(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】姿勢矯正およびケーゲル体操装置
(51)【国際特許分類】
A43B 21/26 20060101AFI20240514BHJP
A43B 7/00 20060101ALI20240514BHJP
A61F 5/01 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A43B21/26
A43B7/00
A61F5/01 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574598
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 KR2022010183
(87)【国際公開番号】W WO2023003258
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0096758
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0135925
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523452665
【氏名又は名称】ソ、ギョン ベ
【氏名又は名称原語表記】SEO, Kyung Bae
【住所又は居所原語表記】603,46-1,Wonhyeongseo-ro,Mokpo-si,Jeollanam-do 58748,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ソ、ギョン ベ
【テーマコード(参考)】
4C098
4F050
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB01
4C098BC08
4C098BC50
4C098BD02
4F050AA01
4F050AA22
4F050BB16
4F050BB20
4F050GA30
4F050JA30
4F050LA01
4F050LA09
(57)【要約】
歩行中に時間とコストの大きな負担なく姿勢矯正およびケーゲル体操をすることができるように左右の一対が備えられる足の保護手段であって、上板と、下板と、前記上板と前記下板との間に設けられ、上下方向に圧縮されるときに前記下板に対して前記上板が回転し、左右一対の前記足の保護手段に結合され、左右側における回転の方向が互いに逆である特徴を有する螺旋圧縮部と、を備える姿勢矯正およびケーゲル体操装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行中に使用され、左右一対が備えられる足の保護手段において、
上板と、
下板と、
前記上板と前記下板との間に設けられ、上下方向に圧縮されるときに前記下板に対して前記上板が回転し、左右一対の前記足の保護手段に結合され、左右側における回転の方向が互いに逆である特徴を有する螺旋圧縮部と、を備え、
前記上板を上向きに前記足の保護手段よりも突出させるか、或いは前記下板を下向きに前記足の保護手段の下面よりも突出させることを特徴とする、姿勢矯正およびケーゲル体操装置。
【請求項2】
前記螺旋圧縮部は、弾性素材からなり、前記上板と前記下板とを連結する複数の螺旋部材が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の姿勢矯正およびケーゲル体操装置。
【請求項3】
前記螺旋部材の内側に設けられ、前記上板に結合されて前記上板の下向きに突出させるか、または前記下板に結合されて前記下板の上向きに突出させる案内部をさらに備える、請求項2に記載の姿勢矯正およびケーゲル体操装置。
【請求項4】
前記螺旋圧縮部は、側壁に螺旋溝が形成される中空部と、前記中空部の前記螺旋溝に沿って螺旋状に移動する突条が形成され、下面と上面のうちの少なくとも一つに弾性部材が結合される貫通部と、を備え、前記中空部と前記貫通部とは、前記上板と前記下板のうちのいずれかにそれぞれ結合されることを特徴とする、請求項1に記載の姿勢矯正およびケーゲル体操装置。
【請求項5】
前記螺旋圧縮部で発生する回転力の大きさが、左右一対の前記足の保護手段で互いに異なることを特徴とする、請求項1に記載の姿勢矯正およびケーゲル体操装置。
【請求項6】
前記上板と前記下板のうちの少なくとも一つに結合され、前記螺旋圧縮部の外側に設けられ、前記螺旋圧縮部よりも弾性係数が小さい特徴を有する遮蔽壁を備える、請求項1に記載の姿勢矯正およびケーゲル体操装置。
【請求項7】
前記上板または前記下板が前記足の保護手段と一体になっていることを特徴とする、請求項1に記載の姿勢矯正およびケーゲル体操装置。
【請求項8】
前記足の保護手段は、靴、インソール、スリッパ、ソックスのいずれか一つである、請求項1に記載の姿勢矯正およびケーゲル体操装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
歩行する過程で姿勢矯正とケーゲル体操をすることを可能にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
米国の産科医のアーノルド・ケーゲル(Arnord Kegel, M.D.)が1948年に開発したケーゲル体操は、骨盤底筋(Pelvic Floor Muscle)の筋力運動であって、尿失禁と便失禁の治療並びに性機能の改善にも効果があることが明らかになっており、股関節外転筋(External rotator muscles of the hip joint)は姿勢矯正において重要な役割を果たすものとして知られている。
【0003】
歩行は、手軽くかつ安全に行うことができる良い運動であり、歩行過程では股関節、膝関節、および足関節の伸筋と屈筋が主に使用されるが、股関節外転筋および骨盤底は歩行中にほとんど使用されないので、歩行を通じて股関節外転筋および骨盤底筋を強化することができる技術について知られているところはないようにみえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許登録第10-0834470号
