(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】低地球温暖化性冷媒混合物
(51)【国際特許分類】
C09K 5/04 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
C09K5/04 F ZAB
C09K5/04 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574792
(86)(22)【出願日】2022-06-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2022065306
(87)【国際公開番号】W WO2022258558
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503219606
【氏名又は名称】アールピーエル ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】プール ジョン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】パウエル リチャード ルウェリン
(57)【要約】
次の成分を含む冷媒組成物:二酸化炭素 1~7%、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)-1234ze(E) 70~97%、HFC-227ea 2~16%、および0~27%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分。成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分を含む冷媒組成物:
二酸化炭素 1~7%、
ハイドロフルオロオレフィン(HFO)-1234ze(E) 70~97%、
HFC-227ea 2~16%、および
0~27%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【請求項2】
ASHRAEによるA1の安全分類を有する、請求項1に記載の冷媒組成物。
【請求項3】
100年の累積時間期間で500の最大地球温暖化係数を有する、請求項1または2に記載の冷媒組成物。
【請求項4】
下記成分を含む、請求項1に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 1~6%、
R1234ze(E) 75~95%、
R227ea 5~15%、および
0~19%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【請求項5】
下記成分を含む、請求項4に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 2~6%、
R1234ze(E) 77~94%、
R227ea 5~13%、および
0~16%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【請求項6】
下記成分を含む、請求項5に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 2~6%、
R1234ze(E) 80~93%、
R227ea 7~13%、および
0~11%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【請求項7】
下記成分を含む、請求項6に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 2~5%、
R1234ze(E) 80~93%、
R227ea 7~12%、および
0~11%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【請求項8】
下記成分を含む、請求項1に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 1~3.5%、
ハイドロフルオロオレフィン(HFO)-1234ze 75~93%、
HFC-227ea 7~12%、
HFC-32 1~5%、
HFC-125 1~5%、
HFC-134a 1~5%、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【請求項9】
下記成分を含む、請求項1に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 3~6%、
R1234ze(E) 89~90%、
R227ea 7~13%、
0~1%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【請求項10】
下記成分を含む、請求項1に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 3~6%、
R1234ze(E) 81~89%、
R227ea 8~13%、
0~8%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【請求項11】
下記成分からなる、請求項1に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 3.5%、
