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特表2024-520145時間源信号確定方法、装置、ネットワーク機器及び記憶媒体
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  • 特表-時間源信号確定方法、装置、ネットワーク機器及び記憶媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】時間源信号確定方法、装置、ネットワーク機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
H04L7/00 990
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574655
(86)(22)【出願日】2022-06-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 CN2022097053
(87)【国際公開番号】W WO2022253348
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110621328.5
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518389015
【氏名又は名称】中国移動通信有限公司研究院
【氏名又は名称原語表記】China Mobile Communication Co., Ltd Research Institute
【住所又は居所原語表記】32 Xuanwumen West Street, Xicheng District, Beijing 100053, China
(71)【出願人】
【識別番号】518301095
【氏名又は名称】中国移動通信集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】韓 柳燕
【テーマコード(参考)】
5K047
【Fターム(参考)】
5K047AA18
5K047BB01
(57)【要約】
本開示の実施例は、時間源信号確定方法、装置、ネットワーク機器及び記憶媒体を開示している。前記方法は、ネットワーク機器に適用されるものであり、前記方法は、少なくとも2つの時間源信号のデータセットであって、前記データセットには、時間源信号に対応する情報として、グランドマスタークロック識別子と、グランドマスタークロックの品質パラメータと、経路時間精度とのうち、少なくとも1つの情報が含まれる少なくとも2つの時間源信号のデータセットをそれぞれ取得することと、少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することとを含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク機器に適用される時間源信号確定方法であって、
少なくとも2つの時間源信号のデータセットであって、前記データセットには、時間源信号に対応する情報として、グランドマスタークロック識別子と、グランドマスタークロックの品質パラメータと、経路時間精度とのうち、少なくとも1つの情報が含まれる少なくとも2つの時間源信号のデータセットをそれぞれ取得することと、
少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することとを含む、時間源信号確定方法。
【請求項2】
上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、
少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロック識別子を比較し、もし前記グランドマスタークロック識別子が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較して、経路時間精度の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、
上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、
少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロック識別子を比較し、もし前記グランドマスタークロック識別子が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較することと、
もし前記経路時間精度が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経過した経路ホップ数を比較して、前記経過した経路ホップ数の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、
少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較して、前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質の優れた方の時間源信号であって、前記グランドマスタークロックが、利用可能なものである時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、
少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較し、もし前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質が同じであり、且つ前記少なくとも2つの時間源信号に対応するグランドマスタークロックが、何れも利用可能なものであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較して、経路時間精度の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、
上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、
少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較し、もし前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質が同じであり、且つ前記少なくとも2つの時間源信号に対応するグランドマスタークロックが、何れも利用可能なものであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較することと、
もし前記経路時間精度が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経過した経路ホップ数を比較して、前記経過した経路ホップ数の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
上述の少なくとも2つの時間源信号のデータセットをそれぞれ取得することは、
前記ネットワーク機器が、少なくとも2つの同期メッセージであって、各同期メッセージには、1つの時間源信号の情報が含まれる少なくとも2つの同期メッセージを受信し、前記時間源信号の情報に基づいて、前記時間源信号に対応するデータセットを取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、
