(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】多層カーテンを備えた折り畳み式皺取りキャビネット
(51)【国際特許分類】
D06F 59/02 20060101AFI20240514BHJP
A47G 25/02 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
D06F59/02
A47G25/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574485
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2022063935
(87)【国際公開番号】W WO2022253620
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アマル ジェロロ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール デュリフ
【テーマコード(参考)】
3B168
3K099
【Fターム(参考)】
3B168AA24
3B168AE01
3B168BA64
3B168WA18
3K099AA01
3K099BA17
3K099BA19
3K099CA33
3K099CB21
3K099DA17
(57)【要約】
本発明は、以下を備える皺取りキャビネット(10)について説明する;
ベース(11)と、
ベース(11)に対向し、ベース(11)から距離を置いて延びる上部(13)と、
ベース(11)および上部(13)の間に伸びることを意図される拡張可能なカーテン(12)であって、カーテン(12)が伸長してベース(11)と上部(13)に取り付けられたときに、ベース(11)、上部(13)およびカーテン(12)が一緒になって、皺取りキャビネット(10)内に密閉された空間を画定することを特徴とするカーテン(12)と、を備え、
カーテン(12)は、第1層(101)と第2層(102)を備える多層織物壁(100)を備え、第1層(101)は弾性繊維から成る織物材料から成り、第2層(102)は防水材料から成ることを特徴とする、皺取りキャビネット(10)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皺取りキャビネット(10)であって、
ベース(11)と、
前記ベース(11)に対向し、前記ベース(11)から距離を置いて延びる上部(13)と、
前記ベース(11)および前記上部(13)の間に伸びることを意図される拡張可能なカーテン(12)であって、前記カーテン(12)が伸長して前記ベース(11)と前記上部(13)に取り付けられたときに、前記ベース(11)、前記上部(13)および前記カーテン(12)が一緒になって、前記皺取りキャビネット(10)内に密閉された空間を画定することを特徴とするカーテン(12)と、を備え、
前記カーテン(12)は、第1層(101)と第2層(102)を備える多層織物壁(100)を備え、前記第1層(101)は弾性繊維から成る織物材料から成り、前記第2層(102)は防水材料から成ることを特徴とする、皺取りキャビネット(10)。
【請求項2】
前記第1層(101)はポリエステル製であることを特徴とする、請求項1に記載の皺取りキャビネット(10)。
【請求項3】
前記第1層(101)はテクスチャ加工および延伸加工されたポリエステル糸で作られている、請求項2に記載の皺取りキャビネット(10)。
【請求項4】
前記第1層(101)は前記織物壁(100)の外側層である、請求項1から3のいずれか一項に記載の皺取りキャビネット(10)。
【請求項5】
前記第2層(102)はポリウレタン(PU)製の防水プラスチックフィルムである、請求項1から4のいずれか一項に記載の皺取りキャビネット(10)。
【請求項6】
前記第2層(102)は、前記第1層(101)の前記第2層(102)への熱接着を確実にするように適合された熱可塑性ポリウレタン接着ストリップ(TPU)である、請求項5に記載の皺取りキャビネット(10)。
【請求項7】
前記織物壁(100)は、弾性繊維からなる織物材料からなる第3層(103)をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の皺取りキャビネット(10)。
【請求項8】
前記第3層(103)はポリエステル製である、請求項7に記載の皺取りキャビネット(10)。
【請求項9】
前記第2層(102)は前記第1層(101)と前記第3層(103)との間に配置される、請求項7または8に記載の皺取りキャビネット(10)。
【請求項10】
前記カーテン(12)はフレームをさらに備え、前記織物壁(100)および前記フレームは、前記カーテン(12)のアコーディオン折り畳みおよび展開が確実になるように適合される、請求項1から9のいずれか一項に記載の皺取りキャビネット(10)。
【請求項11】
前記カーテン(12)を前記上部(13)に取り外し可能に取り付けるために設けられた締結要素をさらに備え、
前記皺取りキャビネット(10)は、
前記カーテン(12)が上部に取り付けられ、前記カーテン(12)は上部(13)とベース(11)とを連結するように展開される、作業構成と、
前記カーテン(12)は少なくとも部分的に折り畳まれて前記上部(13)から取り外され、前記カーテン(12)と前記上部(13)との間に、皺取りされるべき物品を受け入れるための開放空間を配置する、アクセス構成と、
を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の皺取りキャビネット(10):
【請求項12】
前記カーテン(12)を広げ、前記カーテン(12)を前記上部(13)に取り付け、アクセス構成から作業構成に変更するステップ、または
前記カーテン(12)を前記上部(13)から取り外し、前記カーテン(12)を少なくとも部分的に折り畳み、作業構成からアクセス構成に変更するステップ、
を含む、請求項11に記載の皺取りキャビネット(10)を使用する方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皺取りキャビネットの分野に関する。特に、折り畳み可能な皺取りキャビネットを提供することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
リネンケアの分野では、ハンドヘルド型皺取り器具は、使用者がハンドヘルド型皺取り器具を物品に近づける動作によって、衣服のような布物品から皺を取り除くことを可能にする。しかし、これらの器具は、皺取りプロセスの間中、使用者が直接行動を起こすことを必要とし、その結果、使用者にとってかなりの時間と労力がかかる。
