(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】口腔洗浄方法、洗浄システム、及び口腔洗浄器
(51)【国際特許分類】
A61C 17/02 20060101AFI20240514BHJP
G06T 7/11 20170101ALI20240514BHJP
【FI】
A61C17/02 J
A61C17/02 B
G06T7/11
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574307
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 CN2022096311
(87)【国際公開番号】W WO2022253232
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110613338.4
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518436504
【氏名又は名称】厦門松霖科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】楊 建輝
(72)【発明者】
【氏名】盧 偉
(72)【発明者】
【氏名】李 天成
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096CA02
5L096DA01
5L096EA43
5L096FA59
(57)【要約】
本発明は、口腔洗浄方法、洗浄システム及び口腔洗浄器を提供し、口腔洗浄方法は、口腔洗浄器に装着された画像収集装置により口腔画像を取得するステップ(101)と、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルを制御するステップ(102)と、を含む。歯の出血状況に応じて洗浄力及び洗浄水量を調節することで、出血領域を二次障害から保護し、全面的に歯の異物を徹底的に洗浄することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔洗浄器に装着された画像収集装置により口腔画像を取得するステップと、
取得された口腔画像に基づいて、歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かを判定するステップと、
前記異物が血液である場合、血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御するステップと、
前記異物が血液ではない場合、異物の属性に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御するステップと、を含むことを特徴とする口腔洗浄方法。
【請求項2】
前記血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度を出血レベルに変換し、前記出血レベルに基づいて口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、洗浄のレベルを決定することを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄方法。
【請求項3】
前記異物の属性を計算し、異物の属性を異物レベルに変換し、前記異物レベルに基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、洗浄のレベルを決定することを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄方法。
【請求項4】
取得された口腔画像に基づいて歯領域を抽出することは、
opencvを用いて口腔画像の行数及び列数を取得するステップと、
行及び列を基に、4方向から順次に全ての列及び行の画素点を循環させ、歯の色が発見される場合、今回の循環を停止し、次回の循環を継続し、循環が全て完了するまで、全ての循環された点の座標を記録するステップと、
記録された点からなる領域を非歯領域と標記し、画像の残りの点からなる領域を歯領域と標記するステップと、を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔洗浄方法。
【請求項5】
取得された口腔画像に基づいて歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出することは、
取得された口腔画像に基づいて歯領域を抽出し、opencvを用いて歯領域画像に対して閾値が100であるTHRESH_BINARタイプの二値化処理を行い、二値化処理後の画像の色値は、白い部分を0と標記し、その他を255と標記するステップと、
色値が255である領域を全て記録し、異物領域として標記するとともに、対応する座標を記録するステップと、を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔洗浄方法。
【請求項6】
取得された口腔画像に基づいて、歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かを判断し、血液である場合、血液面積及び/または血液濃度を計算することは、
口腔画像中の全ての画素点の座標をトラバースし、記録された異物領域の座標と比較し、記録点ではない場合、対応する画素点を白色に設定するステップと、
