(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】椎骨間準備器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/16 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A61B17/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573238
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 DE2022200104
(87)【国際公開番号】W WO2022247998
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】102021205450.1
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594008556
【氏名又は名称】リチャード ウルフ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Richard Wolf GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】マウル,サイラス
(72)【発明者】
【氏名】フレイ,セバスチャン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL08
4C160LL24
(57)【要約】
本発明は、少なくとも3つの枢動可能なレバーにより保持された少なくとも1つの可動ブレード(8)を有するカッティングヘッド(2)を備えた椎骨間準備器具、すなわち、椎骨間準備のための切除器具に関し、レバー(14、16、18)がそれぞれ剛性的に形成されており、第1のレバー(14)及び第2のレバー(16)は、それぞれ第1の接合部(20)においてブレード(8)に関節接合されているとともに、そこから離隔した第2の接合部(22)においてカッティングヘッド(2)の支持要素(10)に関節接合され、第3のレバー(18)は、第1の接合部(20)においてブレード(8)に関節接合され、そこから離隔した第2の接合部(24)において支持要素(10)に対して変位可能な操作ロッド(26)に関節接合され、接合部(20、22、24)は、互いに平行な枢動軸を有する枢動ジョイントとして形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの枢動可能なレバーによって保持された少なくとも1つの可動ブレード(8)を有するカッティングヘッド(2)を備え、前記レバー(14、16、18)がそれぞれ剛性的に形成されている、椎骨間準備器具であって、
第1のレバー(14)及び第2のレバー(16)は、それぞれ第1の接合部(20)においてブレード(8)に関節接合されているとともに、離隔した第2の接合部(22)において前記カッティングヘッド(2)の支持要素(10)に関節接合され、
第3のレバー(18)は、第1の接合部(20)において前記ブレード(8)に関節接合されているとともに、離隔した第2の接合部(24)において前記支持要素(10)に対して相対的に変位可能な操作ロッド(26)に関節接合され、
前記接合部(20、22、24)は、互いに平行な枢動軸を有する枢動ジョイントとして形成されている、椎骨間準備器具。
【請求項2】
前記カッティングヘッド(2)は、3つの枢動可能なレバー(14、16、18)によってそれぞれ保持された2つの可動ブレード(8)を有し、
前記レバー(14、16、18)がそれぞれ剛性的に形成されており、
第1のレバー(14)及び第2のレバー(16)は、それぞれ第1の接合部(20)において関連するブレード(8)に関節接合されているとともに、離隔した第2の接合部(22)において前記支持要素(10)に関節接合され、
第3のレバー(18)は、第1の接合部(20)において関連するブレード(8)に関節接合されているとともに、離隔した第2の接合部(24)において前記支持要素(10)に対して変位可能な前記操作ロッド(26)に関節接合され、
前記接合部(20、22、24)は、互いに平行な枢動軸を有する枢動ジョイントとして形成されている、請求項1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項3】
前記2つのブレード(8)は、互いに前記カッティングヘッド(2)の長手軸(X)の反対側に、好ましくは対称に配置されている、請求項2に記載の椎骨間準備器具。
【請求項4】
ブレード(8)を保持するための前記3つのレバー(14、16、18)の第2の接合部(22、24)は、前記枢動軸を横切る方向に互いに離隔して配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項5】
前記カッティングヘッド(2)において、前記第1のレバー(14)は遠位側レバーを形成し、前記第3のレバー(18)は近位側レバーを形成し、前記第2のレバー(16)は前記第1のレバー(14)と前記第3のレバー(18)との間に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項6】
ブレード(8)において、前記第1のレバー(14)及び前記第2のレバー(16)の第1の接合部(20)、好ましくは前記第1のレバー(14)、前記第2のレバー(16)、及び前記第3のレバー(18)の第1の接合部(20)は、前記枢動軸を横切る方向に互いに離隔している、請求項1~5のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項7】
前記レバー(14、16、18)及びそれらの接合部(20、22、24)は、前記レバー(14、16、18)がそれらの第2の接合部(22、24)を中心に枢動することで関連するブレード(8)が前記支持要素(10)に近い第1の位置から前記支持要素(10)からより離れた第2の位置へと移動可能となるように、配置され及び寸法設定されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項8】
