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特表2024-520077クランプ要素およびパワー半導体デバイスの製造方法
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  • 特表-クランプ要素およびパワー半導体デバイスの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】クランプ要素およびパワー半導体デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573222
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2022060370
(87)【国際公開番号】W WO2022248126
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】21176571.4
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サントラリア,リュイス
(72)【発明者】
【氏名】トリューセル,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】バイエル,ハラルト
(57)【要約】
モールド(4)を備える少なくとも1つのパワー半導体モジュール(1)のベースプレート(2)に押し付けられるように構成されたクランプ要素(9)であって、
-モールド(4)を含まないベースプレート(2)の少なくとも1つのクランプ領域(7)に直接接触するように構成された少なくとも1つの接触領域(10)と、
-ベースプレートに設けられた少なくとも1つの凹部(11)とを備え、
-凹部(11)および接触領域(10)が、ベースプレートに面するように構成されているクランプ要素(9)が規定される。
また、パワー半導体デバイスの製造方法が規定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モールド(4)を備える少なくとも1つのパワー半導体モジュール(1)のベースプレート(2)に押し付けられるように構成されたクランプ要素(9)であって、
-前記モールド(4)を含まない前記ベースプレート(2)の少なくとも1つのクランプ領域(7)に直接接触するように構成された少なくとも2つの接触領域(10)と、
-前記クランプ要素(9)に設けられた少なくとも2つの凹部(11)と、
-少なくとも2つの孔(12)とを備え、
-少なくとも1つの凹部(11)および少なくとも1つの接触領域(10)は、前記ベースプレート(2)に面するように構成され、
-前記クランプ要素(9)は、前記少なくとも1つのパワー半導体モジュール(1)を冷却器(19)と接続するように構成されている、クランプ要素(9)。
【請求項2】
-少なくとも1つの凹部(11)は、横方向において少なくとも1つの孔(12)と少なくとも1つの接触領域(10)との間に設けられている、
請求項1に記載のクランプ要素(9)。
【請求項3】
少なくとも1つの接触領域(10)は、少なくとも1つのクランプ領域(7)よりも小さい、請求項1~2のいずれか1項に記載のクランプ要素(9)。
【請求項4】
少なくとも1つの接触領域(10)の表面は粗面化を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のクランプ要素(9)。
【請求項5】
前記粗面化は、規則的または非規則的に設けられた突起(18)を含む、請求項4に記載のクランプ要素(9)。
【請求項6】
前記突起(18)は、円形、円錐形、立方体または角錐形の形状を有する、請求項5に記載のクランプ要素(9)。
【請求項7】
少なくとも1つの凹部(11)は、円形、長方形、三角形、または台形の断面形状を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のクランプ要素(9)。
【請求項8】
前記クランプ要素(9)は、前記少なくとも1つのパワー半導体モジュール(1)をヒートシンクと接続するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のクランプ要素(9)。
【請求項9】
前記クランプ要素(9)は、第1の部分(13)と、第2の部分(14)と、第3の部分(15)とを備え、
-前記第1の部分(13)、前記第2の部分(14)および前記第3の部分(15)は、上下方向に重なって設けられ、
-前記第2の部分(14)は、前記第3の部分(15)を超えて横方向に突出している、
請求項1~8のいずれか1項に記載のクランプ要素(9)。
【請求項10】
前記第1の部分(13)は前記冷却器(19)に直接接触している、請求項8および9に記載のクランプ要素(9)。
【請求項11】
少なくとも1つの接触領域(10)は、前記第2の部分(14)の一部である、請求項9~10のいずれか1項に記載のクランプ要素(9)。
【請求項12】
前記クランプ要素(9)は、少なくとも2つのパワー半導体モジュール(1)を冷却器(19)と接続するように構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のクランプ要素(9)。
