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特表2024-520073神経心理検査の遂行結果読み取りサーバ及びその動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】神経心理検査の遂行結果読み取りサーバ及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240514BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G16H10/00
A61B10/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573205
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 KR2022007907
(87)【国際公開番号】W WO2022255835
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0072928
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522235559
【氏名又は名称】プラン ビーフォーユー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Plan B4U Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】3F, 172 Dolma-ro, Bundang-gu, Seongnam-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム キウン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
(57)【要約】
一実施形態によれば、神経心理検査の遂行方法といて、1つ以上の検査項目及び前記1つ以上の検査項目を含む1つ以上の検査カテゴリを取得する動作と、一被験者に対する前記1つ以上の検査項目のそれぞれの実行結果を取得する動作と、前記実行結果を前記1つ以上の検査項目のそれぞれの採点スコアに変換する動作と、前記1つ以上の検査項目のそれぞれを、複数個の認知能力カテゴリのうち1つ以上にマッチングさせる動作と、前記複数個の認知能力カテゴリのそれぞれにマッチングされた前記1つ以上の検査項目の採点スコアに基づいて、前記複数個の認知能力カテゴリ別評価スコアを算出する動作と、算出された前記評価スコアに基づいて認知能力読み取り結果を生成する動作とを含む神経心理検査の遂行方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の検査項目及び前記1つ以上の検査項目を含む1つ以上の検査カテゴリを取得する動作と、
一被験者に対する前記1つ以上の検査項目のそれぞれの実行結果を取得する動作と、
前記実行結果を前記1つ以上の検査項目のそれぞれの採点スコアに変換する動作と、
前記1つ以上の検査項目のそれぞれを、複数個の認知能力カテゴリのうち1つ以上にマッチングさせる動作と、
前記複数個の認知能力カテゴリのそれぞれにマッチングされた前記1つ以上の検査項目の採点スコアに基づいて、前記複数個の認知能力カテゴリ別評価スコアを算出する動作と、
算出された前記評価スコアに基づいて認知能力読み取り結果を生成する動作と
を含む神経心理検査の遂行結果読み取り方法。
【請求項2】
前記評価スコアを算出する動作は、
前記認知能力カテゴリにマッチングされた前記1つ以上の検査項目の採点スコアを全部合計して前記評価スコアを算出する、請求項1に記載の神経心理検査の遂行結果読み取り方法。
【請求項3】
前記評価スコアを算出する動作は、
前記認知能力カテゴリ別に前記検査カテゴリの加重値を取得し、
前記検査項目が属する前記検査カテゴリの加重値に基づいて、前記検査項目の採点スコアに前記加重値を反映して合計した値を前記認知能力カテゴリ別評価スコアとして算出する、請求項1に記載の神経心理検査の遂行結果読み取り方法。
【請求項4】
前記認知能力読み取り結果を生成する動作は、
前記認知能力カテゴリ別評価スコアに基づいて認知障害のレベルを決定し、前記認知障害のレベルに対応する読み出し文を生成する、請求項1に記載の神経心理検査の遂行結果読み取り方法。
【請求項5】
前記認知能力読み取り結果を生成する動作は、
前記認知能力カテゴリ別評価スコアに基づいて前記1つ以上の疾患情報を取得し、前記1つ以上の疾患情報に基づいて前記読み出し文を生成する、請求項5に記載の神経心理検査の結果読み取り遂行方法。
