(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】テンション・タイ
(51)【国際特許分類】
E04B 1/58 20060101AFI20240514BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
E04B1/58 510A
F16B5/02 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573629
(86)(22)【出願日】2022-05-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022031490
(87)【国際公開番号】W WO2022256276
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506244375
【氏名又は名称】シンプソン ストロング タイ カンパニー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バサバダ、ジャラク ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ミエルブレヒト、エメット ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】オエレリッチ、ポール エイチ.
【テーマコード(参考)】
2E125
3J001
【Fターム(参考)】
2E125AA20
2E125AA45
2E125AA46
2E125AB12
2E125AC01
2E125AC23
2E125AG03
2E125AG04
2E125AG13
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2E125AG51
2E125BB09
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2E125BB35
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2E125BF01
2E125CA02
2E125CA14
3J001FA02
3J001FA07
3J001GA10
3J001GB01
3J001HA02
3J001HA04
3J001JB13
3J001KA26
3J001KB04
(57)【要約】
コネクタがホールダウン又はテンション・タイとして機能でき、引張荷重、浮上がり荷重又は横荷重を被固定部材と固定部材との間で伝達する、連結が提供される。コネクタは個別のアンカ及び留め具と組み合わせて使用される。アンカは、コンクリート基礎、他の同種のコネクタ、木枠部材、若しくは類似種の構造部材、又は他の支持部材若しくは固定部材と繋ぎ止められてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被固定部材と固定部材との間に、コネクタ、1つ若しくは複数の個別のアンカ、並びに1つ若しくは複数の個別の留め具で作製される、建築構造の一部である連結であって、前記連結が、
a.取付面を有する、前記被固定部材と、
b.前記被固定部材と比較的近接した関係で配置され、固定面を有する、前記固定部材と、
c.前記固定部材を貫いて前記固定部材に固定される、前記1つ又は複数の個別のアンカと、
d.前記被固定部材を貫いて前記被固定部材に固定される、前記1つ又は複数の個別の留め具と、
e.前記コネクタであって、前記コネクタがシート部材及び前記シート部材と横接合部で連結された状態で前記シート部材に角度をつけて配置される背部材を有し、前記シート部材が前記横接合部から反対側の端縁及び前記横接合部と前記端縁との間を通る両側の側縁を有し、前記背部材が前記横接合部から反対側の端縁及び前記横接合部と前記端縁との間を通る両側の側縁を有し、前記シート部材が前記1つ又は複数の個別のアンカを受けて前記1つ又は複数の個別のアンカに連結され、前記背部材が前記1つ又は複数の個別の留め具を受けて前記1つ又は複数の個別の留め具に連結される、前記コネクタと、を備える、連結。
【請求項2】
前記シート部材の前記側縁の一部に前記シートを補強する側面フランジが形成されており、前記側面フランジが前記横接合部を通り前記背部材の前記側縁の一部に沿って延在する、請求項1に記載の連結。
