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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】透析量を決定するための光センサ
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A61M1/16 117
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572980
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2022064245
(87)【国際公開番号】W WO2022248571
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】102021113519.2
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515143739
【氏名又は名称】ビー.ブラウン アビタム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】B. BRAUN AVITUM AG
【住所又は居所原語表記】Schwarzenberger Weg 73-79, 34212 Melsungen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワルデマー ジャニック
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077EE01
4C077HH02
4C077HH12
4C077HH17
4C077JJ02
4C077JJ12
4C077JJ18
4C077KK27
(57)【要約】
本発明は、放射線源、キュベット、少なくとも1つの検出ユニットおよび閉回路/開回路制御ユニットを備えた、体外血液治療プロセスの透析効率/透析量を決定するためのデバイスに関する。放射線源は、放射線源に印加される電流強度の調整によって開回路/閉回路でその強度が制御される放射線を放出する。キュベットは、好ましくは透析液入口および透析液出口を備え、放射線源によって放出される放射線が透過する。検出ユニットは、放射線がキュベットを通過した後、測定検出器として放射線の強度を検出する。閉回路/開回路制御ユニットは、検出ユニットによって検出される放射線の強度から透析効率/透析量を決定し、閉回路/開回路制御ユニットは、放射線源および検出ユニットに接続され、透析液中の尿中に排泄される物質の濃度の減少に基づいて、体外血液治療の時間経過にわたって少なくとも1回、電流強度を調整することにより、放出される放射線の強度を低減させるように設けられ設計される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源(2)と、キュベット(3)と、少なくとも1つの検出ユニット(6、10)と、調節/制御ユニット(100)と、を有する、体外血液治療の透析効率/透析量を決定するためのデバイス(1)であって、
前記放射線源(2)は、放射線(7)を放出するように設けられ構成されており、前記放射線(7)の強度は、前記放射線源(2)に印加される電流強度を調整することによって制御/調節され、
前記キュベット(3)は、好ましくは透析液入口(4)および透析液出口(5)を備え、前記放射線源(2)によって放出される前記放射線(7)が透過するように設けられ構成されており、
前記検出ユニット(6、10)は、測定検出ユニットとしての前記キュベットを通過した後の前記放射線(7)の強度を検出するように設けられ構成されており、
前記調節/制御ユニット(100)は、前記検出ユニット(6、10)によって検出される前記放射線(7)の強度から前記透析効率/透析量を決定し、
前記調節/制御ユニット(100)は、前記放射線源(2)および前記検出ユニット(6、10)に接続され、前記透析液中の通常尿中に排泄される物質の濃度の減少に基づいて、前記体外血液治療の時間経過にわたって少なくとも1回、前記電流強度を調節することにより、放出される前記放射線(7)の強度を低減させるように設けられ構成されることを特徴とする、デバイス(1)。
【請求項2】
前記調節/制御ユニット(100)は、前記検出ユニット(6、10)によって検出された前記放射線(7)の強度が前記体外血液治療の時間経過にわたって一定に保たれるように前記放射線源(2)を制御するように設けられ構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記放射線源(2)に印加される前記電流強度は、前記透析効率/透析量を決定するために評価/使用されることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記透析効率/透析量はKt/V値であり、式中、Kはクリアランス、tは治療期間、Vは患者固有の体内尿素分布量を表し、前記調節/制御ユニット(100)は、Kt/V=ln(I(t3)/I(t))という規則を用いて前記透析効率/透析量を決定するように設けられ構成され、式中、Iは前記電流強度を表し、t3は固定された時点を表し、tは前記治療期間を表すことを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記透析効率/透析量はKt/V値であり、式中、Kはクリアランス、tは治療期間、Vは患者固有の体内尿素分布量を表し、前記調節/制御ユニット(100)は、Kt/V=-ln(-0.008×t+(I(t)/I(t3))+(4-3.5×(I8t)/I(t3))×UF/Wという規則を用いて前記透析効率/透析量を決定するように設けられ構成され、式中、Iは前記電流強度を表し、t3は固定された時点を表し、tは前記治療期間を表し、UFは限外濾過量を表し、Wは前記患者(200)の体重を表すことを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記決定された電流強度は基準温度値に正規化されることを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記検出ユニットは、基準検出ユニット(9)として、前記放射線源によって放出される前記放射線の強度を検出するように設けられ構成されているさらなる検出ユニット(9)を有し、治療の経過は、少なくとも1つの調整段階および少なくとも1つの測定段階を有し、前記調節/制御ユニット(100)は、前記調整段階中に少なくとも1回、前記体外血液治療の時間経過にわたって放出される前記放射線(7)の強度を低減させ、前記調節/制御ユニット(100)は、前記測定段階の間、前記基準検出ユニット(9)によって検出された前記放射線(7)の強度が一定のままであり、前記放射線(7)の強度は、前記測定段階中に前記測定検出ユニット(10)によって評価され、前記透析効率/透析量を決定するように、前記電流強度を調整することによって前記放射線源(2)を制御することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記調整段階および/または前記測定段階は治療パラメータによって誘起されることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記調整段階および前記測定段階は、前記体外血液治療の所定の時間に行われることを特徴とする、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記キュベット(3)の混濁は、前記測定検出ユニット(10)で検出された前記放射線(7)の強度と前記基準検出ユニット(9)で検出された前記放射線(7)の強度との間の比率の変化によって決定されることを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記電流強度および前記放射線源(2)が前記電流強度を受ける期間が記憶され、前記放射線源(2)の(残りの)耐用年数の予測がこれらの記憶された値により行われることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記放射線源(2)に印加される前記電流強度は、単調減少関数によって表すことができることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記キュベット(3)は、前記放射線源(2)と前記測定検出ユニット(10)との間に配置されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非侵襲的に透析量を決定するための光学的測定デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