もし2つの同期メッセージのうち、一方の同期メッセージには、前記経路時間精度に関連する情報が含まれ、他方の同期メッセージには、前記経路時間精度に関連する情報が含まれないのであれば、前記他方の同期メッセージに対応する前記経路時間精度は、前記経過した経路ホップ数に基づいた計算で得られる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記他方の同期メッセージに対応する前記経路時間精度は、前記経過した経路ホップ数と所定ノード精度との乗算で取得される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記グランドマスタークロックの品質パラメータは、
クロッククラスと、時間精度と、安定度と、優先度とのうち、少なくとも1つのパラメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記グランドマスタークロックの時間精度は、固定値又は瞬時値である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記経路時間精度は、
固定時間偏差と、
固定時間偏差及び動的時間偏差と、
固定時間偏差、動的時間偏差及びトランジェント時間変動量と、
最大時間偏差とのうち、1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
取得ユニット及び確定ユニットを含む時間源信号確定装置であって、
前記取得ユニットは、少なくとも2つの時間源信号のデータセットであって、前記データセットには、時間源信号に対応する情報として、グランドマスタークロック識別子と、グランドマスタークロックの品質パラメータと、経路時間精度とのうち、少なくとも1つの情報が含まれる少なくとも2つの時間源信号のデータセットをそれぞれ取得するように構成され、
前記確定ユニットは、少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定するように構成される、時間源信号確定装置。
【請求項14】
コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、当該プログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~12の何れか一項に記載の方法のステップが実現される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサ上で動作可能なコンピュータプログラムとを含むネットワーク機器であって、前記プロセッサによって前記プログラムが実行されると、請求項1~12の何れか一項に記載の方法のステップが実現される、ネットワーク機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、出願番号が202110621328.5であり、出願日が2021年6月3日である中国特許出願に基づいて出願されるものであり、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の内容の全ては、ここで援用により本開示に組み込まれる。
本開示は、通信の技術分野に関し、具体的に、時間源信号確定方法、装置、ネットワーク機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
5Gサービスの発展及び一部の特殊産業のニーズの高まりに伴い、ネットワークによる時間同期精度への要求は、ますます高くなっている。時間同期ネットワークについて、通常、ネットワークの上流には、時間信号を出力し、伝送ネットワークを介して時間信号を、同期を必要とされる各ノードに伝達する同期源サーバが備えられている。1つのノードが複数個の時間源信号を取得した場合、それらを比較して最も優れた時間源信号を選択する必要がある。
【0003】
現在、主にホップ数等の情報が比較され、最もホップ数の短いものが最も優れた時間源信号とされている。しかしながら、このような方式は、根拠が比較的単純であり、場合によっては、最もホップ数の短いものが最も優れた選択ではない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施例は、時間源信号確定方法、装置、ネットワーク機器及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例に係る技術案は、以下のように実現されている。
【0006】
本開示の実施例は、ネットワーク機器に適用される時間源信号確定方法であって、
少なくとも2つの時間源信号のデータセットであって、前記データセットには、時間源信号に対応する情報として、グランドマスタークロック識別子と、グランドマスタークロックの品質パラメータと、経路時間精度とのうち、少なくとも1つの情報が含まれる少なくとも2つの時間源信号のデータセットをそれぞれ取得することと、
少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することとを含む、時間源信号確定方法を提供している。
【0007】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、
少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロック識別子を比較し、もし前記グランドマスタークロック識別子が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較して、経路時間精度の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することを含む。
【0008】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、
上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、
少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロック識別子を比較し、もし前記グランドマスタークロック識別子が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較することと、
もし前記経路時間精度が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経過した経路ホップ数を比較して、前記経過した経路ホップ数の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することとを含む。
【0009】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、
少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較して、前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質の優れた方の時間源信号であって、前記グランドマスタークロックが、利用可能なものである時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することを含む。
【0010】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、