前記第1のレバー(14)及び前記第2のレバー(16)は、接合されているブレード(8)を動かすために同じ方向に枢動するように関節接合されている、請求項1~7のいずれか一項の記載の椎骨間準備器具。
【請求項9】
前記第3のレバー(18)は、接合されているブレード(8)を動かすために前記第1のレバー(14)及び/又は第2のレバー(16)が同時に枢動したときに前記第1のレバー及び/又は第2のレバーの回転方向とは反対の回転方向に枢動するように関節接合されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項10】
ブレード(8)に関節接合された前記第1のレバー(14)及び前記第2のレバー(16)は、それらの第1の接合部(20)と第2の接合部(22)との間が同じ長さを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項11】
ブレード(8)に関節接合された前記第2のレバー(16)及び前記第3のレバー(18)は、それらの第1の接合部(20)と第2の接合部(22、24)との間が同じ長さを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項12】
ブレード(8)に関節接合された前記第1のレバー(14’)及び前記第2のレバー(16’)は、それらの第1の接合部(20)と第2の接合部(22)との間が異なる長さを有し、好ましくは前記カッティングヘッド(2)において遠位側レバーを形成する前記第1のレバー(14’)が前記第2のレバー(16’)よりも長く形成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項13】
ブレード(8)に関節接合された前記第2のレバー(16’)及び前記第3のレバー(18’)は、それらの第1の接合部(20)と第2の接合部(22、24)との間が異なる長さを有し、好ましくは前記第2のレバー(16’)は、前記第3のレバー(18’)よりも長く形成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項14】
前記カッティングヘッド(2)は、器具シャフト(6)の遠位端に配置され、前記操作ロッド(26)は、前記器具シャフト(6)上又は前記器具シャフト(6)内で前記器具シャフト(6)の長手方向(X)に変位可能に案内される、請求項1~13のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項15】
ブレード(8)に関節接合された前記3つのレバー(14、16、18)の前記第2の接合部(22、24)は、好ましくは前記操作ロッド(26)の変位方向(X)に対して平行に延びる直線上に位置している、請求項1~14のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項16】
ブレード(8)に関節接合された前記3つのレバー(14、16、18)の前記第1の接合部(20)は、前記操作ロッド(26)の変位方向(X)に対して平行に又は斜めに延びる直線上に位置している、請求項1~15のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項17】
少なくとも1つの位置におけるブレード(8)の少なくとも外側が前記カッティングヘッド(2)の長手軸(X)に対して斜めに延びる、請求項1~16のいずれか一項に記載の椎骨間準備器具。
【請求項18】
前記カッティングヘッド(2)が器具シャフト(6)の遠位端に配置され、前記操作ロッド(26)を動かすために前記操作ロッドに結合された操作装置(40)を有するハンドル(4)が前記器具シャフトの近位端(6)に配置されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の椎間準備成器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椎骨間準備器具、すなわち、椎骨間準備のための切除器具、いわゆるパドルシェーバに関する。
【背景技術】
【0002】
椎骨間の準備、すなわち、インプラントの挿入前に椎骨間の椎間板を切除するための特別な切除器具、いわゆるパドルシェーバが知られている。例えば、特許文献1は、遠位端に2つのブレードを備えたカッティングヘッドを有するそのような器具を開示している。2つのブレードは、カッティングヘッドの長手軸に対して互いに反対を向いており、操作ロッドを介して動かされ得る。そのため、ブレードは、それぞれ2つのレバーを介して関節接合されており、バネ要素によって外側に押されている。この2つのレバーは、ブレードが器具の長手軸に対して傾くことを可能にする。このような傾きは場合によっては望ましくないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/035849号公報
【発明の概要】
【0004】
このような背景から、本発明の目的は、切除ブレードの規定された案内を保証する椎骨間準備のための改良された切除器具、すなわち、パドルシェーバを提供することである。
【0005】
この目的は、椎骨間準備器具、すなわち、請求項1に記載の特徴を有する椎骨間準備のための切除器具によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項、以下の説明、及び添付の図から明らかになる。
【0006】
