(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】メタロ-ベータ-ラクタマーゼ阻害剤としての置換三環式複素環式化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 209/58 20060101AFI20240514BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240514BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240514BHJP
A61K 31/407 20060101ALI20240514BHJP
A61K 31/403 20060101ALI20240514BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20240514BHJP
C07D 401/04 20060101ALI20240514BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240514BHJP
C07D 403/04 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
C07D209/58 CSP
A61P43/00 111
A61P31/04
A61K31/407
A61P43/00 121
A61K31/403
A61K31/4439
C07D401/04
A61K31/506
C07D403/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574339
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 IN2022050513
(87)【国際公開番号】W WO2022254464
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202111024755
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596020691
【氏名又は名称】カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ
【氏名又は名称原語表記】COUNCIL OF SCIENTIFIC & INDUSTRIAL RESEARCH
(74)【代理人】
【識別番号】100081318
【氏名又は名称】羽切 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100132458
【氏名又は名称】仲村 圭代
(74)【代理人】
【識別番号】100165146
【氏名又は名称】小野 博喜
(72)【発明者】
【氏名】チョードゥリ、 ヴィノド ディンカー
(72)【発明者】
【氏名】ディーマン、 プルキット
(72)【発明者】
【氏名】ナンダンワール、 ヘムラージ サントゥジ
(72)【発明者】
【氏名】パサニア、 ヴィカス
(72)【発明者】
【氏名】タクール、 クリシャン ゴパール
(72)【発明者】
【氏名】ダス、 サティヤジート
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC10
4C086BC17
4C086BC42
4C086CC08
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB35
4C086ZC20
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、式(I)の置換三環式複素環式化合物、その医薬的に許容される塩、及び医薬組成物に関し、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、及び「n」は、本明細書で定義されている。また、本発明は、本発明のメタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)阻害剤化合物またはその医薬的に許容される塩と、医薬的に許容される担体とを、任意選択でベータ-ラクタム抗生物質及び/またはベータ-ラクタマーゼ阻害剤との組合せで含む、組成物にも関する。本発明はさらに、細菌感染症を治療するための方法であって、患者に、治療有効量の本発明の化合物を、治療有効量の1つ以上のβ-ラクタム抗生物質と組み合わせて、さらに任意選択で、1つ以上のベータ-ラクタマーゼ阻害剤化合物と組み合わせて投与することを含む、方法に関する。本発明の化合物は、抗生物質耐性を低減または克服するための本明細書に記載の方法で有用である。
【化1】
式I
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、
【化1】
式I
その立体異性体、またはその医薬的に許容される塩。
式中、
R
1は、以下からなる群より選択され、
(i)-OH;
(ii)-NR
aR
b(式中、R
a及びR
bは、独立して、各出現において、水素、非置換もしくは置換アルキル、及び非置換もしくは置換シクロアルキル及びメトキシから選択されるか、またはR
a及びR
bは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の3員~7員飽和炭素環式環を形成してもよい);
(iii)-OR
c(式中、R
cは、C
1~6アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル、C
1~2アルキル、アリール、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル-C
1~2アルキルから選択され、これらの各々は、任意選択で、1つ以上の置換基によって任意選択で置換される);
(iv)-R
d(式中、R
dは、独立して、各出現において、水素、置換または非置換アルキル、及び置換または非置換シクロアルキルから選択される);
R
2は、各出現において同じであっても異なっていてもよく、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、置換または非置換アルキル、置換または非置換ハロアルキル、-C(O)OR
e、-OC(O)OR
e、-O(CR
aR
b)r-C(O)OR
e、-(CR
aR
b)
r-C(O)OR
e、-C(O)R
h、NR
fR
g、-C(O)NR
fR
g、-NR
fC(O)R
h、- NR
fS(O)
2R
g、-S(O)
0-
2R
e、及び-S(O)
2NR
fR
gからなる群より選択され、
R
a及びR
bは、各出現において同じであっても異なっていてもよく、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキル、及び置換もしくは非置換シクロアルキルからなる群より選択され、またはR
a及びR
bは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、非置換もしくは置換の3~7員飽和炭素環式環を形成してもよく、
R
eは、各出現において同じであっても異なっていてもよく、独立して、水素、置換または非置換アリール、置換または非置換ハロアルキル、及び置換または非置換アルキルからなる群より選択され、
R
f及びR
gは、各出現において同じであっても異なっていてもよく、独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、-(CRaRb)
r-C(O)OR
e、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、及び置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキルからなる群より選択され、または、R
f及びR
gは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、置換または非置換、飽和または不飽和の3員~10員環式環を形成してもよく、前記不飽和の環式環は、1つまたは2つの二重結合を有してもよく、各出現において、R
hは、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換アリールであり、
「n」は0~5の整数(両端値を含む)であり、
「r」は1~3の整数(両端値を含む)であり、
X
1、X
2、X
3、またはX
5は、CまたはNから選択されるが、ただし、X
1、X
2、X
3、またはX
5のうちの1つまたは2つのみがNであってもよいことを条件とし、
R
3は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、または-A
1-B
1-C
1基から選択され、
式中、A
1は、不在または式-[CR
1AR
1B]
P-のリンカー基であり、式中、pは1または2、3または4から選択される整数であり、R
1A及びR
1Bは、各々独立して、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
B
1は、不在または-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-CH(OR
1C)-、-N(R
1C)-、N(R
1D)-C(O)-、-N(R
1D)-C(O)O-、-C(O)-N(R
1C)-、-N(R
1D)C(O)N(R
1C)-、-S-、-SO-、-SO
2-、-S(O)
2N(R
1C)-、もしくは-N(R
1D)SO
2-であり、式中、R
1C及びR
1Dは、各々独立して、水素またはメチルから選択され、
C
1は、水素、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、アリール、C
3~6シクロアルキル、C
3~6シクロアルケニル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、
C
1は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
1ER
1F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、C(O)NR
1ER
1F、NR
1EC(O)R
1F、NR
1ES(O)
2R
1F、及びS(O)
2NR
1ER
1Fから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換され、式中、R
1E及びR
1Fは、各々独立して、水素、C
1~4アルキル、もしくはC
3~6シクロアルキル、もしくはC
3~6シクロアルキルC
1~2アルキルから選択され、またはR
1E及びR
1Fは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4~7員の複素環を形成するように結合してもよく、
C
1上の置換基内に存在する任意のアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基は、任意選択で、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
1GR
1H、C
1~2アルコキシ、またはC
1~2アルキルによってさらに置換され、式中、R
1G及びR
1Hは、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
あるいはR
1C及びC
1は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4~7員複素環を形成するように結合してもよく、この複素環は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
1ER
1F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、またはC(O)NR
1ER
1F、NR
1EC(O)R
1F、NR
1ES(O)
2R
1F、及びS(O)
2NR
1ER
1Fによって置換され、
R
4は、水素、シアノ、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、または
-A
2-B
2-C
2基から選択され、
式中、A
2は、不在または式-[CR
2AR
2B]
q-のリンカー基であり、式中、qは1または2、3または4から選択される整数であり、R
2A及びR
2Bは、各々独立して、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
B
2は、不在または-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-CH(OR
2C)-、-N(R
2C)-、N(R
2D)-C(O)-、-N(R
2D)-C(O)O-、-C(O)-N(R
2C)-、-N(R
2D)C(O)N(R
2C)-、-S-、-SO-、-SO
2-、-S(O)
2N(R
2C)-、もしくは-N(R
2D)SO
2-であり、式中、R
2C及びR
2Dは、各々独立して、水素またはメチルから選択され、
C
2は、水素、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、アリール、C
3~6シクロアルキル、C
3~6シクロアルケニル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、
C
2は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
2ER
2F、C
1~4アルコキシ、C
3~8シクロアルキル、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルキルスルホニル、C
1~4アルカノイル、アリール、アリールオキシ、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、C(O)NR
2ER
2F、NR
2EC(O)R
2F、NR
2ES(O)
2R
2F、及びS(O)
2NR
2ER
2Fから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換され、式中、R
2E及びR
2Fは、各々独立して、水素、C
1~4アルキル、もしくはC
3~6シクロアルキル、もしくはC
3~6シクロアルキルC
1~2アルキルから選択され、またはR
2E及びR
2Fは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4~7員の複素環を形成するように結合してもよく、
C
2上の置換基内に存在する任意のアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基は、任意選択で、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
2GR
2H、C
1~2アルコキシ、またはC
1~2アルキルによってさらに置換され、式中、R
2G及びR
2Hは、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
あるいはR
2C及びC
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4~7員複素環を形成するように結合してもよく、この複素環は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
2ER
2F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、またはC(O)NR
2ER
2F、NR
2EC(O)R
2F、NR
2ES(O)
2R
2F、及びS(O)
2NR
2ER
2Fによって置換され、
R
5は、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、または
-A
3-B
3-C
3基から選択され、
式中、A
3は、不在または式-[CR
3AR
3B]
r-のリンカー基であり、式中、rは1または2、3または4から選択される整数であり、R
3A及びR
3Bは、各々独立して、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
B
3は、不在または-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-CH(OR
3C)-、-N(R
3C)-、N(R
3D)-C(O)-、-N(R
3D)-C(O)O-、-C(O)-N(R
3C)-、-N(R
3D)C(O)N(R
3C)-、-S-、-SO-、-SO
2-、-S(O)
2N(R
3C)-、もしくは-N(R
3D)SO
2-であり、式中、R
3C及びR
3Dは、各々独立して、水素またはメチルから選択され、
C
3は、水素、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、アリール、C
3~6シクロアルキル、C
3~6シクロアルケニル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、
C
3は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
3ER
3F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、C(O)NR
3ER
3F、NR
3EC(O)R
3F、NR
3ES(O)
2R
3F、及びS(O)
2NR
3ER
3Fから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換され、式中、R
3E及びR
3Fは、各々独立して、水素、C
1~4アルキル、もしくはC
3~6シクロアルキル、もしくはC
3~6シクロアルキルC
1~2アルキルから選択され、またはR
3E及びR
3Fは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4~7員の複素環を形成するように結合してもよく、
C
3上の置換基内に存在する任意のアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基は、任意選択で、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
3GR
3H、C
1~2アルコキシ、またはC
1~2アルキルによってさらに置換され、式中、R
3G及びR
3Hは、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
あるいはR
3C及びC
3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4~7員複素環を形成するように結合してもよく、この複素環は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシ、NR
3ER
3F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、またはC(O)NR
3ER
3F、NR
3EC(O)R
3F、NR
3ES(O)
2R
3F、及びS(O)
2NR
3ER
3Fによって置換され、
R
6は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、または
-A
4-B
4-C
4基から選択され、
式中、A
4は、不在または式-[CR
4AR
4B]
s-のリンカー基であり、式中、pは1または2、3または4から選択される整数であり、R
4A及びR
4Bは、各々独立して、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
B
4は、不在または-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-CH(OR
4C)-、-N(R
4C)-、N(R
4D)-C(O)-、-N(R
4D)-C(O)O-、-C(O)-N(R
4C)-、-N(R
4D)C(O)N(R
4C)-、-S-、-SO-、-SO
2-、-S(O)
2N(R
4C)-、もしくは-N(R
4D)SO
2-であり、式中、R
4C及びR
4Dは、各々独立して、水素またはメチルから選択され、
C
4は、水素、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、アリール、C
3~6シクロアルキル、C
3~6シクロアルケニル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、
C
