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特表2024-520091太陽電池、その製造方法及び該太陽電池を含む太陽電池モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】太陽電池、その製造方法及び該太陽電池を含む太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H10K 30/57 20230101AFI20240514BHJP
   H10K 30/40 20230101ALI20240514BHJP
   H10K 30/83 20230101ALI20240514BHJP
   H10K 30/88 20230101ALI20240514BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240514BHJP
   H10K 85/50 20230101ALI20240514BHJP
   H10K 71/10 20230101ALI20240514BHJP
   H10K 71/60 20230101ALI20240514BHJP
【FI】
H10K30/57
H10K30/40
H10K30/83
H10K30/88
H10K77/10
H10K85/50
H10K71/10
H10K71/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573311
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 KR2022006875
(87)【国際公開番号】W WO2022260299
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0076182
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522401774
【氏名又は名称】シャンラオ シンユエン ユエドン テクノロジー デベロップメント シーオー.,エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100210251
【弁理士】
【氏名又は名称】大古場 ゆう子
(72)【発明者】
【氏名】リー キウォン
(72)【発明者】
【氏名】リー キョンドン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョンホ
(72)【発明者】
【氏名】チョン イルヒョン
【テーマコード(参考)】
3K107
5F251
【Fターム(参考)】
3K107AA03
5F251AA02
5F251AA03
5F251AA11
5F251BA18
5F251CB15
5F251CB18
5F251CB27
5F251CB28
5F251DA03
5F251DA04
5F251DA16
5F251DA19
5F251EA05
5F251EA16
5F251FA14
5F251FA16
5F251GA04
5F251GA14
5F251HA20
5F251XA01
(57)【要約】
【課題】本発明は太陽電池、その製造方法及び該太陽電池を含む太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】
本発明の実施例に係る太陽電池は第1光電変換部、第2光電変換部、側面絶縁層、第1電極及び第2電極を含み、前記第1光電変換部はペロブスカイト化合物を含む光電変換層と、前記光電変換層の一方側に位置する第1トランスポート層と、前記光電変換層の他方側に位置する第2トランスポート層とを含み、前記第2光電変換部は前記第1光電変換部の前記第2トランスポート層の下部に配置され、且つ前記第1光電変換部と異なる物質又は構造を有し、前記側面絶縁層は前記第1光電変換部の少なくとも1つの側面に形成され、前記第1電極は前記第1光電変換部の受光面としての片面で前記第1光電変換部に電気的に接続され、そして、前記第2電極は前記第2光電変換部の下部で前記第2光電変換部に電気的に接続される。従って、ペロブスカイト化合物を含む光電変換部以外に、それと異なる物質又は構造を有する他の光電変換部が更に設置される直列接続型構造を有するとともに、優れた効率及び信頼性を有する太陽電池モジュールを提供することができる。また、直列接続型構造を有する太陽電池のアクティブ領域を最大限に確保するとともに、短絡電流を現在レベルの1/4まで大幅に低減することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池であって、第1光電変換部、第2光電変換部、側面絶縁層、第1電極及び第2電極を含み、
前記第1光電変換部は、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層と、前記光電変換層の一方側に位置する第1トランスポート層と、前記光電変換層の他方側に位置する第2トランスポート層とを含み、
前記第2光電変換部は、前記第1光電変換部の前記第2トランスポート層の下部に配置され、且つ前記第1光電変換部と異なる物質又は構造を有し、
前記側面絶縁層は、前記第1光電変換部の少なくとも1つの側面に形成され、
前記第1電極は、前記第1光電変換部の受光面としての片面で前記第1光電変換部に電気的に接続され、
前記第2電極は、前記第2光電変換部の下部で前記第2光電変換部に電気的に接続される
太陽電池。
【請求項2】
前記第1光電変換部が前記第2光電変換部よりも小さい面積を有することにより、前記第2光電変換部には端部差領域が有され、且つ前記端部差領域は前記第1光電変換部の互いに対向する2つの側面に形成される
請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記側面絶縁層は前記第1光電変換部の互いに対向する2つの側面に形成される前記端部差領域に形成される
請求項2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記受光面には前記第1電極の切断領域が形成されておらず、且つ前記切断領域は前記第1光電変換部に跨って位置決めされる
請求項3に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記切断領域は前記太陽電池の中央領域において第1方向に沿って延在する形状を有し、且つ前記側面絶縁層は前記端部差領域において前記第1方向に沿って延在する形状を有する
請求項4に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記太陽電池は、前記切断領域と前記側面絶縁層との間に配置される複数の単位太陽電池領域を含み、
前記複数の単位太陽電池領域は前記切断領域により互いに隔てられる
請求項5に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記第1電極は、前記単位太陽電池領域のそれぞれに形成される複数の第1単位電極を含み、
前記第1単位電極のそれぞれは、前記側面絶縁層上に形成されるパッド部と、前記パッド部から互いに隔てられ且つ前記第1方向に垂直な第2方向に延在する複数のバスバー電極とを含む
請求項6に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記第2電極は、前記単位太陽電池領域のそれぞれに形成される複数の第2単位電極を含み、
前記第2単位電極のそれぞれは前記複数のバスバー電極に全て対応し、且つ前記バスバー電極は前記第1単位電極の前記パッド部から形成されたものである
請求項6に記載の太陽電池。
【請求項9】
太陽電池であって、第1光電変換部、第2光電変換部、側面絶縁層、第1電極及び第2電極を含み、
前記第1光電変換部は、長軸に沿って形成され且つ互いに平行する第1長辺及び第2長辺と、長軸に交差する短軸に沿って形成され且つ互いに平行する第1短辺及び第2短辺とを含み、且つ前記第1光電変換部は、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層と、前記光電変換層の一方側に位置する第1トランスポート層と、前記光電変換層の他方側に位置する第2トランスポート層とを含み、
前記第2光電変換部は、前記第1光電変換部の前記第2トランスポート層の下部に配置され、且つ前記第1光電変換部と異なる物質又は構造を有し、
前記側面絶縁層は、前記第1光電変換部の第1長辺に当接するように形成され、
前記第1電極は、前記第1光電変換部の受光面としての片面で前記第1光電変換部に電気的に接続され、
前記第2電極は、前記第2光電変換部の下部で前記第2光電変換部に電気的に接続され、
前記第1電極は、前記側面絶縁層上に形成されるパッド部と、前記パッド部から延在し且つ互いに隔てられ且つ前記短軸に沿って延出する複数のバスバー電極とを含む
太陽電池。
【請求項10】
太陽電池モジュールであって、複数の太陽電池と、隣接する前記太陽電池の間を接続する接続部材と、を含み、
前記太陽電池のそれぞれは、第1光電変換部、第2光電変換部、側面絶縁層、第1電極及び第2電極を含み、
前記第1光電変換部は、長軸に沿って形成され且つ互いに平行する第1長辺及び第2長辺と、長軸に交差する短軸に沿って形成され且つ互いに平行する第1短辺及び第2短辺とを含み、且つ前記第1光電変換部は、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層と、前記光電変換層の一方側に位置する第1トランスポート層と、前記光電変換層の他方側に位置する第2トランスポート層とを含み、
前記第2光電変換部は、前記第1光電変換部の前記第2トランスポート層の下部に配置され、且つ前記第1光電変換部と異なる物質又は構造を有し、
前記側面絶縁層は、前記第1光電変換部の第1長辺に当接するように形成され、
前記第1電極は、前記第1光電変換部の受光面としての片面で前記第1光電変換部に電気的に接続され、
前記第2電極は、前記第2光電変換部の下部で前記第2光電変換部に電気的に接続され、
前記第1電極は、前記側面絶縁層上に形成されるパッド部と、前記パッド部から延在し且つ互いに隔てられ且つ前記短軸に沿って延出する複数のバスバー電極とを含む
太陽電池モジュール。
【請求項11】
1つの太陽電池の前記第2電極と、隣接する前記太陽電池の前記パッド部とは、隣接する前記太陽電池の重なりにより電気的に接続される
請求項10に記載の太陽電池モジュール。
【請求項12】
前記太陽電池は、隣接する上部太陽電池と重なる第1重なり部分と、隣接する下部太陽電池と重なる第2重なり部分とを含み、
前記接続部材は、前記上部太陽電池の前記第2重なり部分と前記下部太陽電池の前記第1重なり部分との間に全体的に配置される導電接着部を含む
請求項11に記載の太陽電池モジュール。
【請求項13】
前記パッド部と前記導電接着部とは互いに接されて電気的に接続される
請求項12に記載の太陽電池モジュール。
【請求項14】
前記複数の太陽電池は、互いに隔てられるように配置され、且つ前記接続部材は1つの太陽電池の前記第1電極と、隣接する太陽電池の第2電極とを接続する
請求項10に記載の太陽電池モジュール。
【請求項15】
前記接続部材は、1つの前記太陽電池の前記第1電極のパッド部に接され、前記隣接する太陽電池の第2電極を全体的に覆って複数の前記太陽電池を電気的に接続する
請求項14に記載の太陽電池モジュール。
【請求項16】
太陽電池の製造方法であって、
半導体基板には導電領域を含む第2光電変換部を形成するステップと、
前記第2光電変換部の互いに対向する側面には複数の側面絶縁層を形成するステップと、
前記複数の側面絶縁層の内部には、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層と、前記光電変換層の一方側に位置する第1トランスポート層と、前記光電変換層の他方側に位置する第2トランスポート層とを含む第1光電変換部を形成するステップと、
前記第1光電変換部の受光面としての片面には、前記第1光電変換部に電気的に接続され且つ中央を開放するように切断領域を有する第1電極と、前記第2光電変換部の下部で前記第2光電変換部に電気的に接続され且つ前記切断領域を有する第2電極とを形成するステップと、
複数の単位太陽電池を形成するように、前記第1電極及び前記第2電極が形成されていない前記切断領域に沿って切断するステップと、を含む
