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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】乳癌を処置する方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 237/32 20060101AFI20240514BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240514BHJP
   A61K 31/502 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
C07D237/32 CSP
A61P35/00
A61K31/502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574549
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 EP2022064697
(87)【国際公開番号】W WO2022253800
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】63/195,795
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008951
【氏名又は名称】アストラゼネカ・アクチエボラーグ
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】フィールディング,アニトラ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC50
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
本開示は、生殖系列突然変異BRCA1及び/又はBRCA2乳癌を有する対象のアジュバント治療のための方法に関し、対象は、乳癌に対する局所治療及びネオアジュバント又はアジュバント化学療法を以前受けている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所治療及びネオアジュバント又はアジュバント化学療法後の対象において乳癌の再発を予防する、減らす又は遅延させる方法であって、
前記対象に治療的有効量の4-[(3-{[4-(シクロプロパンカルボニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロフェニル)メチル]-2H-フタラジン-1-オン(オラパリブ)又はその水和物、溶媒和物又はプロドラッグを投与すること
を含む、方法。
【請求項2】
局所治療及びネオアジュバント又はアジュバント化学療法後に乳癌がある対象を処置する方法であって、
治療的有効量の4-[(3-{[4-(シクロプロパン-カルボニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロフェニル)メチル]-2H-フタラジン-1-オン(オラパリブ)又はその水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグでの前記対象のアジュバント治療
を含む、方法。
【請求項3】
前記対象が、1つ以上の生殖系列BRCA1及び/又はBRCA2遺伝子突然変異を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記生殖系列BRCA1及び/又はBRCA2遺伝子突然変異が、病原性又は病原性様である(gBRCA-P/LPバリアント)、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記乳癌が、HER2陰性乳癌である、請求項1~4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記乳癌が、HER2陰性早期ステージ(ステージII~III)乳癌である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記局所治療が、乳癌組織を除去するための手術を含み、任意選択的に放射線療法を含む、請求項1~6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記対象が、少なくとも6サイクルのネオアジュバント又はアジュバント化学療法を完了した、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ネオアジュバント又はアジュバント化学療法が、アントラサイクリン、タキサン又は両方の組み合わせを含有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
オラパリブの前記治療的有効量が、300mgの1日2回投与である、請求項1~9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
オラパリブの前記治療的有効量が、300mgの1年間1日2回投与である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
無浸潤性疾患生存が、プラセボで処置した対象と比較して改善している、請求項1~11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
無浸潤性疾患生存の確率が、オラパリブ治療の開始後、約3年で約86%である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
無浸潤性疾患生存の確率が、オラパリブ治療の開始後、約3年で約1~約10%、例えば約3年で約1~約9%、例えば約3年で約5~約9%改善する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
乳癌を有する対象の局所治療及びネオアジュバント又はアジュバント化学療法後の、アジュバント治療での使用のため(又はアジュバント治療のための薬剤の製造での使用のため)の、4-[(3-{[4-(シクロプロパンカルボニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロフェニル)メチル]-2H-フタラジン-1-オン(オラパリブ)又はその水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグ。
【請求項16】
前記対象が、1つ以上の生殖系列BRCA1及び/又はBRCA2遺伝子突然変異を有する、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記生殖系列BRCA1及び/又はBRCA2遺伝子突然変異が、病原性又は病原性様(gBRCA-P/LP-変異体)である、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記乳癌がHER2陰性乳癌である、請求項15~17の何れか1項に記載の使用。
【請求項19】
前記乳癌がHER2陰性早期ステージ(ステージII~III)の乳癌である、請求項18の使用。
【請求項20】
前記局所治療が、乳癌組織を除去するための手術を含み、任意選択的に放射線療法を含む、請求項15~19の何れか1項に記載の使用。
【請求項21】
前記対象が、少なくとも6サイクルのネオアジュバント又はアジュバント化学療法を完了した、請求項15~20の何れか1項に記載の使用。
【請求項22】
前記ネオアジュバント又はアジュバント化学療法が、アントラサイクリン、タキサン又は両方の組み合わせを含有する、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
オラパリブの前記治療的有効量が、300mgの1日2回投与である、請求項15~22の何れか1項に記載の使用。
【請求項24】
オラパリブの前記治療的有効量が、300mgの1年間1日2回投与である、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
無浸潤性疾患生存が、プラセボで処置された対象と比較して改善されている、請求項15~24の何れか1項に記載の使用。
【請求項26】
無浸潤性疾患生存の確率が、オラパリブ治療の開始後、約3年で約86%である、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
無浸潤性疾患生存の確率が、オラパリブ治療の開始後、約3年で約1~約10%、例えば約3年で約1~約9%、例えば約3年で約5~約9%改善する、請求項25に記載の使用。
【請求項28】
生殖系列突然変異BRCA1及び/又はBRCA2乳癌の以前の診断がある対象にアジュバント治療を提供することによって、浸潤性疾患生存(又は全生存又は無遠隔病生存)を改善する方法であって、前記対象が局所治療及びネオアジュバント又はアジュバント化学療法を以前受けており、治療的有効量の4-[(3-{[4-(シクロプロパン-カルボニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロフェニル)メチル]-2H-フタラジン-1-オン(オラパリブ)又はその水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグをこのような対象に投与する段階を含む、方法。