4は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
4ER
4F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、C(O)NR
4ER
4F、NR
4EC(O)R
4F、NR
4ES(O)
2R
4F、及びS(O)
2NR
4ER
4Fから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換され、式中、R
4E及びR
4Fは、各々独立して、水素、C
1~4アルキル、もしくはC
3~6シクロアルキル、もしくはC
3~6シクロアルキルC
1~2アルキルから選択され、またはR
4E及びR
4Fは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4~7員の複素環を形成するように結合してもよく、
C
4上の置換基内に存在する任意のアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基は、任意選択で、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
4GR
4H、C
1~2アルコキシ、またはC
1~2アルキルによってさらに置換され、式中、R
4G及びR
4Hは、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
あるいはR
4C及びC
4は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4~7員複素環を形成するように結合してもよく、この複素環は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
4ER
4F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、またはC(O)NR
4ER
4F、NR
4EC(O)R
4F、NR
4ES(O)
2R
4F、及びS(O)
2NR
4ER
4Fによって置換され、
R
7は、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、または
-A
5-B
5-C
5基から選択され、
式中、A
5は、不在または式-[CR
5AR
5B]
t-のリンカー基であり、式中、「t」は1または2、3または4から選択される整数であり、R
5A及びR
5Bは、各々独立して、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
B
5は、不在または-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-CH(OR
5C)-、-N(R
5C)-、N(R
5D)-C(O)-、-N(R
5D)-C(O)O-、-C(O)-N(R
5C)-、-N(R
5D)C(O)N(R
5C)-、-S-、-SO-、-SO
2-、-S(O)
2N(R
5C)-、もしくは-N(R
5D)SO
2-であり、式中、R
5C及びR
5Dは、各々独立して、水素またはメチルから選択され、
C
5は、水素、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、アリール、C
3~6シクロアルキル、C
3~6シクロアルケニル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、
C
5は、任意選択で、オキソ、シアノ、ハロ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、NR
5ER
5F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、C(O)NR
5ER
5F、NR
5EC(O)R
5F、NR
5ES(O)
2R
5F、及びS(O)
2NR
5ER
5Fから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換され、式中、R
5E及びR
5Fは、各々独立して、水素、C
1~4アルキル、もしくはC
3~6シクロアルキル、もしくはC
3~6シクロアルキルC
1~2アルキルから選択され、またはR
5E及びR
5Fは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4~7員の複素環を形成するように結合してもよく、
C
5上の置換基内に存在する任意のアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基は、任意選択で、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
5GR
5H、C
1~2アルコキシ、またはC
1~2アルキルによってさらに置換され、式中、R
5G及びR
5Hは、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
あるいはR
5C及びC
5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4~7員複素環を形成するように結合してもよく、この複素環は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
5ER
5F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、またはC(O)NR
5ER
5F、NR
5EC(O)R
5F、NR
5ES(O)
2R
5F、及びS(O)
2NR
5ER
5Fによって置換され、
R
8及びR
9は、各出現において同じであっても異なっていてもよい群から選択され、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキル、及び置換もしくは非置換シクロアルキルからなる群より選択され、またはR
8及びR
9は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の3~7員飽和炭素環式環を形成してもよく、
R
10及びR
11は、各出現において同じであっても異なっていてもよく、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキル、及び置換もしくは非置換シクロアルキルから選択され、またはR
10及びR
11は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の3~7員飽和炭素環式環を形成してもよい。
【請求項2】
式Iの化合物が、以下からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物:
1.メチル3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
2.メチル3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
3.メチル3-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
4.メチル3-(2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
5.メチル3-(4-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
6.メチル3-(3,4-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
7.メチル3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
8.メチル3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
9.メチル3-(4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
10.メチル3-フェニル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
11.メチル3-(2-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
12.メチル3-(3-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
13.メチル3-(4-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
14.メチル3-(2-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
15.メチル3-(3-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
16.メチル3-(2,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
17.メチル3-(2,3-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
18.メチル3-(3,5-ジメチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
19.メチル3-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
20.メチル3-(2,3-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
21.メチル3-(ピリジン-4-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
22.メチル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
23.メチル3-(ピリミジン-5-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
24.メチル3-(5-フルオロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
25.メチル3-(5-クロロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
26.メチル3-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
27.メチル3-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
28.メチル3-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
29.メチル3-(3-クロロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
30.メチル3-(3,4,5-トリクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
31.メチル3-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
32.メチル3-(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
33.メチル3-(2,3-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
34.3-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
35.3-(2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
36.3-(4-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
37.3-(3,4-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
38.3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
39.3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
40.3-(4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
41.3-(2-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
42.3-(3-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
43.3-(4-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
44.3-(2-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
45.3-(3-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
46.3-(2,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
47.3-(2,3-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
48.3-(3,5-ジメチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
49.3-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
50.3-(ピリジン-4-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
51.3-(3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
52.3-(5-フルオロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
53.3-(5-クロロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
54.3-(2,3-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
55.3-(ピリミジン-5-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
56.3-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
57.3-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
58.3-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
59.3-(3-クロロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
60.3-(3,4,5-トリクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
61.3-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
62.3-(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
63.3-フェニル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
64.3-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
65.7-ブロモ-3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸。
【請求項3】
請求項1に記載の式Iの化合物を調製するための方法であって、
i.水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を用いて式(1)のテトラロンを還元して、式(2)の化合物を得るステップと、
【化2】
ii.in situで調製したヴィルスマイヤー-ハック試薬/付加物を用いて、ステップ(i)で得られた式(2)の化合物をホルミル化して、式(3)の化合物を得るステップと、
【化3】
iii.ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシドなどのような塩基の存在下で、ステップ(ii)で得られた式(3)のアルデヒドを式(4)のアジドエステル化合物で処理して、式(5)の化合物を得るステップと、
【化4】
iv.好適なルイス酸の存在下または酸性条件下で、式(5)の化合物を環化して式(6)の化合物を得るステップと、
【化5】
v.NBS、NISなどのようなハロゲン化試薬を用いて、式(6)の化合物をハロゲン化して、式(7)のハロゲン化化合物を得るステップと、
【化6】
vi.式(7)のハロ化合物をアリール/ヘテロアリールボロン酸またはアリール/ヘテロアリールボロン酸エステルとカップリング反応させて、式(Ia)の化合物を得るステップと、
【化7】
vii.LiOH、K
2CO
3、NaOHのような塩基を用いた対応するエステルの加水分解により、式(Ia)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップとを含み、
【化8】
viii.式(I)の酸において、-COOHが、対応するアミド、エステルなどに変換されてもよく、式中、R1が上記で定義されたものと同じである、方法。
【請求項4】
遊離形態、塩形態、または医薬的に許容される塩の形態をとる、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
少なくとも1つの式(I)の化合物を、任意選択で医薬的に許容される賦形剤とともに含む、医薬組成物。
【請求項6】
前記組成物が、ベータ-ラクタム抗生物質の有効量をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記組成物が、ベータ-ラクタマーゼ阻害剤または薬物として使用される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用であって、ベータ-ラクタマーゼ活性を阻害するための、ベータ-ラクタマーゼ活性を阻害するための医薬の製造における、細菌感染症を治療するためのベータ-ラクタム抗生物質との組合せにおける、または細菌感染症を治療するための医薬の製造におけるベータ-ラクタム抗生物質との組合せにおける、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の置換三環式複素環式化合物及びその医薬的に許容される塩に関する。
【0002】
【0003】
詳細には、本発明は、メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)酵素の阻害剤として有用であり、抗生物質耐性細菌の低減または除去に有用である式(I)の置換三環式複素環式化合物及びその医薬的に許容される塩に関する。より詳細には、本発明は、式(I)の化合物を調製するための方法にも関する。本発明はさらに、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
