(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】熱電併給太陽光発電システム用の高集光型光起電-熱モジュールおよび関連する構成要素
(51)【国際特許分類】
H02S 40/44 20140101AFI20240514BHJP
H02S 40/22 20140101ALI20240514BHJP
F24S 20/00 20180101ALI20240514BHJP
F24S 23/00 20180101ALI20240514BHJP
F24S 25/12 20180101ALI20240514BHJP
【FI】
H02S40/44
H02S40/22
F24S20/00 020
F24S23/00
F24S25/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515726
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 CA2022050480
(87)【国際公開番号】W WO2022246535
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523442002
【氏名又は名称】シー.ケー.ハワード セールス エージェンシー エルティーディー.
(71)【出願人】
【識別番号】523443102
【氏名又は名称】1930106 オンタリオ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レドゥク,ジル
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251JA23
5F251JA29
(57)【要約】
電気エネルギー生成および熱エネルギー収集のための高集光型光起電-熱(HCPV-T)モジュールは、槽床から直立した複数の支持突出部を有する槽と、複数の集光光学アセンブリと、突出部の上部に着座し、光学アセンブリを保持する光学支持トレイとを特徴とする。集光型光起電(CPV)パワーモジュールは、光学アセンブリの下方に位置合わせされ、そこから集光された光を受光する。熱交換アセンブリは、冷却流体をCPVパワーモジュールのそれぞれを通過させて送る。各CPVパワーモジュールは、共有基板上に複数のCPVセルを有し、それぞれの熱交換器ブロックは、冷却流体を複数のCPVセルを直列に通過させて送る流路を有する。各光学アセンブリは、CPCホルダの上部にクワッド集光器を載置して支持するための支持フランジを集合的に形成する接合ウェブを介して継ぎ目なく一体化された4つの複合放物面集光器(CPC)を有するクワッド集光器を特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集光光を使用した電気エネルギー生成および熱エネルギー収集のための高集光型光起電-熱(HCPV-T)モジュールであって、
床と、その周囲の周りで前記床から直立した複数の周囲壁と、前記床の上で前記周囲壁の間に境界付けられた内部空間と、互いに離間した位置において前記内部空間内で前記床から直立した複数の支持突出部とを備える、槽と、
複数の集光光学アセンブリと、
前記槽の前記内部空間内の設置位置に着座され、光学支持座のアレイを備える光学支持トレイであって、前期光学支持座のアレイは、前記光学支持座のそれぞれにおける前記集光光学アセンブリのそれぞれ1つの個々の支持のために、前記光学支持トレイの上面内に凹状に陥凹し、その上に格子パターンで配置される、光学支持トレイと、
前記複数の集光光学アセンブリに等しい量の複数の集光型光起電(CPV)パワーモジュールであって、前記CPVパワーモジュールのそれぞれが、前記集光光学アセンブリのそれぞれの1つの下方に位置合わせされた関係で存在して、そこから集光光を受光して電力を生成する、複数のCPVパワーモジュールと、
前記槽の前記内部空間内に設置され、前記CPVパワーモジュールのそれぞれを通過して熱交換関係にある冷却流体を送るように構成された熱交換アセンブリと、を備え、
前記光学支持トレイが、前記光学支持座が配置された前記格子パターンの隣接する行の間の位置に存在する前記光学支持トレイの載置点において、前記槽の前記突出部の上部に着座される、HCPV-Tモジュール。
【請求項2】
前記槽の前記支持突出部の少なくともいくつかが、前記槽の前記周囲壁から内側に離間した関係の自立突出部である、請求項1に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項3】
前記槽の前記支持突出部の少なくともいくつかが、前記槽の前記周囲壁に直接取り付けられた関係の壁取り付け突出部である、請求項1または2に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項4】
前記支持突出部の少なくともいくつかが、前記槽の床から遠ざかるにつれて狭くなる上方テーパ形状である、請求項1から3のいずれかに記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項5】
前記上方テーパ形状が、互いに直交関係にある2次元において狭くなる、請求項4に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項6】
前記支持突出部の少なくともいくつかがピラミッド形状である、請求項1から5のいずれかに記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項7】
前記支持突出部の少なくとも一部が中空である、請求項1から6のいずれかに記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項8】
前記支持突出部のうちの少なくとも1つが、前記冷却流体が前記熱交換器に出入りする際に通る流体ポートを内部に有する、請求項1から7のいずれかに記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項9】
前記支持突出部のうちの少なくとも1つが、前記CPVパワーモジュールのうちの少なくともいくつかが配線される配線端子が取り付けられる端子支持部としても機能する、請求項1から8のいずれかに記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項10】
各集光光学アセンブリが、複数の出口点において集光光を出射するマルチ集光光学アセンブリであり、
各CPVパワーモジュールが、それぞれの集光光学アセンブリの前記出口点とそれぞれ位置合わせされた離散位置において共有基板上に取り付けられた複数のCPVセルを有するマルチセルパワーモジュールである、
請求項1から9のいずれかに記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項11】
前記熱交換アセンブリが、それぞれが前記CPVパワーモジュールのそれぞれに対応し、前記CPVパワーモジュールのそれぞれと熱交換関係に配置された複数の熱交換器ブロックを備え、各熱交換器ブロックが、前記冷却流体が前記冷却流体と熱交換関係にある前記それぞれのCPVパワーモジュールの複数の前記CPVセルを直列に通過して送られる、内部に画定された所定の流路を有する、請求項10に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項12】
前記所定の流路が、前記それぞれのCPVパワーモジュールの前記CPVセルの全てを直列に通過して前記冷却流体を送る前記熱交換器ブロックの唯一の流路である、請求項11に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項13】
前記所定の流路が、前記熱交換器ブロックの面内に凹んだ流路を備え、前記流路の上に熱伝導性プレートが流体密の関係で設置され、それによって前記冷却液体が、前記熱伝導性プレートと流動接触して前記流路を通って流れる、請求項11または12に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項14】
前記それぞれのCPVパワーモジュールの前記共有基板が、前記熱伝導プレートに対して取り付けられ、それによって前記冷却流体と前記熱伝導プレートを貫通する前記複数のCPVセルとの間に熱交換関係を確立する、請求項13に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項15】
前記熱伝導プレートが銅を含む、請求項14に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項16】
前記所定の流路が、前記熱交換器ブロックの第1の側面の入口ポートを前記熱交換器ブロックの隣接する第2の側面の出口ポートに接合する3つの弓形湾曲セグメントから構成される、請求項11から15のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項17】
