、それらを混合する前に温めるか、又は液化する。
【0044】
様々な実施形態において、ワックスは、約4℃と約40℃との間の温度範囲でキャスティングプロセスを用いて準備されることができる。様々な実施形態において、初期構造ヒドロゲルは、ワックスによるネガ型空間の充填の改善のために、溶媒交換のためにインキュベートされることができる。様々な実施形態において、ヒドロゲルは、アセトン若しくはテトラヒドロフラン又はこれらの任意の組み合わせ中でインキュベートされ得る。様々な実施形態において、初期構造のネガ型空間は親油性薬剤に晒される。様々な実施形態において、親油性薬剤は、アセトン又はテトラヒドロフランとし得る。
【0045】
様々な実施形態において、鋳造構造は、ガリウム、又は、例えば、以下に限られないが、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズなどのガリウム含有材料を含む。様々な実施形態において、鋳造構造は、10μm、5μm、3μm、2μm、1μm、0.8μm、0.6μm、0.5μm、0.4μm、0.3μm、0.2μm、又は0.1μm未満の表面ラフネス(Ra)を持つ。様々な実施形態において、鋳造構造は、他の表面特性を有するフィーチャを含む更なるフィーチャを提供するために冶金技術によって後処理される。様々な実施形態において、鋳造構造が独立した脈管網を含む場合、脈管網は独立して後処理されることができる。様々な実施形態において、1つのネットワークを電極に接続して電気めっき浴に沈めることができ、上に追加の金属を電気めっきすることができる。様々な実施形態において、電気めっきは、方向性を持って適用され、近位よりも遠位において多い。様々な実施形態において、電気めっきは、表面全体にわたって均一に適用される。様々な実施形態において、電気めっきは、鋳造構造と同じ金属であり、あるいは、異なる金属であってもよい。
【0046】
様々な実施形態において、浸漬コーティングを用いて鋳造構造を修飾することができる。様々な実施形態において、浸漬コーティングは順次の材料で実行され得る。様々な実施形態において、浸漬コーティングは溶液中で行われることができ、次いで、それが乾燥され、固化される。様々な実施形態において、浸漬コーティングは溶液中で行われることができ、次いで、それが結晶化される。様々な実施形態において、浸漬コーティングは、層ごと(レイヤ・バイ・レイヤ)にナノメートル厚の高分子電解質ポリマー膜によって行われ得る。様々な実施形態において、浸漬コーティングは、磁性粒子の懸濁液中で行われることができ、磁場が表面変化を配向又は制御することができる。様々な実施形態において、独立した脈管網が帯電され、続いて粉末キャスティングが行われる。様々な実施形態において、プロセスは、最初にラミニンを含み、次いでコラーゲン中での浸漬コーティングが続く。一部の実施形態において、プロセスは、例えば自動車用のパーツの粉末コーティングに使用されるプロセスにおいて必要とされるようなハードベークを含まない。様々な実施形態において、鋳造構造は、交互層有機ポリマー(organic polymer in alternating layers;OPAL)プロセスを用いてコーティングされることができ、各コーティング層は、表面上の1つ以上の方向に沿って、及び/又は鋳造構造の成長方向に沿って、異なる色を生じさせ得る異なる材料を含むことができ、それが表面にわたって一連の色(例えば、虹)を形成し得る。換言すれば、鋳造構造は、表面に沿って及び/又はコーティングの層を通して、コーティングの2D及び/又は3D構成の両方で構造中の制御された混合によってコーティング中に勾配を持つようにコーティングされることができる。
【0047】
様々な実施形態において、ガリウム、又は、例えば、以下に限られないが、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズなどのガリウム含有材料は、電気泳動によって除去されることができる。除去後の残存ガリウム含有量は、元素分析によって割り出されることができる。様々な実施形態において、鋳造構造のコーティング中のガリウム含有量は、コーティングが行われる前よりも少ないとし得る。
【0048】
様々な実施形態において、初期構造はヒドロゲルを含むことができ、ヒドロゲルはアルギネートである。様々な実施形態において、アルギネートは、塩化カルシウムと架橋されることができる。様々な実施形態において、アルギン酸塩は、カルシウムキレート剤と共に溶解され得る。様々な実施形態において、キレート剤は、クエン酸ナトリウム又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)とし得る。
【0049】
様々な実施形態において、初期構造はヒドロゲル成分を含むことができる。様々な実施形態において、注入される材料の物質の状態は、pH又は塩濃度によって変更されることができる。様々な実施形態において、注入される材料は、多価無機カチオン又はアニオンによる材料の形成を伴うことができる。様々な実施形態において、注入される材料は、例えばアルギン酸塩などの多糖とすることができ、アルギン酸塩は、塩化カルシウムからのカルシウム二価カチオンと架橋されることができる。
【0050】
様々な実施形態において、鋳造構造は、カチオン性又はアニオン性のキレート剤の使用を通じて除去されることができる。様々な実施形態において、鋳造構造を溶解するために使用される化学物質はカルシウムキレート剤である。様々な実施形態において、キレート剤は、クエン酸ナトリウム又はEDTAとし得る。様々な実施形態において、注入される材料は、ジスルフィド結合を介した材料の形成を伴うことができる。様々な実施形態において、鋳造構造は還元条件下で除去され得る。様々な実施形態において、注入される材料は、共有結合的に適応可能なネットワークを含むことができる。様々な実施形態において、適応可能な結合は可逆的チオエステルの形成を伴い得る。様々な実施形態において、注入される材料は、熱力学的に可逆的なネットワークを含み得る。様々な実施形態において、熱力学的に可逆的なネットワークは、フランとマレイミドとのカップリングによって形成され得る。様々な実施形態において、熱力学的に可逆的なネットワークは、熱/温度を使用して開始及び逆転され得る。様々な実施形態において、ディールス・アルダー(Diels Alder)付加生成物が60℃で形成され得る。様々な実施形態において、レトロ(retro)ディールス・アルダー生成物が110℃で形成され得る。
【0051】
様々な実施形態において、鋳造構造はアガロースとすることができる。様々な実施形態において、鋳造構造は、生物学的に誘導されたポリマー材料とすることができ、該材料はゼラチンである。様々な実施形態において、ゼラチンは、酵素的又は化学的架橋剤によって架橋されることができる。様々な実施形態において、酵素的架橋剤は微生物トランスグルタミナーゼとし得る。様々な実施形態において、化学的架橋剤はグルタルアルデヒドとし得る。様々な実施形態において、ゼラチン鋳造物は酵素分解によって除去されることができる。様々な実施形態において、酵素はコラゲナーゼとし得る。
【0052】
様々な実施形態によれば、方法S100は、ステップS108にて、キャスティングされた材料から初期構造を除去することを含む。様々な実施形態において、初期構造は、例えば、以下に限られないが、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、加熱を介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによってを含め、幾つものプロセス及び技術を介して除去されることができる。様々な実施形態において、室温又は周囲温度で液体(例えば、液体金属)であるが、より低い温度では固体である金属の溶解又は分解が、グリセロールを含有する溶解又は分解溶液中で初期構造をインキュベートすることによって、例えば0℃(273ケルビン)未満などの低温で実行され得る。様々な実施形態において、例えば37℃に至る温度で液体であるが、室温又はより低い温度で固体である金属の溶解又は分解が、室温又は周囲温度よりも低い温度で実行され得る。
【0053】
様々な実施形態によれば、方法S100は、ステップS110にて、キャスティングされた材料を有する最終構造を得ることを含む。様々な実施形態において、最終構造は、人工組織若しくは臓器、組織モデル、ファントム、又はステントとし得る。様々な実施形態において、最終構造は脈管鋳型とし得る。
【0054】
様々な実施形態によれば、方法S100はオプションで、ステップS112にて、最終構造の表面を改質することを含む。様々な実施形態において、最終構造の表面を改質することは、表面を粗面化又は平滑化することを含むことができる。様々な実施形態において、最終構造の表面を改質することは、以下に限られないが、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を有する材料の層でコーティングすることを有し得る。様々な実施形態において、最終構造の表面を改質することは、表面の一部を選択的に、以下に限られないが、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を有する材料でコーティングすることを有し得る。様々な実施形態において、最終構造の表面を改質することは、電気めっきすること、電気分解を行うこと、磁場中での強磁性流体を用いて表面の表面処理を行うこと、又はこれらの任意の組み合わせのうちのいずれかを有することができる。
【0055】
様々な実施形態において、鋳造構造は、当該鋳造構造の表面上に液滴が形成しないように表面張力を低下させることによって、コーティングのために調製され得る。様々な実施形態において、鋳造構造のコーティング材料は脂質を含有し得る。様々な実施形態において、脂質は、リン脂質、ステロイド、糖脂質、スフィンゴ脂質、若しくは両親媒性物質、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。様々な実施形態において、リン脂質は、双性イオン性リン脂質、又はアニオン性リン脂質、又はPEG化リン脂質、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。様々な実施形態において、脂質はポリ乳酸とし得る。様々な実施形態において、脂質はトリグリセリドとし得る。様々な実施形態において、コーティング材料は、疎水性領域を含むことができ、疎水性含有材料はペプチド又はタンパク質である。様々な実施形態において、該材料は血清であってもよい。様々な実施形態において、疎水性材料は脂質とし得る。様々な実施形態において、コーティングされた構造は細胞接着を可能にする。様々な実施形態において、鋳造構造は、下流の用途において第1の材料の完全な除去を可能にする材料でコーティングされ、該材料はプルロニックである。
【0056】
様々な実施形態によれば、方法S100はオプションで、ステップS114にて、最終構造上に1つ以上のコーティングを形成することを含む。様々な実施形態において、該1つ以上のコーティングは、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を含み得る。
【0057】
様々な実施形態において、上記1つ以上のコーティングは、10nmと1000μmとの間の厚さを持つ。様々な実施形態において、上記1つ以上のコーティングは多層コーティングを含むことができ、該多層コーティングは、少なくとも2回コーティングを形成することによって得られる。様々な実施形態において、最終構造上の多層コーティングは、少なくとも2つの異なるコーティング材料を有する。
【0058】
図2は、様々な実施形態に従った、構造体を作成するための方法S200のフローチャートである。様々な実施形態によれば、方法S200は、ステップS202にて、初期構造を用意することを含む。様々な実施形態において、初期構造は、プリントされることができ、また、1つ以上のフィーチャを持つことができる。様々な実施形態において、1つ以上のフィーチャは、ポジ型又はネガ型のフィーチャであることができる。様々な実施形態によれば、ポジ型フィーチャは、構造体を構成する材料によって占有される空間を指す。様々な実施形態によれば、ネガ型フィーチャは、構造体を構成する材料が存在しない空間、例えば、構造体内の空き空間又は空所ボリュームを指す。様々な実施形態によれば、1つ以上のネガ型フィーチャは、構造体の1つ以上の空所ボリュームを指す。
【0059】
様々な実施形態において、初期構造は、ヒドロゲル母型から成る3Dヒドロゲル構造である。様々な実施形態において、初期構造は、ワックス、プラスチック、又はポリビニルアルコール、250-35000Daを持つPEGDA、PEG-ノルボルネン、PEG-MMP、ゼラチンメタクリレート、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。様々な実施形態において、1つ以上のフィーチャは、加法製造又は減法製造によって生成された脈管トポロジを有する。様々な実施形態において、初期構造は、3Dプリンタを介してプリントされることができる。様々な実施形態において、初期構造は、組織内又は器官内の脈管トポロジを含むことができる。
【0060】
様々な実施形態において、初期構造がプリントされた後に、初期構造に対して後処理が実行され得る。様々な実施形態において、後処理は、とりわけ、初期構造を溶媒中で洗浄すること、初期構造を溶媒中で平衡化すること、又は初期構造をライトボックス中で架橋することを含むことができる。
【0061】
様々な実施形態によれば、方法S200は、ステップS204にて、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングすることを含む。様々な実施形態において、第1の材料(例えば、キャスティングされる材料)は、以下に限られないが、熱可逆性材料、ガリウムを含む金属若しくは液体金属、フィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、炭水化物ガラス、プルロニック、低分子量PEG、PCL(ポリカプロラクトン)、ゼラチン、ワックス、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0062】
様々な実施形態において、初期構造又は第1の/キャスティングされる材料のためのワックスは、多様なクラスの有機化合物からのワックスとすることができる。一部の実施形態において、ワックスは、周囲温度付近で親油性及び/又は展性の固体であり得る。様々な実施形態において、ワックスは、約40℃(104°F)を超える融点を有し、融解して低粘度の液体を与える、高級アルカン及び脂質を含むことができる。様々な実施形態において、ワックスは、水に不溶性であるが、有機非極性溶媒に可溶性であることができる。
【0063】
様々な実施形態において、ワックスはアルカン炭化水素とすることができ、アルカン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH3、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルカン炭化水素は、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、テトラコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、ヘキサトリアコンタン、テトラコンタン、テトラテトラコンタン、又はペンタコンタンとし得る。様々な実施形態において、ワックスはアルケン炭化水素とすることができ、アルケン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH=CH2、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルケン炭化水素は1-オクタデセンとし得る。
【0064】
様々な実施形態において、ワックスは不飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができ、飽和炭化水素は、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、ミリシルアルコール、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0065】
様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂肪酸は、式CH3(CH2)nCOOH、ただし、n=4~30を持つ。様々な実施形態において、脂質は、ヘキサン酸、ノナン酸、オクタン酸、デカン酸、ノナデカン酸メチル、ラウリン酸、アラキジン酸メチル、ミリスチン酸、トリコサン酸メチル、ベヘン酸メチル、ヘプタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、若しくはメリシン酸、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0066】
様々な実施形態において、ワックスは、不飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂質は、アラキドン酸、リノレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、又はこれらの任意の組み合わせである。様々な実施形態において、ワックスは、複数の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとし得る。
【0067】
様々な実施形態において、ワックスは、植物由来、動物由来、石油由来、若しくは合成、又はこれらの任意の組み合わせである。
【0068】
様々な実施形態において、ワックスは、パラフィン、大豆ワックス、蜜ろう(主成分はパルミチン酸ミリシルである)、ガルフワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ポリエチレンワックス、微結晶ワックス、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0069】
様々な実施形態において、ワックスは、機械的特性を向上させるために、例えば、以下に限られないが、ステアリン酸、トリステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸ソルビタン、蜜ろう、レシチンなどの添加剤、又は、例えば、以下に限られないが、ダンマルガム、マスティックガム、コーパルガム、セラックなどの樹脂を含有することができる。
【0070】
様々な実施形態において、ワックスは、ピーナッツ油、ヒマワリ油、大豆油、キャノーラ油、オリーブ油、若しくは米ぬか油、又はこれらの任意の組み合わせの中で希釈され得る。
【0071】
様々な実施形態において、ワックスは、それを容器に移し、それらを加熱し、次いでそれらを使用することによって調製されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、オーブン中で高温での射出プロセスにおいて使用するために、より高い温度で溶融され得る。一部の実施形態において、ワックスは室温で処理されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、所望の物理的、機械的、及び/又は化学的特性を得るために別のワックスと組み合わされることができる。一部の例において、2つ以上のワックスが組み合わされ、それらを混合する前に温めるか、又は液化する。
【0072】
様々な実施形態において、ワックスは、約4℃と約40℃との間の温度範囲でキャスティングプロセスを用いて準備されることができる。様々な実施形態において、初期構造ヒドロゲルは、ワックスによるネガ型空間の充填の改善のために、溶媒交換のためにインキュベートされることができる。様々な実施形態において、ヒドロゲルは、アセトン若しくはテトラヒドロフラン又はこれらの任意の組み合わせ中でインキュベートされ得る。様々な実施形態において、初期構造のネガ型空間は親油性薬剤に晒される。様々な実施形態において、親油性薬剤は、アセトン又はテトラヒドロフランとし得る。