【請求項3】
前記1つ又は複数の個別のアンカのうちの単一アンカが前記シート部材の開口部により受けられる、請求項1に記載の連結。
【請求項4】
a.エンボスが、前記背部材で、前記背部材の前記側面縁の間の前記背部材の中心部に形成されており、
b.前記エンボスが、前記横接合部に近接して形成されており、前記横接合部を通って延在せずに前記背部材の前記端縁から前記横接合部に向かう方向に前記背部材に沿って延在する、請求項2に記載の連結。
【請求項5】
a.前記エンボスに上端及び下端が形成されており、前記中心エンボスの前記下端が前記側面フランジにより挟み囲まれており、前記エンボスが前記背部材の前記側面フランジの範囲を越えて上方向に延在する、請求項4に記載の連結。
【請求項6】
前記側面フランジが、前記横接合部近傍において前記側面フランジと前記シート部材との間に1.203cm(0.4738インチ)の曲げ半径を有する、請求項2に記載の連結。
【請求項7】
前記側面フランジが前記背部材及び前記シート部材の前記端縁に向かって延伸するほど外方向に広がり、前記コネクタで最も細い部分が前記横接合部になっている、請求項2に記載の連結。
【請求項8】
前記側面フランジが前記背部材及び前記シート部材の前記端縁に向かって延伸するほど、前記側面フランジが外方向に広がり高さが減少する、請求項2に記載の連結。
【請求項9】
a.前記単一アンカを受ける前記シート部材の前記開口部が、前記シート部材の上方に延出する上向きの周縁を有し、
b.前記シート部材が略平面状であり、前記開口部の前記上向きの周縁の上部が前記略平面状シート部材に直交して延在する、請求項3に記載の連結。
【請求項10】
a.前記背部材が表面及び裏面を有し、
b.前記単一アンカを受ける前記シート部材の前記開口部が中心点を有し、前記中心点が前記背部材の前記表面から2.54cm(1インチ)を越えて離れていない、請求項9に記載の連結。
【請求項11】
a.エンボスが、前記背部材で、前記背部材の前記側面縁の間の前記背部材の中心部に形成されており、
b.前記エンボスが、前記横接合部に近接して形成されており、前記横接合部を通って延在せずに前記背部材の前記端縁から前記横接合部に向かう方向に前記背部材に沿って延在する、請求項10に記載の連結。
【請求項12】
前記シート部材の前記側縁の一部に前記シートを補強する側面フランジが形成されており、前記側面フランジが前記横接合部を通り前記背部材の前記側縁の一部に沿って延在する、請求項11に記載の連結。
【請求項13】
前記エンボスに上端及び下端が形成されており、前記中心エンボスの前記下端が前記側面フランジにより挟み囲まれており、前記エンボスが前記背部材の前記側面フランジの範囲を越えて上方向に延在する、請求項12に記載の連結。
【請求項14】
前記側面フランジが前記背部材及び前記シート部材の前記端縁に向かって延伸するほど外方向に広がり、前記コネクタで最も細い部分が前記横接合部になっている、請求項13に記載の連結。
【請求項15】
前記側面フランジが前記背部材及び前記シート部材の前記端縁に向かって延伸するほど、前記側面フランジが外方向に広がり高さが減少する、請求項14に記載の連結。
【請求項16】
前記側面フランジが、前記横接合部近傍において前記側面フランジと前記シート部材との間に1.203cm(0.4738インチ)の曲げ半径を有する、請求項15に記載の連結。
【請求項17】
前記被固定部材の前記取付面の幅が3.81cm(1と1/2インチ)を越えていない、請求項1に記載の連結。
【請求項18】
前記1つ又は複数のアンカのうちの単一アンカが前記シート部材の開口部により受けられ、前記開口部が前記シート部材から上方向に延出する上向きの周縁を有する、請求項2に記載の連結。
【請求項19】
a.エンボスが、前記背部材で、前記背部材の前記側面縁の間の前記背部材の中心部に形成されており、
b.前記エンボスが、前記横接合部に近接して形成されており、前記横接合部を通って延在せずに前記背部材の前記端縁から前記横接合部に向かう方向に前記背部材に沿って延在する、請求項18に記載の連結。
【請求項20】
a.前記コネクタが10ゲージ鋼板から作製され、前記シート部材が長さ7.461cm(2と15/16インチ)であり、前記コネクタが最も幅が広い点で幅6.509cm(2と9/16インチ)であり、
