(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】共有TXOPを用いる無線通信装置及び無線通信装置の動作方法
(51)【国際特許分類】
H04W 74/02 20090101AFI20240514BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240514BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20240514BHJP
H04W 72/20 20230101ALI20240514BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240514BHJP
【FI】
H04W74/02
H04W84/12
H04W72/1268
H04W72/20
H04W72/0453
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572916
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 KR2022007430
(87)【国際公開番号】W WO2022250453
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0067239
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0150135
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0155384
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0026421
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0021796
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516079109
【氏名又は名称】ウィルス インスティテュート オブ スタンダーズ アンド テクノロジー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サンヒュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ゴンジュン・コ
(72)【発明者】
【氏名】ジュヒョン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジンサム・カク
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067CC02
5K067DD24
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE22
5K067HH21
5K067JJ21
(57)【要約】
AP(access point)と通信するためのnon-APステーションが開示される。non-APステーションは、送受信部;及び、プロセッサを含む。前記プロセッサは、前記送受信部を用いて、前記APからMU-RTS(multi user-request to send)TXS(TXOP sharing)トリガーフレームを含む第1PPDUを受信し、前記MU-RTS TXSトリガーフレームは、前記APが獲得したTXOPのうち一部である共有TXOPを前記non-APステーションに割り当て、前記送受信部を用いて、前記MU-RTS TXSフレームに対する応答としてCTSフレームを含む第2PPDUを前記APに送信し、前記送受信部を用いて、前記共有TXOP内で第3PPDUを送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AP(access point)と通信するためのnon-APステーションであって、
送受信部;及び
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
前記送受信部を用いて、前記APからMU-RTS(multi user-request to send)TXS(TXOP sharing)トリガーフレームを含む第1PPDUを受信し、前記MU-RTS TXSトリガーフレームは、前記APが獲得したTXOPのうち一部である共有TXOPを前記non-APステーションに割り当て、
前記送受信部を用いて、前記MU-RTS TXSフレームに対する応答としてCTSフレームを含む第2PPDUを前記APに送信し、
前記送受信部を用いて、前記共有TXOP内で第3PPDUを送信するnon-APステーション。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第2PPDUの帯域幅と同一又は狭い帯域幅で第3PPDUを送信する、請求項1に記載のnon-APステーション。
【請求項3】
前記第2PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い値を、前記第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定する、請求項2に記載のnon-APステーション。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記APがディセーブルと最後に指定したサブチャネルに基づいて前記第3PPDUを送信する、請求項1に記載のnon-APステーション。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第3PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、前記APがディセーブルと最後に指定したサブチャネルに該当するビットを、1に設定する、請求項1に記載のnon-APステーション。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われたか否かに基づいて、前記第3PPDUの周波数帯域に関するパラメータを設定する、請求項1に記載のnon-APステーション。
【請求項7】
前記周波数帯域に関するパラメータは、TXVECTORのCH_BANDWIDTHを含み、
前記プロセッサは、
前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われた場合に、前記第3PPDUの送信以前に受信したnon-HT PPDUのRXVECTORのCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い帯域幅を、第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定し、
前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われていない場合に、前記第2PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い帯域幅を、前記第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定する、請求項6に記載のnon-APステーション。
【請求項8】
前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換は、RTSフレームを含むnon-HT PPDUとCTSフレームを含むnon-HT PPDUの交換である、請求項6に記載のnon-APステーション。
【請求項9】
前記第3PPDUは、前記non-APステーションのP2Pピアステーションに送信されるP2P PPDUである、請求項6に記載のnon-APステーション。
【請求項10】
前記MU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値は、前記第2PPDUの送信時点に基づいて設定される、請求項1に記載のnon-APステーション。
【請求項11】
前記第3PPDUは、前記non-APステーションのP2Pピアステーションに送信されるP2P PPDUであり、
前記プロセッサは、
前記第3PPDUを送信する前に、前記APのMACアドレスを送信者アドレスとして有するRTSフレームを前記P2Pピアステーションに送信する、請求項1に記載のnon-APステーション。
【請求項12】
AP(access point)と通信するためのnon-APステーションの動作方法であって、
前記APからMU-RTS(multi user-request to send)TXS(TXOP sharing)トリガーフレームを含む第1PPDUを受信し、前記MU-RTS TXSトリガーフレームは、前記APが獲得したTXOPのうち一部である共有TXOPを前記non-APステーションに割り当てる段階;
前記MU-RTS TXSフレームに対する応答としてCTSフレームを含む第2PPDUを前記APに送信する段階;及び
前記共有TXOP内で第3PPDUを送信する段階を含む動作方法。
【請求項13】
前記共有TXOP内で第3PPDUを送信する段階は、
前記第2PPDUの帯域幅と同一又は狭い帯域幅で第3PPDUを送信する段階を含む、請求項12に記載の動作方法。
【請求項14】
前記第2PPDUの帯域幅と同一又は狭い帯域幅で第3PPDUを送信する段階は、
前記第2PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い値を、前記第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定する段階を含む、請求項13に記載の動作方法。
【請求項15】
前記共有TXOP内で第3PPDUを送信する段階は、
前記APがディセーブルと最後に指定したサブチャネルに基づいて前記第3PPDUを送信する段階を含む、請求項12に記載の動作方法。
【請求項16】
前記APがディセーブルと最後に指定したサブチャネルに基づいて前記第3PPDUを送信する段階は、
前記第3PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、前記APがディセーブルと最後に指定したサブチャネルに該当するビットを1に設定する段階を含む、請求項12に記載の動作方法。
【請求項17】
前記共有TXOP内で第3PPDUを送信する段階は、
前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われたか否かに基づいて、前記第3PPDUの周波数帯域に関するパラメータを設定する段階を含む、請求項12に記載の動作方法。
【請求項18】
前記周波数帯域に関するパラメータは、TXVECTORのCH_BANDWIDTHを含み、
前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われたか否かに基づいて、前記第3PPDUの周波数帯域に関するパラメータを設定する段階は、
前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われた場合に、前記第3PPDUの送信以前に受信したnon-HT PPDUのRXVECTORのCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い帯域幅を、第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定する段階と、
前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われていない場合に、前記第2PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い帯域幅を、前記第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定する段階を含む、請求項17に記載の動作方法。
【請求項19】
前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換は、RTSフレームを含むnon-HT PPDUとCTSフレームを含むnon-HT PPDUの交換である、請求項17に記載の動作方法。
【請求項20】
前記第3PPDUは、前記non-APステーションのP2Pピアステーションに送信されるP2P PPDUである、請求項17に記載の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共有TXOPを用いる無線通信装置及び無線通信装置の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の普及が拡大されるにつれ、それらに速い無線インターネットサービスを提供し得る無線LAN(Wireless LAN)技術が脚光を浴びている。無線LAN技術は、近距離で無線通信技術に基づいてスマートフォン、スマートパッド、ラップトップPC、携帯型マルチメディアプレーヤー、インベデッド機器などのようなモバイル機器を家庭や企業、または特定サービス提供地域において、無線でインターネットに接続し得るようにする技術である。
【0003】
IEEE(Istitute of Electronics Engineers) 802.11は、2.4GHのz周波数を用いた初期の無線LAN技術を支援した以来、多様な技術の標準を実用化または開発中である。まず、IEEE 802.11bは2.4GHzバンドの周波数を使用し、最高11Mbpsの通信速度を支援する。IEEE 802.11bの後に商用化されたIEEE 802.11aは2.4GHzバンドではなく5GHzバンドの周波数を使用することで、相当混雑した2.4GHzバンドの周波数に比べ干渉への影響を減らしており、OFDM技術を使用して通信速度を最大54Mbpsまで向上させている。しかし、IEEE 802.11aはIEEE 802.11bに比べ通信距離が短い短所がある。そして、IEEE 802.11gはIEEE 802.11bと同じく2.4GHzバンドの週は酢を使用して最大54Mpbsの通真相度を具現し、下位互換性(backward compatibility)を満足していて相当な注目を浴びたが、通信距離においてもIEEE 802.11aより優位にある。
【0004】
そして、無線LANで脆弱点として指摘されていた通信速度に関する限界を克服するために制定された技術規格として、IEEE 802.11nがある。IEEE 802.11nはネットワークの速度と信頼性を増加させ、無線ネットワークの運営距離を拡張するのにその目的がある。詳しくは、IEEE 802.11nではデータ処理速度が最大540Mbps以上の高処理率(High Throughput、HT)を支援し、また、伝送エラーを最小化しデータの速度を最適化するために送信部と受信部の両端共に多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基盤している。また、この規格はデータの信頼性を上げるために重複する写本を複数個伝送するコーディング方式を使用している。
【0005】
無線LANの普及が活性化され、また、それを使用したアプリケーションが多様化するにつれ、IEEE 802.11nが支援するデータの処理速度より高い処理率(Very High Throughput、VHT)を支援するための新たな無線LANシステムに対する必要性が台頭している。そのうち、IEEE 802.11acは5GHz周波数で広い帯域幅(80MHz~160MHz)を支援する。IEEE 802.11ac標準は5GHz帯域でのみ定義されているが、従来の2.4GHz帯域の製品との下位互換性のために、初期11acチップセットは2.4GHz帯域での動作も支援すると考えられる。理論的に、この規格によると多重ステーションの無線LANの速度は最小1Gbps、最大単一リンク速度は最小500Mbpsまで可能になる。これはより広い無線周波数帯域幅(最大160MHz)、より多いMIMO空間的ストリーム(最大8個)、マルチユーザMIMO、そして、高い密度の変調(最大256QAM)など、802.11nで受け入れられた無線インタフェースの概念を拡張して行われる。また、従来の24GHz/5GHzに代わって60GHzバンドを利用してデータを伝送する方式として、IEEE 802.11adがある。IEEE 802.11adはビームフォーミング技術を利用して最大7Gbpsの速度を提供する伝送規格であって、大容量のデータや無圧縮HDビデオなど、高いビットレート動画のストリーミングに適合している。しかし、60GHz周波数バンドは障害物の通過が難しく、近距離空間でのデバイスの間でのみ利用可能な短所がある。
【0006】
一方、802.11ac及び802.11ad以後の無線LAN標準として、APと端末が密集した高密度環境における高効率及び高性能の無線LAN通信技術を提供するためのIEEE 802.11ax(High Efficiency WLAN,HEW)標準が開発され、完了段階にある。802.11axベース無線LAN環境では、高密度のステーションとAP(Access Point)の存在下に屋内/屋外で高い周波数効率の通信が提供される必要があり、これを具現するための様々な技術が開発されている。
【0007】
また、高画質ビデオ、実時間ゲームなどのような新しいマルチメディア応用を支援するために、最大送信速度を上げるための新しい無線LAN標準を開発し始めた。7世代無線LAN標準であるIEEE 802.11be(Extremely High Throughput,EHT)では、2.4/5/6GHzの帯域でより広い帯域幅と増加した空間ストリーム及び多重AP協調などによって最大で30Gbpsの送信率を支援することを目標に標準開発を進行中である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例は、共有TXOPを用いる無線通信装置及び無線通信装置の動作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施例によって、AP(access point)と通信するためのnon-APステーションは、送受信部;及び、プロセッサを含む。前記プロセッサは、前記送受信部を用いて、前記APからMU-RTS(multi user-request to send)TXS(TXOP sharing)トリガーフレームを含む第1PPDUを受信し、前記MU-RTS TXSトリガーフレームは、前記APが獲得したTXOPのうち一部である共有TXOPを前記non-APステーションに割り当て、前記送受信部を用いて、前記MU-RTS TXSフレームに対する応答としてCTSフレームを含む第2PPDUを前記APに送信し、前記送受信部を用いて、前記共有TXOP内で第3PPDUを送信する。
【0010】
前記プロセッサは、前記第2PPDUの帯域幅と同一又は狭い帯域幅で第3PPDUを送信できる。
【0011】
前記第2PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い値を、前記第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定できる。
【0012】
前記プロセッサは、前記APがディセーブルと最後に指定したサブチャネルに基づいて前記第3PPDUを送信できる。
【0013】
前記プロセッサは、前記第3PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、前記APがディセーブルと最後に指定したサブチャネルに該当するビットを、1に設定できる。
【0014】
前記プロセッサは、前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われたか否かに基づいて、前記第3PPDUの周波数帯域に関するパラメータを設定できる。
【0015】
前記周波数帯域に関するパラメータは、TXVECTORのCH_BANDWIDTHを含むことができる。このとき、前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われた場合に、前記プロセッサは、前記第3PPDUの送信以前に受信したnon-HT PPDUのRXVECTORのCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い帯域幅を、第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定できる。また、前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われていない場合に、前記プロセッサは、前記第2PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い帯域幅を、前記第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定できる。
【0016】
前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換は、RTSフレームを含むnon-HT PPDUとCTSフレームを含むnon-HT PPDUの交換であってよい。
【0017】
前記第3PPDUは、前記non-APステーションのP2Pピアステーションに送信されるP2P PPDUであってよい。
【0018】
前記MU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値は、前記第2PPDUの送信時点に基づいて設定されてよい。
【0019】
前記第3PPDUは、前記non-APステーションのP2Pピアステーションに送信されるP2P PPDUであってよい。
【0020】
前記プロセッサは、前記第3PPDUを送信する前に、前記APのMACアドレスを送信者アドレスとして有するRTSフレームを、前記P2Pピアステーションに送信できる。
【0021】
本発明の実施例によって、AP(access point)と通信するためのnon-APステーションの動作方法は、前記APからMU-RTS(multi user-request to send)TXS(TXOP sharing)トリガーフレームを含む第1PPDUを受信し、前記MU-RTS TXSトリガーフレームは、前記APが獲得したTXOPのうち一部である共有TXOPを前記non-APステーションに割り当てる段階;前記MU-RTS TXSフレームに対する応答としてCTSフレームを含む第2PPDUを前記APに送信する段階;及び、前記共有TXOP内で第3PPDUを送信する段階を含む。
【0022】
前記共有TXOP内で第3PPDUを送信する段階は、前記第2PPDUの帯域幅と同一又は狭い帯域幅で第3PPDUを送信する段階を含むことができる。
【0023】
前記第2PPDUの帯域幅と同一又は狭い帯域幅で第3PPDUを送信する段階は、前記第2PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い値を、前記第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定する段階を含むことができる。
【0024】
前記共有TXOP内で第3PPDUを送信する段階は、前記APがディセーブルと最後に指定したサブチャネルに基づいて前記第3PPDUを送信する段階を含むことができる。
【0025】
前記APがディセーブルと最後に指定したサブチャネルに基づいて前記第3PPDUを送信する段階は、前記第3PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、前記APがディセーブルと最後に指定したサブチャネルに該当するビットを、1に設定する段階を含むことができる。
【0026】
前記共有TXOP内で第3PPDUを送信する段階は、前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われたか否かに基づいて、前記第3PPDUの周波数帯域に関するパラメータを設定する段階を含むことができる。
【0027】
前記周波数帯域に関するパラメータは、TXVECTORのCH_BANDWIDTHを含むことができる。この時、前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われたか否かに基づいて、前記第3PPDUの周波数帯域に関するパラメータを設定する段階は、前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われた場合に、前記第3PPDUの送信以前に受信したnon-HT PPDUのRXVECTORのCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い帯域幅を、第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定する段階と、前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換が行われていない場合に、前記第2PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い帯域幅を前記第3PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定する段階を含むことができる。
