(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ガラス片を包含するための保護フィルムを伴う車両ディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240517BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240517BHJP
B60K 35/22 20240101ALI20240517BHJP
【FI】
G09F9/00 302
B60R11/02 C
B60K35/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565308
(86)(22)【出願日】2022-05-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 US2022072342
(87)【国際公開番号】W WO2022246385
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301041
【氏名又は名称】アティエヴァ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュンマン、ルーカス
【テーマコード(参考)】
3D020
3D344
5G435
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC02
3D344AA01
3D344AA08
3D344AD01
5G435AA01
5G435BB12
5G435EE03
5G435EE05
5G435GG43
5G435HH05
5G435HH20
5G435LL17
(57)【要約】
車両ディスプレイデバイスは、内部に開口を形成するハウジング;前記ハウジングの前記内部に位置付けられたディスプレイモジュール、前記ディスプレイモジュールは、基板を有する;前記ハウジングの前記内部への前記開口を覆うカバーガラス、前記カバーガラスは、露出したガラス縁によって少なくとも部分的に境界付けられており、前記カバーガラスは、光学的に透き通っている接着剤によって前記基板に取り付けられており、ここで、前記カバーガラスの最外領域は、前記基板の縁部を越えて延在する;及び前記露出したガラス縁の少なくとも一部に沿って位置付けられた保護フィルム、前記保護フィルムは、前記最外領域において前記カバーガラスの内側に取り付けられている、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に開口を形成するハウジング;
前記ハウジングの前記内部に位置付けられたディスプレイモジュール、前記ディスプレイモジュールは、基板を有する;
前記ハウジングの前記内部への前記開口を覆うカバーガラス、前記カバーガラスは、露出したガラス縁によって少なくとも部分的に境界付けられており、前記カバーガラスは、光学的に透き通っている接着剤によって前記基板に取り付けられており、ここで、前記カバーガラスの最外領域は、前記基板の縁部を越えて延在する;及び
前記露出したガラス縁の少なくとも一部に沿って位置付けられた保護フィルム、前記保護フィルムは、前記最外領域において前記カバーガラスの内側に取り付けられている
を備える車両ディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記保護フィルムは、前記露出したガラス縁の全体の周囲に延在する、請求項1に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記露出したガラス縁は、前記カバーガラスの外周全体の周囲に延在する、請求項1に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記保護フィルムは、透明である、請求項1に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記保護フィルムは、ポリマ樹脂を有する、請求項1に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記保護フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムを有する、請求項5に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項7】
