(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】流体計量設定値からの変動を自動的に修正する方法
(51)【国際特許分類】
B01J 4/00 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
B01J4/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564065
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 US2022029582
(87)【国際公開番号】W WO2022245789
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513180152
【氏名又は名称】エヴォクア ウォーター テクノロジーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Evoqua Water Technologies LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】カルビン ディー ホルスト
(72)【発明者】
【氏名】マイケル サマー マーフィー
【テーマコード(参考)】
4G068
【Fターム(参考)】
4G068AB15
4G068AC20
4G068AD21
4G068AE01
4G068AF36
(57)【要約】
廃棄物収集システム内の流体を処理するための化学物質注入サブシステムをモニタリングする方法が開示される。本方法は、廃棄物収集システムに少なくとも1つのセンサを配備するステップ、流体または処理剤の測定されたパラメータのデータを外部コントローラに送信するステップ、およびデータに応じて決定された処理レジメンを基準プロトコルと比較して、化学物質注入サブシステムが調整を必要とするか否かを決定するステップを含む。化学物質注入サブシステムを有する廃棄物収集システムにおいて流体を処理する方法も開示される。化学物質注入サブシステム、感知サブシステム、および外部コントローラを含む廃棄物処理管理システムも開示される。廃棄物処理管理システムを後付けする方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物収集システム内の流体を処理するように構成された化学物質注入サブシステムをモニタリングする方法であって、以下のステップ、すなわち、
廃棄物収集システムに少なくとも1つのセンサを配備するステップであり、前記少なくとも1つのセンサは、流体の少なくとも1つのパラメータ、または前記化学物質注入サブシステムによって流体中に導入された処理剤を測定するように構成されるものである、該センサを配備するステップと、
前記流体または前記処理剤の少なくとも1つの測定されたパラメータの少なくとも1つの値を含む第1のデータセットを外部コントローラに送信するステップであり、前記外部コントローラは、少なくとも1つの値に応じて処理レジメンを決定するように構成されるものである、該外部コントローラに送信するステップと、及び、
前記化学物質注入サブシステムの調整が必要か否かを判断するために前記処理レジメンを基準プロトコルと比較するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記基準プロトコルは、データベースから取得されたデータに応じて決定される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記基準プロトコルは、前記流体または前記処理剤の少なくとも1つの測定されたパラメータの少なくとも1つの値を含む第2のデータセットに応じて決定される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記化学物質注入サブシステムが調整を必要とすることに応じて、調整プロトコルを開始する指示を前記化学物質注入サブシステムに送信する、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、さらに、前記調整プロトコルを終了させた後、前記流体または前記処理剤の少なくとも1つの測定されたパラメータの少なくとも1つの値を含む前記第2のデータセットを前記外部コントローラに送信するステップを備え、前記外部コントローラは、前記調整プロトコルが成功したか否かを判断するために、前記第2のデータセットを前記第1のデータセットまたは前記基準データセットと比較するように構成されている、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記化学物質注入サブシステムは、前記処理剤の供給源と、前記処理剤を流体中に導入するように構成されたポンプとを備え、前記調整プロトコルは、所定の期間、増加した速度で前記ポンプを作動させることを備える、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記調整プロトコルが失敗したことに応じて、前記第2の調整プロトコルを開始する指示を前記化学物質注入サブシステムに送信し、前記第2の調整プロトコルは、以下のステップ、すなわち、
前記ポンプを低速で作動させるステップと、
前記流体中への前記処理剤の流量を測定するステップと、
測定された前記処理剤の流量の少なくとも1つの値を含む第3のデータセットを外部コントローラに送信するステップと、及び、
前記化学物質注入サブシステムが第3の調整が必要かどうかを判断するために、前記第3のデータセットを基準流量範囲と比較するステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、前記化学物質注入サブシステムは、前記処理剤を前記流体中に導入するように構成された複数のポンプを備え、前記第3のデータセットは前記基準流量範囲の閾値不一致の範囲外であることに応じて、前記第3の調整プロトコルを開始する指示を前記化学物質注入サブシステムに送信し、前記第3の調整プロトコルは、以下のステップ、すなわち、
第1のポンプをオフにするステップと、
第2のポンプを低速で作動させるステップと、
前記流体中への前記処理剤の流量を測定するステップと、
測定された前記処理剤の流量の少なくとも1つの値を含む第4のデータセットを前記外部コントローラに送信するステップと、及び、
前記化学物質注入サブシステムが第4の調整が必要かどうかを判断するために、前記第4のデータセットを前記基準流量範囲と比較するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、さらに、前記廃棄物収集システムに少なくとも1つの第2のセンサを配備するステップを備え、前記少なくとも1つの第2のセンサは、前記流体または前記処理剤の少なくとも1つのパラメータを測定するように構成されている、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、さらに、前記化学物質注入サブシステムの活動のインジケータに関する少なくとも1つの値を含む前記第2のデータセットを前記外部コントローラに送信し、前記化学物質注入サブシステムが調整を必要とするかどうかを判断するために、前記第2のデータセットを前記基準プロトコルと比較する、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記化学物質注入サブシステムは、前記処理剤の供給源と、前記処理剤を流体中に導入するように構成されたポンプとを備え、前記インジケータは、前記処理剤の供給源の体積およびポンプの回転数の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項12】
所定の処理プロトコルに従って少なくとも1つの処理剤を流体中に導入するように構成された化学物質注入サブシステムを有する廃棄物収集システムにおいて、前記流体を処理する方法であって、以下のステップ、すなわち、
前記廃棄物収集システムに少なくとも1つのセンサを配備し、前記少なくとも1つのセンサは、前記流体または前記少なくとも1つの処理剤の少なくとも1つのパラメータを測定するように構成されるものである、該センサを配備するステップと、
前記流体または前記処理剤の少なくとも1つの測定されたパラメータの少なくとも1つの値を含む第1のデータセットを外部コントローラに送信するステップであり、前記外部コントローラは、少なくとも1つの値およびデータベースから取得されたデータに応じて処理レジメンを決定するように構成されているものである、該外部コントローラに送信するステップと、及び、
前記処理レジメンを含む前記データを前記化学物質注入サブシステムに送信するステップであり、前記化学物質注入サブシステムは、前記処理レジメンに応じて前記所定の処理プロトコルを調整し、調整済み処理プロトコルを生成するように構成されている、前記化学物質注入サブシステムに送信するステップと、
を備える、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記処理剤の少なくとも1つのパラメータは、前記流体中への少なくとも1つの前記処理剤の流量である、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法において、前記流体の少なくとも1つのパラメータは、前記流体への少なくとも1つの前記処理剤の導入速度に関連する、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、前記流体の少なくとも1つのパラメータは、流量、処理剤の濃度、処理対象種の濃度、pH、温度、総懸濁物質(TSS)、総溶解固形物(TDS)、生物学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、導電率、および酸化還元電位(ORP)を含む、方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法において、前記データベースから取得されたデータは、少なくとも1つの測定されたパラメータの履歴値、処理レジメンの履歴データ、および/または履歴データ、測定データ、または予測環境データを含む、方法。
【請求項17】
廃棄物処理管理システムであって、
主要処理施設に繋がる廃棄物収集システムと、
少なくとも1つの処理剤の供給源、及び所定の処理プロトコルに従って前記廃棄物収集システム内の流体に少なくとも1つの処理剤を導入するように構成された少なくとも1つのポンプを含む化学物質注入サブシステムと、
前記流体または少なくとも1つの前記処理剤の少なくとも1つのパラメータを測定するように構成された、少なくとも1つのセンサを含む感知サブシステムと、及び、
前記化学物質注入サブシステムおよび前記感知サブシステムに作動可能に接続された外部コントローラであり、
前記外部コントローラは、前記流体または少なくとも1つの処理剤の少なくとも1つの測定されたパラメータの少なくとも1つの値を含むデータを受信し、
少なくとも1つの値に応じて処理レジメンを決定し、
前記化学的注入サブシステムが調整を必要とするかどうかを判断するために、前記処理レジメンを基準プロトコルと比較し、また
前記化学物質注入サブシステムが調整を必要とすることに応じて、前記化学物質注入サブシステムに、調整プロトコルを開始する指示を送信する、
ように構成された、該外部コントローラと、
を備える、廃棄物処理管理システム。
【請求項18】