opencvを用いて、調整された口腔画像をhsvフォーマットに変換し、各画素点のhsv値をそれぞれ対応する血液hsvの値と比較し、血液hsv値の範囲内にある場合、血液であると判断し、対応する座標とhsv値を記録するステップと、
血液である場合、opencvアルゴリズムを用いて血液面積の大きさ及び血液濃度を計算するステップと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の口腔洗浄方法。
【請求項7】
前記口腔洗浄器の出水ノズルの出水に対する制御は、口腔洗浄器の出水ノズルの出水流量を大きく、小さく、又は一定に制御することを含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄方法。
【請求項8】
前記口腔洗浄器の出水ノズルの出水に対する制御は、口腔洗浄器の出水ノズルの出水力を大きく、小さく、又は一定に制御することを含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄方法。
【請求項9】
口腔洗浄システムであって、
口腔洗浄器に装着された画像収集装置により口腔画像を取得する口腔画像取得モジュールと、
取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御する制御モジュールと、を含むことを特徴とする口腔洗浄システム。
【請求項10】
前記制御モジュールは、具体的に、取得された口腔画像に基づいて、歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かを判定し、血液である場合、血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御するが、血液ではない場合、異物の属性に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御することを特徴とする請求項9に記載の口腔洗浄システム。
【請求項11】
前記制御モジュールは、具体的に、取得された口腔画像に基づいて、歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かを判定し、血液である場合、血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度を出血レベルに変換し、前記出血レベルに基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、洗浄のレベルを決定するが、血液ではない場合、異物の属性を計算し、異物の属性を異物レベルに変換し、前記異物レベルに基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、洗浄のレベルを決定することを特徴とする請求項9に記載の口腔洗浄システム。
【請求項12】
前記制御モジュールは、具体的に、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水流量を大きく、小さく、又は一定に制御するとともに/又は、口腔洗浄器の出水ノズルの出水力を大きく、小さく、又は一定に制御することを特徴とする請求項9に記載の口腔洗浄システム。
【請求項13】
口腔洗浄器であって、本体と、該本体に取り付けられた出水ノズル及び画像収集装置を含み、請求項9~12のいずれか一項に記載の口腔洗浄システムをさらに備えることを特徴とする口腔洗浄器。
【請求項14】
口腔洗浄器であって、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、且つプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記プロセッサは、前記プログラムを実行する場合、請求項1~8のいずれか一項に記載の口腔洗浄方法のステップを実施することを特徴とする口腔洗浄器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔ケア技術の分野に関し、特に、口腔洗浄方法、洗浄システム及び口腔洗浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔洗浄器は、口腔衛生の分野に属するパーソナルケア器具として、水タンク内の水をポンプで出水ノズルに吸い上げて、噴流を形成し、ユーザの口腔及び歯を洗い流す。従来の歯ブラシに比べて、歯のプラークをより徹底的に除去することができ、歯肉炎、歯周病、歯肉出血等の口腔疾患の低減に有効であるという利点から、近年、消費者に好まれるようになってきた。
【0003】
現在市販されている口腔洗浄器は、主として、鏡によって歯の異物を肉眼で観察し、手動で歯の洗浄を制御する。これにより、視覚の盲点が発生し、口腔の内側にある歯や異物は鏡を通して見えず、視覚の死角が残り、徹底的に歯を洗い流すことができない等の状況を招く。また、ユーザが長時間に渡って一定の姿勢を維持して操作するため、首と腰と目が疲労し、時間が長くなると、歯の洗い流しの楽しみがなくなり、歯の洗い流しを望まないことになり、最終的に口腔の健康に影響を与える。さらに、ユーザに歯出血がある場合にも、歯の出血量に応じて能動的に洗浄水量及び洗浄力を低下させることができず、出血点での二次障害が発生することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、従来技術の口腔洗浄器の欠点を克服し、歯の出血状況に応じて洗浄力及び洗浄水量を調整して、出血領域を二次障害から保護し、全面的に歯の異物を徹底的に洗浄することができる口腔洗浄方法、洗浄システム及び口腔洗浄器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の技術的態様を採用する。
