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▶ グラフィック パッケージング インターナショナル インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】液体用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/06 20060101AFI20240514BHJP
   B65D 3/12 20060101ALI20240514BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20240514BHJP
   B65D 65/46 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B65D3/06 B
B65D3/12 Z
B65D65/40 D
B65D65/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573431
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 US2022031014
(87)【国際公開番号】W WO2022251414
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/194,420
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504075588
【氏名又は名称】グラフィック パッケージング インターナショナル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】スロート,ジェフリー,ティー.
【テーマコード(参考)】
3E086
【Fターム(参考)】
3E086AA02
3E086AB01
3E086AD06
3E086BA04
3E086BA14
3E086BA15
3E086BB71
3E086CA01
3E086CA11
3E086DA08
(57)【要約】
容器は、容器の内部の周りに少なくとも部分的に延在する側壁を備えることができ、側壁は、少なくとも第1の端部マージンと第2の端部マージンとを有することができる。側壁は、少なくとも、側壁基材層と、容器の内部に沿って延在する側壁ベースコートと、側壁の少なくとも第1の端部マージンに沿って位置合わせして延在する二次層とを備えることができる。容器は、少なくとも部分的に重なり合う関係で第1の端部マージンと第2の端部マージンとを含む側壁継ぎ目を更に備えることができる。第1の端部マージンに沿って延在する二次層及び側壁ベースコートは、協働してヒートシールを側壁継ぎ目に沿って形成することができる。
【選択図】図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器であって、
該容器の内部の周りに少なくとも部分的に延在する側壁であって、該側壁は、少なくとも第1の端部マージンと第2の端部マージンとを有し、該側壁は、少なくとも、側壁基材層と、該容器の前記内部に沿って延在する側壁ベースコートと、前記側壁の少なくとも前記第1の端部マージンに沿って位置合わせして延在する二次層とを備える、側壁と、
少なくとも部分的に重なり合う関係で前記第1の端部マージンと前記第2の端部マージンとを含む側壁継ぎ目と、
を備え、
前記第1の端部マージンに沿って延在する前記二次層及び前記側壁ベースコートは、協働してヒートシールを前記側壁継ぎ目に沿って形成する、容器。
【請求項2】
前記側壁ベースコートは、前記第2の端部マージン上、及び前記第1の端部マージンと前記第2の端部マージンとの間に延在する前記側壁の一部分上で、前記容器の前記内部に沿って延在する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記側壁ベースコートは、前記第1の端部マージンに隣接して延在する前記側壁の一部分上で前記容器の前記内部に沿って延在する、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記第1の端部マージンに隣接して延在する前記側壁の一部分には、前記二次層がない、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記側壁ベースコートは、前記側壁基材層上に延在し、前記二次層は、前記第1の端部マージンに沿って延在する前記側壁基材層の一部分上に延在する、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記側壁ベースコート及び前記二次層のうちの少なくとも一方は、再生可能な材料、堆肥化可能な材料、及び生物由来の材料のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記側壁ベースコート及び前記二次層のうちの少なくとも一方は、EVA、PLA、及びPHAのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記第2の端部マージンに沿って延在する前記側壁の外表面の一部分は、前記側壁継ぎ目に沿った前記第1の端部マージンに沿って延在する前記二次層と係合する、請求項1に記載の容器。