Kt/V値は、血液透析などの体外血液治療の効率を評価するパラメータとして使用される。Kはクリアランス、tは治療期間、Vは患者固有の体内尿素分布量を表す。Kt/V値の決定には、種々のモデルを使用することができる。透析治療中のKt/V値を決定する最も単純な式は、治療中の患者の尿素生成も、いわゆるリバウンド効果も考慮しない。この場合のKt/V値を決定するには、次の規則が使用される。
【0003】
【数1】
【0004】
は初期尿素濃度を表し、c(t)は所定の時点tにおける尿素濃度を表す。
【0005】
最も一般的に使用されるモデルは、治療中の尿素生成/体外血液治療の時間経過を考慮したシングルプールモデルである。尿素は大量の分布容積中にのみ溶解するという単純な仮定がなされる。
【0006】
上記のモデルと比較すると、治療中に患者の体内で尿素が生成されることが考慮される。さらに、このモデルでは限外濾過によっておこる対流も尿素を除去することを考慮している。この場合のKt/V値を決定するために、次の規則が使用される。
【0007】
【数2】
【0008】
UFは限外濾過量を表し、Wは患者の体重を表す。
【0009】
リバウンド効果を考慮したモデルもある。現実としては、尿素は細胞内、細胞外、および血管内腔に存在するため、尿素の体内移動は、制約無しには可能ではない。シングルプールモデルから逸脱し、これらの異なる空間の存在を考慮したモデルにより、いわゆる平衡化Kt/Vを決定することができる。このようにして、血流の少ない臓器から血管内腔への治療後の尿素の逆流が考慮される。
【0010】
この値を技術的に測定するには、実質的に3つの方法がある。血液治療前後の患者の血液を採取し、検査室で尿素濃度を測定することにより、Kt/V値を算出することができる。しかしながら、この方法は、検査費用および人件費、ならびに消耗品の高いコストを伴い、Kt/V値を遡及的にしか得られないため、日常業務には現実的ではない。
【0011】
第2の選択肢は、治療の経過の間、透析液の組成を短時間変化させることを含む。透析器の上流側および下流側の透析液の導電率を、導電率の変化前および変化中に測定することにより、ダイアリサンスを算出することができる。これは、導電率に著しく寄与するナトリウムイオンが、尿素分子と同様の拡散特性を有することを利用したものである。この方法の利点は、追加の費用がかからず、各治療中にほぼ連続的な測定が可能であることである。しかしながら、欠点は、第一に、透析液の組成の変化に一定の時間を必要とするため、完全に連続的な測定が不可能であること、および第二に、透析中のナトリウムバランスに望ましくない歪みが生じ得ることである。
【0012】
Kt/Vを決定するはるかにより洗練された方法は、「Estimation of delivered dialysis dose by on-line monitoring of the ultraviolet absorbance in the spent dialysate,Uhlin,F.;Lindberg,LG.;Magnusson M.Am J Kidney Dis.2003 May;41(5):1026-36」に記載されている。吸光度は透析液出口で測定され、そこからKt/V値が算出される。これに基づく測定装置がAdimeasensorである。
【0013】
現況技術
欧州特許第2163271号は、Kt/V値を決定する方法を記載している。ここでは、使用される透析液の吸光度がUVセンサを介して測定される。測定された吸光度は、コンピュータによって評価され、出力される。常に高い電流強度がUV放射線源に印加される。このため、UV放射線源の自己発熱が起こり、その結果、放射線源から放出される放射線強度が変動し得る。加えて、高い電流強度はUV放射線源の老化を招き、ひいてはUV放射線源の耐用年数を縮める。
【0014】
Kt/V値を決定するための他の方法は、例えば、上記のように透析液の導電率の決定に基づく。この目的のためには、現在の透析量を決定するために、透析液の組成、血液流量または透析液流量を短時間変更することが必要な場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を回避するか、または少なくとも低減することである。特に、体外血液治療の透析効率/透析量は、放射線源、特にUV放射線源および検出ユニットにより決定され、放射線源の耐用年数が延長され、放射線源の電力消費が低減される。
【0016】
この目的は、体外血液治療の透析量を決定するための本発明によるデバイスによって解決される。
【0017】
体外血液治療の透析効率/透析量を決定するためのデバイスは、放射線源と、キュベットと、少なくとも1つの検出ユニットと、調節/制御ユニットと、を備える。
【0018】
前記放射線源は、放射線を放出するように設けられ構成されており、前記放射線の強度は、前記放射線源に印加される電流強度を調整することによって制御/調節される。
【0019】
前記キュベットは、好ましくは透析液入口および透析液出口を備え、前記放射線源によって放出される前記放射線が透過するように設けられ構成されている。
【0020】
前記検出ユニットは、測定検出器としての前記キュベットを通過した後の前記放射線の強度を検出するように設けられ構成されている。
【0021】
調節/制御ユニットは、検出ユニットによって検出される放射線の強度から透析効率/透析量を決定する。さらに、前記調節/制御ユニットは、前記放射線源および前記検出ユニットに接続され、前記透析液中の通常尿中に排泄される物質の濃度の減少に基づいて、前記体外血液治療の時間経過にわたって少なくとも1回、前記電流強度を調節することにより、放出される前記放射線の強度を低減させるように設けられ構成される。
【0022】
換言すれば、体外血液治療の透析効率を決定するためのデバイスは、紫外線範囲の波長を有する放射線、特に光を放出する放射線源、特にUV放射線源を有する。放出される放射線の波長は、好ましくは100nm~380nmの範囲であり、特に好ましくは250nm~300nmの範囲であり、例えば254nm~280nmである。放射線源によって放出される放射線の強度は、放射線源が作動する/受ける電流強度により制御される。例えば、放出される放射線の強度は、電流強度を増加させることによって増加させることができ、放出される放射線の強度は、電流強度を低減させることによって低減させることができる。
【0023】
キュベットは、好ましくは管状フローセルとして提供され、構築される。透析液は、透析液入口からキュベットに流入する。透析液は、透析液入口の透析液の下流に設けられた透析液出口を通って、キュベットから透析液の流れの方向へと出る。好ましくは、透析液入口および透析液出口の両方が設けられ、チューブまたはラインに接続されるように構成される。キュベットは、放射線源により放出される放射線が透過し、例えば、プラスチック、ガラスまたは石英ガラス製である。
【0024】
