(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】安全診断対象建築物における亀裂線に対する連続撮影画像を用いた亀裂線長演算方法及びその方法を実行させるプログラムがインストールされた作業者端末
(51)【国際特許分類】
G01M 99/00 20110101AFI20240514BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575438
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 KR2022004770
(87)【国際公開番号】W WO2022260256
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0073694
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523041447
【氏名又は名称】ハンスタイル エンジニアリング カンパニーリミティッド
【氏名又は名称原語表記】HANSTYLE ENGINEERING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Yangjae-dong, Sebang Building)#1, 4th Fl, 135-4, Yangjaecheon-ro, Seocho-gu, Seoul 06747 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100114498
【氏名又は名称】井出 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100222243
【氏名又は名称】庄野 友彬
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ダ ウン
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AD34
2G024BA21
2G024BA24
2G024CA22
2G024FA15
(57)【要約】
安全診断対象建築物における亀裂線に対する連続撮影画像を用いた亀裂線長演算方法、及び安全診断対象建築物における亀裂線に対する連続撮影画像を用いた亀裂線長演算方法を実行させるプログラムがインストールされた作業者端末が開示される。本発明は、作業者端末が、作業者が撮影を進める空間である撮影空間内の点検対象部位にある亀裂線に沿って移動しながら連続撮影した撮影画像を分析することで、亀裂線の形状情報を生成し、亀裂線の形状情報に基づいて亀裂線の長さを演算する過程を通じて実現される。本発明によれば、作業者端末が点検対象部位の亀裂線に対して連続撮影した近接撮影画像を分析することで、亀裂線の形状情報を非常に精密に生成することができるようになり、このように生成された亀裂線の形状情報に基づいて亀裂線の長さを演算することで、非常に正確に亀裂線の長さを算出できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)作業者端末が、作業者が撮影を進める空間である撮影空間内の点検対象部位にある亀裂線を移動しながら連続撮影した撮影画像を分析することで、前記亀裂線の形状情報を生成するステップ;及び
(b)前記作業者端末が、前記亀裂線の形状情報に基づいて前記亀裂線の長さを演算するステップを含むことを特徴とする安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法。
【請求項2】
前記(a)ステップの前に、
前記作業者端末が、前記作業者端末が前記亀裂線に沿って移動しながら連続撮影する間に、前記点検対象部位から前記作業者端末の離間距離を連続的に測定するステップを更に含むことを特徴とする請求項1記載の安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の前記安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法を実行させるプログラムがインストールされた作業者端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は安全診断対象建築物における亀裂線に対する連続撮影画像を用いた亀裂線長演算方法及び安全診断対象建築物における亀裂線に対する連続撮影画像を用いた亀裂線長演算方法を実行させるプログラムがインストールされた作業者端末に関するものであり、より詳細には、作業者端末が点検対象部位の亀裂線に対して連続撮影した近接撮影画像を分析することで、亀裂線の形状情報を非常に精密に生成することができるようになり、このように生成された亀裂線の形状情報に基づいて亀裂線の長さを演算することで、非常に正確に亀裂線の長さを算出できるようにする安全診断対象建築物における亀裂線に対する連続撮影画像を用いた亀裂線長演算方法、及び安全診断対象建築物における亀裂線に対する連続撮影画像を用いた亀裂線長演算方法を実行させるプログラムがインストールされた作業者端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、亀裂発生などの建物老朽化に伴う安全診断を行うために、安全診断対象建築物に訪問した作業者は当該建築物の内部を移動しながら壁体、柱、スラブ、梁などの亀裂発生部位を写真撮影する。
【0003】