【請求項9】
前記容器の前記内部に沿って延在する前記第2の端部マージンの一部分には、前記二次層がない、請求項1に記載の容器。
【請求項10】
前記容器の前記内部に沿って延在する底壁を更に備え、
前記側壁は、底部マージンを更に備え、
前記底壁の一部分及び前記底部マージンは、前記容器の底部継ぎ目に沿って重なり合う関係にあり、
前記底部マージンに沿って延在する前記二次層及び前記側壁ベースコートは、協働して底部ヒートシールを前記容器の前記底部継ぎ目に沿って少なくとも部分的に形成する、請求項1に記載の容器。
【請求項11】
前記底壁は、底壁基材層と、前記容器の前記内部に沿って延在する底壁ベースコートとを備え、前記底壁ベースコートは、前記側壁ベースコート及び前記二次層と協働して、前記底部ヒートシールを前記容器の前記底部継ぎ目に沿って少なくとも部分的に形成する、請求項10に記載の容器。
【請求項12】
容器を形成するためのブランクであって、
少なくとも第1の端部マージンと第2の端部マージンとを有する側壁であって、該側壁は、少なくとも、側壁基材層と、側壁ベースコートと、該側壁の少なくとも前記第1の端部マージンに沿って位置合わせして延在する二次層とを備える、側壁を備え、
前記第1の端部マージン及び前記第2の端部マージンは、前記容器が該ブランクから形成される際に側壁継ぎ目を形成するように少なくとも部分的に重なり合う関係で配置されるものであり、
前記第1の端部マージンに沿って延在する前記二次層及び前記側壁ベースコートは、前記容器が該ブランクから形成される際に協働してヒートシールを前記側壁継ぎ目に沿って形成するものである、ブランク。
【請求項13】
前記側壁ベースコートは、前記第2の端部マージン上、及び前記第1の端部マージンと前記第2の端部マージンとの間に延在する前記側壁の一部分上で、前記ブランクの内面に沿って延在する、請求項12に記載のブランク。
【請求項14】
前記側壁ベースコートは、前記第1の端部マージンに隣接して延在する前記側壁の一部分上で前記ブランクの前記内面に沿って延在する、請求項13に記載のブランク。
【請求項15】
前記第1の端部マージンに隣接して延在する前記側壁の一部分には、前記二次層がない、請求項12に記載のブランク。
【請求項16】
前記側壁ベースコートは、前記側壁基材層上に延在し、前記二次層は、前記第1の端部マージンに沿って延在する前記側壁基材層の一部分上に延在する、請求項12に記載のブランク。
【請求項17】
前記側壁ベースコート及び前記二次層のうちの少なくとも一方は、再生可能な材料、堆肥化可能な材料、及び生物由来の材料のうちの少なくとも一つを含む、請求項12に記載のブランク。
【請求項18】
前記側壁ベースコート及び前記二次層のうちの少なくとも一方は、EVA、PLA、及びPHAのうちの少なくとも一つを含む、請求項12に記載のブランク。
【請求項19】
前記容器の内面に沿って延在する前記第2の端部マージンの一部分には、前記二次層がない、請求項12に記載のブランク。
【請求項20】
前記側壁は、前記ブランクから形成された前記容器の底部継ぎ目に沿って底壁の少なくとも一部分と重なり合う関係となる底部マージンを更に備え、前記二次層及び前記側壁ベースコートは、前記底部マージンに沿って延在する、請求項12に記載のブランク。
【請求項21】
容器を形成する方法であって、
少なくとも第1の端部マージンと第2の端部マージンとを有する側壁ブランクを得るステップであって、前記側壁ブランクは、少なくとも、側壁基材層と、側壁ベースコートと、前記側壁ブランクの少なくとも前記第1の端部マージンに沿って位置合わせして延在する二次層とを備えている、側壁ブランクを得るステップと、
前記容器の内部の周りに少なくとも部分的に延在するように前記側壁ブランクを位置決めするステップと、
前記第1の端部マージン及び前記第2の端部マージンを少なくとも部分的に重ね合わせることによって側壁継ぎ目を形成するステップと、
