(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】不眠症を治療するための組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/56 20060101AFI20240514BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240514BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20240514BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A61K31/56
A61K45/00
A61P25/20
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573591
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 CN2022094332
(87)【国際公開番号】W WO2022247763
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/095700
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523449551
【氏名又は名称】ゼジアン ジャーチ ディベロップメント ファーマシューティカルズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ジュン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA13
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA56
4C084MA58
4C084MA63
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA051
4C084ZC511
4C084ZC75
4C086DA10
4C086GA16
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA52
4C086MA56
4C086MA58
4C086MA63
4C086MA65
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA05
4C086ZC51
(57)【要約】
不眠症を治療するための方法及び組成物であって、式Aもしくは式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含む、方法及び組成物を提供する。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、閉経周辺期段階にあるか、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体における不眠症を治療する方法であって、前記個体に、有効量の、式Aの化合物:
【化1】
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、
a)R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化2】
が一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化3】
が一重結合を表し、R
2及びR
4が、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、または
R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化4】
が二重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化5】
が一重結合を表し、R
2が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3が存在せず、R
4が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、または
R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化6】
が一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化7】
が二重結合を表し、R
2が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3が存在せず、R
4が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
b)R
1が、C
1~C
3アルキルであり、
c)R
5、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14が、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
d)R
6が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
e)R
9が、水素及び-C(=O)R
9aからなる群から選択され、
f)R
10が、水素及び-C(=O)R
10aからなる群から選択され、
g)R
9a及びR
10aは、独立して、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルからなる群から選択され、前記C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換され、
h)R
11が、水素及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される、前記方法。
【請求項2】
R
9及びR
10が、独立して、水素または-C(=O)CH
2CH
3である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R
1及びR
11の一方または両方が、-CH
3である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14のうちのいずれか1つ以上が、水素である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物が、アノルドリンである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記個体がメスである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記個体が、ヒトである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記個体が、閉経周辺期段階にあるか、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記個体が、閉経後の女性である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記個体が、低レベルのエストロゲンを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
各投与に対する前記化合物の用量が、ヒトでは少なくとも約20μg、またはヒトではない個体では同等の用量である、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは少なくとも約50μg、またはヒトではない個体では同等の用量である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは少なくとも約100μg、またはヒトではない個体では同等の用量である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは少なくとも約150μg、またはヒトではない個体では同等の用量である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは2mg以下、またはヒトではない個体では同等の用量である、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは約20μg~約2mg、またはヒトではない個体では同等の用量である、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは約20μg~約200μg、またはヒトではない個体では同等の用量である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは約400μg~約2mg、またはヒトではない個体では同等の用量である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、毎日投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記組成物が、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物が、毎週投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物が、静脈内、動脈内、腹腔内、膀胱内、皮下、髄腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼内、経皮、経口、または吸入によって投与される、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記組成物が、経口投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記方法が、第2の薬剤を投与することをさらに含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記個体におけるエストロゲンレベルを評価することをさらに含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記不眠症が、慢性不眠症である、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
不眠症を治療するための単位剤形であって、a)式Iの化合物を含む組成物であって、前記化合物の量が約20μg~約2mgの範囲である、前記組成物、及びb)薬学的に許容される担体、を含む、前記単位剤形。
【請求項30】
不眠症を治療するための、有効量の、式Iの化合物を含む組成物の使用。
【請求項31】
不眠症を治療するための、式Iの化合物を含む、組成物。
【請求項32】
キットであって、a)式Iの化合物を含む組成物、及びb)不眠症を治療するために前記キットを使用するための説明書、を含む、前記キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月25日に出願された国際出願第PCT/CN2021/095700号の優先権を主張し、その内容は、参照により、全ての目的に関してそれらの全体が組み込まれる。
【0002】
本発明は、不眠症を治療する方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
睡眠は、健康及び生活の質に不可欠である。不眠症は、世界中で増大している健康問題である。不眠症は、入眠困難(睡眠開始)、夜間に頻繁に目が覚める(断片的な睡眠)、早期覚醒(早期の最終的な目覚め)、及び/またはリフレッシュされていないように感じる目覚めを特徴とする状態である。全米睡眠財団(NSF)のSleep in America Poll 2005では、調査回答者の42%が、夜間に頻繁に目を覚まし、成人の22%が、早く起きすぎて眠りに戻ることができず、38%が、目が覚めた時にリフレッシュしていないと報告している。
【0004】
エストロゲンは、人間の生殖発達及び代謝を調節するホルモンである。例えば、卵巣摘出術及び血中エストロゲンレベルが低下した閉経後症状を受けた女性は、自律器官機能不全または萎縮症状を発症する。最も注記すべきこととして、これらには、ほてり、気分障害、不眠症、及び睡眠呼吸障害が含まれる。一般的に、閉経後の女性は睡眠にあまり満足しておらず、61%もの女性が不眠症の症状を報告している。
【0005】
エストロゲン(エストロゲン補充療法、ERT)またはエストロゲン及びプロゲステロン(ホルモン補充療法、HRT)による治療は、閉経期症状を緩和するのに役立つことが見出されている。しかし、最近の米国政府が資金提供した大規模な研究であるWomen’s Health Initiativeは、HRTを服用すると、女性が心血管疾患及び認知症のリスクにさらされる可能性があることが判明したため、安全性の懸念により中止された。また、エストロゲン治療は、乳癌及び子宮内膜癌などのホルモン誘発性のがんを引き起こす可能性があることも広く認識されていた。
【0006】
本明細書で言及されるあらゆる刊行物、特許、特許出願、及び公開された特許出願の開示内容は、参照により本明細書にそれらの全体が組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願は、個体における不眠症を治療する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。
【0008】
本出願は、一態様において、個体における不眠症を治療する方法であって、個体に、式Iの化合物
【化1】
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを投与することを含み、a)R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化2】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化3】
は一重結合を表し、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、またはR
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化4】
は二重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化5】
は一重結合を表し、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、またはR
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化6】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化7】
は二重結合を表し、R
2は水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、b)R
1は、C
1~C
3アルキルであり、c)R
5、R
7、R
8、R
12、R
13及びR
14は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、d)R
6は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、e)R
9は、水素及び-C(=O)R
9aからなる群から選択され、f)R
10は、水素及び-C(=O)R
10aからなる群から選択され、g)R
9a及びR
10aは、独立して、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルからなる群から選択され、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換され、h)R
11は、C
1~C
3アルキルからなる群から選択される、方法が提供される。いくつかの実施形態では、R
9及びR
10は、独立して、水素または-C(=O)CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
1及びR
11の一方または両方は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14のうちのいずれか1つ以上は、水素である。
【0009】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。
【0010】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、メスである。
【0011】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。
【0012】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、閉経周辺期段階にあるか、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。
【0013】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、低レベルのエストロゲンを有する。
【0014】
上記の方法のうちのいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、アテネ不眠尺度(Athens Insomnia Scale)による少なくとも約7のスコアを有する。
【0015】
上記の方法のうちのいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、ピッツバーグ睡眠の質指数(Pittsburgh sleep quality index)(PSQI)による少なくとも約11のスコアを有する。
【0016】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、不眠症は、エプワース睡眠尺度(Epworth Sleeping Scale)などの他の睡眠障害質問票(SDQ)で評価される。いくつかの実施形態では、不眠症は、睡眠モニターで評価される。
【0017】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない。
【0018】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは少なくとも約20μg、またはヒトではない個体では同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは少なくとも約50μg、またはヒトではない個体では同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは少なくとも約100μg、またはヒトではない個体では同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは少なくとも約150μg、またはヒトではない個体では同等の用量である。
【0019】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは1mg以下、またはヒトではない個体では同等の用量である。
【0020】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約2mg、またはヒトではない個体で同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約200μg、またはヒトではない個体では同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約400μg~約2mg、またはヒトではない個体では同等の用量である。
【0021】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μg(例えば、約50μg、約100μg、または約150μg)の投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。
【0022】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、組成物は、静脈内、動脈内、腹腔内、膀胱内、皮下、髄腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼内、経皮、経口、または吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0023】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、この方法は、第2の薬剤を投与することをさらに含む。
【0024】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、方法は、個体におけるエストロゲンレベルを評価することをさらに含む。
【0025】
上記の方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、不眠症は、慢性不眠症である。
【0026】
本出願の別の態様において、不眠症を治療するための単位剤形であって、a)化合物の量が約20μg~約2mgの範囲である、式Iの化合物を含む組成物、及びb)薬学的に許容される担体を含む、単位剤形が提供される。
【0027】
本出願の別の態様において、不眠症を治療するための、有効量の、式Iの化合物(例えば、アノルドリン)を含む組成物の使用が提供される。
【0028】
本出願の別の態様において、不眠症を治療するための、式Iの化合物(例えば、アノルドリン)を含む組成物が提供される。
【0029】
本出願の別の態様において、a)式Iの化合物を含む組成物、及びb)不眠症を治療するためのキットを使用するための説明書を含む、キットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【0031】
【
図2】アテネ不眠尺度(AIS)を使用した、不眠症の自己評価のための例示的な表を示す。
【0032】
【
図3】アノルドリンによる治療後のAIS番号の変化を示す。
【0033】
【0034】
【
図5】アノルドリンが、神経細胞の培養物中でATPサージを誘導することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本出願は、不眠症を治療するための方法及び組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本出願は、個体における不眠症を治療するための組成物及び組成物を使用する方法を提供し、組成物は、式Aの化合物:
【化8】
【0036】
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含み、a)R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化9】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化10】
は一重結合を表し、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、またはR