【0003】
乾燥キャビネットは、キャビネットによって形成された密閉空間内に使用者が置いた物品を乾燥させるために使用することもできる。熱風が密閉された空間に噴射されるため、使用者の操作を必要とせずに乾燥キャビネット内に置かれた物品を乾燥させることができる。しかし、これらのキャビネットは、物品の乾燥に限定されており、特に、乾燥キャビネット内に置かれた物品を滑らかにすることはできない。
【0004】
皺取りキャビネットでは、ユーザーが直接手を加えなくても、アイテムを乾燥させたり滑らかにしたりすることができる。
【0005】
皺取りキャビネットは、上部、ベース、カーテンから構成される。上部、ベース、およびカーテンは、皺取りキャビネット内に囲まれた空間を形成する。使用者は、1つまたは複数の物品を皺取りキャビネットの空間に置き、キャビネットが実行する動作のサイクルを開始する。
【0006】
とはいえ、既知の皺取りキャビネットのほとんどは据え置き型であり、簡単に組み立てたり、分解したり、移動したりすることができない。その結果、その使用は、設置された部屋に限定され、そうでなければ、使用者にとって、時間のかかる取り外し、運搬、および再度の設置が必要となる。さらに、この皺取りキャビネットはかなりのスペースを取る。
【0007】
EP1471178A1およびEP1600551A1に記載されるものなど、いくつかの皺取りキャビネットは、ベースと上部との間に介在するカーテンを備えている。カーテンにはファスナーが設けられており、使用者は衣服を出し入れするためにファスナーを開いてキャビネットの内部にアクセスし、皺取りサイクルを実行する前に再びファスナーを閉じることができる。
【0008】
文献EP1057923A1、EP1215330A1、KR100813048B1、KR20170141489A、KR100813048B1およびKR20170141489、ベースと上部との間に介在された折り畳み可能なカーテンを含む折り畳み可能な皺取りキャビネットが記載される。
【0009】
とはいえ、これらの皺取りキャビネットのカーテンは、素材もデザインも基本的なもので、十分な不浸透性を確保したり、プリーツの存在やカーテンの皺を目立たなくしたり、カーテンの伸縮を容易にしたりすることはできない。
【0010】
皺取りキャビネットの不浸透性が悪いと、皺取りサイクル中にキャビネットから蒸気が漏れることがある。このような蒸気漏れは、襞取りキャビネット内の温度と湿度を低下させ、皺取りプロセスの効果を低下させる。カーテンに多数のひだが存在し、皺がランダムに現れると、カーテンに皺のある外観を与え、使用者にとって視覚的に不快なものとなる可能性があり、皺はまた、皺取りキャビネット上でのカーテンの折り畳みを妨害する可能性もある。
【発明の概要】
【0011】
本発明の1つの目的は、従来技術と比較して改良された折り畳み可能な皺取りキャビネットを提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、満足のいく不浸透性を有し、折り畳みと展開が容易で、皺の外観を減少させる折り畳み可能な皺取りキャビネットを提供することである。
【0013】
本発明の任意の付加的な目的は、折り畳みおよび展開が満足に容易であり、皺のランダムな外観を減少させるとともに、製造コストを抑制する折り畳み可能な皺取りキャビネットを提供することである。
【0014】
第1の態様によれば、本発明は、皺取りキャビネットに関し、皺取りキャビネットは:
ベースと、
ベースと対向し、ベースから距離をおいて延在する上部と、
ベースと上部の間に延在するように設計された拡張可能なカーテンと、を備え、カーテンが拡張され、ベースと上部に取り付けられたときに、ベース、上部、カーテンが一緒になって、皺取りキャビネット内に囲まれた空間を画定する。
【0015】
カーテンは、第1層と第2層を備える多層織物壁で構成される。第1層は弾性繊維を備える繊維材料でできており、第2層は防水材料でできている。
【0016】
上述した皺取りキャビネットの好ましいが非限定的な特徴をいくつか挙げると、個々にまたは組み合わせて、以下の通りである:
第1層はポリエステル製である;
第1層は、テクスチャー加工を施し、伸ばしたポリエステル糸でできている;
第1層のポリエステルはエラスタン繊維からなる;
第1層は織物壁の外層である;
第2層は防水ポリウレタン樹脂フィルムである;
第2の層は、第1の層を第2の層上に確実に熱接着するように適合された熱可塑性ポリウレタン接着ストリップである;
織物壁は、弾性繊維からなる繊維材料からなる第3層をさらに含む;
第3層はポリエステル製である;
第2層は、第1層と第3層の間に配置される;
カーテンはさらにフレームを備え、織物壁およびフレームはカーテンのアコーディオン折りおよび展開を確実にするように適合される;
キャビネットは、カーテンを上部に取り外し可能に取り付けるために設けられた締結要素をさらに備え、皺取りキャビネットは、カーテンが上部に取り付けられ、カーテンは上部とベースとを連結するように広げられる、作業構成と、
カーテンが少なくとも部分的に折り畳まれ、上部から取り外され、カーテンと上部との間に皺取りのための物品を受け入れるための開放空間を提供する、アクセス構成と、を有する。
【0017】
カーテンは織物壁および複数のステーからなるフレームを備え、フレームステーは織物壁に沿って一定の間隔で配置され、2つのフレームステーの間に位置する織物壁の各部分は凸形状を有し、フレームおよび織物壁はカーテンのアコーディオン折り畳みと展開を保証する。
【0018】
織物壁は複数のパネルのアセンブリによって形成され、隣接する2つのパネルは接合部で互いに接続され、各パネルはフレームステーを確実に配置するように適合される。織物壁の各パネルは、前記パネルと隣接するパネルとの接合部から距離をおいて配置されたシースからなり、前記シースはフレームステーを受けるように適合される。フレームは5本から15本のステー、好ましくは9本のステーを備える。
【0019】
カーテンは、ベースと直交するカーテン軸に沿って実質的にアコーディオン式に折り畳まれ、展開されるように適合される。織物壁は、カーテン軸に沿って延び、長方形の横断面を有するスリーブを形成する。フレームステーはカーテン軸に対して実質的に垂直な平面内に延在するように適合される。
【0020】
織物壁は、カーテンをアコーディオン状に折りたたんだり展開したりできるように、カーテンの軸に沿って直線的に移動するように適合される。各フレームステーは実質的に長方形の形状を有する。
【0021】
