(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】呼吸補助装置のコンポーネントの制御
(51)【国際特許分類】
A61M 16/16 20060101AFI20240514BHJP
A61M 16/10 20060101ALI20240514BHJP
A61M 16/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A61M16/16 Z
A61M16/10 C
A61M16/00 380
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573026
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 IB2022054939
(87)【国際公開番号】W WO2022249117
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518329918
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FISHER & PAYKEL HEALTHCARE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルイ、ミンホン カールトン
(72)【発明者】
【氏名】ス、ジャック チェ-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】オルタリ、ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジャエ チュル
(57)【要約】
装置のコントローラが、バッテリにより電源供給される場合は少なくとも第一の制御スキームに、主電源により電源供給される場合は第二の制御スキームにしたがって少なくとも1つのヒータを制御するように構成される、装置が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流発生器に空気的に接続されて、前記気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含む、呼吸補助装置であって、前記加湿器はヒータを含み、
前記装置は、前記ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、
前記呼吸補助装置は、バッテリを含み、前記装置は前記バッテリ又は主電源により電源供給されるように構成され、
前記呼吸補助装置は、少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって前記加湿器の前記ヒータを制御するように構成されたコントローラを含み、
前記装置がバッテリにより電源供給される場合、前記コントローラは前記第一の制御スキームにしたがって前記加湿器の前記ヒータを制御するように構成され、前記第一の制御スキームは、前記加湿器の前記ヒータに高周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
前記装置が前記主電源により電源供給される場合、前記コントローラは前記第二の制御スキームにしたがって前記加湿器の前記ヒータを制御するように構成され、前記第二の制御スキームは、前記加湿器の前記ヒータに低周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
前記高周波数パルス幅変調信号の周波数は前記低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い、
呼吸補助装置。
【請求項2】
前記第一の制御スキームの前記低周波数パルス幅変調信号の周波数は約20Hz未満又は約20Hz~約1kHzである、請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
前記第二の制御スキームの前記高周波数パルス幅変調信号の周波数は約25kHz又は約1kHz~約50kHzである、請求項1又は請求項2に記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
前記高周波数パルス幅変調信号の周波数は前記低周波数パルス幅変調信号の周波数より約1250倍高い、請求項1~3の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
前記高周波数パルス幅変調信号の周波数は前記低周波数パルス幅変調信号の周波数より約50倍~約2000倍高い、請求項1~3の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記低周波数パルス幅変調信号及び/又は前記高周波数パルス幅変調信号のデューティサイクルを、1つ又は複数の治療パラメータに基づいて制御する(任意選択により、前記1つ又は複数の治療パラメータは、治療湿度レベルであり、任意選択により、前記治療湿度レベルは相対若しくは絶対湿度、又は露点である、請求項1~5の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記低周波数パルス幅変調信号及び/又は前記高周波数パルス幅変調信号のデューティサイクルを、前記加湿器の前記ヒータの所望の電力に基づいて制御する、請求項1~6の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記加湿器の前記ヒータに提供される前記電力を測定し、前記低周波数パルス幅変調信号及び/又は前記高周波数パルス幅変調信号のデューティサイクルを、前記加湿器の前記ヒータに提供される前記測定された電力及び前記加湿器の前記ヒータの前記所望の電力に基づいて制御するように構成される、請求項1~7の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記低周波数パルス幅変調信号及び/又は前記高周波数パルス幅変調信号のデューティサイクルを、前記加湿器の前記ヒータの所望の温度に基づいて制御する、請求項1~8の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項10】
前記所望の電力需要及び/又は所望の温度は前記装置の1つ又は複数の治療パラメータに基づく、請求項7~9の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項11】
気流発生器に空気的に接続され、前記気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器と、
少なくとも1つのヒータと
を含む、呼吸補助装置であって、
前記装置は前記ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、
前記呼吸補助装置は、バッテリを含み、前記装置は前記バッテリ又は主電源により電源供給されるように構成され、
前記呼吸補助装置は、前記少なくとも1つのヒータを少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって制御するように構成されたコントローラを含み、
前記装置が前記バッテリにより電源供給される場合、前記コントローラは前記少なくとも1つのヒータを前記第一の制御スキームにしたがって制御するように構成され、前記第一の制御スキームは前記少なくとも1つのヒータをアナログ制御によって制御することを含み、
前記装置が主電源によって電源供給される場合、前記コントローラは前記少なくとも1つのヒータを前記第二の制御スキームにしたがって制御するように構成され、前記第二の制御スキームは、前記少なくとも1つのヒータをデジタル制御によって制御することを含む(任意選択により、デジタル制御はパルス幅変調を含む)呼吸補助装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのヒータは前記加湿器のヒータを含む、請求項11に記載の呼吸補助装置。
【請求項13】
前記加湿器の前記ヒータはヒータプレートを含み、前記ヒータプレートは、加湿チャンバ内の流体を加熱して、前記ガスフローを加湿するように構成される、請求項12に記載の呼吸補助装置。
【請求項14】
前記加湿器の前記ヒータは導電性加熱素子を含む、請求項11~13の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのヒータは、前記導管内の前記ガスフローを加熱するように構成された前記導管のヒータを含む、請求項11~14の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項16】
前記導管の前記ヒータはヒータワイヤを含み、前記ヒータワイヤは導電性加熱素子である、請求項15に記載の呼吸補助装置。
【請求項17】
前記ヒータワイヤは、
a)前記導管のルーメン内にあり、
b)前記導管の壁内にあり、
c)前記導管の壁に埋め込まれ、
d)呼吸導管を任意選択的に形成するビードに埋め込まれ、前記ビードは前記導管を構造的に支持するように構成され、
e)前記導管の外面に配置され、
f)a)~e)の何れかの組合せである、
請求項16に記載の呼吸補助装置。
【請求項18】
前記導管の前記ヒータをアナログ制御によって制御することは、前記導管の前記ヒータ及び/又は前記加湿器の前記ヒータにアナログ制御信号を提供することを含む、請求項11~17の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項19】
前記アナログ制御信号は電圧信号又は電流信号である、請求項18に記載の呼吸補助装置。
【請求項20】
前記アナログ制御信号は電圧変調、電流変調、又は抵抗変調によって発生される、請求項18又は請求項19に記載の呼吸補助装置。
【請求項21】
前記コントローラは、前記導管の前記ヒータに提供される前記アナログ制御信号を1つ又は複数の治療パラメータに基づいて制御する(任意選択により、前記1つ又は複数の治療パラメータは前記ユーザに提供される前記ガスの治療温度である)、請求項18~20の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項22】
前記アナログ制御信号は前記導管の前記ヒータの所望の電力に基づいて制御される、請求項18~21の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項23】
前記コントローラは、前記導管の前記ヒータに提供される前記電力を測定するように構成され、前記アナログ制御信号は、前記ヒータ導管に提供される前記測定された電力と前記導管の前記ヒータの所望の電力に基づいて制御される、請求項18~22の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項24】
前記アナログ制御信号は、前記導管内の前記ガスフローの所望の導管端温度に基づいて制御される、請求項18~23の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項25】
前記装置はアナログ制御回路構成を含む、請求項18~24の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項26】
前記アナログ制御回路は前記アナログ制御回路構成により制御される、請求項18~25の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項27】
前記アナログ制御信号は、前記アナログ制御回路構成の1つ又は複数の電圧コンバータにより制御される、請求項26に記載の呼吸補助装置。
【請求項28】
前記装置が前記導管の前記ヒータを第二の制御スキームにしたがって制御しているとき、前記アナログ制御回路構成はディスエーブルされる、請求項26又は請求項27に記載の呼吸補助装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つのヒータをデジタル制御によって制御することは、前記導管の前記ヒータにパルス幅変調信号を提供することを含む、請求項11~28の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項30】
前記パルス幅変調信号の周波数は約20Hz未満又は約20Hz~約1kHzである、請求項29に記載の呼吸補助装置。
【請求項31】
前記コントローラは、前記少なくとも1つのヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを前記第二の制御スキームによって湿度制御アルゴリズムにしたがって制御する、請求項29又は請求項30に記載の呼吸補助装置。
【請求項32】
前記コントローラは、前記少なくとも1つのヒータに提供される前記パルス幅変調信号のデューティサイクルを前記第二の制御スキームによって1つ又は複数の治療パラメータに基づいて制御する(任意選択により、前記1つ又は複数の治療パラメータは前記ユーザに提供される前記ガスの治療温度である)、請求項29~31の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項33】
前記コントローラは、前記少なくとも1つのヒータに提供される前記パルス幅変調信号のデューティサイクルを前記第二の制御スキームによって前記導管内の前記ガスフローの所望の導管端温度に基づいて制御する、請求項29~32の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項34】
前記パルス幅変調信号のデューティサイクルは前記少なくとも1つのヒータの所望の電力に基づく、請求項29~33の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項35】
前記コントローラは、前記少なくとも1つのヒータに提供される電力を測定し、前記パルス幅変調信号のデューティサイクルを、前記少なくとも1つのヒータに提供される前記測定された電力及び前記少なくとも1つのヒータの前記所望の電力に基づいて制御するように構成される、請求項34に記載の呼吸補助装置。
【請求項36】
前記第一の制御スキームは、前記少なくとも1つのヒータに低周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、前記第二の制御スキームは、前記少なくとも1つのヒータに高周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、前記高周波数パルス幅変調信号の周波数は前記低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い、請求項11~35の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項37】
気流発生器に空気的に接続されて、前記気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含む、呼吸補助装置であって、前記加湿器はヒータを含み、
前記装置は、前記ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、前記導管は、前記導管内の前記ガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
前記呼吸補助装置は、バッテリを含み、前記装置は前記バッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
前記呼吸補助装置は、前記導管の前記ヒータ及び前記加湿器のヒータを少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって制御するように構成されたコントローラを含み、
前記装置が前記バッテリによって電源供給される場合、前記コントローラは前記導管の前記ヒータと前記加湿器の前記ヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成され、前記第一の制御スキームは、前記導管の前記ヒータをアナログ制御によって制御することと、前記加湿器の前記ヒータに高周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
前記装置が主電源によって電源供給される場合、前記コントローラは前記導管の前記ヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成され、前記第二の制御スキームは、前記導管の前記ヒータをデジタル制御によって(任意選択により、パルス幅変調信号を提供することによって)制御することと、前記加湿器の前記ヒータに低周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
前記高周波数パルス幅変調信号の周波数は前記低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い、
呼吸補助装置。
【請求項38】
気流発生器に空気的に接続され、前記気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含む、呼吸補助装置であって、前記加湿器はヒータを含み、
前記装置は、前記ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、前記導管は、前記導管内の前記ガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
前記呼吸補助装置は、バッテリを含み、前記装置は前記バッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
前記呼吸補助装置は、前記導管の前記ヒータ及び前記加湿器の前記ヒータを少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって制御するように構成されたコントローラを含み、
前記装置が前記バッテリによって電源供給される場合、前記コントローラは、前記導管の前記ヒータ及び前記加湿器の前記ヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成され、前記第一の制御スキームは前記加湿器の前記ヒータをアナログ制御によって制御することと、前記加湿器の前記ヒータをデジタル制御によって制御することを含み、
前記装置が前記主電源によって電源供給される場合、前記コントローラは前記ヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成され、前記第二の制御スキームは前記導管の前記ヒータ及び前記加湿器の前記ヒータをデジタル制御によって制御することを含む呼吸補助装置。
【請求項39】
前記加湿器の前記ヒータはヒータプレートを含み、前記ヒータプレートは、加湿チャンバ内の流体を加熱して前記ガスフローを加湿するように構成される、請求項1~10の何れか1項、又は請求項37、又は請求項38に記載の呼吸補助装置。
【請求項40】
前記加湿器の前記ヒータは導電性加熱素子を含む、請求項39に記載の呼吸補助装置。
【請求項41】
前記導管の前記ヒータはヒータワイヤを含み、前記ヒータワイヤは導電性加熱素子である、請求項1~10の何れか1項、又は請求項37、又は請求項38に記載の呼吸補助装置。
【請求項42】
前記ヒータワイヤは、
a)前記導管のルーメン内にあり、
b)導管の壁内にあり、
c)前記導管の壁に埋め込まれ、
d)前記呼吸導管を任意選択的に形成するビードに埋め込まれ、前記ビードは前記導管を構造的に支持するように構成され、
e)前記導管の外面に配置され、
f)a)~e)の何れかの組合せである、
請求項41に記載の呼吸補助装置。
【請求項43】
前記装置は前記ガスフローを発生させるように構成された気流発生器を含む、請求項1~42の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項44】
前記装置は、前記装置が前記バッテリで動作しているか、前記主電源で動作しているかを検出するように構成される、請求項1~43の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項45】
前記装置は、主電源が検出されないときにバッテリで動作するように構成される、請求項44に記載の呼吸補助装置。
【請求項46】
前記装置は、ユーザからの(任意選択によりユーザインタフェースを介した)入力に基づいてバッテリで動作するように構成される、請求項1~45の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項47】
前記バッテリは前記装置(及び任意選択により、前記装置の筐体)の中に配置される、請求項1~46の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項48】
前記バッテリは少なくとも1つのバッテリを含む、請求項1~47の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項49】
前記バッテリは、前記装置(及び任意選択により、前記装置の筐体)に接続可能及び切断可能であるように構成され、又は、前記バッテリは、前記装置(及び任意選択により、前記装置の筐体)に接続可能及び切断可能ではない、請求項1~48の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項50】
前記バッテリはバッテリモジュールである、請求項1~49の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項51】
