(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-22
(54)【発明の名称】トンネル掘進機用の切削ホイール
(51)【国際特許分類】
E21D 9/087 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
E21D9/087 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023560187
(86)(22)【出願日】2022-04-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2022060017
(87)【国際公開番号】W WO2022228904
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】102021110855.1
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516300597
【氏名又は名称】ヘーレンクネヒト アクツィエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HERRENKNECHT AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ヴェールマイヤー、ゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】ブラント、イェンス
【テーマコード(参考)】
2D054
【Fターム(参考)】
2D054BA07
2D054BB05
2D054GA17
2D054GA65
2D054GA66
2D054GA81
2D054GA92
(57)【要約】
【課題】信頼性があり、簡単に適合可能で、既存の構成において比較的簡単に後付け可能な工具状態監視装置により傑出する、トンネル掘進機用の切削ホイールを提示する。
【解決手段】トンネル掘進機用の切削ホイール(103)において、掘進時に掘進方向で切削ホイール(103)に隣接する地質を削り取る際に少なくとも1つの掘削工具(112、115、118)の状態を監視するために、工具状態監視装置が設けられており、工具状態監視装置は、前記ないし1つの該当の掘削工具(112、115、118)から間隔をおいて別個に取り付けられた少なくとも1つの支持部材(121、124、127)を有する。該当の支持部材(121、124、127)内には、電流導体要素が埋設されており、その電流案内は、該当の掘削工具(112、115、118)の状態に対して特徴的な摩耗限界値に到達した後に、電流案内のためのその適性において中断される。それにより比較的簡単な整備ないし支持部材(121、124、127)を用いた後付けにおいて、掘削工具(112、115、118)の状態が信頼性をもって決定される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘進時に掘進方向で切削ホイール(103)に隣接する地質を削り取るための所定数の掘削工具(112、115、118)と、掘削工具(112、115、118)の摩耗状態を監視するための工具状態監視装置とを備えた、トンネル掘進機用の切削ホイールであって、
前記工具状態監視装置は、1つの掘削工具(112、115、118)及び/又は1つのグループの掘削工具(112、115、118)に割り当てられた少なくとも1つの支持部材(121、124、127)を有し、前記支持部材(121、124、127)は、前記ないし1つの掘削工具(112、115、118)又は前記ないし1つのグループの掘削工具(112、115、118)から空間的に離間され且つ取外し可能にフレーム構造(203)と接続されていること、及び、
前記ないし各支持部材(121、124、127)内には、少なくとも1つの導電性の電流導体要素(515)が、前記ないし1つの掘削工具(112、115、118)及び/又は前記ないし1つのグループの掘削工具(112、115、118)の予め定められた摩耗状態に対して特徴的な前記ないし1つの支持部材(121、124、127)の摩滅の後に前記ないし1つの電流導体要素(515)が遮断可能であるように、埋設されていること、
を特徴とする切削ホイール。
【請求項2】
前記電流導体要素(515)は、掘進方向で前側に位置している前記ないし1つの支持部材(121、124、127)の前面部から所定の間隔を置いて配設されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の切削ホイール。
【請求項3】
前記ないし1つの電流導体要素(515)は、絶縁された電流導体ケーブル(515)であること、
を特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の切削ホイール。
【請求項4】
前記ないし1つの支持部材は、中間部材(121、124)として構成されており、前記中間部材(121、124)は、1つの掘削工具(112、115)及び/又は1つのグループの掘削工具(112、115)と前記フレーム構造(203)との間に配設されていること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項5】
前記中間部材(121、124)は、掘進方向で前側に位置している1つの該当の掘削工具(112、115)又は1つの該当のグループの掘削工具(112、115)の前面部の輪郭に従っており、掘進方向で前側に位置している前記中間部材(121、124)の前面部は、前記該当の掘削工具(112、115)及び/又は前記グループの掘削工具(112、115)のそれぞれの前面部の輪郭に対し、掘進方向の反対方向で後ろにずらされていること、