本発明による椎骨間準備器具は、椎骨間準備のための切除器具、すなわち、いわゆるパドルシェーバとして使用されるように形成されており、少なくとも1つの可動ブレード(可動刃)を有するカッティングヘッドを備えている。特に、ブレード(刃)は、椎間腔、すなわち、2つの椎骨の間に挿入された後に椎骨間領域全体の椎間板物質を除去できるようにするため、長手軸に対して半径方向に離隔した位置に動かすことができるように、可動である。少なくとも1つの可動ブレードは、少なくとも3つの枢動(ピボット動作)可能なレバーによって保持されている。すなわち、枢動可能なレバーは、ブレードをカッティングヘッド又はカッティングヘッドの支持構造に連結されてブレードに望ましい可動性を提供する。レバー自体は剛性的に形成されている。第1のレバー及び第2のレバーは、それぞれ第1の接合部においてブレードに関節接合、すなわち、枢動可能に接合され、そこから離隔した第2の接合部においてカッティングヘッドの支持要素又は支持構造に関節接合、すなわち、枢動可能に接合されている。第1の接合部及び第2の接合部は、好ましくは各レバーの互いに反対の端部に位置する。第3のレバーは、第1の接合部においてブレードに関節接合、すなわち、枢動可能に接合され、そこから離隔した第2の接合部において操作ロッドに関節接合、すなわち、枢動可能に接合されている。操作ロッドは、支持要素に対して相対的に変位することが可能である。第3のレバーにおける第1の接合部及び第2の接合部も、好ましくは第3のレバーの互いに反対の端部に位置する。操作ロッドを動かすことにより、第3のレバーを支持要素に対して相対的に動かすことができ、これにより、ブレードを動かしたり、カッティングヘッドの領域で器具を広げて直径を大きくしたりすることができる。そのため、上記した接合部は、枢動(ピボット)軸が互いに平行に延びる枢動ジョイントとして形成されている。したがって、特に切除ブレードが器具又はカッティングヘッドの長手軸に対して半径方向に移動して直径を大きくするように、レバーを枢動させることが可能である。カッティングヘッド上でブレードを保持する3つのレバーの配置によって、近位端から遠位端へと延びるカッティングヘッドの長手軸に対する角度位置が変化しないように、ブレードを傾けることができ、したがって、ブレードが規定の角度位置に保持されるという利点がある。長手軸に対する角度位置は、一定であっても、第3のレバーの動きに応じて規定の方法で変化してもよいが、3つのレバーを使用することによって不定な傾きが防止される。
【0007】
好ましくは、切除器具は第2のブレードを有する。このブレードは剛性であり得る。好ましくは、カッティングヘッドが2つの可動ブレードを有し、これら2つのブレードがそれぞれ上述のように3つの枢動可能なレバーによって保持される。すなわち、2つのブレードのそれぞれは、3つの剛性的に形成されたレバーを介してカッティングヘッドに保持されており、第1のレバー及び第2のレバーは、それぞれ接合部において関連するブレードに関節接合され、そこから離隔した第2の接合部において支持要素に関節接合される。2つのブレードの第1のレバー及び第2のレバーは、別々の第2の接合部において支持要素に関節接合され得る。しかしながら、2つの第1のレバーが共通の第2の接合部において支持要素に枢動可能に関節接合され、及び/又は、2つの第2のレバーが共通の第2の接合部において支持要素に枢動可能に関節接合されることも考えられる。さらに、各ブレードは、第3のレバーを有し、第3のレバーは、第1の接合部において関連するブレードに関節接合され、そこから離隔した第2の接合部において支持要素に対して想定的に変位することが可能な操作ロッドに関節接合されている。上記した接合部は、互いに平行な枢動(ピボット)軸を有する枢動ジョイントとして形成され、特に2つのブレードの接合部の枢動軸も互いに平行に延びている。2つの第3のレバーについても、共通の第2の接合部が操作ロッド上に設けられ得る。さらに、2つの第3のレバーは、それぞれ第2のレバーと共通の第1の接合部においてブレードに関節接合され得る。
【0008】
少なくとも1つのブレード又は複数のブレードは、それらの長手方向のエッジ、すなわち、好ましくは実質的に器具の長手方向に延びるそれらの長縁部が、切除するように又は切除エッジとして作用するように、形成されているのが好ましい。これにより、ブレードは、器具又は器具の長手軸に対して円周方向に切断又は切除効果を有する。したがって、器具は、器具の長手軸を横切る方向に移動することによって、及び/又は、器具の長手軸を中心に回転することによって、切断又は切除を行うように使用され得る。
【0009】
2つの第3のレバーは、好ましくはトグルレバー機構を形成し、操作ロッドを動かすことによって2つのブレードを押し広げたり、逆方向に引き寄せたりし、これにより、器具はカッティングヘッドの領域において直径を拡大又は縮小することができ、直径は、2つのブレードの半径方向の距離によって規定される。各ブレードに3つのレバーを配置することで2つのブレードの互いに対する角度位置が固定的に設定され得る。つまり、2つのブレードは、互いに不定に枢動したり、互いの角度位置を変えたりすることはできない。
【0010】
好ましくは、2つのブレードは、互いにカッティングヘッドの長手軸の反対側に配置される。カッティングヘッドの長手軸は、近位端から遠位端に向かって延びる軸である。さらに好ましくは、2つのブレードは、長手軸に対して正反対の側に配置され、ブレード又はブレードの外側の相互間の距離がカッティングヘッドの直径を規定する。一方のブレード又は両方のブレードを、長手軸に横切る方向に、特に半径方向に移動させることによって、直径又はブレードの間の距離を変更することができる。さらに好ましくは、2つのブレードは、互いに対称的に、すなわち、特に長手軸又は長手軸が位置する平面に対して鏡像状に配置される。特に両方のブレードが可動である場合、両方のブレードは好ましくは長手軸から遠ざかる方向又は長手軸に向かう方向に互いに対称に動かされ、これは、上述のように一種のトグルレバージョイントを形成する第3のレバーを介して実現される。
【0011】
ブレード、つまり、一つのブレードを保持するための3つのレバーの第2の接合部は、好ましくは枢動軸を横切る方向に互いに離隔して配置されている。2つのブレードが設けられている場合、両方のブレードの3つのレバーの第2の接合部が枢動軸を横切る方向に互いに離隔していることがさらに好ましい。枢動軸を横切る方向は、好ましくはカッティングヘッドの長手軸に平行な方向である。枢動軸は、好ましくは横方向に、特にカッティングヘッドの長手軸に対して直角に延びている。接合部が離隔して配置されることにより、高い安定性が確保される。例えば、第1のレバー及び第2のレバーは、ブレード及び支持要素とともに平行四辺形の構造を形成することができる。第3のレバーは、好ましくは他の2つのレバーと平行ではなく角度をなして延びており、それにより、傾きを防ぎ、全方向の力伝達が可能となる。好ましくは、ブレードが半径方向に展開された状態において少なくとも2つのレバーが互いに平行ではない。半径方向に展開された状態は、休止位置よりも、ブレードが支持要素又はカッティングヘッドの長手軸から半径方向に離れた状態である。休止位置において、ブレードは、カッティングヘッドの長手軸から最小距離の位置にあり、好ましくは、支持要素上に位置する。この休止状態において、ブレードを保持する3つのレバーは、実質的に互いに平行に、又は長手軸に沿って延びており、この状態では器具全体の直径が最小になる。