b.前記被固定部材が、7.62cm×8.89cm(3インチ×3と1/2インチ)の最小断面寸法を有し、ベイマツ又はサザン・パイン級のいずれかの木材である、木質部材であり、
c.前記コネクタが、1.27cm(1/2インチ)の直径を有し前記固定部材に埋め込まれる単一アンカにより、前記固定部材と連結され、
d.前記コネクタが、長さ6.35cm(2と1/2インチ)であり実質的に前記被固定部材に埋め込まれる12個の直径0.3759cm(0.148インチ)の釘留め具により、前記被固定部材と連結され、
d.前記連結が、1032kg(2275ポンド)の許容引張荷重を有し、且つ最大許容荷重時に0.03302cm(0.013インチ)たわむ、請求項1に記載の連結。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被固定構造部材を固定構造部材に固定するための板金コネクタ、及びそれにより作製される連結に関する。本コネクタは、固定構造部材により受けられる1つ又は複数の個別のアンカ部材、及びコネクタを被固定構造部材に取り付ける個別の留め具と協働して働く。
【0002】
本発明はホールダウン又はテンション・タイとして特に有用である。テンション・タイとして、本コネクタは根太をコンクリート壁に固定するための実用性を特に有する。
【背景技術】
【0003】
ホールダウン及びテンション・タイは当該技術分野において周知であり、複数の特許の主題である。2013年10月15日に発行され、Kashane Vilasineekulにより発明された米国特許第8,555,580号は、デッキ及びデッキ部材の固定専用に設計されたテンション・タイ及びホールダウンを教示している。米国特許第8,555,580号により教示されるホールダウン及びテンション・タイは、シートに連結される側部部材を介してのみシート部材に接合される分割背部材を有する。
【0004】
Arthur Delightにより発明され1982年3月30日に発行された米国特許第4,321,776号は、連結を補強するために部材がシート部材に連結され側部部材がシート部材及び背部材の両方に連結されているホールダウンを教示している。Alfred D. Comminsにより発明され1988年5月17日に発行された米国特許第4,744,192号は、側部部材がシート部材と連結されており、側部部材に沿った曲げ部が重ね背部材を作成し、そして重ね背部材が背部材延長ストラップに連結される、テンション・タイを教示している。William F. Leekにより発明され1995年11月21日に発行された米国特許第5,467,570号は、背部材がシートに連結され、背部材に連結された側部部材がシート部材と重なり合うシート・フランジを作成するように折り曲げられている、テンション・タイを教示している。Robert C. Greggらにより発明され1999年11月9日に発行された米国特許第5,979,130号は、シート及び側部部材が背部材の金属から絞り加工されており、ホールダウンのたわみを減少させるようにシートが湾曲している、ホールダウンを教示している。Campbell John Seccombeにより発明され2001年6月26日に発行された米国特許第6,250,041号は、全く側部部材を有さないが、シートが背部材に対向する直立フランジを有している、ホールダウンを教示している。Ben L. Schmidらにより発明され2004年8月26日に公開された米国特許出願公開第2004/0165942号は、シート、側部部材及び背部材が全て連結されている、ホールダウンを教示している。
【0005】
本発明のコネクタは、従来技術によるホールダウン及びテンション・タイの大半と同様に、標準的な設置慣例に適するように働く。本発明のコネクタは、十分に高い引張荷重に耐えつつより軽量で生産がより安価になる複数の設計特徴を組み込み、より多種の設置オプションを可能にすることで、従来技術に改良を加えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8,555,580号
【特許文献2】米国特許第4,321,776号
【特許文献3】米国特許第4,744,192号
【特許文献4】米国特許第5,467,570号
【特許文献5】米国特許第5,979,130号
【特許文献6】米国特許第6,250,041号