【0028】
前記共有TXOPにおいて前記第3PPDUの送信以前にnon-HT PPDU交換は、RTSフレームを含むnon-HT PPDUとCTSフレームを含むnon-HT PPDUの交換であってよい。
【0029】
前記第3PPDUは、前記non-APステーションのP2Pピアステーションに送信されるP2P PPDUであってよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施例は、共有TXOPを用いる無線通信装置及び無線通信装置の動作方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
【
図2】本発明の他の実施例による無線LANシステムを示す図である。
【
図3】本発明の一実施例によるステーションの構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例によるアクセスポイントの構成を示す図である。
【
図5】STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【
図6】無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance)方法を示す図である。
【
図7】様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す。
【
図8】本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す。
【
図9】RTSフレームとCTSフレーム交換を用いたTXOP保護方法を示す。
【
図10】MU-RTSフレームとCTSフレームを用いたTXOP保護方法を示す。
【
図11】本発明の実施例に係るトリガーフレームのフォーマットを示す。
【
図12】本発明の実施例に係るトリガーフレームのCommon Infoフィールドのフォーマットを示す。
【
図13】本発明の実施例に係るトリガーフレームのUser Infoフィールドのフォーマットを示す。
【
図14】本発明の実施例に係るステーションがCTSフレームを送信するサブチャネルを決定する方法を示す。
【
図15】本発明の実施例に係るMU-RTS TXSフレームのフォーマットを示す。
【
図16】本発明の実施例によって、APがMU-RTS TXSフレームを送信してnon-APステーションに共有TXOPを割り当てることを示す。
【
図17】本発明の実施例によって、APがMU-RTS TXSフレームを送信してnon-APステーションに共有TXOPを割り当てることを示す。
【
図18】本発明の実施例によって、TXOPホルダーであるAPが、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのパラメータを設定する方法を示す。
【
図19】本発明の実施例によって、TXOPホルダーであるAPが、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのパラメータを設定する方法を示す。
【
図20】本発明の実施例に係る、共有TXOPが送信されるPPDUの意図された受信者が変更される時のPPDUのTXVECTOR設定方法を示す。
【
図21】本発明の実施例に係る、APがMU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値を、MU-RTS TXSフレームに対するCTSフレームを受信する時点までに設定することを示す。
【
図22】本発明の実施例に係る、APがMU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値を開始フレームに基づいて設定することを示す。
【
図23】本発明の一実施例によって、共有TXOPが割り当てられたステーションが、送信者アドレスが共有TXOPを設定したAPとして設定されたRTSフレームを送信することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書で使用される用語は、本発明での機能を考慮してできる限り現在広く使用されている一般的案用語を選択しているが、これは該当技術分野に携わる技術者の意図、慣例、または新たな技術の出現などによって異なり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、このような場合は該当する発明の説明部分でその意味を記載する。よって、本明細書で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する実質的な意味と本明細書全般にわたる内容に基づいて解釈すべきであることを明らかにする。
【0033】
明細書全体にわたって、ある構成が他の構成と「連結」されているとすると、これは「直接連結」されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を間に挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素が特定の構成要素を「含む」とすると、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素を更に含み得ることを意味する。加えて、特定閾値を基準に「以上」または「以下」という限定事項は、実施例によってそれぞれ「超過」または「未満」に適切に代替され得る。
【0034】
以下、本発明において、フィールドとサブフィールドは同じ意味で使われてよい。
【0035】
図1は、本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
【0036】
無線LANシステムは、一つまたはそれ以上のベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)を含むが、BSSは同期化に成功し互いに通信し得る機器の集合を示す。一般に、BSSはインフラストラクチャBSS(infrastructure BSS)と独立BSS(Independent BSS、IBSS)に区分されるが、
図1はこのうちインフラストラクチャBSSを示している。
【0037】
図1に示すように、インフラストラクチャーBSS BSS1,BSS2は、1つ又はそれ以上のステーションSTA1,STA2,STA3,STA4,STA5、分配サービス(Distribution Service)を提供するステーションであるアクセスポイントAP-1,AP-2、及び複数のアクセスポイントAP-1,AP-2を連結させる分配システム(Distribution System)DSを含む。
【0038】
ステーション(Station、STA)は、IEEE 802.11標準の規定に従う媒体接続制御(Medium Access Control、MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インタフェースを含む任意のディバイスであって、広い意味では非アクセスポイントnon-APステーションのみならずアクセスポイントAPを全て含む。また、本明細書において、「端末」とはnon-APまたはAPを指すか、両者を全て指す用語として使用される。無線通信のためのステーションはプロセッサと通信部を含み、実施例によってユーザインタフェース部とディスプレーユニットなどを更に含む。プロセッサは無線ネットワークを介して伝送するフレームを生成するか、または前記無線ネットワークを介して受信されたフレームを処理し、その他にステーションを制御するための多様な処理を行う。そして、通信部は前記プロセッサと機能的に連結されており、ステーションのために無線ネットワークを介してフレームを送受信する。本発明において、端末はユーザ端末機(user equipment、UE)を含む用語として使用される。
【0039】
アクセスポイント(Access Point、AP)は、自らに結合された(associated)ステーションのために無線媒体を経由して分配システムDSに対する接続を提供する個体である。インフラストラクチャBSSにおいて、非APステーション間の通信はAPを経由して行われることが原則であるが、ダイレクトリンクが設定されている場合は非APステーションの間でも直接通信が可能である。一方、本発明において、APはPCP(Personal BSS Coordination Point)を含む概念として使用されるが、広い意味では集中制御器、基地局(Base Station、BS)、ノードB、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などの概念を全て含む。本発明において、APはベース無線通信端末とも称されるが、ベース無線通信端末は、広い意味ではAP、ベースステーション(base station)、eNB(eNodeB)、及びトランスミッションポイントTPを全て含む用語として使用される。それだけでなく、ベース無線通信端末は複数の無線通信端末との通信で通信媒介体(medium)資源を割り当て、スケジューリング(scheduling)を行う多様な形態の無線通信端末を含む。
【0040】
複数のインフラストラクチャBSSは、分配システムDSを介して互いに連結される。この際、分配システムを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)という。
【0041】
図2は、本発明の他の実施例による無線LANシステムである独立BSSを示す図である。
図2の実施例において、
図1の実施例と同じであるか相応する部分は重複する説明を省略する。
【0042】
図2に示したBSS3は独立BSSであってAPを含まないため、全てのステーション(STA6、STA7)がAPと接続されていない状態である。独立BSSは分配システムへの接続が許容されず、自己完備的ネットワーク(self-contained network)をなす。独立BSSにおいて、それぞれのステーション(STA6、STA7)はダイレクトに互いに連結される。
【0043】
図3は、本発明の一実施例によるステーション100の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるステーション100は、プロセッサ110、通信部120、ユーザインタフェース部140、ディスプレーユニット150、及びメモリ160を含む。
【0044】
まず、通信部120は、無線LANパケットなどの無線信号を送受信し、ステーション100に組み込まれる又は外付けられて具備されてよい。実施例によれば、通信部120は、互いに異なる周波数バンドを用いる少なくとも1つの通信モジュールを含むことができる。例えば、前記通信部120は、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzなどの異なる周波数バンドの通信モジュールを含むことができる。一実施例によれば、ステーション100は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてAP又は外部ステーションと無線通信を行うことができる。通信部120は、ステーション100の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。ステーション100が複数の通信モジュールを含む場合に、各通信モジュールはそれぞれ独立した形態で備えられてもよく、複数のモジュールが1つのチップとして統合して備えられてもよい。本発明の実施例において、通信部120は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0045】
次に、ユーザインタフェース140は、ステーション100に備えられた多様な形態の入出力手段を含む。つまり、ユーザインタフェース部140は多様な入力手段を利用してユーザの入力を受信し、プロセッサ110は受信されたユーザ入力に基づいてステーション100を制御する。また、ユーザインタフェース部140は、多様な出力手段を利用してプロセッサ110の命令に基づいた出力を行う。
【0046】
次に、ディスプレーユニット150は、ディスプレー画面にイメージを出力する。前記ディスプレーユニット150は、プロセッサ110によって行われるコンテンツ、またはプロセッサン110の制御命令に基づいたユーザインタフェースなどの多様なディスプレーオブジェクトを出力する。また、メモリ160は、ステーション100で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーション100がAPまたは外部のステーションと接続を行うのに必要な接続プログラムが含まれる。
【0047】
本発明のプロセッサ110は多様な命令またはプログラムを行い、ステーション100内部のデータをプロセッシングする。また、前記プロセッサ110は上述したステーション100の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信の制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ110はメモリ160に貯蔵されたAPとの接続のためのプログラムを行い、APが伝送した通信設定メッセージを受信する。また、プロセッサ110は通信設定メッセージに含まれたステーション100の優先条件に関する情報を読み取り、ステーション100の優先条件に関する情報に基づいてAPに関する接続を要請する。本発明のプロセッサ110はステーション100のメインコントロールユニットを指してもよく、実施例によってステーション100の一部の構成、例えば、通信部120などを個別的に制御するためのコントロールユニットを指してもよい。つまり、プロセッサ110は通信部120から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部(modulator and/or demodulator)であってもよい。プロセッサ110は、本発明の実施例によるステーション100の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0048】
図3に示したステーション100は本発明の一実施例によるブロック図であって、分離して示したブロックはディバイスのエレメントを論理的に区別して示したものである。よって、上述したディバイスのエレメントは、ディバイスの設計に応じて一つのチップまたは複数のチップに取り付けられる。例えば、前記プロセッサ110及び通信部120は一つのチップに統合されて具現されてもよく、別途のチップで具現されてもよい。また、本発明の実施例において、前記ステーション100の一部の構成、例えば、ユーザインタフェース部140及びディスプレーユニット150などはステーション100に選択的に備えられてもよい。
【0049】
図4は、本発明の一実施例によるAP200の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるAP200は、プロセッサ210、通信部220、及びメモリ260を含む。
図4において、AP200の構成のうち
図3のステーション100の構成と同じであるか相応する部分については重複する説明を省略する。
【0050】
図4を参照すると、本発明に係るAP 200は、少なくとも1つの周波数バンドにおいてBSSを運営するための通信部220を備える。
図3の実施例において前述したように、前記AP 200の通信部220も、互いに異なる周波数バンドを用いる複数の通信モジュールを含むことができる。すなわち、本発明の実施例に係るAP 200は、異なる周波数バンド、例えば、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzのいずれかを用いる2つ以上の通信モジュールを共に備えることができる。好ましくは、AP 200は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてステーションと無線通信を行うことができる。前記通信部220は、AP 200の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。本発明の実施例において、通信部220は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0051】
次に、メモリ260は、AP200で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーションの接続を管理する接続プログラムが含まれる。また、プロセッサ210はAP200の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信の制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ210はメモリ260に貯蔵されたステーションとの接続のためのプログラムを行い、一つ以上のステーションに対する通信設定メッセージを伝送する。この際、通信設定メッセージには各ステーションの接続優先条件に関する情報が含まれる。また、プロセッサ210はステーションの接続要請に応じて接続設定を行う。一実施例によると、プロセッサ210は通信部220から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部である。プロセッサ210は、本発明の実施例によるAP200の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0052】
図5は、STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【0053】
図5を参照すると、STA100とAP200間のリンクは大きくスキャニング(sanning)、認証(authentication)、及び結合(association)の3つのステップを介して設定される。まず、スキャニングステップは、AP200が運営するBSSの接続情報をSTA100が獲得するステップである。スキャニングを行うための方法としては、AP200が周期的に伝送するビーコン(beacon)メッセージS101のみを活用して情報を獲得するパッシブスキャニング(passive sanning)方法と、STA100がAPにプローブ要請(probe request)を伝送しS103、APからプローブ応答(probe response)を受信してS105、接続情報を獲得するアクティブスキャニング(active sanning)方法がある。
【0054】
スキャニングステップにおいて無線接続情報の受信に成功したSTA100は、認証要請(authentication request)を伝送しS107a、AP200から認証応答(authentication response)を受信してS107b、認証ステップを行う。認証ステップが行われた後、STA100は結合要請(association request)を伝送しS109a、AP200から結合応答(association response)を受信してS109b、結合ステップを行う。本明細書において、結合とは基本的に無線結合を意味するが、本発明はこれに限らず、広い意味での結合は無線結合及び有線結合を全て含む。
【0055】
一方、追加に802.1X基盤の認証ステップS111、及びDHCPを介したIPアドレス獲得ステップS113が行われる。
図5において、サーバ300はSTA100と802.1X基盤の認証を処理するサーバであって、AP200に物理的に結合されて存在するか、別途のサーバとして存在してもよい。
【0056】
図6は、無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance)方法を示す図である。
【0057】
無線LAN通信を行う端末は、データを伝送する前にキャリアセンシング(Carrier Sensing)を行ってチャネルが占有状態(busy)であるのか否かをチェックする。もし一定強度以上の無線信号が感知されれば該当チャネルが占有状態と判別され、前記端末は該当チャネル対するアクセスを遅延する。このような過程をクリアチャネル評価(Clear Channel Assessment、CCA)といい、該当信号の感知有無を決定するレベルをCCA閾値(CCA threshold)という。もし端末に受信されたCCA閾値以上の無線信号が該当端末を受信者とすれば、端末は受信された無線信号を処理する。一方、該当チャネルから無線信号が感知されないかCCA閾値より小さい強度の無線信号が感知されれば、前記チャネルは遊休状態(idle)と判別される。
【0058】
チャネルが遊休状態と判別されれば、伝送するデータがある各端末は、各端末の状況によるIFS(Inter Frame Space)、例えば、AIFS(Arbitration IFS)、PIFS(PCF IFS)などの時間の後にバックオフ手順を行う。実施例によって、前記AIFSは従来のDIFS(DCF IFS)を代替する構成として使用される。各端末は、該当端末に決定された乱数(random number)だけのスロットタイムを前記チャネルの遊休状態の間隔(interval)の間に減少させながら待機し、スロットタイムを全て消尽した端末が該当チャネルに対するアクセスを試みる。このように、各端末がバックオフ手順を行う区間を競合ウィンドウ区間という。このとき、乱数をバックオフカウンターと呼ぶことができる。すなわち、端末の取得した乱数である整数によってバックオフカウンターの初期値が設定される。端末が、スロットタイム間にチャネルが遊休であると感知した場合に、端末は、バックオフカウンターを1減少させることができる。また、バックオフカウンターが0に到達すると、端末は当該チャネルでチャネルアクセスを行うことが許容されてよい。したがって、AIFS時間及びバックオフカウンターのスロット時間にチャネルが遊休である場合に端末の送信が許容されてよい。
【0059】
もし特定端末が前記チャネルのアクセスに成功すれば、該当端末は前記チャネルを介してデータを伝送する。しかし、アクセスを試みた端末が他の端末と衝突すれば、衝突した端末はそれぞれ新しい乱数を割り当てられて更にバックオフ手順を行う。一実施例によると、各端末に新しく割り当てられる乱数は、該当端末が以前割り当てられた乱数の範囲(競合ウィンドウ、CW)の2倍の範囲(2*CW)内で決定される。一方、各端末は、次の競合ウィンドウ区間で更にバックオフ手順を行ってアクセスを試みるが、この際、各端末は以前の競合ウィンドウ区間に残ったスロットタイムからバックオフ手順を行う。このような方法で無線LAN通信を行う各端末は、特定チャネルに対する互いの衝突を回避することができる。
【0060】
<様々なPPDUフォーマットの実施例>
【0061】
図7には、様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す。より具体的に、
図7(a)は、802.11a/gに基づくレガシーPPDUフォーマットの一実施例、
図7(b)は、802.11axに基づくHE PPDUフォーマットの一実施例を示し、
図7(c)は、802.11beに基づくノン-レガシーPPDU(すなわち、EHT PPDU)フォーマットの一実施例を示す。また、
図7(d)は、前記PPDUフォーマットで共通に用いられるL-SIG及びRL-SIGの細部フィールド構成を示す。
【0062】
図7(a)を参照すると、レガシーPPDUのプリアンブルは、L-STF(Legacy Short Training field)、L-LTF(Legacy Long Training field)及びL-SIG(Legacy Signal field)を含む。本発明の実施例において、前記L-STF、L-LTF及びL-SIGは、レガシープリアンブルと呼ぶことができる。
【0063】
図7(b)を参照すると、HE PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、HE-SIG-A(High Efficiency Signal A field)、HE-SIG-B(High Efficiency Signal B field)、HE-STF(High Efficiency Short Training field)、HE-LTF(High Efficiency Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、HE-SIG-A、HE-SIG-B、HE-STF及びHE-LTFは、HEプリアンブルと呼ぶことができる。HEプリアンブルの具体的な構成は、HE PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、HE-SIG-Bは、HE MU PPDUフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0064】