検出ユニットは、好ましくは光検出器であり、放射線源によって放出される放射線を検出するように設けられ、構成される。換言すれば、検出ユニットは、放射線源によって放出される放射線の波長を有する放射線の強度を検出するように構成される。好ましい実施形態では、検出ユニットは、光電効果を用いて放射線を電気信号に変換する。さらに好ましい実施形態では、電気抵抗は入射放射線の強度に応じて変化する。
【0025】
調節/制御ユニットは、検出ユニットから、好ましくは電気信号の形態で検出された放射線の測定強度を受信する。調節/制御ユニットは、この放射線の強度値を用いて透析効率/透析量を決定する。調節/制御ユニットは、体外血液治療の時間経過の間、電流強度を調整することによって放射線源の放出される放射線の強度を制御し、電流強度、ひいては放出される放射線の強度が、体外血液治療の時間経過の間、少なくとも1回低減される。放出される放射線のこの減少は、透析液中の尿中に通常排泄される物質の濃度の減少に基づいている。透析液中の尿中に通常排泄される物質の濃度の減少の大きさは、第1の好ましい実施形態で測定される。さらに好ましい実施形態では、透析液中の尿中に通常排泄される物質の減少の大きさは、体外血液治療の時間経過にわたって予測される。
【0026】
さらに換言すれば、本発明の核心は、放射線源によって放出される放射線の強度が、体外血液治療の時間経過にわたって少なくとも1回低減されることであり、この減少は、透析液中の尿中に通常排泄される物質の濃度の減少に基づくものである。
【0027】
このように放出される放射線の強度を低減させることは、体外血液治療の時間経過にわたって放射線源が受けるストレスが少なくなることを意味し、それによって放射線源の耐用年数を延ばすことができる。加えて、放射線源の消費電力を低減することができる。
【0028】
透析量を決定するとき、透析物または患者の血液との接触もないため、これにより取り扱いが容易になり汚染を防ぐ。
【0029】
この測定法のさらなる利点は、透析液の組成、血液流量または透析液流量を、透析量を決定するために変更する必要がなく、受動的な測定法にすることができることである。
【0030】
さらに、より広い直線測定範囲を有する検出ユニットの使用が可能であり、これによってより高い吸光度値の測定を可能とし、その結果、より正確なKt/V値を決定することができる。
【0031】
前記デバイス1つの態様では、前記調節/制御ユニットは、前記検出ユニットによって検出された前記放射線の強度が前記体外血液治療の時間経過にわたって一定に保たれるように前記放射線源を制御するように設けられ構成されている。
【0032】
換言すれば、放射線源に印加される電流強度は、調節/制御ユニットによって、調整段階の後、検出ユニットで検出された体外血液治療の時間経過にわたって放射線の強度が一定に保たれるように制御される。
【0033】
使用される透析液中の尿中に通常排泄される放射線吸収物質の濃度が体外血液治療の時間経過にわたって減少し、したがって放射線源によってキュベットを通して放出された放射線のうち尿中に通常排泄される物質によって吸収されるものが少なくなると、調節/制御ユニットは、検出ユニットによって検出される放射線の強度を一定に保つために、体外血液治療の時間経過にわたって電流強度、ひいては放出される放射線の強度を低減させる。
【0034】
このような制御は、好ましくは、PIコントローラまたはPIDコントローラを用いて実施することができる。調節段階後の時点における検出ユニットでの放射線の検出強度(I(t3))が基準入力変数であり、検出ユニットでの放射線の検出強度(I(t))はプロセス変数であり、電流/電流強度は制御される変数である。
【0035】
前記デバイスの別の態様では、前記放射線源に印加される前記電流強度は、前記透析効率/透析量を決定するために評価/使用される。
【0036】
換言すれば、体外血液治療の時間経過にわたって放射線源に印加される電流強度は、透析効率/透析量を決定するために、好ましくは調節/制御ユニットによって評価される。
【0037】
前記デバイスのさらなる態様では、前記透析効率/透析量はKt/V値であり、式中、Kはクリアランス、tは治療期間、Vは患者固有の体内尿素分布量を表す。前記調節/制御ユニットは、Kt/V=ln(I(t3)/I(t))という規則を用いて前記透析効率/透析量を決定するように設けられ構成され、式中、Iは前記電流強度を表し、t3は固定された時点を表し、tは前記治療期間を表す。
【0038】
換言すれば、Kt/V値は次の規則により決定される。
【0039】
【数3】
【0040】
好ましくは、Kをクリアランス、tを治療期間、Vを患者固有の患者の体内尿素分布量として、調節/制御ユニットにおいて決定される。調節段階後の時点における検出ユニットでの放射線の検出強度は、電流強度の形態で検出され、I(t3)と示され、検出ユニットでの放射線の検出強度も、電流強度の形態で検出され、I(t)と示される。
【0041】
前記デバイスのさらなる態様では、前記透析効率/透析量はKt/V値であり、式中、Kはクリアランス、tは治療期間、Vは患者固有の体内尿素分布量を表す。前記調節/制御ユニットは、Kt/V=-ln(-0.008×t+(I(t)/I(t3))+(4-3.5×(I8t)/I(t3))×UF/Wという規則を用いて前記透析効率/透析量を決定するように設けられ構成され、式中、Iは前記電流強度を表し、t3は固定された時点を表し、tは前記治療期間を表し、UFは限外濾過量を表し、Wは前記患者(200)の体重を表す。
【0042】
換言すれば、Kt/V値は次の規則により決定される。
【0043】
【数4】
【0044】
好ましくは、Kをクリアランス、tを治療期間、Vを患者固有の患者の体内尿素分布量として、調節/制御ユニットにおいて決定される。調節段階後の時点における検出ユニットにおける放射線の検出強度は、電流強度の形態で検出され、I(t3)と示され、放射線の検出強度も、電流強度の形態で検出され、I(t)と示される。さらに、UFは限外濾過量、Wは患者の体重を示す。
【0045】
前記デバイスのさらなる態様では、前記決定された電流強度は、基準温度値に正規化される。
【0046】
換言すれば、放射線源に印加され、透析効率/透析量を決定するために調節/制御ユニットによって評価される電流強度は、評価前に基準温度に正規化される。これは、放射線源によって放出される放射線の強度が温度に依存するため行われる。温度が上昇するにつれて、放出される放射線の強度は定電流/定電流強度において低下する。好ましくは、透析液温度は、透析装置の透析液出口にある温度センサで検出される。
【0047】
好ましくは、電流は37℃の基準温度に補正される。これは、特に好ましくは次の規則で行われる。
【0048】
【数5】
【0049】
ここで、I37℃は37℃に補正された電流を表し、Iは測定温度Tで検出された電流を表し、αは温度係数を表す。
【0050】
37℃への補正に加えて任意の他の温度への補正も可能である。
【0051】
さらなる態様では、前記デバイスは、基準検出ユニット(9)として、前記放射線源によって放出される前記放射線の強度を検出するように設けられ構成されているさらなる検出ユニット(9)を有する。治療の経過は、少なくとも1つの調整段階および少なくとも1つの測定段階を有し、前記調節/制御ユニットは、前記調整段階中に少なくとも1回、前記体外血液治療の時間経過にわたって放出される前記放射線の強度を低減させ、前記調節/制御ユニットは、前記測定段階の間、前記基準検出ユニットによって検出された前記放射線の強度が一定のままであり、前記放射線の強度は、前記測定段階中に前記測定検出ユニットによって評価され、前記透析効率/透析量を決定するように、前記電流強度を調整することによって前記放射線源を制御する。
【0052】
