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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ガス供給装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/056 20060101AFI20240517BHJP
   F04D 29/58 20060101ALI20240517BHJP
   F16C 32/06 20060101ALI20240517BHJP
   F16C 37/00 20060101ALI20240517BHJP
   H01M 8/04111 20160101ALI20240517BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20240517BHJP
【FI】
F04D29/056 A
F04D29/58 Q
F04D29/58 S
F16C32/06 Z
F16C37/00 A
H01M8/04111
H01M8/04 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564614
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2022059377
(87)【国際公開番号】W WO2022228860
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】102021204229.5
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】シュトッツ,インゴ
(72)【発明者】
【氏名】フライ,ヤニック ファビアン
【テーマコード(参考)】
3H130
3J102
3J117
5H127
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB27
3H130AB42
3H130AC13
3H130BA31E
3H130CA21
3H130DB01X
3H130DB06X
3H130DG01X
3J102AA02
3J102BA03
3J102BA17
3J102BA18
3J102CA07
3J102GA06
3J117EA03
3J117FA01
3J117GA01
3J117GA03
5H127AC07
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127BB40
5H127EE18
(57)【要約】
本発明は、ガス供給装置(21)であって、軸(23)とガス温度調節装置とを有しており、前記軸(23)が、ハウジング(22)内で、分配ガスにより温度調節される気体軸受装置(18)を用いて回転可能に軸受けされている形式のものに関する。ガス供給装置(21)を製造技術的におよび/または機能的に改善するために、前記ガス温度調節装置が前記ガス供給装置(21)の環状室(33)内で液体温度調節装置(40)と組み合わされている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給装置(21)であって、軸(23)とガス温度調節装置(35)とを有しており、前記軸(23)が、ハウジング(22)内で、分配ガス(43,44)により温度調節される気体軸受装置(18)を用いて回転可能に軸受けされている形式のものにおいて、
前記ガス温度調節装置(35)が前記ガス供給装置(21)の環状室(33)内で液体温度調節装置(40)と組み合わされていることを特徴とする、ガス供給装置(21)。
【請求項2】
前記ガス温度調節装置(35)がガス誘導幾何学的形状(36)を有しており、該ガス誘導幾何学的形状(36)が、リブ、薄片またはフィン等のガス誘導体(37)を有していることを特徴とする、請求項1記載のガス供給装置。
【請求項3】
前記ガス温度調節装置(35)が、前記ガス誘導幾何学的形状(36)を備えた円形に曲げられた金属薄板構成部分(38;54;56;58)を有していることを特徴とする、請求項2記載のガス供給装置。
【請求項4】
前記ガス誘導幾何学的形状(36)が、前記ガス誘導幾何学的形状(36)のガス供給側(46)を前記ガス誘導幾何学的形状(36)のガス導出側(47)から分離する軸方向ウエブ(39)を有していることを特徴とする、請求項3記載のガス供給装置。
【請求項5】