前記装置は1つ又は複数の電源レールコンデンサを含む、請求項1~50の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項52】
前記電源レールコンデンサは、
a)前記バッテリの出力に
b)前記主電源の出力に
c)前記バッテリの出力又は前記主電源変換回路の出力のうちの1つ又は複数に
d)a)~c)の何れかの組合せに
配置されるように構成され得る、請求項51に記載の呼吸補助装置。
【請求項53】
前記装置は、前記導管の前記ヒータのための前記パルス幅変調信号及び/又は前記高周波数パルス幅変調信号及び/又は前記低周波数パルス幅変調信号を発生させるように構成されるデジタル制御回路構成を含む、請求項1~52の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項54】
前記デジタル制御回路構成は1つ又は複数のスイッチング回路を含む、請求項53に記載の呼吸補助装置。
【請求項55】
前記デジタル制御回路構成は1つ又は複数のパルス幅変調ドライバを含む、請求項53又は請求項54に記載の呼吸補助装置。
【請求項56】
前記デジタル制御回路構成は、前記高周波数パルス幅変調信号及び/又は前記低周波数パルス幅変調信号を発生させるように構成される前記加湿器ヒータパルス幅変調ドライバを含む、請求項53~55の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項57】
前記デジタル制御回路構成は、前記パルス幅変調信号を発生させるように構成された前記導管ヒータパルス幅変調ドライバを含む、請求項53~56の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項58】
前記装置が前記導管の前記ヒータを第一の制御スキームにしたがって制御しているとき、前記導管ヒータパルス幅変調ドライバはディスエーブルされる、請求項53~57の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項59】
前記装置は筐体を含み、前記気流発生器及び/又は加湿器は前記筐体(任意選択により単独の筐体)内に配置される、請求項1~58の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項60】
前記装置は、ガス入口及びガス出口を含み、前記導管は前記ガス出口に接続されるように構成される、請求項1~59の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項61】
前記装置が当初、前記バッテリによって電源供給される場合、前記コントローラは、
前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータをディスエーブルし、その後、
前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータを所望の値又は所望の値のパーセンテージに制御する
ように構成される、請求項1~10、請求項1~10の何れか1項に従属する場合の請求項16~60の何れか1項、又は請求項12、又は請求項15に記載の呼吸補助装置。
【請求項62】
前記加湿器ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータをディスエーブルすることは、制御回路構成をディスエーブルすること、及び/又はオフ制御信号を提供することを含む、請求項61に記載の呼吸補助装置。
【請求項63】
前記装置は、所定の時間後に、前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータを所望の値又は前記所望の値のパーセンテージに制御するように構成される、請求項61又は請求項62に記載の呼吸補助装置。
【請求項64】
前記コントローラは、前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータを前記所望の値に又は前記所望の値のパーセンテージに、所定の速度で、又はそれ未満で制御するように構成される、請求項61~63の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項65】
前記装置が当初、前記バッテリによって電源供給される場合、前記コントローラは、前記気流発生器への電力の送達を前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータに優先させるように構成される、請求項61~64の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項66】
前記バッテリは、前記バッテリにより供給可能な前記電力を示す電力バジェットを有し、前記電力バジェットは、前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータに優先して前記気流発生器に割り当てられる、請求項1~10、又は請求項1~10の何れか1項に従属する場合の請求項16~65の何れか1項、又は請求項12、又は請求項15に記載の呼吸補助装置。
【請求項67】
前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータに送達される前記電力は前記電力バジェットの残りの電力に基づき、前記電力バジェットの前記残りの電力は前記気流発生器に電源供給するのに必要な前記電力より小さい前記電力バジェットである、請求項66に記載の呼吸補助装置。
【請求項68】
前記残りの電力が前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータの合算の所望の電力より大きい場合、前記コントローラは、前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータに提供される前記電力を(任意選択により、残りの電力バジェットに)減少させるように構成される、請求項67に記載の呼吸補助装置。
【請求項69】
前記装置が当初、前記バッテリによって電源供給される場合、前記コントローラは、前記バッテリ残量が閾値に達すると、前記加湿器及び/又は前記導管の前記ヒータをディスエーブルするように構成される、請求項1~68の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項70】
前記閾値は約5%~約40%又は約10%~約30%、又は約20%である、請求項69に記載の呼吸補助装置。
【請求項71】
気流発生器に空気的に接続されて、前記気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含む、呼吸補助装置であって、前記加湿器はヒータを含み、
前記装置は、前記ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、前記導管は、前記導管内の前記ガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
前記呼吸補助装置は、バッテリを含み、前記装置は前記バッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
前記呼吸補助装置は、コントローラを含み、
前記装置が当初、前記バッテリによって電源供給される場合、前記コントローラは、
前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータをディスエーブルし、その後、
前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータを所望の値又は所望の値のパーセンテージに制御する
ように構成される呼吸補助装置。
【請求項72】
気流発生器に空気的に接続されて、前記気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含む、呼吸補助装置であって、前記加湿器はヒータを含み、
前記装置は、前記ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、前記導管は、前記導管内の前記ガスフローを加熱するように構成された前記導管のヒータを含み、
前記呼吸補助装置は、バッテリを含み、前記装置は前記バッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
前記呼吸補助装置は、コントローラを含み、
前記装置が当初、前記バッテリによって電源供給される場合、前記コントローラは、前記気流発生器への電力の送達を前記加湿器の前記ヒータ及び/又は前記導管の前記ヒータに優先させるように構成される呼吸補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、呼吸補助装置の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸補助装置は、様々な環境(病院、医療施設、在宅ケア、又は家庭等の環境)で患者にガスフローを送達するために使用される。呼吸補助装置(例えば、フロー療法装置)は、呼吸装置がガスフローと共に補助酸素を送達できるようにする酸素入口を含み得る。呼吸補助装置はまた(又は代替的に)、呼吸装置が加熱及び加湿されたガスを送達できるようにする加湿装置も含み得る。呼吸補助装置により、ガスフローの特性を調整し、それを制御することが可能となり得る。これらの特性には例えば、流量、温度、ガス濃度(補助酸素濃度等)、湿度、及び圧力、その他が含まれ得る。
【0003】
各種の健康状態や病気を抱える患者は、呼吸補助(例えば、呼吸療法)の恩恵を受けることができる。少なくとも1つの形態では、呼吸療法は酸素療法であり得る。例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)、肺炎、喘息、気管支配異形成症、心不全、嚢胞性繊維症、睡眠時無呼吸、肺疾患、呼吸器系の外傷、急性窮迫症、及び/又はその他の状態又は病気を抱える患者は、呼吸療法から恩恵を受けることができる。同様に、術前及び術後酸素投与を受ける患者もまた、呼吸療法の恩恵を受けることができる。さらに例を挙げれば、閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA:obstructive sleep apnea)を患う患者もまた、呼吸療法(例えば、CPAP及び/又はバイレベル療法)の恩恵を受け得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示のある態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
ガスフローを発生させるように構成された気流発生器を含み、
気流発生器に空気的に接続されて、気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含み、加湿器はヒータを含み、
装置はガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源により電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって加湿器のヒータを制御するように構成されるコントローラを含み、
装置がバッテリにより電源供給される場合、コントローラは第一の制御スキームにしたがって加湿器のヒータを制御するように構成され、第一の制御スキームは加湿器のヒータに高周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
装置が主電源により電源供給される場合、コントローラは第二の制御スキームにしたがって加湿器のヒータを制御するように構成され、第二の制御スキームは加湿器のヒータに低周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
高周波数パルス幅変調信号の周波数は低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い。
【0005】
本開示のある態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
ガスフローを発生させるように構成された気流発生器と、
気流発生器に空気的に接続され、気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器と、
を含み、
装置はガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、導管は導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源により電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって導管のヒータを制御するように構成されるコントローラを含み、
装置がバッテリにより電源供給される場合、コントローラは第一の制御スキームにしたがって導管のヒータを制御するように構成され、第一の制御スキームは導管のヒータをアナログ制御によって制御することを含み、
装置が主電源により電源供給される場合、コントローラは第二の制御スキームにしたがって導管のヒータを制御するように構成され、第二の制御スキームは導管のヒータをデジタル制御によって制御することを含む(任意選択により、デジタル制御はパルス幅変調を含む)。
【0006】
本開示のある態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
ガスフローを発生させるように構成された気流発生器を含み、
気流発生器に空気的に接続されて、気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含み、加湿器はヒータを含み、
装置はガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、導管は導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源により電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって導管のヒータを制御するように構成されるコントローラを含み、
装置がバッテリにより電源供給される場合、コントローラは第一の制御スキームにしたがって導管のヒータと加湿器のヒータを制御するように構成され、第一の制御スキームは導管のヒータをアナログ制御によって制御することと、加湿器のヒータに高周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
装置が主電源により電源供給される場合、コントローラは第二の制御スキームにしたがってヒータを制御するように構成され、第二の制御スキームは、導管のヒータをデジタル制御によって(任意選択により、パルス幅変調信号を提供することによって)制御することと、加湿器のヒータに低周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
高周波数パルス幅変調信号の周波数は低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い。
【0007】
本開示のある態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
ガスフローを発生させるように構成された気流発生器を含み、
気流発生器に空気的に接続されて、気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含み、加湿器はヒータを含み、
装置はガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、導管は導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源により電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって導管のヒータと加湿器のヒータを制御するように構成されるコントローラを含み、
装置がバッテリにより電源供給される場合、コントローラは第一の制御スキームにしたがって導管のヒータと加湿器のヒータを制御するように構成され、第一の制御スキームは導管のヒータをアナログ制御によって制御することと、加湿器のヒータをデジタル制御によって制御することを含み、
装置が主電源により電源供給される場合、コントローラは第二の制御スキームにしたがってヒータを制御するように構成され、第二の制御スキームは、導管のヒータと加湿器のヒータをデジタル制御によって制御することを含み、第二の制御スキームは導管のヒータと加湿器のヒータをデジタル制御によって制御することを含む。
【0008】
本開示のある態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
気流発生器に空気的に接続されて、気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含み、加湿器はヒータを含み、
装置は、ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源により電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって加湿器のヒータを制御するように構成されたコントローラを含み、
装置がバッテリにより電源供給される場合、コントローラは第一の制御スキームにしたがって加湿器のヒータを制御するように構成され、第一のスキームは、加湿器のヒータに高周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
装置が主電源により電源供給される場合、コントローラは第二の制御スキームにしたがって加湿器のヒータを制御するように構成され、第二の制御スキームは、加湿器のヒータに低周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
高周波数パルス幅変調信号の周波数は低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い。
【0009】
本開示のある態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
気流発生器に空気的に接続され、気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含み、
装置はガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、導管は、導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源により電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、導管のヒータを少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって制御するように構成されたコントローラを含み、
装置がバッテリにより電源供給される場合、コントローラは導管のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第一の制御スキームは導管のヒータをアナログ制御によって制御することを含み、
装置が主電源によって電源供給される場合、コントローラは導管のヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第二の制御スキームは、導管のヒータをデジタル制御によって制御することを含む(任意選択により、デジタル制御はパルス幅変調を含む)。
【0010】
本開示のある態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
気流発生器に空気的に接続されて、気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含み、加湿器はヒータを含み、
装置は、ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、導管は、導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、導管のヒータを少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって制御するように構成されたコントローラを含み、
装置がバッテリによって電源供給される場合、コントローラは導管のヒータと加湿器のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第一の制御スキームは、導管のヒータをアナログ制御によって制御することと、加湿器のヒータに高周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
装置が主電源によって電源供給される場合、コントローラはヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第二の制御スキームは、導管のヒータをデジタル制御によって(任意選択により、パルス幅変調信号を提供することによって)制御することと、加湿器のヒータに低周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