【請求項13】
パワー半導体デバイスの製造方法であって、
-ベースプレート(2)およびモールド(4)を備えるパワー半導体モジュール(1)を提供するステップであって、前記ベースプレート(2)の少なくとも1つのクランプ領域(7)は前記モールド(4)を含まない、パワー半導体モジュール(1)を提供するステップと、
-冷却器(19)を提供するステップと、
-請求項1~12のいずれか1項に記載のクランプ要素(9)を提供するステップと、
-少なくとも1つの接触領域(10)が前記少なくとも1つのクランプ領域(7)に押し付けられるように、前記クランプ要素(9)によって前記冷却器(19)に前記パワー半導体モジュール(1)を取り付けるステップと、を含む、方法。
【請求項14】
-前記ベースプレート(2)は少なくとも1つの開口部(6)を備え、
-前記冷却器(19)は、少なくとも1つのさらなる開口部(22)を備え、
-前記少なくとも1つの開口部(6)と、前記少なくとも1つのさらなる開口部(22)と、少なくとも1つの孔(12)とは、平面視において互いに重なっている、
請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明
本開示の実施形態は、パワー半導体モジュールの実装性を向上させるクランプ要素に関する。本開示のさらなる実施形態は、パワー半導体デバイスの製造方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
これは、独立請求項の主題によって達成される。さらなる実施形態は、従属請求項および以下の説明から明らかである。
【0003】
本発明の第1の態様は、モールドを備える少なくとも1つのパワー半導体モジュールのベースプレートに押圧されるように構成されたクランプ要素に関する。
【0004】
本明細書および以下での「電力」という用語は、例えば、100Vを超えるおよび/または10Aを超える電圧および電流を処理するように適合されたパワー半導体モジュール、パワー半導体デバイスおよび/または半導体チップを指す。
【0005】
パワー半導体モジュールは、例えば、主延在面を備える。横方向は、主延在面に平行に整列され、垂直方向は、主延在面に垂直に整列される。
【0006】
例示的には、パワー半導体モジュールは、例えばシリコンまたは炭化ケイ素をベースとする少なくとも1つの半導体チップを備える。少なくとも1つの半導体チップは、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタまたは金属酸化物半導体電界効果トランジスタである。少なくとも1つの半導体チップは、例えば、ダイオードおよび/またはスイッチとして形成される。あるいは、少なくとも1つの半導体チップは、ディスクリートまたはパッシブデバイスである。
【0007】
パワー半導体モジュールは、例えば、ベースプレートを備える。例えば、少なくとも1つの半導体チップは、ベースプレート上に配置される。例えば、少なくとも1つの半導体チップは、ベースプレートに取り付けられた基板に取り付けられる。ベースプレートは、例示的に、横方向に延びる。ベースプレートは、銅、アルミニウム、亜鉛、鋼または対応する合金を含むか、またはそれらからなることができる。例えば、ベースプレートは、アルミニウム炭化ケイ素またはマグネシウム炭化ケイ素を含む。あるいは、ベースプレートは、樹脂絶縁層を有する絶縁金属基板である。
【0008】
あるいは、ベースプレートは、半導体チップが搭載される基板として形成される。
例えば、モールドから露出している部分は、基板やベースプレート以外の金属ブロックの露出部分であってもよい。
【0009】
さらに、パワー半導体モジュールは、例えば、モールドを備える。モールドは、例えば、ベースプレートおよび少なくとも1つの半導体チップ上に配置される。例えば、少なくとも1つの半導体チップは、モールドおよびベースプレートによって完全に封入される、すなわち3次元的に封入される。
【0010】
例えば、モールドコンパウンドは、ベースプレートおよび少なくとも1つの半導体チップに直接接触している。モールドコンパウンドは、例示的には、熱硬化性材料または熱可塑性材料を含むか、またはそれらからなる。モールドコンパウンドは、例示的には、ポリマー材料を含むか、またはポリマー材料からなる。電気絶縁材料は、充填または非充填モールド材料、充填または非充填熱可塑性材料、充填または非充填熱硬化性材料、充填または非充填積層体、繊維強化積層体、繊維強化ポリマー積層体、およびフィラー粒子を有する繊維強化ポリマー積層体のうちの少なくとも1つを含んでもよい。モールドコンパウンドは、エポキシモールドコンパウンド、例示的にはエポキシ樹脂を含むか、またはそれからなる。
【0011】
ベースプレートは、例えば、ベースプレートの縁部領域に少なくとも1つの開口部を備える。開口部は、例示的には、ベースプレートを垂直方向に完全に貫通して延在する。開口部は、例えば、ベースプレートの側面のくぼみによって形成される。例えば、開口部は、平面視において半円の形状を有する。
【0012】