換言すれば、測定検出ユニットとして設けられ構成された検出ユニットに加えて、基準検出ユニットとして設けられ構成されるさらなる検出ユニットがデバイス内に設けられる。この基準検出ユニットは、放射線源によって放出される放射線の強度の起こり得る変動を補償するために使用される。好ましくは、放射線源によって放出される放射線は、放射線の第1の部分がキュベットを通過して測定検出ユニットによって検出され、放射線の第2の部分がキュベットを通過することなく基準検出ユニットによって検出されるようにキュベットの前方に放射方向に設けられた放射線分割器において分割される。あるいは、基準検出ユニットは、放射線がキュベットを通過することなく放射線源により放出された放射線を直接検出できるように取り付けられ、配置される。この場合、放射線分割器を省略することができる。
【0053】
治療の過程は、少なくとも1つの調整段階と少なくとも1つの測定段階に分けられる。調節/制御ユニットは、放射線源によって放出される放射線の強度を、調整段階において少なくとも1回低減させるように設けられ構成されている。加えて、調節/制御ユニットは、測定段階の間、基準検出ユニットによって検出された放射線が一定のままであるように、放射線源に印加される電流強度を調整することによって放射線源を制御するように設けられ構成される。調節/制御ユニットはさらに、測定段階中に測定検出ユニットによって検出された放射線の強度を用いて透析効率/透析量を決定するように設けられ構成されている。
【0054】
前記デバイスのさらなる態様では、前記調整段階および/または前記測定段階は、治療パラメータによって誘起される。
【0055】
換言すれば、機械パラメータおよび/または治療パラメータが変化すれば、調整段階および/または測定段階が開始/誘起される。例えば、透析液流量が増加した場合、透析液流量の増加により、尿中に通常排泄される物質または吸光物質の濃度に対して透析液が希釈されるため、調整段階は、放射線源によって放出される放射線の強度を低減して行うことができる。
【0056】
前記デバイスのさらなる態様では、前記調整段階および前記測定段階は、前記体外血液治療の所定の時間に行われる。
【0057】
換言すれば、体外血液治療の開始前に、体外血液治療のどの時点で調整段階および測定段階を行うかが決定される。好ましくは、体外血液治療の終了時よりも、体外血液治療の開始時により多くの調整段階および測定段階が行われる。さらに好ましくは、調整段階および測定段階は、体外血液治療の開始時および終了時にのみ行われる。
【0058】
特に測定サイクルの回数を低減することにより、放射線源の耐用年数を延ばすことができ、エネルギーを節減することができる。
【0059】
前記デバイスのさらなる態様では、前記キュベットの混濁は、前記測定検出ユニットで検出された前記放射線の強度と前記基準検出ユニットで検出された前記放射線の強度との間の比率の変化によって決定される。
【0060】
換言すれば、電流S1が放射線源に印加され、比率rは、以下の規則を用いて、
【0061】
【数6】
【0062】
好ましくは、調節/制御ユニットにおいて、測定検出器M(S1)において検出された放射線の強度、および基準検出器R(S1)において検出された放射線の強度から算出される。この比率rは記憶され、好ましくは少なくとも1つの他の記憶された比率rと比較される。比率rが低下したと判定された場合、これはキュベットが曇っていることを示す。好ましくは、対応するメッセージがオペレータに発行される。
【0063】
さらに、平均値または中央値が好ましくは記憶されている複数の比率rから形成され、現在決定されている比率rと比較される。
【0064】
例えば、比率rは、過去の5つの比率rの平均値と比較することができる。あるいは、比率rは、過去の5つの比率rの中央値と比較することができる。
【0065】
さらに、比率rの傾向分析をより長い期間にわたって行ってもよい。このような傾向分析は、デバイスまたは他の構成要素の変化を特定するために使用することができる。
【0066】
前記デバイスのさらなる態様では、前記電流強度および前記放射線源が前記電流強度を受ける期間が記憶され、前記放射線源の(残りの)耐用年数の予測がこれらの記憶された値により行われる。
【0067】
換言すれば、電流強度および/または治療回数および/または累積測定期間(放射線源がオンに切り替えられていた期間)が記憶され、これにより放射線源の残りの耐用年数の予測が導かれる。
【0068】
これにより、オペレータは、デバイスが故障する前に交換できるように、デバイスが故障する前に交換/スペアパーツを要求することができる。
【0069】
所望により、予測を図としてオペレータに出力してもよい。交換の注文は、所望により、半自動または全自動で推奨または実行されてもよい。半自動または全自動の注文は、例えば、デバイスに接続された調達システムにより行われる。
【0070】
本デバイスのさらなる態様において、放射線源は測定段階中ずっと放射線を放出するものではない。放射線は好ましくは周期的な間隔で放出される。例えば、放射線源は、測定段階の間、5分以上動作停止され、その後、数秒の測定期間の間、再度動作される。
【0071】
さらなる態様では、前記放射線源に印加される前記電流強度は、単調減少関数によって表されてもよい。
【0072】
さらなる態様では、前記キュベットは、前記放射線源と前記測定検出ユニットとの間に配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1】本発明の第1の実施形態によるデバイスの図である。
図2】体外血液治療の治療セットアップへの第1の実施形態または第2の実施形態による本発明によるデバイスの統合を示す図である。
図3】体外血液治療の時間経過における第1の実施形態の測定検出ユニットにおける放射線の信号/強度を示す図である。
図4】体外血液治療の時間経過における第1の実施形態の放射線源に印加される電流/電流強度を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態によるデバイスの図である。
図6】体外血液治療の時間経過における血液および透析液の両方において尿中に通常排泄される物質の濃度を示す図である。
図7】第2の実施形態のデバイス識別を表す図であり、測定検出ユニットおよび基準検出ユニットにおける放射線の信号/強度が、電流/電流強度に対してプロットされている。
図8】透析液の典型的な吸光スペクトルを模式的に示す図である。透析液の吸光は波長(nm)に対してプロットされている。
図9】体外血液治療の時間経過にわたる第2実施形態の測定検出ユニットの信号、基準検出ユニットの信号および電流/電流強度の経過を模式的に示す図である。
図10】透析装置のオペレータに表示される図の一例であり、放射線源の耐用年数予測を示す。
図11】体外血液治療の時間経過における第2の実施形態の測定検出ユニットの信号、基準検出ユニットの信号および電流/電流強度の経過を模式的に示す図であり、調整段階および測定段階は、治療の時間経過の開始時および終了時にのみ存在する。
【発明を実施するための形態】
【0074】
構成例の説明
以下、本発明の構成例を関連する図に基づいて説明する。
【0075】
第1の構成例
図1は、本発明による(測定)デバイス1を示し、これは、実質的に単色電磁放射線用の放射線源2、特に光源と、透析液入口4および透析液出口5を有するキュベット3、特に管状フローセルと、検出ユニット6、特に光検出器と、を備えている。検出ユニット6は、放射線源2によって放出される放射線7の強度を測定/検出するように設けられ構成されている。検出ユニット6は、放射線源2によって放出/照射される放射線7がキュベット3を通過した後の強度を測定するように、デバイス1に設けられ構成されている。放射線源2によって放出される放射線7の波長は、例えば280nmまたは254nmの紫外線範囲である。放射線源2によって放出される放射線7の強度は、調節/制御ユニット100によって調節される。調節/制御ユニット100はまた、検出ユニット6からの信号を処理する。
