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特表2024-520042洗浄に最適化されたバネユニットを有する医療器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】洗浄に最適化されたバネユニットを有する医療器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/285 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A61B17/285
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572977
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2022063925
(87)【国際公開番号】W WO2022248414
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】102021113518.4
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペドロ モラレス
(72)【発明者】
【氏名】ディーター ウェイスハウプト
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG08
(57)【要約】
本発明は、医療器具(1)、特に外科用器具(1)であって、互いに枢動可能に取り付けられた2つの把持要素(10、12)と、2つの把持要素(10、12)のうちの1つにそれぞれ接続されている2つのバネ端部(20、22)を有するバネユニット(14)であって、2つの把持要素(10、12)のうちの少なくとも一方が基本位置から外れて枢動された時に、バネユニット(14)によって基本位置へ戻る枢動が実施可能である、バネユニット(14)と、を有し、バネユニット(14)は、把持要素(10、12)が枢動されたときに実質的に一定のバネ力を提供するように適合されており、特に少なくとも2つの部品で構成されており、第1のバネ脚部(16)および第2のバネ脚部(18)を有しており、2つのバネ端部(20、22)のうちの少なくとも1つのバネ端部、および/または2つの把持要素(10、12)のうちの少なくとも1つの把持要素に台状突起(24、26)が形成されており、この台状突起を介して、バネ端部(20、22)は、対応する把持要素(10、12)に強固に接続されており、少なくとも1つのバネ端部(20、22)は、少なくとも基本位置において、対応する把持要素(10、12)に対して離間して配置されており、そこから距離を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具(1)、特に外科用器具(1)であって、
互いに枢動可能に取り付けられた2つの把持要素(10、12)と、
2つの前記把持要素(10、12)のうちの1つにそれぞれ接続されている2つのバネ端部(20、22)を有するバネユニット(14)であって、2つの前記把持要素(10、12)のうちの少なくとも一方が基本位置から外れて枢動された時に、前記バネユニット(14)によって前記基本位置へ戻る枢動が実施可能である、前記バネユニット(14)と、
を有し、
前記バネユニット(14)は、前記把持要素(10、12)が枢動されたときに実質的に一定のバネ力を提供するように適合されており、特に少なくとも2つの部品で構成されており、第1のバネ脚部(16)および第2のバネ脚部(18)を有しており、
2つの前記バネ端部(20、22)のうちの少なくとも1つのバネ端部、および/または、2つの前記把持要素(10、12)のうちの少なくとも1つの把持要素に、台状突起(24、26)が形成されており、この台状突起を介して、前記バネ端部(20、22)は、対応する前記把持要素(10、12)に強固に接続されており、前記少なくとも1つのバネ端部(20、22)は、少なくとも前記基本位置において、対応する前記把持要素(10、12)に対して離間して配置されており、そこから距離を有していることを特徴とする、医療器具(1)。
【請求項2】
前記バネユニット(14)は、2つの板バネまたは2つのバネ鋼ワイヤの形態の2つの部品で形成されており、前記2つの部品は、遠位フォークノーズ接続(40、42)または遠位ボールアンドソケット接続によって互いに連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の医療器具(1)。
【請求項3】
前記台状突起(24、26)は、特に遠位側において、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、特に好ましくは少なくとも4mmの高さ(30)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の医療器具(1)。
【請求項4】
前記台状突起(24、26)は、端面接触支持面(28)を形成しており、前記端面接触支持面(28)を介して、前記少なくとも1つのバネ端部(20、22)が対応する前記把持要素(10、12)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
【請求項5】
前記台状突起(24、26)は、ブロック形状をしており、特に実質的に長方形のブロックベース面を有することを特徴とする、請求項4に記載の医療器具(1)。
【請求項6】
前記台状突起(24、26)の前記接触支持面(28)は、少なくとも5mm及び/又は最大で1cm及び/又は平面であることを特徴とする、請求項4または5に記載の医療器具(1)。
【請求項7】