例えば、モールドはまた、ベースプレートの少なくとも1つの側面に配置される。ベースプレートの少なくとも1つの側面、例示的にはすべての側面は、モールドによって覆われている。すなわち、開口部の領域内のベースプレートの側面も、例示的にはモールドによって完全に覆われている。
【0013】
例えば、モールドは、モールドがパワー半導体モジュールのカプセル化部として構成されるように、モールドプロセスによってベースプレート上に適用される。モールドプロセスは、とりわけ、例えばダイカスト法を含む。例示的には、そのような方法の間、ベースプレートおよび少なくとも1つの半導体チップを備える構成は、上部および下部から作られたモールドツールに持ち込まれる。モールドツールの密な封止は、例えば、上部と下部との間で可能であるが、ベースプレートの側面とモールドツールとの間の適切な封止は、ベースプレートの側面の方向への露出圧力の欠如、およびベースプレートの寸法の公差、ならびにベースプレートの位置ずれのために達成できない。したがって、例えば、開口部の領域におけるベースプレートの少なくとも1つの側面の被覆は、回避することができないか、または回避することができない場合、規定の厚さで製造される。
【0014】
さらに、パワー半導体モジュールは、例示的に、冷却構造を備えることができる。例えば、冷却構造はベースプレート上に配置される。冷却構造は、例示的に、少なくとも1つの半導体チップが配置される上面から外方を向くベースプレートの底面に配置される。あるいは、冷却構造は、パワー半導体モジュールが搭載される冷却器内に形成される。
【0015】
例えば、冷却構造は、ピンフィンから形成される。例えば、ピンフィンは、ベースプレートの底面に配置される。ピンフィンは、例えば、銅などのベースプレートと同じ材料から形成される。例えば、各ピンフィンはピラーから形成され、各ピンフィンの先端は、ベースプレートから外方を向く垂直方向に延在する。例えば、すべてのピンフィンは、垂直方向に平行な共通の延在方向を有する。例えば、冷却構造は、互いに一体的に形成される。
【0016】
この実施形態によれば、クランプ要素は、モールドを含まないベースプレートの少なくとも1つのクランプ領域に直接接触するように構成された少なくとも1つの接触領域を備える。例えば、モールドは、ベースプレートの縁部領域に凹部を有する。この凹部において、ベースプレートは、例えば、モールドを少なくとも部分的に含まず、外部から自由にアクセス可能であり得る。例えば、凹部において、ベースプレートはモールドを含まない。例えば、ベースプレートの上面はモールドを含まず、それによって接触領域を形成する。モールドがないベースプレートの部分は、クランプ要素に直接接触するように構成されたクランプ領域である。
【0017】
例えば、クランプ要素は、ベースプレートのクランプ領域に押圧されるように構成された接触領域を備える。例えば、接触領域は、クランプ要素の縁部領域に配置される。
【0018】
例示的には、クランプ要素は、横方向のうちの1つに沿って主延在方向に沿って延在する。例えば、接触領域も主延在方向に沿って延在する。また、接触領域は、例示的に、主延在方向に沿った第1の長さを有する。あるいは、接触領域は、主延在方向とは異なる横方向に沿って延在する。
【0019】
この実施形態によれば、クランプ要素は、ベースプレートに設けられた少なくとも1つの凹部を備える。凹部は、例示的に、接触領域が配置されるクランプ要素の同じ主面に設けられる。凹部は、例えば、クランプ要素を完全に貫通しない。
【0020】
例えば、凹部は、少なくとも部分的に主延在方向に沿って延在する。例示的には、凹部は、主延在方向に沿って第2の長さを有する。凹部の第2の長さは、例示的に、接触領域の第1の長さと同じ大きさである。例えば、凹部の第2の長さは、接触領域の第1の長さよりも大きい。すなわち、凹部は、主延在方向において接触領域を超えて突出している。
【0021】
この実施形態によれば、凹部および接触領域は、ベースプレートに面するように構成される。すなわち、接触領域がクランプ領域に直接接触している場合、凹部の領域内のクランプ要素は例示的にモールドに直接接触していない。例えば、凹部の領域内のクランプ要素は、ベースプレートの側面に配置されているモールドから垂直方向に離間している。
【0022】
例えば、凹部は、垂直方向に部分的にのみクランプ要素を貫通する。例えば、凹部は、少なくとも0.05mmから最大0.8mm、例えば0.3mmの垂直方向の延長部を有する。
【0023】
例示的には、凹部に起因して、クランプ要素は、ベースプレートの側面に配置されているモールドから垂直方向および横方向に離間している。さらに、クランプ要素は、例示的に、ベースプレートの上面に配置されているモールドから横方向に離間している。すなわち、クランプ要素は、例えば、いかなる場所でもモールドに直接接触しない。
【0024】
要約すると、このようなクランプ要素は、とりわけ、以下の利点を提供することができる。クランプ領域に隣接する、すなわちベースプレートの側面上のモールドのクランプ力による損傷を防止することができる。
【0025】