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化11】
は二重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化12】
は一重結合を表し、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、またはR
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化13】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化14】
は二重結合を表し、R
2は水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、b)R
1は、C
1~C
3アルキルであり、c)R
5、R
7、R
8、R
12、R
13及びR
14は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、d)R
6は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、e)R
9は、水素及び-C(=O)R
9aからなる群から選択され、f)R
10は、水素及び-C(=O)R
10aからなる群から選択され、g)R
9a及びR
10aは、独立して、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルからなる群から選択され、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換され、h)R
11は、水素及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
11は、水素またはCH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、水素である。いくつかの実施形態では、R
9aは、-CH
2CH
3であり、及び/またはR
10aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、方法は、個体にアノルドリンまたはその類似体を投与することを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、本出願は、個体における不眠症を治療するための組成物及びその使用方法を提供し、組成物は、式(I)の化合物:
【化15】
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含み、a)R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化16】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化17】
は一重結合を表し、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、またはR
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化18】
は二重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化19】
は一重結合を表し、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、またはR
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化20】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化21】
は二重結合を表し、R
2は水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、b)R
1は、C
1~C
3アルキルであり、c)R
5、R
7、R
8、R
12、R
13及びR
14は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、d)R
6は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、e)R
9は、水素及び-C(=O)R
9aからなる群から選択され、f)R
10は、水素及び-C(=O)R
10aからなる群から選択され、g)R
9a及びR
10aは、独立して、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルからなる群から選択され、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換され、h)R
11は、C
1~C
3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
11は、CH
3である。いくつかの実施形態では、R
9aは、-CH
2CH
3であり、及び/またはR
10aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、方法は、個体にアノルドリンまたはその類似体を投与することを含む。
【0038】
本出願は、代表的な化合物であるアノルドリンの治療下で、閉経後の女性が呈する不眠症の治療における著しく有利な効果に少なくとも部分的に基づいている。アノルドリンは、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)のうちの1つであり、選択的エストロゲン受容体モジュレーターは、異なる組織において様々なエストロゲンアゴニスト及びアンタゴニスト活性を有する合成非ステロイド剤のクラスである。異なるSERMがいくつかの組織でエストロゲンアゴニストとしてどのように作用し、他の組織でエストロゲンアンタゴニストとしてどのように作用するかは、今日まで明確に確立されていない。集中的に試験された様々なSERMの大部分は、不眠症の治療にいかなる既知の効果も有していない。Pinkerton et al.J Steroid Biochem Mol Biol.2014 Jul;142:142-54を参照されたい。本出願では、様々な投与量のアノルドリンで治療された不眠症を有する閉経後の女性の100%が、睡眠において有意な改善を示したことが示された。実施例1を参照されたい。さらに、アノルドリンは、良好な安全性プロファイルを有し、長期間使用することができる。少なくともこれらの理由から、本明細書に記載の組成物及び方法は、エストロゲンレベルが低く、不眠症に苦しむ女性に理想的な解決策を提供する。
【0039】
定義
本明細書で使用される「有効量」という用語は、症状のうちの1つ以上を緩和する、一次的に和らげる、低減する、及び/または遅延させるなどの特定の障害、状態または疾患を治療するのに十分な量の化合物または組成物を指す。不眠症に関して、いくつかの実施形態では、有効量は、1)アテネ不眠尺度(AIS)スコア(治療前と比較した治療後の自己評価AISスコアの低下など)、2)ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)スコア(治療前と比較した治療後の自己評価PSQIスコアの低下など)、3)他の睡眠障害質問票(SDQ)(エプワース睡眠尺度など)に反映された不眠症の程度、4)睡眠モニターによる睡眠機能不全評価尺度(SDRS)における低下を起こすか、5)または不眠症を防止するのに十分な量を含む。
【0040】
「個体」という用語は、ヒトを含む哺乳動物である。個体としては、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類、または霊長類が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。
【0041】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合する」とは、生物学的にまたは他の方法で望ましくない物質を意味し、例えば、物質は、任意の顕著な望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、またはそれが含有される組成物の他の成分のうちのいずれかと有害な方法で相互作用することなく、患者に投与される薬学的組成物に組み込まれてもよい。薬学的に許容される担体または賦形剤は、好ましくは、毒性試験及び製造試験の必要な基準を満たしている、及び/または米国食品医薬品局によって調製された不活性成分ガイドに含まれている。
【0042】
「アルキル」は、直鎖状または分岐状の飽和炭化水素である。例えば、アルキル基は、1~12個の炭素原子(すなわち、(C1~C12アルキル))、または1~10個の炭素原子(すなわち、(C1~C10アルキル))、または1~8個の炭素原子(すなわち、(C1~C8アルキル))、または1~6個の炭素原子(すなわち、(C1~C6アルキル))、または1~4個の炭素原子(すなわち、(C1~C4アルキル)を有することができる。好適なアルキル基の例としては、メチル(Me、-CH3)、エチル(Et、-CH2CH3)、1-プロピル(n-Pr、n-プロピル、-CH2CH2CH3)、2-プロピル(i-Pr、i-プロピル、イソプロピル、-CH(CH3)2)、1-ブチル(n-Bu、n-ブチル、-CH2CH2CH2CH3)、2-メチル-1-プロピル(i-Bu、i-ブチル、-CH2CH(CH3)2)、2-ブチル(s-Bu、s-ブチル、-CH(CH3)CH2CH3)、2-メチル-2-プロピル(t-Bu、t-ブチル、-C(CH3)3)、1-ペンチル(n-ペンチル、-CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ペンチル(-CH(CH3)CH2CH2CH3)、3-ペンチル(-CH(CH2CH3)2)、2-メチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH2CH3)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH3)CH(CH3)2)、3-メチル-1-ブチル(-CH2CH2CH(CH3)2)、2-メチル-1-ブチル(-CH2CH(CH3)CH2CH3)、1-ヘキシル(-CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ヘキシル(-CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3-ヘキシル(-CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CH3)2CH2CH2CH3)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH3)(CH2CH3)2)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH(CH3)2)、及び3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH3)C(CH3)3が含まれるが、それに限定されない。Cxアルキルは、x個の炭素原子を有するアルキル基を指す。
【0043】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖炭化水素である。例えば、アルケニル基は、2~12の炭素原子(すなわち、C2~C12アルケニル)、または2~10個の炭素原子(すなわち、C2~C10アルケニル)、または2~8の炭素原子(すなわち、C2~C8アルケニル)、または2~6個の炭素原子(すなわち、C2~C6アルケニル)、または2~4個の炭素原子(すなわち、C2~C4アルケニル)を有することができる。好適なアルケニル基の例としては、エチレンまたはビニル(-CH=CH2)、アリル(-CH2CH=CH2)、及び5-ヘキセニル(-CH2CH2CH2CH2CH=CH2)が挙げられるが、これらに限定されない。Cxアルケニルは、x個の炭素原子を有するアルケニル基を指す。
【0044】
「ヒドロキシル」は、-OH部分を指す。
【0045】
「ケト」は、(=O)部分を指す。
【0046】
「メルカプタン」は、-SH部分を指す。
【0047】
本明細書全体で使用される「任意選択的に置換された」という用語は、基が非置換であってもよく、その基について列挙された置換基のうちの1つ以上(例えば、1、2、または3つ)によって置換されてもよいことを意味する。例えば、「-C(=O)OHで任意選択的に置換されたC1~C6アルキル」は、C1~C6アルキルが、-C(=O)OHで置換され得るが、必ずしも置換される必要はないことを意味する。一実施形態では、任意選択的に置換される基は、1つの置換基を有する。一実施形態では、任意選択的に置換される基は、2つの置換基を有する。一実施形態では、任意選択的に置換される基は、非置換である。
【0048】
本明細書に記載の本発明の態様及び実施形態は、「からなる」及び/または「から本質的になる」態様及び実施形態を含むことが理解される。
【0049】
本明細書の値またはパラメータへの「約」の言及は、その値またはパラメータ自体に関する変動を含む(及び説明する)。例えば、「約X」に関する説明は、「X」の記述を含む。
【0050】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「or」、及び「the」は、その内容に別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。本明細書に記載の本発明の態様及び変形は、「からなる」及び/または「本質的にからなる」態様及び変形を含むことが理解される。
【0051】
本出願の方法
本出願は、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)を含む組成物を投与することを含む、方法を提供する。本出願は、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)を含む組成物を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、R9aは、-CH2CH3であり、及び/またはR10aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。いくつかの実施形態では、個体は、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約1mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約1mg)、またはヒトではない個体についての同等の用量である。いくつかの実施形態では、化合物は、少なくとも約2週間投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、毎週投与される。
【0052】
本出願は、一態様において、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、対象に、有効量の、式Aの化合物:
【化22】
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、a)R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化23】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化24】
は一重結合を表し、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、またはR
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化25】
は二重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化26】
は一重結合を表し、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、またはR
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化27】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化28】
は、二重結合を表し、R
2は水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、b)R
1は、C
1~C
3アルキルであり、c)R
5、R
7、R
8、R
12、R
13及びR
14は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、d)R
6は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、e)R
9は、水素及び-C(=O)R
9aからなる群から選択され、f)R
10は、水素及び-C(=O)R
10aからなる群から選択され、g)R
9a及びR
10aは、独立して、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルからなる群から選択され、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換され、h)R
11は、水素及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される、方法を提供する。いくつかの実施形態では、R
9及びR
10は、独立して、水素または-C(=O)CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、水素である。いくつかの実施形態では、R
11は、C
1~C
3アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1及びR
11の一方または両方は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
1は-CH
3であり、R
11は水素である。いくつかの実施形態では、R
1及びR
11の両方は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
11、R
12、R
13、及びR
14のうちのいずれか1つ以上は、水素である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14のうちのいずれか1つ以上は、水素である。いくつかの実施形態では、R
9及びR
10は、独立して、水素または-C(=O)CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
11、R
12、R
13、及びR
14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11など)は水素である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、または10など)は水素である。いくつかの実施形態では、R
9aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
10aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。いくつかの実施形態では、個体は、メスである。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。いくつかの実施形態では、個体は、低レベルのエストロゲンを有する。いくつかの実施形態では、個体は、アテネ不眠尺度による少なくとも約7のスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)による、少なくとも約11のスコアを有する。いくつかの実施形態では、不眠症は、睡眠モニターによるエプワース睡眠尺度、または睡眠機能不全評価尺度(SDRS)などの他の睡眠障害質問票(SDQ)によって評価される。いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、不眠症は、低レベルのエストロゲンと関連している。いくつかの実施形態では、不眠症は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後に関連する。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは少なくとも約20μg(少なくとも約50μg、100μgまたは150μgなど)、またはヒトではない個体では同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは2mg以下、またはヒトではない個体では同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約2mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)、またはヒトではない個体について同等の用量である。いくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、静脈内、動脈内、腹腔内、膀胱内、皮下、髄腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼内、経皮、経口、または吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0053】
本出願は、一態様において、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、個体に、有効量の、式Iの化合物:
【化29】
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、a)R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化30】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化31】
は一重結合を表し、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、またはR
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化32】
は二重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化33】
は一重結合を表し、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、またはR
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化34】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化35】
は、二重結合を表し、R
2は水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、b)R
