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特表2024-520228金属有機骨格ポリテトラフルオロエチレン複合構造体及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-23
(54)【発明の名称】金属有機骨格ポリテトラフルオロエチレン複合構造体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 3/06 20060101AFI20240516BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20240516BHJP
   B01J 20/22 20060101ALI20240516BHJP
   C07F 5/06 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
C07F3/06
B01J20/30
B01J20/22 Z
C07F5/06 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565317
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 IB2022053117
(87)【国際公開番号】W WO2022224066
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/178,899
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】チュオナン ソン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン スターク
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー クノップフ
(72)【発明者】
【氏名】クオ シーオウ フォー
【テーマコード(参考)】
4G066
4H048
【Fターム(参考)】
4G066AA15A
4G066AA16A
4G066AA18A
4G066AA20A
4G066AA23A
4G066AA24A
4G066AA26A
4G066AA27A
4G066AB24A
4G066AB24B
4G066AC11A
4G066AC11B
4G066AC15A
4G066AC31A
4G066BA03
4G066BA05
4G066BA07
4G066BA20
4G066BA23
4G066BA26
4G066BA35
4G066FA03
4G066FA11
4G066FA17
4G066FA21
4G066FA37
4H048AA02
4H048AC90
4H048BB14
4H048BB17
4H048BB20
4H048BB22
4H048BB31
4H048VA66
4H048VA80
4H048VB10
(57)【要約】
金属カルコゲニド粒子をポリマーマトリックス内へ固定化し、次いで金属カルコゲニドをMOFへin-situ転化することにより、構造化MOF複合テープを製造する方法。いくつかの実施態様では、転化はZnO-PTFE複合体からZIF-8-PTFE複合体へ行われる。ZIF-8-PTFE複合体は、プロピレン/プロパン分離、油捕捉、及び空中浮遊菌に対する光触媒殺菌のために有用な材料である。ZIF-8の他に、構造化MOF複合テープは、一例として化学的浄化、空気浄化、及び生物学的毒性物質の除去を含む化学的分離のために有用な材料である。加えて、MOFを含む複合体物品は、フィルタバッグ、ハニカム、カラムの形態その他適宜の形態を成していてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質金属塩ポリマー複合構造体を多孔質金属有機骨格(MOF)複合構造体へ転化することを含んでなる方法。
【請求項2】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属カルコゲニドポリマー複合構造体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が金属酸化物を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属酸化物が、遷移金属酸化物、4族金属酸化物、5族金属酸化物、6族金属酸化物、7族金属酸化物、8族金属酸化物、9族金属酸化物、10族金属酸化物、11族金属酸化物、12族金属酸化物、13族金属酸化物、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記金属酸化物が、V、Fe、CuO、ZnO、Al、ZrO、MgO、MnO、CoO、NiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が金属カルコゲニドを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記金属カルコゲニドが少なくとも1種の金属原子を含み、前記少なくとも1種の金属原子が、遷移金属、3族金属、4族金属、5族金属、6族金属、7族金属、8族金属、9族金属、10族金属、11族金属、12族金属、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記金属カルコゲニドが、S、Se、及びTeから成る群から選択されたカルコゲン原子を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記金属カルコゲニドが、ZrS、ZnS、又はこれらの組み合わせである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属シュウ酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記金属シュウ酸塩が、限定はされないがシュウ酸亜鉛を含む、シュウ酸鉄、シュウ酸銅、シュウ酸ジルコニウム、シュウ酸アルミニウム、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸ニッケル、シュウ酸コバルト、シュウ酸セリウム、シュウ酸マンガン、シュウ酸クロムから成る群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属炭酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記金属炭酸塩が、限定はされないが炭酸亜鉛を含む、炭酸鉄、炭酸銅、炭酸ジルコニウム、炭酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸ニッケル、炭酸コバルト、炭酸セリウム、炭酸マンガン、炭酸クロムから成る群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体の構造形態を製造することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記構造形態が、フィルム、ラミネート、チューブ、巻かれたロール、テープ、ペレット、カラム、モノリス、モジュール、ハニカム形状、又はこれらの組み合わせを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体から多孔質MOF複合構造体への転化が、蒸気処理プロセスを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体から多孔質MOF複合構造体への転化が、液体処理プロセスを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)(ETFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリパラキシリレン(PPX)、ポリ乳酸、及びこれらの任意の組み合わせ又はブレンドを含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記多孔質MOF複合構造体がPTFEを含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記多孔質MOF複合構造体が、ZIF-7、ZIF-8、ZIF-9、ZIF-10、ZIF-12、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-70、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-8-90、ZIF-L、CALF-15、CALF-20、MOF-2、MOF-3、MOF-4、MOF-5、MOF-70、MOF-73、MOF-74、MOF-75、MOF-76、MOF-177、COF-1、COF-5、COF-8、COF-105、COF-108、MIL-101、MIL-53、MIL-53-NH2、MIL-96、CAU-10、CAU-10-H、MOF-303、MOF-505、MOF-801、MOF-808、Al(OH)フマル酸塩、Mg-ギ酸塩、Zr-フマル酸塩、UiO-66、UiO-66-NH2、UiO-67、UiO-68、HKUST-1、Fe-BTC、PCN-224、PCN-250、及びUTSA-16から成る群から選択された少なくとも1種のMOF、又はMOFの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合体のポロシティが約10%~約95%の範囲を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項23】
