(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】骨延長デバイス及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/66 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A61B17/66
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573183
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 IB2022054908
(87)【国際公開番号】W WO2022249101
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522242465
【氏名又は名称】スモール ボーン レンクスニング エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シュバリエ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】メルシェ,ウィリアム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL18
(57)【要約】
【要約】
本発明は、移植可能な骨延長デバイスに関する。移植可能な骨延長デバイスは、回転アクチュエータを収容する内部キャビティを定義する内側ロッドを備えている。回転アクチュエータは、内側ロッドの端部に配置され、外側ロッドのネジ付きの内面とネジ係合するリードスクリューに接続された出力シャフトを有する。リードスクリューを回転させることで、回転運動が直線運動に変換され、結果的に、外側ロッドが内側ロッドに対して伸縮運動する。回転運動は、並列構成で配置された構成要素によって直線運動に変換され、それによって、最大ストローク長を維持しながら骨延長デバイスの全長を最小化する。さまざまな実施形態で、電子回路基板、電気電源又は電池電源などの付加的な構成要素が、内側ロッドによって形成された内部キャビティの中に収容されてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面を有する内側ロッドと、
前記内側ロッドと伸縮可能に係合する外側ロッドであり、前記内側ロッドの前記外面と、軸方向にスライド可能に係合するネジ付きの内面を有する、外側ロッドとを備え、
前記内側ロッドと前記外側ロッドとはそれぞれ、骨に取り付けるように構成されている端部を有し、
前記内側ロッドの中に収容されている回転アクチュエータと、
前記回転アクチュエータと軸方向に位置揃えされ、回転可能に結合されているリードスクリューであり、前記外側ロッドのネジ付きの前記内面とネジ係合するリードスクリューとを備え、
これにより、前記回転アクチュエータの回転運動が直線運動に変換され、結果的に、骨延長デバイスの軸方向の全長の伸縮での変化がもたらされる、
移植可能な骨延長デバイス。
【請求項2】
前記回転アクチュエータは電気モータを含む、請求項1記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項3】
前記回転アクチュエータは、外部から発生した磁場によって作動する非電気的アクチュエータを含む、請求項1記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項4】
前記回転アクチュエータはさらに、減速機を含む、請求項1記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項5】
さらに、前記内側ロッドの中に収容されている電子機器パッケージを備えている、請求項1記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項6】
前記電子機器パッケージは電源を含む、請求項5記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項7】
さらに、骨延長デバイスに加えられた軸方向の力を検出するように構成されている力センサを備えている、請求項1記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項8】
前記内側ロッドはさらに、外側に配置されたスリーブを含み、前記スリーブは、前記内側ロッドの端部から延びる、請求項1記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項9】
前記骨は第1椎骨及び第2椎骨を含む、請求項1記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項10】
内部ボリュームを定義する内側ロッドと、
前記内側ロッドと伸縮調節可能に係合する外側ロッドであり、ネジ付きの内面に囲まれた内部キャビティを定義する外側ロッドとを備え、
前記内側ロッドと前記外側ロッドとはそれぞれ、骨に取り付けるように構成されている端部を有し、
前記内部ボリュームの中に配置されている電子機器パッケージと、
前記電子機器パッケージと電気的に通信する回転アクチュエータであり、モータとギヤアセンブリとを含む回転アクチュエータと、
前記ギヤアセンブリの出力部に結合されているリードスクリューであり、前記外側ロッドのネジ付きの前記内面とネジ係合するように配置されているネジ付きの外面を有するリードスクリューと、
骨延長デバイスを選択的に伸縮させるために、前記回転アクチュエータを作動させる手段とを備えている、
移植可能な骨延長デバイス。
【請求項11】
作動させる前記手段は、前記電子機器パッケージと電気的に通信する移植可能な遠隔電源モジュールを含む、請求項10記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項12】
作動させる前記手段は、前記電子機器パッケージとの無線通信に適合された外部制御ユニットを含む、請求項10記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項13】
前記外部制御ユニットはさらに、電力を前記電子機器パッケージに伝送する手段を含む、請求項12記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項14】
前記外側ロッド、前記内側ロッド、前記回転アクチュエータ、及び前記リードスクリューは、並列に構成され、これにより、機械的構成が回転運動を直線運動に変換する、請求項10記載の移植可能な骨延長デバイス。
【請求項15】
対象の脊柱の脊柱湾曲の治療のための移植可能なデバイスであって、
内側ロッドと、
前記内側ロッドと伸縮可能に係合する管状の外側ロッドであり、前記内側ロッドと軸方向にスライド可能に係合するネジ付きの内面を有する、管状の外側ロッドとを備え、
前記内側ロッドと前記外側ロッドとはそれぞれ、骨に取り付けるように構成されている端部を有し、
前記内側ロッドの中に収容されている回転アクチュエータと、
前記回転アクチュエータに回転可能に結合されているリードスクリューであり、前記外側ロッドのネジ付きの前記内面とネジ係合しているリードスクリューとを備え、
これにより、前記回転アクチュエータの回転運動が直線運動に変換され、結果的に、デバイスの全長の変化がもたらされ、
前記骨は、第1椎骨と第2椎骨とを含む、
移植可能なデバイス。
【請求項16】
第1の内側ロッド及び外側ロッドであり、それぞれ、少なくとも2つの椎骨に取り付けられるように構成された端部を有する第1の内側ロッド及び外側ロッドと、
第2の内側ロッド及び外側ロッドであり、それぞれ、少なくとも2つの椎骨に取り付けられるように構成された端部を有する第2の内側ロッド及び外側ロッドとを備えている、請求項15記載の移植可能なデバイス。
【請求項17】
さらに、電力を供給する単一の電力供給ユニットを備えている、請求項16記載の移植可能なデバイス。
【請求項18】
制御及び遠隔測定ユニットと協働して、移植可能な骨延長デバイスから複数の生理学的データを収集及び伝送する方法であって、
収集する方法を開始するために、少なくとも1つのコマンドを開始するステップと、
移植可能な前記骨延長デバイスに問い合わせを行うステップと、
複数の前記生理学的データを収集するステップと、
データを患者ファイルに伝送するステップとを備えている、方法。
【請求項19】
制御及び遠隔測定ユニットと協働して、患者プロトコルを更新し、前記患者プロトコルを移植可能な骨延長デバイスに遠隔で適用する方法であって、
前記制御及び遠隔測定ユニットで記録されたパラメータを変更するステップと、
変更された前記パラメータを有効化するために、少なくとも1つのコマンドを開始するステップと、
更新された指示を移植可能な骨延長デバイスに伝送するステップと、
更新された前記患者プロトコルに従って、必要とされる移植可能な骨延長を行う請求項16記載のデバイスを実行するステップであり、前記デバイスはさらに、電力を供給する単一の電力供給ユニットを含む、実行するステップとを備えている、方法。