1は、C
1~C
3アルキルであり、c)R
5、R
7、R
8、R
12、R
13及びR
14は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、d)R
6は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、e)R
9は、水素及び-C(=O)R
9aからなる群から選択され、f)R
10は、水素及び-C(=O)R
10aからなる群から選択され、g)R
9a及びR
10aは、独立して、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルからなる群から選択され、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換され、h)R
11は、C
1~C
3アルキルからなる群から選択される、方法を提供する。いくつかの実施形態では、R
9及びR
10は、独立して、水素または-C(=O)CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
1及びR
11の一方または両方は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14のうちのいずれか1つ以上は、水素である。いくつかの実施形態では、R
9及びR
10は、独立して、水素または-C(=O)CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
1及びR
11の一方または両方は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、または10など)は水素である。いくつかの実施形態では、R
9aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
10aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。いくつかの実施形態では、個体は、メスである。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。いくつかの実施形態では、個体は、低レベルのエストロゲンを有する。いくつかの実施形態では、個体は、アテネ不眠尺度による少なくとも約7のスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)による、少なくとも約11のスコアを有する。いくつかの実施形態では、不眠症は、睡眠モニターによるエプワース睡眠尺度、または睡眠機能不全評価尺度(SDRS)などの他の睡眠障害質問票(SDQ)によって評価される。いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、不眠症は、低レベルのエストロゲンと関連している。いくつかの実施形態では、不眠症は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後に関連する。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは少なくとも約20μg(少なくとも約50μg、100μgまたは150μgなど)、またはヒトではない個体では同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは2mg以下、またはヒトではない個体では同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約2mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)、またはヒトではない個体について同等の用量である。いくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、静脈内、動脈内、腹腔内、膀胱内、皮下、髄腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼内、経皮、経口、または吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0054】
いくつかの実施形態では、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法が提供され、個体に、有効量の、式II-A、III-AまたはIV-Aの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、式中、R9は、水素及び-C(=O)R9aからなる群から選択され、R10は、水素及び-C(=O)R10aからなる群から選択され、R9a及びR10aは、独立して、C1~C6アルキル及びC2~C6アルケニルからなる群から選択され、C1~C6アルキル及びC2~C6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換され、R1は、水素及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、R11は、C1~C3アルキルからなる群から選択される。
【0055】
いくつかの実施形態では、組成物は、式II-A-1、III-A-1、またはIV-A-1の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-A-1-a、III-A-1-a、またはIV-A-1-aの化合物を含む。いくつかの実施形態では、R9及びR10は、独立して、水素または-C(=O)CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R9aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R10aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R1及びR11の一方または両方は、-CH3である。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。いくつかの実施形態では、個体は、メスである。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。いくつかの実施形態では、個体は、異常なレベルのホルモン(エストロゲンなど)を有する。いくつかの実施形態では、個体は、アテネ不眠尺度による少なくとも約7のスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)による少なくとも約11のスコアを有する。いくつかの実施形態では、不眠症は、睡眠モニターによって、エプワース睡眠尺度または睡眠機能不全評価尺度(SDRS)などの他の睡眠障害質問票(SDQ)で評価される。いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、不眠症は、異常なレベルのエストロゲンと関連している。いくつかの実施形態では、不眠症は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後に関連する。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトについて約20μg~約2mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)、またはヒトではない個体について同等の用量である。いくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0056】
いくつかの実施形態では、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法が提供され、個体に、有効量の、式II-B、III-B、IV-B、II-C、III-C、及びIV-Cのいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、a)R2及びR4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、R3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC1~C3アルキルからなる群から選択されるか、または存在せず、b)R1は、C1~C3アルキルであり、c)R5、R7、R8、R12、R13及びR14は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、d)R6は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、e)R9a及びR10aは、独立して、C1~C6アルキル及びC2~C6アルケニルからなる群から選択され、C1~C6アルキル及びC2~C6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換され、f)R11は、C1~C3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-B、III-B、またはIV-Bの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-C、III-C、またはIV-Cの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-C-1、III-C-1、またはIV-C-1の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、R1及びR11は、独立して、C1アルキルである。いくつかの実施形態では、R9及びR10は、独立して、水素または-C(=O)CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R9aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R10aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R1及びR11の一方または両方は、-CH3である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、または10など)は水素である。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。いくつかの実施形態では、個体は、メスである。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。いくつかの実施形態では、個体は、低レベルのエストロゲンを有する。いくつかの実施形態では、個体は、アテネ不眠尺度による少なくとも約7のスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)による、少なくとも約11のスコアを有する。いくつかの実施形態では、不眠症は、睡眠モニターによって、エプワース睡眠尺度または睡眠機能不全評価尺度(SDRS)などの他の睡眠障害質問票(SDQ)で評価される。いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、不眠症は、低レベルのエストロゲンと関連している。いくつかの実施形態では、不眠症は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後に関連する。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約2mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)、またはヒトではない個体について同等の用量である。いくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0057】
いくつかの実施形態では、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、個体は、閉経周辺期段階にあるか、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、個体が、閉経周辺期段階にあるか、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体は、閉経周辺期段階にあるか、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けていることに基づいて治療のために選択される。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-A、III-A、またはIV-A(II-A-1、III-A-1、またはIV-A-1、例えばII-A-1-a、III-A-1-a、またはIV-A-1-aなど)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-B、III-B、IV-B、II-C、III-C、及びIV-Cのいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-B、III-B、またはIV-Bの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-C、III-C、またはIV-Cの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-C-1、III-C-1、またはIV-C-1の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、R9及びR10は、独立して、水素または-C(=O)CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R9aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R10aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R11は、水素である。いくつかの実施形態では、R11は、C1~C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R1及びR11の一方または両方は、-CH3である。いくつかの実施形態では、R1は-CH3であり、R11は水素である。いくつかの実施形態では、R1及びR11の両方は、-CH3である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R11、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11など)は水素である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、または10など)は水素である。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、低レベルのエストロゲンを有する。いくつかの実施形態では、個体は、アテネ不眠尺度による少なくとも約7のスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)による、少なくとも約11のスコアを有する。いくつかの実施形態では、不眠症は、睡眠モニターによって、エプワース睡眠尺度または睡眠機能不全評価尺度(SDRS)などの他の睡眠障害質問票(SDQ)で評価される。いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、不眠症は、低レベルのエストロゲンと関連している。いくつかの実施形態では、不眠症は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後に関連する。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約1mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)、またはヒトではない個体について同等の用量である。いくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0058】
いくつかの実施形態では、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、個体が低レベルのホルモン(例えば、エストロゲン)を有する、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、個体が低レベルのホルモン(例えば、エストロゲン)を有する、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体は、35pg/mLまたは18pg/mL未満の血清エストロゲンレベル(例えば、血清エストラジオール(E2)レベル、例えば、平均血清エストラジオールレベル)を有する。いくつかの実施形態では、個体は、40IU/Lを超える血清FSHレベルを有する。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-A、III-A、もしくはIV-Aの化合物(II-A-1、III-A-1、もしくはIV-A-1、例えば、II-A-1-a、III-A-1-a、もしくはIV-A-1-aなど)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-B、III-B、IV-B、II-C、III-C、及びIV-Cのいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-B、III-B、またはIV-Bの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-C、III-C、またはIV-Cの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-C-1、III-C-1、またはIV-C-1の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、R9及びR10は、独立して、水素または-C(=O)CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R9aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R10aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R11は、水素である。いくつかの実施形態では、R11は、C1~C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R1及びR11の一方または両方は、-CH3である。いくつかの実施形態では、R1は-CH3であり、R11は水素である。いくつかの実施形態では、R1及びR11の両方は、-CH3である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R11、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11など)は水素である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、または10など)は水素である。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。いくつかの実施形態では、個体は、メスである。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、閉経期に達する、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。いくつかの実施形態では、個体は、アテネ不眠尺度による少なくとも約7のスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)による、少なくとも約11のスコアを有する。いくつかの実施形態では、不眠症は、睡眠モニターによって、エプワース睡眠尺度または睡眠機能不全評価尺度(SDRS)などの他の睡眠障害質問票(SDQ)で評価される。いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、不眠症は、異常なレベルのエストロゲンと関連している。いくつかの実施形態では、不眠症は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後に関連する。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約1mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)、またはヒトではない個体について同等の用量である。いくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0059】