【0073】
様々な実施形態において、鋳造構造は、ガリウム、又は、例えば、以下に限られないが、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズなどのガリウム含有材料を含む。様々な実施形態において、鋳造構造は、10μm、5μm、3μm、2μm、1μm、0.8μm、0.6μm、0.5μm、0.4μm、0.3μm、0.2μm、又は0.1μm未満の表面ラフネス(Ra)を持つ。様々な実施形態において、鋳造構造は、他の表面特性を有するフィーチャを含む更なるフィーチャを提供するために冶金技術によって後処理される。様々な実施形態において、鋳造構造が独立した脈管網を含む場合、脈管網は独立して後処理されることができる。様々な実施形態において、1つのネットワークを電極に接続して電気めっき浴に沈めることができ、上に追加の金属を電気めっきすることができる。様々な実施形態において、電気めっきは、方向性を持って適用され、近位よりも遠位において多い。様々な実施形態において、電気めっきは、表面全体にわたって均一に適用される。様々な実施形態において、電気めっきは、鋳造構造と同じ金属であり、あるいは、異なる金属であってもよい。
【0074】
様々な実施形態において、浸漬コーティングを用いて鋳造構造を修飾することができる。様々な実施形態において、浸漬コーティングは順次の材料で実行され得る。様々な実施形態において、浸漬コーティングは溶液中で行われることができ、次いで、それが乾燥され、固化される。様々な実施形態において、浸漬コーティングは溶液中で行われることができ、次いで、それが結晶化される。様々な実施形態において、浸漬コーティングは、層ごと(レイヤ・バイ・レイヤ)にナノメートル厚の高分子電解質ポリマー膜によって行われ得る。様々な実施形態において、浸漬コーティングは、磁性粒子の懸濁液中で行われることができ、磁場が表面変化を配向又は制御することができる。様々な実施形態において、独立した脈管網が帯電され、続いて粉末キャスティングが行われる。様々な実施形態において、プロセスは、最初にラミニンを含み、次いでコラーゲン中での浸漬コーティングが続く。一部の実施形態において、プロセスは、例えば自動車用のパーツの粉末コーティングに使用されるプロセスにおいて必要とされるようなハードベークを含まない。様々な実施形態において、鋳造構造は、交互層有機ポリマー(organic polymer in alternating layers;OPAL)プロセスを用いてコーティングされることができ、各コーティング層は、表面上の1つ以上の方向に沿って、及び/又は鋳造構造の成長方向に沿って、異なる色を生じさせ得る異なる材料を含むことができ、それが表面にわたって一連の色(例えば、虹)を形成し得る。換言すれば、鋳造構造は、表面に沿って及び/又はコーティングの層を通して、コーティングの2D及び/又は3D構成の両方で構造中の制御された混合によってコーティング中に勾配を持つようにコーティングされることができる。
【0075】
様々な実施形態において、ガリウム、又は、例えば、以下に限られないが、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズなどのガリウム含有材料は、電気泳動によって除去されることができる。除去後の残存ガリウム含有量は、元素分析によって割り出されることができる。様々な実施形態において、鋳造構造のコーティング中のガリウム含有量は、コーティングが行われる前よりも少ないとし得る。
【0076】
様々な実施形態において、初期構造はヒドロゲルを含むことができ、ヒドロゲルはアルギネートである。様々な実施形態において、アルギネートは、塩化カルシウムと架橋されることができる。様々な実施形態において、アルギン酸塩は、カルシウムキレート剤と共に溶解され得る。様々な実施形態において、キレート剤は、クエン酸ナトリウム又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)とし得る。
【0077】
様々な実施形態において、初期構造はヒドロゲル成分を含むことができる。様々な実施形態において、注入される材料の物質の状態は、pH又は塩濃度によって変更されることができる。様々な実施形態において、注入される材料は、多価無機カチオン又はアニオンによる材料の形成を伴うことができる。様々な実施形態において、注入される材料は、例えばアルギン酸塩などの多糖とすることができ、アルギン酸塩は、塩化カルシウムからのカルシウム二価カチオンと架橋されることができる。
【0078】
様々な実施形態において、鋳造構造は、カチオン性又はアニオン性のキレート剤の使用を通じて除去されることができる。様々な実施形態において、第1の材料を溶解するために使用される化学物質はカルシウムキレート剤である。様々な実施形態において、キレート剤は、クエン酸ナトリウム又はEDTAとし得る。様々な実施形態において、注入される材料は、ジスルフィド結合を介した材料の形成を伴うことができる。様々な実施形態において、鋳造構造は還元条件下で除去され得る。様々な実施形態において、注入される材料は、共有結合的に適応可能なネットワークを含むことができる。様々な実施形態において、適応可能な結合は可逆的チオエステルの形成を伴い得る。様々な実施形態において、注入される材料は、熱力学的に可逆的なネットワークを含み得る。様々な実施形態において、熱力学的に可逆的なネットワークは、フランとマレイミドとのカップリングによって形成され得る。様々な実施形態において、熱力学的に可逆的なネットワークは、熱/温度を使用して開始及び逆転され得る。様々な実施形態において、ディールス・アルダー付加生成物が60℃で形成され得る。様々な実施形態において、レトロディールス・アルダー生成物が110℃で形成され得る。
【0079】
様々な実施形態において、第1の材料はアガロースとすることができる。様々な実施形態において、第1の材料は、生物学的に誘導されたポリマー材料とすることができ、該材料はゼラチンである。様々な実施形態において、ゼラチンは、酵素的又は化学的架橋剤によって架橋されることができる。様々な実施形態において、酵素的架橋剤は微生物トランスグルタミナーゼとし得る。様々な実施形態において、化学的架橋剤はグルタルアルデヒドとし得る。様々な実施形態において、ゼラチン鋳造物は酵素分解によって除去されることができる。様々な実施形態において、酵素はコラゲナーゼとし得る。
【0080】
様々な実施形態において、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングすることは、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料を第1の温度で充填し、第1の材料を第2の温度で固化させることを含み、第1の温度での第1の材料と第2の温度での第1の材料とは異なる物理的状態を持つ。様々な実施形態によれば、ガリウム及び他の液体金属などの第1の材料についての第1の温度は、約65℃から約4℃の範囲であり、PCLなどの第1の材料についての第1の温度は、約65℃から約35℃の範囲である。様々な実施形態において、ガリウム及び他の液体金属並びにPCLなどの第1の材料についての第2の温度は、室温から約4℃の範囲である。一部の実施形態において、キャスティングされる材料の充填/固化は、温度に敏感ではなく、約37℃と約4℃との間で行われることができる。
【0081】
様々な実施形態において、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングすることは、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料を第1の温度で注入し、第1の材料を過冷却し、第1の材料を第2の温度で結晶化させることを有する。様々な実施形態において、第1の材料(例えば、キャスティングされる材料)は、過冷却材料とすることができる。例えば、室温では固体であるが30℃を超える温度では液体であるガリウムは、それを液化するために37℃の温度でインキュベートされ、次いで、それを過冷却するために4℃以下でインキュベートされることができ、そして、過冷却されたガリウムを室温(例えば、21℃)で初期構造内にキャスティングすることができる。様々な実施形態において、ガリウムの固体片が過冷却ガリウムに物理的に接続されて、過冷却ガリウムの結晶化をもたらして、室温でそれを固化させる。様々な実施形態において、初期構造内に室温で注入された過冷却ガリウムは、37℃に温められ、次いで、室温に置かれて固化されることができる。
【0082】
様々な実施形態によれば、方法S200は、ステップS206にて、第1の材料から初期構造を除去することを含む。様々な実施形態において、初期構造は、例えば、以下に限られないが、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、加熱を介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによってを含め、幾つものプロセス及び技術を介して除去されることができる。様々な実施形態において、室温又は周囲温度で液体(例えば、液体金属)であるが、より低い温度では固体である金属の溶解又は分解が、グリセロールを含有する溶解又は分解溶液中で初期構造をインキュベートすることによって、例えば0℃(273ケルビン)未満などの低温で実行され得る。
【0083】
様々な実施形態によれば、方法S200は、ステップS208にて、第1の材料(例えば、キャスティングされた材料)を有する鋳造構造を得ることを含む。様々な実施形態において、鋳造構造は、初期構造のネガ型の又は反転された型を有する。
【0084】
様々な実施形態によれば、方法S200は、ステップS210にて、鋳造構造を用いて第2の材料をキャスティングすることを含む。様々な実施形態において、第2の材料は、以下に限られないが、絹を含む生体材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、合成ペプチド、ヒアルロン酸、アルギン酸塩を含むポリマー、ポリウレタン、ポリカプロラクトン(PCL)、エラストマー、コラーゲンメタクリレート、コラーゲンメタクリルアミド、ゼラチンメタクリレート、ゼラチンメタクリルアミド、絹メタクリレート、絹メタクリルアミド、ヒアルロン酸メタクリレート、ヒアルロン酸メタクリルアミド、プルロニックジアクリレート、プルロニックメタクリルアミド、コンドロイチン硫酸メタクリレート、コンドロイチン硫酸メタクリルアミド、エラスチンメタクリレート、エラスチンメタクリルアミド、セルロースアクリレート、セルロースメタクリルアミド、デキストランメタクリレート、デキストランメタクリルアミド、ヘパリンメタクリレート、ヘパリンメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、キトサンメタクリレート、キトサンメタクリルアミド、ポリエチレングリコールノルボルネン、ポリエチレングリコールジチオール、チオール化ゼラチン、チオール化キトサン、チオール化ヒアルロン酸、チオール化絹、PEGベースのペプチド複合体、任意の組織/器官の脱細胞化ECM、ワックス、プラスチック、ガリウム若しくはインジウムを含む金属、又はフィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0085】
様々な実施形態によれば、方法S200は、ステップS212にて、第2の材料から鋳造構造を除去することを含む。様々な実施形態において、鋳造構造は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下(例えば、還元条件下(ジスルフィド結合の場合))での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、鋳造構造を加熱して第1の材料を液化すること、若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される。様々な実施形態において、室温又は周囲温度で液体(例えば、液体金属)であるが、より低い温度では固体である金属の溶解又は分解が、グリセロールを含有する溶解又は分解溶液中で初期構造をインキュベートすることによって、例えば0℃(273ケルビン)未満などの低温で実行され得る。様々な実施形態において、鋳造構造は冷却によって除去されることができる。様々な実施形態において、例えば、キャスティングされる材料としてアルギン酸塩が使用される場合、鋳造構造は、pHを調整することによって除去されることができ;第1の材料としてPEGDAが使用される場合(例えば、初期構造がGelMAから成り、PEGDAが空所にキャスティングされる第1の材料であり、初期構造が酵素分解され、次いで、キャスティング用の第2の材料としてプラスチックが使用され、最後に、第1の材料PEGDAが水酸化ナトリウムで分解される)。様々な実施形態において、ゼラチン/GelMA材料が第1の材料として使用される場合、鋳造構造は酵素(トリプシン、コラゲナーゼなど)によって除去されることができる(例えば、初期構造がPEGDAから成り、ゼラチン/GelMAが空所にキャスティングされる第1の材料であり、初期構造が加水分解溶解又は加水分解によって除去され、キャスティングする第2の材料としてPEG-ノルボルネンが使用され、最後に第1の材料が酵素溶解又は酵素分解によって除去される)。
【0086】
様々な実施形態によれば、方法S200は、ステップS214にて、第2の材料を有する最終構造を得ることを含む。様々な実施形態において、最終構造は、人工組織又は臓器とし得る。
【0087】
様々な実施形態によれば、方法S200はオプションで、ステップS210で第2の材料をキャスティングすることに先立って、ステップS216にて、鋳造構造の表面を改質することを含む。様々な実施形態において、鋳造構造の表面を改質することは更に、表面を粗面化若しくは平滑化すること、コラーゲンの層でコーティングすること、表面の一部をコラーゲンでコーティングすること、電気めっきすること、電気分解を行うこと、磁場中での強磁性流体を用いて表面の表面処理を行うこと、又はこれらの任意の組み合わせを有する。
【0088】
様々な実施形態において、鋳造構造は、当該鋳造構造の表面上に液滴が形成しないように表面張力を低下させることによって、コーティングのために調製され得る。様々な実施形態において、鋳造構造のコーティング材料は脂質を含有し得る。様々な実施形態において、脂質は、リン脂質、ステロイド、糖脂質、スフィンゴ脂質、若しくは両親媒性物質、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。様々な実施形態において、リン脂質は、双性イオン性リン脂質、又はアニオン性リン脂質、又はPEG化リン脂質、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。様々な実施形態において、脂質はポリ乳酸とし得る。様々な実施形態において、脂質はトリグリセリドとし得る。様々な実施形態において、コーティング材料は、疎水性領域を含むことができ、疎水性含有材料はペプチド又はタンパク質である。様々な実施形態において、該材料は血清であってもよい。様々な実施形態において、疎水性材料は脂質とし得る。様々な実施形態において、コーティングされた構造は細胞接着を可能にする。様々な実施形態において、鋳造構造は、下流の用途において第1の材料の完全な除去を可能にする材料でコーティングされ、該材料はプルロニックである。
【0089】
様々な実施形態によれば、方法S200はオプションで、ステップS210で第2の材料をキャスティングすることに先立って、ステップS218にて、鋳造構造上に1つ以上のコーティングを形成することを含む。様々な実施形態において、該1つ以上のコーティングは、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を含み得る。
【0090】
様々な実施形態において、上記1つ以上のコーティングは、10nmと1000μmとの間の厚さを持つ。様々な実施形態において、上記1つ以上のコーティングは多層コーティングを含むことができ、該多層コーティングは、少なくとも2回コーティングを形成することによって得られる。様々な実施形態において、最終構造上の多層コーティングは、少なくとも2つの異なるコーティング材料を有する。
【0091】
図3は、様々な実施形態に従った、構造体を作成するための方法S300のフローチャートである。様々な実施形態によれば、方法S300は、ステップS302にて、初期構造を用意することを含む。様々な実施形態において、初期構造は、プリントされることができ、また、1つ以上のフィーチャを持つことができる。様々な実施形態において、1つ以上のフィーチャは、ポジ型又はネガ型のフィーチャであることができる。様々な実施形態によれば、ポジ型フィーチャは、構造体を構成する材料によって占有される空間を指す。様々な実施形態によれば、ネガ型フィーチャは、構造体を構成する材料が存在しない空間、例えば、構造体内の空き空間又は空所ボリュームを指す。様々な実施形態によれば、1つ以上のネガ型フィーチャは、構造体の1つ以上の空所ボリュームを指す。
【0092】
様々な実施形態において、初期構造は、ヒドロゲル母型から成る3Dヒドロゲル構造である。様々な実施形態において、初期構造は、ワックス、プラスチック、又はポリビニルアルコール、250-35000Daを持つPEGDA、PEG-ノルボルネン、PEG-MMP、ゼラチンメタクリレート、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。様々な実施形態において、1つ以上のフィーチャは、加法製造又は減法製造によって生成された脈管トポロジを有する。様々な実施形態において、初期構造は、3Dプリンタを介してプリントされることができる。様々な実施形態において、初期構造は、組織内又は器官内の脈管トポロジを含むことができる。
【0093】
様々な実施形態において、初期構造がプリントされた後に、初期構造に対して後処理が実行され得る。様々な実施形態において、後処理は、とりわけ、初期構造を溶媒中で洗浄すること、初期構造を溶媒中で平衡化すること、又は初期構造をライトボックス中で架橋することを含むことができる。
【0094】
様々な実施形態によれば、方法S300は、ステップS304にて、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングすることを含む。様々な実施形態において、第1の材料(例えば、キャスティングされる材料)は、以下に限られないが、熱可逆性材料、ガリウムを含む金属若しくは液体金属、フィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、炭水化物ガラス、プルロニック、低分子量PEG、PCL、ゼラチン、ワックス、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0095】
様々な実施形態において、初期構造又は第1の/キャスティングされる材料のためのワックスは、多様なクラスの有機化合物からのワックスとすることができる。一部の実施形態において、ワックスは、周囲温度付近で親油性及び/又は展性の固体であり得る。様々な実施形態において、ワックスは、約40℃(104°F)を超える融点を有し、融解して低粘度の液体を与える、高級アルカン及び脂質を含むことができる。様々な実施形態において、ワックスは、水に不溶性であるが、有機非極性溶媒に可溶性であることができる。
【0096】