前記基板は、前記ディスプレイモジュールのためのアクティブ画素領域を画定する、請求項1に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項8】
前記保護フィルムは、前記アクティブ画素領域に対して全体が外側に位置付けられている、請求項7に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項9】
前記ディスプレイモジュールは、前記ディスプレイモジュールの少なくとも1つの縁部に隣接して位置付けられたフレームをさらに含む、請求項1に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項10】
前記保護フィルム及び前記フレームの間に塗布された接着剤をさらに備える、請求項9に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項11】
前記接着剤は、前記保護フィルム及び前記フレームの間に位置付けられた両面テープに含まれている、請求項10に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項12】
前記接着剤は、前記保護フィルム及び前記フレームを互いに取り付け、前記カバーガラスの前記内側において他の箇所には塗布されていない、請求項10に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項13】
前記フレームは、第1のフレーム及び第2のフレームを有し、ここで、前記接着剤は、前記保護フィルム及び前記第1のフレームの間にのみ塗布されており、ここで、前記第1のフレームは、前記第2のフレームに取り付けられており、ここで、前記第2のフレームは、前記ディスプレイモジュールに取り付けられている、請求項10に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項14】
前記フレームは、前記ディスプレイモジュールの外周全体に隣接して位置付けられている、請求項9に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項15】
前記最外領域及び前記ハウジングの前記縁部の間に位置付けられた発泡体をさらに備える、請求項1に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項16】
前記ディスプレイモジュールは、前記基板の少なくとも1つの縁部に隣接して位置付けられたフレームをさらに含み、前記車両ディスプレイデバイスは、前記発泡体及び前記フレームの間に位置付けられた接着剤をさらに備える、請求項15に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項17】
前記発泡体は、前記保護フィルムに隣接する、請求項15に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項18】
前記車両ディスプレイデバイスは、車両用の計器群デバイスを備える、請求項1に記載の車両ディスプレイデバイス。
【請求項19】
内部に開口を形成するハウジング;
前記ハウジングの前記内部に位置付けられたディスプレイモジュール、前記ディスプレイモジュールは、基板を有する;
前記ハウジングの前記内部への前記開口を覆うカバーガラス、前記カバーガラスは、露出したガラス縁によって少なくとも部分的に境界付けられており、前記カバーガラスは、光学的に透き通っている接着剤によって前記基板に取り付けられており、ここで、前記カバーガラスの最外領域は、前記基板の縁部を越えて延在する;及び
前記カバーガラスのガラス片を包含するための手段、前記手段は、前記露出したガラス縁の少なくとも一部に沿って位置付けられており、前記手段は、前記最外領域において前記カバーガラスの内側に取り付けられている
を備える車両ディスプレイデバイス。
【請求項20】
前記手段は、前記露出したガラス縁の全体の周囲に延在し、ここで、前記手段は、透明であり、ここで、前記手段は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを有する、請求項19に記載の車両ディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年5月17日に出願され、「ガラス片を包含するための保護フィルムを伴う車両ディスプレイデバイス」という発明の名称である米国特許出願第63/201,870号に基づく優先権を主張し、この開示は、参照によってその全体を本明細書に組み込まれる。