対応する前記把持部(10、12)に面する前記バネ端部(20、22)の面と、前記台状突起(24、26)の側面(29)、特に遠位側面(29)、と、の間の間隙角度(α)は、少なくとも20°、好ましくは少なくとも40°、特に好ましくは65°より大きい、非常に特に好ましくは90°であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのバネ端部(20、22)は、前記台状突起(24、26)を介して、対応する前記把持要素(10、12)にねじ接続によって接続されている、および/または、特に接着または溶接またははんだ付けによって、強固に接合されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
【請求項9】
前記ねじ接続の場合、前記ねじ(34)が前記バネ端部(20、22)の側から前記把持要素(10、12)の方向で内ねじを有する盲穴へねじ込まれて、前記把持要素(10、12)は外側把持面(44)にドリル穴を有さない、又は、前記ねじが前記把持要素(10、12)の前記外側把持面(44)の側から前記バネ端部(20、22)の方向で、特に内ねじを有する盲穴にねじ込まれることを特徴とする、請求項8に記載の医療器具(1)。
【請求項10】
前記台状突起(24、26)は、前記把持要素(10、12)に対して前記バネ端部(20、22)を位置合わせするために、特に突出したストップ部又はピンの形態の位置合わせ要素を備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、互いに対して枢動可能に取り付けられた少なくとも2つの(第1および第2の)把持要素と、2つの把持要素のうちの1つにそれぞれ接続された2つのバネ端部を(バネ端に)有するバネユニット/バネ弾性アセンブリと、を有する医療器具、特に外科用器具、好ましくは手動で操作可能なハンド器具に関し、2つの把持要素のうちの少なくとも1つが(バネユニットの弾性力に抗して)基本位置から外れて枢動された時に、バネユニットによって基本位置へ戻る枢動が実施/実現/達成される。
【背景技術】
【0002】
現在、医療用または外科用の(ハンド)器具では、板バネとして構成され、広範囲にわたって分岐部または把持要素と接するリターンバネが使用されている。板バネと把持要素とは両方とも、互いに向かい合う大きな連続面を有し、これらの連続面は、共通の接触支持面を起点として互いに連続的に離れていく。板バネと把持要素とは、取付部において異なる半径の半円形/円弧状の輪郭を有し、それらの間の距離が(ゼロから)連続的に大きくなるとも言える。板バネの表面の一部は把持要素の表面の一部と直接接触しているが、2つの表面は外側で互いから離れ、それらの間には非常に小さな間隙が形成され、その間隙のサイズは徐々に大きくなる。その結果、接触支持面の範囲において、医療器具の洗浄および滅菌が非常に困難である。さらに、リターンバネと把持要素が互いに当接する範囲は、接触腐食またはバイメタル腐食にさらされる。
【0003】
例えば、DE 10 2017 114 260 A1は、1つの部品からなるリターンバネが形状嵌合で把持要素に取り付けられている医療用ハンド器具を開示している。しかしながら、この器具の欠点は、分岐部または把持要素に複雑なフライス加工が施された受容部を設けなければならないことである。さらに、1つの部品からなるリターンバネは、ハンド器具を閉じたときに直線的に大きくなる高いバネ力が生じるように設けられている。このバネ力は、特に閉位置において、外科医などの使用者によって加えられる力を弱めてしまうので、手動で加えられ得る最大の力を低減してしまう。さらに、バネが大きな変形を受けるので、連続使用中にリターンバネが破損してしまう危険性が増す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の課題および目的は、従来技術の欠点を回避するか又は少なくとも低減することであり、特に、非常に良好な洗浄性を提供し、製造が簡単で安価であり、かつ器具の大きな移動範囲、特に全移動範囲にわたって、把持要素を枢動させる一定の力を維持する医療器具、特に外科器具を提供することである。さらに、この器具は、特に、小型で、安全で、シンプルな設計を有し、取り扱いが容易で、メンテナンス、特にバネユニットの交換が簡単であるとよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
医療器具に関する課題および目的は、請求項1の特徴によって解決される。
【0006】
したがって、本開示は、互いに対して枢動可能な2つの把持要素(ハンドルブラケット、ハンドルレバー、レバーアーム)と、把持要素の間に配置されるバネユニットまたはバネ弾性アセンブリと、を有する医療器具に関する。好ましくはU字形またはV字形のバネユニットは、2つの(バネ)端を有しており、バネ端のすぐ隣の領域は端部と呼ばれる。特に、バネ端がバネ端部を形成している。2つのバネ端部の各々は、2つの把持要素のうちの対応する/関連する1つに取り付けられており、2つの把持要素のうちの少なくとも1つが基本位置から外れて枢動すると、この基本位置へと戻る枢動が実現される。つまり、2つの把持要素のうちの1つが器具の使用者によって手動で枢動された場合、使用者が枢動されたハンドル部を離すとすぐに、バネユニットが枢動された把持要素を基本位置へと枢動して戻すことができるということである。器具が、把持要素を枢動可能に接続するヒンジに対向するロードアームを有することが好ましい。医療器具は、器具の使用時に両方の把持要素が枢動されるように構成されてもよい。一方の把持要素のみが枢動するように意図されている場合、他方の把持要素は、枢動中の使用者の手のカウンターサポートとしてのみ機能する。特に、医療器具は、近位把持部を介して操作可能な、クランプ部(クランプ/把持分岐部)または切断部(切断刃)などの遠位作用部を有する。
【0007】