前記ガス温度調節装置(35)がスリーブ状の基体(45)を有していることを特徴とする、請求項2または3記載のガス供給装置。
【請求項6】
前記円形に曲げられた金属薄板構成部分(38;54;56;58)が前記スリーブ状の基体(45)と素材結合されていることを特徴とする、請求項5記載のガス供給装置。
【請求項7】
前記スリーブ状の基体(45)が、前記ガス誘導幾何学的形状(36)のガス供給側(46)を前記ガス誘導幾何学的形状(36)のガス導出側(47)から分離する軸方向ウエブ(39)を有していることを特徴とする、請求項5または6記載のガス供給装置。
【請求項8】
前記液体温度調節装置(50)が、前記基体(45)の内径(41)に配置されていることを特徴とする、請求項5から7までのいずれか1項記載のガス供給装置。
【請求項9】
前記液体温度調節装置(50)が前記ガス温度調節装置(35)の外径(42)に配置されていることを特徴とする、請求項5から8までのいずれか1項記載のガス供給装置。
【請求項10】
前記ガス誘導幾何学的形状(36)が流路(48)を有しており、該流路(48)内で、前記分配ガス(43,44)が前記ガス供給側(41)と前記ガス導出側(42)との間で変向されることを特徴とする、請求項4から9までのいずれか1項記載のガス供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス供給装置であって、軸とガス温度調節装置とを有しており、軸が、ハウジング内で、分配ガスにより温度調節される気体軸受装置を用いて回転可能に軸受けされている形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1により、軸とインペラとスラスト軸受ディスクとを有する、ターボ圧縮機として構成された燃料電池システムのためのターボ機械が公知であり、この場合、インペラおよびスラスト軸受ディスクは軸上に配置されていて、スラスト軸受ディスクに、軸方向で支承するための摺動面が形成されており、この摺動面は対応する軸受面と共にスラスト軸受を形成していて、スラスト軸受ディスクに流体装置が配置されており、この流体装置は冷却液回路内に位置していて、冷却液として、好適には作業液としてインペラを貫流する媒体と同じ媒体が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許公開第102017212815号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許公開第102012224052号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、軸とガス温度調節装置とを有しており、軸が、ハウジング内で、分配ガスにより温度調節される気体軸受装置を用いて回転可能に軸受けされている形式のガス供給装置を製造技術的におよび/または機能的に改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、軸とガス温度調節装置とを有しており、軸が、ハウジング内で、分配ガスにより温度調節される気体軸受装置を用いて回転可能に軸受けされている形式のガス供給装置において、ガス温度調節装置がガス供給装置の環状室内で液体温度調節装置と組み合わされていることによって解決される。ガス供給装置は、好適には電気式に駆動されるターボ圧縮機であって、このターボ圧縮機によって、燃料電池に供給された空気が圧縮される。圧縮された空気から、特に気体軸受を冷却するために使用されるいわゆる分配空気が分岐する。液体温度調節装置により好適にはまず分配空気が先に冷却される。これは、好適な形式で、ガス供給装置内に組み込まれた分配ガス冷却器または分配空気冷却器により行われる。このような分配ガス冷却器または分配空気冷却器のための重要なパラメータは、迅速な熱交換を実現するための冷却装置材料の高い伝導率、コンパクトな構造を実現するための大きい冷却器面、並びにガス供給装置のウォータジャケットまたは液体ジャケットとの良好な接続である。ガス温度調節装置により温度調節されるガス、特に分配空気冷却器で冷却される分配空気は、好適には温度調節に加えて、特にガス供給装置を駆動するために使用される電気機械の回転子を冷却するために用いられてよい。
【0006】
ガス供給装置の好適な実施例は、ガス温度調節装置がガス誘導幾何学的形状を有しており、このガス誘導幾何学的形状が、リブ、薄片またはフィン等のガス誘導体を有していることを特徴としている。リブを有するガス誘導幾何学的形状、特に冷却器幾何学的形状を使用することによって、熱伝導が効果的に改善される。さらに、ガス誘導幾何学的形状によって、ガス温度調節装置、特に冷却器のコンパクトな構造形式が可能となる。したがって、温度調節出力密度、特に冷却出力密度が改善される。