【請求項20】
更新された前記患者プロトコルは、移植可能な前記骨延長デバイスにリンクされたセンサ手段によって記録された患者データに従って、外科医によって開始される、請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に骨延長デバイスに関し、さらに詳細には、小児患者の骨を延長し、側弯症を矯正するために使用するコンパクトな骨延長デバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディストラクション骨形成術とは、骨を延長するための手術法である。ディストラクション骨形成術は、制御された骨切りと、これに続いて、新しい骨の成長を刺激する伸張力を加える機械的デバイスを使用して、2つの骨端を徐々に制御しながら牽引することとから構成されている。ディストラクションの段階では、ディストラクションデバイスにより、2つの骨端が特定の速度とリズム、典型的には1日当たり1.0mmで牽引される。
【0003】
当該技術分野では、さまざまなディストラクションデバイスが知られている。米国特許出願公開第2016/0058483号(Stauch)は、管状骨を延長する髄ピンを開示し、髄ピンは、軸方向に変位可能な第1及び第2内側部分を含む中空本体と、第1内側部分の軸方向変位を、第2内側部分に対して発生させるための駆動ユニットとを備えている。電気ケーブルが駆動ユニットに電力を供給し、デバイスからのセンサ信号の伝送を可能にする。米国特許出願公開第2011/0060336号(Pool)は、髄内延長デバイスを開示し、これは、回転可能な永久磁石アクチュエータを含むハウジングと、ハウジングに対して伸縮可能に取り付けられた可動ディストラクションシャフトとを有するアクチュエータを備えている。ディストラクションシャフトは、リードスクリューを介して回転可能な永久磁石に動作可能に結合されている。米国特許出願公開第2017/0333080号(Roschak)は、遠隔調節可能な対話型骨再形成インプラントを開示している。これは、インプラント本体と、インプラント本体に結合されているアクチュエータと、生物学的状態を示すパラメータを検出するように構成されているセンサと、トランシーバと、コントローラとを備えている。
【0004】
早期発症側弯症(EOS)は、脊柱(脊椎)の変形という骨に関連するもう1つの問題であり、小児に、特に肺が完全に成熟する年齢よりも前、即ち8歳ないし10歳の間に発症する。EOSの治療は、脊柱と胸郭との成長を維持しながら、脊柱の湾曲を減少させ制御することに主眼が置かれているため、依然として難しい。成長ロッドは、脊柱の成長を可能にしながら湾曲の悪化を防止することができるため、EOSの治療法として人気がある。従来、成長ロッドを使用する場合に、およそ6か月に一度、オープン手技によるディストラクションが必要であった。このようなオープン手技によるディストラクションは、麻酔や創傷合併症のリスクが高く、負担が大きい。また、全身麻酔下での繰り返しの手術は、脳の発達に悪影響を及ぼす可能性がある。これは特に幼児にとって重要である。従来の成長ロッド(TGR)に伴う欠点の結果、背景技術から代替技術の開発が明らかになった。
【0005】
米国特許出願公開第2014/0031870号(発明者Chang他)は、外来患者ベースで段階的な長さ延長を可能にする磁気制御成長ロッド(「MCGR」)を開示している。MCGRは、大型の外部磁石を使用することで、覚醒している患者の継続的な神経学的観察下で、周期的な非侵襲的脊髄延長を可能にする。米国特許出願公開第2006/0009767号(発明者Kiester)は、脊柱の脊柱湾曲の矯正を開示し、これは、完全に皮膚の下に分離され、ロッドの相互に反対側の端部で脊柱の脊柱湾曲の選択された部分に取り付けられた拡張ロッドを使用することと、所望の脊椎曲線が得られるまで、外部制御の下で、延長された期間にわたってロッドの拡張によって制御された力を発生させることとを有する。米国特許出願公開第2015/0250505号(発明者Ross)は、遠隔制御可能な成長ロッドデバイスを開示し、これは、遠隔送信された運動データを受信機により受信するように構成されたマイクロプロセッサを有するオンボード電子機器を備え、さらに駆動アセンブリのフィードバック制御された作動を行う。
【0006】
TGRとは異なり、上記の技術は、外来通院中にディストラクションが可能であることができるため、外科的な長さ延長術を繰り返すリスクを回避することができる。またさらに、通常の生理的成長をさらに忠実に模倣するために、一層頻繁にディストラクションを行う可能性がある。全身麻酔をかけてロッドディストラクションを行う必要がなくなるため、小児にとって大きなメリットがある。また、不規則な間隔での突然の強力なディストラクションに伴う、脊柱の自己融合を避けることができるため、脊柱の長さが延びるという利点がある可能性がある。しかし、デバイスの小型化、個人化されたプロトコル、術後ケアの経過観察など、技術の一層の進歩が必要である。
【発明の概要】
【0007】
当該技術分野で知られるさまざまなデバイスは、全体的に、それらが意図される特定の用途に適しているが、全体的に、小児症例の治療に使用するには大きすぎると考えられている。さらに、背景技術のデバイスによって使用される構成と機構とは、全体的に、ストロークの長さを大幅に減少させなければ、小児の骨の小さい寸法に対応するために小型化するために適していない。特に、背景技術の骨延長デバイスは、デバイスの長さが過大となる構成の中で、アクチュエータがディストラクションロッドと直列(in series,シリアル)に構成される機械的作動に依存する。従って、小児症例を効果的に治療するために、骨延長術の分野での進歩の必要性が存在する。
【0008】
上記したセクションに記載された技術は、特にそのように指定されていない限り、ここで言及されている特許、刊行物、又はその他の情報が、本発明に関する「背景技術」であることを認めることを意図するものではない。さらに、上記したセクションは、調査が行われたことを意味するとか、又は連邦規則集第37編第1.56条(a)に定義される他の関連情報が存在しないことを意味するものと、解釈されないものとする。
【0009】
本発明は、小児患者症例の骨を延長することと、小児側弯症を治療することとのための使用に特に適合した骨延長デバイス及び方法の分野での進歩を提供することにより、背景技術に存在する限界を克服する。第1実施形態に係り、本発明は、ネジ式の伸縮係合に構成されている外側ロッドと内側ロッドとを備えている移植可能な骨延長デバイスを提供する。内側ロッドは、内部キャビティを定義し、内部キャビティは、リードスクリューに接続された出力シャフトを有する回転アクチュエータを収容し、リードスクリューは、内側ロッドの端部に配置され、外側ロッドのネジ付きの内面とネジ係合する。リードスクリューを回転させることで、回転運動が直線運動に変換され、結果的に、外側ロッドが内側ロッドに対して伸縮運動する。本発明の重要な態様は、回転運動を確実にして直線運動に変換する構成要素、即ち、一方ではアクチュエータ及びリードスクリューアセンブリ、他方では外側ロッドが、並列な構成で配置されている構成を提供することである。それにより、最大ストローク長を維持しながら骨延長デバイスの全長を最小化するようにする。さまざまな実施形態で、電子回路基板、電気電源又は電池電源などの付加的な構成要素が、内側ロッドによって形成された内部キャビティの中に収容されてよい。本発明の骨延長デバイスは、骨の髄腔への埋め込み、又は骨の外表面への取り付け、又は髄外プレートとしての骨への取り付けを含むさまざまな構成で骨に固定されてよい。
【0010】
従って、本発明の目的は、骨延長デバイス及び方法の分野での進歩を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、特に小児患者症例の骨を延長するために使用するように構成された、改良された骨延長デバイスを提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、回転運動を確保し直線運動に変換する機械的構造が、並列(parallel,平行)に構成され、これにより、最大ストローク長を維持しながら格納された全長を最小にする骨延長デバイスを提供することである。
【0013】
本発明のもう1つの目的は、早期発症側弯症の治療技術での進歩を提供することである。
【0014】
添付の図面、以下の図面の詳細な説明、及び好ましい実施形態から一層明らかになる本発明によって、これらの目的及び他の目的は達成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】回転運動を直線運動に確実に変換するために、内側ロッドと直列にネジ係合したアクチュエータとリードスクリューアセンブリとを備えている、背景技術の骨延長デバイスの概略断面図である。
【