前記3つの弓形湾曲セグメントが、前記熱交換器ブロックの前記第1の側面付近の前記入口ポートとの接続部から、前記第2の側面の反対側に位置する前記熱交換器ブロックの第3の側面に向かって弧を描く第1のセグメントと、前記第1のセグメントから、その前記第1の側面の反対側に位置する前記熱交換器ブロックの第4の側面に向かって弧を描く第2のセグメントと、前記第2のセグメントから、前記熱交換器ブロックの前記第2の側面付近の前記出口ポートとの接続部に向かって弧を描く第3のセグメントとを備え、前記第1セグメントおよび第3のセグメントの凹状の外側面が、前記熱交換器ブロックの周縁部に向かって外向きに面し、前記第1セグメントおよび第3のセグメントの凸状の内側面が、互いに向かって内向きに面し、前記第2のセグメントの凸状の外側面が、前記熱交換器ブロックの周縁部に向かって外向きに面する、請求項16に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項18】
前記熱交換器ブロックへの、前記熱交換器ブロックからの、および前記熱交換器ブロック間の流体の流れを可能にするための接続導管の外部結合のために、それぞれのネックが、その前記入口ポートおよび前記出口ポートのそれぞれにおいて前記熱交換器ポートから突出する、請求項16または17に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項19】
各熱交換器ブロックがその上に入口ポートおよび出口ポートを有し、前記熱交換器ブロックへの、前記熱交換器ブロックからの、および前記熱交換器ブロック間の流体の流れを可能にするための接続導管の外部結合のために、それぞれのネックが、その前記入口ポートおよび前記出口ポートのそれぞれにおいて前記熱交換器ポートから突出する、請求項11から15のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項20】
複数の接続導管を備え、前記複数の接続導管は、前記接続導管を介して前記冷却流体を送るために、前記熱交換器ブロックの入口ポートおよび出口ポートに接続される、請求項11から15のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項21】
前記接続導管が可撓性ホースを備える、請求項18から20のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項22】
前記接続導管の少なくともサブセットが、前記槽の前記支持突出部の隣接する対の間を通過する、請求項18から21のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項23】
前記接続導管のうちの少なくとも1つが、それぞれ、前記突出部のそれぞれの周囲に少なくとも部分的に広がる、請求項18から21のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項24】
集光光を使用した電気エネルギー生成および熱エネルギー収集のための高集光型光起電-熱(HCPV-T)モジュール用の構成要素であって、
複数の複合放物面集光器(CPC)とのそれぞれの位置合わせのために複数のCPVセルが共有基板上の離散位置にそれぞれ取り付けられた1つまたは複数のマルチセル集光型光起電(CPV)パワーモジュールと、
前記1つまたは複数のマルチセルCPVパワーモジュールとともにそれぞれ使用するための1つまたは複数の熱交換器ブロックであって、各熱交換器ブロックが、内部に画定された所定の流路を有し、前記流路を通って冷却流体が、前記マルチセルCPVパワーモジュールのそれぞれの前記複数のCPVセルを熱交換関係で通過する非線形経路上に直列に送られる、1つまたは複数の熱交換器ブロックと、を含む、構成要素。
【請求項25】
各熱交換器ブロックの前記所定の流路が、前記それぞれのマルチセルCPVパワーモジュールの前記CPVセルの全てを直列に通過して前記冷却流体を送るその唯一の流路である、請求項24に記載の構成要素。
【請求項26】
各熱交換器ブロックの前記所定の流路が、前記熱交換器ブロックの面内に凹んだ流路を備え、前記流路の上に熱伝導性プレートが流体密の関係で設置され、それによって前記冷却液体が、前記熱伝導性プレートと流動接触して前記流路を通って流れる、請求項24または25に記載の構成要素。
【請求項27】
前記それぞれのCPVパワーモジュールの前記共有基板が、前記熱伝導プレートに対して取り付けられ、それによって前記冷却流体と前記熱伝導プレートを貫通する前記複数のCPVセルとの間に熱交換関係を確立する、請求項26に記載の構成要素。
【請求項28】
前記熱伝導プレートが銅を含む、請求項27に記載の構成要素。
【請求項29】
前記所定の流路の前記非線形経路が、前記熱交換器ブロックの第1の側面の入口ポートを前記熱交換器ブロックの隣接する第2の側面の出口ポートに結合するために互いに端と端を接して存在する3つの弓形湾曲セグメントを備える、請求項24から28のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項30】
前記3つの弓形湾曲セグメントが、前記熱交換器ブロックの前記第1の側面付近の前記入口ポートとの接続部から、前記第2の側面の反対側に位置する前記熱交換器ブロックの第3の側面に向かって弧を描く第1のセグメントと、前記第1のセグメントから、その前記第1の側面の反対側に位置する前記熱交換器ブロックの第4の側面に向かって弧を描く第2のセグメントと、前記第2のセグメントから、前記熱交換器ブロックの前記第2の側面付近の前記出口ポートとの接続部に向かって弧を描く第3のセグメントとを備え、前記第1セグメントおよび第3のセグメントの凹状の外側面が、前記熱交換器ブロックの周縁部に向かって外向きに面し、前記第1セグメントおよび第3のセグメントの凸状の内側面が、互いに向かって内向きに面し、前記第2のセグメントの凸状の外側面が、前記熱交換器ブロックの周縁部に向かって外向きに面する、請求項29に記載の構成要素。
【請求項31】
前記熱交換器ブロックへの、前記熱交換器ブロックからの、および前記熱交換器ブロック間の流体の流れを可能にするための接続導管の外部結合のために、それぞれのネックが、前記熱交換器ブロックの前記入口ポートおよび前記出口ポートのそれぞれにおいて前記熱交換器ブロックから突出する、請求項29または30に記載の構成要素。
【請求項32】
各熱交換器ブロックがその上に入口ポートおよび出口ポートを有し、前記熱交換器ブロックへの、前記熱交換器ブロックからの、および前記熱交換器ブロック間の流体の流れを可能にするための接続導管の外部結合のために、それぞれのネックが、その前記入口ポートおよび前記出口ポートのそれぞれにおいて前記熱交換器ポートから突出する、請求項24から28のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項33】
複数の接続導管を備え、前記複数の接続導管は、前記冷却流体を前記接続導管を介して送るために、前記1つまたは複数の熱交換器ブロックの入口ポートおよび出口ポートに接続される、請求項24から28のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項34】
前記接続導管が可撓性ホースを備える、請求項31から33のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項35】
各マルチセルCPVパワーモジュールが、その基板上に4つのCPVセルを有するクワッドセルCPVパワーモジュールである、請求項24から34のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項36】
共有基板上に離散的に配置された複数のCPVセルを有するマルチセル集光型光起電(CPV)パワーモジュールを冷却するための熱交換器構成要素であって、
入口ポートおよび出口ポートを有するブロックであって、冷却流体が前記入口ポートおよび前記出口ポートを通って前記ブロックに流入出可能である、ブロックと、
非線形経路上の前記入口ポートおよび前記出口ポートを流体的に相互接続する前記ブロック内の所定の流路と、
前記ブロック内の前記所定の流路をそのそれぞれの面において閉鎖する熱伝導性材料の壁であって、それによって前記冷却液体が、前記熱伝導性壁の内側と流動接触して流路を通って流れる、熱伝導性材料の壁と、を備え、
前記所定の流路の前記非線形経路が、前記マルチセルCPVパワーモジュールの前記共有基板上の前記CPVセルのそれぞれの位置に一致するレイアウトにおいて、前記熱伝導性材料の壁の領域にわたって離間した位置に分散された複数の離散点によって直列に通過し、前記熱伝導性壁の外側が、前記マルチセルCPVパワーモジュールの前記共有基板に対して着座して取り付けられるように成形されてサイズ決めされ、それにより、前記所定の流路を通って送られた前記冷却流体が、前記熱伝導性材料の壁を通って、その前記CPVセルによって占有されるホットスポットを特に標的とするように、前記マルチセルCPVパワーモジュールと熱交換関係にある、熱交換器構成要素。
【請求項37】
前記流路が、前記ブロックの前記面内に陥凹しており、前記熱伝導性材料の壁が、前記ブロックの前記面において前記ブロックに取り付けられた別個のカバープレートによって画定される、請求項36に記載の熱交換器構成要素。
【請求項38】
前記ブロックおよび前記別個のカバープレートが、互いに実質的に異なる、請求項37に記載の熱交換器構成要素。
【請求項39】
前記別個のカバープレートが、前記ブロックの構成材料よりも高い熱伝導率の材料から構成される、請求項37または38に記載の熱交換器構成要素。
【請求項40】
前記熱伝導性壁が銅を含む、請求項36から39のいずれか一項に記載の熱交換器構成要素。
【請求項41】
前記入口ポートおよび前記出口ポートが、前記ブロックの隣接する側に存在し、前記所定の流路の前記非線形経路が、前記入口ポートと前記出口ポートとの間に互いに端と端を接して存在する3つの弓形湾曲セグメントを備える、請求項36から40のいずれか一項に記載の熱交換器構成要素。