いくつかの実施形態では、ヒト個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、ヒト個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、各投与に対する化合物の用量が、ヒトでは約20μg~約2mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、ヒト個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、ヒト個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、各投与に対する化合物の用量が、ヒトでは約20μg~約2mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μg(例えば、約50μg、約100μg、または約150μg)の投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-A、III-A、またはIV-A(II-A-1、III-A-1、またはIV-A-1、例えばII-A-1-a、III-A-1-a、またはIV-A-1-aなど)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-B、III-B、IV-B、II-C、III-C、及びIV-Cのいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-B、III-B、またはIV-Bの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-C、III-C、またはIV-Cの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式II-C-1、III-C-1、またはIV-C-1の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、R9及びR10は、独立して、水素または-C(=O)CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R9aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R10aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R11は、水素である。いくつかの実施形態では、R11は、C1~C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R1及びR11の一方または両方は、-CH3である。いくつかの実施形態では、R1は-CH3であり、R11は水素である。いくつかの実施形態では、R1及びR11の両方は、-CH3である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R11、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11など)は水素である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、または10など)は水素である。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。いくつかの実施形態では、個体は、メスである。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、閉経期に達する、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。いくつかの実施形態では、個体は、低レベルのホルモン(エストロゲンなど)を有する。いくつかの実施形態では、個体は、アテネ不眠尺度による少なくとも約7のスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)による、少なくとも約11のスコアを有する。いくつかの実施形態では、不眠症は、睡眠モニターによって、エプワース睡眠尺度または睡眠機能不全評価尺度(SDRS)などの他の睡眠障害質問票(SDQ)で評価される。いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、不眠症は、低レベルのエストロゲンと関連している。いくつかの実施形態では、不眠症は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後に関連する。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約2mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)である。いくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0060】
いくつかの実施形態では、メス個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、個体に、有効量の、II-A-1-a、III-A-1-a、IV-A-1-a、II-C、III-C、及びIV-Cからなる群から選択される式のいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、R1及びR11は両方とも、-CH3であり、個体は、a)閉経周辺期段階にあるか、閉経期に達するか、閉経後であるか、もしくは卵巣の外科的除去を受けたことがあるか、またはb)異常なレベルのホルモン(例えば、エストロゲン)を有する、方法が提供される。いくつかの実施形態では、R9aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R10aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、または10など)は水素である。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。いくつかの実施形態では、個体は、アテネ不眠尺度による少なくとも約7のスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)による、少なくとも約11のスコアを有する。いくつかの実施形態では、不眠症は、睡眠モニターによって、エプワース睡眠尺度または睡眠機能不全評価尺度(SDRS)などの他の睡眠障害質問票(SDQ)で評価される。いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、不眠症は、低レベルのエストロゲンと関連している。いくつかの実施形態では、不眠症は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後に関連する。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約2mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)、またはヒトではない個体について同等の用量である。いくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約1mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0061】
いくつかの実施形態では、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、個体に、有効量の、II-A-1-a、III-A-1-a、IV-A-1-a、II-C、III-C、及びIV-Cからなる群から選択される式のいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、R1及びR11は両方とも-CH3であり、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約1mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、R9aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R10aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上(2、3、4、5、6、7、8、9、または10など)は水素である。いくつかの実施形態では、化合物は、アノルドリンである。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μg(例えば、約50μg、約100μg、または約150μg)の投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、個体は、メスである。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、個体は、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。いくつかの実施形態では、個体は、低レベルのホルモン(エストロゲンなど)を有する。いくつかの実施形態では、個体は、アテネ不眠尺度による少なくとも約7のスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)による、少なくとも約11のスコアを有する。いくつかの実施形態では、不眠症は、睡眠モニターによって、エプワース睡眠尺度または睡眠機能不全評価尺度(SDRS)などの他の睡眠障害質問票(SDQ)で評価される。いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、不眠症は、低レベルのエストロゲンと関連している。いくつかの実施形態では、不眠症は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後に関連する。いくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0062】
いくつかの実施形態では、女性ヒト個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療する方法であって、個体に、有効量の、アノルドリンまたはその類似体(アノルドリンなど)を含む組成物を投与することを含み、個体は、a)閉経周辺期段階にある、閉経期に達する、閉経後である、もしくは卵巣の外科的除去を受けたことがあるか、またはb)低レベルのエストロゲンを有し、任意選択的に、各投与に対するアノルドリンまたはその類似体の用量が、ヒトでは約20μg~約2mg(例えば、約20μg~約200μgまたは約400μg~約2mg)、またはヒトではない個体について同等の用量である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μg(例えば、約50μg、約100μg、または約150μg)の投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後の女性である。いくつかの実施形態では、個体は、アテネ不眠尺度による少なくとも約7のスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)による、少なくとも約11のスコアを有する。いくつかの実施形態では、不眠症は、睡眠モニターによって、エプワース睡眠尺度または睡眠機能不全評価尺度(SDRS)などの他の睡眠障害質問票(SDQ)で評価される。いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、不眠症は、低レベルのエストロゲンと関連している。いくつかの実施形態では、不眠症は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後に関連する。いくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0063】
いくつかの実施形態では、個体の睡眠を改善する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体の睡眠を改善する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体は、メス個体である。いくつかの実施形態では、個体は、閉経周辺期段階にあるか、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、個体は、低レベルのホルモン(例えば、エストロゲン)を有する。いくつかの実施形態では、睡眠の改善は、アテネ不眠尺度で評価された事象のうちのいずれか1つ以上(2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つなど)を改善することを含む(
図2を参照)。例えば、事象には、睡眠導入時間、夜間の目覚め、希望よりも早い最終的な目覚め、総睡眠時間、全体的な睡眠の質、日中の幸福感、機能、日中の眠気が含まれる。いくつかの実施形態では、これらの事象の改善は、化合物の投与前後の個体の自己評価によって示すことができる。いくつかの実施形態では、投与後の自己評価は、少なくとも約1週間、2週間、3週間、4週間、5週間または6週間、本明細書に記載の頻度及び/または用量で化合物を投与した後に行われる。
【0064】
いくつかの実施形態では、個体における不眠症の重症度を軽減する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体における不眠症の重症度を軽減する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、不眠症スコアは、本明細書に記載される期間の間、ある頻度及び投与量での治療の後、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、または60%低下する。いくつかの実施形態では、個体は、メス個体である。いくつかの実施形態では、個体は、閉経周辺期段階にあるか、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている。いくつかの実施形態では、個体は、低レベルのホルモン(例えば、エストロゲン)を有する。いくつかの実施形態では、睡眠の改善は、アテネ不眠尺度で評価された事象のうちのいずれか1つ以上(2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つなど)を改善することを含む(
図2を参照)。例えば、事象には、睡眠導入時間、夜間の目覚め、希望よりも早い最終的な目覚め、総睡眠時間、全体的な睡眠の質、日中の幸福感、機能、及び日中の眠気が含まれる。いくつかの実施形態では、これらの事象の改善は、化合物の投与前後の個体の自己評価によって示すことができる。いくつかの実施形態では、投与後の自己評価は、少なくとも約1週間、2週間、3週間、4週間、5週間または6週間、本明細書に記載の頻度及び/または用量で化合物を投与した後に行われる。
【0065】
いくつかの実施形態では、個体における睡眠時間を延長する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体の睡眠導入時間を短縮する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体の夜間の覚醒時間を短縮する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体における全体的な睡眠の質を改善する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体の生活の質を改善する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む、方法が提供される。
【0066】
いくつかの実施形態では、個体における睡眠時間を延長する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体の睡眠導入時間を短縮する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体の夜間の覚醒時間を短縮する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体における全体的な睡眠の質を改善する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体の生活の質を改善する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与すること(例えば、経口投与すること)を含む、方法が提供される。
【0067】
いくつかの実施形態では、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療するまたは睡眠を改善する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Aの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を、少なくとも約2週間(例えば、少なくとも約3、4、5、6、7、または8週間)投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体における不眠症(例えば、慢性不眠症)を治療するまたは睡眠を改善する方法であって、個体に、有効量の、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を、少なくとも約2週間(例えば、少なくとも約3、4、5、6、7、または8週間)投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、または18ヶ月間投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも約1年、1年半、2年、3年、4年、または5年間投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。
【0068】
上記の方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、個体は、低レベルのエストロゲンを有する。いくつかの実施形態では、低レベルのホルモン(例えば、エストロゲン)は、対照レベル(例えば、少なくとも約18pg/mL、または35pg/mLのいずれか)よりも低いホルモン(例えば、エストロゲン)レベルである。いくつかの実施形態では、個体は、約20、30、または40IU/Lよりも高い血清FSHレベルを有する。いくつかの実施形態では、個体は、約35pg/mLまたは18pg/mL未満の血清エストロゲンレベル(例えば、血清エストラジオール(E2)レベル、例えば、平均血清エストラジオールレベル)を有する。いくつかの実施形態では、個体は、約7mm、6mm、5mm、4.5mm、または4mm以下の厚さを有する子宮内膜を有する。
【0069】
いくつかの実施形態では、方法は、第2の薬剤を投与することをさらに含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、方法は、個体におけるホルモン(例えば、エストロゲン)レベルを評価することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、ホルモンレベル(例えば、血清エストロゲンレベル)に基づいて治療のために個体を選択することをさらに含む。エストロゲンレベルを評価する方法は、この分野で周知である。例えば、血清エストロゲンレベルは、血液中のエストラジオール(E2)を測定することによって評価することができる。
【0071】
組成物及び化合物
本出願は、一態様において、本明細書に記載の方法で不眠症を治療するために使用することができる組成物及び化合物を提供する。
【0072】
一態様において、式(A)の化合物:
【化36】
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物が本明細書で提供され、
a)R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化37】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化38】
は一重結合を表し、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、または
R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化39】
は二重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化40】
は一重結合を表し、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、または
R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化41】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化42】
は二重結合を表し、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
b)R
1は、C
1~C
3アルキルであり、
c)R
5、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
d)R
6は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
e)R
9は、水素及び-C(=O)R
9aからなる群から選択され、
f)R
10は、水素及び-C(=O)R
10aからなる群から選択され、
g)R
9a及びR
10aは、独立して、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルからなる群から選択され、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換され、
h)R
11は、水素及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される。
【0073】
一態様において、式(I)の化合物:
【化43】
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物が本明細書で提供され、
a)R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化44】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化45】
は一重結合を表し、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、または
R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化46】
は二重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化47】
は一重結合を表し、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、または
R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化48】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化49】
は二重結合を表し、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
b)R
1は、C
1~C
3アルキルであり、
c)R
5、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
d)R
6は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
e)R
9は、水素及び-C(=O)R
9aからなる群から選択され、
f)R
10は、水素及び-C(=O)R
10aからなる群から選択され、
g)R
9a及びR
10aは、独立して、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルからなる群から選択され、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換され、
h)R
11は、C
1~C
3アルキルからなる群から選択される。
【0074】
いくつかの実施形態では、R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化50】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化51】
は一重結合を表し、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、及び-CH
3からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、及び-CH
2CH
3からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、及びR
4はそれぞれ、水素である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、及びR
4の1つはヒドロキシルであり、他はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
2はヒドロキシルであり、R
3及びR
4はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
3はヒドロキシルであり、R
2及びR
4はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
4はヒドロキシルであり、R
2及びR
3はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、及びR
4の1つはメルカプタンであり、他はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
2はメルカプタンであり、R
3及びR
4はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
3はメルカプタンであり、R
2及びR
4はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
4はメルカプタンであり、R
2及びR
3はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、及びR
4の1つは-CH
3であり、他はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、及びR
4の1つは-CH
2CH
3であり、他はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、及びR
4の1つは、C
3アルキル(すなわち、n-プロピルまたはイソプロピル)であり、他はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
2は、C
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)であり、R
3及びR
4は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
3は、C
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)であり、R
2及びR
4は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
4は、C
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)であり、R
2及びR
3は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
2及びR
4の1つは、ケトである。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
3及びR
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
3及びR
4はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
3は水素であり、R
4はヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
3は水素であり、R
4はメルカプタンである。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
3は水素であり、R
4はC
1~C
3アルキルである。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
3は水素であり、R
4は-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
2及びR
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
2及びR
3は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
3は水素であり、R
2はヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
3は水素であり、R
2はメルカプタンである。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
3は水素であり、R
2はC
1~C
3アルキルである。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
3は水素であり、R
2は-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2及びR
4の両方はケトである。いくつかの実施形態では、R
2及びR
4の両方はケトであり、R
3は水素である。
【0075】
いくつかの実施形態では、R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化52】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化53】
は一重結合を表し、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
3は水素である。いくつかの実施形態では、R
3はヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R
3はメルカプタンである。いくつかの実施形態では、R
3は、C
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、R
3は、-CH
3である。
【0076】
いくつかの実施形態では、R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化54】
は二重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化55】
は一重結合を表し、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、及び-CH
3からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、及び-CH
2CH
3からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2及びR
4は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
2はヒドロキシルであり、R
4は水素である。いくつかの実施形態では、R
4はヒドロキシルであり、R
2は水素である。いくつかの実施形態では、R
2はメルカプタンであり、R
4は水素である。いくつかの実施形態では、R
4はメルカプタンであり、R
2は水素である。いくつかの実施形態では、R
2は、C
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)であり、R
4は、水素である。いくつかの実施形態では、R
2は-CH
3であり、R
4は水素である。いくつかの実施形態では、R
4は、C
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)であり、R
2は、水素である。いくつかの実施形態では、R
4は-CH
3であり、R
2は水素である。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
2は水素である。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
2はヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
2はメルカプタンである。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
2はC
1~C
3アルキルである。いくつかの実施形態では、R
4はケトであり、R
2は-CH
3である。
【0077】
いくつかの実施形態では、R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化56】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化57】
は二重結合を表し、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は存在せず、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、及び-CH
3からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、及び-CH
2CH
3からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2及びR
4は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R
2はヒドロキシルであり、R
4は水素である。いくつかの実施形態では、R
4はヒドロキシルであり、R
2は水素である。いくつかの実施形態では、R
2はメルカプタンであり、R
4は水素である。いくつかの実施形態では、R
4はメルカプタンであり、R
2は水素である。いくつかの実施形態では、R
2は、C
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)であり、R
4は、水素である。いくつかの実施形態では、R
2は-CH
3であり、R
4は水素である。いくつかの実施形態では、R
4は、C
1~C
3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)であり、R
2は、水素である。いくつかの実施形態では、R
4は-CH
3であり、R
2は水素である。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
4は水素である。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
4はヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
4はメルカプタンである。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
4はC
1~C
3アルキルである。いくつかの実施形態では、R
2はケトであり、R
4は-CH
3である。
【0078】
いくつかの実施形態では、R1は、C1~C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R1は、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピルである。いくつかの実施形態では、R1は、-CH3である。いくつかの実施形態では、R1は、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R1は、-CH2CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R1は、-CH(CH3)2である。
【0079】
いくつかの実施形態では、R11は、水素またはC1~C3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R11は、C1~C3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R11は、水素である。いくつかの実施形態では、R11は、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピルである。いくつかの実施形態では、R11は、水素または-CH3である。いくつかの実施形態では、R11は、-CH3である。いくつかの実施形態では、R11は、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R11は、-CH2CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R11は、-CH(CH3)2である。
【0080】
いくつかの実施形態では、R1は、C1~C3アルキルであり、R11は、水素である。いくつかの実施形態では、R1は、-CH3であり、R11は、水素である。
【0081】
いくつかの実施形態では、R1及びR11は、独立して、C1~C3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R1及びR11の一方または両方は、-CH3である。いくつかの実施形態では、R1及びR11の両方は、-CH3である。
【0082】
いくつかの実施形態では、式Aの化合物は、その薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、その薬学的に許容される塩である。
【0083】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(II)の化合物:
【化58】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りであり、R
2及びR
4は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される。
【0084】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、式(II-A)の化合物:
【化59】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
9、R
10、及びR
11は、式(II)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。
【0085】
いくつかの実施形態では、式(II-A)の化合物は、式(II-A-1)の化合物:
【化60】
またはその薬学的に許容される塩であり
式中、R
9及びR
10は、式(II)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
9は水素である。いくつかの実施形態では、R
9は、-C(=O)CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
10は水素である。いくつかの実施形態では、R
10は、-C(=O)CH
2CH
3である。
【0086】
いくつかの実施形態では、式(II-A-1)の化合物は、式(II-A-1-a)の化合物:
【化61】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
9a及びR
10aは、式(II)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
9aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
10aは、-CH
2CH
3である。
【0087】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、式(II-B)の化合物:
【化62】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(II)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14は、水素である。
【0088】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、式(II-C)の化合物:
【化63】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9a、R
10a、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(II)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14は、水素である。いくつかの実施形態では、R
9aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
10aは、-CH
2CH
3である。
【0089】
いくつかの実施形態では、式(II-C)の化合物は、式(II-C-1)の化合物:
【化64】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(II)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14は、水素である。
【0090】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(III)の化合物;
【化65】
またはその薬学的に許容される塩であり、
R
1、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りであり、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される。
【0091】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、式(III-A)の化合物:
【化66】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
9、R
10、及びR
11は、式(III)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。
【0092】
いくつかの実施形態では、式(III-A)の化合物は、式(III-A-1)の化合物:
【化67】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
9及びR
10は、式(III)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
9は水素である。いくつかの実施形態では、R
9は、-C(=O)CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
10は水素である。いくつかの実施形態では、R
10は、-C(=O)CH
2CH
3である。
【0093】
いくつかの実施形態では、式(III-A-1)の化合物は、式(III-A-1-a)の化合物:
【化68】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
9a及びR
10aは、式(III)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
9aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
10aは、-CH
2CH
3である。
【0094】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、式(III-B)の化合物:
【化69】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(III)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14は、水素である。
【0095】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、式(III-C)の化合物:
【化70】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9a、R
10a、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(III)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14は、水素である。いくつかの実施形態では、R
9aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
10aは、-CH
2CH
3である。
【0096】
いくつかの実施形態では、式(III-C)の化合物は、式(III-C-1)の化合物:
【化71】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(III)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14は、水素である。
【0097】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(IV)の化合物:
【化72】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りであり、R
2は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
4は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される。
【0098】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、式(IV-A)の化合物:
【化73】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
9、R
10、及びR
11は、式(IV)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。
【0099】
いくつかの実施形態では、式(IV-A)の化合物は、式(IV-A-1)の化合物:
【化74】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
9及びR
10は、式(IV)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
9は水素である。いくつかの実施形態では、R
9は、-C(=O)CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
10は水素である。いくつかの実施形態では、R
10は、-C(=O)CH
2CH
3である。
【0100】
いくつかの実施形態では、式(IV-A-1)の化合物は、式(IV-A-1-a)の化合物:
【化75】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
9a及びR
10aは、式(IV)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
9aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
10aは、-CH
2CH
3である。
【0101】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、式(IV-B)の化合物:
【化76】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(IV)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14は、水素である。
【0102】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、式(IV-C)の化合物:
【化77】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9a、R
10a、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(IV)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14は、水素である。いくつかの実施形態では、R
9aは、-CH
2CH
3である。いくつかの実施形態では、R
10aは、-CH
2CH
3である。
【0103】
いくつかの実施形態では、式(IV-C)の化合物は、式(IV-C-1)の化合物:
【化78】
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
11、R
12、R
13、及びR
14は、式(IV)の化合物の任意の実施形態または変形例について本明細書で定義される通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
11は、-CH
3である。いくつかの実施形態では、R
2、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14は、水素である。
【0104】
いくつかの実施形態では、R5、R7、R8、R12、R13、及びR14は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、R6は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC1~C3アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14は、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC1~C3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14は、独立して、水素、ヒドロキシル、-CH3、及び-CH2CH3からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14は、独立して、水素、ヒドロキシル、及び-CH3からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14は全て、水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの6つは、水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの5つは、水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの4つは、水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの3つは、水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの2つは、水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つは、水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの3つは、ヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの2つは、ヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つは、ヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R5はヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R6はヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R7はヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R8はヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R12はヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R13はヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、R14はヒドロキシルである。
【0105】
いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの3つは、メルカプタンである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの2つは、メルカプタンである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つは、メルカプタンである。いくつかの実施形態では、R5はメルカプタンである。いくつかの実施形態では、R6はメルカプタンである。いくつかの実施形態では、R7はメルカプタンである。いくつかの実施形態では、R8はメルカプタンである。いくつかの実施形態では、R12はメルカプタンである。いくつかの実施形態では、R13はメルカプタンである。いくつかの実施形態では、R14はメルカプタンである。
【0106】
いくつかの実施形態では、R5、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの3つは、ケトである。いくつかの実施形態では、R5、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの2つは、ケトである。いくつかの実施形態では、R5、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つは、ケトである。いくつかの実施形態では、R5はケトである。いくつかの実施形態では、R7はケトである。いくつかの実施形態では、R8はケトである。いくつかの実施形態では、R12はケトである。いくつかの実施形態では、R13はケトである。いくつかの実施形態では、R14はケトである。
【0107】
いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14は全て、独立して、C1~C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの6つは、独立して、C1~C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの5つは、独立して、C1~C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの4つは、独立して、C1~C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの3つは、独立して、C1~C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの2つは、独立して、C1~C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つは、C1~C3アルキルである。いくつかの実施形態では、R5は、-CH3または-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R6は、-CH3または-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R7は、-CH3または-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R8は、-CH3または-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R12は、-CH3または-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R13は、-CH3または-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R14は、-CH3または-CH2CH3である。
【0108】
いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの3つは、ヒドロキシルであり、他は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの2つは、ヒドロキシルであり、他は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つは、ヒドロキシルであり、他は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの3つは、メルカプタンであり、他は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの2つは、メルカプタンであり、他は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つは、メルカプタンであり、他は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの3つは、独立して、C1~C3アルキルであり、他はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの2つは、独立して、C1~C3アルキルであり、他はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つは、C1~C3アルキルであり、他はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つはヒドロキシルであり、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つはC1~C3アルキルであり、他はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つはメルカプタンであり、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つはC1~C3アルキルであり、他はそれぞれ水素である。2つ以上のR5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14がC1~C3アルキルである場合、各C1~C3アルキルは、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピルであることが理解される。
【0109】
いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R11、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上は、水素である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R11、R12、R13、及びR14は全て、水素である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上は、水素である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14は全て、水素である。
【0110】
いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14は、独立して、αまたはβ構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14は全て、α構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの9つは、α構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの8つは、α構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの7つは、α構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの6つは、α構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの5つは、α構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの4つは、α構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの3つは、α構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの2つは、α構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つは、α構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14は全て、β構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの9つは、β構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの8つは、β構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの7つは、β構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの6つは、β構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの5つは、β構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの4つは、β構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの3つは、β構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの2つは、β構成である。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちの1つは、β構成である。いくつかの実施形態では、R3及びR6の両方がα構成である。いくつかの実施形態では、R3はβ構成であり、R6はα構成である。いくつかの実施形態では、化合物の平面の上の置換基は、β構成であると記述され、くさび型の結合として示すことができる。いくつかの実施形態では、化合物の平面の下の置換基は、α構成であると記述され、破線型の結合として示すことができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化79】
は一重結合を表し、R
2は、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
2は、αまたはβ構成である。いくつかの実施形態では、R
2は、α構成である。いくつかの実施形態では、R
2は、β構成である。
【0112】
いくつかの実施形態では、R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化80】
は一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化81】
は一重結合を表し、R
3は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3は、αまたはβ構成である。いくつかの実施形態では、R
3は、α構成である。いくつかの実施形態では、R
3は、β構成である。
【0113】
いくつかの実施形態では、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化82】
は一重結合を表し、R
4は、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
4は、αまたはβ構成である。いくつかの実施形態では、R
4は、α構成である。いくつかの実施形態では、R
4は、β構成である。
【0114】
いくつかの実施形態では、R5は、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、R5は、αまたはβ構成である。いくつかの実施形態では、R5は、α構成である。いくつかの実施形態では、R5は、β構成である。
【0115】
いくつかの実施形態では、R6は、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、R6は、αまたはβ構成である。いくつかの実施形態では、R6は、α構成である。いくつかの実施形態では、R6は、β構成である。
【0116】
いくつかの実施形態では、R7は、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、R7は、αまたはβ構成である。いくつかの実施形態では、R7は、α構成である。いくつかの実施形態では、R7は、β構成である。
【0117】
いくつかの実施形態では、R8は、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、R8は、αまたはβ構成である。いくつかの実施形態では、R8は、α構成である。いくつかの実施形態では、R8は、β構成である。
【0118】
いくつかの実施形態では、R12は、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、R12は、αまたはβ構成である。いくつかの実施形態では、R12は、α構成である。いくつかの実施形態では、R12は、β構成である。
【0119】
いくつかの実施形態では、R13は、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、R13は、αまたはβ構成である。いくつかの実施形態では、R13は、α構成である。いくつかの実施形態では、R13は、β構成である。
【0120】
いくつかの実施形態では、R14は、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC1~C3アルキルからなる群から選択され、R14は、αまたはβ構成である。いくつかの実施形態では、R14は、α構成である。いくつかの実施形態では、R14は、β構成である。
【0121】
いくつかの実施形態では、R9は、水素及び-C(=O)R9aからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、R9aは、C1~C6アルキル及びC2~C6アルケニルからなる群から選択され、C1~C6アルキル及びC2~C6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換される。
【0122】
いくつかの実施形態では、R9は水素である。
【0123】
いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、式中、R9aは、-C(=O)OHで任意選択的に置換されたC1~C6アルキルである。
【0124】
いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、R9aは、非置換C1~C6アルキル(すなわち、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、またはC6アルキル)である。いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、式中、R9aは、非置換C1~C3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、式中、R9aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、式中、R9aは、-CH3である。
【0125】
いくつかの実施形態では、R9は-C(=O)R9aであり、R9aは、-C(=O)OHで置換されたC1~C6アルキル(すなわち、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、またはC6アルキル)である。いくつかの実施形態では、R9は-C(=O)R9aであり、R9aは、-C(=O)OHで置換されたC1~C3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、R9は-C(=O)R9aであり、R9aは、-CH2C(=O)OH、-CH2CH2C(=O)OH、-CH(C(=O)OH)CH3、-CH2CH2CH2C(=O)OH、-CH2CH(C(=O)OH)CH3、-CH(C(=O)OH)CH2CH3、-CH(CH3)CH2C(=O)OH、または-C(CH3)2C(=O)OHである。いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、R9aは、-CH2CH2C(=O)OHである。
【0126】
いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、R9aは、-C(=O)OHで任意選択的に置換されたC2~C6アルケニルである。
【0127】
いくつかの実施形態では、R
9は、-C(=O)R
9aであり、R
9aは、非置換C
2~C
6アルケニル(すなわち、C
2アルケニル、C
3アルケニル、C
4アルケニル、C
5アルケニル、またはC
6アルケニル)である。いくつかの実施形態では、R
9は、-C(=O)R
9aであり、R
9aは、1つまたは2つの炭素-炭素二重結合(例えば、-CH=CHCH
2CH
3、-CH=CHCH
2CH
2CH
3、-CH=CHCH
2CH
2CH
2CH
3、または-CH=CHCH=CH
2)を含有する非置換C
4~C
6アルケニルである。内部アルケニルは、EまたはZ配置を有し得ることが理解される。例えば、-CH=CHCH
2CH
3は
【化83】
であり得、波線は、分子の残りの部分への結合点を示す。いくつかの実施形態では、R
9aは、1つの炭素-炭素二重結合(例えば、-CH=CHCH
2CH
3、-CH
2CH=CHCH
3、-CH
2CH
2CH=CH
2、-CH=CHCH
2CH
2CH
3、-CH