太陽電池の製造方法。
【請求項17】
前記側面絶縁層を形成するステップは、
前記第2光電変換部には前記側面を露出させるマスクを配置するステップと、
露出する前記側面には所定高さの前記側面絶縁層を堆積するステップと、を含む
請求項16に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項18】
前記第1電極を形成するステップにおいて、前記側面絶縁層上に形成されるパッド部と、前記パッド部から延在し且つ互いに隔てられ且つ前記切断領域に向かって延出する複数のバスバー電極とを含むように形成する
請求項17に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項19】
前記複数の単位太陽電池を形成するステップは、
レーザー線引きにより前記第2光電変換部の裏面から前記太陽電池を所定深さまで一次切断するステップと、
前記切断領域を基準として二次切断して複数の前記単位太陽電池に分離するように機械加工するステップと、を含む
請求項17に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項20】
前記一次切断の所定深さが第1光電変換部に到達しない深さである
請求項19に記載の太陽電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池、その製造方法及び太陽電池モジュールに関し、より具体的に、ペロブスカイト構造体を含む太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板を備える太陽電池は優れた光電変換効率を有することができるため、広く使用されている。ところが、半導体基板を備える光電変換効率を向上させる面で一定の限定性があるため、複数種類の構造の太陽電池を提案する。
【0003】
一実例として、短波長の光を吸収することにより短波長による光電変換を実行するペロブスカイト化合物を含む太陽電池を提案する。ところが、このようなペロブスカイト化合物により光電変換層を形成する場合、有機化合物と無機化合物とにより1つのペロブスカイト化合物層が形成される。
【0004】
以上のようなペロブスカイト化合物層を形成するために、韓国公開特許公告第10-2018-0099577号(公開日2018.09.05.)において有機物と無機物とを混合することによりペロブスカイト溶液を製造してから基板に前記溶液を塗布することで形成する。
【0005】
その後、半導体基板を利用する第1光電変換領域を形成した後、その上に堆積方式でペロブスカイト化合物層を形成することにより、直列セルを製造する技術が開発される。
【0006】
以上のような直列セルは下部の第1光電変換領域に堆積することにより第2光電変換領域を連続的に形成するが、堆積装置の固定部により第1光電変換領域を固定する状態において堆積を実行する必要があり、従って、縁部領域に堆積装置の非アクティブ領域が発生する。
【0007】
以上のような非アクティブ領域を減少させるために、様々な試みを提案したが、セルの非アクティブ領域が減少するため、電力が減少する問題が発生してしまう。
【0008】
また、以上のような縁部領域をパッドの形成空間として利用する場合、上部電極から側面に沿って端部差のパッドを形成するため、ペロブスカイト層に分離する電子がパッドにおいて再び正孔と結合して電流の短絡を引き起こすリスクがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
韓国公開特許公告第10-2018-0099577号(公開日2018年09月05日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はペロブスカイト化合物を含む光電変換部以外に、それと異なる物質又は構造を有する他の光電変換部が更に設置される直列接続型構造を有するとともに、優れた効率及び信頼性を有する太陽電池及び太陽電池モジュールを提供することを意図する。
【0011】
本発明は直列接続型構造を有する太陽電池のアクティブ領域を確保することができる最適な構造を提供することを意図する。
【0012】
本発明は直列接続型構造を有する太陽電池のリーク電流を減少させることができる最適な構造を提供することを意図する。
【0013】
また、本発明は直列接続型構造を有する太陽電池のアクティブ領域を確保し及びリーク電流を減少させることができる製造方法を提供することを意図する。
【0014】
また、本発明は大面積のペロブスカイト化合物を含む太陽電池モジュールにおけるセル間の最適な配列を提供することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の実施例に係る太陽電池は第1光電変換部、第2光電変換部、側面絶縁層、第1電極及び第2電極を含み、前記第1光電変換部はペロブスカイト化合物を含む光電変換層と、前記光電変換層の一方側に位置する第1トランスポート層と、前記光電変換層の他方側に位置する第2トランスポート層とを含み、前記第2光電変換部は前記第1光電変換部の前記第2トランスポート層の下部に配置され、且つ前記第1光電変換部と異なる物質又は構造を有し、前記側面絶縁層は前記第1光電変換部の少なくとも1つの側面に形成され、前記第1電極は前記第1光電変換部の受光面としての片面で前記第1光電変換部に電気的に接続され、そして、前記第2電極は前記第2光電変換部の下部で前記第2光電変換部に電気的に接続される。
【0016】
前記第1光電変換部が前記第2光電変換部よりも小さい面積を有することにより前記第2光電変換部に端部差領域を有してもよく、且つ前記端部差領域は前記第1光電変換部の互いに対向する2つの側面に形成されてもよい。
【0017】
前記側面絶縁層は前記第1光電変換部の互いに対向する2つの側面に形成される前記端部差領域に形成されてもよい。
【0018】
前記受光面に前記第1電極の切断領域が形成されておらず、且つ該切断領域が前記第1光電変換部に跨って位置決めされる。
【0019】
前記切断領域は前記太陽電池の中央領域において第1方向に沿って延在する形状を有してもよく、且つ前記側面絶縁層は前記端部差領域において前記第1方向に沿って延在する形状を有してもよい。
【0020】
前記太陽電池は前記切断領域と前記側面絶縁層との間に配置される複数の単位太陽電池領域を含んでもよく、且つ前記複数の単位太陽電池領域は前記切断領域により互いに隔てられてもよい。
【0021】
前記第1電極は前記単位太陽電池領域のそれぞれに形成される複数の第1単位電極を含んでもよく、且つ前記第1単位電極のそれぞれは前記側面絶縁層上に形成されるパッド部と、前記パッド部から互いに隔てられ且つ前記第1方向に垂直な第2方向に延在する複数のバスバー電極とを含んでもよい。
【0022】
前記第2電極は前記単位太陽電池領域のそれぞれに形成される複数の第2単位電極を含んでもよく、且つ前記第2単位電極のそれぞれは前記第1単位電極の前記パッド部から前記複数のバスバー電極に全て対応するように形成されてもよい。
【0023】
また、実施例では太陽電池を提供し、前記太陽電池は第1光電変換部、第2光電変換部、側面絶縁層、第1電極及び第2電極を含み、前記第1光電変換部は長軸に沿って形成され且つ互いに平行する第1長辺及び第2長辺と、長軸に交差する短軸に沿って形成され且つ互いに平行する第1短辺及び第2短辺とを含み、且つペロブスカイト化合物を含む光電変換層と、前記光電変換層の一方側に位置する第1トランスポート層と、前記光電変換層の他方側に位置する第2トランスポート層とを備え、前記第2光電変換部は前記第1光電変換部の前記第2トランスポート層の下部に配置され、且つ前記第1光電変換部と異なる物質又は構造を有し、前記側面絶縁層は前記第1光電変換部の第1長辺に当接するように形成され、前記第1電極は前記第1光電変換部の受光面としての片面で前記第1光電変換部に電気的に接続され、そして、前記第2電極は前記第2光電変換部の下部で前記第2光電変換部に電気的に接続され、前記第1電極は側面絶縁層上に形成されるパッド部と、前記パッド部から延在し且つ互いに隔てられ且つ前記短軸に沿って延出する複数のバスバー電極とを含む。
【0024】
また、本発明の実施例では太陽電池モジュールを提供し、前記太陽電池モジュールは複数の太陽電池と、隣接する前記太陽電池同士を接続する接続部材とを含み、前記太陽電池のそれぞれは第1光電変換部、第2光電変換部、側面絶縁層、第1電極及び第2電極を備え、前記第1光電変換部は長軸に沿って形成され且つ互いに平行する第1長辺及び第2長辺と、長軸に交差する短軸に沿って形成され且つ互いに平行する第1短辺及び第2短辺とを含み、且つペロブスカイト化合物を含む光電変換層と、前記光電変換層の一方側に位置する第1トランスポート層と、前記光電変換層の他方側に位置する第2トランスポート層とを備え、前記第2光電変換部は前記第1光電変換部の前記第2トランスポート層の下部に配置され、且つ前記第1光電変換部と異なる物質又は構造を有し、前記側面絶縁層は前記第1光電変換部の第1長辺に当接するように形成され、前記第1電極は前記第1光電変換部の受光面としての片面で前記第1光電変換部に電気的に接続され、そして、前記第2電極は前記第2光電変換部の下部で前記第2光電変換部に電気的に接続され、前記第1電極は側面絶縁層上に形成されるパッド部と、前記パッド部から延在し且つ互いに隔てられ且つ前記短軸に沿って延出する複数のバスバー電極とを含む。
【0025】
1つの太陽電池の前記第2電極と、隣接する前記太陽電池の前記パッド部とが隣接する前記太陽電池の重なりにより電気的に接続される太陽電池モジュールについて特許請求する。
【0026】
前記太陽電池は隣接する上部太陽電池と重なる第1重なり部分と、隣接する下部太陽電池と重なる第2重なり部分とを備えてもよく、且つ前記接続部材は前記上部太陽電池の前記第2重なり部分と前記下部太陽電池の前記第1重なり部分との間に全体的に配置される導電接着部を含んでもよい。
【0027】
前記パッド部と前記導電接着部とが互いに接して電気的に接続されてもよい。
【0028】
前記複数の太陽電池は互いに隔てられるように配置されてもよく、且つ前記接続部材は1つの太陽電池の前記第1電極と、隣接する太陽電池の第2電極とを接続してもよい。
【0029】
前記接続部材は1つの前記太陽電池の前記第1電極のパッド部に接し、前記隣接する太陽電池の第2電極を全体的に覆って複数の前記太陽電池を電気的に接続してもよい。
【0030】
また、本発明の実施例では太陽電池の製造方法を提供し、前記太陽電池の製造方法は、半導体基板には導電領域を含む第2光電変換部を形成するステップと、前記第2光電変換部の互いに対向する側面には複数の側面絶縁層を形成するステップと、前記複数の側面絶縁層の内部には、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層と、前記光電変換層の一方側に位置する第1トランスポート層と、前記光電変換層の他方側に位置する第2トランスポート層とを備える第1光電変換部を形成するステップと、前記第1光電変換部の受光面としての片面には、前記第1光電変換部に電気的に接続され且つ中央を開放するように切断領域を有する第1電極と、前記第2光電変換部の下部で前記第2光電変換部に電気的に接続され且つ前記切断領域を有する第2電極とを形成するステップと、複数の単位太陽電池を形成するように、前記第1電極及び前記第2電極が形成されていない前記切断領域に沿って切断するステップと、を含む。
【0031】
前記側面絶縁層を形成するステップは、前記第2光電変換部には前記側面を露出させるマスクを配置するステップと、露出する前記側面には所定高さの前記側面絶縁層を堆積するステップと、を含んでもよい。
【0032】
前記第1電極を形成するステップにおいて、前記側面絶縁層上に形成されるパッド部と、前記パッド部から延在し且つ互いに隔てられ且つ前記切断領域に向かって延出する複数のバスバー電極とを備えるように形成してもよい。
【0033】
前記複数の単位太陽電池の形成ステップは、レーザー線引きにより前記第2光電変換部の裏面から前記太陽電池を所定深さまで一次切断するステップと、前記切断領域を基準として二次切断して複数の前記単位太陽電池に分離するように機械加工するステップと、を含んでもよい。
【0034】
前記一次切断の所定深さは第1光電変換部に到達しない深さであってもよい。