これは、顧客の受け入れを改善し、パワー半導体デバイスのコストを削減し、パワー半導体モジュールは、このようなクランプ要素の助けを借りて冷却器に取り付けられる。すなわち、凹部を有するこのようなクランプ要素を使用することによって、歩留まりを向上させることができ、取り付け中または使用中の故障を回避することができる。さらに、モールドは、例示的には、取り付け後に損傷を受けないままである。したがって、モールドの粒子の拡散およびそれに対応するデバイスの環境における粒子不純物の発生が防止される。
【0026】
少なくとも1つの実施形態によれば、クランプ要素は、少なくとも1つの孔を備える。少なくとも1つの孔は、例示的に、ねじを受け入れるように構成される。例えば、孔は、クランプ要素を垂直方向に完全に貫通する。例えば、孔は、平面視において円の形状を有する。例示的には、ベースプレートの開口部は、少なくとも部分的に同じねじを受け入れるように構成される。すなわち、クランプ要素がベースプレート上に配置されると、例えば、平面視において、開口部と孔は例示的に横方向に互いに重なる。
【0027】
あるいは、クランプ要素は、例えば孔を備えない。この場合、クランプ要素は、ばね機構、例えばばねまたはクランプによってベースプレートに押し付けられるように構成される。
【0028】
少なくとも1つの実施形態によれば、クランプ要素は、少なくとも1つの孔をさらに備え、少なくとも1つの凹部は、ベースプレートに面する横方向において少なくとも1つの孔と少なくとも1つの接触領域との間に設けられる。例えば、凹部は、孔に直接隣接し、接触領域に直接隣接する。すなわち、孔と接触領域は横方向に空間的に離間しているということである。例示的には、凹部は、接触領域とクランプ要素の他の部分との間に設けられる。
【0029】
クランプ要素の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの接触領域は、少なくとも1つのクランプ領域よりも小さい。例えば、クランプ領域と接触領域とは、平面視で左右方向に完全に重なっている。例えば、横方向のクランプ領域の寸法は、接触領域の寸法よりも大きい。すなわち、クランプ領域の幅および長さは、接触領域の幅および長さよりも大きい。したがって、例示的には、クランプ要素がクランプ領域に垂直方向の圧力を排他的に加えることが保証される。例示的には、位置決めおよび横方向のわずかな移動の許容誤差は、クランプ領域および接触領域の異なるサイズによって与えられる。例えば、接触領域は、凹部によって分離されたいくつかの小さな領域からなることができる。それにもかかわらず、延在部は、例えば、完全な接触領域は依然としてクランプ領域よりも小さい。
【0030】
クランプ要素の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの接触領域の表面は、粗面化を含む。例えば、接触領域のベースプレートに面する表面は、粗面化を完全に含む。このような粗面化により、クランプ要素がその接触領域でクランプ領域に押し付けられるとき、パワー半導体モジュールの横方向の移動が防止または少なくとも低減される。
【0031】
クランプ要素の少なくとも1つの実施形態によれば、粗面化は、規則的または非規則的に設けられた突起を含む。例えば、突起は、接触領域に5μm以上100μm以下の表面粗さRを導入する。例示的には、突起は、10μm以上2mm以下の垂直方向の延在部を有する。
【0032】
例えば、突起が規則的に設けられる場合、突起は、多角形格子などの規則的な格子の格子点上に配置される。突起が不規則に設けられる場合、突起は接触領域にわたってランダムに分布する。
【0033】
クランプ要素の少なくとも1つの実施形態によれば、突起は、円形、円錐形、立方体または角錐形の形状を有する。例えば、突起の形状は、その製造方法に依存する。あるいは、突起は任意の形状で形成することができる。
【0034】
クランプ要素の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの凹部は、円形、長方形、三角形、または台形の断面形状を有する。例えば、凹部の形状は、その製造方法に依存する。凹部が例えばフライス加工によって製造される場合、凹部は、円形の断面形状とすることができる。あるいは、凹部は、任意の断面形状を有することができる。
【0035】
クランプ要素の少なくとも1つの実施形態によれば、クランプ要素は、少なくとも1つのパワー半導体モジュールを冷却器またはヒートシンクと接続するように構成される。
【0036】
例えば、冷却器は、気体または液体などの冷却剤を受け入れるように構成された冷却空洞を備える。冷却剤は、入口ポートから出口ポートまで冷却空洞内を流れ方向に流れるように構成される。
【0037】
冷却器には、例えば、少なくとも1つの切り欠きが設けられる。例えば、パワー半導体モジュールは、冷却構造が冷却空洞内の切り欠きを通って突出することができるように冷却器上に配置されるように構成される。
【0038】
あるいは、冷却器は密閉型冷却器である。
例えば、冷却器には2つ以上の切り欠きが設けられる。例えば、切り欠きは、流れ方向の方向に連続して冷却器に設けられる。この場合、各切り欠きにパワー半導体モジュールが設けられる。
【0039】