このように、作業者は建築物の各点検対象部位に対する現場写真を撮影した後、建築物診断レポートを作成する。この過程で、作業者は建築物の亀裂発生部位に対する撮影写真を参照して亀裂状態を示す図面を別に作成する。
【0004】
このように、作業者が亀裂状態図面を作成するためには別の時間と労力がかかる。それだけでなく、作業者が壁体、柱、スラブ、梁などの亀裂発生部位に対する撮影写真を参考に亀裂状態図を作成する際に、亀裂部位の形状やサイズが実際とは異なり不正確に表現される問題がある。
【0005】
また、建築物の安全診断点検のために、亀裂の発生程度(即ち、亀裂線の長さ)を非常に正確に測定及び管理しなければならない。従来は作業者が建築物の亀裂発生部位に対する撮影写真を参考に亀裂状態図を作成する方式で作業が進行しているため、亀裂線の長さを正確に測定できない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、作業者端末が点検対象部位の亀裂線に対して連続撮影した近接撮影画像を分析することで、亀裂線の形状情報を非常に精密に生成可能であると共に、このように生成された亀裂線の形状情報に基づいて亀裂線の長さを演算することで、非常に正確に亀裂線の長さを算出することが可能な安全診断対象建築物における亀裂線に対する連続撮影画像を用いた亀裂線長演算方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そのような亀裂線長演算方法を実行させるプログラムがインストールされた作業者端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するための本発明に係る安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法は、(a)作業者端末が、作業者が撮影を進める空間である撮影空間内の点検対象部位にある亀裂線を移動しながら連続撮影した撮影画像を分析することで、前記亀裂線の形状情報を生成するステップ;及び(b)前記作業者端末が、前記亀裂線の形状情報に基づいて前記亀裂線の長さを演算するステップを含む。
【0008】
好ましくは、前記(a)ステップの前に、前記作業者端末が、前記作業者端末が前記亀裂線に沿って移動しながら連続撮影する間に、前記点検対象部位から前記作業者端末の離間距離を連続的に測定するステップを更に含む。
【0009】
また、前記(a)ステップは、(a1)前記作業者端末が、前記連続的に測定した離間距離情報に基づいて前記連続撮影した撮影画像のサイズを補正するステップを含み、前記作業者端末は前記連続的に測定した離間距離情報の平均離間距離情報を算出し、算出された前記平均離間距離情報に基づいて前記撮影画像のサイズを補正することを特徴とする。
【0010】
また、前記(a)ステップは、(a2)前記作業者端末が、連続撮影過程における前記作業者端末の位置移動情報に基づいて前記亀裂線の形状情報を生成するステップを更に含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記(a)ステップは、(a2)前記作業者端末が、連続撮影過程で生成された複数の部分撮影画像に共通して含まれている対象物の位置情報に基づいて前記亀裂線の形状情報を生成するステップを更に含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記(b)ステップは、(b1)前記作業者端末が、前記亀裂線に含まれた曲線区間を直線区間に変更するステップ;及び(b2)前記作業者端末が、前記直線区間の長さ情報に基づいて前記亀裂線の前記撮影画像上での長さを演算するステップを含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記(b)ステップは、(b3)前記作業者端末が、前記連続撮影した撮影画像のスケール情報と前記亀裂線の前記撮影画像上での長さ情報に基づいて前記亀裂線の実際の長さを演算するステップを更に含むことを特徴とする。
【0014】
一方、本発明に係る作業者端末は前記方法を実行させるプログラムがインストールされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、作業者端末が点検対象部位の亀裂線に対して連続撮影した近接撮影画像を分析することで、亀裂線の形状情報を非常に精密に生成することができるようになり、このように生成された亀裂線の形状情報に基づいて亀裂線の長さを演算することで、非常に正確に亀裂線の長さを算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法の実行過程を説明する手順フローチャートである。
【
図2】本発明の一実施形態に係る安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法を行う過程で作業者端末の画面状態を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法において亀裂線の形状情報に基づいて亀裂線の長さを演算する過程を説明する手順フローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法で補正された撮影画像のスケール情報を得る過程を説明する手順フローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。図面中の同じ構成要素は、できる限り何処でも同一の符号で示していることに留意すべきである。なお、本発明の要旨を不要に曖昧にする恐れがある公知の機能及び構成についての説明は省略する。