【請求項6】
前記認知能力読み取り結果を生成する動作は、
前記1つ以上の検査項目の前記検査カテゴリ別優先順位を取得する動作と、
前記検査カテゴリ別優先順位に基づいて、前記認知能力読み取り結果を生成する動作と
を含む、請求項1に記載の神経心理検査の遂行結果読み取り方法。
【請求項7】
神経心理検査の遂行結果読み取りサーバとして、
プロセッサとメモリを含み、
前記プロセッサは、
1つ以上の検査項目及び前記1つ以上の検査項目を含む1つ以上の検査カテゴリを取得し、
一被験者に対する前記1つ以上の検査項目のそれぞれの実行結果を取得し、
前記実行結果を前記1つ以上の検査項目のそれぞれの採点スコアに変換し、
前記1つ以上の検査項目のそれぞれを、複数個の認知能力カテゴリのうち1つ以上にマッチングさせ、
前記複数個の認知能力カテゴリのそれぞれにマッチングされた前記1つ以上の検査項目の採点スコアに基づいて、前記複数個の認知能力カテゴリ別評価スコアを算出し、
算出された前記評価スコアに基づいて認知能力読み取り結果を生成する、神経心理検査の遂行結果読み取りサーバ。
【請求項8】
請求項1に記載の方法をコンピュータで実行するためのプログラムを記録したコンピュータで読み取ることができる記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は、神経心理検査遂行結果読み取りサーバ及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
神経心理検査は、全般的な認知機能を総合的に評価する検査であり、早期診断と弁別診断及び治療のリハビリに必要な情報を認知的な領域に従って構成している。当該認知領域は、神経心理検査の種類によって注意集中力(ATTENTION AND CONCENTRATION)、言語及びそれに関連する機能(LANGUAGE AND RELATED FUNCTIONS)、時空間機能(VISUOSPATIAL FUNCTION)、記憶力及びそれに関連する機能(MEMORY AND RELATED FUNCTIONS)、執行機能をはじめとする前頭葉関連機能(FRONTAL FUNCTIONS INCLUDING EXECUTIVE FUNCTION)、実行機能(PRAXIS)、知覚機能(PERCEPTION)、道具的及び基本的日常生活動作(INSTRUMENTAL AND BASIC ACTIVITIES OF DAILY LIVING)全般的認知機能レベル評価(GLOBAL COGNITION)、認知症の全般的な重症度評価(GLOBAL SEVERITY OF DEMENTIA)、認知機能状態に対する主観的メタ認知(SUBJECTIVE COGNITIVE COMPLAINTS)、並びに認知機能に影響を与える可能性のある気分評価(EMOTION)などの組み合わせで構成される。神経心理検査は、人の脳の構造的または機能的損傷の有無、重症度、種類、原因などを評価するために、精神健康医学科、神経科、神経外科の分野で主に発展してきており、様々な精神障害と神経疾患の選別、診断、経過追跡、治療反応評価、保険給与資格評価、精神感情評価などに利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
神経心理検査を行った検査結果を読み取ることができるサーバ及びその動作方法を提供する。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、以上で述べた課題に限定されず、言及されていない本発明の他の課題及び利点は、以下の説明によって理解することができ、本発明の実施形態により、より明確に理解されるであろう。さらに、本発明が解決しようとする課題及び利点は、特許請求の範囲に示される手段及びその組み合わせによって実現できることが理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、1つ以上の検査項目及び前記1つ以上の検査項目を含む1つ以上の検査カテゴリを取得する動作と、一被験者に対する前記1つ以上の検査項目のそれぞれの実行結果を取得する動作と、前記実行結果を前記1つ以上の検査項目のそれぞれの採点スコアに変換する動作と、前記1つ以上の検査項目のそれぞれを、複数個の認知能力カテゴリのうち1つ以上にマッチングさせる動作と、前記複数個の認知能力カテゴリのそれぞれにマッチングされた前記1つ以上の検査項目の採点スコアに基づいて、前記複数個の認知能力カテゴリ別評価スコアを算出する動作と、算出された前記評価スコアに基づいて認知能力読み取り結果を生成する動作とを含む神経心理検査の遂行結果読み取り方法が提供される。
【0006】