【特許文献7】米国特許出願公開第2004/0165942号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ホールダウン又はテンション・タイとして機能でき、引張荷重、浮上がり荷重又は横荷重を被固定部材と固定部材との間で伝達するコネクタにより作製される連結である。本コネクタは個別のアンカ及び留め具と組み合わせて使用される。アンカは、コンクリート基礎、他の同種のコネクタ、木枠部材、若しくは類似種の構造部材、又は他の支持部材若しくは固定部材と繋ぎ止められてもよい。
【0008】
本発明は、コネクタ、1つ若しくは複数の個別のアンカ、並びに1つ若しくは複数の個別の留め具で作製された、被固定部材と固定部材との間の、建築構造の一部である連結であって、被固定部材が取付面を有し、固定部材が被固定部材と比較的近接した関係で配置され且つ固定面を有し、1つ又は複数の個別のアンカが固定部材を貫いて固定部材に固定され、1つ又は複数の個別の留め具が被固定部材を貫いて被固定部材に固定され、コネクタがシート部材及びシート部材と横接合部(lateral juncture)で連結された状態でシート部材に角度をつけて配置される背部材を有し、シート部材が横接合部から反対側の端縁及び横接合部と端縁との間を通る両側の側縁を有し、背部材が横接合部から反対側の端縁及び横接合部と端縁との間を通る両側の側縁を有し、シート部材が1つ又は複数の個別のアンカを受けてそれに連結され、背部材が1つ又は複数の個別の留め具を受けてそれに連結される。
【0009】
本発明の一実施例において、被固定部材は、被固定部材に取り付けられる背部材の一部と平行な方向に被固定部材の最も長い寸法に沿って延びる細長部材である。本発明のコネクタは、その背部材を通る個別の留め具で公称5.08cm(2インチ)幅の構造部材に留められてもよく、5.08cm(2インチ)幅の根太用のテンション・タイとして理想的となるように固定部材に留められてもよい。公称5.08cm(2インチ)幅の乾燥木質部材は3.81cm(1.5インチ)まで細くてもよい。本コネクタの寸法は、コネクタの背部材が、細い下面が下方向に方向付けられ且つ細い上面が上方向に方向付けられて水平方向に配置された典型的な根太の細い下面又は上面に取り付けられ得るように、最適化されている。
【0010】
コネクタは好ましくは、その背部材を介して釘で根太に留められ、自己穿孔(self-drilling)自己ねじ立て(self-tapping)式アンカ又はボルトで建造物の壁に留められる。
【0011】
本発明の一実施例において、背部材は、横接合部から背部材の端縁へ延在する中心長手方向軸を有し、単一の中心エンボスは横接合部に近接する領域から長手方向軸に沿って延在する。中心エンボスは、引張荷重下にあるときにコネクタの破壊の防止を補助する。中心エンボスは、好ましくは板金ブランクから上方向に0.3429cm(0.135インチ)エンボス加工され、幅が0.9525cm(0.375インチ)で長さが5.715cm(2.250インチ)である。中心エンボスは好ましくは、丸みを帯びた上端及び下端を有し、エンボスの頂部は背部材の端縁から約29.84cm(11と3/4インチ)下にある。中心エンボスの下端は背部材に形成された側面フランジにより挟み囲まれ(bracketed)、エンボスは背部材の側面フランジの範囲を越えて、約1.27cm(1/2インチ)上方向まで又は横接合部からの側面フランジの範囲の約120%上方向まで延在する。
【0012】
本発明の好ましい形態において、シート部材の側縁の一部にはシートを補強する側面フランジが形成されており、側面フランジは好ましくは、横接合部を通り背部材の側縁の一部に沿って延在する。
【0013】
本発明の好ましい形態において、コネクタは板金のストリップ又はブランクから作製される。板金ブランクは好ましくは略長方形状である。背部材及びシート部材は、背部材がシート部材に対して概して正しい角度で方向付けられるように横接合部で板金ブランクを曲げることで形成される。背部材には、コネクタの最終的な曲げ形態においてシート部材に面する表面、及びシート部材と反対方向に面する裏面が形成される。同様に、シート部材には、背部材に面する上面、及び背部材と反対方向に面する下面が形成される。横接合部の曲げ部の半径は好ましくは0.9525cm(0.3750インチ)である。
【0014】
