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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】抜け防止コネクタ
(51)【国際特許分類】
   F16L 15/04 20060101AFI20240517BHJP
   F16B 23/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
F16L15/04 Z
F16B23/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565373
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 CN2022093983
(87)【国際公開番号】W WO2022257727
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202121318387.7
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馮 忠波
(72)【発明者】
【氏名】陳 狄永
(72)【発明者】
【氏名】楼 峰
(72)【発明者】
【氏名】周 峰
【テーマコード(参考)】
3H013
【Fターム(参考)】
3H013JC05
(57)【要約】
接続部(10)であって、接続部(10)上にネジ接続セクション(11)が設置される、接続部(10)と、ボス(20)であって、ボス(20)が接続部(10)の端部または周壁に凸出して設置され、ボス(20)が接続部(10)の周縁または周壁に沿って延在し、ボス(20)が対向設置される受力面(21)及び応力逃げ面(22)を有し、ボス(20)は少なくとも2つであり、2つのボス(20)が接続部(10)の周縁または周壁に沿って離隔して設置され、隣接する2つのボス(20)の間の間隙に挟持区間が形成される、ボス(20)と、を含む抜け防止コネクタであって、受力面(21)と接続部(10)との接続箇所は円弧移行部(50)であり、及び/または、応力逃げ面(22)と接続部(10)との接続箇所は円弧移行部(50)である。当該抜け防止コネクタは、現有技術における管継手が誤操作により容易に抜け落ちてしまう技術的問題を解決することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続部(10)であって、前記接続部(10)上にネジ接続セクション(11)が設置される、接続部(10)と、
ボス(20)であって、前記ボス(20)が前記接続部(10)の端部または周壁に凸出して設置され、前記ボス(20)が前記接続部(10)の周縁または周壁に沿って延在し、前記ボス(20)が対向設置される受力面(21)及び応力逃げ面(22)を有し、前記ボス(20)は少なくとも2つであり、2つの前記ボス(20)が前記接続部(10)の周縁または周壁に沿って離隔して設置され、隣接する2つの前記ボス(20)の間の間隙に挟持区間が形成される、ボス(20)と、を含み、
前記受力面(21)と前記接続部(10)との接続箇所は円弧移行部であり、及び/または、前記応力逃げ面(22)と前記接続部(10)との接続箇所は円弧移行部であることを特徴とする抜け防止コネクタ。
【請求項2】
前記ボス(20)は外弧面(23)を更に含み、前記外弧面(23)は前記受力面(21)と前記応力逃げ面(22)との間に位置し、前記外弧面(23)と前記応力逃げ面(22)との接続箇所は円弧移行部であることを特徴とする請求項1に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項3】
前記接続部(10)は接続管であり、前記ボス(20)の厚みは前記接続管の管壁厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項4】
前記受力面(21)の前記接続部(10)から離間した側に受力サイドライン(211)が形成され、前記受力サイドライン(211)は前記接続部(10)の軸線と平行に設置され、及び/または、
前記受力面(21)は平面であり、前記受力面(21)は前記接続部(10)の軸線と平行に設置され、及び/または、
前記応力逃げ面(22)は曲面であることを特徴とする請求項1に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項5】
