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特表2024-520092二重偏波アンテナ及びそれを含む二重偏波アンテナアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】二重偏波アンテナ及びそれを含む二重偏波アンテナアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/26 20060101AFI20240514BHJP
   H01Q 1/42 20060101ALI20240514BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20240514BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H01Q21/26
H01Q1/42
H01Q21/06
H01Q1/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573339
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 KR2022008203
(87)【国際公開番号】W WO2022265309
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0078324
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン マン カン
(72)【発明者】
【氏名】オ ソン チェ
(72)【発明者】
【氏名】フン ジュン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キョ ジン ジョ
(72)【発明者】
【氏名】ス ヨン リ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA09
5J021HA05
5J021JA05
5J046AA07
(57)【要約】
【課題】アンテナの小型化に有利な二重偏波アンテナを提供する。
【解決手段】二重偏波アンテナは、ベース基板と、前記ベース基板上に支持される給電部と、前記給電部に支持される放射板と、を含み、前記給電部は、前記ベース基板上で互いに交差するように配置される第1の給電基板及び第2の給電基板を含み、前記第1の給電基板は、前記ベース基板上に支持される第1の絶縁基板及び、前記第1の絶縁基板上に付着され、前記放射板の第1の地点に第1の基準位相信号を供給し、前記放射板の第2の地点に前記第1の基準位相信号に対して逆位相を有する第1の逆位相信号を供給するように構成される第1の給電ラインを含み、第2の給電基板は、前記ベース基板上に支持される第2の絶縁基板及び、前記第1の絶縁基板上に付着され、前記放射板の第3の地点に第2の基準位相信号を供給し、前記放射板の第4の地点に前記第2の基準位相信号に対して逆位相を有する第2の逆位相信号を供給するように構成される第2の給電ラインを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
前記ベース基板上に支持される給電部と、
前記給電部に支持される放射板と、を含み、
前記給電部は、前記ベース基板上で互いに交差するように配置される第1の給電基板及び第2の給電基板を含み、
前記第1の給電基板は、前記ベース基板上に支持される第1の絶縁基板及び、前記第1の絶縁基板上に付着され、前記放射板の第1の地点に第1の基準位相信号を供給し、前記放射板の第2の地点に前記第1の基準位相信号に対して逆位相を有する第1の逆位相信号を供給するように構成される第1の給電ラインを含み、
第2の給電基板は、前記ベース基板上に支持される第2の絶縁基板及び、前記第1の絶縁基板上に付着され、前記放射板の第3の地点に第2の基準位相信号を供給し、前記放射板の第4の地点に前記第2の基準位相信号に対して逆位相を有する第2の逆位相信号を供給するように構成される第2の給電ラインを含む、
二重偏波アンテナ
【請求項2】
前記第1の給電基板及び前記第2の給電基板は、
それぞれ前記第1の絶縁基板及び前記第2の絶縁基板上に配置された粘着テープパターンを含み、前記第1の給電ライン及び前記第2の給電ラインは、前記粘着テープパターンに付着される金属パターンを含む、請求項1に記載の二重偏波アンテナ。
【請求項3】
前記金属パターンは、さらに、防水接着技術処理がなされたWAT処理層を含み、
前記WAT処理層は、前記粘着テープパターン上に配置される、請求項2に記載の二重偏波アンテナ。
【請求項4】
前記第1の絶縁基板及び前記第2の絶縁基板上の粘着テープパターンと前記金属パターンのWAT処理層は、熱硬化過程を通じて固着される、請求項3に記載の二重偏波アンテナ。
