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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-22
(54)【発明の名称】油圧連結装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 33/28 20060101AFI20240515BHJP
   F16L 33/30 20060101ALI20240515BHJP
   B60L 58/26 20190101ALI20240515BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240515BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240515BHJP
   H01M 10/6557 20140101ALI20240515BHJP
   H01M 10/643 20140101ALI20240515BHJP
【FI】
F16L33/28
F16L33/30
B60L58/26
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6557
H01M10/643
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023556789
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 US2022025398
(87)【国際公開番号】W WO2022225970
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/177,568
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スバヤ,ヴィヴェク
(72)【発明者】
【氏名】ピレス,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム,モハメド
【テーマコード(参考)】
3H017
5H031
5H125
【Fターム(参考)】
3H017HA06
3H017HA14
5H031HH06
5H031KK08
5H125AA01
5H125AC12
5H125FF24
(57)【要約】
車両冷却水構成要素等の製品の構成要素を流体接続するのに有用な連結装置(100)が記載される。連結装置は、雄型バーブ界面に圧嵌され、それによって堅牢で耐久性のある液密シールを設けることができ、自律的な工場設置を可能にすることができる。連結装置は、内部材料(102)と、外部材料(104)と、円筒状中間部分(108)によって接続されたフレア状端部(106)と、中空内部部分(110)とを備え、内部材料の硬度は外部材料の硬度よりも低い。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部材料と、
外部材料と、
円筒状中間部分によって接続されたフレア状端部と、
中空内部部分とを備え、
前記内部材料の硬度が、前記外部材料の硬度よりも低い、連結装置。
【請求項2】
前記内部材料が内部熱可塑性材料である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記内部熱可塑性材料がゴムを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記外部材料が外部熱可塑性材料である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記外部熱可塑性材料が、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記内部材料の溶融温度が、前記外部材料の溶融温度よりも低い、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記連結装置が、前記内部材料の上に配置される内部潤滑剤を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記連結装置が、前記内部材料の上に配置される内部封止剤を含まない、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記内部材料及び外部材料が、互いに直接重なって配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記連結装置が、前記内部材料と前記外部材料との間に配置される更なる材料を含まない、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記連結装置が、少なくとも約30psiの内圧に耐えることができる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記連結装置が、エチレングリコールとの接触による劣化に耐性がある、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
各フレア状端部が、
遠位端部と、
中間部分と、
近位部分とを含み、
該装置の内角が、前記近位部分から前記中間部分まで、及び前記中間部分から前記遠位端部まで増加する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
複数のバッテリ冷却分配器と、
前記冷却分配器に取り付けられた複数のバーブと、
冷却水源と、
前記複数のバーブ及び前記冷却水源のそれぞれと流体連通する、請求項1に記載の複数の連結装置とを備える、バッテリ冷却水システム。
【請求項15】