多剤耐性(MDR)微生物は感染症を引き起こし、その死亡率は感受性細菌が引き起こす感染症よりも高い。何千人もの人々が抗生物質耐性微生物が原因の感染症により死亡している。さらに、最近の報告によれば、抗生物質耐性が2050年までに3億人の若年死亡を引き起こす恐れがあることが予測されている。全ての既知の抗生物質に耐性が出現し、その結果、治療不可能な感染症が増加し、代替となる抗生物質も存在しない。(Munita,J.et al,HS Public Access.2016,4(2),1-37)β-ラクタム抗生物質は数多くの成功を収めたものの、細菌はこれに対する耐性を発達させており、最も厄介な根拠がβ-ラクタマーゼという細菌酵素である。この酵素は抗生物質と反応し、ベータ-ラクタム環を加水分解し、その結果、ベータ-ラクタム抗生物質を不活性化する。グラム陰性細菌の中には4つのクラスのベータ-ラクタマーゼが存在し、クラスA、C、及びDのセリンベータ-ラクタマーゼ(SBL)ならびにMBL(クラスB)がある。SBL酵素は、その触媒部位に存在する活性セリンを使用して、共有結合的機序でβ-ラクタム環を加水分解し、一方MBL酵素は、配位の助けとなるZn金属及びβ-ラクタム環を加水分解する水酸化物イオンを必要とする。(Spencer,J.,& Walsh,T.R;Angewandte Chemie-International Edition,2006,45(7),1022-1026;E.Zhang et al.,2018)亜鉛依存性クラスBメタロ-ベータ-ラクタマーゼは、主にNDM、VIM、及びIMP型によって代表される。IMP及びVIMを産生するK.pneumoniaは、1990年代に日本、2001年に南ヨーロッパでそれぞれ初めて観察された。IMP陽性株は日本では依然として頻繁に生じ、中国及びオーストラリアでも院内集団感染を引き起こしている。しかし、それ以外の地域におけるIMP産生Enterobacteriaceaeの伝播は、幾分限定されているように思われる。VIM産生腸内細菌は地中海沿岸諸国で頻繁に単離されることがあり、ギリシャでは流行の比率に達している。VIM産生株の単離は、北欧及び米国では依然として少ない。これとは全く対照的に、NDM産生K.pneumonia単離株の特徴は、その発生地であるインド亜大陸から西欧、北米、オーストラリア、及び極東へと急速に伝播したことである。さらに、NDM遺伝子は、K.pneumonia以外の様々な種にも急速に拡散している。耐性細菌の増加という問題を克服するには、過去に利用可能だった抗生物質の有効性を強化することができ、セリン及びMBLの両方に強力であるβ-ラクタマーゼ阻害剤のような新規の化合物を開発する必要がある。Meredith A.Hackelのグループは、KPC及びセリン-ラクタマーゼの強力な阻害剤であるバボルバクタムを発見した。バボルバクタムは、SBLに対する効力は良好であるが、MBLに対する効力は非常に低い。(Hackel,M.A.,et al;2018,1-10)Zhengら(PLOS One 2013,8(5),e62955)は、置換2,5-ビステトラゾリルメチル-チオフェンと、β-ラクタマーゼ阻害剤としてのその使用とを開示している。(Zhang,Y.J.,et al;Chemical and Pharmaceutical Bulletin,2019,67(2),135-142;Zhang,E.et al,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,2018,28(2),214-221)
【0005】
本発明の目的
本発明の主な目的は、式(I)の置換三環式複素環式化合物及びその医薬的に許容される塩を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)酵素の阻害剤として有用であり、抗生物質耐性細菌を低減または除去に有用である式(I)の置換三環式複素環式化合物及びその医薬的に許容される塩を提供することである。
【0007】
本発明のまた別の目的は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を提供することである。
【0008】
本発明のまた別の目的は、式Iの化合物を調製するための方法を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明は、式Iの化合物、その立体異性体、またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0010】
【化2】
式中、
R
1は、以下からなる群より選択され、
(i)-OH;
(ii)-NR
aR
b(式中、R
a及びR
bは、独立して、各出現において、水素、非置換もしくは置換アルキル、及び非置換もしくは置換シクロアルキル及びメトキシから選択されるか、またはR
a及びR
bは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の3員~7員飽和炭素環式環を形成してもよい);
(iii)-OR
c(式中、R
cは、C
1~6アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル、C
1~2アルキル、アリール、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリル-C
1~2アルキルから選択され、これらの各々は、任意選択で、1つ以上の置換基によって任意選択で置換される);
(iv)-R
d(式中、R
dは、独立して、各出現において、水素、置換または非置換アルキル、及び置換または非置換シクロアルキルから選択される);
R
2は、各出現において同じであっても異なっていてもよく、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、置換または非置換アルキル、置換または非置換ハロアルキル、-C(O)OR
e、-OC(O)OR
e、-O(CR
aR
b)r-C(O)OR
e、-(CR
aR
b)
r-C(O)OR
e、-C(O)R
h、NR
fR
g、-C(O)NR
fR
g、-NR
fC(O)R
h、- NR
fS(O)
2R
g、-S(O)
0-
2R
e、及び-S(O)
2NR
fR
gからなる群より選択され、
R
a及びR
bは、各出現において同じであっても異なっていてもよく、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキル、及び置換もしくは非置換シクロアルキルからなる群より選択され、またはR
a及びR
bは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、非置換もしくは置換の3~7員飽和炭素環式環を形成してもよく、
R
eは、各出現において同じであっても異なっていてもよく、独立して、水素、置換または非置換アリール、置換または非置換ハロアルキル、及び置換または非置換アルキルからなる群より選択され、
R
f及びR
gは、各出現において同じであっても異なっていてもよく、独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、-(CRaRb)
r-C(O)OR
e、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、及び置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキルからなる群より選択され、または、R
f及びR
gは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、置換または非置換、飽和または不飽和の3員~10員環式環を形成してもよく、前記不飽和の環式環は、1つまたは2つの二重結合を有してもよく、各出現において、R
hは、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換アリールであり、
「n」は0~5の整数(両端値を含む)であり、
「r」は1~3の整数(両端値を含む)であり、
X
1、X
2、X
3、またはX
5は、CまたはNから選択されるが、ただし、X
1、X
2、X
3、またはX
5のうちの1つまたは2つのみがNであってもよいことを条件とし、
R
3は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、または-A
1-B
1-C
1基から選択され、
式中、A
1は、不在または式-[CR
1AR
1B]
P-のリンカー基であり、式中、pは1または2、3または4から選択される整数であり、R
1A及びR
1Bは、各々独立して、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
B
1は、不在または-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-CH(OR
1C)-、-N(R
1C)-、N(R
1D)-C(O)-、-N(R
1D)-C(O)O-、-C(O)-N(R
1C)-、-N(R
1D)C(O)N(R
1C)-、-S-、-SO-、-SO
2-、-S(O)
2N(R
1C)-、もしくは-N(R
1D)SO
2-であり、式中、R
1C及びR
1Dは、各々独立して、水素またはメチルから選択され、
C
1は、水素、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、アリール、C
3~6シクロアルキル、C
3~6シクロアルケニル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、
C
1は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
1ER
1F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、C(O)NR
1ER
1F、NR
1EC(O)R
1F、NR
1ES(O)
2R
1F、及びS(O)
2NR
1ER
1Fから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換され、式中、R
1E及びR
1Fは、各々独立して、水素、C
1~4アルキル、もしくはC
3~6シクロアルキル、もしくはC
3~6シクロアルキルC
1~2アルキルから選択され、またはR
1E及びR
1Fは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4~7員の複素環を形成するように結合してもよく、
C
1上の置換基内に存在する任意のアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基は、任意選択で、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
1GR
1H、C
1~2アルコキシ、またはC
1~2アルキルによってさらに置換され、式中、R
1G及びR
1Hは、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
あるいはR
1C及びC
1は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4~7員複素環を形成するように結合してもよく、この複素環は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
1ER
1F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、またはC(O)NR
1ER
1F、NR
1EC(O)R
1F、NR
1ES(O)
2R
1F、及びS(O)
2NR
1ER
1Fによって置換され、
R
4は、水素、シアノ、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、または
-A
2-B
2-C
2基から選択され、
式中、A
2は、不在または式-[CR
2AR
2B]
q-のリンカー基であり、式中、qは1または2、3または4から選択される整数であり、R
2A及びR
2Bは、各々独立して、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
B
2は、不在または-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-CH(OR
2C)-、-N(R
2C)-、N(R
2D)-C(O)-、-N(R
2D)-C(O)O-、-C(O)-N(R
2C)-、-N(R
2D)C(O)N(R
2C)-、-S-、-SO-、-SO
2-、-S(O)
2N(R
2C)-、もしくは-N(R
2D)SO
2-であり、式中、R
2C及びR
2Dは、各々独立して、水素またはメチルから選択され、
C
2は、水素、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、アリール、C
3~6シクロアルキル、C
3~6シクロアルケニル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、
C
2は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
2ER
2F、C
1~4アルコキシ、C
3~8シクロアルキル、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルキルスルホニル、C
1~4アルカノイル、アリール、アリールオキシ、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、C(O)NR
2ER
2F、NR
2EC(O)R
2F、NR
2ES(O)
2R
2F、及びS(O)
2NR
2ER
2Fから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換され、式中、R
2E及びR
2Fは、各々独立して、水素、C
1~4アルキル、もしくはC
3~6シクロアルキル、もしくはC
3~6シクロアルキルC
1~2アルキルから選択され、またはR
2E及びR
2Fは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4~7員の複素環を形成するように結合してもよく、
C
2上の置換基内に存在する任意のアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基は、任意選択で、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
2GR
2H、C
1~2アルコキシ、またはC
1~2アルキルによってさらに置換され、式中、R
2G及びR
2Hは、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
あるいはR
2C及びC
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4~7員複素環を形成するように結合してもよく、この複素環は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
2ER
2F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、またはC(O)NR
2ER
2F、NR
2EC(O)R
2F、NR
2ES(O)
2R
2F、及びS(O)
2NR
2ER
2Fによって置換され、
R
5は、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、または
-A
3-B
3-C
3基から選択され、
式中、A
3は、不在または式-[CR
3AR
3B]
r-のリンカー基であり、式中、rは1または2、3または4から選択される整数であり、R
3A及びR
3Bは、各々独立して、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
B
3は、不在または-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-CH(OR
3C)-、-N(R
3C)-、N(R
3D)-C(O)-、-N(R
3D)-C(O)O-、-C(O)-N(R
3C)-、-N(R
3D)C(O)N(R
3C)-、-S-、-SO-、-SO
2-、-S(O)
2N(R
3C)-、もしくは-N(R
3D)SO
2-であり、式中、R
3C及びR
3Dは、各々独立して、水素またはメチルから選択され、
C
3は、水素、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、アリール、C
3~6シクロアルキル、C
3~6シクロアルケニル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、
C
3は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
3ER
3F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、C(O)NR
3ER
3F、NR
3EC(O)R
3F、NR
3ES(O)
2R
3F、及びS(O)
2NR
3ER
3Fから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換され、式中、R
3E及びR
3Fは、各々独立して、水素、C
1~4アルキル、もしくはC
3~6シクロアルキル、もしくはC
3~6シクロアルキルC
1~2アルキルから選択され、またはR
3E及びR
3Fは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4~7員の複素環を形成するように結合してもよく、
C
3上の置換基内に存在する任意のアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基は、任意選択で、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
3GR
3H、C
1~2アルコキシ、またはC
1~2アルキルによってさらに置換され、式中、R
3G及びR
3Hは、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
あるいはR
3C及びC
3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4~7員複素環を形成するように結合してもよく、この複素環は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシ、NR
3ER
3F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、またはC(O)NR
3ER
3F、NR
3EC(O)R
3F、NR
3ES(O)
2R
3F、及びS(O)
2NR
3ER
3Fによって置換され、
R
6は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、または
-A
4-B
4-C
4基から選択され、
式中、A
4は、不在または式-[CR
4AR
4B]
s-のリンカー基であり、式中、pは1または2、3または4から選択される整数であり、R
4A及びR
4Bは、各々独立して、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
B
4は、不在または-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-CH(OR
4C)-、-N(R
4C)-、N(R
4D)-C(O)-、-N(R
4D)-C(O)O-、-C(O)-N(R
4C)-、-N(R
4D)C(O)N(R
4C)-、-S-、-SO-、-SO
2-、-S(O)
2N(R
4C)-、もしくは-N(R
4D)SO
2-であり、式中、R
4C及びR
4Dは、各々独立して、水素またはメチルから選択され、
C
4は、水素、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、アリール、C
3~6シクロアルキル、C
3~6シクロアルケニル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、
C
4は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
4ER
4F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、C(O)NR
4ER
4F、NR
4EC(O)R
4F、NR
4ES(O)
2R
4F、及びS(O)
2NR
4ER
4Fから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換され、式中、R
4E及びR
4Fは、各々独立して、水素、C
1~4アルキル、もしくはC
3~6シクロアルキル、もしくはC
3~6シクロアルキルC
1~2アルキルから選択され、またはR
4E及びR
4Fは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4~7員の複素環を形成するように結合してもよく、
C
4上の置換基内に存在する任意のアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基は、任意選択で、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
4GR
4H、C
1~2アルコキシ、またはC
1~2アルキルによってさらに置換され、式中、R
4G及びR
4Hは、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
あるいはR
4C及びC