【0002】
本文書は、ガラス片を包含するための保護フィルムを伴う車両ディスプレイデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
自動車における電子ディスプレイは、典型的には、閲覧及び相互作用を容易にするために、搭乗者の視線の前方に配置される。電子ディスプレイは、要素からディスプレイを保護するためにカバーガラスで覆われ得、例えばそうして、ディスプレイは、ディスプレイと相互作用するために搭乗者によってタッチされることができる。多くのガラス製品と同様に、ガラス破損及び亀裂が、車両衝突事象又は電子ディスプレイの誤用などのいくつもの方法で生じ得る。
【0004】
いくつかの既存の電子ディスプレイは、カバーガラスの縁部を、プラスチックなどの別の材料のフレーム又はベゼルで覆う。しかしながら、カバーガラスのきれいな外観が非ガラス材料の縁部によって遮られるので、そのようなディスプレイは、美的な魅力が少ないとみなされ得る。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様において、車両ディスプレイデバイスは、内部に開口を形成するハウジング;前記ハウジングの前記内部に位置付けられたディスプレイモジュール、前記ディスプレイモジュールは、基板を有する;前記ハウジングの前記内部への前記開口を覆うカバーガラス、前記カバーガラスは、露出したガラス縁によって少なくとも部分的に境界付けられており、前記カバーガラスは、光学的に透き通っている接着剤によって前記基板に取り付けられており、ここで、前記カバーガラスの最外領域は、前記基板の縁部を越えて延在する;及び前記露出したガラス縁の少なくとも一部に沿って位置付けられた保護フィルム、前記保護フィルムは、前記最外領域において前記カバーガラスの内側に取り付けられている、を備える。
【0006】
実装形態は、以下の特徴のうちのいずれか又は全てを含むことができる。前記保護フィルムは、前記露出したガラス縁の全体の周囲に延在している。前記露出したガラス縁は、前記カバーガラスの外周全体の周囲に延在している。前記保護フィルムは、透明である。前記保護フィルムは、ポリマ樹脂を有する。前記保護フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムを有する。前記基板は、前記ディスプレイモジュールのためのアクティブ画素領域を画定する。前記保護フィルムは、前記アクティブ画素領域に対して全体が外側に位置付けられている。前記ディスプレイモジュールは、前記ディスプレイモジュールの少なくとも1つの縁部に隣接して位置付けられたフレームをさらに含む。前記車両ディスプレイデバイスは、前記保護フィルム及び前記フレームの間に塗布された接着剤をさらに備える。前記接着剤は、前記保護フィルム及び前記フレームの間に位置付けられた両面テープに含まれている。前記接着剤は、前記保護フィルム及び前記フレームを互いに取り付け、前記カバーガラスの前記内側において他の箇所には塗布されていない。前記フレームは、第1のフレーム及び第2のフレームを有し、ここで、前記接着剤は、前記保護フィルム及び前記第1のフレームの間にのみ塗布されており、ここで、前記第1のフレームは、前記第2のフレームに取り付けられており、ここで、前記第2のフレームは、前記ディスプレイモジュールに取り付けられている。前記フレームは、前記ディスプレイモジュールの外周全体に隣接して位置付けられている。前記車両ディスプレイデバイスは、前記最外領域及び前記ハウジングの前記縁部の間に位置付けられた発泡体をさらに備える。前記ディスプレイモジュールは、前記基板の少なくとも1つの縁部に隣接して位置付けられたフレームをさらに含み、前記車両ディスプレイデバイスは、前記発泡体及び前記フレームの間に位置付けられた接着剤をさらに備える。前記発泡体は、前記保護フィルムに隣接する。前記車両ディスプレイデバイスは、車両用の計器群デバイスを備える。
【0007】
第2の態様において、車両ディスプレイデバイスは、内部に開口を形成するハウジング;前記ハウジングの前記内部に位置付けられたディスプレイモジュール、前記ディスプレイモジュールは、基板を有する;前記ハウジングの前記内部への前記開口を覆うカバーガラス、前記カバーガラスは、露出したガラス縁によって少なくとも部分的に境界付けられており、前記カバーガラスは、光学的に透き通っている接着剤によって前記基板に取り付けられており、ここで、前記カバーガラスの最外領域は、前記基板の縁部を越えて延在する;及び前記カバーガラスのガラス片を包含するための手段、前記手段は、前記露出したガラス縁の少なくとも一部に沿って位置付けられており、前記手段は、前記最外領域において前記カバーガラスの内側に取り付けられている、を備える。
