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特表2024-520241非ステロイド性局所組成物およびその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】非ステロイド性局所組成物およびその方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/906 20060101AFI20240517BHJP
   A61K 36/54 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 36/31 20060101ALI20240517BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240517BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20240517BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240517BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240517BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 33/06 20060101ALI20240517BHJP
   A61K 33/14 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61K36/906
A61K36/54
A61K36/31
A61P19/02
A61P19/00
A61P29/00
A61P21/00
A61P43/00 121
A61K33/06
A61K33/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505900
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 IN2021050722
(87)【国際公開番号】W WO2022259260
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202111025676
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523029342
【氏名又は名称】グプタ,アヌパン
【氏名又は名称原語表記】GUPTA, Anupam
【住所又は居所原語表記】3G608, AWHO Gurjinder, Vihar, Greater Noida 201310 (IN)
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,アヌパン
【テーマコード(参考)】
4C086
4C088
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA13
4C086MA16
4C086MA27
4C086MA28
4C086NA14
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB11
4C086ZC75
4C088AB15
4C088AB33
4C088AB81
4C088AC04
4C088AC06
4C088AC13
4C088CA03
4C088MA09
4C088MA13
4C088MA16
4C088MA27
4C088MA28
4C088NA14
4C088ZA94
4C088ZA96
4C088ZB11
4C088ZC75
(57)【要約】
実施形態は、グループIコンポーネントとグループIIコンポーネントの組合せからなる活性成分を10重量%5~20重量%;および1つまたは複数の医薬的に許容できる賦形剤を含む不活性成分を80重量%~90重量%含む非ステロイド性局所製剤に関する。グループIコンポーネントは、Curcuma spp、Litsea spp.、およびLepidium spp.から得た植物抽出物であり得、グループIIコンポーネントは、硫酸カリウム10(Kali sulphuricum)、リン酸カリウム(Kali phosphoricum)、硫酸ナトリウム(Natrum sulphuricum、塩化ナトリウム(Natrum muriaticum)、塩化カリウム(Kali muriaticum)、およびリン酸ナトリウム(Natrum phosphoricum)を含む群から選択され得る。前記製剤は、加齢性の骨関節炎性関節痛、炎症および筋骨格系疾患を効果的に解消または緩和することができ、高齢者に15長期間の緩和をもたらす。本発明の別の好ましい実施形態は、前記製剤を調製する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループIコンポーネントとグループIIコンポーネントの組合せからなる活性成分を10重量%~20重量%;および