例示的には、冷却器はさらなる開口部を備える。さらなる開口部は、例えば、ねじ山として形成される。さらなる開口部は、例示的には部分的にのみ冷却器を通って、例示的には冷却器壁を通って延びる。例えば、さらなる開口部は、平面視において円形の形状を有する。例示的には、冷却器のさらなる開口部は、同じねじを受け入れるように構成される。すなわち、クランプ要素がベースプレート上に配置されると、平面視において、開口部、さらなる開口部、および孔は、例示的に横方向に互いに重なる。
【0040】
例示的には、クランプ要素は、パワー半導体モジュールを冷却器の方向に押し付けるように構成される。これにより、ねじは、例示的に、開口部および孔を通過した後、さらなる開口部にねじ込まれる。したがって、クランプ要素は、例示的に冷却器にねじ込まれ、それによってパワー半導体モジュールを機械的に安定した方法で冷却器に固定する。
【0041】
クランプ要素の少なくとも1つの実施形態によれば、クランプ要素は、第1の部分、第2の部分および第3の部分を備える。第1の部分、第2の部分および第3の部分は、例示的に、主延在方向に沿って延びている。第1の部分、第2の部分および第3の部分は、例示的に、互いに一体的に形成される。
【0042】
クランプ要素の少なくとも1つの実施形態によれば、第1の部分、第2の部分、および第3の部分は、垂直方向に互いに重なって設けられる。
【0043】
クランプ要素の少なくとも1つの実施形態によれば、第2の部分は、第3の部分を超えて横方向に突出する。
【0044】
クランプ要素の少なくとも1つの実施形態によれば、第1の部分は冷却器と直接接触している。例えば、冷却器に面する第1の部分の表面、すなわち表面全体は、冷却器と直接接触している。
【0045】
クランプ要素の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの接触領域は、第2の部分の一部である。
【0046】
少なくとも1つの実施形態によれば、クランプ要素は、少なくとも2つの孔、少なくとも2つの凹部、および少なくとも1つのパワー半導体モジュールを冷却器と接続するように構成された少なくとも2つの接触領域を有する。例示的には、パワー半導体モジュールを冷却器に押し付けるために、1つのパワー半導体モジュールは、パワー半導体モジュールの2つの対向する側面に設けられた2つのクランプ要素を備える。すなわち、例えば、2つのクランプ要素は、1つのパワー半導体モジュールを冷却器に押し付けるように構成され、冷却器とパワー半導体モジュールとの間に封止が配置される。封止は、冷却媒体を通さない可撓性材料を含むことができる。
【0047】
例えば、2つの孔は、主延在方向に沿って互いに離間している。さらに、各孔の隣には、例示的に、少なくとも1つの接触領域が設けられる。2つの孔の間には、第1の部分と第3の部分とが設けられる。すなわち、第1の部分および第2の部分は、第2の部分、すなわち2つの接触領域を互いに接続する。
【0048】
例えば、第1の部分は冷却器に面し、冷却器に直接接触する。そのような直接接触は、ねじ込み中に現れる力をクランプ要素全体に分散させるのを助けることができ、規定のクランプ力のためにクランプ要素をねじ込むときに停止機能を提供する。
【0049】
孔が1つしかない場合、孔はクランプ要素内の横方向の中心位置に配置される。
少なくとも1つの実施形態によれば、クランプ要素は、少なくとも2つの孔、少なくとも2つの凹部、少なくとも2つのパワー半導体モジュールを冷却器と接続するように構成された少なくとも2つの接触領域を有する。直接隣接するパワー半導体モジュールは、例示的に、1つのクランプ要素を共有する。
【0050】
この実施形態では、第1の部分は、例示的に、主延在方向に延在する壁として形成されている。例えば、壁は、第2の部分に配置され、第2の部分を主延在方向に沿って二等分する。例示的には、各部分は、孔の半分、1つの凹部、および1つの接触領域を備える。例えば、これらの要素は、第1の部分、すなわち壁によって鏡像化される。
【0051】
本発明の第2の態様は、パワー半導体デバイスの製造方法に関する。例えば、本方法は、本明細書で上述したようなクランプ要素を備える。したがって、本方法に関連して開示されたすべての特徴は、クランプ要素に関連しても開示され、逆もまた同様である。
【0052】
本方法のこの実施形態によれば、冷却器が提供される。
本方法のこの実施形態によれば、ベースプレートとモールドとを備えるパワー半導体モジュールが提供され、ベースプレートの少なくとも1つのクランプ領域はモールドを含まない。
【0053】
本方法のこの実施形態によれば、本明細書で上述したようにクランプ要素が提供される。
【0054】
本方法のこの実施形態によれば、パワー半導体モジュールは、少なくとも1つの接触領域が少なくとも1つのクランプ領域に押し付けられるように、クランプ要素によって冷却器に取り付けられる。
【0055】
本方法の少なくとも1つの実施形態によれば、ベースプレートは少なくとも1つの開口部を備え、冷却器は少なくとも1つのさらなる開口部および少なくとも1つの開口部を備え、少なくとも1つのさらなる開口部および少なくとも1つの孔は、平面視において横方向に互いに重なっている。
【0056】
本開示の主題は、添付の図面に示される例示的な実施形態を参照して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】パワー半導体モジュールの概略図である。
