(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】車両のための測定装置及び監視装置を有する車両ホイール
(51)【国際特許分類】
G01G 19/12 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
G01G19/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575764
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 IB2022055400
(87)【国際公開番号】W WO2022259212
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202021103142.5
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515210455
【氏名又は名称】マキシオン ホイールズ ホールディング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】フィンジ,アンドレア マリア ダヴィデ
(72)【発明者】
【氏名】マンデム,スニール クマール
(72)【発明者】
【氏名】デューニング,ラルフ
(57)【要約】
本発明は、車両ホイール、及び、それにともなう監視装置に関し、リム部203と、ディスク部と、車両ホイールに作用する力を検出するための少なくとも1つの測定センサを有する測定装置210とを有する。簡単な方法で測定装置を提供し、運転動作中の車両ホイール上の動的荷重及び静的荷重力を決定することを可能にするために、本発明によって、金属ストリップ111がリム部203の外側に接着接続によって取り付けられ、測定装置が金属ストリップに割り当てられ、測定装置210は、少なくとも1つの測定センサが設けられ互いから離間した2つの締結ゾーンで金属ストリップに接続された曲げ支柱を有する、又は、測定センサは、金属ストリップに接続され、締結ゾーン間の金属ストリップの変形の局所的な検出のために、異なるように向けられた歪ゲージのいくつかを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ホイールであって、タイヤを支持するためのリムフランジ、リムショルダ、及びリムウェルベースを有するリム部(203)と、ボルト孔を有するハブ接続フランジ及び通気口を有する遷移部を有し、車両に前記車両ホイールを回転不能に締結するために前記リム部に接続されたディスク部と、前記車両ホイールに作用する力を検出するための少なくとも1つの測定センサを有し、前記車両ホイールの外部の構成要素に前記測定センサで検出された荷重データを送信するための、前記測定センサに結合された送受信機を有する、前記車両ホイールに共回転可能に締結された測定装置(110)とを有する車両ホイールにおいて、
- 金属ストリップ(111)が前記リム部(203)の径方向外側に取り付けられ、前記少なくとも1つの測定センサ(112)が前記金属ストリップに割り当てられ、
- 前記金属ストリップが、下側及び上側を有し、前記下側と前記上側との間で周方向に一定の厚さを有する少なくとも1つの部分区間を有し、
- 前記金属ストリップの前記下側が、接着接続によって、前記部分区間に沿って前記リム部の外側に接続され、
- 前記測定装置(110)が、前記少なくとも1つの測定センサが設けられた曲げ支柱(220)を有し、その支柱が、前記締結ゾーン間の前記金属ストリップの変形の局所的な検出のために、前記リム部の周方向に互いに離間された2つの締結ゾーンにおいて前記金属ストリップに接続され、及び
- 前記金属ストリップ(211)が、互いからの前記締結ゾーン間の距離より大きい前記車両ホイールの周方向の長さを有する
ことを特徴とする、車両ホイール。
【請求項2】
前記締結ゾーンが、互いに対して周方向にオフセットされて、前記金属ストリップの前記上側に締結、好ましくは、溶接又はろう接される2つのアンカーピン又はアンカーナット(219)からなることを特徴とする、請求項1に記載の車両ホイール。
【請求項3】
前記金属ストリップ(211)に、前記締結ゾーンの間の凹部(222)が部分的に設けられることを特徴とし、前記凹部が前記締結ゾーンに対して対称的に取り付けられる、請求項1又は2に記載の車両ホイール。
【請求項4】
前記金属ストリップが前記リム部の前記周縁上を部分的にのみ延在すること、又は、前記金属ストリップが前記リム部の前記周縁上を完全に延在することを特徴とし、前記金属ストリップが好ましくは、前記周方向に対して横方向に異なるストリップ幅(B
1、B
2)を有する少なくとも2つの部分区間(211A、211B)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両ホイール。
【請求項5】
前記測定装置(210)に、ハウジング(218)、並びに、前記送受信機、前記曲げ支柱(219)、及び前記測定センサと一緒に前記ハウジング内に配置される電気回路が設けられることを特徴とし、前記測定装置が好ましくは、分離可能且つ交換可能な方法でユニットとして、前記締結ゾーンに締結される、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両ホイール。
【請求項6】
1つの測定装置(310)の前記金属ストリップ(311)が、いくつかの区間を備え、好ましくは薄い金属帯ストリップが周囲の外側区間を構築し、より厚い金属板ストリップが周囲の内側区間を構築することを特徴とし、前記曲げ支柱が、互いに向き合う前記金属板ストリップの内側端部の間に固定された中央金属帯ストリップから構成され、好ましくは、前記測定センサが前記中央金属帯ストリップの下側に固定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両ホイール。
【請求項7】