前記側壁継ぎ目に沿ってヒートシールを形成するステップであって、前記ヒートシールは、前記第1の端部マージンに沿って延在する少なくとも前記二次層と前記側壁ベースコートとを含む、ヒートシールを形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記側壁ベースコートは、前記第2の端部マージン上、及び前記第1の端部マージンと前記第2の端部マージンとの間に延在する前記側壁ブランクの一部分上で、前記容器の前記内部に沿って延在する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記側壁ベースコートは、前記第1の端部マージンに隣接して延在する前記側壁ブランクの一部分上で前記容器の前記内部に沿って延在する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記側壁継ぎ目を形成するステップは、前記第2の端部マージンに沿って延在する前記側壁ブランクの外表面の一部分を、前記第1の端部マージンに沿って延在する前記二次層と係合させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記側壁ブランクは、底部マージンと、前記底部マージンに沿って延在する前記二次層及び前記側壁ベースコートとを更に備え、
前記方法は、
前記容器の前記内部に沿って底壁を位置決めするステップと、
前記底壁の一部分と前記底部マージンとを少なくとも部分的に重ね合わせることによって前記容器の底部継ぎ目を形成するステップと、
前記容器の前記底部継ぎ目に沿って底部ヒートシールを形成するステップであって、前記底部ヒートシールは、少なくとも前記二次層と前記側壁ベースコートとを含む、底部ヒートシールを形成するステップと、
を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記底壁は、底壁基材層と、前記容器の前記内部に沿って延在する底壁ベースコートとを備え、前記底壁ベースコートは、前記側壁ベースコート及び前記二次層と協働して、前記底部ヒートシールを前記容器の前記底部継ぎ目に沿って少なくとも部分的に形成する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
それぞれの容器を形成するための一つ以上の側壁ブランクを形成する方法であって、
基材材料を含む材料ウェブを得るステップと、
前記材料ウェブの少なくとも一部分にベースコートを塗布することでコーティングされたウェブを形成するステップと、
前記コーティングされたウェブに二次層を塗布するステップと、
前記コーティングされたウェブ内に側壁ブランクを少なくとも部分的に形成するステップであって、前記側壁ブランクは、少なくとも第1の端部マージンと第2の端部マージンとを有する、側壁ブランクを少なくとも部分的に形成するステップと、
を含み、
前記二次層は、前記側壁ブランクの前記第1の端部マージンと位置合わせされる、方法。
【請求項28】
前記ベースコートを塗布するステップは、前記材料ウェブ上に前記ベースコートをフラッドコーティングするステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ベースコートを塗布するステップは、前記側壁ブランクと位置合わせして前記ベースコートを塗布するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記二次層を塗布するステップは、前記側壁ブランクの前記第1の端部マージンと位置合わせして前記二次層を印刷するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記コーティングされたウェブに二次層を塗布するステップは、前記コーティングされたウェブ上に離間した複数の二次層を塗布するステップを含み、
前記コーティングされたウェブ内に側壁ブランクを少なくとも部分的に形成するステップは、前記コーティングされたウェブ内に複数の側壁ブランクを少なくとも部分的に形成するステップを含み、
前記複数の二次層の各二次層は、前記複数の側壁ブランクのそれぞれの側壁ブランクの前記第1の端部マージンと位置合わせされる、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年5月28日付けで出願された米国仮特許出願第63/194,420号の利益を主張する。
【0002】
[参照による援用]
2021年5月28日付けで出願された米国仮特許出願第63/194,420号の開示の全体が本明細書に提示されているかのように、あらゆる目的で引用することにより本明細書の一部をなす。
【背景技術】
【0003】