図2】例示的な実施形態によるクランプ要素の断面図を概略的に示す。
図3】例示的な実施形態によるクランプ要素を概略的に示す。
図4】例示的な実施形態によるクランプ要素を概略的に示す。
図5】例示的な実施形態によるクランプ要素の接触領域を概略的に示す。
図6】例示的な実施形態によるクランプ要素を有するパワー半導体デバイスの断面図である。
図7】例示的な実施形態によるクランプ要素を有するパワー半導体デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図面で使用される参照符号およびそれらの意味は、参照符号のリストに要約形式で列挙されている。原則として、同一の部品には、図中で同じ参照符号が付されている。
【0059】
図1によるパワー半導体モジュール1は、とりわけ、少なくとも1つの半導体チップ(ここでは図示せず)が配置されるベースプレート2を備える。少なくとも1つの半導体チップは、端子によって通電することができる。さらに、パワー半導体モジュール1は、少なくとも1つの半導体チップおよびベースプレート2を覆うモールド4を備える。また、端子3は、少なくとも一部がモールド4内に設けられている。
【0060】
モールド4は、ベースプレート2の縁部領域に凹部5を有する。この凹部5において、上面ベースプレート2は、モールド4を少なくとも部分的に含まず、したがって外部から自由にアクセス可能であり得る。ベースプレート2の縁部領域においてモールド4を含まない各部分は、クランプ領域7として形成される。クランプ領域7において、ベースプレート2の上面はモールド4を含まない。クランプ領域7は、モールド4によって横方向に囲まれている。
【0061】
この例示的な実施形態では、パワー半導体モジュール1は、4つのクランプ領域7を備える。さらに、ベースプレート2の2つの対向する縁部領域には、2つのクランプ領域7が設けられている。
【0062】
さらに、ベースプレート2は、4つの開口部6を備える。ベースプレート2の2つの対向する縁部領域には、2つの開口部6が設けられている。各開口部6は、それぞれの縁部領域におけるベースプレート8の側面のくぼみによって形成され、開口部6は各々平面視において半円の形状を有する。開口部6は、クランプ領域7の隣に配置されている。
【0063】
モールド4は、ベースプレート8の側面にも配置されている。すなわち、開口部6の領域内のベースプレート8の側面も、モールド4によって覆われている。
【0064】
図2のクランプ要素9は、例えば図1によるモールド4を備える少なくとも1つのパワー半導体モジュール1のベースプレート2の上面に押し付けられるように構成される。図2の断面図は、ベースプレート2の開口部6を通してクランプ要素9およびベースプレート2の切断した場合を表す。図1に関連して既に説明したように、ベースプレート8の側面はモールド4で覆われている。
【0065】
クランプ要素9は、接触領域10および凹部11を備える。接触領域10は、モールド4を含まないベースプレート2のクランプ領域7に直接接触するように構成される。すなわち、接触領域10は、ベースプレート2のクランプ領域7に押し付けられるように構成される。したがって、クランプ要素9が押し下げられると、クランプ要素9によってベースプレート2に加えられる力は、クランプ領域7にのみ作用する。
【0066】
凹部11は、垂直方向に部分的にのみクランプ要素9を貫通する。また、凹部11は、ベースプレート2と対向する。凹部11とベースプレート8の側面のモールド4とは、平面視において横方向に完全に重なっている。
【0067】
クランプ要素9の凹部11により、クランプ要素9は、ベースプレート8の側面に配置されたモールド4と直接または機械的に接触しない。したがって、クランプ要素9から生じる力は、ベースプレート8の側面に配置されたモールド4に作用することができない。
【0068】
さらに、クランプ要素9はまた、ベースプレートの上面に配置されているモールド4から横方向に離間している。すなわち、クランプ要素9は、いかなる場所でもモールド4と直接接触しない。
【0069】
図3のクランプ要素9は、第1の部分13、第2の部分14および第3の部分15を備える。第1の部分13、第2の部分14および第3の部分15は各々、主延在方向に沿って延在しており、上下方向にこの順で重なっている。また、第1の部分13、第2の部分14および第3の部分15は、同一の材料により一体的に形成されている。
【0070】
クランプ要素9、例えば第2の部分14は、2つの孔12を備える。孔12の各々は、ねじを受け入れるように構成される。また、各孔12は、クランプ要素9を上下方向に完全に貫通しており、平面視において円形の形状を有する。2つの孔12は、主延在方向に沿って互いに離間している。孔12の一方は、クランプ要素9の第1の端部領域16、例えば第2の部分14に設けられている。孔12の他方は、第1の端部領域16の反対側に配置されたクランプ要素9の第2の端部領域17、例えば第2の部分14に設けられている。
【0071】
第1の部分13は、主延在方向に延在する壁として形成されている。壁は、第2の部分14に配置され、第2の部分14を主延在方向に沿って二等分する。壁は、第2の部分14内の孔12によって中断される。