R1234ze(E) 88.5%、
R227ea 8%。
【請求項12】
下記成分からなる、請求項1に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 5%、
R1234ze(E) 87%、
R227ea 8%。
【請求項13】
下記成分からなる、請求項1に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 5%、
R1234ze(E) 86%、
R227ea 9%。
【請求項14】
下記成分からなる、請求項1に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 5%、
R1234ze(E) 85%、
R227ea 10%。
【請求項15】
下記成分からなる、請求項1に記載の冷媒組成物:
R125 3%、
二酸化炭素 2%、
R1234ze(E) 81%、
R227ea 11%、
R32 3%。
【請求項16】
下記成分からなる、請求項1に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 3.5%、
R1234ze 84.5%、
R227ea 12%。
【請求項17】
下記成分からなる、請求項1に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 2%、
R1234ze 82%、
R227ea 6%、
R125 3%、
R32 2%、
R134a 5%。
【請求項18】
下記成分からなる、請求項1に記載の冷媒組成物:
二酸化炭素 1%、
R1234ze 83%、
R227ea 6%、
R125 2%、
R32 3%、
R134a 5%。
【請求項19】
R134aのための増量剤としての、請求項1~18のいずれか1項に記載の冷媒組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕事の投入によって、より低い温度からより高い温度に熱をポンピングするように設計された熱ポンプにおいて使用することができる冷媒組成物に関する。そのようなデバイスは、より低い温度を生成することを意図される場合、それらは、典型的には冷却機または空調機と呼ばれる。それらは、より高い温度を生成することが意図される場合、それらは典型的にはヒートポンプと呼ばれる。同じ装置は、使用者の要求に応じて加熱または冷却を供給することができる。この種の熱ポンプは、可逆的ヒートポンプまたは可逆的エアコンと呼ばれることがある。
【背景技術】
【0002】
HFC-134aは、CFC-12の非オゾン層破壊、不燃性、低毒性の代替品として導入された。それは、移動式空調、中温冷凍および冷却装置を含む主要な用途のための効率的な冷媒であることが証明されている。しかしながら、フッ素化冷媒の地球温暖化への寄与に対する懸念が高まっているので、EUおよび他の地域は、地球温暖化係数(GWP)割当量および/または税を課して、過度に高いGWPを有すると考えられるフッ素化冷媒の利用可能性を徐々に減少させている。
【0003】
本明細書において、地球温暖化係数(GWP)の数値は、気候変動に関する政府間パネル第4次評価報告書(AR4)に含まれる100年の累積時間期間(ITH:Integrated Time Horizon)でのものを指す。
【0004】
漸進的に厳しい年間GWP割当量を課すことによってHFCの段階的削減を推進することは、2つの重要な結果をもたらす。第1に、既存の機器を修理し、新しい機器を充填するために利用可能なこれらの冷媒の不足は、冷凍および空調産業を混乱させることになる。第2に、供給が需要を満たすことができなくなるにつれ、残りの冷媒の価格は急速に上昇する。代替冷媒がないと、例えばスーパーマーケットでの食品保存や病院での空調のための重要な機器が、恐ろしい社会的影響を伴って機能を停止することがある。欧州のGWP割当量は、GWPの高い冷媒混合物であるR404A/R507A(低温、スーパーマーケット冷凍)とR410A(室内空調)に特に当てられているが、HFC-134aは、R404A/507aよりも低いGWPを有するものの、GWPはかなり大きい。この比較的高いGWPのために、EUでは、HFC-134aの新車用エアコンへの使用は段階的に廃止されている。しかし、EUの新車においてR134aと代替されるHFO-1234yfは、ASHRAE規格によればA2Lの安全分類で可燃性があり、既存のシステムではR134aへの後入れは許可されていない。本発明は、既存の車両におけるR134aを、100~500の間の実質的に低減されたGWPに置き換えることができる。
【0005】
1430のより低いGWPを有するHFC-134aは、あまり悪影響を受けないと考えられるかもしれない。しかし、この見解はあまりに単純すぎる。HFC-134aをGWPのより低い製品に置き換えることにより、R404A、特にGWPのより低い不燃性(ASHRAE規格34による)の代替品がないR410Aの割当枠が空く。したがって、R134Aのより低いGWP代替品は、冷凍および空調産業が支援する重要なサービスを中断することなく、彼らがHFCの段階的廃止をより良く管理することを可能にする。
【0006】