前記応力逃げ面(22)は曲面であり、前記応力逃げ面(22)は前記ボス(20)の内部に向けて凹入するように設置されることを特徴とする請求項1に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項6】
前記応力逃げ面(22)と前記接続部(10)の径方向断面との間の挟角をαとすると、20°≦α≦50°であることを特徴とする請求項1に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項7】
前記ボス(20)は補強部を有し、前記補強部は前記ネジ接続セクション(11)から離間した一端に補強端面(24)が形成され、前記補強端面(24)は前記接続部(10)の端面に平行であり、前記挟持区間箇所において前記ネジ接続セクション(11)に近接して前記補強端面(24)に向けて加工平面(13)が設置され、前記加工平面(13)は前記補強端面(24)に平行であることを特徴とする請求項1に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項8】
前記ボス(20)は2つであり、2つの前記ボス(20)は前記接続部(10)の端部または周縁に対称に設置されることを特徴とする請求項1に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項9】
一体成型構造であることを特徴とする請求項1に記載の抜け防止コネクタ。
【請求項10】
接続部(10)であって、前記接続部(10)上にネジ接続セクション(11)が設置される、接続部(10)と、
ボス(20)であって、前記ボス(20)が前記接続部(10)の端部または周壁に凸出して設置され、前記ボス(20)が前記接続部(10)の周縁または周壁に沿って延在し、前記ボス(20)が対向設置される受力面(21)及び応力逃げ面(22)を有し、前記ボス(20)は少なくとも1つであり、前記ボス(20)と前記接続部(10)の周壁との間の間隙に挟持区間が形成される、ボス(20)と、を含み、
前記受力面(21)と前記接続部(10)との接続箇所は円弧移行部であり、及び/または、前記応力逃げ面(22)と前記接続部(10)との接続箇所は円弧移行部であることを特徴とする抜け防止コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年06月11日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202121318387.7、出願名が「抜け防止コネクタ」の特許出願の優先権を要求する。
【0002】
本願は逆止弁技術分野に関するものであり、具体的に述べると、抜け防止コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0003】
現在、現有技術におけるエアコンの蒸発器と接続管とを溶接する際、速やかに取り付けるためには、一般には管継手と継手ナットとを係合して接続しなければならない。しかし、使用、洗浄、メンテナンス過程において、誤操作が出現すると、容易に継手ナットが管継手上から抜け落ち、管路から漏れ出す状況が引き起こされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の主な目的は、抜け防止コネクタを提供し、現有技術における管継手が誤操作により抜け落ち易いという技術的問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するため、本願の1つの態様に基づき、接続部であって、接続部上にネジ接続セクションが設置される、接続部と、ボスであって、ボスが接続部の端部または周壁に凸出して設置され、ボスが接続部の周縁または周壁に沿って延在し、ボスが対向設置される受力面及び応力逃げ面を有し、ボスは少なくとも2つであり、2つのボスが接続部の周縁または周壁に沿って離隔して設置され、隣接する2つのボスの間の間隙に挟持区間が形成される、ボスと、を含む抜け防止コネクタを提供し、受力面と接続部との接続箇所は円弧移行部であり、及び/または、応力逃げ面と接続部との接続箇所は円弧移行部である。
【0006】
更に、ボスは外弧面も含み、外弧面は受力面と応力逃げ面との間に位置し、外弧面と応力逃げ面との接続箇所は円弧移行部である。
【0007】
更に、接続部は接続管であり、ボスの厚みは接続管の管壁厚みよりも大きい。
【0008】
更に、受力面の接続部から離間した側に受力サイドラインが形成され、受力サイドラインは接続部の軸線と平行に設置され、及び/または、受力面は平面であり、受力面は接続部の軸線と平行に設置され、及び/または、応力逃げ面は曲面である。
【0009】