前記外側金属帯ストリップが、前記リム部の外側に接着接続によって締結されることを特徴とし、好ましくは、各金属ストリップの前記外側区間が、それらの周囲全体の延長部に沿って締結され、前記内側区間が、前記リム部の前記外側に、周囲の延長部の一部に沿って締結され、好ましくは、前記周囲の内側区間を構築する前記金属板ストリップが、前記下側の板厚を減少させるステップを含み、前記下側を前記リム部の前記外側から遠ざける、請求項6に記載の車両ホイール。
【請求項8】
その曲げ支柱上に測定センサをそれぞれ有する2つの測定装置が、互いから周方向にオフセットされて位置付けられることを特徴とし、前記周方向における互いに対する前記2つの測定センサの距離が好ましくは40°である、請求項6又は7に記載の車両ホイール。
【請求項9】
車両ホイールであって、タイヤを支持するためのリムフランジ、リムショルダ、及びリムウェルベースを有するリム部(3)と、ボルト孔を有するハブ接続フランジ及び通気口を有する遷移部を有し、車両に前記車両ホイールを回転不能に締結するために前記リム部に接続されたディスク部(2)と、前記車両ホイールに作用する力を検出するための少なくとも1つの測定センサを有し、前記車両ホイールの外部の構成要素に前記測定センサで検出された荷重データを送信するための、前記測定センサに結合された送受信機を有する、前記車両ホイールに共回転可能に締結された測定装置(10)とを有する車両ホイールにおいて、
- 金属ストリップ(11)が前記リム部(3)の径方向外側に取り付けられ、前記少なくとも1つの測定センサ(12)が前記金属ストリップに割り当てられ、
- 前記金属ストリップ(11)が、下側(17)及び上側(18)を有し、前記下側と前記上側との間で周方向に一定の厚さD
Sを有する、少なくとも1つの部分区間を有し、
- 前記金属ストリップの前記下側(17)が、接着接続(16)によって、前記部分区間に沿って前記リム部(3)の外側に接続され、
- 前記測定装置(10)が、前記金属ストリップの変形の局所的な検出のために、異なるように向けられた歪ゲージのいくつかを有する前記金属ストリップに接続された少なくとも1つの測定センサ(12)を有し、及び
- 前記金属ストリップが、前記測定センサの前記歪ゲージによって覆われた周方向の部分的な長さよりも大きい周方向の長さを有する
ことを特徴とする、車両ホイール。
【請求項10】
前記歪ゲージを有する前記測定センサが、プラスチックカバー(15)、特に、前記金属ストリップ(11)の前記上側(18)に接着されるプラスチックストリップによって覆われることを特徴とする、請求項9に記載の車両ホイール。
【請求項11】
前記測定センサ(12)が4つの歪ゲージ(13、14)を有する測定面として設計され、そのうちの、2つの歪ゲージ(13)が周方向に向けられ、2つのさらなる歪ゲージ(14)が前記周方向に対して横方向に向けられること、及び/又は、前記測定センサが、電子回路、前記送受信機、及び電源へのケーブル接続によって接続され、それらが、前記車両バルブに割り当てられる空気圧測定装置(TPMS)の構成要素又は追加の部品を形成することを特徴とする、請求項6~10のいずれか一項に記載の車両ホイール。
【請求項12】
前記リム部の前記周縁上に分散され、少なくとも2つの測定センサ(112A、112B)が互いから周方向にオフセットされて位置付けられることを特徴とし、前記周方向における互いに対する前記2つの測定センサの距離が好ましくは、少なくとも20°、特に22.5°である、請求項1~7又は9~11のいずれか一項に記載の車両ホイール。
【請求項13】
前記少なくとも2つの測定センサが同じ金属ストリップに割り当てられる
ことを特徴とし、前記金属ストリップが、前記測定センサの位置を越えて周方向に延在する、好ましくは、20mm以上を超えて延在する、及び/又は、前記金属ストリップが、前記測定センサによって覆われる領域を越えて、前記周方向に対して横方向に延在する、請求項12に記載の車両ホイール。
【請求項14】
前記金属ストリップが、ステンレス鋼、軽金属、金属合金、又は高級鋼から構成されること、及び/又は、前記金属ストリップが、前記部分区間において、0.03mm~0.25mmの厚さ、特に、0.05mm~0.2mmの一定の厚さを有すること、及び/又は、前記金属ストリップが、前記部分区間において、15mmを上回る幅を有することを特徴とする、請求項1~5又は9~13のいずれか一項に記載の車両ホイール。
【請求項15】
前記接着接続が、少なくとも50MPa、好ましくは、200MPa超、特に好ましくは、450MPa超の弾性係数を有する接着剤によって行われること、及び/又は、前記接着接続の領域における前記接着剤の厚さが、0.25mm未満、好ましくは、0.125mm未満であることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の車両ホイール。
【請求項16】
前記接着剤が、アクリル、シアノアクリレート、又はシリコーンに基づく接着剤から選択されることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の車両ホイール。
【請求項17】
前記接着剤が、前記金属ストリップの前記下側及び前記リム部の前記外側の両側に適用されること、及び/又は、前記接着剤の前記厚さが、前記部分区間の前記金属ストリップの前記厚さと略同じである、又は、前記部分区間の前記金属ストリップの前記厚さより大きいことを特徴とする、請求項15又は16に記載の車両ホイール。
【請求項18】