【請求項42】
前記3つの弓形湾曲セグメントが、前記熱交換器ブロックの前記第1の側面付近の前記入口ポートとの接続部から、第2の側面の反対側に位置する前記熱交換器ブロックの第3の側面に向かって弧を描く第1のセグメントと、前記第1のセグメントから、その前記第1の側面の反対側に位置する前記熱交換器ブロックの第4の側面に向かって弧を描く第2のセグメントと、前記第2のセグメントから、前記熱交換器ブロックの前記第2の側面付近の前記出口ポートとの接続部に向かって弧を描く第3のセグメントとを備え、前記第1セグメントおよび第3のセグメントの凹状の外側面が、前記熱交換器ブロックの周縁部に向かって外向きに面し、前記第1セグメントおよび第3のセグメントの凸状の内側面が、互いに向かって内向きに面し、前記第2のセグメントの凸状の外側面が、前記熱交換器ブロックの周縁部に向かって外向きに面する、請求項41に記載の熱交換器構成要素。
【請求項43】
前記熱交換器ブロックへの、前記熱交換器ブロックからの、および前記熱交換器ブロック間の流体の流れを可能にするための接続導管の外部結合のために、それぞれのネックが、前記熱交換器ブロックの前記入口ポートおよび前記出口ポートのそれぞれにおいて前記熱交換器ブロックから突出する、請求項36から42のいずれか一項に記載の熱交換器構成要素。
【請求項44】
集光光を使用した電気エネルギー生成および熱エネルギー収集のための高集光型光起電-熱(HCPV-T)モジュールであって、前記HCPV-Tモジュールは、
支持体と、
前記支持体上に設置された複数の集光光学アセンブリと、
前記複数の集光光学アセンブリに等しい量の複数の集光型光起電(CPV)パワーモジュールであって、前記CPVパワーモジュールのそれぞれが、前記集光光学アセンブリのそれぞれの下方に位置合わせされた関係で存在して、そこから集光光を受光して電力を生成する、複数のCPVパワーモジュールと、
前記支持体上に設置された熱交換アセンブリと、を備え、前記熱交換アセンブリは、
前記複数のCPVパワーモジュールと等しい量の複数の熱交換器ブロックであって、各熱交換器ブロックが、入力ポートと、出力ポートと、前記入力ポートから流路を介して前記出力ポートに冷却流体を送るためにそれらの間に延在する所定の流路とを有し、前記流路が、熱伝導性材料の壁によって前記熱交換器ブロックのそれぞれの面において閉鎖され、その外側にはそれぞれのCPVパワーモジュールが取り付けられ、それにより、前記所定の流路を通って送られた前記冷却流体が、前記熱伝導性材料の壁を通って前記CPVパワーモジュールと熱交換関係にある、複数の熱交換器ブロックと、
前記複数の熱交換器ブロックに、前記複数の熱交換器ブロックから、および前記複数の熱交換器ブロック間で前記冷却流体を搬送するために、前記複数の熱交換器ブロックの前記入口ポートおよび前記出口ポートに接続された複数の接続導管と、を備える、HCPV-Tモジュール。
【請求項45】
各集光光学アセンブリが、複数の出口点において集光光を出力するマルチ集光光学アセンブリであり、各CPVパワーモジュールは、それぞれの集光光学アセンブリの前記出口点とそれぞれ位置合わせされたその上の離散位置において共有基板上に取り付けられた複数のCPVセルを有するマルチセルモジュールであり、各熱交換器ブロックの前記流路が、前記それぞれのCPVセルの前記複数のCPVセルを直列に通過して前記冷却流体を送る、請求項44に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項46】
各熱交換器ブロックの前記所定の流路が、前記それぞれのマルチセルCPVパワーモジュールの前記CPVセルの全てを直列に通過して前記冷却流体を送るその唯一の流路である、請求項45に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項47】
前記流路が、前記ブロックの前記面内に陥凹しており、前記熱伝導性材料の壁が、前記ブロックの前記面において前記ブロックに取り付けられた別個のカバープレートによって画定される、請求項44から46のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項48】
前記ブロックおよび前記別個のカバープレートが、互いに実質的に異なる、請求項47に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項49】
前記別個のカバープレートが、前記ブロックの構成材料よりも高い熱伝導率の材料から構成される、請求項47または48に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項50】
前記熱伝導性壁が銅を含む、請求項44から49のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項51】
各熱交換器ブロックの前記所定の流路が、その前記入口ポートおよび前記出口ポートの間の非線形経路をたどる、請求項44から50のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項52】
各熱交換器ブロックの前記入口ポートおよび前記出口ポートが、その隣接する側に存在し、各熱交換器ブロックの前記所定の流路が、前記入口ポートと前記出口ポートとの間に互いに端と端を接して存在する3つの弓形湾曲セグメントを備える非線形経路をたどる、請求項44から50のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項53】
前記3つの弓形湾曲セグメントが、前記熱交換器ブロックの前記第1の側面付近の前記入口ポートとの接続部から、第2の側面の反対側に位置する前記熱交換器ブロックの第3の側面に向かって弧を描く第1のセグメントと、前記第1のセグメントから、その前記第1の側面の反対側に位置する前記熱交換器ブロックの第4の側面に向かって弧を描く第2のセグメントと、前記第2のセグメントから、前記熱交換器ブロックの前記第2の側面付近の前記出口ポートとの接続部に向かって弧を描く第3のセグメントとを備え、前記第1セグメントおよび第3のセグメントの凹状の外側面が、前記熱交換器ブロックの周縁部に向かって外向きに面し、前記第1セグメントおよび第3のセグメントの凸状の内側面が、互いに向かって内向きに面し、前記第2のセグメントの凸状の外側面が、前記熱交換器ブロックの周縁部に向かって外向きに面する、請求項52に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項54】
前記熱交換器ブロックへの、前記熱交換器ブロックからの、および前記熱交換器ブロック間の流体の流れを可能にするための接続導体の外部結合のために、それぞれのネックが、前記熱交換器ブロックの前記入口ポートおよび前記出口ポートのそれぞれにおいて前記熱交換器ブロックから突出する、請求項44から52のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項55】
各集光光学アセンブリが、入射光を反射する4つの一次4分の1断面放物面反射器から構成された一次クワッドミラーと、前記4つの一次4分の1断面放物面反射器からの反射光をそれぞれ受光する4つの二次4分の1断面放物面反射器から構成された二次クワッドミラーと、前記4つの二次4分の1断面放物面反射器からの反射光を受光する4つの複合放物面集光器(CPC)から構成されたクワッド集光器と、を備え、
各CPVパワーモジュールが、前記それぞれの集光アセンブリの前記クワッド集光器の4つのCPCの下方にそれぞれ位置する4つのCPVセルを有するクワッドセルCPVパワーモジュールである、請求項10から23および44から54のいずれか一項に記載のHCPV-Tモジュール。
【請求項56】
マルチコーン太陽光集光器であって、
それぞれの円錐状の外壁をそれぞれ有する複数の複合放物面集光器(CPC)であって、前記円錐状の外壁が、それぞれの中心軸に対して軸外放物面関係にある放物面状に輪郭形成された内部を画定し、前記中心軸の周りで、前記円錐状の外壁が周方向に広がる、複数のCPCを備え、
前記複数のCPCが、前記複数のCPCが以下の特徴のうちの少なくとも1つによって互いに一体的に相互接続された一体構造の継ぎ目なく一体化された構成要素であり、前記特徴が、
(a)前記一体構造の複数の接合ウェブであって、そのそれぞれが、それぞれの隣接する対のCPCの間に広がり、その上の離散した高さでその前記外壁に一体的に取り付けられることによって前記それぞれの隣接する対のCPCを互いに接合する一方で、前記隣接する対のCPCの前記外壁を、前記接合ウェブによって占有されていない他の高さで互いに離間し、且つ取り付けられていない関係のままにする、複数の接合ウェブ、および/または
(b)前記隣接する対のCPCのそれぞれの前記外壁を、軸方向に対向し且つより狭い出口開口部よりも、前記隣接する対のCPCの放物面状に輪郭形成された内部のより広い入口開口部に近接した関係の上方領域において互いに直接的且つ継ぎ目なく一体的に相互接合する一方で、前記隣接する対のCPCの前記外壁を、その他の領域において互いに離間し且つ取り付けられていない関係のままにすること、である、マルチコーン太陽光集光器。
【請求項57】
前記複数のCPCが、少なくとも前記複数の接合ウェブによって互いに一体的に相互接続される、請求項56に記載のマルチコーン太陽光集光器。
【請求項58】