前記複数の連結装置が、前記複数のバーブのうちの少なくとも1つが最大で約250μmの欠陥又は破片を含む場合、少なくとも約30psiの内圧を維持するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の連結装置が、前記複数のバーブのうちの少なくとも2つの隣接するバーブが位置ずれしている場合、少なくとも約30psiの内圧を維持するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の連結装置の各々を前記複数のバーブに接続する追加の取付装置を含まない、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
請求項14に記載のバッテリ冷却水システムを備える自動車。
【請求項19】
電気モータを更に備える、請求項18に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願とともに出願された出願データシート又は請求書において外国又は国内の優先権主張が特定されている全ての出願は、37 CFR 1.57、並びに規則4.18及び20.6の下で参照により本明細書に組み込まれる。2021年4月21日に出願された米国仮出願第63/177568号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、連結装置に関する。より具体的には、本発明は、自動車冷却システムを含む冷却水システム用途のための油圧連結装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のプラスチック及びゴム材料から製造されたホースは、通常、封止界面に使用される。しかしながら、典型的な低デュロメータ(すなわち硬度)ホースは軸方向剛性が低く、典型的な高デュロメータホースは高い設置力を必要とするため、簡単な組み立てには適さない。さらに、多くの典型的なホースは、それらの寿命にわたって信頼性の高いシールを設けるために、及び/又はシール界面における幾何学的変化及び機械的損傷又は破片に対する不十分な堅牢性を被るために、ホースクランプを必要とする。
【0004】
したがって、容易に設置することができ、様々な環境で信頼性の高いシールを設けることができる連結装置を作ることが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示及び従来技術を超えて達成される利点を要約する目的で、本開示の或る特定の目的及び利点が本明細書に記載される。そのような目的又は利点の全てが、任意の特定の実施形態において達成され得るわけではない。したがって、例えば、当業者は、本発明が、本明細書で教示又は示唆され得るような他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点群を達成又は最適化するように具体化又は実行され得ることを認識するであろう。
【0006】
これらの実施形態は全て、本明細書に開示される発明の範囲内にあることが意図されている。これら及び他の実施形態は、添付の図面を参照して好ましい実施形態の以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになり、本発明は開示された任意の特定の好ましい実施形態に限定されない。
【0007】
一態様では、連結装置が開示される。連結装置は、内部材料と、外部材料と、円筒状中間部分によって接続されたフレア状端部と、中空内部部分とを備え、内部材料の硬度は外部材料の硬度よりも低い。
【0008】
いくつかの実施形態では、内部材料は内部熱可塑性材料である。いくつかの実施形態では、内部熱可塑性材料はゴムを含む。いくつかの実施形態では、外部材料は外部熱可塑性材料である。いくつかの実施形態では、外部熱可塑性材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、内部材料の溶融温度は、外部材料の溶融温度よりも低い。
【0009】
いくつかの実施形態では、連結装置は、内部材料の上に配置される内部潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、連結装置は、内部材料の上に配置される内部封止剤を含まない。いくつかの実施形態では、内部材料及び外部材料は、互いに直接重なって配置される。いくつかの実施形態では、連結装置は、内部材料と外部材料との間に配置される更なる材料を含まない。いくつかの実施形態では、連結装置は、少なくとも約30psiの内圧に耐えることができる。いくつかの実施形態では、連結装置はエチレングリコールとの接触による劣化に耐性がある。
【0010】
いくつかの実施形態では、各フレア状端部は、遠位端部と、中間部分と、近位部分とを含み、装置の内角は、近位部分から中間部分まで、及び中間部分から遠位端部まで増加する。
【0011】
いくつかの実施形態では、バッテリ冷却水システムが開示される。バッテリ冷却水システムは、複数のバッテリ冷却分配器と、冷却分配器に取り付けられた複数のバーブと、冷却水源と、複数のバーブ及び冷却水源のそれぞれと流体連通する複数の連結装置とを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の連結装置は、複数のバーブのうちの少なくとも1つが最大で約250μmの欠陥又は破片を含む場合、少なくとも約30psiの内圧を維持するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の連結装置は、複数のバーブのうちの少なくとも2つの隣接するバーブが位置ずれしている場合、少なくとも約30psiの内圧を維持するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、複数の連結装置の各々を複数のバーブに接続する追加の取付装置を含まない。
【0013】
いくつかの実施形態では、バッテリ冷却水システムを備える自動車が記載される。いくつかの実施形態では、自動車は電気モータを更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】いくつかの実施形態による連結装置の一実施形態の斜視図である。