一実施形態によれば、前記評価スコアを算出する動作は、前記認知能力カテゴリにマッチングされた前記1つ以上の検査項目の採点スコアを合算して前記評価スコアを算出することができる。
【0007】
一実施形態によれば、前記評価スコアを算出する動作は、前記認知能力カテゴリ別前記検査カテゴリの加重値を取得し、前記検査項目が属する前記検査カテゴリの加重値に基づいて、前記検査項目の採点スコアに前記加重値を反映して合計した値を、前記認知能力カテゴリ別評価スコアとして算出することができる。
【0008】
一実施形態によれば、前記認知能力読み取り結果を生成する動作は、前記認知能力カテゴリ別評価スコアに基づいて認知障害のレベルを決定し、前記認知障害のレベルに対応する読み出し文を生成することができる。
【0009】
一実施形態によれば、前記認知能力読み取り結果を生成する動作は、前記認知能力カテゴリ別評価スコアに基づいて前記1つ以上の疾患情報を取得し、前記1つ以上の疾患情報に基づいて前記読み出し文を生成する、神経心理検査の結果遂行方法。
【0010】
一実施形態によれば、前記認知能力読み取り結果を生成する動作は、前記1つ以上の検査項目の前記検査カテゴリ別優先順位を取得する動作と、前記検査カテゴリ別優先順位に基づいて、前記認知能力読み取り結果を生成する動作とを含むことができる。
【0011】
本発明の他の一実施形態によれば、神経心理検査の遂行結果読み取りサーバとして、プロセッサと、メモリとを含み、前記プロセッサは、1つ以上の検査項目及び前記1つ以上の検査項目を含む1つ以上の検査カテゴリを取得し、一被験者に対する前記1つ以上の検査項目のそれぞれの実行結果を取得し、前記実行結果を前記1つ以上の検査項目のそれぞれの採点スコアに変換し、前記1つ以上の検査項目のそれぞれを複数個の認知能力カテゴリのうち1つ以上にマッチングさせ、前記複数個の認知能力カテゴリのそれぞれにマッチングされた前記1つ以上の検査項目の採点スコアに基づいて、前記複数個の認知能力カテゴリ別評価スコアを算出し、算出された前記評価スコアに基づいて認知能力読み取り結果を生成する、神経心理検査の遂行結果読み取りサーバが提供される。
さらに、前記方法をコンピュータで実行するためのプログラムを記録したコンピュータで読み取ることができる記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0012】
前述した本開示の課題解決の手段によれば、神経心理検査の読み取りステップを自動的に遂行して検査時間を短縮することができる。
【0013】
また、本開示の課題解決の手段によれば、項目別検査結果を複合的に反映して神経心理検査の読み取りエラーや漏れを減らし、検査者間の読み取り偏差を縮めることができる。
【0014】
また、本開示の課題解決の手段によれば、同一認知領域内の検査又は検査項目に対する応答が衝突した場合、衝突する検査又は検査項目の読み取り上、優先順位を決めて読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態によるユーザ端末1000及びサーバ2000サーバを含むシステム図である。
図2】一実施形態による神経心理検査の手順を例示する図である。
図3】一実施形態による複数個の検査カテゴリ及び検査カテゴリに含まれる複数個の検査項目を含む評価表を例示した図である。
図4】一実施形態による検査項目の実行結果を採点スコアに変換することを例示する図である。
図5】一実施形態によって検査項目を該当する項目が測定する認知能力カテゴリにマッチングさせることを例示する図である。
図6】一実施形態によって評価スコアに検査カテゴリ別加重値を反映することを例示する図である。
図7】一実施形態によって優先順位に基づき読み出し文を生成することを例示する図である。
図8】一実施形態による神経精神検査方法を順に例示する図である。
図9】一実施形態によるサーバのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に説明される実施形態を参照すれば明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、以下に提示される実施形態に限定されるものではなく、様々な形態で実施することができ、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0017】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明の限定を意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに他に意味を表さない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」や「有する」などの用語は、本明細書に記載された特徴、数字、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせた存在や追加の可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0018】