ポロシティの少なくとも5%が0.1μmより大きな孔径を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が多孔質ZnO-PTFE複合構造体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記多孔質MOF複合構造体がZIF-8-PTFEを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が、多孔質金属酸化物ポリマー複合フィルムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合フィルムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属酸化物ポリマー複合カラムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合カラムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
多孔質MOF複合構造体であって、
PTFEと、
前記PTFE中に永続的に絡ませられたMOFと
を含む、多孔質MOF複合構造体。
【請求項32】
多孔質MOF複合構造体であって、
ePTFEと、
前記PTFE中に永続的に絡ませられたMOFと
を含む、多孔質MOF複合構造体。
【請求項33】
前記MOFが、ZIF-7、ZIF-8、ZIF-9、ZIF-10、ZIF-12、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-70、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-8-90、ZIF-L、CALF-15、CALF-20、MOF-2、MOF-3、MOF-4、MOF-5、MOF-70、MOF-73、MOF-74、MOF-75、MOF-76、MOF-177、COF-1、COF-5、COF-8、COF-105、COF-108、MIL-101、MIL-53、MIL-53-NH2、MIL-96、CAU-10、CAU-10-H、MOF-303、MOF-505、MOF-801、MOF-808、Al(OH)フマル酸塩、Mg-ギ酸塩、Zr-フマル酸塩、UiO-66、UiO-66-NH2、UiO-67、UiO-68、HKUST-1、Fe-BTC、PCN-224、PCN-250、及びUTSA-16から成る群から選択される、請求項31又は32に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項34】
前記MOFの金属が、遷移金属、4族金属、5族金属、6族金属、7族金属、8族金属、9族金属、10族金属、11族金属、12族金属、13族金属、V、Fe、Cu、Zn、Al、Zr、Mg、Mn、Co、及びNiから成る群から選択される、請求項31又は32に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項35】
前記多孔質MOF複合構造体のポロシティが約10%~約95%の範囲を含む、請求項31又は32に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項36】
ブルナウアー-エメット-テラー(BET)表面積が、20m/g~4000m/gの範囲内にある、請求項31又は32に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項37】
前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合フィルムを含む、請求項31又は32に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項38】
前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約0.001mm~5mmである、請求項37に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項39】
前記多孔質MOF複合フィルムが、前記多孔質MOF複合構造体の外面の少なくとも1つの側にMOF層を含む、請求項37に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項40】
前記外面上のMOF層の厚さが約0.001mm~約5mmである、請求項39に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項41】
前記多孔質MOF複合構造体の引張強さが1平方インチ当たり1ポンドを上回る、請求項31~40のいずれか1項に記載の多孔質MOF複合構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に化学的分離材料に関し、そしてより具体的には、多孔質フィブリル化ポリマーメンブレンであって、化学物質を分離するために使用され得るフィブリル化ポリマーメンブレン内部に配置された担持粒子を含む、多孔質フィブリル化ポリマーメンブレンに関する。
【背景技術】
【0002】
複合フィルタはマトリックス内部に配置された多孔質材料を有することができる。流体がマトリックスを横切るか又はマトリックスを通過するのに伴って、流体内部のある特定の成分を他の成分から分離することができる。ハイブリッド多孔質材料、例えば金属有機骨格(MOF)は、金属原子を架橋性有機配位子と合体させる。しかしながら、MOFの高い製造コストはMOFの大規模な用途を限定している。高いコストの他に、MOF粉末の加工性及び取扱い性の悪さも、種々の用途における幅広い使用を妨げている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ポリマーマトリックス上に配置された新規の改善された材料、例えば多孔質MOF複合構造体が必要である。MOFを製造するための新規の改善された方法も必要である。本開示は、このような組成物及びこのような組成物の製造方法を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書中に開示された実施態様のいずれか又はすべての部分は、いずれの実施態様のいずれの他の部分とも組み合わされてよい。
【0005】
いくつかの実施態様では、方法は、多孔質金属塩ポリマー複合構造体を多孔質金属有機骨格(MOF)複合構造体へ転化することを含む。例えば、いくつかの実施態様では、方法は、多孔質金属塩ポリマー複合構造体を多孔質金属有機骨格(MOF)複合構造体へin-situで転化することを含む。方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が、金属カルコゲニドポリマー複合構造体を含む。
【0006】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が金属酸化物を含む。方法のいくつかの実施態様では、前記金属酸化物が、遷移金属酸化物、4族金属酸化物、5族金属酸化物、6族金属酸化物、7族金属酸化物、8族金属酸化物、9族金属酸化物、10族金属酸化物、11族金属酸化物、12族金属酸化物、13族金属酸化物、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。方法のいくつかの実施態様では、前記金属酸化物が、V、Fe、CuO、ZnO、Al、ZrO、MgO、MnO、CoO、NiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0007】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が、金属カルコゲニドを含む。方法のいくつかの実施態様では、前記金属カルコゲニドが少なくとも1種の金属原子を含み、前記少なくとも1種の金属原子が、遷移金属、3族金属、4族金属、5族金属、6族金属、7族金属、8族金属、9族金属、10族金属、11族金属、12族金属、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。方法のいくつかの実施態様では、前記金属カルコゲニドが、S、Se、及びTeから成る群から選択されたカルコゲン原子を含む。方法のいくつかの実施態様では、前記金属カルコゲニドが、ZrS、ZnS、又はこれらの組み合わせである。