【0007】
ガス供給装置の別の好適な実施例は、ガス温度調節装置が、ガス誘導幾何学的形状を備えた円形に曲げられた金属薄板構成部分を有していることを特徴としている。したがって、一方では、例えばいわゆるオフセットストリップフィン(Offset-Strip-Fin)構造またはランスドオフセットフィン(Lanced-Offset-Fin)構造等の公知のガス誘導幾何学的形状を用いることができる。このような構造は、ドイツ語では“versetzte Streifenflossen「ずらされたストリップフィン」”とも呼ばれている。金属薄板構成部分を円形に曲げることによって、ガス温度調節装置の製造が著しく簡略化される。ガス誘導幾何学的形状を有する金属薄板構成部分は、簡単かつ安価に金属薄板材料、特にアルミニウム薄板材料より、例えば打ち抜き成形および変形によって製造され得る。温度調節時に効果的なガス誘導幾何学的形状の表面は、例えばリブ、薄片またはフィン等の適切なガス誘導体によって好適には、簡単な手段でコンパクトなガス温度調節装置が製造され得るように、拡大することができる。金属薄板構成部分は好適には薄片を備えていてもよい。ガス誘導幾何学的形状内での適切な流れ誘導によって、所望の熱伝導がさらに強められる。
【0008】
ガス供給装置の別の好適な実施例は、ガス誘導幾何学的形状が、ガス誘導幾何学的形状のガス供給側をガス誘導幾何学的形状のガス導出側から分離する軸方向ウエブを有していることを特徴とする。ガス供給側とガス導出側との間で、ガスはガス誘導幾何学的形状を使って好適には何度も変向される。それによって、熱伝導、特にガスの冷却がさらに強められる。
【0009】
ガス供給装置の別の好適な実施例は、ガス温度調節装置がスリーブ状の基体を有していることを特徴とする。スリーブ状の基体は、例えば、概ね直円筒形周壁の形態を有する一種の管体である。スリーブ状の基体は、例えば円形に曲げられたアルミニウム薄板より形成されている。したがって、ガス温度調節装置の製造はさらに簡略化される。
【0010】
ガス供給装置の別の好適な実施例は、円形に曲げられた金属薄板構成部分がスリーブ状の基体と素材結合されていることを特徴とする。円形に曲げられた金属薄板構成部分は例えばスリーブ状の基体にはんだ付けされている。これによって、ガス温度調節装置の製造はさらに簡略化される。
【0011】
ガス供給装置の別の好適な実施例は、スリーブ状の基体が、ガス誘導幾何学的形状のガス供給側をガス誘導幾何学的形状のガス導出側から分離する軸方向ウエブを有していることを特徴とする。これによって、ガス温度調節装置の製造はさらに簡略化される。軸方向ウエブを備えたスリーブ状の基体は、好適にはガス誘導幾何学的形状を有する金属薄板構成部分とは無関係に製造される。したがってガス誘導幾何学的形状を形成するために、例えばいわゆるピンフィン型冷却器等の従来の偏平な金属薄板構成部分を使用することができる。偏平な金属薄板構成部分は、概ね回転対称的な幾何学的形状が得られるまで円形に曲げられる。次いで、円形に曲げられた金属薄板構成部分は、別個に製造された基体にはんだ付けされる。
【0012】
ガス供給装置の別の好適な実施例は、液体温度調節装置が、基体の内径に配置されていることを特徴とする。液体温度調節装置は好適には、基体の内側に当接するウォータジャケットを有している。
【0013】
ガス供給装置の別の好適な実施例は、液体温度調節装置がガス温度調節装置の外径に配置されていることを特徴とする。液体温度調節装置は好適には、ガス温度調節装置の外径に当接するウォータジャケットを有している。別の実施例によれば、液体温度調節装置は2つのウォータジャケットを有しており、これらのウォータジャケットの間にガス温度調節装置を備えた基体が配置されている。これによって、ガス温度調節装置内でのガスの温度調節、特に冷却が最適化される。
【0014】
ガス供給装置の別の好適な実施例は、ガス誘導幾何学的形状が流路を有しており、この流路内で、分配ガスがガス供給側とガス導出側との間で変向されることを特徴とする。ガス供給側とガス導出側との間で、分配ガスは、好適にはほぼ360度変向される。ガス誘導幾何学的形状は、閉じた流路を有していてよい。しかしながらガス誘導幾何学的形状は開放した流路を有していてもよく、この開放した流路を貫流して、温度調節しようとするガスが蛇行状にガイドされる。
【0015】