【0072】
例示的には、壁は、第2の部分14に含まれる要素の鏡面として作用する。すなわち、第2の部分14の各部分は、第2の部分14の第1の端部領域16の半分、すなわち鏡面に沿って分割された半分と、第2の部分14の第2の端部領域17の半分、すなわち鏡面に沿って分割された半分とを備える。
【0073】
一方の端部領域および一方の部分に関して、第2の部分14は接触領域10のうちの一方を備える。この接触領域10は、孔12の隣に配置され、凹部11によって孔12から横方向に離間されている。
【0074】
この例示的な実施形態によれば、クランプ要素9、例えば第2の部分14は、4つの接触領域10を備える。第1の端部領域16には、第2の部分14に2つの接触領域が設けられている。また、第2の端部領域17にも、第2の部分14に2つの接触領域が設けられている。一方の端部領域の接触領域10は、孔12の隣に互いに対向して配置される。上述したように、接触領域10は各々、凹部11によって孔12から離間している。
【0075】
要するに、この例示的な実施形態によるクランプ要素9は、4つの凹部を備える。
第2の部分14の第1の端部領域16と第2の端部領域17との間の壁の幅は、第2の部分14に配置される壁の幅よりも大きい。
【0076】
第1の部分13および第3の部分15は、第2の部分14の第1の端部領域16と第2の端部領域17とを機械的に安定して接続するように構成されている。
【0077】
この実施形態では、クランプ要素9は、隣接するパワー半導体モジュール1の2つの縁部領域を押し下げるように構成される。すなわち、本実施形態のクランプ要素9は、隣接する2つのパワー半導体モジュール1の間に設けられている。あるいは、1つのパワー半導体モジュール1に対して、本実施形態のクランプ要素9を設けることができる。
【0078】
図3による例示的な実施形態とは対照的に、図4によるクランプ要素9は、1つのパワー半導体モジュール1の1つの縁部領域を押し下げるように構成されている。この例示的な実施形態では、クランプ要素9はまた、2つの孔12および2つの接触領域10を備える。
【0079】
2つの接触領域10のうちの一方は、2つの孔12のうちの一方の隣の第2の部分14の第1の端部領域16に設けられている。また、2つの接触領域10のうちの他方は、孔12のうちの他方の隣の第2の部分14の第2の端部領域17に設けられている。
【0080】
接触領域10の反対側、すなわち孔の反対側に、第2の部分14は接触領域10と同じ高さを有する2つの部分を備える。しかし、この部分はベースプレート2に接触していない。
【0081】
この例示的な実施形態では、第1の部分13、例えば壁は、クランプの端部であり、第2の部分14を二分割しない。
【0082】
図5のクランプ要素9の接触領域10は、粗面化を含む。ベースプレート2に面する接触領域10の表面は、粗面化を含む。粗面化は、規則的に設けられた突起18を含む。図5による突起18は、ピラミッド形状を有する。
【0083】
クランプ要素9をクランプ領域7に押し付けながら、突起18をベースプレート2の材料内で垂直方向に押し付けることができる。したがって、改善された機械的接続が達成され、クランプとモジュールとの間の横方向の動きが防止される。
【0084】
図6によるパワー半導体デバイスは、図1による2つのパワー半導体モジュール1と、断面図の図3によるクランプ要素9とを備える。また、半導体モジュール1は、クランプ要素9によって冷却器19に取り付けられている。冷却器19とパワー半導体モジュール1との間には、漏れ防止のための封止24が配置されている。ここで、封止24は、ベースプレート2と冷却器19との間に封止面26が形成されるように圧縮される。
【0085】
冷却器19は、冷却空洞21を画定する冷却器壁20を備える。さらに、冷却器19には、冷却器壁20を完全に貫通する2つの切り欠き27が設けられている。各パワー半導体モジュール1は、切り欠き27の上に載置される。
【0086】
冷却器19は、さらなる開口部22をさらに備える。さらなる開口部22は、例えばねじ山として形成される。すなわち、ねじ23をさらなる開口部22にねじ込むことができる。さらなる開口部22は、冷却器壁20を部分的にのみ通って延在する。
【0087】
各ベースプレート2は、平面視において半円の形状の開口部6を備える。すなわち、2つのパワー半導体モジュール1の隣接する開口部6は、平面視において楕円形状の開口部6を形成している。
【0088】
2つのパワー半導体モジュール1の開口部6、冷却器19の別の開口部22、およびクランプ要素9の孔12は、平面視において横方向に互いに重なっている。2つのパワー半導体モジュール1の開口部6、冷却器19の別の開口部22、およびクランプ要素9の孔12は各々、同じねじ23を受け入れるように構成される。
【0089】
ねじ23が締め付けられると、クランプ要素9の接触領域10は、パワー半導体モジュール1のクランプ領域7を冷却器19の方向に押す。クランプ要素9内の凹部11により、クランプ要素9はベースプレート8の側面に配置されたモールド4に直接接触せず、したがってモールド4の損傷が防止される。第1の部分は、ねじの締め付けの機械的停止を提供し、再現可能なクランプ力を提供する。