一つの態様において、口腔洗浄方法は、
口腔洗浄器に装着された画像収集装置により口腔画像を取得するステップと、
取得された口腔画像に基づいて、歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かを判定するステップと、
【0006】
前記異物が血液である場合、血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御するステップと、
前記異物が血液ではない場合、異物の属性に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御するステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、前記血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度を出血レベルに変換し、前記出血レベルに基づいて口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、洗浄のレベルを決定する。
【0008】
好ましくは、前記異物の属性を計算し、異物の属性を異物レベルに変換し、前記異物レベルに基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、洗浄のレベルを決定する。
好ましくは、取得された口腔画像に基づいて歯領域を抽出することは、
opencvを用いて口腔画像の行数及び列数を取得するステップと、
【0009】
行及び列を基に、4方向から順次に全ての列及び行の画素点を循環させ、歯の色が発見される場合、今回の循環を停止し、次回の循環を継続し、循環が全て完了するまで、全ての循環された点の座標を記録するステップと、
記録された点からなる領域を非歯領域と標記し、画像の残りの点からなる領域を歯領域と標記するステップと、を含む。
好ましくは、取得された口腔画像に基づいて歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出することは、
【0010】
取得された口腔画像に基づいて歯領域を抽出し、opencvを用いて歯領域の画像に対して閾値が100であるTHRESH_BINARタイプの二値化処理を行い、二値化処理後の画像の色値は、白い部分を0と標記し、その他を255と標記するステップと、
色値が255である領域を全て記録し、異物領域として標記するとともに、対応する座標を記録するステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、取得された口腔画像に基づいて、歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かを判断し、血液である場合、血液面積及び/または血液濃度を計算することは、
口腔画像中の全ての画素点の座標をトラバースし、記録された異物領域の座標と比較し、記録点ではない場合、対応する画素点を白色に設定するステップと、
【0012】
opencvを用いて、調整された口腔画像をhsvフォーマットに変換し、各画素点のhsv値をそれぞれ対応する血液hsvの値と比較し、血液hsv値の範囲内にある場合、血液であると判断し、対応する座標とhsv値を記録するステップと、
血液である場合、opencvアルゴリズムを用いて血液面積の大きさ及び血液濃度を計算するステップと、を含む。
好ましくは、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御することは、
取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水流量を大きく、小さく、又は一定に制御することを含む。
好ましくは、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御することは、
取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水力を、大きく、小さく、又は一定に制御することを含む。
第2の態様において、口腔洗浄システムは:
口腔洗浄器に装着された画像収集装置により口腔画像を取得する口腔画像取得モジュールと、
取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御する制御モジュールと、を含む。
【0013】
好ましくは、前記制御モジュールは、具体的に、取得された口腔画像に基づいて、歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かを判定し、血液である場合、血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御するが、血液ではない場合、異物の属性に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御する。
【0014】