高周波数パルス幅変調信号の周波数は低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い。
【0011】
本開示の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
気流発生器に空気的に接続され、気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器と、
少なくとも1つのヒータと、を含み、
装置はガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、少なくとも1つのヒータを少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって制御するように構成されたコントローラを含み、
装置がバッテリによって電源供給される場合、コントローラはヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第一の制御スキームはヒータをアナログ制御によって制御することを含み、
装置が主電源によって電源供給される場合、コントローラはヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第二の制御スキームはヒータをデジタル制御によって制御することを含む(任意選択により、デジタル制御はパルス幅変調を含む)。
【0012】
少なくとも1つのヒータは、導管内のガスフローを加熱するように構成された導管のヒータを含み得る。
【0013】
少なくとも1つのヒータは、加湿器のヒータを含み得る。
【0014】
少なくとも1つのヒータをデジタル制御によって制御することは、パルス幅変調信号を導管のヒータに提供することを含み得る。
【0015】
パルス幅変調信号の周波数は約20Hz未満又は約20Hz~約1kHzであり得る。
【0016】
コントローラは、第二の制御スキームによって少なくとも1つのヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを湿度制御アルゴリズムにしたがって制御し得る。
【0017】
コントローラは、第二の制御スキームによって少なくとも1つのヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを1つ又は複数の治療パラメータに基づいて制御し得る(任意選択により、1つ又は複数の治療パラメータは、ユーザに提供されるガスの治療温度であり得る)。
【0018】
コントローラは、第二の制御スキームによって少なくとも1つのヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを導管内のガスフローの所望の導管端温度に基づいて制御し得る。
【0019】
パルス幅変調信号のデューティサイクルは、少なくとも1つのヒータの所望の電力に基づき得る。
【0020】
コントローラは、少なくとも1つのヒータに提供される電力を測定し、パルス幅変調信号のデューティサイクルを、測定された少なくとも1つのヒータに提供された電力及び少なくとも1つのヒータの所望の電力に基づいて制御するように構成され得る。
【0021】
第一の制御スキームは、少なくとも1つのヒータに低周波数パルス幅変調信号を提供することを含み得て、第二の制御スキームは、少なくとも1つのヒータを高周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、高周波数パルス幅変調新信号の周波数は低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い。
【0022】
本開示のある態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
気流発生器に空気的に接続されて、気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含み、加湿器はヒータを含み、
装置は、ガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、導管は、導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、導管のヒータと加湿器のヒータを少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって制御するように構成されたコントローラを含み、
装置がバッテリによって電源供給される場合、コントローラは導管のヒータ及び加湿器のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第一の制御スキームは、導管のヒータをアナログ制御によって制御することと、加湿器のヒータをデジタル制御によって制御することを含み、
装置が主電源によって電源供給される場合、コントローラはヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第二の制御スキームは導管のヒータ及び加湿器のヒータをデジタル制御によって制御することを含む。
【0023】
高周波数パルス幅変調信号の周波数は、低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い周波数であり得る。
【0024】
装置は、ガスフローを発生させるように構成された気流発生器を含み得る。
【0025】
装置は、装置がバッテリと主電源の何れで動作しているかを検出するように構成され得る。
【0026】
装置は、主電源が検知されない場合にバッテリ供給で動作するように構成され得る。
【0027】
装置は、ユーザからの(任意選択によりユーザインタフェースを介した)入力に基づいて、バッテリ電源で動作するように構成され得る。
【0028】
装置はバッテリ充電器を含み得て、装置は、装置が主電源により電源供給され(及び任意選択により主電源の電圧が閾値より高く)、且つバッテリがフル充電されていないとき(及び任意選択により、バッテリ残量が残量閾値未満であるとき)、バッテリを充電するように構成される。
【0029】
装置は主電源供給変換回路を含み得て、主電源供給変換回路は主電源供給を低DC電圧(任意選択により約3ボルトDC~約60ボルトDC)に変換するように構成される。
【0030】
装置はバッテリ変換回路を含み得て、バッテリ変換回路はバッテリ電源を低DC電圧(任意選択により約3ボルトDC~約60ボルトDC)に変換するように構成される。
【0031】
バッテリは装置(及び任意選択により装置の筐体)内に配置され得る。
【0032】
バッテリは少なくとも1つのバッテリを含む。
【0033】
バッテリは装置(及び任意選択により装置の筐体)に接続可能且つ切断可能であるように構成され得る。
【0034】
バッテリは装置(及び任意選択により装置の筐体)に接続可能且つ切断可能でなくてもよい。
【0035】
バッテリはバッテリモジュールの一部であり得る。
【0036】
バッテリモジュールは、バッテリ検出ピン及び/又はバッテリ検出ポートを含み得る。
【0037】
バッテリ検出ピンは、バッテリ検出ピンに接続されるプルアップ又はプルダウン抵抗を含み得る。
【0038】
バッテリモジュールは1つ又は複数のメモリ素子を含み得て、1つ又は複数のメモリ素子は1つ又は複数のバッテリパラメータを記憶するように構成される。
【0039】
バッテリパラメータは、
a)バッテリ使用期限
b)バッテリセル状態
c)バッテリ充電状態
d)充電放電サイクル数
e)バッテリ容量
f)バッテリ電圧
g)バッテリの現在の出力
h)バッテリ温度
i)a)~h)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0040】
装置は1つ又は複数の電源レールコンデンサを含み得る。
【0041】
電源レールコンデンサは、
a)バッテリの出力に
b)主電源の出力に
c)1つ又は複数のバッテリ又は主電源変換回路の出力に
d)a)~c)の何れかの組合せに
配置されるように構成され得る。
【0042】
第一の制御スキームの低周波数パルス幅変調信号の周波数は約20Hz未満又は約20Hz~約1kHzである。
【0043】
第二の制御スキームの高周波数パルス幅変調信号の周波数は約25kHz又は約1kHz~約50kHzである。
【0044】
高周波数パルス幅変調信号の周波数は、低周波数パルス幅変調信号の周波数の約1250倍の高さであり得る。
【0045】
高周波数パルス幅変調信号の周波数は、低周波数パルス幅変調信号の周波数より何十倍も高い周波数であり得る。
【0046】
高周波数パルス幅変調信号の周波数は、低周波数パルス幅変調信号の周波数の約50倍~約2000倍高い周波数であり得る。
【0047】
コントローラは、低周波数パルス幅変調信号及び/又は高周波数パルス幅変調信号のデューティサイクルを湿度制御アルゴリズムにしたがって制御し得る。
【0048】
コントローラは、低周波数パルス幅変調信号及び/又は高周波数パルス幅変調信号のデューティサイクルを1つ又は複数の治療パラメータに基づいて制御し得る(任意選択により1つ又は複数の治療パラメータは治療湿度レベルであり、任意選択により、治療湿度レベルは相対若しくは絶体湿度、又は露点である)。
【0049】
コントローラは、低周波数パルス幅変調信号及び/又は高周波数パルス幅変調信号のデューティサイクルを加湿器のヒータの所望の電力に基づいて制御し得る。
【0050】
コントローラは、加湿器のヒータに提供される電力を測定し、低周波数パルス幅変調信号及び/又は高周波数パルス幅変調信号のデューティサイクルを測定された加湿器のヒータに提供される電力と加湿器のヒータの所望の電力に基づいて制御するように構成され得る。
【0051】
コントローラは、低周波数パルス幅変調信号及び/又は高周波数パルス幅変調信号のデューティサイクルを加湿器のヒータの所望の温度に基づいて制御し得る。
【0052】
所望の電力需要及び/又は所望の温度は、装置の1つ又は複数の治療パラメータに基づき得る。
【0053】
導管のヒータをデジタル制御によって制御することは、導管のヒータにパルス幅変調信号を提供することを含み得る。
【0054】
パルス幅変調信号の周波数は約20Hz未満又は約20Hz~約1kHzであり得る。
【0055】
コントローラは、第二の制御スキームによって導管のヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを湿度制御アルゴリズムにしたがって制御し得る。
【0056】
コントローラは、第二の制御スキームによって導管のヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを1つ又は複数の治療パラメータに基づいて制御し得る(任意選択により、1つ又は複数の治療パラメータは、ユーザに提供されるガスの治療温度である)。
【0057】
コントローラは、第二の制御スキームによって導管のヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを導管内のガスフローの所望の導管端温度に基づいて制御し得る。
【0058】
パルス幅変調信号のデューティサイクルは、導管のヒータの所望の電力に基づき得る。
【0059】
コントローラは、導管のヒータに提供される電力を測定し、パルス幅変調信号のデューティサイクルを測定された導管のヒータに提供される電力及び導管のヒータの所望の電力に基づいて制御するように構成され得る。
【0060】
導管のヒータをアナログ制御によって制御することは、導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータにアナログ制御信号を提供することを含む。
【0061】
導管のヒータをアナログ制御によって制御することは、導管のヒータに電圧信号を提供することを含み得る。
【0062】
アナログ制御信号は、電圧信号又は電流信号であり得る。
【0063】
アナログ制御信号は、電圧変調、電流辺地用、又は抵抗変調により発生させられ得る。
【0064】
コントローラは、導管のヒータに提供されるアナログ制御信号を1つ又は複数の治療パラメータに基づいて制御し得る(任意選択により、1つ又は複数の治療パラメータはユーザに提供されるガスの治療温度である)。
【0065】
コントローラは、導管のヒータに提供される電圧信号を1つ又は複数の治療パラメータに基づいて制御し得る(任意選択により、1つ又は複数の治療パラメータはユーザに提供されるガスの治療温度である)。
【0066】
アナログ制御信号は、導管のヒータの所望の電力に基づいて制御され得る。
【0067】
電圧信号は、導管のヒータの所望の電力に基づいて制御され得る。
【0068】
コントローラは、導管のヒータに提供される電力を測定するように構成され得て、アナログ制御信号は、測定されたヒータ導管に提供される電力及び導管のヒータの所望の電力に基づいて制御される。
【0069】
コントローラは、導管のヒータに提供される電力を測定するように構成され得て、電圧信号は測定されたヒータ導管に提供される電力及び導管のヒータの所望の電力に基づいて制御される。
【0070】
電圧信号は入力電力(例えば、測定されたヒータ導管に提供される電力)と二次の関係を有し得る。
【0071】
アナログ制御信号は、導管内のガスフローの所望の導管端温度に基づいて制御され得る。
【0072】
電圧信号は、導管内のガスフローの所望の導管端温度に基づいて制御され得る。
【0073】
装置はアナログ制御回路構成を含み得る。
【0074】
アナログ制御信号はアナログ制御回路構成により制御され得る。
【0075】
電圧信号はアナログ制御回路構成により制御され得る。
【0076】
アナログ信号は、アナログ制御回路構成の1つ又は複数の電圧コンバータにより制御され得る。
【0077】
1つ又は複数の電圧コンバータは、
a)ステップダウンコンバータ
b)DC-DCコンバータ
c)ステップアップコンバータ
d)ブーストコンバータ
e)ハーフブリッジコンバータ
f)フライバックコンバータ
g)プッシュ-プルコンバータ
h)スイッチングコンバータ
i)スイッチングレギュレータ
j)リニアレギュレータ
k)リニアコンバータ
l)降圧型コンバータ
m)変圧器
n)a)~m)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0078】
電圧信号は、アナログ制御回路構成の1つ又は複数の電圧コンバータにより制御され得る。
【0079】
1つ又は複数の電圧コンバータは、
a)ステップダウンコンバータ
b)DC-DCコンバータ
c)スイッチングレギュレータ
d)リニアレギュレータ
e)降圧型コンバータ
f)変圧器
g)a)~f)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0080】
装置が導管のヒータを第二の制御スキームにしたがって制御しているとき、アナログ制御回路構成はディスエーブルされ得る。
【0081】
装置は、導管のヒータのためのパルス幅変調信号を並びに/又は高周波数パルス幅変調信号及び/若しくは低周波数パルス幅変調信号を発生させるように構成されたデジタル制御回路構成を含み得る。
【0082】
デジタル制御回路構成は1つ又は複数のスイッチング回路を含み得る。
【0083】
デジタル制御回路構成は、1つ又は複数のパルス幅変調ドライバを含み得る。
【0084】
デジタル制御回路構成は、高周波数パルス幅変調信号及び低周波数パルス幅変調信号を発生させるように構成された加湿器ヒータパルス幅変調ドライバを含み得る。
【0085】
デジタル制御回路構成は、パルス幅変調信号を発生させるように構成された導管ヒータパルス幅変調ドライバを含み得る。
【0086】
装置が導管のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御しているとき、導管ヒータパルス幅変調ドライバはディスエーブルされ得る。
【0087】
加湿器のヒータはヒータプレートを含み得て、ヒータプレートは加湿値難波内の流体を加熱してガスフローを加湿するように構成される。
【0088】
加湿器のヒータは、導電性加熱素子を含み得る。
【0089】
導管のヒータはヒータワイヤを含み得る。
【0090】
導管のヒータは、導電性ヒータ素子を含み得る。
【0091】
ヒータは、
a)導管のルーメン内にあり得、
b)導管の壁内にあり得、
c)導管の壁に埋め込まれ得て、
d)呼吸導管を任意選択的に形成するビードに埋め込まれ得て、ビードは導管を構造的に支持するように構成され、
e)導管の外面に配置され得て、
f)a)~e)の何れかの組合せであり得る。
【0092】
少なくとも1つのヒータは、主として抵抗負荷であり得る。
【0093】
装置は筐体を含み得て、気流発生器及び/又は加湿器は筐体(任意選択により単一筐体)内に配置される。
【0094】
装置はガス入口及びガス出口を含み得て、導管はガス出口に接続されるように構成される。
【0095】
装置が当初、バッテリにより電源供給される場合、コントローラは、
加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータをディスエーブルし、その後、
加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータを所望の値又は所望の値のパーセンテージに制御する
ように構成され得る。
【0096】
加湿器ヒータ及び/又は導管のヒータをディスエーブルすることは、制御回路構成をディスエーブルする、及び/又はオフ制御信号を提供することを含み得る。
【0097】
装置は、所定の時間後に、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータを所望の値又は所望の値のパーセンテージに制御するように構成され得る。
【0098】
コントローラは、所定の速度手、又はそれ未満で、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータを所望の値又は所望の値のパーセンテージに制御するように構成され得る。
【0099】
装置が当初、バッテリにより電源供給される場合、コントローラは、気流発生器への電力の送達を、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータより優先させるように構成され得る。
【0100】
バッテリは、バッテリにより供給可能な電力を示す電力バジェットを有し得て、電力バジェットは加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータに優先して気流発生器に割り当てられる。
【0101】
加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータに送達される電力は電力バジェットの残りの電力に基づき得て、電力バジェットの残りの電力は気流発生器に動力供給するのに必要な電力より小さい電力バジェットである。
【0102】
残りの電力が加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータの合算の所望の電力より大きい場合、コントローラは、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータに提供される電力を(任意選択により残りの電力バジェットへ)削減するように構成され得る。
【0103】
装置が当初、バッテリにより電源供給される場合、コントローラは、バッテリ残量が閾値に達したときに加湿器及び/又は導管のヒータをディスエーブルするように構成され得る。
【0104】
閾値は、約5%~約40%、又は約10%~約30%、又は約20%であり得る。
【0105】
気流発生器に空気的に接続されて、気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含む、呼吸補助装置において、加湿器はヒータを含み、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、加湿器ヒータを少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたかって制御するように構成されたコントローラを含み、
装置がバッテリによって電源供給される場合、コントローラは加湿器のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第一の制御スキームは加湿器のヒータをアナログ制御によって制御することを含み、
装置が主電源によって電源供給される場合、コントローラは加湿器のヒータを第二の制御スキームによって制御するように構成され、第二の制御スキームは加湿器のヒータをデジタル制御によって制御することを含む(任意選択により、デジタル制御はパルス幅変調を含む)。
【0106】
本開示のある態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
気流発生器に空気的に接続されて、気流発生器により発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含み、
装置はガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、導管は、導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、加湿器ヒータを少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって制御するように構成されたコントローラを含み、
