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特表2024-520240ヘッダコネクタと係合可能なライトアングル型プラグコネクタ又はストレート型プラグコネクタを有する電源コネクタシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ヘッダコネクタと係合可能なライトアングル型プラグコネクタ又はストレート型プラグコネクタを有する電源コネクタシステム
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/15 20060101AFI20240517BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H01R13/15 A
H01R13/11 302P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567761
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022031648
(87)【国際公開番号】W WO2023146576
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】63/304,491
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/827,621
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507164434
【氏名又は名称】ジェイ.エス.ティー.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120628
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】リー、セン ミン
(72)【発明者】
【氏名】チュウ、ペイ ウェオン
(57)【要約】
ヘッダコネクタと係合可能なライトアングル型プラグコネクタ又はストレート型プラグコネクタを有する電源コネクタシステムである。ライトアングル型プラグコネクタは、プラグコネクタから出ていくケーブルの中心線に対して90度の嵌合方向を有するプラグコネクタである。ストレート型プラグコネクタは、プラグコネクタの後部から出ていくケーブルの中心線に対して平行な嵌合方向を有するプラグコネクタである。ヘッダコネクタは、高導電性材料で形成された雌受入端子又はレセプタクルを少なくとも保持している。雌受入端子又はレセプタクルは、互いに平行に延在し、互いに間隔を置いて配置された指部材を含んでおり、さらに補強ばね部材を含んでいる。プラグコネクタは、雄矩形状タブ端子を保持しており、この雄矩形状タブ端子は、短縁及び長縁を有している。ヘッダコネクタの雌受入端子は、プラグコネクタの雄矩形状タブ端子の短縁又は長縁のいずれに嵌合してもよい。雄矩形状タブ端子の他端は、溶接、機械的圧着等によってそこに取り付けられたワイヤ又はケーブルを含んでいる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄矩形状タブ端子を少なくとも有するライトアングル型プラグコネクタと、
前記雄矩形状タブ端子を少なくとも受け入れて、電源コネクタシステムを完成させるための雌受入端子を少なくとも有するヘッダコネクタと、を備えることを特徴とし、
前記雌受入端子が、嵌合端に、互いに平行に延在し、互いに間隔を置いて配置される複数の指部材を含むことを特徴とする、電源コネクタシステム。
【請求項2】
前記雄矩形状タブ端子が、短縁又は幅方向側辺、及び長縁又は長辺を有することを特徴とする、請求項1記載の電源コネクタシステム。
【請求項3】
前記ライトアングル型プラグコネクタが前記ヘッダコネクタと係合又は嵌合する場合であって、係合又は嵌合が行われる間に前記雌受入端子が前記雄矩形状タブ端子を受け入れるときに、前記雌受入端子が、前記雄矩形状タブ端子の前記長縁又は長辺を受け入れることを特徴とする、請求項2記載の電源コネクタシステム。