【請求項29】
前記乳癌が、HER2陰性乳癌である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記乳癌が、HER2陰性早期ステージ(ステージII~III)乳癌である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記局所治療が、乳癌組織を除去するための手術を含み、任意選択的に放射線療法を含む、請求項28~30の何れか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記対象が、少なくとも6サイクルのネオアジュバント又はアジュバント化学療法を完了した、請求項28~31の何れか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記ネオアジュバント又はアジュバント化学療法が、アントラサイクリン、タキサン又は両方の組み合わせを含有する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
オラパリブの前記治療的有効量が、300mgの1日2回投与である、請求項28~33の何れか1項に記載の方法。
【請求項35】
オラパリブの前記治療的有効量が、300mgの1年間1日2回投与である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
無浸潤性疾患生存が、プラセボで処置された対象と比較して改善している、請求項28~35の何れか1項に記載の方法。
【請求項37】
無浸潤性疾患生存の確率が、オラパリブ治療の開始後、約3年で約86%である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
無浸潤性疾患生存の確率が、オラパリブ治療の開始後、約3年で約1~約10%、例えば約3年で約1~約9%、例えば約3年で約5~約9%改善される、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
3年での無浸潤性疾患生存の改善が約9%である、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
遠隔無病生存が、プラセボで処置された対象と比較して改善している、請求項28~35の何れか1項に記載の方法。
【請求項41】
約3年での無遠隔病生存の改善が、最大約8%、例えば最大約7%、例えば約1~約8%、例えば約1~約7%、例えば約3%~約8%、例えば約3%~約7%である、請求項40に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、局所治療(例えば乳房組織を除去するための手術)及びネオアジュバント又はアジュバント化学療法を以前受けている、HER2陰性で、BRCA1及び/又はBRCA2生殖系列遺伝子が突然変異した乳癌を有する対象に対するアジュバント治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリ(ADP-リボース)-ポリメラーゼ阻害剤は、合成致死性によって相同組み換え修復欠損がある癌を標的とする。BRCA1/2生殖系列突然変異が関連する早期乳癌を有する患者において再発を減らすために新規治療が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、本明細書は、局所治療及びネオアジュバント又はアジュバント化学療法後に対象において乳癌の再発を予防する、減少させる又は遅延させる方法を記載し、この方法は、
治療的有効量の4-[(3-{[4-(シクロプロパンカルボニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロフェニル)メチル]-2H-フタラジン-1-オン(オラパリブ)又はその水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグを対象に投与すること
を含む。
【0004】
さらなる態様では、本明細書は、局所治療及びネオアジュバント又はアジュバント化学療法後の乳癌を有する対象を処置する方法を記載し、この方法は、治療的有効量の4-[(3-{[4-(シクロプロパン-カルボニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロフェニル)メチル]-2H-フタラジン-1-オン(オラパリブ)又はその水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグでの対象のアジュバント治療を含む。
【0005】
さらなる態様では、本明細書は、乳癌を有する対象の、局所治療及びネオアジュバント又はアジュバント化学療法後の、アジュバント治療において使用するための(又はアジュバント治療のための薬剤の製造での使用のための)4-[(3-{[4-(シクロプロパンカルボニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロフェニル)メチル]-2H-フタラジン-1-オン(オラパリブ)又はその水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグを記載する。
【0006】
さらなる態様では、本明細書は、HER2陰性の生殖系列突然変異BRCA1及び/又はBRCA2乳癌と以前診断された対象にアジュバント治療を提供することによる、浸潤性疾患生存(又は全生存若しくは無遠隔病生存)を改善する方法を記載し、この対象は、局所治療(例えば手術、例えば罹患乳房組織を除去するための手術など)及びネオアジュバント又はアジュバント化学療法を以前受けており、この方法は、治療的有効量の4-[(3-{[4-(シクロプロパン-カルボニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロフェニル)メチル]-2H-フタラジン-1-オン(オラパリブ)又はその水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグをこのような対象に投与する段階を含む。
【0007】
添付の図面は、本開示の組成物及び方法のさらなる理解をもたらすために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本開示の1つ以上の実施形態を示し、説明とともに、本開示の原理及び動作を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、アジュバントオラパリブ療法又はプラセボの何れかを受けた対象の生存のカプランーマイヤー推定を示す。パネル(A)は、無浸潤性疾患生存(IDFS)を示す。パネル(B)は、無遠隔病生存を示す。パネル(C)は、全生存(OS)を示す。
図2図2は、無浸潤性疾患生存のサブグループ解析を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面の詳細な説明
図1.生存のカプランーマイヤー推定:STEEPシステムに従い、無浸潤性疾患生存の主要エンドポイント(パネルA)は、ランダム化から次のイベントのうち1つの日付までの時間として定義される:同側性浸潤性乳房腫瘍;局所領域浸潤性疾患;遠隔再発;対側浸潤性乳癌;二次原発浸潤性癌;又は何れかの原因からの死亡。実証された無浸潤性疾患生存イベントがない患者は、無疾患であることが患者に最後に知らされた日付で打ち切った。
【0010】
無遠隔病生存(パネルB)は、ランダム化から乳癌の最初の遠隔再発の実証された証拠又は死亡までの時間として定義される。遠隔再発は、次のイベントを含む:遠隔再発(転移性疾患-再発浸潤性乳癌として生検で確認されたか又は放射線学的に診断されたかの何れかの乳癌);乳癌、非乳癌又は未知の原因を含む何れかの原因に起因する死亡;二次原発の非乳房の浸潤性癌。遠隔再発の証拠は、放射線学的検査又は生検による組織病理学的確認の何れかを必要とする。
【0011】
全生存(パネルC)は、ランダム化の日付から何らかの原因による死亡までの時間として定義される。この事前に決められたイベント主導型中間解析における有意性に対する境界についてのP値は<0.01であった。
【0012】
これらのエンドポイントに対する統計学的有意性を示すためにP<0.005が必要とされるので、99.5%信頼区間が無浸潤性疾患生存及び無遠隔病生存に対するハザード比に対して示される。同様に、全生存に対する統計学的有意性を示すためにP<0.01が必要とされるので、99%信頼区間が全生存に対するハザード比に対して示される。
【0013】