4は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4~7員複素環を形成するように結合してもよく、この複素環は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
4ER
4F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、またはC(O)NR
4ER
4F、NR
4EC(O)R
4F、NR
4ES(O)
2R
4F、及びS(O)
2NR
4ER
4Fによって置換され、
R
7は、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、または
-A
5-B
5-C
5基から選択され、
式中、A
5は、不在または式-[CR
5AR
5B]
t-のリンカー基であり、式中、「t」は1または2、3または4から選択される整数であり、R
5A及びR
5Bは、各々独立して、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
B
5は、不在または-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-CH(OR
5C)-、-N(R
5C)-、N(R
5D)-C(O)-、-N(R
5D)-C(O)O-、-C(O)-N(R
5C)-、-N(R
5D)C(O)N(R
5C)-、-S-、-SO-、-SO
2-、-S(O)
2N(R
5C)-、もしくは-N(R
5D)SO
2-であり、式中、R
5C及びR
5Dは、各々独立して、水素またはメチルから選択され、
C
5は、水素、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、アリール、C
3~6シクロアルキル、C
3~6シクロアルケニル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、
C
5は、任意選択で、オキソ、シアノ、ハロ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、NR
5ER
5F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、アリール、アリールオキシ、アリール-C
1~2アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル-C
1~2アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール-C
1~2アルキル、C(O)NR
5ER
5F、NR
5EC(O)R
5F、NR
5ES(O)
2R
5F、及びS(O)
2NR
5ER
5Fから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換され、式中、R
5E及びR
5Fは、各々独立して、水素、C
1~4アルキル、もしくはC
3~6シクロアルキル、もしくはC
3~6シクロアルキルC
1~2アルキルから選択され、またはR
5E及びR
5Fは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4~7員の複素環を形成するように結合してもよく、
C
5上の置換基内に存在する任意のアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基は、任意選択で、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
5GR
5H、C
1~2アルコキシ、またはC
1~2アルキルによってさらに置換され、式中、R
5G及びR
5Hは、水素またはC
1~2アルキルから選択され、
あるいはR
5C及びC
5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4~7員複素環を形成するように結合してもよく、この複素環は、任意選択で、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、NR
5ER
5F、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルキル-C
1~3アルキル、C
1~4アルカノイル、C
1~4アルキルスルホニル、またはC(O)NR
5ER
5F、NR
5EC(O)R
5F、NR
5ES(O)
2R
5F、及びS(O)
2NR
5ER
5Fによって置換され、
R
8及びR
9は、各出現において同じであっても異なっていてもよい群から選択され、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキル、及び置換もしくは非置換シクロアルキルからなる群より選択され、またはR
8及びR
9は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の3~7員飽和炭素環式環を形成してもよく、
R
10及びR
11は、各出現において同じであっても異なっていてもよく、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキル、及び置換もしくは非置換シクロアルキルから選択され、またはR
10及びR
11は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の3~7員飽和炭素環式環を形成してもよい。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、式Iの化合物は、以下からなる群より選択される:
1.メチル3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
2.メチル3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
3.メチル3-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
4.メチル3-(2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
5.メチル3-(4-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
6.メチル3-(3,4-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
7.メチル3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
8.メチル3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
9.メチル3-(4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
10.メチル3-フェニル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
11.メチル3-(2-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
12.メチル3-(3-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
13.メチル3-(4-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
14.メチル3-(2-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
15.メチル3-(3-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
16.メチル3-(2,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
17.メチル3-(2,3-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
18.メチル3-(3,5-ジメチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
19.メチル3-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
20.メチル3-(2,3-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
21.メチル3-(ピリジン-4-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
22.メチル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
23.メチル3-(ピリミジン-5-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
24.メチル3-(5-フルオロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
25.メチル3-(5-クロロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
26.メチル3-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
27.メチル3-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
28.メチル3-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
29.メチル3-(3-クロロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
30.メチル3-(3,4,5-トリクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
31.メチル3-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
32.メチル3-(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
33.メチル3-(2,3-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート;
34.3-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
35.3-(2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
36.3-(4-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
37.3-(3,4-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
38.3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
39.3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
40.3-(4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
41.3-(2-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
42.3-(3-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
43.3-(4-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
44.3-(2-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
45.3-(3-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
46.3-(2,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
47.3-(2,3-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
48.3-(3,5-ジメチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
49.3-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
50.3-(ピリジン-4-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
51.3-(3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
52.3-(5-フルオロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
53.3-(5-クロロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
54.3-(2,3-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
55.3-(ピリミジン-5-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
56.3-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
57.3-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
58.3-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
59.3-(3-クロロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
60.3-(3,4,5-トリクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
61.3-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
62.3-(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
63.3-フェニル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
64.3-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸;
65.7-ブロモ-3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸。
【0012】
1つの実施形態において、本発明は、式Iの化合物を調製するための方法であって、
i.水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を用いて式(1)のテトラロンを還元して、式(2)の化合物を得るステップと、
【0013】
【化3】
ii.in situで調製したヴィルスマイヤー-ハック試薬/付加物を用いて、ステップ(i)で得られた式(2)の化合物をホルミル化して、式(3)の化合物を得るステップと、
【0014】
【化4】
iii.ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシドなどのような塩基の存在下で、ステップ(ii)で得られた式(3)のアルデヒドを式(4)のアジドエステル化合物で処理して、式(5)の化合物を得るステップと、
【0015】
【化5】
iv.好適なルイス酸の存在下または酸性条件下で、式(5)の化合物を環化して式(6)の化合物を得るステップと、
【0016】
【化6】
v.NBS、NISなどのようなハロゲン化試薬を用いて、式(6)の化合物をハロゲン化して、式(7)のハロゲン化化合物を得るステップと、
【0017】
【化7】
vi.式(7)のハロ化合物をアリール/ヘテロアリールボロン酸またはアリール/ヘテロアリールボロン酸エステルとカップリング反応させて、式(Ia)の化合物を得るステップと、
【0018】
【化8】
vii.LiOH、K
2CO
3、NaOHのような塩基を用いた対応するエステルの加水分解により、式(Ia)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップとを含み、
【0019】
【化9】
viii.式(I)の酸において、-COOHが、対応するアミド、エステルなどに変換されてもよく、式中、R1が上記で定義されているものと同じである、方法を提供する。
【0020】
本発明のまた別の実施形態では、遊離形態、または塩形態、または医薬的に許容される塩の形態の式Iの化合物である。
【0021】
別の実施形態において、本発明は、少なくとも1つの式(I)の化合物を、任意選択で医薬的に許容される賦形剤とともに含む医薬組成物を提供する。
【0022】
本発明のまた別の実施形態において、当該組成物は、有効量のベータ-ラクタム抗生物質をさらに含む。
【0023】
本発明のまた別の実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエトキシル化ヒマシ油、ラッカセイ油、オリーブ油、ゼラチン、ラクトース、白土、スクロース、デキストリン、炭酸マグネシウム、糖、シクロデキストリン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸またはセルロースの低級アルキルエーテル、サリチル酸、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸モノグリセリド及びジグリセリド、ペンタエリストール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロース、ならびにポリビニルピロリドンからなる群より選択される。
【0024】
本発明のまた別の実施形態において、当該組成物は、ベータ-ラクタマーゼ阻害剤または薬物として使用される。
【0025】
本発明のまた別の実施形態では、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用であって、ベータ-ラクタマーゼ活性を阻害するための、ベータ-ラクタマーゼ活性を阻害するための医薬の製造における、細菌感染を治療するためのベータ-ラクタム抗生物質との組合せにおける、または細菌感染症を治療するための医薬の製造におけるベータ-ラクタム抗生物質との組合せにおける使用である。
【0026】
また別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物の双性イオンを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、式Iの化合物を調製するためのプロセスステップを表している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、式(I)の置換三環式複素環式化合物及びその医薬的に許容される塩を提供する。
【0029】
【0030】
式(I)の化合物(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、及び「n」は、本明細書の上記で定義されている通りである)は、市販されている式(1)のテトラロンから出発して、
図1に示すような手順に従って調製することができる。したがって、式(1)のテトラロンは、水素化ホウ素ナトリウムのような好適な還元剤を用いて還元を経て、式(2)の化合物が得られる。式(2)の化合物は、in situで調製したヴィルスマイヤー-ハック試薬/付加物を用いてホルミル化を経て、式(3)の化合物が得られる。さらに、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシドなどのような塩基の存在下で、この式(3)のアルデヒドを式(4)のアジドエステル化合物で処理して、式(5)の化合物が得られる。式(5)の化合物は、好適なルイス酸の存在下、または酸性条件下で環化を経て、式(6)の化合物が得られる。式(6)の化合物は、NBS、NISなどのようなハロゲン化試薬を用いてハロゲン化を経て、式(7)のハロゲン化化合物が得られる。この式(7)のハロ化合物は、好適なアリール/ヘテロアリールボロン酸またはアリール/ヘテロアリールボロン酸エステルとのカップリング反応を経て、式(Ia)の化合物が得られる。さらに、式(Ia)の化合物は、LiOH、K
2CO
3、NaOHなどのような塩基を用いて、対応するエステルを加水分解することにより、式(I)の化合物に変換される。式(I)の酸において、-COOHは、対応するアミド、エステルなどに変換されてもよい。