【0015】
図1B図1Aの連結装置の一実施形態の断面図である。
【0016】
図2A】いくつかの実施形態による連結装置の断面図である。
【0017】
図2B】いくつかの実施形態による連結装置の断面図である。
【0018】
図2C】いくつかの実施形態による連結装置の断面図である。
【0019】
図2D】いくつかの実施形態による、図2Cの例示的な装置の図である。
【0020】
図3A】異なるバーブの種類の図である。
【0021】
図3B】異なるバーブの欠陥種類の写真である。
【0022】
図3C】バーブのスクラッチの写真である。
【0023】
図4A】バーブに取り付けられた単一材料連結装置のシミュレートされた等価総歪み計算を示す図である。
【0024】
図4B】いくつかの実施形態による、バーブに取り付けられた2つの材料連結装置のシミュレートされた等価総歪み計算を示す図である。
【0025】
図5】いくつかの実施形態による冷却システムのバーブに取り付けられた連結装置の図である。
【0026】
図6】いくつかの実施形態によるバッテリ冷却システムに取り付けられた連結装置の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、以下の詳細な説明を参照することによって理解され得る。説明を明確にするために、様々な図面の或る特定の要素は、縮尺通りに描かれていなくてもよく、概略的又は概念的に表されていてもよく、そうでなければ実施形態の或る特定の物理的構成に正確に対応しなくてもよいことに留意されたい。
【0028】
実施形態は、車両冷却水構成要素等の製品の構成要素を流体接続するのに有用な連結装置に関する。連結装置は、雄型バーブ界面に圧嵌され、それによって堅牢で耐久性のある液密シールを設けることができる。連結装置のシールは、バーブの損傷(機械的損傷及び/又は表面の欠点等)、破片、及び/又は隣接するバーブの半径方向の位置ずれによる漏れに耐性があり得る。連結装置は、自律的な工場設置を可能にすることができる。
【0029】
連結装置は、比較的剛性の外面及び柔軟な内面を有する円筒形の多層装置であってもよい。円筒形装置の端部は、各フレア状端部と係合する返し付き端部を収容するようにフレア状にされてもよい。コネクタの返し付き端部が連結装置と嵌合しようとする場合、返し付き端部はフレア状端部によって収容される。内部材料は柔軟であり得るので、コネクタの返し付き端部は、フレア状端部と完全には整列しないが、損傷することなく適切な搭載位置に移動することができる。剛性の外面は、返し付き端部との接触時に、柔軟な内面材料が特定の方向に過度に移動又は伸張することを防止する。
【0030】
一実施形態では、車両は、バッテリパックによって動力供給され、電気モータを備える電動車両であり、バッテリパックは冷却水システムによって冷却される。いくつかの実施形態では、冷却水システムは、バッテリ冷却分配器と、冷却分配器に取り付けられた冷却水バーブと、冷却水源と、連結装置とを備える。いくつかの実施形態では、連結装置は、バーブ及び冷却水源が流体連通するように、バーブ及び冷却水源に取り付けられる。
【0031】
図1Aは、いくつかの実施形態による連結装置100の一実施形態の斜視図を示し、図1Bは、図1Aの連結装置の一実施形態の断面図である。連結装置100は、内部材料102及び外部材料104から形成され、円筒形中間部分108及び中空内部部分110によって接続されたフレア状端部106を備える。フレア状端部106は、遠位端部112、中間部分114、及び近位部分116を含む。図1Bに示すように、装置の内角(通常に対して)は、近位部分116から中間部分114まで、及び中間部分114から遠位端部112まで増加する。図2A図2Dは、いくつかの実施形態による連結装置の更なる例示を示す。
【0032】
外部材料は、連結装置に耐久性を提供するように選択され、内部材料は、使用時に堅牢で耐久性のある液密シールを提供するように選択される。さらに、外部材料及び内部材料は、層間剥離の問題なしに互いに結合するように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、内部材料は内部熱可塑性材料である。いくつかの実施形態では、内部熱可塑性材料はゴムを含む。いくつかの実施形態では、ゴムは、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム、水素化ニトリルゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、ポリアクリレートゴム、シリコーンゴム、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、外部材料は外部熱可塑性材料である。いくつかの実施形態では、外部熱可塑性材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン、及びそれらの組み合わせを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、内部材料の溶融温度は、外部材料の溶融温度よりも低い。いくつかの実施形態では、内部材料の溶融温度は、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、175℃、180℃、190℃、200℃、225℃若しくは250℃、又はそれらの間の任意の範囲の値であるか、およそその値であるか、最大でその値であるか、又は最大でおよそその値である。いくつかの実施形態では、外部材料の溶融温度は、100℃、110℃、120℃、130℃、150℃、175℃、200℃、223℃、225℃、250℃、269℃、275℃、300℃、350℃若しくは400℃、又はそれらの間の任意の範囲の値であるか、およそその値であるか、少なくともその値であるか、又は少なくともおよそその値である。いくつかの実施形態では、内部材料の硬度は、外部材料の硬度よりも低い。