少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較し、もし前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質が同じであり、且つ前記少なくとも2つの時間源信号に対応するグランドマスタークロックが、何れも利用可能なものであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較して、経路時間精度の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することを含む。
【0011】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、
上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、
少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較し、もし前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質が同じであり、且つ前記少なくとも2つの時間源信号に対応するグランドマスタークロックが、何れも利用可能なものであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較することと、
もし前記経路時間精度が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経過した経路ホップ数を比較して、前記経過した経路ホップ数の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することとを含む。
【0012】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、上述の少なくとも2つの時間源信号のデータセットをそれぞれ取得することは、
前記ネットワーク機器が、少なくとも2つの同期メッセージであって、各同期メッセージには、1つの時間源信号の情報が含まれる少なくとも2つの同期メッセージを受信し、前記時間源信号の情報に基づいて、前記時間源信号に対応するデータセットを取得することを含む。
【0013】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、
もし2つの同期メッセージのうち、一方の同期メッセージには、前記経路時間精度に関連する情報が含まれ、他方の同期メッセージには、前記経路時間精度に関連する情報が含まれないのであれば、前記他方の同期メッセージに対応する前記経路時間精度は、前記経過した経路ホップ数に基づいた計算で得られる。
【0014】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記他方の同期メッセージに対応する前記経路時間精度は、前記経過した経路ホップ数と所定ノード精度との乗算で取得される。
【0015】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記グランドマスタークロックの品質パラメータは、
クロッククラスと、時間精度と、安定度と、優先度とのうち、少なくとも1つのパラメータを含む。
【0016】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記グランドマスタークロックの時間精度は、固定値又は瞬時値である。
【0017】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記経路時間精度は、
固定時間偏差と、
固定時間偏差及び動的時間偏差と、
固定時間偏差、動的時間偏差及びトランジェント時間変動量と、
最大時間偏差とのうち、1つを含む。
【0018】
本開示の実施例は、取得ユニット及び確定ユニットを含む時間源信号確定装置であって、
前記取得ユニットは、少なくとも2つの時間源信号のデータセットであって、前記データセットには、時間源信号に対応する情報として、グランドマスタークロック識別子と、グランドマスタークロックの品質パラメータと、経路時間精度とのうち、少なくとも1つの情報が含まれる少なくとも2つの時間源信号のデータセットをそれぞれ取得するように構成され、
前記確定ユニットは、少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定するように構成される、時間源信号確定装置を更に提供している。
【0019】
本開示の実施例は、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、当該プログラムがプロセッサによって実行されると、本開示の実施例に記載の方法のステップが実現される、コンピュータ可読記憶媒体を更に提供している。
【0020】
本開示の実施例は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサ上で動作可能なコンピュータプログラムとを含むネットワーク機器であって、前記プロセッサによって前記プログラムが実行されると、本開示の実施例に記載の方法のステップが実現される、ネットワーク機器を更に提供している。
【発明の効果】
【0021】
本開示の実施例に係る時間源信号確定方法、装置、ネットワーク機器及び記憶媒体によれば、ネットワーク機器により、少なくとも2つの時間源信号のデータセットであって、前記データセットには、時間源信号に対応する情報として、グランドマスタークロック識別子と、グランドマスタークロックの品質パラメータと、経路時間精度とのうち、少なくとも1つの情報が含まれる少なくとも2つの時間源信号のデータセットをそれぞれ取得し、少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定する。本開示の実施例に係る技術案を採用すれば、グランドマスタークロック識別子と、グランドマスタークロックの品質パラメータと、経路時間精度とのうち、少なくとも1つの情報に従って、より優れた時間源信号(又は優れた方の時間源信号)が確定され、より優れた時間源信号(又は優れた方の時間源信号)がより合理的に確定され、時間同期のニーズがより好適に満たされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の実施例に係る時間源信号確定方法のフロー模式図一である。
図2】本開示の実施例に係る時間源信号確定方法のフロー模式図二である。
図3】本開示の実施例に係る時間源信号確定方法のフロー模式図三である。
図4】本開示の実施例に係る時間源信号確定装置の構成構造模式図である。
図5】本開示の実施例に係るネットワーク機器のハードウェア構成構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面及び具体的な実施例を参照して、本開示を更に詳しく説明する。
【0024】
本開示の実施例は、時間源信号確定方法を提供している。図1は、本開示の実施例に係る時間源信号確定方法のフロー模式図一であり、図1に示すように、前記方法は、
少なくとも2つの時間源信号のデータセットであって、前記データセットには、時間源信号に対応する情報として、グランドマスタークロック識別子と、グランドマスタークロックの品質パラメータと、経路時間精度とのうち、少なくとも1つの情報が含まれる少なくとも2つの時間源信号のデータセットをそれぞれ取得するステップ101と、