更に、応力逃げ面は曲面であり、応力逃げ面はボスの内部に向けて凹入するように設置される。
【0010】
更に、応力逃げ面と接続部の径方向断面との間の挟角をαとすると、20°≦α≦50°である。
【0011】
更に、ボスは補強部を有し、補強部はネジ接続セクションから離間した一端に補強端面が形成され、補強端面は接続部の端面に平行であり、挟持区間箇所においてネジ接続セクションに近接して補強端面に向けて加工平面が設置され、加工平面は補強端面に平行である。
【0012】
更に、ボスは2つであり、2つのボスは接続部の端部または周縁に対称に設置される。
【0013】
更に、抜け防止コネクタは一体成型構造である。
【0014】
本願の別の態様に基づき、接続部であって、接続部上にネジ接続セクションが設置される、接続部と、ボスであって、ボスが接続部の周壁に凸出して設置され、ボスが接続部の周縁または周壁に沿って延在し、ボスが対向設置される受力面及び応力逃げ面を有し、ボスは少なくとも1つであり、ボスと接続部の周壁との間の間隙に挟持区間が形成される、ボスと、を含む、抜け防止コネクタを提供し、受力面と接続部との接続箇所は円弧移行部であり、及び/または、応力逃げ面と接続部との接続箇所は円弧移行部である。
【0015】
本願の技術案を応用すると、具体的な操作時に、操作工具が受力面に作用して、接続部のネジ接続セクションと第1接続材とをネジ接続する。抜け防止コネクタを第1接続材に取り付けた後は、操作工具が受力面に作用したとしても、抜け防止スリーブを第1接続材に締結することができるだけであり、操作工具が応力逃げ面に作用した場合には、応力逃げ面に作用した応力は接続部に作用することができないため、操作工具を介して速やかに接続部を取り外すことができず、効果的に抜け防止作用を発揮する。また、接続箇所を円弧移行構造に設定することにより、接続箇所における応力の集中を低減して、構造の内部性能を高めることができる。従って、本実施例が提供する抜け防止コネクタを採用することにより、現有技術における管継手が誤操作により抜け落ち易いという技術的問題を解決することができる。
【0016】
本願の一部を構成する明細書添付図面を本願を更に理解するために提供するが、本願の模式的な実施例及びその説明は本願を解釈するためのものであり、本願に対する不当な限定は構成しない。添付図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願の実施例1に基づき提供される、受力面と接続部との接続箇所が円弧移行部である抜け防止コネクタを示す構造概略図である。
図2】本願の実施例1に基づき提供される、受力面と接続部との接続箇所が円弧移行部である抜け防止コネクタの別の角度を示す構造概略図である。
図3】本願の実施例1に基づき提供される、受力面と接続部との接続箇所が円弧移行部である抜け防止コネクタを示す正面図である。
図4】本願の実施例1に基づき提供される、受力面と接続部との接続箇所が円弧移行部である抜け防止コネクタを示す上面図である。
図5】本願の実施例1に基づき提供される抜け防止コネクタを示す片側断面図である。
図6】本願の実施例1に基づき提供される抜け防止コネクタを示す右側面図である。
図7】本願の実施例1に基づき提供される抜け防止コネクタを示す取付構造概略図である。
図8】本願の実施例1に基づき提供される抜け防止コネクタの取付構造を示す正面図である。
図9】本願の実施例1に基づき提供される抜け防止コネクタの取付構造を示す断面図である。 上記添付図面には以下の符号が含まれる。 10 接続部、11 ネジ接続セクション、12 面取り、13 加工平面、20 ボス、21 受力面、211 受力サイドライン、22 応力逃げ面、23 外弧面、24 補強端面、30 第1接続材、40 第2接続材、50 円弧移行部。
【発明を実施するための形態】
【0018】
なお、齟齬をきたさない限り、本願における実施例及び実施例における特徴は相互に組み合わせることができる。以下においては、添付図面を参照し、かつ、実施例を組み合わせて本願について詳細に説明する。
【0019】
図1図9に示されている通り、本願の実施例1では抜け防止コネクタを提供し、抜け防止コネクタは接続部10及びボス20を含み、接続部10にネジ接続セクション11が設置される。ボス20は接続部10の端部または周壁から凸出して設置され、ボス20は接続部10の周縁または周壁に沿って延在し、ボス20は対向設置される受力面21及び応力逃げ面22を有し、ボス20は少なくとも2つであり、2つのボス20は接続部10の周縁または周壁に沿って離隔して設置され、隣接する2つのボス20の間の間隙に挟持区間が形成される。受力面21と接続部10との接続箇所は円弧移行部50であり、または、応力逃げ面22と接続部10との接続箇所は円弧移行部50であり、または、受力面21と接続部10との接続箇所は円弧移行部50であり、応力逃げ面22と接続部10との接続箇所は円弧移行部50である。