【0031】
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。「アルキル」という用語は、骨格内に炭素原子及び水素原子のみを含み、不飽和を含まず、1~6個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残部に結合しているアルカン由来の炭化水素ラジカル(例えば、C1~6アルキルまたはC1~6アルキル)を指し、代表的な基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチルなどが挙げられる。反対の内容が記述または説明されない限り、本明細書で記載または特許請求される全てのアルキル基は、直鎖の場合も分枝状の場合もある。
【0032】
「アルケニル」という用語は、2~10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素間二重結合を含む炭化水素ラジカルを指す。アルケニル基の非限定的な例としては、例えば、C2~6アルケニル、C2~4アルケニル、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)などが挙げられる。反対の内容が記述または説明されない限り、本明細書で記載または特許請求される全てのアルケニル基は、直鎖の場合も分枝状の場合もある。
【0033】
「アルキニル」という用語は、2~10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素間三重結合を含む炭化水素ラジカルを指す。アルキニル基の非限定的な例としては、例えば、C2~6アルキニル、C2~4アルキニル、エチニル、プロピニル、ブチニルなどが挙げられる。反対の内容が記述または説明されない限り、本明細書で記載または特許請求される全てのアルキニル基は、直鎖の場合も分枝状の場合もある。
【0034】
「ハロアルキル」という用語は、上記で定義したように、1個以上のハロゲン原子によって置換されている上記で定義されているようなアルキル基を指す。例えば、C1~6ハロアルキルまたはC1~4ハロアルキルがある。好適には、ハロアルキルは、モノハロアルキル、ジハロアルキルまたは、パーハロアルキルを含むポリハロアルキルである。モノハロアルキルは、1個のヨウ素、臭素、塩素、またはフッ素原子を有し得る。ジハロアルキル基及びポリハロアルキル基は、2個以上の同じハロゲン原子または異なるハロゲン原子の組合せで置換され得る。好適には、ポリハロアルキルは、最大12個のハロゲン原子で置換されている。ハロアルキルの非限定的な例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル、ジクロロプロピルなどが挙げられる。パーハロアルキルとは、全ての水素原子がハロゲン原子で置き換えられたアルキルを指す。反対の内容が記述または説明されない限り、本明細書で記載または特許請求される全てのハロアルキル基は、直鎖の場合も分枝状の場合もある。
【0035】
「アルコキシ」という用語は、酸素結合を介して分子の残部に付着しているアルキル基を示す。このような基の代表例としては、-OCH3及び-OC2H5がある。反対の内容が記述または説明されない限り、本明細書で記載または特許請求される全てのアルコキシ基は、直鎖の場合も分枝状の場合もある。
【0036】
「アルコキシアルキル」という用語は、上記で定義されているようなアルキル基に直接結合した上記で定義されているようなアルコキシ基、例えば、-CH2-O-CH3、-CH2-O-CH2CH3、-CH2CH2-O-CH3などを指す。
【0037】
「シクロアルキル」という用語は、3~12個の炭素原子を有する非芳香族の単環式または多環式環系、例えば、C3~10シクロアルキル、C3~6シクロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを指す。多環式シクロアルキル基の例としては、限定されるものではないが、パーヒドロナフチル、アダマンチル及びノルボルニル基、架橋環式基、またはスピロ二環式基(例えば、スピロ(4,4)ノナ-2-イル)などが挙げられる。
【0038】
「アリール」という用語は、6~14個の炭素原子を有する芳香族ラジカル(単環式、二環式、及び三環式芳香族系を含む)、例えば、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、及びビフェニルなどを指す。
【0039】
「複素環式環」または「ヘテロシクリル環」または「ヘテロシクリル」という用語は、別段の指定がない限り、炭素原子及びN、O、またはSから独立して選択される1個以上のヘテロ原子からなる非芳香族の置換または非置換3~15員環を指す。複素環式環は、単環式、二環式、または三環式環系であり得、これには縮合、架橋、またはスピロ環系が含まれ得、複素環内の窒素、炭素、酸素、または硫黄原子は、任意選択で様々な酸化状態に酸化されてもよい。さらに、窒素原子は任意選択で四級化されていてもよく、複素環式環またはヘテロシクリルは任意選択で1つ以上のオレフィン結合を含んでもよく、複素環式環またはヘテロシクリル内の1個または2個の炭素原子は、-CF2-、-C(O)-、-S(O)-、S(O)2などで中断されてもよい。さらに、複素環式環は芳香環と縮合することもできる。複素環式環の非限定的な例としては、アゼチジニル、ベンゾピラニル、クロマニル、デカヒドロイソキノリル、インドリニル、イソインドリニル、イソクロマニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、2-オキソアゼピニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、パーヒドロアゼピニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホンインドリン、ベンゾジオキソール、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロベンゾピランなどが挙げられる。複素環式環は、安定した構造の作出をもたらす複素環式環の任意の原子によって結合することができる。
【0040】
「ヘテロアリール」という用語は、別段の指定がない限り、N、O、またはSから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を有する置換または非置換の5員~14員芳香族複素環式環を指す。ヘテロアリールは、単環式、二環式、または三環式環系であり得る。ヘテロアリール環は、安定した構造の作出をもたらすヘテロアリール環の任意の原子によって結合することができる。ヘテロアリール環の非限定的な例としては、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、フリル、インドリル、イソインドリル、ピロリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、カルバゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、シノリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、プリニル、キノキサリニル、キノリル、イソキノリル、チアジアゾリル、インドリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フタラジニルなどが挙げられる。
【0041】
状態、障害、または状態の「治療すること」または「治療」には以下が含まれる:(a)状態、障害、または状態に罹患している、罹患する素因がある可能性があるが、まだ状態、障害、または状態の臨床的または潜在的症状を経験または提示していない対象において、発症する状態、障害、または状態の臨床症状の出現を予防または遅延させること、(b)状態、障害、または状態を抑制すること、すなわち、疾患またはその少なくとも1つの臨床的もしくは潜在的症状の発症を阻止または低減すること、(c)疾患、障害、もしくは状態、またはその臨床的もしくは潜在的症状のうちの少なくとも1つを和らげること、あるいは(d)疾患を緩和すること、すなわち、状態、障害、もしくは状態、またはその臨床的もしくは潜在的症状のうちの少なくとも1つの軽減を引き起こすこと。
【0042】
「阻害剤」という用語は、酵素に結合して、当該酵素の活性を部分的にまたは完全に阻害する分子を指す。
【0043】
「有効量」という用語は、単独で、または1つ以上の他の活性薬剤と組み合わせて、対象に所望の効果(例えば、MBLの阻害)を付与するのに必要とされる各活性薬剤の量を指す。当業者が認識しているように、有効量は、治療対象となる特定の状態、状態の重症度、年齢、サイズ、健康状態、体重、及び性別を含む個々の患者パラメーター、併用治療(あれば)の性質、治療の期間、特定の投与経路、ならびに医療実施者の知識及び専門的技術の範囲内の同様の因子に応じて変化する。これらの因子は当業者に周知されており、通例の実験のみで対処することができる。概して、個々の構成成分またはその組合せの最大用量、すなわち、妥当な医学的判断に基づく安全な最高用量を使用することが好ましい。ただし、患者が医学的な理由、心理学的理由、または他のほぼ全ての理由によって、より低い用量または許容できる用量を要求する場合があることは当業者に理解されよう。
【0044】
「治療有効量」とは、疾患、障害、または状態を治療するために対象に投与した場合に、投与の目的である効果を対象にもたらすのに十分である化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患及びその重症度、治療対象となる対象の年齢、体重、健康状態、及び応答性に応じて変動する。
【0045】
医薬的に許容される塩
本発明の化合物は、酸または塩基と塩を形成することができる。本発明の化合物は、安定した無毒性の酸塩または塩基塩を形成するのに十分な塩基性または酸性であり得、医薬的に許容される塩として投与することが適切であり得る。医薬的に許容される塩の非限定的な例としては、酸(塩酸塩を含む)の付加によって形成される無機酸/有機酸付加塩がある。医薬的に許容される塩の非限定的な例としては、塩基の付加によって形成される無機塩基/有機塩基付加塩がある。本発明の化合物は、アミノ酸と塩を形成することもできる。医薬的に許容される塩は、当技術分野で周知されている標準的な手順を用いて、例えば、アミンのような十分に塩基性の化合物を好適な酸と反応させることにより、得ることができる。
【0046】
MBL阻害活性に関する本発明の化合物のスクリーニングは、本明細書で後述する様々なin vitroの方法または当技術分野で知られている方法を使用することにより、達成することができる。
【0047】
医薬組成物
本発明は、本明細書で開示する式(1)の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。詳細には、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1つの式(I)の化合物と、少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤(例えば、担体または希釈剤)とを含む医薬組成物である。好ましくは、企図されている医薬組成物は、対象に投与したときに、本明細書に記載の化合物(単数または複数)を、MBLを十分に阻害して本明細書に記載の疾患を治療するような量で含む。
【0048】
企図されている対象としては、例えば、生細胞及び哺乳類(ヒトを含む)が挙げられる。本発明の化合物は、医薬的に許容される賦形剤(例えば、担体または希釈剤)と結合させてもよく、担体により希釈してもよく、カプセル剤、サシェ、紙、または他の容器の形態をとり得る担体内に封入してもよい。医薬的に許容される賦形剤には、それ自体は組成物が投与される個体に有害な抗体の産生を誘導せず、過度の毒性を伴わずに投与することができる医薬剤が含まれる。
【0049】
好適な担体または賦形剤としては、限定されるものではないが、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエトキシル化ヒマシ油、ラッカセイ油、オリーブ油、ゼラチン、ラクトース、白土、スクロース、デキストリン、炭酸マグネシウム、糖、シクロデキストリン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸またはセルロースの低級アルキルエーテル、サリチル酸、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸モノグリセリド及びジグリセリド、ペンタエリストール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロース、ならびにポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0050】
また、医薬組成物は、1つ以上の医薬的に許容される助剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝剤、甘味剤、香味剤、着色剤、または前述の任意の組合せも含むことができる。本発明の医薬組成物は、当技術分野で知られている手順を用いることにより、対象に投与した後に活性成分の迅速な、持続的な、または遅延した放出を提供するように製剤化することができる。
【0051】
本明細書に記載の医薬組成物は、当技術分野で知られている従来の技術により、調製することができる。例えば、活性化合物は、担体と混合してもよく、担体で希釈してもよく、アンプル、カプセル剤、サシェ、紙、または他の容器の形態をとり得る担体内に封入してもよい。担体が希釈剤として機能する場合、担体は、活性化合物のビヒクル、賦形剤、または媒体として作用する固体、半固体、または液体の材料であり得る。活性化合物は粒状固体容器、例えばサシェに吸着させてもよい。医薬組成物は従来の形態をとることができ、例えば、カプセル剤、錠剤、カプレット、口腔内崩壊錠、エアゾール、溶液、懸濁液、または局所適用向けの製品とすることができる。
【0052】
投与経路は、本発明の活性化合物を適切なまたは所望の作用部位に効果的に輸送する任意の経路とすることができる。好適な投与経路としては、限定されるものではないが、経口、経口吸入、経鼻、経肺、頬側、皮下、皮内、経皮、非経口、経直腸、デポー、皮下、静脈内、尿道内、筋肉内、鼻腔内、経眼(例えば、点眼液により)、または局所(例えば、局所用軟膏により)が挙げられる。
【0053】
経口用固体製剤としては、限定されるものではないが、錠剤、カプレット、カプセル剤(軟質または硬質ゼラチン)、口腔内崩壊錠、ドラジェ(有効成分を粉末またはペレットの形態で含む)、トローチ、及びロゼンジが挙げられる。タルク及び/または炭水化物担体または結合剤などを有する錠剤、ドラジェ、またはカプセル剤は、経口適用に特に適している。液体製剤としては、限定されるものではないが、シロップ、乳剤、懸濁液、溶液、ソフトゼラチン、及び滅菌注射用液、例えば、水性または非水性の液体懸濁液または溶液が挙げられる。非経口適用の場合、特に適しているのは注射用溶液または懸濁液であり、好ましくは、活性化合物がポリヒドロキシル化ヒマシ油に溶解している水溶液である。
【0054】
医薬調製物は、好ましくは単位投与形態である。このような形態において、調製物は、適切な量の活性構成成分を含む単位用量に細分される。単位投与形態は、個別の量の調製物を含むパッケージ化調製物(例えば、ポケット(pocketed)錠剤、カプセル剤、及びバイアルまたはアンプルに入った粉末)であり得る。また、単位剤形は、カプセル、錠剤、カプレット、カシェ剤、またはロゼンジそのものであってもよく、あるいはパッケージ化形態での適切な数のこれらのいずれかであってもよい。
【0055】
対象患者に投与する場合、本発明の化合物の合計1日用量は、当然ながら投与様式に依存する。例えば、経口投与は、静脈内投与(血液への直接投与)よりも多い合計1日用量を必要とし得る。単位用量調製物中の活性構成要素の量は、活性構成成分の力価または投与様式に応じて、経口投与においては0.1mg~1000mg、吸入投与においては1pg~5000pgの範囲で変動または調整することができる。
【0056】
関連技術分野の当業者であれば、本明細書に記載の疾患及び障害の治療に使用する化合物の適切な用量を決定することができる。概して、治療用量は、動物試験に由来する予備的証拠に基づいた、対象における用量範囲試験によって特定される。用量は、患者に望ましくない副作用を引き起こさずに所望の治療利益をもたらすのに十分でなければならない。例えば、MBL阻害剤の1日投与量は、経口投与では約0.1~約30.0mg/kgの範囲とすることができる。また、投与様式、投与形態、好適な医薬賦形剤、希釈剤、または担体も、当業者が十分に使用し、調整することができる。想定される全ての変更及び修正は本発明の範囲内である。
【0057】
治療方法
本発明は、抗微生物剤耐性(AMR)に関連する疾患、障害、または状態を治療するためのMBL阻害剤としての式(I)の化合物及びその医薬組成物を提供する。本発明はさらに、抗微生物剤耐性に関連する疾患、障害、または状態の治療を、それを必要とする対象において行う方法を、治療有効量の本発明の化合物または医薬組成物を対象に投与することにより提供する。
【0058】
別の態様において、本発明は、MBL、AMR、抗細菌剤に関連する疾患、障害、または状態を治療する方法に関する。この方法では、このような治療を必要とする対象に、治療有効量の本明細書に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与する。
【0059】
本発明は、本明細書に記載の疾患または障害を治療するための医薬の製造における式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を包含する。
【実施例】
【0060】
以下の実施例は例示として示すものであり、そのため本発明の範囲を限定するようには解釈しないものとする。
【0061】
中間体1を調製するための一般的手順
メチル3-ヨード-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート
【0062】
【0063】
ステップ1:1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-オールの調製
【0064】
【化12】
NaBH
4(3.88g、102.61mmol)を1-テトラロン(15g、102.61mmol)のメタノール(256mL)中撹拌溶液に加えた。反応混合物を1時間撹拌し、次いで減圧下で約35mLに濃縮した。この反応混合物に水を加え(75mL)、酢酸エチルで抽出した(2×100mL)。有機相をブライン溶液(40mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過した。有機層を濃縮して粗化合物を得た。粗化合物を溶出剤(1:9、酢酸エチル:n-ヘキサン)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage)により精製して、標題化合物(15.1g、収率99.3%)を淡黄色の油として得た。LCMS(ESI):m/z=148.2(M)
+
【0065】
ステップ2:3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルバルデヒドの調製
【0066】
【化13】
1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-オール(15.4g、97.5mmol)のDMF(39.22mL)中撹拌溶液にPOCl
3(22.66mL)を0℃で滴加し、1時間撹拌した。反応混合物を室温まで昇温させ、さらに1時間撹拌した。さらに、撹拌した溶液を100℃で一晩加熱した。反応混合物を室温で水によりクエンチし、3MのNaOHで塩基性化した。反応混合物を酢酸エチル(3×550mL)で抽出し、ブライン溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して粗化合物を得た。粗化合物を溶出剤(1:9、酢酸エチル:n-ヘキサン)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage)により精製して、3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルバルデヒド(8.5g、収率52%)を淡黄色の油として得た。
1H NMR(300MHz,DMSO-D
6)δ=9.62(s,1H),7.51(s,1H),7.37-7.24(m,4H),2.79(t,J=8.58Hz,2H),2.42(t,J=8.58Hz,2H).