本発明の好ましい形態において、側面フランジは、絞り操作でシートが形成されるのと同時に側面フランジを形成するべく、横接合部近傍でブランクの側面材料を上方向に曲げることで形成される。側面フランジを形成するための板金の曲げ部の半径は好ましくは、横接合部における曲げ部の最小半径で、1.203cm(0.4738インチ)である。コネクタの形成が終了したとき、コネクタで最も細い部分は好ましくは横接合部である。好ましくは、横接合部で側面フランジを形成すると、コネクタの各々の側が0.7701cm(0.3032インチ)狭まる。好ましくは、側面フランジは背部材及びシート部材の端縁に向かって延伸するほど外方向に広がり、高さが減少し、その曲げ半径が小さくなる。背部材及びシート部材の側面フランジは、横接合部近傍で最も高さが高くなり、約1.27cm(1/2インチ)に達する。背部材とシート部材との間の側面フランジの曲げ部の半径は1.111cm(0.4375インチ)である。側面フランジは、シート部材においてシート部材の端縁には側面フランジが存在せず背部材においてシート部材の上面から約6.826cm(2と11/16インチ)上方には側面フランジが存在しないように、横接合部から離れる方向に延伸するほど高さを減じる。
【0015】
本発明の好ましい形態において、シート部材には、略平面状シート部材上方に延在する上向きの周縁を有する、アンカ部材用の少なくとも1つの開口部が形成される。好ましくは、シート部材の開口部の上向きの周縁の上部は、略平面状シート部材に直交して延在する。
【0016】
本発明の好ましい形態において、シート部材には、ボルトなどの単一アンカ部材を受けるための単一円形開口部が形成され、その単一開口部の中心線は背部材の表面から2.54cm(1インチ)を越えて離れていない。単一円形開口部は好ましくは、2.064cm(13/16インチ)の直径を有しており、1.27cmから1.905cm(1/2インチから3/4インチ)の間の直径を有するボルトに最も適しており受け入れることができる。コネクタとともに使用される好ましいボルトは直径が1.27cmから1.905cm(1/2インチから3/4インチ)の間であり、引張荷重下のコネクタのたわみを軽減するために好ましくは使用されるボルトのサイズに鑑みて、単一開口部の中心点は横接合部に可能な限り近接する必要があることが試験により判明している。
【0017】
本発明の好ましい形態において、背部材には、被固定部材の様々な寸法に最適化された、留め具用の開口部の複数の組が形成される。ある組に属する開口部はその開口部の形状により識別される。開口部のある組は、公称5.08cm(2インチ)の根太の細い面への取付けのために、背部材の中心長手方向軸に近接して形成される。コネクタがより幅広い部材に取り付けられる場合、開口部の他の組が背部材の中心長手方向軸からより大きく間隔を空けて形成され、したがってその開口部の間隔は被固定部材が木製である場合に被固定部材の割れを防止するように最適化される。
【0018】
本発明の好ましい実施例において、背部材の長さは37.94cm(14と15/16インチ)であり、背部材を被固定部材に取り付けるべく留め具を受けるための、背部材で最も近接した開口部は横接合部から約8.89cm(3と1/2インチ)の位置にある。留め具用開口部は横接合部に近接していることが好ましいが、特定の連結においては、被固定部材と固定部材との間に配置されコネクタにより固定されない他の部材のために、横接合部と最も近接する留め具用開口部との間に間隔が設けられる。
【0019】
本発明の好ましい実施例において、シート部材の長さは7.461cm(2と15/16インチ)であり、コネクタを作製するために使用される板金ブランクの幅は6.509cm(2と9/16インチ)であり、コネクタは10ゲージ亜鉛めっき板金から作製される。
【0020】
本発明の好ましい実施例において、アンカ部材用の単一開口部の周縁はシート部材の下面から1.032cm(13/32インチ)延出している。開口部の周縁は好ましくはシートの素材から押し出される。アンカが引張荷重下にあるときにシート部材を通り抜けようとするアンカの頭部又はボルトに取り付けられたナットに対してシート部材がより強く抵抗できるように、アンカ用の単一開口部の押し出された周縁はシート部材の補強を補助する。シート部材から環状周縁を形成するための曲げ部の半径は好ましくは0.0762cm(0.0300インチ)である。
【0021】