【0020】
本実施例が提供する抜け防止コネクタを採用すると、具体的な操作時に、操作工具が受力面21に作用して、接続部10のネジ接続セクション11と第1接続材30とをネジ接続する。抜け防止コネクタを第1接続材30に取り付けた後、操作工具が受力面21に作用したとしても、抜け防止スリーブを第1接続材30に締結することができるだけであり、操作工具が応力逃げ面22に作用した場合には、応力逃げ面22に作用した応力は接続部10に作用することができないため、操作工具を介して速やかに接続部10を取り外すことができず、効果的に抜け防止作用を発揮する。具体的には、操作工具が専用工具である場合は、操作工具が受力面21に密着して受力面21に応力を付与して、抜け防止コネクタを締結し、操作工具を逆方向に操作して応力逃げ面22に作用した場合は、操作工具が応力逃げ面22に沿って抜け防止コネクタから脱離して、抜け防止コネクタを取り外すことができない。また、接続箇所を円弧移行部50に設定することにより、接続箇所における応力の集中を低減して、構造の内部性能を高めることができる。従って、本実施例が提供する抜け防止コネクタを採用することにより、現有技術における管継手が誤操作により抜け落ち易いという技術的問題を解決することができる。
【0021】
好適には、受力面21と接続部10との接続箇所における応力の集中を低減し、応力逃げ面22と接続部10との接続箇所における応力の集中状況を低減するため、本実施例における受力面21と接続部10との接続箇所は円弧移行部50であり、応力逃げ面22と接続部10との接続箇所は円弧移行部50であり、構造の内部性能がより良好に向上している。
【0022】
本実施例において、ボス20は外弧面23を更に含み、外弧面23は受力面21と応力逃げ面22との間に位置し、外弧面23と応力逃げ面22との接続箇所は円弧移行部50である。このような構造設置を採用することにより、外弧面23と応力逃げ面22との接続箇所における応力の集中を低減して、構造の内部性能をより良好に高めることができる。
【0023】
具体的には、本実施例における接続部10は接続管であり、ボス20の厚みは接続管の管壁厚みよりも大きく、具体的には、ボス20の厚みが接続管の厚みよりも大きい部位を補強部の形成に用いることができる。このような構造設置を採用することにより、接続管の強度を高めて、接続管と第2接続材40との接続の安定性を高めることができ、また、ボス20の構造強度を高めて、安定的な締結操作を行うこともできる。
【0024】
具体的には、受力面21の接続部10から離間した側に受力サイドライン211が形成され、受力サイドライン211は接続部10の軸線と平行に設置され、及び/または、受力面21は平面であり、受力面21は接続部10の軸線と平行に設置され、及び/または、応力逃げ面22は曲面である。
【0025】
好適には、本実施例においては、受力面21の接続部10から離間した側に受力サイドライン211が形成され、受力サイドライン211は接続部10の軸線と平行に設置される。併せて受力面21は平面であり、受力面21は接続部10の軸線と平行に設置される。併せて応力逃げ面22は曲面となるように設置される。このような構造設置を採用し、受力サイドライン211を接続部10の軸線と平行に設置すると、接続部10に対する締結操作を行う際に、締結操作過程において締結不良の状況が出現することが回避され、操作の利便性が向上する。受力面21を平面となるように設置するとともに、受力面21を接続部10の軸線と平行に設置することにより、受力面21の受力サイドライン211のみを操作工具と接触作用させて、受力面21のその他の部位が操作工具と接触することを回避することができるため、操作の利便性が向上し、締結を簡便に行うことができる。応力逃げ面22は曲面となるように設置され、操作工具について、応力逃げ面22に沿って操作工具がより良好に脱離することにより、効果的な応力逃げが保証され、かつ、向上する。
【0026】
具体的には、操作工具がモンキーレンチである場合、操作工具が締結操作を行うと、操作工具(本実施例における操作工具は主にモンキーレンチである)は挟持するように設置された2つの受力サイドライン211に作用し、受力サイドライン211の長さを上記範囲内に設定することにより、操作工具と受力サイドライン211との接触位置を保証して、操作工具の安定的な付勢を保証し、操作の安定性を高めることができる。受力サイドライン211に対して逆方向に操作した場合は、操作工具が2つの受力サイドライン211から脱離して、取り外しを実現することができない。
