IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国農業科学院油料作物研究所の特許一覧

特表2024-520070アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子及びその使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/38 20060101AFI20240514BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20240514BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
C07K14/38 ZNA
G01N33/53 D
G01N33/543 545A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573166
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2022095521
(87)【国際公開番号】W WO2022247927
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】202110591612.2
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516109152
【氏名又は名称】中国農業科学院油料作物研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】李 培武
(72)【発明者】
【氏名】張 奇
(72)【発明者】
【氏名】白 藝珍
【テーマコード(参考)】
4H045
【Fターム(参考)】
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045CA15
4H045EA50
(57)【要約】
本発明は、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子及びその使用に関する。アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示される。本発明の指標分子は、アスペルギルス属アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別し、農地、農産物及び飼料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌が存在するか否かを鑑別するために用いられ、普及や使用が容易である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示されることを特徴とするアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01。
【請求項2】
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の検出含有量に基づいて、系内のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力を鑑別し、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示されることを特徴とする系内のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力を鑑別する方法。
【請求項3】
アスペルギルス属アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別する使用であって、
(1)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を提供することと、
(2)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を提供することと、
(3)鑑別対象菌株の被検液の調製:鑑別対象菌株を培養して、希釈し、鑑別対象菌株の被検液を得ることと、
(4)鑑別対象菌株のアフラトキシン産生能力を測定することと、を含み、
間接非競合二重抗体サンドイッチ法を採用してアスペルギルス属アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別し、
イムノプレートにAFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体をコーティングし、プレートを洗浄するステップと、
ブロック液を加えてブロッキングし、プレートを洗浄するステップと、
被検液を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の特異的ポリクローナル抗体と結合反応する西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
発色液を加えて反応させるステップと、
停止液を加えて、マイクロプレートリーダーで読み取って計算して、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得して、鑑別対象菌株の被検液中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高いほど、アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力が強くなることを示すステップと、を含み、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示されることを特徴とする使用。
【請求項4】
鑑別対象菌株を従来のツァペック培地又はその他の菌株の成長に適する培地で培養し、培養の環境温度が15~35℃であり、培養時間が12h以上であり、培地と培養物との混合物を十分にホモジナイズさせ、さらに無菌水で1~10倍希釈し、鑑別対象菌株の被験液を得る前記ステップ(3)であることを特徴とする請求項3に記載の使用。
【請求項5】
ステップa:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体と、ELISAコーティングバッファーとで0.2~8.0μg/mLのコーティング液を配合して、イムノプレートに加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置して、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップb:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで鑑別対象菌株の被検液を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加えて、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップc:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップd:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を必要に応じて希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップe:次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによってAFT-YJFZ01含有量の結果を読み取り、計算する前記ステップ(4)であることを特徴とする請求項3に記載の使用。
【請求項6】
試料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを鑑別する使用であって、具体的には、
(1)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を提供すること、
(2)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を提供すること、
(3)鑑別対象試料の調製:鑑別対象試料を培養して、希釈し、鑑別対象試料の被検液を得ること、
(4)試料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを鑑別するために用いられ、間接非競合二重抗体サンドイッチ法を採用して試料を鑑別することであって、
イムノプレートにAFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体をコーティングし、プレートを洗浄するステップと、
ブロック液を加えてブロッキングし、プレートを洗浄するステップと、
鑑別対象試料液を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体と結合反応する西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
発色液を加えて反応させるステップと、
停止液を加えて、マイクロプレートリーダーで読み取り、計算して、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得するステップと、を含むこと、
(5)鑑別結果を評価することであって、
鑑別対象試料中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高いほど、鑑別対象菌株のアフラトキシン産生能力である毒素産生力が強くなることを示し、上記マイクロプレートリーダーの計算結果に基づいて、試料被検液の単位体積当たりのアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得し、鑑別対象試料にアフラトキシンの毒素産生力の強い菌株を含有するか否かを判定することであり、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示される使用。
【請求項7】