好ましくは、前記制御モジュールは、具体的に、取得された口腔画像に基づいて、歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かを判定し、血液である場合、血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度を出血レベルに変換し、前記出血レベルに基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、洗浄のレベルを決定するが、血液ではない場合、異物の属性を計算し、異物の属性を異物レベルに変換し、前記異物レベルに基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御する。
【0015】
好ましくは、前記制御モジュールは、具体的に、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水流量を大きく、小さく、又は一定に制御する。
【0016】
好ましくは、前記制御モジュールは、具体的に、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水力を大きく、小さく、又は一定に制御するとともに/又は、
口腔洗浄器の出水ノズルの出水力を大きく、小さく、又は一定に制御する。
第3の態様では、口腔洗浄器は、本体と、該本体に取り付けられた出水ノズル及び画像収集装置を含み、前記口腔洗浄システムをさらに備える。
【0017】
第4の態様では、口腔洗浄器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、且つプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記プロセッサは、前記プログラムを実行する場合、いずれか一項の前記口腔洗浄方法のステップを実施する。
【発明の効果】
【0018】
先行技術と比較した本発明の有利な効果は、以下の通りである。
【0019】
(1)本発明は、口腔洗浄器に装着された画像収集装置により口腔画像を取得し、取得された口腔画像に基づいて歯領域及び対応する異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かをさらに判定し、血液である場合に、出血液面積及び/又は血液濃度を計算し、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、即ち、歯の出血状況に応じて洗浄力及び洗浄水量を調節して、出血領域を二次障害から保護することができる。
【0020】
(2)本発明は、口腔洗浄器に装着された画像収集装置により口腔画像を取得し、取得された口腔画像に基づいて歯領域及び対応する異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かをさらに判定し、血液である場合に血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度を出血レベルに変換し、前記出血レベルに基づいて口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、すなわち、歯の出血の程度をいくつかのレベルに変換し、洗浄力及び洗浄水量を調整することにより、出血領域を二次障害から保護する。
【0021】
(3)本発明は、口腔洗浄器に装着された画像収集装置により口腔画像を取得し、取得された口腔画像に基づいて歯領域及び対応する異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かをさらに判定し、血液ではない場合、異物の属性(異物の面積、異物の種類、異物の厚さのうちの1つ又は複数個を含むが、これらに限定されない)に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、全面的に歯の異物を徹底的に洗浄する。
【0022】
(4)本発明は、一定時間に渡って異物(血液を含む)を洗浄した後、該当領域の異物を再度分析することができ、異物がきれいに洗浄されれば、洗浄を停止させ、異物が残っていれば、洗浄力及び洗浄水量を調節して洗浄する。所定時間後又は所定回数後に、異物がまだ残っている場合、洗浄を停止させる。
(5)本発明は、ユーザに歯の状態を直感的に認識させるために、音声及び/又は文字で歯の検出結果及び/又は歯の洗浄結果を提示することができる。
【0023】
上記説明は、本発明の技術的態様の概要に過ぎず、本発明の技術的手段をより明確に理解した上で明細書の内容に沿って実施し、また、本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、本発明の具体的な実施形態を列挙する。
本発明の上記及び他の目的、利点、及び特徴は、添付図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明することで、当業者が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施例に係わる口腔洗浄方法の概略フローチャートである。
【
図2】本発明の実施例に係わる口腔洗浄方法の詳細なフローチャートである。
【
図3】本発明の実施形態に係わる歯領域を抽出するフローチャートである。
【
図4】本発明の実施例に係わる歯領域の異物を抽出するフローチャートである。
【
図5】本発明の実施例に係わる歯領域の血液を抽出するフローチャートである。
【
図6】本発明の実施例に係わる歯領域の他の異物を抽出するフローチャートである。
【