少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定するステップ102とを含む。
【0025】
本実施例に係る時間源信号確定方法は、ネットワーク機器に適用されるものであり、前記ネットワーク機器は、時間同期を必要とする任意のネットワークノードであってもよく、例示的に、前記ネットワーク機器は、基地局であってもよいし、他のネットワーク機器であってもよいが、本実施例において、ネットワーク機器のタイプについて限定しない。
【0026】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、ステップ101については、即ち上述の少なくとも2つの時間源信号のデータセットをそれぞれ取得することは、前記ネットワーク機器が、少なくとも2つの同期メッセージであって、各同期メッセージには、1つの時間源信号の情報が含まれる少なくとも2つの同期メッセージを受信し、前記時間源信号の情報に基づいて、前記時間源信号に対応するデータセットを取得することを含む。
【0027】
本実施例において、各時間源信号は、1つの同期メッセージに対応し、各同期メッセージには、対応する時間源信号の情報がキャリーされており、ネットワーク機器は、各時間源信号の情報に従って、対応する時間源信号のデータセットを取得する。いくつかの例では、同期メッセージには、データセット内の情報が直接キャリーされていてもよく、例えば同期メッセージには、グランドマスタークロック識別子が直接キャリーされていてもよい。別のいくつかの例では、データセット内の情報は、同期メッセージにキャリーされている情報により計算で得る必要がある。例えば、経路時間精度は、固定時間偏差の元に動的時間偏差を加算することで得られる。
【0028】
いくつかの選択的な実施例において、前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、もし2つの同期メッセージのうち、一方の同期メッセージには、前記経路時間精度に関連する情報が含まれ、他方の同期メッセージには、前記経路時間精度に関連する情報が含まれないのであれば、前記他方の同期メッセージに対応する前記経路時間精度は、前記経過した経路ホップ数に基づいた計算で得られる。
【0029】
本実施例において、同期メッセージ中には、経過した経路ホップ数が更に含まれてもよく、前記経過した経路ホップ数は、同期メッセージが始めのノードから発されてからネットワーク機器に着くまでの間に経過したノードの数を示すものであってもよい。すると、2つの同期メッセージのうち、一方の同期メッセージには、前記経路時間精度に関連する情報が含まれるのであれば、ネットワーク機器は、前記経路時間精度に関連する情報に基づいて前記経路時間精度を確定可能であるが、他方の同期メッセージには、前記経路時間精度に関連する情報が含まれないのであれば、ネットワーク機器は、該当する経路時間精度を確定できなくなる。「経路時間精度」のような情報に対する比較を可能にするために、ネットワーク機器は、前記他方の同期メッセージに対応する経路時間精度を、他の情報に基づいて確定してもよく、具体的に、前記他方の同期メッセージに対応する前記経過した経路ホップ数に基づいた計算で得てもよい。
【0030】
選択的に、前記他方の同期メッセージに対応する前記経路時間精度は、前記経過した経路ホップ数と所定ノード精度との乗算で取得される。こうすれば、データセット内の情報に対する比較中に、経路時間精度に対する比較が可能となる。
【0031】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記グランドマスタークロック(GrandMaster)の品質パラメータは、クロッククラス(clockClass)と、時間精度(Accuracy)と、安定度(offsetScaledLogVariance)と、優先度(Priority)とのうち、少なくとも1つのパラメータを含む。
【0032】
いくつかの選択的な実施例において、前記グランドマスタークロックの時間精度は、固定値又は瞬時値である。そのうち、一例として、ネットワーク機器は、時間源信号に対応する、時間精度を示す固定値を予め取得してもよく、そのうち、異なる時間源信号に対応する前記固定値は、同じであってもよいし、異なってもよい。別の一例として、同期メッセージには、前記グランドマスタークロックの時間精度を示す関連情報(例えば固定値又は瞬時値)が含まれてもよい。すると、ネットワーク機器は、受信した同期メッセージによって、時間源信号に対応するグランドマスタークロックの時間精度(例えば固定値又は瞬時値)を確定可能となる。
【0033】
いくつかの選択的な実施例において、前記経路時間精度は、
固定時間偏差と、
固定時間偏差及び動的時間偏差と、
固定時間偏差、動的時間偏差及びトランジェント時間変動量と、
最大時間偏差とのうち、1つを含む。
【0034】
本実施例において、前記経路時間精度は、様々な方式で取得され得る。一実施形態としては、固定時間偏差によって経路時間精度が示される。例示的に、異なる時間源信号(又は異なるグランドマスタークロック)は、異なる固定時間偏差に対応してもよく、同期メッセージには、グランドマスタークロック識別子及び固定時間偏差がキャリーされてもよい。すると、ネットワーク機器は、同期メッセージを受信した後、同期メッセージからグランドマスタークロック識別子及び対応する固定時間偏差を取得し、当該固定時間偏差に基づいて、対応する経路時間精度を確定することが可能となる。別の一実施形態では、異なる時間源信号(又は異なるグランドマスタークロック)は、同じ又は異なる固定時間偏差に対応してもよく、また、異なる時間源信号(又は異なるグランドマスタークロック)は、同じ又は異なる動的時間偏差に対応してもよく、同期メッセージには、グランドマスタークロック識別子、固定時間偏差及び動的時間偏差がキャリーされてもよい。すると、ネットワーク機器は、同期メッセージを受信した後、同期メッセージからグランドマスタークロック識別子、対応する固定時間偏差及び動的時間偏差を取得し、1つの時間源信号に対応する固定時間偏差及び動的時間偏差に基づいて計算し、例えば固定時間偏差に動的時間偏差を加算して、経路時間精度を取得することが可能となる。さらなる一実施形態では、上記実施形態と同様に、ネットワーク機器は、同期メッセージからグランドマスタークロック識別子、対応する固定時間偏差、動的時間偏差及びトランジェント時間変動量を取得し、1つの時間源信号に対応する固定時間偏差、動的時間偏差及びトランジェント時間変動量に基づいて計算し、例えば固定時間偏差と動的時間偏差とトランジェント時間変動量とを加算して、経路時間精度を取得することが可能となる。更に別の一実施形態では、ネットワーク機器は、同じ時間源信号に対応する複数の同期メッセージを一定時間範囲内で受信してもよく、各同期メッセージには、時間偏差が含まれてもよく、複数の時間偏差から最大時間偏差を確定し、前記最大時間偏差に基づいて、対応する経路時間精度を確定してもよい。或いは、ネットワーク機器は、同期メッセージからグランドマスタークロック識別子及び対応する最大時間偏差を取得し、当該最大時間偏差に基づいて、対応する経路時間精度を確定してもよい。そのうち、上記の固定時間偏差、動的時間偏差、トランジェント時間変動量及び最大時間偏差は、何れも時間源信号の伝送中に、前記ネットワーク機器を除く他のノードで確定されて同期メッセージ内に追加されるものである。
【0035】