請求項17に記載の廃棄物処理管理システムにおいて、前記コントローラはさらに、前記処理レジメンを前記化学物質注入サブシステムに送信するように構成され、前記化学物質注入サブシステムは、処理レジメンに応じて所定の処理プロトコルを調整し、調整された前記処理プロトコルを生成するようにさらに構成される、廃棄物処理管理システム。
【請求項19】
請求項17に記載の廃棄物処理管理システムにおいて、前記化学物質注入サブシステムは複数のポンプから構成され、各ポンプは、前記外部コントローラに作動可能に接続された送受信機含む、廃棄物処理管理システム。
【請求項20】
請求項17に記載の廃棄物処理管理システムにおいて、前記処理剤のパラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、流量計または容積型計量計である、廃棄物処理管理システム。
【請求項21】
請求項17に記載の廃棄物処理管理システムにおいて、流体のパラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、流量、処理剤の濃度、処理対象種の濃度、pH、温度、総懸濁物質(TSS)、総溶解固形物(TDS)、生物学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、導電率、および酸化還元電位(ORP)のうちの少なくとも1つを測定するように構成される、廃棄物処理管理システム。
【請求項22】
請求項17に記載の廃棄物処理管理システムにおいて、前記化学物質注入サブシステムは、感知サブシステムに近接して配置される、廃棄物処理管理システム。
【請求項23】
請求項17に記載の廃棄物処理管理システムにおいて、前記化学物質注入サブシステムは、感知サブシステムから離れて配置される、廃棄物処理管理システム。
【請求項24】
廃棄物処理管理システムを後付けする方法であって、以下のステップ、すなわち、
センシングサブシステムおよび化学物質注入サブシステムに作動可能に接続可能な外部コントローラを準備するステップであり、該外部コントローラは、以下を行う、すなわち、
センシングサブシステムから、流体または処理剤の少なくとも1つの測定されたパラメータの少なくとも1つの値を含むデータを受け取り、
少なくとも1つの値およびデータベースから取得されたデータに応じた処理レジメンを決定し、また、
化学物質注入サブシステムの調整が必要か否かを判断するために、処理レジメンを基準プロトコルと比較する、
よう構成されている、該外部コントローラを準備するステップと、
外部コントローラを感知サブシステムおよび化学物質注入サブシステムに作動可能に接続する命令を与えるステップと、
を備える、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法にであって、さらに、前記化学物質注入サブシステムのポンプを準備するステップと、及びポンプを外部コントローラに作動可能に接続する命令を与えるステップと、を備える方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法にであって、さらに、前記感知サブシステムのセンサを準備するステップと、及び流体または処理剤のパラメータを測定するためにセンサを前記廃棄物収集システムに配備し、また前記センサを前記外部コントローラに動作可能に接続する命令を与えるステップと、を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2021年5月17日に出願された、「流体計量設定値からの変動を自動的に修正する方法(Method for Automatically CorrectingDeviations from Fluid Metering Setpoints)」と題する米国仮出願第63/198,271号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張するものであり、該仮出願はあらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本明細書に開示される態様および実施形態は、一般に、化学物質注入システムに関し、より具体的には、注入量の変動を自動的に検出し調整することができる化学物質注入システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様によれば、廃棄物収集システム内の流体を処理するように構成された化学物質注入サブシステムをモニタリングする方法が提供される。本方法は、廃棄物収集システムに少なくとも1つのセンサを配備することを含んでもよく、該少なくとも1つのセンサは、流体の少なくとも1つのパラメータ又は化学物質注入サブシステムによって流体中に導入された処理剤を測定するように構成される。本方法は、流体または処理剤の少なくとも1つの測定パラメータの少なくとも1つの値を含む第1のデータセットを外部コントローラに送信することを含んでもよく、外部コントローラは、少なくとも1つの値に応じて処理レジメンを決定するように構成される。本方法は、処理レジメンを基準プロトコルと比較して、化学物質注入サブシステムの調整が必要かどうかを決定するステップを含んでもよい。
【0004】
いくつかの実施形態では、基準プロトコルは、データベースから取得されたデータに応じて決定される。
【0005】
いくつかの実施形態において、基準プロトコルは、流体または処理剤の少なくとも1つの測定パラメータの少なくとも1つの値を含む第2のデータセットに応じて決定される。
【0006】
いくつかの実施形態では、化学物質注入サブシステムが調整を必要とすることに応じて、本方法はさらに、調整プロトコルを開始する指示を化学物質注入サブシステムに送信するステップを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、調整プロトコルを終了した後、流体または処理剤の少なくとも1つの測定されたパラメータについての少なくとも1つの値を含む第2のデータセットを外部コントローラに送信するステップを含み、該外部コントローラは、調整プロトコルが成功したかどうかを決定するために、第2のデータセットを第1のデータセットまたは基準データセットと比較するように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、化学物質注入サブシステムは、処理剤の供給源と処理剤を流体中に導入するように構成されたポンプとを備え、調整プロトコルは、一定時間、増加した速度でポンプを作動させることを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、調整プロトコルが失敗したことに応じて、本方法はさらに、第2の調整プロトコルを開始する指示を化学物質注入サブシステムに送信するステップを含む。該第2の調整プロトコルは、低速でポンプを動作させるステップと、流体中への処理剤の流量を測定するステップと、外部コントローラに、処理剤の測定された流量に関する少なくとも1つの値を含む第3のデータセットを送信するステップと、第3のデータセットを基準の流量範囲と比較して、化学物質注入サブシステムが第3の調整を必要とするかどうかを決定するステップとを含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、化学物質注入サブシステムは、処理剤を流体に導入するように構成された1つ以上のポンプを備え、第3のデータセットが基準の流量範囲の閾値不一致の外側にあることに応じて、本方法はさらに、第3の調整プロトコルを開始する指示を化学物質注入サブシステムに送信するステップを含む。該第3の調整プロトコルは、第1のポンプを停止するステップと、第2のポンプを低速で作動させるステップと、流体中への処理剤の流量を測定するステップと、外部コントローラに、処理剤の測定された流量に関する少なくとも1つの値を含む第4のデータセットを送信するステップと、第4のデータセットを基準の流量範囲と比較して、化学物質注入サブシステムが第4の調整を必要とするか否かを決定するステップとを含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、廃棄物収集システムに少なくとも1つの第2のセンサを配備するステップを含み、該少なくとも1つの第2のセンサは、流体または処理剤の少なくとも1つのパラメータを測定するように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、化学物質注入サブシステムの活性の指標に関する少なくとも1つの値を含む第2のデータセットを外部コントローラに送信するステップと、第2のデータセットを基準プロトコルと比較して、化学物質注入サブシステムが調整を必要とするか否かを判定するステップとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、化学物質注入サブシステムは、処理剤の供給源および、処理剤を流体中に導入するように構成されたポンプを備え、インジケータは、処理剤の供給源の体積およびポンプの回転数の少なくとも1つを備える。
【0014】
別の態様によれば、所定の処理プロトコルに従って少なくとも1つの処理剤を流体に導入するように構成された化学物質注入サブシステムを有する廃棄物収集システムにおいて流体を処理する方法が提供される。本方法は、廃棄物収集システムに少なくとも1つのセンサを配備するステップを含んでもよく、該少なくとも1つのセンサは、流体または少なくとも1つの処理剤の少なくとも1つのパラメータを測定するように構成される。本方法は、流体または処理剤の少なくとも1つの測定パラメータに関する少なくとも1つの値を含む第1のデータセットを外部コントローラに送信するステップを含んでよく、該外部コントローラは、少なくとも1つの値およびデータベースから取得されたデータに応じて処理レジメンを決定するように構成される。本方法は、処理レジメンを含むデータを化学物質注入サブシステムに送信するステップを備えてもよく、該化学物質注入サブシステムは、調整済み処理プロトコルを生成するために、処理レジメンに応じて所定の処理プロトコルを調整するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの処理剤のパラメータは、流体中への該少なくとも1つの処理剤の流量である。
【0016】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体のパラメータは、流体への該少なくとも1つの処理剤の導入速度に関連する。
【0017】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体のパラメータは、流量、処理剤の濃度、処理されるべき標的種の濃度、pH、温度、総懸濁固形分(TSS:total suspended solids)、総溶解固形分(TDS:total dissolved solids)、生物学的酸素要求量(BOD:biological oxygen demand)、化学的酸素要求量(COD:chemical oxygen demand)、導電率、および酸化還元電位(ORP:oxidation reduction potential)を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、データベースから取得されるデータは、少なくとも1つの測定パラメータの履歴値、処理レジメンの履歴データ、および/または履歴データ、測定データ、または予測環境データを含む。
【0019】