前記複数の接合ウェブが協働して静止フランジを形成し、それによって前記マルチコーン太陽光集光器が別個のCPCホルダの上部に載置可能である、請求項57に記載のマルチコーン太陽集光器。
【請求項59】
前記マルチコーン太陽光集光器の前記一体構造が中央孔を備え、前記中央孔の周りに前記複数のCPCが配置され、前記CPCホルダの直立ポストを囲む前記CPCホルダの支持レッジ上に前記マルチコーン太陽光集光器を着座させる間に、前記中央孔を通して前記直立ポストが収容可能である、請求項58に記載のマルチコーン太陽光集光器。
【請求項60】
前記別個のCPCホルダと、前記CPCホルダの前記直立ポストを収容するための中央開口部を内部に有する一次放物面形状ミラーと、前記一次放物面形状ミラーに対して上昇した関係で前記CPCホルダの前記直立ポストの上部に取り付けて、そこから反射入射光を受光し、前記反射入射光を前記マルチコーン太陽光集光器の前記CPC内に下方にさらに反射するための二次放物面形状ミラーとを組み合わせた、請求項59に記載のマルチコーン太陽光集光器。
【請求項61】
前記別個のCPCホルダの前記支持レッジが、前記CPCの前記出口開口部の下方にそれぞれ位置合わせされた位置において共有基板上に配置された複数のCPVセルを有する集光型光起電(CPV)パワーモジュールの前記共有基板の上部に前記別個のCPCホルダを立設支持するために、前記支持レッジに依存する複数の支持脚を有する、請求項59または60に記載のマルチコーン太陽光集光器。
【請求項62】
前記パワーモジュールと組み合わせた、請求項61に記載のマルチコーン太陽光集光器。
【請求項63】
請求項36から43のいずれか一項に記載の熱交換器構成要素とさらに組み合わせられ、前記CPVパワーモジュールの前記共有基板が、前記熱交換器構成要素の前記ブロックの、前記熱伝導性材料の壁によって占有される面に取り付けられる、請求項62に記載のマルチコーン太陽光集光器。
【請求項64】
前記複数のCPCが、その前記外壁を少なくとも直接的且つ継ぎ目なく一体的に相互接合することによって互いに一体的に相互接続される、請求項56から63のいずれか一項に記載のマルチコーン太陽光集光器。
【請求項65】
前記複数のCPCが、前記接合ウェブと、前記CPCの前記外壁を直接的且つ継ぎ目なく一体的に相互接合することの両方によって相互接続される、請求項56から64のいずれか一項に記載のマルチコーン太陽光集光器。
【請求項66】
前記外壁を直接的且つ継ぎ目なく一体的に相互接合することを特徴とする前記CPCの前記上部領域が、前記接合ウェブの上方に存在する、請求項65に記載のマルチコーン太陽光集光器。
【請求項67】
各隣接する対のCPCの前記上部領域が、前記隣接する対のCPCの間の前記それぞれの接合ウェブの上面から、前記隣接する対のCPCの前記より広い入口開口部が存在するその上端まで延在する仰角スパンを占有し、前記隣接する対のCPCが、前記仰角スパンの全体にわたってそれらの外壁を直接的且つ一体的に相互接合している、請求項66に記載のマルチコーン太陽光集光器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に太陽光エネルギーに関し、より詳細には、集光光学系を使用して太陽光を小さな集光型光起電(CPV)セルに集光して、発電および熱エネルギー収集の両方を熱電併給(CHP)用途のために行う高集光型光起電-熱(HCPV-T)太陽光集熱器の設計に関する。
【背景技術】
【0002】
前述の技術分野における従来の試みの中には、米国特許第9,739,991号明細書(特許文献1)および米国特許第10,133,044号明細書(特許文献2)ならびに米国意匠特許第792341号明細書(特許文献3)に開示されているシステム、モジュールおよび構成要素があり、それらのそれぞれは、本出願と少なくとも1人の発明者を共有し、それらの全ては、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
2つの先行特許のうちの前者では、太陽光集光光学アセンブリの特定の設計が提案され、複数のそのようなアセンブリは、複数の線形ランを有する蛇行熱交換器によって床が裏打ちされたエンクロージャ内でアレイ状に使用され、そのそれぞれの上に光学アセンブリのそれぞれの行が配置されて、熱交換器ランの上部に平坦に取り付けられた一連のそれぞれのCPVセル上に太陽光を集光させた。
【0004】
2つの先行特許のうちの後者では、非常に異なる新規なスタイルの集光光学アセンブリが提案されており、そのそれぞれは、入射太陽光を受光するための4つの一次軸外4分の1断面放物面反射器のセットと、一次反射器からの反射太陽光を受光するための4つの二次軸外4分の1断面放物面反射器のそれぞれのセットと、熱エネルギー収集および太陽光発電を目的として二次反射器からの反射太陽光を受光して集光するための、Winston Conesとしても知られている4つの複合放物面集光器(CPC)のそれぞれのセットとから構成されている。このタイプの各光学アセンブリは、その光学部品サブセットのそれぞれにおける4つの反射器/集光器を考慮して、光学クワッドと呼ばれることができる。
【0005】
先の意匠特許は、透明カバーによって覆われたエンクロージャ内の3×3アレイに配置された9つの光学四辺形からなる太陽光パネルを開示した。
【0006】
その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Characterization of an assembly architecture incorporating a multi-cell design for lower cost hybrid CPV modules」,AIP Conference Proceedings 1766,060003(2016)では、前述の光学クワッドをクワッド受光器と組み合わせ、それぞれの光学クワッドの4つのCPCの下方にある位置において共有直接接合銅(DBC)単一アルミナセラミックキャリア上に取り付けられた4つの三重接合CPVセルのそれぞれのセットからそれぞれ構成され、したがって、そのそれぞれの光学クワッドの集光太陽光出力から電気エネルギーを生成するCPVパワーモジュールを形成するCPVモジュールが開示された。CPVセルは、4つのバイパスダイオードによって個別に保護された。
【0007】
本出願は、太陽光エネルギーの分野における非常に効率的で費用効果の高いHCPV-Tソリューションという所望の目標を促進するために、これらの従来の参考文献の教示に基づいている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第9,739,991号明細書
【特許文献2】米国特許第10,133,044号明細書
【特許文献3】米国意匠特許第792341号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「Characterization of an assembly architecture incorporating a multi-cell design for lower cost hybrid CPV modules」,AIP Conference Proceedings 1766,060003(2016)
【発明の概要】
【0010】
特に順序は問わないが、本発明の複数の新規且つ創作的な態様を以下に簡単に要約する。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、集光光を使用した電気エネルギー生成および熱エネルギー収集のための高集光型光起電-熱(HCPV-T)モジュールであって、
床と、その周囲の周りで前記床から直立した複数の周囲壁と、前記床の上で前記周囲壁の間に境界付けられた内部空間と、互いに離間した位置において内部空間内で前記床から直立した複数の支持突出部とを備える、槽と、
複数の集光光学アセンブリと、
前記槽の内部空間内の設置位置に着座され、光学支持座のアレイを備える光学支持トレイであって、前記光学支持座のアレイは、前記光学支持座のそれぞれにおける前記集光光学アセンブリのそれぞれ1つの個々の支持のために、光学支持トレイの上面内に凹状に陥凹し、その上に格子パターンで配置される、光学支持トレイと、
前記複数の集光光学アセンブリに等しい量の複数の集光型光起電(CPV)パワーモジュールであって、前記CPVパワーモジュールのそれぞれが、前記集光光学アセンブリのそれぞれの1つの下方に位置合わせされた関係で存在して、そこから集光光を受光して電力を生成する、複数のCPVパワーモジュールと、
槽の内部空間内に設置され、CPVパワーモジュールのそれぞれを通過して熱交換関係にある冷却流体を送るように構成された熱交換アセンブリと、を備え、
前記光学支持トレイが、前記光学支持座が配置された格子パターンの隣接する行の間の位置に存在する光学支持トレイの載置点において、槽の突出部の上部に着座される、HCPV-Tモジュールが提供される。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、集光光を使用した電気エネルギー生成および熱エネルギー収集のための高集光型光起電-熱(HCPV-T)モジュール用の構成要素であって、
複数の複合放物面集光器(CPC)とのそれぞれの位置合わせのために複数のCPVセルが共有基板上の離散位置にそれぞれ取り付けられた1つまたは複数のマルチセル集光型光起電(CPV)パワーモジュールと、