装置がバッテリによって電源供給される場合、コントローラは導管のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第一の制御スキームは、導管のヒータに高周波パルス幅変調信号を提供することを含み、
装置が主電源によって電源供給される場合、コントローラは導管のヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第二の制御スキームは、導管のヒータに低周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
高周波数パルス幅変調信号の周波数は低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い。
【0107】
本開示のある態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
気流発生器に空気的に接続されて、気流発生器によって発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含み、加湿器はヒータを含み、
装置はガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、導管は導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、コントローラを含み、
装置が当初、バッテリによって電源供給される場合、コントローラは加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータをディスエーブルし、その後、
加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータを所望の値又は所望の値のパーセンテージに制御するように構成される。
【0108】
本開示の態様において、呼吸補助装置が提供され、これは、
気流発生器に空気的に接続されて、気流発生器によって発生されたガスフローを加湿するように構成された加湿器を含み、加湿器はヒータを含み、
装置はガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、導管は導管内のガスフローを加熱するように構成されたヒータを含み、
呼吸補助装置は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
呼吸補助装置は、コントローラを含み、
装置が当初バッテリによって電源供給される場合、コントローラは、気流発生器からの電力の送達を加湿器のヒータ及び/又は同課のヒータより優先させるように構成される。
【0109】
本開示のある態様において、ガスフローを加湿するように構成された加湿器が提供され、加湿器は、
ヒータと、
バッテリを含み、加湿器はバッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
加湿器は、ヒータを少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって制御するように構成されたコントローラを含み、
加湿器がバッテリによって電源供給される場合、コントローラは、加湿器のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第一の制御スキームは、加湿器のヒータに高周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
装置が主電源によって電源供給される場合、コントローラは、ヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第二の制御スキームは、ヒータに低周波数パルス幅変調信号を提供することを含み、
高周波数パルス幅変調信号の周波数は低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い。
【0110】
本開示のある態様において、ガスフローを加湿するように構成された加湿器が提供され、加湿器は、
少なくとも1つのヒータを含み、
加湿器はガスフローを輸送する導管に接続されるように構成され、
加湿器は、バッテリを含み、装置はバッテリ又は主電源によって電源供給されるように構成され、
加湿器は、少なくとも1つのヒータを少なくとも第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって制御するように構成されたコントローラを含み、
加湿器がバッテリによって電源供給される場合、コントローラは、加湿器のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第一の制御スキームは、少なくとも1つのヒータをアナログ制御によって制御することを含み、
加湿器が主電源によって電源される場合、コントローラは、少なくとも1つのヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成され、第二の制御スキームは、少なくとも1つのヒータをデジタル制御によって制御することを含む(任意選択により、デジタル制御はパルス幅変調を含む)。
【0111】
少なくとも1つのヒータは、導管内のガスフローを加熱するように構成された導管のヒータを含み得る。
【0112】
少なくとも1つのヒータは、加湿器のヒータを含み得る。
【0113】
他の態様において、手術用加湿器が提供され、手術用加湿器は、上述の態様の何れかにおける呼吸補助装置に関して記載されている特徴の何れかを有し得る。
【0114】
以上の記載事項の何れも、何れの1つ又は複数の他の記載事項とも組み合わせ得ると理解されたい。
【0115】
本明細書で開示される数の範囲への言及(例えば、1~10)は、その範囲内の全ての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、及び10)のほか、その範囲内の有意数のあらゆる範囲(例えば、2~8、1.5~5.5、及び3.1~4.7)への言及も含み、したがって、本明細書中で明示的に開示される全ての範囲の全ての部分範囲が本明細書により明示的に開示されていることが意図される。これらは、具体的に意図されるものの例にすぎず、明記された最低値と最高値との間の数値の考え得る全ての組合せが本明細書において同様に明示的に述べられているとみなされるものとする。
【0116】
代替的な実施形態又は構成は、本明細書で図示、説明、又は言及されている部品、要素のうちの何れか、又はそのうちの2つ以上のあらゆる組合せを含み得ると理解すべきである。
【0117】
本開示の幾つかの実施形態はまた、広く、本明細書の明細書において個別に、又はまとめて言及された、又は示された部品、要素、及び特徴、並びに前記部品、要素、又は特徴のうちの何れか、又はそのうちの何れか2つ以上のあらゆる組合せからなるか、それらを含むと言うことができ、本明細書中で本開示が関係する当業者にとって既知の等価を有する特定の整数が記されている場合、そのような既知の等価もそれが個別に示されたかのように本明細書に含められるとみなされる。
【0118】
「~を含む(comprising)」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、「~を含む(including)」を意味する。本明細書中の、「~を含む(comprising)」という用語を含む各記載事項を解釈する際、その用語に先行するもの以外の特徴も存在し得る。それに関係する用語(comprise,comprises)も同様に解釈されるものとする。
【0119】
要求するという用語は、コントローラに関して使用されている場合、コントローラがコンポーネントに対し、そのコンポーネントに1つ又は複数の動作を行うように指示する信号を送信することを指し得る。
【0120】
本明細書で使用される、ある名詞に続く「s(複数の場合もある)」という用語は、その名詞の複数形及び/又は単数形を含むことを意味する。
【0121】
本明細書で使用されるかぎり、「及び/又は」という用語は、「及び」若しくは「又は」、又は文脈上可能な場合はその両方を意味する。
【0122】
本開示は、以上のものを開示し、また、下記においてその例のみが挙げられている構成も想定される。
【0123】
リストが示されている場合、本開示はそのリスト内の項目のあらゆる組合せも含むと理解されたい。
【0124】
具体的な実施形態及びその改良は、当業者にとって、下記のような図面を参照すれば本明細書の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【
図5】加湿器ヒータと導管ヒータの制御の略図である。
【
図5A】加湿器ヒータと導管ヒータの制御の略図である。
【
図6】フィルタモジュール及びバルブモジュールに関する概略的なガス流路図であり、実線の矢印はガスフローを表す。
【
図7C】アナログ制御信号としての電圧信号の例を示す。
【
図7D】アナログ制御信号としての電圧信号の例を示す。
【
図7E】アナログ制御信号としての電圧信号の例を示す。
【
図8】当初、バッテリによって電源供給された場合の装置の制御の略図を示す。
【
図9】当初、バッテリによって電源供給された場合の装置の制御の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0126】
詳細な説明
呼吸補助装置10は、ユーザに対する治療、例えば鼻ハイフロー(NHF:Nasal High Flow)療法、持続陽圧呼吸(CPAP:Continuous Positive Airway Pressure)療法、非侵襲的補助換気(NIV:Non-Invasive Ventilation)、及びバブル持続陽圧呼吸(BCPAP:Bubble Continuous Positive Airway Pressure)療法の何れかの組合せを提供する。
【0127】
幾つかの構成では、装置10は前酸素化中又は麻酔中の何れにも使用され得る。幾つかの構成では、装置10は、患者が無呼吸であるか、又はそれ以外に呼吸機能が縮小され得る、若しくは縮小されるリスクがあるような他の何れの医療処置中にも使用され得る。
【0128】
動作中、装置10は複数の電源から動作し得る。場合により、装置10は主電源によって(例えば、送電網から)電源供給され得る。場合により、装置はバッテリによって電源供給され得る。
【0129】
主電源の電気特性は、バッテリの電気特性とは大幅に異なり得る。例えば、主電源は幹線電圧(すなわち、100ボルト~約240ボルト)で、交流電流として提供され得るのに対し、バッテリは100ボルト未満の電圧で、直流電流として提供され得る。さらに、バッテリの定格電力送達は、主電源のそれより顕著に低いものであり得る。
【0130】
装置が引き出す電力がバッテリの定格電力送達を超える場合、バッテリは過熱して、損傷を受けることがある。
【0131】
さらに、装置が引き出す電力がバッテリの定格電力を一時的に超えるか、又は常に超える場合、バッテリの電圧供給は低下し得て、それによって、装置が損傷することになるか、又は装置によって行われる測定又は計算が信頼できないものとなり得る。場合により、電圧は装置が機能するのに必要な閾値より低くなり得て、装置の電源が切れ得る。
【0132】
さらに考慮すべきことは、装置により生じる電磁干渉である。電磁干渉の発生は、装置内のコンポーネントの高周波数切り換えの結果であり得る。電磁干渉の発生は、導管のヒータにおいてより悪くなり得(例えば、導管のヒータが導管の長さにわたって延びるワイヤである場合)、これは、導管のヒータが導管の長さに沿って延び、したがって、一部に、アンテナのような挙動を示すことによって電磁干渉(例えば、干渉する電磁場の強度)を増大させ得るからである。
【0133】
導管のヒータによる電磁干渉の増大の1つのメカニズムは、スイッチ信号の波長が導管のヒータの長さの倍数、又は整数倍に近付くにつれて、電磁干渉(EMI)の強度が増大する、というものである。この効果は、導管のヒータの高周波数切り換えの結果、より顕著となり得、これは、スイッチ信号の波長はより短く、ヒータの長さの倍数に近付き、それによってEMIを(導管のヒータの長さに応じて)増大させるからである。このことは、導管のヒータの比較的低周波数の切り替えではより問題が小さく、それは波長が比較的長く、導管のヒータの長さの倍数からは比較的遠いからである。
【0134】
電磁環境は、導管のヒータにシールドを提供することにより少なくとも部分的に緩和され得るが、これによって導管のコストと複雑さが増大する。
【0135】
電磁干渉は、装置10(例えば、内部コントローラ、集積回路、又はセンサ)の動作のほか、装置の付近にあるその他の機器も干渉し得る。
【0136】
本開示は、装置10により生じる電磁干渉を管理して、治療をユーザに提供しながら、電源の種類(及びそれに関連する電気特性)に基づく層のヒータの、例えば引き出されるピーク電力を低下させることによる制御を提供する。
【0137】
以下により詳しく説明するように、装置10は加湿器のヒータ(例えば、ヒータプレート)と導管のヒータ(例えば、ヒータワイヤ)を含み得る。
【0138】
ヒータは1つ又は複数の加熱素子を含み得る。
【0139】
当業界で知られている他のタイプのヒータも利用され得ると理解されたい。
【0140】
装置10が主電源(又は、例えば後でより詳しく説明するように、その他の非ピーク電力限定電源)により電源供給される場合、装置10は加湿器のヒータ及び導管のヒータをデジタル制御(例えば、パルス幅変調)によって制御し得る。
【0141】
パルス幅変調制御は、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータにパルス幅変調信号(後でより詳しく説明する)を提供することにより得る。
【0142】
パルス幅変調信号(pulse-width modulation signal)という用語は、パルス幅変調信号(pulse-width modulated signal)という用語と互換的に使用され得る。
【0143】
パルス幅変調信号は、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータに、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータに電力を提供するために提供され得る。
【0144】
装置10が主電源によって電源供給される場合、パルス幅変調信号の周波数は、装置により生じる電磁干渉を減らすために比較的低種は数で(例えば、低周波数パルス幅変調信号として)提供され得る。
【0145】
しかしながら、装置10がバッテリ(又は、例えば、後でより詳しく説明するように、他のピーク電力限定電源)によって電源供給される場合、加湿器のヒータと導管のヒータに同じデジタル制御(例えば、パルス幅変調)を使用することは、バッテリの電力定格(例えば電力送達又は供給定格)が、パルス幅変調信号のON部分中に超過されることになり得、これは、装置がバッテリの提供能力より多くの電力を引き出そうとするからである。
【0146】
したがって、装置10がバッテリ(又は、例えば、後でより詳しく説明するように、他のピーク電力限定電源)によって電源供給される場合、パルス幅変調信号の周波数は高くされ得る(例えば、高周波数パルス幅変調として)。しかしながら、これは、それによって装置により生じる電磁干渉が増大し得て、パルス幅変調信号を発生させるデジタル制御回路構成の中のスイッチング回路の効率が下がり得る(例えば、MOSFETs又はスイッチング回路内のその他の種類のトランジスタの切り替え損失が増大することによる)ため、直観に反したものであり得る。
【0147】
高周波数パルス幅変調信号を容量性エネルギ貯蔵(例えば、後述のような電源レールコンデンサ)と共に使用することによって、装置のピーク電力需要を、バッテリ電力定格を超えずに満たすことができる。例えば、バッテリがより低いピーク電力を提供すればよいことがある(放電容量性エネルギ貯蔵がパルス幅変調信号のON部分中に追加の電力を提供するため)。この方式は、はるかに大きい容量性エネルギ貯蔵を必要とする低周波数パルス幅変調に関しては困難であり得、それは、パルス幅変調信号のON部分は比較的長く、したがって、ON部分中に装置には、高周波数パルス幅変調信号に必要なものと比較してより多くのエネルギを提供する必要があるからである(すなわち、容量性エネルギストアからの追加の電力として)。追加の電力を提供するのに必要な、より大きな容量性エネルギ貯蔵は、装置のコストの増加と、より大型の容量性エネルギ貯蔵の大型化による必要な空間の増大につながり得る。
【0148】
バッテリで動作する場合に低周波数パルス幅変調信号を使用することにより、バッテリにより発せられる熱が増大し得て、それがバッテリの劣化の加速、例えばバッテリ寿命の短縮につながり得る。
【0149】
「低周波数パルス幅変調信号」及び「高周波数パルス幅変調信号」という用語は相対的な用語であり、(それぞれ)「第一のパルス幅変調信号」及び「第二のパルス幅変調信号」に置き換えられ得る。
【0150】
装置10がバッテリによって電源供給される場合、装置は(例えば、コントローラ13によって)加湿器のヒータを、高周波数パルス幅変調信号を提供することによって制御し得る。これによって、バッテリから引かれるピーク電力が低下し得て、他方で、切り換え損失は依然として低下させられ、電磁干渉の生成は依然として容認可能なレベル以下に保持される。
【0151】
高周波数パルス幅変調信号が導管のヒータに印加されると、その結果として生じる電磁干渉が容認可能なレベルを上回り得る。さらに、高周波数パルス幅変調信号は、導管のヒータのエネルギのエネルギトランシェント又は短絡回路を検出するように設計された安全機構を妨害し得る。例えば、安全機構が電圧変化の速度をモニタするように構成されている場合、高周波数パルス幅変調信号は誤ったトリガの原因となり得る。代替的に、安全機構のための電圧変化の閾値速度を上げると、安全機構の効果が低下し得て、ユーザの安全上のリスクが増大し得る。
【0152】
装置10のバッテリ動作により、病院内にいる患者を、治療(及び加湿ガス)を提供しながら病院内で別の場所に(例えば、回復棟に)移動させることが可能となり得る。したがって、治療は移動前(例えば主電源で動作している)、患者の移動中(例えばバッテリで動作している)、及び移動後(例えば主電源で動作しているに、治療を継続して提供できる。
【0153】
装置10のバッテリ動作により、家庭内にいる患者を、主電源のある場所に拘束することなく、治療を引き続き提供しながら移動できるようにし、活動や作業を行えるようにし得る。
【0154】
本開示により、装置はバッテリによってより長期間にわたり動作させることが可能となり得、これは、引き出されるピーク電力が低下し、それによってバッテリ寿命が、例えば病院内の患者を移動させるため、又は患者が、普段は主電源に拘束されていればできないような活動や作業を行うのに十分な時間に延長し得るからである。バッテリ寿命は、例えば約45分であり得、装置はこの期間中に治療を(所望の、又はそれに近い治療パラメータで)提供し得る。
【0155】
バッテリによって電源供給されているときに治療を提供することによって、快適さ及びコンプライアンスの点での利益が提供され得る。本開示は、湿度を提供しながら、ポータビリティも可能にし得る制御スキームを提供し得る。
【0156】
ユーザに治療湿度を提供すると、治療に対する患者の快適さとコンプライアンスが増大し得る。湿度の提供はまた、粘膜輸送を改善するという追加の利益も提供し、これは閉塞性肺疾患患者において有益であり、これらの治療の快適さ及び、したがってコンプライアンス/受容が向上する。
【0157】
バッテリ動作中のピーク電力を低下させることによって、治療の(例えば、所望の、又はそれに近い治療パラメータでの)送達を提供しながら、より小型のバッテリの使用も可能となり得る。比較的小型のバッテリ電源を使用することで、装置をコンパクトに保ち得て、これは、比較的より大きいバッテリを含めても装置の重量と大きさは増大しないことを意味し得る。それゆえ、本開示は、より可搬性が高く、使いやすい装置につながり得る。装置の可搬性は在宅治療における装置の有用性を高め、これは、装置をユーザの家庭内でより容易に移動させることができるからである。病院では、可搬性によって病院内で治療装置を患者と共に移動させることができ、したがって患者は移動中も治療を引き続き受けることができる。
【0158】
手術用加湿器(後でより詳しく説明する)に関して、本開示は、主電源が切断されたとき(例えば、停電)、移動中、又は主電源を利用できないエリアで手術を行う必要がある場合でも、治療を依然として(所望の、又はそれに近い治療パラメータで)提供できるシステムを提供する。上述の開示は手術用加湿器にも同等に適用される。
【0159】
装置10がバッテリによって電源供給される場合、装置は導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータをアナログ制御で(例えば、電圧(すなわち、アナログ変調又は調整電圧)を導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータに提供することによって)制御し得る。
【0160】
アナログ制御は、導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータにアナログ制御信号を提供することによって行われ得る(後でより詳しく説明する)。
【0161】
幾つかの構成では、導管のヒータに提供されるアナログ制御信号(例えば、電圧)を発生させるように構成されるアナログ制御回路構成は、電磁干渉を(例えば、前述のようなアンテナ効果を通じて、及び制御信号の切り換えを通じて)生じさせ得るが、高周波数パルス幅変調が使用される場合よりはるかに小さい。