いくつかの車両ホイールを有する車両のための監視装置であって、請求項1~17のいずれか一項に記載の少なくとも1つの車両ホイールが形成されて、金属ストリップ(11;111)が設けられ、それによって、測定センサ(12)を有する測定装置(10)及び前記測定センサに結合された送受信機が関連付けられ、前記測定センサの前記測定信号のための車両側評価装置を有する、監視装置において、前記監視装置が、運転動作における前記動的荷重、及び、前記関連する車両ホイール上の車両の前記静止状態における前記静的荷重を、前記測定センサの前記測定信号から決定可能とするように設計及び形成されることを特徴とし、前記評価装置によって前記動的荷重を決定するために、ホイールの1回転における前記測定された最大信号値と前記測定された最小信号値との間の測定信号振幅が決定されて、偏差因子を決定するための車両ホイール較正基準曲線からの振幅値と比較され、前記静的荷重を決定するために、前記センサ位置と前記ホイール接触位置との間の前記回転角が決定され、前記評価装置によって、前記測定された信号値が、同じ回転角についての車両ホイール較正基準曲線からの基準値と比較され、異なる温度及び内部タイヤ圧についてのいくつかの車両ホイール較正基準曲線が、前記評価装置に保存される、監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤを支持するためのリムフランジ、リムショルダ、及びリムウェルベースを有するリム部と、ボルト孔を有するハブ接続フランジ及び通気口を有する遷移部を有し、車両に車両ホイールを回転不能に締結するためにリム部に接続されたディスク部と、車両ホイールに作用する力を検出するための少なくとも1つの測定センサを有し、車両ホイールの外部の、特に、評価装置を有する車両側監視装置のような構成要素に、測定センサで検出された荷重データを送信するための、測定センサに結合された送受信機を有する、車両ホイールに共回転可能に締結された測定装置とを有する車両ホイールに関する。本発明はさらに、いくつかの車両ホイールを有する車両のための監視装置に関し、少なくとも1つの車両ホイールは、測定センサ及び測定センサに結合された送受信機と、測定センサの測定信号のための車両側評価装置とを有する測定装置を有する。
【背景技術】
【0002】
特に、重量貨物用車両及び通常貨物用車両は、特定の道路で重量制限を受ける。車両内の荷重容量を決定するために、重量センサを、車両のシャーシと車両の積載領域との間に恒久的に設置することができる。これらのそれぞれの荷重センサは、貨物用車両の荷重領域上の重量を限定的に検出するためのものである。これらのセンサは、他の車両状態についての任意の他のデータを提供せず、質量分布、温度、タイヤ圧、ホイールキャンバなどの他の状態を検出するように設計されておらず、又は、設けられてもいない。そのような荷重状態及び他の検出された動作状態は、車両システムが運転モード中にどのように反応するかに影響を及ぼす可能性がある。
【0003】
国際公開第2017/048762A1号から、荷重検出装置を有する監視装置を、センサがタイヤの圧力荷重された内部の環境の影響から保護されて配置されるように、車両ホイールのリム部の外周に締結することが知られている。荷重検出装置は歪ゲージを有し、それは、静的及び動的条件の両方の下で車両ホイールに作用する衝撃荷重を決定するためのものであり、そのために、車両ホイールの回転中に発生した力は正弦波信号として決定され、ホイール荷重は記録された最大値によって決定される。静的荷重も検出することができ、そのために、必要に応じて、歪ゲージの測定信号を異なる荷重下で以前に記録された測定データと相関させることによって荷重を決定するために、ホイール接触領域に対する監視装置の回転位置も検出される。知られている解決策では、監視装置のハウジングは、好ましくは、接着によって、リムウェルベースに締結され、ウェルベースの曲率に従って湾曲する下部を有する。ホイールクランプ力、ホイール荷重、車軸荷重、質量分布、周囲温度、ホイール温度、及びタイヤ空気圧などのさまざまな車両状態を検出するために、追加のセンサをハウジングに配置することができる。センサを通して得られる情報は、特に、トラクションコントロールシステム(TCS)、アンチロックブレーキシステム(ABS)、電子式制動力配分装置(EBD)、アンチロールスタビライザ(AAR)、アンチコリジョンブレーキシステム(CMBS)、衝突防止ブレーキシステム(CMB)、全輪駆動(AWD)、タイヤ圧制御システム(TPMS、TPMS)、タイヤ摩耗及び損傷制御ロギングなどのさまざまなシステムで使用することができるが、これらに限定されるものではない。監視装置にエネルギーを恒久的に供給するために、圧電素子及びエネルギー発生回路がハウジング内に設けられて、圧電素子の振動によって発生したエネルギーを電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーは、必要に応じて貯蔵される。
【0004】
国際公開第2021/048761A1号から、車両ホイールのための監視装置の修正された変形形態が知られており、その変形形態では、ハウジングは、周方向に互いに離間された2つの締結ゾーンを有し、曲げ支柱は、監視装置の重要な要素として、締結ゾーンの間に配置され、測定センサ、特に、歪ゲージは、曲げ支柱の変形を介してそれぞれの車両ホイールに作用する荷重力を決定するために、曲げ支柱上に直接配置される。ハウジングを固定するために、ねじ孔を有するアダプタプレートを車両ホイールの外周に接着することができ、又は、固定ピン若しくは固定ねじが車両ホイールの外周に締結され、それにより、締結ゾーンは相互作用する。この設計によって、実際の測定センサは、比較的簡単に置き換えることができ、対応するハウジングは、異なるホイールジオメトリーを有する車両ホイールに取り付けることができる。
【0005】
米国特許出願公開第2021/0023893号からも、測定装置及び車両ホイールが知られており、それによって、車両ホイールの上の動的荷重が決定される。しかしながら、ここでは、センサは実際のリム上に配置されないが、車両ホイールのディスク部分、すなわち、ディスク部分のスポーク上、又は、たとえば、通気口を含むディスク部分の環状部上に配置される。実際のセンサは、好ましくは、誘電材料によって互いに分離された2つのセンサ表面を有する容量センサからなり、センサは、ディスク部分の表面のセンサシート上に配置される。車両ホイールが異なる荷重のために変形する場合、2つのセンサ表面も変形し、それによって、ホイール荷重を決定するために使用される電気信号が生成される。信号の大きさは、ホイール接触領域に対するセンサの角度位置によって決まり、センサがホイール接触領域より上の位置にあるときに最も大きい。文書は、経験的データに言及しており、それによると、タイヤ圧と実際の測定信号との間に線形関係がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、運転動作中の車両ホイール上の動的荷重、及び、好適な測定装置による静的荷重力を決定可能とするために、さらにより簡単な方法で測定装置を設けることができる車両ホイールを作ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この問題を解決するために、本発明による第1の解決コンセプトに従って、