【請求項4】
前記雌受入端子の前記指部材が、互いに間隔を置いて互いに平行に延在する、外側部材又はシースの第一指部材と、互いに間隔を置いて互いに平行に延在する、内側部材の第二指部材と、から構成されることを特徴とし、
前記第一指部材と前記第二指部材とが互いに組み合わされて、前記ライトアングル型プラグコネクタの前記雄矩形状タブ端子と弾性的に係合又は嵌合するための、前記雌受入端子の前記指部材を形成することを特徴とする、請求項1記載の電源コネクタシステム。
【請求項5】
前記第一指部材が前記外側部材又はシースの結合部材から延び、前記第二指部材が前記内側部材の結合部材から延びることを特徴とする、請求項4記載の電源コネクタシステム。
【請求項6】
前記外側部材又はシースの前記結合部材が、補強ばねに接続されていることを特徴とする、請求項5記載の電源コネクタシステム。
【請求項7】
雄矩形状タブ端子を少なくとも有するストレート型プラグコネクタと、
前記雄矩形状タブ端子を少なくとも受け入れて、電源コネクタシステムを完成させるための雌受入端子を少なくとも有するヘッダコネクタと、を備えることを特徴とし、
前記雌受入端子が、嵌合端に、互いに平行に延在し、互いに間隔を置いて配置される複数の指部材を含むことを特徴とする、電源コネクタシステム。
【請求項8】
前記雄矩形状タブ端子が、短縁又は幅方向側辺、及び長縁又は長辺を有することを特徴とする、請求項7記載の電源コネクタシステム。
【請求項9】
前記ストレート型プラグコネクタが前記ヘッダコネクタと係合又は嵌合する場合であって、係合又は嵌合が行われる間に前記雌受入端子が前記雄矩形状タブ端子を受け入れるときに、前記雌受入端子が、前記雄矩形状タブ端子の前記短縁又は幅方向側辺を受け入れることを特徴とする、請求項8記載の電源コネクタシステム。
【請求項10】
前記雌受入端子の前記指部材が、互いに間隔を置いて互いに平行に延在する、外側部材又はシースの第一指部材と、互いに間隔を置いて互いに平行に延在する、内側部材の第二指部材と、から構成されることを特徴とし、
前記第一指部材と前記第二指部材とが互いに組み合わされて、前記ストレート型プラグコネクタの前記雄矩形状タブ端子と弾性的に係合又は嵌合するための、前記雌受入端子の前記指部材を形成することを特徴とする、請求項7記載の電源コネクタシステム。
【請求項11】
前記第一指部材が前記外側部材又はシースの結合部材から延び、前記第二指部材が前記内側部材の結合部材から延びることを特徴とする、請求項10記載の電源コネクタシステム。
【請求項12】
前記外側部材又はシースの前記結合部材が、補強ばねに接続されていることを特徴とする、請求項11記載の電源コネクタシステム。
【請求項13】
前記指部材のそれぞれが、独立した補強ばねを含むことを特徴とする、請求項11記載の電源コネクタシステム。
【請求項14】
雄矩形状タブ端子を少なくとも有し、ライトアングル型プラグコネクタとストレート型プラグコネクタのうちの1つであるプラグコネクタと、
前記雄矩形状タブ端子を少なくとも受け入れて電源コネクタシステムを完成させるための雌受入端子を少なくとも有するヘッダコネクタと、を備えることを特徴とし、
前記雌受入端子が、嵌合端に、互いに平行に延在し、互いに間隔を置いて配置される複数の指部材を含むことを特徴とする、電源コネクタシステム。
【請求項15】
前記雄矩形状タブ端子が、短縁又は幅方向側辺、及び長縁又は長辺を有することを特徴とする、請求項14記載の電源コネクタシステム。
【請求項16】
前記ライトアングル型プラグコネクタが前記ヘッダコネクタと係合又は嵌合する場合であって、係合又は嵌合が行われる間に前記ヘッダコネクタの前記雌受入端子が前記雄矩形状タブ端子を受け入れるときには、前記雌受入端子が、前記雄矩形状タブ端子の前記長縁又は長辺を受け入れることを特徴とし、
前記ストレート型プラグコネクタが前記ヘッダコネクタと係合又は嵌合する場合であって、係合又は嵌合が行われる間に前記ヘッダコネクタの前記雌受入端子が前記雄矩形状タブ端子を受け入れるときには、前記雌受入端子が、前記雄矩形状タブ端子の前記短縁又は幅方向側辺を受け入れることを特徴とする、請求項15記載の電源コネクタシステム。
