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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-23
(54)【発明の名称】圧力容器用タンクベース
(51)【国際特許分類】
   B01J 3/02 20060101AFI20240516BHJP
   B01F 27/112 20220101ALI20240516BHJP
   B01F 27/90 20220101ALI20240516BHJP
   B01F 27/808 20220101ALI20240516BHJP
   B01F 35/31 20220101ALI20240516BHJP
   B01F 35/213 20220101ALI20240516BHJP
   B01F 35/11 20220101ALI20240516BHJP
   B01F 35/50 20220101ALI20240516BHJP
   B01F 35/30 20220101ALI20240516BHJP
   B01J 3/00 20060101ALI20240516BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
B01J3/02 A
B01F27/112
B01F27/90
B01F27/808
B01F35/31
B01F35/213
B01F35/11
B01F35/50
B01F35/30
B01J3/00 A
B01J19/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565556
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 IB2022053841
(87)【国際公開番号】W WO2022229827
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】102021000010442
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522485969
【氏名又は名称】ラッティーノックス・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】RATTIINOX S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100218132
【弁理士】
【氏名又は名称】近田 暢朗
(72)【発明者】
【氏名】ラッティ,ワルテル
【テーマコード(参考)】
4G037
4G075
4G078
【Fターム(参考)】
4G037DA01
4G037DA14
4G037DA23
4G037DA30
4G037EA04
4G075AA13
4G075AA56
4G075AA57
4G075AA65
4G075BB05
4G075CA05
4G075DA02
4G075EA01
4G075EB12
4G075EC25
4G075ED02
4G075ED08
4G078BA05
4G078CA13
4G078DA01
(57)【要約】
本発明は、単一部品で形成されたタンクベース本体(3)を備える圧力容器(2)用タンクベース(1)に関する。
タンクベース本体(3)はタンクベース(1)を圧力容器(2)に接続するための環状接続縁部(4)と傾斜底壁(5)とを有し、環状接続縁部(4)および傾斜底壁(5)は最低部(9)に向かって収束する縁部表面(7)および底壁表面(8)を有するタンク底キャビティ(6)を画定する。最低部(9)は排出口(10)を有し、傾斜底壁(5)には開口部が形成されておらず、排出口(10)はタンクベース(1)に弁装置(13)を交換可能に接続するためにボルト加圧接続をクランプ加圧接続に変換するクランプ接続アダプタ部(12)を接続するための弁フランジ(11)によって囲まれている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力容器(2)および弁装置(13)のアセンブリであって、
前記アセンブリは、タンクベース本体(3)を有する前記圧力容器(2)用タンクベース(1)を備え、前記タンクベース本体(3)は単一部品で形成されており、
前記タンクベース本体(3)は、前記タンクベース(1)を前記圧力容器(2)に接続するための環状接続縁部(4)と、重力によって流体を最低部(9)に向かって流すための傾斜底壁(5)とを有し、前記環状接続縁部(4)および傾斜底壁(5)は前記最低部(9)に向かって収束する縁部表面(7)および底壁表面(8)を有するタンク底部キャビティ(6)を画定し、
前記最低部(9)は、前記圧力容器(2)内に収容された流体を重力によって完全に排出するための排出口(10)を有する、アセンブリであって、
前記傾斜底壁(5)には、他に排出口が設けられておらず、
前記排出口(10)は、弁装置(13)を前記タンクベース(1)に交換可能に接続するためにボルト加圧接続をクランプ加圧接続に変換するクランプ接続アダプタ部(12)を接続するための弁フランジ(11)によって囲まれている
ことを特徴とする、アセンブリ。
【請求項2】
前記弁フランジ(11)は、前記タンク底部キャビティ(6)と反対部分において、前記タンク底部キャビティ(6)と反対側の少なくとも1つの直接弁支持面(16)によって、前記排出口(10)に近接して区切られた弁連結座部(15)を画定し、
前記弁支持面(16)は、弁座縁部(17)から突出するねじ付きステム(19)を収容するようにされたねじ付きブラインド穴(18)が設けられている厚み部分において前記弁座縁部(17)によって外側に区切られている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記タンクベース(1)は、クランプ接続アダプタ部(12)を有している、請求項1または2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記クランプ接続アダプタ部(12)は、ゼロデッドレッグ接続フランジないしZDL接続であり、前記排出口(10)まわりに延在する少なくとも2つのクランプ(20,21)を有し、各クランプは180度以下の弧を描いており、
各クランプ(20,21)は、アーチ状の接続部(22)と、折り曲げられた締め付け部(23)とを有し、
前記折り曲げられた締め付け部(23)は、前記弁連結座部(15)に入り、前記弁支持面(16)に面し、支持および締め付け対向面(24)を形成し、
前記ねじ付きブラインド穴(18)を有する前記弁座縁部(17)は、前記弁座縁部(17)から突出するねじ付きステム(19)を収容し、
前記アーチ状の接続部(20)は前記弁座縁部(17)に面し、前記アーチ状の接続部(20)の前記接続座部(25)は前記ねじ付きステム(19)の一部を収容し、