【0162】
同様に、加湿器のヒータに関しても、加湿器のヒータに提供されるアナログ制御信号(例えば、電圧)を発生させるように構成されたアナログ制御回路構成は、電磁干渉を(例えば、デジタル制御信号の切り換えを通じて)生じさせ得るが、高周波数パルス幅変調が使用される場合よりはるかに小さい。
【0163】
アナログ制御回路構成はデジタル制御より格段に低効率であり得、これは例えば、アナログ制御信号を発生させるために使用されるある回路トポロジ内の特定のコンポーネント、例えば高周波数スイッチングコンポーネントにより導入される追加の損失による。
【0164】
装置10がバッテリによって電源供給される場合、加湿器のヒータのデジタル制御(例えば、高周波数パルス幅変調信号による)と導管のヒータのアナログ制御との組合せによって、バッテリから引かれるピーク電力がバッテリ定格を超えないことが確実になり得、電磁干渉の発生は容認可能なレベルより常に低く保たれる。
【0165】
幾つかの構成において、装置10がバッテリによって電源供給される場合、導管ヒータのアナログ制御と加湿器のヒータのアナログ制御との組合せによって、バッテリから引かれるピーク電力がバッテリ定格を超えないことが確実となり得、電磁干渉の発生は容認可能なレベルより常に低く保たれる。
【0166】
呼吸補助装置10が
図1に示されている。呼吸補助装置10は、筐体100を(例えば、単一の筐体として)含むことができ、これには、幾つかの構成においてはモータ/インペラ機構(例えば、ブロワ)の形態である気流発生器11、気流発生器11に空気的に接続される加湿器12、コントローラ13、及びユーザインタフェース14(例えばディスプレイと、例えばボタン(複数の場合もある)、タッチスクリーン、又はその他の入力装置(複数の場合もある)を含む)のうちの1つ又は複数が格納される。
【0167】
図2で、装置10は筐体100を示しており、これは気流発生器11と、気流発生器11に空気的に接続された加湿器12を含む。
図2に示されるように、加湿器12と気流発生器11は共通の筐体に統合される。これによって、容易に移動させ、運び、移動機能性を提供できるコンパクトなデバイスが提供される。さらに、気流発生器11と加湿器12を同じ筐体にまとめることによって、より単純な構成となる(すなわち、チャンバ300が筐体内に配置される)。
【0168】
幾つかの構成では、呼吸補助装置10は気流発生器11を含まなくてよい。この場合、装置10はガスフローを発生させず、その代わりに外部の気流発生器に接続されるように構成され、外部気流発生器からのガスフローを加湿するように構成される。例えば、呼吸補助装置10は加湿器の中を流れるガスを加湿するための独立した加湿器として使用できる。気流発生器は、壁埋込み型ガス供給源(例えば、流量計又はロタメータを介して調整される)又は、本明細書の他の箇所に記載の治療(例えば、NIV、NHF、CPAP、BCPAP、侵襲的補助換気等)のうちの1つを提供するように構成できるベンチレータ若しくはその他の別の気流発生器であり得る。加湿器は、主電源が利用できない場合に加湿器に連結されるバッテリを(バッテリ電源として)含み得る。幾つかの構成では、バッテリは装置に取り外し可能に連結され得て、再充電可能である。加湿器は気流発生器に導管を介して空気的に連結され、別の導管が加湿器に連結されて、加湿されたガスを加湿器から患者に加湿されたガスを輸送する。
【0169】
装置10の加湿器としての例(すなわち、気流発生器を持たない)が
図2A及び2Bに示されている。装置は、導管16(上でより詳しく説明した)を加湿チャンバ31の出口(装置のガス出口として)に空気的に接続するコネクタを含む。導管16は患者回路の吸気リムであり得、すなわち加湿されたガスをユーザに、例えば患者インタフェース(図示せず)を介して送達するように構成される。導管16は、導管ヒータ16a(例えば、本明細書の他の箇所で説明する)を有し得る。
【0170】
加湿チャンバ300の入口8は、装置10とは離れた場所に配置された気流発生器に(例えば、
図2Aの入口8に接続されて関して示されている導管によって)流体的に接続されるように構成される。
【0171】
図2A及び2Bに示されるように、装置10は、患者ディスプレイ及び制御手段を取り付けるために使用され得るパネル9をさらに含む。例えば、各種のダイヤル、スイッチ、及びその他の入力手段がデバイスの動作を制御するために使用され得る。追加的又は代替的に、タッチスクリーンディスプレイが使用され得る。ユーザディスプレイは、システムのパラメータ、何れかのエラー若しくは異常が発生した場合の警告、ユーザの動作が必要な場合のプロンプト等を表示し得る。タッチスクリーンディスプレイが使用される場合、少なくとも一部に、(例えば、本明細書の他の箇所に記載されているように)同じディスプレイを使って、ユーザに情報を提示し、ユーザからの入力を受信し得る。
図2A及び2Bに示される加湿装置は複数のセンサを含み得る。例えば、加湿器10は流量センサ、1つ又は複数の温度センサ、1つ又は複数の圧力センサ、及び1つ又は複数の湿度センサを含み得る。1つの例示的な構成において、加湿器は少なくとも、入口の中又はその付近に配置される温度センサ及びチャンバ300の出口の中又はその付近の温度センサを含む。任意選択により、加湿器は、チャンバ300の出口の中又はその付近の流量センサを含み得る。追加的に、別の流量センサが入口8の中又はその付近に配置され得る。任意選択により、加湿器は入口又は出口内に配置された1つの流量センサを含み得る。加湿器は追加的に、1つ又は複数の湿度センサを含み得て、これらは入口若しくは出口の何れかの中若しくはその付近に、又は入口及び出口の中に配置され得る。さらに、追加の気温センサもあり得る。加湿器はまた、ヒータに関連付けられる追加のセンサ、例えばヒータに関する温度センサも含み得る。
【0172】
幾つかの構成において、
図2A及び2Bに示される装置10は、バッテリを含み得る(後でより詳しく述べる)。
【0173】
バッテリはバッテリ電源であり得る。バッテリ及びバッテリ電源は文脈上可能なかぎり互換的に使用できると理解されたい。
【0174】
バッテリは装置の外部に配置され得る(例えば、装置から離れた場所に配置されるが電気的に接続される)ことも理解されたい。
【0175】
装置10は例えば、国際公開第2015/093989号パンフレット及び同第2015/038014号パンフレットに記載されている装置であり得、これら両公開の全体を参照によって本願に援用する。
【0176】
加湿器12は、適切なレベルまでガスフローを加湿し、及び/又はガスフローを加熱することができる。コントローラ13は、加湿器12を(例えば、少なくとも加湿器のヒータを制御することによって)制御するように構成できる。
【0177】
加湿器12は、加湿チャンバを含み得る。加湿チャンバは、加湿器から取り外し可能に構成され得る(例えば、交換、クリーニング、及び/又は補充のため)。代替的に、加湿チャンバは加湿器から取り外し不能であり得る。
【0178】
加湿チャンバは、少なくともバルブと、バルブに連結されたフロートとを含むオートフィル機構を含み得る。使用中の加湿チャンバは、オートフィルを行うためにウォータバッグの水リザーバに連結できる。代替的に、加湿チャンバは手作業でも補給し得る。
【0179】
加湿器12は、加湿器ヒータ310を例えばヒータプレート(
図2参照)として含み得る。加湿器ヒータは、加湿チャンバに熱を提供する。加湿チャンバ300内の液体は水又は他の液体であり得、及び/又は1つ又は複数の液体の混合物(例えば、水と薬剤との混合物)を含み得る。
【0180】
加湿器12のヒータ310は、導電性加熱素子であり得る。
【0181】
加湿器はまた、腹腔鏡下及び開胸手術等の手術で使用するガス(二酸化炭素等)を加湿する手術用加湿器でもあり得る。
【0182】
手術用加湿器は、
図2A及び2Bの加湿器に関して開示された加湿器の特徴の何れの組合せも有し得る。
【0183】
本開示は手術用加湿器(又はその他の加湿器)に適用され得て、呼吸補助装置に関する以下の開示は手術用加湿器にも適用可能であり得ると理解されたい。
【0184】
コントローラ13は、呼吸補助装置10の動作を制御するように構成又はプログラムすることができる。例えば、コントローラ13は、呼吸補助装置10のコンポーネントを制御でき、これには気流発生器11を動作させて、患者に送達されるガスのフロー(ガスフロー)を生成すること、加湿器12(それがある場合)を動作させて、発生されたガスフローを加湿及び/又は加熱すること、気流発生器のブロワへの酸素フローを制御すること、ユーザインタフェース14から、呼吸補助装置10の再構成及び/又はユーザが規定する動作のためのユーザ入力を受け取ること、及びユーザに対して情報を(例えば、ディスプレイ上で)出力することが含まれるが、これらに限定されない。
【0185】
コントローラ13は、1つ又は複数のサブコントローラを含み得る。サブコントローラは各々、装置の1つ又は複数のコンポーネントを制御するように構成され得る(例えば、気流発生器のサブコントローラ及び/又は加湿器のサブコントローラ及び/又は加湿器若しくは導管ヒータのサブコントローラ)。コントローラ13は、サブコントローラと通信し、それらにコマンドを送信するように構成されるマスタコントローラを含み得る。
【0186】
コントローラ13は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサと、プロセッサが実行可能な命令若しくはコードを保存するための、それに関連する非一時的メモリ又は記憶媒体を含み得る。命令は、1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、呼吸補助装置に本明細書に記載のステップ及びプロセスを実行させる。
【0187】
本明細書に装置10がある動作を実行すると記載されている場合、それは、コントローラ13がその動作を実行するための装置10の1つ又は複数のコンポーネントを制御することであり得ると理解されたい。
【0188】
本明細書に記載の方法は、コントローラ(又は他のプロセッサ)により実行できると理解されたい。
【0189】
治療補助装置という用語は、呼吸支援装置、又は呼吸療法装置、又はフロー療法装置と互換的に使用され得る。
【0190】
呼吸補助システムという用語は、呼吸支援システム、又は呼吸療法システム、又はフロー療法システムと互換的に使用され得る。
【0191】
現在の流量という用語は、現在(例えば、現在の時間ステップで)行われた流量の測定を指し得る。現在の流量という用語は、特定された最新の流量に限定されず、最近行われた流量の特定(例えば、過去の時間ステップから、又は最近の流量特定)、及び/又は一連の過去の測定に基づいて行われたフィルタ処理後の流量特定(これらは時として、信号フィルタリング及び/又は処理を含み得る)を含むことができると理解されたい。
【0192】
本明細書に記載の方法は、コントローラ(又は、関連するメモリ)に保存され、コントローラ(及び/又は関連するプロセッサ)により実行されるソフトウェア、又は制御ソフトウェアの一部としてのソフトウェアモジュールとして具現化され得る。
【0193】
治療を受けることに関して、ユーザは患者であるが、装置とやり取りする(例えば、ユーザインタフェースとやり取りする)ことに関しては、ユーザは患者、医療従事者(例えば、臨床医)又は、装置の使用に関心のある他のあらゆる人物のうちの1人又は複数とすることができる。
【0194】
本明細書で使用されるかぎり、「ガスフロー」は、呼吸補助装置により提供され得るあらゆるガスフロー、例えば周囲空気フロー、実質的に100%酸素を含むフロー、周囲空気と酸素の何れかの組合せを含むフロー、及び/又はその他を指すことができる。
【0195】
呼吸導管16は、一方の端で呼吸補助装置10の筐体100内のガス出口21に連結される。呼吸導管16は、他方の端で、患者インタフェース17、例えばマニホルド19と鼻プロング18を備える非密閉型鼻カニューレに連結される。追加的又は代替的に、呼吸導管16は、フェイスマスク、鼻マスク、鼻ピローマスク、気管内チューブ、気管切開インタフェース、及び/又はその他に連結できる。
【0196】
呼吸可能導管は、呼吸導管16と患者インタフェース17との間に提供され得る。
【0197】
幾つかの構成では、異なる種類の導管がガス出口21に接続され得て、例えばこれは殺菌モードでの殺菌導管である。殺菌モードは、国際公開第2007/069922号パンフレットに記載されているものであり得、その全体を参照によって本願に援用する。
【0198】
殺菌モードでは、殺菌導管が装置(例えば、殺菌導管及び/又は1つ以上のエルボウ)のガス流路を殺菌し得る温度まで加熱され得る。
【0199】
呼吸補助装置10により発生されたガスフローは、加湿されて、呼吸導管16及び患者インタフェース17を介して患者に送達され得る。
【0200】
呼吸導管16は、通過して患者に送られるガスフローを加熱するためのヒータ16aを有することができる。ヒータ16aは、コントローラ13による制御下に置くことができる。少なくとも1つの構成において、ヒータ16aはヒータワイヤである。呼吸導管16及び/又は患者インタフェース17は、呼吸補助療法システムの一部と考えることができる。呼吸補助システム1は、呼吸補助装置10、呼吸導管16、及び患者インタフェース17を含み得る。
【0201】
呼吸導管のヒータ16aは、
a)呼吸導管16のルーメン内に配置され得る
b)呼吸導管16の壁の中に配置され得る
c)呼吸導管16の壁に埋め込まれ得る
d)呼吸導管16を形成するビードの中に埋め込まれ得る。ビードは、導管16に構造的支持を提供するように構成される。
e)呼吸導管16の外面上に配置され得る
f)a)~e)の何れかの組合せに配置され得る。
【0202】
ヒータ16aは、導管16に沿って真っすぐに延びても、導管内の周囲にらせん状に巻かれ、又は導管内にらせん状に巻かれてもよい。
【0203】
呼吸導管16のヒータ16aは導電性加熱素子(例えば、ヒータワイヤ)であり得る。
【0204】
コントローラ13は、気流発生器11を制御して、所望の流量(例えば、治療流量)でガスフローを発生させることができる。コントローラ13はまた、補助酸素入口を制御して、補助酸素の送達を可能にすることもできる。
【0205】
コントローラ13は、加湿器12内の加湿器ヒータ及び/又は呼吸導管16内のヒータ16aも制御して、ガスを所望の治療レベル及び/又は患者にとっての快適さレベルにとっての所望の温度まで加熱することができる。
【0206】
コントローラ13は、ガスフローの適当な標的温度が提供され、又はそれを特定することができる。コントローラ13は、加湿器12の加湿器ヒータ及び/又は呼吸導管のヒータ16aを、ガスフローの1つ又は複数の適当な標的温度(複数の場合もある)に基づいて制御し得る。
【0207】
呼吸導管16のヒータ16aは、コントローラ13によって、所望の温度に到達するように制御され得る。所望の温度は、1つ又は複数の温度セットポイント、及び/又は1つ又は複数の湿度セットポイント(例えば、治療湿度)であるか、それに基づき得る。
【0208】
加湿器12の加湿器ヒータは、コントローラ13によって、所望の温度に到達するように制御され得る。所望の温度は、1つ又は複数の温度セットポイント、及び/又は1つ又は複数の湿度セットポイントであるか、それに基づき得る。所望の温度は治療パラメータであり得る。
【0209】
コントローラ13は、呼吸導管16のヒータ16a及び/又は加湿器12の加湿器ヒータを、1つ又は複数のセンサの出力に基づく閉ループ制御によって所望の温度に制御し得る。
【0210】
1つ又は複数の温度セットポイントは、治療のための装置の1つ又は複数の治療パラメータに関するか、又は装置のメモリ内に提供され得る(例えば、所定の温度)。様々な治療のための様々な治療パラメータを以下に示すが、本明細書中で治療パラメータに言及する場合、何れの治療パラメータも、又は治療パラメータの何れの組合せも指し得ると理解されたい。治療パラメータは、治療中に装置によってユーザに提供されるガスのパラメータであり得る。
【0211】
1つ又は複数の治療パラメータは治療湿度レベルであり得る。治療湿度レベルは、ユーザに提供されるガスの湿度を示す測度であり得る。例えば、治療湿度レベルはガスの相対湿度、絶対湿度、及び/又は露点であり得る。
【0212】
装置は、鼻ハイフロー(NHF)療法、持続陽圧呼吸(CPAP)療法、非侵襲的補助換気(NIV)及びバブル持続陽圧呼吸(BCPAP)療法の何れの組合せも提供し得る。装置は、各治療タイプに関連付けられる1つ又は複数の制御モードを含み得る。制御モードは、装置に接続されるコンポーネントに応じて(例えば、装置に接続されるチューブ及び/又は患者インタフェースの種類に応じて)ユーザによって手作業で選択されるか、自動的に選択され得る。各制御モードは、装置のコンポーネント(例えば、気流発生器、加湿器ヒータ310、又は導管ヒータ16a)を制御するための、それぞれに関連する制御スキームを有し得る。
【0213】
NHF療法のための1つ又は複数の治療パラメータは、
ユーザに提供されるガスの治療流量、
治療湿度レベル(例えば、相対若しくは絶対湿度、又は露点)、
ユーザに提供される治療酸素濃度、
ユーザに提供される補助ガスの治療濃度、
治療に提供されるガスの治療温度(例えば)
の何れかの組合せを含み得る。
【0214】
BCPAP療法のための1つ又は複数の治療パラメータは、
ユーザに提供されるガスの治療流量
治療湿度レベル(例えば、相対若しくは絶対湿度、又は露点)
ユーザに提供される治療酸素濃度
ユーザに提供される補助ガスの治療濃度
ユーザに提供されるガスの治療温度
の何れの組合せも含み得る。
【0215】
CPAP療法のための1つ又は複数の治療パラメータは、
治療湿度レベル(例えば、相対若しくは絶対湿度、又は露点)
ユーザに提供される治療酸素濃度
ユーザに提供されるガスの治療温度
ユーザに提供される補助ガスの治療濃度
ユーザに提供される圧力サポート(例えば、CPAP圧力)の治療レベル
ユーザに提供される治療PEEP圧力
の何れの組合せも含み得る。
【0216】
バイレベル療法、即ちNIV療法のための1つ又は複数の治療パラメータは、
治療湿度レベル(例えば、相対若しくは絶対湿度、又は露点)
ユーザに提供される治療酸素濃度
ユーザに提供されるガスの治療温度
ユーザに提供される補助ガスの治療濃度
ユーザに提供される治療IPAP/EPAP圧力(吸気時の気道内陽圧/呼気時の気道内陽圧)
の何れの組合せも含み得る。
【0217】
治療温度は、チャンバ出口における治療温度及び/又は呼吸導管の端における治療温度を含み得る。
【0218】
治療湿度は、チャンバ出口における、又は呼吸導管の端におけるものであり得る。
【0219】
治療湿度レベルは、摂氏約27度~摂氏約40度、若しくは摂氏約29度~摂氏約39度、若しくは摂氏約31度~摂氏約38度、若しくは摂氏約37度の露点又は、約38mgH20より高い、若しくは約44mgH2Oまでの絶対湿度であり得る。
【0220】
ユーザに湿度を提供することによって、治療に対する患者の快適さとコンプライアンスが増す。湿度の提供はまた、粘膜輸送を改善するという追加の利益も提供し、これは閉塞性肺疾患患者において有益であり、これらの治療の快適さ及び、したがってコンプライアンス/受容が向上する。
【0221】
ユーザは、ユーザインタフェースを介して1つ又は複数の治療パラメータを入力し得る。
【0222】
所望の温度は、呼吸導管16の端におけるもの、患者インタフェースにおけるもの、ガス出口におけるもの、湿度チャンバ出口、装置の何れかのセンサにおけるもの、及び/又はそれらの何れかの組合せであり得る。
【0223】
1つ又は複数の温度セットポイントは、
所望の露点(例えば、所望の湿度を示す温度)
所定の露点
所定の温度
所望の温度
のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0224】
幾つかの構成では、コントローラ13は、呼吸導管16のヒータ16aを患者インタフェースにおけるガスの所望の温度及び/又は呼吸導管16の端における所望の温度に基づいて制御し得る。
【0225】
装置は、主電源により電源供給され得る(例えば、送電網、又は例えばポータブル発電機、分散型電源、及び/若しくは病院のバックアップ発電機等の非ポータブル発電機とのワイヤ接続)。
【0226】
主電源は、装置の動作地域に応じて電圧レベル約100~約240VRMS、約50~約60HzのAC電源であり得る。
【0227】
幾つかの構成では、主電源は装置に電気ソケット114を介して接続されるように構成された何れの電源でもあり得る。
【0228】
幾つかの構成では、主電源は、(例えばバッテリのように)エネルギ可用性及び/又は能力の制約を持たない何れの電源も含み得る。
【0229】
装置は、非ピーク電力限定電源又はピーク電力限定電源(例えば、バッテリ)によって電源供給され得る。この文脈でのピーク電力限定とは、装置が、より高い電力需要の遷移モーメント中であってもフルに動作するために必要とするピーク電力を指す。
【0230】
装置は、内蔵電源又は外部電源によって電源供給され得る。
【0231】
幾つかの構成では、例えば
図3に示されるように、装置はバッテリモジュールの一部として少なくとも1つのバッテリ125を(任意選択によりバッテリカバー126と共に)含み得る。バッテリモジュールは、装置の筐体内に配置され、及び/又は装置の筐体の外に取り付けられ得る(
図3に示される)。バッテリという用語が本明細書中で使用される場合、これはバッテリ自体又はバッテリを含むバッテリモジュールを指し得ると理解されたい。
【0232】
幾つかの構成では、バッテリは取り外し可能(