鑑別対象試料を秤量して、無菌水に移し、室温で均一に振盪し、被検試料の均一分散液を製造し、10~1000μLの試料均一分散液を6~600mLの従来のツァペック培地又はその他のアフラトキシン毒素産生菌の成長に適する培地に加えて、15~35℃で200±50rpmで振盪培養して、6~24h培養してからサンプリングして、鑑別対象試料の被検液を形成し、前記鑑別対象試料が土壌、漢方薬材料、農産物又は飼料である前記ステップ(3)であることを特徴とする請求項6に記載の使用。
【請求項8】
ステップa:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体と、ELISAコーティングバッファーとで0.2~8.0μg/mLのコーティング液を配合して、イムノプレートに加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置して、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップb:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで試料の被験液を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加えて、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップc:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップd:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を必要に応じて希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップe:次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによってAFT-YJFZ01含有量の結果を読み取り、計算する前記ステップ(4)であることを特徴とする請求項6に記載の使用。
【請求項9】
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体が、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体の動物源と異なることを特徴とする請求項3又は6に記載の使用。
【請求項10】
段階的な濃度勾配の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の溶液を用いて検量線を作成し、マイクロプレートリーダーの結果に基づいて検量線を用いてAFT-YJFZ01の含有量を取得することを特徴とする請求項3又は6に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アフラトキシンは、毒性が強く、有害性が大きく、食品を汚染する最も多くの種類の汚染物であり、近年、全体として汚染傾向が増加しており、食品の安全と人々の健康を深刻に脅かしている。アフラトキシンは、自然界で最も毒性の強いマイコトキシンであり、アフラトキシンB1は国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer,IARC)によって認められたクラスI発がん物質であり、ヒトや動物に対して多くの中毒事件を引き起こし、肝臓がんの発生率が高い主な理由の一つとなっている。過去5年間のWeb of Science検索データの統計によると、アフラトキシンに汚染された食品及び原料の種類が110種を超え、汚染物のトップを占めている。しかし、今までアフラトキシンなどの微生物毒素による汚染を事前に分子レベルで早期警告する研究例は国内外にまだ存在せず、早期警告の切実な需要を満たすことが困難である。
【0003】
従来のアフラトキシンの早期警告方法は、主にアフラトキシンの検出技術に基づいて確立され、毒素汚染レベルの評価又は収穫後汚染レベルの評価及び摂取リスクの評価に用いられるが、一度検出されると、汚染が既に発生していることが多く、事前の早期警告や予防と防除指導の切実な要求を満たすことは困難となる。欧州の食品及び飼料に関する早期警告システム(Rapid Alert System for Food and Feed,RASFF)は、許容水準と検出を利用して食品と飼料中のアフラトキシン含有量を取得し、各国がEUに輸入した食品と飼料に対して早期警告する。米国の研究機関はアフラトキシン検出技術と汚染モニタリングデータに基づいて、多変量ロジスティック回帰分析と重畳ガウス処理などの早期警告モデルを確立し、主に収穫後トウモロコシなどの農産物のマイコトキシン汚染レベル及び摂取リスクを評価するために用いられる。
【0004】
過去20年間の国内外の研究の進展をまとめると、現在のアフラトキシンに対する早期警告分子の欠如が根本的な理由である。このボトルネック問題に対して、発明者らは10年以上の研究を重ねて、中国アフラトキシン毒素産生菌株ライブラリ、菌株毒素産生力データベース、強毒素産生菌株タンパク質抗体ライブラリを構築し、アフラトキシン菌株の毒素産生力指標分子を発見するための抗体ライブラリ方法を確立して、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子の発明に成功し、そして菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別するために用いられ、農地、農産物及び飼料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを発見し、アフラトキシン汚染リスクのタイムリーな検出及び早期防除のために科学的根拠を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術に存在する不足に対して、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01、及び系内のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力を鑑別する方法を提供する。アスペルギルス属菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別し、農地、農産物及び飼料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを鑑別するために用いられ、普及や使用が容易である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した技術的課題を解決するために、本発明は次の技術的手段を採用する。
【0007】
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示されるアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01を提供する。
【0008】
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の検出含有量に基づいて、系内のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力を鑑別し、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示される系内のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力を鑑別する方法を提供する。
【0009】
具体的には、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列又はその部分配列を用いて、従来の抗体調製手順により、該タンパク質に対応する抗体を調製して、該指標分子タンパク質の定量的検出を実現し、他の検出技術手段により、これらの該タンパク質と一対一の対応関係を有する定量的検出を実現することにより、上記用途を達成することができ、部分配列とは該指標分子のタンパク質と一対一の対応関係を有する全配列の一部を意味する。
【0010】
アスペルギルス属アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別する使用であって、鑑別対象菌株中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高いほど、鑑別対象菌株のアフラトキシン産生能力である、毒素産生力が強くなることを示す。
【0011】
具体的な使用方法は、
(1)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を提供することと、
(2)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を提供することと、
(3)鑑別対象菌株の被検液の調製:鑑別対象菌株を培養して、希釈し、鑑別対象菌株の被検液を得ることであって、
具体的に、鑑別対象菌株を従来のツァペック培地又はその他の菌株の成長に適する培地で培養し、培養の環境温度が15~35℃であり、培養時間が12h以上であり、培地と培養物との混合物を十分にホモジナイズさせ、さらに無菌水で1~10倍希釈し、鑑別対象菌株の被験液を得ることと、
(4)鑑別対象菌株のアフラトキシン産生能力を測定することと、を含む。
具体的に、間接非競合二重抗体サンドイッチ法を採用してアスペルギルス属アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別し、
イムノプレートにAFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体をコーティングし、プレートを洗浄するステップと、
ブロック液を加えてブロッキングし、プレートを洗浄するステップと、
被検液を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の特異的ポリクローナル抗体と結合反応する西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
発色液を加えて反応させるステップと、