締め付けボルト(26)は、前記ねじ付きステム(19)の自由端に螺合され、前記支持および締め付け対向面(24)と前記弁支持面(16)との間に弁装置(13)の弁フランジ(27)を挟み込むように前記クランプ(20,21)を締め付ける、請求項2に従属する請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記傾斜底壁(5)には、流体を排出するようにされていないミキサー開口部(28)が形成されており、以下代替的に、
前記ミキサー開口部(28)は、溶接ポケット(29)を前記タンク底部キャビティ(6)と連通させる貫通開口部であるか、または
前記ミキサー開口部(28)は、溶接ポケット(29)を前記タンク底部キャビティ(6)と連通させる円形の貫通開口部であり、
ミキサーフランジ(32)は、ミキサー(34)をシール接続するために、前記ミキサー開口部(28)に固く接続されており、
前記ミキサーフランジ(32)および前記ミキサー(34)は、前記ミキサー開口部(28)を閉塞する、請求項1から4のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記アセンブリは前記ミキサーフランジ(32)を備え、前記ミキサーフランジ(32)は前記ミキサー開口部(28)の縁部に挿入されて溶接される、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記溶接ポケット(29)は、「D」字型平面形状を有している、請求項5または6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記溶接ポケット(29)は、前記傾斜底壁(5)と、溶接ポケット内面(31)を形成する溶接ポケット縁部(30)とによって画定され、
前記溶接ポケット内面(31)は、前記傾斜底壁(5)から離れる方向に拡散している、請求項5,6,または7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記ミキサーフランジ(32)は、前記ミキサー(34)を支持するためのミキサーフランジ本体(33)を有している、請求項5または6に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記ミキサーフランジ(32)は、ミキサーシャフト(34)を収容し、ミキサーヘッド(35)を少なくとも部分的に前記タンク底部キャビティ(6)内で回転自在に支持するためのミキサーフランジ本体(33)を有している、請求項5,6,または9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ミキサーフランジ(32)は、ミキサーフランジ本体(33)を有し、
前記ミキサーフランジ本体(33)は、前記タンク底部キャビティ(6)内へ延びる第1ミキサーフランジ本体部(37)を有し、
前記ミキサーフランジ本体(33)は、前記傾斜底壁(5)から離れるように延びる第2ミキサーフランジ本体部(38)を有している、請求項5,6,9,または10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第2ミキサーフランジ本体部(38)は、前記溶接ポケット(29)内に少なくとも部分的に収容される、請求項5,6,9,10,11のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ミキサーフランジ(32)は、少なくとも1つの側方ミキサー溶接延長部(39)を有し、
前記少なくとも1つの側方ミキサー溶接延長部(39)は、前記ミキサー開口部(28)の縁部に溶接されるようにされた溶接縁部(40)を有している、請求項5,6,9,10,11,12のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記アセンブリ(14)は、ミキサー(34)を備え、
前記ミキサー(34)は、前記タンク底部キャビティ(6)を画定する前記傾斜底壁(5)の側で支持されるミキサーヘッド(36)を有し、
前記ミキサー(34)は、前記ミキサーヘッド(36)を動かすようにされたギヤモータユニット(41)を有し、
前記ギヤモータユニット(41)は、前記傾斜底壁(5)に溶接された前記ミキサーフランジ(32)によって固定されている、請求項1から13のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記アセンブリは、前記タンクベース(1)と、ミキサー(34)と、プロセス流体を遮断するための弁装置(13)とを備える、請求項1から14のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記アセンブリは、前記タンクベース(1)と、ミキサー(34)と、プロセス流体を遮断するための弁装置(13)と、洗浄流体を遮断するための二次弁(42)とを備え、前記二次弁(42)は前記弁装置(13)と流体的に接続されている、請求項1から14のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記環状接続縁部(4)は、温度プローブ(44)を流体シール可能に接続するための温度プローブポート(43)を有し、流体の排出を許容することなく前記タンク底部キャビティ(6)内に収容された流体の温度を検出する、請求項1から16のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記環状接続縁部(4)は、サンプリング弁(46)を流体シール可能に接続するためのサンプリング弁ポート(45)を有し、流体の完全排出を許容することなく前記タンク底部キャビティ(6)内に収容された非常に少量の残留流体からでも流体のサンプルを採取する、請求項1から16のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項19】
弁装置アセンブリ(13)およびタンクベース(1)であって、
前記タンクベース(1)は、圧力容器(2)に接続されるようにされており、
前記タンクベース(1)は、タンクベース本体(3)を有し、前記タンクベース本体(3)は、単一部品で形成されており、
前記タンクベース本体(3)は、前記タンクベース(1)を前記圧力容器(2)に接続するための環状接続縁部(4)と、重力によって流体を最低部(9)に向かって流すための傾斜底壁(5)とを有し、前記環状接続縁部(4)および傾斜底壁(5)は前記最低部(9)に向かって収束する縁部表面(7)および底壁表面(8)を有するタンク底部キャビティ(6)を画定し、
前記最低部(9)は、前記圧力容器(2)内に収容された流体を重力によって完全に排出するための排出口(10)を有し、
前記傾斜底壁(5)には、他に排出口が形成されておらず、