したがって、本開示によれば、器具には、把持要素が枢動されたときに、特に器具の閉動作全体にわたって、ほぼ一定の力/バネ力/復元力を提供するように適合されたバネユニットが設けられている。実施用の器具には、少なくとも2つの部品からなるバネユニットが設けられ、このバネユニットは、少なくとも第1のバネ部、特に第1のバネ脚部と、(別体の)第2のバネ部、特に第2のバネ脚部とを有し、これらは、互いに接続されている、特に少なくとも部分的に互いに対して可動に連結されていることが好ましい。2つの脚部または把持要素が共に基本位置から押圧されたとき、(閉位置へ枢動する際の)バネユニットのバネ力は、特に閉動作の全移動範囲にわたって、均一かつ均質に維持される。バネ力が直線的に増加することはない。この特別な設計は、器具の使用者をサポートし、適用可能な最大閉力を増加させ、使用者の疲労を軽減する。
【0008】
さらに、バネユニットは、把持要素に特別に適合して接続されている。具体的には、バネユニットの少なくとも一部は、少なくとも1つのバネ端部、特にバネ端において、器具の対応する把持要素上の台のような突起/台状突起または台の上でまたは介して、接続されている、特に取り付けられている。これにより、バネの一部、特にバネ脚部全体と、台状突起の範囲、ひいてはバネ端部の範囲の対応する把持要素との間に、所定の(最小)距離が生じる。このように形成された間隙によって、少なくとも基本位置においてバネ脚部と把持要素との間に最小クリアランスが確保されるので、器具の良好な洗浄が保証される。台状突起は、例えば、洗浄性をさらに向上させる目的で縁部を丸くすることによって、バネユニットと把持要素との間の幾何学的な移行部を形成するために使用されてもよい。器具の製造が大幅に簡素化される。
【0009】
換言すると、バネユニットの少なくとも1つのバネ部、特にバネ脚部は、中間の/介在する台状突起/段差/ソケット/スペーサ/ベンチを介して、関連する/対応する把持要素に強固に取り付けられており、この突起は、特に、(単一の)所定の接触面を形成し、この接触面を介して、バネ部、特にバネ脚部と関連する把持要素とが、少なくとも基本位置で互いに接触するので、それらの間に最小サイズの間隙または所定の距離が存在する。特に、バネユニットは、台状突起を介してのみ把持要素に接続され、把持要素と接触している。器具の洗浄性と製造性が向上する。
【0010】
さらに換言すると、バネユニットは、把持要素が枢動する際に、略一定のバネ力を提供するように適合されている。特に、バネユニットは、均一なバネ力を確保するために、少なくとも2つの部品で構成されており、第1の部品、特に第1のバネ脚部と、第2の部品、特に第2のバネ脚部と、を有する。さらに、台状突起は、2つのバネ端部のうちの少なくとも一方、および/または、2つの把持要素のうちの少なくとも一方に設けられており/形成されており/成形されており、バネ端部は、台状突起を介して対応する把持要素に強固に接続されているので、少なくとも1つのバネ端部は、少なくとも基本位置において対応する把持要素に対して離れて/オフセットして配置されており、台状突起によって把持要素との間に間隙が形成されているか、または、把持要素から距離を有している。
【0011】
さらに換言すると、好ましくは鉗子またはパンチタイプの医療器具は少なくとも2つの分岐部/器具部/脚部を有し、これらの分岐部/器具部/脚部は、互いに対して枢動可能に取り付けられており、器具の長手方向で見たときに近位把持部/操作部を有する。器具は、特にリターンバネの形態のバネ弾性を有するリターンユニット/バネユニットを有し、このバネ弾性を有するリターンユニット/バネユニットは、第1の分岐部と第2の分岐部とを基本位置に保持するように又はこの位置に付勢するように、好ましくは把持部の領域において、第1の分岐部と第2の分岐部との間に設けられている、および/または成形されている。少なくとも第1の分岐部とバネユニットの第1のバネ部との間に、台状突起/段差/ソケットが設けられており、この突起/段差/ソケットを介して、第1の分岐部と第1のバネ部が互いに接続されており、突起/段差/ソケットは、第1の分岐部上および/または第1のバネ部上に形成されている。あるいは又は加えて、第2の分岐部と第2のバネ部との間に台状突起/段差/ソケットが存在してもよく、この突起/段差/ソケットを介して、第2の分岐部と第2のバネ部が互いに接続されており、突起/段差/ソケットは第2の分岐部上および/または第2のバネ部上に形成されている。間のスペースを非常に簡単に清掃することができる。
【0012】
基本位置という用語は、外的な(手による)力を加えず、バネユニットのみに起因して枢動可能な把持要素が互いに対する位置を意味する。特に、この基本位置は、器具の(幾何学的に定められる)最大の開位置であってよい。
【0013】
台状突起という用語は、第1の表面(ベース表面、周囲表面、基本表面)に対して第2の表面(離間表面)を、第1の表面に略直交する方向に離間させる/持ち上げる/下げる/変位させるのに適した台に類似した幾何学形状を意味する。台状突起は、段差(段差の個別形状、特にブロック段差)を実現するものであるとも言える。
【0014】
バネ端部という用語は、バネ端の一部を意味する。特に、バネ端がバネ端部であってもよい。
【0015】
有利な実施形態は従属請求項に記載され、以下に説明される。
【0016】
本開示の一態様によれば、バネユニットは、2つの別個の板バネまたは2つのバネ鋼ワイヤの形態の2つの部品で形成されてよく、これらの板バネまたはバネ鋼ワイヤは、特に遠位フォークノーズ接続(Gabel-Nasen-Verbindung)または遠位ボールアンドソケット接続(Kugel-Pfannen-Verbindung)によって、互いに遠位で接続されている。第1の板バネは第1のバネ脚部を形成しており、第2の板バネは第2のバネ脚部を形成している。この2部品設計により、部品点数が少なく抑えられ、接触範囲での間隙形成が最小限に抑えられる。板バネは、安価で、製造しやすく、組み立ても簡単である。特に、器具の上面図や板バネの側面図では、2つの板バネは、凸の円弧形状をしており、この円弧形状は、遠位接続点に向かって先細り/矢の形状になっている。