【0008】
実装形態は、以下の特徴を含み得る。前記手段は、前記露出したガラス縁の全体の周囲に延在し、ここで、前記手段は、透明であり、ここで、前記手段は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】車両のためのディスプレイデバイスの一例の前面の斜視図を示す。
【0010】
【
図2】
図1のディスプレイデバイスの後面の斜視図を示す。
【0011】
【
図3】
図1のディスプレイデバイスのハウジング及びカバーガラスの部分の一例を示す。
【0012】
【
図4】
図1のディスプレイデバイスのカバーガラス及び内部の断面の一例を示す。
【0013】
【
図5】
図1のディスプレイデバイスのカバーガラス及び内部の断面の別の例を示す。
【0014】
【
図6】
図1のディスプレイデバイスのカバーガラス及び内部の断面の別の例を示す。
【0015】
【
図7】
図1のディスプレイデバイスのカバーガラス及び内部の断面の別の例を示す。
【0016】
【
図8】保護フィルムを伴う
図1のカバーガラスの一例の斜視図を示す。
【0017】
様々な図面における同様の参照符号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本文書は、ガラス片を包含するための保護フィルムを伴う車両ディスプレイデバイスを提供するためのシステム及び技術の例を記載する。いくつかの実装形態は、カバーガラスの破壊又は破損の事象においてガラス破片を包含するために、ディスプレイカバーガラスの裏側に貼り付けられた接着剤付きのポリマベースの透明フィルムを使用する。カバーガラス破壊事象が生じた場合、壊れたガラス要素は、カバーガラスフィルム及びディスプレイモジュールに貼り付けられたまま留まることができる。保護フィルムは、カバーガラスの外周全体に、又はカバーガラスの外周の1つ又は複数の部分に付与されることができる。いくつかのポリマフィルム材料は、比較的大きな伸び特性を有し得、これは、破壊のエネルギーが散逸させられるための場所を提供する。フィルムは、電子ディスプレイの光学性能に対して多くとも無視できるほどの効果を有するように、光学的に透き通っているものであり得る。比較的薄いフィルムは、既存のディスプレイ構造積層体の内部に統合されることができる。例えば、このことは、ディスプレイ境界サイズ又はディスプレイモジュール厚さを増加させる必要を回避することができる。ポリマベースフィルムは、そのようなフィルムがガラスよりも柔軟であり、前側に配置された場合、知覚される視覚又は触覚品質を低下させることがあるので、カバーガラスの裏に配置され得る。フィルムは、光学性能に影響しないように、電子ディスプレイアクティブ画素領域の外側に配置され得る。カバーガラスの裏のフィルムは、ディスプレイモジュールと一体であり、例えばそのようにして、ディスプレイモジュールの構造的なフレーム及び他の構成要素が、カバーガラス上の支持のための保護フィルムに依存することができる。保護フィルムは、ディスプレイモジュール及びカバーガラスの間の構造的なブリッジとして作用することができる。
【0019】
本明細書における例は、保護フィルムについて言及する。本明細書において使用されるように、保護フィルムは、保護フィルムが比較的薄い層に形状を定められ、平面の又は湾曲したガラスパネルに貼り付けられることができる1つ又は複数の材料を含む。保護フィルムは、ポリマ樹脂を含み得る。ポリマ樹脂は、熱可塑性エラストマを含むが、これに限定されない熱可塑性ポリマを含み得る。例えば、保護フィルムは、ポリエチレンテレフタレートを含み得る。
【0020】
本明細書における例は、透明である基板について言及する。本明細書において使用されるように、透明であることは、実質的に、光学的に透き通っていることと同義語として使用される。本明細書において使用されるように、可視光スペクトルの少なくとも一部において少なくとも約80%の透過率を有する場合、(保護フィルム又はカバーガラスなどの)基板は透明である。いくつかの実装形態において、可視光スペクトルの大部分において少なくとも約80%の透過率を有する場合、基板は透明であるとみなされ得る。
【0021】