図7】本発明の実施例に係わる口腔洗浄システムの構造ブロック図である。
【
図8】本発明の実施例に係わる口腔洗浄器の制御の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決策を明確且つ完全に説明する。上記した実施例が本発明の一部を構成するものであり、全ての実施例ではなく、本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な努力をせずに得られた全ての他の実施例も、本発明の保護範囲に属するのは、明らかである。
【0026】
本発明の説明において、「備える」、「含む」という用語、または任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーするように意図し、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は設備は、それらの要素だけでなく、明確に列挙されていない他の要素も含み、又は、このようなプロセス、方法、物品又は設備に固有の要素をさらに含む。「一つの……を含む」という表現によって定義される要素について、これ以上に限定しない限り、他の同一の要素が、前記要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置内に存在することは除外しない。
【0027】
本発明の説明において、「上」、「下」、「内」、「外」、「上端/下端」等の用語によって示される位置又は位置関係は、図面に示される位置又は位置関係に基づくものであり、単に本発明の説明を容易かつ簡略にするためであり、言及される装置又は要素が特定の位置を有し、特定の位置で構成され、動作しなければならないことを明示又は暗示するものではなく、したがって、本発明の限定として解釈されるべきではない。さらに、「第1の」、「第2の」という用語は、目的を説明するためだけであり、相対的な重要性を明示または暗示するものとして理解すべきではない。
【0028】
本発明の説明において、特に明記且つ限定しない限り、「装着」、「備える」、「設置/接合」、「接続」等の用語は、広義に理解すべきであり、例えば、「接続」という用語は、固定的に接続されても、着脱可能に接続されても、一体的に接続されても、機械的に接続されても、電気的に接続されても、直接的に接続されても、介在物を介して間接的に接続されても、2つの要素の内部の連通であってもよく、当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味を具体的に理解することができる。
図1に示すように、一つの態様において、本発明は口腔洗浄方法に係わり、
口腔洗浄器に取り付けられた画像収集装置により、口腔画像を収集するステップS101と、
取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づき、口腔洗浄器の出水ノズルの出水モードを制御するステップS102と、を含む。
【0029】
以上の制御方法により、収集された口腔画像に基づいて自動的に口腔洗浄器の出水ノズルの動作を制御することができ、手動で制御及び調整する必要がなく、ユーザにとって便利になる。本発明の上記した自動制御方法を用いれば、使用時に口腔洗浄器を口腔内に置くだけで、自動的に歯を洗浄することができ、使用の困難性を減らし、安全性を高めた。特に、取得した口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御することで、歯の出血状況に応じて、洗浄力及び洗浄水量を調節して、出血領域を二次障害から保護することができる。
【0030】
さらに、本実施例における異物は、血液、歯垢及び/又は食物残渣等を含む。
一つの実施例では、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、
取得された口腔画像に基づいて歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かを判定し、血液である場合、血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御するが、血液ではない場合、異物の属性に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルを制御する。
【0031】
この実施例では、同定された異物が血液である場合、血液面積及び/又は血液濃度に応じて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、すなわち、歯の出血状況に応じて洗浄力及び洗浄水量を調節し、出血領域を二次障害から保護し、異なるグレードで洗浄する。同定された異物が血液ではない場合、異物面積に応じて洗浄力及び洗浄水量を調節して、異なる強さで洗浄し、口腔を傷つけることなく速やかに異物を洗い流すことが保証される。
前記異物の属性は、異物の面積、異物の種類、異物の厚さのうちの1つ以上を含むが、これらに限定しない。
【0032】
一つの実施例では、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、