【発明の効果】
【0035】
本実施例によれば、ペロブスカイト化合物を含む光電変換部以外に、それと異なる物質又は構造を有する他の光電変換部が更に設置される直列接続型構造を有するとともに、優れた効率及び信頼性を有する太陽電池モジュールを提供することができる。
【0036】
本発明は直列接続型構造を有する太陽電池のアクティブ領域を最大限に確保するとともに、短絡電流を現在レベルの1/4まで大幅に低減することができる。
【0037】
また、本発明はハーフカット(half cut)構造を有するため、短絡電流を1/4まで減少させ、それにより出力損失を低減する。従って、セルトゥモジュール(CTM、cell to module)損失を改善して出力を増加させることができる。
【0038】
また、大面積のペロブスカイト化合物を含む太陽電池モジュールにおけるパッド構造とセルとの最適な配列を提供することができ、それによりモジュール化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は本発明の一実施例に係る太陽電池を示す平面図である。
図2図2は本発明の一実施例に係る太陽電池を示す背面図である。
図3図3はI-I′に沿って切り取った図1における太陽電池の断面図である。
図4図4は本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するためのシーケンス図である。
図5a図5aは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図5b図5bは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図6a図6aは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図6b図6bは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図6c図6cは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図7a図7aは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図7b図7bは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図8a図8aは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図8b図8bは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図9図9は本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図10a図10aは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図10b図10bは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。
図11図11aは本発明の別の実施例に係る太陽電池を示す平面図であり、そして図11bは本発明の別の実施例に係る太陽電池を示す背面図である。
図12図12は本発明のモジュール化のための単位太陽電池の断面図である。
図13図13は本発明の一実施例に係る太陽電池モジュールの平面図である。
図14図14はVII-VII′に沿って切り取った図13における太陽電池モジュールの断面図である。
図15図15図14におけるA部分の平面図である。
図16図16は単位太陽電池が図11a及び図11bにおけるものである場合の太陽電池モジュールを示す断面図である。
図17図17は本発明の別の実施例に係る太陽電池モジュールの平面図である。
図18図18図17に示される太陽電池モジュールの分解透視図である。
図19図19図17に示される太陽電池モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳しく説明する。ところが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、更に複数の形態に変形することができる。
【0041】
本発明を明確且つ簡単に説明するために、図面における説明に関わらない部分の図示は省略し、且つ明細書全体において同様又は極めて類似する部分が同様の図面記号を用いる。また、説明をより明確にするために、図面では厚さや幅などが拡大又は縮小して示され、且つ本発明の厚さや幅などは図示のものに限定されるものではない。
【0042】
また、明細書全体において、ある部分が他の部分を「含む」と称される場合、特に逆の記載がない限り、他の部分を排除せず、他の部分を更に含んでもよい。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にある場合、「直接」に他の部分の「上」にある場合を含むだけでなく、その中央に他の部分が位置決めされる場合を更に含む。層、膜、領域、板などの部分が「直接」に他の部分の「上」にあると称される場合、中央に他の部分が位置決めされていないことを意味する。
【0043】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例に係る太陽電池及び太陽電池の製造方法を詳しく説明する。
【0044】
図1は本発明の一実施例に係る太陽電池を示す平面図であり、図2は本発明の一実施例に係る太陽電池を示す背面図であり、そして、図3はI-I′に沿って切り取った図1における太陽電池の断面図である。
【0045】
本発明の一実施例に係る太陽電池10は直列接続型太陽電池10として、積層方向としての垂直方向において、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層112を含む第1光電変換部110と、それに電気的に接続される第1電極42及び第2電極44とを備えてもよい。ここで、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層112は所定厚さ以上の厚さを有する厚膜として形成されてもよく、且つ積層方向に均一な組成を有するように形成されてもよい。また、本実施例に係る太陽電池10は第1光電変換部110と異なる物質又は構造を有する第2光電変換部120を更に備える直列接続型構造を有してもよい。また、本実施例に係る太陽電池10は大面積の太陽電池として、直径が10cm~20cmであり、好ましくは直径が12cm~17cmである大面積のペロブスカイト太陽電池10として形成されてもよい。
【0046】
図1及び図2に示すように、本実施例に係る太陽電池10は平面には導電領域及び電極が設置されて光電変換が実質的に発生する領域としての複数の太陽電池領域AA1、AA2が限定され、且つ切断領域NAは互いに隣接する太陽電池領域AA1、AA2の間で太陽電池10に跨って位置決めされる。このような太陽電池10は切断領域NAに沿って切断して分離する複数の太陽電池AA1、AA2を構成する。それぞれ分離する太陽電池AA1、AA2には対応する1つの太陽電池領域AA1、AA2が設置され、それにより独立した太陽電池として使用される。
【0047】
以下、より明確に区別するために、太陽電池10の切断領域NAを切断して分離する太陽電池10は単位太陽電池AA1、AA2と称される。これは明確に説明するために用いる用語に過ぎず、太陽電池10のほか、実際に1つの太陽電池として使用される単位太陽電池(太陽電池領域と同じ図面記号を用いる)AA1、AA2も太陽電池として見なされてもよく、且つ本発明はこのような用語に限定されるものではない。
【0048】
まず、図3を参照して太陽電池領域AA1、AA2の断面構造を説明した後、図1及び図2を再び参照して太陽電池10の具体的な平面形状を詳しく説明する。
【0049】
図3を参照し、本実施例に係る太陽電池10において、第2光電変換部120は半導体基板122を備えるpn接合(junction)構造を有してもよい。一実例として、第2光電変換部120は半導体基板122と、半導体基板122内又は半導体基板122上に形成される導電領域124、126とを備えてもよい。導電領域124、126は第1導電タイプを有する第1導電領域124と、第2導電タイプを有する第2導電領域126とを備えてもよい。
【0050】
半導体基板122は単一半導体物質(一実例として、第4族元素)を含む結晶半導体(例えば、単結晶又は多結晶半導体、一実例として、単結晶又は多結晶シリコン)で構成されてもよい。次に、結晶度が高く且つ欠陥が少ない半導体基板122に基づくものであるため、第2光電変換部120は優れた電気特性を有してもよい。一実例として、第2光電変換部120は結晶シリコン太陽電池構造を有してもよい。
【0051】
本実施例では、半導体基板122は第1又は第2導電タイプのドーパントを第1導電領域124又は第2導電領域126よりも低いドープ濃度でドープさせることにより、第1又は第2導電タイプを有する基礎領域として構成されてもよい。即ち、半導体基板122は基礎領域にドーパントを追加ドープして形成したドープ領域が設置されなくてもよく、基礎領域だけが設置されてもよい。
【0052】
半導体基板122の正面に第1不動態化膜122aが形成され、且つ半導体基板122の裏面に第2不動態化膜122bが形成される。
【0053】
第1不動態化膜122aには第1導電タイプを有する第1導電領域124が形成(一実例として、接触)されてもよい。また、第2不動態化膜122bには第1導電タイプとは逆の第2導電タイプを有する第2導電領域126が位置決め(一実例として、接触)されてもよい。
【0054】
第1導電領域124は第1導電タイプのドーパントを含んで第1導電タイプを有する領域であってもよい。また、第2導電領域126は第2導電タイプのドーパントを含んで第2導電タイプを有する領域であってもよい。
【0055】
本実施例では、半導体基板122(又は、基礎領域)が第1導電タイプを有する場合、第2導電領域126は半導体基板122とpn接合を形成する放射領域を構成してもよい。第1導電領域124は前面電界(front surface field)を形成することにより結合を防止する前面電界領域を構成してもよい。次に、直接に光電変換に参加する放射領域が裏面に位置するため、十分な厚さで放射領域を形成する(一実例として、前面電界領域よりも厚く形成する)ことにより光電変換効率を更に向上させることができる。ところが、本発明はこれに限定されない。従って、半導体基板122が第2導電タイプを有するため、第1導電領域124も放射領域を構成してもよく、そして第2導電領域126も裏面電界領域を構成してもよい。
【0056】
本実施例では、第1導電領域124と半導体基板122とがn型を有してもよく、そして第2導電領域126がp型を有してもよい。次に、第2光電変換部120に位置する第1光電変換部110において、上部に位置する第1トランスポート層114は電子を輸送することができ、且つ下部に位置する第2トランスポート層116は正孔を輸送することができる。このような状況はそれとは逆の状況に比べて、第1光電変換部110は優れた効果を有してもよい。また、半導体基板122はn型を有してもよく、それによりキャリアの寿命(life time)を向上させる。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ半導体基板122が第1導電タイプ及び第2導電タイプのうちのどの導電タイプを有するか、又はn型及びp型のうちのどの導電タイプを有するかなどは種々の変形を行うことができる。
【0057】
接合層(トンネリング接合層)110aは第2光電変換部120の正面(前面)に位置することにより第2光電変換部120とその上に位置する第1光電変換部110とを接続する。図面には接合層110aがそれぞれ第1導電領域124及び第1光電変換部110に直接接触する場合を示すが、本発明はこれに限定されない。このような接合層110aは薄い厚さを有してもよく、一実例として、電極層420、440の厚さよりも薄い厚さを有してもよく、これにより、キャリアのトンネリングがスムーズに行われるようにする。
【0058】