1つまたは複数の医薬的に許容できる賦形剤を含む不活性成分を80重量%~90重量%
含む非ステロイド性局所製剤であって、
グループIコンポーネントは、Curcuma spp(クルクマ種)、Litsea spp.(リセア種)、およびLepidium spp.(レピジウム種)から得た植物抽出物であり、グループIIコンポーネントは、硫酸カリウム(Kali sulphuricum)、リン酸カリウム(Kali phosphoricum)、硫酸ナトリウム(Natrum sulphuricum)、塩化ナトリウム(Natrum muriaticum)、塩化カリウム(Kali muriaticum)、およびリン酸ナトリウム(Natrum phosphoricum)を含む群から選択される、
非ステロイド性局所製剤。
【請求項2】
前記植物抽出物が、植物の根茎、木部および種子から得られる、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記グループIコンポーネントが、Curcuma sppから得た植物抽出物を30重量%~35重量%、Litsea sppから得た植物抽出物を30重量%~35重量%、およびLepidium spp.から得た植物抽出物を30重量%~35重量%含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
前記グループIIコンポーネントが、リン酸カリウム(Kali phosphoricum)を85重量%~95重量%、硫酸カリウム(Kali sulphuricum)を5重量%~15重量%、硫酸ナトリウム(Natrum sulphuricum)を5重量%~15重量%、塩化ナトリウム(Natrum muriaticum)を5重量%~15重量%、塩化カリウム(Kali muriaticum)を5重量%~15重量%、およびリン酸ナトリウム(Natrum phosphoricum)を5重量%~15重量%含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
前記不活性成分が、局所鎮痛剤、ポリアクリル酸ポリマー、軟化剤、キレート剤、pH調整剤、抗酸化剤、乳化ワックス、冷却剤および溶媒を含む群から選択される、請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
前記製剤が、軟膏、クリーム、ローション、ゲルおよびスプレーの形態である、請求項1に記載の製剤。
【請求項7】
前記製剤が、加齢性の骨関節炎性関節痛および筋骨格系疾患の緩和に有効である、請求項1に記載の製剤。
【請求項8】
局所製剤を調製する方法であって、
(i)Curcuma sppから得た植物抽出物を30重量%~35重量%、Litsea spp.から30重量%~35重量%、およびLepidium spp.から30重量%~35重量%取り、グループIコンポーネントを得るステップと;
(ii)硫酸カリウム(Kali sulphuricum)を5重量%~15重量%、リン酸カリウム(Kali phosphoricum)を85重量%~95重量%、硫酸ナトリウム(Natrum sulphuricum)を5重量%~15重量%、塩化ナトリウム(Natrum muriaticum)を5重量%~15重量%、塩化カリウム(Kali muriaticum)を5重量%~15重量%、およびリン酸ナトリウム(Natrum phosphoricum)を5重量%~15重量%取り、グループIIコンポーネントを得るステップと;
(iii)前記グループIコンポーネントと前記グループIIコンポーネントを混合し、活性成分を形成させるステップと;
(iv)ステップ(iii)で得た前記活性成分10重量%~20重量%を、不活性成分80重量%~90重量%、と共に加え、前記局所製剤を得るステップと
を含み、
前記グループIコンポーネントと前記グループIIコンポーネントが、1:1の比率で混合される、