別の態様によれば、廃棄物処理管理システムが提供される。廃棄物処理管理システムは、主要処理施設に繋がる廃棄物収集システムを含んでよい。廃棄物処理管理システムは、少なくとも1つの処理剤の供給源および、所定の処理プロトコルに従って廃棄物収集システム内の流体に該少なくとも1つの処理剤を導入するように構成された少なくとも1つのポンプを備える、化学物質注入サブシステムを含んでよい。廃棄物処理管理システムは、流体または少なくとも1つの処理剤の少なくとも1つのパラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサを含む感知サブシステムを含んでよい。廃棄物処理管理システムは、化学物質注入サブシステムおよび感知サブシステムに動作可能に接続された外部コントローラを備えることができる。外部コントローラは、流体または少なくとも1つの処理剤の少なくとも1つの測定されたパラメータの少なくとも1つの値を含むデータを受信し、該少なくとも1つの値に応答する処理レジメンを決定し、該処理レジメンを基準プロトコルと比較して、化学物質注入サブシステムが調整を必要とするかどうかを決定し、該化学物質注入サブシステムが調整を必要とすることに応じて、調整プロトコルを開始する指示を化学物質注入サブシステムに送信するように構成され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、コントローラはさらに、化学物質注入サブシステムに処理レジメンを送信するように構成される。化学物質注入サブシステムはさらに、調整された治療プロトコルを生成するために、処理レジメンに応答する所定の処理プロトコルを調整するように構成され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、化学物質注入サブシステムは、1つ以上のポンプを含み、各ポンプは、外部コントローラに動作可能に接続された送受信機を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、処理剤のパラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、流量計または容積計である。
【0023】
いくつかの実施形態では、流体のパラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、流量、処理剤の濃度、処理されるべき標的種の濃度、pH、温度、総懸濁物質(TSS)、総溶解固形物(TDS)、生物学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、導電率、および酸化還元電位(ORP)のうちの少なくとも1つを測定するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、化学物質注入サブシステムは、感知サブシステムに近接して配置される。
【0025】
いくつかの実施形態では、化学物質注入サブシステムは、感知サブシステムから離れた位置に配置される。
【0026】
別の態様によれば、廃棄物処理管理システムを後付けする方法が提供される。本方法は、感知サブシステム及び化学物質注入サブシステムに動作可能に接続可能な外部コントローラを準備するステップを含むことができる。外部コントローラは、流体または処理剤の少なくとも1つの測定されたパラメータに関する少なくとも1つの値を含むデータを感知サブシステムから受信し、少なくとも1つの値およびデータベースから取得したデータに応答する処理レジメンを決定し、処理レジメンを基準プロトコルと比較して、化学物質注入サブシステムが調整を必要とするかどうかを決定するように構成され得る。本方法は、外部コントローラを感知サブシステム及び化学物質注入サブシステムに動作可能に接続するための命令を与えるステップを含んでよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、化学物質注入サブシステムのポンプを準備するステップおよび、ポンプを外部コントローラに動作可能に接続する命令を与えるステップを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、感知サブシステムのセンサを準備するステップおよび、流体または処理剤のパラメータを測定するためにセンサを廃棄物収集システムに配備し、センサを外部コントローラに動作可能に接続する命令を与えるステップを含む。
【0029】
本開示は、前述の態様および/または実施形態のいずれか1つまたは複数のすべての組み合わせ、ならびに詳細な説明および任意の実施例に記載された実施形態のいずれか1つまたは複数との組み合わせを想定する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
添付の図面は縮尺通りに描かれていることを意図していない。図面では、様々な図に図示されている同一またはほぼ同一の各構成要素は、同様の数字で表される。分かりやすくするため、すべての図面にすべての部品が表示されるわけではない。
【
図1】一実施形態に係る廃棄物処理管理システムのボックス図である。
【
図2】一実施形態に係る廃棄物処理管理システムのボックス図である。
【
図5】一実施形態に係る化学物質注入サブシステムをモニタリングする方法のフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係る化学物質注入サブシステムの調整プロトコルのフローチャートである。
【
図7】一実施形態に係る水処理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
廃棄物処理管理システムは一般に、廃液を1つ以上の処理ステーションに導く配管および排水管の広範なネットワークで構成されている。汚染物質および、悪臭種または規制対象種などの望ましくない種のモニタリングおよび中和は、通常、広範なネットワーク内のさまざまな地点で行われる。したがって、このような汚染物質をモニタリングおよび/または中和するために、廃棄物処理管理システム全体に様々な化学物質注入サイトおよびセンサを配置することができる。
【0032】
廃棄物処理管理システム内では、例えば、詰まりの除去またはその他の問題のトラブルシューティングのために、化学物質注入サイトの調整が必要になることが時々ある。化学物質注入サイトはネットワーク全体に点在しており、アクセスが困難な場合があるため、これらのサイトのモニタリングは、多くの場合、稀に予定されている保守点検に依存している。その結果化学物質注入サイトは、検出されないまま長期間、最適ではない条件下で作動する可能性がある。廃棄物処理管理システム内で、化学物質注入サイトを遠隔モニタリングし、問題を検出する必要性が存在している。さらに、廃棄物処理管理システム内で、問題を自動的に検出、ならびに、随意的に化学物質注入サイトの問題を自動的かつ遠隔的に修正し、保守する必要性が存在する。
【0033】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、化学物質注入サイトが調整を必要とするか否かを決定し、例えば、化学物質注入サイトでマニュアル介入することなく、遠隔で指示された通り、1つ以上の調整プロトコルを実行するために採用され得る。特定の実施形態において、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、化学物質注入サイトが調整を必要とするか否かを決定し、例えば、コントローラによって指示されるように、1つ以上の調整プロトコルを自動的に実行するために採用され得る。
【0034】
本明細書で開示されるシステムおよび方法は、流体廃棄物収集システムと共に使用するために採用され得る。特定の例では、本開示は、廃水処理システムおよび/または市水処理システムに関する場合がある。しかしながら、本明細書に開示されたシステムおよび方法は、汚染物質または望ましくない種を含むあらゆる水源に関連して同様に採用することができることに留意すべきである。例えば廃液は、浄水、原子力発電、マイクロエレクトロニクス製造、半導体製造、食品加工(農業用および灌漑用を含む)、繊維製造、製紙製造およびリサイクル、医薬品製造、化学処理、および金属抽出システムまたはプロセスに関連する可能性がある。廃液は、例えば工業廃水からの汚染物質の除去など、工業用途に関連する可能性がある。
【0035】
図1を参照すると、一態様によれば、廃棄物処理管理システム1000が提供される。廃棄物処理管理システム1000は、廃液を処理して処理済み液を生成するように構成された主要処理施設500に繋がる廃水流収集システムを含む。
【0036】
廃棄物処理管理システム1000は、廃水流収集システムに流体的に接続された化学物質注入サブシステム300を含んでもよい。化学物質注入サブシステム300は、廃棄物収集システム内の流体に少なくとも1つの処理剤を導入するように構成され得る。
図1に示されるように、化学物質注入サブシステム300は、処理剤供給源18および、所定の処理プロトコルに従って処理剤を流体中に導入するためのポンプ10を含んでも良よい。
【0037】
廃棄物処理管理システムは、流体または少なくとも1つの処理剤の少なくとも1つのパラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサ20を有する感知サブシステム200を含んでもよい。
図1に示されるように、センサ20は、化学物質注入サブシステム300および/または廃棄物収集システムのパラメータを測定するように配置され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサ20は、処理剤のパラメータを測定するように構成されている。処理剤のパラメータを測定するセンサ20は、流量計または体積量計であってもよい。流量計はポンプ10の下流に配置してもよい。流量計は、計器の較正に従った許容範囲内で、注入サブシステムによって適用される現在の化学物質注入量を測定するように構成されてもよい。以下に詳述するように、選択された精度の範囲内で現在の注入量の値を得るために、測定された注入量に随意的に調整係数を適用することができる。体積量計は、システム内の注入剤の体積量を測定するために、処理剤の供給源18に関連づけてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、該少なくとも1つのセンサ20は、廃棄物収集システム内の流体のパラメータを測定するように構成される。流体のパラメータを測定するセンサ20は、流量、処理剤の濃度、処理対象種の濃度、pH、温度、総懸濁固形分(TSS)、総溶解固形分(TDS)、生物学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、導電率、および酸化還元電位(ORP)のうちの少なくとも1つを測定するように構成され得る。
【0040】
流体のパラメータを測定するセンサ20は、化学物質注入サブシステム300の上流に配置してもよい。化学物質注入サブシステムの上流に配置されたセンサは、流体の所望の処理のために注入サブシステムによって適用される化学物質注入量を決定するために使用されるパラメータを測定することができる。
【0041】
流体のパラメータを測定するセンサ20は、化学物質注入サブシステム300の下流に配置してもよい。化学物質注入サブシステムの下流に配置されたセンサは、化学物質注入サブシステムによって適用される実際の化学物質注入量を決定するために使用されるパラメータを測定することができる。したがって、センサは、化学物質注入サブシステムの調整が必要かどうかを判断するために使用することができる。