【0018】
図1は本発明の一実施形態に係る安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法の実行過程を説明する手順フローチャートであり、
図2乃至
図4は本発明の一実施形態に係る安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法を行う過程で作業者端末の画面状態を示す図である。
【0019】
一方、本発明における作業者端末200は建築物安全診断を行う作業者が持っているスマートフォン、タブレットPCなどの無線通信端末であってもよく、作業者端末200には本発明に係る安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法を実行させるアプリケーションプログラムがインストールされることができる。
【0020】
また、本発明を実施するにあたり、作業者端末200は点検対象部位での亀裂線の近接連続撮影のためのカメラモジュール250を備えており、撮影空間に対する3次元空間情報を生成し、撮影対象面までの離間距離を測定するためのライダー(LIDAR)センサモジュールを備えることができる。
【0021】
以下、
図1乃至
図4を参照して、本発明の一実施形態に係る安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法の実行過程を説明する。
【0022】
まず、亀裂発生などの建物老朽化に伴う点検を行うために安全診断対象建築物に訪問した作業者は、作業者端末200に格納されている当該建築物の各層別平面図画像ファイルの中から現在診断している層の平面図画像ファイルを選択する(S110)。
【0023】
具体的には、作業者が当該建築物の1階で安全診断を進めている場合に作業者は、作業者端末200に格納されている各層別平面図画像ファイルの中から1階の平面図画像ファイルを選択する。よって、作業者端末200の画面には
図2に示したように当該層の平面図画像が出力される(S120)。
【0024】
その後、当該層の内部を移動しながら安全診断を行う作業者は壁体、柱、スラブ、梁などの点検対象部位での亀裂発生状態を確認し、当該点検対象部位の撮影を決定するようになる。
【0025】
このように点検対象部位の撮影を決定した場合に、作業者は作業者端末200の画面に出力されている当該層の平面図画像上で撮影を決定した点検対象部位を
図2に示したようにスクリーンタッチなどの方式で選択する(S130)。
【0026】
一方、本発明を実施するにあたり、作業者は作業者端末200の画面に出力されている平面図画像上で点検対象部位における具体的な点検対象面の選択情報をスクリーンタッチなどの方式で更に入力することができる(S140)。
【0027】
具体的には、点検対象部位が壁体である場合、作業者は作業者端末200の画面に出力されている平面図画像上で当該壁体をスクリーンタッチなどの方式で選択するが、当該壁体における具体的な点検対象面を壁体の正面と背面のうち区別して選択するか、または
図2に示したように当該壁体の点検対象面の方向に指を移動させる動作であるスワイプ(swipe)動作1(
図2中の丸囲み数字1)を行うことで、点検対象面に対する選択情報を入力することもできる。
【0028】
なお、点検対象部位が柱の場合、作業者は作業者端末200の画面に出力されている平面図画像上で当該柱をスクリーンタッチなどの方式で選択するが、当該柱が四角柱の場合は、柱における4つの側面のうち点検対象面を区分して選択するか、または
図2に示したように当該柱における点検対象面の方向に指を移動させる動作であるスワイプ動作2(
図2中の丸囲み数字2)を行うことで、点検対象面の選択情報を入力することもできる。
【0029】
また、点検対象部位がスラブの場合、作業者は作業者端末200の画面に出力されている平面図画像上で当該スラブを所定の基準時間(例えば、1秒)以上の間指で押す動作3(
図2中の丸囲み数字3)を行うことで、点検対象部位を選択するが、1本の指で押す場合は、スラブの上面(即ち、底面)が当該スラブにおける点検対象面として選択され、2本以上の指を用いて同時に押す(マルチタッチする)場合は、スラブの下面(即ち、下層の天井面)が当該スラブにおける点検対象面として選択されるようにしてもよい。
【0030】
また、点検対象部位が梁である場合、作業者は作業者端末200の画面に出力されている当該層の平面図画像上で当該梁の左右端部にそれぞれ連結されている一対の柱をそれぞれ指で同時に押す動作4(
図2中の丸囲み数字4)を行うことで、点検対象部位を選択するが、1本の指で押す場合は、梁の下面が当該梁における点検対象面として選択され、2本の指を用いてマルチタッチする場合は、当該梁の左側面が点検対象面として選択され、3本の指を用いてマルチタッチする場合は、当該梁の右側面が点検対象面として選択されるようにしてもよい。
【0031】
このように、点検対象部位と点検対象部位における具体的な点検対象面を選択した作業者が、作業者端末200に備えられたカメラモジュール250を用いて点検対象面での亀裂線を近接撮影する前に、作業者は作業者端末200備えられたライダーセンサモジュールを用いて点検対象部位を含む撮影空間に対する3次元空間情報を
図3に示したように生成することができる(S150)。
【0032】
次に、作業者は