【請求項17】
前記雌受入端子の前記指部材が、互いに間隔を置いて互いに平行に延在する、外側部材又はシースの第一指部材と、互いに間隔を置いて互いに平行に延在する、内側部材の第二指部材と、から構成されることを特徴とし、
前記第一指部材と前記第二指部材とが互いに組み合わされて、前記プラグコネクタの前記雄矩形状タブ端子と弾性的に係合又は嵌合するための、前記ヘッダコネクタの前記雌受入端子の前記指部材を形成することを特徴とする、請求項14記載の電源コネクタシステム。
【請求項18】
前記第一指部材が前記外側部材又はシースの結合部材から延び、前記第二指部材が前記内側部材の結合部材から延びることを特徴とする、請求項15記載の電源コネクタシステム。
【請求項19】
前記外側部材又はシースの前記結合部材が、補強ばねに接続されていることを特徴とする、請求項18記載の電源コネクタシステム。
【請求項20】
前記指部材のそれぞれが、独立した補強ばねを含むことを特徴とする、請求項18記載の電源コネクタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この特許出願は、2022年1月28日に出願された米国仮特許出願第63/304,419に対して優先権を主張するものであり、その全体を、本明細書の一部を構成するものとして援用する。
【背景技術】
【0002】
ヘッダコネクタ1及びプラグコネクタ3を含むコネクタは、下記特許文献1(米国特許第10,141,669号公報)(及び図1A、1B、1C、1D)に示されており、互いに嵌合される。プラグコネクタ3の嵌合端5(図1C参照)にはタブ端子7(図1C及び図1D参照)があり、各タブ端子7は、ヘッダコネクタ1がプラグコネクタ3に嵌合した際に、ヘッダコネクタ1のヘッダ端子10と嵌合される前縁部を有する。ヘッダコネクタ1のヘッダ端子10は、構成部分13に接続される。ヘッダ端子10は、ヘッダコネクタ1の嵌合端18(図1B参照)を通して視認可能である。
【0003】
図1Dにおいてより明快に分かるように、ヘッダコネクタ1のヘッダ端子10は、積層配置で隣接して配置された複数のコンタクト部材の形態をとっている。各コンタクト部材は、その嵌合端にフォーク接点を有しているが、各コンタクト部材は、プラグコネクタ3のタブ端子7の対応する1つを収容するソケット(米国特許第10,141,669号を参照)をなす一対の梁材を有する。ヘッダコネクタ1のヘッダ端子10に装着されたプラグコネクタ3の各タブ端子7は、導線又はケーブル8に接続され、それは次いで構成部分11に接続される。
【0004】
図2Aにさらに例示されるように、プラグコネクタ3のタブ端子7は、ヘッダコネクタ1のヘッダ端子10を構成するコンタクト部材の対応するものと嵌合する。そして、上述のように、ヘッダコネクタ10のコンタクト部材は、積層配置で隣接して配置されている。ヘッダ端子10のコンタクト部材は、図2Aにおいて、積層配置で隣接して配置されることに加えて、図2に例示されている従来の電源コネクタシステムでは、二重インタフェースが必要である。すなわち、従来のヘッダ端子10は、一端において従来のプラグコネクタ3のタブ端子7を受け入れ、他端において従来のヘッダコネクタ1の他のタブ端子9を受け入れる。例えば図2B及び図2Cに示すように、ライトアングル型の接続を達成するために、従来のヘッダ端子10が従来のライトアングル型プラグコネクタ3のタブ端子7、及び従来のヘッダコネクタ1のタブ端子9を受け入れる必要がある(すなわち、二重インタフェース接続である)。さらに、図2Aに示す従来の電源コネクタシステムにおいては3つの別個の構成部分が必要であり、これは図1A図1D及び図2A図2Cに示す従来の電源コネクタシステムにおける電気抵抗を増大させている。
【0005】