本開示の一部実施形態は、機能的なブロック構成及び様々な処理動作で表すことができる。そのような機能ブロックの一部または全部は、特定の機能を実行する様々な数のハードウェア及び/またはソフトウェア構成で実現することができる。例えば、本開示の機能ブロックは、1つ以上のマイクロプロセッサによって実現されるか、所定の機能のための回路構成によって実現されてもよい。さらに、例えば、本開示の機能ブロックは、様々なプログラミングまたはスクリプティング言語で実現することができる。機能ブロックは、1つ以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムで実現することができる。さらに、本開示は、電子的な環境設定、信号処理、及び/またはデータ処理などのために従来技術を採用することができる。「メカニズム」、「要素」、「手段」及び「構成」などの用語は広く使用され手もよく、機械的で物理的な構成として限定されるものではない。
【0019】
さらに、図面に示された構成要素間の接続線または接続部材は、機能的な接続及び/または物理的または回路的接続を例示的に示したものにすぎない。実際の装置では、代替可能または追加された様々な機能的接続、物理的接続、または回路接続によって構成要素間の接続を示すことができる。
【0020】
以下でユーザが遂行する動作は、ユーザがユーザ端末を介して遂行する動作を意味することができる。一例として、ユーザ端末に埋め込まれるかまたは追加的に接続された入力装置(例えば、キーボード、マウスなど)を介して、ユーザが遂行する動作に対応する命令(command)をユーザ端末に入力することができる。他の例として、ユーザ端末のタッチスクリーンを介して、ユーザが遂行する動作に対応する命令がユーザ端末に入力されてもよい。このとき、ユーザが遂行する動作は所定のジェスチャーを含むことができる。例えば、ジェスチャーは、タップ、タッチ&ホールド、ダブルタップ、ドラッグ、パン、フリック、ドラッグアンドドロップなどを含むことができる。
【0021】
以下、添付の図面を参照して本開示を詳細に説明する。
【0022】
図1は、一実施形態によるユーザ端末及びサーバを含むシステム図である。
【0023】
一実施形態によるシステムは、複数のユーザ端末1000及びサーバ2000を含むことができる。
【0024】
一実施形態では、ユーザ端末1000は、ユーザ端末1000にインストールされたソフトウェア(software)、アプリケーション(application)、及びウェブブラウザ(web browser)を介してサーバ2000とデータを送受信することができる。しかしながら、サーバ2000との接続方法はこれに限定されない。一例として、ユーザ端末1000は、神経心理検査の採点結果を入力し得るソフトウェアがインストールされた端末であってもよく、この場合、採点者は、ユーザ端末1000に採点スコアを入力することができ、ユーザ端末1000 は、サーバ1000に採点スコアをサーバ2000に送信することができる。他の例として、ユーザ端末1000は神経心理検査の遂行結果を取得するための装置であってもよく、この場合、被験者はユーザ端末1000を用いて神経心理検査の検査項目に応答し、ユーザ端末1000は被験者の応答結果をサーバ2000に送信することができる。
【0025】
サーバ2000は、ユーザ端末1000から被験者に対応する応答情報または被験者に対応する採点スコアを取得して被験者の認知機能検査結果を分析することができる。
【0026】
ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network; LAN)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network; WAN)、付加価値ネットワーク(Value Added Network; VAN)、モバイルネットワーク(mobile radio communication network)、衛星ネットワーク及びそれらの相互組み合わせを含み、図1に示された各ネットワーク構成主体が互いにスムーズに通信できるようにする包括的な意味のデータ通信ネットワークであり、有線インターネット、無線インターネット及びモバイル無線ネットワークを含むことができる。また、無線ネットワークは、例えば、無線LAN(Wi-Fi)、ブルートゥース(登録商標)、(Bluetooth low energy)、ジグビー、WFD(Wi-Fi Direct)、UWB(ultra wideband)、赤外線通信(IrDA、infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)などがあり得るが、これに限定されるものではない。