取得された口腔画像に基づいて歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かを判定し、血液である場合、血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度を出血レベルに換算し、前記出血レベルに基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、すなわち、対応するグレードで洗浄する。血液ではない場合、異物の属性を計算し、異物レベルに換算し、前記異物レベルに基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、すなわち、対応する強さで洗浄する。
【0033】
本実施例では、調整を簡略化するために、調整を定量化することができる。すなわち、血液面積及び/又は血液濃度を例えば「低」、「中」、「高」等の出血レベルに変換し、対応する洗浄調整グレードを「低」、「中」、「高」等のグレードの洗浄モードに設定する。出血レベルと洗浄調整グレードとの対応は、必要に応じて設定することができるが、本実施例では特に限定しない。これに対応して、他の異物に対して、異物の属性を例えば「低」、「中」、「高」などの異物レベルに変換し、対応する洗浄調整グレードも「低」、「中」、「高」などの強さの洗浄モードに設定することができる。出血レベルと洗浄調整グレードとの対応は、必要に応じて設定することができるが、本実施例では特に限定しない。
【0034】
具体的に、
図2に示すように、本発明の口腔洗浄方法は、
画像収集装置を用いて口腔の歯領域をリアルタイムで撮影し、リアルタイムビデオストリーム及び各フレームの画像を取得するステップS201と、
ビデオストリームの各フレームの画像に対して、opencvアルゴリズムを用いて画像分析を行い、抽出された1つのフレームの画像の歯領域及び非歯領域を分析するステップS202と、
抽出された歯領域の画像に対して2次画像分析を行い、抽出された歯領域の異物を分析するステップS203と、
前記異物が血液であるか否かを判断し、血液である場合、ステップS205を実行するが、血液ではない場合、ステップS207を実行するステップS204と、
血液面積の大きさ及び血液濃度及び位置座標を計算し、出血の「低」、「中」、「高」のレベルに定量化するステップS205と、
出血レベルに応じて洗浄力を自動調節し、高レベルで洗浄を実行しないステップS206と、
異物面積の大きさ及び位置座標を計算し、「低」、「中」、「高」のレベルに定量化するステップS207と、
異物レベルに応じて洗浄力を自動調整するステップS208と、を含む。
【0035】
具体的に、
図3に示すように、opencvアルゴリズムを用いてビデオストリームの各フレームに対して画像分析を行い、抽出された一つのフレームの画像の歯領域及び非歯領域を分析するのは、
opencvを用いて画像の行数及び列数を取得するステップS301と、
行及び列を基に、4つの方向から全ての列及び行の画素点を順次に循環させ、歯の色が発見される場合、今回の循環を停止し、次回の循環を継続し、循環が全て完了するまで、全ての循環された点の座標を記録するステップS302と、
S302が完了した後に記録された点からなる領域を非歯領域と標記し、画像の残りの点からなる領域を歯領域と標記するステップS303と、を含む。
【0036】
前記歯の色は、白色、黄色、又は黒色を含む。具体的に、白色であれば、歯の色であると判断する。また、長期間の歯磨きなしや長期間の喫煙などにより、一部の人の歯の色が黄色や黒色を呈し、黄色や黒色を呈する面積が所定値以上(すなわち、黄色や黒色を呈する面積が大きい)であれば、黄色や黒色を歯の色と判断するが、黄色や黒色を呈する面積が所定値以下であれば、黄色や黒色を異物と判断する。
【0037】
具体的に、
図4を参照すると、抽出された歯領域の画像に対して2次画像分析を行い、抽出された歯領域の異物を分析するのは、
opencvを用いて歯領域の画像に対して閾値が100であるTHRESH_BINARタイプの二値化処理を行い、処理された画像の色値は、歯のより白い部位が0であり、その他が255であるステップS401と、
処理された画像を分析し、色値が255である領域を全て異物領域と標記して記録するとともに、対応する座標も記録するステップS402と、
異物画像に対して血液画素点を抽出し、抽出された血液やその他の異物を分析するステップS403と、を含む。
【0038】
具体的に、
図5を参照すると、異物の画像に対して血液画素点を抽出し、抽出された血液を分析するのは、
原図の全ての画素点の座標をトラバースし、S402で記録された座標と比較して、記録点でなければ、その点を白色とし、前記処理された画像は、記録点領域のみが色付きであり、その他が白色であるステップS501と、
opencvを用いて画像情報をhsvフォーマットに変換し、各画素点のhsv値を、それぞれ対応する血液hsvの値と比較し、血液hsv値の範囲内にあれば、血液部分とし、対応する座標及び対応するhsv値を記録するステップS502と、
opencvを用いて前記座標が所在する領域の面積を計算するステップS503と、
座標領域に対応するhsvの平均値を計算し、血色hsvの範囲の平均値と対比し、値が大きいほど血が濃い、すなわち血液濃度が大きいステップS504と、を含む。
【0039】
以上のように、本実施例では、画像を分析した結果、血液であれば、opencvアルゴリズムを用いて画像の血液面積の大きさ及び血色の深さを計算し、面積の大きさ及び濃度に応じて、「低」、「中」、「高」のレベルに変換し、出血量の「低」、「中」、「高」レベルに応じて洗浄力及び洗浄水量を自動調節し、高レベルの場合に、当該領域を洗浄せず、歯の洗浄による当該領域への二次障害を防止する。