を特徴とする、請求項4に記載の切削ホイール。
【請求項6】
前記中間部材(121、124)は、前面部から所定の間隔を置いてケーブル受容凹部(518)を有し、前記ケーブル受容凹部(518)内には、前記電流導体要素(515)が配設されていること、
を特徴とする、請求項5に記載の切削ホイール。
【請求項7】
前記ないし1つの支持部材は、長尺の支持ボルト(127)として構成されており、前記支持ボルト(127)は、少なくとも1つの掘削工具(118)に対して所定の側方の間隔を置いて配設されていること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項8】
掘進方向で前側に位置している前記支持ボルト(127)の前面部は、掘進方向で前側に位置している、前記支持ボルト(127)に隣接した掘削工具(118)の前面部に対し、掘進方向の反対方向で後ろにずらされていること、
を特徴とする、請求項7に記載の切削ホイール。
【請求項9】
前記支持ボルト(127)は、長手方向に延在する止まり穴凹部(909)を有し、前記止まり穴凹部(909)内には、前記電流導体要素(515)が配設されていること、
を特徴とする、請求項7又は請求項8に記載の切削ホイール。
【請求項10】
前記電流導体要素(515)は、前記支持ボルト(127)の前面部から所定の間隔を置いて終端していること、
を特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項11】
前記支持部材(121、124、127)は、前記工具状態監視装置のライン案内装置と接続されており、前記ライン案内装置は、取外し可能に前記フレーム構造(203)と接続されていること、
を特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項12】
前記ライン案内装置は、外部からの機械的な作用に対してカプセル化されていること、
を特徴とする、請求項11に記載の切削ホイール。
【請求項13】
前記ライン案内装置は、支持部材(121、124、127)とは反対の側で、接続ハウジングと接続されていること、
を特徴とする、請求項11又は請求項12に記載の切削ホイール。
【請求項14】
前記ないし各電流導体要素(515)は、案内ケーブル及びケーブル差込み接続部を介してデータ伝送ユニットと接続されていること、
を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載したトンネル掘進機用の切削ホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の切削ホイールは、下記特許文献1(CN 108 776 074 A)から公知である。当該種類のこの既知の切削ホイールは、掘進時に掘進方向で切削ホイールに隣接する地質を削り取るための所定数の掘削工具を有し、また掘削工具の摩耗状態を監視するための工具状態監視装置を装備している。この切削ホイールにおける工具状態監視装置は、掘削工具に組み込まれた所定数の抵抗摩滅センサを有する。
【0003】
下記特許文献2(DE 35 35 474 A1)から、工具における限界摩耗及び/又は刃部破損を検知するための装置が公知であり、該装置では、工具内に2つの導体路が組み込まれており、それらの導体路のうち一方の導体路は、閉回路の一部であり、それに対し、他方の導体路は、開回路の一部を構成している。工具の所定の摩耗限界において、閉回路内に位置する導体路が遮断されるか、又は開回路が両方の導体路の導電接続の形成により閉じられる場合には、作業過程の中断をもたらす信号が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第108776074号
【特許文献2】独国特許出願公開第3535474号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基礎を成す課題は、信頼性があり、簡単に適合可能で、既存の構成において比較的簡単に後付け可能な工具状態監視装置により傑出する、冒頭に記載した形式の切削ホイールを提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、冒頭に記載した形式の切削ホイールにおいて、本発明に従い、請求項1の特徴的な構成を有する切削ホイールにより解決される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明を実施するための形態について説明する。
【0008】
本発明により、工具状態監視装置において、監視すべき1つの掘削工具又は各掘削工具とは分離された支持部材が設けられており、該支持部材内に導電性の電流導体要素が埋設されていることにより、一方では、掘削工具の摩耗状態が、支持部材の適切な配設により、1つの掘削工具ないし複数の掘削工具の摩耗と相関関係にある支持部材の摩耗を用いて監視され、この際、支持部材の形態により、それぞれの取付状況と、1つの工具の摩耗特性又は1つのグループの工具の摩耗特性とに対する簡単な適合可能性が与えられている。それに加え、支持部材は、1つの工具又は1つのグループの工具とは別個の構成部材として、掘削工具を基本的に修正する必要なく、比較的簡単に既存の構造に後付けすることができる。
【0009】
本発明の目的に適う更なる構成は、従属請求項の対象である。
【0010】
本発明の目的に適う更なる構成と利点は、図面の各図に関する本発明の実施例の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】工具状態監視装置を装備した、本発明による切削ホイールの一実施例を正面図として示す図である。
【