前記排出口(10)は、弁装置(13)を前記タンクベース(1)に交換可能に接続するためにボルト加圧接続をクランプ加圧接続に変換するクランプ接続アダプタ部(12)を接続するための弁フランジ(11)によって囲まれており、
前記傾斜底壁(5)には、流体を排出するようにされていないミキサー開口部(28)が形成されており、
前記ミキサー開口部(28)は、溶接ポケット(29)を前記タンク底部キャビティ(6)と連通させる貫通開口部であり、
ミキサーフランジ(32)は、ミキサー(34)をシール接続するために、前記ミキサー開口部(28)に固く接続されており、
前記ミキサーフランジ(32)および前記ミキサー(34)は、前記ミキサー開口部(28)を閉塞する、弁装置アセンブリ(13)およびタンクベース(1)。
【請求項20】
前記アセンブリのセットは複数のタンクベースアセンブリ(14)を備え、前記複数のタンクベース(14)はそれぞれミキサー開口部(28)を有し、
異なる前記タンクベース(14)の前記ミキサー開口部(28)は、互いに異なる拡張サイズを有し、
各ミキサーフランジ(32)は、ミキサー(34)のシール接続のために各ミキサー開口部(28)に固く接続されている、請求項1または19に記載のアセンブリのセット。
【請求項21】
前記アセンブリのセットは少なくとも1つのタンクベース(14)を備え、前記タンクベース(14)はミキサー開口部(28)を有し、
異なるサイズのミキサーフランジのセットから選択されたミキサーフランジ(32)は、ミキサー(34)のシール接続のために前記ミキサー開口部(28)に固く接続可能となっている、請求項1または19に記載のアセンブリのセット。
【請求項22】
全ての前記ミキサーフランジ(32)は、同一の大きさの溶接縁部(40)を有する側方ミキサー溶接延長部(39)を有し、
各ミキサーフランジ(32)はミキサーフランジ本体(33)を有し、前記ミキサーフランジ本体(33)はタンク底部キャビティ(6)内へ延びるようにされた第1ミキサーフランジ本体部(37)を有し、前記ミキサーフランジ本体(33)は傾斜したタンクベース(1)底壁(5)から離れて延びるようにされた第2ミキサーフランジ本体部(38)を有し、前記第2ミキサーフランジ本体部(38)はタンクベース(1)溶接ポケット(29)に少なくとも部分的に収容されるようにされ、
各ミキサーフランジ(32)は、同じセットのミキサーフランジの中で他のミキサーフランジ(32)とは異なるサイズおよび/または形状の前記第1ミキサーフランジ本体部(37)を有している、請求項20または21に記載のアセンブリのセット。
【請求項23】
各ミキサーフランジ(32)はミキサーフランジ本体(33)を有し、前記ミキサーフランジ本体(33)はタンク底部キャビティ(6)内へ延びるようにされた第1ミキサーフランジ本体部(37)を有し、前記ミキサーフランジ本体(33)は傾斜したタンクベース(1)底壁(5)から離れて延びるようにされた第2ミキサーフランジ本体部(38)を有し、前記第2ミキサーフランジ本体部(38)はタンクベース(1)溶接ポケット(29)に少なくとも部分的に収容されるようにされ、
各ミキサーフランジ(32)は、同じセットのミキサーフランジの中で他のミキサーフランジ(32)とは異なるサイズおよび/または形状の前記第2ミキサーフランジ本体部(38)を有している、請求項20,21,または22に記載のアセンブリのセット。
【請求項24】
タンクベース(1)の製造方法であって、
以下の工程を代替的に、
請求項1の特徴を有するタンクベースを、切粉除去によって、溶融して機械加工するか、または
請求項1の特徴を有するタンクベースを、フルピースからの切粉除去によって、機械加工する、製造方法。
【請求項25】
タンクベースアセンブリ(14)の製造方法であって、
請求項1から23のいずれか1項に記載のアセンブリ(14)を有し、
弁装置(13)を前記タンクベース(1)に交換可能に接続するためにボルト加圧接続をクランプ加圧接続に変換するクランプ接続アダプタ部(12)を前記弁フランジ(11)に接続する
ことを提供する、製造方法。
【請求項26】
前記傾斜底壁(5)にミキサー開口部(28)を形成し、
前記ミキサー開口部(28)の縁部にミキサーフランジ(32)を溶接する
ことをさらに含む、請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記ミキサーフランジ(32)にミキサー(34)を接続し、
前記クランプ接続アダプタ部(12)に弁装置(13)を接続する
ことをさらに含む、請求項26に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、圧力容器用タンクベースの分野に属する。
【0002】
例えば、本発明は、プロセス流体の蓄積ゾーンを持たないように設計されたタンク底部を有する加圧反応器のタンク用タンクベースに関する。このタンクベースは、プロセス流体を完全に排出するために排出口に向かって収束する傾斜面を有する。
【0003】
さらに、本発明は、タンクベースと、例えば弁などの遮断装置を接続するためのクランプ接続アダプタ部とを有するアセンブリに関する。
【背景技術】
【0004】
壁の内側に先端を有するとともに壁の外側に基端を有する溶接ピンを備える壁を有する無菌容器に入れられた液体のためのミキサーが、米国特許出願公開第2004/076076号から知られている。溶接ピンは、溶接ピンの基端が通って延びる穴を有する。溶接ピンの穴には、モータで作動する磁石作動ユニットが配置されている。溶接ピンには、ローターを支持するハブが、回転可能に取り付けられている。ハブには、磁石作動複合体が取り付けられ、磁石作動複合体に近接して配置されているが、液体シールガスケットによってそこから分離されている。磁石作動アセンブリは、周方向に間隔をあけて配置された複数の永久作動磁石を含み、ハブに対して永久作動磁石が動くのを防止するために、永久作動磁石はバーでケージされている(caged)。この解決手段は、容器に入れられた液体のための排出口を構成しない。
【0005】
被覆圧力容器の壁の開口部に関して、交換可能なノズルのグループが英国特許出願公開第2097081号から知られており、このグループは、開口部まわりで容器の壁から外側へ延びるように配置され、容器のジャケットに接続され、かつ、ジャケットを通る通路を画定するようにされたフランジと、使用時に通路を通って延び、通路から外側へ延びる第1部分および通路の内側に配置されてフランジの内面と相補的な外面を有する第2部分を有するノズルと、相補的なフランジとノズルの表面との間に配置され、その間に流体シール面を設けたガスケットと、ジャケットおよびノズルの第1部分と協働して、ノズルを通路内でガスケットに対して固定するクランプ手段と備える。この公知の解決手段は、容器に接続される容器底部を有するものでなく、さらに、容器に近接してミキサーを接続する可能性を示唆しておらず、これは上記開口部とは別個のものである。さらに、この解決手段は、そのすべての実施形態において、容器に接続される開口部を画定する要素本体を有し、容器を完全に解体し、この本体を容器の壁から分離する以外には、排出できない広い液溜り部を形成している。