層別化因子に対するプーリングストラテジー(pooling strategy)に基づいて、補足付録セクション3.3に記載の因子、ホルモン受容体の状態を単一層別化因子として、Coxモデルハザード比推定及びログランク検定の両方を行った。
【0014】
各群における12、24及び36カ月での無イベント率を曲線の上下で示す。
【0015】
CIは信頼区間、DDFSは無遠隔病生存、IDFSは無浸潤性疾患生存を示す。
【0016】
図2.無浸潤性疾患生存のサブグループ解析:黒色の鉛直線は、全体的なハザード比推定を示し、点線の鉛直線は、Cuzickにより推奨されるような1.00のハザード比を示す23。青四角の大きさは、治療効果の推定に寄与するイベント数に対応する(即ち、(1/推定されるハザード比の分散)の平方根に対する割合)。多重比較に対する補正なしでさえも、異質性に対する検定で統計学的な有意性に到達したものはなかった。CPS&EGスコアは、ネオアジュバント化学療法で処置された乳癌患者における疾患特異的生存に対するステージ分類システムである20。これは、治療前の臨床ステージ、エストロゲン受容体の状態、核グレード及びネオアジュバント化学療法後の病理学的ステージを組み込む。ACTはアジュバント化学療法を示し;HER2はヒト上皮増殖因子受容体2を示し;HR+はホルモン受容体陽性を示し;NACTはネオアジュバント化学療法を示し;TNBCはトリプルネガティブ乳癌を示す。
【0017】
*事前に指定されたサブグループ解析。ホルモン受容体陽性又はトリプルネガティブ疾患を有するか否かにかかわらず、ネオアジュバント化学療法を受けた全患者が含まれた。
【0018】
開示の詳細な説明
本明細書で使用する場合、任意の所与の数値に言及する場合の「約」という用語は、その値の±10%、±5%又は±2%以内を意味する。
【0019】
本開示の方法は、オラパリブの投与も必要である。本明細書中で使用される場合、「オラパリブ」とは、4-[(3-{[4-(シクロプロパン-カルボニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロフェニル)メチル]-2H-フタラジン-1-オン又はその水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグを指す。次の構造を有する4-[(3-{[4-(シクロプロパン-カルボニル)ピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロフェニル)メチル]-2H-フタラジン-1-オンは、本明細書中に参照により組み込まれる国際公開第2004/080976A1号パンフレットで開示される。
【化1】
【0020】
オラパリブは、好ましくは医薬組成物の形態で投与される。オラパリブの治療的有効量は既に確立されている。本明細書中に記載のように、オラパリブの治療的有効量は、約400~800mg/日の範囲である。例えば、本明細書中に記載のある特定の方法において、オラパリブは、1日約600mg(例えば1日2回約300mg摂取)の量で投与される。
【実施例
【0021】
合成致死性による相同組み換え修復欠損があるポリ(ADP-リボース)-ポリメラーゼ阻害剤標的癌。BRCA1/2生殖系列突然変異が関連する早期乳癌を有する患者において再発を減少させるために新規治療が必要とされる。
【0022】
発明者らは、局所治療及び(ネオ)アジュバント化学療法後、BRCA1/2生殖系列病原性/病原性様バリアント(gBRCA-P/LPバリアント)及び高リスクの臨床病理学的因子があるHER2陰性早期乳癌の患者を含むランダム化二重盲検第3相試験を行った。1年間の経口オラパリブ又はプラセボに患者をランダムに割り付けた(1:1)。主要エンドポイントは、無浸潤性疾患生存であった。
【0023】
1836名の患者をランダム化した。追跡期間中央値2.5年での予め規定されたイベント主導型中間解析時に、3年無浸潤性疾患生存は、オラパリブ群で85.9%であり、プラセボ群で77.1%であった(差8.8%;95%CI4.5%、13.0%;無浸潤性疾患生存に対するハザード比(HR)0.58;99.5%信頼区間(CI)、0.41、0.82;p<0.0001)。3年無遠隔病生存は、オラパリブ群で87.5%であり、プラセボ群で80.4%であった(差7.1%;95%CI 3.0%、11.1%;無遠隔病生存に対するHRは0.57;99.5%CI 0.39、0.83;p<0.0001)。オラパリブが関与した死亡はプラセボよりも少なく(59対86);全生存に対するHRは0.68であり(99%CI 0.44、1.05、p=0.024)、p<0.01の中間解析境界で統計学的に有意ではなかった。安全性データは、オラパリブの既知の毒性と一致し、過剰な重篤有害事象又は特別な関心対象となる有害事象はなかった。
【0024】
高リスクのHER2陰性早期乳癌及びgBRCA-P/LPバリアントがある患者の間で、局所治療及び(ネオ)アジュバント化学療法の完了後のアジュバントオラパリブは、無浸潤性疾患生存及び無遠隔病生存の両方を顕著に改善し、全体的な患者報告クオリティーオブライフにおける影響は限定的であった(OlympiA NCT02032823、BIG 6-13、NSABP B-55)。
【0025】
一態様では、約3年の時点でのオラパリブ処置患者における無浸潤性疾患生存の改善は、最大約10%、例えば最大約9%、例えば最大約8%、例えば約1~約9%、例えば約1~約8%、例えば約5%~約10%、例えば約5%~約9%である。一態様では、約3年の時点でのオラパリブ処置患者における無浸潤性疾患生存の改善は、約9%である。一態様では、3年の時点でのオラパリブ処置患者における無浸潤性疾患生存の改善は、約9%である。
【0026】
一態様では、約3年の時点でのオラパリブ処置患者における無遠隔病生存の改善は、最大約8%、例えば最大約7%、例えば約1~約8%、例えば約1~約7%、例えば約3%~約8%、例えば約3%~約7%である。一態様では、約3年の時点でのオラパリブ処置患者における無遠隔病生存の改善は、約7%である。一態様では、3年の時点でのオラパリブ処置患者における無遠隔病生存の改善は、約7%である。
【0027】
一態様では、約3年の時点でのオラパリブ処置患者における全生存の改善は、約4%である。一態様では、3年の時点でのオラパリブ処置患者における全生存の改善は、約4%である。
【0028】
非選択乳癌患者のおよそ5%が、現在バリアント(gBRCA-P/LPバリアント)と呼ばれる生殖系列BRCA1又はBRCA2病原性/病原性様(P/LP)突然変異を保有する1、2。このようなバリアントは、乳癌の強い家族歴があり、若年であり、同調的又は異時性の対側乳癌及び卵巣癌があるか又は既知の創始者バリアントがある民族出身である患者においてより可能性が高い1、2。BRCA1-P/LPバリアントがある患者は特に、トリプルネガティブ(即ち、2型ヒト上皮増殖因子受容体[HER2]陰性、エストロゲン受容体陰性及びプロゲステロン受容体陰性)乳癌(TNBC)の素因があり、一方でBRCA2-P/LPバリアントがある患者はエストロゲン受容体陽性腫瘍を発症することが多い4~6。このような変異体に対する生殖系列検査は、現在、このような乳癌患者において選択的に行われる
【0029】
BRCA1及びBRCA2は、相同組み換えDNA修復に極めて重要なタンパク質をコードする。gBRCA-P/LPバリアント及び両アレル不活性化を有する乳癌は、相同組み換え欠失の証拠を示す9、10。酵素のPARPファミリーの阻害剤は、相同組み換え欠失がある腫瘍細胞を選択的に死滅させるために合成致死性の原理を利用する11~14。臨床活性に対する概念の証拠は、ランダム化試験デザインを正当化した、進行型のgBRCA-P/LPバリアント関連乳癌、卵巣癌、前立腺癌及び膵臓癌において明らかにされた15~17。本明細書中で詳述されるOlympiA試験において、発明者らは、標準治療の局所及び全身治療にもかかわらず、高い再発リスクを有するgBRCA-P/LPバリアント関連早期乳癌の患者に対して、オラパリブがアジュバント療法として有益であるという仮説を立てた18、19
【0030】
方法
試験デザイン及び監視
この試験は、Breast International Group(BIG)及びスポンサーである米国(US)のNRG Oncology及び米国外のAstraZeneca(AZ)との間の共同研究パートナーシップとして、デザインされ、行われた。OlympiAは、前向き、ランダム化、多施設、多国間、二重盲検、プラセボ比較臨床試験であり、標準(ネオ)アジュバント化学療法及び局所療法の完了後に1日2回300mgオラパリブ又は適合するプラセボを用いて1年間治療を受けるように適格患者をランダムに割り付けた(図S1:補足付録での治験模式図)。
【0031】
この治験では、23カ国にわたる420カ所の施設で患者を動員した(補足付録の表S1)。
【0032】
患者及び適格基準