【0017】
本開示のさらなる態様によれば、台状突起は端面接触支持面を形成してよく、バネ端部またはバネユニットは、端面接触支持面を介して、対応する把持要素に取り付けられている。バネ端部またはバネユニットと対応する把持要素とが別体の部品である場合、接触支持面は、バネ端部または把持要素の表面が載置される所定の界面または接続点を形成する。端面という用語は、離れて形成されている面(すなわち、ベース面から離れている面)を意味する。台状突起がバネ端部上に形成されている場合には、ベース面はバネ端部に関連する面であってよく、および/または、台状突起が把持要素上に形成されている場合には、ベース面は把持要素に関連する面(台状突起の周囲)であってよい。接触支持面自体は、様々な表面形状をとってよい、すなわち、わずかに(凸状または凹状に)湾曲したり、または湾曲したり、または波状であってもよい。
【0018】
台状突起は、関連するベース面に対して台状突起の高さ方向に垂直に延び、端面に接触支持面を形成するブロックベース面を有するブロック形状であってもよいことが好ましい。台状突起の高さは、特に、(この点で)把持要素の長手方向軸または(この点で)バネ端部の長手方向軸に対して垂直である。特に、ブロックベース面は、略矩形の基本形状を有してよい。あるいは、基本形状は楕円形の基本形状であってもよい。ブロックベース面の外輪郭は凸状であり、側面にはアンダーカットがないことが好ましい。側面は、接触支持面またはブロックベース面の周囲で少なくとも台状突起の高さ方向に延びており、これにより台状突起の側面が形成されている。
【0019】
本開示のさらなる態様によれば、2つのバネ端部のうちの少なくとも一方は、形状嵌合接続、特にねじ接続、および/または、強固な接着接続、特に接着および/または溶接および/またははんだ付けで、台状突起を介して把持要素に接続されてもよい。ねじ接続の場合、バネユニットを把持要素に確実かつ頑丈に接続する費用効果の高いアセンブリが実現され、バネユニットを簡単に分解して交換することができる。接着、溶接、又ははんだ付けの場合、接続部に必然的に生じる間隙を密閉することができ、閉じた表面を確保することができる。これにより、洗浄や滅菌がサポートされる。
【0020】
ねじ接続の場合、ねじは、特に、内ねじを有する相補的な盲穴/止まり穴内へバネ端部側から対応する把持要素の方向にねじ込まれてよく、したがって、把持要素は外側把持面にドリル穴を有さない。換言すると、ねじは、特に、バネ端部に対して垂直にかつバネ端部を貫通して把持要素にねじ込まれる。台状突起が把持要素上に形成されている場合、ねじは、突起の盲穴内の内ねじにねじ込まれてよい。これにより、把持面/係合面の外側に、手術用手袋を引き裂いてしまう危険な領域である鋭利なエッジが生じるのを避けることができる。同様に、外側把持面の平坦面は中断されず、表面は閉じた状態に保たれる。あるいは又は加えて、ねじは、好ましくは、把持要素側からバネ端部の方向へねじ込まれてもよい。特に、台状の突起がバネ端部上に形成されてよく、ねじがバネ端部を貫通して突出しないようにねじが突起にねじ込まれてよく、バネ端部の反対側の面は中断されない又は閉じられている。この代替のねじ接続は、バネユニットの組み立てと交換の両方を容易にする。
【0021】
さらなる実施形態によれば、台状突起は、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、特に好ましくは少なくとも4mmの高さを有してよい。この高さは、ある程度、把持要素の(ベース面上にある)ベース点と、台状突起におけるバネ端部のベース点と、の間の距離を画定する。この距離は、特に、台状突起の位置において、把持要素の器具長手方向軸に対して垂直に測定される。特に、高さは、台状突起の遠位側、すなわちベアリングに面する側での距離である。特に、高さは、台状突起の端面接触支持面と、そのベース部又は把持要素のバネユニットに面するベース面/基本面と、の間の距離であるので、少なくとも器具の基本位置において、把持要素とバネ端部との間に形成される間隙も少なくともこの高さを有する。この最小クリアランス寸法または高さにより、十分に良好な洗浄性が確保される。
【0022】
特に、台状突起は、(基本位置からの)閉動作時に、2つのバネ端部が(最大)閉位置であっても互いに接触しないように、5mmの最大高さを有してよい。
【0023】
台状突起の接触支持面は、少なくとも5mm(mm^2/平方ミリメートル)および/または最大1cm(cm^2/平方センチメートル)であってよく、および/または平坦であってもよいことが好ましい。この最小表面寸法により、把持要素とバネ端部との間の接続の安定性が十分に確保される。最大表面寸法により、構造寸法がコンパクトに保たれ、十分なバネ力が残ることが保証される。
【0024】
本開示の一態様によれば、対応する把持部に面し、特に接触支持面上に載置されているバネ端部の面と、台状突起の側面と、の間の角度は、少なくとも20°、好ましくは少なくとも40°、特に好ましくは65°以上、非常に好ましくは90°であってよい。この最小角度により、間隙は十分に鈍くなり、先細になりすぎない。代替的に又は追加的に、特に、把持要素のバネユニットに面するベース面/(基本)面と、台状突起の側面と、の間の角度は、最大で140°、好ましくは最大で110°、特に好ましくは90°であってよい。エッジを回避し洗浄性を高めるために、側壁の一部は、把持要素及び/又はバネ端部に向かって、特に端面接触面に向かって延びる弓形状/面取りを有してよい。換言すると、把持要素又はバネ端部に当接する台状突起の少なくとも1つの縁部は、面取りされていてよい(ハンチ)。
【0025】