図2D及び図2Eに示す従来の電源コネクタシステムにおいても、二重インタフェース接続及び3つの別個の構成部分が同様に必要とされる。図2Dにおいて、従来のヘッダ端子10は、従来のライトアングル型プラグコネクタ3からのタブ端子7を受け入れるとともに、従来のヘッダコネクタ1からのタブ端子9をさらに受け入れる。図2Eにおいて、従来のヘッダ端子10は、従来のストレート型プラグコネクタ3からのタブ端子7を受け入れるとともに、従来のヘッダコネクタ1からのタブ端子9をさらに受け入れる。いずれのケースにおいても、図2B及び図2Cと同様に、図2D及び図2Eの従来の電源コネクタシステムは、従来のヘッダ端子10のための二重インタフェースを必要としているとともに、従来のヘッダ端子10がその一端においてライトアングル型プラグコネクタ又はストレート型プラグコネクタのタブ端子7を受け入れ、その反対側端においてストレート型の端子9を受入れるための3つの別個の構成部分を必要としている。図1A図1D及び図2A図2Eに例示された、上述の従来の電源コネクタシステムにおいて使用される部品又は要素の上述の増加は、従来の電源コネクタシステムの抵抗を不利に増大させている。
【0006】
図3A及び図3Bは、他の種類の従来の電源コネクタシステムを例示しているが、ヘッダコネクタが代わりに雄タブ端子20を有しているのに対し、プラグコネクタが、ヘッダコネクタの雄タブ端子20を受け入れるための雌端子25、35を代わりに含んでいる。ここで、ライトアングル型コネクタの雌端子25(図3A参照)とストレート型の雌端子35(図3B参照)は構造的に異なるため、従来のプラグコネクタのために複数種類の雌端子25、35が必要となる。また、図3Aに示すライトアングル型コネクタにおいて、雌端子25は、外側保持部材27と内側保持部材28を有する。ライトアングル型プラグコネクタにおいて、図3Aに示すように、外側保持部材27は、構造及び個数が内側保持部材28とは異なっている。さあに、ストレート型プラグコネクタにおいて、雌端子35は、外側保持部材37及び内側保持部材28を有する。ストレート型プラグコネクタにおいて、図3Bに示すように、外側保持部材37は同様に、構造及び個数が内側保持部材38とは異なっている。
【0007】
したがって、従来の電源コネクタシステムの構造的配置における上述の短点又は欠点を考慮すると、米国特許第10,141,669号(及び図1A図1B図1C、及び図1D)に記載された電源コネクタシステム、及び図3A及び図3Bに関連して上述した、それぞれの機能を達成するために二重インタフェースと複数部品又は要素が不都合に必要とされる従来の電源コネクタシステムとは異なり、単一のインタフェースを可能とする電源コネクタシステムを有するようにすることが必要である。
【0008】
また、電源コネクタシステムは、ライトアングル型プラグコネクタ及びストレート型プラグコネクタの両方に使用されるプラグコネクタの端子を同一にすることが必要である。すなわち、ヘッダコネクタは、(ライトアングル型プラグコネクタにおける)矩形状のタブ端子の長縁又は長辺と嵌合、又は(ストレート型プラグコネクタにおける)矩形状のタブ端子の短縁又は幅方向側辺と嵌合できることが不可欠である。
【0009】
さらに、米国特許第10,141,669号(図2A図2Eも参照)、及び図3A及び図3Bに示すような従来の電源コネクタシステムに見られる3つの組み立てられた構成部分ではなく、電源コネクタシステムが2つの組み立てられた構成部分を有することが必要である。より具体的には従来の電源コネクタシステムは、図 2B-図2Eに概略的に示されるが、ヘッダ又はプラグコネクタによりライトアングル型又はストレート型の接続を達成するために二重インタフェースを必要(すなわち、雌受容端子の上下部分の必要)としており、少なくとも3つの個別の部品の必要もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第10,141,669号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