- 金属ストリップがリム部の径方向外側に取り付けられ、少なくとも1つの測定センサが金属ストリップに割り当てられる、
- 金属ストリップが、下側及び上側を有し、下側と上側との間で周方向に一定の厚さを有する少なくとも1つの部分区間を有する、
- 金属ストリップの下側が、接着接続によって、部分区間に沿ってリム部の外側に接続される、
- 測定装置は、少なくとも1つの測定センサが設けられた曲げ支柱を有し、その支柱が、締結ゾーン間の金属ストリップの変形の局所的な検出のために、リム部の周方向に互いに離間された2つの締結ゾーンにおいて金属ストリップに接続される、
- 金属ストリップが、互いからの締結ゾーン間の距離より大きい車両ホイールの周方向の長さを有する
ことが提案される。
【0008】
本発明は、追加の要素として車両ホイールの周縁に締結され、次に、測定センサを備える測定装置を、好ましくは、取り外し可能に、金属ストリップの締結要素に締結するために、締結要素を有する金属ストリップを提案する。金属ストリップを挿入することによって、異なるホイールジオメトリーへの適合に関して高い柔軟性がある。センサは、リム部の表面上で直接測定しないが、金属ストリップの変形を介して間接的にのみ測定する。金属ストリップと実際の車両ホイールの表面との間の確実な接続は、たとえば、好ましくは、好適な接着接続を介して実現することができる。
【0009】
上記の第1の解決コンセプトにおいて、締結ゾーンが、金属ストリップのカバー側で互いに周方向にオフセットされて締結される2つのアンカーピン又はアンカーナットからなる場合、特に有利である。これらは好ましくは、金属ストリップに溶接又はろう接することができる。
【0010】
金属ストリップは好ましくは、締結ゾーンの間の凹部を部分的に設けることができ、凹部が、締結ゾーンに対して対称的に取り付けられ、それによって、凹部による測定偏差を回避することができる場合、特に有利である。
【0011】
1つの解決策の変形形態によると、金属ストリップは、リム部の周縁上を部分的にのみ延在することができる。しかしながら、代替的な解決策の変形形態によると、金属ストリップがリム部の周縁上を完全に延在する場合、有利であると証明することができる。特に、第2の解決策の変形形態で、金属ストリップが、周方向に対して横方向の異なるストリップ幅を有する少なくとも2つの部分区間を有する場合、特に有利である。
【0012】
第1の解決コンセプトのすべての上記変形形態によると、測定装置に、ハウジング、並びに、送受信機、曲げ支柱、及び測定センサと一緒にハウジング内に配置される電気回路が設けられる場合、特に有利であり、測定装置は好ましくは、分離可能且つ交換可能な方法でユニットとして、締結ゾーンに締結される。
【0013】
第1の解決策のさらなる変形形態によると、1つの測定装置の金属ストリップは、いくつかの区間を備えてもよく、好ましくは薄い金属帯ストリップが周囲の外側区間を構築し、より厚い金属板ストリップが周囲の内側区間を構築し、曲げ支柱が、互いに向き合う金属板ストリップの内側端部の間に固定された中央金属帯ストリップから構成され、好ましくは、測定センサは中央金属帯ストリップの下側に固定される。好ましくは、この変形形態で、外側金属帯ストリップは、リム部の外側に接着接続によって締結される。さらにまた、好ましくは、各金属ストリップの外側区間は、それらの周囲全体の延長部に沿って締結され、内側区間は、リム部の外側に、周囲の延長部の一部に沿って締結され、好ましくは、周囲の内側区間を構築する金属板ストリップは、下側の板厚を減少させるステップを含み、下側をリム部の外側から遠ざける。
【0014】
この配置により、接着接続の接着剤は、薄い金属帯ストリップにおける接着された固定点の変位をより厚い金属板ストリップに伝達し、それは、再び、曲げ支柱を形成し、測定センサを備える中央金属帯ストリップに変位を伝達し、曲げ支柱のために変形信号を発生させる。測定センサを形成する歪ゲージは、好ましくは、両方の歪み力(曲げ及び軸方向)が合計される、曲げ支柱の底面にのみ設置される。測定センサが4つの歪ゲージを有する測定面として設計され、そのうちの、2つの歪ゲージが周方向に向けられ、2つのさらなる歪ゲージが、周方向に対して横方向に、好ましくは、ホイール軸と平行に向けられる場合、特に有利である。
【0015】
前述の測定装置を使用する最も好ましい変形形態によると、その曲げ支柱上に測定センサをそれぞれ有する2つの測定装置は、互いから周方向にオフセットされて位置付けられ、周方向における互いに対する2つの測定センサの距離は好ましくは40°である。この実施形態により、測定センサが、電子回路、送受信機、及び電源へのケーブル接続によって接続される場合、好都合であり、それは、好ましくは、車両バルブに割り当てられる空気圧測定装置(TPMS)の構成要素又は追加の部品を形成する。
【0016】
上で言及された問題を解決するために、本発明による第2の代替的な解決コンセプトに従って、
- 金属ストリップがリム部の径方向外側に取り付けられて、少なくとも1つの測定センサが金属ストリップに割り当てられる、
- 金属ストリップが、下側及び上側を有し、下側と上側との間で周方向に一定の厚さを有する少なくとも1つの部分区間を有する、
- 金属ストリップの下側が、接着接続によって、部分区間に沿ってリム部の外側に接続される、
- 測定装置は、金属ストリップの変形の局所的な検出のために、異なるように向けられた歪ゲージのいくつかを有する金属ストリップに接続された少なくとも1つの測定センサを有する、
- 金属ストリップが、測定センサの歪ゲージによって覆われた周方向の部分的な長さよりも大きい周方向の長さを有する
ことが提案される。
【0017】