様々な実施形態において、ワックスはアルカン炭化水素とすることができ、アルカン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH3、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルカン炭化水素は、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、テトラコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、ヘキサトリアコンタン、テトラコンタン、テトラテトラコンタン、又はペンタコンタンとし得る。様々な実施形態において、ワックスはアルケン炭化水素とすることができ、アルケン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH=CH2、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルケン炭化水素は1-オクタデセンとし得る。
【0097】
様々な実施形態において、ワックスは不飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができ、飽和炭化水素は、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、ミリシルアルコール、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0098】
様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂肪酸は、式CH3(CH2)nCOOH、ただし、n=4~30を持つ。様々な実施形態において、脂質は、ヘキサン酸、ノナン酸、オクタン酸、デカン酸、ノナデカン酸メチル、ラウリン酸、アラキジン酸メチル、ミリスチン酸、トリコサン酸メチル、ベヘン酸メチル、ヘプタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、若しくはメリシン酸、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0099】
様々な実施形態において、ワックスは、不飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂質は、アラキドン酸、リノレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、又はこれらの任意の組み合わせである。様々な実施形態において、ワックスは、複数の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとし得る。
【0100】
様々な実施形態において、ワックスは、植物由来、動物由来、石油由来、若しくは合成、又はこれらの任意の組み合わせである。
【0101】
様々な実施形態において、ワックスは、パラフィン、大豆ワックス、蜜ろう(主成分はパルミチン酸ミリシルである)、ガルフワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ポリエチレンワックス、微結晶ワックス、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0102】
様々な実施形態において、ワックスは、機械的特性を向上させるために、例えば、以下に限られないが、ステアリン酸、トリステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸ソルビタン、蜜ろう、レシチンなどの添加剤、又は、例えば、以下に限られないが、ダンマルガム、マスティックガム、コーパルガム、セラックなどの樹脂を含有することができる。
【0103】
様々な実施形態において、ワックスは、ピーナッツ油、ヒマワリ油、大豆油、キャノーラ油、オリーブ油、若しくは米ぬか油、又はこれらの任意の組み合わせの中で希釈され得る。
【0104】
様々な実施形態において、ワックスは、それを容器に移し、それらを加熱し、次いでそれらを使用することによって調製されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、オーブン中で高温での射出プロセスにおいて使用するために、より高い温度で溶融され得る。一部の実施形態において、ワックスは室温で処理されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、所望の物理的、機械的、及び/又は化学的特性を得るために別のワックスと組み合わされることができる。一部の例において、2つ以上のワックスが組み合わされ、それらを混合する前に温めるか、又は液化する。
【0105】
様々な実施形態において、ワックスは、約4℃と約40℃との間の温度範囲でキャスティングプロセスを用いて準備されることができる。様々な実施形態において、初期構造ヒドロゲルは、ワックスによるネガ型空間の充填の改善のために、溶媒交換のためにインキュベートされることができる。様々な実施形態において、ヒドロゲルは、アセトン若しくはテトラヒドロフラン又はこれらの任意の組み合わせ中でインキュベートされ得る。様々な実施形態において、初期構造のネガ型空間は親油性薬剤に晒される。様々な実施形態において、親油性薬剤は、アセトン又はテトラヒドロフランとし得る。
【0106】
様々な実施形態において、鋳造構造は、ガリウム、又は、例えば、以下に限られないが、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズなどのガリウム含有材料を含む。様々な実施形態において、鋳造構造は、10μm、5μm、3μm、2μm、1μm、0.8μm、0.6μm、0.5μm、0.4μm、0.3μm、0.2μm、又は0.1μm未満の表面ラフネス(Ra)を持つ。様々な実施形態において、鋳造構造は、他の表面特性を有するフィーチャを含む更なるフィーチャを提供するために冶金技術によって後処理される。様々な実施形態において、鋳造構造が独立した脈管網を含む場合、脈管網は独立して後処理されることができる。様々な実施形態において、1つのネットワークを電極に接続して電気めっき浴に沈めることができ、上に追加の金属を電気めっきすることができる。様々な実施形態において、電気めっきは、方向性を持って適用され、近位よりも遠位において多い。様々な実施形態において、電気めっきは、表面全体にわたって均一に適用される。様々な実施形態において、電気めっきは、鋳造構造と同じ金属であり、あるいは、異なる金属であってもよい。
【0107】
様々な実施形態において、浸漬コーティングを用いて鋳造構造を修飾することができる。様々な実施形態において、浸漬コーティングは順次の材料で実行され得る。様々な実施形態において、浸漬コーティングは溶液中で行われることができ、次いで、それが乾燥され、固化される。様々な実施形態において、浸漬コーティングは溶液中で行われることができ、次いで、それが結晶化される。様々な実施形態において、浸漬コーティングは、層ごと(レイヤ・バイ・レイヤ)にナノメートル厚の高分子電解質ポリマー膜によって行われ得る。様々な実施形態において、浸漬コーティングは、磁性粒子の懸濁液中で行われることができ、磁場が表面変化を配向又は制御することができる。様々な実施形態において、独立した脈管網が帯電され、続いて粉末キャスティングが行われる。様々な実施形態において、プロセスは、最初にラミニンを含み、次いでコラーゲン中での浸漬コーティングが続く。一部の実施形態において、プロセスは、例えば自動車用のパーツの粉末コーティングに使用されるプロセスにおいて必要とされるようなハードベークを含まない。様々な実施形態において、鋳造構造は、交互層有機ポリマー(organic polymer in alternating layers;OPAL)プロセスを用いてコーティングされることができ、各コーティング層は、表面上の1つ以上の方向に沿って、及び/又は鋳造構造の成長方向に沿って、異なる色を生じさせ得る異なる材料を含むことができ、それが表面にわたって一連の色(例えば、虹)を形成し得る。換言すれば、鋳造構造は、表面に沿って及び/又はコーティングの層を通して、コーティングの2D及び/又は3D構成の両方で構造中の制御された混合によってコーティング中に勾配を持つようにコーティングされることができる。
【0108】
様々な実施形態において、ガリウム、又は、例えば、以下に限られないが、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズなどのガリウム含有材料は、電気泳動によって除去されることができる。除去後の残存ガリウム含有量は、元素分析によって割り出されることができる。様々な実施形態において、鋳造構造のコーティング中のガリウム含有量は、コーティングが行われる前よりも少ないとし得る。
【0109】
様々な実施形態において、初期構造はヒドロゲルを含むことができ、ヒドロゲルはアルギネートである。様々な実施形態において、アルギネートは、塩化カルシウムと架橋されることができる。様々な実施形態において、アルギン酸塩は、カルシウムキレート剤と共に溶解され得る。様々な実施形態において、キレート剤は、クエン酸ナトリウム又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)とし得る。
【0110】
様々な実施形態において、初期構造はヒドロゲル成分を含むことができる。様々な実施形態において、注入される材料の物質の状態は、pH又は塩濃度によって変更されることができる。様々な実施形態において、注入される材料は、多価無機カチオン又はアニオンによる材料の形成を伴うことができる。様々な実施形態において、注入される材料は、例えばアルギン酸塩などの多糖とすることができ、アルギン酸塩は、塩化カルシウムからのカルシウム二価カチオンと架橋されることができる。
【0111】
様々な実施形態において、鋳造構造は、カチオン性又はアニオン性のキレート剤の使用を通じて除去されることができる。様々な実施形態において、第1の材料を溶解するために使用される化学物質はカルシウムキレート剤である。様々な実施形態において、キレート剤は、クエン酸ナトリウム又はEDTAとし得る。様々な実施形態において、注入される材料は、ジスルフィド結合を介した材料の形成を伴うことができる。様々な実施形態において、鋳造構造は還元条件下で除去され得る。様々な実施形態において、注入される材料は、共有結合的に適応可能なネットワークを含むことができる。様々な実施形態において、適応可能な結合は可逆的チオエステルの形成を伴い得る。様々な実施形態において、注入される材料は、熱力学的に可逆的なネットワークを含み得る。様々な実施形態において、熱力学的に可逆的なネットワークは、フランとマレイミドとのカップリングによって形成され得る。様々な実施形態において、熱力学的に可逆的なネットワークは、熱/温度を使用して開始及び逆転され得る。様々な実施形態において、ディールス・アルダー付加生成物が60℃で形成され得る。様々な実施形態において、レトロディールス・アルダー生成物が110℃で形成され得る。
【0112】
様々な実施形態において、第1の材料はアガロースとすることができる。様々な実施形態において、第1の材料は、生物学的に誘導されたポリマー材料とすることができ、該材料はゼラチンである。様々な実施形態において、ゼラチンは、酵素的又は化学的架橋剤によって架橋されることができる。様々な実施形態において、酵素的架橋剤は微生物トランスグルタミナーゼとし得る。様々な実施形態において、化学的架橋剤はグルタルアルデヒドとし得る。様々な実施形態において、ゼラチン鋳造物は酵素分解によって除去されることができる。様々な実施形態において、酵素はコラゲナーゼとし得る。
【0113】
様々な実施形態において、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングすることは、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料を第1の温度で充填し、第1の材料を第2の温度で固化させることを含み、第1の温度での第1の材料と第2の温度での第1の材料とは異なる物理的状態を持つ。様々な実施形態によれば、ガリウム及び他の液体金属などの第1の材料についての第1の温度は、約65℃から約4℃の範囲であり、PCLなどの第1の材料についての第1の温度は、約65℃から約35℃の範囲である。様々な実施形態において、ガリウム及び他の液体金属並びにPCLなどの第1の材料についての第2の温度は、室温から約4℃の範囲である。一部の実施形態において、キャスティングされる材料の充填/固化は、温度に敏感ではなく、約37℃と約4℃との間で行われることができる。
【0114】
様々な実施形態によれば、方法S300は、ステップS306にて、第1の材料から初期構造を除去することを含む。様々な実施形態において、初期構造は、例えば、以下に限られないが、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、加熱を介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによってを含め、幾つものプロセス及び技術を介して除去されることができる。様々な実施形態において、室温又は周囲温度で液体(例えば、液体金属)であるが、より低い温度では固体である金属の溶解又は分解が、グリセロールを含有する溶解又は分解溶液中で初期構造をインキュベートすることによって、例えば0℃(273ケルビン)未満などの低温で実行され得る。様々な実施形態において、鋳造構造は冷却によって除去されることができる。様々な実施形態において、例えば、キャスティングされる材料としてアルギン酸塩が使用される場合、鋳造構造は、pHを調整することによって除去されることができ;第1の材料としてPEGDAが使用される場合(GelMAゲル、PEGDAボイドキャスティング、酵素溶解又は分解、プラスチックキャスティング、水酸化ナトリウム溶解又は分解)。様々な実施形態において、ゼラチン/GelMA材料がキャスティングされる材料として使用される場合、鋳造構造は酵素(トリプシン、コラゲナーゼなど)によって除去されることができる(PEGDAゲル、GelMAボイドキャスティング、加水分解溶解又は分解、PEG-ノルボルネンキャスティング、コラゲナーゼ溶解又は分解)。
【0115】
様々な実施形態によれば、方法S300は、ステップS308にて、第1の材料を有する鋳造構造を得ることを含む。様々な実施形態において、鋳造構造は、初期構造の反転された型を有する。
【0116】
様々な実施形態によれば、方法S300は、ステップS310にて、鋳造構造上に第2の材料をコーティングすることを含む。様々な実施形態において、第2の材料は、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を含み得る。
【0117】
様々な実施形態において、第2の材料は、浸漬コーティング、スプレーコーティング、粉末コーティング、蒸着、電気めっきによって、あるいは、酸化及び/又は還元反応によって、あるいは、これらの組み合わせによってコーティングされる。様々な実施形態において、第2の材料は、10nmと1000μmとの間の厚さにコーティングされる。様々な実施形態において、上記1つ以上のコーティングは多層コーティングを含むことができ、該多層コーティングは、少なくとも2回コーティングを形成することによって得られる。様々な実施形態において、最終構造上の多層コーティングは、少なくとも2つの異なるコーティング材料を有する。
【0118】
様々な実施形態によれば、方法S300は、ステップS312にて、コーティングされた第2の材料から鋳造構造(例えば、キャスティングされた材料)を除去することを含む。様々な実施形態において、第1の材料は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、鋳造構造を加熱して第1の材料を液化すること、若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される。様々な実施形態において、室温又は周囲温度で液体(例えば、液体金属)であるが、より低い温度では固体である金属の溶解又は分解が、グリセロールを含有する溶解又は分解溶液中で初期構造をインキュベートすることによって、例えば0℃(273ケルビン)未満などの低温で実行され得る。
【0119】
様々な実施形態によれば、方法S300は、ステップS314にて、コーティングされた第2の材料を有する最終構造を得ることを含む。様々な実施形態において、最終構造は、人工組織又は臓器とし得る。
【0120】
様々な実施形態によれば、方法S300はオプションで、ステップS316にて、ステップS310に先立って鋳造構造の表面を改質すること、又はステップS312に先立ってコーティングされた第2の材料の表面を改質することを含む。様々な実施形態において、鋳造構造の表面を改質することは更に、表面を粗面化若しくは平滑化すること、コラーゲンの層でコーティングすること、表面の一部をコラーゲンでコーティングすること、電気めっきすること、電気分解を行うこと、磁場中での強磁性流体を用いて表面の表面処理を行うこと、又はこれらの任意の組み合わせを有する。
【0121】
様々な実施形態において、鋳造構造は、当該鋳造構造の表面上に液滴が形成しないように表面張力を低下させることによって、コーティングのために調製され得る。様々な実施形態において、鋳造構造のコーティング材料は脂質を含有し得る。様々な実施形態において、脂質は、リン脂質、ステロイド、糖脂質、スフィンゴ脂質、若しくは両親媒性物質、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。様々な実施形態において、リン脂質は、双性イオン性リン脂質、又はアニオン性リン脂質、又はPEG化リン脂質、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。様々な実施形態において、脂質はポリ乳酸とし得る。様々な実施形態において、脂質はトリグリセリドとし得る。様々な実施形態において、コーティング材料は、疎水性領域を含むことができ、疎水性含有材料はペプチド又はタンパク質である。様々な実施形態において、該材料は血清であってもよい。様々な実施形態において、疎水性材料は脂質とし得る。様々な実施形態において、コーティングされた構造は細胞接着を可能にする。様々な実施形態において、鋳造構造は、下流の用途において第1の材料の完全な除去を可能にする材料でコーティングされ、該材料はプルロニックである。
【0122】
図4は、様々な実施形態に従った、構造体を作成するための方法S400のフローチャートである。様々な実施形態によれば、方法S400は、ステップS402にて、初期構造を用意することを含む。様々な実施形態において、初期構造は、プリントされることができ、また、1つ以上のフィーチャを持つことができる。様々な実施形態において、1つ以上のフィーチャは、ポジ型又はネガ型のフィーチャであることができる。様々な実施形態によれば、ポジ型フィーチャは、構造体を構成する材料によって占有される空間を指す。様々な実施形態によれば、ネガ型フィーチャは、構造体を構成する材料が存在しない空間、例えば、構造体内の空き空間又は空所ボリュームを指す。様々な実施形態によれば、1つ以上のネガ型フィーチャは、構造体の1つ以上の空所ボリュームを指す。
【0123】
様々な実施形態において、初期構造は、ヒドロゲル母型から成る3Dヒドロゲル構造である。様々な実施形態において、初期構造は、ワックス、プラスチック、又はポリビニルアルコール、250-35000Daを持つPEGDA、PEG-ノルボルネン、PEG-MMP、ゼラチンメタクリレート、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。様々な実施形態において、1つ以上のフィーチャは、加法製造又は減法製造によって生成された脈管トポロジを有する。様々な実施形態において、初期構造は、3Dプリンタを介してプリントされることができる。様々な実施形態において、初期構造は、組織内又は器官内の脈管トポロジを含むことができる。