【特許文献2】韓国特許出願第10-2021-0096758号(ケーゲル体操のための靴の回動装置)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
歩行は、コスト的な面で負担なしに行うことができる運動であって、歩行中に主に使用される筋肉である、股関節、膝関節、足関節の伸筋と屈筋の筋力運動効果が得られる良い方法であるが、股関節外転筋と骨盤底筋はほとんど使用されず、歩行過程で姿勢矯正の効果とケーゲル体操の効果を期待することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、歩行中に使用され、左右一対が備えられる足の保護手段であって、上板と、下板と、前記上板と前記下板との間に設けられ、上下方向に圧縮されるときに前記下板に対して前記上板が回転し、左右一対の前記足の保護手段に結合され、左右側における回転の方向が互いに逆である特徴を有する螺旋圧縮部と、を備える姿勢矯正およびケーゲル体操装置技術が提供される。
【発明の効果】
【0007】
歩行過程中に更なる時間と費用の負担なしに、姿勢矯正とケーゲル体操に必要な筋肉の筋力強化の効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】靴底に、本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置を結合した一実施形態の概略図である。
【
図2】本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態の斜視図である。
【
図3】本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態の側面図である。
【
図5】本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態の斜視図を用いて表される、螺旋圧縮部の使用説明図である。
【
図6】本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第2の実施形態の斜視図である。
【
図8】
図3において、遮蔽壁が追加された第1の実施形態の側面図である。
【
図9】インソールの下部に、本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態を結合した概略図である。
【
図10】インソールの上部に本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態を結合した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面と一緒に本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0010】
歩行過程で人体の下肢において生じる主な動作は、股関節(Hip joint)の屈曲(flexion)と伸展(extension)、膝関節(Knee joint)の屈曲と伸展、足関節(Ankle joint)の屈曲と伸展であり、その際、使用される筋肉は、走行方向が上下に向かう股関節、膝関節、足関節の屈筋(flexor muscle)と伸筋(Extensor muscle)であり、走行方向が左右に向かう筋肉である股関節外転筋(External rotator muscles of the Hip joint)と骨盤底筋(Pelvic floor muscle)はほとんど使用されない。
【0011】
本出願人は、リハビリテーション科医であって、機能解剖学的に膝関節および足関節では、屈曲と伸展のみが可能であり、回転動作が不可であるということと、足の回転動作は、足関節および膝関節を飛ばして股関節の回転動作を誘発することを見出して、足の外回転の動作を利用して股関節の外回転筋肉を強化する多数の技術(韓国特許登録第10-0834470号など)を開示したことがあり、前記技術を用いて股関節外転筋の筋力を強化する過程で、股関節外転筋であるとともにケーゲル体操の対象筋肉である骨盤底筋の梨状筋(Piriformis muscle)と内閉鎖筋(Obturator internus muscle)の筋力を強化することにより、ケーゲル体操の効果を極大化する臨床的結果を、2016年4月17日に大韓女性性医学会の創立学術大会(世宗大学校の広開土館コンベンションホール)で発表したことがある。
【0012】
本出願人は、前記の臨床結果の原理に着目して歩行中に歩行者の足に回転動作が行われるようにし、この回転動作を利用して股関節の外転筋とケーゲル体操の効果を得ることができるようにする技術である韓国特許出願第10-2021-0096758号(ケーゲル体操のための靴の回動装置)を先出願したし、前記先出願に対する優先権を主張しながらその改良発明である本発明を出願するに至った。
【0013】
図1は、靴底に、本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置を結合した一実施形態の概略図であり、
図2は、本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態の斜視図であり、
図3は、本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態の側面図であり、
図4は、
図3のI-I’線による断面斜視図であり、
図5は、本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態の斜視図を用いて表される、螺旋圧縮部の使用説明図である。
【0014】
図6は、本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第2の実施形態の斜視図であり、
図7は
図6のII-II’線による断面図である。
【0015】
図8は、
図3において、遮蔽壁が追加された第1の実施形態の側面図であり、