本明細書における例は、カバーガラスを有するディスプレイデバイスについて言及する。本明細書において使用されるように、カバーガラスは透明基板である。透明基板は、限定されないが、ガラス材料で作製され得る。例えば、カバーガラスが、化学的に強化されたガラスから作製され得る。カバーガラスは、平面的であっても、非平面的であってもよい。例えば、カバーガラスは湾曲形状を有し得る。カバーガラスは、ユーザがカバーガラスを使用して入力を作製することを可能にするように、タッチスクリーン技術の使用に対応し得、コンテンツが、カバーガラスに視覚的に提示される。いくつかの実装形態において、カバーガラスは、2つの例を挙げると、容量性の、及び/又は抵抗性のタッチセンシングの使用を容易にし得る。
【0022】
本明細書における例は、車両ディスプレイデバイスの1つ又は複数の構成要素と共に使用される接着剤について言及する。本明細書において使用されるように、接着剤は、世界中の異なる状況において車両内に生じ得る環境条件に対応する。いくつかの実装形態において、接着剤は、1つ又は複数の地理的領域において車両に加えられ得る環境試験条件に耐えることが可能であり得る。そのような条件は、いくつかの例を挙げると、温度範囲、湿度範囲、又は太陽光への露出などの、異なる態様のもとでの耐久性又は性能に関連し得る。
【0023】
本明細書における例は、車両について言及する。車両は、乗員又は積荷、又はその両方を輸送する機械である。車両は、少なくとも1つタイプの燃料、又は他のエネルギー源(例えば電気)を使用する1つ又は複数のモータを有することができる。車両の例は車、トラック、及びバスを含むが、これらに限定されない。車輪の数は車両のタイプの間で異なってもよく、車輪のうちの1つ又は複数(例えばすべて)は車両の推進のために使用され得る。車両は、1人又は複数の人物を収容する乗員室を有することができる。少なくとも1人の車両搭乗者を運転者とみなすことができ;このとき、種々のツール、器具又は他のデバイスを運転者に提供することができる。本明細書における例において、車両によって運ばれる任意の人が、車両の「運転者」又は「乗員」と呼ばれ得、その人がその車両を駆動しているかどうか、又は、その人がその車両を駆動するための制御にアクセスしているかどうか、又は、その人がその車両を駆動するための制御を欠いているかどうかは関係ない。
【0024】
本明細書における例は、前方、後方、上方及び下方について言及する。これら及び同様の表現は、視点の明示的又は恣意的な概念に基づき、相対的に物事又は態様を識別する。つまり、これらの用語は、説明を目的として使用された単なる例示であり、唯一可能な位置、方向などを必ずしも示していない。
【0025】
図1は、車両のためのディスプレイデバイス100の一例の前方の斜視図を示す。ディスプレイデバイス100又はその任意の構成要素は、本明細書の他の箇所において説明される1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。いくつかの実装形態において、ディスプレイデバイス100は、車両のダッシュボードの一部であり得る。例えば、ディスプレイデバイス100は、計器群などの形態で、車両の搭乗者にユーザインタフェースを提供し得る。
【0026】
ディスプレイデバイス100は、ハウジング102及びカバーガラス104を含む。ハウジング102は、内部空間内に開口(不可視)を形成し得る。内部空間は、ディスプレイモジュールなどの構成要素を収容し得る。ハウジング102は、ディスプレイデバイス100を車両内の構造に装着するように構成され得る。例えば、ハウジング102は、見ること及び到達することが容易であるように、ディスプレイデバイス100がダッシュボードの前方及び/又は上方に位置付けられることを提供できる。
【0027】
カバーガラス104は、ハウジング102の内部への開口において位置付けられる。カバーガラス104は、ハウジング102内のディスプレイモジュールによって提示されるコンテンツの閲覧を提供し得る。いくつかの実装形態において、カバーガラス104は、タッチスクリーン技術によって、1つ又は複数のタイプのユーザ入力を容易にする。
【0028】
図2は、
図1のディスプレイデバイス100の後方の斜視図を示す。ハウジング102は、ディスプレイデバイス100のディスプレイモジュール又は他の構成要素へのアクセスを可能にすることができる取り外し可能なカバー200を含み得る。取り外し可能なカバー200は、プラスチック又は金属を含むが、これに限定されない任意の適切な材料で作製され得る。ハウジング102は、接続部202を含み得る。例えば、接続部202は、いくつかの構造(例えばダッシュボード)上へのディスプレイデバイス100の装着、及び車両内の他の箇所の他の構成要素及びディスプレイモジュール及び/又はタッチスクリーン構成要素の間の通信を容易にすることができる。