2CH=CHCH
2CH
3、-CH
2CH
2CH=CHCH
3、-CH
2CH
2CH
2CH=CH
2、または-CH=CHCH(CH
3)
2)を含有する非置換C
4~C
5アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
9aは、1つまたは2つの炭素-炭素二重結合(例えば、-CH=CHCH
2CH
2CH
2CH
3、-CH
2CH=CHCH
2CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH=CHCH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
2CH=CHCH
3、-CH
2CH
2CH
2CH
2CH=CH
2、-CH=CHCH
2CH(CH
3)
2、-CH=CHCH=CHCH
2CH
3、-CH=CHCH
2CH=CHCH
3、または-CH=CHCH
2CH
2CH=CH
2)を含有する非置換C
6アルケニルである。
【0128】
いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、R9aは、-C(=O)OHで置換されたC2~C6アルケニル(すなわち、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、またはC6アルケニル)である。いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、R9aは、-C(=O)OHで置換されたC2~C4アルケニル(例えば、エテニルまたはプロペニル)である。いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、R9aは、-CH=CHC(=O)OH、-CH=CHCH2C(=O)OH、-CH2CH=CHC(=O)OH、または-CH=C(CH3)C(=O)OHである。いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)R9aであり、R9aは、-CH=CHC(=O)OHである。
【0129】
いくつかの実施形態では、R10は、水素及び-C(=O)R10aからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、C1~C6アルキル及びC2~C6アルケニルからなる群から選択され、C1~C6アルキル及びC2~C6アルケニルは、任意選択的に、-C(=O)OHで置換される。10
【0130】
いくつかの実施形態では、R10は水素である。
【0131】
いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、-C(=O)OHで任意選択的に置換されたC1~C6アルキルである。
【0132】
いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、非置換C1~C6アルキル(すなわち、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、またはC6アルキル)である。いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、非置換C1~C3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、-CH3である。
【0133】
いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、-C(=O)OHで置換されたC1~C6アルキル(すなわち、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、またはC6アルキル)である。いくつかの実施形態では、R10は-C(=O)R10aであり、R10aは、-C(=O)OHで置換されたC1~C3アルキル(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、-CH2C(=O)OH、-CH2CH2C(=O)OH、-CH(C(=O)OH)CH3、-CH2CH2CH2C(=O)OH、-CH2CH(C(=O)OH)CH3、-CH(C(=O)OH)CH2CH3、-CH(CH3)CH2C(=O)OH、または-C(CH3)2C(=O)OHである。いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、-CH2CH2C(=O)OHである。
【0134】
いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、-C(=O)OHで任意選択的に置換されたC2~C6アルケニルである。
【0135】
いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、非置換C2~C6アルケニル(すなわち、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、またはC6アルケニル)である。いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、1つまたは2つの炭素-炭素二重結合(例えば、-CH=CHCH2CH3、-CH=CHCH2CH2CH3、-CH=CHCH2CH2CH2CH3、または-CH=CHCH=CH2)を含有する非置換C4~C6アルケニルである。いくつかの実施形態では、R10aは、1つの炭素-炭素二重結合(例えば、-CH=CHCH2CH3、-CH2CH=CHCH3、-CH2CH2CH=CH2、-CH=CHCH2CH2CH3、-CH2CH=CHCH2CH3、-CH2CH2CH=CHCH3、-CH2CH2CH2CH=CH2、または-CH=CHCH(CH3)2)を含有する非置換C4~C5アルケニルである。いくつかの実施形態では、R10aは、1つまたは2つの炭素-炭素二重結合(例えば、-CH=CHCH2CH2CH2CH3、-CH2CH=CHCH2CH2CH3、-CH2CH2CH=CHCH2CH3、-CH2CH2CH2CH=CHCH3、-CH2CH2CH2CH2CH=CH2、-CH=CHCH2CH(CH3)2、-CH=CHCH=CHCH2CH3、-CH=CHCH2CH=CHCH3、または-CH=CHCH2CH2CH=CH2)を含有する非置換C6アルケニルである。
【0136】
いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、-C(=O)OHで置換されたC2~C6アルケニル(すなわち、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、またはC6アルケニル)である。いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、-C(=O)OHで置換されたC2~C4アルケニル(例えば、エテニルまたはプロペニル)である。いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、-CH=CHC(=O)OH、-CH=CHCH2C(=O)OH、-CH2CH=CHC(=O)OH、または-CH=C(CH3)C(=O)OHである。いくつかの実施形態では、R10は、-C(=O)R10aであり、R10aは、-CH=CHC(=O)OHである。
【0137】
いくつかの実施形態では、R9及びR10は、独立して、水素または-C(=O)CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R9及びR10はそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R9及びR10は、それぞれ、-C(=O)CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R9は水素であり、R10は-C(=O)CH2CH3である。いくつかの実施形態では、R9は、-C(=O)CH2CH3であり、R10は、水素である。
【0138】
アノルドリン
2β、7α-ジエチル-A-ノル-5α-アンドロスタン-2α,17β-ジオール(アノルジオール)は、抗エストロゲン活性を有することが最初に報告された。Bank et al,Proc.Soc.Expt.Biol.Med 111,595(1962)及びPincus et al,Steroids,5,193,(1965)を参照されたい。Liらは、プロピオン酸を使用してアノルジオールをエステル化し、2α,17α-ジエチニル-A-ノル-5α-アンドロスタン-2β,17β-ジオールジプロピオン酸塩(アノルドリン、ANO)を1969年に合成した。アノルドリンは、1976年から中国でAF-53のブランド名を使用して抗不妊薬として販売されていた。エストロゲンは、ホルモン誘発性がんを引き起こすことが知られており、エストロゲン受容体アンタゴニストとしてのアノルドリンは、その後、悪性細胞増殖を阻害し、がんを治療することが見出された。Xu et al,Tumor,9,197(1989)、Ma et al,Acta Pharmacol.Sin,21,939(2000)、Li et al,US Patent 5001120(1991)を参照されたい。
【0139】
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはその類似体は、アノルドリンである。
【化84】
【0140】
不眠症
不眠症は、成人が医学的助言を求める最も一般的な症状のうちの1つである。不眠症は、様々な要因によって引き起こされる可能性がある。いくつかの実施形態では、本出願に記載されている不眠症は、低レベルのエストロゲンに関連する不眠症である。いくつかの実施形態では、不眠症は、閉経周辺期、閉経期、または閉経後に関連する。
【0141】
不眠症は、通常、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)、エプワース睡眠尺度、またはアテネ不眠尺度(AIS)などの睡眠障害質問票(SDQ)、または睡眠機能不全評価尺度(SDRS)をカウントするための睡眠品質モニターを使用して測定される。AISは、一般的に使用されているSEQの1つであり、
図1を参照されたい。これは、最初の5つの要因が夜間睡眠に関連し、最後の3つの要因が昼間の機能不全に関連している、8つの要因を評価することによって測定される。これらは0~3の尺度で評価され、睡眠は最終的に全ての要因の累積スコアから評価され、個人の睡眠転帰として報告される。長期にわたって、AISは、睡眠分析における効果的なツールであると考えられており、現地の患者で試験することにより、様々な国で検証されている。AIS上の少なくとも6のカットオフスコアを使用して、不眠症の診断を確立する。Soldatos CR,Dikeos DG,Paparrigopoulos TJ(2002).“The diagnostic validity of the Athens Insomnia Scale”.J Psychosom Res.55(3):263-7を参照されたい。
【0142】
いくつかの実施形態では、不眠症は、慢性不眠症である。
【0143】
いくつかの実施形態では、不眠症は、重度の形態の不眠症である(例えば、AISスコアは、少なくとも約22である)。いくつかの実施形態では、不眠症は、中等度の形態の不眠症である(例えば、AISスコアは、少なくとも約15である)。いくつかの実施形態では、AISスコアは、ある頻度及び投与量での治療の後、本明細書に記載される期間、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、または60%低下する。
【0144】
いくつかの実施形態では、不眠症は、重度の形態の不眠症である(例えば、PSQIスコアは、少なくとも約16である)。いくつかの実施形態では、不眠症は、中等度の形態の不眠症である(例えば、PSQIスコアは、少なくとも約11である)。いくつかの実施形態では、PSQIスコアは、ある頻度及び投与量での治療後、本明細書に記載される期間、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、または60%低下する。
【0145】
患者集団
いくつかの実施形態では、個体は、哺乳動物である。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。
【0146】
いくつかの実施形態では、個体は、メスである。
【0147】
いくつかの実施形態では、個体は、厚い子宮内膜を有する。いくつかの実施形態では、子宮内膜の厚さは、6mm、5mm、4.5mm、または4mm以下である。
【0148】
いくつかの実施形態では、個体は、子宮摘出術を受けている。
【0149】
いくつかの実施形態では、個体は、少なくとも約35、40、または45歳である。いくつかの実施形態では、個体の年齢は、約45~約90歳以上である。
【0150】
いくつかの実施形態では、個体は、閉経周辺期段階にある(例えば、個体は依然として月経期間を有するが、エストロゲンレベルが低下している。いくつかの実施形態では、個体は、閉経期に達する。いくつかの実施形態では、個体は、閉経後段階にある。いくつかの実施形態では、最後の期間のエピソードから少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月が経過している。
【0151】
いくつかの実施形態では、個体は、卵巣の外科的除去を受けている。
【0152】
いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けていない。いくつかの実施形態では、個体は、ホルモン療法を受けている。
【0153】
いくつかの実施形態では、個体は、がんを有するか、または以前にがんを有していた。いくつかの実施形態では、がんは、乳癌、卵巣癌、または子宮内膜癌である。
【0154】
いくつかの実施形態では、個体は、脳卒中を有するか、または以前に脳卒中、肝疾患、脚または肺の血栓、または原因不明の膣の出血を有していた。
【0155】
いくつかの実施形態では、個体は、重度の形態の不眠症を有する(例えば、AISスコアは、少なくとも約22である)。いくつかの実施形態では、個体は、中等度の形態の不眠症を有する(例えば、AISスコアは、少なくとも約15である)。いくつかの実施形態では、個体は、少なくとも約6のAISスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、少なくとも約7のAISスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、少なくとも約15のAISスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、少なくとも約22のAISスコアを有する。
【0156】
いくつかの実施形態では、個体は、重度の形態の不眠症を有する(例えば、PSQIスコアは、少なくとも約16である)。いくつかの実施形態では、個体は、中等度の形態の不眠症を有する(例えば、PSQIスコアは、少なくとも約11である)。いくつかの実施形態では、個体は、少なくとも約11のPSQIスコアを有する。いくつかの実施形態では、個体は、少なくとも約16のPSQIスコアを有する。
【0157】
投薬及び投与方法
式Aまたは式Iの化合物を含む組成物の用量は、特定の組成物、個体の性質、投与様式、及び不眠症の重症度によって異なり得る。いくつかの実施形態では、式Iの量は、a)睡眠導入時間、b)夜間の目覚め時間、c)最終的な目覚めが所望よりも早く、より早い目覚めの程度である場合、d)総睡眠時間、e)全体的な睡眠の質、f)日中の幸福感、g)日中の機能(身体的及び/または精神的)、及びh)日中の眠気からなる群から選択される条件のいずれか1つで改善された睡眠をもたらすのに十分である。いくつかの実施形態では、式Iの量は、少なくとも約5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、または60%のSDQまたはSDRSスコアの低下をもたらすのに十分である。いくつかの実施形態では、式Iの量は、少なくとも1、2、3、または4週間、少なくとも約5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、または60%のAISスコアの低下をもたらすのに十分である。AISスコアは、例えば、治療前及び治療後に
図1の表に記入することによって、個体によって評価され得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、式Iの量は、神経細胞間で細胞外ATPレベルのサージを誘導するのに十分である(例えば、実施例3及び/または
図5を参照されたい)。
【0159】
いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約1μg~約10mg(例えば、約10μg~約1mg)、またはヒトではない個体について同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは少なくとも約1μg、5μg、10μg、20μg、50μg、75μg、100μg、125μg、150μg、175μg、200μg、250μg、300μg、350μg、400μg、450μg、もしくは500μg、またはヒトではない個体については同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約10mg、7.5mg、5mg、2.5mg、2mg、1.5mg、1mg、0.9mg、0.8mg、0.7mg、0.6mg、0.5mg、0.4mg、0.3mg、もしくは0.2mg以下、またはヒトではない個体については同等の用量である。いくつかの実施形態では、各投与に対する化合物の用量は、ヒトでは約20μg~約2mg(例えば、約20μg~約200μg、または約400μg~約2mg)、またはヒトではない個体については同等の用量である。ヒトではない個体についての同等の用量は、例えば、Nair,A.B.,&Jacob,S.(2016).A simple practice guide for dose conversion between animals and human.Journal of basic and clinical pharmacy,7(2),27に提供されるガイダンスに基づいて計算され得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における各投与に対する化合物の用量は、約0.01mg~約10mgである。いくつかの実施形態では、ヒト対象における各投与に対する化合物の用量は、約0.01mg~約1mg(例えば、約0.05mg~約0.5mg)である。いくつかの実施形態では、ヒト対象における各投与に対する化合物の用量は、約0.5mg~約5mgである。いくつかの実施形態では、ヒト対象における各投与に対する化合物の用量は、少なくとも約0.01mg、例えば、少なくとも約0.02mg、例えば、少なくとも約0.05mgである。
【0161】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における各投与に対する化合物の用量は、約0.05mgである。いくつかの実施形態では、ヒト対象における各投与に対する化合物の用量は約0.1mgであり、ヒト対象における各投与に対する化合物の用量は、約0.15mgである。
【0162】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における化合物の1日用量は、約0.01mg~約10mg(例えば、約0.05mg~約0.5mg、例えば、約0.05mg~約0.15mg)である。いくつかの実施形態では、ヒト対象における化合物の週当たりの用量は、約0.1mg~約10mg(例えば、約0.25mg~約5mg、例えば、約0.25mg~約1.2mg)である。
【0163】
いくつかの実施形態では、組成物は、1日に約1回、2回または3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、週当たり約1回、2回、または3回の頻度で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、2週間に約1回の頻度で投与される。
【0164】
いくつかの実施形態では、組成物は、約20μg~約200μg(例えば、約50μg、100μg、または150μg)の投与量で毎日投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される。
【0165】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも約1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、または8週間、個体に(例えば、本明細書に記載の頻度及び/または用量で)投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、個体に少なくとも2週間(例えば、本明細書に記載の頻度及び/または用量で)投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月間(例えば、本明細書に記載の頻度及び/または用量で)個体に投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも約1年、1年半、2年、3年、4年、または5年間、(例えば、本明細書に記載の頻度及び/または用量で)個体に投与される。
【0166】
本明細書に記載される組成物は、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、経口、吸入、膀胱内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、経粘膜、及び経皮を含む様々な経路を介して、個体(ヒトなど)に投与され得る。いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0167】
薬学的組成物
本明細書に記載の方法で使用するための、本明細書に記載の式Aもしくは式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、及び1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、安定化剤、希釈剤、及び/または当該技術分野で既知の他の薬剤を含む、薬学的組成物がさらに提供される。
【0168】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物(アノルドリンなど)またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、及び薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物が提供される。
【0169】