ガス供給装置の別の好適な実施例は、ガス誘導幾何学的形状が、基体またはガス誘導幾何学的形状と液体温度調節装置との間をシールするために配置されたOリング等の簡単なシール装置と組み合わされていることを特徴とする。これによって、ガス温度調節装置の製造がさらに簡略化される。
【0016】
本発明はさらに、ガス温度調節装置、特にガス誘導幾何学的形状、特に金属薄板構成部分、および/または前記ガス供給装置のための個別構成部分に関する。前記部分は、別個に製造可能である。
【0017】
本発明はさらに、前記ガス温度調節装置を製造するための方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ターボ圧縮機として構成された、従来技術によるターボ機械を備えた燃料電池システムの概略図である。
図2】ガス温度調節装置を受けるために用いられる環状室を備えたガス供給装置の縦断面図であって、この環状室内でガス温度調節装置は液体温度調節装置と組み合わされている。
図3図2に示した環状室単独の横断面図である。
図4図3に示した環状室単独の縦断面図である。
図5】ガス温度調節装置を示すためのガス誘導幾何学的形状の実施例を示す図である。
図6】ガス温度調節装置を示すためのガス誘導幾何学的形状の別の実施例を示す図である。
図7】ガス温度調節装置を示すためのガス誘導幾何学的形状の別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のその他の利点、特徴および詳細は、図面を用いて様々な実施例の詳細が記載されている以下の説明から得られる。
【0020】
図1は、特許文献2により公知である燃料電池システム1を示す。燃料電池システム1は、燃料電池と、空気供給配管3と、排ガス配管4と、圧縮機11と、排気タービン13と、減圧のためのバイパスバルブ5と、燃料を燃料電池2に供給するための詳しく図示していない供給配管と、を有している。バイパスバルブ5は、例えば調整フラップであってよい。バイパスバルブ5として、例えば排気逃し弁が使用されてよい。
【0021】
燃料電池2は、図示していない燃料電池供給配管を介して供給される燃料および酸化剤の化学反応エネルギを電気エネルギに変換するガルヴァーニ電池である。酸化剤は、この実施例では燃料電池2の空気供給配管3を介して供給される吸入空気である。燃料は好適には水素またはメタンまたはメタノールであってよい。相応に、排ガスとして、水蒸気または水蒸気および二酸化炭素が発生する。燃料電池2は、例えば自動車の駆動装置を駆動するために設けられている。例えば、燃料電池2によって生ぜしめられた電気エネルギが自動車1の電動機を駆動する。
【0022】
圧縮機11は、空気供給配管3内に配置されている。排気タービン13は、排ガス配管4内に配置されている。圧縮機11と排気タービン13とは、軸14を介して機械的に接続されている。軸14は、駆動装置20によって電気的に駆動可能である。排気タービン13は、駆動装置20を支援して軸14若しくは圧縮機11を駆動するために用いられる。圧縮機11と軸14と排気タービン13とは一緒に、1つのターボ機械10を形成する。
【0023】
図2には、ガス供給装置21が概略的な縦断面図で示されている。ガス供給装置21は、図1に示されているように、燃料電池システム内で空気を圧縮するための電気的に駆動されるターボ圧縮機である。ガス供給装置21は、簡略化のために、短縮して圧縮機21とも呼ばれる。
【0024】
圧縮機21はハウジング22を有しており、このハウジング22内において、軸23が気体軸受装置18を用いて回転軸線49を中心にして回転可能に軸受けされている。図2の左側の、軸23の端部にインペラ24が固定されている。図2の右側の、軸23の端部にインペラ25が固定されている。
【0025】
インペラ24,25は、それぞれ渦形室26,27内で回転可能である。インペラ24は渦形室26と共に、例えば圧縮機機能を実現するために用いられる。インペラ25は渦形室27と共に、例えばタービン機能を実現するために用いられる。
【0026】
気体軸受装置18は、2つの気体軸受28,29を有している。気体軸受28,29は、例えばラジアル軸受として構成されている。気体軸受装置18は、追加的にさらに少なくとも1つの、図2には図示されていないスラスト軸受を有している。
【0027】
軸23は、駆動装置30によって駆動されている。駆動装置30は、回転子31および固定子32を有する、例えば電動機として構成されている。回転子31は例えば軸23内に組み込まれている。固定子32はハウジング22内に配置されている。ハウジング22は2つの環状室33,34を有している。