【0124】
様々な実施形態において、初期構造がプリントされた後に、初期構造に対して後処理が実行され得る。様々な実施形態において、後処理は、とりわけ、初期構造を溶媒中で洗浄すること、初期構造を溶媒中で平衡化すること、又は初期構造をライトボックス中で架橋することを含むことができる。
【0125】
様々な実施形態によれば、方法S400は、ステップS404にて、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングすることを含む。様々な実施形態において、第1の材料は、以下に限られないが、熱可逆性材料、ガリウムを含む金属若しくは液体金属、フィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、炭水化物ガラス、プルロニック、低分子量PEG、PCL、ゼラチン、ワックス、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0126】
様々な実施形態において、初期構造又は第1の材料のためのワックスは、多様なクラスの有機化合物からのワックスとすることができる。一部の実施形態において、ワックスは、周囲温度付近で親油性及び/又は展性の固体であり得る。様々な実施形態において、ワックスは、約40℃(104°F)を超える融点を有し、融解して低粘度の液体を与える、高級アルカン及び脂質を含むことができる。様々な実施形態において、ワックスは、水に不溶性であるが、有機非極性溶媒に可溶性であることができる。
【0127】
様々な実施形態において、ワックスはアルカン炭化水素とすることができ、アルカン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH3、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルカン炭化水素は、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、テトラコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、ヘキサトリアコンタン、テトラコンタン、テトラテトラコンタン、又はペンタコンタンとし得る。様々な実施形態において、ワックスはアルケン炭化水素とすることができ、アルケン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH=CH2、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルケン炭化水素は1-オクタデセンとし得る。
【0128】
様々な実施形態において、ワックスは不飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができ、飽和炭化水素は、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、ミリシルアルコール、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0129】
様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂肪酸は、式CH3(CH2)nCOOH、ただし、n=4~30を持つ。様々な実施形態において、脂質は、ヘキサン酸、ノナン酸、オクタン酸、デカン酸、ノナデカン酸メチル、ラウリン酸、アラキジン酸メチル、ミリスチン酸、トリコサン酸メチル、ベヘン酸メチル、ヘプタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、若しくはメリシン酸、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0130】
様々な実施形態において、ワックスは、不飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂質は、アラキドン酸、リノレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、又はこれらの任意の組み合わせである。様々な実施形態において、ワックスは、複数の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとし得る。
【0131】
様々な実施形態において、ワックスは、植物由来、動物由来、石油由来、若しくは合成、又はこれらの任意の組み合わせである。
【0132】
様々な実施形態において、ワックスは、パラフィン、大豆ワックス、蜜ろう(主成分はパルミチン酸ミリシルである)、ガルフワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ポリエチレンワックス、微結晶ワックス、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0133】
様々な実施形態において、ワックスは、機械的特性を向上させるために、例えば、以下に限られないが、ステアリン酸、トリステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸ソルビタン、蜜ろう、レシチンなどの添加剤、又は、例えば、以下に限られないが、ダンマルガム、マスティックガム、コーパルガム、セラックなどの樹脂を含有することができる。
【0134】
様々な実施形態において、ワックスは、ピーナッツ油、ヒマワリ油、大豆油、キャノーラ油、オリーブ油、若しくは米ぬか油、又はこれらの任意の組み合わせの中で希釈され得る。
【0135】
様々な実施形態において、ワックスは、それを容器に移し、それらを加熱し、次いでそれらを使用することによって調製されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、オーブン中で高温での射出プロセスにおいて使用するために、より高い温度で溶融され得る。一部の実施形態において、ワックスは室温で処理されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、所望の物理的、機械的、及び/又は化学的特性を得るために別のワックスと組み合わされることができる。一部の例において、2つ以上のワックスが組み合わされ、それらを混合する前に温めるか、又は液化する。
【0136】
様々な実施形態において、ワックスは、約4℃と約40℃との間の温度範囲でキャスティングプロセスを用いて準備されることができる。様々な実施形態において、初期構造ヒドロゲルは、ワックスによるネガ型空間の充填の改善のために、溶媒交換のためにインキュベートされることができる。様々な実施形態において、ヒドロゲルは、アセトン若しくはテトラヒドロフラン又はこれらの任意の組み合わせ中でインキュベートされ得る。様々な実施形態において、初期構造のネガ型空間は親油性薬剤に晒される。様々な実施形態において、親油性薬剤は、アセトン又はテトラヒドロフランとし得る。
【0137】
様々な実施形態において、鋳造構造は、ガリウム、又は、例えば、以下に限られないが、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズなどのガリウム含有材料を含む。様々な実施形態において、鋳造構造は、10μm、5μm、3μm、2μm、1μm、0.8μm、0.6μm、0.5μm、0.4μm、0.3μm、0.2μm、又は0.1μm未満の表面ラフネス(Ra)を持つ。様々な実施形態において、鋳造構造は、他の表面特性を有するフィーチャを含む更なるフィーチャを提供するために冶金技術によって後処理される。様々な実施形態において、鋳造構造が独立した脈管網を含む場合、脈管網は独立して後処理されることができる。様々な実施形態において、1つのネットワークを電極に接続して電気めっき浴に沈めることができ、上に追加の金属を電気めっきすることができる。様々な実施形態において、電気めっきは、方向性を持って適用され、近位よりも遠位において多い。様々な実施形態において、電気めっきは、表面全体にわたって均一に適用される。様々な実施形態において、電気めっきは、鋳造構造と同じ金属であり、あるいは、異なる金属であってもよい。
【0138】
様々な実施形態において、浸漬コーティングを用いて鋳造構造を修飾することができる。様々な実施形態において、浸漬コーティングは順次の材料で実行され得る。様々な実施形態において、浸漬コーティングは溶液中で行われることができ、次いで、それが乾燥され、固化される。様々な実施形態において、浸漬コーティングは溶液中で行われることができ、次いで、それが結晶化される。様々な実施形態において、浸漬コーティングは、層ごと(レイヤ・バイ・レイヤ)にナノメートル厚の高分子電解質ポリマー膜によって行われ得る。様々な実施形態において、浸漬コーティングは、磁性粒子の懸濁液中で行われることができ、磁場が表面変化を配向又は制御することができる。様々な実施形態において、独立した脈管網が帯電され、続いて粉末キャスティングが行われる。様々な実施形態において、プロセスは、最初にラミニンを含み、次いでコラーゲン中での浸漬コーティングが続く。一部の実施形態において、プロセスは、例えば自動車用のパーツの粉末コーティングに使用されるプロセスにおいて必要とされるようなハードベークを含まない。様々な実施形態において、鋳造構造は、交互層有機ポリマー(organic polymer in alternating layers;OPAL)プロセスを用いてコーティングされることができ、各コーティング層は、表面上の1つ以上の方向に沿って、及び/又は鋳造構造の成長方向に沿って、異なる色を生じさせ得る異なる材料を含むことができ、それが表面にわたって一連の色(例えば、虹)を形成し得る。換言すれば、鋳造構造は、表面に沿って及び/又はコーティングの層を通して、コーティングの2D及び/又は3D構成の両方で構造中の制御された混合によってコーティング中に勾配を持つようにコーティングされることができる。
【0139】
様々な実施形態において、ガリウム、又は、例えば、以下に限られないが、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズなどのガリウム含有材料は、電気泳動によって除去されることができる。除去後の残存ガリウム含有量は、元素分析によって割り出されることができる。様々な実施形態において、鋳造構造のコーティング中のガリウム含有量は、コーティングが行われる前よりも少ないとし得る。
【0140】
様々な実施形態において、初期構造はヒドロゲルを含むことができ、ヒドロゲルはアルギネートである。様々な実施形態において、アルギネートは、塩化カルシウムと架橋されることができる。様々な実施形態において、アルギン酸塩は、カルシウムキレート剤と共に溶解され得る。様々な実施形態において、キレート剤は、クエン酸ナトリウム又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)とし得る。
【0141】
様々な実施形態において、初期構造はヒドロゲル成分を含むことができる。様々な実施形態において、注入される材料の物質の状態は、pH又は塩濃度によって変更されることができる。様々な実施形態において、注入される材料は、多価無機カチオン又はアニオンによる材料の形成を伴うことができる。様々な実施形態において、注入される材料は、例えばアルギン酸塩などの多糖とすることができ、アルギン酸塩は、塩化カルシウムからのカルシウム二価カチオンと架橋されることができる。
【0142】
様々な実施形態において、鋳造構造は、カチオン性又はアニオン性のキレート剤の使用を通じて除去されることができる。様々な実施形態において、第1の材料を溶解するために使用される化学物質はカルシウムキレート剤である。様々な実施形態において、キレート剤は、クエン酸ナトリウム又はEDTAとし得る。様々な実施形態において、注入される材料は、ジスルフィド結合を介した材料の形成を伴うことができる。様々な実施形態において、鋳造構造は還元条件下で除去され得る。様々な実施形態において、注入される材料は、共有結合的に適応可能なネットワークを含むことができる。様々な実施形態において、適応可能な結合は可逆的チオエステルの形成を伴い得る。様々な実施形態において、注入される材料は、熱力学的に可逆的なネットワークを含み得る。様々な実施形態において、熱力学的に可逆的なネットワークは、フランとマレイミドとのカップリングによって形成され得る。様々な実施形態において、熱力学的に可逆的なネットワークは、熱/温度を使用して開始及び逆転され得る。様々な実施形態において、ディールス・アルダー付加生成物が60℃で形成され得る。様々な実施形態において、レトロディールス・アルダー生成物が110℃で形成され得る。
【0143】
様々な実施形態において、第1の材料はアガロースとすることができる。様々な実施形態において、第1の材料は、生物学的に誘導されたポリマー材料とすることができ、該材料はゼラチンである。様々な実施形態において、ゼラチンは、酵素的又は化学的架橋剤によって架橋されることができる。様々な実施形態において、酵素的架橋剤は微生物トランスグルタミナーゼとし得る。様々な実施形態において、化学的架橋剤はグルタルアルデヒドとし得る。様々な実施形態において、ゼラチン鋳造物は酵素分解によって除去されることができる。様々な実施形態において、酵素はコラゲナーゼとし得る。
【0144】
様々な実施形態において、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングすることは、初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料を第1の温度で充填し、第1の材料を第2の温度で固化させることを含み、第1の温度での第1の材料と第2の温度での第1の材料とは異なる物理的状態を持つ。様々な実施形態によれば、ガリウム及び他の液体金属などの第1の材料についての第1の温度は、約65℃から約4℃の範囲であり、PCLなどの第1の材料についての第1の温度は、約65℃から約35℃の範囲である。様々な実施形態において、ガリウム及び他の液体金属並びにPCLなどの第1の材料についての第2の温度は、室温から約4℃の範囲である。一部の実施形態において、キャスティングされる材料の充填/固化は、温度に敏感ではなく、約37℃と約4℃との間で行われることができる。
【0145】
様々な実施形態によれば、方法S400は、ステップS406にて、第1の材料から初期構造を除去することを含む。様々な実施形態において、初期構造は、例えば、以下に限られないが、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、加熱を介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによってを含め、幾つものプロセス及び技術を介して除去されることができる。様々な実施形態において、室温又は周囲温度で液体(例えば、液体金属)であるが、より低い温度では固体である金属の溶解又は分解が、グリセロールを含有する溶解又は分解溶液中で初期構造をインキュベートすることによって、例えば0℃(273ケルビン)未満などの低温で実行され得る。様々な実施形態において、鋳造構造は冷却によって除去されることができる。様々な実施形態において、例えば、キャスティングされる材料としてアルギン酸塩が使用される場合、鋳造構造は、pHを調整することによって除去されることができ;第1の材料としてPEGDAが使用される場合(GelMAゲル、PEGDAボイドキャスティング、酵素溶解又は分解、プラスチックキャスティング、水酸化ナトリウム溶解又は分解)。様々な実施形態において、ゼラチン/GelMA材料がキャスティングされる材料として使用される場合、鋳造構造は酵素(トリプシン、コラゲナーゼなど)によって除去されることができる(PEGDAゲル、GelMAボイドキャスティング、加水分解溶解又は分解、PEG-ノルボルネンキャスティング、コラゲナーゼ溶解又は分解)。
【0146】
様々な実施形態によれば、方法S400は、ステップS408にて、第1の材料を有する鋳造構造を得ることを含む。様々な実施形態において、鋳造構造は、初期構造のネガ型の又は反転された型を有する。
【0147】
様々な実施形態によれば、方法S400は、ステップS410にて、鋳造構造上に第2の材料をコーティングすることを含む。様々な実施形態において、第2の材料は、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を含み得る。
【0148】
様々な実施形態において、第2の材料は、浸漬コーティング、スプレーコーティング、粉末コーティング、蒸着、電気めっきによって、あるいは、酸化及び/又は還元反応によって、あるいは、これらの組み合わせによってコーティングされる。様々な実施形態において、第2の材料は、10nmと1000μmとの間の厚さにコーティングされる。様々な実施形態において、上記1つ以上のコーティングは多層コーティングを含むことができ、該多層コーティングは、少なくとも2回コーティングを形成することによって得られる。様々な実施形態において、最終構造上の多層コーティングは、少なくとも2つの異なるコーティング材料を有する。
【0149】
様々な実施形態によれば、方法S400は、ステップS412にて、コーティングされた鋳造構造を用いて第3の材料をキャスティングすることを含む。様々な実施形態において、第3の材料は、絹を含む生体材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、合成ペプチド、ヒアルロン酸、アルギン酸塩を含むポリマー、ポリウレタン、ポリカプロラクトン(PCL)、エラストマー、コラーゲンメタクリレート、コラーゲンメタクリルアミド、ゼラチンメタクリレート、ゼラチンメタクリルアミド、絹メタクリレート、絹メタクリルアミド、ヒアルロン酸メタクリレート、ヒアルロン酸メタクリルアミド、プルロニックジアクリレート、プルロニックメタクリルアミド、コンドロイチン硫酸メタクリレート、コンドロイチン硫酸メタクリルアミド、エラスチンメタクリレート、エラスチンメタクリルアミド、セルロースアクリレート、セルロースメタクリルアミド、デキストランメタクリレート、デキストランメタクリルアミド、ヘパリンメタクリレート、ヘパリンメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、キトサンメタクリレート、キトサンメタクリルアミド、ポリエチレングリコールノルボルネン、ポリエチレングリコールジチオール、チオール化ゼラチン、チオール化キトサン、チオール化ヒアルロン酸、チオール化絹、PEGベースのペプチド複合体、任意の組織/器官の脱細胞化ECM、プラスチック、ガリウム若しくはインジウムを含む金属、又はフィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0150】
様々な実施形態によれば、方法S400は、ステップS414にて、第1の材料を除去することを含む。様々な実施形態において、鋳造構造は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、鋳造構造を加熱して第1の材料を液化すること、若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される。様々な実施形態において、室温又は周囲温度で液体(例えば、液体金属)であるが、より低い温度では固体である金属の溶解又は分解が、グリセロールを含有する溶解又は分解溶液中で初期構造をインキュベートすることによって、例えば0℃(273ケルビン)未満などの低温で実行され得る。様々な実施形態において、鋳造構造は冷却によって除去されることができる。様々な実施形態において、例えば、キャスティングされる材料としてアルギン酸塩が使用される場合、鋳造構造は、pHを調整することによって除去されることができ;第1の材料としてPEGDAが使用される場合(GelMAゲル、PEGDAボイドキャスティング、酵素溶解又は分解、プラスチックキャスティング、水酸化ナトリウム溶解又は分解)。様々な実施形態において、ゼラチン/GelMA材料がキャスティングされる材料として使用される場合、鋳造構造は酵素(トリプシン、コラゲナーゼなど)によって除去されることができる(PEGDAゲル、GelMAボイドキャスティング、加水分解溶解又は分解、PEG-ノルボルネンキャスティング、コラゲナーゼ溶解又は分解)。