停止液を加えて、マイクロプレートリーダーで読み取って計算して、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得して、鑑別対象菌株の被検液中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高いほど、アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力が強くなることを示すステップと、を含む。
【0012】
具体的に、ステップ(4)は、ステップa:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体と、ELISAコーティングバッファーとで0.2~8.0μg/mLのコーティング液を配合して、イムノプレート(200μL/ウェル)に加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置して、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として(各ウェルに300μL添加)、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップb:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで鑑別対象菌株の被検液を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加えて(各ウェルに200μL添加)、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップc:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加え(各ウェルに200μL添加)、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップd:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を必要に応じて希釈し、イムノプレートのウェルに加え(各ウェルに200μL添加)、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップe:次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによってAFT-YJFZ01含有量の結果を読み取り、計算することを含む。
【0013】
上記の技術的手段によれば、段階的な濃度勾配の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の溶液を用いて検量線を作成し、マイクロプレートリーダーの結果に基づいて検量線を用いてAFT-YJFZ01の含有量を取得する。即ち、ステップbにおいて、鑑別対象菌株の被験液を、段階的な濃度勾配の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の溶液で置き換えて検量線を作成する。
【0014】
試料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを鑑別する使用であって、具体的な使用方法のステップは以下のとおりである。
(1)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を提供すること。
(2)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を提供すること。
(3)鑑別対象試料の調製:鑑別対象試料を培養して、希釈し、鑑別対象試料の被検液を得ること。
具体的に、鑑別対象試料を秤量して、無菌水に移し、室温で均一に振盪し、被検試料の均一分散液を製造し、10~1000μLの試料均一分散液を6~600mLの従来のツァペック培地又はその他のアフラトキシン毒素産生菌の成長に適する培地に加えて、15~35℃で200±50rpmで振盪培養して、6~24h培養してからサンプリングして、鑑別対象試料の被検液を形成する。
(4)試料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを鑑別すること。
具体的に、イムノプレートにAFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体をコーティングし、プレートを洗浄するステップと、
ブロック液を加えてブロッキングし、プレートを洗浄するステップと、
鑑別対象試料液を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体と結合反応する西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
発色液を加えて反応させるステップと、
停止液を加えて、マイクロプレートリーダーで読み取り、計算して、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得するステップと、を含む。
具体的に、ステップ(4)は、ステップa:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体と、ELISAコーティングバッファーとで0.2~8.0μg/mLのコーティング液を配合して、イムノプレート(200μL/ウェル)に加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置して、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として(各ウェルに300μL添加)、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップb:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで試料の被験液を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加えて(各ウェルに200μL添加)、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップc:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加え(各ウェルに200μL添加)、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップd:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を必要に応じて希釈し、イムノプレートのウェルに加え(各ウェルに200μL添加)、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップe:次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによってAFT-YJFZ01含有量の結果を読み取り、計算することを含む。
(5)鑑別結果を評価すること。
鑑別対象試料中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高いほど、鑑別対象菌株のアフラトキシン産生能力である毒素産生力が強くなることを示し、上記マイクロプレートリーダーの計算結果に基づいて、試料被検液の単位体積当たりのアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得し、鑑別対象試料にアフラトキシンの毒素産生力の強い菌株を含有するか否かを判定する。
【0015】
上記の技術的手段によれば、前記鑑別対象試料が土壌、漢方薬材料、農産物又は飼料などである。
【0016】
上記の技術的手段によれば、段階的な濃度勾配の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の溶液を用いて検量線を作成し、マイクロプレートリーダーの結果に基づいて検量線を用いてAFT-YJFZ01の含有量を取得する。即ち、ステップbにおいて、鑑別対象試料溶液を、段階的な濃度勾配の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の溶液で置き換えて検量線を作成する。上記の技術的手段によれば、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体が、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体の動物源と異なる。
具体的には、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を以下の方法で取得することができ、AFT-YJFZ01を免疫抗原として利用し、アルパカ又はBalb/cマウスを従来方法で免疫し、さらに公知の従来のナノボディ又はマウス由来モノクローナル抗体の調製の技術的手段を利用して得ることができる。
【0017】
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を以下の方法で取得することができ、AFT-YJFZ01を免疫抗原として利用し、ニュージーランド白ウサギなどの実験用ウサギを従来方法で免疫し、さらに公知の従来のポリクローナル抗体の調製の技術的手段を利用してアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のウサギ由来ポリクローナル抗体を得ることができる。
【0018】
前記アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体と結合反応する西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体は、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギ抗体であり、直接商品を購入して入手できる。
【0019】