図7(c)を参照すると、EHT PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、U-SIG(Universal Signal field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal A field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal B field)、EHT-STF(Extremely High Throughput Short Training field)、EHT-LTF(Extremely High Throughput Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、EHT-SIG-A、EHT-SIG-B、EHT-STF及びEHT-LTFは、EHTプリアンブルと呼ぶことができる。ノン-レガシープリアンブルの具体的な構成は、EHT PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、EHT-SIG-AとEHT-SIG-Bは、EHT PPDUフォーマットのうち一部のフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0065】
PPDUのプリアンブルに含まれたL-SIGフィールドは、64 FFT OFDMが適用され、総64個のサブキャリアで構成される。このうち、ガードサブキャリア、DCサブキャリア及びパイロットサブキャリアを除く48個のサブキャリアが、L-SIGのデータ送信用に用いられる。L-SIGにはBPSK、Rate=1/2のMCS(Modulation and Coding Scheme)が適用されるので、総24ビットの情報を含むことができる。
図7(d)には、L-SIGの24ビット情報構成を示す。
【0066】
図7(d)を参照すると、L-SIG、は、L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドを含む。L_RATEフィールドは、4ビットで構成され、データ送信に用いられたMCSを示す。具体的に、L_RATEフィールドは、BPSK/QPSK/16-QAM/64-QAMなどの変調方式と1/2、2/3、3/4などの符号率を組み合わせた6/9/12/18/24/36/48/54Mbpsの送信速度のうち1つの値を示す。L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドの情報を組み合わせると当該PPDUの全長を示すことができる。ノン-レガシーPPDUフォーマットでは、L_RATEフィールドを最小速度である6Mbpsに設定する。
【0067】
L_LENGTHフィールドの単位はbyteであり、総12ビットが割り当てられて最大4095までシグナリング可能であり、L_RATEフィールドとの組合せで当該PPDUの長さを示すことができる。このとき、レガシー端末とノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを互いに異なる方法で解析できる。
【0068】
まず、レガシー端末又はノン-レガシー端末がL_LENGTHフィールドを用いて当該PPDUの長さを解析する方法は次の通りである。L_RATEフィールドが6Mbpsに設定された場合に、64FFTの1個のシンボルデュレーションである4usで3バイト(すなわち、24ビット)が送信されてよい。したがって、L_LENGTHフィールド値に、SVCフィールド及びテール(Tail)フィールドに該当する3バイトを足し、これを、1個のシンボルの送信量である3バイトで割ると、L-SIG以後の64FFT基準シンボル個数が取得される。取得されたシンボル個数に1個のシンボルデュレーションである4usをかけた後、L-STF、L-LTF及びL-SIGの送信にかかる20usを足すと、当該PPDUの長さ、すなわち、受信時間(RXTIME)が取得される。これを数式で表現すれば、下記の式1の通りである。
【0069】
【0070】
このとき、
【数2】
は、xより大きい又は等しい最小の自然数を表す。L_LENGTHフィールドの最大値は4095であるので、PPDUの長さは、最大5.484msまでに設定されてよい。当該PPDUを送信するノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを下記の式2のように設定しなければならない。
【0071】
【0072】
ここで、TXTIMEは、当該PPDUを構成する全体送信時間であり、下記の式3の通りである。このとき、TXは、Xの送信時間を表す。
【0073】
【0074】
以上の式を参照すると、PPDUの長さは、L_LENGTH/3の切上げ値に基づいて計算される。したがって、任意のk値に対してL_LENGTH={3k+1,3k+2,3(k+1)}の3つの異なる値が、同一のPPDU長を指示する。
【0075】
図7(e)を参照すると、U-SIG(Universal SIG)フィールドは、EHT PPDU及び後続世代の無線LANのPPDUにおいて存続し、11beを含めてどの世代のPPDUであるかを区分する役割を担う。U-SIGは、64FFTベースのOFDMの2シンボルであり、総52ビットの情報を伝達することができる。このうち、CRC/テール9ビットを除く43ビットは、大きく、VI(Version Independent)フィールドとVD(Version Dependent)フィールドに区分される。
【0076】
VIビットは、現在のビット構成を後にも維持し続け、後続世代のPPDUが定義されても、現在の11be端末が、当該PPDUのVIフィールドから当該PPDUに関する情報を得ることができる。そのために、VIフィールドは、PHYバージョン、UL/DL、BSSカラー、TXOP、リザーブド(Reserved)フィールドで構成される。PHYバージョンフィールドは3ビットであり、11be及び後続世代の無線LAN標準を順次にバージョンで区分する役割を担う。11beは000bの値を有する。UL/DLフィールドは、当該PPDUが上りリンク/下りリンクPPDUのいずれであるかを区分する。BSSカラーは、11axで定義されたBSS別識別子を意味し、6ビット以上の値を有する。TXOPは、MACヘッダーで伝達されていた送信機会デュレーション(Transmit Opportunity Duration)を意味するが、PHYヘッダーに追加することにより、MPDUをデコードすることなく、当該PPDUが含まれたTXOPの長さを類推でき、7ビット以上の値を有する。
【0077】
VDフィールドは、11beバージョンのPPDUにのみ有用なシグナリング情報としてPPDUフォーマット、BWのように、如何なるPPDUフォーマットにも共通に用いられるフィールド、及びPPDUフォーマット別に異なるように定義されるフィールドで構成されてよい。PPDUフォーマットは、EHT SU(Single User)、EHT MU(Multiple User)、EHT TB(Trigger-based)、EHT ER(Extended Range)PPDUなどを区分する区分子である。BWフィールドは、大きく、20、40、80、160(80+80)、320(160+160)MHzの5個の基本PPDU BWオプション(20*2の冪乗の形態で表現可能なBWを基本BWと呼ぶことができる。)と、プリアンブルパンクチャリング(Preamble Puncturing)によって構成される様々な残りのPPDU BWをシグナルする。また、320MHzでシグナルされた後、一部の80MHzがパンクチャーされた形態でシグナルされてよい。また、パンクチャーされて変形されたチャネル形態は、BWフィールドで直接シグナルされてもよく、或いはBWフィールドとBWフィールド以後に現れるフィールド(例えば、EHT-SIGフィールド内のフィールド)を共に用いてシグナルされてもよい。仮に、BWフィールドを3ビットとする場合に、総8個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で3個をシグナルできる。仮にBWフィールドを4ビットとする場合に総16個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で11個をシグナルできる。
【0078】
BWフィールド以後に位置するフィールドは、PPDUの形態及びフォーマットによって異なり、MU PPDUとSU PPDUは同一のPPDUフォーマットでシグナルされてよく、EHT-SIGフィールドの前に、MU PPDUとSU PPDUを区別するためのフィールドが位置してよく、そのための追加のシグナリングが行われてよい。SU PPDUとMU PPDUは両方ともEHT-SIGフィールドを含んでいるが、SU PPDUで不要な一部のフィールドが圧縮(compression)されてよい。この時、圧縮が適用されたフィールドの情報は省略されるか、あるいはMU PPDUに含まれる本来フィールドのサイズよりも縮小したサイズを有してよい。例えば、SU PPDUの場合、EHT-SIGの共通フィールドが省略又は代替されるか、ユーザ特定フィールドが代替されるか、或いは1個に縮小するなど、異なる構成を有してよい。
【0079】
又は、SU PPDUは、圧縮されたか否かを示す圧縮フィールドをさらに含むことができ、圧縮フィールドの値によって一部のフィールド(例えば、RAフィールドなど)が省略されてよい。
【0080】
SU PPDUのEHT-SIGフィールドの一部が圧縮された場合に、圧縮されたフィールドに含まれる情報は、圧縮されていないフィールド(例えば、共通フィールドなど)で一緒にシグナルされてよい。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのPPDUフォーマットであるので、U-SIGフィールド以後にEHT-SIGフィールドが必須に送信される必要があり、シグナルされる情報の量が可変的であってよい。すなわち、複数個のMU PPDUが複数個のSTAに送信されるので、それぞれのSTAは、MU PPDUが送信されるRUの位置、それぞれのRUが割り当てられたSTA、及び送信されたMU PPDUが自分に送信されたか否かを認識しなければならない。したがって、APは、EHT-SIGフィールドに上のような情報を含めて送信しなければならない。そのために、U-SIGフィールドではEHT-SIGフィールドを効率的に送信するための情報をシグナルし、これは、EHT-SIGフィールドのシンボル数及び/又は変調方法であるMCSであってよい。EHT-SIGフィールドは、各ユーザに割り当てられたRUのサイズ及び位置情報を含むことができる。
【0081】
SU PPDUである場合、STAに複数個のRUが割り当てられてよく、複数個のRUは連続又は不連続してよい。STAに割り当てられたRUが連続しない場合、STAは、中間にパンクチャーされたRUを認識してこそ、SU PPDUを効率的に受信することができる。したがって、APは、SU PPDUに、STAに割り当てられたRUのうちパンクチャーされたRUの情報(例えば、RUのパンクチャリングパターンなど)を含めて送信できる。すなわち、SU PPDUの場合、パンクチャリングモードが適用されたか否か及びパンクチャリングパターンをビットマップ形式などで示す情報を含むパンクチャリングモードフィールドがEHT-SIGフィールドに含まれてよく、パンクチャリングモードフィールドは、帯域幅内で現れる不連続するチャネルの形態をシグナルできる。
【0082】
シグナルされる不連続チャネルの形態は制限的であり、BWフィールドの値と組み合わせてSU PPDUのBW及び不連続チャネル情報を示す。例えば、SU PPDUの場合、単一端末にのみ送信されるPPDUであるので、STAは、PPDUに含まれたBWフィールドから、自分に割り当てられた帯域幅が認識でき、PPDUに含まれたU-SIGフィールド又はEHT-SIGフィールドのパンクチャリングモードフィールドから、割り当てられた帯域幅のうちパンクチャーされたリソースが認識できる。この場合、端末は、パンクチャーされたリソースユニットの特定チャネル以外の残りのリソースユニットでPPDUを受信できる。このとき、STAに割り当てられた複数個のRUは、互いに異なる周波数帯域又はトーンで構成されてよい。
【0083】
制限された形態の不連続チャネル形態のみがシグナルされる理由は、SU PPDUのシグナリングオーバーヘッドを減らすためである。パンクチャリングは、20MHzサブチャネル別に行われてよいので、80、160、320MHzのように20MHzサブチャネルを複数個有するBWに対してパンクチャリングを行うと、320MHzの場合、プライマリーチャネル以外の残りの20MHzサブチャネル15個の使用有無をそれぞれ表現して、不連続チャネル(端部20MHzのみがパンクチーされた形態も不連続と見なす場合)形態をシグナルしなければならない。このように単一ユーザ送信の不連続チャネル形態をシグナルするために15ビットを用いることは、シグナリング部分の低い送信速度を考慮したとき、過大なシグナリングオーバーヘッドとなり得る。
【0084】
本発明は、SU PPDUの不連続チャネル形態をシグナルする手法を提案し、提案した手法によって決定された不連続チャネル形態を図示する。また、SU PPDUの320MHz BW構成においてプライマリー160MHzとセカンダリー160MHzのパンクチャリング形態をそれぞれシグナルする手法を提案する。
【0085】
また、本発明の一実施例では、PPDUフォーマットフィールドに、シグナルされたPPDUフォーマットによって、プリアンブルパンクチャリングBW値が指示するPPDUの構成を異ならせる手法を提案する。BWフィールドが4ビットである場合を仮定し、EHT SU PPDU又はTB PPDUである場合には、U-SIG以後に1シンボルのEHT-SIG-Aをさらにシグナルするか、初めからEHT-SIG-Aをシグナルしなくてよいので、これを考慮して、U-SIGのBWフィールドのみを用いて最大で11個のパンクチャリングモードを完全にシグナルする必要がある。しかし、EHT MU PPDUである場合に、U-SIG以後にEHT-SIG-Bをさらにシグナルするので、最大で11個のパンクチャリングモードを、SU PPDUと異なる方法でシグナルできる。EHT ER PPDUの場合に、BWフィールドを1ビットに設定し、20MHz又は10MHzのいずれの帯域を使用するPPDUであるかをシグナルできる。前記PPDUタイプ別に細部的なパンクチャリングパターンは、
図11及び
図12で詳細に後述する。
【0086】
図7(f)には、U-SIGのPPDUフォーマットフィールドでEHT MU PPDUと指示された場合に、VDフィールドのフォーマット特異的(Format-specific)フィールドの構成を示す。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのシグナリングフィールドであるSIG-Bが必須であり、U-SIG後に別途のSIG-A無しでSIG-Bが送信されてよい。そのために、U-SIGではSIG-Bをデコードするための情報をシグナルしなければならない。このようなフィールドは、SIG-B MCS、SIG-B DCM、SIG-Bシンボルの数(Number of SIG-B Symbols)、SIG-B圧縮(SIG-B Compression)、EHT-LTFシンボルの数(Number of EHT-LTF Symbols)フィールドなどである。
【0087】
図8は、本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す。
【0088】
図8を参照すると、PPDUは、プリアンブルとデータ部分で構成されてよく、一つのタイプであるEHT PPDUのフォーマットは、プリアンブルに含まれているU-SIGフィールドによって区別されてよい。具体的に、U-SIGフィールドに含まれているPPDUフォーマットフィールドに基づき、PPDUのフォーマットがEHT PPDUであるか否かが指示されてよい。
【0089】
図8の(a)は、単一STAのためのEHT SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT SU PPDUは、APと単一STA間の単一ユーザ(Single User:SU)送信のために用いられるPPDUであり、U-SIGフィールド以後に追加のシグナリングのためのEHT-SIG-Aフィールドが位置してよい。
【0090】
図8の(b)は、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであるEHTトリガーベース(Trigger-based)PPDUフォーマットの一例を示す。EHTトリガーベースPPDUは、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであり、トリガーフレームに対する応答のために用いられる上りリンクPPDUである。EHT PPDUは、EHT SU PPDUとは違い、U-SIGフィールド以後にEHT-SIG-Aフィールドが位置しない。
【0091】
図8の(c)は、多重ユーザのためのEHT PPDUであるEHT MU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT MU PPDUは、1つ以上のSTAにPPDUを送信するために用いられるPPDUである。EHT MU PPDUフォーマットは、U-SIGフィールド以後にHE-SIG-Bフィールドが位置してよい。
【0092】
図8の(d)は、拡張された範囲にあるSTAとの単一ユーザ送信のために用いられるEHT ER SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT ER SU PPDUは、
図8の(a)で説明したEHT SU PPDUよりも広い範囲のSTAとの単一ユーザ送信のために用いられてよく、時間軸上でU-SIGフィールドが反復して位置してよい。
【0093】
図8の(c)で説明したEHT MU PPDUは、APが複数個のSTAに下りリンク送信のために用いることができる。このとき、EHT MU PPDUは、複数個のSTAがAPから送信されたPPDUを同時に受信できるようにスケジューリング情報を含むことができる。EHT MU PPDUは、EHT-SIG-Bのユーザ特定(user specific)フィールドを通じて送信されるPPDUの受信者及び/又は送信者のAID情報を、STAに伝達することができる。したがって、EHT MU PPDUを受信した複数個の端末は、受信したPPDUのプリアンブルに含まれたユーザ特定フィールドのAID情報に基づいて空間再使用(spatial reuse)動作を行うことができる。
【0094】
具体的に、HE MU PPDUに含まれたHE-SIG-Bフィールドのリソースユニット割り当て(resource unit allocation,RA)フィールドは、周波数軸の特定帯域幅(例えば、20MHzなど)におけるリソースユニットの構成(例えば、リソースユニットの分割形態)に関する情報を含むことができる。すなわち、RAフィールドは、STAがPPDUを受信するために、HE MU PPDUの送信のための帯域幅で分割されたリソースユニットの構成を指示できる。分割された各リソースユニットに割り当て(又は、指定)されたSTAの情報は、EHT-SIG-Bのユーザ特定フィールドに含まれてSTAに送信されてよい。すなわち、ユーザ特定フィールドは、分割された各リソースユニットに対応する1つ以上のユーザフィールドを含むことができる。
【0095】
例えば、分割された複数個のリソースユニットのうち、データ送信のために用いられる少なくとも1つのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、受信者又は送信者のAIDを含むことができ、データ送信に用いられない残りのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、既に設定されたヌル(Null)STA IDを含むことができる。
【0096】
説明の便宜のために、本明細書においてフレーム又はMACフレームは、MPDUと同じ意味で使われてよい。
【0097】
<Wi-Fi端末のチャネルアクセス方法>
【0098】
Wi-Fi端末(AP及びnon-APステーション)は、フレームの送信を行う前に、チャネルが遊休(idle)であるか否かを判断するためにチャネルセンシングを行う。Wi-Fi端末が他の装置と共通に使用する非免許帯域で通信を行うわけである。このようなチャネルアクセス動作については
図6で説明した。このようなチャネルアクセス動作は、IEEE 802.11標準において定義するDCF(distributed coordination)及びEDCAF(enhanced distributed channel access)に適用される。
【0099】
DCFとEDCAFのチャネルアクセスにおいてステーションは物理(physical)キャリアセンシング(carrier sensing,CS)の他に仮想(virtual)キャリアセンシングも行ってチャネル状態を判断する。物理キャリアセンシング又は仮想キャリアセンシングのいずれか一方でもチャネルが使用中(busy)であるとセンシングする場合に、ステーションは、チャネルが使用中であると判断する。仮想チャネルセンシングにおいて、ステーションは、チャネルのNAV(network allocation vector)の値が0でない場合に、チャネルが使用中であると判断する。NAVは、無線媒体を占有することが予測される将来のトラフィックのために維持される値であってよい。具体的には、NAVは各ステーションによって維持され、NAVは、当該無線媒体が遊休であるか否かに関係なく、各ステーションが当該無線媒体において送信を開始しない時間区間であってよい。NAVの値は、時間の経過につれて減少する。NAVの値が0である場合に、仮想チャネルセンシングにおいて、ステーションは、当該チャネルが遊休であると判断する。RTSフレーム/CTSフレーム交換によってNAVが設定されてよい。具体的には、RTSフレーム/CTSフレーム交換においてRTSフレームのDurationフィールドの値とCTSフレームのDurationフィールドの値に基づいて設定されてよい。また、RTSフレーム/CTSフレーム交換の他にも、他のMACフレームのDurationフィールドの値に基づいて設定されてよい。
【0100】
<EDCAとTXOP>
【0101】
EDCAは、トラフィックをトラフィックの特性によって4種類のAC(access category)に区別して管理する。4種類のACは、AC_VO(AC Voice)、AC_VI(AC Video)、AC_BE(AC Best effort)、及びAC_BK(AC Background)である。ACによってチャネルアクセスパラメータが設定されてよい。具体的には、4個のACは、互いに異なるチャネルアクセスパラメータを有してよい。また、チャネルアクセスパラメータは、バックオフ動作において用いられるCW、TXOP及びAIFSNに関するパラメータのいずれか一つを含んでよい。これにより、AC別トラフィックチャネルアクセスの優先度が管理されてよい。EDCAにおいてトラフィック(MSDU)は、トラフィックのTC(traffic category)又はTS(traffic stream)によって、4個のACのうち一つにマップされてよい。EDCAにおいて4個のキュー(queue)に4個のACのそれぞれがマップされ、トラフィックのACに該当するキューで管理される。このとき、4個のキューは、物理的に分離されているか、又は物理的に分離されていなくても論理的に分離されているものであってよい。
【0102】
AC_VOは、音声(voice)トラフィックのようにトラフィックの絶対的な量が多くはないが、送信遅延に弱いトラフィックのためのACであってよい。AC_VOは、他のACのトラフィックに優先してサービスされる確率を高めるために、相対的に小さいCW関連パラメータ及びAIFSNパラメータ値を有してよい。ただし、AC_VOのTXOPパラメータは、ACのTXOPパラメータに比べて相対的に小さい値に制限され、AC_VOは他のACに比べて短い送信時間が保障されてよい。
【0103】
AC_VIは音声トラフィックに比べては送信遅延に強靭であるが、低遅延送信を要求し、多い量のトラフィックを処理しなければならないビデオトラフィックのようなトラフィックのためのACであってよい。AC_VIは、AC_VOに比べては大きいが、他のACに比べては小さいCW関連パラメータ及びAIFSNパラメータ値を有してよい。AC_VIのTXOPパラメータはAC_VIに比べて約2倍長い。
【0104】
AC_BEは、送信遅延に強靭なトラフィックのためのACであり、音声データ及びストリーミングビデオデータ以外の大部分の一般的なトラフィックがAC_BEに分類されてよい。AC_BEのCW関連パラメータとAIFSNパラメータは、AC_VO及びAC_VICW関連パラメータとAIFSNパラメータの値よりも大きくてよい。また、AC_BEはTXOPパラメータを別に有しておらず、ステーションがAC_BEに該当するトラフィックを含むPPDUを送信後にACKを受信し、SIFS後に再びAC_BEに該当するトラフィックを含むPPDUを送信するTXOP送信シーケンスを行うことができない。
【0105】
AC_BKは、AC_BEと類似に送信遅延に強靭なトラフィックであるが、優先順位がAC_BEに該当するトラフィックよりは低いトラフィックのためのACである。AC_BKは、AC_BEと同じCWパラメータ値を活用し、AIFSNパラメータ値はAC_BEに比べて大きい値を活用する。また、ステーションがAC_BKに該当するトラフィックを含むPPDUを送信後にACKを受信し、SIFS後に再びAC_BKに該当するトラフィックを含むPPDUを送信するTXOP送信シーケンスを行うことができない。