試験に適格である患者は、根治的な局所治療及びネオアジュバント又はアジュバント化学療法後に各実施施設(local)又は中央の試験により定められるgBRCA-P/LPバリアント及び高リスク、HER2陰性原発乳癌を有した。各実施施設(local)のラボが適格なgBRCA-P/LPバリアントを報告した場合、適格性を裏付けるためにこれを使用した。gBRCA-P/LPバリアントスクリーニング、各実施施設(local)及び中央のgBRCA-P/LPバリアント検査及び一致の詳細は、補足付録の図S2及び表S2/S3で提供する。gBRCA-P/LPバリアントの適格性判定は何れもtrial Genetics Advisory Committeeにより行われた。層別化のためのホルモン受容体の状態の判定のために(陽性に対するカットポイントは≧1%であった)、及び適格性に対するホルモン受容体陽性特異的なステージ基準のために、局所エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体及びHER2検査の結果を使用した(受容体の状態の中央判定及び中国外から動員された全患者に対する一致についての詳細は、補足付録表S4及びS5で提供する)。
【0033】
患者に対して、治験登録の少なくとも2週間前で12週間前以内に、PARP阻害と相互作用する、放射線療法を含む全ての局所治療を完了していることを求めた。患者は、アントラサイクリン、タキサン又は両薬剤を含有する少なくとも6サイクルのネオアジュバント又はアジュバント化学療法を完了していた。白金化学療法は許容された。治験実施医療機関の指針に従い、ホルモン受容体陽性疾患の患者におけるアジュバントビスホスホネート及びアジュバント内分泌療法を行った。ネオアジュバント化学療法を受けた患者においては、術後の化学療法なしを許容した。アジュバント化学療法で処置されたトリプルネガティブ乳癌の患者については、腋下リンパ節陽性疾患又は病変部の大きさが≧2cmである浸潤性原発腫瘍を有することを必要とした。ネオアジュバント化学療法で処置された患者については、乳房又は切除したリンパ節において残存する浸潤性乳癌がある(ネオアジュバント治療からの病理学的完全奏効がない)ことを必要とした。
【0034】
ホルモン受容体陽性、HER2陰性乳癌に対してアジュバント化学療法で処置された患者は、≧4個の病理学的に確認された陽性リンパ節があることを必要とした。ネオアジュバント化学療法で処置された者については、CPS&EGスコア≧3(臨床及び病理学的ステージ[CPS]及びエストロゲン受容体の状態及び組織学的グレード[EG]に基づき再発確率を推定するための複合スコア化システム)でpCRを達成していないことを必要とした。<36320完全適格基準は、補足付録セクション3.2にある。
【0035】
ランダム化及び治療
300mgオラパリブ又は適合するプラセボ錠剤を1日2回経口投与する52週間の治療へと、患者を1:1の比でランダム化した。
【0036】
ホルモン受容体の状態(陽性対陰性)、NACT対ACT及び現在の乳癌に対する白金化学療法の使用(はい対いいえ)によって患者を層別化した。
【0037】
評価
ランダム化後、24週間にわたり4週間ごと及び第2年まで3カ月ごと、第3年~第5年に6カ月ごと、及びその後毎年、病歴を調べ、理学的検査を行った。症状、検査又は臨床検査所見から疾患再発の可能性が示唆された際に、医師の裁量で転移性疾患の発現を評価するための画像を得た。患者は、マンモグラム及び/又は乳房磁気共鳴画像撮影を毎年行った。
【0038】
1回目のイベント後、患者を最初の遠隔再発(1回目のイベントでない場合)、CNS転移、局所領域の再発、対側乳癌、二次原発悪性腫瘍及び生存状況について追跡した。
【0039】
統計解析
有効性エンドポイント(STEEP)システムについて標準化された定義に従い21、無浸潤性疾患生存の主要エンドポイントを、ランダム化から次に挙げるイベントのうち1つが最初に起こった日付までの時間として定義した:同側性浸潤性乳房腫瘍、局所領域浸潤性疾患、遠隔再発、対側浸潤性乳癌、二次原発浸潤性癌又は何れかの原因からの死亡。確認された無浸潤性疾患生存イベントがない患者は、患者が疾患がないと最後に知らされた日付で打ち切った。
【0040】
有効性分析は、インテンション・トゥ・トリート(intention-to-treat)(ITT)集団に基づいた。カプラン-マイヤー法によって生存関数を推定した。層別Cox比例ハザードモデルを使用して、ハザード比及び信頼区間を推定し、層別ログランク検定により処置群間の生存の比較を検定した。早期にはハザード比が非常に低かったため、Coxの仮定は確認されなかった。発明者らの統計学的分析計画に従い、境界内平均生存時間を計算し、Coxモデル解析から得られた結果を裏付けた。少なくとも1回試験薬を投与された集団において安全性を評価した。
【0041】
この試験は、両側5%有意レベルを仮定する0.7のハザード比(HR)を検出するために90%の検出力を達成するため、ITT集団での330例の無浸潤性疾患生存イベントにより一次解析がもたらされるように1800名の患者のサンプルサイズで計画された。登録された最初の900名の患者(成熟コホート)において165例の無浸潤性疾患生存イベントが観察されたときに、ITT集団の1回の中間解析を計画した。中間解析時に、この成熟コホートの解析も事前に規定されており、ITTの結果の持続性における信頼度を提供するために同様の規模のHRを必要とした。二次解析には、無遠隔病生存、全生存及び安全性が含まれた。中間解析時の第1種過誤率を調節するために、階層的多重検定手順に基づく優越性境界22は、無浸潤性疾患生存に対してp<0.005、続いて遠隔無病生存に対してp<0.005及び全生存に対してp<0.01とし、HRに対する信頼区間は、中間解析時の各エンドポイントに対する求められる有意性レベルと適合するように選択した(補足付録の図S3参照)。
【0042】
結果
患者
2014年6月から2019年5月まで、オラパリブ又はプラセボ投与を受けるように1836名の患者をランダムに割り付けた。2020年3月27のデータカットオフ時に、330例の一次解析目標である無浸潤性疾患生存イベントのうち284例(86%)が観察され、追跡期間中央値は、ITT集団において2.5年(IQR範囲、1.5~3.5)であり、成熟コホートでは3.5年(IQR範囲、2.9~4.1)であった。ランダム化後、オラパリブ群の10名の患者及びプラセボ群の11名の患者には、割り付けられた処置を行わなかった(補足付録の図S4:コンソートダイアグラム)。2つの治療群間で患者のベースラインの特徴の均衡がとれていた(補足付録の表1及び表S6)。患者の82.2%がトリプルネガティブ乳癌(ホルモン受容体及びHER-2陰性)であった。患者の半分がアジュバント化学療法及び半ネオアジュバント化学療法を受け、殆ど(93.7%)がアントラサイクリン及びタキサン含有レジメンを受けた。26.5%が、第一にネオアジュバントの状況において白金剤を受けた。BRCA1において患者の72.3%で、及びBRCA2において患者の27.2%でgBRCA-P/LP-バリアントが存在し、治療群間で均等に分布した。
【0043】
有効性
早期報告有効性境界を事前に規定された中間解析で交差させた。3年での患者生存及び無浸潤性疾患のパーセンテージは、オラパリブ群で85.9%、プラセボ群で77.1%であった(8.8%の差;95%信頼区間4.5%、13.0%)。無浸潤性疾患生存は、プラセボよりもオラパリブに割り付けられた患者において有意に長かった(HR、0.58;99.5%信頼区間[CI]、0.41~0.82;P<0.0001)(図1A)。無浸潤性疾患生存イベントは、オラパリブ及びプラセボ群についてそれぞれ、106名及び178名の患者で報告された。全ての部位でのイベント頻度がオラパリブ治療でより低かった(補足付録表S7)。
【0044】
3年での遠隔無病生存は、オラパリブ群で87.5%であり、プラセボ群で80.4%であり(7.1%の差;95%CI3.0%、11.1%)、オラパリブを受けた患者において有意に長かった(HR、0.57;99.5%CI、0.39~0.83;P<0.0001)(図1B)。
【0045】
オラパリブ群で報告された死亡数(n=59)はプラセボ(n=86)と比較して少なく、死亡に対する全生存HRは0.68であり;99%CI、0.44~1.05、p=0.024(図1C)であり、p<0.01の事前に規定された多重検定手順の有意性境界と交差しなかった(補足付録の図S3)。
【0046】
死亡の主要な原因は乳癌であり、オラパリブ群で93.2%であり、プラセボ群で95.3%であった(補足付録の表S8)。以前に無浸潤性疾患生存イベントがなかった死亡が2名の患者で報告され、両方ともオラパリブ群であった(1名は心停止、1名は原因不明;補足付録の表S7)。
【0047】
セクション3.5補足付録に記載の予め指定された感度分析のうち、ここで報告された結論を変化させるものはなかった(表S9補足付録)。
【0048】
無浸潤性疾患生存のサブグループ解析から、層別化群全て及び予め規定されたサブグループにわたる、分析集団全体のものと一致する、プラセボを上回るオラパリブに対する治療効果の点推定値が明らかになった(図2:補足付録の表S10)。集団全体において無浸潤性疾患生存についてのHRの点推定値と交差する信頼区間を用いて、P/LPバリアントがBRCA1対BRCA2であるか、ホルモン受容体の状態又はアジュバント対ネオアジュバント化学療法の状況に関係なく、無浸潤性疾患生存についてプラセボと比較して、アジュバントオラパリブの有益性が観察された23。サブグループにわたる治療効果の統計学的な異質性を示唆する証拠はなかった。