ここで、また、本発明によると、車両ホイールのリム部の表面に接着された金属ストリップが使用される。しかしながら、測定装置は、ここでは置き換えることができないが、金属ストリップの変形を局所的に検出するために、実際の測定センサは、金属ストリップ上に直接配置される。それにもかかわらず、追加の要素として車両ホイールの周縁に締結される金属ストリップが、異なるホイールジオメトリーに対する適合に関して比較的高い柔軟度を提供するという利点は残り、それによって、金属ストリップ上に配置される作成済み測定装置を異なるホイールジオメトリーに適合させることができる。
【0018】
有利な実施形態によると、歪ゲージを有する測定センサは、プラスチックカバー、特に、金属ストリップの上側に接着されるプラスチックストリップによって覆われる)。
【0019】
測定センサが4つの歪ゲージを有する測定面として設計され、そのうちの、2つの歪ゲージが周方向に向けられ、2つのさらなる歪ゲージが周方向に対して横方向に向けられる場合、特に好都合である。測定センサが、電子回路、送受信機、及び電源へのケーブル接続によって接続される場合も好都合であり、それは、車両バルブに割り当てられる空気圧測定装置(TPMS)の構成要素又は追加の部品を形成する。
【0020】
すべての変形形態において、リム部の周縁に分散され、独立して作動する少なくとも2つの測定センサが、互いを形成し、互いから周方向にオフセットされて位置付けられる場合、特に有利であり、周方向における互いに対する2つの測定センサの距離は好ましくは、少なくとも20°、特に、いくつかの変形形態内で22.5°、又は、異なる実施形態内で40°である。対応する配置により、車両が静止しているとき、車両ホイールの回転角度位置に関係なく、車両に取り付けられたすべての車両ホイール上で静的荷重を測定することが可能になる。後者は、特定の回転角では、1つの測定センサのみが車両ホイールごとに存在する場合、測定された値から静的荷重を数学的に決定することが不可能であるということを見出したことに基づく。センサで測定される荷重は、ホイール接触領域に対するセンサの位置の角度位置(回転角)αによって決まる。基本的な数学的アプローチは、360°の回転中、一定の重量荷重L、一定の内部タイヤ圧p、及び一定の周囲温度Tであると仮定すると、センサで決定されるセンサ値eが、完全なホイール回転の間の回転角αによって決まる周期関数となるということである。基本的には、数学的アプローチとして、式
e=f(α,L,T,P)
を設定することができる。タイヤ圧及び温度とセンサで設定されたセンサ値との間に線形関係があると考えられる場合、この関数は、いくつかの構成要素に数学的に分割することができる、すなわち、
e=e0(T,P+g(P)*L*c(α)
【0021】
この数学的仮定により、
- e0は、重量荷重に依存しない関数の一部を形成し、
- c(α)は、周期関数として重量荷重に比例的に依存する一部を形成する。c(α)は、ホイールの回転ごとに理想的に繰り返す周期関数に対応し、それが、以下が当てはまる理由である。
c(α)=c(α+2kπ)
- g(P)は、ホイール-タイヤシステムの剛性による、圧力に依存する影響を反映する倍率である。
【0022】
これらの式及び条件は、重量力による静的荷重が決定されるときに有益である。これの必要条件は、とりわけ、比係数e0の決定である。これは、温度及びタイヤ圧によって決まるそれぞれの曲線の変位係数を決定するために、好適な較正方法で行われる。さらなる較正方法において、次いで、c(α)が複数の測定によって決定され、そのために、対応する測定は、センサの異なる角度位置で実行される。
【0023】
個々の係数が好適に較正方法で決定されたあと、動的重量荷重は、式
L=eamp/k(P)
で数学的に決定することができ、それによって、以下が動的測定に適用される。
eamp=emax-emin
k(P)=g(P)*(c(α)max-c(α)min)
【0024】
したがって、車両ホイール較正基準曲線がそれぞれの内部タイヤ圧に対する較正を介して利用可能である場合、動的荷重を決定するために、回転角及び温度を知る必要はない。
【0025】
各車両ホイールの静的重量荷重は、以下の式で決定することができる。
【数1】
ここで、eは、特定の角度で生じる測定値である。c(α)=0は回転角の非常に特異的な位置に当てはまるので、1つのみのセンサの存在は、これらの回転角位置に対する特異性/定義のギャップをもたらし、それは、数学的に解決することができない。ユーザは、車両を異なる位置に移動しなければならないことを評価装置で知らされる可能性があるけれども、車両ホイールの少なくとも1つが特定のホイール位置の対応する位置にあることは、いくつかの車両ホイールでは除外できないので、2つのセンサが各車両ホイールに割り当てられることは、特に好ましい設計によって提供される。特に好ましい設計によると、少なくとも2つの測定センサが同じ金属ストリップに割り当てられる。好ましくは、その場合、金属ストリップは、特に、好ましくは、測定センサの最外領域を越えて20mmを上回るストリップ部によって、測定センサの位置を越えて周方向に延在する。代替的に又は付加的に、金属ストリップは、測定センサによって覆われる領域を越えて、周方向に対して横方向にも延在しなければならず、特に、金属ストリップの縁部の影響が大部分、排除されるように延在しなければならない。
【0026】
設計のすべてにおいて、金属ストリップは、ステンレス鋼、軽合金、金属合金、又は高級鋼から構成することができる。金属ストリップは、特に、測定センサも配置される部分区間において、0.03mm~0.25mmの厚さ、特に、0.05mm~0.2mmの一定の厚さを有しなければならない。金属ストリップはさらに、部分区間において、15mmを上回る幅を有しなければならない。
【0027】
金属ストリップとリム部の表面との間の接続は、好ましくは、接着剤による接着接続を介して行われ、その接着剤は、少なくとも50MPa、好ましくは、200MPa超、特に好ましくは、450MPa超の弾性係数を有し、接着接続の領域における接着剤の厚さは、好ましくは、0.25mm未満、最も好ましくは、0.125mm未満である。
【0028】
接着剤は好ましくは、アクリル、シアノアクリレート、又はシリコーンに基づく接着剤から選択される。接着剤は特に、金属ストリップの下側及びリム部の外側の両側に適用することができる。接着剤の厚さは、部分区間の金属ストリップの厚さと略等しくすることができる、又は、部分区間の金属ストリップの厚さより大きくすることができる。