【0042】
廃棄物処理管理システムは、化学物質注入サブシステム100および感知サブシステム200に動作可能に接続された外部コントローラ300を含んでもよい。特定の実施形態において、外部コントローラ300は、1つ以上のポンプ10および/または1つ以上のセンサ20に動作可能に接続されてもよい。外部コントローラは、感知サブシステム200から、流体または処理剤の少なくとも1つの測定パラメータの少なくとも1つの値を含むデータを受け取ることができる。外部コントローラ300は、例えば、処理レジメンまたは調整済み処理レジメンに従って動作する指示を含む指示を、化学物質注入サブシステム100に送信することができる。外部コントローラ300は、データ送信器およびデータ受信器から構成され得る。外部コントローラ300は、有線または無線接続によって、化学物質注入サブシステム100および感知サブシステム200に動作可能に接続することができる。特定の実施形態では、外部コントローラ300、化学物質注入サブシステム100、および感知サブシステム200のうちの1つ以上が、システム操作モジュールに接続されている。システム操作モジュールは、外部コントローラ300または他のコンピューティングデバイスなどのコンピューティングデバイスに格納され、また操作されるか、またはクラウド上で格納および操作され、ウェブページによってアクセスすることができる。
【0043】
外部コントローラ300は、データベース400に動作可能に接続されてもよい。外部コントローラ300は、例えば、測定されたパラメータの履歴値、処理レジメンの履歴データ、および/または履歴データ、測定データ、または予測環境データを含むデータをデータベース400から受信することができる。データベース400は、メモリ記憶装置を含んでもよいし、またはメモリ記憶装置に動作可能に接続してもよい。メモリ記憶装置は、ローカルまたはクラウドベースのメモリ記憶装置であってもよい。データベース400は、環境データのソースを含んでもよいし、または環境データのソースに動作可能に接続してもよい。
【0044】
コントローラ300は、典型的には、1つ以上のメモリデバイス(随意的に、データベース400または別のメモリデバイス)に接続された、または複数のプロセッサと関連付けることができ、該メモリデバイスは、例えば、ディスクドライブメモリ、フラッシュメモリデバイス、RAMメモリデバイス、またはデータを記憶するための他のデバイスのいずれか1つ以上を含むことができる。メモリデバイスは、システムの動作中にプログラムおよびデータを保存するために使用することができる。例えば、メモリデバイスは、操作データと同様に、一定期間におけるパラメータに関する履歴データを保存するために使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるコントローラは、外部データストレージに動作可能に接続される場合がある。例えば、コントローラは、外部サーバーおよび/またはクラウドデータストレージ(随意的にデータベース400または別のサーバー)に動作可能に接続してあってもよい。
【0045】
本明細書で開示する任意のコントローラは、コンピュータまたはモバイルデバイスであってもよく、コンピュータまたはモバイルデバイスに動作可能に接続されていてもよい。コントローラは、タッチパッドまたは他の操作インターフェースを含んでもよい。例えば、コントローラは、キーボード、タッチスクリーン、トラックパッド、および/またはマウスを介して操作することができる。コントローラは、当業者に公知のオペレーティングシステム上でソフトウェアを実行するように構成することができる。コントローラは、電源に電気的に接続される。
【0046】
本明細書に開示されるコントローラは、1つ以上の構成要素に電気的に接続されていてもよい。コントローラは、無線接続を介して1つ以上の構成要素に接続されてもよい。例えば、コントローラは、無線ローカルエリアネットワーキング(WLAN:wireless local area networking)、または短波長の超高周波(UHF:ultra-high frequency)電波を介して接続することができる。コントローラはさらに、例えば、コントローラが必要に応じて流体または添加剤を指示できるように、システム内の追加のポンプまたはバルブに操作可能に接続することができる。コントローラは、メモリ記憶装置またはクラウドベースのメモリストレージに結合することができる。
【0047】
本明細書で開示するコントローラは、データをメモリ記憶装置またはクラウドベースのメモリストレージに送信するように構成することができる。このようなデータには、例えば、システムの構成要素の動作パラメータ、測定値、および/またはステータスインジケータが含まれる。外部に保存されたデータは、コンピュータまたはモバイル機器を通じてアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、コントローラまたは外部メモリストレージに関連付けられたプロセッサは、システムの構成要素の動作パラメータ、測定値、および/またはステータスをユーザーに通知するように構成される。例えば、通知はコンピュータまたはモバイル機器にプッシュされることでユーザーに通知される。動作パラメータおよび測定値には、例えば、廃棄物収集システム内の流体または処理剤の特性が含まれる。システムの構成要素のステータスには、例えば、システムの構成要素がオフラインであるか(外部コントローラ300から切り離されているか)、電力が失われたか、調整が必要であるか、メンテナンス(計画的または計画外のメンテナンス)が必要であるか、および/または処理剤の供給源の充填レベルなどの、1つ以上のセンサ、ポンプ、または処理剤の供給源のステータスが含まれ得る。しかしながら、通知は、本明細書に開示されるシステムの構成要素の任意の動作パラメータ、測定、またはステータスに関連する可能性がある。コントローラはさらに、メモリ記憶装置またはクラウドベースのメモリストレージからデータにアクセスするように構成されてもよい。若干の実施形態では、システムの更新などの情報が、外部ソースからコントローラに送信される場合があり得る。
【0048】
複数のコントローラが一緒にシステムを操作するようにプログラムすることもできる。例えば、1つ以上のコントローラが、外部のコンピューティングデバイスと連携するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラおよびコンピューティングデバイスは統合されている。他の実施形態では、本明細書に開示されるプロセスの1つ以上は、手動または半自動で実行される。
【0049】
外部コントローラ300は、プロセッサを含んでもよい。外部コントローラ300は、本明細書に開示される方法に従って、流体または処理剤の少なくとも1つの測定パラメータの少なくとも1つの値を受信し、少なくとも1つの値に応答する処理レジメンを決定するように構成することができる。例えば、外部コントローラ300は、処理レジメンを基準プロトコルと比較して、化学物質注入サブシステムの調整が必要か否かを決定するように構成してもよい。化学物質注入サブシステムが調整を必要とすることに応じて、コントローラは、調整プロトコルを開始する指示を化学物質注入サブシステムに送信するように構成され得る。いくつかの実施形態において、コントローラはさらに、化学物質注入サブシステムに処理レジメンを送信するように構成される。これに応じて、化学物質注入サブシステムは、処理レジメンに応じて所定の処理プロトコルを調整し、調整済み処理プロトコルを生成するように構成される。したがって、コントローラは、本明細書に開示される1つ以上の方法または方法ステップを実行するようにプログラム可能となる、またはプログラムされる。
【0050】
いくつかの実施形態では、
図2に示すように、廃棄物処理管理システム2000は、複数のポンプ10A、10Bを含んでもよい。例えば、化学物質注入サブシステム100は、複数のポンプ10A、10Bを含み得る。各ポンプ10A、10Bは、送受信機を備え、外部コントローラ300に動作可能に接続されていてもよい。各ポンプ10A、10Bは、処理剤供給源18に流体的に接続され得る。他の実施形態では、2つ以上のポンプ10A、10Bの各々は、対応する処理剤供給源に流体的に接続され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、
図2に示すように、廃棄物処理管理システム2000は、複数のセンサ20A、20Bを含んでもよい。例えば、センシングサブシステム200は、複数のセンサ20A、20Bを含み得る。各センサ20A、20Bは、送受信機を備え、外部コントローラ300に動作可能に接続されていてもよい。各センサは、同じ、または異なるパラメータを測定するように構成することができる。
図2に示すように、1つのセンサ20Aは、2つ以上のポンプ10A、10Bに接続し、処理剤のパラメータを測定するように構成され得る。2つ目のセンサ20Bは、廃棄物収集システム内の流体のパラメータを測定するように構成され得る。他の実施形態では、各センサ20A、20Bは、対応するポンプ10A、10Bに接続されていてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、このシステムはセンサよりも多くのポンプで構成され得る。例えば、このシステムは、センサ数よりも少なくとも1個多いポンプ、センサの1.5倍のポンプ、センサの3倍のポンプ、センサの4倍のポンプ、またはそれ以上のポンプを含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、このシステムはポンプよりも多くのセンサで構成され得る。例えば、このシステムは、ポンプ数よりも少なくとも1個多いセンサ、ポンプの1.5倍のセンサ、ポンプの3倍のセンサ、ポンプの4倍のセンサ、またはそれ以上のセンサを含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、化学物質注入サブシステムは、感知サブシステムに近接して配置される。例えば、感知サブシステムは、廃棄物収集システム内で近接する化学物質注入サブシステムの上流または下流に配置してもよい。化学物質注入サブシステムおよび感知サブシステムは、スキッド上に配置することができる。感知サブシステムは、化学物質注入サブシステムから10フィート(約3メートル)、25フィート(約7.6メートル)、50フィート(約15.2メートル)、または100フィート(約30.5メートル)以内に配置することができる。いくつかの実施形態では、感知サブシステムは、化学物質注入サブシステムの下流、かつ、廃棄物収集サブシステムの上流に配置してもよい。いくつかの実施形態では、感知サブシステムは、化学物質注入サブシステムの下流、かつ、廃棄物収集サブシステムの上流に配置してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、化学物質注入サブシステムは、検知サブシステムから離れた位置に配置される。例えば、感知サブシステムは、廃棄物収集システム内の化学物質注入システムから上流または下流に離れて配置してもよい。検知サブシステムは、化学物質注入サブシステムから25フィート(約7.6メートル)以上、50フィート(約15.2メートル)以上、100フィート(約30.5メートル)以上、または300フィート(約91.4メートル)以上離れて配置することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、センサは流量計であってよい。流量計は、計器の較正に従った許容範囲内で、注入サブシステムによって適用される現在の化学物質注入量を測定するように構成されてもよい。流量計は、一般に、注入サブシステムの1日平均流量に較正される。しかし、高注入量および低注入量(1日に短時間、時々発生する)では、流量計に0~7%の誤差が生じることがある。従って、いくつかの実施形態では、選択された範囲で流量計の測定値に調整係数を適用することができる。例えば、流量計または外部コントローラは、値が高い場合、例えば較正済み範囲の1.5倍~3.0倍以内(またはシステムの最大流量まで)、または値が低い場合、例えば較正済み範囲の0.01倍~0.1倍以内で、測定された流量に調整係数を適用することができる。調整係数は0.5~7%、例えば約0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、4.0%、5.0%、6.0%、または7.0%とすることができる。調整係数は、複合計器誤差を考慮しない場合、注入量の0~3%以内の精度、例えば、注入量の約0%、0.1%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、または3.0%内の精度で測定値が得られるように選択することができる。