本開示の実施例に係る技術案では、ネットワーク機器により、グランドマスタークロック識別子と、グランドマスタークロックの品質パラメータと、経路時間精度とのうち、少なくとも1つの情報に基づいて、より優れた時間源信号(又は優れた方の時間源信号)が確定され、より優れた時間源信号(又は優れた方の時間源信号)がより合理的に確定され、時間同期のニーズがより好適に満たされる。
【0036】
ステップ102について、一実施形態としては、上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロック識別子を比較し、もし前記グランドマスタークロック識別子が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較して、経路時間精度の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することを含む。
【0037】
本実施例において、ネットワーク機器により、少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロック識別子が比較され、もし前記グランドマスタークロック識別子が同じであれば、同じグランドマスタークロックからのものであることを意味するため、更に経路時間精度が比較されて、経路時間精度の小さい方の時間源信号が、優れた方の時間源信号として確定される。
【0038】
ステップ102について、一実施形態としては、前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロック識別子を比較し、もし前記グランドマスタークロック識別子が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較することと、もし前記経路時間精度が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経過した経路ホップ数を比較して、前記経過した経路ホップ数の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することとを含む。
【0039】
ステップ102について、一実施形態としては、上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較して、前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質の優れた方の時間源信号であって、前記グランドマスタークロックが、利用可能なものである時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することを含む。
【0040】
本実施例において、前記グランドマスタークロックの品質パラメータには、クロッククラスと、時間精度と、安定度と、優先度とのうち、少なくとも1つのパラメータが含まれると、ネットワーク機器は、上記少なくとも1つのパラメータに基づいて、対応するグランドマスタークロックの品質を確定可能となる。いくつかの例では、上記の各パラメータの優先順位は、例えばクロッククラスの優先順位>時間精度の優先順位>安定度の優先順位>優先度の優先順位になるように予め設定されてもよい。すると、ネットワーク機器は、最初にクロッククラスを比較し、もし1つの時間源信号に対応するクロッククラスが、別の時間源信号に対応するクロッククラスよりも高ければ、前記1つの時間源信号によって表されるクロック品質が優れた方のものであると確定可能となる。別のいくつかの例では、各パラメータの重み係数を予め設定し、重み係数に基づいて上記パラメータを重み付け加算し、重み付け加算の結果に従ってクロック品質を確定してもよい。
【0041】
そのうち、例示的に、前記グランドマスタークロックが、利用可能なものであるとは、前記グランドマスタークロックに対応するクロッククラスがネットワーク機器の利用可能範囲内にあることを示す。
【0042】
ステップ102について、一実施形態としては、上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較し、もし前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質が同じであり、且つ前記少なくとも2つの時間源信号に対応するグランドマスタークロックが、何れも利用可能なものであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較して、経路時間精度の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することを含む。
【0043】
ステップ102について、一実施形態としては、前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、上述の少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定することは、少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較し、もし前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質が同じであり、且つ前記少なくとも2つの時間源信号に対応するグランドマスタークロックが、何れも利用可能なものであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較することと、もし前記経路時間精度が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経過した経路ホップ数を比較して、前記経過した経路ホップ数の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定することとを含む。
【0044】
以下、具体的な実施例を参照して本開示の実施例に係る時間源信号確定方法を説明する。
【0045】
例1
図2は、本開示の実施例に係る時間源信号確定方法のフロー模式図二であり、この例において、上記データセットには、グランドマスタークロック識別子、経路時間精度及び経過した経路ホップ数が含まれてもよい。図2に示すように、前記方法は、
時間源信号A及び時間源信号Bとそれぞれ仮定される2つの時間源信号のデータセットを比較するステップ201と、
もし2つのデータセット内のグランドマスタークロックの識別子が同じであれば、2つのデータセット内の経路時間精度を比較するステップ202と、
もし時間源信号Aに対応する経路時間精度が、時間源信号Bに対応する経路時間精度よりも小さければ、時間源信号Aを、優れた方の時間源信号として確定し、もし逆に時間源信号Bに対応する経路時間精度が、時間源信号Aに対応する経路時間精度よりも小さければ、時間源信号Bを、優れた方の時間源信号として確定するステップ203と、
もし2つの経路時間精度が同じであれば、2つのデータセット内の前記経過した経路ホップ数を比較するステップ204と、
もし時間源信号Aに対応する前記経過した経路ホップ数が、時間源信号Bに対応する前記経過した経路ホップ数よりも小さければ、時間源信号Aを、優れた方の時間源信号として確定し、もし逆に時間源信号Bに対応する前記経過した経路ホップ数が、時間源信号Aに対応する前記経過した経路ホップ数よりも小さければ、時間源信号Bを、優れた方の時間源信号として確定するステップ205とを含む。
【0046】