本開示のさらなる態様によれば、台状突起は、別体で形成され接触支持面に載置され、把持要素に対してバネ端部を位置合わせするために、特に突出したストップ部またはピンの形態の位置合わせ要素を備えてよい。
【0026】
特に、2つの把持要素のうちの少なくとも1つの対向する外輪郭および/または表面と対応するバネ脚部とは、台状突起の範囲において互いに略平行に延びている。特に、それらは、台状突起の遠位側で互いに平行に延びている。換言すると、ハンドル長手方向軸とバネ脚部の長手方向軸とは、台状突起の遠位側の範囲において、特にバネ脚部の全長の30%の長さまで、好ましくは50%の長さまで、互いに略平行に延びている。特に、バネ脚部として板バネが使用される場合、板バネと把持要素とは、少なくとも1つの位置においてほぼ同一または平行なコースを有する。
【0027】
さらなる実施形態では、台状突起は、(把持要素の長手方向軸の方向又はバネ端部の長手方向軸の方向において)少なくとも5mm、好ましくは少なくとも10mmの長さを有してもよい。この最小長さによって、バネユニットの屈曲または把持要素からの離脱を防止するのに十分な機械的強度または接触支持面を得ることができる。
【0028】
特に、台状突起は、接触支持面に対して垂直な側面、特に遠位側面を有する。
【0029】
一実施形態では、少なくとも1つのバネ脚部、台状突起、および対応する把持要素は、互いに一体的に形成されていてよい。
【0030】
少なくとも1つのバネ端部は、バネユニットが枢動平面上でのみ変形するように、対応する把持要素に接続されることが好ましい。
【0031】
換言すると、本開示は、好ましくは、各分岐部に1つずつ、特に2つの板バネを有するバネ装置/バネユニットが、好ましくはねじ止めされて、ベンチ(台状突起)上の高さ位置に取り付けられていることを特徴とする医療器具に関する。バネユニット、特に2つの板バネはベンチ(台状突起)によって(対応する把持要素から)離間しているので、滅菌性などの良好な洗浄性を得ることができる。特に、それらの間の空間を非常良好に、あるいは問題なく洗浄できる。(1つの把持要素のバネ要素との)接触面は、ベンチ(台状突起)の長さに制限されている。特に医療器具に2部品からなるバネが使用される場合、特に鉗子では、器具を閉じる際にバネ力が直線的に増加しないという利点がある。この結果、閉力は実質的に一定に保たれる。特に、2部品からなるバネは、バネ力によって、好ましくはフォーク/ノーズ接続またはボール/ソケット接続によって、遠位側で接触している。
【0032】
本開示は、添付の図を参照し好ましい実施形態を参照することにより、以下にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】第1の好ましい実施形態の医療器具の近位把持部の平面図であり、この実施形態では、バネユニットが、脚部上に形成された台状突起のそれぞれに載置され、取り付けられている。
図2】第2の好ましい実施形態の医療器具の平面図であり、この実施形態では、台状突起がバネユニット上に形成されており、これらの突起は把持要素上に載置され、取り付けられている。
図3図1および図2の2つの実施形態を組み合わせた第3の好ましい実施形態の医療器具の平面図である。
図4】さらなる第4の好ましい実施形態の医療器具の部分的な詳細図であり、この実施形態では、台状突起が、バネユニット上に形成されており、把持要素の外側からねじ接続で固定されている。
図5】さらなる第5の好ましい実施形態の医療器具の平面図であり、この実施形態では、台状突起が、バネユニット上に形成され、把持要素上に載置されて、溶接されている。
図6】さらなる第6の好ましい実施形態の医療器具の接続点の部分的な詳細図であり、この実施形態では、バネユニットと把持要素の台状突起との間の接続が、接着接続によって強固に接着されて実現されている。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図面は概略的なものであり、本開示の理解を助けることのみを意図している。同一の要素には同一の参照符号が付されている。様々な実施形態の特徴は入れ替えることができる。
【0035】
図1は、第1の好ましい実施形態の医療器具1の部分図である。ハンド器具の形態である器具1は、鉗子の設計である。このために、器具1は、ヒンジ6によって枢動可能に互いに接続された2つのレバー2、4を有する。これにより、2つのレバー2、4は、はさみや把持鉗子と同様に、互いに対して枢動面S上で枢動することができる。レバー2、4の近位部(ヒンジ6より近位側で、使用者の方を向いている)は、対応する把持要素またはハンドル10、12を有する把持部8を形成しており、これらの把持要素またはハンドルは、器具の長手方向軸(近位-遠位)に関して互いに略対称である。把持部8は枢動面Sに関しても対称である。
【0036】
第1のハンドル10と第2のハンドル12との間には、2つの部品からなる板バネの形をした2つの部品からなるバネユニット14が設けられており、このバネユニット14は、わずかに膨らんだ略V字形状をしており、矢印状に遠位に向かって先細りになっており、板バネを形成する2つのバネ脚部16、18を有している。2つのハンドル10、12のうちの少なくとも一方がバネユニット14の弾性力に抗して器具の基本位置から枢動されると、バネユニット14によって基本位置へと戻る枢動が実現される。バネ脚部16、18は、それぞれの自由バネ端部20、22において、台状/台のような突起/段差24、26上に載置されており、台状突起24、26は、互いに向かい合っており、ハンドル10、12の向かい合う内側面/内側表面上に形成されている。第1の台状突起24と第1のハンドル10、および、第2の台状突起26と第2のハンドル12は、一体的に/1つの部品として形成されているか、または構成されている。台状突起24、26は、周囲に対して、本実施例ではハンドル10、12の内側面又は内側表面(ベース面)に対して、2つのバネ端部20、22を所定のやり方で離間させ、ハンドル10、12それぞれとバネ脚部16、18それぞれとの間に最小距離が形成されている。