【0057】
1つの例示的な実施形態では、最大瞬間注入剤流量容量4000ml/分で設計されたシステムは、1日平均流量2000ml/分で運転できるが、短時間、最大4000ml/分または最小100ml/分を経験する。このようなシステムで使用される流量計は、2000ml/分に較正され、較正された流量において計器の許容範囲内で正確である。流量計は注入量の高い方および低い方で、連続的に0~7%の誤差でわずかにずれることがある。調整係数は、流量計の実測値に適用することができ、複合計器誤差を考慮しない場合、注入量の精度2%以内の値を得るために有効である。
【0058】
特定の例示的な実施形態では、流量計は非接触流量計であってもよい。流量計は、流体または処理剤を運ぶ配管に、例えば、配管を実質的に取り囲むように取り付けるように構成することができる。流量計は、0.10インチ~0.25インチ(2.7mm~6.35mm)、0.25インチ~2.0インチ(6.35mm~5.1cm)、または1.5インチ~8.0インチ(3.8cm~20.3cm)の直径を有する配管に適合するサイズにするのがよい。例示的な非接触式液体流量計には、FD-X、FD-Q、およびFD-Rシリーズ流量計(販売元:Keyence Corporation、Itasca、IL)が挙げられる。例示的な非接触式ガス流量計には、FD-G シリーズ流量計(販売元:Keyence Corporation、Itasca、IL)が挙げられる。
【0059】
流量計は超音波流量計であってもよい。超音波流量計は、通常、超音波パルスが流れのファーストサイドの超音波送信素子から流れのセカンドサイドの超音波受信素子に伝搬する時間を測定することによって流量をモニタリングする。流量が増加するにつれて、超音波信号は通常加速され、伝搬時間は減少する。伝搬時間は瞬時流量に直接相関している可能性がある。いくつかの実施形態では、超音波流量計は、より一貫性のある安定した測定値を得るために、2つの信号(1つは流れの方向に動くもの、もう1つは流れの方向に逆らうもの)を同時にモニタリングする。
【0060】
図3は、一つの例示的な超音波非接触流量計20の断面図である。流量計20は、筐体21と、流量計20を配管に固定するためのクランプ22A、22Bと、外部コントローラ300と通信するための送信機23および受信機24と、流量を測定するための超音波送波素子25Aおよび超音波受波素子25Bと、を含む。
【0061】
特定の例示的な実施形態では、ポンプは遠隔操作ポンプであってもよい。ポンプは、様々な速度で前進および後退を含む様々なモードで作動するように構成してもよい。ポンプは、前進および/または後進モードにおいて、少なくとも最高速度および低速、例えば、25%の速度、50%の速度、および75%の速度のうちの少なくとも1つ以上で作動するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ポンプは、任意の選択された速度で作動するように構成され得る。ポンプは、漏れ、予期せぬ抵抗、もしくは、予期せぬまたは定期的なメンテナンスが必要な部品など、1つ以上の作動事象を検知し、ユーザーに通知することができる。
【0062】
ポンプは、手動制御モードまたは自動モードで作動させてよい。自動モードでは、外部コントローラから受信した指示によりポンプを作動させることができ。本明細書に記載されるように、外部コントローラは、1つ以上のセンサおよび/またはデータベースから受信した情報に応じて決定した処理レジメンに従ってポンプが作動するように指示するように構成され得る。外部コントローラは、1つ以上の調整プロトコルを操作する指示をポンプに与えることもできる。そのようなポンプの一例は、qdosTMポンプ(販売元:Watson-MarlowTM Limited, Falmouth, United Kingdom)である。
【0063】
図4は、遠隔操作ポンプ10の概略図である。ポンプ10は、ハウジング11、流体入口および出口12A、12B、送信機13、受信機14、ユーザーインターフェース15、および駆動ユニット16を含む。
【0064】
廃棄物処理管理システムは、それぞれが廃水流収集システム内に位置する複数の感知サブシステムまたはモニタリングステーションを含み得る。各モニタリングステーションは、廃棄物収集システム内の流体のパラメータ、例えば、少なくとも1つの標的種のレベルを、廃水流収集システムのそれぞれの位置で決定するように構成された少なくとも1つのセンサを有することができる。センサは、少なくとも1つの標的種の決定されたレベルの表示を外部コントローラに送信するように構成されてもよい。システムは、複数のモニタリングステーションの少なくとも1つに、近接して、または遠隔に配置された処理ステーションまたは化学物質注入サブシステムを含んでもよい。
【0065】
外部コントローラは、送信された表示を受信し、標的種または流体パラメータの測定値および/または公開データベースから取得されたデータに基づいて、少なくとも1つの処理剤の処理レジメンまたは調整された注入量を決定するように構成され得る。データベースから取得されるデータは、降水量、外気温、外気相対湿度、風速、風向、および気圧のうち1つ以上に関する環境データを含み得る。外部コントローラはさらに、調整された注入量の指標を処理ステーションに送信するように構成されてもよく、処理ステーションはさらに、調整された注入量の指標を受信し、かつ、調整された注入量で少なくとも1つの処理剤を導入するように構成され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、標的種は、流体中の汚染物質または臭いの原因となる種である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、収集システム内の空気または水の1つにおけるH2SまたはH2Sの前駆体の1つの濃度を決定するように構成される。システムは、廃水中に酸素含有ガスを供給するように構成された曝気システムを含んでもよい。
【0067】
少なくとも1つの処理剤は、流体中の臭いの原因となる汚染物質を制御、処理、または低減するように構成された薬剤であってもよい。処理剤は、アントラキノン、pH調整化合物、亜硝酸塩、硝酸塩、亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、または鉄塩水溶液のうち少なくとも1つを含み得る。例示的な実施形態では、廃水流収集システムにおいて廃水中に導入される酸素含有ガスの酸素気泡または気泡が処理剤の構成要素となる。酸素またはガス気泡は、廃水の酸化還元電位を操作するために使用されることがある。
【0068】
いくつかの実施形態において、複数のモニタリングステーションまたは感知サブシステムの各々は、所定のスケジュールに従って、流体または処理剤のパラメータの表示を外部コントローラに送信するように構成され得る。外部コントローラは、複数の処理ステーションのうちの1つ以上の他の処理ステーションの望ましくない動作を補償するために、複数の処理ステーションのうち1つ以上の動作を調整するように構成され得る。
【0069】
廃棄物処理管理システムを後付けする方法が本明細書に開示されている。本方法は、外部コントローラ、化学物質注入サブシステム、または感知サブシステムのうちの1つ以上を準備するステップを含み得る。本方法は、廃棄物収集システム内の流体中に処理剤を導入するためのセンサおよび/またはポンプを準備するステップを含み得る。本方法は、処理剤の供給源を準備するステップを含み得る。
【0070】
本方法は、外部コントローラを感知サブシステムおよび化学物質注入サブシステムの少なくとも一方に動作可能に接続する命令を与えるステップを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、外部コントローラを、検知サブシステムおよび化学物質注入サブシステムのうちの1つ以上に動作可能に接続するステップを含み得る。本方法は、本明細書に開示される方法に従ってコントローラをプログラミングするステップを含み得る。本方法は、例えば、外部コントローラによって指示される、化学物質注入サブシステムおよび/またはポンプの1つ以上の動作パラメータを手動で設定するステップを含んでよい。方法は、例えば、ポンプ速度、処理剤注入量、流量、注入頻度、およびセンサ測定頻度を選択するステップを含んでよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、本方法はさらに、ポンプを外部コントローラに動作可能に接続する命令を与えるステップを含む。いくつかの実施形態において、本方法はさらに、流体または処理剤のパラメータを測定するためにセンサを廃棄物収集システムに配備し、またセンサを外部コントローラに動作可能に接続する命令を与えるステップを含む。
【0072】
別の態様によると、化学物質注入サブシステムをモニタリングする方法が提供される。本方法は、廃棄物収集システムに少なくとも1つのセンサを配備するステップを含み得る。センサは、廃棄物収集システム内の流体または化学物質注入サブシステムによって流体中に導入される処理剤の少なくとも1つのパラメータを測定するように構成され得る。センサの配置は、センサのための場所を選択すること、選択した場所にセンサを設置すること、センサのための1つ以上の動作パラメータ、例えばセンサのための1つ以上の初期動作パラメータを選択すること、およびセンサを外部コントローラに動作可能に接続することのうち、の1つ以上を含み得る。センサは、廃棄物収集システムの流体または気体(例えば、ヘッドスペース)に流体接続してもよい。センサは、処理剤のパラメータを測定するように配置してもよく、例えば、センサは、処理剤を運ぶ配管に設置してもよい。
【0073】
センサは、所定のスケジュールで、測定されたパラメータの少なくとも1つの値を含むデータセットを最初に測定および/または外部コントローラに送信するようにプログラムすることができる。いくつかの実施形態では、データセットは一日1回、1日2回、1日4回、2時間ごと、1時間ごと、30分ごと、または15分ごとに送信してもよい。データセットの測定および/または送信の頻度は、検出されたデータセットの変化率に応じて修正するのがよい。例えば、測定されたパラメータが大幅に異なる場合、周波数を上げるのがよい。測定されたパラメータが以前の測定値と大きく異ならない場合は、周波数を下げるのがよい。加えて、降水量、外気温度、外気相対湿度、風速、風向、大気圧の予測または予期される変化など、予期される環境事象に対応して周波数を増加させることもできる。