図2】回転運動を直線運動に確実に変換するために、外側ロッドに対して並列に構成されたアクチュエータとリードスクリューとを備えている、本発明による骨延長デバイスの概略断面図である。
【
図3A】格納構成の場合の、本発明に係る骨延長デバイスの概略断面図である。
【
図3B】延長構成の場合の、
図3Aに示されたデバイスに従った概略断面図である。
【
図3C】
図3Bに示されたデバイスの部分的な概略詳細図である。
【
図3D】
図3Cに示されたデバイスの分解図である部分的な概略詳細図である。
【
図4】電気モータと減速機とを伴って構成された、本発明による代替実施形態の骨延長デバイスの概略断面図である。
【
図5】回転アクチュエータと電子回路とを伴って構成された、本発明による代替実施形態の骨延長デバイスの概略断面図である。
【
図6】内部電源を伴って構成された、本発明による代替実施形態の骨延長デバイスの概略断面図である。
【
図7】移植可能な遠隔電源モジュールを伴って構成された、本発明による代替実施形態の骨延長デバイスの概略断面図である。
【
図8】軸受を伴って構成された代替実施形態の概略断面図である。
【
図9A】さまざまなシールを伴って構成された代替実施形態の概略断面図である。
【
図9B】さまざまなシールを伴って構成された代替実施形態の概略断面図である。
【
図10】ベントを伴って構成された代替実施形態の概略断面図である。
【
図11】半径方向に拡大された内側ロッド先端部を伴って構成された代替実施形態の概略断面図である。
【
図12A】内側ロッドを有する固定アセンブリの中で、外側ロッドを覆うシースで構成された代替実施形態の概略断面図である。
【
図12B】格納構成でのデバイスとともに、他の代替実施形態のシース構成を示す概略断面図である。
【
図12C】
図12Bに示された実施形態であり、部分的に延長された構成を示す概略断面図である。
【
図13】ガイドブッシュを伴って構成された代替実施形態の概略断面図である。
【
図14】フィレット端部を伴って構成された代替実施形態の概略断面図である。
【
図15】内側ロッドと外側ロッドとの間のスライド係合を可能にする構造の詳細な描画を提供する部分断面詳細図である。
【
図16A】骨セグメントへのデバイスの取り付けに使用するための締結具受け開口を有する、内側及び外側ロッド端部を示す概略断面図である。
【
図16B】骨セグメントへのデバイスの取り付けに使用するための締結具受け開口を有する、内側及び外側ロッド端部を示す概略断面図である。
【
図17】側方固定プレートを使用して適合されたデバイスを示す概略断面図である。
【
図18A】背景技術のデバイス(18A)と本発明に係るデバイス(18B)との比較図であり、格納構成での本発明のコンパクトな長さを示す。
【
図18B】背景技術のデバイス(18A)と本発明に係るデバイス(18B)との比較図であり、格納構成での本発明のコンパクトな長さを示す。
【
図19A】背景技術のデバイス(19A)と本発明に係るデバイス(19B)との比較図であり、本発明によって達成されたさらに長いストローク長を示す。
【
図19B】背景技術のデバイス(19A)と本発明に係るデバイス(19B)との比較図であり、本発明によって達成されたさらに長いストローク長を示す。
【
図20A】背景技術のデバイス(20A)と本発明に係るデバイス(20B)との比較図であり、背景技術のデバイスによって達成された同じストローク長に対して、本発明によって達成されたさらに長い案内長さを示す。
【
図20B】背景技術のデバイス(20A)と本発明に係るデバイス(20B)との比較図であり、背景技術のデバイスによって達成された同じストローク長に対して、本発明によって達成されたさらに長い案内長さを示す。
【
図21A】背景技術のデバイス(21A)と本発明に係るデバイス(21B)の比較図であり、本発明では電気機械システムを収容するために利用可能な内部ボリュームが、背景技術のデバイスと比較して大きいことを示す。
【
図21B】背景技術のデバイス(21A)と本発明に係るデバイス(21B)の比較図であり、本発明では電気機械システムを収容するために利用可能な内部ボリュームが、背景技術のデバイスと比較して大きいことを示す。
【
図22】髄内延長デバイスとしての本発明による骨延長デバイスの使用を示す。
【
図23】本発明に係り、髄外延長デバイスとしての骨延長デバイスの使用を示す。
【
図24】本発明に係り、髄内補強材と関連付けられた髄外延長デバイスとしての骨延長デバイスの使用を示す。
【
図25】本発明に係り、髄外延長デバイスとしての骨延長デバイスの別の実施形態を示す。
【
図26】外部制御ユニットと無線通信する、本発明による骨延長デバイスの実施形態を示す。
【
図27】電力を無線で受信し、外部制御ユニットと無線通信するように構成された、本発明による骨延長デバイスの実施形態を示す。
【
図28】移植可能な給電モジュールに配線され、無線外部制御用に構成された、本発明による骨延長デバイスの実施形態を示す。
【
図29】移植可能な受電モジュールに配線され、無線外部制御用に構成された本発明による骨延長デバイスの実施形態を示す。
【
図30A】格納構成と延長構成との両方での、本発明による骨延長デバイスの断面図である。
【
図30B】格納構成と延長構成との両方での、本発明による骨延長デバイスの断面図である。
【
図31A】格納構成と延長構成との両方での、本発明による骨延長デバイスの斜視図である断面図である。
【
図31B】格納構成と延長構成との両方での、本発明による骨延長デバイスの斜視図である断面図である。
【
図32】本発明による骨延長デバイスの分解斜視図である断面図である。
【
図33】内側ロッドと外側ロッドとの間の回転運動を制限するために、内側ロッドラグと外側ロッドラグとの部分分解斜視図である。
【
図34】内側ロッドラグと外側ロッドラグとの嵌合係合を示す断面図である。
【
図35】内側ロッドラグを示すデバイスの部分断面図である。
【
図36A】
図35の36A-36A線に沿って得られた断面図であり、外側ロッドの部分的にネジ付きの内面を示す。
【
図36B】
図35の36B-36B線に沿って得られた断面図であり、外側ロッドの部分的にネジ付きの内面を示す。
【
図37A】デバイスの相互に反対側の端部に配置された貫通ボアを示す側面図である。
【
図38A】デバイスの相互に反対側の端部での代替の貫通ボア構成を示す側面図である。
【
図39】垂直角と斜角とで構成された貫通ボアを示す側面図である。
【
図40A】遠位及び近位軸方向停止部を強調する側断面図である。
【
図41】突出したフランジに定義された貫通ボアを有するデバイスの代替構成を示す。
【
図42】一実施形態に係り、患者の脊柱に固定された骨延長デバイスを示す。
【
図43】別の実施形態に係り、患者の脊柱に固定された一対の骨延長デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、本開示の一部を構成する添付の図面に関連して取られる以下の詳細な説明を参照することによって、一層容易に理解可能である。本発明は、本明細書に記載及び/又は示される特定のデバイス、方法、条件又はパラメータに限定されず、本明細書で使用される用語は、例示として特定の実施形態を説明するためのものであり、請求項に係る本発明を限定することを意図しないことを理解するものとする。本明細書で特定されるあらゆる特許及び他の刊行物は、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により組み込まれる。
【0017】
本発明を説明する際、「結合」という言葉を使用する。「結合される」とは、言及された物品又は構造が、他の物品又は構造に直接又は間接的に接合されることを意味する。「間接的に接合される」とは、「結合される」2つの物品の間に、介在する物品又は構造が存在することを意味する。「直接的に接合される」とは、2つの物品又は構造が相互に接触しているか、又は本質的に連続していることを意味する。「構造に隣接する」とは、特定された構造の近くに位置することを意味する。
【0018】
また、添付の請求項を含んで本明細書で使用される場合に、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数形の場合を含む。特定の数値への言及は、文脈から明らかにそうでないことが指示されない限り、少なくともその特定の数値であることを含む。本明細書で、範囲は、「約」又は「近似的に」ある特定の値から、及び/又は「約」又は「近似的に」別の特定の値までの範囲を表す可能性がある。このような範囲が表現される場合に、別の実施形態では、ある特定の値から、及び/又は他の特定の値までが含まれる。同様に、値が近似値として表現される場合に、先行する「約」の用語の使用により、特定の値が別の実施形態を形成することが理解される。
【0019】
次に図面に目を向けると、
図1は、全体的に符号100で示した、背景技術による骨延長デバイスの概略図であり、回転運動を直線運動に変換する構成要素は、本明細書でさらに後述するように、直列(in series,シリアル)に構成される。