【0049】
安全性
全部で1815名の患者(オラパリブ群911名及びプラセボ群904名)が安全性分析に含まれた。1日2回300mgのプロトコール用量での日数の中央値は、オラパリブ群で338日であり、予定投与量のパーセンテージは94.8%であり、プラセボ群では358日、98.9%であった(補足付録の表S11~S13)。再発による中止を含む早期治療中止が起こったのはオラパリブ群で236例(25.9%)であり、プラセボ群で187例(20.7%)であった(補足付録の図S4)。
【0050】
表2において、患者の10%超で有害事象が起こったことが示され、製品ラベルと一致した。重要な有害事象を表3にまとめる。患者の1%超で起こったグレード3以上の有害事象は、全てオラパリブ群において、貧血(8.7%)、好中球減少症(4.8%)、白血球減少症(3.0%)、疲労(1.8%)及びリンパ球減少症(1.2%)であった。輸血が必要であったのは稀であり、オラパリブ群で少なくとも1回の輸血を行ったのは患者の5.8%であり、それに対してプラセボ群では0.9%であり、殆どが輸血は1回のみであった(4.1%)(補足付録の表S14)。重篤な有害事象が起こったのは、オラパリブを投与された79名の患者(8.7%)及びプラセボを投与された76名の患者(8.4%)であった。死亡につながる有害事象は、オラパリブ群の1名の患者での心停止及びプラセボ群のそれぞれ1名ずつの患者の急性骨髄性白血病(AML)及び卵巣癌であった。特別に関心が寄せられる有害事象には、間質性肺炎、放射線間質性肺炎、骨髄異形成症候群(MDS)/AML及びAML/MDS以外の新規の原発性悪性腫瘍が含まれた。オラパリブにより増加したものはなかったが、この報告に対する2.5年という短い追跡期間中央値を考えると、特別に関心が寄せられる後者の2つの有害事象の群に対してさらなる追跡期間が必要である。
【0051】
オラパリブ群において、228名の患者(25.0%)において用量減量が必要となり、それに対してプラセボ群では減量が必要となったのは47名(5.2%)であった。治験薬の永久的な中止を必要とする有害事象は、オラパリブ群では90名の患者(9.9%)で起こり、プラセボ群では38名の患者(4.2%)で起こった。オラパリブの中止について最も一般的な理由は、悪心(2.0%)、貧血(1.8%)、疲労(1.3%)及び好中球数減少(1%)であった。(補足付録の表S15、S16)。EORTC QLQ-C-30 Global Health Status/Quality-of-Lifeスケールの結果から、オラパリブ又はプラセボの何れかでの12カ月の治療中、全体的な健康の質は低下しなかったことが示される。治療群間の差は何れも臨床的に意義があるとはみなされない(補足付録の図S5)。
【0052】
考察
標準的な化学療法と比較した、無増悪生存の有益性、忍容性及びクオリティーオブライフの改善の証拠に従い、オラパリブ及びタラゾパリブは現在、転移性gBRCA-P/LPバリアント関連乳癌の処置に対して承認されている。24、25
【0053】
OlympiAは、患者選択バイオマーカーとしてBRCA1又はBRCA2 P/LP生殖系列変異体の存在を使用して特定される、早期乳癌及びBRCA1又はBRCA2相同組み換え機能の障害がある患者における、オラパリブを用いたアジュバントPARP阻害剤療法の有効性を試験するためにデザインされた。この治験は、(ネオ)アジュバント化学療法及び局所療法の後にアジュバント治療として52週間与えられたオラパリブがこのような患者において無浸潤性疾患生存及び無遠隔病生存を顕著に改善することを示す。BRCA1対BRCA2状態又はホルモン受容体の状態に関連する様々なPARP阻害剤治療の効果を示唆する証拠は以前にはない15、24~26。発明者らは、異質性の証拠は見つけておらず、これら及び他のサブグループにおけるハザード比に対する信頼区間は、集団全体において見られる治療効果に対する点推定値を含む。
【0054】
予め規定された中間解析は、ITT集団における中間解析時に初期で観察される治療効果が持続的であると思われる信頼度を提供するために、成熟コホートにおいて十分なイベントを有することに基づくタイミングで行った。この成熟コホートにおけるオラパリブ治療効果の証拠は、心強い(補足付録の図S6)。
【0055】
白金含有化学療法は、HER2陰性早期乳癌におけるネオアジュバント又はアジュバント化学療法の標準的治療とは考えられていない。27、28白金により誘導されるDNA付加物が相同組み換えDNA修復により修復され、白金は転移性乳癌においてgBRCA-P/LPバリアントと特異的な相互作用を有することが知られているので、白金系化学療法の使用を層別化因子として含めた。29、30他のサブグループ解析でのように、異質性に対する試験によって、白金に基づくアジュバント又はネオアジュバント化学療法で処置された患者においてオラパリブの有効性がより低いという証拠は示されなかった。
【0056】
プラセボよりもオラパリブ処置患者の間で死亡例が少ないが、この初期の時点では、その差は、予め指定された多重検定手順における統計学的有意性に対する閾値に達していなかった。全生存に対するオラパリブの影響を評価するために、より長い盲検化追跡期間が必要である。
【0057】
オラパリブの安全性プロファイルは、以前報告されたものと一致し;オラパリブ治療での有害事象は、多くがグレード1又は2であった。患者の5%超で起こった唯一のグレード3の毒性は貧血(8.7%)であり、輸血を必要とする頻度は低かった。投与中断及び用量減量は、有効な管理ストラテジーであると思われる。オラパリブによって重篤な有害事象も増加しなかった。PARP阻害剤はDNA相互作用薬であり31、DNAにおける突然変異及び血液学的悪性腫瘍を誘発する可能性を有するものの32、これらは、オラパリブにより増加せず、さらなる盲検化追跡期間を継続中である。
【0058】
特に高い再発リスクのホルモン受容体陽性集団の選択は、無浸潤性疾患生存イベント率が低いことによって、オラパリブに対して認識される潜在的なMDS/AMLリスクに曝されることが正当化され得ないという規制上の懸念(regulatory concern)により決定された。gBRCA-P/LPバリアントがある患者は、内分泌療法に加えて化学療法を要することがより多い高再発リスク群を形成し18、19、最近の試験では、ネオアジュバント化学療法で処置されたホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌患者の14%が含まれた。33OlympiAにおいて高い再発リスクが観察され、プラセボで処置されたホルモン受容体陽性集団の患者の23%が3年以内の無浸潤性疾患生存イベントを有すると推定される(図2)。内分泌療法とともに行われたオラパリブ治療(補足付録の表S17)は、このサブグループにおいて、安全且つ有効であり、治療効果に違いはなく、転移性及び早期乳癌の両方の状況で他の試験の結果と一致する24~26
【0059】
トリプルネガティブ乳癌の患者は現在、承認されたアジュバント標的療法がない。CREATE-X試験の結果に基づき、ネオアジュバント化学療法後のトリプルネガティブ乳癌及び残存浸潤性癌の患者は次第に、ネオアジュバント後にカペシタビン化学療法で処置されるようになっている。この治験は、集められた者の15%未満であると思われるgBRCA-P/LPバリアントがある患者においてネオアジュバント後のカペシタビンの効果を調べなかった。34ネオアジュバント後のカペシタビンは、試験が計画されたときに標準治療ではなかったので、OlympiAにおいて許可されず、そのため、この試験はこの設定でのオラパリブ対カペシタビンの相対的な有効性を報告することはできない。しかし、45%が比較治療としてカペシタビンを投与された試験において、Robson et al.24は、オラパリブが、gBRCA-P/LPバリアントを有する転移性HER2陰性乳癌患者において無増悪生存期間を延長させるという点で化学療法よりも有効であることを明らかにした24、35
【0060】
OlympiAは、1年間のアジュバントオラパリブが、順守率が高く、主に毒性プロファイルが低グレードであるとともに、高リスク早期乳癌及びgBRCA-P/LPバリアントを有する患者において再発リスクを有意義に低下させ、転移性疾患への進行を予防し得ることを明らかにする。治療選択に対するgBRCA-P/LPバリアント状態の影響がより大きく受け入れられるようになった結果として、早期乳癌の癌診療において次第にgBRCA-P/LPバリアントを有する患者が同定されるようになっている36。OlympiA試験は、早期乳癌における全身療法の選択のために生殖系列BRCA1及びBRCA2シーケンシングが重要なバイオマーカーである証拠を提供する。
【0061】