方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、非ステロイド性局所製剤およびその方法に関する。特に、本発明は、ヒト対象において加齢性の骨関節炎性関節痛、炎症および筋骨格系疾患を解消または緩和するための、新たな改善された非ステロイド性局所製剤およびそれを調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者の大多数が、関節の摩耗および破損のために、膝関節痛を起こす。関節炎は、1つまたは複数の関節の炎症であり、また、変形性関節症は、関節炎の最も一般的な形態であり、世界中で数百万人が罹患している。関節における軟骨の劣化によって引き起こされるのが変性関節疾患であり、患者に炎症、痛みおよび疼きを生じさせる。変形性関節症は、加齢の通常の過程で起こるが、遺伝のこともある。外傷または疾患による何らかの損傷もまた、変形性関節症を引き起こし得る。
【0003】
このような痛みを緩和するために利用可能な治療としては、作用の持続時間が短い局所鎮痛剤(軟膏またはオイル)の投与があげられる。医療機器、経口鎮痛剤製剤、局所軟膏、疼痛緩和パッチまたは類似の種類の治療を含む、慢性の関節痛および炎症の長期間にわたる緩和方法を実現するために多大な努力が払われてきたが、そのような治療が患者にもたらす緩和は一時的なものであり、治療は、結局、胃酸過多から消化不良などに及ぶ多数の副作用を引き起こす、経口鎮痛剤に移行しなければならないであろう。経口非ステロイド性抗炎症薬、すなわちNSAIDsによる長期間の治療は、出血、潰瘍、および胃痛のような胃の問題を引き起こし得る。最終的に、患者は、それ自体の限界と問題を抱える全関節置換術を選ばなければならない。変形性関節症に関連する痛みおよび炎症を緩和するためのこのような製剤および治療は、当該技術分野において知られており、例えば
【0004】
US5827886Aは、慢性的な痛みおよび炎症を緩和するための局所組成物に関する。このような組成物は、局所適用のための適切なキャリアー中に、還元型グルタチオン、セレノアミノ酸および麻酔剤、例えばカプサイシンなどを含む。しかしながら、この引用文献に開示されている組成物は、患者に長期間の疼痛緩和を提供することができない。
【0005】
US8105624B2は、薬物のN,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタミド(isopropvlbutamide)、粘着性ゲル組成物および不溶性支持体を含む局所パッチに関する。しかしながら、このような局所パッチは、慢性の関節痛および炎症を有する患者に長期間の緩和を提供することができない。
【0006】
したがって、患者に一時的で短期間の緩和をもたらす既存の製剤および治療の上記の欠点を考慮すると、何らかの種類の関節炎(特に高齢者における変形性関節症)に罹っている高齢者の関節痛、炎症および筋骨格系疾患を、経口薬物と同様に長期的に緩和し得る局所製剤の必要性が存在する。
【0007】
(本発明の目的)
本発明の目的は、ヒト対象において骨関節炎性関節痛、炎症および筋骨格系疾患を解消または緩和するための新たな改善された局所製剤、およびそれを調製するための方法を提供することである。特に、本発明は、ヒト対象において加齢性の骨関節炎性関節痛、炎症および筋骨格系疾患の長期間の緩和をもたらし得る非ステロイド性局所製剤に関する。
【0008】
本発明の別の目的は、ヒト対象において長期間の緩和をもたらし得る非ステロイド性局所製剤を提供することであり、これは、経口薬物の摂取の低減に役立ち得る。
【0009】
本発明の別の目的は、当該局所製剤を調製する方法を提供することに関する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、種々の実施形態によって以下に記述されている。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載されている実施形態に限定されるものと解釈するべきではない。むしろ、実施形態は、本発明の範囲に明確に関連することを当業者に伝える意図で記載されている。
【0011】
ある実施形態において、本発明は、ヒト対象において加齢性の骨関節炎性疼痛、炎症および筋骨格系疾患の長期間の緩和をもたらし得る新たな改善された非ステロイド性局所製剤を提供することによって、前記の現存する問題を克服する。本発明は、また、前記の局所製剤を調製する方法も提供する。
【0012】
好ましい実施形態において、本発明は、ヒト対象において加齢性の骨関節炎性関節痛、炎症および筋骨格系疾患を解消または緩和するための非ステロイド性局所製剤およびその方法に関する。非ステロイド性局所製剤は、グループIコンポーネントとグループIIコンポーネントの組合せからなる活性成分、および少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤を含む不活性成分を含む。グループIコンポーネントは、Curcuma spp(クルクマ種)、Litsea spp.(リセア種)、およびLepidium spp.(レピジウム種)から得た植物抽出物であり得、グループIIコンポーネントは、硫酸カリウム(Kali sulphuricum)、リン酸カリウム(Kali phosphoricum)、硫酸ナトリウム(Natrum sulphuricum、塩化ナトリウム(Natrum muriaticum)、塩化カリウム(Kali muriaticum)、およびリン酸ナトリウム(Natrum phosphoricum)を含む群から選択され得る。