本開示は、概して、容器、並びに容器及び/又は他の好適な物品を形成するための構造体に関する。より具体的には、本開示は、基材と一つ以上のコーティングとを備える、液体(例えば、飲料)を保持するための構造体に関する。
【発明の概要】
【0004】
一般に、本開示の一つの態様は、概して容器に関する。容器は、容器の内部の周りに少なくとも部分的に延在する側壁を備えることができ、側壁は、少なくとも第1の端部マージンと第2の端部マージンとを有することができる。側壁は、少なくとも、側壁基材層と、容器の内部に沿って延在する側壁ベースコートと、側壁の少なくとも第1の端部マージンに沿って位置合わせして延在する二次層とを備えることができる。容器は、少なくとも部分的に重なり合う関係で第1の端部マージン及び第2の端部マージンを含む側壁継ぎ目を更に備えることができる。第1の端部マージンに沿って延在する二次層及び側壁ベースコートは、協働してヒートシールを側壁継ぎ目に沿って形成することができる。
【0005】
別の態様において、本開示は、概して、容器を形成するためのブランクに関する。ブランクは、少なくとも第1の端部マージンと第2の端部マージンとを有する側壁を備えることができる。側壁は、少なくとも、側壁基材層と、側壁ベースコートと、側壁の少なくとも第1の端部マージンに沿って位置合わせして延在する二次層とを備えることができる。第1の端部マージン及び第2の端部マージンは、容器がブランクから形成される際に側壁継ぎ目を形成するために少なくとも部分的に重なり合う関係で配置されるものとすることができる。第1の端部マージンに沿って延在する二次層及び側壁ベースコートは、容器がブランクから形成される際に協働してヒートシールを側壁継ぎ目に沿って形成するものとすることができる。
【0006】
別の態様において、本開示は、概して、容器を形成する方法に関する。本方法は、少なくとも第1の端部マージンと第2の端部マージンとを有する側壁ブランクを得るステップを含むことができる。側壁ブランクは、少なくとも、側壁基材層と、側壁ベースコートと、側壁ブランクの少なくとも第1の端部マージンに沿って位置合わせして延在する二次層とを備えることができる。本方法は、容器の内部の周りに少なくとも部分的に延在するように側壁ブランクを位置決めするステップと、第1の端部マージン及び第2の端部マージンを少なくとも部分的に重ね合わせることによって側壁継ぎ目を形成するステップと、側壁継ぎ目に沿ってヒートシールを形成するステップとを更に含むことができる。ヒートシールは、少なくとも、第1の端部マージンに沿って延在する二次層と側壁ベースコートとを含むことができる。
【0007】
別の態様において、本開示は、概して、それぞれの容器を形成するための一つ以上の側壁ブランクを形成する方法に関する。本方法は、基材材料を含む材料ウェブを得るステップと、コーティングされたウェブを形成するために、材料ウェブの少なくとも一部分にベースコートを塗布するステップと、コーティングされたウェブに二次層を塗布するステップと、コーティングされたウェブ内に側壁ブランクを少なくとも部分的に形成するステップとを含むことができる。側壁ブランクは、少なくとも第1の端部マージンと第2の端部マージンとを有することができ、二次層は、側壁ブランクの第1の端部マージンと位置合わせすることができる。
【0008】
当業者は、以下で列挙される図面を参照して実施形態の以下の詳細な説明を読むことによって、上記の利点、並びに種々の更なる実施形態の他の利点及び利益を理解するであろう。
【0009】
慣例によれば、以下で説明する図面の種々の特徴は、必ずしも一定の縮尺比で描かれているとは限らない。図面における種々の特徴及び要素の寸法は、本開示の実施形態をより明確に示すために拡大又は縮小されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本開示の例示的な実施形態に係る容器の側壁を形成するための側壁ブランクの平面図である。
図1B図1Aの側壁ブランクの概略断面図である。
図2A】本開示の例示的な実施形態に係る容器の底壁を形成するための底部ブランクの平面図である。
図2B図2Aの底部ブランクの概略断面図である。
図3】本開示の例示的な実施形態に係る、図1A及び図1Bの側壁ブランクと図2A及び図2Bの底部ブランクとから形成された容器の斜視図である。
図4A図3の容器の継ぎ目の概略断面図である。
図4B図3の容器の継ぎ目の概略断面図である。
図4C図3の容器の底部の一部分の概略断面図である。
図5A図1A及び図1Bの側壁ブランクを形成する例示的な方法を示す材料ウェブの概略平面図である。
図5B図1A及び図1Bの側壁ブランクを形成する例示的な方法を示す材料ウェブの概略平面図である。