前記1つまたは複数のマルチセルCPVパワーモジュールとともにそれぞれ使用するための1つまたは複数の熱交換器ブロックであって、各熱交換器ブロックが、内部に画定された所定の流路を有し、流路を通って冷却流体が、マルチセルCPVパワーモジュールのそれぞれの複数のCPVセルを熱交換関係で通過する非線形経路上に直列に送られる、1つまたは複数の熱交換器ブロックと、を含む、構成要素が提供される。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、共有基板上に離散的に配置された複数のCPVセルを有するマルチセル集光型光起電(CPV)パワーモジュールを冷却するための熱交換器構成要素であって、
入口ポートおよび出口ポートを有するブロックであって、冷却流体が前記入口ポートおよび前記出口ポートを通って前記ブロックに流入出可能である、ブロックと、
非線形経路上の前記入口ポートおよび前記出口ポートを流体的に相互接続する前記ブロック内の所定の流路と、
ブロック内の前記所定の流路をそのそれぞれの面において閉鎖する熱伝導性材料の壁であって、それによって冷却液体が、前記熱伝導性壁の内側と流動接触して流路を通って流れる、熱伝導性材料の壁と、を備え、
所定の流路の非線形経路が、マルチセルCPVパワーモジュールの共有基板上のCPVセルのそれぞれの位置に一致するレイアウトにおいて、熱伝導性材料の壁の領域にわたって離間した位置に分散された複数の離散点によって直列に通過し、前記熱伝導性壁の外側が、マルチセルCPVパワーモジュールの共有基板に対して着座して取り付けられるように成形されてサイズ決めされ、それにより、所定の流路を通って送られた冷却流体が、熱伝導性材料の壁を通って、そのCPVセルによって占有されるホットスポットを特に標的とするように、マルチセルCPVパワーモジュールと熱交換関係にある、熱交換器構成要素が提供される。
【0014】
本発明の第4の態様によれば、集光光を使用した電気エネルギー生成および熱エネルギー収集のための高集光型光起電-熱(HCPV-T)モジュールが提供され、HCPV-Tモジュールは、
支持体と、
前記支持体上に設置された複数の集光光学アセンブリと、
前記複数の集光光学アセンブリに等しい量の複数の集光型光起電(CPV)パワーモジュールであって、前記CPVパワーモジュールのそれぞれが、前記集光光学アセンブリのそれぞれの下方に位置合わせされた関係で存在して、そこから集光光を受光して電力を生成する、複数のCPVパワーモジュールと、
前記支持体上に設置された熱交換アセンブリと、を備え、前記熱交換アセンブリは、
前記複数のCPVパワーモジュールと等しい量の複数の熱交換器ブロックであって、各熱交換器ブロックが、入力ポートと、出力ポートと、前記入力ポートから流路を介して前記出力ポートに冷却流体を送るためにそれらの間に延在する所定の流路とを有し、前記流路が、熱伝導性材料の壁によって熱交換器ブロックのそれぞれの面において閉鎖され、その外側にはそれぞれのCPVパワーモジュールが取り付けられ、それにより、所定の流路を通って送られた冷却流体が、前記熱伝導性材料の壁を通ってCPVパワーモジュールと熱交換関係にある、複数の熱交換器ブロックと、
前記複数の熱交換器ブロックに、前記複数の熱交換器ブロックから、および前記複数の熱交換器ブロック間で冷却流体を搬送するために、複数の熱交換器ブロックの入口ポートおよび出口ポートに接続された複数の接続導管と、を備える。
【0015】
本発明の第5の態様によれば、マルチコーン太陽光集光器であって、
それぞれの円錐状の外壁をそれぞれ有する複数の複合放物面集光器(CPC)であって、円錐状の外壁が、それぞれの中心軸に対して軸外放物面関係にある放物面状に輪郭形成された内部を画定し、中心軸の周りで、円錐状の外壁が周方向に広がる、複数のCPCを備え、
前記複数のCPCが、前記複数のCPCが以下の特徴のうちの少なくとも1つによって互いに一体的に相互接続された一体構造の継ぎ目なく一体化された構成要素であり、特徴が、
(a)前記一体構造の複数の接合ウェブであって、そのそれぞれが、それぞれの隣接する対のCPCの間に広がり、その上の離散した高さでその外壁に一体的に取り付けられることによって前記それぞれの隣接する対のCPCを互いに接合する一方で、隣接する対のCPCの前記外壁は、前記接合ウェブによって占有されていない他の高さで互いに離間して取り付けられていない状態のままにする、複数の接合ウェブ、および/または
(b)隣接する対のCPCのそれぞれの外壁を、軸方向に対向し且つより狭い出口開口部よりも、前記隣接する対のCPCの放物面状に輪郭形成された内部のより広い入口開口部に近接した関係の上方領域において互いに直接的且つ継ぎ目なく一体的に相互接合する一方で、隣接する対のCPCの前記外壁を、その他の領域において互いに離間し且つ取り付けられていない関係のままにすること、である、マルチコーン太陽光集光器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
次に、本発明の一実施形態を添付の図面と併せて説明する。
【
図1】CHP太陽光発電システムにおいて使用するためのHCPV-T太陽光集熱器モジュールの完全な組立図である。
【
図2】その別個の光学、電気/熱および支持槽サブアセンブリを示す、HCPV-T太陽光集熱器モジュールの分解図である。
【
図3】
図2の支持槽サブアセンブリの分離された組立図である。
【
図4】
図3の支持槽サブアセンブリの分解図である。
【
図5】
図2の電気/熱サブアセンブリの分離された組立図である。
【
図6】
図5の電気/熱サブアセンブリの部分分解図である。
【
図7】
図2の光学サブアセンブリの分離された組立図である。
【
図8】
図7の光学サブアセンブリの部分分解図である。
【
図9】
図1のHCPV-T太陽光集熱器モジュールの線A-Aによって示される切断面で見た立面断面図である。
【
図11】CPCホルダ、その上に取り付けられたクワッド集光器、およびその4つのCPCをクワッドセルCPVパワーモジュールの4つのCPVセルに向ける位置においてクワッド集光器を担持するためにCPCホルダが取り付けられたその上のクワッドセルCPVパワーモジュールの斜視図である。
【
図12】例示を目的としてクワッド集光器が取り外された、
図11のCPCホルダおよびクワッドセルパワーモジュールの斜視図である。
【
図13】
図11のクワッド集光器が分離された上面斜視図である。
【
図15】
図11のクワッドセルCPVパワーモジュールが分離された上面斜視図である。
【
図16】
図11のクワッドセルCPVパワーモジュールがその液体冷却のために取り付け可能であるその上部作業面から見た、
図5の電気/熱サブアセンブリの熱交換器ブロックの斜視図である。
【
図17】
図16の熱交換器ブロックの別の斜視図であるが、
図1のHCPV-Tモジュールの組み立て中に、
図4の支持槽サブアセンブリの床に取り付けられる、その反対側の底部からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、集光された太陽光を使用した電気エネルギー生成および熱エネルギー収集に有用な、本発明の組み立てられた高集光型光起電-熱(HCPV-T)太陽光集熱器モジュール10を示している。
図2の分解図を参照すると、モジュールは、他のサブアセンブリを保持して収容するための支持槽サブアセンブリ12と、入射太陽光を集光するために使用される光学サブアセンブリ14と、この集光された太陽光から電気を生成し、そこから熱エネルギーを収集するための電気/熱サブアセンブリ16とから構成される。
【0018】
支持槽サブアセンブリ12は、矩形の支持槽18と、矩形の透明ガラスシート22(例えば、低鉄強化ガラス)と下方にある周囲シール26を有するガラスシート22の外周領域の上部に嵌合される矩形の周囲フレーム24とから構成される協働するカバー20とを特徴とする。この構成により、周囲フレーム24を支持槽18に締結することは、支持槽18の最初に開放した上部を閉鎖するために下方にあるガラス22を支持槽にしっかりとクランプする。支持槽18は、矩形の床28を特徴としており、矩形の床28のそれぞれの4つの側面には、4つの周囲壁30のセットが直立している。これらの周囲壁の上縁部30Aは、協働して、槽の矩形の開放した上部を画定する。したがって、カバーの周囲フレーム24が周囲の縁部30Aに締結された状態は、カバーガラス22をその開放した上部に完全に広がる位置において槽に固定する。槽のこの閉鎖状態では、その内部空間は、4つの周囲壁30の間で水平に、および槽床28とカバーガラス22との間で垂直に区切られている。方向用語「水平」および「垂直」は、槽周囲壁が直立する水平基準面に槽床が存在する、モジュールの図示された向きに関して使用されることが理解されよう。この方向性は、図面の異なる構成要素および特徴の相対的な向きを説明するためにのみ使用され、HCPV-Tモジュール10の意図された動作位置または向きを具体的に示すものではない。
【0019】
平床20の代わりに、槽18は、その内部空間全体にわたって離間して均一に配置された位置で、槽18の内部空間内の床から直立した複数の支持突出部32A、32Bを特徴とする。図示の実施形態では、槽18の周囲壁30から内側に離間した距離に存在する4つの独立した突出部32Aがある。さらに、図示の実施形態は、これらの周囲壁30が交差する槽のコーナーにおいて、槽の周囲壁30に直接取り付けられた関係の4つの壁取り付けコーナー突出部32Bと、槽の4つのコーナーの間の中央領域において、槽の周囲壁に直接取り付けられた関係の8つの壁取り付け中間壁突出部32Cとを特徴とする。図示の例では、各周囲壁30は、2つのそのような中間壁突出部32Cを特徴とする。