【0013】
別の好ましい実施形態において、本発明は、前記の製剤を調製する方法を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
これらの実施形態に対する種々の改変は、本明細書および添付の図面から当業者には明らかである。本明細書に記載されている種々の実施形態に関連する原理は、他の実施形態にあてはまり得る。したがって、記述は、添付の図面と共に示されている実施形態に限定されることを意図するものではなく、当該原理ならびに本明細書で開示または示唆されている新規かつ発明的な特徴に矛盾しない最も広い意味を提供することを意図するものである。したがって、本発明は、本発明の範囲内である全ての他の代替、改変、および変形を含むことが予期されている。
【0015】
本発明は、新たな改善された非ステロイド性局所製剤およびその方法を開示する。本発明は、加齢性の骨関節炎性関節痛、炎症および筋骨格系疾患の解消または緩和に使用され得る製剤を提供すること、およびいかなる経口薬物も使用することなく長期間の緩和を実現することを意図している。本明細書において、「加齢性の骨関節炎性疼痛」は、50歳を超える年齢の男性および女性を含む、高齢者における変形性関節症の発生を指す。本明細書において、「長期間の緩和」は、最初に製剤を適用した際に適用部位における痛みを軽減する製剤の効力を指し、製剤は、6~8時間におよぶ様々な持続時間にわたって作用し、その後、12~24時間に延びる。したがって、患者は、より長い持続時間にわたって痛みが軽減される。
【0016】
(非ステロイド性局所製剤)
好ましい実施形態において、本発明による非ステロイド性局所製剤は、グループIコンポーネントとグループIIコンポーネントの組合せからなる活性成分を10重量%~20重量%、および1つまたは複数の医薬的に許容できる賦形剤を含む不活性成分を80重量%~90重量%含む。グループIコンポーネントは、Curcuma spp、Litsea spp.、およびLepidium spp.から得た植物抽出物であり得、グループIIコンポーネントは、硫酸カリウム(Kali sulphuricum)、リン酸カリウム(Kali phosphoricum)、硫酸ナトリウム(Natrum sulphuricum)、塩化ナトリウム(Natrum muriaticum)、塩化カリウム(Kali muriaticum)、およびリン酸ナトリウム(Natrum phosphoricum)を含む群から選択され得る。製剤は、特に、加齢性の骨関節炎性関節痛、炎症および筋骨格系疾患の解消または緩和を助け、50歳を超える年齢の患者に長期間の緩和をもたらす。
【0017】
一つの実施形態において、本発明は、前記局所製剤における活性成分と不活性成分の組合せを強調する。製剤に添加される活性成分が、加齢性の骨関節炎性関節痛、炎症および筋骨格系疾患を効果的に解消または緩和し、高齢患者に長期間の緩和をもたらす鎮痛剤として働くことに留意するのが妥当である。活性成分は、10重量%~20重量%の範囲で存在し、グループIコンポーネントとグループIIコンポーネントに分けられる。製剤のこれら2つのコンポーネントは、活性成分が、局所的に適用された患者の皮膚表面に吸収されるように、特定の量で存在しなければならない。さらに、活性成分は、長い持続時間にわたって効果的に痛みを治療するように、皮膚の外側の保護バリアを透過し、生きている下層の表皮および真皮に到達しなければならない。
【0018】
(活性成分)
例示的な実施形態において、本発明は、他のコンポーネントと共に特定の量で存在する植物抽出物の加齢性の関節痛、炎症および筋骨格系疾患の解消または緩和における鎮痛および抗炎症効果を評価することができ、変形性関節症に罹った患者において長期間の緩和をもたらす。
【0019】