いくつかの実施形態では、内部材料のショアA硬度は、5、10、20、30、40、50、60、70、75、80、85、90、100若しくは120、又はそれらの間の任意の範囲の値であるか、およそその値であるか、最大でその値であるか、又は最大でおよそその値である。いくつかの実施形態では、内部材料のショアD硬度は、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60若しくは70、又はそれらの間の任意の範囲の値であるか、およそその値であるか、最大でその値であるか、又は最大でおよそその値である。いくつかの実施形態では、外部材料のショアA硬度は、90、100、110、120、130、140、150、160、180、200、225、250、275、300若しくは350、又はそれらの間の任意の範囲の値であるか、およそその値であるか、少なくともその値であるか、又は少なくともおよそその値である。いくつかの実施形態では、外部材料のショアD硬度は、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100若しくは110、又はそれらの間の任意の範囲の値であるか、およそその値であるか、少なくともその値であるか、又は少なくともおよそその値である。
【0034】
いくつかの実施形態では、連結装置は、内部材料の上に配置される内部潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、連結装置は、内部材料の上に配置される内部封止剤を含まない。いくつかの実施形態では、内部材料及び外部材料は、互いに直接重なって配置される。いくつかの実施形態では、連結装置は、内部材料と外部材料との間に配置される更なる材料を含まない。
【0035】
連結装置は、高圧で機能する液密シールを設けるように構成される。いくつかの実施形態では、連結装置は、10psi、20psi、22psi、24psi、26psi、28psi、30psi、35psi、40psi、45psi、50psi、60psi、80psi若しくは100psi、又はそれらの間の任意の範囲の値、およそその値、少なくともその値、又は少なくともおよそその値の内圧に耐えることができる。
【0036】
連結装置は、劣化に耐えるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、連結装置は、機械的損傷、経年損傷、化学的損傷、及びそれらの組み合わせによる劣化に耐性がある。いくつかの実施形態では、装置はエチレングリコールとの接触による劣化に耐性がある。いくつかの実施形態では、装置は自動車冷却水との接触による劣化に耐性がある。
【0037】
連結装置は、バーブに取り付けられ、それによって液密シールを設けるように構成されてもよい。図3Aは二重バーブ、単一バーブ及び丸型単一バーブを含む、異なるバーブの種類の図を示す。図3B及び図3Cは、シール面にへこみ(凹部、窪み)を有するバーブ、粉体塗装の欠陥、斜面のへこみ、及びスクラッチ(すり傷)を含む、異なるバーブの欠陥種類の写真を示す。いくつかの実施形態では、連結装置は、図3Aに示すバーブ並びに図3B及び図3Cに示す欠陥等の欠陥及び破片を有するバーブに堅牢なシールを設けることができる。
【0038】
図4Aは、バーブに取り付けられた単一材料連結装置のシミュレートされた等価総歪み計算を示し、図4Bは、バーブに取り付けられた2つの材料連結装置のシミュレートされた等価総歪み計算を示す。図4A図4Bとの比較で実証されるように、2つの材料連結装置は、バーブに取り付けられ、それによってより効果的な液密シールを設けるときに改善された総歪みを示す。
【0039】
連結装置は、冷却システムのバーブに取り付けるために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、冷却システムは、バッテリシステムの冷却システムであってもよい。いくつかの実施形態では、バッテリシステムは、自動車のバッテリシステムである。図5は、冷却システム500のバーブ504に取り付けられた連結装置502の図である。冷却システム500のバーブ504は、冷却分配器506に接続され、連結装置502は、バーブ504に取り付けられると、バーブ504、冷却分配器506、及び冷却水源(図示せず)が流体連通することを可能にするように構成される。さらに、連結装置502は、バーブが位置ずれしている(508)場合でも、堅牢な液密シールを可能にする。図6は、バッテリ冷却システム600の冷却分配器606に接続されたバーブ604に取り付けられた連結装置602の写真である。
【0040】
いくつかの実施形態では、複数の連結装置は、複数のバーブのうちの少なくとも1つが100μm、150μm、200μm、225μm、250μm、275μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、600μm、800μm又は100μmの欠陥若しくは破片、およそその値の欠陥若しくは破片、最大でその値の欠陥若しくは破片、又は最大でおよそその値の欠陥若しくは破片を含む場合、少なくとも約30psiの内圧を維持するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の連結装置は、複数のバーブのうちの少なくとも2つの隣接するバーブが位置ずれしている場合、少なくとも約30psiの内圧を維持するように構成される。いくつかの実施形態では、複数のバーブのうちの2つの隣接するバーブは、0.5cm、1cm、2cm、3cm、4cm、5cm、6cm、8cm、10cm、12cm、14cm、15cm若しくは20cm、又はそれらの間の任意の範囲の値だけ、およその値だけ、少なくともその値だけ、又は少なくともおよその値だけ位置ずれしている。いくつかの実施形態では、システムは、複数の連結装置の各々を複数のバーブに接続する追加の取付装置を含まない。
【0041】