【0151】
様々な実施形態によれば、方法S400は、ステップS416にて、最終構造を得ることを含む。様々な実施形態において、最終構造は第2の材料及び第3の材料を有する。様々な実施形態において、最終構造は第3の材料を有する。様々な実施形態において、最終構造は、人工組織又は臓器とし得る。
【0152】
様々な実施形態によれば、方法S400はオプションで、第2の材料をコーティングすることに先立って、ステップS416にて、鋳造構造の表面を改質することを含む。様々な実施形態において、鋳造構造の表面を改質することは更に、表面を粗面化若しくは平滑化すること、コラーゲンの層でコーティングすること、表面の一部をコラーゲンでコーティングすること、電気めっきすること、電気分解を行うこと、磁場中での強磁性流体を用いて表面の表面処理を行うこと、又はこれらの任意の組み合わせかを有する。
【0153】
様々な実施形態において、鋳造構造は、当該鋳造構造の表面上に液滴が形成しないように表面張力を低下させることによって、コーティングのために調製され得る。様々な実施形態において、鋳造構造のコーティング材料は脂質を含有し得る。様々な実施形態において、脂質は、リン脂質、ステロイド、糖脂質、スフィンゴ脂質、若しくは両親媒性物質、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。様々な実施形態において、リン脂質は、双性イオン性リン脂質、又はアニオン性リン脂質、又はPEG化リン脂質、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。様々な実施形態において、脂質はポリ乳酸とし得る。様々な実施形態において、脂質はトリグリセリドとし得る。様々な実施形態において、コーティング材料は、疎水性領域を含むことができ、疎水性含有材料はペプチド又はタンパク質である。様々な実施形態において、該材料は血清であってもよい。様々な実施形態において、疎水性材料は脂質とし得る。様々な実施形態において、コーティングされた構造は細胞接着を可能にする。様々な実施形態において、鋳造構造は、下流の用途において第1の材料の完全な除去を可能にする材料でコーティングされ、該材料はプルロニックである。
【0154】
図5は、様々な実施形態に従った、構造体を作成するための方法S500のフローチャートである。様々な実施形態によれば、方法S500は、ステップS502にて、第1の初期構造及び第2の初期構造を用意することを含む。様々な実施形態において、第1の初期構造及び/又は第2の初期構造は、プリントされることができ、また、1つ以上のフィーチャを持つことができる。様々な実施形態において、第1の初期構造及び第2の初期構造の1つ以上のフィーチャは、ポジ型又はネガ型のフィーチャであることができる。様々な実施形態によれば、ポジ型フィーチャは、第1の初期構造及び/又は第2の初期構造を構成する材料によって占有される空間を指す。様々な実施形態によれば、ネガ型フィーチャは、第1の初期構造及び/又は第2の初期構造を構成する材料が存在しない空間、例えば、第1の初期構造及び/又は第2の初期構造内の空き空間又は空所ボリュームを指す。様々な実施形態によれば、1つ以上のネガ型フィーチャは、第1の初期構造及び/又は第2の初期構造の1つ以上の空所ボリュームを指す。
【0155】
様々な実施形態において、第1の初期構造又は第2の初期構造の少なくとも一方は、ヒドロゲル母型から成る3Dヒドロゲル構造である。様々な実施形態において、第1の初期構造又は第2の初期構造の少なくとも一方は、ワックス、プラスチック、又はポリビニルアルコール、250-35000Daを持つPEGDA、PEG-ノルボルネン、PEG-MMP、ゼラチンメタクリレート、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。様々な実施形態において、1つ以上のフィーチャは、加法製造又は減法製造によって生成された脈管トポロジを有する。様々な実施形態において、第1の初期構造及び/又は第2の初期構造は、3Dプリンタを介してプリントされることができる。様々な実施形態において、第1の初期構造及び/又は第2の初期構造は、組織内又は器官内の脈管トポロジを含むことができる。様々な実施形態において、1つ以上の第1の空所ボリュームは、第1の脈管トポロジを形成することができ、1つ以上の第2の空所ボリュームは、第2の脈管トポロジを形成することができる。
【0156】
様々な実施形態において、第1の初期構造及び/又は第2の初期構造がプリントされた後に、第1の初期構造及び/又は第2の初期構造に対して後処理が実行され得る。様々な実施形態において、後処理は、とりわけ、第1の初期構造及び/又は第2の初期構造を溶媒中で洗浄すること、第1の初期構造及び/又は第2の初期構造を溶媒中で平衡化すること、又は第1の初期構造及び/又は第2の初期構造をライトボックス中で架橋することを含むことができる。
【0157】
様々な実施形態によれば、方法S500は、ステップS504にて、第1の初期構造の1つ以上の第1の空所ボリューム内及び第2の初期構造の1つ以上の第2の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングすることを含む。様々な実施形態において、第1の材料は、以下に限られないが、熱可逆性材料、ガリウムを含む金属若しくは液体金属、フィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、炭水化物ガラス、プルロニック、低分子量PEG、PCL、ゼラチン、ワックス、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0158】
様々な実施形態において、第1の初期構造若しくは第2の初期構造の少なくとも一方及び/又は第1の/キャスティングされる材料のためのワックスは、多様なクラスの有機化合物からのワックスとすることができる。一部の実施形態において、ワックスは、周囲温度付近で親油性及び/又は展性の固体であり得る。様々な実施形態において、ワックスは、約40℃(104°F)を超える融点を有し、融解して低粘度の液体を与える、高級アルカン及び脂質を含むことができる。様々な実施形態において、ワックスは、水に不溶性であるが、有機非極性溶媒に可溶性であることができる。
【0159】
様々な実施形態において、ワックスはアルカン炭化水素とすることができ、アルカン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH3、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルカン炭化水素は、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、テトラコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、ヘキサトリアコンタン、テトラコンタン、テトラテトラコンタン、又はペンタコンタンとし得る。様々な実施形態において、ワックスはアルケン炭化水素とすることができ、アルケン炭化水素は、式CH3(CH2)nCH=CH2、ただし、n=14~48を持つ。様々な実施形態において、アルケン炭化水素は1-オクタデセンとし得る。
【0160】
様々な実施形態において、ワックスは不飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは飽和炭化水素脂肪アルコールとすることができ、飽和炭化水素は、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、ミリシルアルコール、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0161】
様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂肪酸は、式CH3(CH2)nCOOH、ただし、n=4~30を持つ。様々な実施形態において、脂質は、ヘキサン酸、ノナン酸、オクタン酸、デカン酸、ノナデカン酸メチル、ラウリン酸、アラキジン酸メチル、ミリスチン酸、トリコサン酸メチル、ベヘン酸メチル、ヘプタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、若しくはメリシン酸、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。
【0162】
様々な実施形態において、ワックスは、不飽和脂肪酸を含有する脂質とすることができ、脂質は、アラキドン酸、リノレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、又はこれらの任意の組み合わせである。様々な実施形態において、ワックスは、複数の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとすることができる。様々な実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を含有する脂質の組み合わせとし得る。
【0163】
様々な実施形態において、ワックスは、植物由来、動物由来、石油由来、若しくは合成、又はこれらの任意の組み合わせである。
【0164】
様々な実施形態において、ワックスは、パラフィン、大豆ワックス、蜜ろう(主成分はパルミチン酸ミリシルである)、ガルフワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ポリエチレンワックス、微結晶ワックス、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0165】
様々な実施形態において、ワックスは、機械的特性を向上させるために、例えば、以下に限られないが、ステアリン酸、トリステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸ソルビタン、蜜ろう、レシチンなどの添加剤、又は、例えば、以下に限られないが、ダンマルガム、マスティックガム、コーパルガム、セラックなどの樹脂を含有することができる。
【0166】
様々な実施形態において、ワックスは、ピーナッツ油、ヒマワリ油、大豆油、キャノーラ油、オリーブ油、若しくは米ぬか油、又はこれらの任意の組み合わせの中で希釈され得る。
【0167】
様々な実施形態において、ワックスは、それを容器に移し、それらを加熱し、次いでそれらを使用することによって調製されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、オーブン中で高温での射出プロセスにおいて使用するために、より高い温度で溶融され得る。一部の実施形態において、ワックスは室温で処理されることができる。様々な実施形態において、ワックスは、所望の物理的、機械的、及び/又は化学的特性を得るために別のワックスと組み合わされることができる。一部の例において、2つ以上のワックスが組み合わされ、それらを混合する前に温めるか、又は液化する。
【0168】
様々な実施形態において、ワックスは、約4℃と約40℃との間の温度範囲でキャスティングプロセスを用いて準備されることができる。様々な実施形態において、初期構造ヒドロゲルは、ワックスによるネガ型空間の充填の改善のために、溶媒交換のためにインキュベートされることができる。様々な実施形態において、ヒドロゲルは、アセトン若しくはテトラヒドロフラン又はこれらの任意の組み合わせ中でインキュベートされ得る。様々な実施形態において、初期構造のネガ型空間は親油性薬剤に晒される。様々な実施形態において、親油性薬剤は、アセトン又はテトラヒドロフランとし得る。
【0169】
様々な実施形態において、鋳造構造は、ガリウム、又は、例えば、以下に限られないが、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズなどのガリウム含有材料を含む。様々な実施形態において、鋳造構造は、10μm、5μm、3μm、2μm、1μm、0.8μm、0.6μm、0.5μm、0.4μm、0.3μm、0.2μm、又は0.1μm未満の表面ラフネス(Ra)を持つ。様々な実施形態において、鋳造構造は、他の表面特性を有するフィーチャを含む更なるフィーチャを提供するために冶金技術によって後処理される。様々な実施形態において、鋳造構造が独立した脈管網を含む場合、脈管網は独立して後処理されることができる。様々な実施形態において、1つのネットワークを電極に接続して電気めっき浴に沈めることができ、上に追加の金属を電気めっきすることができる。様々な実施形態において、電気めっきは、方向性を持って適用され、近位よりも遠位において多い。様々な実施形態において、電気めっきは、表面全体にわたって均一に適用される。様々な実施形態において、電気めっきは、鋳造構造と同じ金属であり、あるいは、異なる金属であってもよい。
【0170】
様々な実施形態において、浸漬コーティングを用いて鋳造構造を修飾することができる。様々な実施形態において、浸漬コーティングは順次の材料で実行され得る。様々な実施形態において、浸漬コーティングは溶液中で行われることができ、次いで、それが乾燥され、固化される。様々な実施形態において、浸漬コーティングは溶液中で行われることができ、次いで、それが結晶化される。様々な実施形態において、浸漬コーティングは、層ごと(レイヤ・バイ・レイヤ)にナノメートル厚の高分子電解質ポリマー膜によって行われ得る。様々な実施形態において、浸漬コーティングは、磁性粒子の懸濁液中で行われることができ、磁場が表面変化を配向又は制御することができる。様々な実施形態において、独立した脈管網が帯電され、続いて粉末キャスティングが行われる。様々な実施形態において、プロセスは、最初にラミニンを含み、次いでコラーゲン中での浸漬コーティングが続く。一部の実施形態において、プロセスは、例えば自動車用のパーツの粉末コーティングに使用されるプロセスにおいて必要とされるようなハードベークを含まない。様々な実施形態において、鋳造構造は、交互層有機ポリマー(organic polymer in alternating layers;OPAL)プロセスを用いてコーティングされることができ、各コーティング層は、表面上の1つ以上の方向に沿って、及び/又は鋳造構造の成長方向に沿って、異なる色を生じさせ得る異なる材料を含むことができ、それが表面にわたって一連の色(例えば、虹)を形成し得る。換言すれば、鋳造構造は、表面に沿って及び/又はコーティングの層を通して、コーティングの2D及び/又は3D構成の両方で構造中の制御された混合によってコーティング中に勾配を持つようにコーティングされることができる。
【0171】
様々な実施形態において、ガリウム、又は、例えば、以下に限られないが、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズなどのガリウム含有材料は、電気泳動によって除去されることができる。除去後の残存ガリウム含有量は、元素分析によって割り出されることができる。様々な実施形態において、鋳造構造のコーティング中のガリウム含有量は、コーティングが行われる前よりも少ないとし得る。
【0172】
様々な実施形態において、初期構造はヒドロゲルを含むことができ、ヒドロゲルはアルギネートである。様々な実施形態において、アルギネートは、塩化カルシウムと架橋されることができる。様々な実施形態において、アルギン酸塩は、カルシウムキレート剤と共に溶解され得る。様々な実施形態において、キレート剤は、クエン酸ナトリウム又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)とし得る。
【0173】
様々な実施形態において、初期構造はヒドロゲル成分を含むことができる。様々な実施形態において、注入される材料の物質の状態は、pH又は塩濃度によって変更されることができる。様々な実施形態において、注入される材料は、多価無機カチオン又はアニオンによる材料の形成を伴うことができる。様々な実施形態において、注入される材料は、例えばアルギン酸塩などの多糖とすることができ、アルギン酸塩は、塩化カルシウムからのカルシウム二価カチオンと架橋されることができる。
【0174】
様々な実施形態において、鋳造構造は、カチオン性又はアニオン性のキレート剤の使用を通じて除去されることができる。様々な実施形態において、第1の材料を溶解するために使用される化学物質はカルシウムキレート剤である。様々な実施形態において、キレート剤は、クエン酸ナトリウム又はEDTAとし得る。様々な実施形態において、注入される材料は、ジスルフィド結合を介した材料の形成を伴うことができる。様々な実施形態において、鋳造構造は還元条件下で除去され得る。様々な実施形態において、注入される材料は、共有結合的に適応可能なネットワークを含むことができる。様々な実施形態において、適応可能な結合は可逆的チオエステルの形成を伴い得る。様々な実施形態において、注入される材料は、熱力学的に可逆的なネットワークを含み得る。様々な実施形態において、熱力学的に可逆的なネットワークは、フランとマレイミドとのカップリングによって形成され得る。様々な実施形態において、熱力学的に可逆的なネットワークは、熱/温度を使用して開始及び逆転され得る。様々な実施形態において、ディールス・アルダー付加生成物が60℃で形成され得る。様々な実施形態において、レトロディールス・アルダー生成物が110℃で形成され得る。
【0175】
様々な実施形態において、第1の材料はアガロースとすることができる。様々な実施形態において、第1の材料は、生物学的に誘導されたポリマー材料とすることができ、該材料はゼラチンである。様々な実施形態において、ゼラチンは、酵素的又は化学的架橋剤によって架橋されることができる。様々な実施形態において、酵素的架橋剤は微生物トランスグルタミナーゼとし得る。様々な実施形態において、化学的架橋剤はグルタルアルデヒドとし得る。様々な実施形態において、ゼラチン鋳造物は酵素分解によって除去されることができる。様々な実施形態において、酵素はコラゲナーゼとし得る。
【0176】
様々な実施形態において、1つ以上の第1の空所ボリューム内及び1つ以上の第2の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングすることは、第1の材料を第1の温度で充填し、第1の材料を第2の温度で固化させることを含み、第1の温度での第1の材料と第2の温度での第1の材料とは異なる物理的状態を持つ。
【0177】
様々な実施形態によれば、方法S500は、ステップS506にて、第1の初期構造及び第2の初期構造を除去することを含む。様々な実施形態において、第1の初期構造又は第2の初期構造の少なくとも一方は、例えば、以下に限られないが、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、加熱を介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによってを含め、幾つものプロセス及び技術を介して除去されることができる。様々な実施形態において、室温又は周囲温度で液体(例えば、液体金属)であるが、より低い温度では固体である金属の溶解又は分解が、グリセロールを含有する溶解又は分解溶液中で初期構造をインキュベートすることによって、例えば0℃(273ケルビン)未満などの低温で実行され得る。
【0178】