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【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
補足付録
この補足付録は、記載される癌を処置する方法に関するさらなる情報を読み手に与えるために提供されている。
【0069】
3.補足的な方法
3.1 OLYMPIA試験を行うために使用される二重プラットフォームモデル
この治験は、学術界、非営利団体、政府機関、参加病院及び産業界の間のパートナーシップとして行われた。Breast International Group(BIG)、Frontier Science and Technology Research Foundation(及びその会員、Frontier Science (Scotland) Ltd)、National Cancer Institute、NRG Oncology及びAstraZenecaは全て、重要な役割を果たしている。この試験の遂行のための基本理念は、BIG及びNRG/NCIのものである。Standard Operating Procedures of Frontier Science(非営利団体)及びNRG/NCIに従い、データを回収し、審査し、分析する。これらの団体は全て、治験に関与する地理的地域の代表及び消費者の代表とともに、治験のSteering Committeeにおいて代表を送る。詳細な公開ポリシーは、治験データを使用した全ての刊行物を規定し、公開の決定は、何れの個々又は個別の団体からではなくSteering Committeeによってもたらされる。
【0070】
2つのプロトコールがこの試験において使用され、この2つのプロトコールは、それらがカバーする国にとって適切なロジスティック及び規制の内容(例えば薬物分布、試験中のSAE報告のための仕組みなど)においてのみ異なり、試験目的及び科学的内容の点では同一である。AZスポンサーシップ下のプロトコールは、非US治験施設から動員される全患者をカバーし、NRGスポンサーシップ下のプロトコールは、US内の患者をカバーする。これらのプロトコールは、上記パートナーの間の共同作業として開発された。
【0071】
この治験は、Frontier Science(FS)により提供される単一ランダム化システムを使用し、1つの試験として報告される。ブロックサイズ4での置換ブロックアルゴリズムを使用してランダム化を行った。ランダム化システムは、割り付けを開始するための組み込まれた乱数発生器を有し、ブロックは、それらが必要なときにランダムに生成されるので、前もって作成されたランダムリストはない。非US治験施設は、ランダム化システムに入るためにFSフロントエンドを使用した。USの治験施設は、予めランダム化された情報を回収し、次いでランダム化を完了するためにFSシステムに連結するNCI OPENシステムを使用した。全患者、処置を行う医師及び治験関係者は、Independent Statistical Centerを除き、治療の割り付けについて盲検化されており、Independent Data Monitoring Committee(IDMC)に対するレポートを準備するために、ランダム化システム管理者により治療コードで提供された。
【0072】
患者データの回収は、Rave EDCシステムの2つのインスタンス(NRGにより維持されるUS患者に対して1つ及びFSにより維持されるUS外の全ての他の患者に対して1つ))を使用して行う。FS及びNRGは、データ回収において可能な限りの一貫性を確実にするために、2つのデータベース及び個々のeCRFの設計において協力した。会社及び/又は地域のデータ回収規格における相違ゆえにいくつかの相違は必然であり、これらの相違は全て、AZにより維持されるコンシステンシー・ドキュメンテーション(consistency documentation)において明らかにされる。データの品質管理は、それぞれのRaveインスタンスに対してFrontier Science及びNRGにより行われる。両データベースからのデータは日常的に一定間隔で単一の統合されたデータベースに合わせられる。IDMCによる周期的な審査のための全ての統計学的解析並びにレポートが、Frontier Scienceにより構築され、維持され、保持されている単一の統合されたデータベースから、実施され、報告された。スポンサー(NRG/NCI及びAstraZeneca)は、治験の遂行中にこのデータベースを使えなかった。例えばAZへのDSUR報告データ及び解析プログラムを試験できるようにするためのNRGへのPROデータのサブセットなど、盲検化されたデータのサブセットが必要に応じて具体的な目的に対して提供された。
【0073】
3.2 完全適格基準
1.何らかの試験特異的な手順前のインフォームドコンセントの提供。
【0074】
2.女性又は男性患者は≧18歳でなければならない。
【0075】
3A.初回の手術を受け、アジュバント化学療法を受けた患者について
-TNBC患者は、腋下リンパ節陽性(≧pN1、何れかの腫瘍サイズ)であるか、又は腋下リンパ節陰性(pN0)であり、浸潤性原発腫瘍の病理学的サイズが>2cm(≧pT2)でなければならなかった。
-ER及び/又はPgR陽性/HER2陰性患者は、病理学的に確認された陽性リンパ節が≧4個でなければならなかった。
【0076】
3B.ネオアジュバント化学療法を受け、続いて手術を受けた患者について
-TNBC患者は、乳房及び/又は切除されたリンパ節において残存する浸潤性乳癌がなければならない(非pCR)。
-ER及び/又はPgR陽性/HER2陰性患者は、乳房及び/又は切除されたリンパ節において残存する浸潤性癌があり(非pCR)、CPS&EGスコア≧3でなければならない。CPS&EGスコアの計算方法の説明(Mittendorf et al 2011;Jeruss et al 2008)は、付録4で与える。
【0077】
4.2つの次の表現型のうち1つである、組織学的に確認された乳房の非転移性原発浸潤性腺癌:
a)次のように定義されるTNBC:
-IHC核染色<1%として定義されるER及びPgR陰性。
及び
-次のように定義されるHER2陰性(抗HER2治療に不適格):
oIHC 0、1+ISHなし、又は
oIHC 2+及びISHが2.0未満の比率で非増幅、及び報告される場合は平均HER2コピー数<4シグナル/細胞、又は
oISHが2.0未満の比率で非増幅、及び報告される場合は平均HER2コピー数<4シグナル/細胞(IHCなし)。
b)次のように定義される、ER及び/又はPgR陽性、HER2陰性乳癌:
-IHC核染色≧1%として定義される、ER及び/又はPgR陽性。
及び
-次のように定義される、HER2陰性(抗HER2治療に不適格):
oIHC0、1+ISHなし、又は
oIHC2+及びISHが2.0未満の比率で非増幅、及び報告される場合は平均HER2コピー数<4シグナル/細胞、又は
oISHが2.0未満の比率で非増幅、及び報告される場合は平均HER2コピー数<4シグナル/細胞(IHCなし)。
【0078】
多発性又は多中心性浸潤性疾患がある患者は、HER2の特徴評価が利用可能である全ての病巣がHER2陰性である限り適格である。
【0079】
同時期性で両側性の浸潤性疾患がある患者は、両側のHER2について評価された病変が陰性である限り適格である。
【0080】
上の両ケースにおいて、治験責任医師の裁量に基づき再発について最大リスクと考えられる病変を適格性の判定のために使用する。
【0081】
5.有害であると予想されるか又は有害であると疑われるBRCA1又はBRCA2における確認された生殖系列突然変異(有害である/機能喪失につながることが知られているか又は予想される)。
局所gBRCA試験結果は、入手可能である場合、適格性を確立するために使用される。もし各実施施設(local)のgBRCA検査の結果が入手可能ではない場合、中央での検査が、そうでなければ適格と思われるこれらの患者に対して提供される(セクション6.2.1を参照)。
【0082】
6A.次のように定義される、適切な乳房手術の完了:
-乳房温存手術又は乳房切除術のインクドマージンは、このマージンが大胸筋筋膜である場合は後縁又はこれが真皮である場合は前縁を除き、組織学的に浸潤性乳癌及び非浸潤性乳管癌なしでなければならない。非浸潤性小葉癌について切片縁が陽性である患者は適格である。
-乳房温存患者は、アジュバント放射線療法を受けなければならない。乳房切除術を受けている患者は、各実施施設(local)の方針及び/又は国際的な指針に従い、アジュバント放射線療法を受け得る。
【0083】
6B.次のように定義される適切な腋窩手術の完了:
アジュバント化学療法患者:
-陰性である場合又はリンパ節が微少な転移(≦2.0mm)のみを有する場合、センチネルリンパ節生検のみ、又は
-陽性センチネルリンパ節生検と、それに続く各実施施設(local)の指針に従う腋窩リンパ節郭清若しくは放射線療法、又は
-腋窩リンパ節郭清
ネオアジュバント化学療法患者:
-センチネルリンパ節生検をネオアジュバント化学療法前に行う:
o陰性である場合又はリンパ節が微小転移(≦2.0mm)のみを含有する場合、さらなる腋窩手術は求められない。
o陽性である場合、腋下リンパ節郭清又は腋窩リンパ節放射線療法がネオアジュバント化学療法の完了に続くべきである。
-センチネルリンパ節生検をネオアジュバント化学療法後に行う:
o陰性である場合、さらなる腋窩手術は必須ではない。
o陽性である場合(微小転移は陽性とみなされる)、患者が腋窩の代替治療として放射線療法を提案する第III相多施設臨床試験に登録されない限り、さらなる腋窩手術が必要である。治験は、OlympiA Executive Committeeにより予め承認されなければならない。
-腋窩リンパ節郭清。
【0084】
7.アントラサイクリン、タキサン又は両方の組み合わせを含有する少なくとも6サイクルのネオアジュバント又はアジュバント化学療法の完了。以前の癌(例えば卵巣)に対する根治の可能性がある治療としての又は乳癌に対するアジュバント又はネオアジュバント治療としての以前の白金剤は許容される。(ネオアジュバント患者に対して、全ての化学療法は手術前に送達されるべきである。手術後の化学療法のさらなるサイクルは許容されない。)
【0085】
8.患者は、下で定義されるような臓器及び骨髄機能についての検査前の過去28日間に輸血(包装された赤血球細胞及び/又は血小板輸血)を受けずにランダム化前28日以内に適切な臓器及び骨髄機能が測定されなければならない:
-ヘモグロビン≧10.0 g/dL
-好中球絶対数(ANC)≧1.5×109/L
-血小板数≧100×109/L
-ジルベール病又はビリルビンの緩徐な抱合反応を含む同様の症候群による総ビリルビン上昇<1.5×ULNを除き、総ビリルビン≦ULN(治験実施医療機関の正常上限)
-AST(SGOT)/ALT(SGPT)≦2.5×ULN
-ALP≦2.5×ULN
【0086】
転移性乳癌を除外するために、スクリーニングALT/AST又はALPが治験実施医療機関の正常上限を上回る患者は、現在の乳癌の診断とランダム化との間の何れかの時点で肝臓超音波、CT又はMRIを行うべきである。
【0087】
ALP及び/又は補正カルシウムレベルが治験実施医療機関の上限を上回る場合、骨スキャンスクリーニングが求められる。(注意:PET CTスキャンを代替的なイメージング技術として使用し得る)。
【0088】
9.血清又は血漿クレアチニン≦1.5×ULN。
【0089】
10.ECOG一般状態が0~1。
【0090】
11A.閉経していないか又は子宮摘出術を受けていない女性は、ランダム化前28日以内に妊娠検査で陰性であることを明らかにしなければならなかった。
閉経は次のように定義される:
-年齢が≧60歳
-<60歳であり、化学療法及び/又はホルモン治療なしで1年以上無月経
-60歳未満の女性については閉経範囲の卵胞刺激ホルモン(FSH)及び血漿エストラジオールレベル
-最終月経が>1年前である放射線誘導性の卵巣摘出
-両側卵巣摘出。
【0091】
11B.性的活動がある出産可能な女性及びそのパートナーは、2種類の効果の高い避妊形態を組み合わせて使用することに同意しなければならない。これは、インフォームドコンセントの署名から開始し、試験治療を受けている期間全体及び試験薬の最終投与後少なくとも1カ月間継続するべきであるか、又は何れの形態の性行為も完全に/偽りなく控えなければならない。男性患者は、妊婦又は妊孕性がある女性と性交する場合、治療中及び試験薬の最終投与後3カ月間、コンドームを使用しなければならない。男性患者の女性パートナーも、妊孕性である場合、効果の高い形態の避妊を使用するべきである(許容可能な方法については付録Eを参照)。
【0092】
12.患者は、治療及び計画的な来院及び検査を行うことを含め、試験期間にわたりプロトコールに従う意思があり、従い得る。
【0093】
13.原発腫瘍からのホルマリン固定、パラフィン包埋(FFPE)腫瘍試料、必須*。
*注:アジュバント患者について、これは手術検体を指し;ネオアジュバント患者については、治療前のコア生検及び残存疾患がある手術検体の両方が求められるが、1つのみ必須である。手術の主要ブロックが入手可能であるが提出できない場合、治験施設は、少なくとも直径3mmの少なくとも1つのコアを採取することによるか、又はオリジナルブロックを2つの部分に分割し、1つを中央提出用に新しいブロックに再包埋することによるかの何れかで、オリジナルブロックからの浸潤性腫瘍の一部を提出し得る。ネオアジュバント治療前のコア生検を含有するブロックが入手可能であるが、提出できない場合、ブロックから調製したガラススライド上に載せた切片を提出し得る。腫瘍試料が上で求められるように提供され得ない場合、又は入手可能でない場合、患者の治験への登録に対する治験チームによる承認が求められる。
【0094】
14.患者は、理想的には最後の治療(手術、化学療法又は放射線療法)の完了から最大8週間以内に治験においてランダム化されるべきであるが、決して12週間より長くなることはない。
【0095】
3.3 CPS&EGステージ分類システムのための計算
CPS&EGスコアは、ネオアジュバント化学療法で処置された乳癌患者における疾患特異的生存に対するステージ分類システムである。これは、治療前の臨床ステージ、エストロゲン受容体の状態、核グレード及びネオアジュバント化学療法後の病理学的ステージを組み込む。
【0096】
計算の説明:
臨床ステージ+病理学的ステージ+ERの状態+核グレードに対するポイントを足して、0~6の合計(CPS&EGスコア)を導き出す。
【0097】
【表7】
【0098】
3.4層別化因子に対するプーリングストラテジー(POOLING STRATEGY)
IDFSの一次層別ログランク検定は、次のプーリングストラテジー(pooling strategy)から決定される層別化因子に基づく。
【0099】
何れかの個々の層内の治療群あたりIDFSイベントが5より少ないということが起こる場合は(最初に16の層で開始;治療群を含め16=2×2×2×2)、各個別の層内でIDFSイベントが少なくとも5となるまで1回に1つの層別化因子を次の順序で取り除く。
1. 乳癌に対する事前の白金剤の使用(はい/いいえ)
2. 事前化学療法(ネオアジュバント対アジュバント)
3. ホルモン受容体の状態(ER及び/又はPgR陽性/HER2陰性対TNBC)
【0100】
結果:全ての3つの因子が含まれた場合、治療群あたりIDFSイベントが5より少ない層があった。ゆえに、層別化因子として事前の白金剤を除去した。残る2つの因子が含まれた場合、治療群あたりIDFSイベントが5より少ない層があった。ゆえに、事前化学療法を層別化因子として排除した。従って、IDFSの一次層別Cox比例ハザードモデル及び層別化ログランク検定は、ホルモン受容体の状態のみの層別化因子に基づいた。
【0101】
3.5感度分析
プロトコールは、特定の基準に合った場合に、7つの(7)感度分析が行われるべきであることを規定した。このセクションにおいて、発明者らは、感度分析を記載し、感度分析を行うための基準に合ったものに対してこの補足付録内の表で結果を与える。
【0102】
1:確認された(中央Myriad試験)生殖系列BRCA1及びBRCA2の有害である/有害であることが疑われるバリアント
このプロトコールは、妥当な場合、中央Myriad試験によってBRCA1又はBRCA2生殖系列の有害である/有害であることが疑われるバリアント(gBRCA-D/SDバリアント)を有することが確認された全てのランダム化した患者に基づいてIDFSについて分析を行うことを規定した。この分析は、分析集団が一次ITT集団とは異なる場合にのみ求められる(即ちランダム化された患者の何れかが中央Myriad試験によりgBRCA-D/SDバリアントを有することが確認されない場合のみ求められる)。
【0103】
1539名の患者がMyriadで確認されたgBRCA D/SD変異体を有した(この補足付録の表S2を参照)。
【0104】
結果:この分析の結果は、この補足付録の表S9内で与える。
【0105】
2:ランダム化システムにおける誤った層別化
ランダム化システムにおいて誤って層別化された何れの患者も(即ち、ランダム化時に不正確な詳細が入力される)、ランダム化システムからの情報に基づき一次層別解析に含めた。ランダム化システムからの層別化因子及びeCRFからの正確なベースラインデータのクロス集計を行った。ランダム化患者の>5%が不正確に層別化された(即ちランダム化システムデータがeCRFで確認されたベースラインデータと合わない)場合、上記と同じモデルを使用して、しかしランダム化システム情報の代わりにeCRF情報を用いて、IDFSに対して感度分析を行う。[注意:全患者に対して、eCRFにおいて報告される特徴を使用して、サブグループ解析のためにサブグループを決定し、一方でランダム化システムの情報を使用して、ログランク及びCoxモデル解析を層別化した]。
【0106】
プーリングストラテジー(pooling strategy)に従い、ホルモン受容体の状態のみを層別化因子としてフィットさせた。ITT集団の1836名のうち、32名(1.7%)が、ランダム化システムで報告されたものとeCRFにおいて報告されたものとの間でホルモン受容体の状態が不一致であった。