図3に示される)であり、任意選択により装置10に接続可能且つそこから切断可能である。代替的に、バッテリは取り外し不能である。
【0233】
幾つかの構成では、バッテリは気流発生器及び/又は加湿器と同じ筐体の一部として提供される。幾つかの構成では、バッテリは気流発生器及び/又は加湿器と同じ筐体に接続可能且つそこから切断可能に提供され得る。
【0234】
バッテリを筐体の一部として、又は筐体に接続可能且つそこから切断可能とすることにより、他の装置(例えば、ベンチレータ等のより大型の装置や、持ち運ぶことのできない外部バッテリ電源を有するもの)と異なり、装置をポータブルとし得る。前述のように、装置の可搬性により在宅医療における装置の有用性が増大し得て、これは、装置を使用者の家庭内でより容易に移動できるからである。病院では、可搬性によって治療装置を病院内で患者と共に移動させることができ、それによって患者は移動中も引き続き治療を受けることができる。
【0235】
バッテリモジュールはバッテリ電源であり得る。
【0236】
バッテリ125は、電流(すなわち、エネルギ)を提供する複数のセルを含み、その端子に電圧(すなわち、起電力)を有し得る。
【0237】
バッテリモジュールは、バッテリ検出ピン及び/又はバッテリ検出ポートを含み得る。バッテリ検出ピン及び/又はバッテリ検出ポートは、バッテリが接続される装置と通信するように構成され得る。バッテリ検出ピンは、バッテリ検出ピンに接続されたプルアップ又はプルダウン抵抗を含み得る。
【0238】
バッテリモジュールは、1つ又は複数のメモリ素子を含み得て、1つ又は複数のメモリ素子は1つ又は複数のバッテリパラメータを記憶するように構成される。
【0239】
バッテリパラメータは、バッテリに、又はバッテリ125が複数のバッテリを含む場合はバッテリ125を構成する1つ又は複数のバッテリに関係し得る。
【0240】
幾つかの構成において、バッテリパラメータは、バッテリのあるバッテリの1つ又は複数のセルに関係し得る。
【0241】
バッテリパラメータは、
a)バッテリ使用期限
b)バッテリセル状態
c)バッテリ充電状態
d)充電放電サイクル数
e)バッテリ容量
f)バッテリ電圧
g)バッテリの現在の出力
h)バッテリ温度
i)a)~h)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0242】
装置10は、電源コードを装置に接続して、電力を主電源から装置に提供するように構成された電気ソケット114を含み得る。
【0243】
電源コードは電気ソケット114に取り外し可能に接続され、それによって電源コードが使用中に損傷した場合に、装置10の配線をし直すことなく、それを交換できる。
【0244】
装置10は、
図3に示されるように電源コードリテーナ351を含み得る。電源コードリテーナ351は、バッテリ125(例えば、バッテリモジュールとしての)のバッテリカバー126に接続され得て、組立中、電源コードは電源コードバッテリカバー126の後に装置10に取り付けられ、電源コードリテーナ351は最後に取り付けられる。代替的に、電源コードリテーナ351は筐体100の別の部分にも接続できる。
【0245】
装置は、装置がバッテリで動作しているか、又は主電源で動作しているかを検出するように構成され得る。
図4及び4Aに示されるように、装置10は電源検出回路510を含み得る。電源検出回路510は、電圧検出回路及び/又は1つ以上の電流検出回路のうちの1つ又は複数を含み得る。電源検出回路510は、バッテリ125及び主電源501からの電力を通過するように示されているが、これはハイレベル図であり、幾つかの実施例では、電源検出回路510は制御回路構成を適当な電源に接続するように構成された1つ又は複数のスイッチを含み得ると理解されたい。
【0246】
装置10は、主電源が検出されない場合、バッテリ電源で動作するように構成され得る。
【0247】
装置は、ユーザからの(任意選択によりユーザインタフェースを介した)入力に基づいてバッテリ電源(例えば、バッテリ125)で動作するように構成され得る。この場合、電源検出回路510は、バッテリ125が検出された場合のみ、ユーザがバッテリを電源として選択できるようにし得る。
【0248】
装置は、バッテリ125を充電するように構成されたバッテリ充電器を含み得る。装置は、装置が主電源によって電源供給され(及び、任意選択により、主電源の電圧が閾値、例えば110V又は230Vを超え)、バッテリがフル充電されていない(及び、任意選択により、バッテリ残量が残量閾値、例えば95%を下回った)ときにバッテリを充電するように構成され得る。
【0249】
バッテリモジュールは、前述のようにコントローラ13に1つ又は複数のバッテリパラメータを通信し得る。
【0250】
幾つかの構成では、バッテリはコントローラ13と通信して、バッテリ125のフル充電状態までのバッテリ充電器による充電を要求し得る。幾つかの構成では、バッテリモジュールは、1つ又は複数のバッテリパラメータをモニタするバッテリモニタを含む。
【0251】
幾つかの構成では、バッテリの充電及びモニタはバッテリパック内の回路構成により行われる。幾つかの構成では、バッテリの充電及びモニタは装置内の回路構成により行われる。
【0252】
装置10は、装置に電力を提供するように構成された電源レールを含み得る。
【0253】
装置10は、主電源変換回路を含み得る。
【0254】
主電源変換回路は、例えば
図5Bに示されるように、装置に電力を提供するために主電源を電源レール電力(例えば、電源レール電圧)に変換するように構成され得る。
【0255】
幾つかの構成では、装置、又は装置の少なくとも幾つかのコンポーネントは主電源により直接電源供給され得る。
【0256】
主電源変換回路構成は、1つ又は複数のスイッチモード電源(又は、例えば他の何れかのAC-DCコンバータ)を含み得る。
【0257】
主電源変換回路は、主電源を低DC電圧(任意選択により、約3ボルトDC~約60ボルトDC)に変換するように構成され得る。
【0258】
装置10はバッテリ変換回路を含み得る。
【0259】
バッテリ変換回路は、例えば
図5Bに示されるように、バッテリの出力を装置に電源供給する電源レール(例えば、電源レール電圧)に変換するように構成され得る。
【0260】
バッテリ変換回は、バッテリを低DC電圧(任意選択により、約3ボルトDC~約60ボルトDC)に変換するように構成され得る。
【0261】
バッテリ変換回路は、バッテリ及び装置の混和ポーネントの特性に応じて、バッテリ出力電圧を増減させるように構成され得る。
【0262】
バッテリ変換回路はDC-DCコンバータを含み得る。
【0263】
幾つかの構成では、バッテリ変換回路は、
a)ステップダウンコンバータ
b)DC-DCコンバータ
c)ステップアップコンバータ
d)ブーストコンバータ
e)ハーフブリッジコンバータ
f)フライバックコンバータ
g)プッシュ-プルコンバータ
h)スイッチングコンバータ
i)スイッチングレギュレータ
j)リニアレギュレータ
k)リニアコンバータ
l)降圧型コンバータ
m)変圧器
n)a)~m)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0264】
主電源変換回路及び/又はバッテリ変換回路は、装置がどの電源を使用しているかに応じて、装置及び/又は装置の1つ以上のコンポーネントに電力を提供し得る。
【0265】
幾つかの構成では、デジタル制御回路及びアナログ制御回路は、電源レールからヒータに電力を提供する。
【0266】
例えば
図2に示されるように、酸素入口ポート28はバルブ1003を含み、それを通じて、加圧されたガスが呼吸療法装置10に入り得る。バルブは、呼吸療法装置10への酸素フローを制御できる。バルブは何れの種類のバルブとすることもでき、これには比例バルブ又はバイナリバルブが含まれる。
【0267】
酸素源は、酸素ボンベ又は病院の酸素供給源とすることができる。医療用酸素は典型的に、95%~100%の純度のものである。これより低純度の酸素源もまた使用できる。バルブモジュール及びフィルタの例は、2016年10月18日に出願された、"Valve Modules and Filter"と題する米国仮特許出願第62/409,543号及び2017年4月23日に出願された、"Valve Modules and Filter"と題する米国仮特許出願第62/488,841号において開示されており、両仮出願の全体を参照によって本明細書に援用する。
【0268】
呼吸補助装置10は、患者に送達中のガスの酸素含有量、したがって患者が吸い込むガスの酸素含有量を測定し、制御できる。
【0269】
呼吸補助装置10はハイフロー療法を提供し得て、この場合、送達されるガスの高流量が患者のピーク吸気需要を満たすか、それを超える。
【0270】
フロー、温度、湿度、及び/又は圧力センサ等の動作センサ3a、3b、3cは、呼吸補助装置10内の様々な場所に設置できる。追加のセンサ(例えば、センサ20、25)は、呼吸導管16及び/又は患者インタフェース17の様々な場所に設置され得る(例えば、吸気チューブの端に、又はその付近に温度センサ29があり得る)。
【0271】
呼吸療法装置10は、コントローラ13がセンサから信号8を受信し、及び/又は呼吸補助装置10の、気流発生器11、加湿器12、ヒータ16a、加湿器ヒータ、又は呼吸補助装置10に関連付けられる付属品若しくは周辺機器を含むがこれらに限定されない各種のコンポーネントを制御することができるようにする通信モジュール15を有し得る。追加的又は代替的に、通信モジュール15は、データをリモートサーバに送達し、又は呼吸療法装置10若しくは呼吸療法システム1の遠隔制御を可能にし得る。
【0272】
通信モジュールは送信器、受信器、及び/又はトランシーバを含み得る。
【0273】
通信モジュール15は、ネットワークインタフェースとして(例えば、モデムとして)機能し得る。
【0274】
通信モジュール15は、当業界で知られている1つ又は複数の通信プロトコル、例えばWi-Fi、Bluetooth、Zigbee、セルラー(3G、4G、又は5G等)を使用し得る。
【0275】
通信モジュール15によって、装置と移動機器(例えば、Bluetooth又はWi-Fiを介して電話又はタブレット)との間の通信が可能となり得る。
【0276】
通信モジュールは、通信プロトコルごとに、又は通信プロトコル群ごとに複数の別々の送信器、受信器、及び/又はトランシーバを含み得る。
【0277】
通信モジュール15は、後でより詳しく説明するように、データを送信し、1つ又は複数の機器(例えば、サーバ)からデータを受信するように構成され得る。
【0278】
幾つかの構成では、1つ又は複数の漏れ若しくは閉塞イベント、又はアラーム(後でより詳しく説明する)が1つ又は複数のサーバ及び/又は機器(例えば、コンピュータ、電話、又はタブレット)に送信され得る。イベント又はアラームに関連する追加の情報(例えば、時刻、持続時間、又は重大度)が追加でサーバ及び/又は機器に送信され得る。
【0279】
前述のように、呼吸補助装置10は、患者に送達中のガスの酸素含有量を測定し、制御できる。酸素は、酸素と周囲空気が混合された後に、1つ又は複数のガス組成センサ(超音波トランスデューサシステム等)を設置することによって測定され得る。測定は、呼吸療法装置10、患者呼吸導管16、患者インタフェース17内で、又は他の何れかの適当な場所で行うことができる。
【0280】
装置内で測定される酸素濃度は、投与濃度(FdO2)と等価であり得、患者が呼吸する酸素濃度、すなわち吸入酸素濃度(FiO2)と実質的に同じであり得、そのため、これらの用語は等価とみなされ得る。
【0281】
酸素濃度はまた、周囲空気入口導管、酸素出口導管、及び患者呼吸導管のうちの少なくとも2つにある流量センサを使って測定され、少なくとも2つのガスの流量が特定され得る。両方の入口ガス又は1つの入口ガスと1つの総流量を特定することによって、入口ガスの想定上の又は測定された酸素濃度(周囲空気は約20.9%、酸素は約100%)も考慮して、最終ガス組成の酸素濃度を計算できる。代替的に、流量センサは、周囲空気入口導管、酸素入口導管、及び呼吸導管の3つ全てに設置して、冗長性を持たせ、各センサが正確に作動していることを読み取り値の一貫性をチェックすることによってテストできるようにすることが可能である。呼吸補助装置10によって送達される酸素濃度を測定するその他の方法も使用できる。
【0282】
呼吸補助装置10は、パルスオキシメータ又は患者モニタシステム等の患者センサ26を含み、患者の1つ又は複数の生理学的パラメータ、例えば患者の血中酸素濃度(例えば、血中酸素飽和度(SpO2))、心拍数、呼吸数、潅流指数を測定し、信号品質の指標を提供できる。センサ26は、有線接続を通じて、又はセンサ26上の無線送信器を通じた通信によってコントローラ13と通信できる。センサ26は、患者の手指に接続されるように設計された使い捨ての粘着式センサであり得る。センサ26は、使い捨てではないセンサ(すなわち、再使用可能センサ)であり得る。異なる年齢グループ向けの、及び患者の様々な部位に接続されるように設計されたセンサが入手可能であり、呼吸補助システム1に使用できる。パルスオキシメータは、患者の体表、典型的にはその手指に取り付けることができるが、耳たぶ等の他の場所も選択できる。パルスオキシメータは、呼吸療法装置10のプロセッサに接続でき、患者の血中酸素濃度を示す信号を常に提供できる。患者センサ26は、ホットスワップ可能な機器とすることができ、これは呼吸補助装置10の動作中に取り付け、又は交換できる。例えば、患者センサ26は、USBインタフェースを使って、又は無線通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標))を使って呼吸補助装置10に接続し得る。
【0283】
患者センサ26が動作中に切断されると、呼吸補助装置10は所定の時間にわたり、そのそれ以前の動作状態で動作を続け得る。規定の時間が経過すると、呼吸補助装置10はアラームをトリガし、自動モードからマニュアルモードに切り替わり、及び/又は制御モード(例えば、自動モード又はマニュアルモード)を完全に終了する。患者センサ26は、ベッドサイドモニタリンクシステム又は、物理若しくは無線インタフェースを通じて呼吸補助装置10と通信するその他の患者モニタシステムであり得る。
【0284】
呼吸補助装置10は、ハイフロー療法装置を含むか、その形態であり得る。
【0285】
本明細書で論じるハイフロー療法は、当業者により理解されているその典型的な通常の意味を有することが意図されており、これは一般に、加湿された呼吸ガスの標的フローを意図的に非密閉型の患者インタフェースを介して、一般的に患者の吸気流量に合う、又はそれを超える流量で送達する呼吸補助装置を指す。典型的な患者インタフェースとしては、鼻又は気管患者インタフェースが含まれるが、これらに限定されない。成人用の典型的な流量は、多くの場合、約15リットル毎分~約60リットル毎分以上の範囲であるが、これに限定されない。小児患者(例えば、新生児、乳児、幼児)の典型的な流量は、多くの場合、患者の体重1キログラムあたり約1リットル毎分~患者の体重1キログラム当たり約3リットル毎分以上の範囲であるが、これに限定されない。ハイフロー療法はまた、任意選択により、補助酸素及び/又は治療薬の投与分を含むガス混合組成物を含むことができる。ハイフロー療法は、多くの場合、鼻ハイフロー(NHF)、加湿ハイフロー鼻カニューレ(HHFNC)、ハイフロー鼻酸素(HFNO)、ハイフロー療法(HFT)、又は気管ハイフロー(THF)その他の一般的な名称で呼ばれる。
【0286】
例えば、幾つかの構成において、成人患者の場合、「ハイフロー療法」とは、約10リットル毎分(10LPM)より高いか、それと等しい、例えば約10LPM~約100LPM、又は約15LPM~約95LPM、又は約20LPM~約90LPM、又は約25LPM~約85LPM、又は約30LPM~約80LPM、又は約35LPM~約75LPM、又は約40LPM~約70LPM、又は約45LPM~約65LPM、又は約50LPM~約60LPMの流量で患者にガスを送達することを指し得る。幾つかの構成では、新生児、乳児、又は幼児患者の場合、「ハイフロー療法」とは、1LPMより高い、例えば約1LPM~約25LPM、又は約2LPM~約25LPM、又は約2LPM~約5LPM、又は約5LPM~約25LPM、又は約5LPM~約10LPM、又は約10LPM~約25LPM、又は約10LPM~約20LPM、又は約10LPM~15LPM、又は約20LPM~25LPMの流量で患者にガスを送達することを指し得る。成人患者、新生児、乳児、又は幼児患者のハイフロー療法装置は、幾つかの構成において、約1LPM~約100LPMの流量で、又は上述の小範囲の何れかの流量で患者にガスを送達する。送達されるガスは、酸素を一部含み得る。幾つかの構成において、送達されるガスの酸素のパーセンテージは、約20%~約100%、又は約30%~約100%、又は約40%~約100%、又は約50%~約100%、又は約60%~約100%、又は約70%~約100%、又は約80%~約100%、又は約90%~約100%、又は約100%、又は100%であり得る。
【0287】
ハイフロー療法は、患者の吸気流量と合うか、これを超え、患者の酸素化を増大させ、及び/又は呼吸労作を軽減させるのに有効であり得る。
【0288】
ハイフロー療法は、患者の鼻孔に、及び/又は口から、又は気管切開インタフェースを介して行われ得る。
【0289】
ハイフロー療法は、鼻咽頭の洗浄効果を生じさせ得て、上気道の解剖学的死腔が高流量の流入ガスにより洗浄される。これによって、毎回の呼吸に使用できる新鮮なガスの貯蔵部が作られるのと同時に、窒素及び二酸化炭素の再呼吸を減らすことができる。吸気需要を満たし、気道を洗浄することは、患者のFdO2を制御する際にさらに重要である。ハイフロー療法は、例えば鼻カニューレ等の非密閉型患者インタフェースで送達できる。ハイフロー療法は、患者の呼吸数を低下させ得る。ハイフロー療法は、患者に呼気抵抗を提供し得る。
【0290】
ハイフロー療法は、閉塞性肺疾患、例えばCOPD、気管支拡張症、呼吸困難、嚢胞性繊維症、肺気腫の患者及び/又は呼吸窮迫症患者若しくは高炭酸ガス血症患者の治療に使用され得る。
【0291】
「非密閉型患者インタフェース」(すなわち、密閉されない患者インタフェース)という用語は、本明細書で使用されるかぎり、患者の気道とガスフロー源(例えば、気流発生器11から)との間の空気連結を提供する、患者の気道を完全には塞がないインタフェースを指すことができる。密閉されない空気連結は、患者の気道の約95%未満の閉塞を含むことができる。密閉されない空気連結は、患者の気道の約90%未満の閉塞を含むことができる。密閉されない空気連結は、患者の気道の約40%~約80%の閉塞を含むことができる。気道は、患者の片方又は両方の鼻孔及び/又はその口を含むことができる。鼻カニューレの場合、気道は鼻孔を通る。
【0292】
幾つかの構成では、「非密閉型患者インタフェース」は期間インタフェースを含み得る。
【0293】
CPAP療法は、持続的陽圧(及び、任意選択により、上で詳しく説明したような1つ又は複数の治療パラメータ)でユーザにガスを提供することを含み得る。
【0294】
BCPAP療法は、治療流量(及び、任意選択により、上で詳しく説明したような1つ又は複数の治療パラメータ)でユーザにガスを提供することを含み得る。
【0295】
バイレベル療法は、IPAP又はEPAP治療(及び、任意選択により、上で詳しく説明したような1つ又は複数の治療パラメータ)でユーザにガスを提供することを含み得る。
【0296】
密閉型インタフェースは、装置がCPAP、バイレベル、又はBCPAP療法を提供する際に使用され得る。
【0297】
気流発生器11は、ブロワモジュールであるか、それを含むことができる。ブロワモジュールは前記ガスフローを発生させるように構成された少なくとも1つのブロワ11'を含み得る。
【0298】
気流発生器11は周囲空気入口ポート27を含むことができ、それを通って周囲の室内気をブロワに取り込むことができる。呼吸補助装置10はまた、酸素入口ポート28も含み得て、それがバルブにつながり、そこを通って加圧ガスが気流発生器11に入り得る。バルブは、気流発生器11への酸素フローを制御できる。バルブは、比例バルブ又はバイナリバルブを含む何れの種類のバルブとすることもできる。
【0299】
ブロワ11'は、約1,000RPM超、約8,000RPM未満、約2,000RPM超、約10,000RPM未満、又はこれらの値のうちの何れかの間のモータスピードで動作できる。ブロワ11'は、ブロワ11'にガス入口(例えば、周囲空気入口ポート27及び/又は酸素入口ポート28)から入るガスを混合できる。ブロワ11'をミキサとして使用することにより、別のミキサ、例えばバッフルを含むスタティックミキサを備えるシステムと比べて、圧力低下を小さくすることができる。
【0300】
呼吸補助装置は、ガス組成センサをさらに含み得る。ガス組成センサは、後述のセンサ(例えば、超音波トランスデューサの構成)であり得る。
【0301】
呼吸補助装置10は、流量センサを含む。流量センサは、患者への呼吸可能ガスフローの流量を測定するように構成され得る。
【0302】
コントローラ13は、1つ又は複数のプロセッサを含み得る。プロセッサは、コンピュータ可読命令で構成され得る。
【0303】
コントローラ13は、少なくとも1つのメモリ素子を含み得る。メモリ素子は、前記コンピュータ可読命令を記憶するように構成され得る。
【0304】
メモリ素子は、非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。
【0305】