アスペルギルスフラブス菌株の毒素産生力は、菌株のアフラトキシン産生能力を測定する指標であり、菌株の毒素産生力が強いほど、同一時間及び培養条件下でこの菌株がアフラトキシンを産生できる量が多くなることを示す。本発明は、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01を提供し、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が菌株の毒素産生力と正の相関を有するという特性を利用し、さらにアスペルギルス属アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生力を鑑別し、農地、農産物及び飼料に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを鑑別する用途を提供し、実用的かつ普及が容易であり、アフラトキシン汚染リスクのタイムリーな検出及び早期防除のために、重要な出発点と科学的根拠を提供し、農業産業の高品質な発展を促進し、食品の安全性を確保する上で重要な意義を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
1.アスペルギルス属アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別するために用いられる。
2.農地、農産物及び飼料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを鑑別するために用いられる。
3.操作が簡単で、実用性が高く、普及や使用が容易である。
4.農業産業の高品質な発展を促進し、食品の安全性を確保する上で重要な意義を有する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施例1) アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の調製
3%(w/v)のスクロース、0.3%(w/v)のNaNO3、0.1%(w/v)のK2HPO4、0.05%(w/v)のMgSO4・7H2O、0.05%(w/v)のKCl、0.001%(w/v)のFeSO4、pHを6.5として配合することにより、ツァペック培地を得た。公開文献「中国の典型的なピーナッツ生産地域におけるアフラトキシンの分布、毒素産生力と侵害感染に関する研究」(中国農業科学院修士学位論文、著者は張杏、第33頁)で公開された毒素産生菌株HLJ-1、HeNZY-2、HuBha-24、JXZS-29-2、LNct-6、GXfc-34、GDZJ-122-2、JSnt-1、HuNdx-7、HBHA-8-17などの10株をランダムに選択し、それぞれを上記ツァペック培地に接種し、28℃で200rpm/minで5日間培養した後、従来方法で十分にホモジナイズさせ、細胞を破砕し、従来のタンパク質精製システム、タンパク質電気泳動、免疫親和性などの方法で、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01を精製して得ることができる。試験結果から分かるように、上記の毒素産生菌株培養物からAFT-YJFZ01を調製でき、同じ培養条件下で、HBHA-8-17から調製したAFT-YJFZ01の量が最も多く、HLJ-1から調製したAFT-YJFZ01の量が最も少ない。
【0022】
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の初期獲得用発見方法:
アフラトキシン菌株の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01を発見するための方法は以下のとおりであり、
(1)アフラトキシンの強い毒素産生力菌株を採取し、培養して菌株の培養物及び細胞外分泌タンパク質混合物を取得し、その後菌株の培養物の細胞を破砕して、細胞内タンパク質混合物を取得し、上記細胞外分泌タンパク質混合物及び細胞内タンパク質混合物を混合して、カルボジイミドを加えカップリングしてアフラトキシン抗原を取得するステップ、
(2)上記アフラトキシン抗原を実験用動物に免疫して、ナノボディライブラリ又はモノクローナル抗体ライブラリを取得するステップ、
(3)毒素産生力の異なるアフラトキシン菌株の混合タンパク質溶液を取得し、ステップ(2)で取得した抗体ライブラリ中の抗体を用いて、毒素産生力の異なるアフラトキシン菌株のタンパク質を検出し、一連の検出シグナルを取得するステップ、
(4)検出シグナルが上記アフラトキシン菌株の毒素産生力と正の相関を示すナノボディ又はモノクローナル抗体である、アフラトキシン菌株の毒素産生力指標分子抗体を発見し、アフラトキシン菌株の毒素産生力指標分子抗体に対応するタンパク質が、発見されたアフラトキシン菌株の毒素産生力指標分子であるステップ。
【0023】
上記技術的手段において、ステップ(1)のアフラトキシンの強い毒素産生力菌株は、従来方法によって自然界から単離、同定されるか、又は人為的形質転換によって得られ、その毒素産生力はNY/T 2311-2013標準方法によって同定された結果が10μg/kg以上である。
【0024】
ステップ(3)で述べた毒素産生力の異なるアフラトキシン菌株は3株以上であり、それらの毒素産生力がNY/T 2311-2013標準方法によって同定された結果として、高、中、低の少なくとも3つのレベルを呈した。
【0025】
前記アフラトキシンの強い毒素産生力菌株の培養に用いる培地はツァペック培地又はその他のアフラトキシンを正常に成長させるための栄養物であり、培養時間が12h以上であり、培養の環境温度が15~35℃である。
【0026】
前記菌株培養物の細胞破砕は、従来の液体窒素粉砕又は細胞破砕機などの方法によって行われる。
【0027】
前記カルボジイミドの使用量は、細胞外分泌タンパク質混合物と細胞内タンパク質混合物との合計1.0ミリリットルあたりに、カルボジイミドを0.005~0.1g加える。
【0028】
前記カップリング反応とは、15~37℃で2~6h反応させ、4~10℃で一晩反応させることを意味する。
【0029】
前記免疫は、従来の免疫方式であり、アフラトキシン抗原を接種する。前記実験用動物とは、マウス又はアルパカ又は類似の効果を有する他の実験用動物を意味する。
【0030】
上記の技術的手段によれば、前記抗体調製手順は、従来のナノボディ調製技術手順又は従来の細胞融合に基づくハイブリドーマモノクローナル抗体調製技術手順を指す。
【0031】
上記の技術的手段によれば、前記毒素産生力の異なるアフラトキシン菌株のタンパク質を検出することは、従来のWestern Blot技術手順を用いて、即ち毒素産生力の異なるアフラトキシン菌株のタンパク質をニトロセルロースメンブレンに移し、そして上記の抗体ライブラリ中の抗体を用いて、直接法又は間接法によって、又は類似の効果を持つ他の技術手順を用いて検出することを意味する。
【0032】
上記の技術的手段によれば、上記直接法とは、上記抗体ライブラリ中の抗体を従来方法によりシグナル物質に結合させ、上記ニトロセルロースメンブレンに移した対応するタンパク質と免疫結合反応させることを意味する。
【0033】
上記の技術的手段によれば、上記間接法とは、上記抗体ライブラリ中の抗体を、ニトロセルロースメンブレンに移した対応するタンパク質と免疫結合反応させた後、第2抗体及びシグナル伝達複合体を用いて上記ニトロセルロースメンブレンに結合した抗体と免疫結合反応させることを意味する。
【0034】
上記の検出におけるシグナル物質は、西洋ワサビペルオキシダーゼ又は金コロイド又は蛍光物質又は類似の効果を有する他の物質である。検出シグナルは、発色反応シグナル又はドッ卜シグナル又は蛍光シグナルである。
【0035】
(実施例2) アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディの調製
AFT-YJFZ01を免疫抗原として利用し、アルパカ又はBalb/cマウスを従来方法で免疫し、さらに公知の従来のナノボディ又はマウス由来モノクローナル抗体の調製の技術的手段を利用して得ることができる。
【0036】
上記で調製したAFT-YJFZ01を、従来のPBSバッファー又は生理食塩水に0.1mg/mL以上の濃度になるまで溶解させ、フロイント完全アジュバントと等体積で混合乳化し、背部皮下又は皮内に複数点注射することによりアルパカを免疫した後、2~4週間ごとに1回追加免疫し、追加免疫時にフロイント完全アジュバントをフロイント不完全アジュバントで置き換えた。従来のELISAプロセスを用いてアルパカの血清力価が上昇しなくなるまで、免疫効果をモニタリングし、その後免疫アルパカの静脈血を採取し、総RNAの抽出、cDNAの合成、VHH遺伝子の増幅、VHH遺伝子断片の回収、VHH遺伝子と2重消化処理のpCANTAB 5 E(his)ベクターのライゲーション、ライゲーション産物の電気変換、ナノボディ遺伝子ライブラリの構築及びナノボディ遺伝子ライブラリのレスキューなどの操作は、特許文献CN103866401Aの方法を参考にして完成し、最終的にレスキューされたナノボディ遺伝子ライブラリを取得する。
【0037】
上記で調製したAFT-YJFZ01を8μg/ウェル、2μg/ウェル、0.5μg/ウェル、0.1μg/ウェルの勾配で96ウェルのイムノプレートなどの固相担体に固定し、特許文献CN103866401Aの方法を参考にして上記レスキューされたナノボディ遺伝子ライブラリを2~4回パンニングし、さらにAFT-YJFZ01及び間接非競合ELISAを用いて各ファージクローンによって産生される抗体を同定し、陽性結果に対応するファージがファージ陽性クローンであり、さらにこの陽性クローンをナノボディ調製の従来方法によってナノボディである、AFT-YJFZ01ナノボディを調製し、さらに研究に使用され、好ましくは、ELISA方法によって特徴づけられ、特異性が強く、親和性が高いナノボディである。
【0038】
(実施例3) アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のモノクローナル抗体の調製
AFT-YJFZ01を免疫抗原として利用し、アルパカ又はBalb/cマウスを従来方法で免疫し、さらに公知の従来のナノボディ又はマウス由来モノクローナル抗体の調製の技術的手段を利用して得ることができる。
【0039】