したがって、本発明は低GWP混合物に関するものであり、これは特に、限定するものではないが、既存の冷凍および空調システムにおけるHFC-134aのための後入れ代替品であり、市場需要に十分な量の冷媒を供給し、使用者のコストを最小限に抑えながら、それらの継続的な運営を保証するものである。また、混合物は、成層圏オゾンに悪影響を及ぼさず、すなわち、オゾン破壊係数はゼロである。本明細書において、「後入れ」とは、既存のユニットにおけるHFC-134a装入物の本質的に完全な交換を指す。
【発明の概要】
【0007】
本発明によれば、冷媒組成物は、
二酸化炭素 1~7%、
ハイドロフルオロオレフィン(HFO)-1234ze 70~97%、
HFC-227ea 2~16%、および
0~27%の任意成分であって、HFC-32、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分を含み、
成分のパーセンテージは質量基準であり、合計で100%となる範囲から選択される。
【0008】
実施形態において、1つ以上の任意の成分の最小量は、0.6%、好ましくは約1%であり得る。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、任意選択の成分を含む列挙された成分から本質的になり、その結果、任意の追加の成分または不純物は冷媒組成物の本質的な特性に影響を及ぼすのに十分な程度まで存在しない。
【0010】
特に好ましい実施形態はさらなる成分が存在しないように、列挙された成分からなる。
【0011】
好ましい組成物は、500未満、より好ましくは300未満の直接GWPを有する。
【0012】
本発明の組成物は、冷媒設備においてHFC-134aを置き換えることができる。
【0013】
この発明は、これに限定されないが、特に、100~500のGWP、すなわちHFC-134aよりも著しく低いGWPを有し、A1(低毒性/不燃性)のASHRAE安全分類を有し、HFC-134aに少なくとも匹敵するエネルギー効率および冷却能力を有し、45℃の平均凝縮温度でHFC-134aよりも2バールを超えて大きくない最高作動圧力を有する冷媒組成物に関する。現行の機器では、物理的な変更を行う余地がほとんどない場合、不燃性(A1)は必須である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、具体的には二酸化炭素、HFO-1234ze(E)およびHFC-227eaならびに任意にHFC-32、HFC-134aおよびHFC-125を含む組成物に関する。これらの組成物は、HFC-134aの低毒性かつ不燃性の後入れ代替品を配合するために適切な蒸気圧を組み合わせることができる。本発明は、不燃性成分:二酸化炭素、HFC-125およびHFC-227eaの存在によって、HFO-1234ze(E)およびHFC-32の可燃性を抑制することができる組成物を提供することができる。逆に、HFC-125およびHFC-227eaの比較的高いGWPおよびHFC-32の中程度のGWPは、二酸化炭素およびHFOの非常に低いGWPによって相殺され得る。
【0015】
本発明の例示的な実施形態は、HFC-134aの圧力で機器が動作を継続することを可能にする後入れ冷媒組成物を提供することであり、これにより、既存の機器を点検するため、かつHFC量が徐々に減少することにつれて新しい機器を充填するために、十分な量の代替冷媒を確保することができる。これは、500を超えないGWPを有する組成物で達成することができる。EUのGWP割当量の削減により、本明細書に開示された組成物に適切な自由度を得ることができ、それらの熱力学的特性および可燃性特性により、ほとんどまたは全く変更せずに、HFC-134a機器の既存の設計に後入れすることが可能となり、機器の所有者に対する費用を最小限にする。
【0016】
炭化水素、アンモニアおよび二酸化炭素は、冷凍および空調システムのための技術的に実現可能な冷媒であり、HFCよりもかなり低いGWPを有するが、それらは特にスーパーマーケットなどの公共領域において、それらの一般的な使用に対して作用する固有の欠点を有するので、HFC-134aの直接的な代替品ではない。高い可燃性の炭化水素は、低エネルギー効率かつ高コストの二次冷却回路と組み合わせてのみ安全に使用することができ、または、それらを使用することができる最大冷却負荷を厳しく制限する少量の充填でしか使用することができない。このような安全対策を講じた場合でも、炭化水素系冷媒は建物の損傷、負傷、死亡を引き起こしている。二酸化炭素は、大気への排熱を可能にするために、システムの高圧側で超臨界状態で使用されなければならない。圧力は多くの場合100バールを超え、これもまた、従来のHFC-134aシステムと比較して、エネルギーペナルティおよび著しく高い資本コストをもたらす。アンモニアは著しく有毒であり、工業用冷蔵設備からの漏れは、定期的に死亡および負傷を引き起こす。これらの不都合な特性のために、炭化水素、アンモニアおよび二酸化炭素は、既存のHFC-134aユニットに後入れすることができない。
【0017】