局所製剤において使用される植物抽出物は、Curcuma spp、Litsea spp、およびLepidium spp.、好ましくは、C.aromatica(C.アロマティカ)、Lepidium sativum(レピディウム サティバム)およびTallow Soft Bollygum Laurel Litsea Glutinosa(タロウ ソフト ボリガム ローレル リッセア グルチノサ)の粉末化した植物の部分から選択され得る。特に、局所製剤のグループIコンポーネントは、Curcuma sppから得た植物抽出物を30重量%~35重量%、Litsea sppから得た植物抽出物を30重量%~35重量%およびLepidium spp.から得た植物抽出物を30重量%~35重量%含む。植物抽出物は、根茎、種子および木部から選択される植物の部分から得られ得る。好ましくは、グループIコンポーネントは、Curcuma sppの根茎から得られた植物抽出物を30重量%~35重量%、Litsea sppの木部から得た植物抽出物を30重量%~35重量%およびLepidium spp.の種子から得た植物抽出物を30重量%~35重量%含む。
【0020】
クルクミノイドは、Curcuma spp.またはウコン(これは、ショウガ科(Zingiberaceae)のメンバーである)に由来する天然のポリフェノール化合物である。これらの化合物は、その抗炎症、抗血栓、抗酸化、および抗微生物活性で知られている。クルクミン含有製品は、変形性関節症の治療において著しい改善を示すことが観察され得る。したがって、本発明において、Curcuma spp.(これは、それらに限定されないが、C.aromatica、C.amada、C.longa、またはC domesticaを含み得る)からの植物抽出物。Curcuma spp.に属する植物は、一般にHaldiとして知られている。
【0021】
Lepidium sativum Linn.(一般に、「コショウソウ」、または「halo meda」として知られている)は、アブラナ科に属する。Litsea glutinosa(タンカラック)(一般に、「meda lakari」として知られている)は、クスノキ科(Lauraceae)の多雨林の樹木である。さらに、好ましい実施形態は、また、Alpinia galanga(ナンキョウ)(一般に、rasna patraとして知られている)、トウゴマの種子(または、一般に、arandi beejとして知られている)、ウィンターグリーン油(一般に、gandhpura(ガンダーラ)オイルとして知られている)、テレピン油(一般に、tarpinオイルとして知られている)、ユーカリ油(一般に、Nilgiri(ニルギリ)オイルとして知られている)、Vitex negundo(ニンジンボク)(一般に、Nirgundiオイルとして知られている)、チリまたはレッドペッパーオイル(一般に、Katuviraオイルとして知られている)およびメタノールを含む群から選択される他の活性成分も含むことが意図されている。
【0022】
別の実施形態において、グループIIコンポーネントは、ホメオパシー化合物を含み得る。グループIIコンポーネントは、硫酸カリウム(Kali sulphuricum)、リン酸カリウム(Kali phosphoricum)、硫酸ナトリウム(Natrum sulphuricum)、塩化ナトリウム(Natrum muriaticum)、塩化カリウム(Kali muriaticum)、およびリン酸ナトリウム(Natrum phosphoricum)を含む群から選択される1つまたは複数のホメオパシー活性成分を含み得る。好ましくは、リン酸カリウム(Kali phosphoricum)の量は、85重量%~95重量%の範囲内、硫酸カリウム(Kali sulphuricum)は、5重量%~15重量%の範囲内、硫酸ナトリウム(Natrum sulphuricum)は、5重量%~15重量%の範囲内、塩化ナトリウム(Natrum muriaticum)は、5重量%~15重量%の範囲内、塩化カリウム(Kali muriaticum)は、5重量%~15重量%の範囲内、およびリン酸ナトリウム(Natrum phosphoricum)は、5重量%~15重量%の範囲内である。グループIIコンポーネントの力価を維持することもまた重要である。本明細書において、用語「力価」は、ホメオパシー医薬の希釈の程度を指す。ホメオパシーにおいて、力価は、濃度に反比例し、希釈が大きいほど、ホメオパシー医薬の力価が高い。HPUSに従って、力価は、種々のスケール、例えば、10分の1のXスケール、100分の1のCスケールおよび5000分の1のQスケールによって定量化され得る。一般に、Xスケールの希釈は、Cスケールの希釈の1/2の値であり、Qスケールで示される希釈は、Cスケールの希釈の約2.35倍の値である。本発明において、グループIIコンポーネントの力価は、200/200xである。
【0023】
さらに別の実施形態において、本発明の製剤は、鎮痛剤として働くことが知られている、軟膏で用いられる他の従来の活性成分とさらに混合され得ることが意図されている。よって、この特有の製剤は、変形性関節症患者の重度の膝痛を緩和し、それによって経口鎮痛剤を使用する必要性を置き換える、長期間の効果を付与し得る。