【0040】
具体的に、
図6に示すように、異物の画像に対して血液画素点を抽出し、抽出された他の異物を分析するのは、
原図の全ての画素点の座標をトラバースして、異物領域の座標と比較し(S402)、記録点でなければ、その点を白色とし、前記処理された画像は、記録点領域のみが色付きであり、その他が白色であるステップS601と、
opencvを用いて画像情報をhsvフォーマットに変換し、各画素点のhsv値をそれぞれ対応する血液hsvの値と比較し、血液hsv値の範囲にない場合、他の異物部分とし、対応する座標を記録するステップS602と、
opencvを用いて前記座標が所在する領域の面積を計算するステップS603と、
計算された面積と予め設定されたレベルの面積とを比較して、異物レベルを取得するステップS604と、を含む。
【0041】
以上のように、本実施例では、血液以外の異物が分析された場合、opencvを用いてその異物の属性の大きさを計算し、同様に「低」、「中」、「高」のレベルに定量化し、異物の「低」、「中」、「高」のレベルに応じて洗浄力及び洗浄水量を自動的に適合させる。
【0042】
なお、上記の「低」、「中」、「高」のレベルは一例であり、具体的に実施する場合、必要に応じてさらに多く又は少ないレベルを設けてもよく、具体的にどのレベルがどの程度の出水流量又は出水力に対応するかは、実際の必要に応じて設定すればよく、本実施例は特に限定しない。
【0043】
さらに、本実施例の口腔洗浄方法は、
異物(血液を含む)を一定時間で洗い流した後、その領域の異物を再度分析し、異物がきれいに洗浄された場合、洗浄を停止させ、異物がまだ存在する場合、引き続きグレードを調整して洗浄を継続する。
【0044】
一定時間の洗浄後に異物がまだ残っている場合、歯石の可能性があると分析し、この場合、この領域の洗浄を中止し、ユーザに歯科医に行って口腔の健康を保護するように提案する。
【0045】
さらに、本実施例では、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の水出ノズルの出水流量を大きく、小さく、又は一定に制御するとともに/又は、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水力を大きく、小さく、又は一定に制御することができる。
【0046】
具体的に、異物が血液である場合に、血液面積及び/又は血液濃度に応じて洗浄レベルを決定する。血液面積及び/又は血液濃度に基づいて高レベルであると判定した場合、口腔洗浄器の出水ノズルは洗浄を実行しないように制御される。中レベルの場合、低速洗浄(例えば、モータの回転速度が低く、1秒間洗い流す)を始動し、低レベルの場合、中速洗浄(例えば、モータ回転数が中等であり、3秒間洗い流す)を始動し、血液を洗い流す一方、出血領域を二次障害から保護することができる。
【0047】
具体的に、異物が血液ではない場合に、前記異物面積Sが判断閾値Sthlの以上である時に、口腔洗浄器の出水ノズルが洗浄を実行するように制御される。
本実施例では、口腔洗浄器は、異物面積Sに応じて以下のように3つの洗浄グレードに設定される。
Sthl<S<Slの場合、異物面積が小さく、低速グレード(モータの回転速度が低く、1秒間洗い流す)を始動し、
Sl<S<Shの場合、異物面積が中等であり、中速グレード(モータの回転速度が中等であり、3秒間洗い流す)を始動し、
S>Shの場合、異物面積が大きく、高速グレード(モータの回転速度が高く、5秒間洗い流す)を始動する。
以上は、一つの例示的な実施例に過ぎず、具体的なグレード及び洗浄時間は、実際の応用に応じて設定すればよく、本発明の実施例に限定しない。
【0048】
本実施例において、前記画像収集装置は、可視光撮像装置、赤外線熱画像形成装置又は紫外線撮像装置を含み、特に、屈曲可能なカメラであってもよい。前記画像収集装置と前記口腔洗浄器とは、着脱可能或いは着脱不能な接続を形成する。
口腔画像を撮像し、上述した機能を実現できるものであれば、他の撮像装置を採用してもよいことは勿論である。
【0049】
本実施例では、前記撮像装置で撮影されたビデオストリームは、無線ネットワークを介して携帯電話などの外部端末装置に送信され、携帯電話で分析処理された後、前記口腔洗浄器に返送されて、出水ノズルの出水を制御するとともに、前記外部端末装置で音声、文字、又は画像の提示を行う。もちろん、前記撮像装置で撮影されたビデオストリームを前記口腔洗浄器で直接的に分析処理し、前記口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御するとともに、分析処理の結果を無線ネットワークにより携帯電話などの外部端末装置に送信し、音声、文字又は画像の提示を行うようにしてもよい。
【0050】
図7に示すように、別の態様において、本発明は口腔洗浄システムに係わり、
口腔洗浄器に装着された画像収集装置により口腔画像を取得する口腔画像取得モジュール701と、
取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御する制御モジュール702と、を含む。
【0051】
一つの実施例では、前記制御モジュール702は、具体的に、取得された口腔画像に基づいて歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、前記異物が血液であるか否かを判定し、血液である場合、血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御し、血液ではない場合、異物の属性に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御する。