【0090】
図7によるパワー半導体デバイスは、開口部6、さらなる開口部22、および孔12から離間した断面図を示す。断面図は、例えば、2つの孔の間に延在する。
【0091】
ここでも、クランプ要素9内の凹部11は、クランプ要素9とベースプレート8の側面に配置されたモールド4との直接接触を防止する。
【0092】
さらに、冷却器19に面する第1の要素の表面は、冷却器19に直接接触している。直接接触により、ねじ込み中に発生する力をクランプ要素9全体に分散させることができる。
【0093】
また、第1の部分13は、再現可能な力を提供するためのストッパとして作用する。
【符号の説明】
【0094】
参照符号のリスト
1 パワー半導体モジュール
2 ベースプレート
3 端子
4 モールド
5 凹部
6 開口部
7 クランプ領域
8 ベースプレートの側面
9 クランプ要素
10 接触領域
11 凹部
12 孔
13 第1の部分
14 第2の部分
15 第3の部分
16 第1の端部領域
17 第2の端部領域
18 突起
19 冷却器
20 冷却器壁
21 冷却空洞
22 さらなる開口部
23 ねじ
24 封止
25 上面
26 封止面
27 切り欠き
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モールド(4)を備える少なくとも1つのパワー半導体モジュール(1)のベースプレート(2)に押し付けられるように構成されたクランプ要素(9)であって、
-前記モールド(4)を含まない前記ベースプレート(2)の少なくとも1つのクランプ領域(7)に直接接触するように構成された少なくとも2つの接触領域(10)と、
-前記クランプ要素(9)に設けられた少なくとも2つの凹部(11)と、
-少なくとも2つの孔(12)とを備え、
-少なくとも1つの凹部(11)および少なくとも1つの接触領域(10)は、前記ベースプレート(2)に面するように構成され、
-前記クランプ要素(9)は、前記少なくとも1つのパワー半導体モジュール(1)を冷却器(19)と接続するように構成されている、クランプ要素(9)。
【請求項2】
-少なくとも1つの凹部(11)は、横方向において少なくとも1つの孔(12)と少なくとも1つの接触領域(10)との間に設けられている、
請求項1に記載のクランプ要素(9)。
【請求項3】
少なくとも1つの接触領域(10)は、少なくとも1つのクランプ領域(7)よりも小さい、請求項1または2に記載のクランプ要素(9)。
【請求項4】
少なくとも1つの接触領域(10)の表面は粗面化を含む、請求項1または2に記載のクランプ要素(9)。
【請求項5】
前記粗面化は、規則的または非規則的に設けられた突起(18)を含む、請求項4に記載のクランプ要素(9)。
【請求項6】
前記突起(18)は、円形、円錐形、立方体または角錐形の形状を有する、請求項5に記載のクランプ要素(9)。
【請求項7】
少なくとも1つの凹部(11)は、円形、長方形、三角形、または台形の断面形状を有する、請求項1または2に記載のクランプ要素(9)。
【請求項8】
前記クランプ要素(9)は、前記少なくとも1つのパワー半導体モジュール(1)をヒートシンクと接続するように構成されている、請求項1または2に記載のクランプ要素(9)。
【請求項9】
前記クランプ要素(9)は、第1の部分(13)と、第2の部分(14)と、第3の部分(15)とを備え、
-前記第1の部分(13)、前記第2の部分(14)および前記第3の部分(15)は、上下方向に重なって設けられ、
-前記第2の部分(14)は、前記第3の部分(15)を超えて横方向に突出している、
請求項1または2に記載のクランプ要素(9)。
【請求項10】
前記第1の部分(13)は前記冷却器(19)に直接接触している、請求項に記載のクランプ要素(9)。
【請求項11】
少なくとも1つの接触領域(10)は、前記第2の部分(14)の一部である、請求項に記載のクランプ要素(9)。
【請求項12】
前記クランプ要素(9)は、少なくとも2つのパワー半導体モジュール(1)を冷却器(19)と接続するように構成されている、請求項1または2に記載のクランプ要素(9)。
【請求項13】
パワー半導体デバイスの製造方法であって、
-ベースプレート(2)およびモールド(4)を備えるパワー半導体モジュール(1)を提供するステップであって、前記ベースプレート(2)の少なくとも1つのクランプ領域(7)は前記モールド(4)を含まない、パワー半導体モジュール(1)を提供するステップと、
-冷却器(19)を提供するステップと、
-請求項1または2に記載のクランプ要素(9)を提供するステップと、
-少なくとも1つの接触領域(10)が前記少なくとも1つのクランプ領域(7)に押し付けられるように、前記クランプ要素(9)によって前記冷却器(19)に前記パワー半導体モジュール(1)を取り付けるステップと、を含む、方法。
【請求項14】
-前記ベースプレート(2)は少なくとも1つの開口部(6)を備え、
-前記冷却器(19)は、少なくとも1つのさらなる開口部(22)を備え、
-前記少なくとも1つの開口部(6)と、前記少なくとも1つのさらなる開口部(22)と、少なくとも1つの孔(12)とは、平面視において互いに重なっている、
請求項13に記載の方法。
【国際調査報告】