【0024】
(不活性成分)
別の実施形態において、本発明は、不活性成分に関する。本明細書において、「不活性成分」は、それらに限定されないが、基剤、ビヒクル、および溶媒を含み得る、1つまたは複数の医薬的に許容できる賦形剤を指す。不活性成分は、薬物の物理化学的特性、製剤の感覚的特性(すなわち、におい、口当たり、冷却および灼熱効果、吸収など)などの、局所製剤の品質的性質に影響を及ぼし得る。しかしながら、不活性成分は、溶解性、安定性、活性成分の放出、および皮膚浸透などの性質に影響を及ぼすことによって、究極的には局所製剤の最終的な能力に影響を及ぼし得ることに留意するのが妥当である。
【0025】
さらに別の実施形態において、不活性成分は、80重量%~90重量%の製剤を含む局所製剤中に治療有効量で存在する。本明細書において、本明細書で使用される不活性成分の「治療有効量」という用語は、本発明の方法で使用した場合に、合理的なベネフィット/リスク比にふさわしい、過度の有害副作用(例えば、毒性、刺激、またはアレルギー反応など)を生じない、哺乳動物(好ましくはヒト)における疾患または傷害の予防および/または治療のために有効な量である。不活性成分は、局所鎮痛剤、ポリアクリル酸ポリマー、軟化剤、キレート剤、pH調整剤、抗酸化剤、乳化ワックスおよび冷却剤として働き得る。
【0026】
例示的な実施形態において、本発明は、サリチル酸メチルを、局所鎮痛剤として、Carbopol-940を、ポリアクリル酸ポリマーとして、グリセリンを、軟化剤として、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(ジ-EDTA)を、キレート剤として、トリエタノールアミン(TEA)を、pH調整剤として、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を、抗酸化剤として、モノステアリン酸グリセリンを、乳化ワックスとして、セチルアルコールを、冷却剤または反対刺激剤として、および水を、溶媒として開示する。
【0027】
(製剤の調製方法)
好ましい実施形態において、本発明は、非ステロイド性局所製剤を調製する方法であって、ステップが、
i.Curcuma sppから得た植物抽出物を30重量%~35重量%、Litsea spp.から30重量%~35重量%、およびLepidium spp.から30重量%~35重量%取り、グループIコンポーネントを得るステップ;
ii.硫酸カリウム(Kali sulphuricum)を5重量%~15重量%、リン酸カリウム(Kali phosphoricum)を85重量%~95重量%、硫酸ナトリウム(Natrum sulphuricum)を5重量%~15重量%、塩化ナトリウム(Natrum muriaticum)を5重量%~15重量%、塩化カリウム(Kali muriaticum)を5重量%~15重量%、およびリン酸ナトリウム(Natrum phosphoricum)を5重量%~15重量%取り、グループIIコンポーネントを得るステップ;
iii.グループIコンポーネントとグループIIコンポーネントを混合し、活性成分を得るステップ;
iv.ステップ(iii)で得た活性成分10重量%~20重量%を、不活性成分80重量%~90重量%、と共に加え、局所製剤を得るステップ
を含み得;ならびに
グループIコンポーネントとグループIIコンポーネントが、1:1の比率で存在する、
方法に関する。
【0028】
(適用および有効性)
本発明の製剤は、必要に応じて、ある期間にわたる連続投与または多数回投与のいずれかを実現するために、断続的または連続的に再適用し得る。製剤は、1日につき、適用した時から6~8時間もの間、有効であり得る。製剤は、浸透を促進するために、患部の上の皮膚に優しく適用してもよい。膝痛のケースにおいて、製剤は、外側、内側、前側および裏側を含む膝の周囲に、6時間の間隔で適用される。時間と共に、製剤の有効性は、1日に1回または2回適用した場合であっても、少なくとも24時間まで増大する。
【0029】
本明細書に記載されている製剤および治療は、加齢性の骨関節炎性関節痛または膝痛、炎症および筋骨格系疾患に罹っているヒトの治療において有効であり、また、高齢の患者に長期間の緩和をもたらすことが、当業者に認識されるであろう。
【0030】
本発明の局所製剤は、痛みおよび/または炎症が起きているか、または予期される患部への製剤の送達に適した、任意の剤形を含み得ることを理解すべきである。前記非ステロイド性局所製剤を含み得る剤形の非限定的な例としては、ゲル(ヒドロゲルを含む)、クリーム、軟膏、膏薬、バルム剤、ローション、リニメント剤、クリームゲル、ローション軟膏、スプレーおよび浸出液、ならびにそれらの組合せがあげられ得る。