【0106】
4種類のEDCA ACは、802.1DのUP(user-priority)とマップされ、有線で受信したトラフィックが有しているUP値或いは上位レイヤから指示されたMSDUのTIDによってEDCA ACを決定する。この時、MSDUのTIDが0~7の値を指示する場合に、TIDが指示する値はUPと1対1で対応し得る。
【0107】
また、4種類のEDCA ACは、それぞれのデフォルト(default)CW関連パラメータ(CWmin、CWmax)、AIFSN、TXOPパラメータがIEEE 802.11axにおいて定義され、各ACのパラメータ値はAPによって変更されてよい。したがって、互いに異なるBSSのデフォルト(default)CW関連パラメータ(CWmin、CWmax)、AIFSN、TXOPパラメータは互いに異なってよい。
【0108】
EDCAメカニズムを活用すれば、Wi-Fiトラフィックは、4個のACに対応する4個のキューのうち一つに保管され、トラフィックのACが他のACとのチャネルアクセス競合で勝利した場合に目的の装置にで送信されてよい。この時、AC間のチャネルアクセス競合において、各ACは、各ACのチャネルアクセスパラメータ(CW[AC]、AIFSN[AC])によってチャネルアクセス競合が行われる。各ACが行うチャネルアクセス競合動作は、DCFと同一である。このとき、送信するトラフィックがQに保存されていないACは、チャネルアクセス競合に参加しなくてよい。各ACのCW関連パラメータとAIFSNパラメータ値が異なるので、最も小さいCW関連パラメータとAIFSNパラメータを有するAC_VOが、他のACとのチャネルアクセス競合において勝利する確率が高い。したがって、AC_VOのトラフィックが他のACのトラフィックよりも優先してサービスされる可能性が高い。
【0109】
EDCAは、上述したように、QoS強化のためにトラフィック(フレーム、パケットなど)のACによってチャネルアクセス優先順位を設定し、EDCA TXOP(EDCA Transmission Opportunity)機能を提供する。EDCA TXOPは、ACのEDCAF(EDCA Function)がチャネルアクセス機会を獲得した場合、TXOPホルダー(holder)になった時に、TXOP区間(duration)において他の装置に妨害されることなく無線媒介体を調整できる時間区間である。このとき、EDCA TXOPは、APによって公知(advertised)されたTXOPリミット(limit)によって制限されてよく、TXOPホルダーは、TXOPリミット内に、TXOPホルダーの送信及びTXOPホルダーの送信によって送信される応答フレームの送信が終了し得るように送信を行わなければならない。
【0110】
TXOPホルダーは、EDCA TXOP区間において複数のフレーム(複数のPPDU)を送信することができ、TXOP区間内でTXOPホルダーは、各フレームの送信間に別途のチャネルアクセス手順(例えば、バックオフ手順)を行わないで連続して複数のフレームを送信することができる。このとき、複数のフレームが即刻の(immediate)ACKを要請しないMPDU又はA-MPDU(Aggregated MAC protocol data unit)である場合に、前記複数のフレーム送信は、SIFS(short interframe space)又はRIFS(reduced interframe space)間隔で行われてよい。このとき、複数のフレームのうち、即刻のACKを要請するMPDU又は即刻のACKを要請するA-MPDUが含まれる場合に、TXOPホルダーは、即刻のACKを要請するフレームを送信後にACKを受信し、SIFS後に次のフレームを送信できる。
【0111】
この時、あらかじめ指定された条件を満たす場合に、TXOPホルダーは、TXOPの獲得に用いたAC以外に他のACのトラフィックもTXOP内で共に送信できる。具体的には、TXOPシェアリングにより、TXOPホルダーは、TXOPの獲得に用いたAC以外に他のACのトラフィックもTXOP内で共に送信できる。
【0112】
前述したように、TXOPホルダーは、TXOP内で別途のチャネルアクセス手順を行わずに連続したフレーム送信を行うことができる。そのために、TXOP区間内で他の端末のチャネルへのアクセスを防止する必要がある。したがって、TXOPホルダーは、獲得したTXOP区間について公知することができる。
【0113】
TXOPホルダーであるか又はチャネルアクセス手順を完了した後に送信を開始するステーションは、RTSフレームを送信して他のステーションにTXOP区間を知らせることができる。このとき、RTSフレームは、MACフレームヘッダーのFrame ControlフィールドのTypeサブフィールド(Frame Controlフィールドの三番目(B2)及び四番目のビット(B3))が012bに設定され、Frame ControlフィールドのSubtypeサブフィールド(Frame Controlフィールドの五番目~八番目のビット(B4~B7))が10112bに設定されたフレームである。TXOPホルダーからRTSフレームを受信した端末は、RTSフレームが含むデュレーションに関連した情報、例えばDurationフィールドの値に基づいてNAVを設定できる。設定されたNAVは、TXOPホルダーのTXOPに該当する時間で0でない値に維持されてよい。RTSフレームの目的装置として指示されたステーションは、RTSフレームのデュレーションに関する情報に基づいてNAVを設定する代わりに、RTSフレームに対するCTSフレームで応答しなければならない。このとき、TXOPを始めるために送信されたRTSフレームの目的装置は、TXOP応答者(responder)であり、RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信しなければならない。このとき、RTSフレームとCTSフレームとの間隔(space)は、SIFSである。このとき、CTSフレームのDurationフィールドは、受信したRTSフレームのDurationフィールドで指示された値-CTSフレーム送信時間-SIFSで計算された値に設定される。CTSフレームを受信した端末は、CTSフレームに含まれたデュレーションに関連した情報に基づいてNAVを設定できる。TXOPホルダーからRTSフレームを受信した端末とTXOP応答者からCTSフレームを受信した端末のNAVは、TXOPホルダーが獲得したTXOPが終了した後に0に設定される。これにより、Wi-Fi MACメカニズムは、TXOPホルダーとTXOP応答者がTXOPにおいて妨害を受けることなく複数のフレームを交換できる。
【0114】
ただし、TXOPホルダーがRTSフレームをnon-HT duplicate PPDUを用いてプライマリ(Primary)80MHz帯域で送信したが、TXOP応答者から応答されたCTSフレーム(non-HT duplicate PPDU)がプライマリ40MHz帯域でのみ応答された場合に、TXOPホルダーは、獲得されたTXOPにおいてプライマリ40MHz或いはプライマリ40MHz未満(すなわち、プライマリ20MHz)の帯域幅のみをフレーム交換に使用できる。すなわち、TXOPホルダーは、送信するPPDUのCH_BANDWIDTH(TXVECTOR parameterの一種)を、受信したCTSフレームを含むPPDUのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN-NON_HT(RXVECTOR parameterの一種)と同一又はより小さい値に設定しなければならない。このとき、RTSフレームは、RTSフレームが送信されたBWよりも小さいBWでCTSフレームが応答されることを許容するRTSフレームであってよい。すなわち、RTSフレームは、TXVECTORのDYN_BANDWIDTH_IN_NON_HTがDynamicと設定されて送信されたRTSフレームであってよい。仮に、DYN_BANDWIDTH_IN_NON_HTがStaticと設定されてRTSフレームがTXOPホルダーから送信される場合に、TXOP応答者は、RTSフレームが受信された周波数帯域(BW)でCTSフレームを送信しなければならないことがある。
【0115】
図9は、RTSフレームとCTSフレーム交換を用いたTXOP保護方法を示す。
【0116】
図9で、第1ステーション(STA1は、PPDUを送信するに先立ち、PPDUの目的装置である第2ステーション(STA2)にRTSフレームを送信し、第2ステーション(STA2)は、受信したRTSフレームが自分を目的装置とするRTSフレームであることを判断し、SIFS後に第1ステーション(STA1)にCTSフレームで応答する。
【0117】
第1ステーション(STA1)の近隣(neighbor)ステーションである第1近隣ステーション(STA1_Neighbor)は、第1ステーション(STA1)が送信したRTSフレームを受信した後、RTSフレームのDurationフィールドの値をNAVとして設定する。第2ステーション(STA2)の近隣ステーションである第2近隣ステーション(STA2_Neighbor)は、第2ステーション(STA2)が送信したCTSフレームを受信した後、CTSフレームのDurationフィールドの値に基づいてNAVを設定する。第1近隣ステーション(STA1_Neighbor)と第2近隣ステーション(STA2_Neighbor)は、RTSフレーム又はCTSフレームを受信した後、設定したNAVが0でない値に維持される間には仮想キャリアセンシングにおいてチャネルが使用中(busy)であると判断し、バックオフカウンターを減少させないなどの動作を行う。結果的に、RTSフレーム又はCTSフレームを受信した近隣端末がNAVが0でない値に維持された区間では送信を試みないので、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)はPPDU及びACKフレームを送/受信する間に近隣端末によって妨害を受けずに済む。
【0118】
第1ステーション(STA1)と第2近隣ステーション(STA2_Neighbor)が隠れノードであっても、第2近隣ステーション(STA2_Neighbor)は、第1ステーション(STA1)がPPDUを送信する間にチャネルが使用中であることを考慮した動作を行うことができる。
【0119】
<MU-RTSトリガーフレームを用いたTXOP保護>
【0120】
11ax(6世代Wi-Fi、Wi-Fi6、HEW、High Efficiency WLAN)では、MU-RTSトリガーフレーム(以下、MU-RTSフレーム)及びCTSフレーム交換手順を定義しており、MU-RTSフレームを用いてAPがTXOPを開始し、TXOPフレーム交換手順を保護することができる。MU-RTSフレームはトリガーフレームの一種である。ステーションがMU-RTSフレームを受信し、MU-RTSフレームのUserフィールドがステーションのAID12(Association IDのLSB12ビット)を指示する場合に、ステーションMU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する。このとき、複数のステーションがCTSフレームを同時に送信できる。APがMU-RTSフレームを用いてTXOP保護を行う場合に、複数のステーションがCTSフレームを応答できるため、DL MU PPDU(Down link multi user PPDU)の目的装置である複数のステーションの各近隣ステーションからTXOPが保護され得る。また、MU-RTSフレームは、UL MU PPDUを保護するために用いられてよい。具体的には、トリガーフレームを用いて複数のステーションにTB(Trigger based)PPDUを要請する前に、APはMU-RTSフレームを送信し、TB PPDUを応答する複数のステーションにCTSフレームを送信させることができる。このとき、複数のステーションが応答したCTSフレームは、各ステーションの近隣ステーションにTB PPDU及びTB PPDU以後に送信されるACKフレーム(例えば、Ack、Block Ack)を保護するNAVを設定する。これにより、トリガーフレーム及びTB PPDUをデコードできないレガシーステーション(Legacy STA)は、トリガーフレームが開始するフレーム交換シーケンス(又は、トリガーフレームが送信されるTXOP)においてチャネルアクセスを行わなくてよい。
【0121】
図10は、MU-RTSフレームとCTSフレームを用いたTXOP保護方法を示す。
【0122】
図10で、APは、MU PPDUを送信する前に、MU PPDUの目的装置である第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)に、MU-RTSフレームを送信し、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)はMU-RTSフレームを受信し、SIFS後にそれぞれMU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する。
【0123】
第1ステーション(STA1)の近隣ステーションである第1近隣ステーション(STA1_Neighbor)は、第1ステーション(STA1)の送信したCTSフレームを受信した後、CTSフレームのDurationフィールドの値に基づいてNAVを設定する。第2ステーション(STA2)の近隣ステーションである第2近隣ステーション(STA2_Neighbor)は、第2ステーション(STA2)の送信したCTSフレームを受信した後、CTSフレームのDurationフィールドの値に基づいてNAVを設定する。第1近隣ステーション(STA1_Neighbor)と第2近隣ステーション(STA2_Neighbor)はCTSフレームを受信した後、設定したNAVが0でない値に維持される間に、仮想キャリアセンシングにおいてチャネルが使用中であると判断し、バックオフカウンターを減少させないなどの動作を行う。したがって、CTSフレームを受信したステーションが、NAVが0でない値に維持される間には送信を試みないので、APがMU PPDUを送信し、第1ステーション(STA1)と第2ステーション(STA2)がACKフレームを応答する間に近隣ステーションによって妨害されずに済む。
【0124】
トリガーフレームは、IEEE 802.11axで定義されたフレームタイプであり、Frame ControlフィールドのTypeサブフィールド及びSubtypeサブフィールドがそれぞれ01
2b及び0010
2bに設定されたフレームである。Frame ControlフィールドのTypeサブフィールドの値01
2bは、Control Typeであることを指示し、Subtypeサブフィールドの値0010
2bは、トリガーフレームを指示する。IEE 802.11axでは、APが複数のステーションに対して同時に応答フレームを要請するためにトリガーフレームを定義した。MU-RTSフレームは、APが複数のSTA(non-AP STA)にCTSフレームを要請するために用いられる。MU-RTSフレーム以外の他のTrigger Typeは、UL MU PPDU要請のためのベーシックトリガー(Basic Tigger)フレーム、ビームフォーミングレポートを要請するためのビームフォーミングレポートポールトリガーフレーム(Beamforming Report Poll Tigger frame)、BlockAckを要請するためのMU-BARトリガーフレーム、バッファ状態レポートを要請するためのバッファ状態レポートポールトリガーフレーム(Buffer Status Report Poll Tigger frame)、GCR MU-BARトリガーフレーム、Bandwidth Query Report Pollトリガーフレーム、NDP Feedback Report Pollトリガーフレームを含む。トリガーフレームのフォーマットについて、
図11~
図13を用いて説明する。
【0125】
図11は、本発明の実施例に係るトリガーフレームのフォーマットを示す。
【0126】
トリガーフレームは、Frame Controlフィールドを含むMACヘッダーと、Common Infoフィールド、User Info Listフィールド、Paddingフィールド、及びFCSフィールドを含む。
【0127】
Frame Controlフィールドは、Type及びSubtypeサブフィールドを含み、トリガーフレームは、2サブフィールドがそれぞれ012bと00102bに設定される。
【0128】
Common Infoフィールドは、トリガーフレームのTypeを指示するためのTrigger Typeサブフィールド、応答されるUL送信の長さを指示するためのUL Lengthサブフィールド及び複数のフィールドを含む。Common Infoフィールドの具体的なフォーマットについて、
図12を用いて説明する。
【0129】
User Info Listフィールドは、トリガーフレームの目的装置を指示するための情報が含まれたUser Infoフィールドを0個或いは1個以上含んでよい。この時、User Infoフィールドは、目的装置を指示する情報の他にも、トリガーフレームのTypeによって、目的装置がトリガーフレームを受信後に応答フレームを送信する時に使用するべきパラメータ、例えば、UL DCM、UL MCSなどを含む。User Infoフィールドの具体的なフォーマットについて、
図13を用いて説明する。
【0130】
Paddingフィールドは、ステーションがトリガーフレームを受信した後、トリガーフレームの目的装置が応答フレームを準備する時間を確保するために設定される。トリガーフレームを送信するAPは、目的装置の性能を考慮してPaddingフィールドの長さを調節できる。また、IEEE 802.11be(Wi-Fi7、EHT)では、トリガーフレームが含まれたPPDUの終了時点(end time)を他のPPDUと整列するために調節されてもよい。
【0131】
FCS(Frame Check Sequence)フィールドは、32ビットのCRC(Cyclic redundancy code)を含む。このとき、CRCは、MAC Headerの値とFrame Bodyフィールドの値に基づいて取得された値である。
【0132】
図12は、本発明の実施例に係るトリガーフレームのCommon Infoフィールドのフォーマットを示す。
【0133】
Trigger Typeサブフィールドは、トリガーフレームのタイプを指示するために用いられ、Trigger Typeサブフィールドの値が0である場合に、Trigger Typeサブフィールドは、ベーシックトリガーフレームを指示する。Trigger Typeサブフィールドの値が1であれば、Trigger TypeサブフィールドはBFRPフレームを指示する。Trigger Typeサブフィールドの値が2であれば、Trigger TypeサブフィールドはMU-BARフレームを指示する。Trigger Typeサブフィールドの値が3であれば、Trigger TypeサブフィールドはMU-RTSフレームを指示する。Trigger Typeサブフィールドの値が4であれば、Trigger TypeサブフィールドはBSRPフレームを指示する。Trigger Typeサブフィールドの値が5であれば、Trigger TypeサブフィールドはGCR MU-BARを指示する。Trigger Typeサブフィールドの値が6であれば、Trigger TypeサブフィールドはBQRPフレームを指示する。Trigger Typeサブフィールドの値が7であれば、Trigger TypeサブフィールドはNFRP(NDP Feedback Report Poll)を指示する。
【0134】
UL Lengthサブフィールドは、トリガーフレームの応答であるTB PPDUのL-SIG LENGTHフィールドに設定されるべき値を指示する。
【0135】
More TFサブフィールドは、トリガーフレーム以後に送信されるトリガーフレームが存在するか否かを指示する。
【0136】
CS Requiredサブフィールドは、トリガーフレームの目的装置が、応答フレームを送信する時にCSを行うべきか否か(Physical & Virtual CS,ED & NAV)を指示し、CS Requiredサブフィールドが1と指示されたトリガーフレームを受信した後に応答フレームを送信するステーションは、CSを行わなければならない。
【0137】
UL BWサブフィールドは、トリガーフレームを受信した後にTB PPDUを応答するステーションがプリアンブル、例えばHE-SIG-Aフィールド又はU-SIGフィールドに指示すべきBW値を指示する。
【0138】
GI And HE/EHT-LTF Typeサブフィールドは、トリガーフレームの応答であるTB PPDUのGI(Guard interval)とHE(EHT)-LTF値を指示する。
【0139】
MU-MIMO HE(EHT)-LTF Modeサブフィールドは、トリガーフレームの応答であるTB PPDUに適用されるべきHE(EHT)-LTF modeに関連した情報を指示する。
【0140】
Number Of HE(EHT)-LTF Symbols And Midamble Periodicityサブフィールドは、Dopplerサブフィールドが0と指示される場合に、TB PPDUに適用されるべきHE(EHT)-LTFのシンボル個数を指示し、Dopplerサブフィールドが1と指示される場合に、HE(EHT)-LTFのシンボル個数及びミッドアンブル(midable)の周期(periodicity)に関連した情報を指示する。
【0141】
UL STBCサブフィールドは、応答されるTB PPDUにSTBCエンコーディングが適用適されるべきか否かを指示し、STBCエンコーディングが適用されるべき場合に1に設定される。ただし、EHT TB PPDUを応答させるトリガーフレームのUL STBCサブフィールドは、リザーブフィールド(reserved)である。
【0142】
LDPC Extra Symbol Segmentサブフィールドは、トリガーフレームに対する応答であるTB PPDUにLDPC追加シンボルセグメント(extra symbol segment)を示すべきか否かを指示し、LDPC Extra Symbol Segmentサブフィールドが1と指示される場合に、LDPC追加シンボルセグメントがTB PPDUに含まれる必要がある。
【0143】
AP Tx Powerサブフィールドは、ステーションがトリガーフレームを送信する時に用いたAPの送信パワーに関連した値が指示される。ステーションが応答フレームを送信する時に、ステーションは、AP Tx Powerサブフィールドで指示された値に基づいて送信パワーを調節することができる。
【0144】
Pre-FEC Padding FactorとPE Disambiguityサブフィールドは、Pre-FEC Padding Factorが1であるか或いは2、3、4であるか、及びPE(Packet Extension)の長さを明確にするための情報を指示する。
【0145】
UL Spatial Reuseサブフィールドは、4個のSpatial Reuseサブフィールドを含み、トリガーフレームの応答であるHE TB PPDUのHE-SIG-AのSpatial Reuseフィールドに設定される値を指示する。
【0146】
Dopplerサブフィールドは、トリガーフレームの応答であるTB PPDUにミッドアンブルが含まれるか否かを示す。EHT TB PPDUの送信をトリガーするトリガーフレームは、Dopplerサブフィールドがリザーブドフィールドとして設定されてよい。サブフィールドがリザーブドフィールドとして設定される場合に、ステーションは、当該フィールドの値を考慮しないで動作できる。
【0147】
HE/EHT P160サブフィールドは、トリガーフレームの応答であるTB PPDUが、P160MHzに該当するチャネルに、トリガーフレームがHE TB PPDUの送信をトリガーするのか或いはEHT TB PPDUの送信をトリガーするのかを指示する。
【0148】
Special User Info Field Presentサブフィールドは、User Infoフィールドのうち、AID12サブフィールドが2007と指示されたUser InfoフィールドがUser Infoフィールドに含まれるか否かを指示する。
【0149】
Trigger Dependent Common Infoサブフィールドは、Trigger Typeフィールドで指示されたトリガーフレームの種類がベーシックトリガーフレーム又はNFRPトリガーフレームである場合にのみ含まれる。
【0150】
図13は、本発明の実施例に係る、トリガーフレームのUser Infoフィールドのフォーマットを示す。
【0151】