図4に示したように点検対象部位にある亀裂線の開始点から亀裂線の終了点まで作業者端末200のカメラモジュール250を連続的に移動させながら亀裂線を連続的に近接撮影する(S160)。
【0033】
一方、このように亀裂線に対する連続撮影が行われている間、作業者端末200に備えられたライダーセンサモジュールは作業者端末200から亀裂線まで離間距離(即ち、撮影対象面である点検対象面までの離間距離)を連続的に測定し、作業者端末200は連続的に測定した各離間距離情報を各離間距離測定時点で撮影された撮影画像に関連付けて格納する(S160)。
【0034】
その結果、
図4に示したように作業者端末200には亀裂線に対して連続撮影した部分撮影画像と各部分撮影画像に対応する離間距離情報が格納される。
【0035】
一方、本発明を実施するにあたり、作業者は亀裂線の開始点から亀裂線の終了点まで作業者端末200のカメラモジュール250を移動させながら動画を撮影することもできる。このような場合、作業者端末200は連続撮影した動画フレームのうち
図4に示したように所定の時間間隔で複数の撮影画像を抽出するか、または動画撮影中に作業者端末200の画面を通じて撮影画像を確認する作業者が撮影画面上でフレーム選択ボタンを押す時点の画像イメージを抽出することができる。
【0036】
また、本発明を実施するにあたり、撮影が行われる間に撮影画像が出力される作業者端末200の画面上には分析対象画像領域を表示する四角形のフレームが表示され、作業者は当該フレーム領域内に亀裂線が含まれるように亀裂線を連続撮影する。その後、作業者端末200は撮影画像のうち当該フレーム領域内の画像についてのみ分析を行うことで、亀裂線形状分析の精密度が高くなるようにしてもよい。
【0037】
一方、作業者端末200は
図4のような複数の部分撮影画像にそれぞれ関連付けて格納されている部分撮影時点での作業者端末200から亀裂線までの離間距離情報に基づいて各部分撮影画像のサイズを補正することができる(S170)。
【0038】
具体的には、作業者端末200は各部分撮影画像F1、F2、F3、F4における各離間距離l1、l2、l3、l4の平均値lを算出し、算出した平均値と各離間距離との比率li/lだけ当該部分撮影画像のサイズを増加させることで、各部分撮影画像のサイズを補正することができる。
【0039】
即ち、前述したように本発明においては、同じ離間距離lを基準に各部分撮影画像のサイズを調節して各部分撮影画像における亀裂線のサイズが一定になるように補正することで、亀裂線の連続部分撮影過程における作業者端末200から亀裂線までの離間距離が少しずつ異なることよって、亀裂線の各部分撮影画像上でのサイズが異なるようになる問題を解決することができる。
【0040】
一方、作業者端末200はこのように各部分撮影画像上での亀裂線のサイズが一定になるように補正した各部分撮影画像を分析することで、亀裂線の形状情報を生成する(S180)。
【0041】
具体的には、前述したS160ステップで亀裂線に対する連続部分撮影が行われている間、作業者端末200は亀裂線が存在する点検対象面と平行をなす面である撮影面上での作業者端末200の連続移動による作業者端末200撮影面上での座標値の変化を連続的に測定し、各部分撮影時点における作業者端末200の座標値を各部分撮影画像に関連付けて格納することができる。
【0042】
このような場合、作業者端末200は各部分撮影画像から亀裂線の形状をそれぞれ抽出した後、抽出された各亀裂線の形状を各部分撮影画像に関連付けて格納した座標値情報によって配置することで、亀裂線の全体形状情報を生成することができる。
【0043】
なお、前述したS180ステップを実施するにあたり、作業者端末200は各部分撮影画像から亀裂線の形状をそれぞれ抽出した後、隣接する部分撮影画像に共通に含まれている釘の跡、窓枠、額縁などの対象物の位置が互いに一致するように各亀裂線の形状を配置することで、亀裂線の全体形状情報を生成することもできる。
【0044】
このように本発明によれば、作業者端末200が点検対象部位の亀裂線に対する連続的な部分撮影画像を分析することで、亀裂線の全体形状情報を非常に精密に生成することができる。
【0045】
一方、作業者端末200は前述したように生成された全体亀裂線の形状情報に基づいて亀裂線の長さを演算する(S190)。
【0046】
図5は本発明の一実施形態に係る安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法において亀裂線の形状情報に基づいて亀裂線の長さを演算する過程を説明する手順フローチャートである。以下、
図5を参照して、亀裂線の形状情報に基づいて亀裂線の長さを演算する過程を説明する。
【0047】
まず、作業者端末200は亀裂線の形状を亀裂線の展開方向に沿って連続的に分析し、亀裂線を直線区間と曲線区間に区分した後、曲線区間を当該曲線区間の開始点と終了点を結ぶ直線区間に変更処理することができる(S191)。
【0048】
次に、作業者端末200は亀裂線を構成する各直線区間の長さを演算し、各直線区間の長さを合算することで、亀裂線の全長を算出することができる(S193)。
【0049】
一方、作業者端末200は前述したように算出された亀裂線の撮影画像上での長さを亀裂線の実際の長さに変換するために、前述したS170ステップでサイズを補正した撮影画像のスケール情報を得ることができる(S195)。
【0050】