いくつかの実施形態では、自動車は、連結装置を含むバッテリ冷却水システムを備える。いくつかの実施形態では、自動車は電気モータを更に備える。
【0042】
或る特定の実施形態を説明したが、これらの実施形態は単なる例として提示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。実際、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具体化され得る。また、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、本明細書に記載のシステム及び方法の種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び趣旨に含まれるような形態又は修正を包含することを意図している。
【0043】
特定の態様、実施形態、又は例に関連して記載された特徴、材料、特性、又はグループは、それと矛盾がない限り、このセクション又は本明細書の他の箇所に記載された任意の他の態様、実施形態、又は例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップの全ては、そのような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。保護は、任意の前述の実施形態の詳細に限定されない。保護は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示された特徴の任意の新規なもの、若しくは任意の新規な組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップの任意の新規なもの、若しくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0044】
さらに、別個の実施態様の文脈で本開示に記載されている或る特定の特徴は、単一の実施態様において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施態様の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実施態様において別々に、又は任意の適切な部分組み合わせで実施することもできる。さらに、特徴は或る特定の組み合わせで作用するものとして上述され得るが、特許請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除することができ、組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形として特許請求され得る。
【0045】
さらに、動作は、特定の順序で図面に示され、又は本明細書に記載され得るが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序で、又は連続した順序で実行される必要はなく、又は全ての動作が実行される必要はない。図示又は説明されていない他の動作は、例示的な方法及びプロセスに組み込むことができる。例えば、記載された動作のいずれかの前、後、同時に、又は間に、1つ以上の追加の動作を実行することができる。さらに、動作は、他の実施態様では再配置又は並べ替えられてもよい。いくつかの実施形態では、図示及び/又は開示されたプロセスで行われる実際のステップは、図に示されたものとは異なり得ることが当業者には理解されよう。実施形態に応じて、上述したステップのうちの或る特定のステップを削除してもよいし、他のステップを追加してもよい。さらに、上記で開示された特定の実施形態の特徴及び属性は、追加の実施形態を形成するために異なる方法で組み合わせることができ、その全てが本開示の範囲内に入る。また、上記の実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実施態様においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、記載された構成要素及びシステムは、一般に、単一の製品に一緒に統合されるか、又は複数の製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。例えば、本明細書に記載のエネルギ貯蔵システムの構成要素のいずれかは、エネルギ貯蔵システムを形成するために、別個に提供されてもよいし、一体化されてもよい(例えば、一緒にパッケージ化されるか、又は一緒に取り付けられる)。
【0046】
本開示の目的のために、或る特定の態様、利点、及び新規な特徴が本明細書に記載されている。そのような利点の全てが、必ずしも任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示又は示唆され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点群を達成するように具体化又は実行され得ることを認識するであろう。
【0047】
「可能である(can)」、「可能である(could)」、「場合がある(might)」又は「場合がある(may)」等の条件付き言語は、特に明記しない限り、又は使用される文脈内で他の意味で理解されない限り、一般に、或る特定の実施形態が或る特定の特徴、要素、及び/又はステップを含むが、他の実施形態はそれらを含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又はステップが1つ以上の実施形態に何らかの形で必要とされること、又は1つ以上の実施形態が、ユーザ入力又はプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素、及び/又はステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実行されるべきかを決定するための論理を必然的に含むことを意味するよう意図していない。
【0048】