【0076】
図2は、体外血液治療の治療セットアップを示す。体外血液治療の間、患者200の血液は、搬送ユニット202、特に血液ポンプを用いて、動脈ライン201を介して透析器203に搬送され、そこで血液は浄化され、静脈ライン204を介して患者200に戻される。血流とは逆方向において、未使用の透析液が、ライン205から透析器203に流入する。透析液は、拡散および対流によって患者200の血液から尿中に通常排泄される(UV)放射線吸収物質を吸収し、これらの尿中に通常排泄される放射線吸収物質をさらなる透析液ライン206を介して出口方向に導く。バイパスライン210によって、透析液は、バルブ209を開き、バルブ207、208を閉じることによって透析器203を迂回することが可能になる。透析液の流れ方向に対して透析器203の下流側には、本発明によるデバイス1が透析液ライン206に配置されている。デバイス1は、バイパスライン210が透析液の流れ方向において透析液ライン206に開いている箇所の下流(図2の1)または上流(図2の1’)に位置していてもよい。
【0077】
透析器203内の物質交換プロセスを通じて、尿中に通常排泄される物質は、血液から透析液中に移る。これらの物質の一部は、本発明によるデバイス1によって検出することができる紫外線/光を吸収する。透析液中の尿中に通常排泄される放射線吸収物質の濃度が高ければ高いほど、検出ユニット6における放射線7の測定強度は低くなる。
【0078】
体外血液治療の過程において、尿中に通常排泄される放射線吸収物質の濃度は、血液および使用済み透析液の両方で徐々に減少し、これにより、放射線源2によって放出される放射線7の強度が一定のままであれば、検出ユニット6における放射線7の強度は増加する。
【0079】
図3は、検出ユニット6における信号曲線を模式的に示し、図4は、放射線源2を作動させるための関連電流/関連電流強度を示す。
【0080】
時点t0において、放射線源2は、予め決められた一定の高電流で作動される。期間t0~t1において、透析装置はバイパス状態にある。この間、患者200は適用され、これは、血液はまず少ない血流量で透析器203を流れ始め、その後、目標血流量まで増加する血流量で流れることを意味する。透析装置がバイパス状態の間、透析液は透析器203を通って流れるため、透析液中には尿中に通常排泄される放射線吸収物質は存在しない。そのため、検出ユニット6で測定される強度も、放射線源に印加される電流に応じて高くなる。目標血流量に達するとすぐにバイパスモードは停止され、実際の透析/体外血液治療が開始される。
【0081】
バイパス状態の間、透析器203の透析液側では、尿中に通常排泄される放射線吸収物質が飽和しているが、これは閉じたバルブ207、208によって制限される。バイパスの終了直後、飽和した透析液がデバイス1を通過し、その結果、時点t2において検出ユニット6での測定信号/検出される放射線の強度が急低下する。高濃度ボーラス投与がデバイス1を通過するとすぐに、検出ユニット6における測定信号/検出された放射線7の強度は再び上昇する。時点t3は、高濃度ボーラス投与によって引き起こされる測定信号の終了を示す。
【0082】
図3および図4において、Iは、放射線源2を作動させるための電流強度が一定に保たれた場合の検出ユニット6で測定される信号を示す。
【0083】
しかし、本発明によれば、一定に保たれるのは電流強度ではなく、時点t3からの検出ユニット6における放射線7の検出強度である。これは、電流強度を調整することによって行われる。これには、従来の任意のタイプのコントローラ、好ましくはPIコントローラまたはPIDコントローラを使用することができる。時点t3における検出ユニット6での放射線7の検出強度が基準入力変数であり、検出ユニット6での放射線7の検出強度はプロセス変数であり、電流/電流強度は制御される変数である。
【0084】
本発明による信号は、図3および図4にIIと標識付けられている。
【0085】
放射線源2が作動される電流Iを用いて、Kt/V値を決定する:
【0086】
【数7】
【0087】
または
【0088】
【数8】
【0089】
治療/体外血液治療の時間経過において、尿中に通常排泄される放射線吸収物質の濃度は、使用済み透析液では減少するため、検出ユニット6における放射線7の検出強度を一定に保つためには、より低い電流強度が必要とされる。
【0090】
電流強度を徐々に低下させることによって、放射線源2にかかるストレスは少なくなり、このことにより放射線源2の耐用年数が延びる。
【0091】
t1~t3の間の検出信号曲線の期間は、既知であると仮定することができ、透析液の流量に応じて60秒~90秒の期間である。t1は初期バイパスの停止時間として既知であるため、t3も既知である。
【0092】
期間t1~t3は、残りの治療期間/残りの体外血液治療の期間と比較して非常に短い。好ましくは、期間t1~t3は、全治療期間の0.5%である。
【0093】
放射線源2によって放出される放射線7の強度は温度に依存することが知られている。したがって、放射線7の強度は、一定の電流で温度が上昇すると減少する。一般的な透析装置は、透析液出口に温度センサをすでに有している。透析液の温度は治療過程の間かなり一定しているが、この温度センサを用いて起こり得る温度の影響を補償することができる。下式において、流量は例えば37℃の基準温度値に補正される:
【0094】
【数9】
【0095】
式中、I37℃は37℃に補正された電流であり、Iは測定温度Tで検出された電流であり、αは温度係数である。
【0096】
第2の構成例
図5は、本発明による(測定)デバイス1を示し、これは、実質的に単色電磁放射線用の放射線源2、特に光源と、半透過性放射線分割器8、特に光分割器と、透析液入口4および透析液出口5を有するキュベット3、特に管状フローセルと、基準検出ユニット9、特に光検出器と、測定検出ユニット10、特に測定光検出器と、を備えている。基準検出ユニット9は、放射線分割器8によって部分的に反射された放射線の強度を測定する。測定検出ユニット10は、放射線源2によって放出され、その後キュベット3を通過する放射線の強度を測定する。放出される放射線の波長は、例えば280nmまたは254nmの紫外線範囲である。放出される放射線の強度は、電流強度を調整することによって調節/制御ユニット100によって調節される。調節/制御ユニット100も、基準検出ユニット9および測定検出ユニット10からの信号を処理する。
【0097】
基準検出ユニット9は、放射線源2によって放出される放射線の強度の起こり得る変動を補償する。このような強度変動の考えられる原因は、例えば温度変化である。
【0098】
基準検出ユニット9が、放射線が最初にキュベット3を通過することなく放射線源2により放出された放射線を検出することもできるように配置されていれば、放射線分割器8は省略可能である。
【0099】
図2は、体外血液治療の治療セットアップを示す。体外血液治療の間、患者200の血液は、搬送ユニット202、特に血液ポンプを用いて、動脈ライン201を介して透析器203に搬送され、そこで血液は浄化され、静脈ライン204を介して患者200に戻される。血流とは逆方向において、未使用の透析液は、ライン205から透析器203に流入する。透析液は、拡散および対流によって患者200の血液から尿中に通常排泄される(UV)放射線吸収物質を吸収し、これらの尿中に通常排泄される放射線吸収物質をさらなる透析液ライン206を介して出口方向に導く。透析液は、バルブ209を開き、バルブ207および208を閉じることによって、バイパスライン210を介して透析器203を回避することができる。透析液の流れ方向に対して透析器の下流側には、本発明によるデバイス1が透析液ライン206に配置されている。デバイス1は、バイパスライン210が透析液の流れ方向において透析液ライン206に開いている箇所の下流(図2の1)または上流(図2の1’)に位置している。