User InfoフィールドのAID12サブフィールドは、User Infoフィールドに該当するステーションのAID12を指示する。User Infoフィールドがいずれか一つのステーションのためのものである場合に、AID12サブフィールドは1~2006に設定されてよい。トリガーフレームがHEトリガーフレームであり、User Infoフィールドがいずれか一つのステーションのためのものである場合に、AID12サブフィールドは1~2007に設定されてよい。User InfoフィールドがAPと結合した(associated)ステーションのランダムアクセスのためのものである場合に、AID12サブフィールドの値は0に設定されてよい。User InfoフィールドがAPと結合していない(unassociated)ステーションのランダムアクセスのためのものである場合に、AID12サブフィールドの値は2045又は2044に設定されてよい。AID12サブフィールドの値が2045である場合に、ランダムアクセスによってHE TB PPDUが送信されるべきことを指示する。AID12サブフィールドの値が2044である場合に、ランダムアクセスによってEHT TB PPDUが送信されるべきことを指示する。AID12サブフィールドがあらかじめ設定された値に設定される場合に、AID12サブフィールドは、AID12サブフィールド直後にパディングフィールドが始まることを指示できる。このとき、あらかじめ設定された値は4095又は4094であってよい。AID12サブフィールドの値が2046に設定される場合に、AID12サブフィールドは、User Infoフィールドがいずれのステーションにも割り当てられていないRU(resource unit)のためのものであることを指示できる。
【0152】
MU-RTSフレーム以外の他のトリガーフレームのRU Allocationサブフィールドは、User Infoフィールドの目的装置、すなわち、AID12サブフィールドによって指示されたステーションに割り当てられたRU/MRU(Multiple Resource Unit)のサイズと位置情報を指示する。しかし、MU-RTSフレームのRU Allocationサブフィールドは、User Infoフィールドの目的装置がCTSフレームを送信する場合にのみチャネルを指示する。MU-RTSフレームのRU Allocationサブフィールドは、目的ステーションのCTSフレームが送信されるチャネルを指示する。具体的には、MU-RTSフレームのRU Allocationサブフィールドは、CTSフレームがプライマリ(Primary)20MHz又はプライマリ40MHz、プライマリ80MHz、プライマリ160MHz、80+80MHz及びプライマリ320MHzチャネルのうちどのチャネルで送信されるかを指示する。このとき、MRUは、2個以上のRUが結合したRUを意味し、52+26-tone、106+26-tone、484+242-tone、996+484-tone、996+484+242-tone、2x996+484-tone、3x996、3x996+484-tone、及び4x996-toneサイズのいずれか一つと定義されてよい。
【0153】
UL FEC Coding Typeサブフィールドは、トリガーフレームに対する応答であるTB PPDUのcode typeを指示する。UL FEC Coding Typeサブフィールドの値が0である場合に、UL FEC Coding TypeサブフィールドはBCC(binary convolution coding)を指示する。UL FEC Coding Typeサブフィールドの値が1である場合に、UL FEC Coding TypeサブフィールドはLDPC(low density parity check)を指示する。
【0154】
UL EHT-MCSサブフィールドは、トリガーフレームに応答として送信されるTB PPDUに適用されるべきEHT-MCSを指示する。
【0155】
AID12サブフィールドが、User Infoフィールドがランダムアクセスのためのものであることを指示する場合に、SS Allocation/RA-RU InformationサブフィールドはRA-RU情報を指示する。AID12サブフィールドが、User Infoフィールドがランダムアクセスのためのものでないことを指示する場合に、SS Allocation/RA-RU Informationサブフィールドは、スペシャルストリーム(spatial stream)割り当てに関する情報を指示する。具体的には、SS Allocation/RA-RU Informationサブフィールドは、4ビットフィールドであるStarting Spatial Streamサブフィールドと2ビットフィールドであるNumber Of Spatial Streamsサブフィールドを含む。
【0156】
UL Target Receive Powerサブフィールドは、トリガーフレームに応答として送信されるTB PPDUをAPのアンテナ側にとって受信できる信号のパワーを指示する。ステーションは、TB PPDUを送信する時に、APがUL Target Receive Powerが指示するパワーのサイズ内で受信するように、TB PPDUの送信パワーをUL Target Receive Power subfieldの値に調節できる。
【0157】
PS160サブフィールドは、User Infoフィールドが割り当てるRU/MRU(Multiple-RU)の位置及びサイズに関連した情報を指示する。
【0158】
<MU-RTSフレーム送信とCTSフレーム応答の規則>
【0159】
MU-RTSフレームのフォーマットは、ベーシックトリガーフレームのフォーマットにおいて一つ以上のフィールドがリザーブドとして設定されてよい。MU-RTSフレームのCommon Infoフィールドにおいて、UL Lengthフィールド、MU-MIMO HE-LTF Modeフィールド、Number Of HE-LTF Symbols And Midamble Periodicityフィールド、UL STBCフィールド、LDPC Extra Symbol Segmentフィールド、AP Tx Powerフィールド、Pre-FEC Padding Factorフィールド、PE Disambiguityフィールド、UL Spatial Reuseフィールド、及びDoppler and UL HE-SIG-A2 Reservedフィールドはリザーブドフィールドとして設定されてよい。MU-RTSフレームのUser InfoフィールドのUL EHT-MCSフィールド、UL FEC Coding Typeフィールド、SS Allocation/RA-RU Informationフィールド、及びUL Target Receive Powerフィールドは、リザーブドフィールドとして設定されてよい。これは、MU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する時に用いられる送信パラメータの多くがあらかじめ指定されるためである。具体的には、MU-RTSフレームを受信したステーションは、CTSフレームを含むnon-HT duplicate PPDUを用いて6Mbpsで送信できる。
【0160】
MU-RTSフレームを受信したステーションは、CTSフレームを送信するサブチャネルを、次のように決定できる。具体的には、ステーションは、MU-RTSフレームによって割り当てられたRU/MRU内で遊休のサブチャネルのみを用いてCTSフレームを送信できる。MU-RTSフレームによって割り当てられたRU/MRUは、MU-RTSフレームのステーションに該当するUser InfoフィールドのRU allocationサブフィールドが指示するRU/MRUである。MU-RTSフレームを受信したステーションは、送信を行い得るMRUでCTSフレームを送信できる。
【0161】
例えば、MU-RTSフレームがステーションにプライマリ320MHz周波数帯域を割り当て、320MHz周波数帯域に含まれた16個のサブチャネルのうち1個のチャネルが遊休でないものと判断されることがある。このとき、15個のサブチャネルで構成されたMRUがないため、ステーションは、320MHz周波数帯域に含まれた16個のサブチャネルのうち14個のサブチャネルでCTSフレームを送信する。このとき、14個のサブチャネルは、3x996+484-toneで構成されてよい。
【0162】
ステーションは、MU-RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信するサブチャネルを、次の条件をいずれも満たすサブチャネルであるかによって判断できる。
【0163】
1.サブチャネルは、MU-RTSがステーションに割り当てた、すなわちステーションに該当するUser InfoフィールドのRU Allocationサブフィールドによって指示された周波数帯域に含まれる。
【0164】
2.サブチャネルは、ステーションがMU-RTSフレームを含むPPDUを受信後にSIFSにおいて遊休であるものとして判断される。このとき、サブチャネルは、仮想キャリアセンシングとED(energy detection)ベースCCAに基づいて遊休であるか否かが判断される。
【0165】
3.サブチャネルは、MU-RTSフレームが受信されたサブチャネルである。
【0166】
4.サブチャネルは、ステーションが送信できるMRUのサブキャリアを含む。このとき、サブチャネルはプライマリチャネルを含む。
【0167】
MU-RTSフレームが複数のステーションのCTSフレーム送信をトリガーする場合に、ステーションは、1~3の条件をいずれも満たすサブチャネルでCTSフレームを送信できる。このとき、MU-RTSフレームが一つのステーションのCTSフレーム送信をトリガーする場合に、ステーションは1~4の条件をいずれも満たすサブチャネルでCTSフレームを送信できる。
【0168】
ステーションは、RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信するサブチャネルを、次の条件をいずれも満たすサブチャネルであるかによって判断できる。
【0169】
1.サブチャネルは、RTSフレーム受信時に設定されたRXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTに該当する周波数帯域に含まれる。例えば、RXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTの値が80MHzである場合に、サブチャネルは、プライマリ80MHzチャネルに含まれる必要がある。
【0170】
2.サブチャネルは、RTSフレームを含むPPDUを受信する前にPIFSにおいて遊休であるものと判断される。
【0171】
3.サブチャネルは、RTSフレームが受信されたサブチャネルである。
【0172】
4.サブチャネルは、ステーションが送信できるMRUのサブキャリアを含む。このとき、サブチャネルはプライマリチャネルを含む。
【0173】
前述した実施例において、CTSフレームは20MHz帯域幅を有するサブチャネル別に送信が行われてよい。CTSフレームを送信する具体的な実施例については
図14を用いて説明する。
【0174】
先の説明においてRXVECTORのCH_BANDWIDTHについて言及した。RXVECTORのCH_BANDWIDTH及びTXVECTORのCH_BANDWIDTHについて説明する。
【0175】
ステーション送信を行う時に、TXVECTORのCH_BANDWIDTHは、MACレイヤからフィジカルレイヤに発行(issuing)されるPHY-TXSTART.request primitiveのTXVECTORパラメータのうち一つである。CH_BANDWIDTHは、PPDUが送信される周波数帯域の帯域幅を表す。ステーションがnon-HT PPDUの送信を行う場合に、CH_BANDWIDTH_IN_NON_HTも、PPDUが送信される周波数帯域の帯域幅を表す。CH_BANDWIDTH_IN_NON_HTは、CBW20/40/80/160/80+80/320いずれか一つの値を有してよい。CH_BANDWIDTHは、CBW20/40/80/160/80+80/320-1/320-2のいずれか一つの値を有してよい。
【0176】
また、ステーション受信を行う時に、RXVECTORのCH_BANDWIDTHは、フィジカルレイヤからMACレイヤに発行(issuing)されるPHY-RXSTART.indication primitiveのRXVECTORパラメータのうち一つである。また、フィジカルレイヤでPPDUが受信される時にPHY-RXSTART.indicationが生成される。CH_BANDWIDTHは、PPDUが受信される周波数帯域の帯域幅を示す。ステーションがnon-HT PPDUの受信を行う場合に、CH_BANDWIDTH_IN_NON_HTも、PPDUが受信される周波数帯域の帯域幅を示す。CH_BANDWIDTH_IN_NON_HTは、CBW20/40/80/160/80+80/320のいずれか一つの値を有してよい。CH_BANDWIDTHは、CBW20/40/80/160/80+80/320-1/320-2のうちいずれか一つの値を有してよい。
【0177】
図14は、本発明の実施例に係るステーションがCTSフレームを送信するサブチャネルを決定する方法を示す。
【0178】
図14(a)で、MU-RTSフレームは8個のサブチャネル(SC#1~SC#8)で受信される。この時、MU-RTSフレームは20MHz non-HT PPDUで送信されてよい。さらに他の具体的な実施例において160MHz PPDUで送信されてよい。MU-RTSフレームのUser InfoフィールドのAID12サブフィールドが指示するステーションは、MU-RTSフレームのRU Allocationサブフィールドが指示するサブチャネルである第1サブチャネル(SC#1)~第8サブチャネル(SC#8)でCTSフレームを送信できるか否かを判断する。第8サブチャネル(SC#8)は遊休でなく、第1サブチャネル(SC#1)~第7サブチャネル(SC#7)は996+484+242-tone MRUに含まれる。ステーションは、第1サブチャネル(SC#1)~第7サブチャネル(SC#7)でduplicated non-HT PPDUを用いてCTSフレームを送信する。ステーションが996+484-tone MRUで送信を行うことができるが、996+484+242-tone MRUで送信を行うことができない場合に、ステーションは、第1サブチャネル(SC#1)~第6サブチャネル(SC#6)でduplicated non-HT PPDU用いてCTSフレームを送信する。
【0179】
図14(b)を参照すると、MU-RTSフレームが8個のサブチャネルで受信されてよい。MU-RTSフレームは、7個のサブチャネル(SC#1~SC#3、SC#5~SC#8)で受信される。MU-RTSフレームのUser InfoフィールドのAID12サブフィールドが指示するステーションは、MU-RTSフレームのRU Allocationサブフィールドが指示するサブチャネルである7個のサブチャネル(SC#1~SC#3、SC#5~SC#8)でCTSフレームを送信できるか否かを判断する。ステーションは、第5サブチャネル(SC#5)は遊休でないと判断する。7個のサブチャネル(SC#1~SC#3、SC#5~SC#8)でステーションが送信を行うことができるMRU形態のうち最も大きい帯域幅を有するMRUは、484+242-tone MRUである。MU-RTSフレームが複数のステーションのCTSフレーム送信をトリガーする場合に、ステーションは、7個のサブチャネル(SC#1~SC#3、SC#5~SC#8)でCTSフレームを送信できる。
【0180】
前述した実施例は、MU-RTSフレームを用いて説明したがRTSフレームにも同一に適用されてよい。
【0181】
<MU-RTSトリガーフレームを用いたTXOP共有(sharing)>
【0182】
IEEE 802.11ax(Wi-Fi6)のトリガーフレームのタイプによって、トリガーフレームに対する応答として送信されるPPDUのフォーマットが決定される。例えば、MU-RTSトリガーフレームを受信したステーションは、CTSフレームをMU-RTSトリガーフレームの応答として送信する。説明の便宜のために、MU-RTSトリガーフレームをMU-RTSフレームと略称する。ベーシックトリガーフレームを受信したステーションは、ベーシックトリガーフレームに対する応答としてHE TB PPDUを送信する。このとき、ステーションは、トリガーフレームのUser Infoフィールドで指示された送信パラメータに基づいてHE TB PPDUを送信する。このように、APがnon-APステーションがトリガーフレームに対する応答を送信する時に適用する送信パラメータを指示する。APの決定した送信パラメータが最適の送信パラメータでないことがある。具体的には、APが遊休であるものと判断したサブチャネルであっても、ステーションは当該サブチャネルを遊休でないものと判断することがある。したがって、ステーションがトリガーフレームに対する応答を送信する時に用いる送信パラメータをステーションが決定できる実施例が必要である。
【0183】
そのために、APは、APが獲得したTXOPの一部区間をステーションが使用するように許容できる。このとき、ステーションは、割り当てられた区間でAPのトリガー無しでPPDUを生成し、生成したPPDUを送信できる。説明の便宜のために、APが獲得したTXOPの一部区間をステーションが使用するように許容することを、TXOP共有といい、TXOPが共有された区間をTXOP共有区間という。APは、MU-RTSフレームを用いてステーションにTXOP共有を指示(indication)できる。具体的には、TXOPホルダーであるAPは、non-AP STAに、TXOPを共有するMU-RTSフレームを送信できる。この時、MU-RTSフレームを受信したnon-APステーションは、TXOP共有区間でTB PPDUでないPPDUを送信できる。説明の便宜のために、TXOP共有を指示するMU-RTSフレームを、MU-RTS TXSトリガーフレームと呼ぶ。説明の便宜のために、MU-RTS TXSトリガーフレームを、MU-RTS TXSフレームと略称する。
【0184】
MU-RTS TXSフレームは一つ以上のUser Infoフィールドを含んでよい。このとき、MU-RTS TXSフレームのUser InfoフィールドのAID12サブフィールドは、TXOPが共有されるnon-APステーションを指示する。MU-RTS TXSフレームのUser InfoフィールドのAID12サブフィールドがステーションを指示する場合に、MU-RTS TXSフレームを受信したステーションは、ステーションに共有TXOP(shared TXOP)が割り当てられたと判断できる。MU-RTS TXSフレームを受信したステーションは、MU-RTS TXSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信できる。このとき、MU-RTS TXSフレームとCTSフレームとの間隔は、SIFSであってよい。また、MU-RTS TXSフレームのCommon InfoフィールドのUL lengthサブフィールドは、共有されたTXOPのデュレーションを指示できる。さらに他の具体的な実施例において、MU-RTS TXSフレームのUser Infoフィールドは、User Infoフィールドに該当するステーションに共有されたTXOPのデュレーションを指示できる。
【0185】
具体的には、MU-RTS TXSフレームのCommon InfoフィールドのUL lengthサブフィールドの12ビットは、共有されたTXOPのデュレーションを指示できる。このとき、UL lengthサブフィールドは、4us単位で共有されたTXOPのデュレーションを指示できる。さらに他の具体的な実施例において、MU-RTS TXSフレームのCommon InfoフィールドのUL lengthサブフィールドの一部ビットは、共有されたTXOPのデュレーションを指示できる。例えば、MU-RTS TXSフレームのCommon InfoフィールドのUL lengthサブフィールドの12ビットのうち7ビットが共有されたTXOPのデュレーションを指示できる。このとき、UL lengthサブフィールドは、128us単位で共有されたTXOPのデュレーションを指示できる。例えば、MU-RTS TXSフレームのCommon InfoフィールドのUL lengthサブフィールドの12ビットのうち8ビットが共有されたTXOPのデュレーションを指示できる。このとき、UL lengthサブフィールドは、64us単位で共有されたTXOPのデュレーションを指示できる。前述した実施例において、UL lengthサブフィールドによって指示可能な最大デュレーションは、2^14usであってよい。UL lengthサブフィールドは、UL lengthサブフィールドの値+1に、UL lengthサブフィールドが指示する時間単位を掛けた分のデュレーションを指示できる。例えば、前述した実施例において、UL lengthサブフィールドが4us単位でデュレーションを指示し、UL lengthサブフィールドの値が10である場合に、共有TXOPのデュレーションは44usであってよい。ステーションは、MU-RTS TXSフレームを受信した時からUL lengthサブフィールドが指示するデュレーションまでにTXOPが共有されると判断できる。このとき、ステーションは、MU-RTS TXSフレームを含むPPDUのため、PHY-RXEND.indication primitiveが発生した時点にMU-RTS TXSフレームを受信したと判断できる。TXOPが共有されたnon-APステーションは、ステーションの送信したPPDU及びステーションの送信したPPDUに対する応答であるPPDUが共有TXOP内で終了するように送信を行わなければならない。
【0186】
non-APステーションは、共有TXOP内でUL PPDU又はP2P PPDUを送信できる。P2P(peer to peer)PPDUは、non-AP STA間に交換されるPPDUである。したがって、P2P PPDUを送信するステーションとP2P PPDUを受信するステーションは両方ともnon-APステーションである。このとき、P2P PPDUを受信するステーションは、non-APステーションが結合しているAPと結合していない(unassociated)ステーションであってよい。これにより、non-APステーションは、non-APステーションが結合しているAPに結合していないnon-APステーションにPPDUを送信できる。
【0187】
共有TXOP内で共有TXOPが割り当てられたnon-APステーションは、non-APステーションに共有TXOPを割り当てたAPが送信したフレームによって設定されたNAVを無視してPPDUを送信できる。
【0188】
<TXOP共有モード>
【0189】
MU-RTS TXSフレームは、共有TXOP内でP2P PPDUの送信が許容されるかを指示できる。共有TXOPが割り当てられたnon-APステーションは、MU-RTS TXSフレームが、共有TXOP内でP2P PPDUの送信が許容されることを指示するかに基づいて、共有TXOP内でP2P PPDUを送信するか否かを決定することができる。MU-RTS TXSフレームが共有TXOP内でP2P PPDUの送信が許容されることを指示する場合に、共有TXOPが割り当てられたnon-APステーションは、共有TXOP内でP2P PPDUを送信できる。MU-RTS TXSフレームが共有TXOP内でP2P PPDUの送信が許容されることを指示しない場合に、共有TXOPが割り当てられたnon-APステーションは、共有TXOP内でP2P PPDUを送信できない。これは、P2P PPDUの送信がBSS全体のトラフィック処理効率を低下させることがあり、P2P PPDUの送信を制限する必要があるためである。
【0190】
具体的には、MU-RTS TXSフレームは、共有TXOPのモードを指示することができる。共有TXOPのモードは、共有TXOPにおいて共有TXOPが割り当てられたnon-APステーションが送信できるPPDUの種類を指示できる。このとき、共有TXOPのモードは、P2P PPDUとUL PPDU送信を全て許容するモードと、UL PPDUの送信を許容し、P2P PPDUの送信を許容しないモードを含んでよい。
【0191】
MU-RTS TXSフレームの特定サブフィールドは、共有TXOPのモードを指示できる。このとき、当該フィールドをTXOP Sharing Modeサブフィールドと呼ぶことができる。
【0192】
図15は、本発明の実施例に係るMU-RTS TXSフレームのフォーマットを示す。
【0193】
図15の実施例において、MU-RTS TXSフレームのCommon Infoフィールドは、TXOP Sharing Modeサブフィールドを含む。MU-RTS TXSフレームのリザーブドフィールドがTXOP Sharing Modeサブフィールドとして用いられてよい。具体的には、Common Infoフィールドの20番目のビットと21番目のビットがTXOP Sharing Modeサブフィールドとして用いられてよい。Common Infoフィールドの20番目のビットと21番目のビットは、ベーシックトリガーフレームにおいてGI And HE/EHT-LTF Typeフィールドに該当するビットであり、MU-RTS TXSフレームではGI And HE/EHT-LTF Typeフィールドはリザーブドフィールドとして設定され得るためである。
【0194】