図2】工具状態監視装置の詳細と共に本発明による切削ホイールの一実施例を概略背面図として示す図である。
【
図3】掘削工具の一例である半径方向で外側に位置する除去器(バケット)の領域において、
図1の切削ホイールの一部分を斜視図として示す図である。
【
図4】工具状態監視装置の除去器監視モジュールの一実施例を斜視図として示す図である。
【
図5】
図4の除去器監視モジュールを上から見た図である。
【
図6】1つのグループの掘削工具の一例である掻取りナイフ(スクレーパ)の領域において、
図1の切削ホイールの実施例の一部分を、掘進方向で前側に位置する前面部に着目した斜視図として示す図である。
【
図7】掻取りナイフの領域において、
図1の切削ホイールの実施例の一部分を、掘進方向で後側に位置する背面部に着目した斜視図として示す図である。
【
図8】掻取りナイフを備え、掻取りナイフと共に支持プレートに取り付けられた工具状態監視装置の中間部材とを備えた、
図6及び
図7の装置を断面図として示す図である。
【
図9】工具状態監視装置の中間的に位置する支持ボルトを備えた、
図1の切削ホイールの実施例における1つのグループの掘削工具の更なる一例として、2つの切削ローラを断面図として示す図である。
【実施例】
【0012】
図1は、トンネル掘進機用の切削ホイール103を、掘進時に掘進方向で前方に位置し、隣接する地質に向かう前面部に着目した正面図(ないし端面図)として示している。
図1の切削ホイール103は、所定数の切削アーム106を有し、これらの切削アーム106は、スポーク状で中央のセンタ領域から半径方向で外側に向かって切削ホイール103の外周部に至るまで延在している。(周方向で)切削アーム106の間には、所定数の廃物取入開口部109が構成されており、これらの廃物(削り屑デブリ)取入開口部109を介し、隣接する地質から掘削された物質が掘進方向の反対方向に搬出可能である。
【0013】
切削アーム106は、隣接する地質を削り取るために、図示の実施例では、所定数で様々なタイプの掘削工具が備えられている。
図1の切削ホイール103に使用されているタイプの掘削工具には、半径方向で外側に配設された除去器(バケット Raeumer)112と、除去器112と中央領域の間に配設された掻取りナイフ(スクレーパ Schaelmesser)115と、切削ローラ(ディスクカッタ Schneidrollen)118とが含まれる。この際、除去器112と掻取りナイフ115は、周方向で切削アーム106の両側に且つ切削アーム106から突出して配設されており、それに対して切削ローラ(複数)118は、周方向で切削アーム106の中央領域に取り付けられている。
【0014】
後続段落で詳細に説明するように、
図1の切削ホイール103には、工具状態監視装置が装備されており、該工具状態監視装置は、1つの掘削工具の摩耗状態、1つのグループの掘削工具の摩耗状態、ここでは個々の除去器112の形態の1つのグループの掘削工具の摩耗状態、複数のグループの複数の掻取りナイフ115の摩耗状態、又は複数の対の切削ローラ118の摩耗状態を監視するために用いられ、該工具状態監視装置は、この実施例では、所定数の個々の掘削工具に割り当てられた支持部材、又は掘削工具のグループに割り当てられた支持部材を有する。この際、これらの支持部材は、個々の掘削工具、又は掘削工具のグループから、構造的に分離されて、空間的に離間されて、並びに切削ホイール103のフレーム構造の一部である切削アーム106と取外し可能に接続されている。
【0015】
図1の実施例において、支持部材は、1つの中間部材のタイプとしてそれぞれ1つの除去器112に割り当てられた中間プレート121として、1つの中間部材の他のタイプとしてそれぞれ1つのグループの掻取りナイフ115に割り当てられた中間バー部材124として、そして、2つの切削ローラ118の間に配設された支持ボルト127として、構成されている。
【0016】
図2は、概略背面図として、一方では、切削アーム106の領域における切削ホイール103の一部分を示し、他方では、説明された実施例による工具状態監視装置の更なるコンポーネントを示している。
図2の図面から、半径方向で外側に配設された除去器112は、中間的に位置する中間プレート121を介して該当の切削アーム106のフレーム構造203と接続されていることが見てとれる。中間プレート121は、
図2では露出して図示された、工具状態監視装置の3つのパイプ接続部206を介し、工具状態監視装置のライン接続ボックス209と接続されており、またライン接続ボックス209は、工具状態監視装置のラインホース212を介し、工具状態監視装置の相互接続ボックス215と接続されている。ラインホース212と、
図2の図面では閉じ蓋部材が取り外されて開いた状態で図示されている相互接続ボックス215との間の接続は、塵埃と湿気をハーメチックに密閉するケーブル通過部218により行われる。相互接続ボックス215内には、工具状態監視装置の取外し可能なプラグ接続部(コネクタ)221が配設されている。
【0017】
また1つの相互接続ボックス215ないし各相互接続ボックス215は、工具状態監視装置のカプセル化されたケーブルハーネス224を介し、送信アンテナ227を有する工具状態監視装置の送信ユニット230と接続状態にあり、送信ユニット230を用い、無線接続路233を介し、無線で工具状態監視装置の信号が、受信アンテナ236を有する工具状態監視装置の受信ユニット239に供給可能である。また受信ユニット239は、無線又はケーブル接続で、工具状態監視装置のデータ処理ユニット242と接続されており、データ処理ユニット242を用い、工具状態監視装置の信号、従って監視されている掘削工具112、115、118の摩耗状態が監視可能である。
【0018】
図3は、