様々な実施形態によれば、方法S500は、ステップS508にて、各々が第1の材料を有する第1の鋳造構造及び第2の鋳造構造を得ることを含む。様々な実施形態において、第1の鋳造構造は、第1の初期構造のネガ型の又は反転された型を有する。様々な実施形態において、第2の鋳造構造は、第2の初期構造のネガ型の又は反転された型を有する。
【0179】
様々な実施形態によれば、方法S500はオプションで、ステップS510にて、第1の鋳造構造及び第2の鋳造構造上に1つ以上の第2の材料をコーティングすることを含む。様々な実施形態において、上記1つ以上の第2の材料は、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を含み得る。
【0180】
様々な実施形態において、上記1つ以上の第2の材料は、第1の鋳造構造又は第2の鋳造構造の少なくとも一方上に、浸漬コーティング、スプレーコーティング、粉末コーティング、蒸着、電気めっきによって、あるいは、酸化及び/又は還元反応によって、あるいは、これらの組み合わせによってコーティングされる。様々な実施形態において、上記1つ以上の第2の材料は、第1の鋳造構造又は第2の鋳造構造の少なくとも一方上に、10nmと1000μmとの間の厚さにコーティングされる。
【0181】
様々な実施形態において、上記1つ以上の第2の材料は、第1の鋳造構造又は第2の鋳造構造の少なくとも一方上に、少なくとも2回コーティングされて多層コーティングを形成する。様々な実施形態において、第1の鋳造構造又は第2の鋳造構造の少なくとも一方上の多層コーティングは、少なくとも2つの異なるコーティング材料を含むことができる。
【0182】
様々な実施形態において、第1の鋳造構造上にコーティングされた上記1つ以上の第2の材料は、第2の鋳造構造上にコーティングされた上記第2の材料とは異なる厚さを持つ。様々な実施形態において、第1の鋳造構造上にコーティングされた上記1つ以上の第2の材料は、第2の鋳造構造上にコーティングされた上記第2の材料とは異なる表面ラフネス値を持つ。様々な実施形態において、第1の鋳造構造は、第1の鋳造構造の異なる部分上で異なる表面ラフネス値を持っていてもよい。様々な実施形態において、第2の鋳造構造は、第2の鋳造構造の異なる部分上で異なる表面ラフネス値を持っていてもよい。様々な実施形態において、第1の鋳造構造又は第2の鋳造構造は、それぞれの鋳造構造上の所望の位置で異なる表面ラフネス値を持っていてもよい。様々な実施形態において、第1の鋳造構造上にコーティングされる上記1つ以上の第2の材料は、第2の鋳造構造上にコーティングされる上記1つ以上の第2の材料とは異なる。様々な実施形態において、ニッケルが第1の鋳造構造上にコーティングされるとともに、金が第2の鋳造構造上にコーティングされ、あるいは、その逆である。
【0183】
様々な実施形態によれば、方法S500は、ステップS512にて、第1の鋳造構造と第2の鋳造構造とを組み立てることを含む。
【0184】
様々な実施形態によれば、方法S500は、ステップS514にて、第1の鋳造構造と第2の鋳造構造とを有する組み立て構造を得ることを含む。様々な実施形態において、組み立て構造は、第1の鋳造構造の1つ以上の第1フィーチャと、第2の鋳造構造の1つ以上の第2フィーチャとを含むことができる。様々な実施形態において、組み立て構造体はキャパシタである。
【0185】
様々な実施形態によれば、方法S500は、ステップS516にて、組み立て構造を用いて第3の材料をキャスティングすることを含む。様々な実施形態において、第3の材料は、絹を含む生体材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、合成ペプチド、ヒアルロン酸、アルギン酸塩を含むポリマー、ポリウレタン、ポリカプロラクトン(PCL)、エラストマー、コラーゲンメタクリレート、コラーゲンメタクリルアミド、ゼラチンメタクリレート、ゼラチンメタクリルアミド、絹メタクリレート、絹メタクリルアミド、ヒアルロン酸メタクリレート、ヒアルロン酸メタクリルアミド、プルロニックジアクリレート、プルロニックメタクリルアミド、コンドロイチン硫酸メタクリレート、コンドロイチン硫酸メタクリルアミド、エラスチンメタクリレート、エラスチンメタクリルアミド、セルロースアクリレート、セルロースメタクリルアミド、デキストランメタクリレート、デキストランメタクリルアミド、ヘパリンメタクリレート、ヘパリンメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、キトサンメタクリレート、キトサンメタクリルアミド、ポリエチレングリコールノルボルネン、ポリエチレングリコールジチオール、チオール化ゼラチン、チオール化キトサン、チオール化ヒアルロン酸、チオール化絹、PEGベースのペプチド複合体、任意の組織/器官の脱細胞化ECM、プラスチック、ガリウム若しくはインジウムを含む金属、又はフィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、又はこれらの任意の組み合わせを有する。
【0186】
様々な実施形態において、当該方法は更に、ステップS516で組み立て構造を用いて第3の材料をキャスティングすることに先立って、上記1つ以上の第1フィーチャ又は上記1つ以上の第2フィーチャを加熱して膨張させることを含み得る。同様に、様々な実施形態において、当該方法は更に、組み立て構造を用いて第3の材料をキャスティングすることに先立って、上記1つ以上の第1フィーチャ又は上記1つ以上の第2フィーチャを冷却して収縮させることを含み得る。
【0187】
様々な実施形態によれば、方法S500は、ステップS518にて、第1の材料を除去することを含む。様々な実施形態において、第1の材料は、第1の鋳造構造又は第2の鋳造構造の一方内の第1の材料を加熱して液化することによって除去される。様々な実施形態において、第1の材料は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、第1の鋳造構造又は第2の鋳造構造を加熱して第1の材料を液化すること、若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される。様々な実施形態において、室温又は周囲温度で液体(例えば、液体金属)であるが、より低い温度では固体である金属の溶解又は分解が、グリセロールを含有する溶解又は分解溶液中で初期構造をインキュベートすることによって、例えば0℃(273ケルビン)未満などの低温で実行され得る。
【0188】
様々な実施形態によれば、方法S500は、ステップS520にて、最終構造を得ることを含む。様々な実施形態において、最終構造は上記1つ以上の第2の材料及び第3の材料を有する。様々な実施形態において、最終構造は第3の材料を有する。様々な実施形態において、最終構造は、人工組織又は臓器とし得る。
【0189】
様々な実施形態によれば、方法S500はオプションで、ステップS522にて、オプションステップS510で上記1つ以上の第2の材料をコーティングするのに先立って、又はステップS512で組み立てるのに先立って、又はステップS514で組み立てた(組み立て構造を得た)後に、第1の鋳造構造又は第2の鋳造構造の少なくとも一方の表面を改質することを含む。様々な実施形態において、表面を改質することは、表面を粗面化若しくは平滑化すること、コラーゲンの層でコーティングすること、表面の一部をコラーゲンでコーティングすること、電気めっきすること、電気分解を行うこと、磁場中での強磁性流体を用いて表面の表面処理を行うこと、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0190】
様々な実施形態において、鋳造構造は、当該鋳造構造の表面上に液滴が形成しないように表面張力を低下させることによって、コーティングのために調製され得る。様々な実施形態において、鋳造構造のコーティング材料は脂質を含有し得る。様々な実施形態において、脂質は、リン脂質、ステロイド、糖脂質、スフィンゴ脂質、若しくは両親媒性物質、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。様々な実施形態において、リン脂質は、双性イオン性リン脂質、又はアニオン性リン脂質、又はPEG化リン脂質、又はこれらの任意の組み合わせとし得る。様々な実施形態において、脂質はポリ乳酸とし得る。様々な実施形態において、脂質はトリグリセリドとし得る。様々な実施形態において、コーティング材料は、疎水性領域を含むことができ、疎水性含有材料はペプチド又はタンパク質である。様々な実施形態において、該材料は血清であってもよい。様々な実施形態において、疎水性材料は脂質とし得る。様々な実施形態において、コーティングされた構造は細胞接着を可能にする。様々な実施形態において、鋳造構造は、下流の用途において第1の材料の完全な除去を可能にする材料でコーティングされ、該材料はプルロニックである。
【0191】
様々な実施形態において、上記1つ以上の第1フィーチャと上記1つ以上の第2フィーチャは、上記1つ以上の第1フィーチャと上記1つ以上の第2フィーチャとの間の隔たりの最も近い点において1μmより大きい距離だけ隔てられる。様々な実施形態において、最終構造は、第1の鋳造構造の上記1つ以上の第1フィーチャのネガ型である1つ以上の最終第1フィーチャ、及び第2の鋳造構造の上記1つ以上の第2フィーチャのネガ型である1つ以上の最終第2フィーチャを有する。様々な実施形態において、上記1つ以上の最終第1フィーチャと上記1つ以上の最終第2フィーチャは、上記1つ以上の最終第1フィーチャと上記1つ以上の最終第2フィーチャとの間の隔たりの最も近い点において10μmより小さい距離だけ隔てられる。
【0192】
図6は、様々な実施形態に従った、初期構造120を最終構造180に変換するプロセス100を示すブロック図である。
図6は、最終構造180を得るために方法140によって処理するのに使用される初期構造120を示している。方法140は、
図1-
図5に関して説明した方法S100、S200、S300、S400、又はS500のうちのいずれかとすることができる。
【0193】
様々な実施形態によれば、
図1-
図5に関して説明した方法S100、S200、S300、S400、又はS500のうちのいずれかに従って構造体を製造することができる。様々な実施形態において、当該構造体は、ここで説明された材料と同様の第1及び第2の材料のうちの1つ以上をキャスティングするための流体チャネルを含み得る。様々な実施形態において、流体チャネルは、初期構造の空所ボリューム内にある。様々な実施形態において、流体チャネルは、注入可能材料の流れを調節するための1つ以上の狭窄部を有する。様々な実施形態において、上記1つ以上の狭窄部は末端フィーチャとして設計されている。様々な実施形態において、上記1つ以上の狭窄部は、注入可能材料を充填した後に空所ボリュームを終端する弁として構成される。
【0194】
様々な実施形態によれば、
図1-
図5に関して説明した方法S100、S200、S300、S400、又はS500のうちのいずれかに従って構造体を製造するシステム。様々な実施形態において、当該システムは、ヒドロゲルを有する初期構造、ヒドロゲルを収容するチャンバ、ヒドロゲル容器の入口及び出口に接続するマニホールド、マニホールドに接続された1つ以上のチューブ、1つ以上のポンプ、1つ以上の流体貯留部、及び/又は1つ以上の廃棄物コンテナを含む。様々な実施形態において、1つ以上のポンプは、シリンジポンプ又は蠕動ポンプを有する。様々な実施形態において、1つ以上のポンプは、初期構造内の1つ以上の空所に注入可能材料を充填するために使用される。様々な実施形態において、初期構造内の1つ以上の空所は、正圧又は負圧を用いて充填される。様々な実施形態において、初期構造内の上記1つ以上の空所を充填するために電気的勾配が印加される。様々な実施形態において、初期構造内の上記1つ以上の空所を充填するために真空が適用される。
【0195】
例
図7-
図13は、
図1-
図5に関して説明した方法S100、S200、S300、S400、又はS500のうちの1つ以上を用いた構造体作成の完成サンプル及び様々な段階におけるサンプル構造の画像である。
【0196】
図7Aは、様々な実施形態に従った、ワックスを用いて作成されたサンプル構造700aを示している。
図7Aに示されるように、サンプル構造700aは、3Dプリントされたものである空のチャネルを含むポリエチレングリコールジアクリレートからなるヒドロゲルを有している。そして、サンプル構造700aの3Dプリントされたチャネルに、予熱されたギーバターが注入される。
図7Aに示されるサンプル構造700aは、プリントされたヒドロゲルの空所に注入されたギーバターである。
【0197】
図7Bは、様々な実施形態に従った、サンプル構造700aの3Dプリントされたヒドロゲルチャネル内でギーバターが固化された後に得られたサンプル構造700bを示している。サンプル構造700bを得るために、ヒドロゲルサンプル構造700aが、PEGDAヒドロゲルが分解することを可能にするために、酸又は塩基のいずれかを含有する溶液中に配置される。ヒドロゲルが完全に分解されると、ギーバター脈管鋳造物が残ってサンプル構造700bをもたらす。
図7Bに示されるように、サンプル構造700bは、
図7Aに示されたサンプル構造700aの水溶液中でのヒドロゲルの溶解又は分解後に得られたギーバター脈管鋳造物である。
【0198】
図7Cは、様々な実施形態に従った、3D脈管を有するいっそう複雑な及び/又は入り組んだ構造である構造例700cを示している。
図7Cに示される構造例700cを得るために、ヒドロゲルを有する初期構造が、二部マニホールドと共に3Dプリントされる。二部マニホールドの上部(ここに示されている)はヒドロゲルへの流体接続を可能にするように設計され、二部マニホールドのチャンバ(図示されず)は、ワックス注入及びヒドロゲル溶解又は分解プロセス中にヒドロゲルを収容するように設計される。シリンジ710が上部に接続され、予熱されたワックスが上部を通して注入され、次いで、それが、ヒドロゲルチャネル内に流入され、収集容器内へと流出される。そして、ワックスが固化することが可能にされ、次いで、酸又は塩基がチャンバに付加されてヒドロゲルを分解する。ヒドロゲルが分解されると、マニホールド上部が底部から持ち上げられて、
図7Cに示されるサンプル構造700cであるワックス脈管鋳造物を露わにする。様々な実施形態によれば、上部は、接続された鋳造物と流体連通するように構成され、鋳造物は後処理のために別のリザーバ内に移動されることができる。後処理は、鋳造物の表面コーティング、又は鋳造物を取り囲む別の材料の重合を含むことができ、場合により、鋳造されたワックス材料を最終的な物体から除去する。
【0199】
図8Aは、様々な実施形態に従った、内側に空の脈管網を含んだポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA、黄色)から成る3Dプリントされたヒドロゲル800aを示している。このサンプルを製造するために、ヒドロゲルに、温かい60%ポリカプロラクトン(PCL)溶液(DMSO中に溶解)が注入されて、ヒドロゲル内の空いた空所を充填する。次いで、4℃でPCLが固化することが可能にされる。
【0200】
図8Bは、様々な実施形態に従った、PCLがヒドロゲル内で固化された後の構造例800bを示している。ヒドロゲルが、酸又は塩基のいずれかを含有する溶液中に置かれ、PEGDAヒドロゲルが分解することを可能にする。ヒドロゲルが完全に分解されると、PCL脈管鋳造物が残り、
図8Bに示されるように構造例800bをもたらす。
【0201】
図9Aは、様々な実施形態に従って製造されるものである赤色染料(墨汁コロイド)が注入された3DプリントされたPEGヒドロゲルを有する構造例900aを示している。
【0202】
図9Bは、様々な実施形態に従って製造されるものである青色コロイドが注入された3DプリントされたPEGヒドロゲルを有する構造例900bを示している。
【0203】
図10A及び
図10Bは、様々な実施形態に従った、3Dプリントされた樹脂を有する構造例1000aを示している。
図10Aに示されるサンプル構造1000bは、3Dプリントされた樹脂を液体金属Gaで充填することによって得られる。
【0204】
図10Bは、3Dプリントされた樹脂が、例えば10NまでのNaOHの塩基溶液などの適切な溶液に溶解されることから得られる構造例1000bを示している。3Dプリントされた樹脂が塩基溶液を含むビーカー内で溶解されることが示されている。
【0205】
図11Aは、様々な実施形態に従った、解放された鋳造構造(複数脈管)である構造例1100aを示している。構造例1100aは、例えば0.1NのNaOHを含有する溶液を用いて解放することによって得られる、20重量%のPEGヒドロゲルを有する環状体の飾り結びである。
【0206】
図11Bは、様々な実施形態に従った構造例1100bを示している。
図11Bに示されるように、構造例1100bは、部分的に脱水されたヒドロゲルを有するヒドロゲル内で鋳造されたGa固化構造である。
【0207】
図11Cは、様々な実施形態に従った、プリントされたヒドロゲル(黄色)である複数の構造例1100cを示している。
図11Cに示される構造例1100cが、次いで、空きチャネルにGaが注入される。次いで、Gaが固化することが可能にされて、チャネル内のGaによる一部の容器の不完全な充填を示し、これは、ヒドロゲルが溶解されたときに明らかになる。
【0208】
図12Aは、様々な実施形態に従ったよる、プリントされたヒドロゲル構造1200aを示している。
図12Aに示されるヒドロゲル構造1200aは空の螺旋状チャネルを含んでおり、それがGaで充填される。
【0209】
図12Bは、様々な実施形態に従った鋳造構造1200bを示している。
図12Bに示される鋳造構造1200bは、例えば適切な酸又は塩基溶液によって、ヒドロゲルが分解された後に得られる。図に示されるように、鋳造構造1200bは、流体絞り金に取り付けられたままのGa鋳造構造である。
【0210】
図13Aは、様々な実施形態に従った鋳造脈管構造1300aを示している。
図13Aに示される解放された鋳造脈管構造1300aは、緑色蛍光ビーズ、続いて赤色蛍光ビーズ、を有するシリコーンにて順次コーティングされる。
【0211】
図13Bは、様々な実施形態に従った鋳造脈管構造1300bを示している。
図13Bに示される解放された鋳造脈管構造1300bは、赤色蛍光ビーズ、続いて緑色蛍光ビーズ、を有するシリコーンにて順次コーティングされる。
【0212】
実施形態の列挙
実施形態1. 構造体を作成する方法であって、1つ以上のフィーチャを持つ初期構造を用意し、前記初期構造の後処理を実行し、前記後処理された初期構造を用いて材料をキャスティングし、前記キャスティングされた材料から前記初期構造を除去し、前記キャスティングされた材料を有する最終構造を取得する、ことを有する方法。
【0213】
実施形態2. 前記初期構造は、ヒドロゲル母型を有する3Dヒドロゲル構造である、実施形態1の方法。
【0214】
実施形態3. 前記初期構造は、ワックス、プラスチック、又はポリビニルアルコール、250-35000Daを持つポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、PEG-ノルボルネン、250-35000Daを持つポリエチレングリコールジアクリルアミド(PEGDAAm)、MMP感受性PEG(PEG-MMP)、ゼラチンメタクリレート、又はこれらの任意の組み合わせを有する、先行するいずれかの実施形態の方法。
【0215】
実施形態4.前記1つ以上のフィーチャは、加法製造又は減法製造によって生成される、先行するいずれかの実施形態の方法。
【0216】
実施形態5. 前記後処理は、溶媒中で前記初期構造を洗浄すること、溶媒中で前記初期構造を平衡化すること、又はライトボックス内で前記初期構造を架橋させることを有する、先行するいずれかの実施形態の方法。
【0217】
実施形態6.