図6A図1A及び図1Bの側壁ブランクを形成する代替的な例示的な方法を示す材料ウェブの概略平面図である。
図6B図1A及び図1Bの側壁ブランクを形成する代替的な例示的な方法を示す材料ウェブの概略平面図である。
図7A】本開示の例示的な実施形態に係る容器の底壁を形成するための代替的な底部ブランクの平面図である。
図7B図7Aの代替的な底部ブランクの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
対応する部分は、図面を通して対応する参照符号によって示されている。
【0012】
本開示は、包括的には、容器、構造体、トレイ、材料、パッケージ、要素、及び物品、並びにそのような容器、構造体、トレイ、材料、パッケージ、要素、及び物品を作製する方法の種々の態様に関する。いくつかの異なる態様、実施態様、及び実施形態が開示されているが、それらの種々の態様、実施態様、及び実施形態間の多くの相互関係、それらの組合せ、並びに変更が本明細書によって意図される。図示の一つの実施形態において、本開示は、食品、飲料、又は様々な他の物品を保持、加熱、調理、及び/又は遮蔽するための容器に関する。しかしながら、他の実施形態においては、容器は、食品では無い他のものを入れる物品を形成するために用いることもできるし、冷蔵又は他の用途に用いてもよい。本明細書において、「内側」、「内部」、「外側」、「外部」、「下側」、「底部」、「上側」、及び「頂部」という用語は、完全に起立及び直立したカートンに関して決定される向きを示す。
【0013】
図1Aは、概して103で示される側壁ブランクの内面101の平面図であり、図2Aは、概して107で示される底部ブランクの内面105の平面図であり、側壁ブランク103及び底部ブランク107は、本開示の例示的な実施形態に係る容器109(図3)を形成するために、協働して使用される。図示の実施形態において、容器109は、飲料及び/又は他の液体を保持するためのカップである。代替的に、容器109は、食料品及び/又は飲料品又は他の好適な液状の材料及び/又は固形の材料を保持するためのカップ、トレイ、ボウル等の任意の好適な容器であってもよい。容器109は、本開示の範囲から逸脱することなく、代替的に成形することができ、及び/又は代替的に形成することができる。
【0014】
図示の実施形態において、側壁ブランク103は、縦方向軸L1と横方向軸L2とを有する。図示の実施形態において、側壁ブランク103は、頂縁113と、底縁115と、頂縁113及び底縁115それぞれの端部から延在する第1の端縁117と第2の端縁119とを備える。一つの実施形態において、図3に例として示されているように、側壁ブランク103が、少なくとも部分的にテーパー状である(例えば、側壁の頂部の直径が側壁の底部の直径よりも大きい)略円筒形の側壁を形成するように、頂縁113は、凸曲線(例えば、底縁115から離れて延在する曲率半径を有する)を含むことができ、底縁115は、凹曲線(例えば、頂縁113に向かって延在する曲率半径を有する)を含むことができる。さらに、図1に示されているように、端縁117、119は、傾斜し、横方向軸L2に対して鋭角で延在したものとすることができる。図2Aに示されているように、底部ブランク107は、略円形の外周を有することができる。側壁ブランク103及び/又は底部ブランク107は、本開示から逸脱することなく、別様に成形、配置、位置決め、及び/又は構成することができる。例えば、縁113、115、117、119のうちの一つ以上は、本開示から逸脱することなく、直交又は略直交及び/又は直線又は略直線とすることができ、例えば、テーパー状ではない(例えば、略一定の直径を有する)円筒形の側壁を形成することができる。
【0015】
図1Bの概略断面図に示されているように、側壁ブランク103は、側壁ブランク103の外表面123に沿って延在する側壁基材又は支持層121と、側壁ブランク103の内面101に沿って延在する一次層又は側壁ベースコート125とを備えることができる。同様に、図2Bの概略断面図に示されているように、底部ブランク107は、底部ブランク107の外表面(又は底表面)129に沿って延在する底部基材又は支持層127と、底部ブランク107の内面105に沿って延在する底部ベース層又はコート131とを備えることができる。一つの実施形態において、基材121、127のそれぞれは、紙系材料(例えば、板紙、ボール紙等)の一つ以上の層から形成することができ、及び/又は他の任意の好適な材料から形成することができる。例示的な実施形態において、板紙又は他の基材材料は、クレーコート等を有さないものとすることができる。