接合層110aは第1光電変換部110及び第2光電変換部120に電気的に接続されてもよく、且つ第1光電変換部110に使用される光(一実例として、長波長の光)を透過できる物質を含んでもよい。一実例として、接合層110aは透明導電物質(一実例として、透明導電酸化物)、導電炭素物質、導電高分子、n型又はp型アモルファスシリコンなどの複数種類の物質のうちの少なくとも1つを含んでもよい。又は、接合層110aは互いに異なる屈折率を有するシリコン層を交互に積層する構造として形成されてもよく、これにより、第2光電変換部120に使用される光(一実例として、短波長の光)は第2光電変換部120により反射され、そして、第1光電変換部110に使用される光(一実例として、長波長の光)は第1光電変換部110を透過してそれに供給することができる。
【0059】
接合層110aは第2光電変換部120の面積と同じ面積を有するように形成され、且つその上に形成される第1光電変換部110の面積は接合層110aの面積よりも小さく形成される。
【0060】
従って、第2光電変換部120と第1光電変換部110との面積の差により、第1光電変換部110の周辺に端部差を形成することで下部の接合層110aを露出させる端部差領域SAを形成する。
【0061】
以上のような端部差領域SAは中央領域における切断領域NAを中心として前記切断領域NAに平行する方向において2つの端部に形成されてもよい。
【0062】
具体的に、端部差領域SAは太陽電池10を2つの太陽電池領域AA1、AA2に切断する際に各単位太陽電池AA1、AA2が形成され得るパッドの一方の側面に形成されてもよく、且つ切断前の太陽電池10の2つの側面に対応してもよい。
【0063】
第1光電変換部110が堆積プロセスにより前記第2光電変換部120に形成される場合、以上のような太陽電池10の2つの側面は堆積機器内に前記太陽電池10の半導体基板122を固定する堆積機器の固定部の2つの脚を、前記半導体基板122上の領域に位置させるように限定される。
【0064】
従って、太陽電池10の中央領域において長さ方向に切断領域NAを形成する場合、前記堆積機器の固定部は長さ方向において前記太陽電池10の2つの側面に形成される端部差領域SA内に位置する。
【0065】
従って、前記接合層110aに以上のような端部差領域SAを形成するとともに、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層112を備える第1光電変換部110が位置決めされてもよい。前記第1光電変換部110も接合層110a上に限定的に形成されることにより端部差領域SAを維持し、それにより第2光電変換部120及び第1光電変換部110の面積の差を一定に維持する。
【0066】
より具体的に、第1光電変換部110は光電変換層112と、光電変換層112の一方側で接合層110aと光電変換層112との間に位置する第2トランスポート層(第2キャリアトランスポート層)116と、光電変換層112の他方側で光電変換層112と第1電極42との間に位置する第1トランスポート層(第1キャリアトランスポート層)114とを備えてもよい。
【0067】
接合層110a上に位置する第2トランスポート層116は光電変換層112とのバンドギャップ関係に応じて第2キャリア(一実例として、正孔)を抽出して輸送する層である。一実例として、第2トランスポート層116により輸送される第2キャリアは接合層110aを通って第1光電変換部110に移動することができる。
【0068】
第2トランスポート層116上に位置する光電変換層112はペロブスカイト構造を有するペロブスカイト化合物で構成されてもよく、且つ光により励起されることでキャリア(電子及び正孔)を形成する光アクティブ層であってもよい。一実例として、ペロブスカイト構造はAMX3(ここで、Aが1価の有機アンモニウムカチオン又は金属カチオンであり、Mが2価の金属カチオンであり、Xがハロゲンアニオンを意味する)の化学式を有してもよい。このような光電変換層112はAMX3として、CH3NH3PbI3、CH3NH3PbIxCl(3-x)、CH3NH3PbIxBr(3-x)、CH3NH3PbClxBr(3-x)、HC(NH22PbI3、HC(NH22PbIxCl(3-x)、HC(NH22PbIxBr(3-x)、HC(NH22PbClxBr(3-x)などを含んでもよく、又はAMX3のAにCsを部分的にドープした化合物を含んでもよい。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ複数種類の物質は光電変換層112として使用されてもよい。
【0069】
ペロブスカイト化合物からなる光電変換層112は所定厚さ以上の厚さを有してもよく、且つ第1導電領域124よりも大きな厚さを有してもよい。
【0070】
一実例として、光電変換層112の所定厚さは400nm~800nm以上を有するように形成されてもよいが、これに限定されない。
【0071】
ところが、光電変換層112が所定厚さ以上の厚膜を有するように形成される場合、光電効率を向上させることができ、そして、積層方向に光電変換層112を輸送する場合、積層方向にペロブスカイト化合物の組成を維持するとともに第2トランスポート層116に接する領域から第1トランスポート層114に接する領域までいずれもペロブスカイト構造を有するように形成されることができる。
【0072】
従って、第1トランスポート層114に接する領域又は第2トランスポート層116に接する領域としての境界領域にはペロブスカイト化合物を形成するための基本物質層が残留しないため、基本物質層の残留によるキャリア遮断の問題を除去し、それにより光電効率を確保するとともに大面積の厚膜を形成することができる。
【0073】
光電変換層112上に位置する第1トランスポート層114は光電変換層112とのバンドギャップ関係により第1キャリア(一実例として、電子)を抽出して輸送する層である。
【0074】
第1電極42は第1光電変換部110(一実例として、その正面に位置する第1トランスポート層114)に位置してもよく、そして第2電極44は第2光電変換部120(一実例として、その裏面に位置する第2導電領域126)に位置してもよい。即ち、本実施例に係る太陽電池10は単一半導体物質(一実例として、シリコン)に基づく第2光電変換部120とペロブスカイト化合物に基づく第1光電変換部110とが接合層110aにより接合される直列接続型構造を有してもよい。
【0075】
本実施例では、第1光電変換部110は第2光電変換部120よりも大きなバンドギャップを有する。即ち、第1光電変換部110は相対的に大きなバンドギャップを有して相対的に小さな波長を有する短波長を吸収し且つそれを利用して光電変換を発生させ、そして、第2光電変換部120は第1光電変換部110よりも低いバンドギャップを有して第1光電変換部110に使用される光よりも大きな波長を有する長波長を効果的に吸収し且つそれを利用して光電変換を発生させる。
【0076】
より詳しくは、光が太陽電池10の正面を通って入射する場合、第1光電変換部110は短波長を吸収することにより光電変換により電子及び正孔を生成する。このとき、第1キャリア(一実例として、電子)は第1電極42側へ移動して収集され、そして第2キャリア(一実例として、正孔)は第1光電変換部110及び第2光電変換部120を通って第2電極44側へ移動して収集される。第1光電変換部110に使用されずにその長波長で第2光電変換部120に到達する場合、第2光電変換部120は吸収して光電変換により電子及び正孔を生成する。このとき、第1キャリア(一実例として、電子)は第1光電変換部110を通って第1電極42側へ移動して収集され、そして第2キャリア(一実例として、正孔)は第2電極44側へ移動して収集される。
【0077】
以上のように、本実施例では、複数種類の波長を有する光はいずれも複数の光電変換部110、120に使用され得るため、太陽電池10の効率を大幅に向上させることができる。特に、本実施例では、ペロブスカイト化合物に基づく第1光電変換部110とヘテロ接合構造を有する第2光電変換部120とを備えて複数種類の特性を向上させることができる。一実例として、上記第1光電変換部110及び第2光電変換部120はいずれも低温プロセスにおいて形成されてもよいが、プロセス温度が類似するため、温度範囲を容易に調整することができ、従って、プロセス整合性を有する。また、上記第1光電変換部110及び第2光電変換部120がそれぞれ優れた開放電圧を有するため、直列接続型構造の太陽電池10の効率を大幅に向上させることができる。複数種類の構造は第2光電変換部120として適用されてもよく、更にそれ以外の種々の変形が可能である。
【0078】
本実施例では、第1光電変換部110は低温プロセス(一実例として、200℃以下の低温プロセス)、一実例として室温が150℃以下の温度、より具体的に室温(例えば、20℃よりも高く且つ150℃以下の温度)で形成されてもよい。
【0079】
第1電極42は光電変換部110、120に順次積層される第1電極層420及び第2電極層422a、422bを備えてもよい。一実例として、第1電極層420は第1光電変換部110(より具体的に、第1トランスポート層114)に全体的に形成(一実例として、接触)されてもよい。全体的形成は空白空間又は空白領域を有しない場合に第1光電変換部110全体を覆う場合のほか、一部が不可避的に形成されない場合を更に含んでもよい。以上のように、第1電極層420が第1導電領域124に全体的に形成される場合、キャリアは容易に第1電極層420を通って第2電極層422に到達することができ、それにより水平方向における抵抗を減少させることができる。
【0080】
以上のように、第1電極層420が第1光電変換部110に全体的に形成されるため、光を透過できる物質(光透過性物質)で構成されてもよい。即ち、第1電極層420は透明導電物質で構成されることにより、光を透過できるとともにキャリアを容易に移動させる。これにより、第1電極層420は第1光電変換部110に全体的に形成され且つ光の透過を遮断しない。一実例として、第1電極層420は透明導電物質(例えば、透明導電酸化物、一実例として、インジウムスズ酸化物(ITO、indium tin oxide)など)、カーボンナノチューブ(CNT、carbon nano tube)などを含んでもよい。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ第1電極層420はそれ以外の複数種類の物質を含んでもよい。
【0081】
第2電極層422a、422bは第1電極層420上に形成(一実例として、接触)されてもよい。第2電極層422a、422bは第1電極層420よりも優れた導電率を有する物質で構成されてもよい。これにより、第2電極層422a、422bに基づくキャリア収集効率、抵抗低減などの特性を更に向上させることができる。一実例として、第2電極層422a、422bは優れた導電率を有する不透明なもの、又は第1電極層420よりも低い透明度を有する金属で構成されてもよい。
【0082】
以上のように、第2電極層422a、422bは不透明であり又は透明度が低いため、光の入射を妨害し、従って、所定パターンを有することによりシェーディング損失(shading loss)を最小化することができる。これにより、光を第2電極層422a、422bが形成されていない部分に入射させることができる。
【0083】
本実施例では、第2電極層422a、422bはAg、Cu、Al、Mo、Ti、Pd、W、Ptのうちの少なくとも1つを有する合金で形成されてもよく、且つ堆積プロセスにより形成されてもよい。
【0084】
第2電極層422a、422bを形成する堆積プロセスは真空堆積、スパッタリング又は電気めっきにより形成されてもよい。このとき、堆積により形成された第2電極層422a、422bは5μm以下の厚さで形成されてもよい。
【0085】
第2電極層422a、422bは複数の層状構造を有してもよいが、これに限定されない。
【0086】
また、第2電極44は第2光電変換部120に位置してもよく、且つ図2に示すように第1電極層440及び第2電極層442の二層構造を有してもよい。
【0087】
第2電極44の第1電極層440は第1電極42の第1電極層420の作用、物質、形状などと同様又は類似のものであるため、その説明をそのまま適用してもよい。
【0088】
また、図3に示すように、第1光電変換部110の両側に形成される端部差領域SAには側面絶縁層130a、130bが形成される。
【0089】