【0029】
本発明はまた、複数の車両ホイールを有する車両のための監視装置に関し、少なくとも1つの車両ホイールは、本発明の解決アプローチのうちの1つに従って設計されて、同様に、金属ストリップが設けられ、金属ストリップに対して、測定センサを有する測定装置及び測定センサに結合された送受信機が割り当てられ、測定センサの測定信号のための車両側評価装置が利用可能である。本発明によると、監視装置は、運転動作における動的荷重、及び、関連する車両ホイール上の車両の静止状態における静的荷重を、測定センサの測定信号から決定可能とするように設計及び形成され、評価装置によって動的荷重を決定するために、ホイールの1回転における測定された最大信号値と測定された最小信号値との間の測定信号振幅が決定されて、偏差因子を決定するための車両ホイール較正基準曲線からの振幅値と比較され、静的荷重を決定するために、センサ位置とホイール接触位置との間の回転角が決定され、評価装置によって、測定された信号値は、同じ回転角についての車両ホイール較正基準曲線からの基準値と比較され、異なる温度及び内部タイヤ圧についてのいくつかの車両ホイール較正基準曲線が、評価装置に保存される。それぞれの車両及び重量荷重の動的測定の間、連続的に決定される測定値が、荷重非依存要素e0を決定するために使用することができることは特に有利であり、それを介して、次に、異なる温度及びタイヤ圧での曲線の変位は、以前の較正に基づいて決定され、それは、静的荷重計算のために必要とされる。好適な従来の較正で、静的荷重は、圧力及び温度のとは無関係に、荷重非依存要素e0を介して、信号値から決定することができる。
【0030】
本発明のさらなる利点及び設計は、図面に概略的に示される例示的な実施形態の以下の記載の結果として生じる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】第1の例示的な実施形態による取り付けられた測定装置と、タイヤ圧制御システム(TPMS)のための概略的に示されたタイヤ圧力バルブとを有する、非常に簡略化された、縮尺通りではない車両ホイールを平面図で模式的に示す。
【
図2】第1の例示的な実施形態による測定装置を概略上面図で示す。
【
図3】
図1による測定装置をリム部及び測定装置を通る模式的詳細断面図で示す。
【
図4】第2の例示的な実施形態による、
図1及び
図2に類似した測定装置を示す。
【
図5】リム部に取り付けられた状態の第2の例示的な実施形態による測定装置を斜視図で示す。
【
図6】ハウジングが取り外された、
図5の測定装置を示す。
【
図7】模式的に簡略化された
図6の測定装置を上面図で示す。
【
図8】非常に簡略化した回転角とホイール接触領域との関係を図によって模式的に示す。
【
図9】異なる部分に分けられた、いくつかの測定されたホイール回転の周期的な測定信号値を示す図の非常に簡略化された例を示す。
【
図10】
図1と同様に、さらなる代替的な第3の実施形態による測定装置配列、及び、タイヤ圧制御システム(TPMS)のための概略的に示されたタイヤ圧力バルブを模式的に示す。
【
図11】
図10による測定装置配列を車両ホイールの側断面図で示す。
【
図12】第3の実施形態による測定装置の1つを拡大縮尺側面図で模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1において、車両ホイールは、参照番号1によって全体的に示され、それは、それ自体知られているように、ディスク部2及びリム部3を有する。車両ホイールは、たとえば、軽合金から作られる鋳造部品から一体的に構成することができる、又は、ディスク部2及びリム部3は別々に製造され、次いで、好ましくは、溶接継手で互いに接続されて、組み立てられた車両ホイールを形成する。ディスク部2は、車両(図示せず)のハブへの車両ホイール1の回転不能な締結のために、機能的に働く。リム部3は、プラスチックから作られて、車両製造業者によって推奨される内圧に膨張されるタイヤ(図示せず)を支持するために機能的に使用され、タイヤのみが地面と接触している。タイヤを支持して、取り付けるために、リム部3は、それ自体知られているように、2つのリムフランジ4、2つのリムショルダ5、及び多段式リムウェルベース6を有する。リムショルダは、タイヤの半径方向支持に役立ち、リムフランジは、タイヤの軸方向支持に役立つ。ここでは部分的にのみ示されているディスク部3には、ハブ接続面上のハブに車両ホイール1を取り付けるためのボルト孔が設けられ、さらに、遷移部に、ブレーキを冷やすための通気口(図示せず)が設けられる。車両ホイールは、異なるジオメトリー及びデザインを有することができ、それが、示される車両ホイールが象徴的な性質のものでしかない理由であり、本発明をこれに限定されない。
【0033】
図1に記載の例示的な実施形態においては、さらに示されないタイヤ圧監視システム(RDKS)のタイヤ圧力バルブ8も、概略的に示されている。タイヤ圧力バルブ8には、現在新しい車両に対して規定されているように、運転者に各タイヤの現在のタイヤ内圧を表示するために、少なくとも1つの内圧センサと、エネルギーを供給するためのエネルギー源と、内圧センサから車両のタイヤ圧制御装置まで測定信号を伝達するための送受信機とが設けられている。任意の構造を有し、タイヤ圧制御システムのためのタイヤ圧力バルブを備える車両ホイールは、当業者には知られており、それが、ここでさらなる説明をしない理由である。
【0034】
車両ホイールのリム部3の径方向外側にさらに配置される測定装置10は、本発明にとって必須である。
図1において、測定装置10は、ウェルベース底部7とリムショルダ5のうちの1つとの間のリムウェルベース6の移行部に配置される。測定装置10は、接着接続によってリム部3の外周に接着される金属ストリップ11から構成される。ここで、金属ストリップ11には、次に、
図2及び
図3で明確に参照することができるように、その縦方向及び横方向の範囲の中央に測定センサ12が設けられ、それには、