織物壁は、好ましくは縫製によって互いに接続された2つの織物半壁から形成され、各織物半壁は、それぞれの半接合部に接続された複数の半パネルの組立体によって形成され、各半パネルは、フレーム半ステーを受け入れるのに適した半シースを備え、各フレームステーは、各々がそれぞれの半パネルの半シースに挿入され、互いに接続された2つのフレーム半ステーを備える。
【0022】
フレームは、織物壁をキャビネットのベースに取り付けるために設けられた第1のカーテンコネクタと、織物壁をキャビネットの上部に取り外し可能に取り付けるために設けられた第2のカーテンコネクタとをさらに備える。
【0023】
第2の態様によれば、本発明は、第1層を第2層上に熱接着する工程を含む、第1の態様による皺取りキャビネットの織物カーテン壁の製造方法に関する。
【0024】
第3の態様によれば、本発明は、第1の態様による皺取りキャビネットを使用する方法であって、以下のステップを含む方法に関する;
・カーテンを広げ、カーテンを上部に取り付け、アクセス構成から作業構成に変更する、または、
・カーテンを上部から取り外し、カーテンを少なくとも部分的に折り畳み、作業構成からアクセス構成に変更する。
【0025】
皺取りキャビネットの使用方法は、以下のステップを含むことができる:
・カーテンを広げてから、ガイド部品またはカーテンコネクタを上部に取り付け、アクセス構成から作業構成に変更する、または
・上部からガイド部品またはカーテンコネクタを取り外し、カーテンを少なくとも部分的に折り畳み、作業構成からアクセス構成に変更する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照した本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットの概略透視図であり、皺取りキャビネットは作業構成にある。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットの概略透視図であり、皺取りキャビネットは輸送構成にある。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットの概略断面図であり、皺取りキャビネットは作業構成にある。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットの概略透視図であり、皺取りキャビネットはアクセス構成にある。
【
図5a】
図5aは、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットのフレームステーの概略上部図である。
【
図5b】
図5bは、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットのカーテンの概略正面図である。
【
図5c】
図5cは、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットのカーテンの概略側面図である。
【
図6a】
図6aは、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットのカーテンの分解概略透視図である。
【
図6b】
図6bは、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットのフレームステーの分解概略透視図である。
【
図6c】
図6cは、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットのカーテンの部分透視図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットの織物壁の半パネルの概略上部図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットの織物半壁の概略上部図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットの織物壁の概略透視図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットの織物壁およびフレーム半ステーの部分概略透視図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態による皺取りキャビネットのカーテンの概略透視図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係る皺取りキャビネットのカーテンの多層織物壁の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
皺取りキャビネット10は、
ベース11と、
ベース11に対向し、ベース11から距離を置いて延びる上部13と、
ベース11と上部13との間に延びるように意図された拡張可能なカーテン12とからなり、カーテン12が拡張されベース11および上部13に取り付けられたときに、ベース11、上部13およびカーテン12が一緒になって皺取りキャビネット10内の囲まれた空間を画定する。
【0028】
カーテン12は、ベース11に取り付けられるように適合された第1の端部121と、第1の端部121の反対側にあり、皺取りキャビネット10の上部13に取り外し可能に取り付けられるように適合された第2の端部122とを備えることができる。
【0029】
カーテン12軸は、カーテン12が折り畳みおよび拡張される方向に対応する。カーテン12軸は皺取りキャビネット10のベース11および上部13に対して実質的に直交する。カーテン12軸は、皺取りキャビネット10の中心を実質的に通っている。内側(または内側)および外側(または外側)という用語はそれぞれ、要素の内側(または内側)部分または面が、同じ要素の外側(または外側)部分または面よりもカーテン12軸に近いように使用される。したがって、皺取りキャビネット10内の囲まれた空間は、皺取りキャビネット10の内部容積を形成する。
【0030】
カーテン12が広げられると、カーテン12はベース11と上部13の間で実質的に引っ張られ、あるいは引き伸ばされ、カーテン12のプリーツの存在は制限される。
【0031】
カーテン12が少なくとも部分的に折り畳まれている場合、、カーテン12を部分的にまたは完全にそれ自体に折り畳むことができる。カーテン12は少なくとも部分的にベース11の上に置くことができ、必要に応じてベース11の内側に置くこともできる。
【0032】
皺取りされる物品、すなわち布製物品は、例えば、子供の衣服またはソフト玩具であり得る。皺取りキャビネット10は、皺取りされる1つ以上の物品を受け入れ、皺取りキャビネット10に入れられた全ての物品を同時に皺取りするのに適していることが理解される。