【0006】
国際公開第2009/149511号にはポンプユニットで使用するための支持体が示されており、ポンプユニットは複数の構成部品を有し、複数の構成部品は、シールハウジングと、回転軸を有する駆動軸と、インペラおよびポンプハウジングとを有し、ポンプハウジングはメインジャケットを有している。ポンプハウジング支持体は、ベースと、アセンブリ要素とを有し、アセンブリ要素は、ポンプハウジング部品の一部が組み付けられる本体の一部と、そこから延びる位置決めフランジとを有し、位置決めフランジは対向側に第1および第2の位置決め面を有し、主被覆が第1の位置決め面上に位置し、シールハウジングが第2の位置決め面上に位置する。
【0007】
化学システム用タンク、例えば反応器では、出口弁に向かって収束する内面を持つ溶接されるベースの使用が知られている。
【0008】
タンクベースは、例えば、重要なバイオテクノロジーや製薬の混合用途のために、カウンターやパイロットスケールで、小型および超小型容積の混合容器を製造するための構成部品である。
【0009】
加工ニーズを満たすため、タンクベースにはミキサー接続用の開口部を設けることができる。これらの既知のベースは、タンクの底壁、ミキサーの接続フランジ、および出口弁の本体を組み込んだフルバー(full bar)の単一部品から設計および製造される。
【0010】
このような小さなベースの主な問題は、ミキサーの種類やサイズ、弁の種類やサイズごとに完全に特有性を持っていることである。
【0011】
実際、タンクの小型化については、例えば、欧州連合指令第2014/68/UEである圧力機器指令、通称PED(Pressure Equipment Directive)では、ミキサーのフランジおよび弁のフランジなどの様々な構成部品を溶接して製造される圧力容器に対して、25mm以上の距離を維持することが義務付けられている。25mm未満の距離で溶接する必要がある場合、部品の完全性(integrity)と完全密閉性を確認するために、製造される部品ごとに複雑で費用のかかる分析を実施しなければならない。
【0012】
この制限の結果、これらのタンクベースは、完全な状態から機械加工によって単一部品で形成され、ミキサーの接続フランジは切り屑除去による機械加工およびプロセス流体遮断装置の弁本体の一部を介して得られる。
【0013】
攪拌機の種類、形成、モデル、インペラの構成を選択するには、製品を混合する効果を研究するため、長い検証時間が必要である。タンクの底をフルオーダーメイドで実現する場合、そのような研究が完了してから実現しなければならず、その結果、タンクの実現時間は非常に長くなる。
【0014】
さらに、洗浄流体入口弁のための導管、すなわち、通常タンクベースと一体に形成される弁本体へ収束する導管へのさらなる接続を設けることがしばしば必要であり、これは従来技術の解決手段を示す図1~3に示されるとおりである。
【0015】
従って、ミキサーの接続フランジおよび弁の接続フランジが同じタンク底部において互いに近接した溶接部を構成しないようにするための柔軟性を持たせる必要性が強く感じられる。
【発明の概要】
【0016】
従って、本発明の目的は、ミキサーおよび/またはプロセス流体遮断弁の種類および/またはサイズを変更する際に十分な柔軟性を確保できる圧力容器のタンクベースを提案することによって、従来技術の欠点を克服し、前述のニーズを達成することを可能にすることである。
【0017】
この目的および他の目的は、請求項1に記載のアセンブリによって達成される。
【0018】
いくつかの有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0019】
さらに、この目的および他の目的は、請求項19に記載のアセンブリ、請求項20および21に記載のアセンブリのセット、請求項24に記載のタンクベースの製造方法、および請求項25に記載のタンクベースアセンブリの製造方法によって達成される。
【0020】
一般的な実施形態と、前述および後述の変形例とにより、以下の利点を得ることが可能である。
【0021】
提案されたタンクベースによって、異なる種類のミキサーの使用と、異なる種類の流体遮断弁の使用とが可能になる。
【0022】
特に、提案された解決手段により、溶接部が互いに近接すること、すなわち、互いに25mm未満の距離しか離れていないことを回避できる一方、従来技術のタンクベースにて許容されるフランジよりもはるかに大きいミキサー接続フランジを使用できる。言い換えれば、ミキサーフランジのハウジングを形成するミキサー開口部を非常に大きくすることができ、弁連結座部に近づけることができる。
【0023】
提案されたタンクベース本体は、ロードセルをベースに直接接続することが可能な比較的大きな厚みまたはステムを有する領域を有している。
【0024】
さらに、傾斜した底壁の排水角度を、タンクベースと接続することが望まれるミキサーと弁のすべての解決手段と種類に対して最適かつ均等に保つことが可能である。
【0025】
提案された解決手段により、傾斜底壁を有する単一部品でミキサーの接続フランジおよび弁本体の両方を製造する従来の解決手段に比べて製造コストは大幅に削減される。
【0026】
提案された解決手段により、供給時間が大幅に短縮され(実際、サイズ的には、より少ない数のタンクベースを在庫しておくことが可能である)、タンクまたはタンクを使用する装置をより迅速に供給できる(すべての部品がフル生産される解決手段の納期は、平均して8~10週間であり、タンクメーカに問題を引き起こしている)。あるいは、これらのタンクベースは任意のタンク構成を得るために選択できるので、タンク製造業者は本発明に従って製造されたタンクベースを在庫しておくことができる。
【0027】
提案された解決手段により、タンクの構造はより単純化される。さらに、タンクの実現に際してプロセス流体遮断装置が存在しないため、より簡単な機械加工が可能になり、弁本体が故障する確率が減少する。
【0028】
圧力テストを実施するために、弁をキャップに取り替えることができるので、タンクの圧力テストを実施することも容易になる。
【0029】
実施されるプロセスの機能として、製薬会社は、一般に、使用されるミキシングまたはミキサー、あるいはその特徴(最低速度、最低混合可能量など)に関するいくつかの仕様を「検証」し、実際、ブランドと特定のモデルを検証することが多い。このようなタンクベース解決手段により、タンクメーカは、単一アプリケーションのために特定のベースを購入する必要はなく(コストと時間がかかる)、常にタンクに適したサイズのタンクベースを選択し、顧客によって設定された仕様に従って正しいミキサーフランジ(ミキサーメーカ規格)を溶接し、顧客の仕様の維持で遮断弁を再選択できる。