本発明の一実施例において、被固定部材は公称10.16cm×10.16cm(4インチ×4インチ)のベイマツ木材である木質部材であり、固定部材はセメント質部材であり、コネクタは1.27cm(0.5インチ)の直径を有し固定部材に埋め込まれる単一アンカにより固定部材と連結され、コネクタは長さ6.35cm(2.5インチ)であり実質的に被固定部材に埋め込まれる直径0.3759cm(0.148インチ)の釘である12個の留め具により被固定部材と連結され、コネクタは10ゲージ鋼板から作製され且つ幅6.509cm(2と9/16インチ)であり、背部材は長さ37.94cm(14と15/16インチ)であり、シート部材は長さ7.461cm(2と15/16インチ)であり、連結は1,031.9226kg(2,275ポンド)の許容引張荷重を有し且つ最大許容荷重時に0.03302cm(0.013インチ)たわむ。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】根太とセメント質壁との間を連結するコネクタを示している、本発明の連結の斜視図である。コネクタをセメント質壁に固定している自己ねじ立て式コンクリート製アンカが示されている。典型的な連結を行うために使用される全ての留め具は示されていない。
【
図7】根太とセメント質壁との間を連結するコネクタを示している、本発明の連結の断面側面図である。コネクタをセメント質壁に固定しているボルトが示されている。典型的な連結を行うために使用される全ての留め具は示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は建築構造における固定部材1と被固定部材2との間の連結を提供する。本連結では、1つ又は複数の個別のアンカ4及び1つ又は複数の個別の留め具5と組み合わせてコネクタ3を使用する。被固定部材2は取付面6を有する。一般に、被固定部材2は側縁8により取付面6と接合される縁面7も有する。固定部材1は、被固定部材2と比較的近接した関係で配置され、且つ1つ又は複数のアンカ4を受ける固定面9を有する。1つ又は複数の個別のアンカ4は、固定部材1を貫いて固定部材1に固定される。1つ又は複数の個別の留め具5は、被固定部材2を貫いて被固定部材2に固定される。コネクタ3は、シート部材10、及びシート部材10と横接合部12で連結された状態でシート部材10に角度をつけて配置される背部材11を有する。シート部材10は、横接合部12から反対側の端縁13、及び横接合部12と端縁13との間を通る両側の側縁14を有する。背部材11は、横接合部12から反対側の端縁15、及び横接合部12と端縁15との間を通る両側の側縁16を有する。シート部材10は、1つ又は複数の個別のアンカ4を受けてそれに連結され、背部材11は、1つ又は複数の個別の留め具5を受けてそれに連結される。
【0024】
被固定部材2に打ち込まれる釘5又は自己穿孔式且つ自己ねじ立て式のねじ付き留め具5を受けるため、背部材11に開口部17が好ましくは設けられている。1つ又は複数のアンカ4を受けるため、シート部材10に1つ又は複数の開口部18が好ましくは設けられている。好ましくは、1つのみのアンカ4がコネクタ3とともに使用され、アンカ4がセメント質固定部材1により受けられる場合シート部材10の開口部18により受けられるアンカ4は好ましくはボルト4である。アンカ4は好ましくは、アンカ4の頭部22又はアンカ4に取り付けられたナット20とコネクタ3のシート部材10との間にワッシャ19を伴って使用される。ワッシャ19はアンカ4と一体形成されてもよい。
【0025】
図1に示されるように、被固定部材2は、被固定部材2に取り付けられる背部材11の一部と平行な方向に被固定部材2の最も長い寸法に沿って延びる細長部材である。典型的な設置において、被固定部材2は根太である。固定部材1は、根太又は被固定部材2が吊られるセメント質壁であってもよい。本発明のコネクタ3は、背部材11を通る個別の留め具5で公称5.08cm(2インチ)幅の根太又は構造部材2に留められてもよく、セメント質壁に取り付けられる5.08cm(2インチ)幅の根太用のテンション・タイとして理想的となるようにシート部材10を通るアンカ4で被固定部材2に留められてもよい。公称5.08cm(2インチ)幅の乾燥木質部材は3.81cm(1.5インチ)まで細くてもよい。本コネクタ3の寸法は、コネクタ3の背部材11が、細い下面が下方向に方向付けられ且つ細い上面が上方向に方向付けられて水平方向に配置された典型的な根太の細い下面又は上面に取り付けられ得るように、最適化されている。