図1は、非延長構成での背景技術のデバイス100を描いている。背景技術のデバイス100は、回転アクチュエータ104を収容する外側ロッド102を含み、この外側ロッド102は、内側ロッド108とネジ係合している外側ネジ付きのリードスクリュー106に直列に直接結合されている。リードスクリュー106の回転作動により、内側ロッド108は、外側ロッド102に対して延長する。本発明の文脈において、回転アクチュエータ104と、リードスクリュー106と、ネジ付きの内側ロッド108とが
図1に見られるように配置された背景技術の構成は、前述の構成要素が機械的に「直列」に配置された構成として解釈されるものとする。
図1に最もよく見られるように、回転アクチュエータ104とリードスクリュー106とが外側ロッド102の中に直列に固定的に収容される機械的構成は、過剰な全長を有するデバイスをもたらす。
【0020】
図2ないし32は、本発明による移植可能な骨延長/延長デバイスと、これを使用する方法とのさまざまな実施形態を開示する。
図2は、本発明に係り、全体的に符号200で示される骨延長デバイスの概略的な例示を与える。さらに詳細には、骨延長デバイス200は、リードスクリュー206を駆動するように構成された回転アクチュエータ204を収容する内側ロッド202を含み、このリードスクリュー206は、外側ロッド208のネジ付きの内面208bとネジ係合している。
図2に最もよく見られるように、回転運動を直線運動に変換し確保する機構、即ち、リードスクリュー206と、外側ロッド208のネジ付きの内面208bと、内側ロッド202を取り囲む外側ロッド208とは、回転アクチュエータ204に対して「並列」に構成され(
図3D参照)、それにより、従来技術で知られる直列構成のデバイスと比較した場合に、全長が大幅に短縮される。好ましくは、内側ロッド202と外側ロッド208とは、外科用等級のステンレス鋼から作製される。いくつかの実施形態で、内側ロッド202と外側ロッド208とは、管状であってよいが、他の意図される実施形態で、内側ロッド202と外側ロッド208とは、回転運動が相対的直線運動に変換されることを可能にする方式で構成されることを条件として、異なる構成であってよい。
【0021】
「並列」に構成された骨延長デバイスと、「直列」に構成された骨延長デバイスとの間には、著しい相違がある。背景技術に係り、直列に構成されたデバイスは、回転アクチュエータが外側ロッドの中に配置され、内側ロッドのネジ付きの内面とネジ係合してリードスクリューを駆動する。これと対照的に、本発明に係り、並列に構成されたデバイスは、回転アクチュエータが内側ロッドの中に配置され、外側ロッドのネジ付きの内面とネジ係合しているリードスクリューを駆動するように構成されている。回転アクチュエータ(及び他の部品)を内側の管に収容して、結果的に、背景技術のデバイスと比較して、一層コンパクトな長さを有するデバイスがもたらされる。
【0022】
図3A,3B,3C及び3Dに最もよく見られるように、本発明による移植可能な骨延長デバイス200は、内側ロッド202を含み、内側ロッド202は、外側ロッド208の内部ボリュームによって定義された符号「C」で示される内部キャビティの中に配置されている。内側ロッド202は、外側ロッド208の内側キャビティCの中に少なくとも部分的に伸縮可能に配置され、好ましくは端部202aを含み、端部202aは、反対側の端部208aで終端する外側ロッド208から部分的に突出する。内側ロッド202は管状であり、少なくとも回転アクチュエータ204を収容する内部ボリュームを定義する。リードスクリュー206は、内側ロッド202の端部202aとは反対側の端部に配置され、回転アクチュエータ204に回転可能に結合されている。リードスクリュー206は、全体的に円筒形であり、内側キャビティCを囲む外側ロッド208のネジ付きの内面208bとネジ係合するように構成されたネジ付きの外面である外周面206aを定義する。リードスクリュー206のネジ山が外側ロッド208の内面(208b)に形成されたネジ山208bと確実に係合する条件で、ネジ山は、ネジ山ピッチ、ねじれ角、ネジ山角度、及び山/谷寸法など、任意の適切な形状及び寸法であってよい。いくつかの実施形態で、ネジ山は、ISOメートルネジであるメートル三角ネジ、(ISOメートルネジであるメートル三角ネジのプロファイルの一部、メートル台形、UTSプロファイル)である。いくつかの実施形態で、ネジ山ピッチは0.4mmであり、他の実施形態では、ネジ山ピッチは異なってよく、好ましくは0.05mmないし2.0mmの範囲の中にはいる。好ましくは、骨延長デバイスは、格納された全長120.0mmであり、直径8.0mmであり、ストローク長50mmであり、600Nの軸力を発生させることができるように製作される。明らかなように、本発明の範囲から逸脱することなく、これらの寸法の変更を行うことができる。
【0023】
回転アクチュエータ204は、リードスクリュー206を内側ロッド202に対して回転するように駆動する。本明細書でさらになお後述するように、外側ロッド208は、内側ロッド202に対して回転することは制限されるが、それを除いて、内側ロッド202の長さに沿って軸方向に移動することは自由である。回転アクチュエータ204の作動は、リードスクリュー206を回転させ、それによって外側ロッド208を内側ロッド202に対して軸方向に移動させる。従って、回転アクチュエータ204の選択的な作動は、リードスクリューが第1方向に回転した場合に、移植可能な骨延長デバイス200の長さを延長し、回転アクチュエータ204がスクリュー206を反対方向に回転させた場合に、移植可能な骨延長デバイス200の長さを短縮する。
【0024】
いくつかの実施形態で、回転アクチュエータ204は、電気信号による起動時にリードスクリュー206に回転運動を与えるように構成された電気モータを含む。他の実施形態では、回転アクチュエータ204は、外部から発生した磁場によって作動されたときにリードスクリュー206に回転運動を与えるように構成された円筒形磁石(例えば磁気作動モータ)を含む。さらに、リードスクリュー206の回転作動を発生させる任意の適切な装置が、本発明の範囲の中にあると想定される。
【0025】
図4に示されるように、いくつかの実施形態で、回転アクチュエータ204は、電気モータ又は円筒形磁石204a、又は任意の他の適切なアクチュエータ装置を含んでよい。これに加えて、アクチュエータアセンブリは、モータ又は磁石204aをリードスクリュー206に結合する減速機204bをさらに含んでよい。減速機204bは、許容可能な速度を維持しながら、リードスクリュー206を駆動する所望のトルクまで、回転アクチュエータ(例えば、小型モータ)のトルクを増大させるように機能する。いくつかの実施形態で、減速機204bは、遊星ギヤボックスなどのギヤアセンブリ又はギヤボックスを含む。いくつかの実施形態で、減速機204bは、歪み波ギヤ減速機を含む。いくつかの実施形態で、減速機204bは、ハイポサイクロイド減速機を含む。いくつかの実施形態で、減速機204bは、遊星歯車減速機、歪み波ギヤ減速機、及び/又はハイポサイクロイド減速機のうちの任意の2つを含む。いくつかの実施形態で、減速機204bは、遊星歯車減速機、歪み波ギヤ減速機、及び/又はハイポサイクロイド減速機の3つ全てを含む。
【0026】
図5で最もよく分かるように、内側ロッド202はさらに、給電用の電子機器、センサ、モータドライバ、コントローラなどの電子機器パッケージ210を収納してよい。
図6にさらに示されるように、内側ロッド202は、回転アクチュエータ204と、電子機器パッケージ210と、電力源212とを含んでよい。電力源212は、電池、一次電池、無線電力受信機、又は電力を受信及び/又は供給することができる、任意の他の適切な装置を含んでよい。
図7に示す想定される代替実施形態では、電力は、移植可能な遠隔電源モジュール214に電気的に接続された導電性ケーブル213を介して、内側ロッド202の中に収容された電子機器210などのデバイスに供給されてよい。遠隔電源モジュール214は、電池や一次電池などのエネルギー貯蔵デバイスを含んでよく、さらに任意選択でいくつかの電子機器を含んでよい。別の想定される実施形態では、移植可能な遠隔給電モジュール214は、無線受電器、及び任意選択でいくつかの電子機器を含んでよい。
【0027】
図8を参照すると、移植可能な骨延長デバイス200の実施形態が開示されている。これはさらに、軸方向及び/又は半径方向の力に曝される場合に動作可能な軸受216を含む。軸受216は、内側ロッド202とリードスクリュー206との間に加えられた力に耐え、内側ロッド202に対するリードスクリュー206の回転運動を可能にする。軸受216はさらに、リードスクリュー206を介して外側ロッド208に加えられる軸方向力及び/又は半径方向力を、内側ロッド202に伝達する。軸受216は、スラスト軸受、例えば、スラスト玉軸受、スラストころ軸受、円すいころ軸受、スラストニードル軸受、又はスラストプレイン軸受などを含んでよい。他の想定される実施形態で、軸受216は、ラジアル軸受、例えば、ラジアル玉軸受、ラジアルころ軸受、ラジアルニードル軸受、又はラジアルプレイン軸受などを含んでよい。他の想定される実施形態で、軸受216は、アンギュラ接触軸受、例えば、アンギュラ接触玉軸受、アンギュラ接触円錐ころ軸受、又はプレインアンギュラ接触軸受などである。さらに他の想定される実施形態で、軸受216は、1つ以上の軸受の組み合わせ、又は、1つ以上の軸受と軸受タイプとの組み合わせ、例えば、複数のアキシアル軸受、ラジアル軸受、及びアンギュラ接触軸受の組み合わせなどを含んでよい。他の軸受216は、単列軸受、複列軸受、又は1つ以上の方向に加えられる力のために構成された軸受(複数可)を含んでよい。