【0107】
結果:5%閾値に合わなかったので、この感度分析は行わなかった。
【0108】
3:中央病理診断
プロトコールは、各実施施設(local)の及び中央ラボからのER及びPgR状態の結果がランダム化患者の>5%で異なる場合、上記と同じモデルを使用して、しかし、HR状態の層別化因子を決定するために中央ラボの結果を用いて、IDFSに対して感度分析を行い、一次分析の結果と比較することを規定した。
【0109】
中央及び各実施施設(local)のホルモン受容体の状態の両方を有する1452名の患者のうち、147名(10%)が不一致の結果を有する(この補足付録の表S5)。247名の患者が、中国当局による規制上の条件のため、中央病理診断のために入手可能なものがなかった。中国からの患者を除いた中央の受容体の状態の診断の結果をこの補足付録の表S4で示す。
【0110】
結果:各実施施設(local)と中央とのホルモン受容体の状態の不一致に対する5%閾値に合致したため、この感度分析を行った。この分析の結果をこの補足付録の表S9で与える。
【0111】
4:重要なプロトコール逸脱(IPDS)
重要なプロトコール逸脱(IPD)は、主要な有効性及び/又は副次的な安全性の結果に影響する可能性が非常に高い予め定められたプロトコール逸脱の簡潔なリストである。プロトコールは、試験治療の有効性に影響を及ぼし得るIPDがある患者を除いて、「逸脱バイアス」感度分析が行われ得ることを規定した。この感度分析は、何れかの治療群の患者の>10%が意図される疾患若しくは徴候がなかったか又は何れのランダム化治療も受けなかった場合、試験治療の有効性に影響を及ぼし得るIPDがある患者を除いて行われる。
【0112】
ITT集団の1836名の患者のうち、30名(1.6%)が意図される疾患若しくは徴候がなかったか又は何れのランダム化治療も受けなかった(この補足付録の表S18を参照)。
【0113】
結果:IPDに対する10%閾値が満たされなかったので、この感度分析は行わなかった。
【0114】
5.非調整解析
このプロトコールは、感度分析として非調整(非層別Coxモデル)解析を行い、初期結果と比較することを規定した。
【0115】
結果:この非層別Coxモデル解析を行った。この解析の結果をこの補足付録の表S9で与える。
【0116】
6.比例ハザードの仮定
このプロトコールは、ログランク検定の基礎となる比例ハザードの仮定及び一次分析に対して使用されたCoxモデルを評価することを述べる。2つのアプローチを使用して、最初に対数(時間)に対する補対数-対数(時間)のプロットを調べることにより、第2に因数として治療群を含むCoxモデルからの尺度付きSchoenfeld残差に基づきGrambsch-Therneau検定(G-T)を用いて形式的に試験することにより、比例を評価する。G-T検定が有意(p<0.05)であり、比例が棄却される場合、境界内平均生存時間(RMST)法を使用して、非比例ハザードを考慮に入れながら治療の差を推定し、検定する。
【0117】
結果:G-T検定は、p<0.05閾値を達成した。これは、比例ハザードが仮定され得ないことを示す。比例ハザードの帰無仮説の棄却。時間の恒等変換によるG-T検定に対するp-値はp=0.02であり、時間のランク変換によるG-T検定に対するp-値はp=0.02であった(この補足付録の表S9参照)。
【0118】
比例の帰無仮説が棄却されたので、統計学的解析計画で特定されるように、追跡期間の最初の4.1年(49カ月)以内にRMSTの計算を限定して、境界内平均生存時間(RMST)法に基づいて感度分析を行った。2つの治療群間の最長IDFSイベント時間の最大の最小値(minimum of the maximum)として制限時間を定めた。非比例ハザード下で、推定ハザード比は、観察された追跡期間にわたる平均ハザード比として解釈され得る。このハザード比は、異なる追跡の期間中でハザードを過小評価及び過剰評価し得る。RMST解析の結果は、オラパリブ群について治療有益性があるというIDFSの主要解析と同じ結論に至る。RMST解析の結果は、この補足付録の表S9で与える。
【0119】
7.区間打ち切りコックス回帰
このプロトコールは、感度分析として区間打ち切り分析を行い、初期結果と比較することを述べる。来院スケジュールがプロトコールに従っていない患者は、区間打ち切りを使用してCoxモデルにフィットさせる。
-イベントがあった患者について、及びプロトコールに従う追跡期間なしで(そのイベントと最終来院との間が18カ月超として定義)、対象がIDFSフリーであることを知らされた最後の日から再発又は死亡の日までの間隔を使用する。
-以前に打ち切られたか又はイベントがあり、プロトコールにより定められた来院スケジュールに従って診察された患者について、間隔の下限は、打ち切り/イベントの日付に設定され、一方で上限は欠測に設定される。
【0120】
結果:この感度分析を開始するための基準に合う患者はいなかった。
【0121】
4.補足図面
【0122】
【表8】
【0123】
【表9】
【0124】
【表10】
【0125】
【表11】
【0126】
【表12】
【0127】
図S5:EORTC QLQ-C30 GHQスコア
計画された患者報告アウトカム(PRO)サブ試験の主目的は、FACIT-Fatigueにより測定される場合の、ランダム化後、6及び12カ月で患者により報告される疲労に対するオラパリブの影響を判定することである。ランダム化から最初の2年間にわたる健康関連のクオリティーオブライフに対するオラパリブの影響の評価は、PROサブ試験の副次目的の1つである。これは、EORTC QLQ-C30質問票の2項目General Health Status/Quality of Life(GHQ)スケールによって評価される。OlympiaにおけるPROのプロトコールにより計画される解析のためのデータは未熟であり、2年の時点でデータ利用可能であるのは試験試料の半分のみなので、この時点では報告されない。さらに、PROデータ解析計画は、試験試料を層別化し、試験のランダム化前にネオアジュバント又はアジュバント化学療法を受けた者に対して別個の解析を考慮する。ここで、発明者らは、ネオアジュバント治療及びアジュバント化学療法を受けた患者に対する治療割り付けによる、平均EORTC QLQ-C-30 GHQスコアのプロットを示す。これらは、GHQがオラパリブ又はプラセボの何れかでの12カ月の治療の間低下せず、12カ月と24カ月との間で両群において僅かに改善したことを示す。GHQにおける臨床的に意義のある差は、10ポイント超であり、治療群間の差は臨床的に重要ではない。
【0128】
レジェンド:治療群による経時的なEORTC QLQ-C30 GHQスコアの平均応答。パネルA:ネオアジュバント化学療法を完了した患者。パネルB:アジュバント化学療法を完了した患者。GHQスコアは、0~100の範囲であり、高いスコアほどQOLが良好であることを示す。ベースライン以外の時点に対する調整した最小二乗平均応答及び95%CIは、GHQスコアの反復測定分析に対する混合モデルから得られる。このモデルは、治療、時間及び治療と時間との交互作用、対応するベースラインスコア及びベースラインスコアと時間との交互作用を含む。ベースライン時の平均及び95%CIは生データに基づく。
【0129】
図S6:成熟コホートにおけるIDFSに対するKMプロット
CIは信頼区間を指す。
*層別Cox比例ハザードモデル。
†カプランーマイヤー推定。
【0130】
5.補足の表
【0131】
【表13】
【0132】
【表14】
【0133】
【表15】
【0134】
【表16】
【0135】
【表17】
【0136】
【表18】
【0137】
【表19】
【0138】
【表20】
【0139】
【表21】
【0140】
【表22】
【0141】
【表23】
【0142】
【表24】
【0143】
【表25】
【0144】
【表26】
【0145】
【表27】
【0146】
【表28】
【0147】
【表29】
【0148】
【表30】
【0149】
【表31】
【0150】
【表32】
【0151】
【表33】
【0152】
【表34】
【0153】
【表35】
【0154】
【表36】
【0155】
【表37】
【0156】
【表38】
【0157】
【表39】
【0158】
【表40】
【0159】
【表41】
【0160】
【表42】
【0161】
【表43】
【0162】
【表44】
【0163】
6.参考文献
1. Mittendorf EA, Jeruss JS, Tucker SL, et al. Validation of a novel staging system for disease-specific survival in patients with breast cancer treated with neoadjuvant chemotherapy. J Clin Oncol 2011; 29:1956-62.
図1-1】
図1-2】
図2
図3
図4
【国際調査報告】