コントローラ13は、マイクロプロセッサ又はASIC、FPGA、又はICs若しくはマイクロプロセッサの組合せ、又はその他の適当なコンポーネント及び/又はアーキテクチャであり得る。
【0306】
呼吸補助装置は、アラーム出力を表示するように構成された少なくとも1つの表示モジュールを含み得る。
【0307】
呼吸補助装置は、音声アラームを発するように構成された少なくとも1つの音声モジュールを含み得る。
【0308】
幾つかの構成では、少なくとも1つの音声モジュールはスピーカを含み得る。
【0309】
表示モジュールは、少なくとも1つのディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、又は発光ダイオード(LED)ディスプレイであるが、何れの表示技術も使用し得ると理解されたい)を含み得る。
【0310】
表示モジュールは、システムへの入力を受け取るように構成され得て(例えば、タッチスクリーンとして)、したがって、ユーザインタフェース14の少なくとも一部、又は表示部であり得る。
【0311】
表示モジュールは、入力/出力(I/O)モジュールとして構成され得る。例えば、表示モジュールは、ユーザからの入力を受け取り、ユーザに出力を提供するように(例えば、ユーザインタフェース14の一部として、又は表示部に)構成され得る。
【0312】
表示モジュールは、コントローラ13と通信し得る。幾つかの構成では、表示モジュールはコントローラ13に情報(例えば、セットポイント)を提供し得る。幾つかの構成では、表示モジュールはコントローラ13から情報(例えば、アラーム、センサ出力、及び/又はその他の計算された可変値)を受け取り得る。
【0313】
フロー療法装置の幾つかの例は、2016年12月2日に出願された、"Flow Path Sensing for Flow Therapy Apparatus"と題する国際出願第PCT/NZ2016/050193号及び2016年6月24日に出願された、"Breathing Assistance Apparatus"と題する国際出願第PCT/IB2016/053761号において開示されており、両出願の全体を参照によって本明細書に援用する。
【0314】
例えば
図2に示されるように、呼吸補助装置は筐体100を含む。筐体100は、筐体上側胴部102及び筐体下側胴部202を有する。しかしながら、幾つかの構成では、筐体は幾つかのコンポーネントを有していてもよいと理解されたい。
【0315】
例えば、
図6に示されるように、装置10はバルブモジュールを含み得て、これは装置10のガス流路に入る酸素及び/その他のガスを制御し、装置10が気流内に取り込まれる酸素の割合を調整できるようにする。バルブモジュールは、製造、組立、点検修理、又は交換が容易になるようにモジュール式ユニットとして形成される。例えば、異常、定常メンテナンス、又は将来のアップグレード/改良の場合。
【0316】
バルブモジュールは、治療酸素濃度でユーザに提供されるガスの酸素濃度を制御すべく動作するように構成され得る。
【0317】
装置10はフィルタモジュール1001を含み得て、これはフィルタを含み得る。
【0318】
本明細書に記載のフィルタモジュールとバルブモジュールは、装置のための変化するガス流路を提供し得る。例えば、バルブモジュールは、装置のガス流路に入る酸素フローを、バルブモジュール及びフィルタモジュールを介して制御し得る。代替的に、バルブモジュールは、代替用の酸素源をフィルタモジュールに代替用供給入口を介して直接接続することによって迂回され得る。これは、ユーザが酸素供給をマニュアルで(すなわち、壁取り付け供給源ロタメータによって)調整したい場合に実践的であり得る。
【0319】
本明細書に記載のフィルタモジュールとバルブモジュールは、ガスフローを送達するために装置において別々に使用され得ると理解されたい。代替的に、フィルタとバルブモジュールは、機能性を高めるためにフィルタ及びバルブアセンブリとして併用され得る。
【0320】
図の構成において、装置10は酸素を、
バルブモジュールを介して(装置による自動酸素調整のため)又は
フィルタの上部に提供された代替用ガス入口を介して(マニュアルで調整可能な酸素源の取り付けが可能となる-例えば調整器により調整される壁取り付け供給源等)
の少なくとも一方により受け取る。
【0321】
幾つかの構成では、代替的なガス入口には酸素以外の治療ガス(例えば、ヘリオックス)が提供され得る。
【0322】
装置10は、マニホルドを含み得る。マニホルドは筐体上に配置され得る。マニホルドは、酸素入口、代替用ガス入口、及び/又は空気入口のうちの1つ又は複数を提供し得る。
【0323】
マニホルドは、酸素、代替ガス、及び/又は周囲空気をバルブモジュール、フィルタモジュール、及び/又は気流発生器のブロワに提供し得る。
【0324】
マニホルドはブロワの上流に提供され得る。
【0325】
酸素入口又は代替ガス供給入口は、マニホルドの片側に提供され得る。
【0326】
マニホルドにより、余剰の酸素を周囲環境に溢れさせることが可能となり得、及び/又は、ブロワがオフで、酸素が供給され続けている場合に、酸素を周囲環境に溢れさせることが可能となり得る。これによって、筐体内のO2の蓄積が防止される。
【0327】
マニホルドは、酸素及び/又は代替的なガスと空気と混合するのを助ける1つ又は複数のバッフルを含み得る。
【0328】
マニホルドはまた、それぞれの入口からの酸素及び/又は代替的なガス及び/又は空気をフィルタにかけるように構成されたフィルタを含み得る。
【0329】
記載されている様々な構成は例示的な構成にすぎない。これらの構成のうちの何れの、何れの1つ又は複数の特徴も、他の構成の何れの、何れの1つ又は複数の特徴とも組み合わせて使用され得る。
【0330】
幾つかの構成では、モータ及び/又はセンササブアセンブリ(例えば、1つ又は複数のセンサを含む)は筐体内に配置され得る。
【0331】
モータ及び/又はセンササブアセンブリは、筐体の下面の凹部内に配置され得る。凹部は代替的に、筐体の後面、側面、前面、又は上面にあり得る。空気及び/又は酸素入口もまた、必要に応じて異なる場所に位置付け得る。
【0332】
他の例として、加湿チャンバ及びチャンバベイが、加湿チャンバが筐体の前面からチャンバベイに挿入され、そこから取り外されるように構成されるのではなく、構成は、加湿チャンバが筐体の側面、背面、又は上面からチャンバベイに挿入され、そこから取り外されるようにすることもできる。
【0333】
他の例として、フィルタモジュールは上から筐体に挿入され、バルブモジュールは下から筐体に挿入されるように説明されているが、これらのコンポーネントの一方又は両方は、上方部分、下方部分、側方部分、前方部分、又は後方部分等、筐体の何れの適当な部分に挿入することもできる。
【0334】
フィルタモジュール及びバルブモジュールは、加熱及び加湿されたガスを患者又はユーザに送達できる呼吸補助装置に関して説明されている。
【0335】
フィルタモジュール及び/又はバルブモジュールは代替的に、加湿器を必要としない装置でも使用され得て、したがって、加湿チャンバを必要としない。例えば、モータ及びガス流路を電気及び電子コンポーネントから隔離する構成は他の種類のガス送達装置において広く利用されることがわかるであろう。
【0336】
前述のように、装置はバッテリ又は主電源により電源供給される(例えば、
図4及び
図4Aに示される)供給されるように構成される。
【0337】
コントローラ13は、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータを第一の制御スキーム及び第二の制御スキームにしたがって制御するように構成され得る。
【0338】
幾つかの構成では、コントローラ13は加湿器ヒータサブコントローラ及び/又は導管ヒータサブコントローラにコマンドを送信し得る。
【0339】
幾つかの構成では、第一の制御スキームは第一の電力制御スキームである。
【0340】
幾つかの構成では、第二の制御スキームは第二の電力制御スキームである。
【0341】
装置がバッテリ125によって電源供給される場合、コントローラは加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成される。
【0342】
幾つかの構成では、装置がピーク電力限定電源により電源供給される場合、コントローラは、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成される。
【0343】
幾つかの構成では、装置が内蔵電電によって電源供給される場合、コントローラは、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御するように構成される。
【0344】
後述の制御スキームは導管のヒータ及び加湿器のヒータの両方を指すが、これらは(後述のように療法ではなく)ヒータの一方のみにも同様に適用され得ると理解されたい。
【0345】
第一の制御スキームは、例えば
図5に示されるように、加湿器のヒータをデジタル制御(例えば、デジタル電力制御)によって制御することを含み得る。
【0346】
追加的又は代替的に、第一の制御スキームは、例えば
図5に示されるように、導管のヒータをアナログ制御(例えば、アナログ電力制御)によって制御することを含み得る。
【0347】
幾つかの構成では、第一の制御スキームは、例えば
図5Aに示されるように、加湿器のヒータをアナログ制御(例えば、アナログ電力制御)によって制御することを含み得る。
【0348】
装置が主電源によって電源供給される場合、コントローラは、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成される。
【0349】
幾つかの構成では、装置が非ピーク電力限定電源によって電源供給される場合、コントローラは、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成される。
【0350】
装置が外部電源によって電源供給される場合、コントローラは、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータを第二の制御スキームにしたがって制御するように構成される。
【0351】
第二の制御スキームは加湿器のヒータをデジタル制御によって制御することを含み得る。
【0352】
追加的又は代替的に、第二の制御スキームは導管のヒータをデジタル制御によって制御することを含み得る。
【0353】
第一の制御スキームは、加湿器のヒータに高周波数パルス幅変調信号を提供することを含み得る。
【0354】
第二の制御スキームは、加湿器のヒータに低周波数パルス変調信号を提供することを含み得る。
【0355】
高周波数パルス幅変調信号の周波数は低周波数パルス幅変調信号の周波数より高い。
【0356】
図5は、加湿器のヒータ及び導管のヒータを、装置がバッテリ125で動作しているか又は主電源で動作しているかに基づいて制御するために使用される第一の制御スキーム601及び第二の制御スキーム602の例を示す。
【0357】
第一の制御スキーム601は、加湿器ヒータを、高周波数パルス幅変調信号を提供することによるデジタル制御によって制御することを含む。第一の制御スキーム601は、導管ヒータを、アナログ制御信号(例えば、電圧信号)を提供することによるアナログ制御によって制御することをさらに含む。
【0358】
第二の制御スキーム602は、加湿器ヒータを、低周波数パルス幅変調信号を提供することによるデジタル制御によって制御することを含む。第二の制御スキーム602は、導管ヒータを、パルス幅変調信号(任意選択により、他の箇所に記載のように、低周波数パルス幅変調信号)を提供することによるデジタル制御によって制御することをさらに含む。
【0359】
図5Aは、装置がバッテリ125)で動作するか、又は主電源で動作するかに基づいて、加湿器のヒータ及び導管のヒータを制御するために使用される第一の制御スキーム601'及び第二の制御スキーム602'の代替的な例を示す。
【0360】
第一の制御スキーム601'は、加湿器ヒータを、アナログ制御信号を提供することによるアナログ制御によって制御することを含む。第一の制御スキーム601'は、導管ヒータを、アナログ制御信号(例えば、電圧信号)を提供することによるアナログ制御によって制御することをさらに含む。
【0361】
第二の制御スキーム602は、加湿器ヒータを、パルス幅変調信号(任意選択により、低周波数パルス幅変調信号)を提供することによるデジタル制御によって制御することを含む。第二の制御スキーム602は、導管ヒータを、パルス幅変調信号(任意選択により、他の箇所に記載の低周波数パルス幅変調信号)を提供することによるデジタル制御によって制御することをさらに含む。
【0362】
幾つかの構成では、
図8のステップ911に示されるように、装置が当初、電力限定電源、すなわちバッテリによって電源供給される場合(例えば第一の制御スキーム601、601'に入るとき)、装置は、
図8のステップ912に示されるように、加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータをディスエーブルするように構成され得る。
【0363】
加湿器ヒータ及び/又は導管をディスエーブルすることは、制御回路構成(例えば、アナログ制御回路構成及び/又はデジタル回路構成)をディスエーブルすること、及び/又はオフ制御信号を提供することのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0364】
装置が当初、電力限定電源によって電源供給されることは、装置がバッテリに切り替わるとき、例えば主電源が取り除かれたときであり得る。
【0365】
装置はすると(任意選択により、所定の時間後に)、
図8のステップ913に示されるように、加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータを所望の値(例えば、所望の電力、又は所望の治療パラメータに達するように)又は所望の値のパーセンテージに制御し得る。装置は、(加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータを、制御信号、例えばデジタル制御信号又はアナログ制御信号を増大させることによって、を所望の値に増大させることによって制御し得る。これによって、ヒータの起動がバッテリのピーク定格を超過することが防止される。
【0366】
装置は、加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータを所望の値又は所望の値のパーセンテージに所定の速度で、又はそれ未満で制御し得る。
【0367】
幾つかの構成では、
図9のステップ911に示されるように、装置が電力限定電源、すなわちバッテリによって電源供給される場合(例えば第一の制御スキーム601、601'に入るとき)、装置は、気流発生器(又は、任意選択により気流発生器のブロワ)への電力送達を加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータより優先させるように構成され得る。バッテリ電力定格は、気流発生器、加湿器ヒータ、及び導管ヒータに割り当てられ得る電力バジェットを設定し得る。電力バジェットは、
図8のステップ914に示されるように、加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータに優先して気流発生器に割り当てられ得る。
【0368】
例えば、バッテリの電力定格が100Wであり、ブロワ、加湿器ヒータ、及び導管ヒータの合算の所望の電力が100Wを超える場合、ブロワには加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータに優先して電力が割り当てられ得る。
【0369】
幾つかの構成では、加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータに送達される電力は、
図8のステップ915に示されるように、電力バジェットの残りの電力に基づき得る。電力バジェットの残りの電力は、気流発生器に(例えば、治療流量及び/又は治療圧力まで)電源供給するのに必要な電力より小さい電力バジェットであり得る。残りの電力が加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータの合算の所望の電力より大きい場合、装置は加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータに提供される電力を(任意選択により残りの電力バジェットまで)減少させるように構成され得る。
【0370】
例えば、残りの電力バジェットが60Wで、所望の電力が60Wを超える場合、加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータに送達される電力は60Wに減少させられ得る。
【0371】
幾つかの構成では、装置が電力限定電源、すなわちバッテリによって電源供給される場合(例えば、第一の制御スキーム601、601'に入るとき)、装置は、バッテリ残量が閾値に到達したときに加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータを(例えば、制御信号を定期用しない、及び/又はゼロ制御信号を提供することによって)ディスエーブルするように構成され得る。幾つかの構成では、閾値は約5%~約40%、又は約10%~約30%、又は約20%である。
【0372】
デジタル制御は、ON状態とOFF状態を有する信号を発生させることを含み得る。OFF状態信号レベルはグラウンド(すなわち0ボルト)であり得、ON状態信号レベルは供給電圧(例えば、すでにより詳しく説明した1つ以上のバッテリ変換回路及び/若しくは主電源変換回路からの供給電圧、並びに/又は1つ以上の電圧変換回路からの電圧)であり得る。すると信号はヒータに提供され得て、ヒータを制御する。
【0373】
ON状態は例えば、何れの適当な正又は負電圧であり得る。
【0374】
ON状態電圧の大きさは、予想される所望の電力需要範囲、ヒータの電気特性、及び/又はEMI要件内にとどめるための許容最大PWM周波数に基づいて選択できる。各種の装置はそれぞれ異なる供給電圧を有し得て、加熱コンポーネントへの電力供給のための供給電圧をステップアップ又はステップダウンし得ると理解されたく、この場合、ON状態はステップアップ又はステップダウンされた電圧に基づき得る。
【0375】
デジタル制御は、例えばパルス幅変調を含み得る(例えば、
図7A及び7Bに示される)。しかしながら、幾つかの構成では、デジタル制御はパルス密度変調(PDM)及びパルス周波数変調(PFM)を含み得ると理解されたい。
【0376】
アナログ制御は、アナログ制御信号を(例えば、変調電圧又は電流信号として)導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータに提供することであり得る。
【0377】
アナログ制御信号を提供することは、導管ヒータにこれを提供するアナログ信号を制御又は変調又は調整することを含み得る。アナログ信号が電圧信号である構成では、電圧信号は導管のヒータの端子に提供され得る。アナログ信号が電流信号である構成では、電流信号は導管のヒータに供給され得る。
【0378】
アナログ制御信号は、ヒータ及び/又はヒータの関連回路構成の1つ以上の電気特性に基づいて発生させ得ると理解されたい。例えば、電圧信号は、ヒータ及び/又はヒータの関連回路構成の抵抗及び/又は電流測定値に基づいて発生させ得る。
【0379】
アナログ制御は、連続(又は準連続)制御信号、例えば連続電圧信号又は連続電流信号を発生させることを含み得る。
【0380】
アナログ制御は、周期信号又は非周期信号を発生させることを含み得る。周期信号は、平滑(例えば、例えば
図7Eに示される正弦波信号)であっても、非平滑(例えば、例えば
図7Dに示される三角波)であってもよい。
【0381】
幾つかの構成では、アナログ電力制御は、アナログ制御信号として正弦波及び/又は変調正弦波を発生させることを含み得る。正弦波及び/又は変調正弦波は、ヒータに提供されることになる所望の電力に基づいて発生させ得る。
【0382】
発生された正弦波及び/又は変調正弦波の特性又パラメータは、ヒータに関する電圧及び/又は電流及び/又は電力需要に応じて変化し得る。例えば、波の振幅、大きさ、周波数、及び/又はDCオフセットを制御できる。
【0383】
アナログ制御信号は例えば、(例えば
図7Cに示されるように)0ボルトと供給電圧との間で変化する連続信号であり得、これは0ボルト又は供給電圧の何れかである離散値を有し得るデジタル制御信号とは対照的である。
【0384】
図7Cは、電圧信号としての例示的なアナログ制御信号を示す。他の箇所に記載されているように、アナログ制御信号は、コントローラによって特定の制御出力(すなわち、特定の電力送達及び/又は特定の治療パラメータ)に到達するように制御され得て、グラウンドと供給電圧との間で変化する。
図7Cに示される信号の幾つかの部分において、電圧は供給電圧とグラウンドに到達する。
【0385】
図7Dは、電圧信号としての他の例示的なアナログ制御信号を示す。
図7Dにおいて、アナログ制御信号は三角波である。幾つかの構成では、三角波は対称又は非対称の三角波であり得る。幾つかの構成では、三角波は鋸歯状波であり得る。
【0386】
図7Eは、電圧信号としての他の例示的なアナログ制御信号を示す。
図7Dにおいて、アナログ制御信号は正弦波である。
【0387】