【0028】
図9A及び9Bは、シール218を伴って適合されたさらに別の実施形態を示す。シール218は、患者の組織と直接接触可能な生体適合性構成要素が、患者の組織から隔離されなければならない非生体適合性構成要素からシール218によって分離されるように、デバイスを密封シールするように機能する。シール218は、本明細書に開示された1つ以上の軸受構成と組み合わせて使用されてよい。
図9Aは、回転アクチュエータ204の出力シャフトと内側ロッド202との間で、リードスクリュー206に隣接して配置されたシール218の使用を示す。
図9Bは、内側ロッド202の突出端に近接して内側ロッド202と外側ロッド208との間に配置されたシール218の使用を示す。シール218は、Oリングを含んでよく、又はこれで構成されてよく、又は本質的にこれで構成されてよい。他の想定される実施形態では、シール218は、Xリングを含み、又はこれで構成され、又は本質的にこれで構成されている。さらに他の実施形態では、シール218は、Oリング、Xリング、Vリング、リープシール、又は他の形状のシールを含み、又はこれで構成され、又は本質的にこれで構成されている。
【0029】
ここで
図10を参照すると、外側ロッド208は、ベント220を含むことに適合されてよく、ベント220は、内部キャビティCを外側ロッド208の外部の環境と流体連通させる。ベント220は、内部キャビティCが膨張するため、外側ロッドが内側ロッド202に沿って軸方向に前進するにつれて、外側ロッド208の壁を横切って圧力差(例えば、減圧又は真空)が形成されるのを防止するように作動する。さらにベント220は、移植時に内部キャビティCを空気又は気体で満たすことを可能にしてよい。ベント220は、貫通ボアによって形成されてよく、さらに、外側ロッド208に形成されたチャンネルを介した流体連通を含んでよい。
【0030】
図11及び12Aないし12Cに示されるように、内側ロッド202の突出端部202aの有する外径が、外側ロッド208の外径と近似的に同じであるか、又は同じであるか、又は外側ロッド208の外径よりも大きいように、移植可能な骨延長デバイスは構成されてよい。それらの実施形態で、
図12Aないし12Cに示されるように、外側ロッド208が内側ロッド202に沿って軸方向に移動するにつれて、端部202aと外側ロッド208との間に形成されるギャップGの中で、組織の成長を防止するために、スリーブ222が、外側ロッド208の上に内側ロッド202の端部202aから延びることができる。スリーブ222は、外科用グレードの鋼、又は任意の他の適切な材料から作製されてよく、外側ロッドは、スリーブ又はシース内で自由にスライドする。
【0031】
図13に示す実施形態では、ブッシング224が、内側ロッド202の突出端部202aに近接して、外側ロッド208の中に配置されている。ブッシング224は、内側ロッド202と外側ロッド208との適切な位置合わせを確実にし、内側ロッド202と外側ロッド208との間の遊びを低減又は最小化するように機能する。さらに、ブッシング224は、構成要素の間の摩擦を低減して、内側ロッド202での外側ロッド208の滑らかなスライドを確保するように機能する。
【0032】
ここで
図14を参照すると、内側ロッド202の突出部202aは、移植可能な骨延長デバイス200を取り囲む組織に対する摩耗損傷を低減又は最小化するために、フィレット加工された端部プロファイルFを含んでよい。外側ロッド208の端部208aはさらに、移植可能な骨延長デバイス200を取り囲む組織に対する摩耗損傷を低減又は最小化するために、フィレット加工された端部プロファイルF’を含んでよい。
【0033】
図15は、内側ロッド202と外側ロッド208との間のスライド係合を示す詳細な部分断面図である。外側ロッド208の内面に形成されたネジ山は、外側ロッド208を内側ロッド202で適切にスライドさせるために、内側ロッド202の全体的に滑らかな外面とスライド係合している。内側ロッド202と外側ロッド208とは、摩擦と遊びとのバランスを最大にするために、正確な公差で形成される。いくつかの実施形態で、リードスクリュー206は、ISOメートルネジであるメートル三角ネジの形状を含む。いくつかの実施形態で、外側ロッド208は、ISOメートルネジであるメートル三角ネジの形状の一部を含む。
【0034】
図16A、16B及び17は、本発明に係り、骨へのデバイスの取り付けを容易にするように、相互に反対側の端部を伴って適合された骨延長デバイスの実施形態を示す。
図16Aを参照すると、骨延長デバイス200は、内側ロッド端部202aと外側ロッド端部208aとのそれぞれが、貫通ボア(貫通孔)226を定義する。貫通ボア226は、骨延長デバイス200の相互に反対側の端部を骨の対応する部分に取り付けるために、骨ネジ、又は他の適切な締結具、又は取り付けデバイスが供給可能である。
図16Bは、代替実施形態を示し、内側ロッド端部202aと外側ロッド端部208aとがそれぞれ一対の長手方向に位置揃えされた貫通ボア226を定義し、その各々が、骨ネジ、又は他の適切な締結具、又は取り付けデバイスを受け入れるように意図され、供給可能であり、骨延長デバイス200の相互に反対側の端部を、骨の対応する部分に取り付けるようにする。
図17は、さらに別の実施形態を示し、内側ロッド202と外側ロッド208とが、側方固定プレート228を伴って適合され、側方固定プレート228の各々に、一対の貫通ボア226が定義される。明らかなように、内側ロッド202と外側ロッド208とは、さまざまな貫通ボア及び固定プレート構成を含んでよい。さらに、貫通ボアは、軸方向に位置揃えされてよく、又は軸方向にオフセットされてよく、さまざまな整列角度又は非整列角度で配置されてよい。
【0035】
ここで
図18A及び18Bを参照すると、本発明による骨延長デバイス200の1つの利点が図示されている。
図18A及び18Bに示す比較図で、本発明に係る骨延長デバイス200は、背景技術に対応する骨延長デバイス100の最小の(例えば、完全に格納された)長さL1よりも著しく短い最小の(例えば、完全に格納された)長さL2を有する。これは、ただし、同じストローク長さSと案内長さGとを有する。小児患者症例を処置する場合に存在する、一層小さい骨に、本発明の骨延長デバイス200が使用されることを可能にするので、一層短い格納された全長は重要である。
【0036】
図19A及び19Bは、骨延長デバイス200の別の利点を示す。これらの比較図で、本発明による骨延長デバイス200のストローク長さS2は、同じ最小の(例えば、格納された)長さLと、同じ案内長さGとを有する、背景技術の骨延長デバイス100のストローク長さS1よりも、著しく長い。
【0037】
図20A及び20Bは、本発明による骨延長デバイス200の別の利点を示す。これらの比較図で、本開示に適合する骨延長デバイス200の案内長さG2は、同じ最小の(例えば、格納された)長さLと、同じストローク長さSとを有する背景技術の骨延長デバイス100の案内長さG1よりも、著しく長い。
【0038】
図21A及び21Bは、本開示の骨延長デバイス200のさらに別の利点を示す。この比較図で、本開示の骨延長デバイス200(
図21B)での回転アクチュエータに利用可能な空間204’は、従来技術のシステム(
図21A)でのアクチュエータに利用可能な空間104’よりも実質的に大きい。
【0039】
図22は、髄内延長デバイスとして使用される本開示の骨延長デバイス200を示す。
図23を参照すると、本開示の骨延長デバイス200は、髄外延長デバイスとして使用されてよい。
図24を参照すると、髄外延長デバイスとして使用された場合に、本開示の骨延長デバイス200は、髄内補強材40と関連付けられてよい。
図25を参照すると、本開示の骨延長デバイス200は、延長プレートとして使用されてよい。一部の実施形態では、移植可能な骨延長デバイス200は、髄内逆行性ネイルであり、他の実施形態では、移植可能な骨延長デバイスは、髄内順行性ネイルである。
【0040】
図26によって表される場合では、移植可能な骨延長デバイス200は、上記で開示されたような一体型電源によって給電され、外部制御ユニット300と無線通信する。無線通信は、外部へ信号を伝送すること、及び/又は制御ユニット300、又は他の何らかの電子監視及び/又は制御デバイスから信号を伝送することを含んでよい。さらに、無線通信は、外部制御ユニット300、又は他の何らかの電子監視デバイス及び/又は制御デバイスから伝送された信号をデバイス200により受信することを含んでよい。