【0033】
カーテン12は、皺取りプロセス中に皺取りキャビネット10内の所望の湿度レベルおよび温度を維持するために、防水性であることができる。カーテン12は、襞の外観を減少させながらカーテン12の折り畳みまたは拡張を容易にするために伸縮性を有することができる。
【0034】
皺取りキャビネット10は、皺取りキャビネット10に置かれた布製品の皺を皺取りするのに適している。皺取りに加えて、皺取りキャビネット10は、皺取りキャビネット10に入れられた布製品の乾燥および/または除菌、すなわち細菌を除去するための消毒にも使用することができる。したがって、使用者は、皺取りのみに対応する皺取りサイクル、皺取りに続く乾燥に対応する乾燥サイクル、または皺取りと、皺取りキャビネット10に入れられた布製品の除菌とを組み合わせた除菌サイクルを選択することができる。例えば、除菌サイクルは、皺取りサイクルよりも高い温度および/または湿度レベルおよび/またはサイクル時間に対応することができる。
【0035】
カーテン12は、第1層101と第2層102からなる多層織物壁100を備える。織物壁100は、実質的にカーテン12軸の周りにスリーブを形成することができる。第1層101は弾性繊維からなる織物材料で作られ、第2層102は防水織物材料で作られる。
図12は、皺取りキャビネットのカーテン12の多層織物壁100の非限定的な例を示す。
【0036】
第1層101の伸縮性により、第1層101の生地を伸張させて引っ張ることができる。このように、第1層101を備えるカーテン12は、伸縮自在であり、大きく弾性的に伸縮させることができるので、カーテン12を伸縮させても、カーテン12のプリーツが目立ちにくく、さらには、プリーツをなくすことができる。また、カーテン12は、折り畳み可能であり、一旦拡げると元の形状に戻る。したがって、このような第1伸縮層101からなるカーテン12は、カーテン12の皺の目立ちを低減し、あるいは、カーテン12の皺の目立ちを回避することが可能となる。
【0037】
第2層102の不透過性により、皺取りプロセス中、皺取りキャビネット10内の所望の湿度と温度を維持することが可能になる。このようにして、水分は皺取りキャビネット10の内部に収容され、蒸気は皺取りキャビネット10から逃げない。したがって、皺取りキャビネット10内の湿度レベルおよび温度は、皺取りキャビネット10内に置かれた布製品の効率的な皺取りを確実にするように、また必要に応じて布製品の除菌を確実にするように決定することができ、このような除菌は、好ましくは99.99%のウイルスおよび細菌が死滅したときに達成される。さらに、第2層102は、カーテン12の折り畳みおよび拡張に追従し、カーテン12の伸張に対応することができる。
【0038】
第1層101と第2層102は重ね合わせることができ、すなわち、実質的にその表面積全体にわたって互いに接触して配置され、互いに重ねられて織物壁100を形成する。
【0039】
織物壁100は、第1層101と第2層102から構成されることができる。したがって、織物壁100は、2層のみを有し、したがって、カーテン12の弾性、不透過性および襞の減少の特性を確保しつつ、製造が容易であり、安価である。あるいは、織物壁100は2層以上の層から構成することもできる。
【0040】
第1層101はポリエステル製とすることができ、例えば100%ポリエステル織物製とすることができる。ポリエステルの使用により、第1層101に伸縮性が付与される。ポリエステルの使用により、第1層101はカーテン12の不透過性に寄与する。
【0041】
特に、第1層101はテクスチャード加工および延伸加工されたポリエステル糸(ポリエステルDTY、Drawn Textur Edyarn)で作ることができる。テクスチャー加工および延伸加工されたポリエステル糸は、満足のいく弾性特性を有し、第1層101に視覚的なメッシュタイプの外観を与える。
【0042】
第1層101のポリエステル生地はエラスタン繊維を含むことができ、これにより、エラスタンの伸縮性により第1層101の伸縮特性を高めることができる。したがって、ポリエステルに繊維エラスタンを使用することにより、第1層101の伸縮性が向上する。
【0043】
第1層101は織物壁100の外側の層であり、第1層101は第2層102よりも外側の位置に配置される。特に、第1層101は、織物壁100の最も外側の層であり得る。したがって、第1層101は、皺取りキャビネット10の使用者から見え、皺取りキャビネット10の外側の外観を決定する。
【0044】
第2層102は、ポリウレタン(PU)製の防水プラスチックフィルムとすることができる。ポリウレタンは、充分な不透水性を有する。加えて、ポリウレタンは、折り畳まれたり広げられたりするのに適しており、必要に応じてカーテン12の伸張に対応する。
【0045】
第2層102は熱可塑性ポリウレタン(TPU)接着ストリップであり、第1層101の第2層102上への熱接着を確実にするように適合される。第2層102は、その後、ポリウレタン(PU)接着剤を形成し、第2層102上への第1層101の配置を確実にする。特に、第2層102の接着ストリップは、第1層101に熱接着することができる。
【0046】
皺取りキャビネット10のカーテン12の多層織物壁100を製造する方法は、第1層101を第2層102に熱接着する工程を備えることができる。
【0047】
第2層102は、第1層101よりも内側の位置に配置することができる。第2層102は、カーテン12の織物壁100の最も内側の層とすることもできるし、織物壁100の最も外側の層と最も内側の層との間に配置された織物壁100の中央の層とすることもできる。
【0048】
織物壁100は、弾性繊維からなる織物材料からなる第3層103をさらに含むことができる。したがって、第3層103は、カーテン12の伸縮性、およびカーテン12のプリーツの出現の減少に更に関与する。
【0049】
織物壁100は、第1層101、第2層102および第3層103から構成することができる。したがって、織物壁100の層の数は制限されたままであり、一方、カーテン12の不透過性、弾性および/又はひだの減少を改善することが可能である。
【0050】
第1層101、第2層102、第3層103は重ね合わされ、第1層101、第2層102、第3層103は互いに重ねられて織物壁100を形成する。
【0051】
第3層103は、カーテン12の織物壁100の最も内側の層とすることができる。したがって、第3層103は、例えば、皺取りキャビネット10がアクセス構成にあるとき、使用者から見える。したがって、第3層103は、皺取りキャビネット10の使用者にとって第2層102を隠す。