【0030】
標準化されたタンクベースを使用することができるので、任意の攪拌機やミキサーの標準化された支持体を溶接できる。標準部品に基づく構造であるため、タンクの製造時間を早くし、フル製造されるタンクの製造と同じ技術要求を満足する。異なる種類の攪拌機や吐出弁を組み合わせることができるため、汎用性が高まる。さらに、タンクを別の目的で再利用する場合、ミキサーが新しいアプリケーションと互換性を有していれば、排出弁を交換して新しいアプリケーションを完成させることができる。
【0031】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例として与えられるその好ましい実施形態について以下に提供される説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】破線で描かれたタンクを有する連続線で描かれた従来技術のタンクベースの斜視図。
図2図1のタンクベースの斜視図。
図3図1のタンクベースの断面図。
図4】本発明に係るタンク底部キャビティ側から見たタンクベースの斜視図。
図4】溶接ポケットとクランプ接続アダプタ部の側から見たタンクベースアセンブリの斜視図。
図5図4のタンクベースアセンブリの正面図。
図6図4のタンクベースアセンブリの側面図。
図7図4のタンクベースアセンブリの上面(タンク側)図。
図8図4のタンクベースアセンブリの下面(タンク外側)図。
図9図4のタンクベースアセンブリの断面図。
図10】ミキサー開口部が形成されたタンクベースアセンブリのタンク側斜視図。
図11】ミキサー開口部が形成されたタンクベースアセンブリの断面図。
図12】弁装置の接続フランジを挟み込むクランプ接続アダプタ部が接続されたタンクベースの詳細図。
図13】第1の変形例によるクランプ接続アダプタ部および溶接されたミキサーフランジを備えたタンクベースアセンブリのタンク側斜視図。
図14】第1の変形例によるクランプ接続アダプタ部および溶接されたミキサーフランジを備えたタンクベースアセンブリの外側斜視図。
図15】第1の変形例によるクランプ接続アダプタ部および溶接されたミキサーフランジを備えたタンクベースアセンブリの断面図。
図16】第2変形例によるクランプ接続アダプタ部および溶接されたミキサーフランジを備えたタンクベースアセンブリの断面図。
図17】第3変形例によるクランプ接続アダプタ部および溶接されたミキサーフランジを備えたタンクベースアセンブリの断面図。
図18】第4変形例によるクランプ接続アダプタ部および溶接されたミキサーフランジを備えたタンクベースアセンブリの断面図。
図19】第5変形例によるクランプ接続アダプタ部および溶接されたミキサーフランジを備えたタンクベースアセンブリの断面図。
図20】第5変形例によるクランプ接続アダプタ部および溶接されたミキサーフランジを備えたタンクベースアセンブリの断面図。
図21】ミキサー、プロセス流体遮断弁装置、および洗浄流体用の二次弁が取り付けられたタンクベースアセンブリを3つの異なる視点から見たうちの1つの斜視図。
図22】ミキサー、プロセス流体遮断弁装置、および洗浄流体用の二次弁が取り付けられたタンクベースアセンブリを3つの異なる視点から見たうちの1つの斜視図。
図23】ミキサー、プロセス流体遮断弁装置、および洗浄流体用の二次弁が取り付けられたタンクベースアセンブリを3つの異なる視点から見たうちの1つの斜視図。
図24】他の実施形態による、プロセス流体遮断弁装置、およびミキサーが接続されるタンクベースアセンブリの分離部品の側面図。
図25】弁装置が接続されたタンクベースであって、温度プローブおよびサンプリング弁と同様にミキサーフランジを介してミキサーが接続されたタンクベースが接続されている圧力容器を有するアセンブリの側面図。
図26図24のアセンブリの図25に直交する側面図。
図27】圧力容器がタンクベースから取り外された図25のアセンブリの斜視図。
図28図27のアセンブリの分離部品の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を当業者が実現および使用できるように、添付図面を参照して詳細に説明する。記載する実施形態に対する様々な変更は、当業者に容易に明らかであり、記載する一般原理は、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の保護範囲から逸脱することなく、他の実施形態およびアプリケーションに適用できる。したがって、本発明は、記載および示す実施形態に限定されるものではなく、ここで記載するとともに特許請求の範囲に記載する特徴に準拠した最も広い保護範囲が認められるべきである。
【0034】
特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明の分野における通常の技術者によって一般的に使用されるのと同じ意味を有する。矛盾がある場合には、提供された定義を含む本明細書が拘束力を有する。さらに、実施例は単に例示のために提供するものであり、実施例に限定するものとみなされるべきではない。
【0035】
本明細書で説明する実施形態の理解を容易にするために、いくつかの特定の実施形態を参照し、それらを説明するために特定の用語を使用する。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的とするものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0036】
一実施形態によれば、圧力容器2および弁装置13のアセンブリが提供される。このアセンブリは、タンクベース本体3を有する圧力容器2用タンクベース1を備える。タンクベース本体3は、単一部品で形成されている。
【0037】
タンクベース本体3は、タンクベース1を圧力容器2に接続するための環状接続縁部4と、重力によって流体を最低部9に向かって流すための傾斜底壁5とを有している。環状接続縁部4および傾斜底壁5は、最低部9に向かって収束する縁部表面7および底壁表面8を有するタンク底キャビティ6を画定する。
【0038】
最低部9は、圧力容器2内に収容された流体を重力により完全に排出するための排出口10を有している。
【0039】
傾斜底壁5には、他に排出口が設けられていない。
【0040】
排出口10は、弁装置13をタンクベース1に交換可能に接続するためにボルト加圧接続をクランプ加圧接続に変換するクランプ接続アダプタ部12を接続するための弁フランジ11によって囲まれている。
【0041】
一実施形態によれば、弁フランジ11は、タンク底部キャビティ6と反対部分において、タンク底部キャビティ6と反対側の少なくとも1つの直接弁支持面16によって、排出口10に近接して画定された弁連結座部15を画定する。