上記で調製したAFT-YJFZ01を、従来のPBSバッファー又は生理食塩水に0.1mg/mL以上の濃度になるまで溶解させ、フロイント完全アジュバントと等体積で混合乳化し、背部皮下又は皮内に複数点注射することによりBALB/cマウスを免疫した後、2~4週間ごとに1回追加免疫し、追加免疫時にフロイント完全アジュバントをフロイント不完全アジュバントで置き換えた。従来のELISAプロセスを使用してBALB/cマウス血清力価が上昇しなくなるまで、免疫効果をモニタリングし、続いて免疫化マウスの脾臓細胞を単離し、脾臓細胞をマウス由来ミエローマ細胞SP2/0と融合させ、半固形培地によるハイブリドーマ細胞の選択的培養操作は、特許文献CN103849604Aの方法を参考にして完成し、半固形培地に針先の白い斑点が成長した後、白い斑点をそれぞれハイブリドーマの従来の培地を内蔵した96ウェル培養プレートに取り出し、それによってモノクローナルハイブリドーマ資源バンクを取得する。
【0040】
特許文献CN103849604Aの方法を参考にして上記モノクローナルハイブリドーマ培養上清であるモノクローナル抗体を取得し、上記で調製したAFT-YJFZ01を8μg/ウェル、2μg/ウェル、0.5μg/ウェル、0.1μg/ウェルの勾配で96ウェルのイムノプレートなどの固相担体に固定し、間接非競合ELISAプロセスを用いて各モノクローナル抗体を同定し、陽性クローンを選択し、AFT-YJFZ01モノクローナル抗体を得て、さらに研究に使用され、好ましくは、検出により特異性が強く、親和性が高いという特性を有するAFT-YJFZ01モノクローナル抗体である。
【0041】
(実施例4) アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のウサギ由来ポリクローナル抗体の調製
AFT-YJFZ01を免疫抗原として利用し、ニュージーランド白ウサギなどの実験用ウサギを従来方法で免疫し、さらに公知の従来のウサギポリクローナル抗体の調製の技術的手段を利用して得ることができる。
【0042】
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01を抗原として直接用い、0.1mg/mL以上の濃度の溶液と、フロイント完全アジュバントと等体積で混合乳化し、背部皮下又は皮内に複数点注射することによりニュージーランド白ウサギを免疫した後、2~4週間ごとに1回追加免疫し、追加免疫時にフロイント完全アジュバントをフロイント不完全アジュバントで置き換えた。従来のELISAプロセスを用いて免疫動物の血清力価が上昇しなくなるまで、免疫効果をモニタリングし、従来方法により免疫動物の血清である、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のウサギ由来ポリクローナル抗体を調製した。
【0043】
(実施例5) アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01を利用したアフラトキシンの菌株毒素産生力の鑑別
第1ステップ、鑑別対象菌株の被検液の調製:菌株の毒素産生力の強弱によって、公開文献「中国の典型的なピーナッツ生産地域におけるアフラトキシンの分布、毒素産生力と侵害感染に関する研究」(中国農業科学院修士学位論文、著者は張杏、第33頁)で公開された毒素産生菌株HBZHX-21、HBXY-36、HBHA-1-4、GDZJ-6、HeNZY-2、HuBha-24、JSnt-1、HuNdx-7、GDZJ-108-19、HBHA-8-17などの10株を選択し、鑑別対象菌株を従来のツァペック培地又はその他のアフラトキシン毒素産生菌の成長に適する培地で培養し、培養の環境温度が15~35℃であり、培養時間が12h以上であり、培地と培養物との混合物を十分にホモジナイズさせ、さらに無菌水で5倍希釈し、鑑別対象菌株の被験液を得た。
【0044】
第2ステップ、上記鑑別対象菌株の被検液の測定:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を従来のELISAコーティングバッファーに溶解させ、2μg/mLのコーティング液を形成し、さらに200μL/ウェルで96ウェルのイムノプレートに加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置し、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、さらにELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として、各ウェルに300μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記被検液を適切に希釈し、さらに各ウェルに200μLずつ加えるか、又は各ウェルに段階的な濃度の本発明の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の溶液を200μLずつ加えて、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、さらにELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のウサギ由来ポリクローナル抗体を適切に希釈し、各ウェルに200μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギ抗体を説明に従って希釈し、さらに各ウェルに200μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによってAFT-YJFZ01含有量を読み取り、計算する。
【0045】
上記文献「中国の典型的なピーナッツ生産地域におけるアフラトキシンの分布、毒素産生力と侵害感染に関する研究」の結果により、HBZHX-21、HBXY-36、HBHA-1-4、GDZJ-6、HeNZY-2、HuBha-24、JSnt-1、HuNdx-7、GDZJ-108-19、HBHA-8-17などの10株の菌株の毒素産生力は、0μg/L、0μg/L、3.8μg/L、4.9μg/L、67.2μg/L、81.7μg/L、192.0μg/L、204.4μg/L、297.4μg/L、1027.5μg/Lの順であり、HBZHX-21及びHBXY-36は非毒素産生菌株であり、HBHA-1-4及びGDZJ-6などは毒素産生力の弱い菌株であり、HBHA-8-17及びGDZJ-108-19などは毒素産生力の強い菌株であることを示した。
【0046】
第3ステップ、鑑別結果の評価:鑑別対象菌株中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高いほど、鑑別対象菌株のアフラトキシン産生能力である、毒素産生力が強くなることを示す。上記技術的手段により、HBZHX-21、HBXY-36、HBHA-1-4、GDZJ-6、HeNZY-2、HuBha-24、JSnt-1、HuNdx-7、GDZJ-108-19、HBHA-8-17などの10菌株のAFT-YJFZ01含有量を測定した結果は、培地1ミリリットル当たりのAFT-YJFZ01含有量が0ng、0ng、8ng、12ng、49ng、51ng、104ng、115ng、175ng、536ngであり、結果から同様にHBZHX-21及びHBXY-36は非毒素産生菌株であり、HBHA-1-4及びGDZJ-6などは毒素産生力の弱い菌株であり、HBHA-8-17及びGDZJ-108-19などは毒素産生力の強い菌株であることを示した。該測定結果は、上記公開文献「中国の典型的なピーナッツ生産地域におけるアフラトキシンの分布、毒素産生力と侵害感染に関する研究」に公開された菌株の毒素産生力の強弱の順序と一致し、且つ毒素産生力の強い菌株と毒素産生力の弱い菌株との同定結果が文献と一致し、本発明に係る技術的手段がアフラトキシンの菌株の毒素産生力を同定することができ、方法が簡単で、操作しやすく、実用性が高いことを証明する。
【0047】
(実施例6) アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01を利用した農地にアフラトキシンの毒素産生力の強い菌株が含有されているか否かの鑑別
第1ステップ、鑑別対象試料の被検液の調製:吉林、遼寧、江西、福建などのピーナッツの開花期間の根圏土壌試料を合計で4つ選択し、土壌試料-1、土壌試料-2、土壌試料-3、土壌試料-4と順に命名した。被検農地の土壌試料を順次秤量し、粉砕した後に無菌水に移し、濃度を0.5g/mLとし、室温で均一に振盪し、被検試料が均一に分散した試料均一分散液を製造した。50μLの土壌希釈液を取り、30mLの従来のサブロー液体培地に加え、28℃で200rpmで振盪培養し、24h培養して試料を採取し、鑑別対象試料の被検液を形成した。
【0048】
第2ステップ、上記鑑別対象試料の被検液の測定:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を従来のELISAコーティングバッファーに溶解させ、0.2~8.0μg/mLのコーティング液を形成し、さらに200μL/ウェルで96ウェルのイムノプレートに加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置し、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、さらにELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として、各ウェルに300μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記被検液を適切に希釈し、さらに各ウェルに200μLずつ加えるか、又は各ウェルに段階的な濃度の本発明の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の溶液(濃度を0.00003、0.0003、0.003、0.03、0.3、3、30、300ng/mLとし、検量線を取得するために用いられる)を200μLずつ加えて、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、さらにELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のウサギ由来ポリクローナル抗体を適切に希釈し、各ウェルに200μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギ抗体を説明に従って希釈し、さらに各ウェルに200μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによって読み取り、検量線に基づいてAFT-YJFZ01含有量を計算する。