HFC-134aを含む高GWPのHFCの入手可能性は、モントリオール議定書のキガリ改正の批准後、EUのF-Gas規則および同様の法律によって世界的に制約されるようになるので、既存の機器にサービスを提供するためには、これらの冷媒の量は不充分となるであろう。本発明の別の実施形態では驚くべきことに、本発明者らは、HFC-134a含有ユニットを年間サービスで補充するために、GWPが500未満である本明細書で特許請求される組成物を使用することもできることを見出した。有利なことに、性能の変化は最小限に抑えられるが、それは残余HFC-134aが得られる混合物中の依然として主要な成分であり、したがって、商業用冷蔵ユニットが典型的には毎年その冷媒充填量の5~20%を失っているにもかかわらず、機器が少なくとも5年間動作し続けることを可能にする。多くの国では違法ではないが、機器内での異なる冷媒の混合は現在一般的には容認されていない。しかし、高い税金とHFCの利用可能性の減少のために冷媒費用が上昇するので、トッピングは経済的に魅力的になる。このように使用される場合、すなわち、HFC-134a充填物全体を置き換え、それらが「後入れ」と称される場合ではなく、その充填物を部分的に置き換えるために使用される場合、混合物は「増量剤」と称され得る。本発明のさらなる実施形態は、500未満、好ましくは300未満のGWPを有する増量剤を提供し得る。したがって、これらの新規な組成物の利用可能性は既存の設備の継続的な使用を可能にし、それによって、まだ機能している機器を早期に交換するための高コストを回避する。
【0018】
HFC-227eaは、3220の比較的高いGWPを有するが、不燃性であり、HFO-1234ze(E)と共蒸留する傾向があり、したがって、不燃性混合物の配合を可能にする。しかしながら、不燃性に必要な量を超えてより多くのHFC-227eaを添加すると、混合物のGWPが増加し、これは本発明の目的に反する。さらに、HFC-227eaおよびHFO-1234ze(E)の混合物は、R134aよりも高い沸点を有し、したがって蒸気圧が低いため、R134aの代替とするには吸入比容量が低すぎる可能性がある。二酸化炭素は、混合物の蒸気圧、ひいてはそれらの容量を増加させ、また不燃性を維持する。しかしながら、6%を超える、例えば7%を超える二酸化炭素を含有する混合物は高い凝縮圧力を有し、したがって、HFC-134a用に設計された機器の圧力定格を超えるため、代替品としては適していない。これらの混合物はまた、HFC-134aと比較して、より高い平均凝縮圧力およびより低い平均蒸発温度で動作することによってのみ適応することができる大きな温度グライド(temperature glide)を有し、より低いエネルギー効率をもたらす。
【0019】
HCFC-32は二酸化炭素の一部の代わりに使用して、混合物中の温度を低下させる一方で、より高い容量を提供することができるが、これは第2の可燃性成分を導入する。HFC-32の可燃性は、ほぼ同様の質量のHFC-125を含むことによっても抑制することができる。しかし、両方の成分は有意なGWPを有するので、添加されるそれぞれの量は6%を超えてはならない。
【0020】
本発明の実施形態は、HFC-134aを置換することができる冷媒組成物を提供し、次の成分を含む:
二酸化炭素 1~6%、
R1234ze(E) 75~95%、
R227ea 5~15%、および
0~19%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【0021】
本発明の別の実施形態は、下記成分を含む冷媒組成物を提供する:
二酸化炭素 2~6%、
R1234ze(E) 77~94%、
R227ea 5~13%、および
0~16%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【0022】
本発明の特に好ましい実施形態は、下記成分を含む冷媒組成物を提供する:
二酸化炭素 2~6%、
R1234ze(E) 80~93%、
R227ea 7~13%、および
0~11%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【0023】
本発明の例示的実施形態は、下記成分を含む冷媒組成物を提供する:
二酸化炭素 2~5%、
R1234ze(E) 80~93%、
R227ea 7~12%、および
0~11%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【0024】
さらなる例示的な組成物は下記成分を含む:
二酸化炭素 2~6%、
ハイドロフルオロオレフィン(HFO)-1234ze 80~95%、
HFC-227ea 7~14%、および
0~11%の任意成分であって、HFC-32、HFC-134a、R125およびそれらの混合物からなる群から選択される任意成分、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【0025】
本発明の好ましい組成物は、500未満、好ましくは300未満の直接GWPを有する。
【0026】
さらなる例示的な組成物は下記成分を含む:
二酸化炭素 3~6%、
ハイドロフルオロオレフィン(HFO)-1234ze 89~90%、
HFC-227ea 7~13%、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【0027】
さらなる例示的な組成物は下記成分を含む:
二酸化炭素 3~6%、
ハイドロフルオロオレフィン(HFO)-1234ze 81~89%、
HFC-227ea 8~13%、