【0027】
図2は、一実施形態による神経心理検査の手順を例示する図である。
【0028】
神経心理検査は、人の脳の構造的または機能的損傷の有無、重症度、種類、原因などを評価するために、精神健康医学科、神経科、神経外科の分野で主に発展してきており、様々な精神障害と神経疾患の選別、診断、経過追跡、治療反応評価、保険給与資格評価、精神感情評価などに利用されている。
【0029】
図2の例に示されるように、神経心理検査は、施行、採点、読み取りの順序で遂行され得る。まず施行ステップでは、被験者が直接検査項目に応答する。一方、神経心理検査の施行は、被験者にアンケートを提供するか、あるいはユーザ端末1000を用いて神経心理検査の検査項目を解決させるような方式で施行することができる。
【0030】
また、採点ステップでは、被験者の検査項目遂行結果を取得する。例えば、検査項目が「10個の単語を覚えて話す」であり、被験者が5個の単語を話した場合、検査項目遂行結果は「5個」であり、採点者またはサーバ2000は、当該検査項目に対応する被験者のスコアを「5点」で採点することができる。次に、サーバ2000は、採点スコアに基づいて読み取りを遂行する。
【0031】
一方、神経心理検査の施行及び採点は、定められたガイドラインに従って準専門家も施行可能である。しかしながら、読み取りのステップでは、機能性神経解剖学、認知心理学、臨床心理学などの専門知識と神経心理検査の遂行及び読み取りの経験を有する専門家の判断が必要となる場合がある。臨床心理士が代表的な専門家として、臨床心理士は修練課程と試験を通じて保健福祉部が資格を管理している。
【0032】
しかしながら、臨床心理士による直接的な読み取りが全ての神経心理検査ごとに行われる場合、急増する検査需要を満たさない可能性がある。特に、急激な高齢化で認知症、脳卒中など脳疾患の患者数が急増しており、神経心理検査の需要が急増していることに比べて臨床心理士の数は不足する可能性がある。
【0033】
このため、全国の病院で施行される神経心理検査総集の大部分と認知症安心センターで施行される神経心理検査総集の大部分が、施行及び採点に対する短期訓練過程を通じて養成された準専門家によって施行されているが、この場合、適切な結果の読み取りが難しいかもしれない。
【0034】
一例として、神経心理検査の下位検査構成及び種類によって、多少のずれがあり得るが、施行及び採点ステップは90~120分、読み取りには50~70分程度がかかる。すなわち、専門的な臨床心理士であっても、読み取りステップが全神経心理検査の処理時間において40%を占めており、臨床心理士数の不足は神経心理検査の遂行が滞積する主な要因となっている。
【0035】
そこで、一実施形態では、神経心理検査を臨床心理士が直接施行しなくても被験者の検査結果を正確に読み取ることができる検査方法について説明する。
【0036】
図3は、一実施形態による複数個の検査カテゴリと検査カテゴリに含まれる複数個の検査項目とを含む評価表を例示した図である。
【0037】
図3の例は、神経心理検査を遂行するためのサーバ2000が取得する評価表を例示したものである。一実施形態によれば、サーバ2000は、1つ以上の検査項目120及び1つ以上の検査項目を含む1つ以上の検査カテゴリ110を取得することができる。
【0038】
一例では、評価表は、検査カテゴリ110、検査カテゴリの最高点111、検査項目120、検査項目の最高点121、検査項目の検査方法122を含むことができる。図3は、発明を容易に説明するための評価表の一例であって、検査カテゴリ110と検査項目120は制限なく追加することができる。
【0039】
検査カテゴリ110は、類似した検査項目120をカテゴリ化したものである。さらに、最高点111、121は、各検査カテゴリ110または検査項目120の評価スコアの最高点を表すことができる。被験者及び検査者、または被験者及びユーザ端末1000は、検査方法122を参照して各検査項目120の検査を施行することができる。
【0040】
図4は、一実施形態による検査項目の実行結果を採点スコアに変換することを例示する図である。
【0041】