【請求項5】
前記第1の給電基板及び前記第2の給電基板は前記ベース基板上で垂直に直立配置され、前記第1の給電基板及び前記第2の給電基板はそれぞれの中央領域で互いに垂直に交差する、請求項1に記載の二重偏波アンテナ。
【請求項6】
前記第1の給電基板は、前記第1の地点及び前記第2の地点をつなぐ直線に平行するように配置され、前記第2の給電基板は、前記第3の地点及び前記第4の地点をつなぐ直線に平行するように配置される、請求項1に記載の二重偏波アンテナ
【請求項7】
前記放射板は正方形であり、
前記第1の地点、前記第2の地点、前記第3の地点、及び前記第4の地点は、前記放射板の4つの頂点に隣接し、
前記放射板の対角線の長さは、使用周波数の中心周波数の半波長の長さと同一である、請求項1に記載の二重偏波アンテナ。
【請求項8】
前記第1の給電ラインは、1つのはんだ付けを介して前記ベース基板の信号ラインにつながれ、
前記第2の給電ラインは、もう1つのはんだ付けを介して前記ベース基板の他の信号ラインにつながれる、請求項1に記載の二重偏波アンテナ。
【請求項9】
ケーシングと、
前記ケーシング上に配置された、請求項1に記載の1つ以上の二重偏波アンテナと、
前記1つ以上の二重偏波アンテナを覆うレドームと、を含む、
二重偏波アンテナアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重偏波アンテナ及びそれを含む二重偏波アンテナアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
マッシブマイモ(Massive MIMO、Multiple Input Multiple Output)技術は、多数のアンテナを用いてデータ伝送容量を大幅に増やす技術であり、送信機では各送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では適切な信号処理を介して送信データを区分する空間多重化(spatial multiplexing)技法である。送受信アンテナの個数を同時に増加させるにつれ、チャネル容量が増加してより多くのデータを送信することができる。たとえば、アンテナ数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べて同じ周波数帯域を用いて約10倍のチャネル容量を確保するようになる。
【0003】
マッシブマイモ技術が多数のアンテナを必要とするにつれ、1つのアンテナモジュールが占めるスペースを減らすこと、つまり個別アンテナのサイズを減らすことに関する重要性がさらに強調されている。二重偏波アンテナは、1つのアンテナ素子で互いに垂直交差する2つの電磁波信号を送受信する技術であり、アンテナ構造の小型化に有利な技術とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、アンテナの小型化に有利な二重偏波アンテナを提供することである。
【0005】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、偏波間隔離度及び交差偏波識別度を改善しながらも、工程上連結部位個数及び信号配線の複雑度を減らせる二重偏波アンテナを提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとするまた他の課題は、構造的安定性が増加し、相対的に大量生産に容易なアンテナ素子を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限定されず、言及されていないまた他の課題は、下の記載から当業者には明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記のような課題を解決するために、本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナは、ベース基板と、前記ベース基板上に支持される給電部と、前記給電部上に支持される放射板を含み、前記給電部は前記ベース基板上で互いに交差するように配置される第1の給電基板及び第2の給電基板を含み、前記第1の給電基板は、前記ベース基盤上に支持される第1の絶縁基板及び前記第1の絶縁基板上に付着され、前記放射板の第1の地点に第1の基準位相信号を供給し、前記放射板の第2の地点に前記第1の基準位相信号に対して逆位相を有する第1の逆位相信号を供給するように構成される第1の給電ラインを含み、前記第2の給電基板は、前記ベース基板上に支持される第2の絶縁基板及び前記第1の絶縁基板上に付着され、前記放射板の第3の地点に第2の基準位相信号を供給し、前記放射板の第4の地点に前記第2の基準位相信号に対して逆位相を有する第2の逆位相信号を供給するように構成される第2の給電ラインを含む。