【0037】
リターンバネであるバネユニット14の2つの部品からなる特別な設計のおかげで、2つのレバー2、4またはハンドル10、12が閉路全体にわたって枢動面S上で枢動されるときに、良好な取り扱いと耐久性のために実質的に一定のバネ力を提供することができるだけでなく、シンプルな設計と費用効果の高い製造が可能になる。台状突起24、26を介した第1および第2のバネ脚部16、18の特別な接続によって、器具1のシンプルな設計と費用効果の高い製造だけでなく、良好な洗浄性も保証される。
【0038】
具体的には、バネユニット14の2つの板バネは各々、台状突起24、26の端面接触支持面28上に平らに載置されている。接触支持面28は、バネユニット14とそれぞれのハンドル10、12との間の唯一の構造的接続を画定している。ハンドル長手方向軸に対して略垂直である台状突起24、26の高さ30は、バネ脚部16、18とハンドル10、12との間に形成される間隙または間隙幅32の寸法を設定するために使用可能である。間隙幅32は、ハンドル10、12の(ベース面である)内側表面からバネ脚部16、18の対向面(離間面;接触支持面28に相当する)までで測定される。特に、1つの高さは3mmであり、したがって、図1に示される最小の間隙幅32も3mmである。
【0039】
板バネを台状突起24、26に強固に固定するために、ねじ長手方向軸36を有するねじ34が、板バネの内側から外側に向かって、突起24、26の高さ30の方向、またはハンドル長手方向軸に略垂直な方向、または接触支持面28に垂直な方向で、ハンドル10、12の盲穴(図示せず)の内ねじにねじ込まれる。これにより、簡単な組み立てが可能になり、必要であれば、例えばバネユニット14のメンテナンスまたは交換のための分解も可能となる。さらに、器具1は、製造が非常に容易であり、ミスなく、また多くの予備知識がなくても組み立てることができる。
【0040】
2つの部品からなるバネユニット14は、遠位バネ連結38によって、2つのバネ脚部16、18を互いに接続または連結している。この第1の実施形態では、バネ連結は、第1のバネ脚部16がノーズ40を有し、第2のバネ脚部がフォーク42を有するフォークノーズ連結の形態で構成されている。ノーズ40は、フォーク42内へ突出し、フォーク42によって(わずかに)変位可能に且つ枢動可能に保持される。これにより、ハンドル10、12の枢動運動の際にバネの遠位端が互いに向かって枢動することができ、閉路全体に沿って略一定または均一なバネ力が保証される。もちろん、フォークノーズ接続の代わりに、ボールアンドソケット接続を使用してもよい。バネユニット14は、先細りの遠位バネ連結38と膨らんだバネ脚部16、18を有する矢じり形状を有する。
【0041】
本実施例では、板バネの下面(ハンドル10、12に面している面)と、直接隣接する台状突起の側面29と、の間の角度または間隙角度αは70°である。このように、十分に鈍い角が設けられている。さらに、洗浄をサポートするために、遠位方向に向かっておよび接触支持面28の側面にわずかな丸みが設けられている。
【0042】
ねじ34は、ねじ長手方向軸36に沿ってハンドル10、12の内側から外側に向かって、内ねじを有する盲穴にねじ込まれているので、外部把持面または外側把持面44は、平坦で閉じた表面を有している。手袋を引き裂いてしまう鋭利なエッジを有していないので、手術用手袋の汚染や損傷が防止される。
【0043】
図2に示される第2の好ましい実施形態の医療器具1は、台状突起24、26が把持要素10、12と一体形成されておらず、バネユニット14の2つのバネ脚部16、18上に形成されている点で、第1の好ましい実施形態と異なる。バネ脚部16、18は、その台状突起24、26を介して、より正確には接触支持面28を介して、ハンドル10、12の内側表面に取り付けられている。この実施形態でも、バネ脚部16、18は、ねじ34を介して、バネ脚部16、18側からハンドル10、12へねじ込まれており、外側把持面44は開口部のない閉じた表面を有している。このように、内ねじを有する盲穴が設けられただけの標準化された器具または把持要素を使用することができる。バネユニット14だけをハンドル10、12の内側表面に適合させればよい。
【0044】
図3は、器具1のさらなる第3の実施形態を示し、この実施形態では、第1の実施形態の第1のハンドル10の台状突起24と、第2の実施形態の第2のハンドル12(台状突起26)と、の組み合わせが使用されている。具体的には、台状突起24が第1のハンドル10と一体形成されており、その接触支持面28に板バネまたは第1のバネ脚部16が載置されて取り付けられているのに対し、第2のハンドル12は台状突起を有さないが、第2のバネ脚部18は一体形成された第2の台状突起26を有している。
【0045】
最初の3つの実施形態とは対照的に、図4において、さらに好ましい実施形態の医療器具1では、バネユニット14は、ねじ34で第2のハンドル12に接続されており、このねじ34は、第2の把持要素12の外側把持面44側(ここでは説明のために器具1の片側のみが示されている)からバネ端部22の方向で、台状突起26に設けられた内ねじを有する盲穴内へねじ込まれている。この設計には、ねじを外側から容易にねじ込むことができ、バネ脚部またはバネ端部の内側に開口部のない閉じた表面が設けられて、雑菌の発生を防止できるという利点がある。
【0046】