前記キャスティングされた材料は、絹を含む生体材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、合成ペプチド、ヒアルロン酸、アルギン酸塩を含むポリマー、ポリウレタン、ポリカプロラクトン(PCL)、エラストマー、コラーゲンメタクリレート、コラーゲンメタクリルアミド、ゼラチンメタクリレート、ゼラチンメタクリルアミド、絹メタクリレート、絹メタクリルアミド、ヒアルロン酸メタクリレート、ヒアルロン酸メタクリルアミド、プルロニックジアクリレート、プルロニックメタクリルアミド、コンドロイチン硫酸メタクリレート、コンドロイチン硫酸メタクリルアミド、エラスチンメタクリレート、エラスチンメタクリルアミド、セルロースアクリレート、セルロースメタクリルアミド、デキストランメタクリレート、デキストランメタクリルアミド、ヘパリンメタクリレート、ヘパリンメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、キトサンメタクリレート、キトサンメタクリルアミド、ポリエチレングリコールノルボルネン、ポリエチレングリコールジチオール、チオール化ゼラチン、チオール化キトサン、チオール化ヒアルロン酸、チオール化絹、PEGベースのペプチド複合体、任意の組織/器官の脱細胞化ECM、プラスチック、ガリウム若しくはインジウムを含む金属、又はフィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、又はこれらの任意の組み合わせを有する、先行するいずれかの実施形態の方法。
【0218】
実施形態7.
前記初期構造は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、加熱を介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される、先行するいずれかの実施形態の方法。
【0219】
実施形態8. 前記初期構造は、組織又は器官内の脈管トポロジを有する、先行するいずれかの実施形態の方法。
【0220】
実施形態9. 前記最終構造は人工組織若しくは人工器官、組織モデル、ファントム、又はステントである、先行するいずれかの実施形態の方法。
【0221】
実施形態10. 前記最終構造の表面を改質する、ことを更に有する先行するいずれかの実施形態の方法。
【0222】
実施形態11. 前記最終構造の前記表面を改質することは更に、前記表面を粗面化又は平滑化すること、コラーゲンの層でコーティングすること、前記表面の一部をコラーゲンでコーティングすること、電気めっきすること、電解を実行すること、磁場中で強磁性流体を用いて前記表面の表面処理を実行すること、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態10の方法。
【0223】
実施形態12. 前記最終構造上に1つ以上のコーティングを形成する、ことを更に有する先行するいずれかの実施形態の方法。
【0224】
実施形態13. 前記1つ以上のコーティングは、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を有する、実施形態12の方法。
【0225】
実施形態14. 前記1つ以上のコーティングは、10nmと1000μmとの間の厚さを持つ、先行するいずれかの実施形態の方法。
【0226】
実施形態15. 前記1つ以上のコーティングは多層コーティングを有し、該多層コーティングは、少なくとも2回コーティングを形成することによって得られる、先行するいずれかの実施形態の方法。
【0227】
実施形態16. 前記最終構造上の前記多層コーティングは、少なくとも2つの異なるコーティング材料を有する、実施形態15の方法。
【0228】
実施形態17. 前記最終構造の後処理を実行する、ことを更に有する先行するいずれかの実施形態の方法。
【0229】
実施形態18. 前記最終構造は溶媒中で平衡化される、実施形態17の方法。
【0230】
実施形態19. 前記最終構造はライトボックス内で架橋される、先行するいずれかの実施形態の方法。
【0231】
実施形態20. 構造体を作成する方法であって、初期構造を用意し、前記初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングし、前記第1の材料から前記初期構造を除去し、前記第1の材料を有する鋳造構造を取得し、前記鋳造構造を用いて第2の材料をキャスティングし、前記第2の材料から前記鋳造構造を除去し、前記第2の材料を有する最終構造を取得する、ことを有する方法。
【0232】
実施形態21. 前記初期構造は、加法製造又は減法製造によって生成されたヒドロゲル母型構造である、実施形態20の方法。
【0233】
実施形態22. 前記初期構造は、ワックス、プラスチック、又はポリビニルアルコール、250-35000Daを持つポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、PEG-ノルボルネン、MMP感受性PEG(PEG-MMP)、ゼラチンメタクリレート、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態20又は21の方法。
【0234】
実施形態23. 前記1つ以上の空所ボリュームは脈管トポロジを形成する、実施形態20乃至22のいずれか一の方法。
【0235】
実施形態24. 前記初期構造は、溶媒中での洗浄若しくは平衡化を介して、又はライトボックス中での架橋によって後処理される、実施形態20乃至23のいずれか一の方法。
【0236】
実施形態25. 前記第1の材料は、熱可逆性材料、ガリウムを含む金属若しくは液体金属、フィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、炭水化物ガラス、プルロニック、低分子量PEG、PCL、ゼラチン、ワックス、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態20乃至24のいずれか一の方法。
【0237】
実施形態26. 前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料をキャスティングすることは、前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料を第1の温度で充填し、前記第1の材料を第2の温度で固化させ、前記第1の温度での前記第1の材料と前記第2の温度での前記第1の材料とは異なる物理的状態を持つ、ことを有する、実施形態20乃至25のいずれか一の方法。
【0238】
実施形態27. 前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料をキャスティングすることは、前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料を第1の温度で注入し、前記第1の材料を過冷却し、前記第1の材料を第2の温度で結晶化させる、ことを有する、実施形態20乃至26のいずれか一の方法。
【0239】
実施形態28. 前記初期構造は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、加熱を介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される、実施形態20乃至27のいずれか一の方法。
【0240】
実施形態29.
前記第2の材料は、絹を含む生体材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、合成ペプチド、ヒアルロン酸、アルギン酸塩を含むポリマー、ポリウレタン、ポリカプロラクトン(PCL)、エラストマー、コラーゲンメタクリレート、コラーゲンメタクリルアミド、ゼラチンメタクリレート、ゼラチンメタクリルアミド、絹メタクリレート、絹メタクリルアミド、ヒアルロン酸メタクリレート、ヒアルロン酸メタクリルアミド、プルロニックジアクリレート、プルロニックメタクリルアミド、コンドロイチン硫酸メタクリレート、コンドロイチン硫酸メタクリルアミド、エラスチンメタクリレート、エラスチンメタクリルアミド、セルロースアクリレート、セルロースメタクリルアミド、デキストランメタクリレート、デキストランメタクリルアミド、ヘパリンメタクリレート、ヘパリンメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、キトサンメタクリレート、キトサンメタクリルアミド、ポリエチレングリコールノルボルネン、ポリエチレングリコールジチオール、チオール化ゼラチン、チオール化キトサン、チオール化ヒアルロン酸、チオール化絹、PEGベースのペプチド複合体、任意の組織/器官の脱細胞化ECM、プラスチック、ガリウム若しくはインジウムを含む金属、又はフィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態20乃至28のいずれか一の方法。
【0241】
実施形態30.
前記鋳造構造は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、前記鋳造構造を加熱して前記第1の材料を液化すること、若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される、実施形態20乃至29のいずれか一の方法。
【0242】
実施形態31. 前記初期構造は、組織又は器官内の脈管トポロジを有する、実施形態20乃至30のいずれか一の方法。
【0243】
実施形態32. 前記最終構造は人工組織又は人工器官である、実施形態20乃至31のいずれか一の方法。
【0244】
実施形態33. 前記第2の材料をキャスティングすることに先立って前記鋳造構造の表面を改質する、ことを更に有する実施形態20乃至32のいずれか一の方法。
【0245】
実施形態34. 前記鋳造構造の前記表面を改質することは更に、前記表面を粗面化又は平滑化すること、コラーゲンの層でコーティングすること、前記表面の一部をコラーゲンでコーティングすること、電気めっきすること、電解を実行すること、磁場中で強磁性流体を用いて前記表面の表面処理を実行すること、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態33の方法。
【0246】
実施形態35. 前記第2の材料をキャスティングすることに先立って前記鋳造構造上に1つ以上のコーティングを形成する、ことを更に有する実施形態20乃至34のいずれか一の方法。
【0247】
実施形態36. 前記1つ以上のコーティングは、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を有する、実施形態35の方法。
【0248】
実施形態37. 前記1つ以上のコーティングは、10nmと1000μmとの間の厚さを持つ、実施形態20乃至36のいずれか一の方法。
【0249】
実施形態38. 前記1つ以上のコーティングは多層コーティングを有し、該多層コーティングは、少なくとも2回コーティングを形成することによって得られる、実施形態20乃至37のいずれか一の方法。
【0250】
実施形態39. 前記鋳造構造上の前記多層コーティングは、少なくとも2つの異なるコーティング材料を有する、実施形態38の方法。
【0251】
実施形態40. 構造体を作成する方法であって、初期構造を用意し、前記初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングし、前記第1の材料から前記初期構造を除去し、前記第1の材料を有する鋳造構造を取得し、前記鋳造構造上に第2の材料をコーティングし、前記コーティングされた第2の材料から前記第1の材料を除去し、前記コーティングされた第2の材料を有する最終構造を取得する、ことを有する方法。
【0252】
実施形態41. 前記初期構造は、加法製造又は減法製造によって生成されたヒドロゲル母型構造である、実施形態40の方法。
【0253】
実施形態42. 前記初期構造は、ワックス、プラスチック、又はポリビニルアルコール、250-35000Daを持つポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、PEG-ノルボルネン、MMP感受性PEG(PEG-MMP)、ゼラチンメタクリレート、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態40又は41の方法。
【0254】
実施形態43. 前記1つ以上の空所ボリュームは脈管トポロジを形成する、実施形態40乃至42のいずれか一の方法。
【0255】
実施形態44. 前記初期構造は、溶媒中での洗浄若しくは平衡化を介して、又はライトボックス中での架橋によって後処理される、実施形態40乃至43のいずれか一の方法。
【0256】
実施形態45. 前記第1の材料は、熱可逆性材料、ガリウムを含む金属若しくは液体金属、フィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、炭水化物ガラス、プルロニック、低分子量PEG、PCL、ゼラチン、ワックス、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態40乃至44のいずれか一の方法。
【0257】
実施形態46. 前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料をキャスティングすることは、前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料を第1の温度で充填し、前記第1の材料を第2の温度で固化させ、前記第1の温度での前記第1の材料と前記第2の温度での前記第1の材料とは異なる物理的状態を持つ、ことを有する、実施形態40乃至45のいずれか一の方法。
【0258】
実施形態47. 前記初期構造は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、加熱を介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される、実施形態40乃至46のいずれか一の方法。
【0259】
実施形態48. 前記第2の材料は、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を有する、実施形態40乃至47のいずれか一の方法。
【0260】
実施形態49. 前記第2の材料は、浸漬コーティング、スプレーコーティング、粉末コーティング、蒸着、電気めっき、又は酸化及び/又は還元反応、又はこれらの組み合わせによってコーティングされる、実施形態40乃至48のいずれか一の方法。
【0261】
実施形態50. 前記第2の材料は、10nmお1000μmとの間の厚さにコーティングされる、実施形態40乃至49のいずれか一の方法。
【0262】
実施形態51. 前記第2の材料は、少なくとも2回コーティングされて多層コーティングを形成する、実施形態40乃至50のいずれか一の方法。
【0263】
実施形態52. 前記鋳造構造上の前記多層コーティングは、少なくとも2つの異なるコーティング材料を有する、実施形態51の方法。
【0264】
実施形態53.
前記第1の材料は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、前記鋳造構造を加熱して前記第1の材料を液化すること、若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される、実施形態40乃至52のいずれか一の方法。
【0265】
実施形態54. 前記初期構造は、組織又は器官内の脈管トポロジを有する、実施形態50乃至53のいずれか一の方法。
【0266】
実施形態55. 前記最終構造は人工組織又は人工器官である、実施形態40乃至54のいずれか一の方法。
【0267】
実施形態56. 前記鋳造構造の表面を改質する、ことを更に有する実施形態40乃至55のいずれか一の方法。
【0268】
実施形態57. 前記鋳造構造の前記表面を改質することは更に、前記表面を粗面化又は平滑化すること、コラーゲンの層でコーティングすること、前記表面の一部をコラーゲンでコーティングすること、電気めっきすること、電解を実行すること、磁場中で強磁性流体を用いて前記表面の表面処理を実行すること、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態56の方法。
【0269】
実施形態58. 構造体を作成する方法であって、初期構造を用意し、前記初期構造の1つ以上の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングし、前記第1の材料から前記初期構造を除去し、前記第1の材料を有する鋳造構造を取得し、前記鋳造構造上に第2の材料をコーティングし、前記コーティングされた鋳造構造を用いて第3の材料をキャスティングし、前記第1の材料を除去し、最終構造を取得する、ことを有する方法。
【0270】
実施形態59. 前記初期構造は、加法製造又は減法製造によって生成されたヒドロゲル母型構造である、実施形態58の方法。
【0271】
実施形態60. 前記初期構造は、ワックス、プラスチック、又はポリビニルアルコール、250-35000Daを持つポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、PEG-ノルボルネン、MMP感受性PEG(PEG-MMP)、ゼラチンメタクリレート、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態58又は57の方法。
【0272】
実施形態61. 前記1つ以上の空所ボリュームは脈管トポロジを形成する、実施形態58乃至60のいずれか一の方法。
【0273】
実施形態62. 前記初期構造は、溶媒中での洗浄若しくは平衡化を介して、又はライトボックス中での架橋によって後処理される、実施形態58乃至61のいずれか一の方法。
【0274】
実施形態63. 前記第1の材料は、熱可逆性材料、ガリウムを含む金属若しくは液体金属、フィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、炭水化物ガラス、プルロニック、低分子量PEG、PCL、ゼラチン、ワックス、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態58乃至62のいずれか一の方法。
【0275】
実施形態64. 前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料をキャスティングすることは、前記初期構造の前記1つ以上の空所ボリューム内に前記第1の材料を第1の温度で充填し、前記第1の材料を第2の温度で固化させ、前記第1の温度での前記第1の材料と前記第2の温度での前記第1の材料とは異なる物理的状態を持つ、ことを有する、実施形態58乃至63のいずれか一の方法。
【0276】
実施形態65. 前記初期構造は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、加熱を介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される、実施形態58乃至64のいずれか一の方法。
【0277】
実施形態66. 前記第2の材料は、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を有する、実施形態58乃至65のいずれか一の方法。
【0278】
実施形態67. 前記第2の材料は、浸漬コーティング、スプレーコーティング、粉末コーティング、蒸着、電気めっき、又は酸化及び/又は還元反応、又はこれらの組み合わせによってコーティングされる、実施形態58乃至66のいずれか一の方法。
【0279】
実施形態68. 前記第2の材料は、10nmお1000μmとの間の厚さにコーティングされる、実施形態57乃至67のいずれか一の方法。
【0280】
実施形態69. 前記第2の材料は、少なくとも2回コーティングされて多層コーティングを形成する、実施形態58乃至68のいずれか一の方法。
【0281】
実施形態70. 前記鋳造構造上の前記多層コーティングは、少なくとも2つの異なるコーティング材料を有する、実施形態58乃至69のいずれか一の方法。
【0282】
実施形態71. 前記第3の材料は、絹を含む生体材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、合成ペプチド、ヒアルロン酸、アルギン酸塩を含むポリマー、ポリウレタン、ポリカプロラクトン(PCL)、エラストマー、コラーゲンメタクリレート、コラーゲンメタクリルアミド、ゼラチンメタクリレート、ゼラチンメタクリルアミド、絹メタクリレート、絹メタクリルアミド、ヒアルロン酸メタクリレート、ヒアルロン酸メタクリルアミド、プルロニックジアクリレート、プルロニックメタクリルアミド、コンドロイチン硫酸メタクリレート、コンドロイチン硫酸メタクリルアミド、エラスチンメタクリレート、エラスチンメタクリルアミド、セルロースアクリレート、セルロースメタクリルアミド、デキストランメタクリレート、デキストランメタクリルアミド、ヘパリンメタクリレート、ヘパリンメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、キトサンメタクリレート、キトサンメタクリルアミド、ポリエチレングリコールノルボルネン、ポリエチレングリコールジチオール、チオール化ゼラチン、チオール化キトサン、チオール化ヒアルロン酸、チオール化絹、PEGベースのペプチド複合体、任意の組織/器官の脱細胞化ECM、プラスチック、ガリウム若しくはインジウムを含む金属、又はフィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態58乃至70のいずれか一の方法。
【0283】
実施形態72.