【0009】
また、前記第1の給電基板及び第2の給電基板は、それぞれ前記第1の絶縁基板及び第2の絶縁基板上に配置された粘着テープパターンを含み、前記第1の給電ライン及び前記第2の給電ラインは前記粘着テープパターンに付着される金属パターンを含む。
【0010】
一方、前記金属パターンは、防水接着技術処理がされたWAT処理層をさらに含む。
【0011】
前記WAT処理層は、前記粘着テープパターン上に配置される。
【0012】
また、熱硬化過程を通じ、前記第1の絶縁基板及び前記第2の絶縁基板上の粘着テープパターンと前記金属パターンのWAT処理層は固着される。
【0013】
一方、前記第1の給電基板及び前記第2の給電基板は前記ベース基板上で垂直に直立配置され、前記第1の給電基板及び前記第2の給電基板はそれぞれの中央領域で互いに垂直に交差する。
【0014】
また、第1の給電基板は、前記第1の地点及び前記第2の地点をつなぐ直線に平行するように配置され、前記第2の給電基板は、前記第3の地点及び前記第4の地点をつなぐ直線と平行するように配置される。
【0015】
一方、前記放射板は正方形であり、前記第1の地点、前記第2の地点、前記第3の地点及び前記第4の地点は前記放射板の4つの頂点に隣接し、前記放射板の対角線の長さは使用周波数の中心周波数の半波長の長さと同一である。
【0016】
一方、前記第1の給電ラインは、1つのはんだ付けを介して前記ベース基板の信号ラインにつながれ、前記第2の給電ラインはもう1つのはんだ付けを介して前記ベース基板の他の信号ラインにつながれる。
【0017】
前記のような課題を解決するために、本発明の一実施例に係るアンテナアセンブリは、ケーシングと、前記ケーシング上に配置された、請求項1に記載の1つ以上の二重偏波アンテナと、前記複数の二重偏波アンテナを覆うレドームを含む。
【0018】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれる。
【発明の効果】
【0019】
本開示に係る二重偏波アンテナは、全体的な部品のサイズを減らす効果がある。
【0020】
また、本開示に係る二重偏波アンテナは、偏波間隔離度及び交差偏波識別度を改善しながらも、工程上連結部位個数及び信号配線の複雑度を減らす効果がある。
【0021】
また、本開示に係る二重偏波アンテナは、構造的安定性を向上させ、大量生産に容易な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナの概略的な斜視図である。
図2図1のII-II’線に沿って切開した二重偏波アンテナの断面図である。
図3図1のII-II’線に沿った二重偏波アンテナの分解断面図である。
図4】本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナの上面図である。
図5】本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナの製造方法を示す図である。
図6】形成された給電基板の断面図である。
図7】本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナアセンブリの透視斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面を通して詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ異なる図面上に表示されても、できるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意されたい。なお、本発明を説明するにあたり、関連された公知の構成又は機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳しい説明は省略する。
【0024】
以下で、添付された図面を参照して本発明による実施例を詳しく説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナの概略的な斜視図である。
【0026】
図2は、図1のII-II’線に沿って切開した二重偏波アンテナの断面図である。
【0027】
図3は、図1のII-II’線に沿った二重偏波アンテナの分解断面図である。
【0028】
図4は、本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナの上面図である。
【0029】
図1ないし図4を参照すると、本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナ1は、ベース基板10、給電部20、及び放射板50を含む。
【0030】