TXOP Sharing Modeサブフィールドは、2つのモードを指示できる。第一のモードは、TXOP Sharing Modeサブフィールドが含まれたフレームはMU-RTS TXSフレームであり、共有TXOP内でP2P PPDUの送信が許容されないことを指示できる。このとき、TXOP Sharing Modeサブフィールドの値は1であってよい。また、第二のモードは、TXOP Sharing Modeサブフィールドが含まれたフレームはMU-RTS TXSフレームであり、共有TXOP内でUL PPDUの送信とP2P PPDUの送信が許容されることを指示できる。このとき、TXOP Sharing Modeサブフィールドの値は2であってよい。
【0195】
共有TXOP内で共有TXOPが割り当てられたnon-APステーションは、P2P PPDUを送信する前に、P2P PPDUの受信者であるnon-APステーションとnon-HT保護(protection)を行うことができる。すなわち、共有TXOP以外の別の送信保護が行われてよい。具体的には、共有TXOPが割り当てられたnon-APステーションは、P2P PPDUを送信する前に、P2P PPDUの意図された受信者であるnon-APステーションとRTSフレーム及びCTSフレーム交換を行うことができる。この時、共有TXOPが割り当てられたnon-APステーションは、MU-RTS TXSに対する応答としてCTSフレームを送信したサブチャネル内でRTSフレームを送信できる。本明細書において「チャネル内」とは、チャネルに該当する周波数帯域に含まれることを表し、チャネルに該当する周波数帯域の帯域幅と同一又はより小さい周波数帯域を表す。また、「周波数帯域内」とは、波数帯域に含まれることを表し、周波数帯域の帯域幅と同一又はより小さい周波数帯域幅を表す。また、RTSフレーム及びCTSフレーム交換の代わりにnon-HT PPDU交換が行われてもよい。
【0196】
本発明の実施例において、P2P PPDUの意図された受信者であるnon-APステーションが、TXOPホルダーでないステーションからRTSフレームを受信した場合に、non-APステーションは、RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信できる。さらに他の具体的な実施例において、P2P PPDUの意図された受信者となるnon-APステーションが、TXOPホルダーから共有TXOPが割り当てられたステーションからRTSフレームを受信した場合に、P2P PPDUの意図された受信者となるnon-APステーションは、RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信できる。この時、共有TXOPが割り当てられたステーションが、MU-RTS TXSフレームに対する応答であるCTSフレームの送信者である場合に、P2P PPDUの意図された受信者となるnon-APステーションは、TXOPホルダーから共有TXOPが割り当てられたステーションがCTSフレームを送信したと判断できる。CTSフレームの意図された受信者がAPであるか否かに基づいて、P2P PPDUの意図された受信者となるnon-APステーションは、non-APステーションの受信したCTSフレームがMU-RTS TXSフレームに対する応答であるCTSフレームであると判断できる。また、先に送信されたCTSフレームと後に送信されたRTSフレームとの間隔がSIFSであるか否かに基づいて、P2P PPDUの意図された受信者となるnon-APステーションは、non-APステーションの受信したCTSフレームがMU-RTS TXSフレームに対する応答であるCTSフレームであると判断できる。また、TXOPホルダーであるAPが送信したMU-RTSフレームの意図された受信者と、受信したRTSフレームの送信者とが同一であるか否かに基づいて、P2P PPDUの意図された受信者となるnon-APステーションは、non-APステーションの受信したCTSフレームがMU-RTS TXSフレームに対する応答であるCTSフレームであると判断できる。TXOPホルダーであるAPが送信したMU-RTSフレームの意図された受信者と、受信したRTSフレームの送信者とが同一である場合に、P2P PPDUの意図された受信者となるnon-APステーションは、non-APステーションの受信したCTSフレームがMU-RTS TXSフレームに対する応答であるCTSフレームであると判断できる。
【0197】
前述の実施例ではMU-RTSフレームを例示として説明したが、前述の実施例はRTSフレームにも同一に適用されてよい。
【0198】
このような実施例において、前述したように、P2P PPDUの意図された受信者は、TXOPホルダーによって設定されたNAVを無視してCTSフレームを送信できる。ただし、P2P PPDUの意図された受信者に、TXOPホルダーでないステーションが送信したフレームによってNAVが設定された場合に、P2P PPDUの意図された受信者はNAVを無視することができない。したがって、この時、P2P PPDUの意図された受信者はCTSフレームを送信できない。
【0199】
P2P PPDUの意図された受信者は、
図14を用いて説明した実施例によって、CTSフレームを送信するサブチャネルを決定できる。
【0200】
また、P2P PPDUの意図された受信者が送信したCTSフレームが送信された周波数帯域の帯域幅と同一又は狭い帯域幅を、P2P PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTの値に設定できる。CTSフレームが送信された周波数帯域のサイズは、CTSフレームを含むnon-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUが送信された周波数帯域であってよい。また、共有TXOPが割り当てられたステーションは、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSを、P2P PPDUの意図された受信者が送信したCTSフレームが占有したサブチャネルに基づいて設定できる。具体的には、共有TXOPが割り当てられたステーションは、P2P PPDUの意図された受信者が送信したCTSフレームが占有していないサブチャネルを、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSとして設定できる。具体的な実施例において、共有TXOPが割り当てられたステーションは、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、P2P PPDUの意図された受信者が送信したCTSフレームが占有していないサブチャネルに対応するビットを、1に設定できる。
【0201】
図16及び
図17は、本発明の実施例によって、APがMU-RTS TXSフレームを送信してnon-APステーションに共有TXOPを割り当てることを示す。
【0202】
図16で、APは、CTS-to-Selfフレームを送信してTXOPを獲得する。その後、APは、MU-RTS TXSフレームを送信して第1ステーション(SAT1)に共有TXOPを割り当てる。この時、MU-RTS TXSフレームのUser InfoフィールドのAID12フィールドは第1ステーション(STA1)を指示する。また、MU-RTS TXSフレームのTXOP Sharing Modeフィールドの値は、共有TXOP内でP2P PPDU送信が許容されないことを指示する。
【0203】
第1ステーション(STA1)は、MU-RTS TXSフレームのUL Lengthサブフィールドの値に基づいて共有TXOPのデュレーションを判断する。第1ステーション(STA1)は、MU-RTS TXSフレームのTXOP Sharing Modeフィールドの値によってUL PPDU送信を準備する。
【0204】
第1ステーション(STA1)は、MU-RTS TXSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する。この時、MU-RTS TXSフレームとCTSフレームとの間隔はSIFSである。すなわち、MU-RTS TXSフレームを含むPPDUによってPHY-RXEND.indication primitiveが発生してSIFSが経過した時に、第1ステーション(STA1)はCTSフレームを送信する。第1ステーション(STA1)はCTSフレームを送信し、UL PPDUを送信する。この時、CTSフレームとUL PPDUとの間隔はSIFSである。
【0205】
第1ステーション(STA1)は、CTSフレームを送信したサブチャネル内でUL PPDUを送信する。この時、第1ステーション(STA1)は、第1ステーション(STA1)が送信を行い得るRU/MRUに含まれるサブチャネル内でのみUL PPDUを送信できる。また、第1ステーション(STA1)は、前述したように、APの送信したフレームによって設定されたNAVを無視してUL PPDUを送信できる。この時、第1ステーション(STA1)は、第1ステーション(STA1)がUL PPDUを送信できるサブチャネルで物理キャリアセンシングを行い、当該サブチャネルが遊休である場合に、APの送信したフレームによって設定されたNAVを無視してUL PPDUを送信できる。
【0206】
第1ステーション(STA1)は、共有TXOP内で複数のPPDUを送信できる。具体的には、第1ステーション(STA1)の送信したPPDU及びPPDUに対する応答が共有TXOP内で終了する場合に、第1ステーション(STA1)は共有TXOP内で複数のPPDUを送信できる。
【0207】
共有TXOPが終了すると、TXOPホルダーであるAPは、残っているTXOP内でPPDU送信を開始できる。
【0208】
図17で、APは、CTS-to-Selfフレームを送信してTXOPを獲得する。その後、APは、MU-RTS TXSフレームを送信して第1ステーション(SAT1)に共有TXOPを割り当てる。この時、MU-RTS TXSフレームのUser InfoフィールドのAID12フィールドは第1ステーション(STA1)を指示する。また、MU-RTS TXSフレームのTXOP Sharing Modeフィールドの値は、共有TXOP内でUL PPDUとP2P PPDU送信が許容されることを指示する。
【0209】
第1ステーション(STA1)は、MU-RTS TXSフレームのUL Lengthサブフィールドの値に基づいて共有TXOPのデュレーションを判断する。第1ステーション(STA1)は、MU-RTS TXSフレームのTXOP Sharing Modeフィールドの値によって第2ステーション(STA2)に対するP2P PPDU送信を準備する。
【0210】
第1ステーション(STA1)がAPにCTSフレームを送信し、第1ステーション(STA1)は、第2ステーション(STA2)に対するP2P PPDU送信を保護するためにRTSフレームを送信する。第2ステーション(STA2)は、第1ステーション(STA1)の送信したRTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する。
【0211】
第1ステーション(STA1)は、共有TXOP内で複数のPPDUを送信できる。具体的には、第1ステーション(STA1)の送信したPPDUとPPDUに対する応答が共有TXOP内で終了する場合に、第1ステーション(STA1)は共有TXOP内で複数のPPDUを送信できる。
【0212】
共有TXOPが終了すると、TXOPホルダーであるAPは、PPDU送信を開始できる。
【0213】
<MU-RTS TXSフレームのRU Allocationサブフィールド>
【0214】
前述したように、トリガーフレームのRU Allocationサブフィールドは、トリガーフレームに対する応答を送信するRUを指示する。また、MU-RTSフレームのRU Allocationサブフィールドは、MU-RTSに対する応答として、CTSフレームを送信するチャネルを指示できる。MU-RTS TXSフレームのRU Allocationサブフィールドは、TXOP共有が行われるRUを指示できる。共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOP内で、MU-RTS TXSフレームのRU Allocationサブフィールドが、共有TXOPが割り当てられたステーションに指示するRUでUL PPDU又はP2P PPDUを送信できる。
【0215】
MU-RTSフレームのRU Allocationサブフィールドは、MU-RTSに対する応答としてCTSフレームを送信するチャネルを指示するので、MU-RTSフレームのRU Allocationサブフィールドが有し得る値は、61~68のいずれか一つの値が設定されてよい。また、MU-RTSフレームを受信したステーションは、MU-RTSフレームのRU Allocationサブフィールドの値のみに基づいて、CTSフレームを送信するプライマリ20MHzチャネルの位置を判断できる。
【0216】
MU-RTS TXSフレームのRU Allocationサブフィールドが指示するRUを判断する方法が、MU-RTSフレームのRU Allocationサブフィールドが指示するRUを判断する方法と異なることがある。具体的には、MU-RTS TXSフレームを受信したステーションは、MU-RTS以外のトリガーフレームのRU Allocationフィールドが指示するRUを判断する方法により、MU-RTS TXSフレームのRU Allocationサブフィールドが指示するRUを判断できる。
【0217】
また、MU-RTS TXSフレームのRU Allocationサブフィールドは、TXOP共有が行われるRUを指示する場合に、MU-RTS TXSフレームのRU Allocationサブフィールドは61~68の他に61未満の値も有し得る。この時、共有TXOPが割り当てられたステーションは、MU-RTS TXSフレームのCommonフィールドのUL BWサブフィールドとUser InfoフィールドのRU Allocationサブフィールドに基づいて、TXOP共有が行われるRUを判断できる。
【0218】
また、MU-RTS TXSフレームを受信したステーションは、MU-RTS TXSフレームがステーションに割り当てたRUがプライマリ20MHzチャネルを含まなくても、プライマリ20MHzチャネルでCTSフレームを送信できる。MU-RTS TXSフレームを受信したステーションは、プライマリ20MHzチャネルとMU-RTS TXSフレームがステーションに割り当てたRUでCTSフレームを送信できる。
【0219】
また、MU-RTS TXSフレームを受信したステーションは、RU allocationサブフィールド及びPS160サブフィールドに基づいて、ステーションに割り当てられたRUを判断できる。
【0220】
MU-RTS TXSフレームのRU Allocationサブフィールドのビット数が、MU-RTSフレームのRU Allocationフィールドのビット数よりも大きくてよい。例えば、MU-RTSフレームのRU Allocationサブフィールドのビット数が8ビットであり、MU-RTS TXSフレームのRU Allocationサブフィールドのビット数が9ビットであってよい。
【0221】
<共有TXOP内で送信されるPPDUのBW(TXVECTOR)設定>
【0222】
共有TXOP内で送信されるPPDUの周波数帯域関連パラメータを設定する方法について説明する。具体的には、PPDUが送信される周波数帯域の帯域幅及びPPDU送信にプリアンブルパンクチャリング(puncturing)を適用するか否かについて説明する。プリアンブルパンクチャリングは、PPDUの共有TXOPにおいて送信されるPPDUの周波数帯域関連TXVECTORパラメータがあらかじめ指定された規則によって設定されてよい。このとき、周波数帯域関連TXVECTORパラメータは、CH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HT、及びINACTIVE_SUBCHANNESのうち少なくともいずれか一つを含んでよい。プリアンブルパンクチャリングは、PPDUの周波数帯域(TXVECTORのBW)に含まれるRUのうち一部RU又は周波数帯域に含まれるサブチャネルのうち一部サブチャネルを占有しないでPPDU送信を行うことを表すことができる。以下の説明において使われるTXVECTORの名称は説明の便宜のためのものであり、同じ情報を指示する他のパラメータ名称にも本発明の実施例は同一に適用されてよい。
【0223】
<CH_BANDWIDTH>
【0224】
共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOP内で送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTHを、MU-RTS TXSフレームに対する応答として送信したCTSフレームを含むPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTHと同一に又は小さく設定できる。この時、ステーションがnon-HT PPDUを送信する場合に、CH_BANDWIDTHでないCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTが適用されてよい。これらの実施例は、MU-RTS TXSフレームが一つのステーションにのみ共有TXOPを割り当てる場合に適用されてよい。
【0225】
さらに他の具体的な実施例において、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOP内で送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTHを、MU-RTS TXSフレームがステーションに割り当てたRUと同一に又は小さく設定できる。この時、ステーションがnon-HT PPDUを送信する場合に、CH_BANDWIDTHでないCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTが適用されてよい。
【0226】
このような実施例によれば、MU-RTS TXSフレームがステーションにプライマリ80MHz内の484+242-tone RUを割り当てた場合に、ステーションは、共有TXOP内で送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして、80MHzと同一又は狭い帯域幅を設定しなければならない。この時、ステーションがMU-RTS TXSフレームに対する応答として160MHz周波数帯域でCTSフレームを送信したとしても、CTSフレーム送信後に送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして、80MHzと同一又は狭い帯域幅を設定しなければならない。また、MU-RTS TXSフレームが160MHz PPDUによって送信されていても、MU-RTS TXSフレームがステーションにプライマリ80MHz内の484+242-tone RUを割り当てた場合に、ステーションは、共有TXOP内で送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして、80MHzと同一又は狭い帯域幅を設定できる。
【0227】
共有TXOPが割り当てられたステーションが共有TXOP内でnon-HT PPDUを、P2P PPDUを受信するステーションと交換したか否かに基づいて、共有TXOPが割り当てられたステーションはP2P PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTHを設定できる。non-HT PPDUの交換は、P2P PPDUの送信を保護するためのものであってよい。具体的には、non-HT PPDU交換は、RTSフレームとCTSフレームを含んでよい。また、non-HT PPDU交換は、データフレームとACKフレームを含んでよい。共有TXOPが割り当てられたステーションが、共有TXOP内でnon-HT PPDUを、P2P PPDUを受信するステーションと交換した場合に、P2P PPDUを受信するステーションから受信したnon-HT PPDUのRXVECTORのCH_BANDWIDTHと同一又は狭い帯域幅を、P2P PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定できる。
【0228】
共有TXOPが割り当てられたステーションが、共有TXOP内でnon-HT PPDUを、P2P PPDUを受信するステーションと交換しない場合に、共有TXOPが割り当てられたステーションは、MURTS TXSフレームに対する応答として送信したCTSフレームを含むPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTの値と同一又は狭い帯域幅を、P2P PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定できる。
【0229】
さらに他の具体的な実施例において、共有TXOPが割り当てられたステーションが、共有TXOP内でnon-HT PPDUを、P2P PPDUを受信するステーションと交換しない場合に、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOP内でステーションが以前に送信したPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTHの値と同一又は狭い帯域幅を、P2P PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定できる。
【0230】
共有TXOPが割り当てられたステーションは、MU-RTS TXSフレームに対する応答として送信したCTSフレームを含むPPDUのTXVECTORの又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTの値と同一又は狭い帯域幅を、UL PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定できる。
【0231】
共有TXOPが割り当てられたステーションが共有TXOP内でAPとRTSフレームとCTSフレームを交換できる。具体的には、共有TXOPが割り当てられたステーションは、APにRTSフレームを送信し、APからCTSフレームを受信することができる。この時、ステーションは、CTSフレームを含むPPDUのRXVECTORのCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTと同一又は狭い帯域幅を、CTSフレーム送信以後に送信するUL PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定できる。
【0232】
<INACTIVE_SUBCHANNELS>
【0233】
共有TXOPが割り当てられたステーションは、MU-RTS TXSフレームに対する応答として送信したCTSフレームを含むPPDUを送信したサブチャネルに基づいて、共有TXOP内で送信するPPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSを設定できる。共有TXOPが割り当てられたステーションは、PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、MU-RTS TXSフレームに対する応答として送信したCTSフレームを含むPPDUを送信しないサブチャネルに対応するビットの値を、1に設定できる。
【0234】
共有TXOPが割り当てられたステーションは、MU-RTS TXSフレームが当該ステーションに割り当てたRUに基づいて、共有TXOP内で送信するPPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSを設定できる。共有TXOPが割り当てられたステーションは、PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、MU-RTS TXSフレームがステーションに割り当てたRUを含むサブチャネルに対応するビットの値を、1に設定できる。
【0235】
共有TXOPが割り当てられたステーションが、共有TXOP内でnon-HT PPDUを、P2P PPDUを受信するステーションと交換したか否かに基づいて、共有TXOPが割り当てられたステーションは、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSを設定できる。non-HT PPDUの交換は、P2P PPDUの送信を保護するためのものであってよい。具体的には、non-HT PPDU交換は、RTSフレームとCTSフレームを含んでよい。また、non-HT PPDU交換は、データフレームとACKフレームを含んでよい。共有TXOPが割り当てられたステーションが、共有TXOP内でnon-HT PPDUを、P2P PPDUを受信するステーションと交換した場合に、P2P PPDUを受信するステーションから受信したnon-HT PPDUが占有していないサブチャネルに基づいて、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSを設定できる。具体的には、共有TXOPが割り当てられたステーションは、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、P2P PPDUを受信するステーションから受信したnon-HT PPDUが占有していないサブチャネルに対応するビットの値を、1に設定できる。