前記第1の材料は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、前記鋳造構造を加熱して前記第1の材料を液化すること、若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される、実施形態58乃至71のいずれか一の方法。
【0284】
実施形態73. 前記初期構造は、組織又は器官内の脈管トポロジを有する、実施形態58乃至72のいずれか一の方法。
【0285】
実施形態74. 前記最終構造は人工組織又は人工器官である、実施形態58乃至73のいずれか一の方法。
【0286】
実施形態75. 前記第2の材料をコーティングすることに先立って前記鋳造構造の表面を改質する、ことを更に有する実施形態40乃至55のいずれか一の方法。
【0287】
実施形態76. 前記鋳造構造の前記表面を改質することは更に、前記表面を粗面化又は平滑化すること、コラーゲンの層でコーティングすること、前記表面の一部をコラーゲンでコーティングすること、電気めっきすること、電解を実行すること、磁場中で強磁性流体を用いて前記表面の表面処理を実行すること、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態75の方法。
【0288】
実施形態77. 構造体を作成する方法であって、第1の初期構造及び第2の初期構造を用意し、前記第1の初期構造の1つ以上の第1の空所ボリューム内及び前記第2の初期構造の1つ以上の第2の空所ボリューム内に第1の材料をキャスティングし、前記第1の初期構造及び前記第2の初期構造を除去し、各々が前記第1の材料を有する第1の鋳造構造及び第2の鋳造構造を取得し、前記第1の鋳造構造と前記第2の鋳造構造とを組み立て、前記第1の鋳造構造と前記第2の鋳造構造とを有する組み立て構造を取得し、前記組み立て構造を用いて第3の材料をキャスティングし、前記第1の材料を除去し、最終構造を取得する、ことを有する方法。
【0289】
実施形態78. 前記第1の初期構造又は前記第2の初期構造の少なくとも一方は、加法製造又は減法製造によって生成されたヒドロゲル母型構造である、実施形態77の方法。
【0290】
実施形態79. 前記第1の初期構造又は前記第2の初期構造の少なくとも一方は、ワックス、プラスチック、又はポリビニルアルコール、250-35000Daを持つポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、PEG-ノルボルネン、MMP感受性PEG(PEG-MMP)、ゼラチンメタクリレート、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態77又は78の方法。
【0291】
実施形態80. 前記1つ以上の第1の空所ボリュームは第1の脈管トポロジを形成し、前記1つ以上の第2の空所ボリュームは第2の脈管トポロジを形成する、実施形態77乃至79のいずれか一の方法。
【0292】
実施形態81. 前記第1の初期構造又は前記第2の初期構造の少なくとも一方は、溶媒中での洗浄若しくは平衡化を介して、又はライトボックス中での架橋によって後処理される、実施形態77乃至80のいずれか一の方法。
【0293】
実施形態82. 前記第1の材料は、熱可逆性材料、ガリウムを含む金属若しくは液体金属、フィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、炭水化物ガラス、プルロニック、低分子量PEG、PCL、ゼラチン、ワックス、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態77乃至81のいずれか一の方法。
【0294】
実施形態83. 前記1つ以上の第1の空所ボリューム内及び前記1つ以上の第2の空所ボリューム内に前記第1の材料をキャスティングすることは、前記第1の材料を第1の温度で充填し、前記第1の材料を第2の温度で固化させ、前記第1の温度での前記第1の材料と前記第2の温度での前記第1の材料とは異なる物理的状態を持つ、ことを有する、実施形態77乃至82のいずれか一の方法。
【0295】
実施形態84. 前記第1の初期構造又は前記第2の初期構造の少なくとも一方は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、加熱を介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される、実施形態77乃至83のいずれか一の方法。
【0296】
実施形態85. 前記第1の鋳造構造又は前記第2の鋳造構造の少なくとも一方の表面を改質する、ことを更に有する実施形態77乃至84のいずれか一の方法。
【0297】
実施形態86. 前記第1の鋳造構造及び前記第2の鋳造構造上に1つ以上の第2の材料をコーティングする、ことを更に有する実施形態77乃至85のいずれか一の方法。
【0298】
実施形態87. 前記1つ以上の第2の材料は、生体適合材料、血液適合材料、細胞、細胞接着材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、PEGベースのペプチド複合体、ポリウレタン、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又は銅、ニッケル、若しくは金を含む金属を有する、実施形態86の方法。
【0299】
実施形態88. 前記1つ以上の第2の材料は、前記第1の鋳造構造又は前記第2の鋳造構造の少なくとも一方上に、浸漬コーティング、スプレーコーティング、粉末コーティング、蒸着、電気めっき、又は酸化及び/又は還元反応、又はこれらの組み合わせによってコーティングされる、実施形態77乃至87のいずれか一の方法。
【0300】
実施形態89. 前記1つ以上の第2の材料は、前記第1の鋳造構造又は前記第2の鋳造構造の少なくとも一方上に、10nmお1000μmとの間の厚さにコーティングされる、実施形態77乃至88のいずれか一の方法。
【0301】
実施形態90. 前記1つ以上の第2の材料は、前記第1の鋳造構造又は前記第2の鋳造構造の少なくとも一方上に、少なくとも2回コーティングされて多層コーティングを形成する、実施形態77乃至89のいずれか一の方法。
【0302】
実施形態91. 前記第1の鋳造構造又は前記第2の鋳造構造の少なくとも一方上の前記多層コーティングは、少なくとも2つの異なるコーティング材料を有する、実施形態90の方法。
【0303】
実施形態92. 前記第1の鋳造構造上にコーティングされた前記1つ以上の第2の材料は、前記第2の鋳造構造上にコーティングされた前記第2の材料とは異なる厚さを持つ、実施形態77乃至91のいずれか一の方法。
【0304】
実施形態93. 前記第1の鋳造構造上にコーティングされた前記1つ以上の第2の材料は、前記第2の鋳造構造上にコーティングされた前記第2の材料とは異なる表面ラフネス値を持つ、実施形態77乃至92のいずれか一の方法。
【0305】
実施形態94. 前記第1の鋳造構造上にコーティングされた前記1つ以上の第2の材料は、前記第2の鋳造構造上にコーティングされた前記1つ以上の第2の材料とは異なる、実施形態77乃至93のいずれか一の方法。
【0306】
実施形態95. ニッケルが前記第1の鋳造構造上にコーティングされ、金が前記第2の鋳造構造上にコーティングされる、実施形態77乃至94のいずれか一の方法。
【0307】
実施形態96. 前記組み立て構造はキャパシタである、実施形態77乃至95のいずれか一の方法。
【0308】
実施形態97. 前記第1の鋳造構造又は前記第2の鋳造構造の少なくとも一方は、溶解若しくは分解によって、酸性若しくは塩基性条件下での1つ以上の化学的プロセスによって、トリプシン、コラゲナーゼ、プロテイナーゼK、カテプシンK、若しくはこれらの任意の組み合わせを含む、プロテアーゼ若しくはペプチダーゼとのコラゲナーゼインキュベーションによって、又は機械的プロセス、膨潤、乾燥、前記第1の鋳造構造若しくは前記第2の鋳造構造を加熱して前記第1の材料を液化することを介する若しくは前記初期構造中の光解離性リンカーの存在に起因する光プロセスを介する1つ以上の物理的プロセスによって、又はこれらの任意の組み合わせによって除去される、実施形態77乃至96のいずれか一の方法。
【0309】
実施形態98. 前記第1の鋳造構造又は前記第2の鋳造構造は、前記第1の鋳造構造又は前記第2の鋳造構造の一方を加熱して液化することによって除去される、実施形態77乃至97のいずれか一の方法。
【0310】
実施形態99. 前記表面を改質することは、前記表面を粗面化又は平滑化すること、コラーゲンの層でコーティングすること、前記表面の一部をコラーゲンでコーティングすること、電気めっきすること、電解を実行すること、磁場中で強磁性流体を用いて前記表面の表面処理を実行すること、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態77乃至98のいずれか一の方法。
【0311】
実施形態100. 前記第3の材料は、絹を含む生体材料、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、合成ペプチド、ヒアルロン酸、アルギン酸塩を含むポリマー、ポリウレタン、ポリカプロラクトン(PCL)、エラストマー、コラーゲンメタクリレート、コラーゲンメタクリルアミド、ゼラチンメタクリレート、ゼラチンメタクリルアミド、絹メタクリレート、絹メタクリルアミド、ヒアルロン酸メタクリレート、ヒアルロン酸メタクリルアミド、プルロニックジアクリレート、プルロニックメタクリルアミド、コンドロイチン硫酸メタクリレート、コンドロイチン硫酸メタクリルアミド、エラスチンメタクリレート、エラスチンメタクリルアミド、セルロースアクリレート、セルロースメタクリルアミド、デキストランメタクリレート、デキストランメタクリルアミド、ヘパリンメタクリレート、ヘパリンメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、キトサンメタクリレート、キトサンメタクリルアミド、ポリエチレングリコールノルボルネン、ポリエチレングリコールジチオール、チオール化ゼラチン、チオール化キトサン、チオール化ヒアルロン酸、チオール化絹、PEGベースのペプチド複合体、任意の組織/器官の脱細胞化ECM、プラスチック、ガリウム若しくはインジウムを含む金属、又はフィールドメタル、ガリウム-インジウム、ガリウム-スズ、及びガリウム-インジウム-スズを含む合金、過冷却液体金属、又はこれらの任意の組み合わせを有する、実施形態77乃至99のいずれか一の方法。
【0312】
実施形態101. 前記組み立て構造は、前記第1の鋳造構造の1つ以上の第1フィーチャと及び前記第2の鋳造構造の1つ以上の第2フィーチャを有する、実施形態77乃至100のいずれか一の方法。
【0313】
実施形態102. 組み立て構造を用いて第3の材料をキャスティングすることに先立って、前記1つ以上の第1フィーチャ又は前記1つ以上の第2フィーチャを加熱して膨張させる、ことを更に有する実施形態101の方法。
【0314】
実施形態103. 組み立て構造を用いて第3の材料をキャスティングすることに先立って、前記1つ以上の第1フィーチャ又は前記1つ以上の第2フィーチャを冷却して収縮させる、ことを更に有する実施形態77乃至102のいずれか一の方法。
【0315】
実施形態104. 前記1つ以上の第1フィーチャと前記1つ以上の第2フィーチャは、前記1つ以上の第1フィーチャと前記1つ以上の第2フィーチャとの間の隔たりの最も近い点において1μmより大きい距離だけ隔てられる、実施形態77乃至103のいずれか一の方法。
【0316】
実施形態105. 前記最終構造は、前記第1の鋳造構造の前記1つ以上の第1フィーチャのネガ型である1つ以上の最終第1フィーチャ、及び前記第2の鋳造構造の前記1つ以上の第2フィーチャのネガ型である1つ以上の最終第2フィーチャを有する、実施形態77乃至104のいずれか一の方法。
【0317】
実施形態106. 前記1つ以上の最終第1フィーチャと前記1つ以上の最終第2フィーチャは、前記1つ以上の最終第1フィーチャと前記1つ以上の最終第2フィーチャとの間の隔たりの最も近い点において10μmより小さい距離だけ隔てられる、実施形態77乃至105のいずれか一の方法。
【0318】
実施形態107. 前記第1の初期構造又は前記第2の初期構造の少なくとも一方は、組織又は器官内の脈管トポロジを有する、実施形態77乃至106のいずれか一の方法。
【0319】
実施形態108. 前記最終構造は人工組織又は人工器官である、実施形態77乃至107のいずれか一の方法。
【0320】
実施形態109. いずれかの先行実施形態に従って製造された構造体。
【0321】
実施形態110. 前記第1及び第2の材料のうちの1つ以上をキャスティングするための流体チャネル、を有する実施形態109の構造体。
【0322】
実施形態111. 前記流体チャネルは、前記初期構造の空所ボリューム内にある、いずれかの先行実施形態の構造体。
【0323】
実施形態112. 前記流体チャネルは、注入可能材料の流れを調節するための1つ以上の狭窄部を有する、いずれかの先行実施形態の構造体。
【0324】
実施形態113. 前記1つ以上の狭窄部は末端フィーチャとして設計されている、実施形態112の構造体。
【0325】
実施形態114. 前記1つ以上の狭窄部は、注入可能材料を充填した後に空所ボリュームを終端する弁として構成される、いずれかの先行実施形態の構造体。
【0326】
実施形態115. 先行実施形態のいずれかに従った構造体を製造するためのシステムであって、当該システムは、ヒドロゲルを有する初期構造、前記ヒドロゲルを収容するチャンバ、ヒドロゲル容器の入口及び出口に接続するマニホールド、該マニホールドに接続された1つ以上のチューブ、1つ以上のポンプ、1つ以上の流体貯留部、及び/又は1つ以上の廃棄物コンテナを有する、システム。
【0327】
実施形態116. 前記1つ以上のポンプは、シリンジポンプ又は蠕動ポンプを有する、実施形態115のシステム。
【0328】
実施形態117. 前記1つ以上のポンプは、前記初期構造内の1つ以上の空所に注入可能材料を充填するために使用される、いずれかの先行実施形態のシステム。
【0329】
実施形態118. 前記初期構造内の1つ以上の空所は、正圧又は負圧を用いて充填される、いずれかの先行実施形態のシステム。
【0330】
実施形態119. 前記初期構造内の前記1つ以上の空所を充填するために電気的勾配が印加される、実施形態118のシステム。
【0331】
実施形態120. 前記初期構造内の前記1つ以上の空所を充填するために真空が適用される、いずれかの先行実施形態のシステム。
【0332】
この明細書は数多くの具体的な実装上の詳細を含んでいるが、これらは、いずれかの発明の範囲又は特許請求され得るものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の発明の特定の実装に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別々の実装の文脈でこの明細書において説明された特定の特徴が、単一の実装において組み合わせて実装されることもできる。逆に、単一の実装の文脈で説明された様々な特徴が、複数の実装において別々に実装されたり何らかの好適なサブコンビネーションで実装されたりすることもできる。また、複数の特徴が、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、更には当初そのように特許請求されるかもしれないが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴が、一部のケースで、その組み合わせから削除されてもよく、また、特許請求された組み合わせがサブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0333】
同様に、図面には処理が特定の順序で示されるが、これは、所望の結果を達成するために、そのような処理が示された特定の順序で、又は連続した順序で実行されること、あるいは全ての示された処理が実行されることを必要とすると理解されるべきでない。ある特定の状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利であることがある。また、上述の実装における様々なシステムコンポーネントの分離は、全ての実装においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、理解されるべきことには、説明されたプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェアプロダクトに一緒に統合されたり、複数のソフトウェアプロダクトにパッケージングされたりすることができる。
【0334】
“又は”への言及は、“又は”を用いて記述される用語が、記述される用語のうちの1つ、2つ以上、及び全てのうちのいずれかを示し得るように、包含的であると解釈されることができる。ラベル“第1”、“第2”、“第3の”などは、必ずしも順序付けを示すことを意味するものではなく、一般に、似通った又は同様のアイテム又は要素を区別するためだけに使用される。
【0335】
この開示で説明された実装に対する様々な変更が当業者には容易に明らかになり、ここで定められた一般原理は、この開示の主旨又は範囲から逸脱することなく他の実装に適用され得る。従って、請求項は、ここに示された実装に限定されるものではなく、この開示、ここに開示された原理及び新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【国際調査報告】