【0012】
さらに好ましくは、カッティングヘッドにおいて、第1のレバーは遠位側レバーを形成し、第3のレバーは近位側レバーを形成し、第2のレバーは第1のレバーと第3のレバーとの間に配置される。遠位側レバーは、カッティングヘッドの遠位端に向かって最も遠くに位置するレバーであり、近位側レバーは近位端に向かって最も遠くに位置するレバーである。3つのレバーを介して接合されている各ブレードの3つのレバーは、カッティングヘッドの長手軸の方向に互いにオフセットして配置されている。好ましくは、3つのレバーは、切除ブレードが休止位置となる半径方向で最も内側の位置にあるレバーの折り畳み状態において、長手方向に互いに完全に前後に位置するように、オフセットされている。したがって、レバーが折り畳まれたり、引き込まれたりしたときに器具の直径が最も小さくなる。すなわち、この状態では、好ましくは第1のレバーの第2の接合部が最も遠位に位置し、第1のレバーの第1の接合部は第2のレバーの第2の接合部よりも遠位に位置する。第2のレバーの第1の接合部もまた、第3のレバーよりも、特に第3のレバーの第1の接合部よりもさらに遠位に位置する。特に好ましくは、操作ロッドにおける第3のレバーの第2の接合部が最も近位に位置する。
【0013】
さらに好ましい実施形態によれば、ブレードにおける第1のレバー及び第2のレバーの第1の接合部、好ましくは第1のレバー、第2のレバー、及び第3のレバーの第1の接合部は、枢動軸を横切る方向に、すなわち、好ましくはカッティングヘッドの長手方向に平行に互いに離隔している。これにより、一方では、上述したような平行四辺形の構造が可能になる。他方では、これとは関係なく、ブレードと支持要素との間で均一な力の伝達が達成され、特にブレードの傾きが防止される。さらに、この配置は、第2の接合部間の距離及び対応するレバー長さと併せて、上述のような3つのレバーが軸方向に互いに前後に位置する休止位置を可能にする。2つのブレードがそれぞれ3つのレバーを介して支持要素に可動に配置される場合、接合部は、対応する方法で、好ましくは上述の方法で、長手軸又は長手軸に沿って延びる平面に対して対称に両方のブレードに配置される。
【0014】
レバー及びそれらの接合部は、レバーがその第2の接合部を中心に枢動することによって関連するブレードを支持要素に近い第1の位置から支持要素からより離れた少なくとも1つの第2の位置へ移動させることができるように、配置及び寸法設定されていることが好ましい。支持要素に近い位置が上述の休止位置である。枢動すると、レバーは支持要素における第2の接合部を中心に回転し、それによって、ブレードにおける第1の接合部と支持要素の長手軸との距離が半径方向に増加し、ブレードは、半径方向に展開するか、又は、支持要素及び長手軸から遠ざかる。
【0015】
好ましくは、第1のレバー及び第2のレバーは、接合されているブレードを動かすために同じ回転方向に枢動するように関節接合されている。好ましくは、レバーは、ブレードとの第1の接合部が半径方向に動くことに加えて、同時に長手方向の遠位方向に動くように枢動する。これは、例えば平行四辺形ガイドの方法で行われ、レバーの長さが異なる場合は、正確な平行四辺形ガイドから逸脱したブレードの規定の傾斜位置に到達することが同時に達成され得る。
【0016】
さらに好ましくは、第3のレバーは、接合されているブレードを動かすために第1のレバー及び/又は第2のレバーが同時に枢動したとき、これらのレバーの回転方向とは反対の回転方向に枢動するように関節接合されている。すなわち、第3のレバーは、例えばブレードにおける第3の第1の接合部が第2の接合部に対して近位方向に動くように枢動することができる。ただし、操作ロッドの移動により、好ましくは同時に第2の接合部が遠位方向に移動し、第3のレバー全体が支持要素に対する位置を維持するか、又は遠位方向に移動する。反対方向の枢動動作により、第3のレバーが、第2のレバーに対して、好ましくは第1のレバー及び第2のレバーに対して角度をなして延びることが達成され、3つのレバーすべてが一緒に平行四辺形の配置を形成せず、ブレードの傾きが防止される。すなわち、第2のレバーと第3のレバーとは、好ましくは長手方向軸に対して反対の角度をなして半径方向に(斜めに)延びる。2つのブレードが設けられる場合、それらの第3のレバーは、上述のように、操作ロッドを介して、好ましくはトグルレバージョイントの要領で動かされ、その結果、操作ロッドの軸方向の変位によって第3のレバーの第1の接合部が半径方向外方に押されて、2つのブレードが互いに離れる方向に移動する。2つのブレードは、再び反対方向に一緒に移動すること、すなわち、支持要素に接触する休止位置に戻ることができる。
【0017】
ブレードに、すなわち、同じブレードに関節接合されている第1のレバー及び第2のレバーは、それらの第1の接合部と第2の接合部との間が同じ長さを有することができる。したがって、併せて第1の接合部間の距離と第2の接合部間の距離が同じである場合、上述したように、実質的に平行四辺形の形状又は平行四辺形の配置が形成される。
【0018】
さらに、ブレードに関節接合されている第2のレバー及び第3のレバーは、それらの第1の接合部と第2の接合部との間が同じ長さを有することが可能である。これにより、第2のレバー及び第3のレバーは、枢動すると、三角形又は台形の形状を画定し、この形状は、特にブレードと支持要素又は操作ロッドとの間の遠位方向及び近位方向の両方での力の伝達を可能にする。この構成により、ブレードの傾きが防止され、カッティングヘッドの長手方向軸に対するブレードの角度位置が不定に変化することが防止される。
【0019】