【0031】
本発明の種々の実施形態のコンポーネントは、本出願の図面において一般的に記載および図解されているように、非常に多様な異なるコンフィギュレーションにアレンジおよびデザインされ得ることが容易に理解できるであろう。よって、本発明の実施形態の詳細な説明は、添付の図面に示されているように、特許請求された本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、単に、本発明の選択された実施形態の代表に過ぎない。
【0032】
本明細書全体を通して記載されている本発明の特性、構造、または特徴は、任意の適切なやり方で、1つまたは複数の実施形態に組み合わされ得る。例えば、「ある特定の実施形態」、「いくつかの実施形態」、または類似の表現は、その実施形態に関連して記載されている特定の特性、構造、または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書全体を通して、「ある特定の実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「他の実施形態において」、または類似の語句が出現した場合、必ずしも全てが同じグループの実施形態を指すものではなく、記載されている特性、構造、または特徴は、任意の適切なやり方で、1つまたは複数の実施形態に組み合わされ得る。
【0033】
本明細書全体を通して、特性、利点、または類似の用語に対する言及は、本発明によって実現され得る特性および利点の全てが、本発明のいずれか一つの実施形態に存在すべきであるか、または存在することを暗示するものではないことに留意すべきである。むしろ、そのような特性および利点に言及する語句は、ある実施形態に関連して記載されている特定の特性、利点、または特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれるものと理解される。よって、特性および利点、および類似の用語の議論は、本明細書全体を通して、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指し得る。
【0034】
さらに、記載されている本発明の特性、利点、および特徴は、任意の適切なやり方で、1つまたは複数の実施形態に組み合わされ得る。関連する技術分野における当業者は、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特性または利点なしで本発明が実施され得ることを認識するであろう。他の例において、本発明の全ての実施形態に存在しなくてもよい追加の特性および利点が、ある特定の実施形態において認識され得る。
【0035】
当業者は、上記した本発明は、異なる順序のステップによって、および/または開示されたものとは異なる構成のハードウェア要素によって実施され得ることを容易に理解するであろう。したがって、本発明は、これらの好ましい実施形態に基づいて説明されてきたが、本発明の趣旨および範囲内のままで、ある特定の改変、変形、および代替的な構造が明らかであろうことが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の境界を決定するためには、添付の特許請求の範囲を参照すべきである。

本発明の利点
・製剤は、高齢者における加齢性の骨関節炎性関節痛、炎症および筋骨格系疾患の解消または緩和に有効である。
・製剤は、膝関節の変形性関節症の著しい緩和をもたらす。
・製剤は、いかなる経口薬物の投与も副作用もなしで、長期間の緩和、すなわち6~8時間の緩和をもたらし、その後12~24時間に延びる。
・製剤は、任意の従来の剤形に添加され、新規の発明をもたらし得る
・製剤は、新規、有効、かつ安価である。

(実施例)
グループIコンポーネントは、Haridwar(インド)から入手し、グループIIコンポーネントは、Noida(インド)から購入した。

A.活性成分:活性成分は、グループIとグループIIの2つに分類した。

・グループIコンポーネント

【表1】

表1
上記表1は、局所製剤のグループIに入る活性成分の詳細を示す。

グループIIコンポーネント

【表2】
上記の表2は、局所製剤のグループIIに入る活性成分の詳細を示す。

B.不活性成分:不活性成分は、安定剤として機能するか、または香りなどのような他の機能をもたらす。これらの不活性成分は、活性成分のさまざまな段階における分解防止に役立つか、または患者によって許容されるであろう特性(良好な香り、冷却および灼熱効果、吸収および使用時の着色防止、ならびに類似の利益)をもたらす。

【国際調査報告】