前記側面絶縁層130a、130bは接合層110aの上部から第1光電変換部110の上部までの高さh1(即ち、第1光電変換部110の厚さ)と同様のもの又はそれよりも大きな厚さを有するように形成されてもよい。好ましくは、側面絶縁層130a、130bの高さは10nm~1μmであってもよい。
【0090】
側面絶縁層130a、130bは同様に2つの端部差領域SA内に形成され、これにより、1つの太陽電池10の2つの側面には長さ方向に延在する棒状(bar type)の形状を有するように形成され、且つ2つの側面の2つの側面絶縁層130a、130bにより形成される空間内には第1光電変換部110が配置されてもよい。
【0091】
側面絶縁層130a、130bは原子堆積、化学堆積又は物理堆積方法により形成されてもよいが、これに限定されない。側面絶縁層130a、130bの幅W1は望小特性を有するが、その必要性によって、一方の側面の側面絶縁層130a、130bの幅W1は0.1mm~3.0mmを満足でき、且つ堆積機器の固定部の寸法に基づいて調整されてもよい。
【0092】
前記側面絶縁層130a、130bとして、酸化物を含む化合物により形成されてもよく、且つ一実例としてSiC、SiNなどを適用してもよい。
【0093】
図1及び図2を再び参照し、平面には、本実施例の太陽電池10は中央領域に配置される切断領域NAにおいて第1電極42及び第2電極44の第2電極層422a、422b、442a、442bを形成しない。第1光電変換部110及び第2光電変換部120の各層構造はいずれも切断領域NA内に維持されてもよい。
【0094】
以上のように、切断領域NAに第2電極層422a、422b、442a、442bが存在しないため、切断領域NAに下部の第1電極層420、440を露出させてもよく、そして、第2電極層422a、422b、442a、442bを露出させて不動態化(図示せず)を追加形成する場合、不動態化を露出させてもよい。
【0095】
電極42、44を形成しない以外に、切断領域NAは太陽電池領域AA1、AA2と同様の構造を有するため、その詳細な説明は省略する。
【0096】
図1に示すように、1つの太陽電池10の正面で中央領域内に形成される切断領域NAは長さ方向に延在する棒状(BAR type)に形成されてもよく、且つ第2幅W2を満足できる。
【0097】
このとき、2つの側面に形成される端部差領域SAは前記切断領域NAに平行するように長さ方向に延在してもよく、各端部差領域SAは第1幅W1を有してもよく、且つ前記第1幅W1は第2幅W2よりも小さくてもよい。
【0098】
本実施例に係る太陽電池10は切断領域NAに沿って切断することにより複数の単位太陽電池AA1、AA2に分離してもよい。以上のように、太陽電池10が2つの単位太陽電池AA1、AA2に分離する場合、複数の単位太陽電池AA1、AA2を接続して太陽電池モジュールに製造する際に発生した出力損失(CTM loss、cell to module loss)を減少させることができる。
【0099】
上記についてより詳しく説明するとき、前記出力損失は各太陽電池10における電流の自乗を抵抗に乗じた値を有し、且つ複数の太陽電池10を備える太陽電池モジュールにおける前記各太陽電池10の電流の自乗を抵抗に乗じた値を、太陽電池10の数に乗じた値を有する。ところが、各太陽電池10の電流のうちの太陽電池10の面積自体により発生した電流については、太陽電池10の面積が大きくなる場合、該電流も大きくなり、そして、太陽電池10の面積が小さくなる場合、該電流も小さくなる。
【0100】
本実施例のように、太陽電池10を切断することにより複数の単位太陽電池AA1、AA2を製造し且つそれらを接続する場合、電流が面積に対して比例的に減少し、且つ単位太陽電池AA1、AA2の数がそれとは逆に増加する。例えば、切断領域NAが1つ設置され且つ太陽電池領域AA1、AA2が2つある場合、各太陽電池領域AA1、AA2における電流が太陽電池10の電流の2分の1まで減少し、且つ単位太陽電池AA1、AA2の数が太陽電池10の2倍となる。以上のように、出力損失において電流が自乗値で反映され且つ数がそのままで反映されるため、電流が2分の1まで減少し且つ数が2倍となる場合、出力損失値が2分の1まで減少する。これにより、本実施例のように、太陽電池10を複数の単位太陽電池AA1、AA2に切断することにより太陽電池モジュールを製造する場合、太陽電池モジュールの出力損失を減少させることができる。
【0101】
本実施例では、単位太陽電池AA1、AA2の面積を減少させるように直列接続型太陽電池10を製造して切断するとき、従来の装置により最適化された設計をそのまま利用して直列接続型太陽電池10を製造して切断すればよい。これにより、装置の負担及びプロセスコストの負担が最小化される。逆に、太陽電池10の寸法自体を減少させて製造する場合、使用される装置を取り替え又は設置を変更する必要があるなどの負担がある。
【0102】
以上のように、本実施例では、太陽電池100を切断して複数の単位太陽電池AA1、AA2を製造する。
【0103】
このとき、切断領域NAに第2電極層422a、422b、442a、442bを形成しないことにより切断プロセスに発生しかねない効率低減及び欠陥を防止し、且つ高導電性物質としての第2電極層422a、422b、442a、442bに基づく分流経路(shunt pass)を遮断する。
【0104】
これにより、切断プロセスに発生しかねない問題を最小化することができ、更に単位太陽電池AA1、AA2の優れた効率、性能及び信頼性を有することができる。
【0105】
本実施例では、切断領域NAは太陽電池10の中央領域に跨る一方向(長さ方向)に形成されてもよい。即ち、平面には、半導体基板122の互いに対向する2つの縁部を接続するように形成されてもよい。
【0106】
次に、切断領域NAに沿って切断することにより複数の太陽電池領域AA1、AA2を互いに独立して分離することができ、且つ切断領域NAの面積を最小化するとともに切断領域NAを安定して形成することができる。
【0107】
このとき、切断領域(201)は第1方向(図面における上下方向)としての長さ方向に沿って延在する形状を有してもよく、且つ太陽電池領域AA1、AA2のそれぞれは第1方向に沿って延在して切断領域NAを挟んで互いに隔てられてもよい。
【0108】
簡単に説明及び図示するために、本実施例には太陽電池領域AA1、AA2が2つ設置され、且つ1つの切断領域NAが2つの太陽電池領域AA1、AA2の間に位置決めされる場合を例示する。これは、各太陽電池領域AA1、AA2が本質的に同じ面積を有することにより、類似の電気特性を有するためである。
【0109】
ところが、本発明はこれに限定されない。従って、切断領域NAは2つ以上であってもよく、且つ太陽電池領域AA1、AA2の数は切断領域NAの数よりも1つ多くてもよい。
【0110】
切断領域NAは切断プロセスにおいて切断時に切断領域NA以外の領域に形成される電極42、44に影響しない程度の第2幅W2を有してもよい。一実例として、切断領域NAの第2幅W2は0.3mm~1mmであってもよい。切断領域NAの第2幅W2が0.3mm未満である場合、切断加工時に太陽電池領域AA1、AA2に位置する電極42、44が溶融し又は飛散する物質による問題が発生しかねない。切断領域NAの第2幅W2が1mmを超える場合、放射領域20の面積が不足するため、太陽電池100又は単位太陽電池110a、120aの効率が低下しかねない。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ切断領域NAの第2幅W2は複数の値を有してもよい。
【0111】
切断領域NAに基づく第1電極42及び第2電極44の形状をより詳しく説明する。
【0112】
以下、切断領域NAが1つ設置され、且つ太陽電池領域AA1、AA2には切断領域NAの一方側に位置する第1太陽電池領域AA1及び切断領域NAの他方側に位置する第2太陽電池領域AA2が設置される場合を実例として説明する。
【0113】
図1を参照し、本実施例に係る太陽電池10の正面に第1光電変換部110及びその第1電極42が位置決めされる。このとき、第1電極42の第2電極層422a、422bが切断領域NA内に形成されておらず、且つ各太陽電池領域AA1、AA2に対応するように位置決めされる。
【0114】
第1電極42及び第2電極44は切断領域NA以外の領域内に全体的に形成され、且つ第1電極42と第2電極44との間の第1光電変換部110及び第2光電変換部120の層構造は全体的に形成される。
【0115】
次に、放射領域を構成する第1光電変換部110及び第2光電変換部120の面積を最大化することにより、太陽電池10又は単位太陽電池AA1、AA2の光電変換効率を向上させることに役立つことができる。
【0116】
第1光電変換部110に接続される第1電極42の第2電極層422a、422bは所定間隔w3を有するとともに互いに隔てられる複数のバスバー電極422a、422bに含まれてもよい。図面にはバスバー電極422a、422bが互いに平行し且つ半導体基板122の1つの縁部に平行する場合を例示するが、本発明はこれに限定されない。
【0117】
このとき、第1太陽電池領域AA1内に形成されるバスバー電極422aと第2太陽電池領域AA2内に形成されるバスバー電極422bとが切断領域NAにおいて互いに隔てられる。
【0118】
各太陽電池領域AA1、AA2における複数のバスバー電極422a、422bは第1方向に互いに並行して形成され、且つ複数のバスバー電極422a、422bの一端が互いに接続する構造を有してもよい。
【0119】
具体的に、図1に示すように、第1太陽電池領域AA1内に形成される複数のバスバー電極422aは一端が第1太陽電池領域AA1の一端である端部差領域SA内に形成される第1側面絶縁層130a上で互いに接続されてもよい。
【0120】
以上のように、第1側面絶縁層130a上に形成される複数のバスバー電極422aの接続部はパッド部14aとして使用されてもよく、且つ切断領域NAに並行するように第1方向に延在する棒状の形状を有してもよい。
【0121】
第1太陽電池領域AA1内に形成される1つの第2電極層422aは、第1側面絶縁層130a上に形成されるパッド部14aから延在し且つ第1方向に垂直な第2方向に延出する複数のバスバー電極422aを備える。
【0122】
このとき、側面絶縁層130a上に形成されるパッド部14aは所定数のバスバー電極422aの一端が接続する単位パッド(図示せず)により互いに隔てられる単位パッドクラスタとして形成されてもよく、且つこれを限定しない。
【0123】
従って、第1太陽電池領域AA1内に形成される1つの第2電極層422aは第1側面絶縁層130a上に形成されるパッド部14aから延在し且つ第1方向に垂直な第2方向に延出する複数のバスバー電極422aを備えてもよく、且つ第2電極層422aの形状は複数のバスバー電極422aがパッド部14aから延出する櫛形状(comb)として形成されてもよい。
【0124】
このとき、パッド部14aの幅はバスバー電極422aの幅よりも大きくてもよく、且つ互いに隣接するバスバー電極422aの間隔距離w3よりも小さくてもよい。
【0125】
以上のようなパッド部14aは隣接する単位太陽電池AA1、AA2に電気的及び物理的に接合するための領域として使用されてもよい。
【0126】
また、第2太陽電池領域AA2上に形成される第2電極層422bの形状は複数のバスバー電極422bが第2側面絶縁層130b上に形成されるパッド部14bから第1方向に垂直な第2方向に延出する櫛形状(comb)として形成されてもよい。
【0127】
実際に、第1太陽電池領域AA1上の第2電極層422aの形状と第2太陽電池領域AA2上の第2電極層422bの形状とが前記切断領域NAを基準として互いに対称に形成されてもよく、且つその寸法及び形状がいずれも対称であってもよい。
【0128】
ここで、各第2電極層422a、422bは、各太陽電池領域AA1、AA2の縁部に沿って連続的に形成することにより各太陽電池領域AA1、AA2内で前記複数のバスバー電極422a、422bの端部を接続する境界電極(図示せず)を更に備えてもよい。
【0129】
以上のように、境界電極を備える場合、各太陽電池領域AA1、AA2の縁部に位置する部分にキャリアを効果的に収集することができる。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ境界電極が必須なものではない。