電源コネクタシステムであって、ライトアングル型(直角型)プラグコネクタ又はストレート型プラグコネクタを受け入れることができるヘッダコネクタ(ヘッダ装置等)を備えている。ライトアングル型プラグコネクタは、好ましくはプラグコネクタから出ていくケーブルの中心線に対して90度の嵌合方向を有するプラグコネクタである。ストレート型プラグコネクタは、プラグコネクタの後部から出ていくケーブルの中心線に対して平行な嵌合方向を有するプラグコネクタである。
【0012】
一般的なヘッダコネクタにおいて、一般的なヘッダコネクタは、通常は雄タブ端子を保持している。しかしながら、本発明においては、ヘッダコネクタは、高導電性材料で形成された雌受入端子又はレセプタクルを保持している。本発明の雌受入端子又はレセプタクルは、互いに平行に延在し、互いに間隔を置いて配置された複数の指部材を含んでいる。複数の指部材は、接合部材から延び、補強ばねとして働く構造的配置をさらに提供している。さらに、各指部材は、独立した補強ばねを含んでいる。
【0013】
一般的なプラグコネクタでは、一般的なプラグコネクタは、通常は雌端子を保持している。しかしながら、本発明においては、プラグコネクタは、雄矩形状タブ端子を保持しており、この雄矩形状タブ端子は、短縁(又は幅方向側辺)及び長縁(又は長辺)を有している。本発明においてさらに、ヘッダコネクタに保持された雌受入端子は、ヘッダコネクタがストレート型プラグコネクタと嵌合する場合には、雄矩形状タブ端子の短縁又は幅方向側辺と嵌合できる。ヘッダコネクタに保持された雌受入端子は、ヘッダコネクタがライトアングル型プラグコネクタと嵌合する場合には、雄矩形状タブ端子の長縁又は長辺と嵌合できる。雄矩形状タブ端子の他端は、溶接、機械的圧着等によってそこに取り付けられたワイヤ又はケーブルを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A図1Aは、雌受入端子、及び雄タブ端子を含むプラグコネクタを含むヘッダコネクタを透視して示す従来の電源コネクタシステムであり、この従来の電源コネクタシステムのヘッダコネクタ及びプラグコネクタが、係合又は嵌合する準備ができていることを示している。
図1B図1Bは、従来のヘッダコネクタの嵌合側の斜視図であり、内部に保持された雌受入端子を示している。
図1C図1Cは、従来のプラグコネクタの嵌合側の斜視図であり、内部に保持された雄タブ端子を示している。
図1D図1Dは、従来のヘッダコネクタの雌端子と係合した従来のプラグコネクタの雄タブ端子を示しているが、この従来のプラグコネクタの雄タブ端子の他端はそれぞれケーブルに接続され、各雌端子は、積層配置で隣接して配置された複数のコンタクト部材で形成されていることが示されている。
図2A図2Aは、従来のヘッダコネクタの雌受入端子とそれぞれ係合した従来のライトアングル型プラグコネクタの雄タブ端子を斜視図において例示している。
図2B図2Aの従来のプラグコネクタの模式図であり、従来の電源コネクタシステムにおいてライトアングル型又はストレート型の接続を達成するために二重インタフェース及び少なくとも3つの個別の部品を用いることが必要であることを示している。
図2C図2Aの従来のプラグコネクタの模式図であり、従来の電源コネクタシステムにおいてライトアングル型又はストレート型の接続を達成するために二重インタフェース及び少なくとも3つの個別の部品を用いることが必要であることを示している。
図2D図2Aの従来のプラグコネクタの模式図であり、従来の電源コネクタシステムにおいてライトアングル型又はストレート型の接続を達成するために二重インタフェース及び少なくとも3つの個別の部品を用いることが必要であることを示している。
図2E図2Aの従来のプラグコネクタの模式図であり、従来の電源コネクタシステムにおいてライトアングル型又はストレート型の接続を達成するために二重インタフェース及び少なくとも3つの個別の部品を用いることが必要であることを示している。
図3A図3Aは、他の従来のヘッダコネクタに保持されることになる雄タブ端子、及び他の従来のライトアングル型プラグコネクタに保持されることになる雌受入端子であり、他の従来のヘッダコネクタの雄タブ端子及び他の従来のライトアングル型プラグコネクタの雌受入端子は、互いに係合又は嵌合されることになっている。