【0052】
一の実施例では、前記制御モジュール702は、具体的に、取得された口腔画像に基づいて歯領域を抽出し、且つ前記歯領域の異物を抽出し、異物が血液であるかどうかを判定し、血液である場合、血液面積及び/又は血液濃度を計算し、血液面積及び/又は血液濃度を出血レベルに変換し、前記出血レベルに基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御するが、血液ではない場合、異物の属性を計算し、異物の属性を異物レベルに変換し、前記異物レベルに基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御する。
【0053】
一つの実施例では、前記制御モジュール702は、具体的に、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水流量を大きく、小さく、又は一定に制御する。
【0054】
一つの実施例では、前記制御モジュール702は、具体的に、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水力を大きく、小さく、又は一定に制御する。
前記口腔画像取得モジュール701及び制御モジュール702の具体的な実装は、口腔洗浄方法を参照し、ここでは繰り返し説明しない。
【0055】
第3の態様では、本発明の口腔洗浄器は、本体、当該本体に取り付けられた出水ノズル及び画像収集装置を含むものであり、前記口腔洗浄システムをさらに有する。本実施例では、前記口腔洗浄システムは、コントローラ(例えば、MCU)によって実現される。
【0056】
ユーザが自分の口腔を観察しやすくするために、スマート端末に搭載されたアプリをさらに備え、前記アプリは、画像収集装置と無線接続し、画像収集装置の撮像領域をアプリにリアルタイムで表示し、或いは画像収集装置で撮影された口腔の写真をアプリに表示する。これにより、ユーザは、歯を洗浄する間に自分の口腔をリアルタイムで観察し、或いは自分の口腔の写真を撮ってじっくりと観察することができる。
図8を参照すると、本発明の口腔洗浄器の制御原理は、以下のようになっている。前記コントローラ801、画像収集装置802、及びポンプユニット803に接続された電源モジュール804は、前記コントローラ801、画像収集装置802、及びポンプユニット803にそれぞれ電力を供給する。前記コントローラ801に接続された制御スイッチ805は、前記コントローラ801の動作を開始させるように制御する。前記画像収集装置802は前記コントローラ801に接続され、収集された口腔画像を前記コントローラ801に送信する。前記コントローラ801は前記口腔画像を識別し、条件に合致する口腔画像を識別した場合、接続された前記ポンプユニット803を制御する。前記ポンプユニット803は前記水タンク806の水を前記出水ノズル807から噴出させて、歯を洗い流すように制御される。
【0057】
なお、上記の説明では、コントローラによる自動制御を例にしたが、「取得した口腔画像の血液面積及び/又は血濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御する」ことは、手動制御でも、自動制御と手動制御の両方の機能が混在しても良い。自動制御と手動制御が混在する場合、前記制御スイッチ805はオンになる場合、自動制御を優先させるが、オフになる場合、手動制御を用いる。手動制御の場合、口腔洗浄器の本体に手動制御スイッチ及び提示手段を設けてもよく、取得した口腔画像から歯の洗浄又は出水量の調整の必要性を認識した場合に、ユーザは提示手段による提示に応じて、制御又は調整を施すことができる。
【0058】
第4の態様では、本発明に係わる口腔洗浄器は、メモリ、プロセッサ、及びメモリに記憶され且つプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサが前記プログラムを実行する場合、前記口腔洗浄方法のステップを実施する。
【0059】
具体的に、前記プロセッサは、
口腔洗浄器に装着された画像収集装置で口腔画像を取得し、
取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御するように構成される。
本実施例では、メモリ及びプロセッサは前記コントローラに一体化され、前記コントローラによって実現する。
【0060】
以上は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されない。当業者であれば、本発明の技術的思想及びその改良思想に基づき、本発明の技術的範囲内において、均等な置換又は変更を加えることができ、これらも本発明の保護範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、口腔洗浄方法、口腔洗浄システム及び口腔洗浄器に係わり、口腔洗浄器に装着された画像収集装置に口腔画像を取得し、取得された口腔画像の血液面積及び/又は血液濃度に基づいて、口腔洗浄器の出水ノズルの出水を制御する。本発明は、歯の出血状況に応じて洗浄力及び洗浄水量を調節して、出血領域を二次障害から保護し、且つ全面的に歯の異物を徹底的に洗浄することができ、適用範囲が広く、工業的実用性に優れた。
【国際調査報告】