図27は、上記に開示されたような一体型受電器を使用して受電する移植可能な骨延長デバイス200を示し、これにより、デバイス200は、外部制御ユニット300によって無線で給電され、外部制御ユニット300と無線通信する。この実施形態によれば、電力は、外部制御ユニット300を介してデバイス200に無線送信される。
図28は、移植可能な骨延長デバイス200が遠隔給電モジュール214(電力貯蔵及び/又は電池電源を伴う)によって給電され、外部制御ユニット300と無線通信する実施形態を示す。
図29に表される場合では、移植可能な骨延長デバイス200は、外部制御ユニット300から無線でエネルギーを受信する電力受信機を備える遠隔給電モジュール214によって給電され、それによって、電気エネルギーは、導電性ケーブル213を介してデバイス200に供給可能である。本実施形態はさらに、(a)デバイス200とモジュール214との間の有線通信機能と、(b)モジュール214と外部制御ユニット300との間の無線通信機能とを備えている。本発明はさらに、ケーブル213が、無線通信アンテナとして構成されたその少なくとも一部をさらに含んでよいことを想定している。明らかなように、制御ユニット300は、リードスクリュー206を回転させるために、信号を移植可能な骨延長デバイス200(例えば、回転アクチュエータ204)に供給する。いくつかの実施形態で、信号は、回転アクチュエータ204にリードスクリュー206を所定量(例えば、リードスクリュー206の所定の回転の程度、外側ロッド208の所定の軸方向移動、所定のトルク、又は所定の力)だけ回転させるために十分な情報を含む。いくつかの実施形態で、信号は、電圧波又はいくつかの交流波のような電力成分を含む。
【0041】
図30A及び30Bは、本発明による骨延長デバイス200の断面図であり、それぞれ格納構成と延長構成とでのデバイスを示し、さらに、格納構成と延長構成との間の50.0mmの移動を示す。
図31A及び31Bは、格納構成と延長構成とでの骨延長デバイス200を示す断面斜視図である。骨延長デバイス200は、伸縮可能な関係で配置された内側ロッド202と外側ロッド208とを含む。内側ロッド202の中には、ギヤボックス204bを駆動するモータ204aを含む作動アセンブリ204が収容され、ギヤボックス204bは、リードスクリュー206を駆動する。軸受216とシール218とが、ギヤボックス204bとリードスクリュー206との間に配置されている。内側ロッド202はさらに、その一方の側で電気接続を介してモータ204aと電子通信する(電気的に通信する)電子機器パッケージ210と、その反対の側で電気接続を介してセンサ230(力センサ230)とを収容する。センサ230は、骨延長デバイス200に加えられる軸方向の力を検出及び測定するように機能する。デバイス200はさらに、近位軸方向停止部232と前位軸方向停止部234とを含む。近位軸方向停止部232は、デバイスの近位端を閉鎖し、軸方向に引っ張る力を保持するように機能する。例えば、外科医が内側ロッド202の端部202aに引っ張り力を加えると、その力はリードスクリュー206と、軸受216と、軸方向停止部232とを介して、外側ロッド208に伝達される。順方向の軸方向停止部234は、センサ230と関連している。
図32は、本発明による骨延長デバイスの分解透視断面図である。
【0042】
意図される代替実施形態では、移植可能な骨延長デバイスはさらに、振動センサを含んでよい。これは、カルスの剛性、及び/又は移植可能な骨延長デバイス性能にリンクする振動パターンを検出するように構成されている。
【0043】
次に
図33に目を向けると、内側ロッドと外側ロッドとの間の回転運動を制限する構造が描かれている。即ち、内側ロッド202の外面は、符号240で示され、1つ以上の半径方向外向きに突出し、長手方向に配置されたラグを定義する。外側ロッド208の内面は、符号242で示され、1つ以上の半径方向内向きに突出し、長手方向に配置されたチャンネルを定義する。ラグ240は、内側ロッド202が外側ロッド208と作動的に係合した場合に、チャンネル242の中に受容される。
図34は、外側ロッド208の中に配置された内側ロッド202を示す断面図であり、ラグ240がチャンネル242の中にスライド可能に受容された状態である。ラグ240がチャンネル242の中に受容されていることから明らかなように、内側ロッド202と外側ロッド208とは、相互に対して回転することが防止されつつ、長手方向の伸縮が可能である。
図35は、内側ロッドのラグ240を示すデバイスの追加の縦断面図である。ラグ240とチャンネル242とは、デバイス200の実質的に全長にわたって延びてよく、部分的にのみ延びてよく、さらに、間隔をあけたセグメントで連続的に形成されてよい。
図36Aは、外側ロッド208の部分的にネジ付きの内面に形成されたチャンネル242を図示する、
図35の36A-36A線に沿って得られた断面図である。
図36Bは、外側ロッド208の部分的にネジ付きの内面を図示する、
図35の36B-36B線に沿って得られた断面図である。
図37Aは、デバイス200の相互に反対側の端部に配置された貫通ボア226を図示し、貫通ボアは、長手方向に間隔をあけて、並列に軸方向に位置揃えされ、
図37Bは、その斜視図である。
図38Aは、デバイス200の相互に反対側の端部の貫通ボアが長手方向に間隔をあけて配置され、軸が角度的にオフセットしている、代替の貫通ボア構成を示す側面図であり、
図38Bは、その斜視図である。
図39は、垂直及び斜めの角度で構成された貫通ボアを示す側面図である。
【0044】
図40Aは、近位軸方向停止部232と遠位軸方向停止部234(近位軸方向停止部)とを強調する側断面図であり、
図40Bは、その斜視図としての断面図である。
図41は、全体的に符号30で示される骨延長デバイスの代替実施形態の構成を示す。代替実施形態の骨延長デバイス30は、骨延長デバイス200と実質的に同一の構成要素と機能とを有するが、符号302で示される長手方向に配置された突出フランジをさらに含む。各フランジ302は、デバイス30を骨に固定する締結具又は縫合糸(図示せず)を受容する機能を有する1つ以上の貫通ボア304を定義する。
【0045】
[骨を延長する方法]
本開示に適合する移植可能な骨延長デバイス200は、小児患者症例などの、それを必要とする対象の骨を延長するために使用されてよい。全体的に、それを必要とする対象の骨を延長する方法は、本明細書に開示される移植可能な骨延長デバイス200を、骨延長を必要とする対象の骨に関連付ける(例えば、移植する)ことと;移植可能な骨延長デバイス200を延長するために、移植可能な骨延長デバイス200の回転アクチュエータ204aを作動させることと;骨形成(例えば、カルス骨)が生じるまで、ある期間を待機することと;骨が所望の量まで延長されるまで作動及び待機のステップを繰り返すこととを備えている。いくつかの実施形態で、本方法はさらに、骨が所望の量まで延長された後に、対象から移植可能な骨延長デバイス200を除去することを備えている。
【0046】
いくつかの実施形態で、移植可能な骨延長デバイス200を関連付けるステップは、骨延長デバイス200を骨の髄腔に挿入することを含む。いくつかの実施形態で、髄腔は、移植可能な骨延長デバイス200の直径及び/又は長さを収容するように拡張される(例えば、穿孔される)。移植可能な骨延長デバイス200を関連付ける(例えば、移植する)ステップはさらに、例えば、1つ以上の骨ネジ、骨アンカー、及び/又は縫合糸によって内側ロッド202を骨に係留することと、例えば、1つ以上の骨ネジ、骨アンカー、及び/又は縫合糸によって外側ロッド208を骨に係留することとを含んでよい。いくつかの実施形態で、内側ロッド202を骨に係留するステップは、1つ以上の孔226を通して、1つ以上の骨ネジを打ち込むことを含む。いくつかの実施形態で、内側ロッド202を骨に係留するステップは、内側ロッド202に関連付けられた側方固定プレート228を貫通する孔226を通して、2つ以上の骨ネジを打ち込むことを含む。いくつかの実施形態で、外側ロッド208を骨に係留するステップは、外側ロッド208の1つ以上の孔226を通して、1つ以上の骨ネジを打ち込むことを含む。他の実施形態では、外側ロッド208を骨に係留するステップは、外側ロッド208に関連付けられた側方固定プレート228を貫通する孔226を通して、2つ以上の骨ネジを打ち込むことを含む。
【0047】
図22に示すように、移植可能な骨延長デバイス200を骨Bに関連付けるステップは、移植可能な骨延長デバイス200を骨Bの髄腔に挿入することを含んでよい。他の実施形態では、
図23に適合する実施形態では、移植可能な骨延長デバイス200を骨Bに関連付けるステップは、移植可能な骨延長デバイス200を骨Bの外面(例えば、皮質面)に取り付けることを含む。このような実施形態では、骨ネジ又は糸通し縫合糸(図示せず)は、例えば、先に説明した