【0020】
槽18の2つの直交する関連する水平寸法のそれぞれにおいて、そのような寸法のそれぞれは、槽の4つの周囲壁30のそれぞれの対向する対の間の槽床28にわたって測定され、それらの2つの対向する周囲壁30の一方の各中間壁突出部32Cは、それらの2つの対向する周囲壁30の他方の対応する中間壁突出部32Cと位置合わせされ、それらの2つの対向する周囲壁の間に位置する4つの独立した突出部32Aの2つとも位置合わせされる。これらの4つの位置合わせされた突出部は、突出部のそれぞれの内側列を構成し、そのうちの2つの内側列は、槽の2つの水平寸法のそれぞれにある。槽の2つの水平寸法のそれぞれには、2つの外側行もあり、その方向に延びる2つの周囲壁30のうちの一方の4つの壁取り付け突出部(2つのコーナー突出部32Bおよび2つの中間壁突出部32C)からそれぞれ構成される。そのため、図示の例では、槽の2つの水平寸法のそれぞれに、4つの突出部の4つの行がそれぞれ存在する。行は等間隔に配置され、その結果、槽床28の矩形の設置面積全体に均一に分布した格子パターンで配置された4×4の矩形の突出部のアレイである。
【0021】
自立突出部32Aおよび中間壁突出部32Cは、上方に向かってテーパ形状であり、槽床28から離れて、槽18の開放した上部に向かって狭くなる。周囲壁に取り付けられていない3次元自立形態であるため、自立突出部32Aは、例えば図示の実施形態では正方形のピラミッド形状を有する、槽の水平寸法の両方でテーパ状である。中間壁突出部32Cは、それが取り付けられているそれぞれの壁の水平寸法においてのみ上方にテーパ状であり、したがって、それぞれの周囲壁30から内側に短い距離だけ突出する三角形のボスに似たより2次元の形態を有する。コーナー突出部32Bは、同様に、槽18の所与のコーナーにおいて交差する2つの周囲壁の隣接する領域から内側に短い距離だけ突出する小さなリブに似ている。全ての突出部32A~32Cは、周囲壁30よりも僅かに短いが、他の突出部と高さが等しく、それによって、突出部の上端は、全て、槽の水平床28から上昇し、槽の開放した上部の水平面に近い共通の水平面内に存在するが、その下方の高さは、カバーガラス22の下側に対して僅かにオフセットしている。
【0022】
図7および
図8を参照すると、光学サブアセンブリ14は、槽18の内部空間内に収容された設置位置に配置するための、より具体的には、配列された槽突出部32A~32Cの上端に着座するための光学支持トレイ34を特徴とする。光学支持トレイ34は、光学支持座36のアレイを特徴とし、そのうちの1つは
図8において占有されずに示されている。各光学支持座36は、トレイ34の上面に凹状に窪んでいる。光学支持座36は、各光学支持座36内のそれぞれの集光光学アセンブリ40をそれぞれ個別に支持するために、支持トレイ34上に矩形の格子パターンで配置されている。その2次元のそれぞれにおいて、光学支持トレイ34における格子状の矩形アレイの支持座36は、支持槽18における格子状の矩形アレイの突出部32A~32Cよりも一行小さい。したがって、支持槽18に4×4の突出部のアレイを有する図示の例では、光学トレイは、3×3の光学支持座36のアレイを特徴とし、光学支持座36の行は、光学支持トレイ34がその上に着座しているときに突出部32A~32Cの行の間に存在するように特に配置される。したがって、凹状に窪んだ各支持座36は、その4つのコーナーにおいてトレイ34の4つのそれぞれの載置点38のセットによって隣接している。これらの載置点38において、トレイ34は、トレイの設置位置において、4つの槽突出部32A~32Cのそれぞれのセットの上に載置される。結果として、各支持座36は、このそれぞれの4つの槽突出部32A~32Cのセットの間の空間内で下方に垂下する。
【0023】
光学サブアセンブリ14は、それぞれが光学支持トレイ34の光学支持座36のそれぞれに設置された集光光学アセンブリ40のアレイを特徴とする。図示のように、各集光光学アセンブリ40(略して光学アセンブリ)は、本出願人の現在組み込まれている米国特許第10,133,044号明細書に記載されているタイプのものであってもよい。したがって、図示の実施形態における各光学アセンブリ40は、軸外且つ中心垂直基準軸に対して内側に凹状の関係にある4つの一次4分の1断面放物面反射器から構成される一次クワッドミラー42であって、中心垂直基準軸の周りで、一次4分の1断面反射器が、その周りに集合的に広がり、入射した太陽光を反射するように配置されている、一次クワッドミラーと、一次クワッドミラー42の底部の上方で上昇した関係にある、中心垂直基準軸に対して軸外且つ外側に凸状の関係にある4つの二次4分の1断面放物面反射器から構成されて、そこから反射された太陽光を受光する二次クワッドミラー44と、二次クワッドミラー44から下向きに反射された光を受光し、これらのCPC48の底部出口開口部からのその最終集光放射のためにこの反射光を集光する4つの複合放物面集光器(CPC)48から構成されたクワッド集光器46とを備える。
【0024】
各光学アセンブリ40は、一次クワッドミラー42の中央底部開口部52Aを介してクワッド集光器46および二次クワッドミラー44の両方を支持するように設計されたCPCホルダ50をさらに含み、この開口部は、それが凹面に面する中心基準軸における一次4分の1断面放物面反射器の間に開放したままである。CPCは、Winstonコーンとしても当該技術分野において知られており、したがって、本明細書ではそのようにも呼ばれることがある。Winstonコーンは、Ari Rablによる刊行物「Comparison of Solar Concentrators」,Solar Energy,Vol.18,pp.93-111のように、その全てが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第3,923,381号明細書、米国特許第4,003,638号明細書および米国特許第4,002,499号明細書に記載されて図示されている。
【0025】
電気/熱サブアセンブリ16は、
図5および
図6に示されており、光学アセンブリ40の数に等しい量で設けられたクワッドセルCPVパワーモジュール54のアレイを特徴とする。組み立てられたHCPV-Tモジュール10において、これらのクワッドセルCPVパワーモジュール54は、槽18の内部空間内の光学アセンブリ40の下方、より具体的には、設置された光学支持トレイ34の下方のそれぞれ位置合わせされた位置に存在する。そのうちの1つが
図15に分離して示されている各クワッドセルCPVパワーモジュール54は、4つのCPVセル58が取り付けられた共有基板またはキャリア56を特徴とし、その基板の2D平面内の互いに対する相対間隔は、光学アセンブリ40のそれぞれにおけるクワッド集光器46の4つのCPC48の4つの出口開口部の相対間隔と一致する。レイアウトおよび間隔は、4つのCPVセル58がそれぞれ仮想正方形の4つのコーナーに存在するようなものである。図示の例では、共有基板56も正方形であるが、4つのコーナーが4つのCPVセル58によって占有されているより小さい仮想正方形は、基板56と中心に垂直に交差する基準軸に対して、より大きい正方形の基板から45度回転方向にオフセットされている。したがって、各CPVセルは、基板の4つの周縁部のそれぞれに沿ったほぼ中間に、そこから内側に短い距離を置いて存在する。基板56は、DBCシングルアルミナセラミックキャリアであってもよく、CPVセルは、C4MJ第四世代三接合太陽電池であってもよい。使用可能なクワッドセルCPVパワーモジュール設計についてより詳細には、本明細書に組み込まれる前述のAIP刊行物が参照され得る。
【0026】
再び
図5および
図6を参照すると、各CPVパワーモジュール54は、完成したHCPV-Tモジュール10の組み立てられた動作状態でCPVパワーモジュール54を冷却するために冷却流体(例えば、水/グリコール混合物)が循環するそれぞれの熱交換器ブロック60の上部に取り付けられる。好ましくは、HCPV-Tモジュール10は、加熱された冷却流体が、例えば、温水タンクとの熱交換のために、床暖房、周囲暖房、または他の温水用途などの目的のために良好に使用される、複合電力加熱(CPH)用途で使用される。各熱交換器ブロック60は、4つの槽突出部32A、32Cの間の中心にあるそれぞれのスポットにおいて床28の上部の支持槽18内に取り付けられ、したがって光学支持トレイ34のそれぞれの光学支持座36の下方に位置合わせされ、したがって同様に、その支持座36内に設置されたそれぞれの光学アセンブリ40の下方に位置合わせされる。したがって、各熱交換器ブロック60およびその上に設置されたそれぞれのCPVパワーモジュール54は、光学アセンブリ40の3×3の格子内のそれぞれのスポットと位置合わせされて、配列された槽突出部32A~32Cの格子列間の対応するスポット内に存在する。
【0027】
図16および
図17を参照すると、熱交換器ブロック60のうちの分離されたものが示されている。ブロック60は、平面視で正方形の上部作業面62(
図16)と、外周が平面視で等しいかまたは同様のサイズの正方形の対向する底部64(