図3B図3Bは、他の従来のヘッダコネクタに保持されることになる雄タブ端子、及び他の従来のストレート型プラグコネクタに保持されることになる雌受入端子であり、他の従来のヘッダコネクタの雄タブ端子、及び他の従来のストレート型プラグコネクタの雌受入端子は、互いに係合又は嵌合されることになっている。
図4図4は、本発明のヘッダコネクタの内部に保持されることになる本発明の雌受入端子を示す斜視図である。
図5図5は、本発明の雌受入端子の外側部材又はシースの斜視図である。
図6図6は、本発明の雌受入端子の内側部材の斜視図である。
図7A図7Aは、本発明のライトアングル型プラグコネクタの矩形状雄端子の長縁又は長辺が、本発明のヘッダコネクタの雌受入端子に受け入れられ、嵌合又は係合する準備ができていることを例示している。
図7B図7Bは、本発明のストレート型プラグコネクタの矩形状の雄端子の短縁又は幅方向側辺が、本発明のヘッダコネクタの雌型受入端子によって受け入れられ、嵌合又は係合する準備ができていることを例示している。
図8図8は、本発明のライトアングル型プラグコネクタの嵌合側が、ケーブルが延在する方向に対して垂直又は90度の方向にあることを示している。
図9図9は、ケーブルが接続された状態の、対応する雄タブ矩形端子を示し、各雄タブ矩形端子の長縁又は長辺が本発明のヘッダコネクタの雌受入端子の対応する1つに受け入れられる準備ができている。
図10図10は、本発明のストレート型プラグコネクタの嵌合側が、ケーブルが延在する方向に対して平行又は180度の方向にあることを示している。
図11図11は、ケーブルが接続された状態の、対応する雄タブ矩形端子を示し、各雄タブ矩形端子の短縁又は幅方向側辺が本発明のヘッダコネクタの雌受入端子の対応する1つに受け入れられる準備ができている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図4は、概して参照番号80で参照される雌型受入端子を斜視図にて例示している。雌型受入端子80は、受入端部88を含むが、これは外側部材(又はシース)90及び内側部材110を含む。外側部材(又はシース)90は、互いに平行に延在し、互いに間隔を置いて配置された複数の外側指部材92を含む。外側指部材92は、自由端部94と、外側指部材92の(外側指部材92の自由端部94とは別の)他端100が接合される接合端部98とを有する。接合端部98は、内側部材110が導入、嵌合される端部開口108を有する基端部105に取り付けられている。内側部材110はバー状部材115を含むが、バー状部材115はヘッダコネクタ200の内部で接続される(図8及び図10参照)。雌型受入端子80は、その受入端が端子の本体と同軸になるように、又は嵌合端が本体から0度回転するように、1つの結合要素(すなわち、その本体および付随するばね補強指部材92、122)からなる。
【0016】
本発明では、電源コネクタシステムの電気抵抗は、使用される部品の数が最小限に抑えられているために低い。すなわち、例えば、ライトアングル型プラグコネクタ300(図8参照)、又はストレート型プラグコネクタ500(図10参照)のいずれに対しても1つの雌型受入端子80(又は複数の雌型受入端子80の1組)のみが使用される。さらに、ライトアングル型プラグコネクタ300(図8参照)、又はストレート型プラグコネクタ500(図10)のいずれ対しても、単一型の雌型受入端子80(図7A図7B図9及び図11参照)を備える単一型のヘッダコネクタ200(図8図10)が使用される。したがって、本発明の電源コネクタシステムの組立効率が達成され、本発明の電源コネクタシステムにおける電気抵抗の減少が達成され、本発明の電源コネクタシステムにおける全体的サイズの減少が成し遂げられる。
【0017】