例2
図3は、本開示の実施例に係る時間源信号確定方法のフロー模式図三であり、この例において、上記データセットには、グランドマスタークロックの品質パラメータ、経路時間精度及び経過した経路ホップ数が含まれてもよい。図3に示すように、前記方法は、
それぞれ時間源信号A及び時間源信号Bと仮定される2つの時間源信号のグランドマスタークロックの品質パラメータを比較し、及びグランドマスタークロックが、利用可能なものであるかどうかを確定するステップ301と、
もし時間源信号Aに対応するグランドマスタークロックのクロック品質が、時間源信号Bに対応するグランドマスタークロックのクロック品質よりも優れており、且つ時間源信号Aに対応するグランドマスタークロックが、利用可能なものであれば、時間源信号Aを、優れた方の時間源信号として確定し、もし逆に時間源信号Bに対応するグランドマスタークロックのクロック品質が、時間源信号Aに対応するグランドマスタークロックのクロック品質よりも優れており、且つ時間源信号Bに対応するグランドマスタークロックが、利用可能なものであれば、時間源信号Bを、優れた方の時間源信号として確定するステップ302と、
もし2つのデータセット内のグランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるグランドマスタークロックの品質が同じであり、且つ2つの時間源信号に対応するグランドマスタークロックが、何れも利用可能なものであれば、2つのデータセット内の経路時間精度を比較するステップ303と、
もし時間源信号Aに対応する経路時間精度が、時間源信号Bに対応する経路時間精度よりも小さければ、時間源信号Aを、優れた方の時間源信号として確定し、もし逆に時間源信号Bに対応する経路時間精度が、時間源信号Aに対応する経路時間精度よりも小さければ、時間源信号Bを、優れた方の時間源信号として確定するステップ304と、
もし2つの経路時間精度が同じであれば、2つのデータセット内の前記経過した経路ホップ数を比較するステップ305と、
もし時間源信号Aに対応する前記経過した経路ホップ数が、時間源信号Bに対応する前記経過した経路ホップ数よりも小さければ、時間源信号Aを、優れた方の時間源信号として確定し、もし逆に時間源信号Bに対応する前記経過した経路ホップ数が、時間源信号Aに対応する前記経過した経路ホップ数よりも小さければ、時間源信号Bを、優れた方の時間源信号として確定するステップ306とを含む。
【0047】
本開示の実施例は、時間源信号確定装置を更に提供している。図4は、本開示の実施例に係る時間源信号確定装置の構成構造模式図であり、図4に示すように、前記装置は、取得ユニット41及び確定ユニット42を含み、
前記取得ユニット41は、少なくとも2つの時間源信号のデータセットであって、前記データセットには、時間源信号に対応する情報として、グランドマスタークロック識別子と、グランドマスタークロックの品質パラメータと、経路時間精度とのうち、少なくとも1つの情報が含まれる少なくとも2つの時間源信号のデータセットをそれぞれ取得するように構成され、
前記確定ユニット42は、少なくとも2つのデータセット内の前記少なくとも1つの情報を比較し、比較結果に基づいて、優れた方の時間源信号を確定するように構成される。
【0048】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記確定ユニット42は、少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロック識別子を比較し、もし前記グランドマスタークロック識別子が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較して、経路時間精度の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定するように構成される。
【0049】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、前記確定ユニット42は、少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロック識別子を比較し、もし前記グランドマスタークロック識別子が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較し、もし前記経路時間精度が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経過した経路ホップ数を比較して、前記経過した経路ホップ数の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定するように構成される。
【0050】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記確定ユニット42は、少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較して、前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質の優れた方の時間源信号であって、前記グランドマスタークロックが、利用可能なものである時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定するように構成される。
【0051】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記確定ユニット42は、少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較し、もし前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質が同じであり、且つ前記少なくとも2つの時間源信号に対応するグランドマスタークロックが、何れも利用可能なものであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較して、経路時間精度の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定するように構成される。
【0052】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、前記確定ユニット42は、少なくとも2つのデータセット内の前記グランドマスタークロックの品質パラメータを比較し、もし前記グランドマスタークロックの品質パラメータによって表されるクロック品質が同じであり、且つ前記少なくとも2つの時間源信号に対応するグランドマスタークロックが、何れも利用可能なものであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経路時間精度を比較し、もし前記経路時間精度が同じであれば、前記少なくとも2つのデータセット内の前記経過した経路ホップ数を比較して、前記経過した経路ホップ数の小さい方の時間源信号を、優れた方の時間源信号として確定するように構成される。
【0053】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記取得ユニット41は、少なくとも2つの同期メッセージであって、各同期メッセージには、1つの時間源信号の情報が含まれる少なくとも2つの同期メッセージを受信し、前記時間源信号の情報に基づいて、前記時間源信号に対応するデータセットを取得するように構成される。