図2の略図が近似的に示すように、ここでは、合計4つの歪ゲージ13、14が備えられる。2つの歪ゲージ13は、周方向、すなわち、ホイール軸まわりに回転する車両ホイールの回転方向に向けられ、2つの歪ゲージ14は、周方向に対して横方向に向けられる。個々の歪ゲージ13、14は、金属ストリップの変形をセンサ測定信号として提供するために、ホイートストン測定ブリッジのように接続される。測定センサ12は、金属ストリップ11の変形を測定し、金属ストリップ11の変形は、リム部3の領域の車両ホイール1の変形に対応する。変形の程度及び方向は、それぞれの荷重とともに車両の重量によって決まり、走行中の車両の場合、動的荷重にも依存する。さらに、取り付けられたタイヤの影響、並びに、タイヤの内圧及び温度の影響がある。
【0035】
図1~3で明確に参照できるように、金属ストリップ11は、測定センサ11の大きさよりも非常に大きい長さ及び多少大きい幅を有する。測定センサ12を含む金属ストリップ全体が、測定装置12の周縁上のプラスチックカバー15によって覆われる。金属ストリップ11の下側17全体及びそれを越えて張り出すプラスチックカバーの下側19は、
図3に概略的に示される接着剤層16によって、リム部品3の表面に固定される。示される例示的な実施形態では、接着剤層16の厚さD
Kは、金属ストリップ11の厚さD
Sよりわずかに小さい。これは、単に例示のためであり、明細書の指示及び特許請求の範囲において、異なる厚さの比、並びに、接着接続のための金属ストリップ及び接着剤の異なる材料及び材料特性が対処される。取り付けられた状態において、金属ストリップ11の上側18に締結された測定センサ12は、プラスチックカバー15と金属ストリップ11との間で完全に保護されている。リム部3の外側のタイヤ内の測定装置10の位置のために、この測定装置10は、外部影響に対しても大部分は保護されている。タイヤ圧制御装置のタイヤ圧力バルブ8の近くに測定装置を配置することによって、エネルギー源及びタイヤ圧力バルブの送受信機は、測定装置10の測定センサ12にエネルギーを供給するために使用することができ、さらに、測定センサ12の測定信号を車両側監視装置(図示せず)の車両側評価装置に無線送信することができる。
図2及び3において、金属ストリップ11は、周方向のその全長に沿って、上側18と下側17との間で一定の厚さD
Sを有する。しかしながら、1つ又は複数の測定センサが配置される領域内でのみ一定の厚さのみで存在する場合も十分に可能性がある。
【0036】
図4は、
図2による測定装置を少し変更したものを示す。主な違いは、
図4による測定装置110に2つの測定センサ112A、112Bが設けられていることであり、それらは、測定装置110の金属ストリップ111上で周方向に互いにオフセットされて配置されている。ここでは、また、金属ストリップ11全体は2つの測定センサ112A、112Bとともに、プラスチックカバー115によって全体的に覆われ、車両ホイールへの締結は、以前の例示的な実施形態のように、プラスチックカバー115の下側及び金属ストリップ111の下側のそれぞれで、接着接続によって行われる。測定装置110に、互いに対して周方向にオフセットして配置される2つの測定センサ112A、112Bが設けられるとき、2つの測定センサ112Aと112Bとの間の距離は、取り付けられた状態において、2つの測定センサ112Aと112Bとの間の角距離が、周方向に少なくとも20°、好ましくは、さらに少なくとも22.5°であるように選択することができる。測定装置110内の金属ストリップ111の全長は、それに対応して十分な長さを有しなければならない。
【0037】
図5~7は、さらに別の代替の実施形態を示す。以前の例示的な実施形態と同様に、測定は、金属ストリップ211を介して間接的に行われ、金属ストリップ211は、示されてない接着接続によって、車両ホイールのリム部203の外側に締結され、この点において、リム部の変形を完全に感知し、伝達する。ハウジング218が設けられた測定装置210は、金属ストリップ211に締結される、すなわち、
図6で明確に参照できるように、周方向に互いに離間された2つのアンカーナット219に締結される。ここで、測定装置210は曲げ支柱220を有し、曲げ支柱220の2つの端部はそれぞれ、取り外し可能な締結ねじ221によって、互いに周方向にオフセットされてアンカーナット219上に固定される。次に、歪ゲージ(図示せず)が曲げ支柱220に締結される。電源及び送受信機は、測定センサ210を必要に応じて別の測定センサと交換できるように、ハウジング218内に配置することもできる。アンカーナットは、金属ストリップ211と同じ材料から作ることができ、金属ストリップ211に溶接又はろう接することができるが、それらは他の方法でも製作することができ、たとえば、接着接続によって金属ストリップ211に締結することができる。金属ストリップ211には、2つのアンカーナット219の間に、1つ、又は、本明細書のようにいくつかの凹部222を設けることができ、凹部222は好ましくは、2つのアンカーナット219に対して対称的に、且つ、2つのアンカーナット219の間に位置付けられる。
【0038】
ここで、また、金属ストリップ211は、アンカーナット219を越えて周方向に延在する。アンカーナット219は、周方向に対して横方向に第1のより大きい幅B
1を有する金属ストリップ211の領域に配置される。アンカーナット219及び凹部222が配置される、金属ストリップ211の部分区間211Aには、狭帯域化された部分区間211Bが続き、その幅B
2は好ましくは、部分区間211Aの幅B
1の50%に等しい、又は、50%より小さい。部分区間211Bは、リム部品203(
図5)の残りの周縁にわたって延在することができ、したがって、金属ストリップ211が全周的に配置される。
【0039】
図8は、全ホイール荷重Lが地面で支持されるホイール接触領域Aの位置と、車両ホイールとともに回転する測定装置の測定センサのセンサ装置の実際の現在位置Pとの間の回転角αの説明のための図として働く。接触領域Aに対する測定センサの位置Pの各位置又は各回転角αにおいて、リム部の変形は、歪ゲージで測定することができ、評価装置に測定信号として戻すことができる。これによって、測定信号は、
図9に示されるように、角度αによって決まる(又は、走行中の車両の場合、時間tにわたる)周期的な経路をとる。