デジタル制御パルス幅変調信号(例えば、低周波数パルス幅変調信号及び高周波数パルス幅変調信号)はグラウンド(すなわち、0ボルト)と供給電圧レベル(例えば、すでにより詳しく説明したように、1つ又は複数のバッテリ又は主電源変換回路からの供給電圧)との間で切り替わる周期的な方形波パルスのタイプの信号であり得る。
【0388】
図7A及び7Bは、それぞれ、及び相互に関する低周波数パルス幅変調信号及び高周波数パルス幅変調信号の例を示す。
【0389】
図7Aの低周波数パルス幅変調信号のデューティサイクルは約50%であり、
図7Bの高周波数パルス幅変調信号のデューティサイクルと同じである。しかしながら、(
図7Aの)低周波数パルス幅変調信号の周波数は(
図7Bの)高周波数パルス幅変調信号の周波数より低い。
【0390】
装置10のコントローラ13は、パルス幅変調信号のデューティサイクルを、
a)加湿器のヒータ又は導管のヒータを1つ又は複数の温度(例えば、ヒータの加湿器の温度)に到達するように制御し、
b)加湿器のヒータ又は導管のヒータを治療パラメータ(例えば、治療湿度レベル)に到達するように制御し、
c)加湿器のヒータ又は導管のヒータを1つ又は複数の所望の電力に到達するように制御する
ために制御するように構成され得る。
【0391】
これらの全てのケースにおける制御出力は電力(すなわち、0~100%のデューティサイクル)にできると理解されたい。
【0392】
前述のように、装置のヒータの制御は、デジタル制御又はアナログ制御により得る。
【0393】
【0394】
上述の制御方法の各々は、特定のヒータ及び特定装置について特定の利点と欠点を有し得る。
【0395】
例えば、前述のように、高周波数パルス幅変調は、低低周波数パルス幅変調又はアナログ制御(特に、導管のヒータに電力を提供するために使用される場合)と比較して、より多くのEMIを生じ得る。
【0396】
しかしながら、高周波数パルス幅変調は、特に適当なエネルギ貯蔵(例えば、容量性エネルギ貯蔵)とペアにされたときに、低周波数パルス幅変調と比較して、より低いピークパワー需要を有し得る。
【0397】
高周波数パルス幅は、加湿器のヒータに電源供給するために使用されたときに同じマイナスのEMI効果を持たず(アンテナ効果が小さいため)、ピーク電力需要が小さいことから、高周期数パルス幅変調が特定の状況において(例えば、ピーク電力限定電源-すなわちバッテリ)によって電源供給される場合に)使用するのに有利であり得る。
【0398】
アナログ制御に関して、アナログ制御はデジタル制御より小さいEMIを生じさせ得る。
【0399】
しかしながら、アナログ制御において、所望のアナログ信号を発生させるのに必要な制御回路構成は一般に、デジタル制御回路構成より高価で、より複雑であり、これは、それが典型的により多くの電気及び/又は電子コンポーネントを必要とするからである。アナログ制御はフルON状態とフルOFF状態との間で変化するデジタル制御信号を持たないため、アナログ制御において引かれる遷移ピーク電力はデジタル制御の場合より一般に小さく、これは、アナログ制御ではOFF状態からON状態への遷移にかかわる急激な突入電流を提供する必要がないからである。アナログ制御はまた、送達電力の変化率が低いより一貫した信号を提供し得て、それに対してデジタル制御では、切り換え中、送達電力の変化率がはるかに大きく、それによって電源で引かれるピーク電力がより大きくなり得る。
【0400】
各種のアナログ制御方法が開示されている。電圧変調によるアナログ制御は、ヒータに電圧信号を提供することにより得る。電流変調によるアナログ制御は、ヒータに電流信号を提供することにより得る。抵抗変調によるアナログ制御は、電圧源及びヒータを有する回路内のコンポーネントの抵抗を変化させることによって、ヒータに送達される電力を間接的に制御することにより得る。幾つかの構成では、コンポーネントは例えば、デジタル電位差計(又は他の電子的に制御可能な抵抗コンポーネント)であり得る。
【0401】
電圧変調によるアナログ制御には、制御回路構成内でのスイッチングコンポーネント(例えば、MOSFETs等のトランジスタ)の使用が必要となり得、それがEMIを発生させる(しかしながら、これは導管のヒータを制御する場合より一般的ではないことがあり、これはこのヒータの電力需要が加湿器のヒータより小さいからである)。
【0402】
電流変調によるアナログ制御には、追加のコンポーネント及びより複雑な制御が必要となり得、これがコンポーネントのコスト増大につながり得る。しかしながら、アナログ制御により、電源レールコンデンサの必要性が低下し得て、それによってコンポーネントのコストが削減され得る。
【0403】
抵抗変調によるアナログ制御には、追加のコンポーネント及びより複雑な制御が必要となり得、これがコンポーネントのコスト増大につながり得るが、制御回路構成内にスイッチングコンポーネントがないため、EMIの発生は他のアナログ制御方法より低いことがある。
【0404】
図4及び4Aに示されるように、装置10は導管ヒータアナログ制御回路構成512を含む。導管ヒータアナログ制御回路構成512は、例えば電圧変換(後でより詳しく説明する)を含み得る。導管ヒータアナログ制御回路構成512は、導管ヒータのためのアナログ制御信号を発生させるように構成される。幾つかの構成では、導管ヒータアナログ制御回路構成は、導管ヒータのためのアナログ制御信号をコントローラからの出力に基づいて変化させ得る。
【0405】
図4Aに示されるような代替的な構成では、装置10は加湿器ヒータアナログ制御回路構成514を含む。加湿器ヒータアナログ制御回路構成514は、例えば電圧コンバータ(後でより詳しく説明する)を含み得る。加湿器ヒータアナログ制御回路構成514は、加湿器ヒータのためのアナログ制御信号を発生させるように構成される。幾つかの構成では、加湿器ヒータアナログ制御回路構成は、加湿器ヒータのためのアナログ制御信号をコントローラからの出力に基づいて変化させ得る。
【0406】
コントローラからの出力は、所望のデューティサイクル、電力、温度、治療パラメータレベル等、又はそのパラメータにおける所望の変化であり得る。
【0407】
コントローラは、必要なアナログ制御信号を計算し得るか、又は所望の電力、温度、治療パラメータレベル等のみを提供し得て、アナログ制御回路構成がそれに応じて信号を調整する。アナログ回路構成はまた、現在の信号及び/又は現在の電力、温度、治療パラメータレベルからの所望の変化を受け取るようにも構成され得る。
【0408】
図4及び4Aに示されるように、装置10は導管ヒータデジタル制御回路構成513を含む。導管ヒータデジタル制御回路構成は、導管ヒータのためのパルス幅変調信号を発生させるように構成される。幾つかの構成では、導管ヒータデジタル制御回路構成は、導管ヒータのためのパルス幅変調信号のデューティサイクルをコントローラからの出力に基づいて変化させ得る。
【0409】
コントローラからの出力は、所望のデューティサイクル、電力、温度、治療パラメータレベル等、又はそのパラメータにおける所望の変化であり得る。
【0410】
コントローラは、必要なデューティサイクル自体を計算し得るか、又は所望の電力、温度、治療パラメータレベル等のみを提供し得て、デジタル制御回路構成がそれに応じてデューティサイクルを調整する。デジタル制御回路構成はまた、現在の信号及び/又は現在の電力、温度、治療パラメータレベルからの所望の変化を受け取るようにも構成され得る。
【0411】
図4及び4Aに示されるように、装置10は加湿器ヒータデジタル制御回路構成512を含む。加湿器ヒータデジタル制御回路構成511は、加湿器ヒータのためのパルス幅変調信号を発生させるように構成される。第一の制御スキームでは、加湿器ヒータデジタル制御回路構成511は低周波数パルス幅変調信号を発生させるように構成され、第二の制御スキームでは、加湿器ヒータデジタル制御回路構成511は高周波数パルス幅変調信号を発生させるように構成される。
【0412】
デジタル制御回路構成(例えば、導管ヒータデジタル制御回路構成513及び/又は加湿器ヒータデジタル制御回路構成511)は、1つ又は複数のスイッチング回路を含み得る。
【0413】
デジタル制御回路構成(例えば、導管ヒータデジタル制御回路構成513及び/又は加湿器ヒータデジタル制御回路構成511)は、1つ又は複数のパルス幅変調ドライバを含み得る。パルス幅変調ドライバは、加湿器ヒータ及び/又は導管ヒータに提供されるパルス幅変調信号を発生させるように構成される。
【0414】
パルス幅変調ドライバは、集積回路、離散コンポーネントの回路、又はその両方の組合せを含み得る。例えば、パルス幅変調ドライバは、制御回路、MOSFETゲートドライバ回路、及び/又は当業界で理解されている他の適当なPWMハードウェアを含むことができる。
【0415】
幾つかの構成では、加湿器ヒータデジタル制御回路構成511は、導管ヒータのためのパルス幅変調信号を発生させるように構成されたパルス幅変調ドライバを含み得る。
【0416】
幾つかの構成では、加湿器ヒータデジタル制御回路構成511は、高周波数パルス幅変調信号及び低周波数パルス幅変調信号を発生させるように構成されたパルス幅変調ドライバを含み得る。
【0417】
装置が導管のヒータを第二の制御スキームにしたがって制御しているとき、アナログ制御回路構成はディスエーブルされる。
【0418】
アナログ制御回路をディスエーブルすることは、この回路のための電圧源をオフに切り換えること及び/若しくはこの回路をバイパスすること、並びに/又はアナログ制御回路を短絡させること及び/若しくはアナログ制御回路をそれぞれのヒータから切断することを含み得る。
【0419】
装置が導管のヒータを第一の制御スキームにしたがって制御しているとき、導管パルス幅変調ドライバ回路構成はディスエーブルされる。
【0420】
導管パルス幅変調ドライバ回路構成をディスエーブルすることは、この回路のための電圧源をオフに切り換えること及び/若しくはこの回路をバイパスすること、並びに/又はこの回路を短絡させること及び/若しくはこの回路をそれぞれのヒータから切断することを含み得る。
【0421】
装置は1つ又は複数の電源レールコンデンサを含み得る。電源レールコンデンサは、
a)バッテリの出力に
b)主電源の出力に
c)バッテリの出力又は主電源変換回路出力の出力部のうちの1つ又は複数
d)a)~c)の何れかの組合せ
に配置されるように構成され得る。
【0422】
第一の制御スキームの低周波数パルス幅変調信号の周波数は約20Hz未満又は約20Hz~約1kHzであり得る。
【0423】
第二の制御スキームの高周波数パルス幅変調信号の周波数は約25kHz又は約1kHz~約50kHzであり得る。
【0424】
高周波数パルス幅変調信号の周波数は、低周波数パルス幅変調信号の周波数の約1250倍の高さであり得る。
【0425】
高周波数パルス幅変調信号の周波数は、低周波数パルス幅変調信号の周波数の約50~約2000倍の高さであり得る。
【0426】
コントローラ13は、パルス幅変調信号(任意選択により、低周波数パルス幅変調信号及び/又は高周波数パルス幅変調信号、すなわち
図5及び5Bに示される例における)のデューティサイクルを制御し得る。
【0427】
コントローラ13は、加湿器のヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御し得る。
【0428】
コントローラ13は、導管のヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御し得る。
【0429】
パルス幅変調信号のデューティサイクルの制御は、デジタル制御が使用される何れのスキームにおいても行われ得ると理解されたい。
【0430】
コントローラ13は、導管のヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを、加湿器のヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルとは別に制御し得る。
【0431】
コントローラ13は、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータに提供されるパルス幅変調信号(任意センタにより、低周波数パルス幅変調信号及び/又は高周波数パルス幅変調信号)のデューティサイクルを湿度制御アルゴリズムにしたがって制御し得る。
【0432】
湿度制御アルゴリズムは、米国特許第7,306,205号明細書又は同第8,616,202号明細書に記載されたものであり得、両特許を参照によって援用する。
【0433】
湿度制御アルゴリズムは、装置を制御して湿度を治療湿度レベルまで提供することを含み得る。幾つかの構成では、装置は、治療湿度レベルとして露点を制御するように構成され得る。
【0434】
幾つかの構成では、装置のコントローラは、導管のヒータ(例えば、ヒータプレート)の所望の温度を、加湿チャンバの上流の流量センサ、湿度センサ、及び温度センサの1つ又は複数に基づいて特定するように構成される。
【0435】
所望のヒータプレート温度は、加湿器のヒータに提供される電力を測定されたヒータプレート温度に基づいて制御するために使用され得る。
【0436】
幾つかの構成では、チャンバ出口温度センサもまた、ヒータプレート電力の閉ループ制御に使用され得る。
【0437】
幾つかの構成では、装置のコントローラは所望のチャンバ出口温度を、気温センサ、流量センサ、及び任意選択により加湿器パータ温度センサ、及び任意選択によりチャンバ出口センサに基づいて特定するように構成される。
【0438】
所望のチャンバ出口温度は、ヒータプレートへの電力を、測定されたチャンバ出口温度(例えば、チャンバ出口センサにより測定される)に基づいて制御するために使用され得る。
【0439】
幾つかの構成では、ヒータ導管(例えば、ヒータワイヤ)は導管端温度センサ(例えば、患者端温度センサ)に基づいて制御され得る。所望の導管端温度は、所望の湿度(例えば、治療湿度レベル)に基づいて特定され得る。1つの例では、導管端温度は、チャンバから出るガスの温度及び/又はチャンバから出るガスの露点(例えばチャンバ出口温度センサにより測定される)より少なくとも摂氏3度高く制御される。導管のヒータは、ガスの温度をチャンバから出るガスの露点より高く保持するように制御され得る。
【0440】
幾つかの構成では、コントローラは、加湿器のヒータへの電力を制御するように構成され得る。コントローラは、提供される電力を少なくとも気温センサ、流量センサ、及び任意選択により加湿器ヒータ温度センサ、及びさらに任意選択によりチャンバ出口センサに基づいて制御し得る。
【0441】
コントローラ13は、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータに提供されるパルス幅変調信号(任意選択により、低周波数パルス幅変調信号及び/又は高周波数パルス幅変調信号)のデューティサイクルを1つ又は複数の治療パラメータ(例えば、治療湿度レベル(例えば、相対若しくは絶対湿度、又は露点))に基づいて制御し得る。コントローラは、デューティサイクルを制御して、装置を1つ又は複数の治療パラメータに制御し得る。
【0442】
加湿器のヒータに提供されるパルス幅変調信号(任意選択により、低周波数パルス幅変調信号及び/又は高周波数パルス幅変調信号)のデューティサイクルは、加湿器のヒータの所望の電力に基づき得る。幾つかの構成では、所望の電力はコントローラによって出力され得て、本明細書の他の箇所に記載されているように装置が1つ又は複数の治療パラメータに制御される。
【0443】
コントローラ13は、導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータに提供されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを、導管内のガスフローの所望の導管端(すなわち患者端)温度に基づいて制御し得る。
【0444】
導管のヒータに提供されるパルス幅変調信号(任意選択により、低周波数パルス幅変調信号及び高周波数パルス幅変調信号)のデューティサイクルは、導管のヒータの所望の電力に基づき得る。幾つかの構成では、所望の電力はコントローラによって出力され得て、本明細書の他の箇所に記載されているように装置が1つ又は複数の治療パラメータに制御される。
【0445】
コントローラは、加湿器のヒータに提供される電力を測定し、パルス幅変調信号(任意選択により、低周波数パルス幅変調信号及び高周波数パルス幅変調信号)のデューティサイクルを、測定された加湿器のヒータに提供される電力及び加湿器のヒータの所望の電力に基づいて制御するように構成される。
【0446】
コントローラは、導管のヒータに提供される電力を測定し、パルス幅変調信号(任意選択により、低周波数パルス幅変調信号及び高周波数パルス幅変調信号)のデューティサイクルを、測定された導管のヒータに提供される電力及び導管のヒータの所望の電力に基づいて制御するように構成される。
【0447】
パルス幅変調信号(任意選択により、低周波数パルス幅変調信号及び高周波数パルス幅変調信号)のデューティサイクルは、加湿器のヒータ及び/又は導管のヒータの所望の温度に基づき得る。
【0448】
所望の電力需要及び/又は所望の温度は、装置の1つ又は複数の治療パラメータに基づき得る。
【0449】
第二の制御スキームにより導管のヒータにより提供されるパルス幅変調信号の周波数は、(例えば低周波数パルス幅変調信号として)約20Hz未満、又は約20Hz~約1kHzである。
【0450】
本明細書の他の箇所に記載されているように、低周波数パルス幅変調信号は、EMI生成を極小化しながらヒータへの所望の電力出力を達成する周波数範囲内であり得る。
【0451】
例えば、前述のように、導管のヒータをアナログ制御によって制御することは、アナログ制御信号(例えば、電圧信号)を導管のヒータに提供することを含み得る。幾つかの構成では、導管のヒータをアナログ制御によって制御することは、導管のヒータに電流を提供することを含む。
【0452】
コントローラ13は、導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータに提供されるアナログ制御信号(例えば、電圧信号)を1つ又は複数の治療パラメータ(例えば、ユーザに提供されるガスの治療温度)に基づいて制御し得る。
【0453】
幾つかの構成では、導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータに提供される電圧は、少なくとも一部に、導管のヒータの抵抗に基づく。
【0454】
幾つかの構成では、導管のヒータは主として抵抗負荷である。導管のヒータは、最小の容量及びインダクタンスを有し得る。
【0455】
導管のヒータに提供されるアナログ制御信号(例えば、電圧信号)は導管のヒータの所望の電力に基づいて制御され得る。
【0456】
加湿器のヒータに提供されるアナログ制御信号(例えば、電圧信号)は加湿器のヒータの所望の電力に基づいて制御され得る。
【0457】
コントローラ13は、導管のヒータに提供される電力を測定するように構成され得て、導管のヒータに提供されるアナログ制御信号(例えば、電圧信号)は、測定された導管のヒータに提供される電力及び導管のヒータの所望の電力に基づいて制御される。
【0458】
コントローラ13は、加湿器のヒータに提供される電力を測定するように構成され得て、加湿器のヒータに提供されるアナログ制御信号(例えば、電圧信号)は、測定された加湿器のヒータに提供される電力及び加湿器のヒータの所望の電力に基づいて制御される。
【0459】
導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータに提供される電圧信号は、入力電力(例えば、測定されたヒータ導管に提供される電力)と、例えば、導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータが主として抵抗負荷であるというような、二次関係を有し得る。
【0460】
導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータに提供されるアナログ制御信号(例えば、電圧信号)は、導管内のガスフローの所望の導管端(すなわち、患者端)温度に基づいて制御され得る。
【0461】
導管のヒータ及び/又は加湿器のヒータに提供される電圧信号は、1つ又は複数の電圧コンバータにより制御され得る。
【0462】
電流信号(電流変調によるアナログ制御における)は、導管ヒータ及び/又は加湿器のヒータに電流モード制御(CMC:current-mode controlled)降圧型コンバータにより提供され得る。
【0463】
電流信号(電流変調によるアナログ制御における)は、導管ヒータ及び/又は加湿器のヒータに、1つ又は複数の電流センサの出力に基づく1つ又は複数の電圧コンバータの制御によって提供され得ると理解されたい。
【0464】
1つ又は複数の電圧コンバータは、DC-DCコンバータを含み得る。
【0465】
電圧コンバータは、電圧モード制御(VMC:voltage-mode controlled)降圧型コンバータであり得る。
【0466】
幾つかの構成では、1つ又は複数の電圧コンバータは、
a)ステップダウンコンバータ
b)DC-DCコンバータ
c)ステップアップコンバータ
d)ブーストコンバータ
e)ハーフブリッジコンバータ
f)フライバックコンバータ
g)プッシュ-プルコンバータ
h)スイッチングコンバータ
i)スイッチングレギュレータ
j)リニアレギュレータ
k)リニアコンバータ
l)降圧型コンバータ
m)変圧器
n)a)~m)の何れかの組合せ
を含み得る。
【0467】
電圧コンバータは、アナログ制御回路構成であり得るか、又はその一部であり得る。
【国際調査報告】