【0054】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記データセットには、経過した経路ホップ数が更に含まれ、
もし2つの同期メッセージのうち、一方の同期メッセージには、前記経路時間精度に関連する情報が含まれ、他方の同期メッセージには、前記経路時間精度に関連する情報が含まれないのであれば、前記他方の同期メッセージに対応する前記経路時間精度は、前記経過した経路ホップ数に基づいた計算で得られる。
【0055】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記他方の同期メッセージに対応する前記経路時間精度は、前記経過した経路ホップ数と所定ノード精度との乗算で取得される。
【0056】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記グランドマスタークロックの品質パラメータは、クロッククラスと、時間精度と、安定度と、優先度とのうち、少なくとも1つのパラメータを含む。
【0057】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記グランドマスタークロックの時間精度は、固定値又は瞬時値である。
【0058】
本開示のいくつかの選択的な実施例において、前記経路時間精度は、
固定時間偏差と、
固定時間偏差及び動的時間偏差と、
固定時間偏差、動的時間偏差及びトランジェント時間変動量と、
最大時間偏差とのうち、1つを含む。
【0059】
本開示の実施例において、前記装置は、ネットワーク機器に適用されるものである。前記装置内の取得ユニット41及び確定ユニット42は、実際の応用では、中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)、デジタル信号プロセッサ(DSP、Digital Signal Processor)、マイクロコントローラユニット(MCU、Microcontroller Unit)又はプログラマブルゲートアレイ(FPGA、Field-Programmable Gate Array)によって実現可能である。
【0060】
説明すべきなのは、上記実施例による時間源信号確定装置について、時間源信号の確定を行うとき、上記各プログラムモジュールの分割を例にして説明しただけであり、実際の応用では、必要に応じて上記処理を異なるプログラムモジュールに配分して完成させることが可能であり、即ち、装置の内部構造を異なるプログラムモジュールに分割して、上記で説明された全て又は一部の処理を完成させてもよい。また、上記実施例による時間源信号確定装置は、時間源信号確定方法の実施例と同じ構想に属し、その具体的な実現手順の詳細については、方法の実施例を参照すればよく、ここで繰り返して述べない。
【0061】
本開示の実施例は、ネットワーク機器を更に提供している。図5は、本開示の実施例に係るネットワーク機器のハードウェア構成構造模式図であり、図5に示すように、前記ネットワーク機器は、メモリ52と、プロセッサ51と、メモリ52に記憶されてプロセッサ51上で動作可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサ51によって前記プログラムが実行されると、本開示の実施例に係る上記方法のステップが実現される。
【0062】
選択的に、ネットワーク機器は、1つ又は複数のネットワークインターフェース53を更に含んでもよい。理解できることに、ネットワーク機器内の各コンポーネントは、バスシステム54を介して結合される。理解できることに、バスシステム54は、これらのコンポーネントの間の接続通信を実現するためのものである。バスシステム54は、データバスに加え、電源バス、制御バス及び状態信号バスを含むが、説明を明確にするために、図5では、各種のバスを全てバスシステム54として示している。
【0063】
理解できることに、メモリ52は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよいし、揮発性メモリと不揮発性メモリとの両方を含んでもよい。そのうち、不揮発性メモリは、読取専用メモリ(ROM、Read Only Memory)、プログラマブル読取専用メモリ(PROM、Programmable Read-Only Memory)、消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EPROM、Erasable Programmable Read-Only Memory)、電気的に消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EEPROM、Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、磁気ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標)、ferromagnetic random access memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、磁気表面メモリ、光ディスク、又は読取専用光ディスク(CD-ROM、Compact Disc Read-Only Memory)であってもよく、磁気表面メモリは、磁気ディスクメモリ又は磁気テープメモリであってもよい。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)であってもよく、外部高速キャッシュとして用いられる。例示的に説明すると、例えば静的ランダムアクセスメモリ(SRAM、Static Random Access Memory)、同期静的ランダムアクセスメモリ(SSRAM、Synchronous Static Random Access Memory)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM、Dynamic Random Access Memory)、同期動的ランダムアクセスメモリ(SDRAM、Synchronous Dynamic Random Access Memory)、ダブルデータレート同期動的ランダムアクセスメモリ(DDRSDRAM、Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)、拡張同期動的ランダムアクセスメモリ(ESDRAM、Enhanced Synchronous Dynamic Random Access Memory)、同期接続動的ランダムアクセスメモリ(SLDRAM、SyncLink Dynamic Random Access Memory)、ダイレクトメモリバスランダムアクセスメモリ(DRRAM、Direct Rambus Random Access Memory)のような様々なRAMが利用可能であるが、これらに限定されない。本開示の実施例に記載のメモリ52は、これら及び任意の他の適合タイプのメモリを含むが、限定されるものではない。
【0064】