例示的な一実施形態において、ベースコート125、131は、少なくとも容器109が液体を保持するように意図されている限り、流体が基材に吸収される及び/又は基材を通過することを低減するのを助けることができる液体バリア層とすることができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、ベースコート125、131は、ポリエチレン(PE)又は同様の材料とすることができる。PE及び同様の材料は、安価であり得て、基材121、127に(例えば、押出し又はフラッドコーティングによって)容易に塗布することができ、以下でより詳細に説明するように、容器109の継ぎ目を形成するのに十分なヒートシール特性を提供することができる。しかしながら、実施形態において、PEは、再生不可能な供給源から作製され得る、及び/又はPEでコーティングされた紙系材料によって形成された容器をリサイクルする際に困難をもたらし得る(例えば、リサイクルのためにPEと紙系材料とを十分に分離して紙繊維及び/又はPE材料を回収することが困難であり得る)。いくつかの実施形態において、再生可能な供給源から少なくとも部分的に作製することができる、及び/又はより容易にリサイクルすることができる(例えば、紙系基材からより容易に分離することができる)、及び/又は(例えば、住宅環境及び/又は商業的堆肥化プロセスにおいて)堆肥化可能である材料をコーティングに使用することができる。そのような材料は、水性材料及び/又は他の好適な材料を含むことができる。しかしながら、これらの材料はより高価であり得るため、容器109に対して十分な液体バリアを提供することができ、容器109の継ぎ目のヒートシールを可能にするベースコート125、131を形成するのに十分な材料で基材121、127をコーティングすることは、望ましくないことに、包装のコストを上昇させ得る。ベースコート125、131の厚さを低減することにより、使用されるより高価な材料の量を低減することができるが、材料のヒートシール能力が低減される結果となり得る(例えば、ベースコートの厚さは、ヒートシールを形成するのに十分な熱質量を有さない可能性がある)。
【0017】
図示の実施形態において、側壁ブランク103は、側壁ブランク103の端部マージン135及び底部マージン137に沿って延在するヒートシール強化層又は二次層133を備えることができる。例示的な実施形態において、二次層133は、ベースコート125と同じ材料であってもよく、又は別の好適な材料であってもよい。例えば、ベースコート125及び二次層133は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリ乳酸(PLA)及びポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を含む生物系の材料、他のポリエステル、PE等の任意の好適な材料(例えば、基材をコーティングする及び/又はヒートシールを形成するのに好適な任意の材料)を任意の好適な組合せで含むことができる。材料は、水性エマルション中で塗布することができ、これをアニールして、エマルション中のポリマーを合体させ、それぞれの層を形成することができる。代替的に、層のうちの一つ以上は、押出し又は他の好適な方法によって塗布してもよい。
【0018】
図1Aに示されているように、端部マージン135は、側壁ブランク103の端縁117に沿って延在し、底部マージン137は、側壁ブランク103の底縁115に沿って延在する。図示の実施形態において、側壁ブランク103の端縁119に沿って延在する、第1の端部マージン135とは反対側の第2の端部マージン139、及び頂部マージン141は、二次層133が少なくとも部分的になくてもよい(例えば、端部マージン139が底部マージン137と交差する場所、及び頂部マージン141が第1の端部マージン135と交差する場所を除いて)。代替的に、例示的な一実施形態においては、二次層133は、第2の端部マージン139及び/又は頂部マージン141において延在してもよい。実施形態において、二次層133の幅(例えば、二次層133が側壁ブランク103の縁から延在する距離)は、(例えば、以下でより詳細に説明する図4A乃至図4Cに示されるように)側壁継ぎ目及び底部継ぎ目における重なりの量に等しい(例えば、ほぼ等しい、概ね等しい、実質的に等しい等)。例えば、容器は、約5mm乃至約10mmの重なり又は他の好適な量の重なりを有することができる。実施形態において、二次層133が継ぎ目の幅内に収まるように又はそれに合致するように構成することは、材料の無駄を回避して、容器109のコストを制御すること及び/又は容器の製造が環境に与える影響を低減させることに役立ち得る。いくつかの実施形態において、二次層133は、例えば、側壁ブランク103の表面の10%未満又は略10%未満を覆うことができる。例示的な一実施形態において、二次層133は、例えば、側壁ブランク103の表面の約5%以下を覆うことができる。