【0042】
弁支持面16は弁座縁部17によって外側に区切られており、その厚み部分には弁座縁部17から突出するねじ付きステム19を収容できるねじ付きブラインド穴18が設けられている。
【0043】
一実施形態によれば、タンクベース1は、クランプ接続アダプタ部12を有している。
【0044】
一実施形態によれば、クランプ接続アダプタ部12は、ゼロデッドレッグ接続フランジないしZDL接続であり、排出口10まわりに延びる少なくとも2つのクランプ20,21を有している。各クランプ20,21は、180度またはそれ未満(180度以下)の弧を描いている。
【0045】
各クランプ20,21は、アーチ状の接続部22と、折り曲げられた締め付け部23とを有している。
【0046】
折り曲げられた締め付け部23は、弁連結座部15に入り、支持および締め付け対向面24を形成する弁支持面16に面する。
【0047】
ねじ付きブラインド穴18を有する弁座縁部17は、弁座縁部17から突出するねじ付きステム19を収容する。
【0048】
アーチ状の接続部20は、弁座縁部17に面し、その接続座部25は、ねじ付きステム19の一部を収容する。
【0049】
締め付けボルト26は、ねじ付きステム19の自由端に螺合され、その支持及び締め付け対向面24と弁支持面16との間に弁装置13の弁フランジ27を挟むようにクランプ20,21を締め付ける。
【0050】
一実施形態によれば、流体を排出するようにされていないミキサー開口部28が傾斜底壁5に形成されている。以下代替的に、
【0051】
ミキサー開口部28は、溶接ポケット29をタンク底部空洞6と連通させる貫通開口部であるか、
【0052】
または
【0053】
ミキサー開口部28は、溶接ポケット29をタンク底部空洞6と連通させる円形の貫通開口である。
【0054】
ミキサーフランジ32は、ミキサー34をシール接続するために、ミキサー開口部28に固く接続されている。
【0055】
ミキサーフランジ32およびミキサー34は、ミキサー開口部28を閉塞する。
【0056】
一実施形態によれば、上記アセンブリはミキサーフランジ32を有し、ミキサーフランジ32はミキサー開口部28の縁部に挿入されて溶接される。
【0057】
一実施形態によれば、溶接ポケット29は、「D」字型平面形状を有している。
【0058】
一実施形態によれば、溶接ポケット29は、傾斜底壁5と、溶接ポケット内面31を形成する溶接ポケット縁部30とによって画定される。
【0059】
溶接ポケット内面31は、傾斜底壁5から離れる方向に拡散している。
【0060】
一実施形態によれば、ミキサーフランジ32は、ミキサー34を支持するためのミキサーフランジ本体33を有している。
【0061】
一実施形態によれば、ミキサーフランジ32は、ミキサーシャフト34を収容するとともにタンク底部キャビティ6内で少なくとも部分的にミキサーヘッド35を回転自在に支持するためのミキサーフランジ本体33を有している。
【0062】
一実施形態によれば、ミキサーフランジ32は、ミキサーフランジ本体33を有している。
【0063】
ミキサーフランジ本体33は、タンク底部キャビティ6内へ延びる第1ミキサーフランジ本体部37を有している。
【0064】
ミキサーフランジ本体33は、傾斜底壁5から離れるように延びる第2ミキサーフランジ本体部38を有している。
【0065】
一実施形態によれば、第2ミキサーフランジ本体部38は、溶接ポケット29内に少なくとも部分的に収容される。
【0066】
一実施形態によれば、ミキサーフランジ32は、少なくとも1つの側方ミキサー溶接延長部39を有している。
【0067】
少なくとも1つの側方ミキサー溶接延長部39は、ミキサー開口部28の縁部に溶接されるようにされた溶接縁部40を有している。
【0068】
一実施形態によれば、上記アセンブリ14は、ミキサー34を有している。
【0069】
ミキサー34は、タンク底部キャビティ6を画定する傾斜底壁5の側で支持されるミキサーヘッド36を有している。
【0070】
ミキサー34はミキサーヘッド36を動かすようにされたギヤモータユニット41を有し、ギヤモータユニット41は傾斜底壁5に溶接されたミキサーフランジ32によって固定されている。
【0071】
一実施形態によれば、アセンブリは、タンクベース1と、ミキサー34と、プロセス流体を遮断するための弁装置13とを有している。
【0072】
一実施形態によれば、アセンブリは、タンクベース1と、ミキサー34と、プロセス流体を遮断するための弁装置13と、洗浄流体を遮断するための二次弁42とを有し、二次弁42は弁装置13と流体的に接続されている。
【0073】
一実施形態によれば、環状接続縁部4は、温度プローブ44を流体シール可能に接続するための温度プローブポート43を有し、流体の排出を許容することなくタンク底部キャビティ6内に収容された流体の温度を検出する。
【0074】
一実施形態によれば、環状接続縁部4は、サンプリング弁46を流体シール可能に接続するためのサンプリング弁ポート45を有し、流体の完全排出を許容することなく非常に少量の残留流体からでもサンプルを採取する。
【0075】
一実施形態によれば、弁装置アセンブリ13およびタンクベース1が提供される。
【0076】
タンクベース1は、圧力容器2に接続されるようにされている。
【0077】
タンクベース1は、タンクベース本体3を有している。タンクベース本体3は、単一部品で形成されている。
【0078】
タンクベース本体3は、タンクベース1を圧力容器2に接続するための環状接続縁部4と、重力によって流体を最低部9に向かって流すための傾斜底壁5とを有している。環状接続縁部4および傾斜底壁5は、最低部9に向かって収束する縁部表面7および底壁表面8を有するタンク底キャビティ6を画定する。
【0079】
最低部9は、圧力容器2内に収容された流体を重力により完全に排出するための排出口10を有している。
【0080】
傾斜底壁5には、他に排水溝が形成されていない。
【0081】
排出口10は、タンクベース1に弁装置13を交換可能に接続するためにボルト加圧接続をクランプ加圧接続に変換するクランプ接続アダプタ部12を接続するための弁フランジ11によって囲まれている。
【0082】
傾斜底壁5には、流体を排出するようにされていないミキサー開口部28が形成されている。
【0083】
ミキサー開口部28は、溶接ポケット29をタンク底部キャビティ6と連通させる貫通開口部である。
【0084】
ミキサーフランジ32は、ミキサー34をシール接続するためにミキサー開口部28に固く接続される。
【0085】
ミキサーフランジ32およびミキサー34は、ミキサー開口部28を閉塞する。
【0086】