【0130】
図2を参照し、第2電極44は本実施例に係る太陽電池10の他方の面(より具体的に、裏面)に位置する。
【0131】
このとき、第2電極44も切断領域NA内に形成されておらず、且つ各太陽電池領域AA1、AA2に対応するように位置決めされる。
【0132】
本実施例には切断領域NAが単独で設置され、且つ2つの第1太陽電池領域AA1及び第2太陽電池領域AA2が設置される場合を例示する。
【0133】
本実施例では、裏面の第2光電変換部110に接続される第2電極44は裏面全体を覆う単一面形状(planar type)に形成されてもよい。
【0134】
即ち、第2電極44の第2電極層442a、442bは切断領域NA以外の領域内に全体的に形成されてもよく、且つ端部差領域SAに対応する裏面領域を備える。
【0135】
従って、裏面には、2つの第2電極層422a、422bに分離することにより正面のパッド部14a、14bからバスバー電極422a、422bまで覆う末端を形成してもよい。以上のように、第1電極42の第2電極層422a、422bのように、分離する2つの第2電極層422a、422bは切断領域NAに対して互いに対称である形状を有してもよい。以上に第2電極層442a、442bの材料を説明したため、ここで詳細な説明は省略する。
【0136】
図1及び図2に示すように、各太陽電池領域AA1、AA2について、正面に形成される第1電極42の第2電極層422a、422bが櫛形状を有するように形成され、且つ裏面に形成される第2電極44の第2電極層442a、442bが各太陽電池領域AA1、AA2において単一面形状を有するように形成される場合を例示する。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ第1電極42及び第2電極44の平面形状は互いに同じであってもよく、更にそれ以外の種々の変形も行われる。
【0137】
以上のように形成された太陽電池10は、1つの太陽電池10内には中央領域の切断領域NAを挟んで2つの単位太陽電池AA1、AA2を構成する太陽電池領域AA1、AA2を配置し、更に第1電極42及び第2電極44の最外部電極層422a、422b、442a、442bが対称に形成される。
【0138】
本発明は図1図3における直列接続型太陽電池を切断するためのものであり、以下にその製造方法を詳しく説明する。
【0139】
以下、図4図10bを参照して本発明の第1実施例に係る単位太陽電池の製造方法を説明する。
【0140】
図4は本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するためのシーケンス図であり、そして図5a~図10bは本発明の一実施例に係る太陽電池を製造するための工程図である。このとき、各図におけるaはほとんど各ステップにおける太陽電池の平面図であり、且つbはほとんど各ステップにおける太陽電池の断面図である。
【0141】
図4に示すように、本発明の一実施例に係る太陽電池の製造方法は第2光電変換部の生成ステップ(S10)、側面絶縁層の形成ステップ(S20)、第1光電変換部の生成ステップ(S30)、第1電極及び第2電極の形成ステップ(S40)、二段階切断ステップ(S50)、並びにモジュール化ステップ(S60)を含む。これについてより詳しく説明する。
【0142】
図5a及び図5bに示すように、第2光電変換部120の形成ステップ(S10)において、半導体基板122から半導体基板122、第1導電領域124及び第2導電領域126などを備える第2光電変換部120を形成する。
【0143】
まず、第1又は第2導電タイプのドーパントを有する基礎領域として構成される半導体基板122を製造する。このとき、半導体基板122の正面及び裏面のうちの少なくとも片面は反射防止構造を有するように凹凸を有するように模様化されてもよい。半導体基板122の表面の模様化として、湿式又は乾式模様化を用いてもよい。湿式模様化は半導体基板122を模様化溶液に浸漬することで実行されてもよく、且つプロセス時間が短いという利点を有する。乾式模様化はダイヤモンドグリッド又はレーザーなどにより半導体基板122の表面を切断し、凹凸を均一に形成できるが、プロセス時間が長く且つ半導体基板122を損なう恐れがある。また、反応性イオンエッチング(RIE)などにより半導体基板122を模様化してもよい。以上のように、本発明において複数の方法により半導体基板122を模様化してもよい。
【0144】
次に、半導体基板122の表面に導電領域124、126を形成する。より具体的に、半導体基板122の正面に第1不動態化膜及び第1導電領域124を形成し、且つ半導体基板122の裏面に第2不動態化膜及び第2導電領域126を形成する。
【0145】
導電領域124、126は熱成長法、堆積法(例えば、化学気相堆積法(CVD)、原子層堆積法(ALD))、低圧化学気相堆積法(LPCVD)などにより形成されてもよい。ところが、本発明はこれに限定されない。
【0146】
第1又は第2導電タイプのドーパントは導電領域124、126を形成する半導体層を成長させるプロセスに同時に含まれてもよく、且つ半導体層を形成してからイオン注入法、熱拡散法、レーザードープ法などによりドープされてもよい。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ導電領域124、126は複数の方法により形成されてもよい。
【0147】
次に、図5bに示すように、第2導電領域126上に保護層を形成する。このとき、本実施例では、第2導電領域126上に第2電極44の第1電極層440を保護層として形成してもよい。このような第1電極層440は製造プロセスにおいて第2導電領域126上に第2導電領域126の保護作用を実行する保護層として機能し、且つ第1電極層440として機能するようにそのまま残留してもよい。即ち、本実施例では、第1光電変換部110を形成する前に第2電極44の第1電極層440を形成することにより保護層として使用し、これにより、プロセスを簡素化することができる。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ第1電極層440の異なる保護層を別々に形成して除去し又は除去しない状態において第1電極層440を形成してもよい。
【0148】
一実例として、第2電極44の第1電極層440はスパッタリングにより形成されてもよい。スパッタリングプロセスは低温で実行されてもよく、且つ第2電極44の第1電極層440は片面としての裏面として形成されてもよい。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ塗布法などの複数の方法を適用してもよい。
【0149】
次に、第2光電変換部120に接合層110aを形成する。より具体的に、第2光電変換部120の第1導電領域124全体に接合層110aを形成してもよい。一実例として、接合層110aはスパッタリングにより形成されてもよい。スパッタリングプロセスは低温で実行されてもよく、且つ片面プロセスとして第2導電領域124上のみに接合層110aを形成してもよい。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ塗布法などの複数の方法を適用してもよい。
【0150】
次に、図6a及び図6bに示すように、接着層110a上には2つの側面に側面絶縁層130a、130b(S20)を形成する。
【0151】
まず、図6aに示すように、前記太陽電池10を堆積装置内に取り付けた後、前記太陽電池10の2つの側面を露出させ且つ中央領域を覆うマスク200を前記太陽電池の正面に装着する。前記マスク200は炭化物、窒化物などで形成されるマスク200であってもよいが、それに限らない。
【0152】
太陽電池10の中央領域を覆うように揃えてから露出する側面には側面絶縁層130a、130bを堆積する。
【0153】
このとき、前記堆積装置として、原子堆積、物理堆積、化学堆積などの複数の方式を適用してもよく、更に側面にSiO2などの酸化物又はSiC又はSiNの炭化物又は窒化物などを適用してもよい。
【0154】
このとき、形成された側面絶縁層130a、130bの厚さH1は10nm~1μmを満足でき、且つその後に形成された第1光電変換部110と同様のもの又はそれよりも高いものとして形成されてもよい。また、各側面絶縁層130a、130bの幅W1は0.1~0.3mmを満足でき、且つ堆積装置の固定部における前記太陽電池10を固定するための接触面積に対応してもよい。
【0155】
従って、前記側面絶縁層130a、130bの幅W1は望小条件に従うことができるが、本質的に0.3mmを超えないように調整されてもよい。
【0156】
以上のように、側面絶縁層130a、130bの占有面積を最小化することにより光電変換の面積を最大限に確保することができ、且つ堆積装置の固定部と太陽電池10との接合部を絶縁層に確保することにより固定時に物理的に接触するアクティブ領域が損なわれることを防止することができる。
【0157】
以上のように、側面絶縁層130a、130bがそれぞれ太陽電池10の接着層110aの2つの側面に形成される場合、図6bに示すように、前記マスク200を除去し、且つ図6cに示すように、2つの側面の側面絶縁層130a、130bの間に空間としての溝(groove)131を露出させる。
【0158】
次に、図7a及び図7bに示すように、第1光電変換部110を形成する(S30)。
【0159】
第1光電変換部110の形成ステップにおいて、接合層110a上に第1光電変換部110を形成する。このとき、第1光電変換部110は前記側面絶縁層130a、130b間の溝131内のみに選択的に形成される。
【0160】
より具体的に、堆積装置内で、堆積装置の固定部の脚を側面絶縁層130a、130bの上部に固定する状態において、溝131内の接合層110a上に第2トランスポート層116、光電変換層112及び第1トランスポート層114を順次形成してもよい。
【0161】
第2トランスポート層116、光電変換層112及び第1トランスポート層114は堆積(例えば、物理堆積法、化学堆積法など)により形成されてもよい。
【0162】
次に、第1光電変換部110に第1電極42の第1電極層420を形成してもよい。より具体的に、第1トランスポート層114上に第1電極42の第1電極層420を形成してもよい。
【0163】
一実例として、第1電極42の第1電極層420はスパッタリングにより形成されてもよい。スパッタリングプロセスは低温で実行されてもよく、且つ第1電極42の第1電極層420は片面としての正面のみに形成されてもよい。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ塗布法などの複数の方法を適用してもよい。
【0164】
また、本実施例には第1光電変換部110を形成する前に第2電極44の第1電極層440を形成し、且つ第1光電変換部110を形成してから第1電極42の第1電極層420を形成する場合を例示する。ところが、本発明はこれに限定されず、第1光電変換部110を形成してから第2電極44の第1電極層440を形成してもよい。このとき、第2電極44の第1電極層440は第1電極42の第1電極層420とともに形成されてもよく、第1電極42の第1電極層420を形成する前又はその後に形成されてもよい。それ以外の種々の変形が可能である。
【0165】
次に、図8a及び図8bに示すように、第2電極層422の形成ステップにおいて、第1電極42の第2電極層422及び第2電極44の第2電極層442を形成する(S40)。以下、第1電極42の第2電極層422a、422bが単一層として形成される場合を示すが、これと異なって多層構造として形成されてもよい。
【0166】
このとき、第1電極42及び第2電極44の第2電極層422a、422b、442a、442bを同時に形成する。
【0167】
まず、図8aに示すように、第1電極42、第2電極44の第2電極層422a、422b、442a、442bを形成するために、堆積プロセスを実行する。
【0168】
このとき、堆積プロセスとして、複数の方式でスパッタリング、真空堆積又はめっき(電気めっき)を適用することができる。
【0169】