図1に図示された切削ホイール103の切削アーム106の半径方向で外側に位置する縁部領域の一部分を斜視図として示している。
図3の図面から、半径方向で外側に位置し、ここでは複数部材式で構成された除去器112が、切削ホイール103の回転方向で傾斜して円弧形状に、例えばほぼ90度の円弧セグメントを介して構成されており、中間プレート121を介して切削アーム106のフレーム構造203と接続(結合)状態にあることが見てとれる。
図3に図示された実施例において、中間プレート121とフレーム構造203の間には、更にフレーム構造203に溶接された台座プレート303が配設されており、台座プレート303は、
図3の図面では台座プレート蓋部材306の下に配設されているライン接続ボックス209を受容する。
図2に基づいて説明されたラインホース212は、外部からの作用から保護するために、工具状態監視装置のホースダクト309内に配設されており、ホースダクト309は、掘削方向で切削アーム106の背面側に取り付けられている。
【0019】
更に
図3では、掘進方向に突出し且つ切削アーム106の前面部のほぼ中央で摩耗保護プレート312の凹部内に配設された、ないし半径方向で外側に位置する縁部領域に配設された、所定数の装着バイト315が、更なるタイプの掘削工具として図示されているが、この実施例において、これらの装着バイト315の摩耗状態は、未監視である。
【0020】
図4は、互いに構造的にユニットとして接続された、除去器監視モジュールを構成する装置を斜視図として示しており、該装置は、中間プレート121と、パイプ接続部206と、ライン接続ボックス209と、ラインホース212と、
図4では非図示の相互接続ボックス215とラインホース212を機械的に接続するための接続フランジ部材403と、
図4では非図示のプラグ接続部221との電気的な接続のための工具状態監視装置のプラグ接続部406とから成る。更に
図4では、中間プレート121と接続されたアイボルト409が図示されており、アイボルト409は、中間プレート121を有する構造的なユニットの取り扱いのために、特にその簡単な位置付けのために用いられる。中間プレート121は、規定どおりの取り付けにおいて該当の除去器112の方を向いた側で中間プレート蓋部材412を用いて閉じられている。更に
図4では、ライン接続ボックス209と係合状態にある取付けボルト415が図示されており、これらの取付けボルト415は、フレーム構造203にライン接続ボックス209を固定するために用いられる。
【0021】
図5は、中間プレート121の領域で
図4の装置を上から見た図として示しており、この図では、中間プレート蓋部材412が、1つのパイプ接続部206の領域で領域的(部分的)に切開されて(切開断面として)描かれている。
図5から、一方では、中間プレート121と中間プレート蓋部材412の両方が所定数の貫通穴部503を有し、これらの貫通穴部503を通り、フレーム構造203に溶接されており且つ貫通穴部503に割り当てられたねじ込みねじ部を有する台座プレート303に対して除去器112を接続するために、
図5では非図示の固定ボルト(ないし固定ねじ)が係合可能であることが見てとれる。更に
図5の図面から、各パイプ接続部206は、パイプ接続部溝部506内に配設されており、ライン接続ボックス209とは反対側で、ねじ付きクランプ部材509により並びにケーブルねじ込み接続部512により終端している。
【0022】
図5から、図示されたケーブルねじ込み接続部512内に回路ケーブル515が工具状態監視装置の導電性の電流導体要素として配設されており、該電流導体要素は、外部に対して電気的に絶縁され、ケーブル受容凹部として中間プレート121内に形成されたケーブル溝部518内に配設されていることが見てとれる。ケーブル溝部518は、パイプ接続部溝部506の端部から、掘進方向で前側に位置している(中間プレート121の)領域の方向に延在し、掘進方向で中間プレート121の外側材料壁部521の裏側で、除去器112(
図3を参照)の前面部に幾何学形状的に類似の輪郭に沿って延在するが、その輪郭は、まだ未使用の除去器112の前面部に対し、掘進方向の反対方向で後方にずらされている。
【0023】
パイプ接続部206内に位置する回路ケーブル515の複数対は、
図5では非図示の工具状態監視装置の電圧源に接続されており、稼働上典型的には、隣接(当接)する地質を掘削するための切削ホイール103の稼働時に電流が流されている。掘削により引き起こされる掘削工具の一例である除去器112の摩耗により外側材料壁部521が少なくとも領域的(ないし部分的)に削り取られると直ちに、通常は、直接的にそれに続き、回路ケーブル515を流れる電流の少なくとも一時的な遮断を伴なう、少なくとも1つの回路ケーブル515の破壊(ないし破断)が行われる。それによりこの種の電流の流れの遮断は、該当の除去器112の摩耗状態と直接的に相関関係にある(ないし関連する)摩耗限界値に到達したことを示している。
【0024】
この摩耗限界値は、除去器112に関する中間プレート121の取付位置により、並びに掘進方向で規定どおり前側に位置している中間プレート121の前面部から間隔を置いたケーブル溝部518の位置により、比較的簡単に固定することができる。更にその際、除去器112の摩耗に起因して必要な除去器112の交換のために下側の限界値に達した場合には、構造的なユニットとして除去器監視モジュールの同様にもはや使用不能な摩耗した中間プレート121が、摩耗した除去器112と一緒に、新しい回路ケーブル515を有する新しい中間プレート121を備えた
図4の新しい除去器監視モジュールと交換され、当該交換は、単にボルト(ないしねじ)及びプラグ接続部を取り外し、再びねじ込み、ないし差し込むだけで達成される。
【0025】
図6は、