【0029】
図3は、
図1のディスプレイデバイス100のハウジング102及びカバーガラス104の部分の一例を示す。ハウジング102は、内部への開口の周囲に縁部300を有する。カバーガラス104は縁部302を有する。しかしながら、ハウジングの縁部300は、カバーガラス104の縁部302を覆わない。むしろ、カバーガラス104はここでは、ベゼル又はフレームを有しない自由浮遊カバーガラスであり、したがって、縁部302はカプセル化されず、露出したガラス縁である。例えば、縁部302は丸みを帯びた外形を有し得る。いくつかの実装形態において、縁部302は、カバーガラス104の外周全体の周囲に露出したガラス縁である。いくつかの実装形態において、カバーガラス104の外周の一部は、フレーム又はベゼルによって境界付けられ得、次に、縁部302は、カバーガラス104の残りの外周にわたって露出したガラス縁であり得る。
【0030】
カバーガラス104は、そのより中心の部分において、ディスプレイデバイス100の内側のいくつかの構造に取り付けられ得る。しかしながら、そのような構造は、必ずしもカバーガラス104の周縁部に延在しない。むしろ、カバーガラス104の最外領域304は、カバーガラス104の中心が取り付けられている構造を越えて延在し得る。カバーガラス104の最外領域304が固定されていなかった場合、車両が衝突に巻き込まれ、又はディスプレイデバイス100が他の方法で力又は衝撃を受ける場合に、この領域内のガラスが断片化し得る可能性がある。そのような可能性は、例えば以下で記載するような1つ又は複数の保護フィルムの使用によって、除外又は低減されることができる。
【0031】
図4は、
図1のディスプレイデバイス100のカバーガラス104及び内部400の断面の一例を示す。ハウジング102によって形成されている内部400は、縁部300によって画定されている開口を有する。
【0032】
ディスプレイデバイス100は、内部400内に、ここでは部分的にのみ見えるディスプレイモジュール402を含む(例えば、1つ又は複数の構成要素が簡略化のために省略されていてもよい)。ディスプレイモジュール402は、コンテンツを提示するための1つ又は複数の技術を使用することができる。いくつかの実装形態において、ディスプレイモジュールは、薄フィルムトランジスタディスプレイデバイスを使用する。液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)デバイス又は有機LCDは、いくつかの例を挙げると、発光ダイオードを用いて照明されることができる。ディスプレイモジュール402は、カバーガラス104にタッチすること又はジェスチャーを行うことによるユーザ入力を容易にするためのタッチスクリーン技術を含み得る。
【0033】
ディスプレイモジュール402は、コンテンツを提示し、及び/又は入力を検出するために使用されている基板404を含む。カバーガラス104の1つ又は複数の中心の部分は、層406によって基板404に取り付けられ得る。層406は、接着剤を含み得る。例えば、光学的に透き通っている接着剤が、層406として塗布され得る。いくつかの実装形態において、ディスプレイモジュール402は、基板404によって又は他の方法で画定されているアクティブ画素領域を有し得る。アクティブ画素領域は、ディスプレイモジュール402のそれぞれの画像要素が、提示されるべき視覚的なコンテンツを形成するように個別に処理され得る領域に対応する。
【0034】
ディスプレイデバイス100は、ディスプレイモジュール402及び/又はカバーガラス104の配置及び動作を容易にするための内部400の中の1つ又は複数の構造を含み得る。ここで、フレーム408は、ディスプレイモジュール402の縁部に隣接して位置付けられ得る。いくつかの実装形態において、フレーム408は、ディスプレイモジュール402の外周全体、又はその一部の周囲に延在し得る。ここで、フレーム410はカバーガラス104の内側表面に隣接して位置付けられ得る。例えば、フレーム408及び/又は410は、ディスプレイモジュール402の構成要素を共に保持するために使用され得る。
【0035】