【0100】
図6は、透析器203内の物質移動プロセスによって、尿中に通常排泄される放射線吸収物質が血液から透析液中に移ることにより、尿中に通常排泄される放射線吸収物質の濃度が、体外血液治療の時間経過中に血液および透析液の両方において徐々に減少することを示している。
【0101】
時間の経過に伴う濃度の減少は、透析液中の吸光度/吸収率または減衰と相関することが以下に示される。
【0102】
以下の手順では、Kt/V値を決定するために最終的に必要とされる吸光度または減衰を、本発明に従ってどのように決定できるかを説明する。
【0103】
1.デバイス識別SI
第1のステップでは、新鮮な、すなわち未汚染の透析液がキュベット3を通って流れる。これは、例えば、最初に透析器の透析液側を透析液で洗浄する場合に当てはまる。このフラッシングもプライミングとして公知である。調節/制御ユニット100は、放射線源2を作動させるための第1の電流/第1の電流強度S1を設定する。好ましくは、電流S1は、放射線源2からの放射線の結果として生じる強度が測定検出ユニット10の測定範囲内に収まるように選択される。
【0104】
放射線分割器8は、放出される放射線の一部を基準検出ユニット9の方向にのみ反射するため、電流S1において基準検出ユニット9で測定された放射線の強度R(S1)は、測定検出ユニット10で測定された放射線の強度M(S1)よりも小さい。値S1、R(S1)およびM(S1)が記憶される。
【0105】
デバイス識別の第2のステップでは、電流は値S2まで低減される:
S2=S1×α
ここで、α<1、例えばα=0.75であり、S2、ならびに測定検出ユニット10および基準検出ユニット9における強度値M(S2)およびR(S2)も記憶される。
【0106】
放射線の電流/電流強度と測定された強度値との間には線形関係が仮定できるため、次のステップでは2つの測定点で十分である。あるいは、少なくとも1つのさらなる電流値を設定し、対応する強度を基準検出ユニット9および測定検出ユニット10で測定し、記憶することもできる。次に、決定された値に基づいて、図7に示す特性曲線が作成され、これは、基準検出ユニット9および測定検出ユニット10における強度を電流強度の関数として記述したものである:
M=a×S+b
R=c×S+d
【0107】
あるいは、値S2から最終的な値まで電流を(準)連続的に減少させ、測定値のすべてまたは一部をルックアップテーブルに保存することも考えられる。
【0108】
基準検出ユニット9および測定検出ユニット10における電流と強度との関係を記述するために、より高次の多項式を使用することも考えられる。
【0109】
あるいは、最初に低電流を設定し、その後、電流を下げるのではなく電流を上げることも可能である。
【0110】
2.第1の調整段階EP1
デバイス1が識別された後、電流値/電流強度は、測定検出ユニット10で第1の目標値MSoll1に達するまで、第1の調整段階EP1で調整される。この目的のために、例えばPコントローラ、PIコントローラまたはPIDコントローラが使用される。
【0111】
基準検出ユニット9で検出された値RSoll1が記憶される。好ましくは、この値は調節/制御ユニット100によって記憶される。その後、値RSoll1は、電流強度を調整することによって、調節/制御ユニット100によって一定に保たれる。この目的のために、例えばPコントローラ、PIコントローラまたはPIDコントローラが使用される。
【0112】
3.第1の測定段階MP1
デバイス1が調整されるとすぐに、患者の血液200を透析器203に通すことができる。拡散および/または対流により、尿中に通常排泄される物質が透析液側に到達する。これらの物質の一部は紫外線を吸収する。図8は、透析液の典型的な吸光スペクトルを模式的に示す。エッジでの測定を避けるために、本発明に従って、例えば280nmの波長の放射線を放出する放射線源2が選択される。第1の測定段階A1における吸光度は、以下に従って決定される:
【0113】
【数10】
【0114】
MSoll1は第1の調整段階からの目標値であり、Mは測定検出ユニット10で測定された値Mである。
【0115】
特に治療開始時は、使用済み透析液中の尿中に通常排泄される放射線吸収物質の濃度が非常に高く、これは測定検出ユニット10における測定値Mが低くなることがあることを意味する。これは、例えばノイズと真の測定値との区別ができなくなることにより、不正確な測定結果につながる場合がある。このため、本発明では、代替的に、第1の目標値MSoll1に使用するために、測定検出ユニット10の測定範囲を超える値Mexを提供する。図7に示すように、これは、デバイス識別段階の間に記録された値を外挿することによって行うことができる。目標値は、正常な制御を確実にし続けるために、基準検出ユニット9の対応する値Rexが基準検出ユニット9の測定範囲内にある限り、任意の値をとることができる。
【0116】
この手順により、より高濃度の放射線吸収物質の吸光度を測定することが可能となり、これはデバイス1の線形測定範囲を増加させることと同等である。
【0117】
4.第2の調整段階EP2
上述したように、透析液中の尿中に通常排泄される放射線吸収物質の濃度は、体外血液治療の過程で減少し、その結果、放射線源2によって放出される放射線が一定の強度を有していれば、測定検出ユニット10における放射線の測定強度は増加する傾向にある。したがって、本発明によれば、強度もしくは電流強度、または測定検出ユニット10における目標値、または基準検出ユニット9における目標値は少なくとも1回低減される。最も単純な場合では、これはデバイス識別段階で決定された特性曲線を適用することによって行われる:
【0118】
【数11】
【0119】
デバイス1が、透析液の流れ方向においてバイパスライン210が透析液ライン206に開いている箇所より後方にある場合、デバイス1を再調整するために、デバイス1を代替的にバイパスモードに短時間切り替えることができる。バイパスの開始直後に純粋な透析液がデバイス1を通って流れるため、RSoll2は、第1の調整段階と同様に決定することができる。
【0120】
5.第2の測定段階MP2
第2の測定段階では、吸光度は第1の測定段階と同様に決定される:
【0121】
【数12】
【0122】
さらに低減されると、調整段階および測定段階が適宜繰り返される。調整段階の期間は、測定段階の期間よりもかなり短い。
【0123】
調整段階の間、透析効率の測定に含まれる吸光度値(例えばKt/V)は測定されない。
【0124】
図9は、強度または電流または目標値を4回減少させた治療/体外血液治療の過程における、測定検出ユニット10、基準検出ユニット9および電流の信号の経過の一例を示す。それぞれの測定段階において、基準検出ユニット9の信号は電流を調整することによって一定に保たれている。
【0125】
低減回数および測定段階のそれぞれの期間は可変であり、例えば事前設定することができる。
【0126】
図6に示す血液および透析液中の尿中に通常排泄される放射線吸収物質の濃度のほぼ指数関数的な減衰は、治療開始時の方に吸光度の減少が早いと予測できることを意味するため、治療終了時よりも治療開始時に強度を低減することが望ましい。
【0127】
あるいは、透析装置または治療のパラメータが変更されると、新たな調整段階および測定段階が開始される。例えば、透析液流量が標準的な500ml/分から800ml/分に増加した場合、透析液流量の増加により、尿中に通常排泄される放射線吸収物質の濃度に対して透析液が希釈されるため、放射線源2によって放出される放射線の強度も低下することが可能である。体外血流についても同様である。一方、尿中に通常排泄される放射線吸収物質の濃度の増加が予想される場合(例えば、透析液流量の減少または血流量の増加の場合)には、放射線源2によって放出される放射線の強度をさらに増加させてもよい。