【0236】
さらに他の具体的な実施例において、共有TXOPが割り当てられたステーションが、共有TXOP内でnon-HT PPDUを、P2P PPDUを受信するステーションと交換していない場合に、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOP内でステーションが受信したPPDUが占有していないサブチャネルに基づいて、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSを設定できる。具体的には、共有TXOPが割り当てられたステーションは、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、共有TXOP内でステーションが受信したPPDUが占有していないサブチャネルに対応するビットの値を、1に設定できる。これらの実施例において、以前に送信されたPPDUは、P2P PPDUを受信するステーションが送信したPPDUであってよい。
【0237】
また、前述したTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELS設定方法に関する実施例は、P2P PPDUを受信するステーションが、共有TXOPが割り当てられたステーションの属したBSSに属しない場合に適用されてよい。また、前述したTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELS設定方法に関する実施例は、P2P PPDUを受信するステーションが、共有TXOPが割り当てられたステーションの属したBSSに属するかに関係なく適用されてよい。
【0238】
共有TXOPが割り当てられたステーションは、P2P PPDUを受信するステーションが、共有TXOPが割り当てられたステーションの属したBSSに属するかに基づいて、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSを設定できる。具体的には、P2P PPDUを受信するステーションが、共有TXOPが割り当てられたステーションの属したBSSに属する場合に、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOPが割り当てられたステーションが結合したAPが最後に指示したディセーブルサブチャネル(disabled subchhanel)に基づいて、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSを設定できる。この時、共有TXOPが割り当てられたステーションは、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、共有TXOPが割り当てられたステーションが結合したAPが最後に指示したディセーブルサブチャネルに該当するビットの値を、1に設定できる。このような実施例により、P2P PPDUを受信するステーションが結合した(associated)APのディセーブルサブチャネルで送信が行われることを防止できる。ディセーブルサブチャネルは、APが、APが運営するBSSで使用しないものと決定したサブチャネルを表すことができる。具体的には、ディセーブルサブチャネルは、EHT OperationエレメントのDisable Subchannelビットマップによってシグナルされてよい。
【0239】
P2P PPDUを受信するステーションが、共有TXOPが割り当てられたステーションの属したBSSに属していない場合に、P2P PPDUを受信するステーションから受信したPPDUが占有していないサブチャネルに基づいて、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSを設定できる。具体的には、共有TXOPが割り当てられたステーションは、P2P PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、P2P PPDUを受信するステーションから受信したPPDUが占有していないサブチャネルに対応するビットの値を、1に設定できる。P2P PPDUを受信するステーションから受信したPPDUは、CTSフレームを含むPPDUに限定されてよい。また、P2P PPDUを受信するステーションから受信したPPDUは、P2P PPDUを受信するステーションから最後に受信したPPDUであってよい。
【0240】
また、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOPが割り当てられたステーションが結合したAPが最後にディセーブルサブチャネルとして指示したサブチャネルに基づいて共有TXOPでPPDUを送信できる。具体的には、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOPで送信するPPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、共有TXOPが割り当てられたステーションが結合したAPが最後にディセーブルサブチャネルとして指示したサブチャネルに対応するビットの値を、1に設定できる。
【0241】
<共有TXOP終了後にAPのTXVECTOR設定方法>
【0242】
一般に、TXOPホルダーであるステーションは、TXOP内で送信された以前PPDUに基づいて送信するPPDUのTXVECTORパラメータを設定する。例えば、TXOPホルダーであるステーションは、TXOP内で以前に送信されるPPDUの帯域幅に基づいて送信するPPDUのTXVECTORパラメータを設定する。共有TXOPが設定された場合に、APが共有TXOP内で送信されたPPDUを受信できないことがある。具体的には、共有TXOPが割り当てられたステーションがP2P PDDUを送信する場合に、P2P PPDUの意図された受信者であるステーションからPPDUを受信できない可能性が高い。特に、P2P PPDUの意図された受信者であるステーションはAPにとって隠れノード(hidden node)であり得る。共有TXOP終了後に、TXOPホルダーであるAPが送信を行う際にPPDUのTXVECTORパラメータを設定する場合にはこのような状況を考慮する必要がある。本発明の実施例に係る、共有TXOP終了後に、TXOPホルダーであるAPが送信を行う際にPPDUのTXVECTORパラメータを設定する方法について説明する。
【0243】
本発明の一実施例において、TXOPホルダーであるAPは、APが最後に受信したPPDUに基づいて、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのパラメータを設定できる。具体的には、TXOPホルダーであるAPは、APが最後に受信したPPDUの帯域幅に基づいて、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDHTを設定できる。このとき、TXOPホルダーであるAPは、APが最後に受信したPPDUの帯域幅と同一又は狭い帯域幅を、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDHTとして設定できる。TXOPホルダーであるAPは、APが最後に受信したPPDUが占有した(occupy)サブチャネルに基づいて、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSを設定できる。この時、TXOPホルダーであるAPは、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、APが最後に受信したPPDUが占有していないサブチャネルに該当するビットを、1に設定できる。本発明の一実施例において、TXOPホルダーであるAPは、APが最後に受信したPPDUに基づいて、共有TXOP終了後にAPが送信するMU PPDUのTXVECTORのRU_ALLOCATIONを設定できる。具体的には、TXOPホルダーであるAPは、APが最後に受信したPPDUが占有する20MHzサブチャネルに基づいて、共有TXOP終了後にAPが送信するMU PPDUのTXVECTORのRU_ALLOCATIONを設定できる。このとき、TXOPホルダーであるAPは、APが最後に受信したPPDUが占有する20MHzサブチャネルに含まれるRUを、共有TXOP終了後にAPが送信するMU PPDUのTXVECTORのRU_ALLOCATIONとして設定することが許容されなくてよい。この時、MU PPDUは、EHT MU PPDUとHE MU PPDUの少なくともいずれか一つを含んでよい。
【0244】
前述した実施例は、TXOPホルダーのTXOPがnon-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUによって保護されない時に適用されてよい。
【0245】
共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのパラメータを設定するさらに他の実施例は、TXOPホルダーであるAPがTXOPを保護するために送信したnon-HT PPDUを交換した場合に適用されてよい。説明の便宜のために、TXOPを保護するために送信したnon-HT PPDUに対する応答として受信したPPDUを、応答non-HT PPDUと呼ぶ。TXOPホルダーであるAPは、応答non-HT PPDUに基づいて、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのパラメータを設定できる。具体的には、TXOPホルダーであるAPは、応答non-HT PPDUの帯域幅に基づいて、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDHTを設定できる。この時、TXOPホルダーであるAPは、応答non-HT PPDUの帯域幅と同一又は狭い帯域幅を、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDHT又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTとして設定できる。TXOPホルダーであるAPは、応答non-HT PPDUが占有した(occupy)サブチャネルに基づいて、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSを設定できる。この時、TXOPホルダーであるAPは、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELSのビットのうち、応答non-HT PPDUが占有していないサブチャネルに該当するビットを、1に設定できる。本発明の一実施例において、TXOPホルダーであるAPは、応答non-HT PPDUに基づいて、共有TXOP終了後にAPが送信するMU PPDUのTXVECTORのRU_ALLOCATIONを設定できる。具体的には、TXOPホルダーであるAPは、応答non-HT PPDUが占有する20MHzサブチャネルに基づいて、共有TXOP終了後にAPが送信するMU PPDUのTXVECTORのRU_ALLOCATIONを設定できる。この時、TXOPホルダーであるAPは、応答non-HT PPDUが占有する20MHzサブチャネルに含まれるRUを、共有TXOP終了後にAPが送信するMU PPDUのTXVECTORのRU_ALLOCATIONとして設定することが許容されなくてよい。この時、MU PPDUは、EHT MU PPDUとHE MU PPDUの少なくともいずれか一つを含んでよい。このような実施例は、共有TXOP終了後に、APが共有TXOP前に応答non-HT PPDUを送信したステーションに送信を行う場合に限って適用されてよい。
【0246】
また、non-HT PPDU送信を用いたTXOP保護は、RTSフレームとCTSフレーム交換、及びMU-RTSフレームとCTSフレーム交換の少なくともいずれか一つを含んでよい。また、non-HT PPDUを用いたTXOP保護がCTS-to-selfフレーム送信を用いた場合に、前述した実施例のように、TXOPホルダーであるAPは、APが最後に受信したPPDUに基づいて、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのパラメータを設定できる。
【0247】
図18及び
図19は、本発明の実施例によって、TXOPホルダーであるAPが、共有TXOP終了後にAPが送信するPPDUのTXVECTORのパラメータを設定する方法を示す。
【0248】
図18(a)で、APは、CTS-to-Selfフレームを送信してTXOPを獲得する。APは、第1ステーション(STA1)にMU-RTS TXSフレームを送信して第1ステーション(STA1)に共有TXOPを割り当てる。第1ステーション(STA1)は共有TXOP内でAPにUL PPDUを送信する。共有TXOPが終了した後、APは第2ステーション(STA2)にPPDUを送信する。この時、APと第2ステーション(STA2)はTXOP内でnon-HT PPDUを交換していない。したがって、APは、最後に受信したPPDUに基づいて、第2ステーション(STA2)に送信するDL PPDUのTXVECTORパラメータを設定する。この時、APが最後に受信したPPDUは、第1ステーション(AP)が送信したACKフレームを含むPPDUである。第1ステーション(STA1)が送信したACKフレームを含むPPDUの帯域幅は80MHzであるので、APは、第2ステーション(STA2)に送信するDL PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTHを80MHz又は80MHzよりも小さい値に設定する。また、第1ステーション(AP)が送信したACKフレームを含むPPDUにおいて第3サブチャネル(SC#3)がパンクチャーされているので、APは、第2ステーション(STA2)に送信するDL PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELのうち第3サブチャネルに該当するビットを1に設定する。
【0249】
図18(b)で、APは、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)にMU-RTSフレームを送信し、第1ステーション(STA1)及び第2ステーション(STA2)からCTSフレームを受信する。これにより、APはTXOPを獲得する。APは、第1ステーション(STA1)にMU-RTS TXSフレームを送信して第1ステーション(STA1)に共有TXOPを割り当てる。第1ステーション(STA1)は共有TXOP内でAPにUL PPDUを送信する。共有TXOPが終了した後、APは第2ステーション(STA2)にPPDUを送信する。この時、APと第2ステーション(STA2)はTXOP内で、RTSフレームを含むnon-HT PPDUとCTSフレームを含むnon-HT PPDUとを交換した。したがって、APは、CTSフレームを含むnon-HT PPDUに基づいて、第2ステーション(STA2)に送信するDL PPDUのTXVECTORパラメータを設定する。CTSフレームを含むnon-HT PPDUの帯域幅は80MHzであるので、APは、第2ステーション(STA2)に送信するDL PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTHを、80MHz又は80MHzよりも小さい値に設定する。また、CTSフレームを含むnon-HT PPDUは、パンクチャーされたサブチャネルを含まない。したがって、APは、第2ステーション(STA2)に送信するDL PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELの第1サブチャネル(SC#1)~第4サブチャネル(SC#4)に該当するビットを0に設定する。
【0250】
図19(a)で、APはCTS-to-Selfフレームを送信してTXOPを獲得する。APは第1ステーション(STA1)にMU-RTS TXSフレームを送信して第1ステーション(STA1)に共有TXOPを割り当てる。第1ステーション(STA1)は共有TXOP内で第2ステーション(STA2)にP2P PPDUを送信する。共有TXOPが終了した後、APは第3ステーション(STA3)にDL PPDUを送信する。この時、APと第3ステーション(STA3)はTXOP内でnon-HT PPDUを交換していない。したがって、APは、最後に受信したPPDUに基づいて、第3ステーション(STA3)に送信するDL PPDUのTXVECTORパラメータを設定する。この時、APが最後に受信したPPDUは、第1ステーション(AP)が送信したP2P PPDUである。第1ステーション(AP)が送信したP2P PPDUの帯域幅は80MHzであるので、APは、第3ステーション(STA3)に送信するDL PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTHを、80MHz又は80MHzよりも小さい値に設定する。また、第1ステーション(STA1)が送信したP2P PPDUにおいて第3サブチャネル(SC#3)がパンクチャーされているので、APは、第3ステーション(STA3)に送信するDL PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELのうち第3サブチャネルに該当するビットを1に設定する。
【0251】
図19(b)で、APは、第1ステーション(STA1)~第3ステーション(STA3)にMU-RTSフレームを送信し、第1ステーション(STA1)~第3ステーション(STA3)からCTSフレームを受信する。これによってAPはTXOPを獲得する。APは第1ステーション(STA1)にMU-RTS TXSフレームを送信して第1ステーション(STA1)に共有TXOPを割り当てる。第1ステーション(STA1)は共有TXOP内で第2ステーション(STA3)にP2P PPDUを送信する。共有TXOPが終了した後、APは第3ステーション(STA3)にPPDUを送信する。この時、APと第3ステーション(STA3)はTXOP内で、RTSフレームを含むnon-HT PPDUとCTSフレームを含むnon-HT PPDUとを交換した。したがって、APは、CTSフレームを含むnon-HT PPDUに基づいて、第3ステーション(STA3)に送信するDL PPDUのTXVECTORパラメータを設定する。CTSフレームを含むnon-HT PPDUの帯域幅は80MHzであるので、APは、第3ステーション(STA3)に送信するDL PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTHを、80MHz又は80MHzよりも小さい値に設定する。また、CTSフレームを含むnon-HT PPDUは、パンクチャーされたサブチャネルを含まない。したがって、APは、第3ステーション(STA3)に送信するDL PPDUのTXVECTORのINACTIVE_SUBCHANNELの第1サブチャネル(SC#1)~第4サブチャネル(SC#4)に該当するビットを0に設定する。
【0252】
さらに他の具体的な実施例において、共有TXOP内で送信される最後のPPDUに制限が適用されてよい。具体的には、TXOP内で送信される最後のPPDUは、共有TXOPが割り当てられたステーションが送信したり又はAPが意図された受信者であるフレームを含むPPDUに制限されてよい。
【0253】
さらに他の具体的な実施例において、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOP内でステーションが最後に送信するPPDUを用いて、共有TXOPで最後に送信されるPPDUの帯域幅に関する情報をシグナルすることができる。この時、共有TXOP内でステーションが最後に送信するPPDU又は共有TXOP内でステーションが最後に送信するPPDUが含むMACフレームは、共有TXOPで最後に送信されるPPDUの帯域幅に関する情報を含んでよい。また、TXOPで最後に送信されるPPDUの帯域幅に関する情報は、最後に送信されるPPDUが占めるサブチャネルに関する情報及び最後に送信されるPPDUにおいてパンクチャーされたサブチャネルに関する情報のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0254】
<共有PPDU内で送信されるPPDUの意図された受信者が変更される時のPPDUのTXVECTORの設定方法>
【0255】
図20は、本発明の実施例に係る、共有TXOPで送信されるPPDUの意図された受信者が変更される時のPPDUのTXVECTORの設定方法を示す。
【0256】
図20(a)で、APはTXOPを獲得し、第1ステーション(STA1)にMU-RTS TXSフレームを送信する。MU-RTS TXSフレームは、共有TXOP内でUL PPDUの他にもP2P PPDUの送信が許容されることを指示する。第1ステーション(STA1)はAPに、MU-RTS TXSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する。この時、CTSフレームは80MHz周波数帯域で送信される。第1ステーション(SAT1)は、第2ステーション(STA2)にP2P PPDUを送信する前に、第2ステーション(STA2)にRTSフレームを送信する。この時、RTSフレームは80MHz周波数帯域で送信される。第2ステーション(STA2)は第1ステーション(STA1)にCTSフレームを送信する。この時、CTSフレームは40MHz周波数帯域で送信される。したがって、第1ステーション(SAT1)は、第2ステーション(STA2)に送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTHを、40MHz又は40MHzよりも小さい値に設定する。第1ステーション(SAT1)は、残っている共有TXOPにおいて、第2ステーション(STA2)からP2P PPDUでACKフレームを受信し、APにUL PPDUを送信する。第1ステーション(STA1)がAPに送信したCTSフレームを含むPPDUの帯域幅が80MHzであるので、第1ステーション(STA1)は、UL PPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTHを80MHz又は80MHzよりも小さい値に設定する。
【0257】
図20(b)で、APはTXOPを獲得し、第1ステーション(STA1)にMU-RTS TXSフレームを送信する。MU-RTS TXSフレームは、共有TXOP内でUL PPDUの他にもP2P PPDUの送信が許容されることを指示する。第1ステーション(STA1)はAPに、MU-RTS TXSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する。この時、CTSフレームは80MHz周波数帯域で送信される。第1ステーション(SAT1)は、第2ステーション(STA2)にP2P PPDUを送信する前に、第2ステーション(STA2)にRTSフレームを送信する。この時、RTSフレームは80MHz周波数帯域で送信される。第2ステーション(STA2)は第1ステーション(STA1)にCTSフレームを送信する。この時、CTSフレームは40MHz周波数帯域で送信される。したがって、第1ステーション(SAT1)は、第2ステーション(STA2)に送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTを、40MHz又は40MHzよりも小さい値に設定する。第1ステーション(SAT1)は、第2ステーション(STA2)からP2P PPDUでACKフレームを受信し、残っている共有TXOPにおいて、第3ステーション(STA3)にP2P PPDUを送信する。第1ステーション(STA1)と第3ステーション(STA3)はRTSフレームとCTSフレームを交換したことがない。また、APに送信したCTSフレームを含むPPDUの帯域幅が80MHzであるので、第1ステーション(STA1)は、第3ステーション(STA3)に送信するPPDUのTXVECTORのCH_BANDWIDTH又はCH_BANDWIDTH_IN_NON_HTを、80MHz又は80MHzよりも小さい値に設定する。
【0258】
<APのTXOP管理方法>
【0259】