特別な実施形態においては、ブレードに、すなわち、同じブレードに関節接合されている第1のレバー及び第2のレバーは、それらの第1の接合部と第2の接合部との間が異なる長さを有することができ、例えば、カッティングヘッドにおいて遠位側レバーを形成する第1のレバーは、第2のレバーよりも長く形成される。あるいは、第1のレバーを第2のレバーより短くすることもできる。これにより、第3のレバーの枢動によってブレードが半径方向外方に移動すると、カッティングヘッドの長手方向軸に対するブレードの角度位置が同時に変化することを達成できる。つまり、ブレードは、半径方向に平行に移動するのではなく、半径方向への移動と同時にある程度枢動する。これにより、特定の用途で望ましい場合がある前弯(ロードシス)角が形成される。
【0020】
ブレードに、すなわち、同じブレードに関節接合されている第2のレバー及び第3のレバーは、それらの第1の接合部と第2の接合部との間が異なる長さを有することができ、例えば、第2のレバーが第3のレバーよりも長く形成される。第3のレバーの長さが異なると、ブレードの展開動作又は半径方向の移動に対する第3のレバーの機能に関して有利となり得る。さらに、所望の前弯角、すなわち、カッティングヘッドの円錐形状を実現するためには、第1のレバーが長い場合には第3のレバーを短く形成することが有利となり得る。逆に、例えば第1のレバーが短い場合には第3のレバーを長くすることができる。
【0021】
好ましくは、カッティングヘッドは、器具シャフトの遠位端に配置され、操作ロッドは、器具シャフト上又は器具シャフト内で長手方向に変位可能に案内される。こうして、操作ロッドと器具シャフト又は器具シャフトに固定的に連結された支持要素との間の相対運動が遠位端において実現される。この相対運動によって第3のレバーの第2の接合部が動かされ、このレバーが第1のレバー及び第2のレバーと協働して関連する切除ブレードを長手軸に対して半径方向外方に移動させ、カッティングヘッドが拡張される。この拡張は、好ましくは操作ロッドを遠位方向に移動させることによって達成され、カッティングヘッドの縮小は、操作ロッドを逆に近位方向に移動させることによって達成される。
【0022】
カッティングヘッドは、好ましくは、1つ又は複数のブレードが休止位置にあるときに鈍い先端部を遠位端に有するように形成され、鈍い先端部は、好ましくは、支持要素に直接取り付けられているか、又は支持要素自体によって形成される。鈍い先端は、器具が椎間腔に打ち込まれるときに発生する力を吸収する。この状態においては、ブレードのレバー機構に打ち込み時の力がかからないように、複数又は1つのブレードが長手方向で見て鈍い先端の後ろに配置されるのが好ましい。ブレードを拡張すると、ブレードは、半径方向の移動に加えて、鈍い先端まで又は鈍い端を越えて遠位方向に突出するように遠位方向に移動することができる。これは、カッティングヘッドの遠位端の領域での物質の切除も可能にする。
【0023】
ブレードに、すなわち、同じブレードに関節接合されている3つのレバーの第2の接合部は、好ましくは直線上に配置され、より好ましくは、操作ロッドの変位方向に対して平行な直線上に、すなわち、好ましくは、器具シャフト又はカッティングヘッドの長手軸に対して平行に延びる直線上に配置される。この配置は、切除ブレードが半径方向外方に移動するように3つのレバーが同時に枢動することを容易にする。特に、上述のような平行四辺形の構造が形成され得る。
【0024】
さらに好ましい実施形態によれば、ブレードに、すなわち、同じブレードに関節接合されている3つのレバーの第1の接合部は、操作ロッドの変位方向に対して平行に又は角度をなして(斜めに)延びる直線上に配置される。上述のような前弯角を形成するために、外方への枢動又は拡張中にこの直線と変位方向又は長手軸との間の角度が変化することも可能である。折り畳まれた休止状態、すなわち、ブレードが支持要素上に位置する状態においては、第1の接合部が位置する直線は、変位方向又は長手軸に対して平行に延びるのが好ましい。
【0025】
例えば、所望の前弯角を提供できるようにするために、少なくとも1つの位置におけるブレードの少なくとも外側(面)が、カッティングヘッド又は器具の長手軸に対して角度をなして(斜めに)延びることができる。このようにして、レバーの回転位置に依存しない一定の前弯角を作り出すことができる。レバーは、切除ブレードが長手軸に対して半径方向に平行に移動してブレードの外側(面)の角度によって与えられる前弯角が一定になるように、形成され得る。
【0026】
カッティングヘッドは、好ましくは、器具シャフトの遠位端に配置され、器具シャフトの近位端には、操作ロッドを動かすために操作ロッドに結合された操作装置を有するハンドルが配置されている。すなわち、操作装置を操作することによって、操作ロッドを所望の方法で直線的に移動させることができる。操作装置は、例えば、ねじ付きスピンドル上で回転する回転ホイールを有するスピンドルドライブであり得る。その場合、回転ホイールは、ハンドルに軸方向に固定され、操作ホイールを回転させることによってスピンドルが長手方向に前後に押し動かされ得る。この直線運動が操作ロッドに伝達され得る。このために、操作ロッドは、例えば、ねじ付きスピンドルなどの操作装置に固定的に接続され得る。好ましくは、着脱可能なカップリングが設けられ得る。例えば、カッティングヘッドを有する機器シャフトを使い捨て品として形成できるようにするために、器具シャフト及び操作ロッドがハンドルから取り外し可能に形成されるのに対し、ハンドルは再利用され得る。さらに、器具シャフトをハンドルに取り外し可能に固定するための固定装置がハンドルに設けられ得る。これは、例えばクランプねじであり得る。
【0027】
さらに好ましい実施形態によれば、操作装置は、カッティングヘッドの拡張の度合い、すなわち、1つ又は複数のブレードの半径方向の移動の程度を示す目盛り(スケール)を有する。1つのブレード又は複数のブレードの半径方向の変位は、レバーの回転変位を介して生じるため、操作装置が動かされる程度とブレードの変位との間には線形関係が存在しない可能性がある。ハンドルに目盛りを形成した場合にこれを考慮することができ、したがって、目盛りを非線形的に形成することができ、かつ操作装置のそれぞれの位置、例えば操作ロッドの直線的な送り位置におけるブレードの変位の程度を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明による椎骨間準備のための切除器具の全体図である。
【
図2】
図1による切除器具の拡張状態にあるカッティングヘッドの詳細図である。
【
図3】
図2によるカッティングヘッドの平面図である。
【
図4】