【0008】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属シュウ酸塩を含む。方法のいくつかの実施態様では、前記金属シュウ酸塩が、限定はされないがシュウ酸亜鉛を含む、シュウ酸鉄、シュウ酸銅、シュウ酸ジルコニウム、シュウ酸アルミニウム、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸ニッケル、シュウ酸コバルト、シュウ酸セリウム、シュウ酸マンガン、シュウ酸クロムから成る群から選択される。
【0009】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属炭酸塩を含む。方法のいくつかの実施態様では、前記金属炭酸塩が、限定はされないが炭酸亜鉛を含む、炭酸鉄、炭酸銅、炭酸ジルコニウム、炭酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸ニッケル、炭酸コバルト、炭酸セリウム、炭酸マンガン、炭酸クロムから成る群から選択される。
【0010】
いくつかの実施態様では、前記方法は、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体の構造形態を製造することを含む。方法のいくつかの実施態様では、前記構造形態が、フィルム、ラミネート、チューブ、巻かれたロール、テープ、ペレット、カラム、モノリス、モジュール、ハニカム形状、又はこれらの組み合わせを含む。
【0011】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体から多孔質MOF複合構造体への転化が、蒸気処理プロセスを含む。方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体から多孔質MOF複合構造体への転化が、液体処理プロセスを含む。
【0012】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。
【0013】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)(ETFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリパラキシリレン(PPX)、ポリ乳酸、及びこれらの任意の組み合わせ又はブレンドを含む。
【0014】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体がPTFEを含む。
【0015】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体が、ZIF-7、ZIF-8、ZIF-9、ZIF-10、ZIF-12、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-70、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-8-90、ZIF-L、CALF-15、CALF-20、MOF-2、MOF-3、MOF-4、MOF-5、MOF-70、MOF-73、MOF-74、MOF-75、MOF-76、MOF-177、COF-1、COF-5、COF-8、COF-105、COF-108、MIL-101、MIL-53、MIL-53-NH2、MIL-96、CAU-10、CAU-10-H、MOF-303、MOF-505、MOF-801、MOF-808、Al(OH)フマル酸塩、Mg-ギ酸塩、Zr-フマル酸塩、UiO-66、UiO-66-NH2、UiO-67、UiO-68、HKUST-1、Fe-BTC、PCN-224、PCN-250、及びUTSA-16から成る群から選択された少なくとも1種のMOF、又はMOFの混合物を含む。
【0016】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合体のポロシティが約10%~約95%の範囲を含む。方法のいくつかの実施態様では、ポロシティの少なくとも5%が0.1μmより大きな孔径を含む。
【0017】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が多孔質ZnO-PTFE複合構造体を含む。
【0018】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体がZIF-8-PTFEを含む。
【0019】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が、多孔質金属酸化物ポリマー複合フィルムを含む。
【0020】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合フィルムを含む。
【0021】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が、金属酸化物ポリマー複合カラムを含む。
【0022】
方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合カラムを含む。
【0023】
いくつかの実施態様では、前記方法が、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体を形成することをさらに含む。
【0024】
いくつかの実施態様では、多孔質MOF複合構造体がPTFEと、前記PTFE中に永続的に絡ませられたMOFとを含む。
【0025】
いくつかの実施態様では、多孔質MOF複合構造体がePTFEと、前記PTFE中に永続的に絡ませられたMOFとを含む。
【0026】
いくつかの実施態様では、前記MOFが、ZIF-7、ZIF-8、ZIF-9、ZIF-10、ZIF-12、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-70、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-8-90、ZIF-L、CALF-15、CALF-20、MOF-2、MOF-3、MOF-4、MOF-5、MOF-70、MOF-73、MOF-74、MOF-75、MOF-76、MOF-177、COF-1、COF-5、COF-8、COF-105、COF-108、MIL-101、MIL-53、MIL-53-NH2、MIL-96、CAU-10、CAU-10-H、MOF-303、MOF-505、MOF-801、MOF-808、Al(OH)フマル酸塩、Mg-ギ酸塩、Zr-フマル酸塩、UiO-66、UiO-66-NH2、UiO-67、UiO-68、HKUST-1、Fe-BTC、PCN-224、PCN-250、及びUTSA-16から成る群から選択される。
【0027】
多孔質MOF複合構造体のいくつかの実施態様では、前記MOFの金属が、遷移金属、4族金属、5族金属、6族金属、7族金属、8族金属、9族金属、10族金属、11族金属、12族金属、13族金属、V、Fe、Cu、Zn、Al、Zr、Mg、Mn、Co、及びNiから成る群から選択される。
【0028】
多孔質MOF複合構造のいくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体のポロシティが約10%~約95%の範囲を含む。
【0029】
多孔質MOF複合構造体のいくつかの実施態様では、ブルナウアー-エメット-テラー(BET)表面積が、20m/g~4000m/gの範囲内にある。
【0030】
多孔質MOF複合構造体のいくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合フィルムを含む。
【0031】
多孔質MOF複合構造体のいくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約0.001mm~5mmである。
【0032】
いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約0.001mm~0.01mmである。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約0.01mm~1.5mmである。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約0.01mm~5mmである。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約1.5mm~5mmである。
【0033】