本明細書に記載される薬学的組成物は、溶液、エマルション、懸濁液、分散液、もしくは好適な薬学的溶媒もしくは担体中のシクロデキストリンなどの包含複合体として、または様々な剤形の調製のための当該技術分野で既知の従来の方法による固体担体と共に、丸薬、錠剤、ロゼンジ、坐剤、サシェ、糖衣錠、顆粒、粉末、再構成用粉末、もしくはカプセルとして製剤化され得る。実施形態の薬学的組成物は、経口、非経口、直腸、経鼻、局所、もしくは眼経路などの好適な送達経路によって、または吸入によって投与され得る。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、経口投与用に製剤化される。
【0170】
経口投与のために、薬学的組成物は、錠剤またはカプセルなどの固体形態で、または溶液、エマルション、または懸濁液として提供されてもよい。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、錠剤、カプセル剤または丸薬として製剤化される。経口錠剤には、適合性のある薬学的に許容される賦形剤、例えば、希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、着色剤及び防腐剤と混合された活性成分(複数可)が含まれ得る。好適な不活性充填剤には、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウム、リン酸ナトリウム及びリン酸カルシウム、ラクトース、デンプン、糖、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが含まれる。例示的な液体経口賦形剤には、エタノール、グリセロール、水などが含まれる。デンプン、ポリビニル-ピロリドン(PVP)、デンプングリコール酸ナトリウム、微結晶セルロース、及びアルギン酸は、例示的な崩壊剤である。結合剤には、デンプン及びゼラチンが含まれ得る。滑沢剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクであり得る。所望の場合、錠剤は、消化管内での吸収を遅延させるための物質、例えば、モノステアリン酸グリセリルもしくはジステアリン酸グリセリルでコーティングされ得るか、または腸溶性コーティングでコーティングされ得る。経口製剤は、それぞれが所定量の活性成分を含有するカプセル、カシェもしくは錠剤などの別個の単位として、粉末もしくは顆粒として、水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションとして提示されてもよい。活性成分は、ボーラス、舐剤またはペーストとして提示されてもよい。
【0171】
錠剤は、任意選択的に1つ以上の付属成分を用いて、圧縮または成形によって作製され得る。圧縮錠剤は、任意選択的に結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤と混合した粉末または顆粒などの自由流動形態の活性成分を好適な機械で圧縮することによって調製することができる。成形された錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械内で成形することによって作製することができる。錠剤は、任意選択的にコーティングまたは刻み付けされてもよく、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な割合で使用して、その中の活性成分の遅延した、または制御された放出を提供して、所望の放出プロファイルを提供するように製剤化してもよい。
【0172】
経口投与のためのカプセルには、硬質及び軟質ゼラチンカプセルが含まれる。硬質ゼラチンカプセルを調製するために、活性成分(複数可)は、固体、半固体、または液体希釈剤と混合され得る。軟質ゼラチンカプセルは、活性成分を水、油、例えば、ピーナッツ油またはオリーブ油、流動パラフィン、短鎖脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドの混合物、ポリエチレングリコール400、またはプロピレングリコールと混合することによって調製され得る。カプセルはまた、不活性成分としてゼラチン、酸化鉄、ステアリン酸、及び二酸化チタンを含んでもよい。
【0173】
経口投与のための液体は、懸濁液、溶液、エマルション、もしくはシロップの形態であり得るか、または使用前に水もしくは他の好適なビヒクルでの再構成のための乾燥生成物として凍結乾燥もしくは提供され得る。このような液体組成物は、任意選択的に、懸濁化剤(例えば、ソルビトール、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル等)などの薬学的に許容される賦形剤;非水性ビヒクル、例えば、油(例えば、アーモンド油またはヤシ油)、プロピレングリコール、エチルアルコール、または水;防腐剤(例えば、メチルp-ヒドロキシ安息香酸またはプロピルp-ヒドロキシ安息香酸またはソルビン酸);レシチンなどの湿潤剤;ならびに、所望であれば、香料または着色剤を含んでもよい。
【0174】
キット、医薬品、組成物及び単位投与量
本出願はまた、本明細書に記載の方法のいずれかで使用するためのキット、医薬品、組成物、及び単位剤形を提供する。
【0175】
本発明のキットは、本明細書に記載の式Aもしくは式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル(または単位剤形及び/または製造物品)を含む組成物(薬学的組成物など)を含む1つ以上の容器を含み、本明細書に記載の方法のいずれかによる使用のための説明書をさらに含む。このキットは、好適な個体または治療を選択することの説明をさらに含んでもよい。本発明のキットに提供される説明書は、典型的には、ラベルまたは添付文書(例えば、キットに含まれる用紙)に書かれた説明書であるが、機械可読な説明書(例えば、磁気または光学記憶ディスクで運ばれる説明書)もまた、許容される。
【0176】
例えば、いくつかの実施形態では、キットは、a)本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物、及びb)不眠症の治療のために組成物を投与するための説明書を含む。いくつかの実施形態では、このキットは、a)アノルドリンを含む組成物、及びb)不眠症の治療のために組成物を投与する(例えば、経口投与する)ための説明書を含む。いくつかの実施形態では、キットは、第2の薬剤をさらに含む。組成物及び他の薬剤は、別個の容器内または単一の容器内に存在し得る。例えば、キットは、1つの組成物が組成物を含み、1つの組成物が別の薬剤を含む、1つの異なる組成物または2つ以上の組成物を含んでもよい。
【0177】
本発明のキットは、好適な包装内にある。好適な包装には、バイアル、瓶、ジャー、フレキシブル包装(例えば、密封されたMylarまたはプラスチックバッグ)などが含まれるが、これらに限定されない。キットは、任意選択的に、緩衝液及び解釈可能な情報などの追加の成分を提供し得る。したがって、本出願は、バイアル(密封バイアルなど)、瓶、ジャー、フレキシブル包装などを含む製造物品も提供する。
【0178】
組成物の使用に関する説明書は、概して、投与量、投薬スケジュール、及び意図された治療のための投与経路に関する情報を含む。容器は、単位用量、バルクパッケージ(例えば、複数用量パッケージ)、または分割単位用量であってもよい。例えば、約1、2、3、4、5、6、もしくは7日、または約1、2、3、4、5、もしくは6週間、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12ヶ月、または約1、2、3、4、5、もしくは6年のいずれかの期間、個体の有効な治療を提供するために、本明細書に開示される十分な投与量の化合物(アノルドリンなど)を含有するキットを提供してもよい。キットはまた、式Iの化合物(アノルドリンなど)の複数の単位用量、ならびに薬学的組成物及び使用のための説明書を含んでもよく、薬局、例えば、病院薬局及び調剤薬局での化合物の保管及び使用に十分な量で包装されてもよい。
【0179】
本明細書に記載の方法に有用な医薬品、組成物、及び単位剤形も提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の式Iの化合物(例えば、アノルドリン)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を含む、不眠症の治療に使用するための医薬品(または組成物)が提供される。
【0180】
例示的な実施形態
実施形態1.個体における不眠症を治療する方法であって、前記個体に、有効量の、式Iの化合物:
【化85】
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む組成物を投与することを含み、
a)R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化86】
が一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化87】
が一重結合を表し、R
2及びR
4が、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、または
R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化88】
が二重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化89】
が一重結合を表し、R
2が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3が存在せず、R
4が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択されるか、または
R
2を有する炭素とR
3を有する炭素との間の
【化90】
が一重結合を表し、R
3を有する炭素とR
4を有する炭素との間の
【化91】
が二重結合を表し、R
2が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、R
3が存在せず、R
4が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
b)R
1が、C
1~C
3アルキルであり、
c)R
5、R
7、R
8、R
12、R
13、及びR
14が、独立して、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、ケト、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
d)R
6が、水素、ヒドロキシル、メルカプタン、及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択され、
e)R
9が、水素及び-C(=O)R
9aからなる群から選択され、
f)R
10が、水素及び-C(=O)R
10aからなる群から選択され、
g)R
9a及びR
10aが、独立して、C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルからなる群から選択され、前記C
1~C
6アルキル及びC
2~C
6アルケニルが、任意選択的に、-C(=O)OHで置換され、
h)R
11が、水素及びC
1~C
3アルキルからなる群から選択される、前記方法。
【0181】
実施形態2.R9及びR10が、独立して、水素または-C(=O)CH2CH3である、実施形態1に記載の方法。
【0182】
実施形態3.R1及びR11の一方または両方が、-CH3である、実施形態1または実施形態2に記載の方法。
【0183】
実施形態4.R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、R13、及びR14のうちのいずれか1つ以上が、水素である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
実施形態5.前記化合物が、アノルドリンである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0185】
実施形態6.前記個体が、メスである、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0186】
実施形態7.前記個体が、ヒトである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0187】
実施形態8.前記個体が、閉経周辺期段階にあるか、閉経期に達するか、閉経後であるか、または卵巣の外科的除去を受けている、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0188】
実施形態9.前記個体が、閉経後の女性である、実施形態8に記載の方法。
【0189】
実施形態10.前記個体が、異常なレベルのエストロゲンを有する、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0190】
実施形態11.前記個体が、アテネ不眠尺度よる、少なくとも約7のスコアを有する、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0191】
実施形態12.前記個体が、ホルモン療法を受けていないか、または受けたことがない、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
実施形態13.各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは少なくとも約20μg、またはヒトではない個体では同等の用量である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0193】
実施形態14.各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは少なくとも約50μg、またはヒトではない個体では同等の用量である、実施形態13に記載の方法。
【0194】
実施形態15.各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは少なくとも約100μg、またはヒトではない個体では同等の用量である、実施形態14に記載の方法。
【0195】
実施形態16.各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは少なくとも約150μg、またはヒトではない個体では同等の用量である、実施形態15に記載の方法。
【0196】
実施形態17.各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは2mg以下、またはヒトではない個体では同等の用量である、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0197】
実施形態18.各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは約20μg~約2mg、またはヒトではない個体では同等の用量である、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
実施形態19.各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは約20μg~約200μg、またはヒトではない個体では同等の用量である、実施形態18に記載の方法。
【0199】
実施形態20.各投与に対する前記化合物の前記用量が、ヒトでは約400μg~約2mg、またはヒトではない個体では同等の用量である、実施形態19に記載の方法。
【0200】
実施形態21.前記組成物が、2週間に約1回~1日に約3回の頻度で投与される、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
実施形態22.前記組成物が、毎日投与される、実施形態21に記載の方法。
【0202】
実施形態23.前記組成物が、約20μg~約200μgの投与量で毎日投与される、実施形態22に記載の方法。
【0203】
実施形態24.前記組成物が、毎週投与される、実施形態21に記載の方法。
【0204】
実施形態25.前記組成物が、約400μg~約2mgの投与量で毎週投与される、実施形態24に記載の方法。
【0205】
実施形態26.前記組成物が、静脈内、動脈内、腹腔内、膀胱内、皮下、髄腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼内、経皮、経口、または吸入によって投与される、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
実施形態27.組成物が、経口投与される、実施形態26に記載の方法。
【0207】
実施形態28.前記方法が、第2の薬剤を投与することをさらに含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
実施形態29.前記個体におけるエストロゲンレベルを評価することをさらに含む、実施形態1~28のいずれか1つに記載の方法。
【0209】
実施形態30.前記不眠症が、慢性不眠症である、実施形態1~29のいずれか1つに記載の方法。
【0210】
実施形態31.不眠症を治療するための単位剤形であって、a)式Iの化合物を含む組成物であって、前記化合物の量が約20μg~約2mgの範囲である、前記組成物、及びb)薬学的に許容される担体、を含む、前記単位剤形。
【0211】
実施形態32.不眠症を治療するための、有効量の、式Iの化合物(例えば、アノルドリン)を含む組成物の使用。
【0212】
実施形態33.不眠症を治療するための、式Iの化合物(例えば、アノルドリン)を含む、組成物。
【0213】
実施形態34.キットであって、A)式Iの化合物を含む組成物、及びb)不眠症を治療するために前記キットを使用するための説明書、を含む、前記キット。
【実施例】
【0214】
以下の実施例は、本発明を純粋に例示することが意図され、それ故、決して、本発明を限定すると考えるべきではない。以下の例及び詳細な説明は、限定ではなく例示として提供される。
【0215】
実施例1.
アノルドリン(1mg未満)を服用した個体は、それらがアノルドリンを服用する前後の不眠症の存在及び程度について自己評価した。具体的には、閉経後の女性13人がアノルドリンを約2週間から数ヶ月間服用した。彼らの睡眠の質は、アテネ不眠尺度(AIS)で評価した。
図2を参照されたい。
【表1】
【0216】
図3及び表1に示されるように、各患者のAISの数は、アノルドリンの治療後に有意に減少した。AISの平均数は63%減少した。結果は、アノルドリンがこれらの個体の睡眠を効果的に改善したことを示している。
【0217】
式Aの化合物も試験され、有効性を示した(データは図示せず)。
【0218】
実施例2.
この第II相臨床試験は、無作為化二重盲検並行対照デザインを使用し、3つの臨床試験センターで実施される。A)0.05mg/日投薬群、b)0.1mg/日投薬群、及びc)0.15mg/日投薬群、ならびにプラセボ群、である合計3つの薬物群が予め設定されている。薬物介入期間は8週間であり、薬物介入は4週間フォローアップされる。主要有効性エンドポイントには、閉経後女性における膣剥離細胞成熟指数及び乾燥が含まれる。副次的有効性エンドポイントには、閉経後女性の品質、膣微小生態学的指数、閉経後女性の膣pH、ならびに安全性エンドポイントが含まれる。異なる用量のα-アノルドリン錠の有効性及び安全性を予備的に評価する。
【0219】
投薬レジメン
第1群(0.05mg用量群):1錠の0.05mgのα-アノルドリン腸溶性コーティング錠を毎日経口投与する。第2群(0.1mg用量群):1錠の0.1mgのα-アノルドリン腸溶性コーティング錠を毎日経口投与する。第3群(0.15mg用量群):1錠の0.15mgのα-アノルドリン腸溶性コーティング錠を毎日経口投与する。グループ4:プラセボ群。
【0220】
組み入れ基準
対象が治験に登録する資格を得るには、以下の全ての基準を満たす必要がある。1)卵巣を摘出する手術後、または最後の月経期から少なくとも12ヶ月が経過している45~80歳である;2)慢性不眠症があり、アテネ不眠尺度(AIS)指数が7以上である女性患者;3)卵胞刺激ホルモン(FSH)の血清レベルが40U/Lを超え、エストラジオール(E2)が35pg/mL未満であり、β-hCGが陰性である;4)骨盤超音波検査で、子宮内膜の厚さが0.4cm以下であることが判明したか、または対象が子宮摘出術を受けている;5)外部膣萎縮の診断及び治療の基準を満たしている:膣細胞成熟度指数検査の結果、膣上部細胞の割合が5%以下であることを示し、膣pHが5を超える;6)治験者の評価に基づき、治験をプログラムに従って完了することができる;7)治験の目的、内容、プロセス、起こり得る利点及びリスクを完全に理解した後、自発的に臨床研究に参加し、インフォームドコンセントに署名し、臨床研究の要件に従う。
【0221】
エンドポイント
有効性エンドポイントとしては、a)ベースライン値と比較した膣剥離細胞成熟指数の変化、b)ベースライン値と比較した不眠症重症度指数スコアの変化、c)ベースライン値と比較した膣微小生態学的指数スコアの変化、d)ベースライン値と比較した膣pHの変化が挙げられる。
【0222】
安全性エンドポイントには、有害事象(重篤な有害事象を含む)、臨床検査及び補助検査、バイタルサイン、身体検査などが含まれる。
【0223】
予備的結果
表2は、アノルドリンの治療後の3人の患者のアテネ不眠尺度(AIS)指数の変化を示す。示されるように、3人の患者全てが、0.05mg/日のアノルドリン治療後に睡眠の質を有意に改善したことを示した。結果は、実施例1で見たものと一致する。
【表2】
【0224】
実施例3.
脳領域のATPレベルは、目覚めている間は安定しているが、睡眠の初期の時間にサージを呈することが報告された。このATPのサージは、睡眠深度及び睡眠への恒常的必要性のパラメータである、非急速眼球運動(NREM)睡眠におけるEEG徐波活動の強度と有意な正の相関を示す。Chikahisa et al.,Front Neurol.2011;2:87を参照されたい。この実施例では、神経細胞をアノルドリンで処理し、アノルドリン処理がATPサージを誘導したかどうかを理解するためにATPレベルを測定した。
【0225】
材料及び装置としては、細胞培養培地、FBS及びチャコール処理FBS、ATPアッセイキット(Thermofisher)、及びラット初代神経細胞(Wuhan servisebio)が挙げられる。
【0226】
初代ニューロン細胞(2×106)を、6ウェルプレート中の10%FBSを含有する培地中で24時間増殖させた。次いで、培地を、24時間、5%のチャコール処理FBSを含有したフェノールレッドを含まない培地に置き換えた。10nMのアノルドリンまたはビヒクルを培地中に24時間添加し、次いで細胞を採取した。ATPの蛍光密度を、製造業者の指示に従ってATPアッセイキットを使用してアッセイした。
【0227】
図5に示されるように、アノルドリンは、神経細胞のATPレベルを有意に増加させ、睡眠調節に対するアノルドリンの正の影響を証明した。
【国際調査報告】