図2によるカッティングヘッドの部分断面図である。
【
図5】休止状態にある
図4によるカッティングヘッドを示す図である。
【
図6】拡張状態にある本発明によるカッティングヘッドの代替実施形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明を、添付の図面を参照して本発明の例示的な実施形態について説明する。
図1は、器具全体としての切除ツールの側面図を示す。器具全体は、本質的に、遠位端のカッティングヘッド2、近位端のハンドル4、及びハンドル4から遠位方向にカッティングヘッド2まで延びる器具シャフト6の3つの部分から構成されている。
【0030】
この例示的な実施形態において、カッティングヘッド2は、器具シャフトの遠位端に固定されている。器具シャフトは、後述するように、ハンドル4に取り外し可能に連結されている。したがって、器具シャフト及びカッティングヘッド2は、例えば使い捨て器具として形成され得る一方、ハンドルは複数回使用され得る。あるいは、ハンドル4と器具シャフト6は、例えば洗浄のために分離され得る。
【0031】
カッティングヘッド2は、2つのブレード8を有し、これらのブレードは、レバーを介して支持要素10に連結されている。支持要素10は、器具シャフト6の遠位端に取り付けられるか、又は完全に若しくは部分的にそれと一体に形成され得る。支持要素10の遠位端は、鈍い先端部12として形成されており、この先端部は、器具が挿入され又は打ち込まれる際に生じる力を吸収する。
【0032】
ブレード8のそれぞれは、第1のレバー14、第2のレバー16、及び第3のレバー18の3つのレバーを介して支持要素10に連結されている。第1のレバーは遠位側に配置され、第3のレバーは近位側に配置され、第2のレバー16はそれらの間に配置されている。2つのブレード8とそれらのレバー14、16、18の配置は、近位端から遠位端まで延びる器具又はカッティングヘッド2の長手軸Xに対して鏡面対称である。
【0033】
レバー14、16、18は、それぞれ枢動(ピボット)軸を形成するか又は枢動軸として形成された第1の接合部20を介してブレード8に関節接合されている。レバー14、16、18は、接合部20を中心にブレード8に対して相対的に枢動することができる。第1のレバー14と第2のレバー16は、それぞれ長手方向の反対側の端部で、第2の接合部22を介して支持要素10に枢動可能に取り付けられている。第3のレバー18は、それぞれ第1の接合部20とは反対側の端部で第2の接合部24を介して操作ロッド26に枢動可能に接合されている。操作ロッドは、器具シャフト6の内部で長手軸Xの方向に延びており、器具シャフト6及び支持要素10に対して長手方向Xの前後に変位可能である。接合部20、22、24によって定義される枢動軸は、長手方向X、したがって操作ロッド26の移動方向に対して垂直に延びている。
【0034】
図4及び
図5に示される例では、第1のレバー14及び第2のレバー16は同じ長さであり、それらのレバーの第1の接合部20は、長手軸Xの方向において、それらの第2の接合部22と同じ間隔で配置されている。したがって、第1及び第2のレバー14、16は、それらに関連するブレード8とともに、平行四辺形の配置を形成する。
図4は、ブレード8が長手軸Xから半径方向に最大限に離れた展開状態を示しており、この状態においてカッティングヘッドは最大の直径を有する。
図5は、ブレード8が実質的に支持要素10に接触している休止状態を示す。この場合、ブレード8は、先端部12の後方の近位側に位置するため、挿入又は打ち込み時に鈍い先端部12によって保護される。
図4に示される展開状態において、ブレード8は、レバーの枢動によって、半径方向に移動するだけではなく、遠位方向にも移動し、ブレード8の遠位端が先端部12を越えて突出する。したがって、カッティングヘッドは、その遠位端まで切断作用を発揮することができる。
【0035】
ブレード8を
図5に示される休止状態から半径方向外方に移動させるために、第1のレバー14及び第2のレバー16は、それらの第2の接合部22又は第2の枢動軸22を中心に同じ方向に枢動し、第1のレバー14及び第2のレバー16の第1の接合部20が先端部12に向かって遠位方向に円弧状に移動する。これにより、ブレード8が半径方向外方に移動すると同時に遠位側にも移動し、ブレード8は、常に長手軸Xと平行に延びるようになっている。この動きは、操作ロッド26が遠位方向に押し動かされることにより引き起こされる。この場合、第3のレバー18の第2の接合部24が遠位方向に移動し、これによって第3のレバー18はその第2の接合部24を中心に枢動(回転)し、ブレード8に取り付けられている第3のレバー18の第1の接合部20を半径方向外方へ押す。2つのブレード8の第3のレバー18は、操作ロッド26とともに一種のトグルレバーを形成し、操作ロッド26は「膝」の中心に係合している。こうして、長手方向Xの比較的小さな力で、長手軸Xに直交する半径方向の大きな力を達成することができる。
【0036】
移動の際、第3のレバー18は、それぞれのブレード8の第2のレバー16とは反対の方向に旋回する。これは、第3のレバー18が第2のレバー16と平行に延びるのではなく、第2のレバーに対して常に角度をなすように向くことをもたらし、それにより、第2のレバー16と第3のレバー18は、ブレード8のそれぞれに互いにV字形又は台形状に向けられ、これらのレバーの第1の接合部20は、第2の接合部22及び24よりも長手軸Xと平行な方向において互いに近くに位置する。この構成によって、長手軸Xに対するブレード8の角度位置が不用意に変化してしまうことが防止される。第1のレバー16及び第2のレバー16が、支持要素10からその第1の接合部20まで、長手軸Xに対して近位方向に斜めに延びるのに対して、第3のレバー18は、操作ロッド26からその第1の接合部20まで長手軸Xに対して遠位方向に斜めに延びる。操作ロッド26が遠位方向にどれだけ変位されるのかに応じて、ブレード8は、長手軸Xから半径方向外方に異なる距離だけ移動する。したがって、長手軸Xに直交するブレード8の直径又は距離が変更され、及び調節され得る。
【0037】