図5に例示するのは、外側部材(又はシース)90であるが、これは、互いに平行に延在し、互いに間隔を置いて配置された複数の外側指部材92を含む。各外側指部材92は、接合端部98から延在する場合、好ましくは真っ直ぐである。結合端部98に接続されているのは、基端部105である。基端部105は、外側指部材92の可撓性又は弾性の特性を支持し、外側指部材92のばね補強として働くことができる。外側指部材92は、内側指部材122の可撓性又は弾性の特性を同様に支持し、内側指部材122のばね補強として働くことができる。外側部材(又はシース)90の一端は、外側指部材の自由端部94であるのに対し、外側部材(又はシース)90の反対側の端部は端部開口108であり、図6に示すような、内側部材110の内側指部材122を有する対称な上部フォーク状部材130及び下部フォーク状部材140を受け入れる。
【0018】
図6において、内側部材110は、バー状部材115を含む他端とは反対側の、内側部材110の受入端125に複数の内側指部材122を含む。内側部材110は、図6に例示するように、互いに結合された、対称な上部フォーク状部材130及び下部フォーク状部材140から構成される。上部フォーク状部材130の指部材122の各組は、上部中間部材135から延びているのに対し、下部フォーク状部材140の指部材122の組は、下部中間部材145から延びている。上部中間部材135及び下部中間部材145の両方は、上部バー状部材150及び下部バー状部材155からそれぞれ延びており、これらは両方ともヘッダコネクタ200に接続するバー状部材115を構成している(図8及び図10を参照)。
【0019】
さらに、外側指部材92及び内側指部材122のそれぞれは、自身の物理的構造、及びそれらが結合部材98及び基端部105と構造的に配置される方法(図5参照)、又は上部フォーク状部材130の上部中間部材135、及び下部フォーク状部材140の下部中間部材145と構造的に配置される方法(図6参照)に基づいて、独立した補強ばねを有する。外側指部材92及び内側指部材122は、各外側指部材92が対応する当接する内側指部材122を有するように、それぞれ互いに当接している。
【0020】
限定されるものではないが、接合端部98から延びる外側指部材92のそれぞれの幅及び厚さは、実質的に同様である。また、限定されるものではないが、上部中間部材135及び下部中間部材145からそれぞれ延びる内側指部材122の幅、厚さ、及び形状は、実質的に同様である。図6に示すように、その形状が限定されるものではないが、内側部材110の各内側指部材122の受入端125は、実質的に上向きに湾曲していることが好ましい。
【0021】
また、外側指部材92及び内側指部材122はまた、雌型受入端子80の、高導電性材料で作られた受入端部88に、自身によるばね様の特性、及びばね補強特性とともに、2倍の厚みを備えている。これにより、本発明の電源コネクタシステムの電気抵抗を有利に減少させる。
【0022】
組立てられた際に、図4に示すように、内側部材110の内側指部材122は、外側部材又はシース90の外側指部材92の自由端部94を越えて延びる。また、組立てられた際に、図4に示すように、対応する雄タブ端子310、320(図7A図7B図9、及び図11を参照)を受け入れた状態で、内側指部材122を外側に移動させ、外側指部材92の内部に押し込むと、外側指部材92はそうした移動に対して弾性を有しており、これにより雌型受入端子80の受入端部88には、抵抗、及び補強されたばね様の作用が与えられる。
【0023】
図7Aは、本発明のライトアングル型プラグコネクタ300(図8参照)の矩形状の雄端子310の長縁又は長辺305が、本発明のヘッダコネクタ200(図8参照)の雌型受入端子80によって受け入れられ、嵌合又は係合する準備ができていることを例示している。より具体的には、矩形状の雄端子310は、雌型受入端子80の受入端部88に受け入れられる。すなわち、雌型受入端子80の指部材92の自由端部94はその内部に、ヘッダコネクタ200内部に保持された雌型受入端子80の複数の指部材92に導入された矩形状のオス端子310の長縁又は長辺305を備える矩形状の雄端子310を受け入れる。
【0024】
図7Aにも示すのは、ライトアングル型プラグコネクタ300(図8参照)の内部に保持された矩形状の雄端子310の一端350に取り付けられたケーブル400、及びヘッダコネクタ200(図8参照)の内部で接続された雌型受入端子80のバー状部材115である。