図5は、複数のヒンジまたはマルチリンクレバー機構48と、遠位鉗子切断部46と、を有する枝鉗子の形態であるさらに好ましい実施形態の医療器具1を示す。先の実施形態とは対照的に、バネユニット14に形成された2つの台状突起24、26は、ねじ止めされておらず、両側のハンドル10、12に強固に接合されている。本実施形態では、2つの部品の間に堅固で長持ちする接続を形成するために、台状突起24、26はハンドル10、12に溶接されている。本実施形態では、最小ねじ込み深さを保証する必要がないので、台状突起24、26の高さ30、ひいては間隙幅32も小さい。それにもかかわらず、図5に示される洗浄位置において、台状突起24、26は最小のクリアランスを確保するので、器具1を容易に洗浄することができる。この実施形態では、洗浄位置は、レバー機構48に挿入および取り外し可能なスリーブ52が設けられている点で基本位置と異なっており、このスリーブ52は、器具1をわずかに開くので遠位鉗子部46も容易に洗浄できる。器具1の洗浄位置において、バネ脚部16、18は、ハンドル10、12と同様の形状で延びているが、近位側でわずかに圧縮されており、特にバネ端部20、22の範囲において、全長の1/3の長さにわたって互いに平行であるまたは平行に延びている。
【0047】
器具の人間工学性および管理のしやすさをさらに改善するために、ハンドストップ部50が外側把持面44に設けられており、ハンドストップ部50は、器具の長手方向軸に対して垂直にハンドル10、12の横方向外側へ突出しており、器具が把持された時に使用者の手を遠位方向に幾何学的に制限し保護する。ハンドストップ部50は、例えば、器具1を抵抗に逆らって遠位方向に動かさなければならない場合に、遠位方向の力印加のためのストップ部も提供する。
【0048】
図6は、ハンドル10の平面接触支持面28へのバネ端部16の取り付け領域/接続領域のさらに好ましい実施形態の詳細図である(例として器具1の左側のみが示されている)。バネ端部16は、医療技術要件を満たし、滅菌にも耐える接着剤によって接合される。
【0049】
第1の台状突起24は、遠位側に平面状の側面29を有し、近位側に湾曲した側面29を有する。間隙角度αは80°であり、したがって台状突起の基部側の角度は100°である。ハンドル長手方向軸方向で見た接触支持面28の長さは10mmである。この(最小の)長さによって、バネ力の伝達のための十分な接触面が確保され、十分な接着面も提供される。特に、接触支持面28の大きさは、少なくとも又はおおよそ50mmである。
【0050】
図6に示されるハンドル10とバネ脚部16との間の取り付けも、図5に示した実施形態に容易に移行することができる。
【0051】
さらなる好ましい実施形態(図示せず)では、接触支持面から突出し、接触支持面に対して垂直なピンが、追加的に台状突起に設けられてもよく、このピンは、ピン穴接続に類似した相補的な穴内へ突出し、バネ脚部をハンドルに対して位置合わせすることにより、バネユニットの意図しない回転が防止される。
【符号の説明】
【0052】
1 医療器具
2 第1のレバー
4 第2のレバー
6 ヒンジ
8 把持部
10 第1の把持要素
12 第2の把持要素
14 バネユニット
16 第1のバネ脚部
18 第2のバネ脚部
20 第1のバネ端部
22 第2のバネ端部
24 第1の台状突起
26 第2の台状突起
28 接触支持面
29 側面
30 台状突起高さ
32 間隙幅
34 ねじ
36 ねじ長手方向軸
38 遠位バネ連結
40 ノーズ
42 フォーク
44 外側把持面
46 遠位鉗子部
48 レバー機構
50 ハンドストップ部
52 スリーブ
S 枢動面
α 間隙角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具であって、
互いに枢動可能に取り付けられた2つの把持要素と
2つの前記把持要素のうちの1つにそれぞれ接続されている2つのバネ端部を有するバネユニットであって、2つの前記把持要素のうちの少なくとも一方が基本位置から外れて枢動された時に、前記バネユニットによって前記基本位置へ戻る枢動が実施可能である、前記バネユニットと
を有し、
前記バネユニットは、前記把持要素が枢動されたときに実質的に一定のバネ力を提供するように適合されており、
2つの前記バネ端部のうちの少なくとも1つのバネ端部、および/または、2つの前記把持要素のうちの少なくとも1つの把持要素に、台状突起が形成されており、この台状突起を介して、前記バネ端部は、対応する前記把持要素に強固に接続されており、前記少なくとも1つのバネ端部は、少なくとも前記基本位置において、対応する前記把持要素に対して離間して配置されており、そこから距離を有していることを特徴とする、医療器具。
【請求項2】
前記バネユニットは、2つの板バネまたは2つのバネ鋼ワイヤの形態の2つの部品で形成されており、前記2つの部品は、遠位フォークノーズ接続または遠位ボールアンドソケット接続によって互いに連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の医療器具。
【請求項3】
前記台状突起は、少なくとも1mmのさを有することを特徴とする、請求項1に記載の医療器具。
【請求項4】
前記台状突起は、端面接触支持面を形成しており、前記端面接触支持面を介して、前記少なくとも1つのバネ端部が対応する前記把持要素に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の医療器具。
【請求項5】
前記台状突起は、ブロック形状をしていることを特徴とする、請求項4に記載の医療器具。
【請求項6】
前記台状突起の前記端面接触支持面は、少なくとも5mm及び/又は最大で1cm及び/又は平面であることを特徴とする、請求項4に記載の医療器具。
【請求項7】
対応する前記把持要素に面する前記バネ端部の面と、前記台状突起の面と、の間の間隙角度は、少なくとも20°であることを特徴とする、請求項1に記載の医療器具。
【請求項8】
前記少なくとも1つのバネ端部は、前記台状突起を介して、対応する前記把持要素にねじ接続によって接続されている、および/または、強固に接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の医療器具。