APは、共有TXOP終了後にTXOP回復(recovery)を行うことができる。APがステーションにMU-RTS TXSフレームを送信した後、ステーションからCTSフレームを受信した場合に、APは、ステーションに対する共有TXOP割り当てが完了したと判断できる。APは、共有TXOPにおいてPPDUを送信することが制限されることがある。また、共有TXOPが割り当てられたステーションが送信を行わないことがある。共有TXOPが割り当てられたステーションが共有TXOP内で送信できるトラフィックを有していないこどかあるわけである。共有TXOPが割り当てられたステーションが共有TXOP内で送信を行わない場合に、APはTXOP回復を行うことができる。具体的には、共有TXOP内でUL PPDU送信のみが許容され、共有TXOP内で最後に行われたPPDUの送信以後にPIFS(SIFS+aSlotTime)において、TXOP共有が行われたチャネルが遊休である場合に、APはTXOP回復を行うことができる。この時、APは、共有TXOPが終了したと判断できる。また、共有TXOP内でUL PPDU送信のみが許容され、共有TXOP内で最後に行われたPPDUの送信以後にPIFS(SIFS+aSlotTime)において、TXOP共有が行われたチャネルが遊休である場合に、APはAPの送信を開始できる。これらの実施例により、PIFSで送信を行わない場合に、TXOPが喪失されることを防止できる。
【0260】
また、共有TXOP終了後に、APはTXOP回復を行うことができる。具体的には、共有TXOPが終了する際に、TXOP共有が行われたチャネルが遊休でない場合に、APはTXOP回復を行うことができる。具体的な実施例において、共有TXOPが終了する時にTXOPが残っており、TXOP共有が行われたチャネルが遊休でない場合に、APはTXOP回復を行うことができる。
【0261】
APが行うTXOP回復は、チャネルがPFISで遊休であった後、PPDU送信を試みることであってよい。また、APが行うTXOP回復は、新しいバックオフ動作を行うことであってよい。また、APが行うTXOP回復は、TXNAVタイマーが終了するまで待機することであってよい。このようなTXOP回復動作は、送信失敗がなくても行われるという点で、TXOPホルダーが行うPPDU送信失敗による回復動作と相違する。TXOP回復においてバックオフ動作が行われる場合に、APは、バックオフ動作で用いられるCW[AC]の値を、CW[AC]の最小値に設定できる。これは、TXOP共有のために送信したMU-RTS TXSフレームの送信に成功したためである。また、TXOP回復においてバックオフ動作が行われる場合に、APは、バックオフ動作で用いられるQSRC[AC]を0に設定できる。
【0262】
また、TXOP回復においてバックオフ動作が行われる場合に、APは、バックオフ動作によってTXNAVを延長させることが許容されなくてよい。このとき、APは既存TXNAVの値を維持し、タイマーにしたがってTXNAVの値を減らす。また、TXOP回復においてバックオフ動作が行われる場合に、APが、TXOPが獲得された周波数帯域の帯域幅を拡大することが許容されなくてよい。このとき、APは、TXOPが獲得された周波数帯域の帯域幅内で送信を行うことができる。APがnon-HT PPDU保護によってTXOPを獲得した場合に、TXOPが獲得された周波数帯域の帯域幅は、non-HD PPDUが行われた周波数帯域の帯域幅であってよい。APがnon-HT PPDU保護によってTXOPを獲得していない場合に、TXOPが獲得された周波数帯域の帯域幅は、TXOP内で最後に受信したPPDUの帯域幅であってよい。TXOP回復がTXNAVタイマーが終了するまで待機することである場合には、このような制限が適用されなくてよい。TXOP終了後にAPが新しいTXOPを獲得することであるためである。
【0263】
<レガシーP2PピアステーションのためのP2P送信保護方法>
【0264】
前述したように、共有TXOPが割り当てられたステーションは、P2P PPDUを送信する前に、P2P PPDUの意図された受信者とRTSフレーム及びCTSフレーム交換してP2P PPDU送信を保護することができる。P2P PPDUの意図された受信者がレガシーステーションである場合に、P2P PPDUの意図された受信者は、TXOPホルダーであるAPでないステーションが送信したRTSフレームであるので無視できる。したがって、P2P PPDUの意図された受信者は、TXOPホルダーであるAPにはCTSフレームを送信しないことがある。したがって、P2P PPDUの意図された受信者がレガシーステーションである場合にもP2P PPDUの送信を保護するための方法が必要である。
【0265】
APは、MU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値を、共有TXOPが割り当てられたステーションからCTSフレームを受信するまでの値に設定できる。具体的な実施例において、APは、MU-RTS TXSフレームとMU-RTS TXSフレーム以前に送信されたフレームのDurationフィールドの値を、共有TXOPが割り当てられたステーションからCTSフレームを受信するまでの値に設定できる。これにより、レガシーステーションは、共有TXOP内でRTSフレームを送信する共有TXOPが割り当てられたステーションをTXOPホルダーと判断できる。APは、MU-RTS TXSフレームのデュレーションフィールドの値を、MU-RTS TXSフレームに対する応答であるCTSフレームの送信所要時間に2xSIFSを足した値に設定できる。さらに他の具体的な実施例において、APは、MU-RTS TXSフレームのデュレーションフィールドの値を、CTSフレームの送信所要時間にSIFSを足した値に設定できる。具体的な実施例において、Durationフィールドの値は、TXOPが割り当てられたステーションからCTSフレームを受信する以前までに設定できる。
【0266】
前述した実施例と後述する実施例は、共有TXOP内でP2P PPDUの送信が許容される場合に限って適用されてよい。また、前述した実施例は、R-TWT(restricted target wake time)SP(service period)内でTXOPが共有される場合に限って適用されてよい。このとき、R-TWT SPはTWT SPの一種であり、APによってローレイテンシトラフィックとして指定されたTIDのトラフィックが優先的に処理されるサービス期間である。このとき、R-TWT SPは、少なくとも一つのMU-RTS TXSフレームが送信されることが予定されたR-TWT SPであってよい。具体的には、R-TWT SPは、Broadcast TWT Recommendationフィールドの値が5に設定されたTWTエレメントによって設定されたものであってよい。
【0267】
さらに他の具体的な実施例において、前述した実施例と後述する実施例は、共有TXOPが割り当てられるステーションが、RTSフレーム及びCTSフレーム交換を行ってP2P PPDU送信を保護する旨をAPにシグナルした場合に限って適用されてよい。
【0268】
さらに他の具体的な実施例において、前述した実施例と後述する実施例は、共有TXOPが割り当てられるステーションが、P2Pピア(peer)ステーションに送信するトラフィックがあることをレポートした場合に限って適用されてよい。具体的には、前述した実施例は、共有TXOPが割り当てられるステーションが、P2Pピア(peer)ステーションに送信するローレイテンシトラフィックがあることをレポートした場合に限って適用されてよい。このとき、共有TXOPが割り当てられるステーションは、MACフレームのA-ControlフィールドのPBSR(P2P Buffer Status Report)Controlフィールドを用いて、P2Pピアステーションに送信するトラフィックがあることをAPにレポートすることができる。このとき、共有TXOPが割り当てられるステーションは、A-ControlフィールドのControl IDをP2P Buffer Status Report Controlで指示する。
【0269】
上に説明した実施例において、近隣ステーションは、共有TXOPが割り当てられるステーションがnon-HT PPDUを送信してP2P PPDUの送信を保護する前に、TXOPが終了したと判断できる。このため、P2P PPDUの送信が始まる前に近隣ステーションが共有TXOP内で送信を試みることがある。これについて
図21を用いて説明する。
【0270】
図21は、本発明の実施例に係る、APが、MU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値を、MU-RTS TXSフレームに対するCTSフレームを受信する時点までに設定することを示す。
【0271】
図21で、APは、TXOPを獲得し、第1ステーション(STA1)にMU-RTS TXSフレームを送信する。MU-RTS TXSフレームは、共有TXOP内でUL PPDUの他にもP2P PPDUの送信が許容されることを指示する。また、APは、MU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値を、MU-RTS TXSフレームに対するCTSフレームを受信する時点までに設定する。第1ステーション(STA1)がP2Pピアステーション(P2P peer STA)にRTSフレームを送信する。この時、APの近くに位置し、第1ステーション(STA1)に隠れノードである近隣ステーション(Other STA)は、APによって設定されたTXOPが満了したと判断する。したがって、第1ステーション(STA1)がP2Pピアステーション(P2P peer STA)にRTSフレームを送信する中に、近隣ステーション(Other STA)は新しい送信を試みることがある。このため、P2P PPDUの送信が妨害されることがある。これを考慮してMU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値を設定する実施例について説明する。
【0272】
APは、MU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値を、共有TXOP内の特定フレームの送信に基づいて設定できる。具体的には、APは、MU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値を、共有TXOP内の特定フレームの送信時までにと設定できる。このとき、特定フレームは、共有TXOPが割り当てられたステーションがMU-RTS TXSフレームに対する応答を送信してから最初に送信するUL PPDUに含まれるフレームであってよい。説明の便宜のために、共有TXOPが割り当てられたステーションがMU-RTS TXSフレームに対する応答を送信してから最初に送信するUL PPDUに含まれるフレームを、開始フレームと呼ぶ。さらに他の具体的な実施例において、特定フレームは、開始フレームに対するAPの応答であってよい。開始フレームと応答フレームのDurationフィールドは、共有TXOPの終了時点と同一又はより小さい値に設定されてよい。
【0273】
先の実施例において、APは、MU-RTS TXSフレームの他にもMU-RTS TXSフレーム以前に送信されるフレームのDurationフィールドの値を、共有TXOP内の特定フレームの送信に基づいて設定できる。上述したDurationフィールドの値設定に関する実施例が適用されるとき、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOP内で最初のフレーム交換を既に設定されたフレーム交換によって行うことができる。共有TXOPが割り当てられたステーションは、Durationフィールドの値に基づいて、上述したDurationフィールドの値設定に関する実施例が適用されるか否かを判断できる。具体的には、Durationフィールドの値が既に設定された値と等しい又は小さい場合に、共有TXOPが割り当てられたステーションは、前述したDurationフィールドの値設定に関する実施例が適用されると判断できる。既に設定された値は、Durationフィールドの設定に関する実施例によって設定された値を表すことができる。
【0274】
具体的には、共有TXOPが割り当てられたステーションは、Durationフィールドの値と共有TXOPの終了時点とを比較し、前述したDurationフィールドの値設定に関する実施例が適用されるかを判断できる。具体的な実施例において、Durationフィールドの値が共有TXOPの終了時点よりも小さい場合に、共有TXOPが割り当てられたステーションは、前述したDurationフィールドの値設定に関する実施例が適用されると判断できる。また、Durationフィールドの値が共有TXOPの終了時点と同一又は大きい場合に、共有TXOPが割り当てられたステーションは、前述したDurationフィールドの値設定に関する実施例が適用されないと判断できる。
【0275】
前述した開始フレームはRTSフレームであってよい。また、開始フレームを含むUL PPDUは、RTSフレームのみを含むPPDUであってよい。これらの実施例において、RTSフレームは、RTSフレームの受信者アドレスがAPとして指定されたRTSフレームであってよい。RTSフレームのDurationフィールドの値としては、共有TXOPの終了時点が設定されてよい。また、RTSフレームのDurationフィールドの値が共有TXOPの終了時点よりも大きい値に設定されることは許容されなくてよい。また、RTSフレームを含むPPDUの送信方法が次のように指定されてよい。共有TXOPが割り当てられたステーションは、あらかじめ指定されたフォーマット及びあらかじめ指定されたMCSを用いて、RTSフレームを含むPPDUを送信できる。このとき、あらかじめ指定されたフォーマットは、non-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUであってよい。また、あらかじめ指定されたMCSは、MCS0又はMCS1であってよい。例えば、RTSフレームを含むPPDUは、L-SIGフィールドのRATEサブフィールドが6MB/Sを指示するnon-HT PPDUであってよい。
【0276】
APは、MU-RTS TXSフレームとMU-RTS TXSフレーム以前に送信されたフレームのデュレーションフィールドを次の値に設定できる。
【0277】
- MU-RTS TXSフレームに対して応答されるCTSフレームの送信所用時間+2*SIFS+non-APステーションによって送信されるRTSフレームの送信所用時間。すなわち、2*SIFS+CTS+RTS(2*16us+44us(6Mbps CTS)+52us(6Mbps RTS)=128us)
【0278】
- MU-RTS TXSフレームに対して応答されるCTSフレームの送信所要時間+2*SIFS+non-APステーションによって送信されるRTSフレームの送信所要時間+SIFS。すなわち、3*SIFS+CTS+RTS(3*16us+44us(6Mbps CTS)+52us(6Mbps RTS)=144us)
【0279】
- MU-RTS TXSフレームに対して応答されるCTSフレームの送信所要時間+2*SIFS+non-APステーションによって送信されるRTSフレームの送信所要時間+SIFS+APが応答するCTSフレームの送信所要時間。すなわち、3*SIFS+2*CTS+RTS(3*16us+2*44us(6Mbps CTS)+52us(6Mbps RTS)=188us)
【0280】
前述したように、MU-RTS TXSフレームとMU-RTS TXSフレーム以前に送信されたフレームのDurationフィールドの値は、開始フレームを含むUL PPDUに対する応答の送信時点に基づいて設定されてよい。この時、開始フレームを含むPPDUは、APに即刻の応答(immediate response)フレームを要請するフレームを含んでよい。即刻の応答(immediate response)フレームを要請するフレームのDurationフィールドの値としては、共有TXOPの終了時点が設定されてよい。APは、MU-RTS TXSフレームとMU-RTS TXSフレーム以前に送信されたフレームのDurationフィールドの値を次のように設定できる。
【0281】
- MU-RTS TXSフレームに対して応答されるCTSフレームの送信所要時間+2*SIFS+non-APステーションによって送信される開始フレームを含むUL PPDUの送信所要時間。すなわち、2*SIFS+CTS+開始フレームを含むUL PPDU
【0282】
- MU-RTS TXSフレームに対して応答されるCTSフレームの送信所要時間+2*SIFS+non-APステーションによって送信される開始フレームを含むUL PPDUの送信所要時間+SIFS。すなわち、3*SIFS+CTS+開始フレームを含むUL PPDU
【0283】
- MU-RTS TXSフレームに対して応答されるCTSフレームの送信所要時間+2*SIFS+non-APステーションによって送信される開始フレームを含むUL PPDUの送信所要時間+SIFS+APが応答する応答フレームの送信所要時間。すなわち、3*SIFS+CTS+開始フレームを含むUL PPDU+応答PPDU
【0284】
共有TXOPが割り当てられたステーションが、共有TXOP内でUL PPDUとP2P PPDUを全て送信しようとする場合に、共有TXOPが割り当てられたステーションは、UL PPDUを送信した後にP2P PPDUを送信できる。共有TXOPが割り当てられたステーションがUL PPDUを送信し、近隣ステーションによってP2P PPDUの送信が妨害されることを防止できるわけである。共有TXOPが割り当てられたステーションは、UL PPDUを送信した後にP2P PPDUを送信する場合に、前述した開始フレームを含むPPDU送信に適用される制限は適用されなくてよい。これらの実施例において、共有TXOPが割り当てられたステーションは、MU-RTS TXSフレームとMU-RTS TXSフレーム以前に送信されるフレームのDurationフィールドの値が指示する時点内に開始フレームを含むUL PPDU送信を終了できる。共有TXOPが割り当てられたステーションは、UL PPDUに対する応答をAPから受信し、P2PピアステーションにRTSフレームを送信できる。P2Pピアステーションは、RTSフレーム受信以前に、APがTXOPホルダーであるTXOPを終了したと判断してRTSフレームに対する応答であるCTSフレームを送信できる。
【0285】
APが前述の実施例のようにDurationフィールドの値を設定する場合に、共有TXOP終了後に、APはTXOP保護のためのフレームを送信できる。このとき、TXOP保護のためのフレームは、MU-RTSフレーム、RTSフレーム及びCTS-to-Selfフレームの少なくともいずれか一つを含んでよい。このとき、APは、TXOP保護のためのフレームのDurationフィールドの値とMU-RTS TXSフレームを送信する前に使用した時間及び共有TXOPのデュレーションの和がTXOPリミットを超えないように設定しなければならない。
【0286】
図22は、本発明の実施例に係る、APがMU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値を開始フレームに基づいて設定することを示す。
【0287】
図22で、APは、MU-RTS TXSフレームを送信して共有TXOPをステーション(non-AP STA)に割り当てる。APは、MU-RTS TXSフレーム送信前に送信されるDL PPDU及びMU-RTS TXSフレームのDurationフィールドの値を、共有TXOP内でステーション(non-AP STA)が最初に送信するUL PPDUの送信時点と同一に又は長く設定する。APは、UL PPDUに対する応答を送信する。UL PPDUに対する応答を受信した近隣ステーションは、応答に基づいてNAVを設定する。これにより、P2Pピアステーション(P2P Peer STA)がステーション(non-AP STA)の送信したRTSフレームを受信するとき、P2Pピアステーション(P2P Peer STA)はステーション(non-AP STA)をTXOPホルダーと判断する。P2Pピアステーション(P2P Peer STA)はステーション(non-AP STA)に、RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信する。
【0288】
さらに他の具体的な実施例において、共有TXOPが割り当てられたステーションは、P2P PPDUの送信を保護するためのRTSフレームの送信者アドレス、すなわちTAフィールドを、共有TXOPを設定したAPのMACアドレスに設定できる。送信者アドレスがTXOPホルダーであるAPを指示するので、RTSフレームを受信したP2Pピアステーションは、RTSフレームに対する応答としてCTSフレームを送信できる。これにより、
図22を用いて説明した実施例のようにMU-RTS TXSフレーム又はMU-RTS TXSフレーム前に送信されるフレームのDurationフィールドの値を変更しなくても、P2P PPDUのためのTXOPを設定できる。共有TXOPが割り当てられたステーションがP2PピアステーションからCTSフレームを受信した場合に、共有TXOPが割り当てられたステーションは、共有TXOPが割り当てられたステーションとP2PピアステーションがRTSフレームとCTSフレームを交換したように動作できる。したがって、共有TXOPが割り当てられたステーションがP2P PPDUを送信する時に、共有TXOPが割り当てられたステーションは、RTSフレームとCTSフレーム交換後に適用される周波数帯域幅に関する規則を適用できる。共有TXOPが割り当てられたステーションは、CTSフレームの受信者アドレス、すなわちRAフィールドが、共有TXOPを設定したAPの受信者アドレスと同一である時にこのように動作できる。さらに他の具体的な実施例において、共有TXOPが割り当てられたステーションは、CTSフレームの受信者アドレス、すなわちRAフィールドが、共有TXOPが割り当てられたステーションの送信者アドレス、すなわちTAフィールドと同一である時にこのように動作できる。
【0289】
また、共有TXOPが割り当てられたステーションが共有TXOP内でトリガーフレームを送信する場合に、トリガーフレームの送信者アドレスを、共有TXOPを設定したAPのMACアドレスに設定できる。
【0290】
図23は、本発明の一実施例によって、共有TXOPが割り当てられたステーションが、送信者アドレスが共有TXOPを設定したAPとして設定されたRTSフレームを送信することを示す。
【0291】
図23で、APは、MU-RTS TXSフレームを送信して共有TXOPをステーション(non-AP STA)に割り当てる。共有TXOP内でステーション(non-AP STA)はP2Pピアステーション(P2P Peer STA)に送信者アドレスがAPとして設定されたRTSフレームを送信する。P2Pピアステーション(P2P Peer STA)が送信者アドレスがAPであるRTSフレームを受信するので、P2Pピアステーション(P2P Peer STA)はAPにCTSフレームを送信する。この時、ステーション(non-AP STA)はCTSフレームを受信し、受信者アドレスがステーション(non-AP STA)を指示するCTSフレームを受信したと見なして動作できる。MU-RTS TXSフレーム及びMU-RTS TXSフレーム以前に送信されたフレームのDurationフィールドの値として、共有TXOPを含む区間が設定される。したがって、APの運営するBSSにおいてステーション(non-AP STA)にとって隠れノードであるステーションは共有TXOP内で送信を試みない。
【0292】
以上、無線LAN通信を取り上げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、セルラー通信などの他の通信システムにおいても同一に適用されてよい。また、本発明の方法、装置及びシステムは特定実施例と関連して説明されたが、本発明の構成要素、動作の一部又は全部は、汎用ハードウェアアーキテクチャーを有するコンピュータシステムを用いて具現されてよい。
【0293】
以上で実施例に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例に限定されない。なお、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組合せ又は変形されて実施可能である。したがって、このような組合せと変形に関連する内容は本発明の範囲に含まれるものとして解釈されるべきであろう。
【0294】
以上では実施例を中心にして説明したが、これは単に例示で、本発明を限定するものではない。したがって、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で、以上に例示されていない様々な変形と応用が可能であることが理解できよう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は変形して実施可能なものである。そして、このような変形と応用に関係する差異点は、添付する特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
【符号の説明】
【0295】
110 プロセッサ
120 通信部
140 ユーザインタフェース部
150 ディスプレーユニット
160 メモリ
210 プロセッサ
220 通信部
260 メモリ
【国際調査報告】