【0028】
環状室33,34は一例として示されているだけである。環状室33,34は、例えば少なくとも1つのガス温度調節装置を受けるために用いられ、ガス温度調節装置は、ハウジング22内で少なくとも1つの液体温度調節装置と組み合わされている。
【0029】
ガス温度調節装置は、ガス、特にガス供給装置21の運転中に圧縮される空気を温度調節、特に冷却するために用いられる。圧縮機によって圧縮されるガスは、好適には空気である。
【0030】
圧縮された空気の一部は、燃料電池に供給されるのではなく、分岐されて、ガス供給装置21内で温度調節、特に冷却するために用いられる。分岐または分配された空気は分配空気とも呼ばれる。
【0031】
分配空気若しくは分配ガスは、ガス供給装置21内でガス温度調節装置によって冷却される。したがって、ガス温度調節装置は空気冷却器とも呼ばれる。冷却されたガス、特に冷却された空気は気体軸受28,29、特に空気軸受に供給される。
【0032】
ガス、特に空気を冷却するために、ガス温度調節装置は環状室33内で、例えば水冷装置として構成された液体温度調節装置と組み合わされている。液体温度調節装置は、環状室33内に好適には液体ジャケット特にウォータジャケットを有している。
【0033】
図3に環状室33が単独で示されており、この環状室33内で、ガス温度調節装置35が液体温度調節装置40と組み合わされている。ガス温度調節装置35はガス誘導幾何学的形状36を有しており、このガス誘導幾何学的形状36に沿って、温度調節しようとする、特に冷却しようとするガスが導かれ、好適には変向される。
【0034】
ガス誘導幾何学的形状36はガス誘導体37を有しており、このガス誘導体37は、例えばリブ、薄片またはフィンとして構成されている。このガス誘導幾何学的形状36によって、温度調節しようとするガスが沿って誘導される表面が拡大される。それによって、ガスとガス誘導体37との間で熱伝導が高められる。
【0035】
ガス誘導幾何学的形状36は、特に好適には円形に曲げられた金属薄板構成部分38に設けられている。これによって、ガス供給装置21のためのガス温度調節装置35を実現するために、特に公知のガス誘導幾何学的形状を利用することができる、という利点が得られる。図5乃至図7には、ガス誘導幾何学的形状を備えた金属薄板構成部分54;56;58の斜視図が示されている。
【0036】
金属薄板構成部分54;56;68は、図5に矢印55で示されているように、ガス温度調節装置35を形成するために円形に曲げられる偏平な構成部分である。したがって、金属薄板構成部分54;56;58は概ね回転対称的な形態にされる。
【0037】
円形に曲げられた金属薄板構成部分は、例えば環状室33内に嵌め込まれるか若しくは環状室33内で締め付けられ、はんだ付けされ、溶接されるかまたはその他の形式で接合される。この際に、円形に曲げられた金属薄板構成部分は、好適には液体温度調節装置40と接触せしめられる。この接触は、所望の熱伝導を片側で、つまり半径方向内側若しくは半径方向外側で得るために、または両側で、つまり半径方向内側および半径方向外側で得るために形成されてよい。
【0038】
図3は、矢印43で、軸方向ウエブ39のガス供給側46でガス誘導幾何学的形状36を有するガス温度調節装置35内に流入するガスを示す。ガスは、ガス温度調節装置35内でガス誘導幾何学的形状36のガス誘導体37によって何度も変向される。
【0039】
ガス温度調節装置35内で、ガスはガス誘導幾何学的形状36に接触して温度調節され、特に冷却される。図3には、温度調節された、特に冷却されたガスが、軸方向ウエブ39のガス導出側47でガス誘導幾何学的形状36を有するガス温度調節装置35からどのように流出するかが、矢印44によって示されている。
【0040】
軸方向ウエブ39は、ガス誘導幾何学的形状36自体に形成されていてよい。図3では、軸方向ウエブ39がスリーブ状の基体45に形成されている。スリーブ状の基体45は、図3および図4の概観から分かるように、フランジ付きスリーブの形態を有している。図4に示した形態とは異なり、軸方向ウエブは、基体45の軸方向の寸法全体に亘って延在していてもよい。
【0041】
環状室33は内径41を有している。環状室33の内径41は、図3および図4に示されているように、基体45の内径と合致する。内径41に、例えばウォータジャケットを含有する液体温度調節装置40が当接する。
【0042】