図17に描かれた実施形態を使用して、外側ロッド208の孔226を通して骨ネジ又は糸通し縫合糸を駆動することによって、内側ロッド202の貫通ボア(貫通孔)226で駆動又は通過される。
【0048】
図24に描かれた実施形態に示されるように、デバイス200の髄外構成では、安定化と剛性とを提供するために、補強材40を髄内に置いて骨Bに関連付けてよい。骨Bがその長さに沿って曲がるリスクを低減又は排除することによって、骨Bをさらに安定化させるために、補強材40は、大きさが与えられ、形状が与えられ、骨Bに関連付けられている。いくつかの実施形態で、本方法はさらに、移植可能な骨延長デバイス200を骨に関連付ける前に、骨に皮質切開及び/又は骨切開を行うことを備えている。
【0049】
回転アクチュエータ204を作動させるステップは、例えば制御ユニット300から回転アクチュエータ204に電気信号を送り、リードスクリュー206が、外側ロッド208を内側ロッド202に対して、所定の距離だけ延長するようにすることを含む。所定の距離は、0.01mmないし2.0mmであってよいが、任意の適切な距離が本発明の範囲の中にあると想定される。いくつかの実施形態で、回転アクチュエータ204を作動させるステップは、例えば制御ユニット300から回転アクチュエータ204に電気信号を送り、リードスクリュー206が、外側ロッド208を内側ロッド202に対して、所定の力によって延長するようにすることを含む。所定の力は、1Nないし3000Nであってよい。いくつかの実施形態で、回転アクチュエータ204を作動させるステップは、例えば制御ユニット300から回転アクチュエータ204に電気信号を送り、リードスクリュー206が、外側ロッド208を内側ロッド202に対して、所定の力の微分によって延長するようにすることを含む。所定の力変動(即ち微分)は、4N/mmないし50000N/mであってよい。外側ロッド208を所定の距離だけ延長させるか、又は所定の力を加えるために、回転アクチュエータを作動させるこのステップは、好ましくは、順次所定の方式で繰り返される。
【0050】
いくつかの実施形態で、回転アクチュエータ204を作動させるステップは、制御ユニット300から回転アクチュエータ204に電気的なディストラクション信号を送ることを含む。ディストラクション信号は、リードスクリュー206に、所定の距離、力、及び力の変動の組み合わせによって外側ロッド208を延長させる。いくつかの実施形態で、所定の距離、力、及び力の変動は、所定の速度又は所定の時間、又は最大/最小の速度又は時間で達成することができる。いくつかの実施形態で、カルス骨の形成を可能にするためにある期間を待機するステップは、数秒から数時間、又は数日待機することを含む。いくつかの実施形態で、回転アクチュエータを作動させるステップと、カルス骨の形成を可能にする期間を待機するステップは、骨を1日当たり約0.25mmから1日当たり約2mmディストラクションするように、ともに行われる。回転アクチュエータを作動させるステップと、ある期間を待機するステップとは、骨が所望の量だけ延長されるまで繰り返される。所望の延長する量は、対象(患者)や骨によって異なる。
【0051】
いくつかの実施形態で、本開示は、それを必要とする対象(患者症例)の骨Bを延長する方法を提供し、この方法は、以下、即ち、
(a)本明細書に開示される移植可能な骨延長デバイス200を、対象の骨Bに関連付けるステップと、
(b)回転アクチュエータ204を作動させて、所定の距離、力、力の微分、速度及び/又は時間で、外側ロッド208を内側ロッド202に対して前進させるステップと、
(c)カルス骨の形成を可能にするためにある期間を待機するステップと、
(d)骨Bが所望の長さだけ延長するまで、ステップ(b)及び(c)を繰り返すステップとを備えている。
いくつかの実施形態で、本方法はさらに、移植可能な骨延長デバイス200を骨Bに関連付けるステップの前に、骨に髄腔を形成又は拡張することを備えている。いくつかの実施形態で、本方法はさらに、骨Bをさらに安定化させるために補強材40を骨Bに関連付けることを備えている。いくつかの実施形態で、移植可能な骨延長デバイス200を骨Bに関連付けるステップは、移植可能な骨延長デバイス200を骨Bの髄腔に挿入することを含む。いくつかの実施形態で、移植可能な骨延長デバイス200を骨Bに関連付けるステップは、移植可能な骨延長デバイス200を骨Bの外面に取り付けることを含む。いくつかの実施形態で、対象は小児患者症例である。いくつかの実施形態で、骨Bは下肢の骨であり、また骨Bは上肢の骨である。
【0052】
本発明は、脊柱の脊柱湾曲を矯正する装置であって、皮膚の下に完全に隔離された内側ロッドと管状外側ロッドと、内側ロッドと管状外側ロッドとを脊柱に結合する取り付けネジであり、内側ロッドの端部が第1椎骨に結合され、外側ロッドの反対側の端部が第2椎骨に結合される、取り付けネジとを備えている、装置である。本発明は、その装置の実施形態を含む。装置はさらに、内側ロッドの中に収容されている回転アクチュエータであり、所望の脊椎曲線が得られるまで、外部制御の下で、延長された規定期間にわたってデバイスを長手方向に延長させる回転アクチュエータを備えている。なお、これ以外は、本明細書で上記に全般的に述べた通りである。本装置は、外部電源又は移植可能な電源と組み合わされている。一実施形態で、本デバイスはさらに、本明細書に開示されるように、駆動力、及び/又は延長ベクトルの測定を可能にするセンサ手段とのリンクを備えている。本発明の一実施形態で、センサ手段は、力測定用の少なくとも1つの歪みゲージで構成される。本発明の一実施形態で、センサ手段は、変位測定のための少なくとも1つの加速度計で構成される。さらに一般的には、本発明が、管状の外側ロッドと、内側ロッドと、取り付けネジと、内側ロッドに収容された回転アクチュエータとを組み合わせたものとして特徴付けられ、かつリードスクリューが回転アクチュエータに回転可能に結合されている場合に、外側ロッドのネジ付きの内面とネジ係合したリードスクリューは、力が定常的に加えられる脊柱が、少なくとも部分的にまっすぐになるまで、定められた期間にわたって力を発生させる。
【0053】
図42は、一実施形態に係り、符号「BD」で示した患者の身体の中で、符号「S」で示した脊柱に固定された骨延長デバイス200を示す。符号400で示した外部制御及び遠隔測定ユニットは、患者の体外に配置され、これは、回転アクチュエータを制御し、デバイス200に関連するセンサと無線通信するように機能する。骨延長デバイス200に関連するセンサは、好ましくはデバイス200に統合され、デバイス200及びその環境に関連するキー情報を外科医(臨床スタッフ)に提供することができる。キー情報は、骨延長ストローク、脊柱変形矯正(角度、長さ、ベクトルなど)、デバイス温度、再生骨の剛性、デバイス200に加えられる歪み、及び脊柱「S」に加えられる歪みを含む。本発明の一実施形態は、デバイス200及びその環境からのキー情報データを考慮に入れた後、脊柱湾曲の脊柱及びその矯正によって、外科医が患者プロトコルを更新する能力を含む。実際には、外科医は、遠隔測定ユニット400に組み込まれたソフトウェアで定義された関連パラメータを修正する。遠隔測定ユニット400は、更新された制御/コマンドをアクチュエータデバイス200に送信する。遠隔電源ユニット214、例えば電池などが、デバイス200に電力を供給する。好ましい実施形態では、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー技術などの無線通信によって、制御及び遠隔測定ユニット400は骨延長デバイス200と通信する。
【0054】
図43は、別の実施形態に係り、患者の脊柱「S」に固定された、200A及び200Bで示される一対の骨延長デバイスを示す。上記で開示したように、符号400で示される外部制御及び遠隔測定ユニットは、患者の身体の外に配置され、回転アクチュエータを制御し、デバイス200に関連するセンサと無線通信するように機能する。骨延長デバイス200に関連するセンサは、好ましくはデバイス200に統合され、デバイス200及びその環境に関連するキー情報を外科医に提供することができる。キー情報は、骨延長ストローク、脊柱変形矯正(角度、長さ、ベクトルなど)、デバイス温度、再生骨の剛性、デバイス200に加えられる歪み、及び脊柱「S」に加えられる歪みを含む。本発明の一実施形態は、デバイス200及びその環境からのキー情報データを考慮に入れた後、脊柱湾曲の脊柱及びその矯正によって、外科医が患者プロトコルを更新する能力を含む。実際には、外科医は、遠隔測定ユニット400に組み込まれたソフトウェアで定義された関連パラメータを修正する。遠隔測定ユニット400は、更新された制御/コマンドをアクチュエータデバイス200に送信する。電池のような単一の遠隔電源ユニット214が、デバイス200A及び200Bの両方に電力を供給する。好ましい実施形態では、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー技術などの無線通信によって、制御及び遠隔測定ユニット400は骨延長デバイス200と通信する。