【0049】
第3ステップ、鑑別結果の評価:鑑別対象試料中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高い場合に、鑑別対象試料にアフラトキシンの毒素産生力が強い菌株を含有することを示す。上記技術的手段によって土壌試料-1、土壌試料-2、土壌試料-3、土壌試料-4中のAFT-YJFZ01含有量を測定した結果は、培養液1ミリリットル当たりのAFT-YJFZ01含有量が0.3ng、0.2ng、16ng、19ngの順である。この結果から分かるように、土壌試料-1及び土壌試料-2の培養液1ミリリットルあたりのAFT-YJFZ01含有量はいずれも1.0ng以下であり、アフラトキシンの毒素産生力の強い菌株を含有せず、その対応する農地におけるピーナッツ収穫後の汚染リスクが非常に低く、土壌試料-1及び土壌試料-2の培養液1ミリリットルあたりのAFT-YJFZ01含有量はいずれも10ng以上であり、アフラトキシンの毒素産生力の強い菌株を含有し、その対応する農地におけるピーナッツ収穫後の汚染リスクが高い。
【0050】
(実施例7) アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01を利用した農産物にアフラトキシンの毒素産生力の強い菌株が含有されているか否かの鑑別
第1ステップ、鑑別対象試料の被検液の調製:ピーナッツ、トウモロコシ、米、小麦などの農産物試料を合計で4つ選択し、被検農地土壌試料を順次秤量し、粉砕した後に無菌水に移し、濃度を0.5g/mLとし、室温で均一に振盪し、被検試料の均一分散液を製造した。100μLの試料均一分散液を取り、50mLの従来のサブロー液体培地に加え、28℃で200rpmで振盪培養し、6h培養して試料を採取し、鑑別対象試料の被検液を形成した。
【0051】
第2ステップ、上記鑑別対象試料の被検液の測定:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を従来のELISAコーティングバッファーに溶解させ、0.2~8.0μg/mLのコーティング液を形成し、さらに200μL/ウェルで96ウェルのイムノプレートに加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置し、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、さらにELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として、各ウェルに300μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記被検液を適切に希釈し、さらに各ウェルに200μLずつ加えるか、又は各ウェルに段階的な濃度(濃度を0.00003、0.0003、0.003、0.03、0.3、3、30、300ng/mLとし、検量線を取得するために用いられる)の本発明の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の溶液を200μLずつ加えて、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、さらにELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のウサギ由来ポリクローナル抗体を適切に希釈し、各ウェルに200μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギ抗体を説明に従って希釈し、さらに各ウェルに200μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによって読み取り、検量線に基づいてAFT-YJFZ01含有量を計算する。
【0052】
第3ステップ、鑑別結果の評価:鑑別対象試料中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高い場合に、鑑別対象試料にアフラトキシンの毒素産生力が強い菌株を含有することを示す。上記技術的手段によってピーナッツ、トウモロコシ、米、小麦試料中のAFT-YJFZ01含有量を測定した結果は、培養液1ミリリットル当たりのAFT-YJFZ01含有量が12ng、13ng、0.7ng、0ngの順である。この結果から分かるように、ピーナッツ及びトウモロコシ試料の培養液1ミリリットルあたりのAFT-YJFZ01含有量はいずれも10ng以上で、アフラトキシンの毒素産生力の強い菌株を含有し、汚染リスクが高く、米試料の培養液1ミリリットルあたりのAFT-YJFZ01含有量が1.0以下で、アフラトキシンの毒素産生力の強い菌株を含有せず、汚染リスクが非常に低く、測定した小麦試料の培養液1ミリリットルあたりのAFT-YJFZ01含有量が0で、アフラトキシンの毒素産生菌株を含有せず、アフラトキシンの汚染リスクがほとんどない。
【0053】
(実施例8) アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01を利用した飼料にアフラトキシンの毒素産生力の強い菌株が含有されているか否かの鑑別
第1ステップ、鑑別対象試料の被検液の調製:市場から被検飼料試料を合計で4つ選択し、飼料-1、飼料-2、飼料-3、飼料-4と順に命名した。被検飼料試料を順次秤量し、粉砕してから無菌水に移し、濃度を0.5g/mLとし、室温で均一に振盪し、被検試料の均一分散液を製造した。50μLの試料均一分散液を取り、30mLの従来のサブロー液体培地に加え、28℃で200rpmで振盪培養し、24h培養して試料を採取し、鑑別対象試料の被検液を形成した。
【0054】
第2ステップ、上記鑑別対象試料の被検液の測定:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を従来のELISAコーティングバッファーに溶解させ、0.2~8.0μg/mLのコーティング液を形成し、さらに200μL/ウェルで96ウェルのイムノプレートに加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置し、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、さらにELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として、各ウェルに300μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記被検液を適切に希釈し、さらに各ウェルに200μLずつ加えるか、又は各ウェルに段階的な濃度の本発明の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の溶液(濃度を0.00003、0.0003、0.003、0.03、0.3、3、30、300ng/mLとし、検量線を取得するために用いられる)を200μLずつ加えて、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、さらにELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のウサギ由来ポリクローナル抗体を適切に希釈し、各ウェルに200μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギ抗体を説明に従って希釈し、さらに各ウェルに200μLずつ加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄する。次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによってAFT-YJFZ01含有量を読み取り、計算する。
【0055】
第3ステップ、鑑別結果の評価:鑑別対象試料中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高い場合に、鑑別対象試料にアフラトキシンの毒素産生力が強い菌株を含有することを示す。上記技術的手段によって飼料-1、飼料-2、飼料-3、飼料-4中のAFT-YJFZ01含有量を測定した結果は、培養液1ミリリットル当たりのAFT-YJFZ01含有量が0.6ng、22ng、13ng、69ngの順である。この結果から分かるように、飼料-1試料において培養液1ミリリットルあたりのAFT-YJFZ01含有量が1.0ng以下であり、アフラトキシンの毒素産生力の強い菌株を含有せず、汚染リスクが非常に低く、試料均一分散液50μLを30mLの培地に加えることを例として、飼料-2、飼料-3、飼料-4において培養液1ミリリットルあたりのAFT-YJFZ01含有量はいずれも10ng以上であり、アフラトキシンの毒素産生力の強い菌株を含有する。
【0056】
(付記)
(付記1)
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示されることを特徴とするアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01。
【0057】
(付記2)
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の検出含有量に基づいて、系内のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力を鑑別し、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示されることを特徴とする系内のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力を鑑別する方法。