【0128】
放射線源2は、必ずしも連続的に放射線を放出する必要はない。例えば、測定段階の間、5分間または数分間スイッチを切り、その後、数秒の測定期間の間再びスイッチを入れることも可能である。この変化は周期的に起こることが可能である。
【0129】
本発明は、電流値、ならびに治療回数および/または累積測定時間を記憶し、放射線源2の残りの耐用年数に関する予測を導くことを提供する。累積測定時間とは、放射線源2のスイッチがオンにされた合計期間として理解される。
【0130】
電流値は、例えば、測定検出ユニット10において目標値MSoll1に到達するために、第1の調整段階で必要とされる電流である。この予測を用いて、放射線源2が故障する前にデバイス1を交換することができるように、余裕を持って交換部品を要求することができる。
【0131】
図10の図は、オペレータ、特に医療従事者および/または技術スタッフおよび/または測定デバイスの製造者が利用できるようにすることができる。これは、好ましくは、透析デバイスのスクリーンに表示するか、またはデータ管理システムに送信することによって行われる。スペアパーツの注文は、例えば、対応する調達システムへの接続が可能であれば、半自動で、または完全に自動で推奨または実行することができる。
【0132】
あるいは、デバイスは、放射線源2を個別に交換できるように構成されている。
【0133】
デバイスの起こり得る故障を遅延させるため、本発明に従って測定サイクルの数が低減される。
【0134】
図11は、Kt/V値を決定するために少なくとも初期吸光度値および最終吸光度値を得なければならないため、治療の開始時および終了時の2つのみの測定段階がある極端な事例を示す。
【0135】
測定サイクルの数を低減することに加えて、上述したように、放射線源2によって放出される放射線の強度も低減され得る。
【0136】
本発明のもう1つの任意の特徴は、キュベット3の起こり得る混濁を検出するために、デバイス識別中に測定検出ユニット10の値と基準検出ユニット9の値との間の比率rを評価することである。これは、次の規則で電流S1を印加するときに行うことができる:
【0137】
【数13】
【0138】
比率rは複数のデバイス識別段階にわたって記憶される。あるデバイス識別段階における比率rが、例えば、過去5回のデバイス識別の平均値または中央値よりもかなり低いことが判明した場合、これは、キュベット3が濁っていることを示し、この濁りは、機械が最後の治療後に消毒およびスケール除去されていないか、または消毒およびスケール除去が十分に行われていないことに起因している場合がある。好ましくは、対応するメッセージが透析装置のスクリーンに表示され、消毒がオペレータによって行われる。あるいは、音響信号が発せられるか、または警告ランプが点灯する。
【0139】
デバイスの構成要素において起こり得る漸進的な変化を検出するために、例えばデバイスが最初に稼働されてからのより長い期間にわたる傾向分析を行うこともできる。比率rがより長い期間にわたって変化し、透析装置の消毒またはスケール除去がrの変化を引き起こさない場合、これは、測定検出ユニット10および/または基準検出ユニット9の応答挙動が悪化していることを示す場合がある。ここでも、スペアパーツの早期要求が誘発されることが考えられる。
【0140】
測定検出ユニット10および基準検出ユニット9により測定される放射線源2から放出される放射線の強度は温度に依存するため、測定値または電流は温度補正することができる。透析器203の下流側の透析液側の温度センサ、またはデバイス1に内蔵された温度センサにより測定された温度がこの目的に使用される。透析液の温度は通常37℃であるので、この温度への補正が推奨される。
【符号の説明】
【0141】
1:デバイス
2:放射線源
3:キュベット
4:透析液入口
5:透析液出口
6:検出ユニット
7:放射線
8:放射線分割器
9:基準検出ユニット
10:測定検出ユニット
100:調節/制御ユニット
200:患者
201:動脈ライン
202:搬送ユニット
203:透析器
204:静脈ライン
205:ライン
206:透析液ライン
207:バルブ
208:バルブ
209:バルブ
210:バイパスライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源と、キュベットと、少なくとも1つの検出ユニットと、調節/制御ユニットと、を有する、体外血液治療の透析効率/透析量を決定するためのデバイスであって、
前記放射線源は、放射線を放出するように設けられ構成されており、前記放射線の強度は、前記放射線源が受ける電流強度を調整することによって制御/調節され、
前記キュベットは、好ましくは透析液入口および透析液出口に設けられ、前記放射線源によって放出される前記放射線が透過するように意図され構成されており、
前記検出ユニットは、測定検出ユニットとして、前記キュベットを通過した後の前記放射線の強度を検出するために設けられ適用されており、
前記調節/制御ユニットは、前記検出ユニットによって検出される前記放射線の強度から前記透析効率/透析量を決定し、
前記調節/制御ユニットは、前記放射線源および前記検出ユニットに接続され、前記透析液中の尿中の物質の濃度の減少に基づいて、前記体外血液治療の時間経過にわたって少なくとも1回、前記電流強度を調節することにより、放出される前記放射線の強度を低減させるように設けられ構成されることを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記調節/制御ユニットは、前記検出ユニットによって検出された前記放射線の強度が前記体外血液治療の時間経過にわたって一定に保たれるように前記放射線源を制御するように設けられ構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記放射線源に印加される前記電流強度は、前記透析効率/透析量を決定するために評価/使用されることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記透析効率/透析量はKt/V値であり、式中、Kはクリアランス、tは治療期間、Vは患者固有の体内尿素分布量を表し、前記調節/制御ユニットは、Kt/V=ln(I(t3)/I(t))という規則を通して前記透析効率/透析量を決定するように設けられ構成され、式中、Iは前記電流強度を表し、t3は固定された時点を表し、tは前記治療期間を表すことを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記透析効率/透析量はKt/V値であり、式中、Kはクリアランス、tは治療期間、Vは患者固有の体内尿素分布量を表し、前記調節/制御ユニットは、Kt/V=-ln(-0.008×t+(I(t)/I(t3))+(4-3.5×(I8t)/I(t3))×UF/Wという規則を通して前記透析効率/透析量を決定するように設けられ構成され、式中、Iは前記電流強度を表し、t3は固定された時点を表し、tは前記治療期間を表し、UFは限外濾過量を表し、Wは前記患者の体重を表すことを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記決定された電流強度は基準温度値に正規化されることを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記検出ユニットは、基準検出ユニットとして、前記放射線源から放出される前記放射線の強度を検出するように設けられ構成されているさらなる検出ユニットを有し、治療の経過は、少なくとも1つの調節段階および少なくとも1つの測定段階を有し、前記調節/制御ユニットは、前記調節段階中に少なくとも1回、前記体外血液治療の時間経過にわたって放出される前記放射線の強度を低減させ、前記調節/制御ユニットは、前記測定段階の間、前記基準検