ベース基板10は、プラスチック又は金属からなる板状部材である。ベース基板10は接地層を含む。ベース基板10の接地層は二重偏波アンテナに接地を提供する一方、放射板50から放射された無線信号に対する反射表面として作用する。これにより、放射板50からベース基板10に向けて放射された無線信号はメイン放射方向に反射される。これにより、本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナの前面対背面の比率及び利得が向上される。
【0031】
給電部20は、ベース基板10上に支持され、高周波電気信号を放射板50に供給するように構成される。給電部20は、ベース基板10上で互いに交差するように配置される第1の給電基板30及び第2の給電基板40を含む。
【0032】
本発明の一実施例で、第1の給電基板30及び第2の給電基板40は、ベース基板10上で垂直に直立配置され、第1の給電基板30及び第2の給電基板40が、それぞれの中央領域で互いに垂直に交差する。
【0033】
しかし、本発明はこれに限定されない。本発明の変形実施例で、給電部20は3つ以上の給電基板を含み、3つ以上の給電基板が構造的対称性を有する多様な方式で互いに交差してベース基板10上に支持される。
【0034】
第1の給電基板30は、第1の絶縁基板310及び、第1の絶縁基板310上に配置された第1の給電ライン320を含む。第2の給電基板40は、第2の絶縁基板410及び、第2の絶縁基板410上に付着された第2の給電ライン420を含む。
【0035】
第1の給電ライン320及び第2の給電ライン420は、それぞれ放射板50に高周波電気信号を供給する。図示された実施例で、第1の給電ライン320及び第2の給電ライン420はそれぞれ、放射板50と短距離で離間されて電気的に容量性カップリングされることとして例示された。しかしながら、本発明はこれに限定されず、他の実施例で、第1の給電ライン320及び第2の給電ライン420はそれぞれ放射板50に直接電気的に接触されてもよい。
【0036】
第1の給電基板30は、その一側長辺に形成された1つ以上の第1の基板締結突出部314を含む。第2の給電基板40は、その一側長辺に形成された1つ以上の第2の基板締結突出部414を含む。
【0037】
これに対応し、ベース基板10は、第1の給電基板30の第1の基板締結突出部314が挿入される第1の基板側締結溝及び第2の給電基板40の第2の基板締結突出部414が挿入される第2の基板側締結溝を含む。
【0038】
図示された本発明の一実施例で、第1の基板締結突出部314及び第2の基板締結突出部414はそれぞれ2つずつ形成され、これに対応して第1の基板側締結溝及び第2の基板側締結溝図も二つずつ形成されることが例示された。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施例で、基板締結突出部及び締結溝の個数は選択的に可変され、さらに、第1の給電基板30及び第2の給電基板40は挿入締結方式ではなく接着又は別途の結合部材によってベース基板10上に締結されてもよい。
【0039】
第1の給電基板30は、その一側長辺に形成された第1の係合スリット316を含む。第1の係合スリット316は、第1の給電基板30の一側長辺の中央から第1の給電基板30の内部に延びる一字状開口部であってもよい。
【0040】
同様に、第2の給電基板40は、その他側長辺に形成された第2の係合スリット416(図示せず)を含む。第2の係合スリット416は、第2の給電基板40の他側長辺の中央から第2の給電基板40の内部に延びる一字状開口部である。
【0041】
第1の係合スリット316及び第2の係合スリット416を介して第1の給電基板及び第2の給電基板は互いに交差するように配置される。
【0042】
本発明の一実施例で、第1の給電基板30及び第2の給電基板40はその構造及び電気的特性が実質的に同一である。例えば、第1の給電基板30及び第2の給電基板40の長さ、幅、厚さは大部分同一であり、ただ、第1の給電基板30及び第2の給電基板40が互いに交差するためのそれぞれの構造的特徴、例えば係合スリットの方向及び構造とそれに応じた給電ラインの一部の形状のみが互いに異なる。
【0043】
放射板50は、給電部20上で、即ち、第1の給電基板30及び第2の給電基板40上で支持される。本発明の一実施例で、放射板50は一面に付着された金属層を含む。放射板50は、ベース基板10に平行であり、第1の給電基板30及び第2の給電基板40に対して垂直に配置される。
【0044】
本発明の一実施例で、放射板50は長方形を有し、第1の給電基板30及び第2の給電基板40がそれぞれ放射板50の対角線方向を横切って配置されたものとして例示されている。しかし、本発明はこれに限定されない。放射板50の形状は、多角形、円形、又は環状であってもよい。
【0045】