多孔質MOF複合構造体のいくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムが、前記多孔質MOF複合フィルムの外面の少なくとも1つの側にMOF層を含む。
【0034】
多孔質MOF複合構造体のいくつかの実施態様では、前記外面上のMOF層の厚さが約0.001mm~約5mmである。
【0035】
多孔質MOF複合構造体のいくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体の引張強さが1平方インチ当たり1ポンドを上回る。
【0036】
いくつかの実施態様では、前記方法は、多孔質金属塩ポリマー複合構造体の構造形態を製造し、そして次いで多孔質金属塩ポリマー複合構造体を多孔質金属有機骨格(MOF)複合構造体へ転化することを含む。
【0037】
いくつかの実施態様では、複合体物品は、多孔質フィブリル化ポリマーメンブレンであって、多孔質フィブリル化ポリマーメンブレン内部に永続的にメッシュ状に絡まされた担持粒子を含む、多孔質フィブリル化ポリマーメンブレンを含む。
【0038】
いくつかの実施態様では、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が、多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体であるか、又は多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体を含む。
【0039】
いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムが、前記多孔質MOF複合フィルムの外面の少なくとも2つの側にMOF層を含む。
【0040】
いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムが、前記多孔質MOF複合フィルムの外面の対向する2つの側にMOF層を含む。
【0041】
多孔質MOF複合構造体のいくつかの実施態様では、外面上のMOF層の厚さが約0.001mm~約5mmである。いくつかの実施態様では、外面上のMOF層の厚さが約0.001mm~約0.01mmである。いくつかの実施態様では、外面上のMOF層の厚さが約0.01mm~約1.5mmである。いくつかの実施態様では、外面上のMOF層の厚さが約0.01mm~約5mmである。いくつかの実施態様では、外面上のMOF層の厚さが約1.5mm~約5mmである。
【0042】
いくつかの実施態様では、方法が、多孔質金属塩ポリマー複合構造体を多孔質金属有機骨格(MOF)複合構造体へ転化することを含む。方法のいくつかの実施態様では、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が、金属カルコゲニドを含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が金属酸化物を含む。いくつかの実施態様では、前記金属酸化物が、遷移金属酸化物、4族金属酸化物、5族金属酸化物、6族金属酸化物、7族金属酸化物、8族金属酸化物、9族金属酸化物、10族金属酸化物、11族金属酸化物、12族金属酸化物、13族金属酸化物、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施態様では、前記金属酸化物が、V、Fe、CuO、ZnO、Al、ZrO、MgO、MnO、CoO、NiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が、金属カルコゲニドを含む。いくつかの実施態様では、前記金属カルコゲニドが少なくとも1種の金属原子を含み、前記少なくとも1種の金属原子が、遷移金属、3族金属、4族金属、5族金属、6族金属、7族金属、8族金属、9族金属、10族金属、11族金属、12族金属、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施態様では、前記金属カルコゲニドが、S、Se、及びTeから成る群から選択されたカルコゲン原子を含む。いくつかの実施態様では、前記金属カルコゲニドが、ZrS、ZnS、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施態様では、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属シュウ酸塩を含む。いくつかの実施態様では、前記金属シュウ酸塩が、限定はされないがシュウ酸亜鉛を含む、シュウ酸鉄、シュウ酸銅、シュウ酸ジルコニウム、シュウ酸アルミニウム、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸ニッケル、シュウ酸コバルト、シュウ酸セリウム、シュウ酸マンガン、シュウ酸クロムから成る群から選択される。いくつかの実施態様では、前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属炭酸塩を含む。いくつかの実施態様では、前記金属炭酸塩が、限定はされないが炭酸亜鉛を含む、炭酸鉄、炭酸銅、炭酸ジルコニウム、炭酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸ニッケル、炭酸コバルト、炭酸セリウム、炭酸マンガン、炭酸クロムから成る群から選択される。
【0043】
いくつかの実施態様では、前記方法は、多孔質金属塩ポリマー複合構造体の構造形態を製造し、そして次いで前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体を多孔質金属有機骨格(MOF)複合構造体へ転化することを含む。いくつかの実施態様では、複合物品が、多孔質フィブリル化ポリマーメンブレンであって、多孔質フィブリル化ポリマーメンブレン内部に永続的にメッシュ状に絡まされた担持粒子を含む、多孔質フィブリル化ポリマーメンブレンを含む。いくつかの実施態様では、前記複合物品の前記構造形態が、フィルム、ラミネート、チューブ、巻かれたロール、テープ、ペレット、カラム、モノリス、モジュール、ハニカム形状、又はこれらの組み合わせを含む。
【0044】
いくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体から多孔質MOF複合構造体への転化が、蒸気処理プロセスを含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体から多孔質MOF複合構造体への転化が、液体処理プロセスを含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)(ETFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリパラキシリレン(PPX)、ポリ乳酸、及びこれらの任意の組み合わせ又はブレンドを含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体がPTFEを含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体が、ZIF-7、ZIF-8、ZIF-9、ZIF-10、ZIF-12、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-70、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-8-90、ZIF-L、CALF-15、CALF-20、MOF-2、MOF-3、MOF-4、MOF-5、MOF-70、MOF-73、MOF-74、MOF-75、MOF-76、MOF-177、COF-1、COF-5、COF-8、COF-105、COF-108、MIL-101、MIL-53、MIL-53-NH2、MIL-96、CAU-10、CAU-10-H、MOF-303、MOF-505、MOF-801、MOF-808、Al(OH)フマル酸塩、Mg-ギ酸塩、Zr-フマル酸塩、UiO-66、UiO-66-NH2、UiO-67、UiO-68、HKUST-1、Fe-BTC、PCN-224、PCN-250、及びUTSA-16から成る群から選択された少なくとも1種のMOF、又はMOFの混合物を含む。
【0045】
いくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合体のポロシティが約10%~約95%の範囲を含む。
【0046】
いくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が多孔質ZnO-PTFE複合構造体を含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体がZIF-8-PTFEを含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が、多孔質金属酸化物ポリマー複合フィルムを含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合フィルムを含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質金属酸化物ポリマー複合構造体が、金属酸化物ポリマー複合カラムを含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合カラムを含む。
【0047】
いくつかの実施態様では、多孔質MOF複合構造体がPTFEと、前記PTFE中に永続的に絡ませられたMOFとを含む。いくつかの実施態様では、多孔質MOF複合構造体が延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)と、前記PTFE中に永続的に絡ませられたMOFとを含む。いくつかの実施態様では、前記MOFの金属が、遷移金属、4族金属、5族金属、6族金属、7族金属、8族金属、9族金属、10族金属、11族金属、12族金属、13族金属、V、Fe、Cu、Zn、Al、Zr、Mg、Mn、Co、及びNiから成る群から選択される。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体のブルナウアー-エメット-テラー(BET)表面積が、20m/g~4000m/gの範囲内にある。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合フィルムを含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約0.001mm~5mmである。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約0.001mm~0.01mmである。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約0.01mm~1.5mmである。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約0.01mm~5mmである。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約1.5mm~5mmである。
【0048】
いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムが、前記多孔質MOF複合フィルムの外面の少なくとも1つの側にMOF層を含む。いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合フィルムが、前記多孔質MOF複合フィルムの外面の少なくとも2つの側にMOF層を含む。
【0049】
いくつかの実施態様では、外面上のMOF層の厚さが約0.001mm~約5mmである。いくつかの実施態様では、外面上のMOF層の厚さが約0.001mm~約0.01mmである。いくつかの実施態様では、外面上のMOF層の厚さが約0.01mm~約1.5mmである。いくつかの実施態様では、外面上のMOF層の厚さが約0.01mm~約5mmである。いくつかの実施態様では、外面上のMOF層の厚さが約1.5mm~約5mmである。
【0050】
いくつかの実施態様では、前記多孔質MOF複合構造体の引張強さが1平方インチ当たり1ポンドを上回る。したがって、本発明は、金属カルコゲニド粒子をポリマーマトリックス内へ固定化し、次いで金属カルコゲニドをMOFへin-situ転化することにより、構造化MOF複合テープを製造する方法を提供する。いくつかの実施態様では、転化はZnO-PTFE複合体からZIF-8-PTFE複合体へ行われる。ZIF-8-PTFE複合体は、プロピレン/プロパン分離、油捕捉、及び空中浮遊菌に対する光触媒殺菌のために有用な材料である。ZIF-8の他に、構造化MOF複合テープは、一例として化学的浄化、空気浄化、及び生物学的毒性物質の除去を含む化学的分離のために有用な材料である。加えて、MOFを含む複合体物品は、フィルタバッグ、ハニカム、カラムの形態、又は他の適宜の形態を成していてよい。
【0051】
添付の図面を参照する。図面は本開示の一部を形成し、そして本明細書中に記載されたシステム及び方法の例を示している。同様の符号は全体を通して同様の部分を表している。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1図1は、PTFE上へ埋め込まれたZnOからZIF-8-PTFE複合体を製造する模範的な方法のための模範的且つ非限定的な概略的フローチャートを示す図である。
図2図2は、この非限定的な模範的プロセスにしたがって得られたZnOの粒径分布例を示す図である。
図3図3は、非限定的実施態様に基づくZnO-PTFE複合フィルムの孔径分布及び累積孔容積の例を示す図である。
図4図4は、非限定的実施態様に基づく転化プロセスの前及び後の、表面積におけるZnO-PTFEの模範的な量を示す図である。
図5図5は、非限定的な模範的プロセスに基づく比較グラフの例を示す図である。
図6図6は、一実施態様に基づく断面走査電子顕微鏡元素マッピングの例を示す図である。
図7図7は、一実施態様に基づく断面走査電子顕微鏡元素マッピングの例を示す図である。
図8図8は、非限定的な模範的プロセスに基づく比較グラフの例を示す図である。
図9図9は、一実施態様に基づく高分解能走査電子顕微鏡画像の例を示す図である。
図10図10は、一実施態様に基づく高分解能走査電子顕微鏡画像の例を示す図である。
図11図11は、一実施態様に基づくCO取り込み測定の比較チャートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
金属カルコゲニド(例えば金属酸化物)のコストはMOFのコストよりも数桁低いことが可能である。したがって、本明細書中に開示された方法の実施態様は、経済的に実現可能な、大規模な、高品質の多孔質MOF複合構造体を製造することができる。さらに、金属カルコゲニドの転化はその場(in-situ)で行うことができる。したがって、得られたMOFをポリマーメンブレン又はフィルムに埋め込むために、MOF粉末又は粒子を直接に得る必要がない。すなわち、この模範的プロセスによれば、MOF粉末をポリマーメンブレンに直接に絡めるプロセスを排除することができる。このように、いくつかの実施態様はMOF粉末を準備する、又は得ることを含まない。さらに、いくつかの実施態様は、MOF粉末をポリマーメンブレン又はフィルムに直接に絡めることを含まない。実施態様の非限定的例が下記により詳しく提供される。
【0054】
本明細書中に開示された方法のいくつかの実施態様は、多孔質金属塩ポリマー複合構造体を多孔質金属有機骨格(MOF)複合構造体へ転化することを目標としている。いくつかの実施態様では、多孔質金属塩ポリマー複合構造体は金属酸化物を含む。
【0055】
いくつかの実施態様では、金属酸化物はポリマーメンブレン内部に永続的に絡ませられ、次いで金属酸化物は、ポリマーメンブレン上に担持された状態でMOFへ転化される。
【0056】
いくつかの実施態様では、ポリマーメンブレンは、少なくとも1つのノード・接続フィブリルマイクロ構造を有している。フィブリルマイクロ構造は、他のフィブリル又はノードと相互接続することにより網様構造を形成するフィブリルを含む。この網様構造内部に粒子が配置され固定化される。いくつかの実施態様では、フィブリル化ポリマーメンブレンは、フィブリル化マイクロ構造内部に粒子を担持するために固定化して絡ませるフィブリルの網状構造を形成する。いくつかの実施態様では、ポリマーメンブレンは、少なくとも1つのノード・接続フィブリルマイクロ構造を有するPTFEメンブレンであり又はPTFEメンブレンを含む。いくつかの実施態様では、ポリマーメンブレンは、少なくとも1つのノード・接続フィブリルマイクロ構造を有するePTFEメンブレンであり又はePTFEメンブレンを含む。
【0057】
本明細書中に使用される「永続的に絡ませられる(durably enmeshed)」という言い回しは、ポリマーメンブレンのフィブリル化マイクロ構造内部に非共有結合的に固定化された何かを表す。例えば、「ポリマーメンブレン内部に永続的に絡まされた触媒粒子」は、ポリマーメンブレンのフィブリル化マイクロ構造内部に非共有結合的に固定化された触媒粒子の構造的な関係を表す。「永続的に絡まされた」触媒粒子のいくつかの実施態様では、メンブレン内に触媒粒子を固定するために存在する別個のバインダーはない。いくつかの実施態様では、触媒粒子はフィブリル化ポリマーメンブレンの厚さ全体を通して配置されている。
【0058】
表1は、金属酸化物のin-situ転化を介して製造し得るMOF複合構造体の種々の非限定的例を示している。表1はまた、使用し得る種々の有機リンカー、並びにそれぞれのプロセスにおいて使用し得る溶媒を挙げている。例えば、表1に示されているように、溶媒を使用することなしに、有機リンカーとして2-メチルイミダゾールを使用して、ZnOをZIF-8へ転化することができる。