【0074】
本方法は、流体又は処理剤の測定されたパラメータの少なくとも1つの値を含む第1のデータセットを外部コントローラに送信するステップを含み得る。第1のデータセットは、測定されたパラメータの複数の値を含んでもよい。例えば、第1のデータセットは、測定されたパラメータについて、2つ、3つ、4つ、5つ、10つ、またはそれ以上の値を含んでよい。外部コントローラは、複数の値を入力値に処理するように構成することができる。例えば、外部コントローラは、入力値を計算するために複数の値を平均化することができる。2つ以上の値は、例えば5分以内、2分以内、1分以内、30秒以内、15秒以内など、短時間で測定することができる。
【0075】
本方法は、例えば入力値に応じて、少なくとも1つの値に応答する処理レジメンを決定するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、外部コントローラは、少なくとも1つの値から処理レジメンを自動的に決定するようにプログラムされ得る。処理レジメンは、システムの現在の動作パラメータを参照することもある。例えば、処理レジメンは、流体中の現在の処理剤の量、流体中への処理剤の現在の注入量または流量、廃液組成、および廃液のヘッドスペースの組成を含んでもよい。
【0076】
本方法は、処理レジメンを基準プロトコルと比較して、化学物質注入サブシステムの調整が必要か否かを決定するステップを含み得る。一部の実施形態では、外部コントローラは、処理レジメンを基準プロトコルと自動的に比較して、化学物質注入サブシステムの調整が必要か否かを決定するようにプログラムしてもよい。基準プロトコルは、システムの望ましいまたは理想的な動作パラメータを参照することがある。例えば、基準プロトコルは、流体中の処理剤の所望または理想的な量、流体中への処理剤の所望または理想的な注入量または流量、廃液組成、および廃液のヘッドスペースの組成を含んでもよい。いくつかの実施形態では、基準プロトコルは、化学物質注入サブシステムに提供される操作指示を参照する場合がある。
【0077】
基準プロトコルは、例えば、外部コントローラに手動で供給されるなどして選択することができる。いくつかの実施形態では、基準プロトコルは、データベースから取得されたデータに応じて決定され得る。例えば、基準プロトコルは、少なくとも1つの測定されたパラメータの履歴値、処理レジメンの履歴データ、および/または履歴データ、測定データ、又は予測環境データに応じて決定することができる。環境データには、降水量の変化、外気温、外気相対湿度、風速、風向、気圧などが含まれてよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、基準プロトコルは、測定されたパラメータに応じて、例えば、測定されたパラメータの第2の値に応じて、決定され得る。本方法は、流体または処理剤の測定されたパラメータの少なくとも1つの値を含む第2のデータセットを外部コントローラに送信するステップを含み得る。第2のデータセットは、センサまたは第2のセンサによって測定および/または送信される。第2のデータセットは、ポンプまたは第2のポンプに関連付けられてもよい。第2のデータセットは、測定されたパラメータの1つ以上の値を含んでもよい。例えば、第2のデータセットは、測定されたパラメータの2つ、3つ、4つ、5つ、10個、またはそれ以上の値を含み得る。外部コントローラは、1つ以上の値を第2の入力値に処理するように構成されてもよい。例えば、外部コントローラは、複数の値を平均して第2の入力値を計算することができる。2つ以上の値は、例えば、5分以内、2分以内、1分以内、30秒以内、または15秒以内など、短時間で測定することができる。
【0079】
こうして、本方法は、例えば、処理レジメンが基準プロトコルの閾値範囲外である場合に、化学物質注入サブシステムの調整が必要であると決定するステップを含み得る。処理レジメンが基準プロトコルの範囲外であることは、化学物質注入サブシステムの実際の操作と化学物質注入サブシステムに与えられた操作指示との間に予期せぬ不一致があることを示す可能性がある。例えば、変動は、化学物質注入サブシステムの配管または化学物質注入サブシステムの供給源に漏れがあること、ポンプまたは配管に処理剤の詰まりまたは結晶化があること、あるいはその他の予期せぬ事象があることを示す可能性がある。
【0080】
処理レジメンが基準プロトコルの基準閾値から外れている場合、化学物質注入サブシステムは調整を必要とすることがある。基準閾値は、基準プロトコル注入量から1%より大きい変動、例えば、基準プロトコル注入量から、3%より大きい、5%より大きい、10%より大きい、または15%より大きい変動を有する注入量であってもよい。いくつかの実施形態では、外部コントローラは、処理レジメンが基準閾値内にあるかどうかを自動的に決定することができる。一部の実施形態では、外部コントローラは、処理レジメンと基準プロトコルとの比較に応じて、化学物質注入サブシステムの調整が必要であることを自動的に決定することができる。
【0081】
化学物質注入サブシステムが調整を必要とすることに応じて、本方法はさらに、調整プロトコルを開始する指示を化学物質注入サブシステムに送信するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、外部コントローラは、調整プロトコルを開始する指示を化学物質注入サブシステムに自動的に送信してもよい。
【0082】
調整プロトコルは、所定時間、ポンプを増速運転するステップを含んでもよい。増加した速度は、化学物質注入サブシステムのポンプまたは配管内の処理剤の詰まりまたは結晶化を除去するのに有効な速度であってもよい。いくつかの実施形態では、調整プロトコルは、ポンプを最大速度の75%~100%、例えば、85%~100%、90%~100%、またはポンプの最大速度の約100%でポンプを作動させるステップを備える。所定時間は、例えば、約1~3分の間、約3~5分の間、約5~10分の間、または約10~30分の間とすることができる。
【0083】
調整プロトコルは、ポンプを低速で作動させるステップを含み得る。低速度は、ポンプの最高速度の約10%~50%、例えば、25%~50%、40%~50%、またはポンプの最大速度の約50%であってよい。本方法は、低速操作中に流体中への処理剤の流量を測定して、測定された流量の少なくとも1つの値を決定するステップを含み得る。本方法は、測定された流量の値を基準流量範囲と比較して、化学物質注入サブシステムが追加調整を必要とするか否かを決定するステップを含んでもよい。
【0084】
いくつかの実施形態において、本方法は、低速操作の間、処理剤の流量について複数の測定を実施するステップを含み得る。本方法は、流量について少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、10個、またはそれ以上の値を入手するステップを含んでもよい。2つ以上の値は、例えば5分以内、2分以内、1分以内、30秒以内、15秒以内など、短時間で測定することができる。基準流量範囲は、基準流量または入力流量から閾値ズレ以内、例えば、基準流量または入力流量から1%以内、例えば、基準流量または入力流量から3%以内、5%以内、10%以内、または15%以内の流量であってもよい。測定された流量が基準流量の範囲内であることは、調整プロトコルが成功したことを示している可能性がある。したがって、流量の測定値が基準流量の範囲内であれば、化学物質注入サブシステムは運転を継続することができる。
【0085】
いくつかの実施形態において、本方法は、低速操作中に測定された、処理剤の流量の少なくとも1つの値を含むデータセットを外部コントローラに送信するステップを含み得る。データセットは、測定された流量の複数の値を含み得る。外部コントローラは、複数の値を流量値に処理するように構成されてもよい。例えば、外部コントローラは、複数の値を平均して流量値を計算することができる。外部コントローラは、データセットまたは流量値を基準流量範囲と比較して、化学物質注入サブシステムが追加調整を必要とするか否かを決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、外部コントローラは、測定された流量の値を処理、流量値を比較、および/または化学物質注入サブシステムが自動的に追加の調整を必要とするか否かを決定することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、システムまたは化学物質注入サブシステムが2つ以上のポンプを備える場合、調整プロトコルは、第1のポンプを停止し、低速で第2のポンプを動作させるステップを含み得る。本方法は、選択されたポンプの低速操作中に流体中への処理剤の流量を測定し、測定された流量を基準流量範囲と比較して、選択されたポンプが追加調整を必要とするか否かを決定することを含むステップを含み得る。本方法は、あるとすればどのポンプに追加調整が必要かを判断するために、最初のポンプまたは後続のポンプで繰り返すことができる。
【0087】
本方法は、例えば、流量を測定し、測定された流量を前述のような基準流量範囲と比較することによって、本明細書に記載された調整プロトコルが成功したか否かを判定するステップを含んでいてもよい。測定された流量が基準流量の範囲内であることは、調整プロトコルが成功したことを示している可能性がある。測定された流量値が基準流量範囲の閾値の範囲外であることは、調整プロトコルが失敗したことを示す可能性がある。調整プロトコルが成功したことに応じて、化学物質注入サブシステムは動作を継続することができる。調整プロトコルが失敗したことに応じて、本方法はさらに、追加の調整プロトコルを開始する指示を化学物質注入サブシステムに送信するステップを含み得る。追加調整プロトコルは、前述のように、ポンプを増速運転すること、ポンプを低速運転すること、または第1および第2のポンプを低速運転することを含んでもよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、本方法は、調整プロトコルを終了した後、調整プロトコルが成功したか否かを判定するために、測定された流量の少なくとも1つの値を含むデータセットを外部コントローラに送信することを含み得る。外部コントローラは、調整プロトコルが成功したか否かを自動的に判定するように構成されてもよい。外部コントローラが、調整プロトコルが成功したと判定したことに応じて、外部コントローラは、動作を継続するように化学物質注入サブシステムに指示を送信することができる。外部コントローラが、調整プロトコルが失敗したと判定したことに応じて、外部コントローラは、前述のように、追加の調整プロトコルを開始するように、化学物質注入サブシステムに指示を送信することができる。
【0089】
いくつかの実施形態において、化学物質注入サブシステムの活性の指標は、処理剤の供給源の容積およびポンプの回転数から選択される。本方法は、インジケータの値を測定し、インジケータの値を基準値と比較して、化学物質注入サブシステムの調整が必要か否かを判定するステップを含んでよい。インジケータの値は、容積型計量計またはポンプのプロセッサによって測定することができる。基準値は、インジケータに対する指示値または期待値、例えば、化学物質注入サブシステムの指示された動作パラメータに従って予想される処理剤の供給源の容積またはポンプの回転数を含んでもよい。