【請求項9】
前記ねじ接続の場合、ねじが前記バネ端部の側から前記把持要素の方向で内ねじを有する盲穴へねじ込まれて、前記把持要素は外側把持面にドリル穴を有さない、又は、前記ねじが前記把持要素の前記外側把持面の側から前記バネ端部の方向で、ねじ込まれることを特徴とする、請求項8に記載の医療器具。
【請求項10】
前記台状突起は、前記把持要素に対して前記バネ端部を位置合わせするために、位置合わせ要素を備えることを特徴とする、請求項1に記載の医療器具。
【請求項11】
前記バネユニットは、少なくとも2つの部品で構成されており、第1のバネ脚部及び第2のバネ脚部を有することを特徴とする、請求項1に記載の医療器具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
さらなる好ましい実施形態(図示せず)では、接触支持面から突出し、接触支持面に対して垂直なピンが、追加的に台状突起に設けられてもよく、このピンは、ピン穴接続に類似した相補的な穴内へ突出し、バネ脚部をハンドルに対して位置合わせすることにより、バネユニットの意図しない回転が防止される。
以下の項目は、国際出願時の請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
医療器具(1)、特に外科用器具(1)であって、
互いに枢動可能に取り付けられた2つの把持要素(10、12)と、
2つの前記把持要素(10、12)のうちの1つにそれぞれ接続されている2つのバネ端部(20、22)を有するバネユニット(14)であって、2つの前記把持要素(10、12)のうちの少なくとも一方が基本位置から外れて枢動された時に、前記バネユニット(14)によって前記基本位置へ戻る枢動が実施可能である、前記バネユニット(14)と、
を有し、
前記バネユニット(14)は、前記把持要素(10、12)が枢動されたときに実質的に一定のバネ力を提供するように適合されており、特に少なくとも2つの部品で構成されており、第1のバネ脚部(16)および第2のバネ脚部(18)を有しており、
2つの前記バネ端部(20、22)のうちの少なくとも1つのバネ端部、および/または、2つの前記把持要素(10、12)のうちの少なくとも1つの把持要素に、台状突起(24、26)が形成されており、この台状突起を介して、前記バネ端部(20、22)は、対応する前記把持要素(10、12)に強固に接続されており、前記少なくとも1つのバネ端部(20、22)は、少なくとも前記基本位置において、対応する前記把持要素(10、12)に対して離間して配置されており、そこから距離を有していることを特徴とする、医療器具(1)。
(項目2)
前記バネユニット(14)は、2つの板バネまたは2つのバネ鋼ワイヤの形態の2つの部品で形成されており、前記2つの部品は、遠位フォークノーズ接続(40、42)または遠位ボールアンドソケット接続によって互いに連結されていることを特徴とする、項目1に記載の医療器具(1)。
(項目3)
前記台状突起(24、26)は、特に遠位側において、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、特に好ましくは少なくとも4mmの高さ(30)を有することを特徴とする、項目1または2に記載の医療器具(1)。
(項目4)
前記台状突起(24、26)は、端面接触支持面(28)を形成しており、前記端面接触支持面(28)を介して、前記少なくとも1つのバネ端部(20、22)が対応する前記把持要素(10、12)に取り付けられていることを特徴とする、項目1から3のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
(項目5)
前記台状突起(24、26)は、ブロック形状をしており、特に実質的に長方形のブロックベース面を有することを特徴とする、項目4に記載の医療器具(1)。
(項目6)
前記台状突起(24、26)の前記接触支持面(28)は、少なくとも5mm 及び/又は最大で1cm 及び/又は平面であることを特徴とする、項目4または5に記載の医療器具(1)。
(項目7)
対応する前記把持部(10、12)に面する前記バネ端部(20、22)の面と、前記台状突起(24、26)の側面(29)、特に遠位側面(29)、と、の間の間隙角度(α)は、少なくとも20°、好ましくは少なくとも40°、特に好ましくは65°より大きい、非常に特に好ましくは90°であることを特徴とする、項目1から6のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
(項目8)
前記少なくとも1つのバネ端部(20、22)は、前記台状突起(24、26)を介して、対応する前記把持要素(10、12)にねじ接続によって接続されている、および/または、特に接着または溶接またははんだ付けによって、強固に接合されていることを特徴とする、項目1から7のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
(項目9)
前記ねじ接続の場合、前記ねじ(34)が前記バネ端部(20、22)の側から前記把持要素(10、12)の方向で内ねじを有する盲穴へねじ込まれて、前記把持要素(10、12)は外側把持面(44)にドリル穴を有さない、又は、前記ねじが前記把持要素(10、12)の前記外側把持面(44)の側から前記バネ端部(20、22)の方向で、特に内ねじを有する盲穴にねじ込まれることを特徴とする、項目8に記載の医療器具(1)。
(項目10)
前記台状突起(24、26)は、前記把持要素(10、12)に対して前記バネ端部(20、22)を位置合わせするために、特に突出したストップ部又はピンの形態の位置合わせ要素を備えることを特徴とする、項目1から9のいずれか一項に記載の医療器具(1)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【国際調査報告】