図9は再び、荷重依存部分g(P)*L*c(α)と、上で説明された非荷重依存要素e
0との間の依存関係を明らかにし、それを介して、異なる温度及びタイヤ圧の曲線の変位を、従来の較正後に決定することができる。説明の導入に説明された式も参照される。
【0040】
図10~13は、さらに異なる第3の実施形態を示す。車両ホイールは、参照番号301によって全体的に示され、ホイールは、それ自体知られているように、ディスク部302と、リム部303とを有する。リム部303はまた、それ自体知られているように、2つのリムフランジ304と、2つのリムショルダ305と、多段式リムウェルベース306とを有する。ここでは部分的にのみ示されているディスク部303には、ボルト孔340及び通気口341が設けられ、その通気口は、当業者にはそれ自体知られているように、異なる位置及び構成を有してもよい。また、同じ構造の2つの測定装置310を備える測定装置配列350が、車両ホイールのリム部303の径方向外側にさらに配置される。2つの独立した測定装置310を有する測定装置配列350は、ウェルベース底部307とリムショルダ305のうちの1つとの間のリムウェルベース306の移行部に配置される。測定装置配列350は、2つの測定装置310からなり、どちらも、同じ構成及び構造を有し、
図11及び12に詳細に模式的に示されている。測定装置310のそれぞれは、バルブ穴308に対称的に配置され、それには、バルブ、並びに、360で参照されるタイヤ圧監視システム(RDKS)を備える。タイヤ圧監視システム360は、ハウジング、並びに、バッテリ及びハウジング内の電子回路(図示せず)を含むいくつかの要素を備え、それは、ここでは、測定装置310のそれぞれのセンサ信号の検知、監視、及び、車両の監視装置への伝送のためにも使用され、車両の監視装置の上に、ホイールは取り付けられる。
【0041】
測定装置310のそれぞれの構造原理は、
図12及び13から最もよく参照することができる。測定装置310のそれぞれは、両方の周囲の対向端部上に、金属帯ストリップ371によって構築されている外側の第1の区間、並びに、金属板ストリップ372によって構築された第2の区間を備える。金属帯ストリップ371及び金属板ストリップ372は、好ましくは溶接又は半田付けによって互いに固定される。金属帯ストリップ371の下側は、
図13において381で参照される接着剤層によってリムの外側に固定される。同じ接着剤層は、リムの外側に金属板ストリップ372の周方向外側部品を固定するためにも使用される。金属板ストリップ372は、金属帯ストリップ371より厚く、周方向により長い延長部も有しており、一方、金属板ストリップ372及び金属帯ストリップ371の幅は同一である。
図13において、破線385は、金属板ストリップ372が開始し、金属帯ストリップ371が終了する線を示す。金属板ストリップ372は、その底面上に、厚さ減少段部375を備え、接着剤層381は、金属帯ストリップ371のほぼすべての延長長さにわたって延在するが、金属板ストリップ372の底面の減少段部375の近くまでのみである。厚さ減少段部375のために、金属板ストリップ372の周辺内側とリムの外側との間に隙間が存在する。最後に、曲げ支柱320は、互いに向き合う金属板ストリップ372の内側端部の間に固定される。曲げ支柱320は、中央金属帯ストリップ377によって形成され、金属板ストリップ372と比較して、より薄い厚さ、さらに、より小さい幅も有する。
【0042】
測定センサ312は、好ましくは、
図2に示されて、その実施形態に関連して記載された測定センサとして非常に類似した構成を有し、そのため、合計4つの歪ゲージを有し、そこから、2つの歪ゲージ313は、周方向、すなわち、ホイール軸まわりに回転する車両ホイールの回転方向に向けられ、2つの歪ゲージ314は、周方向に対して横方向に向けられる。個々の歪ゲージ313、314は、曲げ支柱320を形成し且つ曲げ支柱320として使用される金属帯ストリップ377の変形を提供するために、ホイートストン測定ブリッジのように接続される。測定センサ312は、それぞれ、金属帯ストリップ371のそれらの区間と接着接続によってリムに固定されているメタルテープストリップ372との間で、中央金属帯ストリップ377又は曲げ支柱320の変形を測定し、したがって、周囲の変形及び横方向の変形の両方が検出される。軸方向及び周方向の両方の変形を検出するためには、中央金属帯ストリップ377の底面に測定センサ312を配置することで十分である。
【0043】
好ましい実施形態において、
図10及び11に示されるように、2つの測定装置310は、バルブ穴及びバルブ穴に挿入されたバルブの上に配置されるタイヤ圧監視システムに対して対称的に設置される。バッテリを含むタイヤ圧監視システムの電子機器全体は、好ましくは配線で、測定センサ312を電子機器に接続することによって、使用することができる。個々の測定装置及びタイヤ圧監視システムとその電子機器との間の追加の接続は必要ではない。測定装置のそれぞれの長さ及び位置は、好ましくは、中央金属帯ストリップのそれぞれの2つの中央が40°のオフセットで配置されるように構成される。中央金属帯ストリップ377のそれぞれの中央は、測定センサ312のそれぞれの中央位置に対応する。リムの外側への接着による測定装置のそれぞれの金属帯ストリップの固定は、簡単に行うことができ、同一のセンサを、任意の種類のホイール及びホイールサイズで使用することができる。測定装置配列350の2つの測定センサによって、ゼロクロスのリスクを簡単に回避することができる。また、車両が認識していない場合に、静止状態でもホイール荷重を測定することが可能である。
【0044】
測定装置は、バルブ穴の位置においてホイールリムに固定されない必要があるが、最も変形するゾーンに依存する異なる位置で使用される可能性もある。変形がより大きいほど、測定装置を有する測定配列の荷重推定誤差はより良くなる。追加のジャイロスコープセンサを加えることによって、間接的な車両速度測定も実現される可能性がある。
【0045】
非常に多くの変更が、前述の説明から当業者に明らかになり、それらは、添付の特許請求の範囲内に含まれると意図される。
【国際調査報告】