【0090】
インジケータと基準値との間の不一致は、化学物質注入サブシステムの配管または化学物質注入サブシステムの供給源に漏れがあること、ポンプまたは配管に処理剤が詰まるまたは結晶化すること、もしくは、その他の予期せぬ事象があることを示す可能性がある。測定された指標値が基準値の閾値不一致の範囲外であることに応じて、本方法は、前述のように、化学物質注入サブシステムに調整プロトコルを開始するように指示するステップを含んでよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、本方法は、化学物質注入サブシステムの活性の測定されたインジケータの少なくとも1つの値を含むデータセットを外部コントローラに送信するステップを含み得る。外部コントローラは、データセットを基準プロトコルと比較して、化学物質注入サブシステムが自動的に調整を必要とするか否かを判定するように構成され得る。
【0092】
いくつかの実施形態において、本方法はさらに、廃棄物収集システムに少なくとも1つの第2のセンサを配備するステップを含む。本方法は、第2のセンサを外部コントローラに動作可能に接続するステップを含んでもよい。該少なくとも1つの第2のセンサは、第1の配備されたセンサと同じまたは異なる流体、もしくは処理剤のパラメータを測定するように構成され得る。該少なくとも1つの第2センサは、第1センサに近接して配置してもよいし、第1センサから離れて配置してもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、第1のセンサおよび第2のセンサは流量計である。各センサは、システムまたは化学物質注入サブシステムのそれぞれのポンプからの処理剤の流量を測定するように配置してもよい。本方法は、第1のポンプからの測定された流量の少なくとも1つの値を、第2のポンプからの測定された流量の少なくとも1つの値と比較するステップを含んでよい。例えば、本方法は、第1のポンプからの測定された流量に関する少なくとも1つの値を含む第1のデータセットを外部コントローラに送信するステップと、第2のポンプからの測定された流量に関する少なくとも1つの第2の値を外部コントローラに送信するステップとを含んでもよい。コントローラは、第1のデータセットと第2のデータセットとを自動的に比較するように構成されていてもよい。外部コントローラは、第1のデータセットと第2のデータセットの一方を基準流量範囲として使用して、ポンプの1つが調整を必要とするか否かを判定することができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、第1のデータセットおよび第2のデータセットを基準流量範囲と自動的に比較して、前述のように、第1のポンプおよび第2のポンプのうちの1つ以上が調整を必要とするか否かを判定するように構成され得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1のセンサは流量計である。第1のセンサは、システムまたは化学物質注入サブシステムの1つ以上のポンプからの処理剤の流量を測定するように配置され得る。第2のセンサは、流量、処理剤の濃度、処理対象種の濃度、pH、温度、総懸濁固形分(TSS)、総溶解固形分(TDS)、生物学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、導電率、および酸化還元電位(ORP)のうちの1つ以上を測定するように構成され得る。本方法は、第2のセンサによって測定された値、例えば、第2のセンサによって測定された少なくとも1つの値を含むデータセットから基準流量範囲を決定するステップを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第2のセンサによって測定された少なくとも1つの値は、外部コントローラに送信されてもよい。外部コントローラは、例えば、データセットまたは第2のセンサによって測定された少なくとも1つの値に応じて基準流量範囲を決定するように構成されてもよい。
【0095】
図5は、化学物質注入サブシステムをモニタリングする方法のフローチャートである。
図5に示すように、流量計は、定期的に、例えば24時間ごとに作動させることができる。流量計は、廃棄物収集システム内の流体中への処理剤の流量を測定することができる。流量計は、所定の時間内に複数の測定値、例えば、起動後1分以内に3回の測定値を取ることができる。流量測定値は、流量の値を得るために平均化されてもよい。平均化された流量とポンプに提供された操作指示との間の差から、処理レジメンまたは「注入量変動」は計算できる。注入量変動が所定の閾値未満である場合、ポンプは、動作指示の下で動作を継続することができる。注入量変動が所定の閾値よりも大きく、タンクの容量が十分である場合、コントローラは、調整プロトコルを開始するようにポンプに指示することができる。注入量変動が所定の閾値より大きく、タンクの容量が十分でない場合、コントローラはアラームを作動させ、ユーザーに通知することができる。
【0096】
図6は、化学物質注入サブシステム調整プロトコルのフローチャートである。
図6に示すように、注入量変動が存在する場合、ユーザーに通知される。ユーザーは、1つ以上のポンプを手動で点検整備する機会がある。ユーザーがポンプを点検整備した後、または警告が終了した場合、外部コントローラはセルフチェックモードを開始することができる。処理剤の流量計は、廃棄物収集システム内の流体中への処理剤の流量(流率)を測定することができる。流量計は、所定時間内に複数の測定を行ってもよい。流量測定値は、流量の値を得るために平均化されてもよい。平均化された流量とポンプに提供された操作指示との間の差から、処理レジメンまたは注入量変動を再び計算することができる。注入量変動が所定の閾値より小さい場合、ポンプは動作指示の下で動作を継続することができる。注入量変動が所定の閾値よりも大きい場合、外部コントローラは、ポンプに調整プロトコルを開始するように指示することができる。流量計は新たな測定を行い、かつ、新たな注入量変動が計算される可能性がある。新しい注入量変動が所定の閾値より小さい場合、最初の調整は成功し、ポンプは操作指示の下で動作を継続することができる。新しい注入量変動が所定の閾値より大きい場合、調整は成功せず、外部コントローラは、第2の調整プロトコルを開始し、新しい注入量変動を再度計算することができる。新しい注入量変動が所定の閾値より小さい場合、2回目の調整は成功し、ポンプは操作指示の下で動作を継続することができる。新しい注入量変動が所定の閾値より大きい場合、2回目の調整は成功せず、ユーザーに通知される。化学物質注入サブシステムは、その後、手動の点検整備を必要とする場合がある。
【0097】
別の態様によれば、廃棄物収集システムにおいて流体を処理する方法が提供される。廃棄物収集システムは、化学物質注入サブシステムを含むことができる。化学物質注入サブシステムは、所定の処理プロトコルの下で動作するようにプログラムされ得る。所定の処理プロトコルは、手動で選択されてもよいし、データベースから取得されたデータに応じて選択されてもよい。
【0098】
本方法は、廃棄物収集システムに少なくとも1つのセンサを配備するステップを含んでよい。本方法は、流体または処理剤の少なくとも1つの測定されたパラメータの少なくとも1つの値を含むデータセットを外部コントローラに送信するステップを含んでよい。外部コントローラは、少なくとも1つの値およびデータベースから取得されたデータに応答する処理レジメンを決定するように構成され得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、測定されたパラメータは、処理剤の流量である可能性がある。いくつかの実施形態において、測定されたパラメータは、処理剤を流体に導入する速度に関連し得る。したがって、外部コントローラに送信されるデータは、化学物質注入サブシステムの動作に関連する可能性がある。データベースから取得されるデータは、少なくとも1つの測定パラメータの履歴値、処理レジメンの履歴データ、および/または履歴データ、測定データ、または予測環境データを含んでよい。
【0100】
本方法は、処理レジメンを含むデータを化学物質注入サブシステムに送信するステップを含み得る。処理レジメンを含むデータを受信することに応じて、化学物質注入サブシステムは、所定の処理プロトコルを調整して調整済み処理プロトコルを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、外部コントローラは、調整済み処理プロトコルに従って動作するように化学物質注入サブシステムに指示を送信するように構成され得る。
【0101】
従って、廃棄物収集システム内の廃棄物の処理は、システムの動作を示す1つ以上の測定されたパラメータおよびデータベースから得られるデータに応じて調整することができる。プロトコルの調整は定期的に、例えば、毎日、毎週、隔週、毎月、隔月、3ヶ月毎、四半期毎、6ヶ月毎、または毎年、実行することができる。調整の頻度は、調整の程度が閾値を超えることに応じて増加させることができる。調整の頻度は、調整の程度が閾値以内であることに応じて減少させることができる。一般に、外部コントローラは、流体または処理剤の少なくとも1つの測定パラメータに関する少なくとも1つの値を含むデータセットの送信を自動的に要求し、随意的に、送信を要求する頻度を決定するように構成され得る。そして、外部コントローラは、処理レジメンを決定し、所定の処理プロトコルを調整して、調整済み処理プロトコルを自動的に生成するように構成され得る。
【0102】
図7は、廃棄物収集システムにおいて流体を処理する方法のフローチャートである。
図7に示すように、システムの1つ以上のポンプは、所定の処理プロトコルの下で作動し得る。センサは、前述のように、流体または処理剤の複数の測定値をとるために定期的に作動させることができる。センサは、測定値を外部コントローラに送信してもよい。外部コントローラは、測定値およびデータベースから取得したデータに応じて、処理レジメンを決定してもよい。処理レジメンが所定の処理プロトコルの範囲内である場合、ポンプは所定の処理プロトコルの下で作動し続ける。処理レジメンが所定の処理プロトコルの閾値外の場合、外部コントローラはポンプに指示を送信してもよい。その後、ポンプは、調整済み処理プロトコルの下で作動することができる。
【0103】
別の態様によると、廃水流収集システムまたは処理施設において臭気および/または腐食制御を付与する方法が提供される。本方法は、廃水流収集システム内の流体の少なくとも1つのパラメータを測定するステップと、調整係数に基づいて処理剤の注入量を決定するステップであって、該調整係数は、少なくとも1つのプロセス変数の測定に応じて決定され、該処理剤注入量は、廃水流収集システムまたは処理施設のヘッドスペース中の臭気種の濃度が、廃水流収集システム内のある地点において所定の目標値以下となるように制御するのに十分な量である、該処理剤の注入量を決定するステップと、廃水流収集システム内の廃水に処理剤注入量を注入するステップと、を含み得る。本方法は、環境データ源から少なくとも1つの環境変数のデータを取得するステップを含み得る。次いで、調整係数は、少なくとも1つのプロセス変数の測定、および、少なくとも1つの環境変数について受信したデータにも応じて決定され得る。
【0104】