ディスプレイデバイス100は、発泡体412を含み得る。いくつかの実装形態において、発泡体412は、カバーガラス104の最外領域304に隣接して、またフレーム410に隣接して位置付けられ得る。例えば、接着剤414は、発泡体412及びフレーム410の間に位置付けられ得る。いくつかの実装形態において、発泡体412は、ハウジング102の内部400に、水分及び汚れが進入することを防止することができる。例えば、発泡体412は、少なくとも部分的に、最外領域304及びハウジング102の縁部300の間に位置付けられ得る。
【0036】
図5は、
図1のディスプレイデバイスのカバーガラス104及び内部400の断面の別の例を示す。カバーガラス104の最外領域304の少なくとも一部は、層500によって固定され得る。層500は、内部400の中の構造に取り付けられ又は貼り付けられ得る。いくつかの実装形態において、層500は、フレーム410に塗布される。層500は、1つ又は複数のタイプの接着剤を含み得る。いくつかの実装形態において、層500は両面テープを含み得る。例えば、そのようなテープは、両面に接着剤が塗布されているスポンジ又は発泡体材料の裏張りを含み得る。いくつかの実装形態において、層500の内部400から反対の側は、例えば以下に記載するように、カバーガラス104の保護フィルムに隣接し得る。
【0037】
図6は、
図1のディスプレイデバイス100のカバーガラス104及び内部400の断面の別の例を示す。この例は、ディスプレイモジュール402の縁部に対してフレーム408が位置付けられており、フレーム408に対してフレーム410が位置付けられていることを示す。例えば、クリップ又は他の締結具及び/又は接着剤が、フレーム408及びディスプレイモジュール402を互いに接続するために使用され得る。いくつかの実装形態において、フレーム410はまた、ディスプレイモジュール402への1つ又は複数の接続部(図示せず)を有する。
【0038】
ここで、保護フィルム600は、カバーガラス104の内側に付与される。保護フィルム600は、カバーガラス104からのガラス片を包含することができる。例えばこのことは、カバーガラスが、少なくとも最外領域304において壊れ、又は断片化したであろう場合に発生する。保護フィルム600は、一定の厚さを有し得る。例えば、厚さは、保護フィルム600がガラス片を包含するための十分な能力を提供するように、フィルム材料の伸縮性に基づいて選択され得る。
【0039】
保護フィルム600は、透明であり得、最外領域304においてカバーガラス104の内側表面に(例えば、光学的に透き通っている接着剤を用いて)取り付けられ得る。いくつかの実装形態において、発泡体412は、保護フィルム600に隣接し得る。保護フィルム600は、カバーガラス104の外周の全体、又はその一部の周囲に延在し得る。例えば、保護フィルム600は、縁部302が露出したガラス縁であるカバーガラス104の外周のそのような部分にわたって延在し得る。
【0040】
上記の例は、内部(例えば内部400)に(例えば、縁部300によって)開口を形成するハウジング(例えば、ハウジング102)を含む車両ディスプレイデバイス(例えば、ディスプレイデバイス100)を示す。車両ディスプレイデバイスは、ハウジングの内部に位置付けられたディスプレイモジュール(例えばディスプレイモジュール402)を含む。ディスプレイモジュールは、基板(例えばアクティブ画素領域及び/又はタッチスクリーン機能を画定する基板404)を含む。車両ディスプレイデバイスは、ハウジングの内部への開口を覆うカバーガラス(例えばカバーガラス104)を含む。カバーガラスは、露出したガラス縁(例えば縁部302)によって少なくとも部分的に境界付けられている。カバーガラスは、光学的に透き通っている接着剤(例えば層500)によって基板に取り付けられている。カバーガラスの最外領域(例えば最外領域304)は、基板の縁部を越えて延在する。車両ディスプレイデバイスは、露出したガラス縁の少なくとも一部に沿って位置付けられた保護フィルム(例えば保護フィルム600)を含む。保護フィルムは、(例えば、
図6に示すように)最外領域においてカバーガラスの内側に取り付けられている。
【0041】
図7は、
図1のディスプレイデバイス100のカバーガラス104及び内部400の断面の別の例を示す。この図示は、保護フィルム600及びフレーム410の間に位置付けられた層500(例えば、両面テープなどの接着剤)を示す。いくつかの実装形態において、層500は、保護フィルム600がカバーガラス104の内側を覆うところにのみ付与される。例えば、層500は、保護フィルム600の表面の一部に取り付けられ得る。
【0042】