図9は、インソールの下部に、本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態が結合した概略図であり、
図10は、インソールの上部に本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態を結合した概略図である。
【0016】
図1~
図5に示すように、弾性素材からなる複数の螺旋部材232が上板210と下板220とを連結する螺旋圧縮部230を靴100の靴底110に結合することにより、歩行者の靴100の下板220が地面に接触しながら歩行者の体重により螺旋圧縮部230が付勢されるとき、螺旋圧縮部230に螺旋運動が行われるようになる。
【0017】
螺旋部材232の螺旋方向に沿って回転の方向が決定され、例えば、螺旋部材232が上板210を基準として時計回り方向に螺旋回転するように形成されると、上板210は下板220を基準として時計回り方向に回転することになる。
【0018】
逆に、螺旋部材232が下板220を基準として反時計回りの螺旋回転するように形成されると、上板210および下板220を基準として反時計回りに回転することになる。
【0019】
図示されていないが、上板210と靴100の靴底110とは、互いに結合されるようにそれぞれ形成される凸部と凹部によりはめ込むか、あるいは強力な接着剤やボルトナット方式で結合可能であり、上板210と、インソール110とを一体に形成してもよい。
【0020】
歩行過程において、歩行者の左右両側の靴100の靴底110に結合された下板220が地面に当たりながら歩行者の体重が螺旋圧縮部230を付勢して誘導される螺旋圧縮部230の螺旋運動が上板210の回転を通じて左右の両側足に回転力を伝達し、この力は、足関節および膝関節を飛ばして右股関節の回転動作を誘発して、横方向に走行する左右両側の股関節外転筋と梨状筋と内閉鎖筋とを含む骨盤底筋の運動が行われるようになるので、続けられる歩行によって姿勢矯正運動とケーゲル体操が可能である。
【0021】
両側の靴100の螺旋部材232の螺旋回転方向が互いに反対になるようにすることで、両側の靴100で同時に内回転あるいは外回転運動が行われるようにすることができ、螺旋部材232の弾性、長さ、断面の増減などにより螺旋圧縮部230で発生する回転力の大きさを調節して筋力運動の強度を調節することができ、当然左右側靴の筋力運動の強度を同一又は異なるようにしてもよい。
【0022】
一つの螺旋圧縮部230を靴底110に結合してもよく、もしくは、複数の螺旋圧縮部230を靴底110に結合してもよい。
【0023】
図1~
図4に示すように、螺旋部材232の内側に位置し、下板220の上部に結合されて下板220の上向きに突出する案内部240を設けることによって、螺旋部材232の繰り返し付勢による圧縮方向の変形を防止することができ、図には示されていないが、案内部240が上板210の下向きに突出するようにすることもできる。
【0024】
図6は、本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第2の実施形態の斜視図であり、
図7は
図6のII-II’線による断面図である。
【0025】
図6および
図7に示すように、第2実施形態の螺旋圧縮部231は、側壁に、螺旋溝234が形成されている中空部233と、前記中空部233の前記螺旋溝234に沿って螺旋状に移動する突条236とが形成されており、下面と上面に、弾性部材237が結合される貫通部235を設け、前記中空部233と前記貫通部235は、前記上板211と前記下板221のいずれかにそれぞれ結合されることにより、螺旋圧縮部231の圧縮により上板211と下板221との間の回転力が発生するようにすることができ、前記弾性部材237は、前記貫通部235の上面と下面のうちのいずれか一方にのみ設けることも可能である。
【0026】
図8は、
図3において、遮蔽壁が追加された第1の実施形態の側面図であり、前記上板210と下板220のうちの少なくとも一つに結合されるように前記螺旋圧縮部230の外側に波板状に形成される遮蔽壁250を設けることにより、歩行中に地面の汚水からの汚染を遮断することができ、遮蔽壁250は、螺旋圧縮部230よりも弾性係数が小さい素材を用いることで、螺旋圧縮部230の圧縮を妨げないようにすることができる。
【0027】
本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置は、
図1~
図8に示すように、靴底やインソールに適用される以外に、スリッパ、靴下等のような足の各種保護手段にも適用可能である。
【0028】
図9は、インソールの下部に、本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態を結合した概略図であり、
図10は、内底の上部に本発明の姿勢矯正およびケーゲル体操装置の第1の実施形態を結合した概略図である。
【0029】
歩行動作中に靴100の内に敷くインソールに結合される螺旋圧縮部230に歩行者の体重が伝達されるようにすることにより、螺旋圧縮部230で発生する螺旋運動が、上板210の回転によって左右の両側足に回転力を伝達し、この力は、足関節および膝関節を飛ばして右股関節の回転動作を誘発して、横方向に走行する左右両側の股関節外転筋と梨状筋と内閉鎖筋とを含む骨盤底筋の運動が行われるようになるので、続けられる歩行によって姿勢矯正運動とケーゲル体操が可能である。
【0030】
前述のように本発明の好適な実施形態について説明したが、種々の変形例を本発明の範囲から逸脱することなく実施することができる。したがって、本発明の権利範囲は、前記実施形態に限定されず、本発明の特許請求の範囲及びその均等物の全ての技術は、本発明の権利範囲に属するもの解釈すべきである。
【符号の説明】
【0031】
100 靴
110 靴底
210 上板
211 上板
220 上板
221 下板
230 螺旋圧縮部
231 螺旋圧縮部
232 螺旋部材
233 中空部
234 螺旋溝
235 貫通部
236 突条
237 弾性部材
240 案内部
250 遮蔽壁
【国際調査報告】