【0052】
第2層102は、第1層101と第3層103との間に配置することができる。そして、第1層101と第3層103は、第2層102の両側に配置される。第1層101は外層に相当し、第3層103は内層に相当し、第2層102は中心層に相当する。
【0053】
第2層102は、第2層102上への第1層101および第3層103の熱接着を確実にするように適合された熱可塑性ポリウレタン(TPU)接着ストリップであり得る。このようにして、第2層102は、第1層101および第3層103が所定の位置に接着されることを確実にする。
【0054】
第3層103は、ポリエステル、例えば100%ポリエステル織物、例えばテクスチャードおよび延伸加工されたポリエステル糸で作ることができる。第3層103の組成は、第1層101の組成と同一とすることができる。第1層101と同様に、第3層103は、その伸縮性を高めるためにエラスタン繊維からなることができる。
【0055】
カーテン12は、複数のステー200を備えるフレームをさらに含むことができ、フレームステー200は、織物壁100に沿って一定の間隔で配置される。2つのフレームステー200の間に位置する織物壁100の各部分は凸形状を有し、これにより、フレームおよび織物壁100は、カーテン12のアコーディオン折り畳みおよび展開を保証する。
図1-
図4は、織物壁100からなるカーテン12と、複数のステー200からなるフレームとを備える皺取りキャビネット10の非限定的な実施例を示す。
【0056】
織物壁100とフレームを備えるカーテン12の構造は、不透水性、ひだの減少、皺取りキャビネット10の折り畳みおよび拡張の容易さという制約を尊重しつつ、カーテン12を工業的規模で容易に製造することを可能にする。
【0057】
ステー200は織物壁100に沿って一定の間隔で配置される。したがって、ステー200は、カーテン12軸に沿って一定の間隔をあけて配置される。カーテン12が広げられると、ステー200はカーテン12を補強し、織物壁100を所定の位置に保持する。
【0058】
カーテン12がアコーディオン式に折り畳まれることにより、カーテン12の皺やランダムな襞が目立たなくなる。実際、カーテン12はアコーディオンの蛇腹のように折り畳まれ、展開される。このようにして、カーテン12が折り畳まれたときに皺が形成されるポイントが制御される。特に、ステー200間の接合部に襞を形成することができる。したがって、カーテン12は、プリーツが一定間隔で配置された滑らかな外観を有し、プリーツがランダムに現れるゴワゴワ感がなく、皺の発生が回避されるので、カーテン12の美観が向上する。さらに、カーテン12が制御された箇所で折り畳まれるので、カーテン12の折り畳みおよび展開の容易性が改善される。
【0059】
凸状とは、2つのステー200の間に位置する織物壁100の一部が、
図5b、
図5cおよび
図6cに非限定的な例として図示されるように、襞皺取りキャビネット10の内側に襞を形成することを理解されたい。プリーツは内部位置に配置され、ステー200はカーテン12の外部位置に配置される。カーテン12が完全に折り畳まれると、フレームステー200は実質的に互いに積み重ねられることができる。
【0060】
織物壁100は、複数のパネル110の組立体によって形成することができ、2つの隣接するパネル110は、接合部120において互いに接続され、各パネル110は、フレームステー200の配置を確実にするように適合される。したがって、パネル110は2つの接合部120によって画定され、接合部120はパネル110の両側に配置され、各接合部120はパネル110と隣接するパネル110との間の界面を形成する。
【0061】
カーテン12のプリーツは、パネル110間の接合部120に形成される。プリーツはキャビネットの内側に向かって形成される。換言すれば、パネル110間の接合部120がカーテン12の内部位置を規定し、フレームステー200がカーテン12の外部位置を規定する。
【0062】
2つの接合部120の間に位置する各パネル110は、各々がそれぞれの接合部120から外側に延び、ステー200において角度を形成することによって互いに接合される2片のパネル110を備え得る。パネル110の2つの片は、1つの片から形成され得るか、またはステー200において互いに接続され得る。
【0063】
カーテン12のパネル110の2片の間に形成される角度は、カーテン12が折り畳まれるにつれて徐々に小さくなり、カーテン12が広げられるにつれて大きくなる。角度は、カーテン12が完全に折り畳まれたときに0°に近くなり、パネル110の2つの片は、その後、実質的に互いの上に積み重ねられる。角度は、カーテン12が完全に拡張したときに、180°未満のまま180°に近くすることができ、パネル110の2つの片は、その後、実質的に互いの延長線上に配置され、カーテン12のパネル110は、実質的にカーテン12の軸の周りにスリーブを形成する。
【0064】
織物壁100の各パネル110は、前記パネル110と隣接するパネル110との間の接合部120から離れた位置に配置されたシース130を備えることができ、前記シース130は、フレームステー200を受け入れるように適合される。シース130は、パネル110を画定する2つの接合部120の間に実質的に等距離に配置することができる。シース130は織物壁100に沿って一定の間隔で配置される。このようなスリーブ130は、カーテン12のアコーディオン折り畳みを確実にするように、織物壁100に沿って一定の間隔で織物壁100に対してフレームステー200が位置決めされ、保持されることを保証する。
【0065】
カーテン12は、ベース11に直交するカーテン12軸に沿って実質的にアコーディオン折り畳みおよび展開されるのに適している。カーテン12が展開されると、織物壁100は、カーテン12軸に沿って延び、実質的に長円形の断面を有するスリーブを形成することができる。そして、織物壁100は、カーテン12軸の周りに実質的に長円形の円筒形状を有する。
【0066】
フレームステー200は、カーテン12軸に対して実質的に垂直な平面内に延びるように適合させることができる。接合部120はさらに、カーテン12軸に垂直な面内で実質的に延びることができ、接合部120およびステー200は実質的に平行であり、規則的な間隔を有する。カーテン12のこのような構造により、カーテン12のアコーディオン折り畳みおよび展開の効果を向上させ、皺およびランダムプリーツの外観を低減させることが可能になる。
【0067】
各フレームステー200は、
図5aおよび