保護フィルム600は、実質的にカバーガラス104の縁部302まで延在し得る。いくつかの実装形態において、保護フィルム600の頂部縁は、縁部302の許容誤差距離内に位置付けられ得る。例えば、このことは、保護フィルム600の頂部縁を、偶発的に頂部縁が縁部302を越えて延在することにならずに、可能な限り縁部302の近傍に位置付けることを含んでもよい。
【0043】
カバーガラス104の縁部302から離れて、反対の方向に、保護フィルムは、ディスプレイデバイス100の視覚的な外観に影響することなく、実質的に可能な限り遠方に延在し得る。保護フィルム600は、他の構成要素の組立体に干渉しないように、そしてディスプレイデバイス100のアクティブ画素領域に対して全体が外側に位置付けられ得る。いくつかの実装形態において、保護フィルム600の底部縁は、カバーガラス104の中心部分を基板404に取り付ける層406に隣接して、又はそこからいくらか距離を離れて位置付けられ得る。例えば、保護フィルム600の底部縁は、車両の搭乗者によって見える光と干渉しないように、基板404の縁部から短く位置付けられ得る。
【0044】
図8は、保護フィルム800を伴う
図1のカバーガラス104の一例の斜視図を示す。保護フィルム800は、本明細書において他の箇所で記載する1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。この例は、カバーガラス104の後面を示し、保護フィルム800がその内側表面に取り付けられている。保護フィルム800は、カバーガラス104の周縁部全体の周囲に延在している。例えば、カバーガラス104は、カバーガラス104に対して概略的に示されているように、多数のディスプレイモジュール802A-802Cを覆うように構成され得る。保護フィルム800は、カバーガラス104からのガラス片を包含することができる。
【0045】
本明細書の全体を通して使用される用語「実質的に」及び「約」は、処理時のばらつきに起因するものなどの小さい変動を説明及び釈明するために使用される。例えば、それらは、±0.05%より小さいか又は等しいことなどの、±0.1%より小さいか又は等しいことなどの、±0.2%より小さいか又は等しいことなどの、±0.5%より小さいか又は等しいことなどの、±1%より小さいか又は等しいことなどの、±2%より小さいか又は等しいことなどの、±5%より小さいか又は等しいことを指すことができる。また、本明細書において使用されるとき、「a」又は「an」などの不定冠詞は「少なくとも1つ」を意味する。
【0046】
(そのような複数のコンセプトが互いに矛盾しないならば)上記の複数のコンセプト及び以下でより詳細に説明される付加的な複数のコンセプトの全ての組み合わせが、本明細書に開示されている本発明の主題の一部であるとして企図されることを理解されたい。特に、本開示の最後に表れる特許請求された主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される発明の主題の一部であることが企図されている。
【0047】
複数の実装形態について説明してきた。それにもかかわらず、本明細書の思想及び範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが、理解されるであろう。
【0048】
加えて、図に示されている論理の流れは、望ましい結果を得るために、示されている特定の順序、又は連続した順序を必要としない。加えて、他のプロセスが提供されてよく、又は説明された流れからプロセスが削除されてよく、記載したシステムに他の構成要素が付加又は除去されてよい。したがって、他の実装形態が添付の特許請求の範囲に記載の範囲内に含まれる。
【0049】
記載した実装形態のいくつかの特徴は本明細書で記載したように示されてきたが、今や多くの修正、置換、変更、及び均等物が、ここで当業者に思い起こされよう。したがって、添付の特許請求の範囲は、実装形態の範囲内に含まれる全てのそのような修正及び変更を包含することを意図していることが理解されるべきである。それらは限定ではなく単なる例として提示されており、形態及び詳細に様々な変更が加えられてよいことを理解されたい。互いに排他的な組み合わせを除いて、本明細書に記載の装置及び/又は方法の任意の部分が任意の組み合わせで組み合わせられてよい。本明細書に記載の実装形態は、記載した異なる実装形態の機能、構成要素、及び/又は特徴の様々な組み合わせ及び/又は副次的組み合わせを含むことができる。
【国際調査報告】