ここで、成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【0028】
300を上回るが500を下回るGWPを犠牲にして小さいグライドが好ましい用途の場合、組成物は下記成分を含む:
二酸化炭素 1~3.5%、
ハイドロフルオロオレフィン(HFO)-1234ze 75~93%、
HFC-227ea 7~12%、
HFC-32 1~5%、
HFC-125 1~5%、
HFC-134a 1~5%、
ここで、任意成分を含む成分のパーセンテージは質量基準であり、合計100%となる範囲から選択される。
【0029】
例示的な組成物は、下記成分からなる。
(a) 二酸化炭素 3.5%
R1234ze(E) 88.5%
R227ea 8%
(b) 二酸化炭素 5%
R1234ze(E) 87%
R227ea 8%
(c) 二酸化炭素 5%
R1234ze(E) 86%
R227ea 9%
(d) 二酸化炭素 5%
R1234ze(E) 85%
R227ea 10%
(e) R125 3%
R1234ze(E) 83%
R227ea 11%
R32 3%
(f) R125 3%
二酸化炭素 2%
R1234ze(E) 81%
R227ea 11%
R32 3%
(g) 二酸化炭素 3.5%
R1234ze 84.5%
R227ea 12%
(h) 二酸化炭素 2%
R1234ze 82%
R227ea 6%
R125 3%
R32 2%
R134a 5%
(i) 二酸化炭素 1%
R1234ze 83%
R227ea 6%
R125 2%
R32 3%
R134a 5%
(j) 二酸化炭素 5%
R1234ze 86%
R227ea 9%
(k) 二酸化炭素 5%
R1234ze 85%
R227ea 10%
(l) 二酸化炭素 5%
R1234ze 84%
R227ea 11%
【0030】
好ましい組成物は、500未満、より好ましくは300未満の直接GWPを有する。
【0031】
本発明の主題である各混合物は、酸素含有油、例えば、ポリオールエステル(POE)もしくはポリアルキレンオキシド(PAO)によって、または炭化水素潤滑剤と50%までの混合油、例えば、鉱油、アルキルベンゼンもしくはポリα-オレフィンによって潤滑される熱ポンプにおいて使用され得る。
【0032】
本明細書において言及されるパーセンテージおよび量は別段の指示がない限り、質量基準であり、合計100%となる任意の範囲から選択される。
【0033】
以下の実施例を参考にして、限定的な意味ではなく、実施例を用いて本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0034】
実施例1
比較例として、HFC-134aを含み、密閉圧縮機を用いてランキンサイクルで動作する空調ユニットを、NISTのREFPROP10.0データベースに基づくサイクルを用いてモデル化した。サイクル入力パラメータは以下の通りであった。
凝縮温度 45℃
液体過冷却 5K
蒸発温度 7℃
吸入過熱 5K
圧縮機の等エントロピー効率 0.75
モータ効率 0.9
結果を表1aの列1にまとめた。
【0035】
実施例2
実施例1の空調ユニットにおけるHFC-134aの後入れ代替品も、HFC-134aの場合と同じ動作条件下でモデル化した。それらの組成を表1aおよび表1bの列2~6に示す。全ての混合物はゼオトロピック(zeotropic)であるので、それぞれの中点の凝縮温度と蒸発温度、それぞれ45℃および7℃を選択し、HFC-134aとの現実的な比較を行った。主要な運転パラメータ、エネルギー効率(すなわち、性能係数、COP)、吸入比容積(冷却能力の尺度)および圧縮機の排出温度はHFC-134aのものと同様であり、混合物が許容可能な後入れ代替品であることを示した。さらに、それらの質量流量はHFC-134aのものと同様であり、したがって、配管工事の変更は必要とされない。
【0036】
実施例3
比較例として、HFC-134aを含み、オープンコンプレッサを有するランキンサイクルで動作するモバイル空調(MAC)ユニットを、NISTのREFPROP10.0データベースに基づくサイクルを用いてモデル化した。サイクル入力パラメータは以下の通りであった。
凝縮温度 45℃
液体過冷却 5K
蒸発温度 7℃
吸入過熱 5K
圧縮機の等エントロピー効率 0.75
結果を表2にまとめた。
【0037】
実施例4
実施例3のMACユニットにおけるHFC-134aの後入れ代替品も、HFC-134aの場合と同じ操作条件下でモデル化した。それらの組成を、表3a~3eの列1~18、表4の列1~4、ならびに表5aおよび表5bの列1~8に示す。全ての混合物はゼオトロピックであるので、それぞれの中点の凝縮温度と蒸発温度、それぞれ45℃および7℃を選択し、HFC-134aとの現実的な比較を行った。主要な運転パラメータ、エネルギー効率(すなわち、性能係数、COP)、吸入比容積(冷却能力の尺度)および圧縮機の排出温度はHFC-134aのものと同様であり、混合物が許容可能な後入れ代替品であることを示した。さらに、それらの質量流量はHFC-134aのものと同様であり、したがって、配管工事の変更は必要とされない。
【0038】
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【国際調査報告】