図1の切削ホイール103の切削アーム106の領域を、掘進方向で前側に位置する前面部に着目した斜視図として示している。
図6では、1つのグループの掘削工具として所定数の掻取りナイフ115が図示されており、これらの掻取りナイフ115は、掻取りナイフ固定ボルト603を用い、切削アーム106の半径方向に延在する共通の中間バー部材124を介し、切削アーム106のフレーム構造203と接続されている。中間バー部材124は、掘進方向で後側に置かれたより厚い台座部分606と、掘進方向で前側に置かれた、台座部分606と比べてより薄い厚さの摩滅部分609とを有する2段式で構成されている。
【0026】
台座部分606は、中間バー部材124の長手方向で、連続的に矩形の横断面をもって延在し、それに対し、摩滅部分609は、中間バー部材124に取り付けられた掻取りナイフ115に対して掘進方向の反対方向で後ろにずらされて位置しているが幾何学形状的に類似の輪郭に従って(ないし輪郭を有して)おり、それにより摩滅部分609は、長手方向においてくし状で、掻取りナイフ115の領域に形成された突出領域612と、掘進方向で掘進方向に対して後退してずらされた引込領域615とを有し、段付きで構成されている。目的に適い、引込領域615は、前側でフレーム構造203と共に終端する。
【0027】
摩滅部分609を機械的に安定させるために、フレーム構造203には支持台座部618が取り付けられており、支持台座部618は、掻取りナイフ115に向かい合って位置し、掻取りナイフ115とは反対側にある摩滅部分609の下面部に接しており、掘進方向で前側に位置している支持台座部618の前面部は、摩滅部分609の対応の前面部に対し、信頼性のある保護のために僅かに突出している。
【0028】
図7は、
図6による装置を、掘進方向で後側に位置している切削アーム106の領域に着目した斜視図として示している。
図7から、掘進方向で後側に位置している中間バー部材124の背面部には、U字形に形成されたベース部706と平坦なカバー部709とを備えた工具状態監視装置の複数コンポーネント式のケーブルダクト装置703が設けられており、ケーブルダクト装置703は、中間バー部材124に接しており、切削アーム106のフレーム構造203に沿って曲げられて、掘進方向で後側に位置しているフレーム構造203の側に向かって延在していることが見てとれる。ケーブルダクト装置703内には、更に後続段落で詳細に説明するように、
図7では見ることのできない導電性の回路ケーブル515が、導電性の電流導体要素として、外部からの機械的な作用から保護されて配設されている。
【0029】
図8は、掻取りナイフ115の断面を伴なう、
図6及び
図7の装置の一領域を断面図として示している。
図8から、導電性の回路ケーブル515が、工具状態監視装置のラインホース803を介し並びにケーブル通過部806を介して中間バー部材124内に案内されており且つケーブル溝部518内で延在し、またケーブル溝部518がとりわけ掘進方向で前側に位置しているそれぞれの摩滅部分609の領域に延在していることが見てとれ、この際、ケーブル溝部518は、規定どおりの使用において掘進方向で前側に位置する前面部に対し、摩滅部分609内で後退してずらされて延在している。更に
図8の図面から、摩滅部分609は、規定どおりの使用において掻取りナイフ115の方を向いた側で、閉じ蓋部材809によりねじ接続部(ないしボルト接続部)を介して取外し可能に閉じられていることが分かり、それによりケーブル溝部518には、覆いが成されている。
【0030】
掻取りナイフ115の予め定められた摩耗限界値を下回った後には、該当の摩滅部分609も著しい摩耗にさらされて、最終的に回路ケーブル515が所定の領域内で遮断されるに至るまで、掘進方向で前側に位置している掻取りナイフ115の前面部に対して後退してずらされた、中間バー部材124の摩滅部分609の配設構成により、摩滅部分609は、掻取りナイフ115の突出領域により並びに支持台座部618により、切削ホイール103の両方の回転方向で保護された状態にある。上述の説明と関連して実施されるように、対応の電気回路の遮断が検知可能である。
【0031】
ここでも、特に掘進方向における摩滅部分609の大きさに関して摩滅部分609の大きさの適切な寸法決定と、ケーブル溝部518の位置に関する適切な寸法決定とに基づき、掻取りナイフ115のような掘削工具のための予め定められた摩耗限界値に対する適合を行うことができる。また中間バー部材124を、整備時には比較的簡単に掻取りナイフ115と共に交換することができ、ないし掻取りナイフ115のグループを、それらの摩耗状態を監視するために中間バー部材124の取り付けにより後付けすることができる。
【0032】
図9は、支持部材の更なる一実施例として、切削工具の実施形態として2つの切削ローラ118の間に配設されている支持ボルト127を断面図として示している。支持ボルト127は、実質的に円柱状に形成されており、掘進方向で前側に配設された端部(前部)ホルダ903により、並びに掘進方向で後側に配設された足部(後部)ホルダ906を介し、該当の切削アーム106のフレーム構造203と取外し可能に固定的に接続されている。
【0033】
支持ボルト127内には、1つの端部で閉じられた、止まり穴(袋穴)状に形成された止まり穴凹部909が設けられており、止まり穴凹部909は、足部ホルダ906により位置固定された支持ボルト127の足部領域の領域で開いており、規定どおりの使用において掘進方向で前側に位置している支持ボルト127の前面部から所定の摩滅間隔を置いて終端している。
【0034】