放射板50は、1つ以上の第1の放射板側締結溝52及び、1つ以上の第2の放射板側締結溝54を含む。これに対応し、第1の給電基板30は、その他側長辺に形成された1つ以上の第1の放射板締結突出部312を含み、第2の給電基板40は、その他側長辺に形成された1つ以上の第2の放射板締結突出部412を含む。
【0046】
第1の放射板締結突出部312及び第2の放射板締結突出部412は、それぞれ第1の放射板側締結溝52及び第2の放射板側締結溝54に挿入され嵌合される。これにより、放射板50は、第1の給電基板30及び第2の給電基板40を介してベース基板10上に離間されて頑丈に支持される。
【0047】
第1の給電基板30の第1の給電ライン320は、放射板50の第1の地点P1に第1の基準位相信号を供給し、放射板50の第2の地点P2に第1の逆位相信号を供給する。
【0048】
同様に、第2の給電基板40の第2の給電ライン420は、放射板50の第3の地点P3に第2の基準位相信号を供給し、放射板50の第4の地点P4に第2の逆位相信号を供給する。
【0049】
ここで、第1の基準位相信号及び第1の逆位相信号は互いに逆の位相を有する高周波信号であり、第2の基準位相信号及び第2の逆位相信号も互いに逆の位相を有する高周波信号である。
【0050】
本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナで、放射板50上の第1の地点P1及び第2の地点P2をつなぐ直線及び放射板50上の第3の地点P3及び、 第4の地点P4をつなぐ直線は互いに直交する。すなわち、第1の地点P1及び第2の地点P2をつなぐ直線の方向に1つの偏波(45偏波)が放射され、第3の地点P3及び第4の地点P4をつなぐ直線の方向にもう1つの偏波(-45偏波)が放射される。
【0051】
第1の地点P1と第2の地点P2との間の距離L及び第3の地点P3と第4の地点P4との間の距離Lは、使用周波数帯域の中心周波数波長λcに依存するが、目標とする特性及び材料によって異なってくる。例えば、交差偏波間分離度、反電力ビーム幅及び放射板50材料の誘電率などによって変わる。
【0052】
本発明の一実施例で、第1の地点P1と第2の地点P2、そして第3の地点P3と第4の地点P4は、正方形の放射板50から最も離れた2つの地点に、例えば、対角線方向で向かい合う2つの頂点に隣接する。すなわち、本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナの第1の地点P1ないし第4の地点P4は、それぞれ正方形放射板50の4つの頂点にそれぞれ隣接する。したがって、本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナは、使用周波数に相応しながら最もコンパクトな構造を有する。
【0053】
図5は、本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナの製造方法を示す図である。
【0054】
図5を参照すると、本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナの給電基板及び放射板は、金属パターンが絶縁基板上に付着される方式で製造される。
【0055】
図5では、1つの給電基板を形成することを例示しているが、本発明によるとき、他の給電基板及び放射板も同じ工程で製造される。
【0056】
まず、図5(a)に図示されたように、給電基板の絶縁基板71及び粘着テープパターン72が準備される。
【0057】
本発明の一実施例で、絶縁基板71はプラスチック材料からなり、適切な重さ、強度及び高耐熱性を有しながら適切な誘電率(絶縁性)を有する材料から選択される。
【0058】
すなわち、従来、印刷回路基板をなす素材、例えばポリイミドでない他の素材が選択されてもよく、構造的安定性が保証される限り、十分に軽くて加工性が容易な素材として選択される。
【0059】
粘着テープパターン72は、絶縁基板71上に形成しようとする導電パターンの形状に相応する形状を有する。粘着テープ72は、絶縁基板71に対する接着性能に優れた材料からなり、その種類は選択された絶縁基板71の材料によって変わる。図示されていないが、粘着テープパターン72は剥離フィルムをさらに含み、粘着テープパターン72が絶縁基板71上に付着された後、剥離フィルムが除去される。
【0060】
その後、図5(a)と(b)の間の過程で、粘着テープパターン72を絶縁基板71にラミネートする。
【0061】
その後、図5(b)過程にて、絶縁基板71と粘着テープパターン72は仮接合状態を維持する。
【0062】
本明細書にて仮接合状態とは、十分な接着力を維持しているが、熱硬化などを介して完全に固着されてない状態を意味する。
【0063】