上記本開示の実施例に開示の方法は、プロセッサ51に適用されるか、又はプロセッサ51によって実現されることが可能である。プロセッサ51は、信号の処理能力を有する集積回路チップであり得る。実現の際、上記方法の各ステップは、プロセッサ51内のハードウェアである集積論理回路又はソフトウェア形式の命令によって完成可能である。上記のプロセッサ51は、汎用プロセッサ、DSP、又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネント等であってもよい。プロセッサ51は、本開示の実施例に開示の各方法、ステップ及びロジックブロック図を実現又は実行可能である。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサや、任意の常用的なプロセッサ等であってもよい。本開示の実施例に開示の方法のステップとの結合は、直接具現化として、ハードウェアデコーダプロセッサによる実行で完成されてもよいし、又は、デコーダプロセッサ内のハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせによる実行で完成されてもよい。ソフトウェアモジュールは、記憶媒体内に位置してもよく、当該記憶媒体は、メモリ52にあり、プロセッサ51は、メモリ52内の情報を読み取み、そのハードウェアと組み合わせて前述した方法のステップを完成させる。
【0065】
例示的な実施例において、ネットワーク機器は、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC、Application Specific Integrated Circuit)、DSP、プログラマブルロジックデバイス(PLD、Programmable Logic Device)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD、Complex Programmable Logic Device)、FPGA、汎用プロセッサ、コントローラ、MCU、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、又は他の電子部品によって実現され、前述した方法を実行するように構成されてもよい。
【0066】
例示的な実施例において、本開示の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を更に提供しており、一例として、コンピュータプログラムを含むメモリ52であり、上記コンピュータプログラムは、前述した方法に記載のステップが完成されるように、ネットワーク機器のプロセッサ51によって実行されることが可能である。コンピュータ可読記憶媒体は、FRAM(登録商標)、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、Flash Memory、磁気表面メモリ、光ディスク、又はCD-ROM等のメモリであってもよいし、上記メモリの1つ又は任意の組み合わせを含む様々な機器であってもよい。
【0067】
本開示の実施例によるコンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、当該プログラムがプロセッサによって実行されると、本開示の実施例に係る上記方法のステップが実現される。
【0068】
本願によるいくつかの方法実施例で掲示された方法は、衝突しない限り、任意に組み合わせて新しい方法実施例を得ることが可能である。
【0069】
本願によるいくつかの製品実施例で掲示された特徴は、衝突しない限り、任意に組み合わせて新しい製品実施例を得ることが可能である。
【0070】
本願によるいくつかの方法又は機器実施例で掲示された特徴は、衝突しない限り、任意に組み合わせて新しい方法実施例又は機器実施例を得ることが可能である。
【0071】
本願によるいくつかの実施例において、開示された機器及び方法が他の方式で実現され得ることを理解されたい。例えば、上記で説明した機器実施例は、例示的なものに過ぎない。例えば、前記ユニットの分割は、論理機能での分割に過ぎず、実際の実現のとき、他の分割方式もあり得る。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、別のシステムに組み込まれるか、又は統合されてもよいし、いくつかの特徴が無視されるか、或いは実装されなくてもよい。さらに、掲示又は説明した各構成部分の相互結合、直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェースを介していてもよい。機器間又はユニット間の間接結合又は通信接続は、電気的な形態、機械的な形態、又は他の形態であってもよい。
【0072】
別個の部品として説明した上記ユニットは、物理的に分離されていても、そうでなくてもよく、ユニットとして掲示した部品は、物理的なユニットであっても、そうでなくてもよく、即ち、同じ場所に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。本実施例に係る技術案の目的を達成するために、実際のニーズに応じて、一部又は全てのユニットを選択すればよい。
【0073】
また、本開示の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されていてもよいし、各ユニットは、それぞれ、個別ユニットとされてもよく、2つ以上のユニットは、1つのユニットに統合されてもよい。上記統合されたユニットは、ハードウェアの形態で実現してもよいし、ハードウェアにソフトウェア機能ユニットを加える形態で実現してもよい。
【0074】
当業者であれば理解できるように、上記方法実施例の全て又は一部のステップは、関連ハードウェアに指示するプログラムによって実現されてもよい。上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよい。当該プログラムが実行されると、上記方法実施例のステップが実行される。前述した記憶媒体は、リムーバブルストレージデバイス、読取専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、光ディスクなど、プログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0075】
又は、本開示における上記統合されたユニットは、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本開示の実施例に係る技術案の本質的部分、又は関連技術に対する貢献をもたらす部分は、ソフトウェア製品の形で具現化することができる。当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本開示の各実施例に記載の方法における全て又は一部を、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器であり得る)に実行させるためのいくつかの命令を含む。前述した記憶媒体は、リムーバブルストレージデバイス、ROM、RAM、磁気ディスク、光ディスクなど、プログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0076】
上述したのは、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、これに限定されない。当業者であれば、本開示に記載の技術的範囲内で、変形や置換を容易に想到できるが、これらの変形や置換は、全て本開示の保護範囲内とされるべきである。従って、本開示の保護範囲は、添付された特許請求の範囲に従うべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】