【0027】
本実施例において、応力逃げ面22は曲面であり、応力逃げ面22はボス20の内部に向けて凹入するように設置される。このような構造設置を採用すると、より良好に応力逃げ面と操作工具とを脱離させ、より良好に抜け防止機能を実現することができる。
【0028】
具体的には、応力逃げ面22と接続部10の径方向断面との間の挟角をαとすると、αは60°未満であり、20°≦α≦50°である。つまり、応力逃げ面22の軸方向断面の投影面と径方向断面との間の挟角をαとすると、αは60°未満、好適には20°≦α≦50°であるか、もしくは、応力逃げ面22の接線と接続部10の軸線との間の挟角がαであると理解される。このような構造設置を採用すると、効果的に抜け防止機能を実現することができる。
【0029】
本実施例において、ボス20は補強部を有し、当該補強部はボス20のネジ接続セクション11から離間した一端に補強端面24が形成され、当該補強端面24は接続部10の端面に平行である。隣接する2つのボス20の間に挟持区間が形成され、挟持区間にはネジ接続セクション11に近接しかつ補強端面24に向けて加工平面13が設置され、加工操作の便宜を図るために、当該加工平面13は補強端面24に平行である。
【0030】
本実施例において、接続部10は接続管であり、ネジ接続セクション11は接続管の周壁に設置され、ネジ接続セクション11はボス20と離隔して設置される。抜け防止コネクタは面取り12を更に含み、面取り12は接続管の内壁面に設置され、面取り12は接続管のボス20に近接した一端に位置し、第2接続材40と溶接する際に環状溶加材をプレ設置するために用いられる。このような構造設置を採用すると、ネジ接続セクション11と第1接続材30とを接続し、抜け防止コネクタと第2接続材40とを溶接することにより、第1接続材30内の流通通路と第2接続材40内の流通通路とが簡便に連通する。具体的には、第1接続材30はトランジション及びナットを含み、ナットはトランジション外に嵌設され、かつ、抜け防止コネクタとネジ接続され、トランジションの抜け防止コネクタに近接した一端に口拡開セクションが設けられ、口拡開セクションは、ナットと抜け防止コネクタとの間に位置し、かつ、それぞれナット及び抜け防止コネクタに当接して密封を実現する。
【0031】
具体的には、ボス20は2つであり、2つのボス20は接続部10の端部または周縁に対称に設置される。このような構造設置を採用すると、構造配置が最適化され、構造設置のコンパクト性が向上し、操作にも便利である。
【0032】
本実施例において、抜け防止コネクタは一体成型構造である。加工の便宜を図るため、隣接する2つの凸ブロックの間は加工平面である。2つの凸ブロックの外弧面23はいずれも円弧面である。本実施例におけるネジ接続セクション11は外ネジセクションであり、外ネジセクションは第1接続材30に接続され、外ネジセクションの長さは第1接続材30の内ネジセクションの長さよりも大きく、安定接続の便宜が図られている。本実施例が提供する抜け防止コネクタを採用して、時計回りに締結すると、密封が実現され、逆時計回りでは緩めることができず、取り外すこともできない。
【0033】
本願の実施例2に基づき抜け防止コネクタが提供されており、抜け防止コネクタは、接続部10及びボス20を含み、接続部10にネジ接続セクション11が設置される。ボス20は接続部10の端部または周壁から凸出して設置され、ボス20は接続部10の周縁または周壁に沿って延在し、ボス20は対向設置される受力面21及び応力逃げ面22を有し、ボス20は少なくとも1つであり、ボス20と接続部10の周壁との間の間隙に挟持区間が形成される。受力面21と接続部10との接続箇所は円弧移行部50であり、及び/または、応力逃げ面22と接続部10との接続箇所は円弧移行部50である。
【0034】
本実施例における抜け防止コネクタと実施例1における抜け防止コネクタとの主な違いは挟持区間の違いにある。具体的には、操作時、操作工具を締結操作すると、操作工具の一方の作用端が受力サイドライン211に作用し、操作工具の他方の作用端が周壁に作用し、受力サイドライン211を上記範囲内に設定することにより、操作工具と受力サイドライン211との接触位置を保証して、操作工具の安定的な付勢を保証し、操作の安定性を高めることができる。逆方向に操作した場合、操作工具は応力逃げサイドラインに沿って移動して抜け防止コネクタから脱離し、取り外しの実現は不能となる。従って、本実施例が提供する抜け防止スリーブにより、現有技術における管継手が誤操作により容易に抜け落ちるという技術的問題を解決することができる。