【0067】
ステップ3:メチル(Z)-2-アジド-3-(3,4-ジヒドロナフタレン-2-イル)アクリレートの調製
【0068】
【化14】
不活性雰囲気でパージ及び維持した丸底フラスコに、乾燥MeOH(175mL)中の3,4-ジヒドロナフタレン-2-カルバルデヒド(8.5g、53.95mmol)、メチルアジドアセテート(15.5g、134.18mmol、1.18mL)を-15℃で投入した。15分後、撹拌混合物にNaOMe(26.34mL)のMeOH(44mL)中溶液を20分かけて滴加し、-15℃で90分間撹拌した。さらに、ゆっくりと4℃まで温め、12時間撹拌した。次いで反応混合物を氷冷飽和NH
4Cl水溶液(215mL)に注いだ。得られた沈殿物をフリット漏斗で単離し、濾液が透明になるまで脱イオン水で洗浄した。固体をDCMに溶解し、Na
2SO
4で乾燥した。有機相を濾過し、真空中で蒸発させて粗化合物を得た。粗化合物を溶出剤(1:9、酢酸エチル:n-ヘキサン)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage)により精製して、メチル(Z)-2-アジド-3-(3,4-ジヒドロナフタレン-2-イル)アクリレート(9.65g、収率70%)を微量の環化化合物を含む油として得、これをさらに次の反応に用いた。
【0069】
ステップ4:メチル4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0070】
【化15】
メチル4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート(9.654g、37.82mmol)のDCM(55mL)中撹拌溶液に、ZnI
2(0.604g、1.89mmol)をゆっくりと加え、室温で一晩撹拌した。得られた溶液をセライトパッドで濾過し、真空下で濃縮して粗化合物を得た。粗化合物を溶出剤(2:8、酢酸エチル:n-ヘキサン)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage)により精製して、メチル4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート(5.86g、収率68%)を淡黄色の固体として得た。
LCMS(ESI):m/z=228.1(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,DMSO-D6)δ=12.08(s,1H),7.84(d,J=7.6Hz,1H),7.18(t,J=7.5Hz,2H),7.13-7.07(m,1H),6.70-6.62(m,1H),3.75(s,3H),2.82(t,J=7.5Hz,2H),2.62(dd,J=8.5,6.5Hz,2H).
【0071】
ステップ5:メチル3-ヨード-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
メチル3-ヨード-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート(5.86g、25.8mmol)のDMF(60mL)中撹拌溶液に、N-ヨードスクシンアミド(6.38g、28.34mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。粗混合物をDCMに溶解し、飽和NaHCO3で洗浄した。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗化合物を溶出剤(2:8、酢酸エチル:n-ヘキサン)を用いたカラムクロマトグラフィー(Biotage)により精製して、メチル3-ヨード-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート(8.01g、収率88%)を褐色の固体として得た。
LCMS(ESI):m/z=354.1(M+H)+;1H NMR(300MHz,DMSO-D6)δ=12.42(s,1H),7.89(d,J=7.5Hz,1H),7.35-6.99(m,3H),3.79(s,3H),2.87(t,J=7.6Hz,2H),2.56-2.44(m,2H).
【0072】
実施例1:メチル3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0073】
【化16】
メチル3-ヨード-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート(200mg、0.57mmol)、3,5-ジクロロフェニルボロン酸(130g、0.68mmol)の1,4-ジオキサン(5.5mL)中溶液に、水性Na
2CO
3(120.8mg、1.5mLのH
2O中1.14mmol)を密閉チューブ中25℃で加え、窒素ガスを反応混合物に15分間バブリングさせた。これに[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を加え、緊密に充填し、反応混合物を80℃で16時間撹拌しながら加熱した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を25℃に冷却し、セライトで濾過した。濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得た。このようにして得られた粗化合物を、溶出剤(2:8、酢酸エチル:n-ヘキサン)を用いたカラムクロマトグラフィー(Biotage)により精製して、メチル3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート(188mg、収率89%)を固体として得た。
LCMS(ESI):m/z=370.0,372(M-2H)
-;
1H NMR(300MHz,DMSO-D6)δ=12.08(s,1H),7.93(d,J=7.2Hz,1H),7.51(s,1H),7.38(s,2H),7.23-7.20(m,2H),7.18-7.13(m,1H),3.68(s,3H),2.83(t,J=7.23Hz,2H),2.56-2.51(m,2H).
【0074】
実施例2:3-(3.5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸の調製
【0075】
【化17】
メチル3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレート(188mg、0.57mmol)のTHF(2.5mL)、MeOH(1.1mL)、及びH
2O(1.1mL)中の撹拌溶液に、LiOH.H
2O(120mg、2.87mmol)を加えた。得られた混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物を2MのHClで酸性化してpH2にし、EtOAc(2×25mL)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。このようにして得られた粗化合物を、溶出剤(2:8、酢酸エチル:n-ヘキサン)を用いたカラムクロマトグラフィー(Biotage)により精製して、3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸(112g、収率60%)を固体として得た。
LCMS(ESI):m/z=356.3(M-2H)
-;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.37(bs,1H),7.46-7.13(m,7H),2.94(t,J=7.2Hz,2H),2.66(t,J=7.2Hz,2H).
【0076】
実施例3:メチル3-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0077】
【化18】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=352.1(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.33(bs,1H),7.39(d,J=7.6Hz,1H),7.29-7.14(m,3H),7.05-6.96(m,2H),6.91-6.84(m,1H),3.75(s,3H),3.73(s,3H),2.91(t,J=7.5Hz,2H),2.51-2.60(m,2H).
【0078】
実施例4:メチル3-(2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0079】
【化19】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=334.1(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.30(bs,1H),7.49-7.10(m,4H),7.08-6.90(m,4H),3.78(s,3H),3.71(s,3H),2.91(t,J=7.6Hz,2H),2.61-2.57(m 2H).
【0080】
実施例5:メチル3-(4-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0081】
【化20】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=334.1(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.20(bs,1H),7.47-7.26(m,3H),7.24-7.05(m,3H),7.05-6.86(d,2H),3.86(s,3H),3.76(s,3H),2.92(t,J=7.9Hz,2H),2.69-2.67(m,2H).
【0082】
実施例6:メチル3-(3,4-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0083】
【化21】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=338.1(M-H)
-;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.27(bs,1H),7.37-7.34(m,2H),7.21(dd,J=10.3,4.5Hz,2H),6.99-6.88(m,2H),6.81-6.74(m,1H),3.78(s,3H),2.93(t,2H),2.67(t,2H).
【0084】
実施例7:メチル3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0085】
【化22】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=368.0(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.25(bs,1H),7.37(d,J=7.4Hz,1H),7.28(dd,J=4.9,2.4Hz,1H),7.25 - 7.13(m,4H),6.89(d,J=8.5Hz 1H),3.75(s,3H),3.72(s,3H),2.91(t,J=7.5Hz,2H),2.61 - 2.51(m,2H).
【0086】
実施例8:メチル3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0087】
【化23】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=360.2(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.23(bs,1H),7.45-7.34(m,5H),7.25-7.15(m,3H),3.77(s,3H),2.91(t,J=7.8Hz,2H),2.72(t,J=7.8Hz,2H),1.36(s,9H).
【0088】
実施例9:メチル3-(4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0089】
【化24】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=322.1(M+H)
+;1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.39-9.12(bs,1H),7.38(dd,J=8.9,5.7Hz,3H),7.25-7.14(m,3H),7.09(t,J=8.9Hz,2H),3.76(s,3H),2.93(t,J=7.8Hz,2H),2.67(t,J=7.8Hz,2H).
【0090】
実施例10:メチル3-フェニル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0091】
【化25】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=304.1(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=7.55-7.26(m,5H),7.25-7.22(m,4H),3.76(s,3H),2.92(t,J=7.8Hz,2H),2.68(t,J=7.8Hz,2H).
【0092】
実施例11:メチル3-(2-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0093】
【化26】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=322.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.27(s,1H),8.04-7.87(m,1H),7.42-7.31(m,2H),7.29-7.20(m,4H),7.20-7.13(m,1H),3.65(s,3H),2.85(t,J=7.5Hz,2H),2.58-2.39(m,2H).
【0094】
実施例12:メチル3-(3-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0095】
【化27】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=322.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.19(s,1H),8.03-7.91(m,1H),7.47-7.37(m,1H),7.31-7.22(m,2H),7.17-7.09(m,4H),3.69(s,3H),2.85(t,J=7.5Hz,2H),2.53(m,2H).
【0096】
実施例13: メチル3-(4-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0097】
【化28】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=338.1(M+H)
+ ;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.37-11.94(m,1H),7.97(d,J=7.1Hz,1H),7.48-7.41(m,2H),7.41-7.36(m,2H),7.25(d,J=2.7Hz,2H),7.17(d,J=0.9Hz,1H),3.68(s,3H),2.84(t,J=7.7Hz,2H),2.67-2.44(m,2H).
【0098】
実施例14:メチル3-(2-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0099】
【化29】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=338.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.24(bs,1H),7.96(d,J=7.7Hz,1H),7.51(dd,J=5.7,3.2Hz,1H),7.40-7.33(m,3H),7.24(d,J=7.5Hz,2H),7.16-7.07(m,1H),3.61(s,3H),2.84(t,J=7.5Hz,2H),2.46-2.31(m,2H).
【0100】
実施例15:メチル3-(3-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0101】
【化30】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=338.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.21(s,1H),8.05-7.91(m,1H),7.44-7.40(m,2H),7.38(dd,J=6.0,4.0Hz,1H),7.34-7.30(m,1H),7.28-7.23(m,2H),7.18(dd,J=7.3,1.1Hz,1H),3.69(s,3H),2.85(t,J=7.5Hz,2H),2.63-2.51(m,2H).
【0102】
実施例16:メチル3-(2,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0103】
【化31】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=374.0(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.39(bs,1H),7.95(s,1H),7.68(d,J=2.1Hz,1H),7.43(d,J=2.1Hz,1H),7.38(d,J=8.3Hz,1H),7.25(d,J=7.4Hz,2H),7.17(s,1H),3.63(s,3H),2.85(m,2H),2.45(m,2H).