【表1】
【実施例
【0059】
実施例1:PTFE上のZnOからZIF-8への転化
【0060】
以下の非限定的な模範的プロセスによって、経済的に実現可能な、大規模な、高品質のZnO-PTFE複合体を製造することができる。さらに、ZnOからZIF-8への転化は、ZnO-PTFE複合体上で実施することができる。したがって、ZIF-8粉末を直接に得ること、又はZIF-8粒子をPTFEへ埋め込む必要はない。すなわち、この模範的プロセスによれば、ZIF-8粉末をPTFEへ直接に絡ませるプロセスを排除することができる。このように、いくつかの実施態様では、これらの方法はZIF-8粉末を得ることを含まない。さらに、いくつかの実施態様では、これらの方法は、ZIF-8粉末をPTFEに直接に絡ませることを含まない。
【0061】
図1は、複合材料の実施態様を形成する方法の実施態様を示している。この実施態様は、PTFE 102と金属酸化物とを混合することにより、例えば金属酸化物PTFE複合体を形成することを含む。図1が示す実施態様の場合、金属酸化物粒子から分離した状態で、PTFEが最初に形成される。あるいは、PTFE 102は金属酸化物粒子から分離した状態で最初に形成されることはない。すなわち、別の実施態様では、PTFE 102の形成中に、金属酸化物を混入することにより、金属酸化物をPTFE 102へ永続的に絡ませる。例えば、ZnO-PTFE複合体104を形成するために、PTFE 102をZnO 106の粒子と一緒に形成し、その間に、ZnO 106はPTFE 102内部に又はPTFE 102上へ永続的に絡ませられる。次いで、例えば蒸気処理プロセスによって、ZIF-8-PTFE複合体108を製造することができる。蒸気処理プロセスは、ZnO 106がPTFE 102上に永続的に絡ませられた状態で、ZnO 106のいくらか又はすべてをZIF-8 110へ転化する。結果として生じた複合材料は、ZnOと、PTFE上に永続的に絡まされたZIF-8との混合物を有することができる。このように、いくつかの実施態様では、PTFE 102は、金属酸化物粒子から分離した状態で最初に形成されることはない。
【0062】
いくつかの実施態様では、転化プロセスは、ZnO 106からZIF-8 110への転化量を、PTFE 102上のこれらの位置に関して、制御することができる。例えば、ZnO 106からZIF-8 110への転化は、ZnO-PTFE複合体108のポロシティを制御することにより、例えばポロシティを低減することにより、ZnO-PTFE複合体108の外側薄層上で実施することができる。例えば、ZnO 102からZIF-8 110への転化は、ZnO-PTFE複合体108のポロシティを増大させることにより、ZnO-PTFE複合体108の大部分のZnO 106上で実施することができる。
【0063】
転化プロセスの一例は「in-situ転化(in-situ conversion)」として記すことができる。この場合、金属酸化物粒子の多孔質ポリマーフィルム複合体が、液相中で多孔質MOF粒子の構造化多孔質フィルム複合体へ転化される。いくつかの実施態様では、転化プロセスは低い温度の範囲で実施される。
【0064】
図2は、この非限定的な模範的プロセスにしたがって得られたZnOの粒径分布を示している。図2から判るように、この実施例におけるZnOの平均粒径(すなわち粒子直径)は、Horiba LA-350レーザー散乱粒径分布分析装置によって測定して、約0.5~0.6μmであった。Mitchell他の米国特許出願公開第2005/0057888号明細書において全般的に教示された仕方で、50wt%のZnO粒子と50wt%のPTFEとの複合ブレンドをブレンドした。結果として生じた多孔質フィブリル化ePTFE複合フィルムは、ePTFEのノードとフィブリルとのマトリックスで永続的に絡まされて固定化された、約50重量%のZnO粒子を含んだ。
【0065】
図3は、ZnO-PTFE複合フィルムの孔径分布及び累積孔容積を示している。Micromeritics AutoPore V 水銀ポロシメータ(米国ジョージア州Norcross在、Micromeritics)によって、得られたZnO-PTFE複合フィルムの孔径分布及び累積孔容積を測定した。
【0066】
いくつかの実施態様では、この実施例におけるZnO-PTFE複合フィルムの主要孔径は約60nmであった。いくつかの実施態様では、ZnO-PTFE複合フィルムのポロシティは26~29%の範囲内にあると測定された。
【0067】
いくつかの実施態様では、高ポロシティのZnO-PTFE複合フィルムは、0.1μmを上回る付加的な孔を示した。いくつかの実施態様では、高ポロシティのZnO-PTFE複合フィルムのポロシティは、59~71%の範囲内にあると測定された。ポロシティは、100*(1-嵩密度/骨格密度)によって計算される。Micromeritics AutoPore V 水銀ポロシメータ(米国ジョージア州Norcross在、Micromeritics)上で、嵩密度を得た。骨格密度は、ヘリウム・ピクノメーター(UltraPyc 1200e, Quantachrome instruments)上で得られる。
【0068】
次いで転化プロセスがZnO-PTFE複合フィルム上で実施される。この実施例におけるプロセスは、低温プロセスにおけるin-situ液相転化であった。この実施例では、0.55mm厚の多孔質ZnO-PTFEフィルムから、10mm直径の試料をダイカットした。試料を10mlのメタノール及び0.4gの2-メチルイミダゾールとともに20℃で112時間にわたって20mlのガラスバイアル内に入れることにより、多孔質ZnO-PTFEフィルムを多孔質ZIF-8-PTFEフィルムへ転化した。77Kの窒素物理吸着(Nova, Quantachrome instruments)によって、in-situ転化の前及び後に、フィルム試料の比表面積を測定し、そしてブルナウアー-エメット-テラー法を用いて計算した。比表面積はZnO-PTFEフィルムの2.6m/gから、112時間処理済みZnO-PTFEフィルムの56m/gへ増大した。図4は、転化プロセス前の表面上のZnO-PTFE量と、in-situ転化プロセス後の表面上のZnO-PTFE量(標識:112h-ZnO-PTFE(L))との比較チャートを示している。
【0069】
実施例2:低ポロシティ複合体と高ポロシティ複合体との比較
【0070】
転化プロセスを制御することによって、ポリマーメンブレン中のMOFの結果として生じる量及び位置を制御することができる。例えば、MOFはポリマーメンブレンの表面に(すなわちポリマーメンブレン全体を通してではなく)実質的に形成することができ、あるいはMOFはポリマーメンブレン全体を通して形成することができ、あるいはこれらの間に任意の量だけ形成することもできる。したがって、表面だけの転化またはテープ/フィルムを貫通する転化を調整することができる。
【0071】
例えば、図5は、下記の非限定的な模範的プロセスに基づく比較グラフを示している。2種の50%ローディングZnO-PTFE複合体を50mlのオートクレーブ内で125℃の2-メチルイミダゾール蒸気に暴露した。64時間にわたる処理後に、ZnO-PTFE複合体からZIF-PTFE複合体への転化は、低ポロシティ(26~29%)ZnO-PTFE複合体の場合には、4m/gから44.1m/gへ増大した。ZnO-PTFEからZIF-PTFEへの転化は、高ポロシティ(59~71%)ZnO-PTFE複合体の場合、498.8m/gに増大した。
【0072】
処理時間を112時間までさらに長くすることにより、低ポロシティZnO-PTFE複合体の場合、転化は73.1m/gまで増大した。112時間目には、この転化プロセスによって製造されたZIF-8のwt%は、約4.2wt%であると計算された。
【0073】
112時間の処理時間後、高ポロシティZnO-PTFE複合体の場合、転化は597.2m/gまで増大した。112時間目には、この転化プロセスによって製造されたZIF-8のwt%は、約34.1wt%であると計算された。複合体中のZIF-8のwt%は、複合体の表面積をZIF-8粉末の表面積で割り算することを用いて計算する。ZIF-8粉末の表面積は、77Kの窒素物理吸着(Nova, Quantachrome instruments)によって測定して、1753m2/gである。
【0074】
図6及び7は、断面走査電子顕微鏡(SEM)元素マッピングであり、窒素の検出がZnOからZIF-8への転化を証明する。断面エネルギー分散分光法元素マッピングは、Hitachi TM3030Plus顕微鏡上で実施した。ZnO-PTFE複合フィルムの外面上の窒素シグナルは、ZnO-PTFE複合フィルム内のZnOからZIF-8が転化されたという証拠をもたらす。77Kの窒素物理吸着(Nova, Quantachrome instruments)によって、in-situ転化の前及び後に、フィルム試料の比表面積を測定し、そしてブルナウアー-エメット-テラー法を用いて計算した。