図17)と、上部作業面62および対向する正方形底部64の正方形の周囲に広がる4つの外側面66A~66Dとを有する。ブロック60の第1の外側面66Aは、その外部からブロック60内に開口する入口ポート68を有し、ブロックの第1の外側面66Aから外部に突出するそれぞれの結合ネック70Aによって囲まれて、完成したHCPV-Tモジュール10の使用中に圧送された流体の循環中に冷却流体がブロック60に入ることができる接続導管として機能する可撓性ホースの接続を可能にする。ブロック60の第2の外側面66Bは、第1の外側面66Aに隣接して存在し、入口ポート68を介してブロック60に供給された冷却液体が続いてブロック60から出ることができる出口ポート72を特徴とする。入口ポート68と同様に、出口ポート72は、可撓性ホースの接続を可能にするためにブロックの第2の外側面66Bから外部に突出するそれぞれの結合ネック70Bによって囲まれて再び接続導管として機能し、この時間を通して、完成したHCPV-Tモジュール10の使用中に圧送された流体の循環中に冷却流体がブロックから排出されることができる。
【0028】
2つの結合ネック70A、70Bは、それらを通過するそれぞれのポート68、72の命名規則にしたがって、本明細書では入口ネック70Aおよび出口ネック70Bと一意的に呼ばれることがある。入口ポート68および出口ポート72は、それぞれ、ブロックのそれぞれの外側面66A、66Bに沿った中間点に存在する。本明細書で使用する場合、ブロックの第3の外側面66Cは、第2の外側面66Bの反対側に位置するブロックの側面を指し、ブロックの第4の外側面66Dは、第1の外側面66Aの反対側に位置するブロックの最終側面を指す。
【0029】
ブロック60は、入口ポート68と出口ポート72とを互いに流体的に相互接続する非線形経路に続く固定形状の所定の流路74をその中に形成し、それによって完成したHCPV-Tモジュール10内のブロックを通るポンプ流体循環中にそれらの間の冷却流体の流れを可能にする。流路74の非線形経路は、そこを通って圧送される冷却流体が、ブロック60に設置されたそれぞれのCPVパワーモジュール54上のCPVセル58の4つ全ての位置によって直列に通過するように特に設計される。このようにして、冷却流体は、CPVモジュール54の最も集中したホットスポット、すなわち、集中した太陽光がクワッド集光器46の4つのCPC48によって具体的に集光されるCPVセル58を過ぎて、目標とするやり方で具体的に送られる。ブロックの上部作業面62は、上部作業面62の大部分を占有する正方形の外周の平坦な中央収容領域76を有し、その残りは、中央収容領域76をその4つの側面全てで囲む僅かに隆起した外側リム78によって占有される。流路74は、ブロックの上部作業面62の中央収容領域76内に陥凹しており、入口ポート68と出口ポート72との間の流路の非線形経路は、3つの弓状に湾曲したセグメント74A~74Cから構成される。
【0030】
第1の弓形セグメント74Aは、入口ポート68への接続部において、ブロックの第1の外側面66Aの近くの外側リム78のすぐ内側の位置において、その中間距離に始点を有する。第1のセグメント74Aは、ブロックの第3の外側面66Cの近くの外側リム78のすぐ内側のそれぞれの終点まで、それらに沿った中間距離に弧を描く。したがって、第1のセグメント74Aのこの終点は、ブロック60の出口ポート72を横切って真っ直ぐに存在する。第1のセグメント74Aの弓形の湾曲は、その凹状側面が、第1および第3の外側面66A、66Cが交差するブロックのコーナーに向かって外向きに面する一方で、その凸状側面が、ブロックの仮想対角線を挟んで第1のセグメントと鏡像関係にあるブロックの中心点を挟んで第1のセグメントの反対側にある第3のセグメント76Cに向かって面するようなものである。第2の弓形セグメント74Bの始点をも示す第1の弓形セグメント74Aの終点から、第2の弓形セグメントは、ブロックの第4の側面66D付近の外側リム78のすぐ内側のそれぞれの終点まで、それらに沿った中間距離に弧を描く。第2のセグメント74Bの弓形の湾曲は、その凸状側面が、第3および第4の側面66C、66Dが交差するブロックのコーナーに向かって外側に面するようなものである。第3の弓形セグメント74Cの始点をも示す第2の弓形セグメント74Bの終点から、第3の弓形セグメント74Cは、ブロックの第2の側面66B付近の外側リム78のすぐ内側のそれぞれの終点まで、それらに沿った中間距離に弧を描く。第3のセグメント74Bの弓形の湾曲は、その凹状側面が、第2および第4の側面66B、66Dが交差するブロックのコーナーに向かって外向きに面する一方で、その凸状側面が、第1のセグメント74Aの凸状側面に向かって、前述のブロックの仮想対角線を挟んで鏡像対称の関係で面するようなものである。それぞれの終点において、第3のセグメント74Cは、ブロック60の出口ポート72に接続する。
【0031】
ブロックの上部作業面の正方形の収容領域76は、外側リム78のすぐ内側で、その外側コーナー付近の内部に4つの締結孔80を有する。これらの孔は、例えば銅プレート82などの熱伝導性材料の正方形のプレートを、収容領域76の全体またはほぼ全体を占有する位置においてブロック60の上部作業面62に取り付けることを可能にする。したがって、取り付けられた銅プレート82は、プロセス中に凹状流路74の開放上面を完全に覆う。凹状流路74の開放上面の液密閉鎖を提供するために、シール溝84もまた、流路の開放上面まで完全に包囲するようにブロック60の収容領域76内に凹み、このシール溝84に適合する形状の圧縮性シール86がその中に収容される。これは
図6に見ることができ、熱交換器ブロック60のうちの1つは、その銅プレート82および圧縮性シール86に対して分解されて示されており、組み立て中にブロックとプレートとの間に挟まれて凹状流路74の開放上面を流体密に閉鎖する。その結果、熱交換器ブロック60を通って圧送されると、冷却流体は、流路74の上面で熱伝導性銅プレート82と物理的に接触して流路74を流れる。
【0032】
銅プレート82は、CPVパワーモジュール54(
図15)の共有基板56の3つの対応する取り付け孔88Bと一致する関係のレイアウトで、3つの取り付け孔88A(
図6)を内部に有し、ヒータ交換器ブロックの上部作業面62の収容領域76に3つの対応する取り付け孔88Cを有する。以下にさらに詳細に説明するように、これらの取り付け孔88A~88Cのセットを位置合わせし、適切な締結具110をそれを通して供給することにより、CPVパワーモジュール54は、パワーモジュールの共有基板56の下面を銅プレート82と同一平面に配置する位置において銅プレート82および下方にある熱交換器ブロック60に締結される。取り付け孔88A~88Cのレイアウトは、パワーモジュール基板56の正方形形状が銅プレート82の正方形形状および熱交換器ブロックの下方にある収容領域76の両方と位置合わせするようなものである。前述したように、CPVパワーモジュール54の各CPVセル58は、基板の4つの周縁部のそれぞれに沿ったほぼ中間に、そこから内側に離間した距離に存在する。これらのCPVセル位置は、3つの弓形流路セグメント74A~74Cの始点および終点がブロックの収容領域76のそれぞれの周囲境界に沿って存在する中間位置と、熱交換器ブロック60の外側リム78から内側への短い距離で一致する。
【0033】
したがって、第1の流路セグメント74Aの開始から第3の流路セグメント74Cの終了までの冷却流体の流路において、冷却流体は、熱交換器ブロック60の熱伝導性銅プレート82の上に取り付けられたCPVパワーモジュール54上の4つ全てのCPVセル58の位置を直列に通過する。これは、冷却流体を特にCPVパワーモジュール54のこれらの特定のホットスポットに目標とするように導くことによって、CPVモジュール54の効果的且つ効率的な冷却を提供する。CPVパワーモジュール基板56が面一に取り付けられる銅または他の熱伝導性材料のプレート82は、それとの最適な熱伝達を保証するが、熱交換器ブロック60の残りの部分は、成形プラスチックまたは伝導性銅プレート82よりも安価なおよび/または少ない熱伝導性材料から作製されることができる。銅プレート82は、流路を通って移動する冷却流体と熱交換器ブロックに取り付けられたCPVパワーモジュールとの間の熱伝達を最適化するために、特にCPVパワーモジュールが取り付けられている流路の上面に戦略的に配置された熱伝導性壁として機能する。
【0034】
図5および
図6を参照すると、可撓性ホース90または他の接続導管は、例えば、熱交換器ブロック60の好ましくは有刺の結合ネック70A、70B上のホースクランプ92を使用して、熱交換器ブロック60の入口ポート68および出口ポート72に接続可能である。ホース90および熱交換器ブロック60は、それによって、冷却流体が熱交換器ブロック60を通って直列に圧送されて、組み立てられたHCPV-Tモジュール10の全ての光学アセンブリ40のそれぞれのCPVパワーモジュール54を冷却する、組み立てられた熱交換器回路を形成する。この熱交換器回路をHCPV-Tモジュール10の外側のポンプ源と連通させるために、流体導入ポート94Aおよび流体排出ポート94Bは、支持槽18の内部を槽の外側の周囲の外部環境と連通させる。図示の実施形態では、これらの流体ポート94A、94Bは、槽の自立突出部32Aのうちの1つまたは複数の中空内部を通ってこれを行う。初期吸気ホース90Aおよび最終排出ホース90Bは、これらの導入ポート94Aおよび排出ポート94Bにおいて適切なホース継手に接続され、それぞれ回路の第1の熱交換器ブロックの入口ポート68および回路の最終熱交換器ブロックの排出ポート72に延びる。一方、他のホース90は、一方の熱交換器ブロックの出口ポート72と他方の熱交換器ブロックの入口ポート68とを接続する。図示されているように、ホース90は、それぞれが2つの隣接する独立した槽突出部32Aの間を通る直線状のホースと、それぞれが独立した槽突出部32Aのうちの1つの複数の側面の周りを湾曲する湾曲したホースとを含むことができ、回路の1つの熱交換器ブロックから別の熱交換器ブロックまで直列に広がるためにホースの形状のそのような変化が必要な場合はいつでも可能である。