【0019】
図示の実施形態において、二次層133は、以下でより詳細に説明するように、端部マージン135及び底部マージン137に沿ったベースコート125の厚さに加えて、シールされた継ぎ目を形成し、底部ブランク107を側壁ブランク103に取り付けるのに十分な材料をそれぞれ提供するような厚さを有することができる。一つの実施形態において、二次層133は、基材121上のヒートシール材料の厚さを二倍にすることができる。実施形態において、層(例えば、二次層133及び/又はベースコート125、131)の厚さは、ブランクを形成する際にウェブに塗布される水性エマルションの量(例えば、重量)から得ることができる。例えば、二次層133は、基材121の1000平方フィートあたり約0.1ポンド乃至約3ポンドのエマルションで、約50%の固体を有する水性エマルションで塗布され得る。そのような塗布により、アニール前に約2ミクロン乃至約50ミクロンの厚さを有することができ、例えば、乾燥後に約2ミクロン乃至約25ミクロンの厚さを有する二次層133をもたらすことができる。本開示から逸脱することなく、ベースコート125、131及び/又は二次層133のいずれかを省略することができるか、又は別様に成形、配置、位置決め、及び/又は構成することができる。例えば、二次層133は、第1の端部マージン135に加えて、又はその代わりに、第2の端部マージン139上に延在することができる。
【0020】
図示の実施形態において、側壁ブランク103及び底部ブランク107は、図3に示されているような内部142を有する容器109に形成することができる。例えば、側壁ブランク103は、(例えば、マンドレル(不図示)の周りに)曲げて湾曲させて、容器109の側壁143を形成することができる。図3に示されているように、それぞれの端縁117、119に隣接する端部マージン135、139は、互いに重なり合って側壁143の継ぎ目145を形成する。図4A及び図4Bの概略断面図に示されているように、継ぎ目145は、第1の端部マージン135及び第2の端部マージン139に沿って延在する基材121の部分間に位置決めされる、第1の端部マージン135に沿って延在するベースコート125及び二次層133の部分を含む。第2の端部マージン139に沿って延在するベースコート125の一部分は、容器109の内部142に面する。一つの実施形態において、ベースコート125及び二次層133は、協働してヒートシールを継ぎ目145に沿って形成することができ、ベースコート125及び二次層133が端部マージン135、139をともに融合し、シール(例えば、防液又は耐液シール)を形成するように、熱及び/又は圧力を継ぎ目に沿って印加することができる。側壁143及び/又は継ぎ目145は、本開示から逸脱することなく、別様に形成することができる。
【0021】
図3及び図4Cに示されているように、底部ブランク107は、側壁143の内面101に固定されて、容器109の底壁147を形成することができる。図示の実施形態において、底壁147及び側壁143は、容器109の内部142の周りに延在し、それを形成することができる。一つの実施形態において、底壁147のマージン部分149は、底壁の中心部分に対して折り曲げられ、側壁143の底部マージン137と対面接触して取り付けられて、底部継ぎ目151(図4C)を形成することができる。底壁147のマージン部分149及び側壁143の底部マージン137は、熱及び/又は圧力を印加することによって、ともにヒートシールすることができ、したがって、底部マージン137の二次層133は、底部マージン137のベースコート125及び/又はマージン部分149のベースコート131と協働して、マージン部分149及び底部マージン137をともに融合し、シール(例えば、防液又は耐液シール)を底部継ぎ目151に沿って形成する。底壁147は、本開示から逸脱することなく、別様に形成することができ、及び/又は別様に側壁143にシールすることができる。
【0022】