止まり穴凹部909内には、導電性の回路ケーブル515が、回路要素(電流導体要素)の一実施形態として配設されており、該回路要素は、掘進方向で前側にある止まり穴凹部909の領域に至るまで入り込み、その反対側にある支持ボルト127の足部領域でケーブル通過部912を介して出ていき、並びに工具状態監視装置のケーブルチャネル915内で延在し、ケーブルチャネル915は、掘進方向で後側において切削アーム106のフレーム構造203に取り付けられている。
【0035】
図9から、掘進方向で前側に位置している支持ボルト127の前面部は、未使用の切削ローラ118の対応の前面部に対し、掘進方向の反対方向で後ろにずらされていることが見てとれ、それにより除去器112と掻取りナイフ115との関連で上述した実施形態に対応し、切削ローラ118の摩耗が増加して特徴的な摩耗限界値になると、掘進方向で前側に位置している支持ボルト127の材料も削り取られ、支持ボルト127の前側の領域で止まり穴凹部909が露出した後には、適切に接続されている回路ケーブル515内の電気的な電流案内も遮断されている。このことは、予め定められた摩耗限界値の到達にとって特徴的であり、それによりそれに基づき、対応の整備措置を適時に開始することができる。
【符号の説明】
【0036】
103 切削ホイール
106 切削アーム
109 廃物取入開口部
112 掘削工具:除去器(バケット)
115 掘削工具:掻取りナイフ(スクレーパ)
118 掘削工具:切削ローラ(ディスクカッタ)
121 中間プレート
124 中間バー部材
127 支持ボルト
203 フレーム構造
206 パイプ接続部
209 ライン接続ボックス
212 ラインホース
215 相互接続ボックス
218 ケーブル通過部
221 プラグ接続部
224 ケーブルハーネス
227 送信アンテナ
230 送信ユニット
233 無線接続路
236 受信アンテナ
239 受信ユニット
242 データ処理ユニット
303 台座プレート
306 台座プレート蓋部材
309 ホースダクト
312 摩耗保護プレート
315 装着バイト
403 接続フランジ部材
406 プラグ接続部
409 アイボルト
412 中間プレート蓋部材
415 取付けボルト
503 貫通穴部
506 パイプ接続部溝部
509 ねじ付きクランプ部材
512 ケーブルねじ込み接続部
515 回路ケーブル
518 ケーブル溝部
521 外側材料壁部
603 掻取りナイフ固定ボルト
606 台座部分
609 摩滅部分
612 突出領域
615 引込領域
618 支持台座部
703 ケーブルダクト装置
706 ベース部
709 カバー部
803 ラインホース
806 ケーブル通過部
809 閉じ蓋部材
903 端部ホルダ
906 足部ホルダ
909 止まり穴凹部
912 ケーブル通過部
915 ケーブルチャネル
【手続補正書】
【提出日】2022-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘進時に掘進方向で切削ホイール(103)に隣接する地質を削り取るための所定数の掘削工具(112、115、118)と、掘削工具(112、115、118)の摩耗状態を監視するための工具状態監視装置とを備えた、トンネル掘進機用の切削ホイールであって、
前記工具状態監視装置は、1つの掘削工具(112、115、118)及び/又は1つのグループの掘削工具(112、115、118)に割り当てられた少なくとも1つの支持部材(121、124、127)を有し、前記支持部材(121、124、127)は、前記ないし1つの掘削工具(112、115、118)又は前記ないし1つのグループの掘削工具(112、115、118)から空間的に離間され且つ取外し可能にフレーム構造(203)と接続されて
おり、
前記ないし各支持部材(121、124、127)内には、少なくとも1つの導電性の電流導体要素(515)が
埋設されている構成であり、
前記電流導体要素(515)は、前記ないし1つの掘削工具(112、115、118)及び/又は前記ないし1つのグループの掘削工具(112、115、118)の予め定められた摩耗状態に対して特徴的な前記ないし1つの支持部材(121、124、127)の摩滅の後に前記ないし1つの電流導体要素(515)が遮断可能であるように、埋設されていること、
前記ないし1つの支持部材は、中間部材(121、124)として構成されており、前記中間部材(121、124)は、1つの掘削工具(112、115)及び/又は1つのグループの掘削工具(112、115)と前記フレーム構造(203)との間に配設されていること、
前記中間部材(121、124)は、掘進方向で前側に位置している1つの該当の掘削工具(112、115)又は1つの該当のグループの掘削工具(112、115)の前面部の幾何学形状的に類似の輪郭に従っており、掘進方向で前側に位置している前記中間部材(121、124)の前面部は、前記該当の掘削工具(112、115)及び/又は前記グループの掘削工具(112、115)のそれぞれの前面部の輪郭に対し、掘進方向の反対方向で後ろにずらされていること、及び、
前記中間部材(121、124)は、前面部から所定の間隔を置いてケーブル受容凹部(518)を有し、前記ケーブル受容凹部(518)内には、前記電流導体要素(515)が配設されていること、
を特徴とする切削ホイール。
【請求項2】
掘進時に掘進方向で切削ホイール(103)に隣接する地質を削り取るための所定数の掘削工具(112、115、118)と、掘削工具(112、115、118)の摩耗状態を監視するための工具状態監視装置とを備えた、トンネル掘進機用の切削ホイールであって、
前記工具状態監視装置は、1つの掘削工具(112、115、118)及び/又は1つのグループの掘削工具(112、115、118)に割り当てられた少なくとも1つの支持部材(121、124、127)を有し、前記支持部材(121、124、127)は、前記ないし1つの掘削工具(112、115、118)又は前記ないし1つのグループの掘削工具(112、115、118)から空間的に離間され且つ取外し可能にフレーム構造(203)と接続されており、