一実施形態によれば、採点者は、ユーザ端末1000を用いて被験者の神経心理検査の実行結果を入力することができる。この場合、検査項目中には、実行結果が直ちに採点スコアとなる採点不要項目があり、実行結果を見て採点者が判断して採点スコアを入力しなければならない採点必要項目が存在してもよい。例えば、図4の例で採点必要検査項目である時間指南力検査項目の場合、採点者が被験者の実行結果を判断して4点を与えてもよく、この場合、採点スコアも同様に4点となる。すなわち、採点必要項目は、採点者が入力した実行結果がそのまま採点スコアとなり得る。
【0042】
他の一例では、サーバ2000は、採点不要項目に対して取得された実行結果123を、予め設定された基準に基づいて採点スコア124に変換することができる。例えば、図4の例では、採点不要項目である単語リスト記憶検査項目について、採点者は実行結果として被験者が記憶した単語の数を2個と入力することができ、サーバ2000は入力された実行結果である2個を予め設定された基準に基づいて採点結果である3点に変換することができる。この場合、実行結果123を採点スコア124に変換する予め設定された基準は、サーバ2000または検査者によって決定されもよいが、必ずしもこれに限定されない。
【0043】
図5は、一実施形態による検査項目を、該当項目が測定する認知能力カテゴリにマッチングさせることを示す図である。
【0044】
一例では、サーバ2000は、1つ以上の検査項目のそれぞれを複数個の認知能力カテゴリのうち1つ以上にマッチングさせることができる。認知能力カテゴリとは、全般的認知、記憶力、言語能力、時空間構成力、知覚、指南力、集中力、計画力、抽象化、抑止力などの認知機能を種類別に分類したカテゴリである。一例によれば、検査カテゴリ110と認知能力カテゴリ130とは一致しても、不一致しても、一部のみ一致してもよい。
【0045】
一実施形態においてサーバ2000は、検査項目を認知能力カテゴリにマッチングさせることによって、被験者の検査結果を認知機能別に再構成することができる。図5の例において、検査項目112のうち場所指南力は、記憶力及び指南力にマッチングされてもよい。すなわち、場所指南力は、認知能力のうち記憶力及び指南力に関連すると判断することができる。
【0046】
一例において検査項目のそれぞれは、複数個の認知能力カテゴリにマッチングされてもよい。すなわち、図6の例において時間指南力の検査項目は、指南力にのみマッチングされるが、場所指南力は記憶力及び指南力にもマッチングされ得る。これにより、単純検査項目に対応する検査結果を提供するのではなく、項目別検査結果を複合的に反映し、認知能力カテゴリ別評価を精度良く遂行することができる。
【0047】
一実施形態では、サーバ2000は、1つ以上の認知能力カテゴリにマッチングされた複数個の認知能力カテゴリのそれぞれにマッチングされた前記1つ以上の検査項目の採点スコアに基づいて、前記複数個の認知能力カテゴリ別評価スコアを算出することができる。
【0048】
一例において、サーバ2000は、認知能力カテゴリにマッチングされた1つ以上の検査項目の採点スコアを全部合計して評価スコアを算出することができる。例えば、図4図5を併せて参照すると、認知能力カテゴリ130のうち言語能力の評価スコアは3点、指南力の評価スコアは9点(時間指南力4点+場所指南力5点)であり得る。
【0049】
図6は、一実施形態による評価スコアに検査カテゴリ別加重値を反映することを例示した図である。
【0050】
一例において、サーバ2000は、認知能力カテゴリ別検査カテゴリのそれぞれの加重値を取得し、検査項目が属する検査カテゴリの加重値に基づいて、検査項目の採点スコアに前記加重値を反映して合計した値を前記認知能力カテゴリ別評価スコアとして算出することができる。すなわち、サーバ2000は、認知能力カテゴリにおける検査カテゴリ別重要度を、加重値を用いて反映することができる。
【0051】
より詳細に、図6の例に見られるように、サーバ2000は、認知能力カテゴリ130別の検査カテゴリ110の加重値を取得することができる。図6の例において、認知能力カテゴリ130のうち、記憶力に対応する検査カテゴリ110は、簡易精神状態検査、単語リスト記憶検査、単語リスト回想検査、単語リスト再認検査であり、各カテゴリの加重値は、1、3、1、1とすることができます。一例において、図5図6を併せて参照すると、記憶力カテゴリに対応する簡易精神状態検査の総点は10点(5+3+0+2)であり、単語リスト記憶検査の総点は21点(5+7+9)であり、単語リスト回想検査の総点は9点(4+5)であり、単語リスト再認検査の総点は18点(9+9)である。この場合、サーバ2000は、加重値を反映した記憶力スコアを100点(10×1+21×3+9×1+18×1)として算出することができる。
【0052】