図5に示される休止状態において、2つのブレードのそれぞれのレバー14、16、18は、長手軸Xに対して非常に小さな角度を有して実質的に一直線に延びている。この休止位置から操作ロッド26を前進させてレバーが確実に枢動するようにするためには、操作ロッド26を介してレバー18に加えられる力の方向が第3のレバー18の第1の接合部20と第2の接合部24を通る直線の方向に一致しないようにすることが重要である。換言すれば、第1の接合部20の中心と第2の接合部24の中心を接続する接続線は、
図5に示される休止位置において、長手軸Xに対して斜めに延びている。第1のレバー14及び第2のレバー16のそれぞれに定義される長手軸であって、第1の接合部20の中心と関連する接合部22の中心を通る長手軸は、長手軸Xに対して鋭角で延びている。ここに示される例において、ブレード8におけるすべての第1の接合部20は、長手軸Xに対して平行に延びる直線上に位置する。これに対応して、各ブレード8の関連する第2の接合部22、24も、実質的に長手軸Xに対して平行に延びる直線上に位置する。第1のレバー14及び第2のレバー16の枢動動作とは反対方向への第3のレバー18の枢動動作を可能にするために、第3のレバー18は、それぞれ第1の接合部20が関連する第2の接合部24よりも遠位に位置するように、関連するブレード8上に配置されている。これは、第1のレバー14及び第2のレバー16では逆になる。第1のレバー14及び第2のレバー16では、それぞれ第2の接合部22が第1の接合部20よりも遠位に位置する。
【0038】
図2~
図5に示される例において、ブレード8の外側(の面)は、長手軸Xに対して実質的に平行に延びており、すなわち、2つのブレード8の間に前弯角が実質的に設けられていない。前弯角を形成することができる第1の可能性は、ブレード8の外側(の面)を第1の接合部20を通って延びる直線に対して斜めに形成することであろう。第2の選択肢が
図6に示される。
図6による実施例に関し、前弯角は、ブレード8を支持要素10に連結するレバー14’、16’、18’が同じ長さに形成されていないことによって実現される。ここに示される例においては、第1のレバー14’の第1の接合部20と接合部22の間の長さが第2のレバー16’のそれよりも長い。また、第3のレバー18’は、第2のレバー16’よりも短い。これは、各ブレード8上の第1のレバー14’及び16’がもはや正確に平行に配置されず、正確な平行四辺形構造を形成しないことを意味する。その結果、ブレード8が
図5に示される休止位置から展開され又は移動させられると、ブレード8が拡がるにつれて長手軸Xに対する角度が大きくなる。すなわち、ここでは、一定の前弯角が形成されるのではなく、前弯角は、ブレード8が半径方向への拡がり又は展開に伴って実質的に増加し、図示の例では約0度~9度まで増加する。
【0039】
図7及び
図8はハンドル4の詳細図である。機器シャフト6又はその外側シャフトは、保持アーム28を介してハンドル4にクランプ固定される。クランプするために、保持アーム28は、ローレットねじ30を介してグリップベース32に対して調節され得、それにより、器具シャフト6は、保持アーム28とグリップベース32との間にクランプされ得る。操作ロッド26は、その近位端でスライダ36に形状結合によって接続され、スライダ36は、グリップベース32上で長手軸Xの方向に摺動自在に案内される。スライダ36には、ねじ付きロッド38が取り付けられており、ねじ付きロッドは、長手軸Xの方向に延びて、調整ホイール40の形態の操作装置に係合している。調整ホイール40はグリップベース32に軸方向に固定されており、調整ホイール40が回転すると、その内部でねじ付きロッド38がねじ係合を介して長手方向Xに変位されるようになっている。連結された操作ロッド26もまた、ねじ付きロッド38を介して軸方向又は長手方向Xに変位し、2つのブレード8を上述のように互いに離れる方向に、又は互いに向かって移動させることができる。
【0040】
ハンドル4においてブレード8の位置を認識できるようにするために、グリップベース32に目盛り42が形成されており、この目盛りは、スライダ36と協働してブレード8の半径方向の傾き又は拡がりの程度を示す。操作ロッド26の変位は、レバー機構によりブレード8の半径方向の動きに非線形的に変換されるため、目盛り42は線形的に形成されていない。スライダ36の遠位方向の変位が増加するにつれて目盛り間隔が増加する。半径方向の拡がりの程度、すなわち、ブレード8間のカッティングヘッドの直径は、ハンドル4において目盛り42に対するスライダ36の相対位置から読み取ることができる。
【符号の説明】
【0041】
2 カッティングヘッド
4 ハンドル
6 器具シャフト
8 ブレード(刃)
10 支持要素
12 先端部
14、14’ 第1のレバー
16、16’ 第2のレバー
18、18’ 第3のレバー
20 第1の接合部
22、24 第2の接合部
26 操作ロッド
28 保持アーム
30 ローレットねじ
32 グリップベース
34 グリップ片
36 スライダ
38 ねじ付きロッド
40 調整ホイール
42 目盛り
X 長手軸
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの枢動可能なレバーによって保持された少なくとも1つの可動ブレード(8)を有するカッティングヘッド(2)を備え、前記レバー(14、16、18)がそれぞれ剛性的に形成されている、椎骨間準備器具であって、
第1のレバー(14)及び第2のレバー(16)は、それぞれ第1の接合部(20)においてブレード(8)に関節接合されているとともに、離隔した第2の接合部(22)において前記カッティングヘッド(2)の支持要素(10)に関節接合され、
第3のレバー(18)は、第1の接合部(20)において前記ブレード(8)に関節接合されているとともに、離隔した第2の接合部(24)において前記支持要素(10)に対して相対的に変位可能な操作ロッド(26)に関節接合され、
前記接合部(20、22、24)は、互いに平行な枢動軸を有する枢動ジョイントとして形成されている、椎骨間準備器具。
【請求項2】
前記カッティングヘッド(2)は、3つの枢動可能なレバー(14、16、18)によってそれぞれ保持された2つの可動ブレード(8)を有し、
前記レバー(14、16、18)がそれぞれ剛性的に形成されており、