その後、図5(c)の過程で、防水接着技術(Waterproof Adhesion Technology、「WAT」)又はいわゆる異種素材接着技術処理がなされた金属パターン73が準備される。
【0064】
WAT技術は、多様な材料、特に金属とプラスチック間の異種素材に対する化学/物理的接合技術を意味し、本発明におけるWAT処理は、金属パターン73に複数のナノホール及びナノリンカーを形成する技術として理解される。
【0065】
金属パターン73は、養白、STS304(メッキ処理)、リン青銅(メッキ処理)、アルミニウム(メッキ処理)などの材質から成る。
【0066】
その後、図5(c)と(d)の間の過程で、WAT処理された金属パターン73を絶縁基板71及び粘着テープパターン72にアライニング(aligning)してラミネートする。
【0067】
これにより、図5(d)にて、絶縁基板71、粘着テープパターン72及び金属パターン73が仮接合された状態となる。
【0068】
その後、図5(d)と(e)の間の過程で、適正温度で一定時間加熱する熱硬化工程が遂行される。
【0069】
熱硬化工程の後、図5(e)のように、1つの給電基板が完成される。
【0070】
図6は、形成された給電基板の断面図である。
【0071】
図6を参照すると、形成された給電基板は、絶縁基板71、絶縁基板71上の粘着テープパターン層72、粘着テープパターン層72上のWAT処理層74及びWAT処理層74上の金属パターン73を含む。
【0072】
上の例示で、給電基板の製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されず、放射板50も同一の方式で製造される。
【0073】
図5及び図6を参照して説明した工程を通じ、適用環境に応じた要求、例えば絶縁性、耐熱性及び構造強度に適合しながらも、PCBに比べてより軽く、より取扱いが容易で、より成形性の良いプラスチック材料が選択される。
【0074】
本発明によるアンテナ素子が相対的に低周波特性を有する場合、このような特性がさらに強調される。
【0075】
なぜなら、低周波特性のアンテナで、放射素子は対角線の長さが約10cmに近いかそれより大きい構造物であり、これを印刷回路基板で製造する場合、大きさ、重量及び製造単価に相当な悪影響を及ぼすからである。
【0076】
一方、本発明によるとき、絶縁基板71の素材選択の自由度が保証され、素材切断、ラミネート、及び熱硬化など低コストの大規模処理が可能な工程のみでアンテナ素子構造物を製造できる利点がある。
【0077】
なお、金属パターン73は、絶縁基板71上にいかなる表面ギャップ又は浮き上がりなしに完全に密着される。これは、アンテナが高周波特性を有する場合、非常に敏感な要素となる。すなわち、印刷回路基板を使用しなくても適正な品質のアンテナ素子構造物が製造される。
【0078】
図7は、本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナアセンブリの透視斜視図である。
【0079】
図7を参照すると、本発明の一実施例に係る二重偏波アンテナアセンブリは、ケーシング2、ケーシング2の一面に配置された1つ以上の二重偏波アンテナ、及び複数の二重偏波アンテナを覆うレドーム3を含む。ケーシング2は、1つ以上の二重偏波アンテナを支持するように構成される。
【0080】
本実施例で、それぞれの二重偏波アンテナは、先に図1ないし図6を参照して説明した二重偏波アンテナと実質的に同一であり、複数の二重偏波アンテナは1つのベース基板10を共有する。
【0081】
以上の説明は、本実施例の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本実施例は、本実施例の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本実施例の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施例の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本実施例の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0082】
[関連出願への相互参照(CROSS-REFERENCE TO RELATED APPLICATIOIN)]
本特許出願は、本明細書にその全体が参考として含まれる、2021年6月16日付にて韓国に特許出願した特許出願番号第10-2021-0078324号に対して優先権を主張する。
【符号の説明】
【0083】
1 二重偏波アンテナ 10 ベース基板
20 給電部 30 第1の給電基板
40 第2の給電基板 50 放射板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】