次に、サーバ2000は、認知能力カテゴリ別採点スコアに基づいて認知障害のレベルを決定し、認知障害のレベルに対応する読み出し文を生成することができる。より詳細に、サーバ2000は、評価スコアに基づいて認知障害のレベルを正常、軽度認知障害、認知症と三つのステップに分類することができる。また、サーバ2000は、文章の読み出し文を生成することができる。特に、本発明の一実施形態によれば、サーバ2000は、認知能力カテゴリ別採点スコアのみで認知能力検査読み出し文を生成することができる。
【0053】
他の一実施形態においてサーバ2000は、認知能力カテゴリ別評価スコアに基づいて1つ以上の疾患情報を取得し、1つ以上の疾患情報に基づいて疾患情報を生成することができる。一例において疾患情報は、認知障害の推定原因疾患をアルツハイマー病及び乳管疾患、前頭側頭型認知症、意味性認知症、進行性非流暢性失語、うつ病などに分類することができる。マッチングされる疾患情報を使用してサーバ2000は、文章になっている読み出し文を生成することができる。
【0054】
図7は、一実施形態に従い、優先順位に基づいて読み出し文を生成することを例示した図である。
【0055】
一実施形態によれば、サーバ2000は、検査項目の優先順位に基づいて読み出し文を生成することができる。一例では、被験者が検査項目に応答する時、互いに衝突する応答が発生する可能性がある。互いに衝突する応答とは、検査項目に対する応答が一貫していないか、合理的でない場合を含み得る。サーバ2000は、予め設定された基準に従い、互いに衝突する応答を判断することができる。この場合、互いに衝突する応答はノイズである確率が高いため、サーバ2000はこれを反映して実行スコアを補正することができる。すなわち、検査項目の優先順位に基づいて読み出し文を生成することにより、ノイズが検査結果に混入することを防止することができる。
【0056】
具体的な一例において、サーバ2000は、認知能力カテゴリごとに検査カテゴリの優先順位を決めることができる。図7の認知能力カテゴリのうち記憶力について、検査カテゴリ間110の優先順位を例示したものである。このとき、優先順位141の数字が小さいほど、優先順位はカテゴリであり得る。図7の例によれば、記憶力については、単語リスト回想検査の優先順位が簡易精神状態検査より優先順位が高くてもよい。すなわち、簡易精神状態検査の採点スコアが低くても、単語リスト回想検査の点数が高い場合は、単語リスト回想検査の採点スコアを無視できる。したがって、サーバ2000は、優先順位141に基づいて記憶力に対する読み出し文142を「簡易精神状態検査では3個の単語回想で低下を見せたが、10個の単語を登録して回想する単語リスト回想検査では正常な遂行レベルを示し、被験者の遅延記憶能力は正常レベルと判断される」として生成することができる。
【0057】
図8は、一実施形態による神経精神検査方法を順に示した図である。
【0058】
まず、サーバ2000は、1つ以上の検査項目及び1つ以上の検査項目を含む1つ以上の検査カテゴリを取得する(1010)。
【0059】
さらに、サーバ2000は、一被験者に対する1つ以上の検査項目のそれぞれの実行結果を取得する(1020)。
【0060】
さらに、サーバ2000は、実行結果を1つ以上の検査項目のそれぞれの採点スコアに変換する(1030)。
【0061】
1つ以上の検査項目のそれぞれを、複数個の認知能力カテゴリのうち1つ以上にマッチングさせる(1040)。
【0062】
複数個の認知能力カテゴリのそれぞれにマッチングされた1つ以上の検査項目の採点スコアに基づいて、複数個の認知能力カテゴリ別評価スコアを算出1050する。
【0063】
図11は、一実施形態によるサーバのブロック図である。
【0064】
図11のサーバ1100は、ゲームサーバ2000であり得る。
【0065】
図11を参照すると、サーバ1100は、通信部1110、プロセッサ1120及びDB1130を含むことができる。図11のサーバ1100には、実施形態に関連する構成要素のみが示されている。したがって、図11に示された構成要素に加えて他の汎用的な構成要素をさらに含むことができることを、当該技術分野の当業者であれば理解することができる。
【0066】
通信部1110は、他のノードとの有線/無線通信を可能にする1つ以上の構成要素を含むことができる。例えば、通信部1110は、近距離通信部(図示せず)、移動通信部(図示せず)及び放送受信部(図示せず)のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0067】