前記ないし各支持部材(121、124、127)内には、少なくとも1つの導電性の電流導体要素(515)が埋設されている構成であり、
前記電流導体要素(515)は、前記ないし1つの掘削工具(112、115、118)及び/又は前記ないし1つのグループの掘削工具(112、115、118)の予め定められた摩耗状態に対して特徴的な前記ないし1つの支持部材(121、124、127)の摩滅の後に前記ないし1つの電流導体要素(515)が遮断可能であるように、埋設されていること、及び、
前記ないし1つの支持部材は、長尺の支持ボルト(127)として構成されており、前記支持ボルト(127)は、少なくとも1つの掘削工具(118)に対して所定の側方の間隔を置いて配設されていること、
を特徴とする切削ホイール。
【請求項3】
掘進方向で前側に位置している前記支持ボルト(127)の前面部は、掘進方向で前側に位置している、前記支持ボルト(127)に隣接した掘削工具(118)の前面部に対し、掘進方向の反対方向で後ろにずらされていること、
を特徴とする、請求項2に記載の切削ホイール。
【請求項4】
前記支持ボルト(127)は、長手方向に延在する止まり穴凹部(909)を有し、前記止まり穴凹部(909)内には、前記電流導体要素(515)が配設されていること、
を特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の切削ホイール。
【請求項5】
前記電流導体要素(515)は、前記支持ボルト(127)の前面部から所定の間隔を置いて終端していること、
を特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項6】
前記電流導体要素(515)は、掘進方向で前側に位置している前記ないし1つの支持部材(121、124、127)の前面部から所定の間隔を置いて配設されていること、
を特徴とする、請求項1
~5のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項7】
前記ないし1つの電流導体要素(515)は、絶縁された電流導体ケーブル(515)であること、
を特徴とする、請求項1
~6のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項8】
前記支持部材(121、124、127)は、前記工具状態監視装置のライン案内装置と接続されており、前記ライン案内装置は、取外し可能に前記フレーム構造(203)と接続されていること、
を特徴とする、請求項1~
7のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項9】
前記ライン案内装置は、外部からの機械的な作用に対してカプセル化されていること、
を特徴とする、請求項
8に記載の切削ホイール。
【請求項10】
前記ライン案内装置は、支持部材(121、124、127)とは反対の側で、
ライン接続ボックス(209)と接続されて
おり、前記ライン接続ボックス(209)内には、パイプ接続部(206)が通じていること、
を特徴とする、請求項
8又は請求項
9に記載の切削ホイール。
【請求項11】
前記ライン接続ボックス(209)は、ラインホース(212)を介し、相互接続ボックス(215)と接続されており、前記相互接続ボックス(215)内には、前記工具状態監視装置の取外し可能なプラグ接続部(221)が配設されていること、及び前記相互接続ボックス(215)は、データ伝送ユニットと接続されていること、
を特徴とする、請求項
10に記載の切削ホイール。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、請求項1及び請求項2の上位概念に記載したトンネル掘進機用の切削ホイールに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第108776074号
【特許文献2】独国特許出願公開第3535474号
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0031017号
【特許文献4】特開2000-204884号
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記課題は、冒頭に記載した形式の切削ホイールにおいて、本発明に従い、一方では請求項1の特徴的な構成を有する切削ホイールにより、他方では請求項2の特徴的な構成を有する切削ホイールにより解決される。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘進時に掘進方向で切削ホイール(103)に隣接する地質を削り取るための所定数の掘削工具(112、115、118)と、掘削工具(112、115、118)の摩耗状態を監視するための工具状態監視装置とを備えた、トンネル掘進機用の切削ホイールであって、
前記工具状態監視装置は、1つの掘削工具(112、115、118)及び/又は1つのグループの掘削工具(112、115、118)に割り当てられた少なくとも1つの支持部材(121、124、127)を有し、前記支持部材(121、124、127)は、前記ないし1つの掘削工具(112、115、118)又は前記ないし1つのグループの掘削工具(112、115、118)から空間的に離間され且つ取外し可能にフレーム構造(203)と接続されており、
前記ないし各支持部材(121、124、127)内には、少なくとも1つの導電性の電流導体要素(515)が埋設されている構成であり、