【0055】
本発明の特定の実施形態に関する前述の説明は、例示及び説明の目的で提示したものである。これらは、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、多くの修正及び変形が可能であることは明らかである。実施形態は、本発明の原理及びその実際的な適用を最もよく説明するために選択され、記載されたものである。それにより、当業者が、想定される特定の用途に適するように、本発明及びさまざまな実施形態をさまざまな変更を伴って最もよく利用することができるようにするためである。本発明の範囲は、添付の請求項及びその等価物によって定義されることが意図される。
【0056】
前述の説明はいずれも例示的かつ説明的なものに過ぎず、本明細書に記載の方法及びデバイスを制限するものではないことが、理解されるものとする。本出願において、単数形の使用は、特に断りのない限り複数形の場合を含む。本明細書で引用される全ての特許、特許出願、刊行物、及び参考文献は、個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、同じ程度に参照により明示的に組み込まれる。
【0057】
本発明は、下記の付記項の構成を有してよい。即ち、
[付記項1]
外面を有する内側ロッドと、
前記内側ロッドと伸縮可能に係合する外側ロッドであり、前記内側ロッドの前記外面と、軸方向にスライド可能に係合するネジ付きの内面を有する、外側ロッドとを備え、
前記内側ロッドと前記外側ロッドとはそれぞれ、骨に取り付けるように構成されている端部を有し、
前記内側ロッドの中に収容されている回転アクチュエータと、
前記回転アクチュエータと軸方向に位置揃えされ、回転可能に結合されているリードスクリューであり、前記外側ロッドのネジ付きの前記内面とネジ係合するリードスクリューとを備え、
これにより、前記回転アクチュエータの回転運動が直線運動に変換され、結果的に、骨延長デバイスの軸方向の全長の伸縮での変化がもたらされる、
移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項2]
前記回転アクチュエータは電気モータを含む、付記項1記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項3]
前記回転アクチュエータは、外部から発生した磁場によって作動する非電気的アクチュエータを含む、付記項1記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項4]
前記回転アクチュエータはさらに、減速機を含む、付記項1記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項5]
さらに、前記内側ロッドの中に収容されている電子機器パッケージを備えている、付記項1記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項6]
前記電子機器パッケージは電源を含む、付記項5記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項7]
さらに、骨延長デバイスに加えられた軸方向の力を検出するように構成されている力センサを備えている、付記項1記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項8]
前記内側ロッドはさらに、外側に配置されたスリーブを含み、前記スリーブは、前記内側ロッドの端部から延びる、付記項1記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項9]
前記内側ロッドはさらに、外側に配置されたスリーブを含み、前記スリーブは、前記内側ロッドの端部から延びる、付記項2ないし7のいずれか1項に記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項10]
前記骨は第1椎骨及び第2椎骨を含む、付記項1記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項11]
内部ボリュームを定義する内側ロッドと、
前記内側ロッドと伸縮調節可能に係合する外側ロッドであり、ネジ付きの内面に囲まれた内部キャビティを定義する外側ロッドとを備え、
前記内側ロッドと前記外側ロッドとはそれぞれ、骨に取り付けるように構成されている端部を有し、
前記内部ボリュームの中に配置されている電子機器パッケージと、
前記電子機器パッケージと電気的に通信する回転アクチュエータであり、モータとギヤアセンブリとを含む回転アクチュエータと、
前記ギヤアセンブリの出力部に結合されているリードスクリューであり、前記外側ロッドのネジ付きの前記内面とネジ係合するように配置されているネジ付きの外面を有するリードスクリューと、
骨延長デバイスを選択的に伸縮させるために、前記回転アクチュエータを作動させる手段とを備えている、
移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項12]
作動させる前記手段は、前記電子機器パッケージと電気的に通信する移植可能な遠隔電源モジュールを含む、付記項11記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項13]
作動させる前記手段は、前記電子機器パッケージとの無線通信に適合された外部制御ユニットを含む、付記項11記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項14]
前記外部制御ユニットはさらに、電力を前記電子機器パッケージに伝送する手段を含む、付記項13記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項15]
前記外側ロッド、前記内側ロッド、前記回転アクチュエータ、及び前記リードスクリューは、並列に構成され、これにより、機械的構成が回転運動を直線運動に変換する、付記項11記載の移植可能な骨延長デバイスであってよい。
[付記項16]
対象の脊柱の脊柱湾曲の治療のための移植可能なデバイスであって、
内側ロッドと、
前記内側ロッドと伸縮可能に係合する管状の外側ロッドであり、前記内側ロッドと軸方向にスライド可能に係合するネジ付きの内面を有する、管状の外側ロッドとを備え、
前記内側ロッドと前記外側ロッドとはそれぞれ、骨に取り付けるように構成されている端部を有し、
前記内側ロッドの中に収容されている回転アクチュエータと、
前記回転アクチュエータに回転可能に結合されているリードスクリューであり、前記外側ロッドのネジ付きの前記内面とネジ係合しているリードスクリューとを備え、
これにより、前記回転アクチュエータの回転運動が直線運動に変換され、結果的に、デバイスの全長の変化がもたらされ、
前記骨は、第1椎骨と第2椎骨とを含む、
移植可能なデバイスであってよい。
[付記項17]
第1の内側ロッド及び外側ロッドであり、それぞれ、少なくとも2つの椎骨に取り付けられるように構成された端部を有する第1の内側ロッド及び外側ロッドと、
第2の内側ロッド及び外側ロッドであり、それぞれ、少なくとも2つの椎骨に取り付けられるように構成された端部を有する第2の内側ロッド及び外側ロッドとを備えている、付記項16記載の移植可能なデバイスであってよい。
[付記項18]
さらに、電力を供給する単一の電力供給ユニットを備えている、付記項17記載の移植可能なデバイスであってよい。
[付記項19]
制御及び遠隔測定ユニットと協働して、移植可能な骨延長デバイスから複数の生理学的データを収集及び伝送する方法であって、
収集する方法を開始するために、少なくとも1つのコマンドを開始するステップと、
移植可能な前記骨延長デバイスに問い合わせを行うステップと、
複数の前記生理学的データを収集するステップと、
データを患者ファイルに伝送するステップとを備えている、方法であってよい。
[付記項20]
制御及び遠隔測定ユニットと協働して、患者プロトコルを更新し、前記患者プロトコルを移植可能な骨延長デバイスに遠隔で適用する方法であって、
前記制御及び遠隔測定ユニットで記録されたパラメータを変更するステップと、
変更された前記パラメータを有効化するために、少なくとも1つのコマンドを開始するステップと、
更新された指示を移植可能な骨延長デバイスに伝送するステップと、
更新された前記患者プロトコルに従って、必要とされる付記項17記載の移植可能な骨延長デバイスを実行するステップであり、前記骨延長デバイスはさらに、電力を供給する単一の電力供給ユニットを含む、実行するステップとを備えている、方法であってよい。
[付記項21]
更新された前記患者プロトコルは、移植可能な前記骨延長デバイスにリンクされたセンサ手段によって記録された患者データに従って、外科医によって開始される、付記項20記載の方法であってよい。
【国際調査報告】