【0058】
(付記3)
アスペルギルス属アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別する使用であって、
(1)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を提供することと、
(2)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を提供することと、
(3)鑑別対象菌株の被検液の調製:鑑別対象菌株を培養して、希釈し、鑑別対象菌株の被検液を得ることと、
(4)鑑別対象菌株のアフラトキシン産生能力を測定することと、を含み、
間接非競合二重抗体サンドイッチ法を採用してアスペルギルス属アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別し、
イムノプレートにAFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体をコーティングし、プレートを洗浄するステップと、
ブロック液を加えてブロッキングし、プレートを洗浄するステップと、
被検液を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の特異的ポリクローナル抗体と結合反応する西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
発色液を加えて反応させるステップと、
停止液を加えて、マイクロプレートリーダーで読み取って計算して、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得して、鑑別対象菌株の被検液中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高いほど、アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力が強くなることを示すステップと、を含み、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示されることを特徴とする使用。
【0059】
(付記4)
鑑別対象菌株を従来のツァペック培地又はその他の菌株の成長に適する培地で培養し、培養の環境温度が15~35℃であり、培養時間が12h以上であり、培地と培養物との混合物を十分にホモジナイズさせ、さらに無菌水で1~10倍希釈し、鑑別対象菌株の被験液を得る前記ステップ(3)であることを特徴とする付記3に記載の使用。
【0060】
(付記5)
ステップa:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体と、ELISAコーティングバッファーとで0.2~8.0μg/mLのコーティング液を配合して、イムノプレートに加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置して、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップb:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで鑑別対象菌株の被検液を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加えて、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップc:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップd:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を必要に応じて希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップe:次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによってAFT-YJFZ01含有量の結果を読み取り、計算する前記ステップ(4)であることを特徴とする付記3に記載の使用。
【0061】
(付記6)
試料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを鑑別する使用であって、具体的には、
(1)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を提供すること、
(2)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を提供すること、
(3)鑑別対象試料の調製:鑑別対象試料を培養して、希釈し、鑑別対象試料の被検液を得ること、
(4)試料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを鑑別するために用いられ、間接非競合二重抗体サンドイッチ法を採用して試料を鑑別することであって、
イムノプレートにAFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体をコーティングし、プレートを洗浄するステップと、
ブロック液を加えてブロッキングし、プレートを洗浄するステップと、
鑑別対象試料液を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体と結合反応する西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
発色液を加えて反応させるステップと、
停止液を加えて、マイクロプレートリーダーで読み取り、計算して、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得するステップと、を含むこと、
(5)鑑別結果を評価することであって、
鑑別対象試料中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高いほど、鑑別対象菌株のアフラトキシン産生能力である毒素産生力が強くなることを示し、上記マイクロプレートリーダーの計算結果に基づいて、試料被検液の単位体積当たりのアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得し、鑑別対象試料にアフラトキシンの毒素産生力の強い菌株を含有するか否かを判定することであり、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示される使用。
【0062】
(付記7)
鑑別対象試料を秤量して、無菌水に移し、室温で均一に振盪し、被検試料の均一分散液を製造し、10~1000μLの試料均一分散液を6~600mLの従来のツァペック培地又はその他のアフラトキシン毒素産生菌の成長に適する培地に加えて、15~35℃で200±50rpmで振盪培養して、6~24h培養してからサンプリングして、鑑別対象試料の被検液を形成し、前記鑑別対象試料が土壌、漢方薬材料、農産物又は飼料である前記ステップ(3)であることを特徴とする付記6に記載の使用。
【0063】
(付記8)
ステップa:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体と、ELISAコーティングバッファーとで0.2~8.0μg/mLのコーティング液を配合して、イムノプレートに加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置して、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップb:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで試料の被験液を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加えて、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップc:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップd:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を必要に応じて希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップe:次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによってAFT-YJFZ01含有量の結果を読み取り、計算する前記ステップ(4)であることを特徴とする付記6に記載の使用。
【0064】
(付記9)
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体が、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体の動物源と異なることを特徴とする付記3又は6に記載の使用。
【0065】
(付記10)
段階的な濃度勾配の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の溶液を用いて検量線を作成し、マイクロプレートリーダーの結果に基づいて検量線を用いてAFT-YJFZ01の含有量を取得することを特徴とする付記3又は6に記載の使用。
【配列表】
2024520070000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示されることを特徴とするアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01。
【請求項2】
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の検出含有量に基づいて、系内のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力を鑑別し、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示されることを特徴とする系内のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力を鑑別する方法。