DB1130は、サーバ1100内で処理される各種データを記録するハードウェアであり、プロセッサ1120の処理及び制御のためのプログラムを記録することができる。DB1130は、決済情報、ユーザ情報などを記録することができる。
【0068】
DB1130は、DRAM(dynamic random access memory)、SRAM(static random access memory)などのようなRAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、CD-ROM、ブルーレイまたは他の光学ディスクストレージ、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、またはフラッシュメモリを含むことができる。
【0069】
プロセッサ1120は、サーバ1100の全般的な動作を制御する。例えば、プロセッサ1120は、DB1130に記録されたプログラムを実行することにより、入力部(図示せず)、ディスプレイ(図示せず)、通信部1110、DB1130などを全般的に制御することができる。プロセッサ1120は、DB1130に記録されたプログラムを実行することによって、サーバ1100の動作を制御することができる。プロセッサ1120は、図1図10で上述したゲームサーバ2000または仲介サーバ3000の動作のうち少なくとも一部を制御することができる。
【0070】
プロセッサ1120は、ASIC(application specific integrated circuits)、DSP(digital signal processors)、DSPD(digital signal processing devices)、PLD(programmable logic devices)、FPGA(field programmable gate arrays)、コントローラ(controllers)、マイクロコントローラ(micro-controllers)、マイクロプロセッサ(microprocessors)、その他の機能を遂行するための電気ユニットのうち少なくとも1つを用いて実現することができる。
【0071】
本発明による実施形態は、コンピュータ上で様々な構成要素を介して実行することができるコンピュータプログラムの形態で実現することができ、そのようなコンピュータプログラムはコンピュータで読み取ることができる媒体に記録することができる。このとき、媒体はハードディスク、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープなどの磁気媒体、CD-ROM、DVDなどの光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)などの磁気光学媒体(magneto-optical medium)、ROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令語を記録して実行するように、特別に構成されたハードウェア装置を含むことができる。
【0072】
一方、前記コンピュータプログラムは、本発明のために特別に設計されて構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア分野の当業者に通知されて利用可能なものであってもよい。コンピュータプログラムの例には、コンパイラーによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用してコンピュータで実行することができる高級言語コードも含まれ得る。
【0073】
一実施形態によれば、本開示の様々な実施形態による方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供されてもよい。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者と購入者との間で取引されてもよい。コンピュータプログラム製品は、機器で読み取れる記録媒体(例:compact disc read only memory(CD-ROM))の形態で配布されるか、またはアプリケーションストア(例えばプレイストア(登録商標))を介して、または二つのユーザ装置間で直接、オンラインで配布(例えばダウンロードまたはアップロード)されてもよい。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、メーカーのサーバ、アプリケーションストアのサーバ、または中継サーバのメモリなどの機器で読み取ることができる記録媒体に少なくとも一時的に記録されるか、臨時的に生成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】