【0026】
図5に示されるように、シート部材10には好ましくは、シート部材10を補強し両側の側縁14から上方向に延在する側面フランジ23が形成されている。側面フランジ23は好ましくは、横接合部12を通り背部材11の側縁16に沿って少なくとも選択された距離だけ延在する。
【0027】
好ましくは、背部材11にはエンボス24が形成されている。エンボス24は横接合部12を通りシート部材10まで延伸してもよい。
図6に示されるように、エンボス24は横接合部12に近接して形成されているが、横接合部12を通って延伸してはいない。中心エンボス24は、好ましくは板金ブランクから上方向に0.3429cm(0.135インチ)エンボス加工され、幅が0.9525cm(0.375インチ)で長さが5.715cm(2.250インチ)である。中心エンボス24は好ましくは、丸みを帯びた上端及び下端を有し、エンボスの頂部は背部材11の端縁15から約29.84cm(11と3/4インチ)下にある。中心エンボス24の下端は背部材11に形成された側面フランジ23により挟み囲まれ、エンボス24は背部材11の側面フランジ23の範囲を越えて、約1.27cm(1/2インチ)上方向まで又は横接合部12上方に側面フランジ23が延在する範囲の約120%上方向まで延在する。
【0028】
コネクタ3は好ましくは、10ゲージ鋼板から、鋼板を打ち抜き加工及び曲げ加工することで作製される。その鋼はステンレス鋼であるか又は亜鉛若しくは他の防食材料でめっき/被覆加工されていてもよい。本発明の好ましい形態において、シート部材10の側縁14の一部にはシートを補強する側面フランジ23が形成されており、側面フランジ23は好ましくは、横接合部12を通り背部材11の側縁16の一部に沿って延在する。横接合部の曲げ部の半径は好ましくは0.9525cm(0.3750インチ)である。
【0029】
コネクタ3は好ましくは、その背部材11を介して釘5で根太2に留められ、自己穿孔自己ねじ立て式アンカ又はボルト4で建造物の壁1に留められる。
【0030】
本発明の一実施例において、1つ又は複数のアンカ4は、固定部材1に直接的に穿設される自己穿孔式且つ自己ねじ立て式のねじ付き部材である。
【0031】
本発明の一実施例において、背部材11は、横接合部12から端縁15へ延在する中心長手方向軸21を有し、単一の中心エンボス24は、横接合部21に近接する領域から長手方向軸21に沿い、選択された距離だけ背部材に沿って上方向に、延在する。
図1に示されるように、エンボス24は、側面フランジ23が背部材に延在するより僅かに遠くに延在する。エンボス24は、留め具5用の開口部17が設けられている背部材の略平面状部に、短い距離延在している。
【0032】
本発明の好ましい形態において、シート部材10の側縁14の一部にはシート部材10を補強する側面フランジ23が形成されており、側面フランジ23は好ましくは、横接合部12を通り背部材11の側縁16の一部に沿って延在する。
【0033】
本発明の好ましい形態において、コネクタ3は板金のストリップ又はブランクから作製される。板金ブランクは好ましくは略長方形状である。背部材11及びシート部材10は、背部材11がシート部材10に対して概して正しい角度で方向付けられるように横接合部12で板金ブランクを曲げることで形成される。背部材11には、コネクタ3の曲げ形態においてシート部材10に面する表面25、及びシート部材10と反対方向に面する裏面26が形成される。同様に、シート部材11には、背部材11に面する上面27、及び背部材11と反対方向に面する下面28が形成される。
【0034】