ウォータジャケットを、液状の冷却媒体、例えば水が貫流する。したがって、ガス43,44から、基体45に設けられたガス誘導幾何学的形状36を介して放出される熱が、液体温度調節装置40内の液状の冷却媒体を介して導出される。
【0043】
環状室33は外径42を有している。図4に示されているように、別の液体温度調節装置50が外径42に当接している。それによって、ガス温度調節装置35内のガスは液体温度調節装置50と接触する。
【0044】
例えばウォータジャケットとして構成された液体温度調節装置50とガス誘導幾何学的形状36との間のガス収容室は、簡単な方法および形式で、例えばOリングとして構成されたシール52によってシールされる。
【0045】
基体45は、金属薄板構成部分38にはんだ付けされた、円形に曲げられたアルミニウム薄板だけから成っていてもよい。液体温度調節装置40;50は、図7に示されているように、金属薄板構成部分58を含有していてもよい。金属薄板構成部分50は、例えば液状の媒体、例えば冷却水によって貫流される流路48を有している。
【符号の説明】
【0046】
1 燃料電池システム、自動車
2 燃料電池
3 空気供給配管
4 排ガス配管
5 バイパスバルブ
10 ターボ機械
11 圧縮機
13 排気タービン
14 軸
18 気体軸受装置
20 駆動装置
21 ガス供給装置、圧縮機
22 ハウジング
23 軸
24 インペラ
25 インペラ
26,27 渦形室
28,29 気体軸受
30 駆動装置
31 回転子
32 固定子
33,34 環状室
35 ガス温度調節装置
36 ガス誘導幾何学的形状
37 ガス誘導体
38 金属薄板構成部分
39 軸方向ウエブ
40 液体温度調節装置
41 内径
42 外径
43 矢印、分配ガス
44 矢印、分配ガス
45 基体
46 ガス供給側
47 ガス導出側
48 流路
49 回転軸線
50 液体温度調節装置
52 シール
55 矢印
54;56;58 金属薄板構成部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給装置(21)であって、軸(23)とガス温度調節装置(35)とを有しており、前記軸(23)が、ハウジング(22)内で、分配ガス(43,44)により温度調節される気体軸受装置(18)を用いて回転可能に軸受けされている形式のものにおいて、
前記ガス温度調節装置(35)が前記ガス供給装置(21)の環状室(33)内で液体温度調節装置(40)と組み合わされていることを特徴とする、ガス供給装置(21)。
【請求項2】
前記ガス温度調節装置(35)がガス誘導幾何学的形状(36)を有しており、該ガス誘導幾何学的形状(36)が、リブ、薄片またはフィン等のガス誘導体(37)を有していることを特徴とする、請求項1記載のガス供給装置。
【請求項3】
前記ガス温度調節装置(35)が、前記ガス誘導幾何学的形状(36)を備えた円形に曲げられた金属薄板構成部分(38;54;56;58)を有していることを特徴とする、請求項2記載のガス供給装置。
【請求項4】
前記ガス誘導幾何学的形状(36)が、前記ガス誘導幾何学的形状(36)のガス供給側(46)を前記ガス誘導幾何学的形状(36)のガス導出側(47)から分離する軸方向ウエブ(39)を有していることを特徴とする、請求項3記載のガス供給装置。
【請求項5】
前記ガス温度調節装置(35)がスリーブ状の基体(45)を有していることを特徴とする、請求項3記載のガス供給装置。
【請求項6】
前記円形に曲げられた金属薄板構成部分(38;54;56;58)が前記スリーブ状の基体(45)と素材結合されていることを特徴とする、請求項5記載のガス供給装置。
【請求項7】
前記スリーブ状の基体(45)が、前記ガス誘導幾何学的形状(36)のガス供給側(46)を前記ガス誘導幾何学的形状(36)のガス導出側(47)から分離する軸方向ウエブ(39)を有していることを特徴とする、請求項5または6記載のガス供給装置。
【請求項8】
前記液体温度調節装置(50)が、前記基体(45)の内径(41)に配置されていることを特徴とする、請求項5または6記載のガス供給装置。
【請求項9】
前記液体温度調節装置(50)が前記ガス温度調節装置(35)の外径(42)に配置されていることを特徴とする、請求項5または6記載のガス供給装置。
【請求項10】
前記ガス誘導幾何学的形状(36)が流路(48)を有しており、該流路(48)内で、前記分配ガス(43,44)が前記ガス供給側(41)と前記ガス導出側(42)との間で変向されることを特徴とする、請求項4からまでのいずれか1項記載のガス供給装置。
【国際調査報告】