図6bに非限定的な例として示されるように、実質的に長方形の形状を有することができる。全てのフレームステー200は実質的に同じ形状を有することができる。したがって、織物壁100に沿って一定の間隔で配置されたフレームステー200は、織物壁100の実質的に長方形の横断面を画定する。
【0068】
フレームステー200は、実質的に長方形の形状を持つ閉じたチューブとすることができる。ステー200は、金属、プラスチック、またはシリコーンで作ることができる。
【0069】
フレームは、5本から15本のステー200、好ましくは9本のステー200を備えることができる。そして、織物壁100は、それぞれの接合部120で互いに接続された9枚のパネル110を備え、各パネル110は、例えばそれぞれのシース130にステー200を確実に配置するように適合される。このような数のステー200は、織物壁100を効果的に所定位置に保持し、カーテン12が拡張されたときにその形状を維持し、カーテン12のアコーディオン折り畳みに特に適している。
【0070】
織物壁100は、カーテン12をアコーディオン折りまたは展開させるように、カーテン12軸に沿って直線的に移動させるように適合させることができる。特に、使用者は、カーテン12を折り畳んだり広げたりするように、カーテン12軸に沿って織物壁100を並進移動させることができる。
【0071】
シース130は、フレームステー200を受け入れるのに適した形状と寸法を持つトンネルとすることができる。フレームステー200は、シース130に挿入、例えばスライドさせることができる。
【0072】
シース130は、例えば織物壁100に織物ストラップを縫い付けることによって織物壁100に対して配置することができ、織物壁100は、フレームステー200を受けるように適合されたシース130のトンネルをストラップで形成する。
【0073】
ストラップは、実質的に長方形の形状を有し、長さおよび幅を有することができる。ストラップは、第1の縁部と、第1の縁部に対向する第2の縁部とを有し、第1の縁部および第2の縁部は、実質的にストラップの大きい寸法、すなわち長さの方向に延在する。ストラップは、その第1の縁および第2の縁の全長にわたって織物壁100に縫い付けられ、その幅の少なくとも一部については自由なままとすることができる。したがって、シース130のトンネルは、織物壁100、ストラップの第1の縁および第2の縁によって画定される。
【0074】
シース130は織物壁100の内側に配置され、織物壁100の外側に配置されることができる。織物壁100が多層構造である場合、シース130は織物壁100の最内層の内側に配置することができ、シース130は内部シースであることができる。
【0075】
織物壁100は、好ましくは縫製によって互いに接続された2つの織物半壁150によって形成することができ、各織物半壁150は、それぞれの半接合部125で接続された複数の半パネル115の組立体によって形成される。織物半壁150は、カーテン12軸に沿った織物壁100のカーテン12軸に沿った寸法に実質的に類似するカーテン12軸に沿った寸法を有する。2つの織物半壁150は、織物壁100を形成するように、カーテン12の軸に沿った全長に沿って縫い合わされる。
【0076】
換言すれば、第1の織物半壁150の各半パネル115は、第2の織物半壁150のそれに対向する半パネル115に縫い付けられ、半パネル115はこのようにしてカーテン12軸の方向にその寸法に沿って2対2で縫い付けられ、その結果、縫い付けられた2つの半パネル115の組が織物半壁150のパネル110を形成する。互いに縫い合わされた2枚の半パネル115の2つのハーフ接合部125は、接合部120を形成するように実質的に互いの延長線上に延びる。
【0077】
織物半壁100の各半パネル115は、フレーム半ステー205を受けるように適合された半シース135からなる。つのハーフパネル115の2つの半シース135は、シース130を形成するように、実質的に互いの延長線上に延びて縫い合わされる。
【0078】
各フレームステー200は、それぞれの半パネル115の半シース135に挿入され、互いに接続された2つのフレーム半ステー205を備える。フレームは継手をさらに含むことができ、各継手はフレームステー200を形成するように2つの半ステー205を互いに接続するように適合される。フレームが9本のステー200を備える場合、フレームは、9本のステー200を形成するように2対2で接続された18本の半ステー205を備える。
【0079】
織物半壁150とフレーム半ステー205を有するカーテン12の設計は、カーテン12を工業的に大規模かつ安価に生産することを可能にする生産容易性をカーテン12に与える。
【0080】
フレームは、織物壁100を皺取りキャビネット10のベース11に取り付けるために設けられたカーテン12用の第1コネクタ210と、織物壁100を皺取りキャビネット10の上部13に取り外し可能に取り付けるために設けられたカーテン12用の第2コネクタ220とをさらに備えることができる。
【0081】
カーテン12の第1コネクタ210は織物壁100に取り付けることができ、特にカーテン12の第1の端部121の全周にわたって縫い付けることができ、カーテン12の第1の端部121は織物壁100の下端に対応する。カーテン12の第1コネクタ210は、下側のパネル110、すなわち、織物壁100のベース11に最も近い最下側のパネル110に取り付けられる。カーテン12の第1コネクタ210は、カーテン12の第1の端部121をベース11に固定するのに適している。例えば、カーテン12の第1コネクタ210は、ベース11の底部にねじ止めすることができる。
【0082】
カーテン12の第2コネクタ220は織物壁100に取り付けることができ、特にカーテン12の第2の端部122の全周にわたって縫い付けることができ、カーテン12の第2の端部122は織物壁100の上端に対応する。カーテン12の第2コネクタ220は、上部パネル110、すなわち最も高いパネル110、したがって織物壁100の上端13に最も近いパネル110に取り付けられる。カーテン12の第2コネクタ220は、カーテン12の第2の端部122の上部13への取り外し可能な取り付けを確実にするように適合される。例えば、カーテン12の第2コネクタ220は、カーテン12を上部13に取り外し可能に取り付ける手段を構成することができ、あるいは、カーテン12を上部13に取り外し可能に取り付ける手段を構成するガイド部15に取り付けることができる。
【0083】