本発明の好ましい形態において、側面フランジ23は、側面フランジ23を形成するべく横接合部12近傍でブランクの側面材料を上方向に曲げることで形成される。側面フランジを形成するための板金の曲げ部の半径は好ましくは、横接合部12における曲げ部の最小半径で、1.203cm(0.4738インチ)である。側面フランジ23は背部材11及びシート部材10の端縁13及び15に向かって延伸するほど外方向に広がり、コネクタ3の形成が終了したときコネクタ3で最も細い部分は好ましくは横接合部12となる。好ましくは、横接合部で側面フランジを形成すると、コネクタの各々の側が0.7701cm(0.3032インチ)狭まる。好ましくは、側面フランジ23は背部材11及びシート部材10の端縁15及び13に向かって延伸するほど外方向に広がり、高さが減少する。背部材11及びシート部材10の側面フランジ23は、横接合部12近傍で最も高さが高くなり、約1.27cm(1/2インチ)に達する。背部材11とシート部材10との間の側面フランジ23の曲げ部の半径は1.111cm(0.4375インチ)である。側面フランジ23は、シート部材10においてシート部材10の端縁13には側面フランジ23が存在せず背部材11においてシート部材10の上面27から約6.826cm(2と11/16インチ)上方には側面フランジ23が存在しないように、横接合部12から離れる方向に延伸するほど高さを減じる。
【0035】
本発明の好ましい形態において、シート部材10には、略平面状シート部材10上方に延在する上向きの周縁29を有する、アンカ部材4用の少なくとも1つの開口部18が形成される。好ましくは、シート部材10の開口部18の上向きの周縁29の上部は、略平面状シート部材10に直交して延在する。
【0036】
本発明の好ましい形態において、シート部材10には、ボルトなどの単一アンカ部材4を受けるための単一円形開口部18が形成され、その単一開口部18の中心点は背部材11の表面25から2.54cm(1インチ)を越えて離れていない。単一円形開口部18は好ましくは、2.064cm(13/16インチ)の直径を有しており、1.27cmから1.905cm(1/2インチから3/4インチ)の間の直径を有するボルトを受け入れることができる。コネクタとともに使用される好ましいボルトは直径が1.27cmから1.905cm(1/2インチから3/4インチ)の間である。
【0037】
本発明の好ましい形態において、背部材11には、被固定部材2の様々な寸法に最適化された、留め具5用の開口部17の複数の組が形成される。ある組に属する開口部17はその開口部17の形状により識別される。開口部17のある組は、公称5.08cm(2インチ)の根太の細い面への取付けのために、背部材11の中心長手方向軸21に近接して形成される。コネクタ3がより幅広い部材に取り付けられる場合、開口部17の他の組が背部材11の中心長手方向軸21からより大きく間隔を空けて形成され、したがってその開口部17の間隔は被固定部材2が木製である場合に被固定部材2の割れを防止するように最適化される。
【0038】
本発明の好ましい実施例において、背部材11の長さは37.94cm(14と15/16インチ)であり、背部材11を被固定部材2に取り付けるべく留め具5を受けるための、背部材11で最も近接した開口部17は横接合部12から6.826cm(2と11/16インチ)以下の位置にある。
【0039】
本発明の好ましい実施例において、シート部材10の長さは7.461cm(2と15/16インチ)であり、コネクタ3の幅は6.509cm(2と9/16インチ)であり、コネクタ3は10ゲージ亜鉛めっき板金から作製される。
【0040】
本発明の好ましい実施例において、アンカ部材4用の単一開口部18の上向きの周縁29はシート部材10の下面28から1.032cm(13/32インチ)延出している。シート部材10から環状周縁29を形成するための曲げ部の半径は好ましくは0.0762cm(0.0300インチ)である。
【0041】
本発明の一実施例において、被固定部材2は公称10.16cm×10.16cm(4インチ×4インチ)のベイマツ木材である木質部材であり、固定部材1はセメント質部材であり、コネクタ3は1.27cm(1/2インチ)の直径を有し固定部材1に埋め込まれる単一アンカ4により固定部材1と連結され、コネクタ3は長さ6.35cm(2.5インチ)であり実質的に被固定部材2に埋め込まれる直径0.3759cm(0.148インチ)の釘である12個の留め具5により被固定部材2と連結され、コネクタ3は10ゲージ鋼板から作製され且つ幅6.509cm(2と9/16インチ)であり、背部材11は長さ37.94cm(14と15/16インチ)であり、シート部材10は長さ7.461cm(2と15/16インチ)であり、連結は1,032kg(2,275ポンド)の許容引張荷重を有し且つ最大許容荷重時に0.03302cm(0.013インチ)たわむ。
【0042】
【国際調査報告】