【0035】
電気/熱サブアセンブリ16はまた、CPVパワーモジュール54への電気接続のための配線96を含み、その中で配線は、槽の周囲壁30に沿って内部に、および槽突出部32A~32Cの行の間のCPVパワーモジュール54に配線されることができる。
図3および
図4を参照すると、正および負のワイヤ用の配線端子98A、98Bは、必要に応じて、槽突出部32A~32Cのうちの1つまたは複数に支持されることができる。図示の例では、2つの配線端子98A、98Bは、それぞれ、互いに異なるそれぞれの槽の周囲壁のそれぞれの中間壁突出部32Cに取り付けられ、したがって、槽の周囲壁30に沿って内部に配線された配線によって直接容易に到達可能な場所に存在する。流体導入ポート94Aおよび流体排出ポート94Bと同様に、1つまたは複数の配線ポート、例えば別個の正および負の配線ポート100A、100Bは、周囲の外部環境に対して内部の槽に設けられ、正および負のリード線96A、96Bが内部配線端子98A、98BをCHP太陽光発電システムの外部回路に接続することを可能にするために、図示のように、内部が中空の独立した槽突出部32Aの1つまたは複数に必要に応じて配置されることができる。
【0036】
各光学アセンブリ40のクワッド集光器46をそれぞれのCPVパワーモジュール54にわたって適切に位置合わせされた関係で保持するために、
図11および
図12に示されるCPCホルダ50が使用される。CPCホルダ50は、環状支持レッジ104によって全ての側面が囲まれた中央直立ポスト102を特徴とし、環状支持レッジは、中央直立ポスト102によって占有される中心軸の周りに互いに等角度間隔の位置で、環状支持レッジ104の下面から下方に依存する三本の支持脚106のセットの上に支持される。中央ポスト102は、環状支持レッジ104から下方に延在しておらず、そこから上方にのみ延在している。3つの脚106の下端は、CPVパワーモジュール54の基板56の上に、具体的にはその中の上述した取り付け孔88Bの上に重なる位置に収容される。したがって、脚106はまた、銅プレートの対応する取り付け孔88A、およびブロックの上部作業面62の収容領域76を貫通してブロックの底部62の開放した空洞に入る熱交換器ブロック60の追加の対応する取り付け孔88Cと位置合わせし、この空洞は、凹状流路74とブロックの外側面66A~66Dを画定するブロック60の別個の周囲壁との間に存在する。これらの3つのセットの位置合わせされた取り付け孔88A、88B、88Cを通して、CPCホルダ50は、熱交換器ブロック60の底部キャビティから銅プレート82を通って上方に送られ、CPVパワーモジュール基板56の上に重なる締結具110(
図6)を使用して熱交換器ブロック60に締結される。これにより、これらの締結具110は、熱交換器ブロック60の上部の定位置にCPCホルダ50、銅プレート82およびCPVパワーモジュール54をクランプする。銅プレート82のさらなる固定は、そのコーナー付近の銅プレート82の対応する締結孔を通して熱交換器ブロック60の締結孔80に係合された別のセットの4つの締結具112(
図6)を使用して行われることができる。CPCホルダ50の固定された下脚106は、熱交換器ブロック60の上に取り付けられたCPVパワーモジュール54に対して上方に離間した関係でCPCホルダ50のレッジ104を支持する役割を果たす。
【0037】
再び
図11および
図12を参照すると、CPCホルダの支持レッジ104は、
図13および
図14に分離して示されているクワッド集光器46の4つのCPC48を支持するために使用される。クワッド集光器46は、単一の一体構造の継ぎ目なく一体化された構成要素として4つのCPC48を一体化する新規な設計のものである。各CPC48は、その内面がCPCの放物面状に輪郭形成された内部空間116を画定するそれぞれの円錐状の外壁114を有し、円錐状の外壁114が周方向に広がるそれぞれの中心軸に対して軸外放物面関係を有する。4つのCPCの中心軸は互いに平行であり、それらの平行軸に垂直な基準平面内の仮想正方形の4つのコーナーに存在する。この仮想正方形は、そのコーナーがCPVパワーモジュール54の基板56上のCPVセル58によって占有されるサイズと一致する。
【0038】
クワッド集光器の一体構造は、4つの接合ウェブ118を特徴とし、そのそれぞれは、その外壁114上の個別の高さで4つのCPC48のそれぞれの隣接する対の間に広がる。このウェブ占有高さは、各CPC48の円錐形状がCPCの狭い出口開口部116を画定するために最も狭いクワッド集光器46の最底面よりも、各CPC48の円錐形状がCPCの画定された広い入口開口部115に対して最も広いクワッド集光器46の最上面に近い。図示の例の接合ウェブ118は、全て、共通の平面内で互いに同じ個別の軸方向高さに存在し、したがって、4つのCPC48を相互接続するだけでなく、CPCホルダ50の支持レッジ104の上に平坦に載置するための平面支持フランジを集合的に画定する。接合ウェブ118の共有面の下方において、4つのCPCの壁114の垂下された下部領域114Aは、支持フランジから互いに独立して垂下され、互いに離間した取り付けられていない関係で存在する。CPCホルダ50の支持レッジ104は、4つのCPC48の垂下された下部をそれぞれ収容するために、軸方向に貫通する4つの開口部120を有する。これは
図11に示されており、クワッド集光器のウェブ118は、CPCホルダ50の支持レッジ104の上部に着座され、ウェブ118および支持レッジ104の位置合わせされた孔122A、122Bを介してそこに固定される。4つのCPC48は、支持レッジ104から開口部120を通って下方に垂下し、したがって4つのCPCの出口開口部116を、CPCホルダがその上に立っている下側のCPVパワーモジュール54の4つのCPVセル58の真上に配置する。
【0039】
接合ウェブ118によって集合的に画定された支持フランジの上方で、隣接する各対のCPCの外壁114の上部領域は、2つのCPCの壁114の円形断面が互いに平行な接線を有する領域において、一体的に、直接的且つ継ぎ目なく相互接合される。図示の例では、CPC壁114のこれらの上部領域114Bは、この上部領域の全高スパンにわたって、接合ウェブ118の共有共通平面から、4つのCPC48の上端の入口開口部115の共有共通平面まで、相互接合される。CPC壁114の接合された上部領域114Bの間において、中央開口部124は、クワッド集光器46を軸方向に貫通し、且つCPCホルダ50の直立ポスト102が通過するのを収容するように成形され、直立ポスト102は、支持レッジ104上に着座して固定されると、クワッド集光器46から上方に起立する。直立ポスト102は、
図11に示すように、4つのCPC48の上端を越えて上方に延在する。
【0040】
図9および
図10は、完成したHCPV-Tモジュール10の9つのアレイ状光学アセンブリ40のうちの1つ、特に槽18の外側コーナーに設置されたコーナー光学アセンブリにおける異なるサブアセンブリ構成要素間の完全に組み立てられて設置された位置を示しているが、同様の設置は、アレイ状光学アセンブリ40の非コーナー位置にも同様に適用される。CPCホルダ50の直立ポスト102は、それぞれの光学アセンブリ40の一次クワッドミラー42の中央底部開口部52Aを通って直立し、その際に、光学支持トレイ34のそれぞれの光学シート36の一致する中央底部孔52B(
図8)を同様に通過する。したがって、直立ポスト102は、光学アセンブリの一次クワッドミラー42の軸外放物面形状の中心軸上に存在する。
図9および
図10に示すように、光学支持座36の底部の中央底部孔は、光学支持トレイ34をCPCホルダ50の支持レッジ104の外周に締結する目的で、支持座36の残りの部分から下方に従属する関係の周囲リム126を有してもよい。4つのCPC48の相互接合された上部領域114Bは、一次クワッドミラー42の凹状内部内で、その中の中央底部開口部52Aの真上で支持される。
【0041】
ここで、4つのCPC48の入口開口部115は、クワッド集光器46の4つのCPC48の上方に上昇した関係で直立支持ポスト102の上部に取り付けられた二次クワッドミラー44の下側に向かって上方に開口する。カバーガラス22を通って一次クワッドミラー42上を照らす入射太陽光は、中央に配置された支持ポスト102の上部に支持された二次クワッドミラー44に内向きに反射され、次いで、二次クワッドミラー44からクワッド集光器46の4つのCPC48の入口開口部115に下方に反射され、そこから集光された太陽光は、次に、4つのCPC48の出口開口部116からCPVパワーモジュール54の4つのCPVセル58に放射されて発電する。一方、得られた熱は、銅プレート82を通って熱交換関係にある4つのCPVセル58のそれぞれを直列に通過する目標流路上の熱交換器ブロック60を通って圧送される循環冷却流体に伝達される。
【0042】
本明細書で上述したように本発明では様々な変更が行われることができ、多くの明らかに大きく異なる実施形態が行われるため、添付の明細書に含まれる全ての事項は例示的なものとしてのみ解釈され、限定的な意味では解釈されないことが意図される。
【国際調査報告】