一実例として、スパッタリングにより形成されたスパッタリング層を形成する場合、第2電極層422a、422b、442a、442bを形成するプロセス温度は150℃以下(一実例として、100℃~145℃)であってもよく、マスク又はマスク層が設置される状態においてスパッタリングにより第2電極層422a、422b、442a、442bを形成することで、第2電極層422a、422b、442a、442bに所望のパターンを有させることができる。また、第2電極層422a、422b、442a、442bはスパッタリングにより形成されたスパッタリング層上にスパッタリング又は電気めっき(一実例として、電解めっき)により形成した追加の導電層を更に備えてもよい。また、150℃以下で実行する複数のプロセスにより本実施例に係る第1電極42又は第2電極44の第2電極層422a、422b、442a、442bを形成してもよい。
【0170】
このとき、図8bに示すように、形成された第1電極42の第2電極層422a、422bは切断領域NAを基準として互いに対称に形成した2つの櫛形状を有し、且つ第2電極44の第2電極層442a、442bは切断領域NAを開放し且つ互いに隔てられる2つの面形状を有する。
【0171】
従って、太陽電池10の正面にはパッド部14a、14bは側面絶縁層130a、130b上に形成され、且つ前記パッド部14a、14bから切断領域NAに向かって延出する複数のバスバー電極422a、422bが形成され、そして、太陽電池10の下面には1つの面形状の第2電極44の第2電極層442a、442bは前記パッド部14a、14bからバスバー電極422a、422bが形成されるまでの全体面積に対応するように形成される。
【0172】
本実施例では、ペロブスカイト化合物を含む第1光電変換部110が設置される太陽電池100において、堆積プロセスにより第2電極層422a、422b、442a、442bを形成した後、充填率並びに優れた効率及び信頼性を確保するように更にその上に被覆層を形成してもよく、それにより低温(即ち、150℃以下)で第1電極42及び第2電極44を形成することができる。
【0173】
以上のように、第1電極42及び第2電極44を形成する場合、図9に示される太陽電池を形成する。図9における太陽電池10は図1及び図2に示される正面及び裏面の形状を有するように形成される。
【0174】
次に、太陽電池10の切断領域NAにより複数の単位太陽電池AA1、AA2に切断することを実行する。
【0175】
図10aに示すように、上記構造の太陽電池10の切断領域NA内に切断線CLに沿って太陽電池10を切断することにより、図10bに示すように、それぞれ複数の太陽電池領域AA1、AA2に対応する複数の単位太陽電池AA1、AA2を形成することができる。
【0176】
一実例として、切断領域NAを切断する方法として、レーザー加工及び機械加工などの二段切断方法を適用してもよい。
【0177】
初歩的に、レーザー加工において切断領域NAにレーザーを照射することで該部分を溶融させ、それにより太陽電池10を所定深さまで切断する。
【0178】
以上のようなレーザー加工の切断深さd1に基づいて太陽電池10の裏面で切断し、且つ太陽電池10の裏面で第2光電変換部120の半導体基板122の中央領域まで行う。
【0179】
従って、第1光電変換部110においてレーザー加工によるレーザー照射を行わないため、ペロブスカイト化合物がレーザーにより損なわれることを防止することができる。
【0180】
二次的に、レーザー加工の後で、機械加工により半導体基板122の中央領域まで切断された基板に物理的衝撃を与えて全体を切断する。
【0181】
このとき、狭い切断領域NA内にもきれいな加工面を有し、且つペロブスカイト層が損なわれない場合にレーザー線引き及び機械加工の二次加工を行うことができる。
【0182】
これにより、形成された単位太陽電池AA1、AA2において、半導体基板122は長軸及び短軸を有する。一般的に、太陽電池10は半導体基板122のほぼ円形形状のインゴット(ingot)から製造し、且つ円形、正方形又はそれと類似する形状のように、互いに直交する2つの軸の辺の長さが互いに同様のもの又はほぼ類似するものである。一実例として、本実施例では、太陽電池10の半導体基板122は正方形の形状から4つの隅部分に傾斜辺を有する八角形形状、又は丸め面取りした曲面を有する板状を有してもよい。このような形状を有する場合、インゴットから最も広い面積の半導体基板122を得ることができる。これにより、太陽電池10は同じ距離の横軸及び縦軸を有する。
【0183】
本実施例では、切断領域NAに沿ってこのような太陽電池10を切断して単位太陽電池AA1、AA2を形成するため、単位太陽電池AA1、AA2の半導体基板122は長軸及び短軸を含む形状を有する。
【0184】
より具体的に、図10aに示すように、単位太陽電池AA1、AA2は長軸(図面における縦方向)に沿って形成され且つ互いに平行する第1長辺及び第2長辺と、長軸に交差する短軸(図面における横方向)に沿って形成され且つ互いに平行する第1短辺及び第2短辺と、を含む。ここで、長辺のうちの一方は切断線CLにより切断して形成した縁部である。
【0185】
長辺のうちの他方は側面絶縁層130a、130bが形成される縁部とされ、パッド部14a、14bが形成される。
【0186】
切断領域NAを切断して単位太陽電池AA1、AA2を形成するため、図11に示すように、単位太陽電池AA1、AA2の一方の縁部には切断領域NAの幅W2の半分程度の幅W3を有する縁部を形成する。このような縁部部分は一方の長辺に沿って位置決めされる。これにより、切断領域NAの切断により形成された縁部部分には電極42、44が形成されていない。
【0187】
以上のように、単位太陽電池AA1、AA2において、2つの長辺は互いに対称ではないように形成されてもよいが、2つの短辺は互いに対称であるように形成されてもよく、且つ切断により形成された2つの単位太陽電池AA1、AA2は互いに同じ形状を有する。
【0188】
以上のように、1つの太陽電池10を切断して形成した複数の単位太陽電池AA1、AA2は図11に示される断面を有し、且つガラスの上で複数の形態にモジュール化することができる。
【0189】
また、第1電極42及び第2電極44において、第1電極層440上の第2電極層422、442は図12a及び図12bに示される形状を有してもよい。
【0190】
図12aは本発明の別の実施例に係る太陽電池を示す平面図であり、そして図12bは本発明の別の実施例に係る太陽電池を示す背面図である。
【0191】
図12aを参照し、第1電極42はバスバー電極422a、422bに接続されてもよく、且つ交差する方向に形成された複数のフィンガー電極423a、423bに形成されてもよい。
【0192】
このとき、バスバー電極422a、422bの幅はフィンガー電極423a、423bの幅よりも大きくてもよいが、本発明はこれに限定されない。従って、バスバー電極422b、422bの幅はフィンガー電極423a、423bの幅と同じもの又はそれよりも小さな幅を有してもよい。
【0193】
切断領域NAがバスバー電極422a、422bに交差する方向において半導体基板122に跨って第1方向に位置決めされるため、前記フィンガー電極423a、423bが切断領域NAに並行して配置されることにより電流を十分に流れさせることができる。
【0194】
以上のように、切断領域NAをバスバー電極422a、422bに交差するように配置するとともに切断領域NAをフィンガー電極423a、423bに平行するように配置する場合、バスバー電極422a、422bの面積を減少させるとともに電流量を確保することもできる。
【0195】
このとき、各フィンガー電極423a、423bに接続され且つ各太陽電池領域AA1、AA2を限定する境界電極が形成され得るが、これに限定されない。
【0196】
以上のように、境界電極を備える場合、各太陽電池領域AA1、AA2の縁部に位置する部分にキャリアを効果的に収集することができる。ところが、本発明はこれに限定されず、且つ境界電極が必須なものではない。
【0197】
また、図12bに示すように、太陽電池10における裏面に形成される第2電極層443a、443bは端部差領域SA内に形成されるパッド部15a、15bと、パッド部15a、15bから切断領域NAに向かって延出する複数のバスバー電極443a、443bとを備えてもよい。
【0198】
即ち、図1における第1電極42の第2電極層422a、422bと同じ形状を有してもよく、且つ所定間隔を有するとともに互いに隔てられる複数のフィンガー電極(図示せず)を更に備えてもよい。即ち、図面にフィンガー電極を示さないが、フィンガー電極が形成され得る場合を排除しない。
【0199】
以上のように、本実施例では、太陽電池10の電極42、44が所定パターンを有するため、太陽電池10は光を半導体基板122の正面及び裏面に入射させることができる両面受光型(bi-facial)構造を有してもよい。これにより、太陽電池10に使用される明るさを増加させることにより、太陽電池10の効率を向上させることに役立つことができる。ところが、本発明はこれに限定されない。
【0200】
以下、複数の方式で図11における単位太陽電池AA1、AA2(以下、図面記号10′で単位太陽電池を示す)を配置して提供する太陽電池モジュール100を説明する。
【0201】
図13は本発明の一実施例に係る太陽電池モジュールの平面図であり、図14はVII-VII′に沿って切断した図13における太陽電池モジュールの断面図であり、図15図14におけるA部分の平面図であり、そして図16には単位太陽電池が図12a及び図12bにおけるものである場合の太陽電池モジュールの断面図を示す。
【0202】
図13図15を参照し、本発明の一実施例に係る太陽電池モジュール100において、複数の直列接続型単位太陽電池10′は接続パッド20により行列配列を構成し且つ互いに電気的に接続される。
【0203】
複数の直列接続型単位太陽電池10′は接続パッド20により行方向に接続され且つストリング(string)を構成し、且つ複数のストリングは互いに接続されて太陽電池モジュール100を構成する。
【0204】
電極と接続パッド20との接合性や電荷の収集効率などを考慮した上で、太陽電池の発電効率を最適化できるように、隣接する直列接続型単位太陽電池10′が互いに接続される接続パッド20は1つ使用できるようにする。
【0205】
即ち、接続パッド20は隣接する2つの直列接続型単位太陽電池10′における第1単位太陽電池の裏面に形成される第2電極44全体に接し、且つ第1単位太陽電池に隣接する第2単位太陽電池の正面に形成される第1電極42のパッド部14aに接する。同様に、他方の接続パッド20は第2単位太陽電池の第2電極44全体に接し、且つ第2単位太陽電池に隣接する第3単位太陽電池の第1電極42のパッド部14aに接する。このとき、接続パッド20とパッド部14aとの接合がパッド部14aの1/2以上且つ1以下と重なる方式で接合され、それにより接続パッド20がパッド部14aを通過し且つ端部差領域SAから離れるように延在しない。従って、第1光電変換部110は接続パッド20で覆われておらず、これにより、太陽電池のアクティブ領域の面積を減少させないとともに1つのストリングに配列される単位太陽電池を直列接続させる。
【0206】
また、スリーブロッド21は1行のストリングの一端に接続される接続パッド20と、2行のストリングの一端に接続される接続パッド20とを接続する。同様に、他方のスリーブロッド21は2行のストリングの他端に接続される配線を、3行のストリングの他端に接続される接続パッド20に接続する。これに対して、太陽電池モジュール100を構成する全ての直列接続型単位太陽電池10′が互いに直列接続される。このように接続する太陽電池モジュール100は正面パッケージ30及び裏面パッケージ40により密封(sealing)されるように保護され、且つ正面基板50と裏面基板60との間に配置される状態においてそれらと積層して一体化を実現する。
【0207】
正面基板50は太陽電池10の正面(光が入る受光面)に位置決めされ、且つ衝撃から保護するために可撓性を有しない硬い材質で製造される。一実例として、該正面基板50は透過率が高く且つ破損防止機能が優れた強化ガラスなどで形成されてもよい。
【0208】