いくつかの実施形態において、流体の少なくとも1つのパラメータは、以前に注入された処理剤量、ヘッドスペース中の臭気種の濃度、廃水組成、廃水pH、廃水温度、廃水流量、廃水導電率、廃水TSS、廃水TDS、廃水ORP、廃水の生物学的酸素要求量、廃水の化学的酸素要求量、廃水中の硫化物濃度、廃水中の残留処理剤、および収集システム内の湿度から選択され得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの環境変数は、降水量、屋外温度、屋外相対湿度、風速、風向、および大気圧から選択される。
【0105】
いくつかの実施形態において、処理剤注入量は、処理剤のベースライン注入量に基づく。ベースライン注入量は、例えばデータベースから得られる少なくとも1つの時間的変数に基づいて決定されてもよい。ベースライン注入量は、ヘッドスペース中の臭気種の濃度に関する履歴データから予測されてもよい。履歴データは、時間帯、曜日、月、および年間の季節データによってカタログ化されてもよい。いくつかの実施形態において、ベースライン注入量は、手動で設定されてもよい。
【実施例】
【0106】
これらおよび他の実施形態の機能および利点は、以下の実施例からより良く理解することができる。この実施例は、本質的に例示を意図したものであり、本発明の範囲を限定するものとはみなされない。
【0107】
[実施例:予測的調整プロトコル]
流量計および2つの注入剤ポンプを含むシステムは、以下のプロトコルで作動する。特に、流量計およびポンプに操作可能に接続された外部コントローラは、以下のプロトコルを開始し、実行することができる。
【0108】
<注入率変動警告の起動>
注入量(Dose Rate)変動警告をトリガーするための基準を以下に説明する。外部コントローラは、選択された間隔で取られた流量計からの複数の処理剤流量の測定値を受信する。ここでは、1分間に3回の測定を行う。測定間隔は、各1分間の30秒、40秒、50秒が選択される。3つの流量(流率)測定値を平均して、化学流量分平均(CFRMA)を計算する。注入量変動は式(1)に従って計算される。
(1)注入量変動(ml/分)=(P1+P2)―CFRMA
ここで、
P1は、第1のポンプに指示された現在の注入量であり、および、
P2は、第2のポンプに指示された現在の注入量である。
【0109】
注入量変動の絶対値が注入量変動の閾値設定値より大きい場合、注入量変動警告が表示される。注入量変動警告が表示され、タンク容量低下アラームが存在しない場合、外部コントローラは注入量変動警告タイマーを開始する。
【0110】
注入量変動警告タイマーを起動すると、ユーザーはセルフチェックモードを開始し、または、シス テムのメンテナンスを行う。外部コントローラは、注入量変動が解決されたかどうかを判断するために、注入量変動の計算を繰り返す。そうでない場合、セルフチェックモードを手動で開始することなく、または注入量変動警告を解決することなく、注入量変動警告タイマーが時間切れになると、外部コントローラは自動的にポンプのセルフチェックモードを開始する。
【0111】
<ポンプセルフチェックモード>
外部コントローラは、注入量変動警告が発生した場合、ポンプを自動的にセルフチェック モードにし、トラブルシューティングシーケンスを開始する。ポンプのセルフチェックは、24時間に1回を超えて開始されることはない。ポンプのセルフチェックは、外部コントローラを介し て、もしくは片方または両方のポンプで直接、ユーザーが開始することもできる。ポンプ注入量変動アラームおよび注入量変動警告を解決するには、ポンプのセルフチェックに成功する必要がある。セルフチェックモードの目的は、目詰まりまたはその他の問題による東洋の修正を試み、修正が不可能な場合は、ユーザーに通知するために、注入量変動の原因となっているポンプを特定することである。
【0112】
セルフチェックモードのシーケンスは以下の通りである。セルフチェックモードが開始され、第1の、または第2のポンプのどちらもが手動モードまたは較正モードでない場合、外部コント ローラは両方のポンプをセルフチェックモードに設定し、シーケンスを開始する。
1.外部コントローラは、ポンプに最大速度で2分間運転するよう指示することで、吸込/排出ラインをきれいにするよう試みる。
2.外部コントローラは、ポンプを半分の容量で2分間運転するよう指示する。
3.センサは30秒、1分、90秒の時点で処理剤の流量を測定し、測定値を外部コントローラに送信する。
4.外部コントローラは、測定された3つの流量を平均し、測定された3つの流量の平均と半分の容量の注入量(P1+P2)との差(誤差)を計算する。
5.外部コントローラは、注入量変動警告が存在するかどうかを以下のように判断する、すなわち、
A. 3つの測定された流量の平均と半分の容量の注入量との間の差/誤差の絶対値が、注入量変動の閾値(5%の不感帯を使用)より小さい場合、外部コントローラはセルフチェックモードを終了し、ポンプを注入モードにリセットし、注入量変動警告を解除する。
B. 3つの測定された流量の平均と半分の容量の注入量との間の差/誤差の絶対値が、注入量変動の閾値(5%の不感帯を使用)より大きい場合、ポンプセルフチェックのステップ6~12を続行する。
6.外部コントローラがポンプ2をオンにする。
7.外部コントローラが、ポンプ1に2分間、半分の容量で運転を継続するよう指示する。
8. センサが、30秒、1分、90秒の時点で処理剤の流量を測定し、測定値を外部コントローラに送信する。
9.外部コントローラは、測定された3つの流量を平均し、測定された3つの流量の平均と半分の容量の注入量(P1+P2)との差(誤差)を計算し、ここで、P1はポンプ1の注入量の半分の容量である。
10. 外部コントローラは、ポンプ1の注入量変動警告が存在するかどうかを以下のように判断する、すなわち、
A.3つの測定された流量の平均とポンプ1の半分の容量の注入量との間の差/誤差の絶対値が、注入量変動の閾値(5%の不感帯を使用)より小さい場合、外部コントローラはポンプ1のセルフチェックモードを終了し、ポンプ1をオフにし、ポンプ2でステップ7~9を繰り返す。
B.3つの測定された流量の平均とポンプ1の半分の容量の注入量との間の差/誤差の絶対値が、注入量変動の閾値(5%の不感帯を使用)より大きい場合、外部コントローラは、ポンプ1の注入量変動アラームを作動させ、ポンプ1をオフにし、ポンプ2でステップ7~9を繰り返す。
11.外部コントローラは、ポンプ2の注入量変動警告が存在するかどうかを以下のように判断する、すなわち、
A.3つの測定された流量の平均とポンプ2の半分の容量の注入量との間の差/誤差の絶対値が、注入量変動の閾値(5%の不感帯を使用)より小さく、外部コントローラがポンプ1のセルフチェックモードを終了させた場合、外部コントローラはポンプ2のセルフチェックモードも終了させる。
B.3つの測定された流量の平均とポンプ2の半分の容量の注入量との間の差/誤差の絶対値が、注入量変動の閾値(5%の不感帯を使用)より小さく、外部コントローラがポンプ1のセルフチェックモードを終了させなかった場合、外部コントローラはポンプ2のセルフチェックモードを終了し、ポンプ1の注入量変動アラームは作動したままとなる。
C.3つの測定された流量の平均とポンプ2の半分の容量の注入量との間の差/誤差の絶対値が、注入量変動の閾値(5%の不感帯を使用)より大きく、外部コントローラがポンプ1のセルフチェックモードを終了させた場合、外部コントローラはポンプ2の注入量変動アラームを作動させる。
D.3つの測定された流量の平均とポンプ2の半分の容量の注入量との間の差/誤差の絶対値が、注入量変動の閾値(5%の不感帯を使用)より大きく、外部コントローラがポンプ1のセルフチェックモードを終了させなかった場合、外部コントローラはポンプ2の注入量変動アラームを作動させ、ポンプ1の注入量変動アラームは作動したままとなる。
12.ポンプ1およびポンプ2のセルフチェックモードが終了した場合(ステップ10A)、外部コントローラはセルフチェックモードを終了し、ポンプを注入モードにリセットし、注入量変動警告を解除する。注入量変動アラームがポンプ1、ポンプ2、またはその両方で作動している場合(ステップ10B~10D)は、外部コントローラはセルフチェックモードプロトコルを繰り返し、一方または両方のポンプをオフにして注入量変動をユーザーに通知する、または、ポンプを注入モードにリセットして注入量変動をユーザーに通知する。
【0113】
セルフチェックモードが完了すると、外部コントローラは注入量変動の計算を繰り返す。注入量変動が注入量変動の閾値(ここでは5%の不感帯を使用)より小さい場合、外部コントローラは注入量変動警告タイマーをリセットする。注入量変動警告タイマーをリセットすると、注入量変動警告が解除され、次の注入量変動の計算が開始されるまで、ここでは、前の計算から24時間、全てのポンプ注入率変動アラームが解除される。外部コントローラは、注入モードの下で作動するようポンプに指示する。
【0114】
本明細書で使用される語句および用語は、説明のためのものであり、限定的なものとみなされるべきではない。本明細書で使用される場合、「複数(“plurality”)」という用語は、2以上の項目または構成要素を指す。用語「備える/含む(“comprising”)」、「含む("including")」、「搬送する/担持する("carrying")」、「有する("having")」、「含有する("containing")」および「伴う("involving")」は、明細書または特許請求の範囲などにかかわらず、オープンエンドの用語であり、すなわち、「~が挙げられるが、限定されない("including but not limited to")」を意味する。したがって、このような用語の使用は、その後に列挙された項目、およびその等価物、ならびに追加的な項目を包含することを意味する。特許請求の範囲に関しては、「~から成る(consisting of)」および「実質的に/ほぼ~から成る(consisting essentially of)」という経過句のみが、それぞれ閉じたまたは半閉じた経過句である。特許請求の範囲において、請求項要素を修飾するために「第1(”first”)」、「第2(“second”)」、および「第3(“third”)」などの序列用語を使用することは、それ自体、ある請求項要素の他の請求項要素に対する優先順位、先行順位、または順序、あるいは、方法の行為が実行される時間的順序を意味するものではなく、請求項要素を区別するために、ある名称を有するある請求項要素を、同じ名称を有する(ただし、序列用語を使用する)他の請求項要素と区別するためのラベルとして使用されるにすぎない。
【0115】
このようにして、少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明したが、当業者には、様々な変更、修正、および改良が容易に生じることが理解されよう。任意の実施形態に記載された任意の特徴は、他の実施形態の任意の特徴に含まれる、または他の実施形態の任意の特徴と置換され得る。このような変更、修正、および改良は、本開示の一部であり、本発明の範囲内であることが意図される。したがって、前述の説明および図面は例示にすぎない。
【0116】
当業者は、本明細書に記載されたパラメータおよび構成は例示的なものであり、実際のパラメータおよび/または構成は、開示された方法および材料が使用される特定の用途に依存することを理解すべきである。当業者はまた、開示された特定の実施形態と等価なものを、日常的な実験以上のものを用いずに認識するか、または確認することができるはずである。
【国際調査報告】