句「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」等の接続語は、特に明記しない限り、項目、用語等がX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために一般に使用される文脈で理解される。したがって、そのような接続語は、一般に、或る特定の実施形態がXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及びZの少なくとも1つの存在を必要とすることを意味することを意図していない。
【0049】
本明細書で使用される「およそ(approximately)」、「約(about)」、「一般に(generally)」、及び「実質的に(substantially)」等の本明細書で使用される程度の言語は、依然として所望の機能を実行するか、又は所望の結果を達成する記載された値、量、又は特性に近い値、量、又は特性を表す。例えば、「およそ(approximately)」、「約(about)」、「一般に(generally)」、及び「実質的に(substantially)」という用語は、所望の機能又は所望の結果に応じて、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、及び0.01%未満の量を指すことができる。
【0050】
本開示の範囲は、このセクション又は本明細書の他の場所における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、このセクション又は本明細書の他の場所に提示されるように、又は将来提示されるように、特許請求の範囲によって定義され得る。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲で使用される文言に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載された例又は本出願の審査中に限定されず、例は非排他的であると解釈されるべきである。
【0051】
本明細書で提供される見出しは、存在する場合、便宜上のものに過ぎず、本明細書に開示される装置及び方法の範囲又は意味に必ずしも影響しない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部材料と、
外部材料と、
円筒状中間部分によって接続されたフレア状端部であって、前記各フレア状端部が、
遠位端部と、
中間部分と、
近位部分とを含み、
該装置の内角が、前記近位部分から前記中間部分まで、及び前記中間部分から前記遠位端部まで増加する、フレア状端部と、
中空内部部分とを備え、
前記内部材料の硬度が、前記外部材料の硬度よりも低い、連結装置。
【請求項2】
前記内部材料が内部熱可塑性材料である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記内部熱可塑性材料がゴムを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記外部材料が外部熱可塑性材料である、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記外部熱可塑性材料が、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記内部材料の溶融温度が、前記外部材料の溶融温度よりも低い、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記連結装置が、前記内部材料の上に配置される内部潤滑剤を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記連結装置が、前記内部材料の上に配置される内部封止剤を含まない、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記内部材料及び外部材料が、互いに直接重なって配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記連結装置が、前記内部材料と前記外部材料との間に配置される更なる材料を含まない、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記連結装置が、少なくとも約30psiの内圧に耐えることができる、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記連結装置が、エチレングリコールとの接触による劣化に耐性がある、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
複数のバッテリ冷却分配器と、
前記冷却分配器に取り付けられた複数のバーブと、
冷却水源と、
前記複数のバーブ及び前記冷却水源のそれぞれと流体連通する、請求項1に記載の複数の連結装置とを備える、バッテリ冷却水システム。
【請求項14】
前記複数の連結装置が、前記複数のバーブのうちの少なくとも1つが最大で約250μmの欠陥又は破片を含む場合、少なくとも約30psiの内圧を維持するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の連結装置が、前記複数のバーブのうちの少なくとも2つの隣接するバーブが位置ずれしている場合、少なくとも約30psiの内圧を維持するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の連結装置の各々を前記複数のバーブに接続する追加の取付装置を含まない、請求項13から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
請求項13から16のいずれか一項に記載のバッテリ冷却水システムを備える自動車。
【請求項18】
電気モータを更に備える、請求項17に記載の自動車。
【国際調査報告】