カーテン12の第1コネクタ210および/またはカーテン12の第2コネクタ220はそれぞれ、実質的に長円形および同様の形状を有し得る。したがって、拡張されたカーテン12の周囲は、カーテン12軸に沿ったカーテン12の全長に沿って実質的に長円形であり、拡張されたカーテン12は、実質的にカーテン12軸の周囲にスリーブを形成する。カーテン12の第1コネクタ210および/またはカーテン12の第2コネクタ220は、プラスチック製とすることができる。
【0084】
図6aは、織物壁100と、フレームステー200と、カーテン12の第1コネクタ210と、カーテン12の第2コネクタ220とからなるフレームとを含むカーテンの非限定的な例を示す。
【0085】
先に説明したような皺取りキャビネット10のカーテン12を組み立てる方法は、以下のステップを含むことができる:
E1:複数のパネル110の各々に、フレームステー200を受け入れるように適合されたシース130を形成するステップと、
E2:複数のパネル110を連結し、2つの隣接するパネル110を接合部120で互いに連結して、織物壁100を形成するステップと、
E3:各フレームステー200をそれぞれのシース130に挿入するステップ。
【0086】
組立方法は、以下のステップを含むことができる:
E11:織物壁100の複数の半パネル115の各々に、フレーム半ステー205を受け入れるように適合された半シース135を形成するストラップを縫い付けるステップと、
E21:複数の半パネル115を連結し、2つの隣接する半パネル115を、半織物壁150を形成するようにそれぞれの半接合部125で縫い合わせるステップと、
E22:織物壁100を形成するように2つの織物半壁150を縫い合わせるステップと、
E31:各フレーム半ステー205を、それぞれの半パネル115の半シース135に挿入するステップと、および
E32:半ステー205を2本ずつ連結してフレームステー200を形成するステップ。
【0087】
ステップE11では、形成される半シース135が半パネル115の2つの半接合部125から実質的に等距離に位置するように、ストラップを半パネル115の全長にわたって、半パネル115の2つの対向するハーフ接合部125から実質的に等距離に縫い付けることができる。
図7は、半シース135を形成するストラップが縫い付けられた半パネル115の非限定的な例を示す。
【0088】
ステップE21では、織物半壁150を形成するように、織物壁100の9枚の半パネル115をそれぞれの半接合部125で縫い合わせることができる。
図8は、半接合部125で縫い合わせられた半パネル115の集合体によって形成された織物半壁150の非限定的な例を示しており、各半パネル115は半シース135を含んでいる。
【0089】
ステップE22において、2つの織物製半壁150は、カーテン12軸の方向において織物製半壁150の全寸法にわたって縫い合わせることができる。したがって、2つの織物製半壁150の半パネル115は、カーテン12の軸線に沿ったその全長にわたって対になって縫い合わされる。カーテン12軸に沿ったその全長に沿って縫い合わされた2つの半パネル115の組は、織物壁150のパネル110を形成する。つの織物半壁150は、織物壁100の下端全体および上端全体で縫い合わせることもできる。
図9は、2つの織物半壁150が縫い合わされて形成された織物壁100の非限定的な例を示す。
【0090】
ステップE31では、18本の半ステー205を挿入することができ、例えば、各半ステー205は18本の半シース135のうちの1本に挿入される。
図10は、フレーム半ステー205が挿入される半シース135からなる織物壁100の非限定的な例を示す。
【0091】
ステップE32では、9本のフレームステー200を形成するように、18本の半ステー205を2本ずつ連結する。連結されると、ステー200は実質的に長方形の形状を有することができる。
図11は、織物壁100と、上述の方法によって得られたフレームステー200によって形成されたフレームとからなるカーテン12の非限定的な例を示す。
【0092】
組立方法は、織物壁100の半パネル115を形成する織物のストリップを切断することからなる予備工程を含むことができる。織物壁100の9枚のパネル110からなる皺取りキャビネット10の場合、織物壁100の18枚の半パネル115を形成するように、18枚の帯状の布地を裁断しなければならない。
【0093】
生地ストリップは、弾性繊維からなる繊維材料からなる少なくとも1つの第1層と、防水繊維材料からなる第2層とからなる多層ストリップである。
【0094】
組立方法は、フレームステー200をシース130に挿入する前、または半ステー205を半シース135に挿入する前に、織物壁100に形成されたひだをなくすように、織物壁100にアイロンをかけることからなる追加のステップを含むことができる。
【0095】
組立方法は、以下のステップをさらに含むことができる:
E41:カーテン12の第1コネクタ210を織物壁100の下端に沿って縫い付けるステップと、
E42:カーテン12の第2コネクタ220を織物壁100の上端に沿って織物壁100に縫い付けるステップ。
【0096】
皺取りキャビネット10は、カーテン12を上部13に取り外し可能に取り付けるための締結要素も含むことができる。
【0097】
次に、皺取りキャビネット10は、以下を有する:
・カーテン12が上部13に取り付けられ、カーテン12が上部13とベース11とを連結するように広げられる作業構成と、
・カーテン12と上部13との間に、皺取りされる物品を受け入れるための開放空間を提供するように、カーテン12が少なくとも部分的に折り畳まれ、上部13から取り外されるアクセス構成。
【0098】
図1は、作業構成にある皺取りキャビネット10の非限定的な例を示す図である。
図4は、アクセス構成における皺取りキャビネット10の非限定的な例を示す。
【0099】
したがって、使用者は、皺取りキャビネット10をある構成から別の構成に変更するために、上部13の締結要素を着脱することができる。皺取りする物品を所定の位置に置くために、皺取りキャビネット10にアクセスするためには、カーテン12を閉じたり開いたりする特別な手段は必要ない。
【0100】
上部13は、カーテン12が上部13に取り付けられたときにカーテン12と上部13との間の不透過性を確保するのに適したシールを備えることができる。このようにして、作業形態における皺取りキャビネット10は、密封された密閉空間を形成し、皺取りプロセスの効力を向上させる。
【0101】
一旦カーテン12が上部13から取り外されると、カーテン12を単に折り畳むだけで、皺取りキャビネット10をアクセス構成に移動させることができ、カーテン12と皺取りキャビネット10の上部13との間に空きスペースが残る。次に、使用者は、皺取りされる1つまたは複数の布製品を、開いているスペースに置くことができる。
【0102】