裏面基板60は太陽電池の裏面(光が入らない非受光面)に位置決めされ、且つ正面基板50と異なって可撓性を有する材質で製造される。該裏面基板60は湿気が裏面から浸透することを防止することにより、外部環境から太陽電池を保護する。裏面基板60は水分と酸素ガスが浸透することを防止する層、化学腐食を防止する層などの多層構造を有してもよく、且つフルオロポリマー(FP、fluoropolymer)、ポリエステル(PE、polyeaster)などの絶縁物質からなる薄片として構成されてもよい。
【0209】
正面パッケージ30は接続パッド20を完全に埋め込ませる厚さを有するように製造され、それにより硬い正面基板50は接続パッド20に起因して物理的衝撃を受けることがない。
【0210】
裏面パッケージ40は裏面基板60と単位太陽電池10′の裏面との間に位置し、且つ光を透過させる透明物質で製造される。該裏面パッケージ40も衝撃を吸収できるエチレン-酢酸ビニル(EVA、ethylene vinyl acetate)などの樹脂製品を用い、それにより湿気の浸透を防止し及び太陽電池10′を衝撃による影響から保護する。また、裏面パッケージ40は劣化を防止するように紫外線を吸収する物質を含むように構成されるが、それとは逆に、正面パッケージ30は全ての光を透過できるように紫外線吸収剤を含まず、それにより直列接続型単位太陽電池10′の発展効率を良好にする。
【0211】
また、単位太陽電池10′が図12a及び図12bにおけるものである場合、太陽電池モジュール100は図16に示される配置を有してもよい。
【0212】
本発明の別の実施例に係る太陽電池モジュール100において、複数の直列接続型単位太陽電池10′は複数の配線22により行列配列を構成し且つ互いに電気的に接続される。
【0213】
複数の直列接続型単位太陽電池10′は複数の配線22により行方向に接続されてストリング(string)を構成し、且つ複数のストリングは互いに接続されて太陽電池モジュール100を構成する。
【0214】
電極と配線22との接合性や電荷の収集効率などを考慮した上で、太陽電池10′の発電効率を最適化できるように、隣接する直列接続型単位太陽電池10′が互いに接続される配線22は複数使用できるようにし、且つその数がバスバー電極422a、422bの数と同じである。
【0215】
即ち、配線22は隣接する2つの直列接続型単位太陽電池10′における第1単位太陽電池の裏面に形成される第2電極44のパッド部15a及びバスバー電極443aに跨って接合し、且つ第1単位太陽電池に隣接する第2単位太陽電池の正面に形成される第1電極42のパッド部14a及びバスバー電極422aに跨って接合する。また、該配線21は第2単位太陽電池の第2電極44のパッド部15a及びバスバー電極443aに跨って接合し、且つ第2単位太陽電池に隣接する第3単位太陽電池の第1電極42のパッド部14a及びバスバー電極422aに跨って接合する。従って、1つのストリングに配列される単位太陽電池は複数の配線21により直列接続される。
【0216】
また、単位太陽電池10′により形成される直列接続型太陽電池モジュールは図17図19と同じ形状を有してもよい。
【0217】
以下、図17図19を参照して本発明の別の実施例に係る直列接続型太陽電池モジュール100を説明する。
【0218】
図17は本発明の別の実施例に係る太陽電池モジュールの平面図であり、図18図17に示される太陽電池モジュールの分解透視図であり、そして図19図17に示される太陽電池モジュールの断面図である。
【0219】
本発明の別の実施例に係る直列接続型太陽電池モジュール100′は上記直列接続型単位太陽電池10′を利用して太陽電池モジュールを実現し、且つ以下に図17図19を参照して直列接続型太陽電池モジュール100′を詳しく説明する。
【0220】
本発明の別の実施例に係る太陽電池モジュール100′は上記複数の直列接続型単位太陽電池10′を階段状で重なるように積層する。例えば、基準直列接続型単位太陽電池10′の場合、隣接する上部直列接続型単位太陽電池10′及び隣接する下部直列接続型単位太陽電池10′が基準直列接続型単位太陽電池10′と部分的に重なるが、上部直列接続型単位太陽電池10′が基準直列接続型単位太陽電池10′の上部と部分的に重なり、且つ下部直列接続型単位太陽電池10′が基準直列接続型単位太陽電池10′の下部と部分的に重なるように積層される。
【0221】
本明細書において、上部直列接続型単位太陽電池10′と下部直列接続型単位太陽電池10′はそれぞれ以上のように階段状で部分的に重なるように配列される複数の直列接続型単位太陽電池10′のうちのいずれか1つの直列接続型単位太陽電池10′を基準として相対的に下部に配置される直列接続型単位太陽電池10′、相対的に上部に配置される直列接続型単位太陽電池10′を意味してもよく、且つ基準となる直列接続型単位太陽電池10′に基づいて、同じ直列接続型単位太陽電池10′は上部直列接続型単位太陽電池10′又は下部直列接続型単位太陽電池10′となってもよい。
【0222】
本実施例に係る直列接続型単位太陽電池10′は重なり部分OPを備え、且つ重なり部分OPに後述の直列接続型太陽電池モジュール100を形成することにより隣接する直列接続型太陽電池10を重ならせる場合、重なった区間に対応する直列接続型単位太陽電池10′の領域として、直列接続型単位太陽電池10′のそれぞれは隣接する上部直列接続型単位太陽電池10′と重なる第1重なり部分OP1と、隣接する下部直列接続型単位太陽電池10′と重なる第2重なり部分OP2とを備えてもよい。
【0223】
例えば、複数の直列接続型単位太陽電池10′を配列方向に階段状で重なる構造に積層すれば、特定の1つの直列接続型単位太陽電池10′が隣接する上部直列接続型太陽電池10′及び隣接する下部直列接続型太陽電池10′と重なって第1重なり部分OP1及び第2重なり部分OP2を備え、且つ第1重なり部分OP1と第2重なり部分OP2とがそれぞれ直列接続型太陽電池10の両側に配列方向に互いに対向するように配置される。
【0224】
本実施例に係る重なり部分OPは直列接続型単位太陽電池10′の形状によって矩形又は幾何多角形などと称されてもよい。ところが、重なり部分OPの形状は前記記載又は図面に限定されるものではなく、且つ当業者が容易に設計して重なり部分の形状に変更する範囲に含まれるべきである。
【0225】
本実施例では、重なり部分の幅が側面絶縁層の幅内にあることを満足するように維持することにより、直列接続型太陽電池モジュール100を形成する際に安定してモジュール化するとともに大きな受光面積を確保し、それにより優れた太陽電池を生産して出力を行うことができる。重なり部分OPの幅が1mm未満である場合、モジュール化過程において、隣接する直列接続型単位太陽電池10′の結合安定性を低下させることができる。重なり部分OPの幅が3mmを超える場合、直列接続型単位太陽電池10′の受光面積が過剰に減少し、かえって太陽電池の出力を減少させることができる。
【0226】
第1重なり部分OP1及び第2重なり部分OP2の幅は互いに同じであってもよく、互いに異なってもよく、且つ幅が互いに異なる場合、約1mm~約3mmの範囲内において、第1重なり部分OP1及び第2重なり部分OP2の幅が異なってもよい。
【0227】
即ち、図17に示すように、本発明の別の実施例に係る直列接続型太陽電池モジュール100′は複数の直列接続型単位太陽電池10′を階段状で重なるように積層するとともに、隣接する上部直列接続型太陽電池10の下部電極を導電接着部14a及び電極部14bにより下部直列接続型太陽電池10の上部電極に電気的に接続させ、生産性及び生産コストに有利であるだけでなく、プロセス上の欠陥率を減少させることもでき、且つ光学損失を最小化することにより太陽電池の効率を最大化する。
【0228】
具体的に、基準直列接続型単位太陽電池10′の第1重なり部分OP1と上部直列接続型単位太陽電池10′の第2重なり部分OP2とが互いに重なり、且つ基準直列接続型単位太陽電池10′の第2重なり部分OP2と下部直列接続型単位太陽電池10′の第1重なり部分OP1とが互いに重なり、それにより階段状で積層する。
【0229】
更に、本発明の別の実施例はパッド14aをモジュール化過程において重なった第1重なり部分OP1に形成することにより、太陽電池の出力に役立つことができる。即ち、第1重なり部分OP1がモジュール化過程において上部直列接続型単位太陽電池10′と重なって受光面として露出しないため、パッドに基づいて形成した太陽電池の出力を低減しなくてもよく、かえって所定面積の太陽電池モジュール内に受光面積を最大化することができる。
【0230】
本発明の別の実施例に係る直列接続型太陽電池モジュール100′は接続部を隣接する上部直列接続型太陽電池10の第2重なり部分OP2と下部直列接続型太陽電池10の第1重なり部分OP1との間に配置させることにより、隣接する直列接続型単位太陽電池10′が電気的及び物理的に結合されてもよい。
【0231】
具体的に、図18及び図19を参照し、接続部は互いに接する60及びパッド部14aを備えてもよく、且つ隣接する2つの直列接続型単位太陽電池10′を基準として、導電接着部60は上部直列接続型単位太陽電池10′の第2重なり部分OP2と下部直列接続型単位太陽電池10′の第1重なり部分OP1との間に全体的に配置されてもよい。本明細書において、全体的配置は該領域又は空間内に物理的に完璧に均一に配置される場合を含むだけでなく、一部を排除した部分が不可避的に存在する場合を更に含む。導電接着部60はエポキシアクリルフッ化物、シリコン及びポリアミドなどのポリマーブレンドを含んで接着特性を有するため、隣接する直列接続型単位太陽電池10′に物理的に安定して結合されるとともに導電特性を有し、それにより隣接する直列接続型単位太陽電池10′を電気的に接続する機能を果たすことができる。導電接着部60として、複数種類の物質で構成されてもよいが、一実例として、導電接着剤(ECA、electrical conductive adhesive)などで構成されてもよい。ところが、導電接着部60の種類は記載されたものに限定されるものではなく、且つ隣接する直列接続型単位太陽電池10′を物理的及び電気的に接続できるものであれば、当業者が容易に選択できる範囲内に含まれてもよい。
【0232】
このとき、パッド部14aは第1電極42に接続されるパッド14aとして、端部差領域SAとしての第1重なり部分OP1の片面に全体的に配置されてもよい。
【0233】
以上のように、上部直列接続型単位太陽電池10′の第2重なり部分OP2に形成される第2電極44の第2電極層442bと下部直列接続型単位太陽電池10′の第1重なり部分OP1に形成されるパッド部14aとが導電接着部60により電気的に接触し、それにより隣接する2つの単位太陽電池10′の電気的接続を構成する。
【0234】
即ち、上部直列接続型単位太陽電池10′の第2電極44に電気的に接続される導電接着部60と下部直列接続型単位太陽電池10の第1電極42に電気的に接続されるパッド部14aとが接することにより、上部直列接続型単位太陽電池10′と下部直列接続型単位太陽電池10′とが電気的及び物理的に接続されてもよい。
【0235】
従って、本発明の別の実施例に係る直列接続型太陽電池モジュール100′は以上のような接続部を利用して複数の直列接続型単位太陽電池10′を階段状で重なるように積層して形成することにより、生産性を向上させて欠陥率を減少させることができる。
【0236】
上記特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも1つの実施例に含まれ、且つ必ずしも1つの実施例に限定されるものではない。また、各実施例に例示する特徴、構造、効果なども実施例の属する技術分野における当業者が他の実施例を組み合わせ又は変形することにより実施されてもよい。従って、このような組合せ及び変形に関わる内容は本発明の範囲内に含まれると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0237】
100、100′ 太陽電池モジュール
10 太陽電池
10′ 単位太陽電池
20 接続部材
22 配線
110 第1光電変換部
120 第2光電変換部
110a 接合層
130 側面絶縁層
42 第1電極
44 第2電極
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図8a
図8b
図9
図10a
図10b
図11
図12a
図12b
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】