なお、本発明を実施するにあたり、作業者端末200は、このように補正された撮影画像のスケール情報を得る手順を前述したS170ステップで撮影画像を補正した後に行ってもよい。
【0051】
図6は本発明の一実施形態に係る安全診断対象建築物における亀裂線長演算方法で補正された撮影画像のスケール情報を得る過程を説明する手順フローチャートである。以下、
図6を参照して、補正された撮影画像からスケール情報を得る過程を説明する。
【0052】
まず、作業者端末200は前述したS150ステップで
図3に示したように生成された3次元空間情報に含まれている窓枠などの対象物の3次元空間情報上での横幅などの直線長さdを算出する(S310)。
【0053】
次に、作業者端末200は3次元空間情報上での対象物の形状情報に基づいて、前述したS120ステップにおける撮影空間の図面画像上で窓枠などの同一対象物を検索した後(S330)、作業者端末200に図面画像と共に格納されている当該対象物の横幅などの実際の直線長さD情報を検索することができる(S350)。
【0054】
従って、作業者端末200は前述したS310ステップで算出した対象物の3次元空間情報上での横幅などの直線長さdと前述したS350ステップで検索した対象物の横幅などの実際の直線長Dに基づいて、3次元空間情報のスケールd/Dを第1スケール値S1として算出することができる(S370)。
【0055】
一方、本発明を実施するにあたり、作業者端末200が第1スケール値S1を算出する際に、前述したS150ステップで
図3に示したように生成された3次元空間情報が作業者端末200の画面に出力されることで、作業者が3次元空間情報上で任意の2地点(例えば、壁体の一側縁地点と、これに対向する他側縁地点、柱の上端点と下端点、窓枠の一側端と、これに対向する他側端など)を結ぶ直線を作業者端末200の画面上でタッチ&ドラッグ方式で描くことができる。
【0056】
従って、作業者端末200は作業者が作業者端末200の画面上で描く当該直線の長さdを算出し、その後、作業者が当該直線に対応する部分の撮影空間上での実際の直線長さDを作業者端末200に入力すると、作業者端末200はそれらに基づいて算出される3次元空間情報のスケールd/Dを第1スケール値S1として算出することもできる。
【0057】
次に、作業者端末200は前述したS150ステップにおける3次元空間情報生成時点で作業者端末200に備えられたライダーセンサモジュールで測定した窓枠などの対象物がある点検対象面までの離間距離Lと、前述したステップS170における各部分撮影画像F1、F2、F3、F4における各離間距離情報l1、l2、l3、l4の平均値である平均離間距離lに基づいて、サイズ補正された撮影画像のスケール値である第2スケール値S2を下記の数式1に示したように算出することができる。
【0058】
【0059】
また、このように第2スケール値S2を算出した作業者端末200は前述したS193ステップで算出された亀裂線のサイズ補正された撮影画像上での長さmに第2スケール値S2を適用することで、亀裂線の実際の長さMを下記の数式2によって演算することができる(S390)。
【0060】
【0061】
このように本発明によれば、亀裂線に対して連続撮影した近接撮影画像を分析することで、生成された亀裂線の精密な形状情報に基づいて亀裂線の長さを演算することによって、非常に正確に亀裂線の長さを算出することができる。
【0062】
一方、本発明を実施するにあたり、作業者は前述したS140ステップを行った後、前述したS150ステップを行う前に作業者端末200を通じて点検対象部位を撮影し、作業者端末200は点検対象部位に対する撮影画像に基づいて点検対象部位の点検対象面に対する展開図(例えば、壁体の立面図など)を生成することができる。
【0063】
本発明を実施するにあたり、点検対象部位が壁体である場合、作業者端末200は前述したS110ステップで作業者が選択した平面図と共に格納されている当該壁体の幅長などの数値情報に基づいて前述したS160ステップにおける壁体の展開図を生成することで、展開図生成作業の正確度を高めることができる。
【0064】
一方、作業者端末200は前記数式2によって算出された亀裂線の実際の長さ情報と全体亀裂線の形状情報を前述したように生成された点検対象面に対する展開図に重ね合わせ処理することで、点検対象部位での点検対象面に対する亀裂状態展開図を生成することができる。
【0065】
本発明において使用した用語は単に特定の実施形態を説明するために使われたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又は、それらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つ又は、それ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又は、それらを組み合わせたものなどの存在又は、付加の可能性を予め排除しないことと理解すべきであろう。
【0066】
以上では本発明の好ましい実施形態及び応用例について図示及び説明したが、本発明は前述した特定の実施形態及び応用例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により多様な変形実施が可能であることは勿論であり、このような変形実施は本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は建築物の安全診断関連技術分野における産業上の利用可能性が認められる。
【国際調査報告】