前記電流導体要素(515)は、前記ないし1つの掘削工具(112、115、118)及び/又は前記ないし1つのグループの掘削工具(112、115、118)の予め定められた摩耗状態に対して特徴的な前記ないし1つの支持部材(121、124、127)の摩滅の後に前記ないし1つの電流導体要素(515)が遮断可能であるように、埋設されていること、
前記ないし1つの支持部材は、中間部材(121、124)として構成されており、前記中間部材(121、124)は、1つの掘削工具(112、115)及び/又は1つのグループの掘削工具(112、115)と前記フレーム構造(203)との間に配設されていること、
前記中間部材(121、124)は、掘進方向で前側に位置している1つの該当の掘削工具(112、115)又は1つの該当のグループの掘削工具(112、115)の前面部の幾何学形状的に類似の輪郭に従っており、掘進方向で前側に位置している前記中間部材(121、124)の前面部は、前記該当の掘削工具(112、115)及び/又は前記グループの掘削工具(112、115)のそれぞれの前面部の輪郭に対し、掘進方向の反対方向で後ろにずらされていること、及び、
前記中間部材(121、124)は、前面部から所定の間隔を置いてケーブル受容凹部(518)を有し、
前記ケーブル受容凹部(518)は、掘進方向で前記中間部材(121)の外側材料壁部(521)の裏側で延在し、前記ケーブル受容凹部(518)内には、前記電流導体要素(515)が配設されていること、
を特徴とする切削ホイール。
【請求項2】
掘進時に掘進方向で切削ホイール(103)に隣接する地質を削り取るための所定数の掘削工具(112、115、118)と、掘削工具(112、115、118)の摩耗状態を監視するための工具状態監視装置とを備えた、トンネル掘進機用の切削ホイールであって、
前記工具状態監視装置は、1つの掘削工具(112、115、118)及び/又は1つのグループの掘削工具(112、115、118)に割り当てられた少なくとも1つの支持部材(121、124、127)を有し、前記支持部材(121、124、127)は、前記ないし1つの掘削工具(112、115、118)又は前記ないし1つのグループの掘削工具(112、115、118)から空間的に離間され且つ取外し可能にフレーム構造(203)と接続されており、
前記ないし各支持部材(121、124、127)内には、少なくとも1つの導電性の電流導体要素(515)が埋設されている構成であり、
前記電流導体要素(515)は、前記ないし1つの掘削工具(112、115、118)及び/又は前記ないし1つのグループの掘削工具(112、115、118)の予め定められた摩耗状態に対して特徴的な前記ないし1つの支持部材(121、124、127)の摩滅の後に前記ないし1つの電流導体要素(515)が遮断可能であるように、埋設されていること、及び、
前記ないし1つの支持部材は、長尺の支持ボルト(127)として構成されており、前記支持ボルト(127)は、少なくとも1つの掘削工具(118)に対して所定の側方の間隔を置いて配設されていること、
を特徴とする切削ホイール。
【請求項3】
掘進方向で前側に位置している前記支持ボルト(127)の前面部は、掘進方向で前側に位置している、前記支持ボルト(127)に隣接した掘削工具(118)の前面部に対し、掘進方向の反対方向で後ろにずらされていること、
を特徴とする、請求項2に記載の切削ホイール。
【請求項4】
前記支持ボルト(127)は、長手方向に延在する止まり穴凹部(909)を有し、前記止まり穴凹部(909)内には、前記電流導体要素(515)が配設されていること、
を特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の切削ホイール。
【請求項5】
前記電流導体要素(515)は、前記支持ボルト(127)の前面部から所定の間隔を置いて終端していること、
を特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項6】
前記電流導体要素(515)は、掘進方向で前側に位置している前記ないし1つの支持部材(121、124、127)の前面部から所定の間隔を置いて配設されていること、
を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項7】
前記ないし1つの電流導体要素(515)は、絶縁された電流導体ケーブル(515)であること、
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項8】
前記支持部材(121、124、127)は、前記工具状態監視装置のライン案内装置と接続されており、前記ライン案内装置は、取外し可能に前記フレーム構造(203)と接続されていること、
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の切削ホイール。
【請求項9】
前記ライン案内装置は、外部からの機械的な作用に対してカプセル化されていること、
を特徴とする、請求項8に記載の切削ホイール。
【請求項10】
前記ライン案内装置は、支持部材(121、124、127)とは反対の側で、ライン接続ボックス(209)と接続されており、前記ライン接続ボックス(209)内には、パイプ接続部(206)が通じていること、
を特徴とする、請求項8又は請求項9に記載の切削ホイール。
【請求項11】
前記ライン接続ボックス(209)は、ラインホース(212)を介し、相互接続ボックス(215)と接続されており、前記相互接続ボックス(215)内には、前記工具状態監視装置の取外し可能なプラグ接続部(221)が配設されていること、及び前記相互接続ボックス(215)は、データ伝送ユニットと接続されていること、
を特徴とする、請求項10に記載の切削ホイール。
【国際調査報告】