【0104】
実施例17:メチル3-(2,3-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0105】
【化32】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=340.0(M+H)
+
【0106】
実施例18:メチル3-(3.5-ジメチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0107】
【化33】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=332.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.04(s,1H),8.03-7.87(m,1H),7.24(t,J=6.6Hz,2H),7.16-7.10(m,1H),6.98-6.86(m,3H),3.66(s,3H),2.83(t,J=7.5Hz,2H),2.52(m,2H),2.30(s,6H).
【0108】
実施例19:メチル3-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0109】
【化34】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=336.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.22(s,1H),8.01-7.88(m,1H),7.27-7.19(m,3H),7.18-7.13(m,1H),7.04(t,J=10.2Hz,2H),3.65(s,3H),2.84(t,J=7.5Hz,2H),2.63-2.47(m,2H),2.40(s,3H).
【0110】
実施例20:メチル3-(2,3-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0111】
【化35】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=372.0(M+H)
+,374.0(M+2H)
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.32(s,1H),7.96(d,J=7.6Hz,1H),7.62(dd,J=7.9,1.6Hz,1H),7.38(t,J=7.8Hz,1H),7.33(dd,J=7.6,1.6Hz,1H),7.25(d,J=7.4Hz,2H),7.20-7.14(m,1H),3.63(s,3H),2.85(t,J=7.5Hz,2H),2.39(t,J=7.5,4.5Hz,2H).
【0112】
実施例21:メチル3-(ピリジン-4-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0113】
【化36】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI):m/z=305.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=8.53-8.39(m,2H),7.65-7.59(m,1H),7.44-7.35(m,2H),7.21-7.12(m,2H),7.12-7.05(m,1H),3.67(s,3H),2.95-2.70(m,2H),2.70-2.39(m,2H).
【0114】
実施例22:メチル3-(3,5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0115】
【化37】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:340.0[M+H]
+;
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ=9.34(bs,1H),7.40(d,J=7.2Hz,1H),7.28(d,J=7.4Hz,2H),7.23-7.19(m,1H),6.93(dd,J=8.5,2.3Hz,2H),6.78(m,1H),3.79(s,3H),2.94(t,J=7.5Hz,2H),2.74-2.61(m,2H).
【0116】
実施例23:メチル3-(ピリミジン-5-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0117】
【化38】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:306.0[M+H]
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.45(bs,1H),9.13(s,1H),8.83(s,2H),7.99(d,J=7.0Hz,1H),7.27(t,J=6.9Hz,2H),7.20-7.17(m,1H),3.71(s,3H),2.88(t,J=7.5,2H),2.59-2.62(m,2H).
【0118】
実施例24:メチル3-(5-フルオロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0119】
【化39】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:323.0[M+H]
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.35(bs,1H),8.52(d,J=2.8Hz,1H),8.45(t,J=1.7Hz,1H),7.98(m,1H),7.77(m,1H),7.26(t,J=6.6Hz,2H),7.21-7.15(m,1H),3.71(s,3H),2.87(t,J=7.5Hz,2H),2.59(t,J=7.5Hz,2H).
【0120】
実施例25:メチル3-(5-クロロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0121】
【化40】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:339.0[M+H]
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.38(s,1H),8.57(d,J=2.4Hz,1H),8.53(d,J=1.8Hz,1H),8.00-7.97(m,1H),7.97-7.94(m,1H),7.28-7.24(m,2H),7.20-7.16(m,1H),3.71(s,3H),2.87(t,J=7.5Hz,2H),2.62-2.67(m,2H).
【0122】
実施例26:メチル3-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0123】
【化41】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:350.1[M-H]
-
【0124】
実施例27:メチル3-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0125】
【化42】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:353.1[M-H]
-;
【0126】
実施例28:メチル3-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0127】
【化43】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:354.1[M-H]
-;
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ=9.31(bs,1H),7.39(d,J=7.6Hz,1H),7.30-7.26(m,2H),7.23-7.18(m,2H),7.09-7.01(m,2H),3.79(s,3H),2.94(t,J=7.5Hz,2H),2.71-2.63(m,2H).
【0128】
実施例29:メチル3-(3-クロロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0129】
【化44】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:368.0[M+H]
+;
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ=9.29(bs,1H),7.39(d,J=7.4Hz,1H),7.29-7.27(m,1H),7.25-7.23(m,1H),7.22-7.17(m,1H),7.00(t,J=1.5Hz,1H),6.88(t,J=2.1Hz,1H),6.86-6.84(m,1H),3.83(s,3H),3.78(s,3H),2.93(t,J=7.5Hz,2H),2.71-2.65(m,2H).
【0130】
実施例30:メチル3-(3,4,5-トリクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0131】
【化45】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:405.9[M-H]
-;
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ=9.32(bs,1H),7.44(s,2H),7.39(d,J=7.5Hz,1H),7.32-7.27(m,2H),7.23-7.20(m,1H),3.80(s,3H),2.94(t,J=7.5Hz,2H),2.69-2.63(m,2H).
【0132】
実施例31:メチル3-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0133】
【化46】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:364.1[M+H]
+;
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ=9.29(s,1H),7.39(d,J=7.4Hz,1H),7.28(s,1H),7.24(d,J=7.0Hz,1H),7.21-7.16(m,1H),6.58(d,J=2.3Hz,2H),6.46(t,J=2.3Hz,1H),3.82(s,6H),3.78(s,3H),2.92(t,J=7.5Hz,2H),2.71(t,J=7.5Hz,2H).
【0134】
実施例32:メチル3-(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0135】
【化47】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:350.1[M-H]
-
【0136】
実施例33:メチル3-(2,3-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボキシレートの調製
【0137】
【化48】
実施例1の化合物について示した手順に類似の手順に従い、3,5-ジクロロフェニルボロン酸を適切なボロン酸で置き換える。
LCMS(ESI)m/z:374.0[M+2H]
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.32(bs,1H),7.96(d,J=7.6Hz,1H),7.62(dd,J=7.9,1.6Hz,1H),7.38(t,J=7.8Hz,1H),7.34-7.30(m,1H),7.25(d,J=7.4Hz,2H),7.20-7.14(m,1H),3.63(s,3H),2.85(t,J=7.5Hz,2H),2.43-2.36(m,2H).
実施例2に記載の手順と同様の手順に従うことにより、以下の実施例34~66を調製した。
【0138】
実施例34:3-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0139】
【化49】
LCMS(ESI):m/z=338.1(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.34(bs,1H),7.48-7.29(m,2H),7.23(s,2H),7.09-6.95(m,2H),6.95-6.80(m,1H),3.77(s,3H),2.98-2.89(m,2H),2.69-2.43(m,2H).
【0140】
実施例35:3-(2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0141】
【化50】
LCMS(ESI):m/z=320.1(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.37(bs,1H),7.42-6.96(m,8H),3.80(s,3H),2.91(t,J=7.5Hz,2H),2.61-2.52(m,2H).
【0142】
実施例36:3-(4-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0143】
【化51】
LCMS(ESI):m/z=320.1(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.73(bs,1H),7.67-6.73(m,8H),3.81(s,3H),2.92-2.84(m,2H),2.70-2.64(m,2H)
【0144】
実施例37:3-(3,4-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0145】
【化52】
LCMS(ESI):m/z=326.0(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.49(bs,1H),7.40(d,J=7.2Hz,1H),7.35-7.01(m,3H),7.09-6.87(m,2H),6.79-6.76(m,1H),2.96(t,J=7.8Hz,2H),2.69(t,J=7.8Hz,2H).
【0146】
実施例38:3-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0147】
【化53】
LCMS(ESI-):m/z=352.0(M-H)
-;
1H NMR(300MHz,DMSO-D6)δ=12.03(bs,1H),12.01(bs,1H),7.90(d,J=7.9Hz,1H),7.29-7.23(m,2H),7.16(s,1H),7.14-7.05(m,2H),7.04-6.98(m,1H),3.67(s,3H),2.78(t,J=7.4Hz,2H),2.37(t,J=7.5Hz,2H).
【0148】
実施例39:3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0149】
【化54】
LCMS(ESI):m/z=346.1(M+H)
+;
1H NMR(300MHz,クロロホルム-D)δ=9.42(s,1H),7.41(m,4H),7.23(dd,J=12.3,7.1Hz,4H),2.92(t,J=7.3Hz,2H),2.71(t,J=7.3Hz,2H),1.39(s,9H).
【0150】
実施例40:3-(4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0151】
【化55】
LCMS(ESI):m/z=308.0(M+H)
+
【0152】
実施例41:3-(2-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0153】
【化56】
LCMS(ESI):m/z=308.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.60-7.55(m,1H),7.25-7.17(m,2H),7.15-7.07(m,2H),7.07-6.95(m,3H),2.76(t,J=7.5Hz,2H),2.41(t,J=7.5Hz,2H).
【0154】
実施例42:3-(3-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0155】
【化57】
LCMS(ESI):m/z=308.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.61-7.56(m,1H),7.24(m,1H),7.16-7.08(m,2H),7.08-6.99(m,3H),6.93-6.86(m,1H),2.89-2.67(m,2H),2.49(m,2H).
【0156】
実施例43:3-(4-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0157】
【化58】
LCMS(ESI):m/z=322.0(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.23(bs,1H),8.03-7.95(m,1H),7.45-7.35(m,4H),7.27-7.20(m,2H),7.18-7.12(m,1H),2.77 -2 .89(m,2H),2.63-2.41(m,2H).
【0158】
実施例44:3-(2-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0159】
【化59】
LCMS(ESI):m/z=324.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.56(d,J=7.5Hz,1H),7.33-7.29(m,1H),7.20-7.09(m,4H),7.07(d,J=7.2Hz,1H),7.00(m,1H),2.81-2.67(m,2H),2.40-2.20(m,2H).
【0160】
実施例45:3-(3-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0161】
【化60】
LCMS(ESI):m/z=324.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.58(d,J=7.5Hz,1H),7.27(dd,J=5.9,4.2Hz,1H),7.24-7.19(m,1H),7.19-7.08(m,4H),7.03(dd,J=7.4,1.1Hz,1H),2.77(m,2H),2.47(m,2H).
【0162】
実施例46:3-(2.4-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0163】
【化61】
LCMS(ESI):m/z=360.0(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.58(d,J=7.6Hz,1H),7.43-7.36(m,1H),7.24-7.18(m,2H),7.13(dd,J=15.5,7.6Hz,2H),7.04(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),2.78(t,J=7.6Hz,2H),2.78(t,J=7.6Hz,2H).
【0164】
実施例47:3-(2.3-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0165】
【化62】
LCMS(ESI):m/z=326.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.59(d,J=7.6Hz,1H),7.23-6.94(m,6H),2.81(m,2H),2.65-2.31(m,2H).
【0166】
実施例48:3-(3.5-ジメチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0167】
【化63】
LCMS(ESI):m/z=318.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.57(d,J=7.1Hz,1H),7.18-7.07(m,2H),7.07-6.97(m,1H),6.88(d,J=18.7Hz,2H),6.80(s,1H),2.82-2.68(m,2H),2.51-2.41(m,2H),2.23(s,6H).
【0168】
実施例49:3-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0169】
【化64】
LCMS(ESI):m/z=322.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.56(d,J=7.6Hz,1H),7.10(dd,J=19.7,7.7Hz,3H),7.02(ddd,J=15.1,12.1,11.0Hz,1H),6.87(m,2H),2.75(t,J=7.5Hz,2H),2.45-2.35(m,2H),2.25(s,3H).