【0035】
具体的には、上記2つの実施例における抜け防止コネクタは、いずれもエアコンの逆止弁に用いることができる。
【0036】
以上の説明からわかるように、本願における上記の実施例では、構造が簡単で、抜け落ちが防止され、作用が安定するという技術的効果が実現されている。なお、ここで使用されている用語は具体的な実施形態を描写するためのものに過ぎず、本願に基づく模式的な実施形態を意図的に制限するものではない。ここで使用されている場合、他の文脈で別途明確に指摘されていない限り、単数形式には意図的に複数形式も含まれ、また、更に理解すべきは、本明細書において用語「包含する」及び/または「含む」を使用している場合、それは特徴、ステップ、操作、デバイス、コンポーネント及び/またはそれらの組合せが存在することを明示している。
【0037】
別途具体的に説明されていない限り、これらの実施例において記述されている部材及びステップの相対的な配置、数字表記式及び数値は本願の範囲を制限するものではない。同時に、明白な通り、簡便に描写するために、添付図面中に示されている各部分の寸法は実際の比例関係に基づいては作図されていない。当業者であれば既知の技術、方法及び機器に対しては詳細な検討を行っていない可能性があるが、適切な状況下において、前記技術、方法及び機器は授権された明細書の一部であると見なすべきである。ここに提示及び検討されているすべての提示例において、何らかの具体的な数値は例示的なものに過ぎないと解釈すべきであり、制限とすべきではない。従って、模式的な実施例のその他の提示例は異なる数値を有することができる。ここで注意すべきは、近似した番号及びアルファベットは下記の添付図面において類似した項目を表示しているため、ひとたびある項目が1つの添付図面において定義されると、その後の添付図面においてそれについて更に検討する必要はない点である。
【0038】
本願の描写において、理解すべき点は、方位詞、例えば「前、後、上、下、左、右」、「横方向、鉛直方向、垂直、水平」及び「頂部、底部」などが指示する方位または位置関係は、通常、添付図面に示されている方位または位置関係に基づいているが、本願を簡便に描写及び描写を簡略化するために、相反する説明が行われていない限り、それらの方位詞は指し示されている装置または要素が特定の方位または特定の方位による構造及び操作を有していなければならないと指示及び暗示はしていないため、本願の保護範囲に対する制限であるとは理解すべきではなく、方位詞「内、外」は各部材本体の輪郭に対する内外を指している。
【0039】
描写の便宜を図るため、ここで使用可能な空間相対用語、例えば「……の上」、「……の上方」、「……の上表面」、「上面の」などは、図中に示されている1つのデバイスまたは特徴とその他のデバイスまたは特徴との空間位置関係を描写している。ここで理解すべきは、空間相対用語は、デバイスの図中で描写された方位を除いた、使用または操作中における異なる方位も包含していることを意味している点である。例えば、添付図面におけるデバイスが倒置されている場合は、「その他のデバイスまたは構造の上方」または「その他のデバイスまたは構造の上」のデバイスが描写された後に、「その他のデバイスまたは構造の下方」または「その他のデバイスまたは構造の下」と位置決めされる。従って、例示的な用語「……の上方」は、「……の上方」及び「……の下方」の2種類の方位を含むことができる。当該デバイスはその他の異なる方式で位置決めし(90度回転またはその他の方位に位置する)、かつ、ここで使用する空間相対描写に対して相応の解釈を行うこともできる。
【0040】
また、ここで説明すべきは、「第1」、「第2」などの用語を使用して部品・部材を限定している場合は、相応の部品・部材を簡便に区別するために行われているだけであり、別途表明されていない限り、上記用語は特別な含意は有していないため、本願の保護範囲に対する制限であるとは理解すべきではない点である。
【0041】
以上の記載は本願の好適な実施例のためのみのものであり、本願を制限するものではなく、当業者に対して述べると、本願は各種の変更及び変化を有することが可能である。本願の精神及び原則内において施された任意の修正、等価な差し替え、改良などは、いずれも本願の保護範囲内に包含されるものとする。
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【国際調査報告】