一実施形態によれば、上述した実施形態のいずれか1つによるアセンブリのセットが提供される。当該アセンブリのセットは複数のタンクベースアセンブリ14を備え、タンクベース14は各々ミキサー開口部28を有している。異なるタンクベース14のミキサー開口部28は、互いに異なる拡張サイズ(extension sizes)を有する。
【0087】
各ミキサーフランジ32は、ミキサー34をシール接続するために各ミキサー開口部28に固く接続されている。
【0088】
一実施形態によれば、上述した実施形態のいずれか1つによるアセンブリのセットが提供される。当該アセンブリのセットは少なくとも1つのタンクベース14を有している。タンクベース14はミキサー開口部28を有している。
【0089】
異なるサイズのミキサーフランジのセットから選択されたミキサーフランジ32が、ミキサー34のシール接続のためにミキサー開口部28に固く接続可能である。
【0090】
一実施形態によれば、上述した実施形態の1つによるアセンブリのセットが提供することには、全てのミキサーフランジ32が同一の大きさの溶接縁部40を有する側方ミキサー溶接延長部39を有している。
【0091】
各ミキサーフランジ32はミキサーフランジ本体33を有し、ミキサーフランジ本体33はタンク底部キャビティ6内へ延びるようにされた第1ミキサーフランジ本体部37を有し、ミキサーフランジ本体33は傾斜したタンクベース1底壁5から離れて延びるようにされた第2ミキサーフランジ本体部38を有し、第2ミキサーフランジ本体部38はタンクベース1溶接ポケット29内に少なくとも部分的に収容されるようにされている。
【0092】
各ミキサーフランジ32は、同じセットのミキサーフランジ中で他のミキサーフランジ32とは異なるサイズおよび/または形状の第1ミキサーフランジ本体部37を有している。
【0093】
一実施形態によれば、各ミキサーフランジ32はミキサーフランジ本体33を有し、ミキサーフランジ本体33はタンク底部キャビティ6内へ延びるようにされた第1ミキサーフランジ本体部37を有し、ミキサーフランジ本体33は傾斜したタンクベース1底壁5から離れて延びるようにされた第2ミキサーフランジ本体部38を有し、第2ミキサーフランジ本体部38はタンクベース1溶接ポケット29内に少なくとも部分的に収容されるようにされている。
【0094】
各ミキサーフランジ32は、同じセットのミキサーフランジの中で他のミキサーフランジ32とは異なるサイズおよび/または形状の第2ミキサーフランジ本体部38を有している。
【0095】
本発明はさらに、タンクベース1の製造方法に関する。以下代替的に提供され、
【0096】
以下のステップを含む。
【0097】
請求項1の特徴を有するタンクベースを、溶融するとともに切粉除去によって機械加工するか、
【0098】
または
【0099】
請求項1の特徴を有するタンクベースを、フルピースから切粉除去によって機械加工する。
【0100】
本発明はタンクベースアセンブリ14の製造方法にさらに関し、以下のステップが提供される。
【0101】
請求項1から23のいずれか1項に記載のアセンブリ14を提供し、
【0102】
弁装置13をタンクベース1に交換可能に接続するためにボルト加圧接続をクランプ加圧接続に変換するクランプ接続アダプタ部12を弁フランジ11に接続する。
【0103】
本発明はまた、以下のステップをさらに含む方法にも関する。
【0104】
傾斜底壁5にミキサー開口部28を形成し、
【0105】
ミキサー開口部28の縁部にミキサーフランジ32を溶接する。
【0106】
本発明はまた、以下のステップをさらに含む方法にも関する。
【0107】
ミキサーフランジ32にミキサー34を接続し、
【0108】
クランプ接続アダプタ部12に弁装置13を接続する。
【0109】
全般的な実施形態によれば、圧力容器2用のタンクベース1は、単一部品で形成されたタンクベース本体3を有している。
【0110】
タンクベース本体3は、タンクベース1を圧力容器2に接続するための環状接続縁部4と、傾斜底壁5とを有している。
【0111】
環状接続縁部4および傾斜底壁5は、最低部9に向かって収束する縁部表面7および底壁表面8を有するタンク底部キャビティ6を画定する。
【0112】
最低部9は、排出口10を有している。
【0113】
傾斜底壁5には、他に開口部が形成されていない。
【0114】
排出口10は、タンクベース1に弁装置13を交換可能に接続し、ボルト加圧接続をクランプ加圧接続に変換するクランプ接続アダプタ部12を接続するため、かつ弁装置13をタンクベース1に挟み込むために、弁フランジ11によって取り囲まれている。
【0115】
一実施形態によれば、弁フランジ11は、タンク底部キャビティ6と反対部分において、弁連結座部15を画定する。
【0116】
弁連結座部15は、タンク底部キャビティ6とは反対側の少なくとも1つの直接弁支持面16によって、排出口10に近接して画定されている。
【0117】
弁支持面16は、弁座縁部17から突出するねじ付きステム19を厚み部分において収容できるねじ付きブラインド穴18が設けられている弁座縁部17によって外面的に画定されている。
【0118】
全般的な実施形態によれば、タンクベースアセンブリ14は、上述のいずれかの実施形態によるタンクベース1を有している。タンクベース1は、クランプ接続アダプタ部12を有している。
【0119】
一実施形態によれば、クランプ接続アダプタ部12は、ゼロデッドレッグ接続フランジないしZDL接続であり、排出口10まわりに延びる少なくとも2つのクランプ20,21を有し、各クランプ20,21は180度またはそれ未満(180度以下)の弧を描いている。
【0120】
各クランプ20,21は、アーチ状の接続部22と、折り曲げられた締め付け部23とを有している。
【0121】
折り曲げられた締め付け部23は、弁連結座部15に入り、支持および締め付け対向面24を形成する弁支持面16に面する。
【0122】
ねじ付きブラインド穴18を有する弁座縁部17は、弁座縁部17から突出するねじ付きステム19を収容する。
【0123】
アーチ状の接続部20は弁座縁部17に面し、その接続座部25はねじ付きステム19の一部を収容する。
【0124】
締め付けボルト26は、ねじ付きステム19の自由端に螺合され、その支持および締め付け対向面24と弁支持面16との間に弁装置13の弁フランジ27を挟むようにクランプ20,21を締め付ける。
【0125】
一実施形態によれば、ミキサー開口28は、傾斜底壁5に形成される。
【0126】
一実施形態によれば、ミキサー開口部28は、溶接ポケット29をタンク底部キャビティ6と連通させる貫通開口部である。
【0127】
一実施形態によれば、ミキサー開口部28は、溶接ポケット29をタンク底部キャビティ6と連通させる円形の貫通開口部である。
【0128】
一実施形態によれば、溶接ポケット29は、「D」字型平面形状を有する。
【0129】
一実施形態によれば、溶接ポケット29は、傾斜底壁5と、溶接ポケット内面31を形成する溶接ポケット縁部30とによって画定される。