例示的な一実施形態において、図5A及び図5Bに示されているように、側壁ブランク103は、材料ウェブ153上に配列して形成することができる。一つの実施形態において、材料ウェブ153は基材材料とすることができる。ベースコート125は、所定の重量及び/又は厚さ(例えば、所望の耐液層を形成するのに十分な厚さ)で材料ウェブ153に(例えば、フラッドコーティング、押出し、印刷等によって)塗布することができる。コーティングされたウェブは、アニール、乾燥、及び/又は冷却することができ、それぞれの側壁ブランク103の二次層133は、ウェブ内の側壁ブランク103の第1の端部マージン135及び底部マージン137となるものに沿って位置合わせして、コーティングされたウェブに塗布することができる(図5A)。例えば、二次層133は、印刷板又は印刷ローラー(例えば、グラビア印刷)等によって、コーティングされたウェブ上に印刷することができる。二次層133を有するウェブをアニール、乾燥、及び/又は冷却した後、ウェブをそれぞれの側壁ブランク103の縁に沿って切断し、側壁ブランク103の外周に沿って延在する切取り線155を形成することができる(図5B)。側壁ブランク103は、それぞれの切取り線155に沿ってウェブからブランクを分離することによって、ウェブから取り外すことができる。側壁ブランク103は、本開示から逸脱することなく、別様に形成することができる。
【0023】
別の実施形態において、図6A及び図6Bに示されているように、各側壁ブランク103のベースコート125は、それぞれの側壁ブランクと位置合わせして材料ウェブ153上に印刷することができる(図6A)。コーティングされたウェブは、アニール、乾燥、及び/又は冷却することができ、二次層133は、第2の印刷ステーションで位置合わせして印刷することができる。その後、ウェブを乾燥及び/又は冷却することができ、側壁ブランク103をウェブから切り取ることができる。側壁ブランク103は、本開示から逸脱することなく、別様に形成することができる。
【0024】
図7A及び図7Bに示されている代替的な実施形態では、二次層133’は、底部ブランク125’のマージン部分149’に沿って形成することができる。実施形態において、二次層133’は、底部継ぎ目151が形成される際に、側壁143の底部マージン137内に延在する二次層133を置換又は補完することができる。底部ブランク125’は、本開示から逸脱することなく、別様に成形、配置、位置決め、及び/又は構成することができる。
【0025】
上述した又は別様に本開示に含まれる寸法及び/又は他のパラメーターは、いずれも近似値であり、本開示の範囲から逸脱することなく、記載されたものよりも大きくても小さくてもよく、又は列挙された範囲内であっても範囲外であってもよい。本開示の種々の他の実施形態は、本明細書に含まれる寸法を上回る又は下回る寸法を含み得るため、本明細書において提示される寸法情報の全ては、本開示の或る特定の態様の例証であることを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0026】
本発明に係るブランクは、例えば、コーティングされた板紙及び同様の材料から形成することができる。例えば、ブランクの内面及び/又は外面をクレーコートでコーティングすることができる。次に、クレーコート上に製品、広告、価格コード、及び他の情報又は画像を印刷してもよい。次に、ブランクに印刷されているあらゆる情報を保護するように、ブランクをワニスでコーティングすることができる。ブランクの片面又は両面を、例えば防湿層でコーティングすることもできる。
【0027】
例示的な実施形態によると、ブランク及び/又は他の構造体は、通常の紙よりも重く硬質であるような厚さ(caliper)の板紙で作製してもよい。ブランクは、ボール紙、硬化紙等の他の材料、又はカートンパッケージが少なくとも概して上述したように機能することを可能にするのに適した特性を有する任意の他の材料で作製することもできる。
【0028】
前述の説明は、本開示の種々の実施形態を例示及び説明するものである。本開示の範囲から逸脱することなく、種々の変更を上記構成内でなし得るため、上記説明に含まれるか又は添付図面に示されている全ての事項が、限定的な意味ではなく例示として解釈されることが意図される。さらに、本開示の範囲は、上述の実施形態の種々の変更形態、組合せ及び変形形態等をカバーする。加えて、本開示は、選択された実施形態のみを図示及び説明しているが、種々の他の組合せ、変更形態及び環境が意図され、本明細書で述べられているような発明概念の範囲内にあり、上記教示と同等であり、及び/又は関連技術分野の技術若しくは知識内にある。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、各実施形態の或る特定の特徴及び特性を選択的に入れ替え、他の説明された実施形態及び説明されていない実施形態に適用することができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
【国際調査報告】