第1のレバー(14)及び第2のレバー(16)は、それぞれ第1の接合部(20)において関連するブレード(8)に関節接合されているとともに、離隔した第2の接合部(22)において前記支持要素(10)に関節接合され、
第3のレバー(18)は、第1の接合部(20)において関連するブレード(8)に関節接合されているとともに、離隔した第2の接合部(24)において前記支持要素(10)に対して変位可能な前記操作ロッド(26)に関節接合され、
前記接合部(20、22、24)は、互いに平行な枢動軸を有する枢動ジョイントとして形成されている、請求項1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項3】
前記2つのブレード(8)は、互いに前記カッティングヘッド(2)の長手軸(X)の反対側に、好ましくは対称に配置されている、請求項2に記載の椎骨間準備器具。
【請求項4】
ブレード(8)を保持するための前記3つのレバー(14、16、18)の第2の接合部(22、24)は、前記枢動軸を横切る方向に互いに離隔して配置されている、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項5】
前記カッティングヘッド(2)において、前記第1のレバー(14)は遠位側レバーを形成し、前記第3のレバー(18)は近位側レバーを形成し、前記第2のレバー(16)は前記第1のレバー(14)と前記第3のレバー(18)との間に配置されている、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項6】
ブレード(8)において、前記第1のレバー(14)及び前記第2のレバー(16)の第1の接合部(20)、好ましくは前記第1のレバー(14)、前記第2のレバー(16)、及び前記第3のレバー(18)の第1の接合部(20)は、前記枢動軸を横切る方向に互いに離隔している、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項7】
前記レバー(14、16、18)及びそれらの接合部(20、22、24)は、前記レバー(14、16、18)がそれらの第2の接合部(22、24)を中心に枢動することで関連するブレード(8)が前記支持要素(10)に近い第1の位置から前記支持要素(10)からより離れた第2の位置へと移動可能となるように、配置され及び寸法設定されている、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項8】
前記第1のレバー(14)及び前記第2のレバー(16)は、接合されているブレード(8)を動かすために同じ方向に枢動するように関節接合されている、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項9】
前記第3のレバー(18)は、接合されているブレード(8)を動かすために前記第1のレバー(14)及び/又は第2のレバー(16)が同時に枢動したときに前記第1のレバー及び/又は第2のレバーの回転方向とは反対の回転方向に枢動するように関節接合されている、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項10】
ブレード(8)に関節接合された前記第1のレバー(14)及び前記第2のレバー(16)は、それらの第1の接合部(20)と第2の接合部(22)との間が同じ長さを有する、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項11】
ブレード(8)に関節接合された前記第2のレバー(16)及び前記第3のレバー(18)は、それらの第1の接合部(20)と第2の接合部(22、24)との間が同じ長さを有する、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項12】
ブレード(8)に関節接合された前記第1のレバー(14’)及び前記第2のレバー(16’)は、それらの第1の接合部(20)と第2の接合部(22)との間が異なる長さを有し、好ましくは前記カッティングヘッド(2)において遠位側レバーを形成する前記第1のレバー(14’)が前記第2のレバー(16’)よりも長く形成されている、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項13】
ブレード(8)に関節接合された前記第2のレバー(16’)及び前記第3のレバー(18’)は、それらの第1の接合部(20)と第2の接合部(22、24)との間が異なる長さを有し、好ましくは前記第2のレバー(16’)は、前記第3のレバー(18’)よりも長く形成されている、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項14】
前記カッティングヘッド(2)は、器具シャフト(6)の遠位端に配置され、前記操作ロッド(26)は、前記器具シャフト(6)上又は前記器具シャフト(6)内で前記器具シャフト(6)の長手方向(X)に変位可能に案内される、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項15】
ブレード(8)に関節接合された前記3つのレバー(14、16、18)の前記第2の接合部(22、24)は、好ましくは前記操作ロッド(26)の変位方向(X)に対して平行に延びる直線上に位置している、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項16】
ブレード(8)に関節接合された前記3つのレバー(14、16、18)の前記第1の接合部(20)は、前記操作ロッド(26)の変位方向(X)に対して平行に又は斜めに延びる直線上に位置している、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項17】
少なくとも1つの位置におけるブレード(8)の少なくとも外側が前記カッティングヘッド(2)の長手軸(X)に対して斜めに延びる、請求項
1に記載の椎骨間準備器具。
【請求項18】
前記カッティングヘッド(2)が器具シャフト(6)の遠位端に配置され、前記操作ロッド(26)を動かすために前記操作ロッドに結合された操作装置(40)を有するハンドル(4)が前記器具シャフトの近位端(6)に配置されている、請求項
1に記載の椎間準備成器具。
【国際調査報告】