【0130】
溶接ポケット内面31は、傾斜底壁5から離れる方向に拡散している。
【0131】
一実施形態によれば、上記アセンブリは、ミキサーフランジ32を備える。
【0132】
ミキサーフランジ32は、ミキサー開口部28の縁部に挿入されて溶接される。
【0133】
一実施形態によれば、ミキサーフランジ32は、ミキサー34を支持するためのミキサーフランジ本体33を有している。
【0134】
一実施形態によれば、ミキサーフランジ32は、ミキサーシャフト34を収容し、ミキサーヘッド35をタンク底部キャビティ6内に少なくとも部分的に回転自在に支持するためのミキサーフランジ本体33を有している。
【0135】
一実施形態によれば、ミキサーフランジ32は、ミキサーフランジ本体33を有している。
【0136】
一実施形態によれば、ミキサーフランジ本体33は、タンク底部キャビティ6内へ延びる第1ミキサーフランジ本体部37を有している。
【0137】
一実施形態によれば、ミキサーフランジ本体33は、傾斜底壁5から離れるように延びる第2ミキサーフランジ本体部38を有している。
【0138】
一実施形態によれば、第2ミキサーフランジ本体部38は、少なくとも部分的に溶接ポケット29に収容される。
【0139】
一実施形態によれば、ミキサーフランジ32は、少なくとも1つの側方ミキサー溶接延長部39を有している。
【0140】
一実施形態によれば、少なくとも1つの側方ミキサー溶接延長部39は、ミキサー開口部28の縁部に溶接されるようにされた溶接縁部40を有している。
【0141】
一実施形態によれば、アセンブリ14は、ミキサー34を備える。
【0142】
一実施形態によれば、ミキサー34は、タンク底部キャビティ6を画定する傾斜底壁5のサイドに支持されたミキサーヘッド36を有している。
【0143】
一実施形態によれば、ミキサー34はミキサーヘッド36を動かすようにされたギヤモータユニット41を有し、ギヤモータユニット41は傾斜底壁5に溶接されたミキサーフランジ32によって固定される。
【0144】
一実施形態によれば、上記アセンブリは、タンクベース1と、ミキサー34と、プロセス流体を遮断するための弁装置13とを有している。
【0145】
一実施形態によれば、上記アセンブリは、タンクベース1と、ミキサー34と、プロセス流体を遮断するための弁装置13と、洗浄流体を遮断するための二次弁42とを有し、二次弁42は弁装置13と流体的に接続されている。
【0146】
本発明は上述した実施形態のいずれか1つによる複数のアセンブリを有するアセンブリのセット14にさらに関し、タンクベース1はそれぞれ、互いに異なる拡張サイズを有するミキサー開口部28を有する。
【0147】
本発明は、ミキサーフランジ32のセットにさらに関する。
【0148】
このセットにおいて、全てのミキサーフランジ32は、同一の大きさの溶接縁部40を有する側方ミキサー溶接延長部39を有している。
【0149】
各ミキサーフランジ32はミキサーフランジ本体33を有し、ミキサーフランジ本体33はタンク底部キャビティ6内へ延びるようにされた第1ミキサーフランジ本体部37を有し、ミキサーフランジ本体33は傾斜したタンクベース1底壁5から離れて延びるようにされた第2ミキサーフランジ本体部分38を有し、第2ミキサーフランジ本体部38はタンクベース1溶接ポケット29内に少なくとも部分的に収容されるようにされている。
【0150】
各ミキサーフランジ32は、同じセットのミキサーフランジの中で他のミキサーフランジ32とは異なるサイズおよび/または形状の第1ミキサーフランジ本体部37を有している。
【0151】
一実施形態によれば、各ミキサーフランジ32は、同じセットのミキサーフランジの中での他のミキサーフランジ32とは異なるサイズおよび/または形状の第2ミキサーフランジ本体部38を有している。
【0152】
本発明は、タンクベース1の製造方法にさらに関する。以下のステップが代替的に提供される。
【0153】
請求項1の特徴を有するタンクベースを、切り粉除去によって、溶融および機械加工するか、
【0154】
または
【0155】
請求項1の特徴を有するタンクベースを、フルピースから切り粉除去によって機械加工する。
【0156】
この方法を実施するための他の代替的かつ選択的な手順によれば、以下のステップが供される。
【0157】
請求項3から10のいずれか1項に記載のアセンブリ14を有し、
【0158】
弁装置13をタンクベース1に交換可能に接続するためにボルト加圧接続をクランプ加圧接続に変換するクランプ接続アダプタ部12を弁フランジ11に接続する。
【0159】
上記方法を実行する他の代替的かつ選択的な方法によれば、以下のステップがさらに提供される。
【0160】
傾斜底壁5にミキサー開口部28を形成し、
【0161】
ミキサー開口部28の縁部にミキサーフランジ32を溶接する。
【0162】
上記方法を実行する他の代替的かつ選択的な方法によれば、以下のステップがさらに提供される。
【0163】
ミキサー34をミキサーフランジ32に接続し、
【0164】
弁装置13をクランプ接続アダプタ部12に接続する。
【0165】
特定の偶発的なニーズを満たすために、当業者は、上述の実施形態に対していくつかの変更および適合を行うことができ、それによって以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、要素を他の機能的に等価なものと置き換えることができる。
【符号の説明】
【0166】
1 タンクベース
2 圧力容器(タンク)
3 タンクベース本体
4 環状接続縁部
5 傾斜底壁
6 タンク底部キャビティ
7 縁部表面
8 底壁表面
9 最低部
10 排出口
11 弁フランジ
12 クランプ接続アダプタ部
13 弁装置
14 タンクベースアセンブリ
15 弁連結座部
16 弁支持面
17 弁座縁部
18 ねじ付きブラインドホール
19 ねじ付きステム
20 クランプ
21 クランプ
22 アーチ状の接続部
23 折り曲げられた締め付け部
24 支持および締め付け対向面
25 接続座部
26 締付けボルト
27 弁フランジ
28 ミキサー開口部
29 溶接ポケット
30 溶接ポケット縁部
31 溶接ポケット内面
32 ミキサーフランジ
33 ミキサーフランジ本体
34 ミキサー
35 ミキサーシャフト
36 ミキサーヘッド
37 第1ミキサーフランジ本体部
38 第2ミキサーフランジ本体部
39 側方ミキサー溶接延長部
40 溶接縁部
41 ギヤモータユニット
42 二次弁
43 温度プローブポート
44 温度プローブ
45 サンプリング弁ポート
46 サンプリング弁
図1
図2-3】
図4
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【国際調査報告】