出ユニットによって検出された前記放射線の強度が一定のままであり、前記放射線の強度は、前記測定段階中に前記測定検出ユニットによって評価され、前記透析効率/透析量を決定するために、前記電流強度を調整することによって前記放射線源を制御することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記調整段階および/または前記測定段階は治療パラメータによって誘起されることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記調節段階および前記測定段階は、前記体外血液治療の所定の時間に行われることを特徴とする、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記キュベットの混濁は、前記測定検出ユニットで検出された前記放射線の強度と前記基準検出ユニットで検出された前記放射線の強度との間の比率の変化によって決定されることを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記電流強度および前記放射線源が前記電流強度を受ける期間が記憶され、前記放射線源の(残りの)耐用年数の予測がこれらの記憶された値により行われることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記キュベットは、前記放射線源と前記測定検出ユニットとの間に配置されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のデバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0140】
測定検出ユニット10および基準検出ユニット9により測定される放射線源2から放出される放射線の強度は温度に依存するため、測定値または電流は温度補正することができる。透析器203の下流側の透析液側の温度センサ、またはデバイス1に内蔵された温度センサにより測定された温度がこの目的に使用される。透析液の温度は通常37℃であるので、この温度への補正が推奨される。
本明細書に開示の技術の特徴を列挙する。
(項目1)
放射線源(2)と、キュベット(3)と、少なくとも1つの検出ユニット(6、10)と、調節/制御ユニット(100)と、を有する、体外血液治療の透析効率/透析量を決定するためのデバイス(1)であって、
前記放射線源(2)は、放射線(7)を放出するように設けられ構成されており、前記放射線(7)の強度は、前記放射線源(2)に印加される電流強度を調整することによって制御/調節され、
前記キュベット(3)は、好ましくは透析液入口(4)および透析液出口(5)を備え、前記放射線源(2)によって放出される前記放射線(7)が透過するように設けられ構成されており、
前記検出ユニット(6、10)は、測定検出ユニットとしての前記キュベットを通過した後の前記放射線(7)の強度を検出するように設けられ構成されており、
前記調節/制御ユニット(100)は、前記検出ユニット(6、10)によって検出される前記放射線(7)の強度から前記透析効率/透析量を決定し、
前記調節/制御ユニット(100)は、前記放射線源(2)および前記検出ユニット(6、10)に接続され、前記透析液中の通常尿中に排泄される物質の濃度の減少に基づいて、前記体外血液治療の時間経過にわたって少なくとも1回、前記電流強度を調節することにより、放出される前記放射線(7)の強度を低減させるように設けられ構成されることを特徴とする、デバイス(1)。
(項目2)
前記調節/制御ユニット(100)は、前記検出ユニット(6、10)によって検出された前記放射線(7)の強度が前記体外血液治療の時間経過にわたって一定に保たれるように前記放射線源(2)を制御するように設けられ構成されていることを特徴とする、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記放射線源(2)に印加される前記電流強度は、前記透析効率/透析量を決定するために評価/使用されることを特徴とする、項目2に記載のデバイス。
(項目4)
前記透析効率/透析量はKt/V値であり、式中、Kはクリアランス、tは治療期間、Vは患者固有の体内尿素分布量を表し、前記調節/制御ユニット(100)は、Kt/V=ln(I(t3)/I(t))という規則を用いて前記透析効率/透析量を決定するように設けられ構成され、式中、Iは前記電流強度を表し、t3は固定された時点を表し、tは前記治療期間を表すことを特徴とする、項目3に記載のデバイス。
(項目5)
前記透析効率/透析量はKt/V値であり、式中、Kはクリアランス、tは治療期間、Vは患者固有の体内尿素分布量を表し、前記調節/制御ユニット(100)は、Kt/V=-ln(-0.008×t+(I(t)/I(t3))+(4-3.5×(I8t)/I(t3))×UF/Wという規則を用いて前記透析効率/透析量を決定するように設けられ構成され、式中、Iは前記電流強度を表し、t3は固定された時点を表し、tは前記治療期間を表し、UFは限外濾過量を表し、Wは前記患者(200)の体重を表すことを特徴とする、項目3に記載のデバイス。
(項目6)
前記決定された電流強度は基準温度値に正規化されることを特徴とする、項目3~5のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目7)
前記検出ユニットは、基準検出ユニット(9)として、前記放射線源によって放出される前記放射線の強度を検出するように設けられ構成されているさらなる検出ユニット(9)を有し、治療の経過は、少なくとも1つの調整段階および少なくとも1つの測定段階を有し、前記調節/制御ユニット(100)は、前記調整段階中に少なくとも1回、前記体外血液治療の時間経過にわたって放出される前記放射線(7)の強度を低減させ、前記調節/制御ユニット(100)は、前記測定段階の間、前記基準検出ユニット(9)によって検出された前記放射線(7)の強度が一定のままであり、前記放射線(7)の強度は、前記測定段階中に前記測定検出ユニット(10)によって評価され、前記透析効率/透析量を決定するように、前記電流強度を調整することによって前記放射線源(2)を制御することを特徴とする、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
前記調整段階および/または前記測定段階は治療パラメータによって誘起されることを特徴とする、項目7に記載のシステム。
(項目9)
前記調整段階および前記測定段階は、前記体外血液治療の所定の時間に行われることを特徴とする、項目7に記載のデバイス。
(項目10)
前記キュベット(3)の混濁は、前記測定検出ユニット(10)で検出された前記放射線(7)の強度と前記基準検出ユニット(9)で検出された前記放射線(7)の強度との間の比率の変化によって決定されることを特徴とする、項目7~9のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目11)
前記電流強度および前記放射線源(2)が前記電流強度を受ける期間が記憶され、前記放射線源(2)の(残りの)耐用年数の予測がこれらの記憶された値により行われることを特徴とする、項目1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目12)
前記放射線源(2)に印加される前記電流強度は、単調減少関数によって表すことができることを特徴とする、項目1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目13)
前記キュベット(3)は、前記放射線源(2)と前記測定検出ユニット(10)との間に配置されることを特徴とする、項目1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【国際調査報告】