【請求項3】
アスペルギルス属アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別する方法であって、
(1)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を提供することと、
(2)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を提供することと、
(3)鑑別対象菌株の被検液の調製:鑑別対象菌株を培養して、希釈し、鑑別対象菌株の被検液を得ることと、
(4)鑑別対象菌株のアフラトキシン産生能力を測定することと、を含み、
間接非競合二重抗体サンドイッチ法を採用してアスペルギルス属アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力を鑑別し、
イムノプレートにAFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体をコーティングし、プレートを洗浄するステップと、
ブロック液を加えてブロッキングし、プレートを洗浄するステップと、
被検液を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の特異的ポリクローナル抗体と結合反応する西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
発色液を加えて反応させるステップと、
停止液を加えて、マイクロプレートリーダーで読み取って計算して、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得して、鑑別対象菌株の被検液中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高いほど、アフラトキシン毒素産生菌株のアフラトキシン産生能力が強くなることを示すステップと、を含み、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示されることを特徴とする方法
【請求項4】
鑑別対象菌株を従来のツァペック培地又はその他の菌株の成長に適する培地で培養し、培養の環境温度が15~35℃であり、培養時間が12h以上であり、培地と培養物との混合物を十分にホモジナイズさせ、さらに無菌水で1~10倍希釈し、鑑別対象菌株の被験液を得る前記ステップ(3)であることを特徴とする請求項3に記載の方法
【請求項5】
ステップa:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体と、ELISAコーティングバッファーとで0.2~8.0μg/mLのコーティング液を配合して、イムノプレートに加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置して、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップb:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで鑑別対象菌株の被検液を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加えて、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップc:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップd:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を必要に応じて希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップe:次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによってAFT-YJFZ01含有量の結果を読み取り、計算する前記ステップ(4)であることを特徴とする請求項3に記載の方法
【請求項6】
試料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを鑑別する方法であって、具体的には、
(1)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体を提供すること、
(2)アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を提供すること、
(3)鑑別対象試料の調製:鑑別対象試料を培養して、希釈し、鑑別対象試料の被検液を得ること、
(4)試料中に毒素産生力の強いアフラトキシン毒素産生菌株が存在するか否かを鑑別するために用いられ、間接非競合二重抗体サンドイッチ法を採用して試料を鑑別することであって、
イムノプレートにAFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体をコーティングし、プレートを洗浄するステップと、
ブロック液を加えてブロッキングし、プレートを洗浄するステップと、
鑑別対象試料液を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体と結合反応する西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を加えて反応させ、プレートを洗浄するステップと、
発色液を加えて反応させるステップと、
停止液を加えて、マイクロプレートリーダーで読み取り、計算して、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得するステップと、を含むこと、
(5)鑑別結果を評価することであって、
鑑別対象試料中のアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量が高いほど、鑑別対象菌株のアフラトキシン産生能力である毒素産生力が強くなることを示し、上記マイクロプレートリーダーの計算結果に基づいて、試料被検液の単位体積当たりのアフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の含有量を取得し、鑑別対象試料にアフラトキシンの毒素産生力の強い菌株を含有するか否かを判定することであり、
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のアミノ酸配列は配列番号1で示される方法
【請求項7】
鑑別対象試料を秤量して、無菌水に移し、室温で均一に振盪し、被検試料の均一分散液を製造し、10~1000μLの試料均一分散液を6~600mLの従来のツァペック培地又はその他のアフラトキシン毒素産生菌の成長に適する培地に加えて、15~35℃で200±50rpmで振盪培養して、6~24h培養してからサンプリングして、鑑別対象試料の被検液を形成し、前記鑑別対象試料が土壌、漢方薬材料、農産物又は飼料である前記ステップ(3)であることを特徴とする請求項6に記載の方法
【請求項8】
ステップa:上記AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体と、ELISAコーティングバッファーとで0.2~8.0μg/mLのコーティング液を配合して、イムノプレートに加えて、4℃で一晩放置するか又は37℃で2h以上放置して、上記イムノプレート中のコーティング液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、次に、濃度が1%以上の脱脂粉乳をブロック液として、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、ブロック液を捨て、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップb:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで試料の被験液を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加えて、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップc:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで上記AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体を適切に希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップd:次に、pHが中性に近い従来のリン酸バッファーで市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を必要に応じて希釈し、イムノプレートのウェルに加え、室温で放置するか又は37℃で1h以上ブロッキングしてから、液体を捨てて、ELISAの従来の洗浄液でイムノプレートを洗浄し、
ステップe:次に、ELISAの従来の発色液、停止液を順に加え、最終的にマイクロプレートリーダーによってAFT-YJFZ01含有量の結果を読み取り、計算する前記ステップ(4)であることを特徴とする請求項6に記載の方法
【請求項9】
アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のポリクローナル抗体が、アフラトキシン毒素産生菌の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01のナノボディ又はモノクローナル抗体の動物源と異なることを特徴とする請求項3又は6に記載の方法
【請求項10】
段階的な濃度勾配の毒素産生力指標分子AFT-YJFZ01の溶液を用いて検量線を作成し、マイクロプレートリーダーの結果に基づいて検量線を用いてAFT-YJFZ01の含有量を取得することを特徴とする請求項3又は6に記載の方法
【国際調査報告】