【0075】
図6に示された窒素(N)の分布は、ZnOからZIF-8への転化が低ポロシティZnO-PTFE複合体の外面上に主に発生したことを示している。低ポロシティZnO-PTFEテープの厚さは約0.9~1.1mmであるのに対して、ZnO-PTFEテープの外面上のMOF(ZIF-8)層の厚さは約0.1~0.4mmであった。
【0076】
図7に示されたNの均一な分布は、ZnOからZIF-8への転化が複合体全体にわたって均一であったことを示している。高ポロシティZnO-PTFEテープの厚さは約1.0~1.4mmであるのに対して、MOF(ZIF-8)層の厚さは約1.0~1.4mmであった。
【0077】
ZnOからZIF-8への転化の成功はまた、X線回折及びフーリエ変換赤外分光分析(FTIR)によって裏付けられた。いくつかの実施態様では、ZnOからZIF-8への転化は、2-メチルイミダゾールメタノール溶液中でZnO-PTFE複合体を室温で処理することにより、達成することもできる。
【0078】
実施例3:PTFE上のAlからMIL-53への転化
【0079】
以下の非限定的な模範的プロセスによって、経済的に実現可能な、大規模な、高品質のMIL-53-PTFE複合体を製造することができる。さらに、AlからMIL-53への転化は、Al-PTFE複合体上で実施することができる。このように、いくつかの実施態様では、これらの方法はMIL-53粉末を得ることを含まない。さらに、いくつかの実施態様では、これらの方法は、MIL-53粉末をPTFEに直接に絡ませることを含まない。
【0080】
この実施例では、金属酸化物粒子の多孔質ポリマーフィルム複合体から、多孔質MOF粒子の構造化多孔質フィルム複合体へのin-situ転化は、高い温度において液相中で実施される。Mitchell他の米国特許出願公開第2005/0057888号明細書において全般的に教示された仕方で、50wt%の酸化アルミニウムと50wt%のPTFEとの複合ブレンドをブレンドした。結果として生じた多孔質フィブリル化延伸PTFE(ePTFE)複合フィルムは、ePTFEのノードとフィブリルとのマトリックス内部に永続的に絡まされて固定化された、50重量%のAl粒子を含んだ。次いで、1.34mm厚の多孔質Al-PTFEフィルムから、10mm直径の試料をダイカットした。試料を10mlのDI水及び0.45gの1,4-ベンゼンジカルボン酸とともに220℃で24時間にわたって50mlのオートクレーブ反応器内に入れることにより、多孔質Al-PTFEフィルムを多孔質MIL-53-PTFEフィルムへ転化した。77Kの窒素物理吸着(Nova, Quantachrome instruments)によって、in-situ転化の前及び後に、フィルム試料の比表面積を測定し、そしてブルナウアー-エメット-テラー法を用いて計算した。図8は比較結果を示す。比表面積は、Al-PTFEフィルムの14m/gから、24時間処理済みAl-PTFEフィルム(標識:24h-Al-PTFE(L))の29m/gへ増大した。図9は、転化前のAl-PTFEフィルムの高分解能走査電子顕微鏡画像を示している。図10は、in-situ液相転化後のAl-PTFEフィルムの高分解能走査電子顕微鏡画像を示している。図9及び10の画像は、Hitachi TM3030Plus顕微鏡を使用することによって得た。図9はAl-PTFEフィルム内の立方体様Al結晶を示すのに対して、図10は、針様MIL-53結晶を示している。
【0081】
実施例4:PTFE上のシュウ酸亜鉛からCALF-20への転化
【0082】
一般に、CALF-20を形成するためには、シュウ酸亜鉛及び1,2,4-トリアゾールが必要となる。一般に、このような反応は40%の水と、60%のメタノールと、2日間にわたる180℃の温度を必要とする。
【化1】
【0083】
以下の非限定的な模範的プロセスは、PTFE上に永続的に埋め込まれたシュウ酸亜鉛からのCALF-20のin-situ合成を含む。このプロセスによれば、シュウ酸亜鉛をPTFEと混合することにより、多孔質フィブリル化構造を形成する。反応は、PTFEを湿潤する100%のMeOHを使用して実施される。シュウ酸亜鉛-PTFE複合構造体からは、シュウ酸亜鉛からCALF-20への合成プロセス(例えば転化)はin-situで実施される。これは結果として、CALF-20-PTFE複合構造体をもたらす。CO取り込み結果は図11に示されている。
【0084】
実施例5:PTFE上の炭酸亜鉛からCALF-20への転化
【0085】
以下の非限定的な模範的プロセスは、CALF-20-PTFE複合構造体を製造するための「間接」プロセスである。シュウ酸亜鉛を得ることを必要とする実施例4の模範的プロセスとは異なり、このプロセスは、(シュウ酸亜鉛の代わりに)炭酸亜鉛とシュウ酸とを得ることを含む。このプロセスは、CALF-20を製造するためにシュウ酸亜鉛を使用するよりも約20分の1低廉であり得る。このプロセスによれば、塩基性炭酸亜鉛をシュウ酸と25℃で反応させることにより、シュウ酸亜鉛を形成する。次いで、製造されたシュウ酸亜鉛をPTFEに永続的に絡ませ、PTFE上のシュウ酸亜鉛をCALF-20へ転化する。
【0086】
「間接」法を介して(すなわちZnCOを使用して)製造されたCALF-20は、「直接」法を介して(すなわちMeOHを使用して)製造されたCALF-20よりもCO取り込み特性が僅かに低いことが判っている。しかしながら、「直接」及び「間接」の両方法を介して製造されたCALF-20のCO取り込み特性は、BPL活性炭よりも高いことが判っている。図11はCO取り込み測定の比較チャートを示している。表2は、炭酸亜鉛からCALF-20への「間接」転化の付加的な試験を示している。50%のZnCO-PTFEテープの場合、総累積孔容積に関して0.1μmを上回る孔のパーセンテージが9.6%から51.3%へ増大するのに伴って、CALF-20への転化率は39%から100%へ増大した。
【表2】
【0087】
本明細書中に使用される用語は、実施態様を記述するように意図されており、限定的なものであるようには意図されていない。「a」、「an」及び「the」という用語は、明示されない限り複数形をも含む。「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」という用語は、本開示に使用されるときには、言明された特徴、整数、工程、操作、要素、成分、又はこれらの組み合わせの存在を指定するが、しかし、1つ又は2つ以上の他の特徴、整数、工程、操作、要素、又は成分の存在又は付加を除外しはしない。
【0088】
理解すべきなのは、本開示の範囲を逸脱することなしに、細部にわたって、特に採用された構成材料、及び部分の形状、サイズ、及び配置に関して変更を加え得ることである。本明細書及び記載された実施態様は一例であって、開示の真の範囲及び思想は、以下の請求項によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質金属塩ポリマー複合構造体を多孔質金属有機骨格(MOF)複合構造体へ転化することを含んでなる方法。
【請求項2】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属カルコゲニドポリマー複合構造体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が金属酸化物を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属酸化物が、遷移金属酸化物、4族金属酸化物、5族金属酸化物、6族金属酸化物、7族金属酸化物、8族金属酸化物、9族金属酸化物、10族金属酸化物、11族金属酸化物、12族金属酸化物、13族金属酸化物、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記金属酸化物が、V、Fe、CuO、ZnO、Al、ZrO、MgO、MnO、CoO、NiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合構造体が金属カルコゲニドを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記金属カルコゲニドが少なくとも1種の金属原子を含み、前記少なくとも1種の金属原子が、遷移金属、3族金属、4族金属、5族金属、6族金属、7族金属、8族金属、9族金属、10族金属、11族金属、12族金属、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記金属カルコゲニドが、S、Se、及びTeから成る