カーテン12を広げ、皺取りキャビネット10の上部13に取り付けることにより、皺取りキャビネット10は、皺取りされる物品が配置される開放空間が皺取りキャビネット10の密閉空間となる作業構成に移動することができる。その後、使用者は、乾燥サイクル、皺取りサイクルおよび/又は除菌サイクルなどの動作サイクルを開始することができる。その後、皺取りキャビネット10は、使用者の追加操作を必要とすることなく、動作サイクルを実行する。
【0103】
作業構成では、皺取りキャビネット10は、皺取りキャビネット10内の囲まれた空間に置かれた少なくとも1つの布製品の皺取りを確実にするように適合された寸法を有する。アクセス構成では、使用者は開放された受入れスペースに衣服を置くことができる。
【0104】
皺取りキャビネット10は、ベース11と上部13との間に延在し、上部13をベース11から離間させておくためのポール14をさらに備えることができる。ポール14は、皺取りキャビネット10の安定性のための構造的役割と、上部13をベース11から所望の距離に保つための支持的役割とを有する。ベース11と上部13との間の距離は、皺取りキャビネット10の構成に応じて異なることができる。
【0105】
皺取りキャビネット10は移動可能、すなわち持ち運び可能であるため、皺取りキャビネット10は、ユーザによって容易に組み立てられ、分解され、運搬され得る。皺取りキャビネット10は、ユーザによる運搬に適合する重量を有する。
【0106】
したがって、皺取りキャビネット10は、輸送構成も有する。
図2は、輸送構成にある皺取りキャビネット10の非限定的な例を示している。ポール14は、上部13をベース11から調節可能な距離に保つように調節可能な長さを有する。作業構成およびアクセス構成では、ポール14は第1の長さを有する。輸送構成では、カーテン12は少なくとも部分的に折り畳まれ、ポール14は第1の長さよりも厳密に小さい第2の長さを有する。したがって、輸送構成は、皺取りキャビネット10の寸法、特にカーテン12軸に沿った寸法を小さくすることによって、使用者による皺取りキャビネット10の輸送を容易にする。実際、ポール14は、輸送構成では、作業構成またはアクセス構成よりも短い。さらに、搬送構成における皺取りキャビネット10のコンパクトなサイズは、皺取りキャビネット10を、例えば、クローゼットに保管する際に、スペースを節約することを可能にする。
【0107】
ポール14は伸縮可能であり、ベース11に取り付けられたポール14の第1セクション141と、上部13に取り付けられたポール14の第2セクション142と、ポール14の第1セクション141とポール14の第2セクション142とを接続する接合セクション143とを備える。ポール14の第2の部分142は、ポール14の第1の部分141に引っ込むことができ、ポール14の長さを調整することができる。作業構成では、ポール14の第1の長さは、ポール14の第1の部分141とポール14の第2の部分142との累積長さに対応する。アクセス構成では、ポール14の第2の長さは、ポール14の第1のセクション141の長さに実質的に対応し、ポール14の第2のセクション142は、ポール14の第1のセクション141に収納される。
【0108】
皺取りキャビネット10は、実質的に長方形のベース11の両側に配置された2つの実質的に平行なポール14を備えることができる。
【0109】
皺取りキャビネット10は、カーテン12の第2の端部122、より詳細にはカーテン12の第2コネクタ220に取り付けられたガイド部品15をさらに備えることができる。前記ガイド部品15は、ガイド部品15を上部13に取り外し可能に取り付けるための締結要素と、ガイド部品15をポール14に沿って並進案内するためのガイド要素とを備える。
【0110】
ガイド部15の並進移動を案内することで、使用者が自分で案内を管理する必要がないため、カーテン12の伸縮が容易になり、カーテン12を上部13に対して正しく位置決めすることができ、カーテン12の伸縮を、カーテン12が一旦伸長した後に上部13に取り付けられる正しい位置になるように案内することで、カーテン12を上部13に容易に取り付けることができる。
【0111】
カーテン12を上部13に取り外し可能に取り付けるために設けられた締結要素は、ガイド部15の締結要素に対応する。締結要素は、カーテン12を上部13にクリップする手段、例えば、ガイド部15を上部13にクリップするためのフックを形成する第1の端部と、ガイド部15を上部13からクリップ解除するように旋回するように適合された第2の端部とを含むレバーとすることができる。
【0112】
作業構成では、ガイド部15は締結要素によって上部13に取り付けられている。アクセス構成では、ガイド部品15は上部13から取り外される。
【0113】
皺取りキャビネット10の使用方法は、以下のステップを含むことができる:
・カーテン12を広げてから、ガイド部品15またはカーテン12コネクタを上部13に取り付け、アクセス構成から作業構成に変更する、または
・ガイド部品15またはカーテン12コネクタを上部13から取り外し、カーテン12を少なくとも部分的に折り畳み、作業構成からアクセス構成に変更する。
【0114】
襞取りキャビネット10に入れることを意図された少なくとも1つの布製品から襞を平滑にするために携帯用襞取りキャビネット10を使用する方法は、以下の連続するステップからなる:
E1:ゼロでない第1の蒸し期間の間、第1の蒸気流量で皺取りキャビネット10内に蒸気を発生させ、注入することによる第1の蒸し工程、
E2:ゼロでない第2の蒸し期間の間、第2の蒸気流量で皺取りキャビネット10内に蒸気を発生させ、注入することによる第2の蒸し工程であって、第2の蒸気流量は第1の蒸気流量よりも厳密に低い、第2の蒸し工程、および
E3:ゼロでない乾燥期間の間、皺取りキャビネット10内に温風を吹き込むことによる乾燥工程。
【0115】
本方法は、皺取りキャビネット10内に冷風を吹き込むことによって物品を冷却するステップE4を更に含むことができ、冷却ステップE4は、熱風ブロー乾燥ステップE3に続いて実施される。
【0116】
本方法は、ユーザが皺取りキャビネット10のパラメータ設定ユニット50を用いて皺取りキャビネット10のパラメータを設定する予備ステップE0をさらに含むことができる。
【0117】
ロッド、ハンガー40および/又は少なくとも1つのクリップ41(
図3および
図4に示される)のような少なくとも1つの衣服位置決め要素を、皺取りキャビネット10の上部13に追加し、取り外し可能に固定することができる。布地物品は、ハンガー40に載せることも、取り付けクリップ41に取り付けることもできる。
【国際調査報告】