【0025】
図7Bは、本発明のストレート型プラグコネクタ500(図10参照)の矩形状の雄端子320の短縁又は幅方向側辺315が、本発明のヘッダコネクタ200(図10参照)の雌型受入端子80によって受け入れられ、嵌合又は係合する準備ができていることを例示している。より具体的には、矩形状の雄端子320は、雌型受入端子80の受入端部88に受け入れられる。すなわち、雌型受入端子80の指部材92の自由端部94はその内部に、ヘッダコネクタ200内部に保持された雌型受入端子80の複数の指部材92に導入された矩形状のオス端子320の短縁又は幅方向側辺315を備える矩形状の雄端子310を受け入れる。
【0026】
図7Bにも示すのは、ストレート型プラグ部材500(図10参照)の内部に保持された矩形状の雄端子320の一端355に取り付けられたケーブル410、及びヘッダコネクタ200(図10参照)の内部で接続された雌受入端子80のバー状部材115である。
【0027】
ヘッダコネクタ200が、図8又は図10のいずれかに示すように、ライトアングル型プラグコネクタ300(図8参照)に保持された矩形状の雄端子310(図7A参照)、又はストレート型プラグコネクタ500(図10参照)に保持された矩形状の雄端子320(図7B参照)のいずれかを受け入れることができることに留意されたい。
【0028】
また、代替的に、ライトアングル型プラグコネクタ300(図8参照)の内部に保持された、ケーブル400に取り付けられた矩形状の雄端子310(図7A及び図9参照)は、ストレート型プラグコネクタ500(図10参照)の内部に保持された、ケーブル410に取り付けられた矩形状の雄端子320(図7B及び図10)と同様であってもよい。
【0029】
本発明において、図7A図7B図9、及び図11に例示するように、ライトアングル型プラグコネクタ300(図8参照)又はストレート型プラグコネクタ500(図10参照)に対して単一の雄タブ端子310、320を使用してもよい。したがって、ライトアングル型プラグコネクタ300及びストレート型プラグコネクタ500に使用するために、追加の雄タブ端子(又はブリッジ又はタブソケットなどの要素)は必要なく、それによって、本発明の電源コネクタシステムの全体に対して1つのインタフェースが実現される。本発明の電源コネクタシステムの部品又は要素の数を最小限にすることは、システムの電気抵抗を有利に減少させる。
【0030】
さらに、本発明の電源コネクタシステムの部品又は要素の数を最小化することは、ライトアングル型プラグコネクタ300(図8を参照)又はストレート型プラグコネクタ500(図10を参照)に、単一(又は単一型)の雄タブ端子310、320を使用することによって達成され(図7A図7B図9、及び図11を参照)、これにより、本発明の電源コネクタシステムの組立てが効率化される。
【0031】
また、図7A図7B図9、及び図11において、矩形状の雄端子(又は雄矩形状タブ端子)310、320の他端には、溶接、機械的圧着等によってそこに取り付けられたワイヤ又はケーブル400、410を含んでもよい。
【0032】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の設計変更や構成変更等を行うことができる。例えば、ライトアングル型プラグコネクタ300又はストレート型プラグコネクタ500のそれぞれが、1つ以上の雄タブ端子310、320を保持してもよい。同様に、ヘッダコネクタ200は、1つ以上の雌受入端子80を保持してもよい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項18
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項18】
前記第一指部材が前記外側部材又はシースの結合部材から延び、前記第二指部材が前記内側部材の結合部材から延びることを特徴とする、請求項17記載の電源コネクタシステム。
【国際調査報告】