群から選択されたカルコゲン原子を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記金属カルコゲニドが、ZrS、ZnS、又はこれらの組み合わせである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属シュウ酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記金属シュウ酸塩が、限定はされないがシュウ酸亜鉛を含む、シュウ酸鉄、シュウ酸銅、シュウ酸ジルコニウム、シュウ酸アルミニウム、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸ニッケル、シュウ酸コバルト、シュウ酸セリウム、シュウ酸マンガン、シュウ酸クロムから成る群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属炭酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記金属炭酸塩が、限定はされないが炭酸亜鉛を含む、炭酸鉄、炭酸銅、炭酸ジルコニウム、炭酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸ニッケル、炭酸コバルト、炭酸セリウム、炭酸マンガン、炭酸クロムから成る群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体の構造形態を製造することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記構造形態が、フィルム、ラミネート、チューブ、巻かれたロール、テープ、ペレット、カラム、モノリス、モジュール、ハニカム形状、又はこれらの組み合わせを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体から多孔質MOF複合構造体への転化が、蒸気処理プロセスを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体から多孔質MOF複合構造体への転化が、液体処理プロセスを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)(ETFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリパラキシリレン(PPX)、ポリ乳酸、及びこれらの任意の組み合わせ又はブレンドを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記多孔質MOF複合構造体がPTFEを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記多孔質MOF複合構造体が、ZIF-7、ZIF-8、ZIF-9、ZIF-10、ZIF-12、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-70、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-8-90、ZIF-L、CALF-15、CALF-20、MOF-2、MOF-3、MOF-4、MOF-5、MOF-70、MOF-73、MOF-74、MOF-75、MOF-76、MOF-177、COF-1、COF-5、COF-8、COF-105、COF-108、MIL-101、MIL-53、MIL-53-NH2、MIL-96、CAU-10、CAU-10-H、MOF-303、MOF-505、MOF-801、MOF-808、Al(OH)フマル酸塩、Mg-ギ酸塩、Zr-フマル酸塩、UiO-66、UiO-66-NH2、UiO-67、UiO-68、HKUST-1、Fe-BTC、PCN-224、PCN-250、及びUTSA-16から成る群から選択された少なくとも1種のMOF、又はMOFの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記多孔質金属カルコゲニドポリマー複合体のポロシティが約10%~約95%の範囲を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項23】
ポロシティの少なくとも5%が0.1μmより大きな孔径を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が多孔質ZnO-PTFE複合構造体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記多孔質MOF複合構造体がZIF-8-PTFEを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が、多孔質金属酸化物ポリマー複合フィルムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合フィルムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体が金属酸化物ポリマー複合カラムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合カラムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記多孔質金属塩ポリマー複合構造体を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
多孔質MOF複合構造体であって、
PTFEと、
前記PTFE中に永続的に絡ませられたMOFと
を含む、多孔質MOF複合構造体。
【請求項32】
多孔質MOF複合構造体であって、
ePTFEと、
前記PTFE中に永続的に絡ませられたMOFと
を含む、多孔質MOF複合構造体。
【請求項33】
前記MOFが、ZIF-7、ZIF-8、ZIF-9、ZIF-10、ZIF-12、ZIF-67、ZIF-68、ZIF-69、ZIF-70、ZIF-78、ZIF-79、ZIF-81、ZIF-82、ZIF-90、ZIF-8-90、ZIF-L、CALF-15、CALF-20、MOF-2、MOF-3、MOF-4、MOF-5、MOF-70、MOF-73、MOF-74、MOF-75、MOF-76、MOF-177、COF-1、COF-5、COF-8、COF-105、COF-108、MIL-101、MIL-53、MIL-53-NH2、MIL-96、CAU-10、CAU-10-H、MOF-303、MOF-505、MOF-801、MOF-808、Al(OH)フマル酸塩、Mg-ギ酸塩、Zr-フマル酸塩、UiO-66、UiO-66-NH2、UiO-67、UiO-68、HKUST-1、Fe-BTC、PCN-224、PCN-250、及びUTSA-16から成る群から選択される、請求項31又は32に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項34】
前記MOFの金属が、遷移金属、4族金属、5族金属、6族金属、7族金属、8族金属、9族金属、10族金属、11族金属、12族金属、13族金属、V、Fe、Cu、Zn、Al、Zr、Mg、Mn、Co、及びNiから成る群から選択される、請求項31又は32に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項35】
前記多孔質MOF複合構造体のポロシティが約10%~約95%の範囲を含む、請求項31又は32に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項36】
ブルナウアー-エメット-テラー(BET)表面積が、20m/g~4000m/gの範囲内にある、請求項31又は32に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項37】
前記多孔質MOF複合構造体が多孔質MOF複合フィルムを含む、請求項31又は32に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項38】
前記多孔質MOF複合フィルムの厚さが約0.001mm~5mmである、請求項37に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項39】
前記多孔質MOF複合フィルムが、前記多孔質MOF複合構造体の外面の少なくとも1つの側にMOF層を含む、請求項37に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項40】
前記外面上のMOF層の厚さが約0.001mm~約5mmである、請求項39に記載の多孔質MOF複合構造体。
【請求項41】
前記多孔質MOF複合構造体の引張強さが1平方インチ当たり1ポンドを上回る、請求項31又は32に記載の多孔質MOF複合構造体。
【国際調査報告】