【0170】
実施例50:3-(2,3-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0171】
【化65】
LCMS(ESI)m/z:360.0[M + 2H]
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.58(d,J=7.6Hz,1H),7.41-7.35(m,1H),7.18-7.15(m,2H),7.14-7.09(m,2H),7.04(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),2.82-2.73(m,2H),2.38-2.28(m,2H).
【0172】
実施例51:3-(ピリジン-4-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0173】
【化66】
LCMS(ESI):m/z=291.1(M+H)
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=8.41(d,J=6.0Hz,2H),7.59(d,J=7.7Hz,1H),7.42-7.37(m,2H),7.14(d,J=9.3Hz,2H),7.07(d,J=7.4Hz,1H),2.81(t,J=7.5Hz,2H),2.59-2.50(m,2H).
【0174】
実施例52:3-(3.5-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0175】
【化67】
LCMS(ESI)m/z:324.0[M-2H]
-;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.59(d,J=7.7Hz,2H),7.17-7.11(m,2H),7.07-7.04(m,1H),6.88-6.86(m,2H),6.75(m,1H),2.80(t,J=7.5Hz,1H),2.55-2.50(m,1H).
【0176】
実施例53:3-(5-フルオロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0177】
【化68】
LCMS(ESI)m/z:309.0[M + H]
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=8.32(s,1H),8.27(d,J=2.6Hz,1H),7.63-7.58(m,2H),7.17-7.13(m,2H),7.09-7.04(m,1H),2.82(t,J=7.5Hz,1H),2.56-2.53(m,1H).
【0178】
実施例54:3-(5-クロロピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0179】
【化69】
LCMS(ESI)m/z:325.0[M + H]
+;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=12.44(s,1H),12.26(s,1H),8.54(dd,J=9.0,1.7Hz,2H),7.98(d,J=7.6Hz,1H),7.95-7.92(m,1H),7.24(t,J=7.5Hz,2H),7.16(t,J=7.3Hz,1H),2.86(t,J=7.4Hz,2H),2.58(t,J=7.5Hz,2H).
【0180】
実施例55:3-(ピリミジン-5-イル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0181】
【化70】
LCMS(ESI)m/z:292.3 [M + H]
+
【0182】
実施例56:3-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0183】
【化71】
LCMS(ESI)m/z:336.1[M-H]
-;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.55(d,J=7.5Hz,1H),7.15-7.04(m,3H),7.02(t,J=7.0Hz,1H),6.68(dd,J=11.2,2.3Hz,1H),6.59-6.54(m,1H),3.69-3.61(s,3H),2.75(t,J=7.5Hz,2H),2.35(t,J=7.5Hz,2H).
【0184】
実施例57:3-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0185】
【化72】
LCMS(ESI)m/z:337.8,339.5[M + H]
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.70(d,J=7.1Hz,1H),7.27-7.21(m,2H),7.18(s,1H),7.17-7.14(m,1H),7.13-7.10(m,2H),2.89(t,J=7.5Hz,2H),2.63-2.55(m,2H),2.37(s,3H).
【0186】
実施例58:3-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0187】
【化73】
LCMS(ESI)m/z:340.0[M-H]
-;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.58(d,J=7.6Hz,1H),7.17-7.09(m,3H),7.07-7.02(m,1H),7.02-6.94(m,2H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),2.53-2.44(m,2H).
【0188】
実施例59:3-(3-クロロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0189】
【化74】
LCMS(ESI)m/z:352.0[M-H]
-;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.57(d,J=7.5Hz,1H),7.16-7.07(m,2H),7.05-7.00(m,1H),6.86-6.82(m,1H),6.79-6.72(m,2H),3.69(s,3H),2.77(t,J=7.5Hz,2H),2.52-2.43(m,2H).
【0190】
実施例60:3-(3,4,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0191】
【化75】
LCMS(ESI)m/z:390.0,391.9[M-H]
-;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.59(d,J=7.6Hz,1H),7.41(s,2H),7.17-7.11(m,2H),7.09-7.04(m,1H),2.81(t,J=7.5Hz,2H),2.52(t,J=7.5Hz,2H).
【0192】
実施例61:3-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0193】
【化76】
LCMS(ESI)m/z:348.1[M-H]
-;
1H NMR(500MHz,DMSO)δ=11.98(s,1H),7.96(s,1H),7.35-7.05(m,3H),6.60-6.35(m,3H),3.75(s,6H),2.8-2.7(m,2H),2.65-2.55(m,2H).
【0194】
実施例62:3-(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0195】
【化77】
LCMS(ESI)m/z:336.1[M-H]
-;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.58(d,J=7.6Hz,1H),7.15-7.08(m,2H),7.05-7.01(m,1H),6.66-6.63(m,1H),6.61-6.56(m,1H),6.52-6.48(m,1H),3.70(s,3H),2.77(t,J=7.5Hz,2H),2.53-2.46(m,2H).
【0196】
実施例63:3-フェニル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0197】
【化78】
LCMS(ESI)m/z:290.2[M + H]
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.58(d,J=7.7Hz,1H),7.30-7.26(m,2H),7.26-7.23(m,2H),7.19-7.165(m,1H),7.16-7.10(m,2H),7.06-7.01(m,1H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),2.53-2.46(m,2H).
【0198】
実施例64:3-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0199】
【化79】
LCMS(ESI)m/z:356.3[M + H]
+;
1H NMR(500MHz,MeOD)δ=7.61(dd,J=7.5,1.1Hz,1H),7.18-7.12(m,2H),7.11-7.07(m,2H),7.03-6.99(m,1H),6.98-6.95(m,1H),2.97-2.94(m,1H),2.69(dd,J=15.4,6.1Hz,1H),2.31(dd,J=15.4,5.8Hz,1H),1.09(d,J=7.0Hz,3H).
【0200】
実施例65:7-ブロモ-3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[g]インドール-2-カルボン酸
【0201】
【化80】
LCMS(ESI)m/z:[M + H]
+ 435.1
【0202】
仮想実施例
表-1に示す以下の実施例66~75の一覧は、中間体1及び適切に置換されたボロン酸/エステルを使用することにより、実施例1、次いで実施例2に記載の手順と同様の手順に従うことにより、調製することができる。
【0203】
【0204】
生物学的アッセイ
酵素活性:IC50の定量
クラスBベータ-ラクタマーゼ活性の測定を、試験阻害剤の存在下、内製で合成した蛍光性セファロスポリン基質FC5(Berkel,et.al.J.Med.Chem.2013,56(17),6945)に対する蛍光アッセイで行った。20mM HEPES、pH7.4に300mMのNaCl及び10μMのZnSO4を追加したもので酵素(NDM-1、IMP-1)及び基質を希釈した。このアッセイにおいて、酵素の最終濃度はNDM-1の場合50pM、IMP-1の場合100pMとなり、FC5の最終濃度はNDM-1の場合1.5M、IMP-1の場合10Mとなった。試験阻害剤/化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、アッセイバッファー(20mM HEPES、pH7.4に5% DMSO、300mMのNaCl、及び10μMのZnSO4を追加)で希釈して、最終濃度範囲を0.008μM~25μMとした。アッセイは96ウェルマイクロプレート(平底、黒色)で実施した。試験阻害剤をMBL酵素とともに室温で10分間インキュベートし、次に基質を加え、蛍光を直ちにマイクロプレートリーダーで記録した(λex 380nm、λem 460nm)。阻害剤濃度に対しプロットした初速度データを用いて、GraphPad Prism 9ソフトウェアのIC50カーブフィッティングモデルにより、半数阻害濃度を算出した。本発明の代表的化合物は、このアッセイでクラスB β-ラクタマーゼの阻害を示す。例えば、実施例2、34~64の化合物をこのアッセイで試験したところ、表1に示すIC50値を有することが分かった。
【0205】
【0206】
in vitro薬理学的活性
本発明の代表的化合物の存在下におけるイミペネム及びメロペネムのNDM-1発現細菌に対する抗生物質活性
細菌株
本試験に含めた株は、New Delhiメタロ-β-ラクタマーゼ(NDM-1)遺伝子が存在するKlebsiella pneumoniae ATCC BAA-2146(Himedia(登録商標)、India)である。品質管理用基準株のEscherichia coli ATCC 25922及びPseudomonas aeruginosa ATCC 27853をHimedia(登録商標)(India)から入手した。
【0207】
最小阻止濃度(MIC)
Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)のガイドライン(CLSI;Methods for dilution antimicrobial susceptibility tests for bacteria that grow aerobically;Clinical Laboratory Standards Institute,M07-A09,2012)に従い、滅菌した96ウェルポリスチレン平底マイクロタイタープレート(Cole-Parmer(登録商標))を用いたブロスマイクロ希釈により、MIC値を特定した。この方法は、BBL(商標)Cation-adjusted Mueller-Hinton II Broth(CA-MHB;BD)の使用を伴い、株(Klebsiella pneumoniae ATCC BAA-2146)の濃度を5×105CFU/mLに調整した。様々な濃度のイミペネム、メロペネム(Alfa Aesar)、または試験化合物を37℃で16~18時間インキュベートした後、MICを可視的な成長がなかった抗生物質または試験化合物の最低濃度として定義した。
【0208】
チェッカーボード相乗作用アッセイ
ブロス-マイクロ希釈チェッカーボード相乗作用アッセイにより、イミペネムまたはメロペネムと組み合わせた試験化合物の倍数調節活性をKlebsiella pneumoniae ATCC BAA-2146株に対し確認した。プレートに、5×105CFU/mLの細菌接種物と、抗生物質(128~2μg/mL)及び試験化合物(32~4μg/mL)の合計体積200μLのCA-MHB中2倍段階希釈液とを入れた。ジメチルスルホキシド(DMSO、2.5%以下)をビヒクル対照として含めた。37℃で16~18時間インキュベートした後、抗生物質及び薬物組合せのMICを目視により調べた。
【0209】
【0210】
したがって、上記のin vitroアッセイ法は、本発明の化合物が生化学的アッセイにおいてMBL(NDM-1及びIMP-1)に対する阻害を有し、ベータ-ラクタム抗生物質との組合せでカルバペネム耐性株において相乗効果を示すことが見出され、それにより、MBL及び抗生物質耐性の調節に関連する疾患、障害の治療に有用であることを示している。
【0211】
化合物試験の結果から、式(I)の置換三環式化合物が臨床的に重要なMBLの阻害が可能であることが実証された。本発明に記載の置換三環式ベース足場は、耐性細菌における複数のベータ-ラクタマーゼを標的とする広スペクトルの高親和性阻害剤として開発することができ、ベータ-ラクタム抗生物質と組み合わせて、多剤耐性細菌により引き起こされる感染症を治療することができる。
【0212】
上述のアッセイ法を用いることにより、化合物は抗生物質との倍数調節活性を示すことが分かり、したがって、本明細書で上述した疾患または障害の治療にとりわけ十分適合することが分かった。
【0213】
本発明の利点
多剤耐性細菌に感染した患者に関し我々が到達しているように、魔法のペレットは存在しない。本発明は、MBL酵素を阻害する低分子化合物と、切り札のカルバペネム(β-ラクタム抗生物質)クラス抗生物質の倍数調節とに関する。これらの阻害剤は、耐性細菌が発生した場合にも抗生物質活性を保持する一助となり得るため、膨大なアンメットメディカルニーズが存在する世界全体に有益であり得る。
【国際調査報告】